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特許7579488パイプアセンブリ、加工パス生成方法、プログラム、および、レーザ加工システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】パイプアセンブリ、加工パス生成方法、プログラム、および、レーザ加工システム
(51)【国際特許分類】
   F16B 7/20 20060101AFI20241030BHJP
   F16B 11/00 20060101ALI20241030BHJP
   B23Q 15/00 20060101ALI20241030BHJP
   B23K 26/38 20140101ALI20241030BHJP
【FI】
F16B7/20 D
F16B11/00 D
B23Q15/00 301J
B23K26/38 B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024539513
(86)(22)【出願日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 JP2024009569
【審査請求日】2024-06-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114787
【氏名又は名称】ヤマザキマザック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】片山 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】酒井 吉彦
(72)【発明者】
【氏名】小池 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】飯田 秀人
(72)【発明者】
【氏名】ミレビッチ アレキサンダー
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-153174(JP,A)
【文献】実開昭52-141853(JP,U)
【文献】米国特許第3927950(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 7/00-7/22
F16B 9/00-11/00
B23Q 15/00
B23K 26/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿う方向の幅寸法が第1値であり、第2方向に沿う方向の長さ寸法が第2値である第1切り欠きを有し、前記第1方向に延在する第1矩形パイプと、
前記第1切り欠きに受容される第1部分と、前記第1部分から前記第2方向に延在する第2部分とを有し、前記第1矩形パイプに交差するように配置される第2矩形パイプと
を具備し、
前記第1方向に沿う方向における前記第1部分の幅寸法は、前記第1方向に沿う方向における前記第2部分の幅寸法よりも小さく、
前記第2方向に沿う方向における前記第1部分の長さ寸法は、前記第2値と実質的に等しく、
前記第1方向に沿う方向における前記第1部分の前記幅寸法は、前記第1値と実質的に等しい
パイプアセンブリ。
【請求項2】
前記第2部分は、前記第2方向に垂直な断面において、4つの直線部と、4つの弧状の角部とを有し、
前記第1部分は、前記第2方向に垂直な断面において、2つの直線部のみを有する
請求項1に記載のパイプアセンブリ。
【請求項3】
第3方向に沿う方向における前記第1切り欠きの深さ寸法を第3値と定義するとき、前記第3方向に沿う方向における前記第1部分の奥行寸法は、前記第3値と実質的に等しい
請求項1または2に記載のパイプアセンブリ。
【請求項4】
前記第3方向に沿う方向における前記第2部分の奥行寸法は、前記第3方向における前記第1矩形パイプの奥行寸法よりも小さい
請求項3に記載のパイプアセンブリ。
【請求項5】
前記第3方向とは反対の方向を第4方向と定義するとき、前記第1部分の前記第4方向側の外表面は、前記第1矩形パイプの前記第4方向側の外表面と略面一である
請求項に記載のパイプアセンブリ。
【請求項6】
前記第2方向とは反対の方向を第5方向と定義するとき、前記第2矩形パイプは、前記第1部分から前記第5方向に延在する第3部分を有し、
前記第1方向に沿う方向における前記第1部分の前記幅寸法は、前記第1方向に沿う方向における前記第3部分の幅寸法よりも小さい
請求項1または2に記載のパイプアセンブリ。
【請求項7】
前記第2矩形パイプの前記第1部分は、第1板部と、前記第1板部に対して対向配置される第2板部とを有し、
前記第2矩形パイプは、前記第2部分の第1エッジ面と、前記第1板部の第1エッジ面と、前記第2板部の第1エッジ面とを含む第1群のエッジ面によって規定される第2切り欠きを有し、
前記第1矩形パイプの一部が前記第2切り欠きに受容される
請求項1または2に記載のパイプアセンブリ。
【請求項8】
前記第1矩形パイプは、第1のC字状エッジ面と、第2のC字状エッジ面と、第1の直線状エッジ面と、第2の直線状エッジ面と、を有し、
前記第2板部は、前記第1のC字状エッジ面と、前記第2のC字状エッジ面とによって挟まれ、
前記第2板部は、前記第1の直線状エッジ面、および、前記第2の直線状エッジ面に対向配置される
請求項7に記載のパイプアセンブリ。
【請求項9】
前記第1矩形パイプは、第1のC字状エッジ面と、第2のC字状エッジ面と、を有し、
前記第2矩形パイプの前記第1部分は、前記第1のC字状エッジ面と、前記第2のC字状エッジ面とによって挟まれる
請求項1または2に記載のパイプアセンブリ。
【請求項10】
前記第1矩形パイプと、前記第2矩形パイプの前記第1部分とが、第1溶接部によって溶接接続され、
前記第1矩形パイプと、前記第2矩形パイプの前記第2部分とが、第2溶接部によって溶接接続されている
請求項1または2に記載のパイプアセンブリ。
【請求項11】
第1矩形パイプの形状モデルとして、第1方向に沿う方向の幅寸法が第1値であり、第2方向に沿う方向の長さ寸法が第2値である第1切り欠きを有し、前記第1方向に延在する第1パイプモデルを作成する工程と、
前記第1矩形パイプに交差するように配置されることとなる第2矩形パイプの形状モデルとして、前記第1切り欠きに受容される第1部分と、前記第1部分から前記第2方向に延在する第2部分とを有する第2パイプモデルを作成する工程と、
前記第1パイプモデルの3次元形状データに基づいて、第1パイプ材から前記第1矩形パイプを作製するための第1加工パスを生成する工程と、
前記第2パイプモデルの3次元形状データに基づいて、第2パイプ材から前記第2矩形パイプを作製するための第2加工パスを生成する工程と
を具備し、
前記第1方向に沿う方向における前記第1部分の幅寸法は、前記第1方向に沿う方向における前記第2部分の幅寸法よりも小さく、
前記第2方向に沿う方向における前記第1部分の長さ寸法は、前記第2値と実質的に等しく、
前記第1方向に沿う方向における前記第1部分の前記幅寸法は、前記第1値と実質的に等しい
加工パス生成方法。
【請求項12】
前記第1矩形パイプの基礎的形状モデルである第1基礎モデルと、前記第2矩形パイプの基礎的形状モデルである第2基礎モデルとを含む複数の基礎モデルを準備する工程を更に具備し、
前記第2パイプモデルを作成する工程は、前記第2方向に沿う方向における前記第1部分の前記長さ寸法が、前記第2方向に沿う方向における前記第1基礎モデルの幅寸法と実質的に等しくなるよう、演算装置が、前記第2方向に沿う方向における前記第1部分の前記長さ寸法を自動的に決定することを含む
請求項11に記載の加工パス生成方法。
【請求項13】
基礎的切り欠きを有し前記第1矩形パイプの基礎的形状モデルである第1基礎モデルと、前記第2矩形パイプの基礎的形状モデルである第2基礎モデルとを含む複数の基礎モデルを準備する工程を更に具備し、
前記第1パイプモデルを作成する工程は、前記第1値が前記第1方向に沿う方向における前記第1部分の前記幅寸法と実質的に等しくなるように、前記第1方向における前記基礎的切り欠きの幅寸法を減少させることにより、前記第1基礎モデルから前記第1パイプモデルを作成することを含む
請求項11に記載の加工パス生成方法。
【請求項14】
請求項11乃至13のいずれか一項に記載の加工パス生成方法を加工パス生成装置またはレーザ加工システムに実行させるためのプログラム。
【請求項15】
第1矩形パイプの形状モデルとして、第1方向に沿う方向の幅寸法が第1値であり、第2方向に沿う方向の長さ寸法が第2値である第1切り欠きを有し、前記第1方向に延在する第1パイプモデルを作成する第1の処理と、前記第1矩形パイプに交差するように配置されることとなる第2矩形パイプの形状モデルとして、前記第1切り欠きに受容される第1部分と、前記第1部分から前記第2方向に延在する第2部分とを有する第2パイプモデルを作成する第2の処理と、前記第1パイプモデルの3次元形状データに基づいて、第1パイプ材から前記第1矩形パイプを作製するための第1加工パスを生成する第3の処理と、前記第2パイプモデルの3次元形状データに基づいて、第2パイプ材から前記第2矩形パイプを作製するための第2加工パスを生成する第4の処理と、を実行する加工パス生成装置と、
少なくとも前記第1加工パスおよび前記第2加工パスに基づいて作成される少なくとも1つの加工プログラムを実行することにより、制御指令を生成し、生成された前記制御指令をレーザ加工機に送信する制御装置と、
前記制御指令に基づいて動作し、前記第1パイプ材にレーザを照射することにより前記第1パイプ材から前記第1矩形パイプを作製し、前記第2パイプ材に前記レーザを照射することにより前記第2パイプ材から前記第2矩形パイプを作製する前記レーザ加工機と
を具備し、
前記第2の処理は、前記第1方向に沿う方向における前記第1部分の幅寸法が、前記第1方向に沿う方向における前記第2部分の幅寸法よりも小さくなり、前記第2方向に沿う方向における前記第1部分の長さ寸法が、前記第2値と実質的に等しくなるように、前記第2パイプモデルを作成することを含み、
前記第1の処理は、前記第1値が、前記第1方向に沿う方向における前記第1部分の前記幅寸法と実質的に等しくなるように、前記第1パイプモデルを作成することを含む
レーザ加工システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプアセンブリ、加工パス生成方法、プログラム、および、レーザ加工システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のパイプを組み合わせて、パイプ構造体を作製する技術が知られていている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、パイプ構造建造物の組立工法が開示されている。特許文献1に記載のパイプ構造建造物の組立工法では、各パイプの取付部を相手部材に仮締めする工程と、複数のパイプを組立治具上で接合して継手部を形成する工程と、組立治具を上昇させて継手部と取付部の間隙を圧縮する工程と、継手部を溶接により固着する工程と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4813874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、2つの矩形パイプが好適に位置決めされたパイプアセンブリ、あるいは、互いの位置決めが容易な2つの矩形パイプの作製を可能にする加工パス生成方法、プログラム、および、レーザ加工システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態におけるパイプアセンブリは、第1方向に沿う方向の幅寸法が第1値であり、第2方向に沿う方向の長さ寸法が第2値である第1切り欠きを有し、前記第1方向に延在する第1矩形パイプと、前記第1切り欠きに受容される第1部分と、前記第1部分から前記第2方向に延在する第2部分とを有し、前記第1矩形パイプに交差するように配置される第2矩形パイプと、を具備する。前記第1方向に沿う方向における前記第1部分の幅寸法は、前記第1方向に沿う方向における前記第2部分の幅寸法よりも小さい。前記第2方向に沿う方向における前記第1部分の長さ寸法は、前記第2値と実質的に等しい。前記第1方向に沿う方向における前記第1部分の前記幅寸法は、前記第1値と実質的に等しい。
【0007】
いくつかの実施形態における加工パス生成方法は、第1矩形パイプの形状モデルとして、第1方向に沿う方向の幅寸法が第1値であり、第2方向に沿う方向の長さ寸法が第2値である第1切り欠きを有し、前記第1方向に延在する第1パイプモデルを作成する工程と、前記第1矩形パイプに交差するように配置されることとなる第2矩形パイプの形状モデルとして、前記第1切り欠きに受容される第1部分と、前記第1部分から前記第2方向に延在する第2部分とを有する第2パイプモデルを作成する工程と、前記第1パイプモデルの3次元形状データに基づいて、第1パイプ材から前記第1矩形パイプを作製するための第1加工パスを生成する工程と、前記第2パイプモデルの3次元形状データに基づいて、第2パイプ材から前記第2矩形パイプを作製するための第2加工パスを生成する工程と、を具備する。前記第1方向に沿う方向における前記第1部分の幅寸法は、前記第1方向に沿う方向における前記第2部分の幅寸法よりも小さい。前記第2方向に沿う方向における前記第1部分の長さ寸法は、前記第2値と実質的に等しい。前記第1方向に沿う方向における前記第1部分の前記幅寸法は、前記第1値と実質的に等しい。
【0008】
いくつかの実施形態におけるプログラムは、上述の加工パス生成方法を加工パス生成装置またはレーザ加工システムに実行させるためのプログラムである。
【0009】
いくつかの実施形態におけるレーザ加工システムは、第1矩形パイプの形状モデルとして、第1方向に沿う方向の幅寸法が第1値であり、第2方向に沿う方向の長さ寸法が第2値である第1切り欠きを有し、前記第1方向に延在する第1パイプモデルを作成する第1の処理と、前記第1矩形パイプに交差するように配置されることとなる第2矩形パイプの形状モデルとして、前記第1切り欠きに受容される第1部分と、前記第1部分から前記第2方向に延在する第2部分とを有する第2パイプモデルを作成する第2の処理と、前記第1パイプモデルの3次元形状データに基づいて、第1パイプ材から前記第1矩形パイプを作製するための第1加工パスを生成する第3の処理と、前記第2パイプモデルの3次元形状データに基づいて、第2パイプ材から前記第2矩形パイプを作製するための第2加工パスを生成する第4の処理と、を実行する加工パス生成装置と、少なくとも前記第1加工パスおよび前記第2加工パスに基づいて作成される少なくとも1つの加工プログラムを実行することにより、制御指令を生成し、生成された前記制御指令をレーザ加工機に送信する制御装置と、前記制御指令に基づいて動作し、前記第1パイプ材にレーザを照射することにより前記第1パイプ材から前記第1矩形パイプを作製し、前記第2パイプ材に前記レーザを照射することにより前記第2パイプ材から前記第2矩形パイプを作製する前記レーザ加工機と、を具備する。前記第2の処理は、前記第1方向に沿う方向における前記第1部分の幅寸法が、前記第1方向に沿う方向における前記第2部分の幅寸法よりも小さくなり、前記第2方向に沿う方向における前記第1部分の長さ寸法が、前記第2値と実質的に等しくなるように、前記第2パイプモデルを作成することを含む。前記第1の処理は、前記第1値が、前記第1方向に沿う方向における前記第1部分の前記幅寸法と実質的に等しくなるように、前記第1パイプモデルを作成することを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、2つの矩形パイプが好適に位置決めされたパイプアセンブリ、あるいは、互いの位置決めが容易な2つの矩形パイプの作製を可能にする加工パス生成方法、プログラム、および、レーザ加工システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1の実施形態におけるパイプアセンブリを模式的に示す概略斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態におけるパイプアセンブリを模式的に示す概略斜視図である。
図3図3は、第1矩形パイプの一例を模式的に示す概略斜視図である。
図4図4は、第2矩形パイプの一例を模式的に示す概略斜視図である。
図5図5は、第1矩形パイプの一例を模式的に示す概略斜視図である。
図6図6は、第1の実施形態におけるパイプアセンブリを模式的に示す概略平面図である。
図7図7は、図6におけるA-A矢視断面図である。
図8図8は、第1の実施形態の第1変形例におけるパイプアセンブリを模式的に示す概略斜視図である。
図9図9は、第1の実施形態におけるパイプアセンブリを模式的に示す概略側面図である。
図10図10は、図9におけるB-B矢視断面図である。
図11図11は、図9におけるC-C矢視断面図である。
