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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】印刷処理プログラム及び印刷処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241031BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20241031BHJP
   B41J 3/36 20060101ALN20241031BHJP
【FI】
G06F3/12 342
G06F3/12 303
G06F3/12 324
G06F3/12 347
G06F3/12 344
G06F3/12 371
G06F3/12 378
H04N1/387 110
B41J3/36 T
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020182651
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022072940
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 英明
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-017937(JP,A)
【文献】特開2020-098465(JP,A)
【文献】特開2015-069596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
H04N 1/387
B41J 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字媒体を装着可能な装着手段と前記印字媒体を用いて所望の印字を行う印字手段とを備え印字ラベルを作成する印刷装置に接続可能な端末装置に実行させる印刷処理プログラムであって、前記端末装置の制御部に対し、
単独ラルの印字内容を表す1つの単独ラベル印字データを少なくとも取得するデータ取得手順と、
前記データ取得手順で取得した前記単独ラベル印字データを用いて単独ラベルを作成するか、または、前記単独ラベル印字データを用いて複数の前記印字媒体を用いて厚さ方向に重ね貼りされる重ね貼りラベルを作成するか、の選択を前記端末装置の操作部を介して受け付ける選択受付手順と、
前記選択受付手順での受付結果に基づき、前記重ね貼りラベルの作成が選択されている場合は当該重ね貼りラベルを前記印刷装置で作成するため、前単独ラベル印字データに対して重ね貼りされる少なくとも1つの新たな印字データを追加するための編集操作、前記単独ラベルの作成が選択されている場合は当該単独ラベルを前記印刷装置で作成するための編集操作、を受け付ける編集手順と、
前記編集操作に応じて1つ以上の印字データを生成するラベルデータ生成手順と、
前記ラベルデータ生成手順で生成した印字データを前記印刷装置に送信するデータ送信手順と、
を実行させるための印刷処理プログラム。
【請求項2】
印字媒体を装着可能な装着手段と前記印字媒体を用いて所望の印字を行う印字手段とを備え印字ラベルを作成する印刷装置に接続可能な端末装置に実行させる印刷処理プログラムであって、前記端末装置の制御部に対し、
単独ラベルの印字内容を表す1つの単独ラベル印字データを少なくとも取得するデータ取得手順と、
複数の前記印字媒体を用いて厚さ方向に重ね貼りされる重ね貼りラベルを前記印刷装置で作成するため、前単独ベル印字データにおける印字内容を複数の印字データに分割するための編集操作を受け付ける編集手順と、
前記編集操作に応じて1つ以上の印字データを生成するラベルデータ生成手順と、
前記ラベルデータ生成手順で生成した印字データを前記印刷装置に送信するデータ送信手順と、
を実行させるための印刷処理プログラム。
【請求項3】
前記制御部に対し、さらに、
前記データ取得手順で取得した前記単独ラベル印字データを用いて前記単独ラベルを作成するか、前記重ね貼りラベルを作成するか、の選択を前記端末装置の操作部を介して受け付ける選択受付手順を実行させる
ことを特徴とする請求項2記載の印刷処理プログラム。
【請求項4】
前記制御部に対し、さらに、
前記単独ラベルを作成するか前記重ね貼りラベルを作成するかの確認を促す確認表示を前記端末装置の表示部に行わせる確認表示手順を実行させ、
前記編集手順では、
前記確認表示手順での前記確認表示に基づく前記操作部を介した選択を受け付ける
ことを特徴とする請求項1又は請求項3記載の印刷処理プログラム。
【請求項5】
前記制御部に対し、さらに、
前記選択受付手順で前記単独ラベルの作成が選択された場合は、当該単独ラベルにおける印字内容を編集可能な第1編集画面を前記端末装置の表示部に表示させ、前記選択受付手順で前記重ね貼りラベルの作成が選択された場合は、当該重ね貼りラベルにおける印字内容を編集可能な第2編集画面を前記端末装置の表示部に表示させる編集画面表示手順を実行させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項3又は請求項4記載の印刷処理プログラム。
【請求項6】
前記制御部に対し、さらに、
前記選択受付手順で前記単独ラベルの作成が選択された場合は、当該単独ラベルにおける印字内容を編集可能な第1編集画面を前記端末装置の表示部に表示させ、前記選択受付手順で前記重ね貼りラベルの作成が選択された場合は、当該重ね貼りラベルにおける印字内容を編集可能な第2編集画面を前記端末装置の表示部に表示させる編集画面表示手順を実行させ、
前記選択受付手順で前記重ね貼りラベルの作成が選択された場合において、
前記編集画面表示手順では、
前記単独ラベル印字データにおける印字内容を表す第1画面と、前記単独ラベル印字データに対して重ね貼りされる少なくとも1つの新たな印字データにおける印字内容を表す第2画面と、を含む前記第2編集画面を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項記載の印刷処理プログラム。
【請求項7】
前記第1画面における前記単独ラベル印字データの印字内容及び前記第2画面における前記新たな印字データの印字内容はそれぞれ編集可能に構成されており、
前記ラベルデータ生成手順では、
前記第1画面での編集結果に対応した第1印字データと、前記第2画面での編集結果に対応した第2印字データと、を生成し、
前記データ送信手順では、
前記第1印字データ及び前記第2印字データを前記印刷装置に送信する
ことを特徴とする請求項6記載の印刷処理プログラム。
【請求項8】
前記第2画面における前記新たな印字データの印字内容は編集可能に構成されており、
前記ラベルデータ生成手順では、
前記第2画面での編集結果に対応した第2印字データを生成し、
前記データ送信手順では、
前記第2印字データを前記印刷装置に送信する
ことを特徴とする請求項6記載の印刷処理プログラム。
【請求項9】
前記制御部に対し、さらに、
前記データ取得手順で取得した前記単独ラベル印字データを用いて前記単独ラベルを作成するか、前記重ね貼りラベルを作成するか、の選択を前記端末装置の操作部を介して受け付ける選択受付手順を実行させ、
前記選択受付手順で前記単独ラベルの作成が選択された場合は、当該単独ラベルにおける印字内容を編集可能な第1編集画面を前記端末装置の表示部に表示させ、前記選択受付手順で前記重ね貼りラベルの作成が選択された場合は、当該重ね貼りラベルにおける印字内容を編集可能な第2編集画面を前記端末装置の表示部に表示させる編集画面表示手順を実行させ、
前記選択受付手順で前記重ね貼りラベルの作成が選択された場合に、前記単独ラベル印字データにおける印字内容を複数の印字データに振り分ける分割手順を実行させ、
前記編集画面表示手順では、
前記重ね貼りラベルの印字内容をそれぞれ表す複数の第3画面を有する前記第2編集画面であって、前記複数の第3画面は前記複数の印字データをそれぞれ含む前記第2編集画面を、前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項2記載の印刷処理プログラム。
【請求項10】
