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特許7579457通信基盤制御システムの効率的スレーブパラメータ管理方法およびその装置
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  • 特許-通信基盤制御システムの効率的スレーブパラメータ管理方法およびその装置 図1
  • 特許-通信基盤制御システムの効率的スレーブパラメータ管理方法およびその装置 図2
  • 特許-通信基盤制御システムの効率的スレーブパラメータ管理方法およびその装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】通信基盤制御システムの効率的スレーブパラメータ管理方法およびその装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
G05B19/05 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023544486
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 KR2022003666
(87)【国際公開番号】W WO2022215888
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0044557
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【復代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 宣喜
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ゴン
(72)【発明者】
【氏名】イ,チョンゴル
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-119906(JP,A)
【文献】特開平06-161521(JP,A)
【文献】特開2020-027460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/04 -19/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスター装置の一つ以上のプロセッサおよびメモリを含む制御部によって遂行されるスレーブパラメータ管理方法において:
前記マスター装置に連結された複数のスレーブ装置に対するパラメータをパラメータ設定装置から受信する段階;
前記受信したパラメータを前記マスター装置の不揮発性メモリで構成された保存部に保存する段階;
前記複数のスレーブ装置にスレーブ情報を要請する段階;
前記スレーブ情報に基づいてパラメータが適用可能であり、装置が他のマスターによって占有されていない第1スレーブ装置および他のマスター装置によって占有中である第2スレーブ装置にロック(Lock)要請を伝送する段階;
前記第1スレーブ装置から受信した前記ロック要請に対する応答が肯定(Ack)であれば、前記保存部に保存された第1スレーブ装置に対するパラメータを前記第1スレーブ装置に伝送する段階;および
前記第2スレーブ装置から受信した前記ロック要請に対する応答が否定(Nack)であれば、前記第2スレーブ装置にスレーブ情報を周期的に要請する段階
を含むことを特徴とする、スレーブパラメータ管理方法。
【請求項2】
前記パラメータを保存する段階は、前記パラメータそれぞれに対するアイディーを生成して共に保存することを特徴とする、請求項1に記載のスレーブパラメータ管理方法。
【請求項3】
マスター装置および一つ以上のスレーブ装置を含むマスター-スレーブシステムのパラメータ管理方法において:
前記マスター装置が前記マスター装置に連結されたすべてのスレーブ装置に対するパラメータをパラメータ設定装置から受信する段階;
前記マスター装置が連結されたスレーブ装置にスレーブ報を要請する段階;
前記スレーブ装置が前記要請に応答して前記マスター装置にスレーブ報を伝送する段階;
前記マスター装置が前記スレーブ情報に基づいてパラメータが適用可能であり、装置が他のマスターによって占有されていない第1スレーブ装置および他のマスター装置によって占有中である第2スレーブ装置にロック(Lock)要請を伝送する段階;
前記第1スレーブ装置及び第2スレーブ装置が前記ロック要請に対する応答を前記マスター装置に伝送する段階;
前記マスター装置が前記第1スレーブ装置から受信した前記ロック要請に対する応答が肯定(Ack)であれば、前記第1スレーブ装置に前記パラメータ設定装置から受信したパラメータを伝送する段階;
前記第1スレーブ装置が前記パラメータを受信すればパラメータ受信完了応答を前記マスター装置に伝送する段階;および、