図12図12は、図9におけるD-D矢視断面図である。
図13図13は、比較例におけるパイプアセンブリの一部分を示す概略断面図である。
図14図14は、第1の実施形態の第2変形例におけるパイプアセンブリを模式的に示す概略斜視図である。
図15図15は、第2矩形パイプの一部分を模式的に示す概略正面図である。
図16図16は、第2矩形パイプの一部分を模式的に示す概略斜視図である。
図17図17は、図9におけるF-F矢視断面図である。
図18図18は、第1の実施形態におけるパイプアセンブリの一部分を模式的に示す概略斜視図である。
図19図19は、第2矩形パイプの一部分を模式的に示す概略斜視図である。
図20図20は、第1の実施形態の第3変形例におけるパイプアセンブリの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図21図21は、第1の実施形態におけるパイプアセンブリの一部分を模式的に示す概略斜視図である。
図22図22は、第1の実施形態の第4変形例におけるパイプアセンブリを模式的に示す概略斜視図である。
図23図23は、第1矩形パイプの一例を模式的に示す概略斜視図である。
図24図24は、第2矩形パイプの一例を模式的に示す概略斜視図である。
図25図25は、第2の実施形態におけるレーザ加工システムを模式的に示す図である。
図26図26は、加工パス生成装置がCAD装置から複数の基礎モデルの形状データを受け取る様子を模式的に示す図である。
図27図27は、第1パイプモデルと第2パイプモデルとの組み合わせを模式的に示す概略斜視図である。
図28図28は、第1パイプモデルを模式的に示す概略斜視図である。
図29図29は、第2パイプモデルを模式的に示す概略斜視図である。
図30図30は、第1パイプモデルを模式的に示す概略斜視図である。
図31図31は、加工パス生成装置の一例を模式的に示す図である。
図32図32は、レーザが通る経路の一例を模式的に示す図である。
図33図33は、レーザが通る経路の一例を模式的に示す図である。
図34図34は、第2の実施形態におけるレーザ加工システムを模式的に示す図である。
図35図35は、第2の実施形態におけるレーザ加工システムを模式的に示す図である。
図36図36は、第1基礎モデルと、第2基礎モデルとを含む複数のモデルが組み合わせられたアセンブリモデルを模式的に示す概略斜視図である。
図37図37は、第1基礎モデルを模式的に示す概略斜視図である。
図38図38は、第2基礎モデルを模式的に示す概略斜視図である。
図39図39は、第1基礎モデルと、第2基礎モデルとを含む複数のモデルが組み合わせられたアセンブリモデルを模式的に示す概略斜視図である。
図40図40は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
図41図41は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
図42図42は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
図43図43は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
図44図44は、加工パス生成装置の一例を模式的に示す図である。
図45図45は、第2の実施形態におけるレーザ加工システムを模式的に示す図である。
図46図46は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
図47図47は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
図48図48は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
図49図49は、ディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
図50図50は、第3の実施形態におけるレーザ加工方法の一例を示すフローチャートである。
図51図51は、プログラムを記録した不揮発性記憶媒体の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態におけるパイプアセンブリ1、加工パス生成方法、プログラムP、および、レーザ加工システム100について説明する。なお、以下の実施形態の説明において、同一の機能を有する部位、部材については同一の符号を付し、同一の符号が付された部位、部材についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1乃至図24を参照して、第1の実施形態におけるパイプアセンブリ1について説明する。図1および図2は、第1の実施形態におけるパイプアセンブリ1を模式的に示す概略斜視図である。図3は、第1矩形パイプ2の一例を模式的に示す概略斜視図である。図4は、第2矩形パイプ3の一例を模式的に示す概略斜視図である。図5は、第1矩形パイプ2の一例を模式的に示す概略斜視図である。図6は、第1の実施形態におけるパイプアセンブリ1を模式的に示す概略平面図である。図7は、図6におけるA-A矢視断面図である。図8は、第1の実施形態の第1変形例におけるパイプアセンブリ1を模式的に示す概略斜視図である。図9は、第1の実施形態におけるパイプアセンブリ1を模式的に示す概略側面図である。図10は、図9におけるB-B矢視断面図である。図11は、図9におけるC-C矢視断面図である。図12は、図9におけるD-D矢視断面図である。図13は、比較例におけるパイプアセンブリの一部分を示す概略断面図である。図14は、第1の実施形態の第2変形例におけるパイプアセンブリ1を模式的に示す概略斜視図である。図15は、第2矩形パイプ3の一部分を模式的に示す概略正面図である。図16は、第2矩形パイプ3の一部分を模式的に示す概略斜視図である。図17は、図9におけるF-F矢視断面図である。図18は、第1の実施形態におけるパイプアセンブリ1の一部分を模式的に示す概略斜視図である。図19は、第2矩形パイプ3の一部分を模式的に示す概略斜視図である。図20は、第1の実施形態の第3変形例におけるパイプアセンブリ1の一部分を模式的に示す概略断面図である。図21は、第1の実施形態におけるパイプアセンブリ1の一部分を模式的に示す概略斜視図である。図22は、第1の実施形態の第4変形例におけるパイプアセンブリ1を模式的に示す概略斜視図である。図23は、第1矩形パイプ2の一例を模式的に示す概略斜視図である。図24は、第2矩形パイプ3の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【0014】
図1に例示されるように、パイプアセンブリ1は、第1矩形パイプ2と、第1矩形パイプ2に交差するように配置される第2矩形パイプ3とを有する。
【0015】
図2に例示されるように、第1矩形パイプ2は、第1切り欠き20を有し、第1方向DR1に延在する。
【0016】
図3に例示されるように、第1方向DR1に沿う方向における第1切り欠き20の幅寸法を、第1値V1と定義する。換言すれば、第1方向DR1に沿う方向における第1切り欠き20の幅寸法は、第1値V1である。
【0017】
図3に例示されるように、第2方向DR2に沿う方向における第1切り欠き20の長さ寸法を、第2値V2と定義する。換言すれば、第2方向DR2に沿う方向における第1切り欠き20の長さ寸法は、第2値V2である。図1乃至図3に記載の例では、第2方向DR2は、第1方向DR1に略垂直な方向である。代替的に、第2方向DR2は、第1方向DR1に対して傾斜した方向であってもよい(図22を参照。)。
【0018】
図3に例示されるように、第3方向DR3に沿う方向における第1切り欠き20の深さ寸法を、第3値V3と定義する。換言すれば、第3方向DR3に沿う方向における第1切り欠き20の深さ寸法は、第3値V3である。図1乃至図3に記載の例では、第3方向DR3は、第1方向DR1に略垂直な方向である。また、第3方向DR3は、第2方向DR2に略垂直な方向である。
【0019】
図1に例示されるように、第2矩形パイプ3は、第1部分30と、第2部分41と、を有する。図2に例示されるように、第1部分30は、第1矩形パイプ2の第1切り欠き20に受容される。第2部分41は、第1部分30から第2方向DR2に延在する。
【0020】
図2に記載の例では、第2矩形パイプ3の延在方向(換言すれば、第2方向DR2)は、第1矩形パイプ2の延在方向(換言すれば、第1方向DR1)に略垂直な方向である。代替的に、第2矩形パイプ3の延在方向は、第1矩形パイプ2の延在方向に対して傾斜した方向であってもよい(図22を参照。)。
【0021】
図4に記載の例では、第1方向DR1に沿う方向における第1部分30の幅寸法W2は、第1方向DR1に沿う方向における第2部分41の幅寸法W22よりも小さい。
【0022】
図3および図4に記載の例では、第2方向DR2に沿う方向における第1部分30の長さ寸法L2(図4を参照。)は、上述の第2値V2(図3を参照。)と実質的に等しい。また、第1方向DR1に沿う方向における第1部分30の幅寸法W2(図4を参照。)は、上述の第1値V1(図3を参照。)と実質的に等しい。第1切り欠き20に第1部分30を円滑に挿入する観点から、遊びの範囲内で、第1切り欠き20のサイズが第1部分30のサイズと比較して大きくされることが許容される。本明細書において、「実質的に等しい」の用語は、多少の遊びの存在が許容される意味で使用される。
【0023】
第1の実施形態におけるパイプアセンブリ1では、第2矩形パイプ3の第1部分30の幅寸法W2が、第2矩形パイプ3の第2部分41の幅寸法W22よりも小さい(図4を参照。)。この場合、第1部分30と第2部分41との境界部分K1(より具体的には、第1部分30と第2部分41との段差)を利用して、第2矩形パイプ3を第1矩形パイプ2に対して位置決めすることができる。これに対し、第1部分30と第2部分41との段差がない場合には、第2矩形パイプ3を、第1矩形パイプ2に対して、第2方向DR2に平行な方向に位置決めすることが困難であり、位置決めのための専用の治具が不可欠となる。
【0024】
また、第1の実施形態におけるパイプアセンブリ1では、第2矩形パイプ3の第1部分30の長さ寸法L2(図4を参照。)が、第1矩形パイプ2の第1切り欠き20の長さ寸法である第2値V2(図3を参照。)と実質的に等しく、第2矩形パイプ3の第1部分30の幅寸法W2(図4を参照。)が、第1矩形パイプ2の第1切り欠き20の幅寸法である第1値V1(図3を参照。)と実質的に等しい。よって、第2矩形パイプ3の第1部分30が第1切り欠き20によって位置決めされることにより、第2矩形パイプ3が、第1矩形パイプ2によって効果的に位置決めされる。
【0025】
一例として、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3とが溶接される場合を想定する。この場合、第1の実施形態では、第2矩形パイプ3が第1矩形パイプ2によって効果的に位置決めされるため、溶接用の位置決め治具を省略することができるか、あるいは、位置決め治具の数を低減することができる。
【0026】
(任意付加的な構成)
続いて、図1乃至図24を参照して、第1の実施形態におけるパイプアセンブリ1において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0027】
本明細書において、第1方向DR1とは反対の方向を第6方向DR6と定義する。本明細書において、第2方向DR2とは反対の方向を第5方向DR5と定義する。また、本明細書において、第3方向DR3とは反対の方向を第4方向DR4と定義する。
【0028】
(第1切り欠き20)
第1矩形パイプ2は、第2矩形パイプ3の第1部分30を受容する第1切り欠き20を有する。図3に記載の例では、第1切り欠き20は、縦、横、高さが、それぞれ、第3値V3、第1値V1、第2値V2である直方体が嵌まる形状を有する。
【0029】
図5に記載の例では、第1矩形パイプ2は、第1のC字状エッジ面24eと、第2のC字状エッジ面27eとを有する。第2矩形パイプ3の第1部分30(図4を参照。)は、第1のC字状エッジ面24eと、第2のC字状エッジ面27eとによって挟まれる。こうして、第1部分30が、第1のC字状エッジ面24eと、第2のC字状エッジ面27eとによって位置決めされる。より具体的には、第1方向DR1に平行な方向において、第1部分30が、第1のC字状エッジ面24eと、第2のC字状エッジ面27eとによって位置決めされる。
【0030】
図5に記載の例では、第1のC字状エッジ面24e、および、第2のC字状エッジ面27eの各々は、第2方向DR2に平行な面であり、且つ、第3方向DR3に平行な面である。図5に記載の例では、第1のC字状エッジ面24e、および、第2のC字状エッジ面27eの各々は、第1方向DR1に略垂直な面である。代替的に、図23に例示されるように、第1のC字状エッジ面24e、および、第2のC字状エッジ面27eの各々は、第1方向DR1に対して傾斜した面であってもよい。
【0031】
図5に記載の例では、第1矩形パイプ2は、第1の直線状エッジ面21eと、第2の直線状エッジ面22eとを有する。第1の直線状エッジ面21eは、第1のC字状エッジ面24eの第1端と第2のC字状エッジ面27eの第1端とを接続する。第2の直線状エッジ面22eは、第1のC字状エッジ面24eの第2端と第2のC字状エッジ面27eの第2端とを接続する。図5に記載の例では、第1の直線状エッジ面21e、および、第2の直線状エッジ面22eの各々は、第3方向DR3に略垂直な面である。
【0032】
第1の直線状エッジ面21e、および、第2の直線状エッジ面22eの各々は、第2矩形パイプ3の第1部分30(より具体的には、後述の第2板部36)に接触配置される。
【0033】
第1切り欠き20は、複数のエッジ面E1によって規定される。図5に記載の例では、第1切り欠き20は、第1のC字状エッジ面24eと、第2のC字状エッジ面27eと、第1の直線状エッジ面21eと、第2の直線状エッジ面22eとによって規定されている。
【0034】
(第1矩形パイプ2)
第1矩形パイプ2は、例えば、金属製の中空パイプである。図5に記載の例では、第1方向DR1に垂直な断面において、第1矩形パイプ2は、略長方形形状を有する。なお、本明細書において、長方形には、正方形が包含される。第1矩形パイプ2には、ピン、ボルト等が挿入される貫通孔部が設けられていてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、第1矩形パイプ2には、長孔、あるいは、スリットが設けられていてもよい。
【0035】
図3に記載の例では、第2方向DR2に沿う方向における第1矩形パイプ2の幅寸法W1は、上述の第2値V2(換言すれば、第2方向DR2に沿う方向における第1切り欠き20の長さ寸法)と等しい。また、第3方向DR3に沿う方向における第1矩形パイプ2の奥行寸法D1は、上述の第3値V3(換言すれば、第3方向DR3に沿う方向における第1切り欠き20の深さ寸法)よりも大きい。
【0036】
図3に記載の例では、第1矩形パイプ2は、第4部分21と、第5部分24と、第6部分27とを有する。
【0037】
図5に記載の例では、第4部分21は、上述の第1の直線状エッジ面21e、および、第2の直線状エッジ面22eを有する。
【0038】
第4部分21は、略C字形状を有する。より具体的には、第4部分21は、第1方向DR1に垂直な断面において、略C字形状を有する。より具体的には、図7に例示されるように、第4部分21は、第1方向DR1に垂直な断面において、第1直線部23s-1と、第2直線部23s-2と、第3直線部23s-3と、第1弧状角部23c-1と、第2弧状角部23c-2とを有する。第3直線部23s-3は、第1直線部23s-1に対向配置される。また、第1弧状角部23c-1は、第1直線部23s-1と第2直線部23s-2とを接続し、第2弧状角部23c-2は、第2直線部23s-2と第3直線部23s-3とを接続する。
【0039】
図5に記載に例示されるように、第5部分24は、第4部分21から第1方向DR1に延在する。第5部分24は、上述の第1のC字状エッジ面24eを有する。より具体的には、第5部分24は、その第6方向DR6側の端に、上述の第1のC字状エッジ面24eを有する。
【0040】
図5に記載の例では、第5部分24は、矩形パイプ形状を有する。第5部分24は、第1方向DR1に垂直な断面において、略長方形形状(より具体的には、角丸長方形形状)を有する。なお、「角丸長方形形状」は、「コーナR付き長方形形状」と同義である。図5に記載の例では、第5部分24は、第1方向DR1に垂直な断面CP5において、4つの直線部25sと、4つの弧状角部25cとを有する。
【0041】
図5に記載の例では、第5部分24の太さ(換言すれば、第5部分24の幅寸法および第5部分24の奥行寸法の各々)は、第1方向DR1に沿って、略一定である。
【0042】
