(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】声分析支援装置、声分析支援方法、及び声分析支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0203 20230101AFI20241031BHJP
G06F 16/65 20190101ALI20241031BHJP
G10L 15/10 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G06Q30/0203
G06F16/65
G10L15/10 200W
G10L15/10 500T
(21)【出願番号】P 2024083012
(22)【出願日】2024-05-22
【審査請求日】2024-05-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508289888
【氏名又は名称】ゼネリックソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】弁理士法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】小西 亮介
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-226568(JP,A)
【文献】特表2017-527881(JP,A)
【文献】特開2011-198203(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147218(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/015986(WO,A1)
【文献】特開2019-215825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 16/65
G10L 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
声主から収集された商品又はサービスに関する声情報を分析する声分析支援装置であって、
分析者の前記商品又はサービスに対
して意図した商品仕様と、該商品仕様に応じた商品意図を示すフレーズとを含む特定意図に関する情報を取得する取得手段と、
前記声情報を取得する取得手段と、
前記声情報から前記商品又はサービスに対する声を示す
声フレーズを抽出する抽出手段と、
前記声フレーズの示す意味から該声フレーズの属する前記商品仕様を判定し、該商品仕様に応じた前記商品意図を示すフレーズと、前記声フレーズとに基づいて、前記声フレーズが前記商品意図に対して少なくとも肯定意味関係、否定意味関係、又は意図外れの意味関係の何れにあるかを判定し、前記声フレーズを該判定の結果に応じた意味分類に分類する分類手段と、
前記声情報を、前記
声フレーズ及び該
声フレーズが分類された前記意味分類と対応付けて記憶する記憶手段と、
を有することを特徴とする声分析支援装置。
【請求項2】
前記分析者の端末に、前記
声フレーズ及び該
声フレーズが分類された前記意味分類を表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の声分析支援装置。
【請求項3】
前記声主の
家族構成の情報を取得する取得手段と、を有し、
前記表示制御手段は、
前記分析者の端末に、さらに前記声主の
家族構成の情報を表示させること、
を特徴とする請求項2に記載の声分析支援装置。
【請求項4】
声主から収集された商品又はサービスに関する声情報を分析する声分析支援方法であって、
声分析支援装置が、
分析者の前記商品又はサービスに対
して意図した商品仕様と、該商品仕様に応じた商品意図を示すフレーズとを含む特定意図に関する情報を取得する取得
手順と、
前記声情報を取得する取得手順と、
前記声情報から前記商品又はサービスに対する声を示す
声フレーズを抽出する抽出手順と、
前記声フレーズの示す意味から該声フレーズの属する前記商品仕様を判定し、該商品仕様に応じた前記商品意図を示すフレーズと、前記声フレーズとに基づいて、前記声フレーズが前記商品意図に対して少なくとも肯定意味関係、否定意味関係、又は意図外れの意味関係の何れにあるかを判定し、前記声フレーズを該判定の結果に応じた意味分類に分類する分類手順と、
前記声情報を、前記
声フレーズ及び該
声フレーズが分類された前記意味分類と対応付けて記憶する記憶手順と、
を実行することを特徴とする声分析支援方法。
【請求項5】
コンピュータを、
分析者の商品又はサービスに対
して意図した商品仕様と、該商品仕様に応じた商品意図を示すフレーズとを含む特定意図に関する情報を取得する取得手段と、
声主から収集された前記商品又はサービスに関する声情報を取得する取得手段と、
前記声情報から前記商品又はサービスに対する声を示す
声フレーズを抽出する抽出手段と、
前記声フレーズの示す意味から該声フレーズの属する前記商品仕様を判定し、該商品仕様に応じた前記商品意図を示すフレーズと、前記声フレーズとに基づいて、前記声フレーズが前記商品意図に対して少なくとも肯定意味関係、否定意味関係、又は意図外れの意味関係の何れにあるかを判定し、前記声フレーズを該判定の結果に応じた意味分類に分類する分類手段と、
前記声情報を、前記
声フレーズ及び該
声フレーズが分類された前記意味分類と対応付けて記憶する記憶手段と、
して機能させるための声分析支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、声分析支援装置、声分析支援方法、及び声分析支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より商品開発の場においては、VOC(Voice of customer)の利活用が行われている。商品開発担当者は、例えばアンケート、オペレーターへの問い合わせ、苦情、ECサイトレビュー、SNSなどから収集された顧客(お客様)からのVOCを分析することで、顧客ニーズに合った次なる新商品開発、既存商品の改良、マーケティング戦略立案などに役立てる(商品開発のPDCAサイクル)。
【0003】