前記マスター装置が前記第2スレーブ装置から受信した前記ロック要請に対する応答が否定(Nack)であれば、前記第2スレーブ装置にスレーブ情報を周期的に要請する段階
を含む、マスター-スレーブシステムのパラメータ管理方法。
【請求項4】
一つ以上のプロセッサおよびメモリを含む制御部;および
パラメータの保存のための不揮発性メモリからなる保存部;を含むスレーブパラメータ管理装置において
前記制御部は
前記スレーブパラメータ管理装置に連結された複数のスレーブ装置に対するパラメータをパラメータ設定装置から受信し、
前記受信したパラメータを前記保存部に保存し、
前記複数のスレーブ装置にスレーブ情報を要請し、
前記スレーブ情報に基づいてパラメータが適用可能であり、装置が他のマスターによって占有されていない第1スレーブ装置および他のマスター装置によって占有中である第2スレーブ装置にロック(Lock)要請を伝送し、
前記第1スレーブ装置から受信した前記ロック要請に対する応答が肯定(Ack)であれば、前記保存部に保存された第1スレーブ装置に対するパラメータを前記第1スレーブ装置に伝送し、
前記第2スレーブ装置から受信した前記ロック要請に対する応答が否定(Nack)であれば、前記第2スレーブ装置にスレーブ情報を周期的に要請することを特徴とする、スレーブパラメータ管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記受信したパラメータに対してそれぞれパラメータアイディー(ID)を生成して前記保存部に共に保存することを特徴とする、請求項に記載のスレーブパラメータ管理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は制御システムに関し、特にマスタースレーブ構造の制御システムの管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PLC(Programmable Logic Controller)のような制御システムは通信基盤でモジュール化された形態に発展している。このような制御システムは、その規模が大きくなり複雑度も増加することによってマスター装置がスレーブ装置を制御することになる。この時、スレーブ装置の多様な動作を定義した情報がパラメータであり、このパラメータは事前にスレーブ装置に保存されていないとスレーブ装置が正常に動作することができない。
【0003】
スレーブ装置は主に制御システムの末端に位置するため、規模が大きいシステムであるほどスレーブ装置の数が幾何級数的に増加する。したがって、スレーブのメンテナンス方法が不便であるか危険であればメンテナンス費用も共に上昇することになるのである。
【0004】
図1は、従来PLCシステムの一例である。
【0005】
マスター制御器1は、スレーブ装置2、3と通信を通じて連結されてスレーブ装置2、3を制御する。マスター制御器は二つ以上であり得る。
【0006】
従来の制御システム設定方法はスレーブ装置ごとに設定するパラメータの形態や大きさが異なるため、個別的にPC5、6、7等を連結してプログラムや設定をしなければならなかった。
【0007】
このように、各スレーブ装置に個別的にパラメータをダウンロードしなければならないのであれば、各スレーブ装置間の距離が遠いか危険なところに位置した場合、設定作業をするのに過度に長い時間がかかったり事故が発生し得る問題点がある。
【0008】
本発明の発明者らは、このような従来技術のスレーブ装置の設定問題を解決するために鋭意研究してきた。複雑な多様なスレーブ装置の設定時間を減らしメンテナンスの困難を減らし得る通信基盤制御システムの管理方法および装置を完成するために鋭意努力した結果、本発明を完成するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、遠く離れている多くのスレーブ装置のパラメータを一か所で管理し設定することによって、作業者の移動時間を減らしより安全に管理できる方法を提供することである。
【0010】
一方、本発明の明示されていないさらに他の目的は、下記の詳細な説明およびその効果から容易に推論できる範囲内で追加的に考慮されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るスレーブパラメータ管理装置は、
【0012】
一つ以上のプロセッサおよびメモリを含む制御部;およびパラメータの保存のための不揮発性メモリからなる保存部;を含むものの、前記制御部は連結されたすべてのスレーブ装置に対するパラメータを設定装置から受信して前記保存部に保存することを特徴とする。
【0013】
前記制御部は、前記受信したパラメータに対してそれぞれパラメータアイディー(ID)を生成して前記保存部に共に保存することを特徴とする。
【0014】