図5に記載に例示されるように、第6部分27は、第4部分21から第6方向DR6に延在する。第6部分27は、上述の第2のC字状エッジ面27eを有する。より具体的には、第6部分27は、その第1方向DR1側の端に、上述の第2のC字状エッジ面27eを有する。
【0043】
図5に記載の例では、第6部分27は、矩形パイプ形状を有する。第6部分27は、第1方向DR1に垂直な断面において、略長方形形状(より具体的には、角丸長方形形状)を有する。図5に記載の例では、第6部分27は、第1方向DR1に垂直な断面CP6において、4つの直線部28sと、4つの弧状角部28cとを有する。
【0044】
図5に記載の例では、第6部分27の太さ(換言すれば、第6部分27の幅寸法および第5部分24の奥行寸法の各々)は、第1方向DR1に沿って、略一定である。
【0045】
(第2矩形パイプ3)
第2矩形パイプ3は、例えば、金属製の中空パイプである。図1に記載の例では、第2方向DR2に垂直な断面において、第2矩形パイプ3は、略長方形形状を有する。第2矩形パイプ3には、ピン、ボルト等が挿入される貫通孔部が設けられていてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、第2矩形パイプ3には、長孔、あるいは、スリットが設けられていてもよい。図1に記載の例では、第2矩形パイプ3は、第1矩形パイプ2よりも細いパイプであり、第1矩形パイプ2は、第2矩形パイプ3よりも太いパイプである。
【0046】
図2に記載の例では、第2矩形パイプ3は、第1矩形パイプ2の第1切り欠き20に受容される第1部分30と、第1部分30から第2方向DR2に延在する第2部分41とを有する。
【0047】
付加的に、第2矩形パイプ3は、第1部分30から第5方向DR5に延在する第3部分46を有していてもよい。図4に記載の例では、第1方向DR1に沿う方向における第2矩形パイプ3の第1部分30の幅寸法W2は、第1方向DR1に沿う方向における第3部分46の幅寸法W23よりも小さい。こうして、第1部分30と第3部分46との境界部分K2に段差が形成される。なお、図8に例示されるように、第3部分46は、省略されてもよい。ただし、第3部分46が省略されると、第1部分30に反りが生じやすくなる。よって、第3部分46が省略される場合、第1部分30の反りを抑制するための構成が付加されることが好ましい。また、第1部分30の第5方向DR5側の端部の開口を塞ぐための構成が付加されることが好ましい。
【0048】
図10に記載の例では、第2矩形パイプ3の第2部分41は、第2方向DR2に垂直な断面において、略長方形形状(より具体的には、角丸長方形形状)を有する。より具体的には、第2矩形パイプ3の第2部分41は、第2方向DR2に垂直な断面において、4つの直線部42sと、4つの弧状角部42cとを有する。4つの直線部42sの各々が角丸長方形形状の辺を構成し、4つの弧状角部42cの各々が角丸長方形形状の角部を構成する。
【0049】
図11に記載の例では、第2矩形パイプ3の第3部分46は、第2方向DR2に垂直な断面において、略長方形形状(より具体的には、角丸長方形形状)を有する。より具体的には、第2矩形パイプ3の第3部分46は、第2方向DR2に垂直な断面において、4つの直線部47sと、4つの弧状角部47cとを有する。4つの直線部47sの各々が角丸長方形形状の辺を構成し、4つの弧状角部47cの各々が角丸長方形形状の角部を構成する。
【0050】
図12に記載の例では、第2矩形パイプ3の第1部分30は、第2方向DR2に垂直な断面において、2つの直線部31sのみを有する。第2方向DR2に垂直な断面において、当該2つの直線部31sは、互いに平行である。図12に記載の例では、第2方向DR2に垂直な断面において、当該2つの直線部31sの各々は、第1方向DR1に延在する。
【0051】
第1部分30から2つの直線部と4つの弧状角部とが除去されていることにより、第2矩形パイプ3の第1部分30と、第1矩形パイプ2との間の隙間を小さくすることができる。
【0052】
これに対し、図13に示される比較例では、第2矩形パイプ3の第1部分30が、4つの弧状角部31cを有する。この場合、第2矩形パイプ3の第1部分30と、第1矩形パイプ2との間の隙間GPが相対的に大きくなる。当該隙間GPが相対的に大きいことに起因して、パイプアセンブリ1の品質が不安定になる。
【0053】
例えば、第2矩形パイプ3の第1部分30と、第1矩形パイプ2とが溶接される場合を想定する。この場合、隙間が相対的に小さな例(図12を参照。)では、隙間が相対的に大きな例(図13を参照。)と比較して、溶接の品質が安定する。
【0054】
また、隙間が相対的に小さな例(図12を参照。)では、第2矩形パイプ3の第1部分30と第1矩形パイプ2との交差部の剛性(より具体的には、溶接後における交差部の剛性)を相対的に高くすることができる。よって、溶接対象部の面積が小さくされてもよく、溶接対象部の数が低減されてもよい。更に、第2矩形パイプ3の第1部分30と、第1矩形パイプ2とが肉盛り溶接される場合、隙間が相対的に小さな例(図12を参照。)では、肉盛り溶接に要する材料が少なくて済む。
【0055】
図3および図4に記載の例では、第3方向DR3に沿う方向における第2矩形パイプ3の第1部分30の奥行寸法D2(図4を参照。)は、上述の第3値V3(換言すれば、第1矩形パイプ2の第1切り欠き20の深さ寸法)と実質的に等しい。
【0056】
第2矩形パイプ3の第1部分30の幅寸法W2(図4を参照。)、第2矩形パイプ3の第1部分30の長さ寸法L2(図4を参照。)、第2矩形パイプ3の第1部分30の奥行寸法D2(図4を参照。)が、それぞれ、上述の第1値V1(図3を参照。)、上述の第2値V2(図3を参照。)、上述の第3値V3(図3を参照。)と実質的に等しい場合、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3との交差部J(図1を参照。)の見栄えが良い。また、パイプアセンブリ1の品質が安定する。
【0057】
図4に記載の例では、第2矩形パイプ3の第1部分30は、第1板部35と、第1板部35に対して対向配置される第2板部36とを有する。第2板部36は、第1板部35よりも第3方向DR3側に配置される。第1板部35は、第2板部36と平行である。図4に記載の例では、第1部分30は、第1板部35および第2板部36のみによって構成されている。また、第1板部35および第2板部36の各々は、平板である。
【0058】
図1図3、および、図4に記載の例では、第1方向DR1に沿う方向における第1板部35の幅寸法W2p(図4を参照。)は、第1方向DR1に沿う方向における第1切り欠き20の幅寸法(換言すれば、第1値V1)と実質的に等しい。
【0059】
図1に記載の例では、第2矩形パイプ3の第4方向DR4側の外表面3u(より具体的には、第1部分30の第4方向DR4側の外表面)は、第1矩形パイプ2の第4方向DR4側の外表面2uと略面一である。
【0060】
第2矩形パイプ3の第4方向DR4側の外表面3uと、第1矩形パイプ2の第4方向DR4側の外表面2uとが略面一である場合、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3との交差部Jの見栄えが良い。また、パイプアセンブリ1の品質が安定する。
【0061】
例えば、第2矩形パイプ3の第4方向DR4側の外表面3uと、第1矩形パイプ2の第4方向DR4側の外表面2uとが溶接される場合を想定する。この場合、第2矩形パイプ3の外表面3uと、第1矩形パイプ2の外表面2uとが略面一である例(図1を参照。)では、溶接の品質が安定する。
【0062】
図1に記載の例では、第2矩形パイプ3の第4方向DR4側の外表面3uと、第1矩形パイプ2の第4方向DR4側の外表面2uとによって、略X字状の略面一な面が形成されている。代替的に、図8に例示されるように、第2矩形パイプ3の第4方向DR4側の外表面3uと、第1矩形パイプ2の第4方向DR4側の外表面2uとによって、略T字状の略面一な面が形成されてもよい。
【0063】
代替的に、図14に例示されるように、第2矩形パイプ3の第4方向DR4側の外表面3uと、第1矩形パイプ2の第4方向DR4側の外表面2uとが非面一であってもよい。
【0064】
図4に記載の例では、第2矩形パイプ3の第1部分30の長さ寸法L2が、第2矩形パイプ3の第1部分30の幅寸法W2よりも大きい。第2矩形パイプ3の第1部分30の長さ寸法L2が大きいことにより、第1切り欠き20に第1部分30が嵌め込まれた後、第1矩形パイプ2に対する第2矩形パイプ3の姿勢が安定する。また、第2矩形パイプ3の第1部分30の長さ寸法L2が大きい場合、第1部分30と第1矩形パイプ2との境界が十分に確保される。よって、第1部分30が、第2方向DR2に沿って第1矩形パイプ2に溶接される場合、第1部分30と第1矩形パイプ2との接合強度が十分に確保される。ただし、実施形態において、第2矩形パイプ3の第1部分30の長さ寸法L2が、第2矩形パイプ3の第1部分30の幅寸法W2以下であっても構わない。
【0065】
図2に記載の例では、第2板部36は、第1矩形パイプ2の第1の直線状エッジ面21eと、第1矩形パイプ2の第2の直線状エッジ面22eとの両方に接触する。当該接触により、第3方向DR3に平行な方向における、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3との間の位置決めが好適に行われる。
【0066】
図4に記載の例では、第2矩形パイプ3の第2部分41の太さ(換言すれば、第2部分41の幅寸法および第2部分41の奥行寸法の各々)は、第2方向DR2に沿って、略一定である。また、第2矩形パイプ3の第3部分46の太さ(換言すれば、第3部分46の幅寸法および第3部分46の奥行寸法の各々)は、第2方向DR2に沿って、略一定である。
【0067】
図9に記載の例では、第3方向DR3に沿う方向における第2矩形パイプ3の第1部分30の奥行寸法D2は、第3方向DR3に沿う方向における第1矩形パイプ2の奥行寸法D1よりも小さい。
【0068】
図9に記載の例では、第3方向DR3に沿う方向における第2矩形パイプ3の第2部分41の奥行寸法D22は、第3方向DR3に沿う方向における第1矩形パイプ2の奥行寸法D1よりも小さい。また、第3方向DR3に沿う方向における第2矩形パイプ3の第3部分46の奥行寸法D23は、第3方向DR3に沿う方向における第1矩形パイプ2の奥行寸法D1よりも小さい。
【0069】
図9に記載の例では、第3方向DR3に沿う方向における第2矩形パイプ3の第1部分30の奥行寸法D2は、第3方向DR3に沿う方向における第2矩形パイプ3の第2部分41の奥行寸法D22と等しい。また、第3方向DR3に沿う方向における第2矩形パイプ3の第1部分30の奥行寸法D2は、第3方向DR3に沿う方向における第2矩形パイプ3の第3部分46の奥行寸法D23と等しい。
【0070】
(第2切り欠き37)
図15に記載の例では、第2矩形パイプ3は、第2切り欠き37を有する。
【0071】
図16に記載の例では、第2切り欠き37は、第2部分41の第1エッジ面41eと、第1板部35の第1エッジ面35eと、第2板部36の第1エッジ面36eとを含む第1群のエッジ面E2によって規定される。第1群のエッジ面E2は、第3部分46の第1エッジ面46eを含んでいてもよい。換言すれば、第2切り欠き37は、第2部分41の第1エッジ面41eと、第1板部35の第1エッジ面35eと、第2板部36の第1エッジ面36eと、第3部分46の第1エッジ面46eとを含む第1群のエッジ面E2によって規定されてもよい。
【0072】
図17に記載の例では、第2切り欠き37は、第1矩形パイプ2の一部を受容する。より具体的には、第2切り欠き37は、第1矩形パイプ2の第1切り欠き20を規定する複数のエッジ面E1の一部(例えば、第1のC字状エッジ面24e)を受容する。
【0073】
図17に記載の例では、第1矩形パイプ2の一部が第2切り欠き37に受容されることにより、第2方向DR2に平行な方向における、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3との間の位置決めが好適に行われる。
【0074】
図4、あるいは、図15に記載の例では、第6方向DR6における第2切り欠き37の深さ寸法D4は、第2矩形パイプ3のコーナRの寸法よりも大きい。この場合、第1部分30において、第1方向DR1側のコーナR部は存在しない。第1切り欠き20は、例えば、第2矩形パイプ3の第1部分30の全体を受容する主たる切り欠きとして機能する。第2切り欠き37は、例えば、位置決めのための補助的な切り欠きとして機能する。
【0075】
図16に記載の例では、第2部分41の第1エッジ面41eは、第2部分41の第5方向DR5側のエッジ面である。また、第3部分46の第1エッジ面46eは、第3部分46の第2方向DR2側のエッジ面である。
【0076】
図17に記載の例では、第2部分41の第1エッジ面41eは、第1矩形パイプ2の外周面(より具体的には、第5部分24の外周面24u)に対向配置される。第2部分41の第1エッジ面41eは、第5方向DR5への第2矩形パイプ3の移動を防止するストッパ面として機能する。代替的に、あるいは、付加的に、第2部分41の第1エッジ面41eは、第2方向DR2への第1矩形パイプ2の移動を防止するストッパ面として機能してもよい。
【0077】
図17に記載の例では、第3部分46の第1エッジ面46eは、第1矩形パイプ2の外周面(より具体的には、第5部分24の外周面24u)に対向配置される。第3部分46の第1エッジ面46eは、第2方向DR2への第2矩形パイプ3の移動を防止するストッパ面として機能する。代替的に、あるいは、付加的に、第3部分46の第1エッジ面46eは、第5方向DR5への第1矩形パイプ2の移動を防止するストッパ面として機能してもよい。
【0078】
図17に記載の例では、第1矩形パイプ2(より具体的には、第1矩形パイプ2の第5部分24)が、第2部分41の第1エッジ面41eと第3部分46の第1エッジ面46eとによって挟まれることにより、第2方向DR2に平行な方向における、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3との間の位置決めが好適に行われる。
【0079】
図18において、第1板部35の第1エッジ面35e、第2板部36の第1エッジ面36e、後述の第1板部35の第2エッジ面35f、および、後述の第2板部36の第2エッジ面36fには、ドットによるハッチングが付加されている。また、図18において、第1矩形パイプ2の第1のC字状エッジ面24e、および、第1矩形パイプ2の第2のC字状エッジ面27eには、斜線によるハッチングが付加されている。
【0080】
図18に記載の例では、第1板部35の第1エッジ面35eは、第1板部35の第1方向DR1側のエッジ面であり、第2板部36の第1エッジ面36eは、第2板部36の第1方向DR1側のエッジ面である。第1板部35の第1エッジ面35e、および、第2板部36の第1エッジ面36eの各々は、第1矩形パイプ2の第1のC字状エッジ面24eに対向配置される。
【0081】
第1板部35の第1エッジ面35e、および、第2板部36の第1エッジ面36eは、第1方向DR1への第2矩形パイプ3の移動を防止するストッパ面として機能する。
【0082】
第1板部35の第1エッジ面35eの大部分(例えば、第1板部35の第1エッジ面35eの面積の90%以上)が、第1矩形パイプ2の第1のC字状エッジ面24eに対向配置されてもよい。
【0083】
(第3切り欠き38)
図15に記載の例では、第2矩形パイプ3は、第3切り欠き38を有する。
【0084】
図19に記載の例では、第3切り欠き38は、第2部分41の第2エッジ面41fと、第1板部35の第2エッジ面35fと、第2板部36の第2エッジ面36fとを含む第2群のエッジ面E3によって規定される。第2群のエッジ面E3は、第3部分46の第2エッジ面46fを含んでいてもよい。換言すれば、第3切り欠き38は、第2部分41の第2エッジ面41fと、第1板部35の第2エッジ面35fと、第2板部36の第2エッジ面36fと、第3部分46の第2エッジ面46fとを含む第2群のエッジ面E3によって規定されてもよい。
【0085】
図17に記載の例では、第3切り欠き38は、第1矩形パイプ2の一部を受容する。より具体的には、第3切り欠き38は、第1矩形パイプ2の第1切り欠き20を規定する複数のエッジ面E1の一部(例えば、第2のC字状エッジ面27e)を受容する。
【0086】
図17に記載の例では、第1矩形パイプ2の一部が第3切り欠き38に受容されることにより、第2方向DR2に平行な方向における、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3との間の位置決めが好適に行われる。
【0087】
