(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】4サイクルエンジン
(51)【国際特許分類】
F01L 7/02 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
F01L7/02 C
(21)【出願番号】P 2022157126
(22)【出願日】2022-09-12
【審査請求日】2022-10-14
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】522383827
【氏名又は名称】吉住 崇
(72)【発明者】
【氏名】吉住 崇
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-062206(JP,U)
【文献】特開昭63-302115(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0320630(US,A1)
【文献】特開2007-009777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01L 7/00 ~ 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4サイクルエンジンの吸気及び排気を行うため、それぞれ
気筒数に応じた穴を設けた内筒と外筒からなる2重構造を有する円筒手段を吸気側及び排気側に備え、
吸気側は前記2重構造の内筒を固定するとともに前記気筒数に応じた穴をシリンダーの位置に合致させ、外筒を回転させ爆発の点火順に応じた位置に設け、
排気側は前記2重構造の外筒を固定とともに前記気筒数に応じた穴をシリンダーの位置に合致させ、内筒を回転させ爆発の点火順に応じた位置に設けることを特徴とする4サイクルエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は4サイクルエンジンに関する。特に、シリンダヘッドを簡略化できる4サイクルエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、内燃機関として4サイクルエンジンが知られている。これには、吸気バルブ、排気バルブが設けられ、カムシャフトでこれらバルブを駆動するようにしている。
【0003】
ところで、吸気バルブ、排気バルブが設けられていることから、エンジンの構造を小型化することが困難である。
【0004】
そのため、バルブ駆動機構を簡素化して、4サイクルエンジンを軽量化するとともに製造性を向上させことができる4サイクルエンジンが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の提案では、バルブが設けられているとエンジンの高さ小型化できないという問題があった。また、バルブが設けられているとバルブスプリングが必要となり、エンジン駆動の抵抗となるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、バルブにではなく、2重構造にした円筒手段を吸気、排気筒を設けることにより構造が小型化でき、かつ、部品点数の少ない4サイクルエンジンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、以下に記載の手段よりなる。
すなわち、
4サイクルエンジンの吸気及び排気を行うため、それぞれ気筒数に応じた穴を設けた内筒と外筒からなる2重構造を有する円筒手段を吸気側及び排気側に備え、
吸気側は前記2重構造の内筒を固定するとともに前記気筒数に応じた穴をシリンダーの位置に合致させ、外筒を回転させ爆発の点火順に応じた位置に設け、
排気側は前記2重構造の外筒を固定とともに前記気筒数に応じた穴をシリンダーの位置に合致させ、内筒を回転させ爆発の点火順に応じた位置に設けることを特徴とする4サイクルエンジン。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、2重構造に吸気、排気筒を設けることにより構造が小型化でき、かつ、部品点数の少ない4サイクルエンジンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に適用されるシリンダヘッドの概略図である。
【
図2】
図1とは異なる円筒手段のサイズ位置を示した図である。
【
図3】実施の形態に適用される吸気側円筒手段の断面図である。
【
図4】実施の形態に適用される吸気側円筒手段の断面図である。
【
図5】実施の形態に適用される排気側円筒手段の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る4サイクルエンジンを得るための好適な実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、実施の形態に適用されるシリンダヘッドの概略図である。吸気側については、吸気側2重構造の円筒外側1をベルト又は、チェーンで回転させる。吸気側2重構造の円筒内側2は、固定してある。排気側については、排気側2重構造の円筒外筒3は、固定してある。排気側2重構造の円筒内筒4をベルト又は、チェーンで回転させる。吸気側2重構造の円筒内側2にインジェクションノズル5を設けている。
【0013】
図2は、
図1とは異なる円筒手段のサイズ位置を示した図である。
図2は、構造的に
図1と同一であるが、ピストンの上下2回転で円筒を一回転させるため
図1のシリンダ上部に、円筒サイズが収まり切れない場合、円筒をシリンダサイドに置き、サイドからの吸入排気をする構造である。
この場合、排気側の円筒のみ、シリンダヘッド上部に置いてもよい。サイド配置の場合は、シリンダ幅は広がるが、シリンダヘッドの燃焼室は理想的な形状となる。
【0014】
図3は、実施の形態に適用される吸気側円筒手段の断面図である。固定の内筒に4気筒の場合には、4つのホールが横一列に並ぶ。(6)-1~(6)-4。外筒は、点火の順に合った爆発の位置にホールが有るため、ホールの位置はずれる。外筒のホール位置と内筒のホール位置とが合った所で、インジェクションにより燃料を噴射してシリンダ内に混合気を送り込む。スライドバルブ(7)は、固定した内側のホールを大きくしたり小さくしたりするためのスライドバルブであり、これにより混合気の量を調整することができる。
【0015】
図4は、実施の形態に適用される吸気側円筒手段の断面図である
図3は、各気筒のホール入口にインジェクションノズルを配置しているのに対し、
図4では、2重構造の内筒内をターボチャージャー又は、スーパーチャージャーにより、混合気を加圧させて、筒内に混合気が入りやすくなるようにしたもの
【0016】
図5は、実施の形態に適用される排気側円筒手段の断面図である。マフラー(9)により、排気ガスを排出する。
【符号の説明】
【0017】
1 吸気側2重構造の円筒外筒
2 吸気側2重構造の円筒内筒
3 排気側2重構造の円筒外筒
4 排気側2重構造の円筒内筒
5 インジェクションノズル