前記制御部はスレーブ装置の状態情報を要請して、前記スレーブ装置がパラメータの再設定が必要であり他のマスター装置によって占有されていない状態であれば、前記保存部に保存されたパラメータを前記スレーブ装置に伝送することを特徴とする。
【0015】
前記制御部は前記スレーブ装置が他のマスター装置によって占有中である場合、前記状態情報の要請を周期的に繰り返すことを特徴とする。
【0016】
本発明の他の実施例に係るマスター-スレーブシステムのパラメータ管理方法は、
【0017】
前記マスター装置が前記マスター装置に連結されたすべてのスレーブ装置に対するパラメータをパラメータ設定装置から受信する段階;前記マスター装置が連結されたスレーブ装置にスレーブ装置情報を要請する段階;前記スレーブ装置が前記要請に応答して前記マスター装置にスレーブ装置情報を伝送する段階;前記マスター装置が前記スレーブ装置の情報によって前記受信したスレーブ装置に対するパラメータが適用可能であり、前記スレーブ装置が他のマスターによって占有されていなければ、前記スレーブ装置にロック(Lock)要請を伝送する段階;前記スレーブ装置が前記ロック要請に対する応答を前記マスター装置に伝送する段階;前記マスター装置が受信した前記ロック要請に対する応答が肯定(Ack)であれば、前記スレーブ装置に前記パラメータ設定装置から受信したパラメータを伝送する段階;および前記スレーブ装置が前記パラメータを受信すればパラメータ受信完了応答を前記マスター装置に伝送する段階;を含む。
【0018】
本発明のさらに他の実施例に係るスレーブパラメータ管理方法は、
【0019】
連結されたすべてのスレーブ装置に対するパラメータをパラメータ設定装置から受信する段階;前記受信したパラメータを不揮発性メモリで構成された保存部に保存する段階;前記連結されたスレーブ装置に状態情報を要請する段階;および前記連結されたスレーブ装置にパラメータの再設定が必要であり他のマスター装置に占有されていなければ、前記保存部に保存されたパラメータを前記連結されたスレーブ装置に伝送する段階を含む。
【0020】
前記パラメータを保存する段階は、前記パラメータそれぞれに対するIDを生成して共に保存することを特徴とする。
【0021】
前記状態情報を要請する段階以後に前記スレーブ装置が他のマスター装置によって占有中である場合、前記状態情報の要請を周期的に繰り返すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、タイプが異なる様々なスレーブの複雑で難しい設定を1ヶ所で管理することによって、スレーブ装置の設定時間を減らすことができる効果がある。
【0023】
また、互いに遠く離れたスレーブ装置を直接設定する必要がないため、作業者の移動時間を減らして作業時間を節約し、危険な状況を予防できる効果もある。
【0024】
一方、ここで明示的に言及されていない効果であっても、本発明の技術的特徴によって期待される以下の明細書で記載された効果およびその暫定的な効果は、本発明の明細書に記載されたものと同様に扱われることを付言する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来技術に係る制御システムの連結構造を示す。
【0026】
図2】本発明の好ましい一実施例に係るスレーブパラメータ管理装置の概略的な構造図である。
【0027】
図3】本発明の好ましい他の実施例に係るスレーブパラメータ管理方法の概略的なフローチャートである。
【0028】
*添付された図面は本発明の技術思想に対する理解のために参照として例示されたものであることを明らかにし、それによって本発明の権利範囲が制限されはしない。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の多様な実施例が案内する本発明の構成とその構成から始まる効果について詳察する。本発明を説明するにおいて、関連した公知機能に対して、この分野の技術者に自明な事項であって本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0030】
「第1」、「第2」等の用語は多様な構成要素の説明に使われ得るが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われ得る。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく「第1構成要素」は「第2構成要素」と命名され得、同様に「第2構成要素」も「第1構成要素」と命名され得る。また、単数の表現は文脈上明白に異なって表現しない限り、複数の表現を含む。本発明の実施例で使われる用語は異なって定義されない限り、該当技術分野で通常の知識を有する者に通常的に知られている意味で解釈され得る。
【0031】
以下、図面を参照して本発明の多様な実施例が案内する本発明の構成とその構成から始まる効果について詳察する。