前記複数の第3画面それぞれにおける前記印字データの印字内容はそれぞれ編集可能に構成されており、
前記ラベルデータ生成手順では、
前記複数の第3画面それぞれでの編集結果に対応した複数の第3印字データを生成し、
前記データ送信手順では、
前記複数の第3印字データを前記印刷装置に送信する
ことを特徴とする請求項9記載の印刷処理プログラム。
【請求項11】
前記制御部に対し、さらに、
前記選択受付手順で前記重ね貼りラベルの作成が選択された場合に、
前記ラベルデータ生成手順では前記編集手順で編集された重ね貼りラベルの複数のレイヤー毎の単独ラベル印字データと複数のレイヤーをまとめた1つの重ね貼りラベル印字データを生成する
ことを特徴とする請求項5記載の印刷処理プログラム。
【請求項12】
前記端末装置の記憶部若しくは外部装置に、既に作成済の前記単独ラベルに対応した1つの前記単独ラベル印字データと、既に作成済の前記重ね貼りラベルを構成する複数の印字ラベルに対応した1つの前記重ね貼りラベル印字データと、が予め記憶されており、
前記制御部に対し、さらに、
前記記憶部若しくは前記外部装置に予め記憶された前記単独ラベル印字データまたは前記重ね貼りラベル印字データを読み込む読込手順を実行させ、
前記データ取得手順では、
前記読込手順における読み込み結果に対応した前記単独ラベル印字データまたは前記重ね貼りラベル印字データを取得する
ことを特徴とする請求項11記載の印刷処理プログラム。
【請求項13】
前記制御部に対し、
前記読込手順で読み込んだ印字データが、前記単独ラベル印字データであるか、または、前記重ね貼りラベル印字データであるかを判定する判定手順をさらに実行させ、
前記判定手順で前記単独ラベル印字データであると判定された場合に、前記データ取得手順、前記編集手順、前記ラベルデータ生成手順が実行される
ことを特徴とする請求項12記載の印刷処理プログラム。
【請求項14】
字媒体を用いて所望の印字を行い印字ラベルを作成する印刷処理方法であって、
単独ラベルの印字内容を表す1つの単独ラベル印字データを少なくとも取得するデータ取得手順と、
前記データ取得手順で取得した前記単独ラベル印字データを用いて単独ラベルを作成するか、または、前記単独ラベル印字データを用いて複数の前記印字媒体を用いて厚さ方向に重ね貼りされる重ね貼りラベルを作成するか、の選択を受け付ける選択受付手順と、
前記選択受付手順での受付結果に基づき、前記重ね貼りラベルの作成が選択されている場合は当該重ね貼りラベルを作成するため、前記単独ラベル印字データに対して重ね貼りされる少なくとも1つの新たな単独ラベル印字データを追加するための編集操作、前記単独ラベルの作成が選択されている場合は当該単独ラベルを作成するための編集操作、を受け付ける編集手順と、
記編集操作に応じて1つ以上の印字データを生成するラベルデータ生成手順と、
前記ラベルデータ生成手順で生成した印字データを印刷する印刷手順と、
を有することを特徴とする印刷処理方法。
【請求項15】
印字媒体を用いて所望の印字を行い印字ラベルを作成する印刷処理方法であって、
単独ラベルの印字内容を表す1つの単独ラベル印字データを少なくとも取得するデータ取得手順と、
複数の前記印字媒体を用いて厚さ方向に重ね貼りされる重ね貼りラベルを作成するため、
前記単独ラベル印字データにおける印字内容を複数の印字データに分割するための編集操作を受け付ける編集手順と、
前記編集操作に応じて1つ以上の印字データを生成するラベルデータ生成手順と、
前記ラベルデータ生成手順で生成した印字データを印刷する印刷手順と、
を有することを特徴とする印刷処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に接続された端末装置が実行する印刷処理プログラム及び印刷処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1には、互いに異なる種類の印刷用テープそれぞれに対し印字を行うことで、重ね貼りされて使用される複数の印字ラベルを作成する技術が開示されている。
【0003】
この従来技術では、印刷装置にカートリッジが装着されると、カートリッジから供給されるテープに対し所望の印字が行われた後、印字後のテープが所定長さに切断されることで、印字ラベルが作成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-17937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術においては、重ね貼りされて使用される複数の印字ラベルを新規に作成する場合の手順について開示されている。すなわち、複数の印字ラベルの作成の際は、端末装置の画面上において、各印字ラベルにおける印字色及びテープ色を所望に設定する。またそれらの設定に基づく複数の印字ラベルを重ね貼りしたときの外観上の姿を、前述の各印字ラベルにおける色の設定の結果として端末装置の画面上において表示させる。
【0006】
一方、上述のように新規に作成するのではなく、例えばユーザが、既に作成済である、重ね貼り用として使用されない通常の1枚の印字ラベルの印字データを用いて、重ね貼り用として使用される複数の印字ラベルを作成することができれば便利である。上記従来技術においてはこのような点に配慮されていなかった。
【0007】
本発明の目的は、既に作成済である、重ね貼り用として使用されない印字ラベルの印字データを用いて、重ね貼り用として使用される複数の印字ラベルを作成することができる、印刷処理プログラム及び印刷処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願発明は、印字媒体を収納した媒体収納体を装着可能な装着手段と前記印字媒体を用いて所望の印字を行う印字手段とを備え印字ラベルを作成する印刷装置に接続可能な端末装置に実行させる印刷処理プログラムであって、前記端末装置の制御部に対し、1つの前記印字ラベルを印字形成する内容を表す1つの印字データを取得するデータ取得手順と、前記データ取得手順で取得した前記1つの印字データに基づき、複数の前記媒体収納体を用いて厚さ方向に重ね貼りされる複数の印字ラベルを前記印刷装置で作成するための編集操作を前記端末装置の操作部を介し受け付ける操作受付手順と、前記操作受付手順で受け付けた前記編集操作に応じた印字データを生成するデータ生成手順と、前記データ生成手順で生成した印字データを前記印刷装置に送信するデータ送信手順と、を実行させる。
【0009】
本願発明においては、端末装置の制御部で印刷処理プログラムが実行されると、データ取得手順で1つの印字データが取得される。この印字データは、1つの印字ラベルを印字形成する内容を表す印字データであり、厚さ方向に重ね貼りされる複数の印字ラベルそれぞれの内容を表す印字データではないものである。
【0010】
ユーザが、上記取得された1つの印字データに基づき印刷装置が重ね貼りされる複数の印字ラベルを作成するための編集操作を行うと、その編集操作が操作受付手順で受け付けられる。データ生成手順で、受け付けた編集操作に応じた印字内容を表す印字データが生成される。生成された印字データは、データ送信手順で印刷装置へと送信される。
【0011】
以上のようにして、本願発明においては、既に作成済である、重ね貼り用として使用されない1つの印字ラベルに係わる1つの印字データを用いて、重ね貼り用として使用される複数の印字ラベルを作成することができる。この結果、ユーザにとっての利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、既に作成済である、重ね貼り用として使用されない印字ラベルの印字データを用いて、重ね貼り用として使用される複数の印字ラベルを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態に係わる印刷システムの全体構成を模式的に表すシステム構成図である。
図2】操作端末及びラベルプリンタの機能的構成を表す機能ブロック図である。
図3】カートリッジ内部の構成を表す模式図である。
図4】2つの単独ラベルを重ね合わせて1つの重ね貼りラベルとする例を表す説明図である。