第1方向DR1における第3切り欠き38の深さ寸法D5(図15を参照。)は、第2矩形パイプ3のコーナRの寸法よりも大きい。図19に記載の例では、第1部分30において、第6方向DR6側のコーナR部は存在しない。第3切り欠き38は、位置決めのための補助的な切り欠きとして機能してもよい。図15に記載の例では、第1方向DR1における第3切り欠き38の深さ寸法D5は、第6方向DR6における第2切り欠き37の深さ寸法D4と実質的に等しい。
【0088】
図19に記載の例では、第2部分41の第2エッジ面41fは、第2部分41の第5方向DR5側のエッジ面である。また、第3部分46の第2エッジ面46fは、第3部分46の第2方向DR2側のエッジ面である。
【0089】
図17に記載の例では、第2部分41の第2エッジ面41fは、第1矩形パイプ2の外周面(より具体的には、第6部分27の外周面27u)に対向配置される。第2部分41の第2エッジ面41fは、第5方向DR5への第2矩形パイプ3の移動を防止するストッパ面として機能する。代替的に、あるいは、付加的に、第2部分41の第2エッジ面41fは、第2方向DR2への第1矩形パイプ2の移動を防止するストッパ面として機能してもよい。
【0090】
図17に記載の例では、第3部分46の第2エッジ面46fは、第1矩形パイプ2の外周面(より具体的には、第6部分27の外周面27u)に対向配置される。第3部分46の第2エッジ面46fは、第2方向DR2への第2矩形パイプ3の移動を防止するストッパ面として機能する。代替的に、あるいは、付加的に、第3部分46の第2エッジ面46fは、第5方向DR5への第1矩形パイプ2の移動を防止するストッパ面として機能してもよい。
【0091】
図17に記載の例では、第1矩形パイプ2(より具体的には、第1矩形パイプ2の第6部分27)が、第2部分41の第2エッジ面41fと第3部分46の第2エッジ面46fとによって挟まれることにより、第2方向DR2に平行な方向における、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3との間の位置決めが好適に行われる。
【0092】
図18に記載の例では、第1板部35の第2エッジ面35fは、第1板部35の第6方向DR6側のエッジ面であり、第2板部36の第2エッジ面36fは、第2板部36の第6方向DR6側のエッジ面である。第1板部35の第2エッジ面35f、および、第2板部36の第2エッジ面36fの各々は、第1矩形パイプ2の第2のC字状エッジ面27eに対向配置される。
【0093】
第1板部35の第2エッジ面35f、および、第2板部36の第2エッジ面36fは、第6方向DR6への第2矩形パイプ3の移動を防止するストッパ面として機能する。
【0094】
第1板部35の第2エッジ面35fの大部分(例えば、第1板部35の第2エッジ面35fの面積の90%以上)が、第1矩形パイプ2の第2のC字状エッジ面27eに対向配置されてもよい。
【0095】
図18に記載の例では、第1矩形パイプ2は、第1のC字状エッジ面24e、第2のC字状エッジ面27e、第1の直線状エッジ面21e、および、第2の直線状エッジ面22eを有する。図18に記載の例では、第2板部36が、これらの4つのエッジ面(24e、27e、21e、22e)によって、効果的に位置決めされる。
【0096】
図18に記載の例では、第2板部36は、第1のC字状エッジ面24eと、第2のC字状エッジ面27eとによって挟まれている。また、第2板部36(より具体的には、図12に示される第2板部36の第3方向DR3側の主面365)は、第1の直線状エッジ面21e、および、第2の直線状エッジ面22eに対向配置されている(より具体的には、接触配置されている。)。
【0097】
図17には、第2矩形パイプ3が、第2切り欠き37と、第3切り欠き38とを有する例が示されている。代替的に、図20に例示されるように、第3切り欠きは、省略されてもよい。
【0098】
(溶接部T)
図21に記載の例では、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3とが、少なくとも1つの溶接部Tによって、溶接接続されている。なお、図21において、溶接部Tには、クロスラインによるハッチングが付加されている。
【0099】
図21に記載の例では、第1矩形パイプ2と、第2矩形パイプ3の第1部分30(より具体的には、第2矩形パイプ3の第1板部35の第1側縁351e(図16を参照。))とが、第1溶接部T1によって溶接接続されている。また、第1矩形パイプ2と、第2矩形パイプ3の第2部分41(より具体的には、第2部分41の第5方向DR5側の端縁411e(図16を参照。))とが、第2溶接部T2によって溶接接続されている。
【0100】
第1部分30および第2部分41の各々が、第1矩形パイプ2に溶接されることにより、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3との接続が強固になる。付加的に、第1矩形パイプ2と、第2矩形パイプ3の第3部分46(より具体的には、第3部分46の第2方向DR2側の端縁461e(図16を参照。))とが、第3溶接部T3によって溶接接続されてもよい。
【0101】
なお、第1溶接部T1、第2溶接部T2、および、第3溶接部T3の各々は、線状の溶接部であってもよいし、スポット状の溶接部であってもよい。
【0102】
図21に記載の例では、第1矩形パイプ2と、第2矩形パイプ3の第1部分30(より具体的には、第2矩形パイプ3の第1板部35の第2側縁352e(図19を参照。))とが、第4溶接部T4によって溶接接続されている。また、第1矩形パイプ2と、第2矩形パイプ3の第2部分41(より具体的には、第2部分41の第5方向DR5側の端縁412e(図19を参照。))とが、第5溶接部T5によって溶接接続されている。付加的に、第1矩形パイプ2と、第2矩形パイプ3の第3部分46(より具体的には、第3部分46の第2方向DR2側の端縁462e(図19を参照。))とが、第6溶接部T6によって溶接接続されてもよい。
【0103】
図21に例示されるように、第1部分30が、第1溶接部T1および第4溶接部T4によって、第1矩形パイプ2に溶接されることにより、第1部分30と第1矩形パイプ2との接続が強固になる。第2部分41が、第2溶接部T2および第5溶接部T5によって、第1矩形パイプ2に溶接されることにより、第2部分41と第1矩形パイプ2との接続が強固になる。第3部分46が、第3溶接部T3および第6溶接部T6によって、第1矩形パイプ2に溶接されることにより、第3部分46と第1矩形パイプ2との接続が強固になる。
【0104】
(交差部J)
図1に記載の例では、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3とが略直角に交差している。換言すれば、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3との交差部Jが、直角状の交差部である。代替的に、図22乃至図24に例示されるように、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3とが傾斜状態で交差していてもよい。換言すれば、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3との交差部Jが、非直角状の交差部であってもよい。
【0105】
図1に記載の例では、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3との交差部Jが、略X字状の交差部である。代替的に、図8に例示されるように、第1矩形パイプ2と第2矩形パイプ3との交差部Jが、略T字状の交差部であってもよい。
【0106】
(第2の実施形態)
図1乃至図49を参照して、第2の実施形態におけるレーザ加工システム100Aについて説明する。図25は、第2の実施形態におけるレーザ加工システム100Aを模式的に示す図である。図26は、加工パス生成装置5AがCAD装置91から複数の基礎モデルの形状データDAを受け取る様子を模式的に示す図である。図27は、第1パイプモデルM1と第2パイプモデルM2との組み合わせを模式的に示す概略斜視図である。図28は、第1パイプモデルM1を模式的に示す概略斜視図である。図29は、第2パイプモデルM2を模式的に示す概略斜視図である。図30は、第1パイプモデルM1を模式的に示す概略斜視図である。図31は、加工パス生成装置5Aの一例を模式的に示す図である。図32および図33は、レーザが通る経路の一例を模式的に示す図である。図34および図35は、第2の実施形態におけるレーザ加工システム100Aを模式的に示す図である。図36は、第1基礎モデルM1bと、第2基礎モデルM2bとを含む複数のモデルが組み合わせられたアセンブリモデルAMを模式的に示す概略斜視図である。図37は、第1基礎モデルM1bを模式的に示す概略斜視図である。図38は、第2基礎モデルM2bを模式的に示す概略斜視図である。図39は、第1基礎モデルM1bと、第2基礎モデルM2bとを含む複数のモデルが組み合わせられたアセンブリモデルAMを模式的に示す概略斜視図である。図40乃至図43は、ディスプレイ55に表示される画像の例を示す図である。図44は、加工パス生成装置5Aの一例を模式的に示す図である。図45は、第2の実施形態におけるレーザ加工システム100Aを模式的に示す図である。図46乃至図49は、ディスプレイ55に表示される画像の例を示す図である。
【0107】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第2の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態において説明済みの事項を第2の実施形態に適用できることは言うまでもない。逆に、第2の実施形態で説明される事項は、第1の実施形態に適用可能である。
【0108】
図25に例示されるように、レーザ加工システム100Aは、加工パス生成装置5Aと、制御装置7と、レーザ加工機101と、を備える。
【0109】
加工パス生成装置5Aは、パイプ材Qから矩形パイプを作製するための加工パスを生成する。より具体的には、加工パス生成装置5Aは、矩形のパイプ素材であるパイプ材Qから所望形状の矩形パイプを作製するための加工パスを生成する。なお、本明細書において、加工パスとは、レーザまたは工具が、パイプ材Qを加工する経路を意味する。
【0110】
制御装置7は、加工パスに基づいて作成される加工プログラムを実行することにより、制御指令SAを生成し、生成された制御指令SAをレーザ加工機101に送信する。
【0111】
レーザ加工機101は、制御指令SAに基づいて動作し、パイプ材Qにレーザを照射することによりパイプ材Qから矩形パイプを作製する。
【0112】
図26に記載の例では、加工パス生成装置5A(例えば、CAD/CAM装置10a)は、演算装置52と、メモリ53と、入力装置54と、ディスプレイ55と、通信回路56と、を有する。入力装置54は、キーボード54kを含んでいてもよいし、マウス等のポインティングデバイス54pを含んでいてもよいし、タッチパネル付きディスプレイのタッチパネルを含んでいてもよい。
【0113】
加工パス生成装置5Aは、第1矩形パイプ2の形状モデルとして、第1パイプモデルM1を作成する第1の処理を実行する。図27に例示されるように、第1パイプモデルM1は、第1矩形パイプ2の形状に対応する形状を有する。第1矩形パイプ2については、第1の実施形態において説明済みであるため、第1矩形パイプ2についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0114】
加工パス生成装置5Aは、第1矩形パイプ2に交差するように配置されることとなる第2矩形パイプ3の形状モデルとして、第2パイプモデルM2を作成する第2の処理を実行する。図27に例示されるように、第2パイプモデルM2は、第2矩形パイプ3の形状に対応する形状を有する。第2矩形パイプ3については、第1の実施形態において説明済みであるため、第2矩形パイプ3についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0115】
図28に例示されるように、第1パイプモデルM1は、第1切り欠き20mを有し、第1方向DR1に延在する。
【0116】
図28に例示されるように、第1方向DR1に沿う方向における第1切り欠き20mの幅寸法を、第1値v1と定義する。図28に例示されるように、第2方向DR2に沿う方向における第1切り欠き20mの長さ寸法を、第2値v2と定義する。図27乃至図29に記載の例では、第2方向DR2は、第1方向DR1に略垂直な方向である。代替的に、第2方向DR2は、第1方向DR1に対して傾斜した方向であってもよい。
【0117】
図28に例示されるように、第3方向DR3に沿う方向における第1切り欠き20mの深さ寸法を、第3値v3と定義する。換言すれば、第3方向DR3に沿う方向における第1切り欠き20mの深さ寸法は、第3値v3である。図27乃至図29に記載の例では、第3方向DR3は、第1方向DR1に略垂直な方向である。また、第3方向DR3は、第2方向DR2に略垂直な方向である。
【0118】
図27に例示されるように、第2パイプモデルM2は、第1部分30mと、第2部分41mと、を有する。図27に例示されるように、第1部分30mは、第1パイプモデルM1の第1切り欠き20mに受容される。第2部分41mは、第1部分30mから第2方向DR2に延在する。
【0119】
図27に記載の例では、第2パイプモデルM2の延在方向(換言すれば、第2方向DR2)は、第1パイプモデルM1の延在方向(換言すれば、第1方向DR1)に略垂直な方向である。代替的に、第2パイプモデルM2の延在方向は、第1パイプモデルM1の延在方向に対して傾斜した方向であってもよい。
【0120】
図29に例示されるように、第2の処理は、第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2が、第1方向DR1に沿う方向における第2部分41mの幅寸法w22よりも小さくなるように、第2パイプモデルM2を作成することを含む。より具体的には、第2の処理は、第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2が、第1方向DR1に沿う方向における第2部分41mの幅寸法w22よりも小さくなるように、第2切り欠き37m、および/または、第3切り欠き38mを有する第2パイプモデルM2を作成することを含む。
【0121】
図28および図29に例示されるように、第2の処理は、第2方向DR2に沿う方向における第1部分30mの長さ寸法L2m(図29を参照。)が、第2値v2(図28を参照。)と実質的に等しくなるように、第2パイプモデルM2を作成することを含む。より具体的には、第2の処理は、第2方向DR2に沿う方向における長さ寸法が第2値v2と実質的に等しい第2切り欠き37mを有する第2パイプモデルM2を作成することを含む。
【0122】
また、図28および図29に例示されるように、第1の処理は、第1値v1(図28を参照。)が、第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2(図29を参照。)と実質的に等しくなるように、第1パイプモデルM1を作成することを含む。
【0123】
図31には、第1の処理、および、第2の処理の実行により作成された第1パイプモデルM1、および、第2パイプモデルM2がディスプレイ55に表示された状態が示されている。第2の処理は、第1の処理の実行前に実行されてもよいし、第1の処理の実行後に実行されてもよいし、第1の処理と並列的に実行されてもよい。
【0124】
加工パス生成装置5A(より具体的には、演算装置52)は、第1の処理の実行により作成された第1パイプモデルM1の3次元形状データDT1、および、第2の処理の実行により作成された第2パイプモデルM2の3次元形状データDT2をメモリ53に記憶させる(図44を参照。)。
【0125】
加工パス生成装置5A(より具体的には、演算装置52)は、第1パイプモデルM1の3次元形状データDT1に基づいて、第1パイプ材Q1から第1矩形パイプ2を作製するための第1加工パスを生成する第3の処理を実行する。また、加工パス生成装置5A(より具体的には、演算装置52)は、第2パイプモデルM2の3次元形状データDT2に基づいて、第2パイプ材Q2から第2矩形パイプ3を作製するための第2加工パスを生成する第4の処理を実行する。なお、3次元形状データに基づいて加工パスを生成するアルゴリズムとしては、任意の公知のアルゴリズムを採用することができる。
【0126】
図32に記載の例では、第1加工パスは、レーザ加工機101から射出されるレーザが、破線によって示される線上を通るように設定される。図33に記載の例では、第2加工パスは、レーザ加工機101から射出されるレーザが、破線によって示される線上を通るように設定される。
【0127】