【0032】
図2は、本発明の好ましい一実施例に係るスレーブパラメータ管理装置の概略的な構造図である。
【0033】
本発明に係るスレーブパラメータ管理装置100は制御部110、通信部120、入力部130、出力部140および保存部150で構成され得る。
【0034】
通信基盤の制御システムでマスター装置として使われ得るスレーブパラメータ管理装置100としては、PLC装置などが使われ得る。
【0035】
制御部110は一つ以上のプロセッサ112およびメモリ114を含み、プロセッサ112はスレーブパラメータを管理するための命令語を遂行し、メモリ114にはプロセッサ112を駆動するためのプログラムコードや必要なデータが保存される。
【0036】
入力部130は、連結されたスレーブ装置のうち入力モジュールに該当する装置から入力データの伝達を受けるのに使われる。入力データを利用して制御部110は使用者が設定したプログラムを遂行することになる。
【0037】
出力部140は、連結されたスレーブ装置のうち出力モジュールに該当する装置にプログラム遂行結果値を伝達するために使われる。出力データは出力部140を通じて各スレーブ出力モジュールに伝達される。
【0038】
通信部120は、スレーブ装置300やPCなどの設定装置200とデータをやりとりしたり状態を制御するために使われる。
【0039】
保存部150は設定装置200から連結されたすべてのスレーブ装置のパラメータの伝達を受けて保存し、必要な場合、スレーブ装置に保存されたパラメータを伝達するために使われる。このために保存部150は不揮発性メモリからなる。
【0040】
制御部110は、設定装置200から連結されたすべてのスレーブ装置のパラメータの伝達を受けて保存部150に保存する。この時、各パラメータがどのスレーブ装置に適用されるパラメータであるかを区分するためのアイディー(ID:Identification)が共に保存され得る。制御部110はこのパラメータアイディーを利用して各スレーブ装置にどのようなパラメータが適用されたかを把握することができ、適切なパラメータを必要に応じて各スレーブ装置に伝送することができる。
【0041】
制御部110は連結されたスレーブ装置300の状態情報を要請してスレーブ装置300の状態を把握し、故障やエラー発生などパラメータの再設定が必要な状況であれば、保存部150に保存されたパラメータのアイディーを確認して対応するパラメータをスレーブ装置300に伝送する。
【0042】
もし、スレーブ装置300が他のマスター装置によって占有されている状態であれば、周期的に要請を送って占有状態が解除されたかを確認できるであろう。
【0043】
このように、本発明に係るスレーブパラメータ管理装置100によると、スレーブ装置のパラメータを1ヶ所で管理することによって、従来のスレーブ装置ごとにPCやノートパソコンなどの設定装置を直接連結してパラメータを設定していた不便と危険を解消できる長所がある。
【0044】
図3は、本発明の好ましい他の実施例に係るスレーブパラメータ設定方法の概略的なフローチャートである。
【0045】
本発明に係るスレーブパラメータ設定装置であるマスター装置100とスレーブ装置300の間で遂行されるスレーブパラメータ管理方法の具体的な例を示す。
【0046】
マスター装置100の制御部は、まずPCなどの設定装置からマスター装置100と各スレーブ装置のすべてのパラメータを受信する。これは不揮発性メモリで構成される保存部に保存される。この時、制御部はパラメータを区分できるパラメータアイディーを生成して共に保存する。
【0047】
マスター装置100はスレーブ装置300のの情報を読み取るための要請をスレーブ装置に伝送する(S10)。
【0048】
スレーブ装置300は要請に応答してスレーブ装置300の情報を伝送し、マスター装置100がこれを受信する(S12)。
【0049】
スレーブ装置300の情報としては、スレーブ装置300のエラーや故障情報を示す状態情報と、パラメータ設定に必要な情報とマスター情報、各種パラメータ設定状態などが含まれる。
【0050】
状態情報としては、スレーブ装置300が正常であるか、それともエラーが発生した状態であるかなどが含まれる。エラーはハードウェアエラーとソフトウェアエラーがすべて含まれる。
【0051】
パラメータ設定に必要な情報としては、スレーブ装置300のI/O(Input/Output)タイプやI/Oサイズなどが含まれる。
【0052】
スレーブ装置300の例としては、XGL-DBDTのような増設ドライバ装置があり得る。増設ドライバ装置は複数個のI/Oモジュールを装着することができ、それぞれのI/Oモジュールは個別的なパラメータを有することになる。したがって、マスター装置100はスレーブ装置300の種類、またはスレーブ装置300に装着されたモジュールの種類に応じて適合なパラメータを選択してスレーブ装置300に伝送して適用されるようにしなければならない。I/Oモジュールに適用されるパラメータの例としては、運転チャネル、入/出力電圧(電流)の範囲、入/出力データタイプ、平均処理方式、チャネル出力状態、平均値などがあり得る。