図5】本発明の一実施形態による重ね貼りラベル印字データの編集操作を行うときの編集画面の表示例を表す説明図である。
図6】本発明の一実施形態による確認選択画面の表示例を表す説明図である。
図7】本発明の一実施形態による単独ラベル印字データの編集操作を行うときの編集画面の表示例を表す説明図である。
図8】本発明の一実施形態による、1つの単独ラベルに上ラベルを追加してその編集操作のみを行うときの編集画面の表示例を表す説明図である。
図9】CPUが実行する制御手順の一例を表すフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態による、1つの単独ラベルに上ラベルを追加して両方の編集操作を行うときの編集画面の表示例を表す説明図である。
図11】本発明の変形例による確認選択画面の表示例を表す説明図である。
図12】本発明の変形例による、1つの単独ラベル印字データから2つの印字データに分割する操作を行うときの分割操作画面の表示例を表す説明図である。
図13】CPUが実行する制御手順の一例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0015】
<システム全体構成>
本実施形態に係わる、印刷システム全体の構成を図1に示す。図1において、印刷システム1は、例えば汎用パーソナルコンピュータで構成される操作端末2と、操作端末2に接続されたラベルプリンタ3と、を有している。操作端末2は、ラベルプリンタ3と相互に情報送受可能に接続されている。ラベルプリンタ3は、操作端末2でのユーザの操作に基づき、印字ラベルLを作成する。なお、ラベルプリンタ3が印刷装置の一例であり、操作端末2が端末装置の一例である。
【0016】
<操作端末>
操作端末2は、図2に示すように、CPU11と、例えばRAMやROM等からなるメモリ12と、操作器13と、表示部14と、通信制御部15と、大容量記憶装置16と、を備えている。 なお、CPU11が制御部の一例である。
【0017】
操作器13は、ユーザからの指示や情報が入力される例えばマウスおよびキーボード等により構成される。表示部14は、各種情報やメッセージを表示する。通信制御部15は、ラベルプリンタ3との信号の授受の制御を行う。大容量記憶装置16は、各種のプログラムや情報を記憶する。CPU11は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMや大容量記憶装置16に予め記憶されたプログラムに従って、各種の処理やラベルプリンタ3との間で各種の信号の送受を行う。この例では、上記のメモリ12又は大容量記憶装置16にあらかじめ後述する印字データが記憶されている。なお、メモリ12及び大容量記憶装置16が、記憶部の一例である。
【0018】
<ラベルプリンタ>
ラベルプリンタ3は、図2に示すように、制御回路21と、カートリッジ101を着脱可能なカートリッジホルダ22と、通信制御部23と、を有する。カートリッジホルダ22はカートリッジ101を着脱可能に構成されている。なお、カートリッジ101が媒体収容体の一例であり、カートリッジホルダ22が装着手段の一例である。ラベルプリンタ3は、制御回路21が、通信制御部23を介して操作端末2の上記通信制御部15に接続されることにより、操作端末2と情報の送受が可能となっている。
【0019】
<カートリッジ及びカートリッジホルダ>
カートリッジ101及びカートリッジホルダ22近傍の詳細構造を図3に示す。カートリッジ101は、筐体101Aと、この筐体101A内に配置され帯状の基材テープ102が巻回された第1ロール103と、上記基材テープ102と同じ幅である透明なカバーフィルム104が巻回された第2ロール105と、インクリボン106を繰り出すリボン供給側ロール107と、印字後のインクリボン106を巻取るリボン巻取りローラ108と、カートリッジ101のテープ排出部の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ109とを有する。なお、カバーフィルム104及びインクリボン106が印字媒体の一例である。但しカバーフィルム104が受熱により所定の色に発色可能な感熱テープである場合は、インクリボン106は不要である。なお、第1ロール103と第2ロール105とは実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す。
【0020】
第1ロール103は、リール部材103Aの周りに上記基材テープ102を巻回している。基材テープ102は、例えば、第1ロール103の内側に巻かれる側よりその反対側へ向かって、貼り合わせ用の粘着剤層、基材層、貼り付け用の粘着剤層、剥離材層の順序で積層され構成されている。第2ロール105は、リール部材105Aの周りに上記カバーフィルム104を巻回している。テープ送りローラ109は、上記基材テープ102と上記カバーフィルム104とを押圧し接着させ印字ラベル用テープ110としつつ、テープ送りを行う。
【0021】
カートリッジホルダ22には、カートリッジ101内の使用済みの上記インクリボン106を巻き取るためのリボン巻取りローラ駆動軸27と、上記印字ラベル用テープ110を搬送するためのテープ送りローラ駆動軸28とが設けられている。前述のリボン巻取りローラ108及びテープ送りローラ109は、図示しない搬送ローラ用モータの駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸27及び上記テープ送りローラ駆動軸28に伝達されることによって、連動して回転駆動される。またカートリッジホルダ22には、搬送されるカバーフィルム104に所望の印字を形成する印字ヘッド29が設けられている。なお、この印字ヘッド29が印字手段の一例である。
【0022】
印字ラベル用テープ110の搬送経路に沿ってテープ送りローラ109及び圧着ローラ24の下流側には、固定刃25と、固定刃25との協働により印字ラベル用テープ110を厚さ方向に切断する可動刃26と、が設けられている。
【0023】
<ラベルプリンタ動作概略>
上記構成のラベルプリンタ3において、カートリッジ101が上記カートリッジホルダ22に装着されると、カバーフィルム104及びインクリボン106が印字ヘッド29とこれに対向するプラテンローラ30との間に狭持される。基材テープ102及びカバーフィルム104は、テープ送りローラ109とこれに対向する圧着ローラ24との間に狭持される。リボン巻取りローラ108及びテープ送りローラ109が図3中矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動されることにより、圧着ローラ24、及びプラテンローラ30が回転する。第1ロール103からは基材テープ102が繰り出され、テープ送りローラ109へ供給される。第2ロール105からはカバーフィルム104が繰り出されるとともに、図示しない印刷駆動回路により印字ヘッド29の複数の発熱素子が通電されることにより、カバーフィルム104に印字がなされる。カバーフィルム104への印字が終了したインクリボン106は、リボン巻取りローラ駆動軸27の駆動によりリボン巻取りローラ108に巻取られる。
【0024】
上記基材テープ102と上記印刷が終了したカバーフィルム104とが上記テープ送りローラ109及び圧着ローラ24により接着されて一体化されることにより、印字ラベル用テープ110が形成され、カートリッジ101外へと搬出される。カートリッジ101外へ搬出された印字ラベル用テープ110は、固定刃25及び可動刃26の協働によって切断され、印字ラベルLが生成される。
【0025】
<重ね貼りラベル>
本実施形態においては、ラベルプリンタ3により作成された2つの印字ラベルL,Lが互いに重ね合わされて貼り合わされ、さらにその状態で貼り付け対象に貼り付けられる。そのような印字ラベルの例を図4(a)~(c)により説明する。
【0026】
図4(a)は上記のように重ね合わされる2つの印字ラベルのうちの一方の印字ラベルLAの一例を示している。この例では印字ラベルLAの長さ方向両端に、それぞれ、円形枠内に斜線が付された形状の禁止マークM1,M1が形成されている。図4(b)は、重ね合わされる2つの印字ラベルのうちの他方の印字ラベルLBの一例を示している。この例では印字ラベルLBの長さ方向両端に、それぞれ、煙を出すタバコマークM2,M2が形成されている。またそれらタバコマークM2,M2の間に「NO SMOKING」のテキスト文字T1が形成されている。