なお、第1加工パスとは、第1パイプ材Q1から第1矩形パイプ2が作製されるように、レーザまたは工具が第1パイプ材Q1を加工する経路(例えば、第1パイプ材Q1から第1矩形パイプ2が作製されるように、レーザヘッド111が第1パイプ材Q1に対して相対移動する経路)を意味する。なお、図34に例示されるように、レーザ加工機101が、切削工具141等の工具を保持する加工ヘッド140を有する場合には、第1加工パスは、レーザが第1パイプ材Q1を加工する経路と、切削工具141等の工具が第1パイプ材Q1を加工する経路との両方を含んでいてもよい。加工パス生成装置5A(より具体的には、演算装置52)は、生成された第1加工パスを示す第1加工パスデータDP1を、メモリ53に記憶させる(図44を参照。)。
【0128】
また、第2加工パスとは、第2パイプ材Q2から第2矩形パイプ3が作製されるように、レーザまたは工具が第2パイプ材Q2を加工する経路(例えば、第2パイプ材Q2から第2矩形パイプ3が作製されるように、レーザヘッド111が第2パイプ材Q2に対して相対移動する経路)を意味する。なお、図35に例示されるように、レーザ加工機101が、切削工具141等の工具を保持する加工ヘッド140を有する場合には、第2加工パスは、レーザが第2パイプ材Q2を加工する経路と、切削工具141等の工具が第2パイプ材Q2を加工する経路との両方を含んでいてもよい。加工パス生成装置5A(より具体的には、演算装置52)は、生成された第2加工パスを示す第2加工パスデータDP2を、メモリ53に記憶させる(図44を参照。)。
【0129】
加工パス生成装置5Aあるいは制御装置7は、少なくとも第1加工パスおよび第2加工パスに基づいて、少なくとも1つの加工プログラムPGを作成する。また、制御装置7は、少なくとも1つの加工プログラムPGを実行することにより、制御指令SAを生成する。制御装置7は、生成された制御指令SAをレーザ加工機101に送信する(図34、および、図35を参照。)。
【0130】
レーザ加工機101は、制御指令SAに基づいて動作する。レーザ加工機101は、第1パイプ材Q1にレーザを照射することにより第1パイプ材Q1から第1矩形パイプ2を作製する(図34を参照。)。また、レーザ加工機101は、第2パイプ材Q2にレーザを照射することにより第2パイプ材Q2から第2矩形パイプ3を作製する(図34を参照。)。
【0131】
第2の実施形態におけるレーザ加工システム100Aは、互いの位置決めが容易な2つの矩形パイプ(2、3)の作製を効率的に実行することができる。より具体的には、第2の実施形態におけるレーザ加工システム100Aは、第1の実施形態におけるパイプアセンブリ1を構成する第1矩形パイプ2および第2矩形パイプ3の作製を効率的に実行することができる。
【0132】
(任意付加的な構成)
続いて、図1乃至図49を参照して、第2の実施形態におけるレーザ加工システム100Aにおいて採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0133】
(第1パイプモデルM1、および、第2パイプモデルM2)
第1パイプモデルM1は、第1矩形パイプ2の形状に対応する形状を有し、第2パイプモデルM2は、第2矩形パイプ3の形状に対応する形状を有する。よって、第1の実施形態における説明において、「パイプアセンブリ」、「第1矩形パイプ」、「第2矩形パイプ」を、それぞれ、「パイプアセンブリモデル」、「第1パイプモデル」、「第2パイプモデル」に読み替えることにより、第1の実施形態における説明は、第1パイプモデルM1、および、第2パイプモデルM2の説明とみなされるものとする。
【0134】
例えば、図9に関連する説明について上述の読み替えを行うことにより、第3方向DR3に沿う方向における第2パイプモデルM2の第2部分(41)の奥行寸法(D22)は、第3方向DR3に沿う方向における第1パイプモデルM1の奥行寸法(D1)よりも小さいことが理解される。
【0135】
例えば、図10に関連する説明について上述の読み替えを行うことにより、第2パイプモデルM2の第2部分(41)は、第2方向DR2に垂直な断面において、4つの直線部(42s)と、4つの弧状の角部(42c)とを有することが理解される。また、図12に関連する説明について上述の読み替えを行うことにより、第2パイプモデルM2の第1部分(30)は、第2方向DR2に垂直な断面において、2つの直線部(31s)のみを有することが理解される。
【0136】
例えば、図15乃至図17に関連する説明について上述の読み替えを行うことにより、第2パイプモデルM2の第1部分(30)は、第1板部(35)と、第1板部(35)に対して対向配置される第2板部(36)とを有することが理解される。また、第2パイプモデルM2は、第2部分(41)の第1エッジ面(41e)と、第1板部(35)の第1エッジ面(35e)と、第2板部(36)の第1エッジ面(36e)とを含む第1群のエッジ面(E2)によって規定される第2切り欠き(37)を有することが理解される。また、第1パイプモデルM1の一部が第2切り欠き(37)に受容されることが理解される。
【0137】
図27に記載の例では、第3方向DR3とは反対の方向を第4方向DR4と定義するとき、第2パイプモデルM2の外表面3mu(より具体的には、第2パイプモデルM2の第1部分30mの第4方向DR4側の外表面3mu)は、第1パイプモデルM1の第4方向DR4側の外表面2muと略面一である。
【0138】
図28および図29に記載の例では、第3方向DR3に沿う方向における第1切り欠き20mの深さ寸法を第3値v3と定義するとき、第3方向DR3に沿う方向における第1部分30mの奥行寸法d2(図29を参照。)は、第3値v3と実質的に等しい。
【0139】
図29に記載の例では、第2方向DR2とは反対の方向を第5方向DR5と定義するとき、第2パイプモデルM2は、第1部分30mから第5方向DR5に延在する第3部分46mを有する。また、第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2は、第1方向DR1に沿う方向における第3部分46mの幅寸法w23よりも小さい。
【0140】
図30に記載の例では、第1パイプモデルM1は、第4部分21mと、第5部分24mと、第6部分27mとを有する。
【0141】
図30に記載の例では、第4部分21mは、第1方向DR1に垂直な断面において、略C字形状を有する。第4部分21mは、第1の直線状エッジ面21me、および、第2の直線状エッジ面22meを有する。
【0142】
第5部分24mは、第4部分21mから第1方向DR1に延在する。図30に記載の例では、第5部分24mは、第1方向DR1に垂直な断面において、略長方形形状(より具体的には、角丸長方形形状)を有する。第5部分24mは、第1のC字状エッジ面24meを有する。
【0143】
第6部分27mは、第4部分21mから第6方向DR6に延在する。図30に記載の例では、第6部分27mは、第1方向DR1に垂直な断面において、略長方形形状(より具体的には、角丸長方形形状)を有する。第6部分27mは、第2のC字状エッジ面27meを有する。
【0144】
図30に記載の例では、第1パイプモデルM1は、第1のC字状エッジ面24meと、第2のC字状エッジ面27meと、第1の直線状エッジ面21meと、第2の直線状エッジ面22meと、を有する。また、第1のC字状エッジ面24me、第2のC字状エッジ面27me、第1の直線状エッジ面21me、および、第2の直線状エッジ面22meを含む複数のエッジ面E1mによって、第1切り欠き20mが規定される。
【0145】
図29、および、図30に記載の例において、第2パイプモデルM2の第1部分30m(より具体的には、第2板部36m)は、第1のC字状エッジ面24meと、第2のC字状エッジ面27meとによって挟まれる。また、第2パイプモデルM2の第1部分30m(より具体的には、第2板部36m)は、第1の直線状エッジ面21me、および、第2の直線状エッジ面22meに対向配置される。
【0146】
(加工パス生成装置5A)
加工パス生成装置5Aは、少なくとも1台のコンピュータを含む。加工パス生成装置5Aは、CAD/CAM装置10aを含んでいてもよい。なお、CADは、「Computer Aided Design」の略語であり、CAMは、「Computer Aidedmanufacturing」の略語である。CAD/CAM装置10aは、部品図面を作成可能であり、作成された部品図面に基づいて加工パス(例えば、第1加工パス、第2加工パス)を生成可能である。
【0147】
図26に記載の例では、加工パス生成装置5A(例えば、CAD/CAM装置10a)は、演算装置52と、メモリ53と、入力装置54と、ディスプレイ55と、通信回路56と、を備える。
【0148】
演算装置52は、少なくとも1つのプロセッサ52a(例えば、少なくとも1つのCPU)を含む。図26に記載の例では、加工パス生成装置5A(より具体的には、演算装置52)は、メモリ53に記憶されたプログラムPを実行することにより、演算装置52を、上述の第1の処理および上述の第2の処理を実行する形状データ作成部521、および、上述の第3の処理および上述の第4の処理を実行する加工パス生成部523として機能させる。
【0149】
メモリ53は、演算装置52によって読み取り可能な記憶媒体である。メモリ53は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性または揮発性の半導体メモリであってもよいし、磁気ディスクであってもよいし、その他の形式のメモリであってもよい。メモリ53は、プログラムP、および、データを記憶する。
【0150】
メモリ53は、複数の場所に分散配置されていてもよい。例えば、データを記憶するメモリが、プログラムPを記憶するメモリとは、別に設けられていてもよい。メモリ53は、ネットワークを介してアクセス可能なクラウドストレージを含んでいてもよい。
【0151】
入力装置54は、キーボード54kを含んでいてもよいし、マウス等のポインティングデバイス54pを含んでいてもよいし、その他のデバイス(例えば、ディスプレイ55上のタッチパネル)を含んでいてもよい。
【0152】
図26に記載の例では、演算装置52と、メモリ53と、入力装置54と、ディスプレイ55と、通信回路56とは、バス57を介して互いに接続されている。
【0153】
図26に記載の例では、加工パス生成装置5Aは、制御装置7とは別の装置である。代替的に、制御装置7が加工パス生成装置5Aとして機能してもよい。更に代替的に、CAD/CAM装置10aと制御装置7とが協働して加工パス生成装置5Aとして機能してもよく、CAD/CAM装置10aと後述のCAD装置91とが協働して加工パス生成装置5Aとして機能してもよい。また、CAD/CAM装置10aと、制御装置7と、CAD装置91とが協働して加工パス生成装置5Aとして機能してもよい。
【0154】
(準備処理)
図36に例示されるように、加工パス生成装置5A(より具体的には、演算装置52)は、第1矩形パイプ2の基礎的形状モデルである第1基礎モデルM1bと、第2矩形パイプ3の基礎的形状モデルである第2基礎モデルM2bとを含む複数のモデルが組み合わせられたアセンブリモデルAMを準備する準備処理を実行してもよい。
【0155】
図37に例示されるように、第1基礎モデルM1bは、第1矩形パイプ2の基礎的形状に対応する形状を有する。第1基礎モデルM1bは、第2基礎モデルM2bの一部を受容する基礎的切り欠き20mbを有する。図37に記載の例では、第1方向DR1に沿う方向における基礎的切り欠き20mbの幅寸法v1bは、上述の第1値v1(図28を参照。)よりも大きい。また、第1方向DR1に沿う方向における基礎的切り欠き20mbの長さ寸法v2bは、上述の第2値v2(図28を参照。)と等しい。また、第3方向DR3に沿う方向における基礎的切り欠き20mbの深さ寸法v3bは、上述の第3値v3(図28を参照。)と等しい。
【0156】
第1基礎モデルM1bは、第1矩形パイプ2の基礎的形状をモデリングしたものである。例えば、第1方向DR1に沿う方向における第1基礎モデルM1bの長さ寸法は、第1方向DR1に沿う方向における第1矩形パイプ2の長さ寸法に対応する。例えば、第2方向DR2に沿う方向における第1基礎モデルM1bの幅寸法は、第2方向DR2に沿う方向における第1矩形パイプ2の幅寸法に対応する。例えば、第3方向DR3に沿う方向における第1基礎モデルM1bの奥行寸法は、第3方向DR3に沿う方向における第1矩形パイプ2の奥行寸法に対応する。
【0157】
第2基礎モデルM2bは、第2矩形パイプ3の基礎的形状に対応する形状を有する。第2基礎モデルM2bは、部分的に、第1基礎モデルM1bの基礎的切り欠き20mbに受容される。第2基礎モデルM2bの一部が、第1基礎モデルM1bの基礎的切り欠き20mbによって受容された状態において、第2基礎モデルM2bと第1基礎モデルM1bとは交差する(図36を参照。)。
【0158】
第2基礎モデルM2bは、第2矩形パイプ3の基礎的形状をモデリングしたものである。例えば、第2方向DR2に沿う方向における第2基礎モデルM2bの長さ寸法は、第2方向DR2に沿う方向における第2矩形パイプ3の長さ寸法に対応する。例えば、第1方向DR1に沿う方向における第2基礎モデルM2bの幅寸法は、第1方向DR1に沿う方向における第2矩形パイプ3の幅寸法に対応する。例えば、第3方向DR3に沿う方向における第2基礎モデルM2bの奥行寸法は、第3方向DR3に沿う方向における第2矩形パイプ3の奥行寸法に対応する。
【0159】
図39に例示されるように、準備処理において準備されるアセンブリモデルAMには、第1基礎モデルM1bおよび第2基礎モデルM2b以外のモデルが含まれていてもよい。
【0160】
準備処理は、例えば、演算装置52が、複数の基礎モデルMbの形状データDAを読み出すことを含む。より具体的には、準備処理は、メモリ53に記憶されたプログラムPを実行する演算装置52が、複数の基礎モデルMbの形状データDAを含むファイルFをメモリ53から読み出すことを含む。代替的に、あるいは、付加的に、準備処理は、演算装置52が、複数の基礎モデルMbをディスプレイ55に表示させることを含んでいてもよい(図40を参照。)。代替的に、あるいは、付加的に、準備処理は、演算装置52によって実行されるソフトウェア(例えば、CADソフト)を用いて、複数の基礎モデルMbを作成することを含んでいてもよい。
【0161】
複数の基礎モデルMbの形状データDAには、第1基礎モデルM1bの形状データDA1と、第2基礎モデルM2bの形状データDA2とが含まれている。付加的に、複数の基礎モデルMbの形状データDAには、第3基礎モデルM3b(図39を参照。)の形状データが含まれていてもよい。
【0162】
図26に記載の例では、複数の基礎モデルMbの形状データDA(より具体的には、第1基礎モデルM1bの形状データDA1、第2基礎モデルM2bの形状データDA2)がメモリ53に記憶されている。
【0163】
複数の基礎モデルMbの形状データDAは、加工パス生成装置5Aとは別のCAD装置91によって作成されてもよい。この場合、図26に例示されるように、加工パス生成装置5Aは、CAD装置91から複数の基礎モデルMbの形状データDAを受信する。また、加工パス生成装置5Aは、受信した複数の基礎モデルMbの形状データDAをメモリ53に記憶する。代替的に、加工パス生成装置5Aは、USBメモリ等の可搬式メモリから複数の基礎モデルMbの形状データDAを受け取り、受け取った複数の基礎モデルMbの形状データDAをメモリ53に記憶してもよい。
【0164】
代替的に、複数の基礎モデルMbの形状データDAは、加工パス生成装置5Aによって作成されてもよい。例えば、演算装置52によって実行されるソフトウェア(例えば、CADソフト)を用いて、複数の基礎モデルMbが作成されてもよい。作成された複数の基礎モデルMbの形状データDAは、メモリ53に記憶される。
【0165】
(第1表示処理)
図40、または、図46に例示されるように、演算装置52(より具体的には、形状データ作成部521)は、上述の第1基礎モデルM1bと、上述の第2基礎モデルM2bとを含む複数のモデルが組み合わせられたアセンブリモデルAMをディスプレイ55に表示させる処理(以下、「第1表示処理」という。)を実行してもよい。第1表示処理は、上述の準備処理の一態様である。第1表示処理は、メモリ53に記憶されたプログラムPを実行する演算装置52が、上述のアセンブリモデルAMをディスプレイ55に表示させることを含む。
【0166】
(第1の処理、および、第2の処理)
図41および図42、あるいは、図47および図48に記載の例では、第1の処理(換言すれば、第1パイプモデルM1を作成する処理)は、第1基礎モデルM1bの形状を修正することにより、第1基礎モデルM1bから第1パイプモデルM1を作成することを含む。また、第2の処理(換言すれば、第2パイプモデルM2を作成する処理)は、第2基礎モデルM2bの形状を修正することにより、第2基礎モデルM2bから第2パイプモデルM2を作成することを含む。
【0167】