【0053】
マスター情報はスレーブ装置300がマスター装置によって占有された状態であるか、どのマスター装置に連結されたかなどの情報が含まれ得る。
【0054】
各種パラメータ設定状態にはマスター装置100が生成したパラメータアイディーも含まれ得る。
【0055】
マスター装置100は受信したスレーブ情報によってスレーブ装置が占有可能であるかを判断した後、スレーブロック(Lock)を要請する(S20)。
【0056】
占有可能であるかを判断する要件としては、スレーブ装置情報でスレーブ状態が正常であり、設定装置で受信したパラメータが適用可能であるかを受信したパラメータ設定情報と比較して、スレーブが他のマスターに占有された状態であるかマスター情報を確認することなどである。
【0057】
このような要件が満足されるのであれば、スレーブ装置300を占有するためのロック要請を送付する。
【0058】
もし、他の要件は満足するが他のマスターによってすでに占有された状態であれば、周期的にスレーブ情報の要請を伝送してスレーブ装置300の占有状態が解除されたかを確認することができる。
【0059】
スレーブ装置300はロック要請を受けると、他のマスターによって占有されていない状態であればACK(Acknowledge)応答を、すでに他のマスター装置によって占有された状態であればNACK(Negative Acknowledge)応答をマスター装置100に伝送する(S22)。
【0060】
マスター装置100はスレーブ装置300が占有状態でない場合にのみロック要請を送るのが基本である。すなわち、他のマスター装置に占有されたスレーブ装置300にはロック要請を送らない。しかし、開発者ごとにマスター装置100とスレーブ装置300のソフトウェアを具現する方式が異なることもあり、または占有確認とロック要請の間に他のマスター装置による占有が発生することもあるので、ロック要請に対するNACK応答が発生することもある。したがって、マスター装置100はスレーブ装置300の占有状態の確認後にもロック要請に対する応答を再び確認した後、次の段階を進めることになる。
【0061】
マスター装置100はスレーブ装置300から正常なACK応答を受信すればパラメータをパラメータアイディーとともにスレーブ装置300に伝送する(S30)。
【0062】
この時、スレーブ装置300から受信したスレーブ情報でパラメータアイディーを確認して、設定装置から受信したパラメータのアイディーと同一である場合にはパラメータを伝送しなくてもよい。パラメータアイディーは固有な値であるので、全体のパラメータを比較せずともパラメータアイディーによって全体のパラメータの同一性を確認できるのである。
【0063】
パラメータアイディーはマスター装置100がパラメータが変わるたびに再び計算して生成する固有の値であるので、スレーブ装置300はパラメータアイディーを変更してはならない。また、電源のオン/オフ状況を考慮してスレーブ装置300の不揮発性メモリにパラメータとパラメータアイディーを共に保存することができる。
【0064】
スレーブ装置300はパラメータを受信すれば受信完了応答をマスター装置に送信する(S32)。
【0065】
パラメータの伝送と設定が完了すれば、マスター装置100はスレーブ装置が動作準備が完了したかを問い合わせるメッセージを伝送する(S40)。
【0066】
スレーブ装置300はパラメータを受信した後に内部システムに動作に必要なパラメータを適用し、受信したパラメータをバックアップした後に準備完了応答を伝送することができる(S42)。
【0067】
パラメータの適用とバックアップに時間が長くかかる場合にはNAK応答を先に送信した後、準備が完了すれば再びACK応答を伝送することができる。
【0068】
マスター装置100はすべてのスレーブ装置から準備完了に対するACK応答を受けると、全体システムの制御を始める。
【0069】
以上のような本発明のスレーブパラメータ管理装置および方法によると、マスター装置で集中的にスレーブ装置に対するパラメータを保管し管理することによって、作業者の接近が難しいか危険な位置のスレーブ装置に対する設定をマスター装置に保存されたパラメータによって設定できるため、スレーブ装置のメンテナンスが簡便となり、使用者の安全を保障できる効果がある。
【0070】
本発明の保護範囲は以上で明示的に説明した実施例の記載と表現に制限されるものではない。また、本発明が属する技術分野で自明な変更や置換によって本発明の保護範囲が制限され得ないことも再度付言する。
図1
図2
図3