【0027】
そしてこの例では、図4(a)の印字ラベルLAの印字ラベル用テープ110が透過性の色を備えている。その結果この印字ラベルLAを上記図4(b)の印字ラベルLBの上から重ね合わせることで、図4(c)に示す、印字ラベルLABが生成される。以下適宜、印字ラベルLABを「重ね貼りラベルLAB」と称する。また、印字ラベルLAを「上ラベルLA」と称し、印字ラベルLBを「下ラベルLB」と称する。また重ね貼りラベルの仕様によっては、1枚の下ラベルに対し複数枚の上ラベルを重ね貼りするものもある(特に図示せず)。
【0028】
上記の重ね合わせの結果、重ね貼りラベルLABでは、長さ方向両端に、上記禁止マークM1とタバコマークM2とが重なり合って合成された禁煙の合成マークM12,M12が配置される。また、それら合成マークM12,M12の間に、前述のテキスト文字T1が配置されている。なお、以下適宜、上記禁止マークM1、タバコマークM2、合成マークM12を単に「マークM」と総称し、これらマークM及びテキスト文字T1を、「印字オブジェクト」と総称する。
【0029】
なお、この例では上ラベルLA及び下ラベルLBはそれぞれ同じ幅、同じ長さに構成されており、その結果図4(a)に示す上ラベルLAを、図4(b)に示す下ラベルLBの上にぴったりと重ね合わせることにより、重ね貼りラベルLABを作成することができる。
【0030】
前述したように、ラベルプリンタ3においては、カートリッジホルダ22にカートリッジ101が装着されて用いられる。したがって、ラベルプリンタ3では種々のカートリッジ101を適宜に交換し用いることで、種々の印字ラベルLを作成することができる。このとき、例えば互いに異なる色の印字ラベル用テープ110を生成する複数種類のカートリッジ101を使い分けることで、互いに異なるテープ色となる印字ラベルLを作成することができる。また同様に、互いに異なる色のインクリボン106を備えた複数種類のカートリッジ101を使い分けることで、印字オブジェクトを印字形成するときの印字色を種々変えつつ印字ラベルLを作成することもできる。
【0031】
本実施形態では、前述したようにラベルプリンタ3により印字ラベルLを作成するために操作端末2から操作される際、上記表示部14の画面上において、各印字オブジェクトの印字内容の編集や、上記印字色や媒体色の設定を行うことができる。特に、前述のように複数の印字ラベルLを重ね合わせて使用する場合では、それら複数の印字ラベルLそれぞれについて、印字色及び媒体色の設定を行うことができる。
【0032】
さらに、操作端末2によって一度設定された印字ラベルLの印字オブジェクトの印字内容や印字色及び媒体色などの設定内容については印字データとして生成し、上記メモリ12や大容量記憶装置16、又は特に図示しない通信ネットワーク等を介して外部のサーバや他の端末等の外部装置に記録することができる。このとき、上記図4(a)の上ラベルLAや上記図4(b)の下ラベルLBのそれぞれの印字データを独立した単独ラベル印字データとして個別に生成し記録することができる。なお、この単独ラベル印字データが1つの印字データの一例であり、単独ラベル印字データに基づいて印字形成された印字ラベルLが1つの印字ラベルの一例である。また一方、それら互いに重ね張り可能な複数の単独ラベル印字データをまとめて、上記図4(c)の重ね貼りラベルLABの全体に対応した1つの重ね貼りラベル印字データとして生成し記録することもできる。なお、この重ね貼りラベル印字データが複数の印字データの一例であり、重ね貼りラベル印字データに基づいて印字形成された印字ラベルLが複数の印字ラベルの一例である。これら単独ラベル印字データと重ね貼りラベル印字データは、例えばデータファイルネームの拡張子やデータヘッダなどを参照してそのデータ種類を認識し区別することができる。
【0033】
<実施形態の特徴>
上記構成の本実施形態において、その特徴は、既に作成済みである単独ラベル印字データ又は重ね貼りラベル印字データのいずれを取得した場合でも、その取得した印字データを用いて重ね貼りラベル印字データとして編集、生成するときの処理にある。以下、その詳細を順を追って説明する。
【0034】
<重ね貼りラベル印字データを取得してそのまま編集する場合>
まず、本実施形態において、上記メモリ12や大容量記憶装置16等から取得した印字データが重ね貼りラベル印字データである場合に、そのまま当該重ね貼りラベル印字データに含まれる各単独ラベル印字データをそれぞれ編集する場合の操作例を図5により説明する。図5(a)に示すように、上記表示部14は、重ね貼りラベルLABを作成するために重ね合わされる、印字ラベルLそれぞれの単独ラベル印字データの印字内容を編集し設定可能なレイヤーモニタ40が備えられている。この例では、レイヤーモニタ40は、あらかじめ取得した重ね貼りラベル印字データに含まれる上記上ラベルLAに対応する第1レイヤーモニタ41と、同じく取得した重ね貼りラベル印字データに含まれる上記下ラベルLBに対応する第2レイヤーモニタ42と、が設けられている。
【0035】
これら第1レイヤーモニタ41と第2レイヤーモニタ42には、それぞれ左上方の角部において対応する印字ラベルの区別、すなわち図示する例の「上ラベル1」、「下ラベル0」がそれぞれ記載されたタブ53,54が表示されている。なお、図示する例では下ラベルに対して重ね貼りする上ラベルが1枚だけの場合で示しているが、下ラベルに対して複数枚の上ラベルを重ね貼りする場合には3つ以上のレイヤーモニタを例えばスクロール表示などにより切り替えて表示してもよい(特に図示せず)。このため上記のタブ53,54での表記例では、下ラベルを特に「下ラベル0」と表記し、上ラベルを「上ラベル1」と表示している。複数枚の上ラベルの重ね貼りする場合には、順次「上ラベル2」、「上ラベル3」などのタブが表示された他のレイヤーモニタが切り替え表示する。
【0036】
そして当該印字データの編集画面においては、複数並べて表示されたレイヤーモニタのうち、それぞれ対応する単独ラベル印字データが編集可能であるレイヤーモニタだけに対して、編集画面であることを示す太枠線WLで囲まれるよう表示される。この図5に示す例においては、取得した印字データが重ね貼りラベル印字データであって、それに含まれる複数の単独ラベル印字データはいずれも編集可能としている。このため、第1レイヤーモニタ41と第2レイヤーモニタ42のいずれも編集画面であることを示す太枠線WLで囲まれて表示され、それぞれにおいて後述する印字色や媒体色の変更、印字オブジェクトの削除、追加、及び印字内容の修正などの編集操作が可能となる。なお後述する図8に示すように、編集することができない単独ラベル印字データに対応したレイヤーモニタ42には太枠線WLが表示されず、その中には対応するテープイメージTbが表示されるものの当該印字データに対する修正や再設定などの編集操作はできなくなる。
【0037】
図5(a)に示すように、上記上ラベルLAを編集する際には、ユーザによる表示部14の操作ボタン50の適宜の操作により、第1レイヤーモニタ41において、印字ラベル用テープ110を表すテープイメージTa内に、上記禁止マークM1,M1を表すマークイメージI1,I1が配置される。以下適宜、テープイメージTa中において表示される全ての印字内容、この例ではマークイメージI1,I1を印字イメージIaと称する。すなわち、上ラベルLAに対応するラベルイメージLaには、テープイメージTaと印字イメージIaとが含まれる。
【0038】
このとき、本実施形態では、第1レイヤーモニタ41の下部にテープ色ボタン51と印字色ボタン52とが設けられている。テープ色ボタン51は、上ラベルLAの印字ラベル用テープ110のテープ色を設定するためのボタンである。この例では上ラベルLAに対してあらかじめ固定的に透明が設定されており、これに対応してテープイメージTaは画面中において透明に対応する色彩、例えば背景色のない色彩で表示されている。印字色ボタン52は、上ラベルLAの印字オブジェクトの印字色を設定するためのボタンである。この例では初期的に青が選択されており、これに対応してラベルイメージLaの印字イメージIaは画面中において対応する色彩、例えば青色で表示されている。