第1の処理、および、第2の処理は、演算装置52(より具体的には、形状データ作成部521)によって実行される。
【0168】
図42、または、図48には、第1の処理の実行によって、第1基礎モデルM1b(図41、または、図47を参照。)から作成された第1パイプモデルM1が、ディスプレイ55に表示された様子が示されている。また、図42、または、図48には、第2の処理の実行によって、第2基礎モデルM2b(図41、または、図47を参照。)から作成された第2パイプモデルM2が、ディスプレイ55に表示された様子が示されている。
【0169】
図41および図42に記載の例では、第2の処理(換言すれば、第2パイプモデルM2を作成する処理)は、第2方向DR2に沿う方向における第1部分30mの長さ寸法L2m(図42を参照。)が、第2方向DR2に沿う方向における第1基礎モデルM1bの幅寸法w1b(図41を参照。)と実質的に等しくなるよう、演算装置52が、第2方向DR2に沿う方向における第1部分30mの長さ寸法L2mを自動的に決定することを含む。
【0170】
第2の処理(換言すれば、第2パイプモデルM2を作成する処理)は、演算装置52が、第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2(図42を参照。)を自動的に決定することを含んでいてもよい。代替的に、図43に例示されるように、演算装置52は、入力装置4を介して行われるユーザの入力に基づいて、第1部分30mの幅寸法w2を決定してもよい。図43に記載の例では、演算装置52は、ディスプレイ55に、第2切り欠き37mの深さ寸法(換言すれば、切り欠き量)を入力する入力欄C1を表示させる。この場合、演算装置52は、入力欄C1に入力された数値に基づいて、第1部分30mの幅寸法w2を決定する。なお、演算装置52は、ディスプレイ55に、第2切り欠き37mの深さ寸法の推奨値(例えば、ユーザによって予め登録された値)を表示させてもよい。この場合、ユーザは、推奨値を参考にして、入力装置54を介して、演算装置52に、第2切り欠き37mの深さ寸法を入力することができる。
【0171】
図41および図42に記載の例では、プログラムPを実行する演算装置52は、第1切り欠き20mを規定する複数のエッジ面Em1(図28を参照。)のうちの一つ(より具体的には、第1のC字状エッジ面24me)を受容可能な第2切り欠き37m(図29を参照。)を第2基礎モデルM2bに形成することを含む処理を実行することにより、第2基礎モデルM2bから第2パイプモデルM2を作成する。
【0172】
より具体的には、図41および図42に記載の例では、プログラムPを実行する演算装置52は、第1切り欠き20mを規定する複数のエッジ面Em1(図28を参照。)のうちの一つ(より具体的には、第1のC字状エッジ面24me)を受容可能な第2切り欠き37m(図29を参照。)を第2基礎モデルM2bに形成することと、第1切り欠き20mを規定する複数のエッジ面Em1(図28を参照。)のうちの他の一つ(より具体的には、第2のC字状エッジ面27me)を受容可能な第3切り欠き38m(図29を参照。)を第2基礎モデルM2bに形成することと、を含む処理を実行することにより、第2基礎モデルM2bから第2パイプモデルM2を作成する。
【0173】
また、図41および図42に記載の例では、演算装置52が第2切り欠き37mおよび第3切り欠き38mを第2基礎モデルM2bに形成することは、演算装置52が、第1基礎モデルM1bと第2基礎モデルM2bとの交差部Jbにおいて、第2基礎モデルM2bから2つの板部34b(図38を参照。)を除去することを含む。2つの板部34bが除去されることにより、第2切り欠き37mおよび第3切り欠き38m(図29を参照。)が形成される。
【0174】
図41および図42に記載の例では、第1の処理(換言すれば、第1パイプモデルM1を作成する処理)は、上述の第1値v1(図42を参照。)が第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2(図42を参照。)と実質的に等しくなるよう、演算装置52が、第1方向DR1における基礎的切り欠き20mb(図41を参照。)の幅寸法を減少させることにより、第1基礎モデルM1bから第1パイプモデルM1を作成することを含む。
【0175】
図42に記載の例では、プログラムPを実行する演算装置52は、第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2に基づいて、上述の第1値v1が当該幅寸法w2と実質的に等しくなるように、上述の第1値v1を自動的に決定する。
【0176】
図41および図42に記載の例では、第1基礎モデルM1bと第2基礎モデルM2bとの間の交差部Jbにおいて第2基礎モデルM2bに第2切り欠きを形成することが入力装置4を介して承認された後(例えば、ディスプレイ55に表示された第1ボタンBN1がポインティングデバイス54pを用いてクリックされた後)、演算装置52は、第1基礎モデルM1bの幅寸法w1bに基づいて、第2基礎モデルM2bに第2切り欠き37m、および/または、第3切り欠き38mを自動的に形成することにより、第2基礎モデルM2bから第2パイプモデルM2を作成する。
【0177】
また、図41および図42に記載の例では、上述の交差部Jbにおいて第2基礎モデルM2bに第2切り欠きを形成することが入力装置4を介して承認された後、演算装置52は、上述の第1部分30mの幅寸法w2に基づいて、第1方向DR1における基礎的切り欠き20mbの幅寸法を自動的に減少させることにより、第1基礎モデルM1bから第1パイプモデルM1を作成する。
【0178】
図40、または、図47において、ディスプレイ55に表示された第1パイプモデルM1と第2パイプモデルM2との間の交差部Jb(破線矢印AR1を参照。)が、ポインティングデバイス54p等の入力装置54を介してユーザによって指定された後、当該交差部Jbにおいて第2基礎モデルM2bに第2切り欠きを形成することの承認が可能となるように構成されてよい。
【0179】
(制御装置7)
制御装置7は、レーザ加工機101を制御する。図34に記載の例において、制御装置7は、ディスプレイ72と、入力装置73(例えば、ディスプレイ72上のタッチパネル)と、演算装置74と、通信回路75と、メモリ76と、を備える。図34に記載の例では、メモリ76には、少なくとも第1加工パスおよび第2加工パスに基づいて作成された少なくとも1つの加工プログラムPGが記憶されている。
【0180】
制御装置7(より具体的には、演算装置74)は、少なくとも1つの加工プログラムPGを実行することにより制御指令SAを生成する。なお、本明細書において、制御装置7(より具体的には、演算装置74)が、少なくとも1つの加工プログラムPGを実行することには、制御装置7(より具体的には、演算装置74)が、演算プログラムPJを介して少なくとも1つの加工プログラムPGを実行することが包含される。換言すれば、制御装置7(より具体的には、演算装置74)が、演算プログラムPJを実行することにより、制御装置7(より具体的には、演算装置74)によって少なくとも1つの加工プログラムPGが処理(換言すれば、解釈)されてもよい。
【0181】
図34に記載の例では、ディスプレイ72と、入力装置73と、演算装置74と、通信回路75と、メモリ76とは、バス77を介して互いに接続されている。
【0182】
レーザ加工機101は、少なくとも1つの加工プログラムPGが制御装置7(より具体的には、演算装置74)によって実行されることにより生成される制御指令SAに基づいて動作する。より具体的には、通信回路75は、制御指令SAをレーザ加工機101に送信し、制御指令SAを受け取るレーザ加工機101は、当該制御指令SAに基づいて動作する。なお、制御指令SAには、レーザヘッド111を移動させる移動指令SA1、レーザヘッド111からレーザを射出させる射出指令SA2等の複数の指令が含まれる。
【0183】
(レーザ加工機101)
図34に記載の例では、レーザ加工機101は、レーザヘッド111を有するレーザ照射装置110と、移動装置120と、ワーク支持装置130と、を備える。
【0184】
図34に記載の例では、ワーク支持装置130は、第1チャック131と、第2チャック134とを有する。第1チャック131および第2チャック134は、パイプ材Q(例えば、第1パイプ材Q1)を支持する。
【0185】
第1チャック131は、パイプ材Q(例えば、第1パイプ材Q1)を把持可能な把持部材132を有していてもよい。第1チャック131は、パイプ材Q(例えば、第1パイプ材Q1)とともにX軸に平行な方向に移動可能であってもよい。なお、図34に記載の例において、X軸は、第1チャック131によって把持されたパイプ材Q(例えば、第1パイプ材Q1)の長手方向に平行な軸である。
【0186】
第2チャック134は、パイプ材Q(例えば、第1パイプ材Q1)を挟む複数のガイドローラ135を有していてもよい。複数のガイドローラ135は、X軸に平行な方向へのパイプ材Q(例えば、第1パイプ材Q1)の移動をガイドする。
【0187】
図34に記載の例において、ワーク支持装置130は、パイプ材Q(例えば、第1パイプ材Q1)を、当該パイプ材の長手方向に平行な軸まわりに回転させる回転駆動装置137を有していてもよい。
【0188】
移動装置120は、レーザヘッド111を、ワーク支持装置130に対して相対移動させる。
【0189】
図34に記載の例では、移動装置120は、レーザヘッド111を移動させる第1移動装置121を含む。移動装置120は、パイプ材Q(例えば、第1パイプ材Q1)を移動させるワーク移動装置(より具体的には、パイプ材をX軸に平行な方向に移動させるモータ)を含んでいてもよい。
【0190】
図34に記載の例では、第1移動装置121は、レーザヘッド111を支持する移動体(122a;123a)と、移動体(122a;123a)を移動させる駆動装置(122b;123b)と、を有する。
【0191】
第1移動装置121は、第1移動体122aと、第1移動体122aをZ軸に平行な方向に移動させる第1駆動装置122bとを有していてもよい。図34に記載の例では、第1移動体122aは、レーザヘッド111を直接的または間接的に支持し、レーザヘッド111とともにZ軸に平行な方向に移動可能である。なお、Z軸は、X軸に垂直な軸である。図34に記載の例では、Z軸は、鉛直方向に平行な軸である。
【0192】
第1移動装置121は、第2移動体123aと、第2移動体123aをY軸に平行な方向に移動させる第2駆動装置123bとを有していてもよい。図34に記載の例では、第2移動体123aは、レーザヘッド111を直接的または間接的に支持し、レーザヘッド111とともにY軸に平行な方向に移動可能である。なお、Y軸は、X軸およびZ軸の両方に垂直な軸である。図34に記載の例では、Y軸は、水平面に平行な軸である。
【0193】
レーザ照射装置110は、レーザヘッド111と、レーザ光源113と、レーザ光源113からレーザヘッド111にレーザを伝達する光学部品115(例えば、光ファイバ等)と、を有する。レーザヘッド111は、レーザを射出するレーザ射出口112を有する。
【0194】
図45に例示されるように、レーザ加工機101は、搬入部103と、レーザ加工部105と、搬出部107と、を有していてもよい。搬入部103に搬入されたパイプ材Q(例えば、第1パイプ材Q1)は、ワーク移動装置等の移動装置によって、レーザ加工部105に移送される。パイプ材Q(例えば、第1パイプ材Q1)から作製された第1矩形パイプ2等の部品は、コンベヤ等の任意の移送装置によって、レーザ加工部105から搬出部107に移送される。
【0195】
(レーザ加工システム100A)
図45に記載の例では、レーザ加工システム100Aは、加工パス生成装置5A(より具体的には、CAD/CAM装置10a)と、制御装置7と、レーザ加工機101とを備える。図45に記載の例では、加工パス生成装置5A(より具体的には、CAD/CAM装置10a)と制御装置7とが、有線LNまたは無線を介して、情報伝達可能に接続されている。
【0196】
加工パス生成装置5Aは、上述の第1加工パスおよび第2加工パスを生成する。加工パス生成装置5Aは、少なくとも第1加工パスおよび第2加工パスに基づいて少なくとも1つの加工プログラムPGを作成してもよい。図45に記載の例では、加工パス生成装置5Aは、少なくとも1つの加工プログラムPGを、有線LNまたは無線を介して、制御装置7に送信することができる。制御装置7は、加工パス生成装置5Aから受信する少なくとも1つの加工プログラムPGをメモリ76に記憶する。代替的に、制御装置7が、少なくとも第1加工パスおよび第2加工パスに基づいて少なくとも1つの加工プログラムPGを作成してもよい。この場合、加工パス生成装置5Aによって生成された第1加工パスおよび第2加工パスが、有線LNまたは無線を介して、制御装置7に送信されてもよく、制御装置7は、少なくとも第1加工パスおよび第2加工パスに基づいて少なくとも1つの加工プログラムPGを作成してもよい。作成された少なくとも1つの加工プログラムPGは、メモリ76に記憶される。
【0197】
代替的に、加工パス生成装置5Aと制御装置7との間の情報伝達は、可搬式のメモリ(例えば、USBメモリ)を用いて行われてもよい。
【0198】
図45に記載の例では、制御装置7は、レーザ加工機101が配置されている場所に配置されている。より具体的には、制御装置7とレーザ加工機101とは、同一の作業室SP1内に配置される。制御装置7は、レーザ加工機101(例えば、レーザ加工機101の外壁)に取り付けられていてもよい。図45に記載の例では、加工パス生成装置5Aは、レーザ加工機101が配置される作業室SP1とは、異なる室(より具体的には、オフィス空間SP2)に配置されている。
【0199】
(第3の実施形態)
図1乃至図50を参照して、第3の実施形態における加工パス生成方法、および、レーザ加工方法について説明する。図50は、第3の実施形態におけるレーザ加工方法の一例を示すフローチャートである。
【0200】
第3の実施形態では、第1の実施形態および第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第3の実施形態では、第1の実施形態または第2の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第3の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態または第2の実施形態において説明済みの事項を第3の実施形態に適用できることは言うまでもない。逆に、第3の実施形態で説明される事項は、第1の実施形態および第2の実施形態に適用可能である。
【0201】
第3の実施形態における加工パス生成方法は、第2の実施形態における加工パス生成装置5A(例えば、CAD/CAM装置10a)またはレーザ加工システム100Aを用いて行われてもよいし、他の加工パス生成装置またはレーザ加工システムを用いて行われてもよい。
【0202】
第1ステップST1において、アセンブリモデルAMが準備される。第1ステップST1は、準備工程である。図36、または、図39に記載の例では、準備工程で準備されるアセンブリモデルAMは、第1矩形パイプ2の基礎的形状モデルである第1基礎モデルM1bと、第2矩形パイプ3の基礎的形状モデルである第2基礎モデルM2bとを含む複数のモデルが組み合わせられたモデルである。
【0203】
準備工程(第1ステップST1)は、例えば、加工パス生成装置5(例えば、CAD/CAM装置10a)が、複数の基礎モデルMbの形状データDAを読み出すことを含む。より具体的には、準備工程(第1ステップST1)は、メモリ53に記憶されたプログラムPを実行する加工パス生成装置5(より具体的には、演算装置52)が、複数の基礎モデルMbの形状データDAを含むファイルFをメモリ53から読み出すことを含む。
【0204】
代替的に、あるいは、付加的に、準備工程(第1ステップST1)は、図40、または、図46に例示されるように、演算装置52が、アセンブリモデルAMをディスプレイ55に表示させることを含んでいてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、準備工程(第1ステップST1)は、演算装置52によって実行されるソフトウェア(例えば、CADソフト)を用いて、第1基礎モデルM1bおよび第2基礎モデルM2bを含む複数の基礎モデルMbを作成することを含んでいてもよい。
【0205】
準備工程(第1ステップST1)は、例えば、プログラムPを実行する加工パス生成装置5(より具体的には、演算装置52)によって行われる。
【0206】
第1基礎モデルM1b、および、第2基礎モデルM2bについては、第2の実施形態において説明済みであるため、第1基礎モデルM1b、および、第2基礎モデルM2bについての繰り返しとなる説明は省略する。
【0207】
第2ステップST2において、第1矩形パイプ2の形状モデルとして第1パイプモデルM1が作成される。第2ステップST2は、第1パイプモデル作成工程である。
【0208】
図28に例示されるように、第1パイプモデルM1は、第1方向DR1に沿う方向の幅寸法が第1値v1であり、第2方向DR2に沿う方向の長さ寸法が第2値v2である第1切り欠き20mを有する。図28に記載の例では、第3方向DR3に沿う方向における第1切り欠き20mの深さ寸法は、第3値v3である。図28に記載の例において、第1パイプモデルM1は、第1方向DR1に延在する。
【0209】
第1パイプモデル作成工程(第2ステップST2)は、例えば、プログラムPを実行する加工パス生成装置5(より具体的には、演算装置52)によって行われる。
【0210】
第1パイプモデル作成工程(第2ステップST2)は、加工パス生成装置5(より具体的には、演算装置52)によって作成された第1パイプモデルM1の3次元形状データDT1を、メモリ53に記憶させることを含んでいてもよい(図44を参照。)。
【0211】
第1パイプモデルM1については、第2の実施形態において説明済みであるため、第1パイプモデルM1についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0212】
第3ステップST3において、第1矩形パイプ2に交差するように配置されることとなる第2矩形パイプ3の形状モデルとして第2パイプモデルM2が作成される。第3ステップST3は、第2パイプモデル作成工程である。
【0213】
図29に例示されるように、第2パイプモデルM2は、第1切り欠き20mに受容される第1部分30mと、第1部分30mから第2方向DR2に延在する第2部分41mとを有する。
【0214】
図29に例示されるように、第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2は、第1方向DR1に沿う方向における第2部分41mの幅寸法w22よりも小さい。
【0215】
図29に記載の例では、第2パイプモデルM2は、第1部分30mから第5方向DR5(換言すれば、第2方向DR2とは反対の方向)に延在する第3部分46mを有する。図29に記載の例では、第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2は、第1方向DR1に沿う方向における第3部分46mの幅寸法w23よりも小さい。
【0216】
図27乃至図29から把握されるように、第2方向DR2に沿う方向における第1部分30mの長さ寸法L2m(図29を参照。)は、上述の第2値v2(図28を参照。)と実質的に等しく、第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2(図29を参照。)は、上述の第1値v1(図28を参照。)と実質的に等しい。付加的に、第3方向DR3に沿う方向における第1部分30mの奥行寸法d2(図29を参照。)は、上述の第3値v3(図28を参照。)と実質的に等しくてもよい。
【0217】
第2パイプモデル作成工程(第3ステップST3)は、例えば、プログラムPを実行する加工パス生成装置5(より具体的には、演算装置52)によって行われる。
【0218】
第2パイプモデル作成工程(第3ステップST3)は、加工パス生成装置5(より具体的には、演算装置52)によって作成された第2パイプモデルM2の3次元形状データDT2を、メモリ53に記憶させることを含んでいてもよい(図44を参照。)。
【0219】
第2パイプモデルM2については、第2の実施形態において説明済みであるため、第2パイプモデルM2についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0220】
第3ステップST3は、第2ステップST2の実行前に実行されてもよいし、第2ステップST2の実行後に実行されてもよいし、第2ステップST2と並列的に実行されてもよい。
【0221】
図41および図42、あるいは、図47および図48に記載の例では、第1パイプモデルM1の作成は、第1基礎モデルM1bの形状を修正することにより行われ、第2パイプモデルM2の作成は、第2基礎モデルM2bの形状を修正することにより行われる。代替的に、第1パイプモデルM1および第2パイプモデルM2の作成は、第1基礎モデルM1bおよび第2基礎モデルM2bの作成を経由することなく、ダイレクトに行われてもよい。この場合、第1ステップST1(準備工程)は、省略されてもよい。
【0222】
第4ステップST4において、第1パイプ材Q1から第1矩形パイプ2を作製するための第1加工パスが生成される。第4ステップST4は、第1加工パス生成工程である。
【0223】
第1加工パス生成工程(第4ステップST4)は、第1パイプモデルM1の3次元形状データに基づいて、第1パイプ材Q1から第1矩形パイプ2を作製するための第1加工パスを生成することを含む。第1加工パスについては、第2の実施形態において説明済みであるため、第1加工パスについての繰り返しとなる説明は省略する。
【0224】
第1加工パス生成工程(第4ステップST4)は、プログラムPを実行する加工パス生成装置5(より具体的には、演算装置52)によって自動的に行われてもよい。より具体的には、第1加工パス生成工程(第4ステップST4)は、第1パイプモデルM1の3次元形状データDT1に基づいて、演算装置52が、第1矩形パイプ2を作製するための第1加工パスを自動的に生成することを含んでいてもよい。
【0225】
第1加工パス生成工程(第4ステップST4)は、加工パス生成装置5(より具体的には、演算装置52)によって生成された第1加工パスを示す第1加工パスデータDP1をメモリ53に記憶させることを含んでいてもよい(図44を参照。)。
【0226】
第5ステップST5において、第1パイプ材Q1とは別の第2パイプ材Q2から第2矩形パイプ3を作製するための第2加工パスが生成される。第5ステップST5は、第2加工パス生成工程である。
【0227】
第2加工パス生成工程(第5ステップST5)は、第2パイプモデルM2の3次元形状データに基づいて、第2パイプ材Q2から第2矩形パイプ3を作製するための第2加工パスを生成することを含む。第2加工パスについては、第2の実施形態において説明済みであるため、第2加工パスについての繰り返しとなる説明は省略する。
【0228】
第2加工パス生成工程(第5ステップST5)は、プログラムPを実行する加工パス生成装置5(より具体的には、演算装置52)によって自動的に行われてもよい。より具体的には、第2加工パス生成工程(第5ステップST5)は、第2パイプモデルM2の3次元形状データDT2に基づいて、演算装置52が、第2矩形パイプ3を作製するための第2加工パスを自動的に生成することを含んでいてもよい。
【0229】
第2加工パス生成工程(第5ステップST5)は、加工パス生成装置5(より具体的には、演算装置52)によって生成された第2加工パスを示す第2加工パスデータDP2をメモリ53に記憶させることを含んでいてもよい(図44を参照。)。
【0230】
第5ステップST5は、第4ステップST4の実行前に実行されてもよいし、第4ステップST4の実行後に実行されてもよいし、第4ステップST4と並列的に実行されてもよい。
【0231】
第3の実施形態におけるレーザ加工方法は、上述の第1ステップST1乃至第5ステップST5に加え、(1)少なくとも第1加工パスおよび第2加工パスに基づいて、少なくとも1つの加工プログラムPGを作成する工程と、(2)少なくとも1つの加工プログラムPGを実行する制御装置7が制御指令SAを生成する工程と、(3)制御指令SAを受信するレーザ加工機101が第1パイプ材Q1にレーザを照射することにより、第1パイプ材Q1から第1矩形パイプ2を作製する工程と、(4)制御指令SAを受信するレーザ加工機101が第2パイプ材Q2にレーザを照射することにより、第2パイプ材Q2から第2矩形パイプ3を作製する工程と、を備える。
【0232】
第3の実施形態における加工パス生成方法(あるいは、第3の実施形態におけるレーザ加工方法)を用いると、互いの位置決めが容易な2つの矩形パイプを、容易に作製することができる。
【0233】
(任意付加的な構成)
続いて、図1乃至図50を参照して、第3の実施形態における加工パス生成方法、および、レーザ加工方法において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0234】
(加工パス生成装置5A、レーザ加工システム100A)
上述の第1ステップST1乃至第5ステップST5は、例えば、第2の実施形態における加工パス生成装置5A(より具体的には、CAD/CAM装置10a)、あるいは、第2の実施形態におけるレーザ加工システム100Aによって実行される。加工パス生成装置5A、レーザ加工システム100Aについては、第2の実施形態において説明済みであるため、加工パス生成装置5A、レーザ加工システム100Aについての繰り返しとなる説明は省略する。
【0235】
(アセンブリモデルAMの表示)
図40、または、図46に例示されるように、第3の実施形態における加工パス生成方法は、上述の第1基礎モデルM1bと、上述の第2基礎モデルM2bとを含む複数のモデルが組み合わせられたアセンブリモデルAMをディスプレイ55に表示させる工程(以下、「第1表示工程」という。)を有していてもよい。第1表示工程は、上述の準備工程の一態様である。第1表示工程は、メモリ53に記憶されたプログラムPを実行する演算装置52が、上述のアセンブリモデルAMをディスプレイ55に表示させることを含む。
【0236】
図40、または、図46に記載の例では、ディスプレイ55に表示されるアセンブリモデルAMは、第1基礎モデルM1bと、第2基礎モデルM2bとを含む。図46に例示されるように、ディスプレイ55に表示されるアセンブリモデルAMは、第3基礎モデルM3bを含んでいてもよい。図40、または、図46に例示されるように、ディスプレイ55には、アセンブリモデルAMの3次元形状(例えば、斜視図形状)が表示されてもよい。
【0237】
図39に記載の例において、2つの隣接する基礎モデルMbの境界を示す領域を境界領域RGと定義するとき、アセンブリモデルAMは、複数の境界領域RGを有する。アセンブリモデルAMが複数の境界領域RGを有する場合、ユーザは、どの境界領域RGが形状修正されたのかを認識し難くなる可能性がある。そこで、図49に例示されるように、第3の実施形態における加工パス生成方法は、形状修正された境界領域RG1を他の境界領域RG2と区別するためのマーキングMKを、ディスプレイ55に表示されたアセンブリモデルAMに付加することを含んでいてもよい。例えば、図39に示されるアセンブリモデルAMにおいて、新たに3つの境界領域RGの形状が修正される場合を想定する。この場合、図49に例示されるように、アセンブリモデルAMには、3つのマーキングMKが新たに付加される。図49に記載の例では、マーキングMKは、円形状を有する。代替的に、マーキングMKは、他の形状(例えば、多角形形状)を有していてもよい。
【0238】
図46に例示されるように、第2の実施形態における加工パス生成方法は、ディスプレイ55に表示されたアセンブリモデルAMにおいて第1基礎モデルM1bが選択されることに応じて、ディスプレイ55に表示されたアセンブリモデルAMの中で第1基礎モデルM1bを強調表示する工程を有していてもよい。強調表示は、例えば、第1基礎モデルM1bの色を、アセンブリモデルAMの中の他のモデルの色と異なる色にすることにより行われる。
【0239】
図47に例示されるように、第2の実施形態における加工パス生成方法は、入力装置54を介して選択された第1基礎モデルM1bにおいて、第2基礎モデルM2bとの交差部Jb(図47における破線矢印AR1を参照。)が入力装置4を介して指定されることに応じて、第1基礎モデルM1bと第2基礎モデルM2bとの交差部Jbの形状を修正する指示を受け付ける画像IGをディスプレイ55に表示する工程を有していてもよい。
【0240】
図47に記載の例では、交差部Jbの形状を修正する指示を受け付ける画像IGは、交差部Jbにおいて第2基礎モデルM2bに第2切り欠きを形成することの承認を求める画像IG1(より具体的には、第1ボタンBN1の画像)を含む。
【0241】
(第1パイプモデル作成工程、および、第2パイプモデル作成工程)
図41および図42、あるいは、図47および図48に記載の例では、第1パイプモデル作成工程は、第1基礎モデルM1bの形状を修正することにより、第1基礎モデルM1bから第1パイプモデルM1を作成することを含む。また、第2パイプモデル作成工程は、第2基礎モデルM2bの形状を修正することにより、第2基礎モデルM2bから第2パイプモデルM2を作成することを含む。
【0242】
第1パイプモデル作成工程、および、第2パイプモデル作成工程は、加工パス生成装置5(より具体的には、プログラムPを実行する演算装置52)によって実行される。
【0243】
図41および図42、あるいは、図47および図48に記載の例では、第2パイプモデル作成工程(第3ステップST3)は、第2方向DR2に沿う方向における第1部分30mの長さ寸法L2m(例えば、図42を参照。)が、第2方向DR2に沿う方向における第1基礎モデルM1bの幅寸法w1b(例えば、図41を参照。)と実質的に等しくなるよう、演算装置52が、第2方向DR2に沿う方向における第1部分30mの長さ寸法L2mを自動的に決定することを含む。
【0244】
第2パイプモデル作成工程(第3ステップST3)は、演算装置52が、第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2(図42を参照。)を自動的に決定することを含んでいてもよい。代替的に、図43に例示されるように、演算装置52は、入力装置4を介して行われるユーザの入力に基づいて、第1部分30mの幅寸法w2を決定してもよい。図43に記載の例では、演算装置52は、ディスプレイ55に、第2切り欠き37mの深さ寸法(換言すれば、切り欠き量)を入力する入力欄C1を表示させる。この場合、演算装置52は、入力欄C1に入力された数値に基づいて、第1部分30mの幅寸法w2を決定する。なお、演算装置52は、ディスプレイ55に、第2切り欠き37mの深さ寸法の推奨値(例えば、ユーザによって予め登録された値)を表示させてもよい。この場合、ユーザは、推奨値を参考にして、入力装置54を介して、演算装置52に、第2切り欠き37mの深さ寸法を入力することができる。
【0245】
図41および図42、あるいは、図47および図48に記載の例では、第2基礎モデルM2bの形状を修正することは、第1切り欠き20mを規定する複数のエッジ面Em1(図28を参照。)のうちの一つ(より具体的には、第1のC字状エッジ面24me)を受容可能な第2切り欠き37mを第2基礎モデルM2bに形成することを含む。
【0246】
図41および図42、あるいは、図47および図48に記載の例では、第2基礎モデルM2bの形状を修正することは、第1切り欠き20mを規定する複数のエッジ面Em1(図28を参照。)のうちの他の一つ(より具体的には、第2のC字状エッジ面27me)を受容可能な第3切り欠き38mを第2基礎モデルM2bに形成することを含む。
【0247】
また、図41および図42、あるいは、図47および図48に記載の例では、第2切り欠き37mおよび第3切り欠き38mを第2基礎モデルM2bに形成することは、第1基礎モデルM1bと第2基礎モデルM2bとの交差部Jbにおいて、第2基礎モデルM2bから2つの板部34b(図38を参照。)を除去することを含む。2つの板部34bが除去されることにより、第2切り欠き37mおよび第3切り欠き38m(図29を参照。)が形成される。
【0248】
図41および図42、あるいは、図47および図48に記載の例では、第1パイプモデル作成工程(第2ステップST2)は、上述の第1値v1(図42を参照。)が、第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2(図42を参照。)と実質的に等しくなるように、演算装置52が、第1方向DR1における基礎的切り欠き20mb(図41を参照。)の幅寸法を減少させることにより、第1基礎モデルM1bから第1パイプモデルM1を作成することを含む。
【0249】
図42、あるいは、図48に記載の例では、プログラムPを実行する演算装置52は、第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2に基づいて、上述の第1値v1が当該幅寸法w2と実質的に等しくなるように、上述の第1値v1を自動的に決定する。
【0250】
図41および図42、あるいは、図47および図48に記載の例では、第1基礎モデルM1bと第2基礎モデルM2bとの間の交差部Jbにおいて第2基礎モデルM2bに第2切り欠きを形成することが入力装置4を介して承認された後(例えば、ディスプレイ55に表示された第1ボタンBN1がポインティングデバイス54pを用いてクリックされた後)、演算装置52は、第1基礎モデルM1bの幅寸法w1b(例えば、図41を参照。)に基づいて、第2基礎モデルM2bに第2切り欠き37m、および/または、第3切り欠き38mを自動的に形成することにより、第2基礎モデルM2bから第2パイプモデルM2を作成する。