【0039】
同じく図5(a)に示すように、上記下ラベルLBを編集する際には、ユーザによる表示部14の操作ボタン50の適宜の操作により、第2レイヤーモニタ42において、印字ラベル用テープ110を表すテープイメージTb内に、上記タバコマークM2,M2を表すマークイメージI2,I2、及び上記「NO SMOKING」のテキスト文字T1を表すテキストイメージI0が配置される。以下適宜、テープイメージTb中において表示される全ての印字内容、この例ではマークイメージI2,I2及びテキストイメージI0を印字イメージIbと称する。すなわち、下ラベルLBに対応するラベルイメージLbには、テープイメージTbと印字イメージIbとが含まれる。
【0040】
このとき、上記第1レイヤーモニタ41と同様、第2レイヤーモニタ42の下部にテープ色ボタン51と印字色ボタン52とが設けられている。テープ色ボタン51は、下ラベルLBの印字ラベル用テープ110のテープ色を設定するためのボタンである。この例では下ラベルLBに対してあらかじめ固定的に白が設定されており、これに対応してラベルイメージLbのテープイメージTbは画面中において対応する色彩、例えば白色で表示されている。印字色ボタン52は、下ラベルLBの印字オブジェクトの印字色を設定するためのボタンである。この例では初期的に黒が選択されており、これに対してラベルイメージLbの印字イメージIbは画面中において対応する色彩、例えば黒色で表示されている。
【0041】
一方、表示部14にはまた、重ね貼りラベルLABの外観を表すプレビューモニタ43が備えられている。前述した操作により、第1レイヤーモニタ41にラベルイメージLaが表示され、第2レイヤーモニタ42にラベルイメージLbが表示されるとともに、プレビューモニタ43にはそれらラベルイメージLa、ラベルイメージLbを合成したラベルイメージLabが表示される。この例では、上記重ね貼りラベルLABの印字ラベル用テープ110を表すテープイメージTab内に、上記マークイメージI1,I1とマークイメージI2,I2とが合成されたマークイメージI12,I12が配置されたラベルイメージLabが、プレビューモニタ43に表示されている。また、マークイメージI12,I12の間には、テキストイメージI0が配置されている。
【0042】
このとき、前述のように、テープイメージTaは画面中において透明に対応する色彩、例えば背景色のない色彩で表示されることにより、テープイメージTabはテープイメージTbの色に対応する色彩、例えば白色で表示される。また、マークイメージI12,I12はマークイメージI2,I2の上にマークイメージI1,I1が重なった態様で、それぞれに対応する色彩で表示される。テキストイメージI0は、前述の色彩で表示される。このようにして生成されたテープイメージTab内において表示される全ての印字内容、この例では、マークイメージI12,I12及びテキストイメージI0を、以下適宜、重ね貼り印字イメージIabと称する。また、このプレビューモニタ43の左上方の角部においては、合成表示している対象の「下ラベル0」、「上ラベル1」がそれぞれ記載された2つのタブ53,54が並べて表示されている。
【0043】
ここで、ユーザの好みあるいはその他の事情により、取得した重ね貼りラベル印字データで初期的に設定されている上ラベルLAと下ラベルLBの各印字オブジェクトの印字内容や印字色、下ラベルLBの印字ラベル用テープ110のテープ色を変更したい場合がある。この場合、適宜の編集操作によって印字オブジェクトの印字内容の修正や、前述した第1レイヤーモニタ41の印字色ボタン52の再設定、及び第2レイヤーモニタ42のテープ色ボタン51及び印字色ボタン52の再設定により修正することができる。
【0044】
例えば図5(b)に示す例のように、第1レイヤーモニタ41における印字色ボタン52により、上ラベルLAの印字オブジェクトの色を赤に再設定する。これに対応してラベルイメージLaの印字イメージIaは画面中において対応する色彩、例えば赤色で表示される。またこの結果、重ね貼りラベルイメージLab内のマークイメージI12,I12が、例えば赤色に変化して表示される。
【0045】
その後、図5(b)に示す例のように、第2レイヤーモニタ42における適宜の修正操作により、下ラベルLBの印字オブジェクトの印字内容であるテキスト文字を「喫煙禁止」のテキスト文字T2に修正する。これに対応してラベルイメージLbのテキストイメージI0は、画面中において対応する「喫煙禁止」のテキストのイメージで表示される。またこの結果、ラベルイメージLab内のテキストイメージI0は、対応する「喫煙禁止」のテキストのイメージで表示される。
【0046】
そして、ユーザが操作器13を介して印刷ボタン55を押下する操作を行うことにより編集作業が終了し、各ラベルLA,LBそれぞれに対応した単独ラベル印字データが生成されるとともに、それらをまとめた重ね貼りラベル印字データが生成され、ラベルプリンタ3へ送信される。
【0047】
上記のように、取得した印字データが重ね張りラベル印字データである場合には、そのまま当該重ね貼りラベル印字データに含まれる各印字データをそれぞれ個別のレイヤーモニタで表示し編集すればよい。しかし、取得した印字データが1つの単独ラベル印字データであっても、当該単独ラベル印字データを用いて重ね張りラベル印字データを作成したい場合がある。
【0048】
<取得した印字データが1つの単独ラベル印字データである場合>
操作端末2のCPU11が上記メモリ12や大容量記憶装置16から印字データを取得した際に、当該印字データが単独ラベル印字データであることを認識した場合には図6に示す確認選択画面を表示部14に表示する。この確認選択画面では、取得した単独ラベル印字データのラベルイメージLbとともに、取得した印字データが単独ラベル印字データである旨のメッセージを表示する。また確認選択画面では、取得した単独ラベル印字データを用いてそのまま編集するか、もしくはさらに単独ラベルを追加して重ね貼りラベルとして編集するかの確認を促す確認表示を表示する。すなわちこの確認表示はユーザに対して、1つの単独ラベルを作成するか、複数の印字ラベルで構成する重ね貼りラベルを作成するかの確認を促している。また確認選択画面には、単独ラベルとして編集するか、重ね貼りラベルとして編集するか、のそれぞれの選択に対応した2つのボタン61,62が表示されている。ユーザはいずれかのボタンを操作することにより、単独ラベルとしての編集と、重ね貼りラベルとしての編集を選択できる。
【0049】
<単独ラベルとして編集する場合>
上記確認表示画面でユーザが単独ラベルとして編集することを選択操作した場合、上記図5に対応する図7に示す単独ラベル印字データの編集画面が表示部14に表示される。なお、この図7に示す単独ラベル印字データの編集画面が第1編集画面の一例である。編集前の状態を示す図7(a)において、取得した単独ラベル印字データは上記図4(b)に示した例の印字ラベルに対応する印字データであり、レイヤーモニタ40のうちの第1レイヤーモニタ41だけに当該単独ラベル印字データのラベルイメージLaが表示されている。この第1レイヤーモニタ41においては、「ラベル1」が記載されたタブ53と、編集可能な画面であることを示す太枠線WLが表示されており、操作器13を介した適宜の編集操作によって当該単独ラベル印字データの各種内容が修正可能となっている。
【0050】
また、プレビューモニタ43には、第1レイヤーモニタ41と同等のラベルイメージLaとタブ53が表示されている。そして第2レイヤーモニタ42においては、太枠線WLやラベルイメージが表示されず、タブ54には何も記載されない。このような単独ラベル印字データの編集画面では、図5(b)に示すように、第1レイヤーモニタ41でのラベルイメージLaに対する編集操作のみが受け付けられ、その編集結果がプレビューモニタ43に表示されるだけである。
【0051】
<重ね貼りラベルとして編集する場合>