【0251】
また、図41および図42、あるいは、図47および図48に記載の例では、上述の交差部Jbにおいて第2基礎モデルM2bに第2切り欠きを形成することが入力装置4を介して承認された後、演算装置52は、上述の第1部分30mの幅寸法w2に基づいて、第1方向DR1における基礎的切り欠き20mbの幅寸法を自動的に減少させることにより、第1基礎モデルM1bから第1パイプモデルM1を作成する。
【0252】
(第1パイプモデルM1、および、第2パイプモデルM2の表示)
図42、あるいは、図48に例示されるように、第3の実施形態における加工パス生成方法は、上述の第1パイプモデルM1、および/または、上述の第2パイプモデルM2をディスプレイ55に表示させる工程(以下、「第2表示工程」という。)を有していてもよい。
【0253】
図42、または、図48に記載の例では、第2表示工程は、第1パイプモデルM1と、第2パイプモデルM2とを含む複数のモデルが組み合わせられた修正アセンブリモデルAmMをディスプレイ55に表示させることを含む。より具体的には、第2表示工程は、メモリ53に記憶されたプログラムPを実行する演算装置52が、修正アセンブリモデルAmMをディスプレイ55に表示させることを含む。修正アセンブリモデルAmMは、アセンブリモデルAMの形状を修正することにより作成されたアセンブリモデルである。
【0254】
図41および図42、あるいは、図47および図48に記載の例では、第1パイプモデルM1をディスプレイ55に表示することは、第1基礎モデルM1bが表示されていた位置(図41、あるいは、図47を参照。)に、第1パイプモデルM1(図42、あるいは、図48を参照。)を表示することを含む。図41および図42、あるいは、図47および図48に記載の例では、第2パイプモデルM2をディスプレイ55に表示することは、第2基礎モデルM2bが表示されていた位置(図41、あるいは、図47を参照。)に、第2パイプモデルM2(図42、あるいは、図48を参照。)を表示することを含む。
【0255】
第2基礎モデルM2bが表示されていた位置に、第2パイプモデルM2が表示されることにより、ユーザは、第2基礎モデルM2bに第2切り欠き37m等の切り欠きが形成されたことを把握し易い。図49に例示されるように、ディスプレイ55は、第2切り欠き37mが形成された交差部に対応する位置に、形状修正されたことを示すマーキングMKを表示してもよい。
【0256】
図42、あるいは、図48に記載の例では、第1パイプモデルM1と第2パイプモデルM2とがディスプレイ55に同時に表示される。図41および図42、あるいは、図47および図48に記載の例では、第1パイプモデルM1と第2パイプモデルM2とをディスプレイ55に同時に表示することは、第1基礎モデルM1bに置換して、第1パイプモデルM1を表示することと、第2基礎モデルM2bに置換して、第2パイプモデルM2を表示することとを含む。
【0257】
(レーザ加工方法)
第3の実施形態におけるレーザ加工方法は、少なくとも1つの加工プログラムPGを作成する工程を有する。より具体的には、上述の第1ステップST1乃至第5ステップST5の実行後、第6ステップST6において、少なくとも1つの加工プログラムPGが作成される。第6ステップST6は、加工プログラム作成工程である。
【0258】
加工プログラム作成工程(第6ステップST6)は、少なくとも第1加工パスおよび第2加工パスに基づいて、少なくとも1つの加工プログラムPGを作成することを含む。なお、第1加工パス、第2加工パス等の加工パスに基づいて少なくとも1つの加工プログラムPGを作成するアルゴリズムとしては、任意の公知のアルゴリズムを採用することができる。
【0259】
少なくとも1つの加工プログラムPGの作成は、プログラムPを実行する加工パス生成装置5(より具体的には、演算装置52)によって行われてもよい。代替的に、少なくとも1つの加工プログラムPGの作成は、制御装置7によって行われてもよい。
【0260】
少なくとも1つの加工プログラムPGの作成が加工パス生成装置5によって行われる場合には、第3の実施形態におけるレーザ加工方法は、制御装置7が、加工パス生成装置5によって作成された加工プログラムPGを受け取る工程を有する。より具体的には、第3の実施形態におけるレーザ加工方法は、制御装置7が、加工パス生成装置5から少なくとも1つの加工プログラムPGを受信する工程を有する。
【0261】
他方、少なくとも1つの加工プログラムPGの作成が制御装置7によって行われる場合には、第3の実施形態におけるレーザ加工方法は、制御装置7が、第1加工パスを示す第1加工パスデータDP1、および、第2加工パスを示す第2加工パスデータDP2を受け取る工程と、制御装置7が、少なくとも第1加工パスおよび第2加工パスに基づいて、少なくとも1つの加工プログラムPGを作成する工程と、を有する。
【0262】
第3の実施形態におけるレーザ加工方法は、少なくとも1つの加工プログラムPGに基づいて制御指令SAを生成する工程を有する。より具体的には、上述の第6ステップST6の実行後、第7ステップST7において、少なくとも1つの加工プログラムPGを実行する制御装置7は、制御指令SAを生成する。第7ステップST7は、制御指令生成工程である。
【0263】
制御装置7については、第2の実施形態において説明済みであるため、制御装置7についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0264】
第3の実施形態におけるレーザ加工方法は、第1パイプ材Q1から第1矩形パイプ2を作製する工程を有する。より具体的には、上述の第7ステップST7の実行後、第8ステップST8において、制御指令SAを受信するレーザ加工機101が第1パイプ材Q1にレーザを照射することにより、第1パイプ材Q1から第1矩形パイプ2が作製される。第8ステップST8は、第1矩形パイプ作製工程である。
【0265】
レーザ加工機101については、第1の実施形態において説明済みであるため、レーザ加工機101についての繰り返しとなる説明は省略する。なお、図34に例示されるように、レーザ加工機101が、切削工具141等の工具を保持する加工ヘッド140を有する場合には、第1矩形パイプ作製工程(第8ステップST8)は、制御指令SAを受信するレーザ加工機101が、工具を用いて第1パイプ材Q1を加工することを含んでいてもよい。
【0266】
第3の実施形態におけるレーザ加工方法は、第1パイプ材Q1とは別の第2パイプ材Q2から第2矩形パイプ3を作製する工程を有する。より具体的には、上述の第7ステップST7の実行後、第9ステップST9において、制御指令SAを受信するレーザ加工機101が第2パイプ材Q2にレーザを照射することにより、第2パイプ材Q2から第2矩形パイプ3が作製される。第9ステップST9は、第2矩形パイプ作製工程である。なお、図35に例示されるように、レーザ加工機101が、切削工具141等の工具を保持する加工ヘッド140を有する場合には、第2矩形パイプ作製工程(第9ステップST9)は、制御指令SAを受信するレーザ加工機101が、工具を用いて第2パイプ材Q2を加工することを含んでいてもよい。
【0267】
第9ステップST9は、第8ステップST8の実行前に実行されてもよいし、第8ステップST8の実行後に実行されてもよいし、第8ステップST8と並列的に実行されてもよい。
【0268】
(プログラムP)
実施形態におけるプログラムPは、第3の実施形態における加工パス生成方法を加工パス生成装置5またはレーザ加工システム100に実行させるためのプログラムである。
【0269】
より具体的には、実施形態におけるプログラムPは、(1)第1矩形パイプ2の形状モデルとして、第1方向DR1に沿う方向の幅寸法が第1値v1であり、第2方向DR2に沿う方向の長さ寸法が第2値v2である第1切り欠き20mを有し、第1方向DR1に延在する第1パイプモデルM1を作成する工程と、(2)第1矩形パイプ2に交差するように配置されることとなる第2矩形パイプ3の形状モデルとして、第1切り欠き20mに受容される第1部分30mと、第1部分30mから第2方向DR2に延在する第2部分41mとを有する第2パイプモデルM2を作成する工程と、(3)第1パイプモデルM1の3次元形状データに基づいて、第1パイプ材Q1から第1矩形パイプ2を作製するための第1加工パスを生成する工程と、(4)第2パイプモデルM2の3次元形状データに基づいて、第2パイプ材Q2から第2矩形パイプ3を作製するための第2加工パスを生成する工程と、を具備し、(5)第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2は、第1方向DR1に沿う方向における第2部分41mの幅寸法w22よりも小さく、(6)第2方向DR2に沿う方向における第1部分30mの長さ寸法L2mは、第2値v2と実質的に等しく、(7)第1方向DR1に沿う方向における第1部分30mの幅寸法w2は、第1値v1と実質的に等しい、加工パス生成方法を、加工パス生成装置5またはレーザ加工システム100に実行させるためのプログラムである。
【0270】
第3の実施形態における加工パス生成方法については、説明済みであるため、第3の実施形態における加工パス生成方法についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0271】
プログラムPは、複数のサブプログラムを含んでいてもよい。例えば、プログラムPは、上述の第1ステップST1(準備工程)、上述の第2ステップST2(第1パイプモデル作成工程)および上述の第3ステップST3(第2パイプモデル作成工程)を実行するサブプログラムと、上述の第4ステップST4(第1加工パス生成工程)および上述の第5ステップST5(第2加工パス生成工程)を実行するサブプログラムと、を含んでいてもよい。
【0272】
プログラムPは、上述の第6ステップST6(加工プログラム作成工程)を実行するプログラムを含んでいてもよい。換言すれば、実施形態におけるプログラムPは、上述の第1ステップST1乃至第6ステップST6を含む加工プログラム作成方法を加工パス生成装置5またはレーザ加工システム100に実行させるためのプログラムであってもよい。
【0273】
第1の実施形態におけるメモリ53は、上述のプログラムPを記録した不揮発性記憶媒体であってもよい。上述のプログラムPを記録した不揮発性記憶媒体は、図51に例示されるように、可搬式の記憶媒体53Mであってもよい。
【0274】
実施形態におけるプログラムPは、当該プログラムPが加工パス生成装置5またはレーザ加工システム100によって実行されることにより、第3の実施形態における加工パス生成方法と同様の効果を奏する。
【0275】
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または各変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0276】
1…パイプアセンブリ、2…第1矩形パイプ、2u…第1矩形パイプの外表面、2mu…第1パイプモデルの外表面、3…第2矩形パイプ、3u…第2矩形パイプの外表面、3mu…第2パイプモデルの外表面、4…入力装置、5、5A…加工パス生成装置、7…制御装置、10a…CAM装置、20、20m…第1切り欠き、20mb…基礎的切り欠き、21、21m…第4部分、21e、21me…第1の直線状エッジ面、22e、22me…第2の直線状エッジ面、23c-1…第1弧状角部、23c-2…第2弧状角部、23s-1…第1直線部、23s-2…第2直線部、23s-3…第3直線部、24、24m…第5部分、24e、24me…第1のC字状エッジ面、24u…第5部分の外周面、25c…弧状角部、25s…直線部、27、27m…第6部分、27e、27me…第2のC字状エッジ面、27u…第6部分の外周面、28c…弧状角部、28s…直線部、30、30m…第1部分、31c…弧状角部、31s…直線部、34b…板部、35、35m…第1板部、35e…第1板部の第1エッジ面、35f…第1板部の第2エッジ面、36、36m…第2板部、36e…第2板部の第1エッジ面、36f…第2板部の第2エッジ面、37、37m…第2切り欠き、38、38m…第3切り欠き、41、41m…第2部分、41e…第2部分の第1エッジ面、41f…第2部分の第2エッジ面、42c…弧状角部、42s…直線部、46、46m…第3部分、46e…第3部分の第1エッジ面、46f…第3部分の第2エッジ面、47c…弧状角部、47s…直線部、52…演算装置、52a…プロセッサ、53…メモリ、53M…記憶媒体、54…入力装置、54k…キーボード、54p…ポインティングデバイス、55…ディスプレイ、56…通信回路、57…バス、72…ディスプレイ、73…入力装置、74…演算装置、75…通信回路、76…メモリ、77…バス、91…CAD装置、100、100A…レーザ加工システム、101…レーザ加工機、103…搬入部、105…レーザ加工部、107…搬出部、110…レーザ照射装置、111…レーザヘッド、112…レーザ射出口、113…レーザ光源、115…光学部品、120…移動装置、121…第1移動装置、122a…第1移動体、122b…第1駆動装置、123a…第2移動体、123b…第2駆動装置、130…ワーク支持装置、131…第1チャック、132…把持部材、134…第2チャック、135…ガイドローラ、137…回転駆動装置、140…加工ヘッド、141…切削工具、351e…第1板部の第1側縁、352e…第1板部の第2側縁、365…第2板部の主面、411e…第2部分の第5方向側の端縁、412e…第2部分の第5方向側の端縁、461e…第3部分の第2方向側の端縁、462e…第3部分の第2方向側の端縁、521…形状データ作成部、523…加工パス生成部、AM…アセンブリモデル、AmM…修正アセンブリモデル、BN1…第1ボタン、C1…入力欄、D1…第1矩形パイプの奥行寸法、D2…第2矩形パイプの第1部分の奥行寸法、D22…第2矩形パイプの第2部分の奥行寸法、D23…第2矩形パイプの第3部分の奥行寸法、D4…第2切り欠きの深さ寸法、D5…第3切り欠きの深さ寸法、DA…複数の基礎モデルの形状データ、DA1…第1基礎モデルの形状データ、DA2…第2基礎モデルの形状データ、DP1…第1加工パスデータ、DP2…第2加工パスデータ、DR1…第1方向、DR2…第2方向、DR3…第3方向、DR4…第4方向、DR5…第5方向、DR6…第6方向、DT1…第1パイプモデルの3次元形状データ、DT2…第2パイプモデルの3次元形状データ、E1、E2、E3、Em1…エッジ面、F…ファイル、GP…隙間、IG…交差部の形状を修正する指示を受け付ける画像、IG1…承認を求める画像、J、Jb…交差部、K1、K2…境界部分、L2、L2m…第1部分の長さ寸法、LN…有線、M1…第1パイプモデル、M1b…第1基礎モデル、M2…第2パイプモデル、M2b…第2基礎モデル、M3b…第3基礎モデル、MK…マーキング、Mb…基礎モデル、P…プログラム、PG…加工プログラム、PJ…演算プログラム、Q…パイプ材、Q1…第1パイプ材、Q2…第2パイプ材、RG…境界領域、RG1…形状修正された境界領域、RG2…形状修正されていない境界領域、SA…制御指令、SA1…移動指令、SA2…射出指令、SP1…作業室、SP2…オフィス空間、T…溶接部、T1…第1溶接部、T2…第2溶接部、T3…第3溶接部、T4…第4溶接部、T5…第5溶接部、T6…第6溶接部、V1、v1…第1値、V2、v2…第2値、V3、v3…第3値、W1…第1矩形パイプの幅寸法、W2…第2矩形パイプの第1部分の幅寸法、W22…第2矩形パイプの第2部分の幅寸法、W23…第2矩形パイプの第3部分の幅寸法、W2p…第1板部の幅寸法、d2…第2パイプモデルの第1部分の奥行寸法、v1b…基礎的切り欠きの幅寸法、v2b…基礎的切り欠きの長さ寸法、v3b…基礎的切り欠きの深さ寸法、w1b…第1基礎モデルの幅寸法、w2…第2パイプモデルの第1部分の幅寸法、w22…第2パイプモデルの第2部分の幅寸法、w23…第2パイプモデルの第3部分の幅寸法
【要約】
パイプアセンブリは、第1方向に沿う方向の幅寸法が第1値であり、第2方向に沿う方向の長さ寸法が第2値である第1切り欠きを有し、第1方向に延在する第1矩形パイプと、第1切り欠きに受容される第1部分と、第1部分から第2方向に延在する第2部分とを有し、第1矩形パイプに交差するように配置される第2矩形パイプと、を具備する。第1方向に沿う方向における第1部分の幅寸法は、第1方向に沿う方向における第2部分の幅寸法よりも小さい。第2方向に沿う方向における第1部分の長さ寸法は、第2値と実質的に等しい。第1方向に沿う方向における第1部分の幅寸法は、第1値と実質的に等しい。
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