一方、上記確認表示画面でユーザが重ね貼りラベルとして編集することを選択操作した場合、上記図5に対応する図8に示す重ね貼りラベル印字データの編集画面が表示部14に表示される。なお、この図8に示す重ね貼りラベル印字データの編集画面が第2編集画面の一例である。この場合には、編集前の状態を示す図8(a)において、取得した単独ラベル印字データは上記図4(b)に示した例の印字ラベルに対応する印字データであり、レイヤーモニタ40のうちの第2レイヤーモニタ42だけに当該単独ラベル印字データのラベルイメージLbが表示される。この第2レイヤーモニタ42においては、「下ラベル0」が記載されたタブ54が表示されるものの、太枠線WLが表示されずに当該単独ラベル印字データに対する編集操作が不可能となっている。なお、このときの第2レイヤーモニタ42が、第1画面の一例である。
【0052】
また、編集前の状態を示す図8(a)において、第1レイヤーモニタ41には追加する単独ラベルの初期的なラベルイメージとして何も印字内容が設定されていない空白のテープイメージTxだけが表示される。このテープイメージTxは、取得した単独ラベル印字データの下ラベルと同じテープ幅及びテープ長さで設定され、テープ色ボタン51は固定的に透明が設定され、印字色ボタン52は初期的に未設定となっている。この第1レイヤーモニタ41においては、「上ラベル1(追加)」が記載されたタブ53と、編集可能な画面であることを示す太枠線WLが表示されており、操作器13を介した適宜の編集操作によって印字データの各種内容が修正可能となっている。なお、このときの第1レイヤーモニタ41が、第2画面の一例である。
【0053】
また、プレビューモニタ43には、第1レイヤーモニタ41のラベルイメージLaと、第2レイヤーモニタ42のラベルイメージLbを合成したラベルイメージLabが表示される。また、このプレビューモニタ43の左上方の角部においては、合成表示している対象の「下ラベル0」、「上ラベル1(追加)」がそれぞれ記載された2つのタブ53,54が並べて表示されている。
【0054】
このような重ね貼りラベル印字データの編集画面では、図7(b)に示すように、第1レイヤーモニタ41でのラベルイメージLaに対する編集操作のみが受け付けられ、その編集結果と第2レイヤーモニタ42のラベルイメージLbとを合成したラベルイメージLabがプレビューモニタ43に表示される。
【0055】
そして、ユーザが操作器13を介して印刷ボタン55を押下する操作を行うことにより編集作業が終了し、各ラベルLA,LBそれぞれに対応した単独ラベル印字データが生成されるとともに、それらをまとめた重ね貼りラベル印字データが生成され、ラベルプリンタ3へ送信される。なお、このとき生成されるラベルLAの単独ラベル印字データが、第2印字データの一例である。
【0056】
<制御手順>
上記の手法を実現するために、CPU11が実行する制御手順の一例を、図9のフローチャートにより説明する。この制御手順は、上記ROMに記憶された複数のプログラムに含まれる、本実施形態による印刷処理プログラムにより実行され、その実行によって本実施形態による以下の印刷処理方法が実現される。
【0057】
まずS5で、操作器13を介したユーザの操作により指定された印字データを上記メモリ12や大容量記憶装置16から取得する。なお、このS5がデータ取得手順の一例であり、読込手順の一例である。
【0058】
その後S10で、上記S5で取得した印字データの種類が重ね貼りラベル印字データと単独ラベル印字データのいずれであるかが判定される。重ね貼りラベル印字データであると判定された場合、S15に移行する。なお、このS10が判定手順の一例である。
【0059】
S15では、上記図5に示した編集画面のように上ラベルLAのラベルイメージLaが第1レイヤーモニタ41に、下ラベルLBのラベルイメージLbが第2レイヤーモニタ42にそれぞれ表示され、それぞれ操作器13を介した編集操作が受け付けられる。
【0060】
その後S20で、上記S15で受け付けた編集操作を反映した上ラベルLAのラベルイメージLaと下ラベルLBのラベルイメージLbを合成したラベルイメージLabがプレビューモニタ43に表示される。
【0061】
その後S25で、前述の操作ボタン50と同様に表示部14に設けられた印刷ボタン55が、操作器13を介したユーザの操作により押下されたか否かが判定される。操作されていなければNO判定され、上記S15に戻る。操作されていればYES判定されS30に移行する。
【0062】
S30では、前述の編集結果と、この時点までの上記テープ色及び印字色の設定結果と、に基づく重ね貼りラベル印字データが生成され、S35に移行する
【0063】
S35では、生成された印字データを通信制御部15を介してラベルプリンタ3へ送信される。なお、このS35がデータ送信手順の一例である。これにより、その印字データに基づき、ラベルプリンタ3において各印字ラベルLの印刷が行われる。その後、このフローを終了する。
【0064】
一方、S10において印字データの種類が単独ラベル印字データであると判定された場合、S40に移行する。
【0065】
S40では、上記図6に示した確認選択画面を表示部14に表示し、操作器13を介した単独ラベル編集ボタンと重ね貼りラベル編集ボタンの選択操作が受け付けられる。なお、このS40が確認表示手順の一例であり、選択受付手順の一例である。
【0066】
その後S45で、上記S40で選択操作されたボタンが重ね張りラベル編集ボタンであるかが判定される。重ね貼りラベル編集ボタンが操作されていればYES判定され、S50に移行する。
【0067】
S50では、上記図8に示した編集画面のように追加の上ラベルLAのラベルイメージLaが第1レイヤーモニタ41に表示され、操作器13を介した編集操作が受け付けられる。また、上記S5で取得した単独ラベル印字データが下ラベルLBのラベルイメージLbとして第2レイヤーモニタ42に表示されるが、ここでは操作器13を介した編集操作は受け付けられない。なお、このS50が編集画面表示手順の一例である。
【0068】
その後S55で、上記S50で受け付けた編集操作を反映した上ラベルLAのラベルイメージLaと、編集されない下ラベルLBのラベルイメージLbを合成したラベルイメージLabがプレビューモニタ43に表示される。
【0069】
その後S60で、操作器13を介したユーザの操作により印刷ボタン55が押下されたか否かが判定される。操作されていなければNO判定され、上記S50に戻る。操作されていればYES判定されS30に移行する。
【0070】
一方、S45において単独ラベル編集ボタンが操作されていればNO判定され、S65に移行する。
【0071】
S65では、上記図7に示した編集画面のように上記S5で取得した単独ラベル印字データがラベルLAのラベルイメージLaとして第1レイヤーモニタ41に表示され、操作器13を介した編集操作が受け付けられる。また、第2レイヤーモニタ42にはラベルイメージが表示されず、操作器13を介した編集操作は受け付けられない。なお、このS65が編集画面表示手順の一例である。
【0072】
その後S70で、上記S65で受け付けた編集操作を反映したラベルLAのラベルイメージLaがプレビューモニタ43に表示される。
【0073】
その後S75で、操作器13を介したユーザの操作により印刷ボタン55が押下されたか否かが判定される。操作されていなければNO判定され、上記S65に戻る。操作されていればYES判定されS80に移行する。
【0074】
S80では、前述の編集結果と、この時点までの上記テープ色及び印字色の設定結果と、に基づく単独ラベル印字データが生成され、S35に移行する。
【0075】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、操作端末2のCPU11で印刷処理プログラムが実行されると、S5で1つの印字データが取得される。この印字データは、単独ラベルを印字形成する内容を表す印字データであり、厚さ方向に重ね貼りされる複数の印字ラベルLそれぞれの内容を表す印字データではない場合がある。
【0076】
ユーザが、上記取得された1つの印字データに基づきラベルプリンタ3が重ね貼りされる複数の印字ラベルLを作成するための編集操作を行うと、その編集操作がS50で受け付けられる。S30で、受け付けた編集操作に応じた印字内容を表す重ね貼りラベル印字データが生成される。生成された重ね貼りラベル印字データは、S35でラベルプリンタ3へと送信される。
【0077】
以上のようにして、本実施形態においては、既に作成済である、重ね貼り用として使用されない1つの単独ラベルに係わる1つの単独ラベル印字データを用いて、重ね貼り用として使用される複数の印字ラベルLを作成することができる。この結果、ユーザにとっての利便性を向上することができる。
【0078】
また、本実施形態では特に、S5で1つの印字データが取得された後、S40において、その印字データを用いて1つの単独ラベルを作成するか、複数の重ね貼りラベルを作成するか、の選択が受け付けられる。これによりユーザは、自分の用途や好みに応じて、1つの単独ラベルを作成して通常通り使用するか、複数の重ね貼りラベルを作成して重ね貼り用として使用するかを選択することができる。
【0079】
また、本実施形態では特に、S40において、操作端末2の表示部14で、1つの単独ラベルを作成するか複数の重ね貼りラベルを作成するかの確認表示が行われる。これにより、ユーザは、上記2つの選択肢があり自らの選択に応じていずれの作成態様も可能であることを認識することができる。
【0080】
また、本実施形態では特に、S40で1つの単独ラベルの作成が選択された場合には上記図7に示した単独ラベル印字データの編集画面が表示され、複数の重ね貼りラベルの作成が選択された場合は上記図8に示した重ね貼りラベル印字データの編集画面が表示される。ユーザは、単独ラベル印字データの編集画面では上記1つの単独ラベルにおける印字内容を編集することができ、重ね貼りラベル印字データの編集画面では複数の重ね貼りラベルにおける印字内容を編集することができる。これにより、ユーザは、前述の2つの選択肢のうちいずれを選択した場合であっても、各編集画面において自らの所望の態様の印字内容に編集することができる。
【0081】
また、本実施形態では特に、ユーザにより複数の重ね貼りラベルの作成が選択された場合、第1レイヤーモニタ41と第2レイヤーモニタ42とを含む重ね貼りラベル印字データの編集画面が操作端末2の表示部14に表示される。第2レイヤーモニタ42には、取得した1つの単独ラベル印字データに係わる1つの下ラベルLBの印字内容が表示される。第1レイヤーモニタ41には、上記1つの下ラベルLBに対し重ね貼りされる、少なくとも1つの新たな上ラベルLAの印字内容が表示される。これによりユーザは、それら互いに重ね合わされる複数の重ね貼りラベル印字データの印字内容を視覚的に認識することができる。
【0082】
また、本実施形態では特に、第1レイヤーモニタ41における新たな上ラベルLAの印字内容が編集可能となっている。これにより、ユーザは、第1レイヤーモニタ41において上記新たな上ラベルLAの印字内容を自分の意図通りに編集することができる。S30では第2レイヤーモニタ42での表示内容に対応した下ラベルLBの印字データ及び第1レイヤーモニタ41での編集結果に対応した上ラベルLAの印字データがそれぞれ生成され、生成された2つの印字データが重ね貼りラベル印字データとしてS35でラベルプリンタ3へ送信される。これにより、ユーザは、下ラベルLBの印字データに対応した1つの印字ラベルLBとは別に、自分の意図する印字内容を備えた新たな上ラベルLAを作成し、それらの印字ラベルLA、LBを重ね貼りして使用することができる。
【0083】
なお、以上のように新たな追加ラベルの印字データだけを編集可能とする以外にも、上記図8に対応する図10に示す編集画面のように、追加ラベルと元の単独ラベルの両方に対して編集可能としてもよい。この図10において、追加ラベルである「上ラベル1」の印字内容を表示する第1レイヤーモニタ41と、取得した「下ラベル0」の印字内容を表示するレイヤーモニタ42の両方で編集可能を示す太枠線WLが表示され、それぞれにおいて適宜の編集操作が可能となる。この場合には、上記図9に示したフローチャートのS50において、S15と同等に第1レイヤーモニタ41と第2レイヤーモニタ42の両方で操作器13を介した編集操作を受け付ければよい。なお、この場合における下ラベルLBの編集結果に対応した印字データが第1印字データの一例であり、上ラベルLAの編集結果に対応した印字データが第2印字データの一例である。
【0084】
この場合には、第2レイヤーモニタ42における1つの下ラベルLBの印字内容及び第1レイヤーモニタ41における新たな上ラベルLAの印字内容がともに編集可能となっている。これにより、ユーザは、第2レイヤーモニタ42において上記1つの下ラベルLBの印字内容を意図通りに編集するとともに、第1レイヤーモニタ41において上記新たな上ラベルLAの印字内容を意図通りに編集することができる。S30ではそれら第1レイヤーモニタ41及び第2レイヤーモニタ42での編集結果に対応した上ラベルLAの印字データ及び下ラベルLBの印字データがそれぞれ生成され、生成された2つの印字データがS35でラベルプリンタ3へ送信される。これにより、ユーザは、自分の意図する印字内容をそれぞれ備えた複数の印字ラベルLを作成し、それらを重ね貼りして使用することができる。
【0085】
また、本実施形態では特に、予め操作端末2のメモリ12や大容量記憶装置16、又は特に図示しない外部のサーバや端末に記憶された印字データがS5で読み込まれる。S5では、その読込結果に対応した1つの印字データが取得される。これにより、例えば既に作成済の印字ラベルLの印字データを取得し、その印字データを流用して、重ね貼り用として使用される複数の印字ラベルLを作成することができる。
【0086】
また、本実施形態では特に、S5で印字データを読み込んだ後、S10において、その印字データが、1つの単独ラベルに対応した単独ラベル印字データであるか重ね貼り用として使用される複数の印字ラベルLの重ね貼りラベル印字データであるかが判定される。前述のS50は、単独ラベル印字データであると判定された場合に実行される。これにより、読み込まれた印字データが単独ラベル印字データであった場合に限り、S50、S30を実行し、重ね貼り用として使用される複数の重ね貼りラベルを作成することができる。一方、読み込まれた印字データが重ね貼り用として使用するための重ね貼りラベル印字データであった場合には、そのままそれを用いて複数の印字ラベルLを作成可能となる。
【0087】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を、順を追って説明する。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜、説明を省略又は簡略化する。
【0088】
(1)1つの単独ラベル印字データから複数の印字データに分割する場合
本変形例は、取得した1つの単独ラベル印字データを用いて重ね貼りラベル印字データを生成する場合に限り、その1つの単独ラベル印字データの印字内容を分割して複数の印字データとし、それぞれ編集する場合の例である。
【0089】
そのような本変形例の手法を図11図13により説明する。図11は、前述した図6と同様、操作端末2の表示部14における確認選択画面の表示例を表している。図11に示すように、取得した単独ラベル印字データのラベルイメージLcとともに、取得した印字データが単独ラベル印字データである旨のメッセージを表示する。なおこの例では、単独ラベル印字データに含まれる上記禁止マークM1、タバコマークM2、テキスト文字T1の各印字オブジェクトが全て同じ黒色の文字色に設定されている。
【0090】
また確認選択画面では、取得した単独ラベル印字データを用いてそのまま編集するか、もしくはオブジェクト単位で複数のラベルデータに分割して重ね貼りラベルとして編集するかの確認を促す確認表示を表示する。また確認選択画面には、単独ラベルとして編集するためのボタン61と、重ね貼りラベルとして編集するためのボタン62が表示され、ユーザはいずれかのボタンを操作して選択できる。単独ラベルとしての編集が選択された場合には、上記図7に示した単独ラベル印字データの編集画面を表示して編集操作が行われる。一方、重ね貼りラベルとしての編集が選択された場合には、図12に示す単独ラベル印字データの分割操作画面を表示部14に表示する。
【0091】
単独ラベル印字データの分割操作画面では、最初に図12(a)に示すように、取得した単独ラベル印字データのラベルイメージLcがプレビューモニタ43に表示される。このプレビューモニタ43におけるラベルイメージLcでは、それに含まれている上記禁止マークM1、タバコマークM2、テキスト文字T1の各印字オブジェクトがそれぞれ同じ太さの点線枠線に包囲されて表示されている。また、プレビューモニタ43の左上方の角部においては、上記図5に示したと同様に分割先である「下ラベル0」、「上ラベル1」がそれぞれ記載された2つのタブ53,54が並べて表示されている。
【0092】
そして、他の第1レイヤーモニタ41及び第2レイヤーモニタ42のそれぞれには初期的なラベルイメージとして何も印字内容が設定されていない空白のテープイメージTxだけが表示される。それぞれのテープイメージTxは、取得した単独ラベル印字データと同じテープ幅及びテープ長さで設定されている。第1レイヤーモニタ41の左上方の角部においては「上ラベル1」が記載されたタブ53が表示され、第2レイヤーモニタ42の左上方の角部においては「下ラベル0」が記載されたタブ54が表示される。また、第1レイヤーモニタ41におけるテープ色ボタン51は固定的に透明が設定されているが、その他の第1レイヤーモニタ41における印字色ボタン52、及び第2レイヤーモニタ42におけるテープ色ボタン51と印字色ボタン52はそれぞれ初期的に未設定となっている。
【0093】
そして図12(a)の初期画面から、例えば図12(b)に示すように「上ラベル1」のタブ53を適宜に選択操作した上で、禁止マークM1のオブジェクトを適宜に指定操作することで、「上ラベル1」に対応した第1レイヤーモニタ41におけるラベルイメージLaに禁止マークM1の印字オブジェクトだけが表示される。つまり、単独ラベル印字データに含まれている全ての印字オブジェクトのうち禁止マークM1の印字オブジェクトだけが「上ラベル1」を分割先として振り分けられる。このとき、プレビューモニタ43において分割先として選択された「上ラベル1」のタブ53が太い枠線で囲まれて表示されるとともに、分割対象として指定されている禁止マークM1の印字オブジェクトが太い点線枠線で囲まれて表示される。なお、図12(b)に示す表示例では、すでにタバコマークM2、テキスト文字T1の各印字オブジェクトが「下ラベル0」を分割先として振り分けられた状態を表しており、第2レイヤーモニタ42におけるラベルイメージLbにおいてタバコマークM2、テキスト文字T1の各印字オブジェクトが表示されている。
【0094】
以上の分割操作によって、取得した1つの単独ラベル印字データ中の各印字オブジェクトを複数の印字データに振り分けることができ、その後に操作器13を介した適宜の切り替え操作によって上記図5に示した編集画面に切り替えて重ね貼りラベル印字データの編集と印字データの生成が可能となる。なお、上記図12の分割操作画面における第1レイヤーモニタ41と第2レイヤーモニタ42が複数の第3画面の一例であり、第1レイヤーモニタ41と第2レイヤーモニタ42にそれぞれ表示されるラベルイメージLa,Lbに対応する印字データが複数の第3印字データの一例であり、上記図5の編集画面が第2編集画面の一例である。
【0095】
<制御手順>
本変形例における上記の手法を実現するために、CPU11が実行する制御手順の一例を、図13のフローチャートにより説明する。
【0096】
図13のフローでは、図9のフローに対し、S50,S55,S60が削除され、新たに、S85,S90,S95が追加されている。すなわち、前述の図9と同様のS5,S10,S40,S45を経て、取得した単独ラベル印字データに対しユーザが重ね貼りラベルでの編集を選択すると、新たに設けたS85に移行する。
【0097】
S85では、上記図12に示した分割操作画面のようにプレビューモニタ43に単独ラベル印字データのラベルイメージLcが表示され、そこから各印字オブジェクトの分割操作が受け付けられる。なお、このS85が分割手順の一例である。
【0098】
その後S90で、上記S85で受け付けた分割操作を反映した上ラベルLAのラベルイメージLaと下ラベルLBのラベルイメージLbを合成したラベルイメージLabがプレビューモニタ43に表示される。
【0099】
その後S95で、ユーザが操作器13を介した適宜の切り替え操作を行ったか否かが判定される。操作されていなければNO判定され、上記S85に戻る。操作されていればYES判定されS15に移行する。
【0100】
上記のようにS95から移行したS15、を含む、その後のS20~S35の各手順は図9と同様であり、説明を省略する。なお、この場合のS15が編集画面表示手順の一例である。
【0101】
<変形例の効果>
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得る。
【0102】
また上記に加え、本変形例においては特に、1つの単独ラベルの印字内容を、新たな複数の印字ラベルLにそれぞれ分配する形で再現することができる。まずCPU11が実行する分割手順において、1つの単独ラベルの印字内容である各印字オブジェクトが複数のラベルイメージLa,Lbに適宜に分割され、分割後の複数のラベルイメージLa,Lbがそれぞれ複数のレイヤーに振り分けられる。
【0103】
S15で表示される上記図5対応の編集画面には、第1レイヤーモニタ41と第2レイヤーモニタ42が備えられている。上記図12における第1レイヤーモニタ41と第2レイヤーモニタ42はそれぞれ各レイヤーに対応しており、上記のようにして各レイヤーに振り分けられた各ラベルイメージLa,Lbが各レイヤーモニタ41,42にそれぞれ含まれ、複数の印字ラベルLそれぞれの印字内容を表す。
【0104】
これにより、ユーザは、1つの単独ラベル印字データの印字内容を重ね貼り用として使用される複数の印字ラベルLにおいて表記する場合に、各ラベルにどのように分配されるかを視覚的に確認することができる。
【0105】
また、本変形例では特に、第1レイヤーモニタ41と第2レイヤーモニタ42それぞれにおける新たな印字ラベルの印字内容が編集可能となっており、ユーザは、各レイヤーモニタ41,42において上記新たな印字ラベルの印字内容を意図通りに編集することができる。S30ではそれらレイヤーモニタ41,42での編集結果に対応した印字データが生成され、生成された印字データがS35でラベルプリンタ3へ送信される。これにより、ユーザは、自分の意図する印字内容をそれぞれ備えた新たな複数の印字ラベルを作成し、それらを重ね貼りして使用することができる。
【0106】
(2)その他
また、以上においては、基材テープ102とは別のカバーフィルム104に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、基材テープに備えられた被印字テープ層に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。
【0107】
また、図9図13等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0108】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0109】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0110】
2 操作端末(端末装置の一例)
3 ラベルプリンタ(印刷装置の一例)
11 CPU(制御部の一例)
12 メモリ(記憶部の一例)
13 操作器
14 表示部
16 大容量記憶装置(記憶部の一例)
22 カートリッジホルダ(装着手段の一例)
29 印字ヘッド(印字手段の一例)
41 第1レイヤーモニタ(第2画面、第3画面の一例)
42 第2レイヤーモニタ(第1画面、第3画面の一例)
43 プレビューモニタ(の一例)
101 カートリッジ(媒体収容体の一例)
104 カバーフィルム(印字媒体の一例)
106 インクリボン(印字媒体の一例)
L 印字ラベル
LA 上ラベル
LB 下ラベル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13