具体的にある新商品が発売されたときに、商品開発担当者は顧客から寄せられた新商品に関するVOCを分析し、新商品に対する顧客の声を分析することができる。例えば、商品が食品であれば、おいしい・おいしくない、やわらかい・かたい、歯ごたえが良い・悪い、量が多い・少ない、見た目が良い・悪い、風味が良い・悪い、安い・高い、コスパが良い・悪いなど、様々な声(意見といってもよい)が寄せられる。商品開発担当者はポジティブな声のみではなくネガティブな声も分析することで、今後のより良い新商品開発、既存商品の改良、商品コンセプト見直しなどを行うことができる。
【0004】
しかしその一方、インターネットやITツールが普及した昨今、顧客の声もビッグデータ化してきており、例えばVOCのデータ量が多すぎてデータの整理・分類に手が回らない、チャネル毎に収集した各VOCが集約できていない、分析や活用方法がわからない、といったVOC分析に関する課題を抱える企業が多いのも現状である。
【0005】
そこで近年注目されているのが、膨大なテキストデータ(VOCデータ)を自然言語処理技術で解析しキーワード語を抽出するテキストマイニングやポジティブ・ネガティブといった感情解析などを行って、テキストデータを分析しやすいよう分類・評価するためのVOC分析技術である。
【0006】
これに関する技術として、例えば特許文献1には、各カテゴリに対してキーワード等の指定を要さず、機械学習により分類ルールを学習することでテキスト文書を各カテゴリに分類し、分類結果が得られた理由がユーザに容易に理解可能である文書分類システムが記載されている。また例えば特許文献2には、少ない計算量で文書における感情語の適切な評価に基づき複数の文書間で感情的傾向を比較できるテキストマイニング方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2011-170786号公報
【文献】特開2023-113268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで昨今、商品に対する顧客ニーズや嗜好は益々多様化・細分化しているという背景の下、商品開発担当者は、広く誰にでも好まれる商品開発というよりは、特定の商品開発意図を以って、特定の顧客ニーズや嗜好にターゲットを絞った商品開発を行うことがある。
【0009】
例えば、冷たい水でもよく溶けるインスタント粉末のレモンティー商品があるものとする。商品開発担当者は商品意図(商品コンセプト)として、消費者が手軽にアイスのレモンティーが飲めるように、冷たい水でもよく溶ける粉末のレモンティーを狙って商品開発したものである。
次にユーザ(消費者)からは当該インスタント粉末のレモンティー商品に対する次のようなVOCの事例が寄せられた。
VOC1:「お湯でよく溶ける」
VOC2:「レモンの風味が美味しい。」
【0010】
このようなVOC1、2の分析に際し、上記特許文献1の技術を適用した場合に、機械学習により分類ルールを学習することで当該VOC1のテキスト文書は商品の「使用方法(使用性質)」といったカテゴリに分類されるとともに、また上記特許文献2によれば、VOC1は、「ポジティブ」といった感情的傾向のVOCに分類されうる。また、VOC2のテキスト文書は商品の「味」といったカテゴリに分類されるとともに、VOC2は、「ポジティブ」といった感情的傾向のVOCに分類されうる。これによりVOC分析に際し分析者は、「使用方法(使用性質)」又は「味」といったカテゴリや「ポジティブ」の感情分類を指定することで、膨大なVOCの中から、これらカテゴリ又は感情分類に分類されたVOC1やVOC2を容易にピックアップし分析することが可能である。
【0011】
しかしながら、上記特許文献2に記載の発明によれば、例えばVOC1に関し、顧客の声は「お湯でよく溶ける」と評されていることから、商品開発担当者の意図した冷たい水でもよく溶けるという使用方法・使用性質とは異なる声であるにも関わらず、「ポジティブ」の感情分類に分類されてしまう。即ち商品開発担当者が分析評価を行いたい商品意図の観点からのVOC分析という概念はなく、膨大なVOCのテキスト文書を分析しやすいよう各カテゴリに分類したり、VOCのテキスト文書のみに基づく感情評価を行うにとどまるものである。このため、商品開発担当者に対してより高度な分析結果を提供したり、それ以上の気づきを与えることが難しい。
【0012】
商品開発担当者は、特定の意図(コンセプト)を以って商品開発を行った際、ユーザからのVOCをその商品意図の観点の下に分析することで、その商品意図に対する顧客評価を確かめ、今後のより良い新商品開発、既存商品の改良、見直しなどを役立てる。従って、VOC1「お湯でよく溶ける」に関していえば、商品意図(冷たい水でもよく溶ける)との関係を考慮した場合に、必ずしも「ポジティブ」分類は適切でない場合があり、この場合、その商品開発担当者にとってVOC1が示す真の意味は、「ポジティブ」でも「ネガティブ」でもなく、例えば「ミスコミュニケーション」となりうる。そしてこの場合に、商品開発担当者が当該気づきからとるべきアクションは、例えば商品特徴紹介文の見直しやパッケージ改良など、商品コンセプトが顧客に正確に伝わるようプロモーションの改善が挙げられる(例えば
図1参照)。
【0013】
本発明は、上記の点に鑑み提案されたものであり、VOC等の声分析において、分析者の特定意図に応じた声の意味分類を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、本発明に係る声分析支援装置は、声主から収集された商品又はサービスに関する声情報を分析する声分析支援装置であって、分析者の前記商品又はサービスに対して意図した商品仕様と、該商品仕様に応じた商品意図を示すフレーズとを含む特定意図に関する情報を取得する取得手段と、前記声情報を取得する取得手段と、前記声情報から前記商品又はサービスに対する声を示す声フレーズを抽出する抽出手段と、前記声フレーズの示す意味から該声フレーズの属する前記商品仕様を判定し、該商品仕様に応じた前記商品意図を示すフレーズと、前記声フレーズとに基づいて、前記声フレーズが前記商品意図に対して少なくとも肯定意味関係、否定意味関係、又は意図外れの意味関係の何れにあるかを判定し、前記声フレーズを該判定の結果に応じた意味分類に分類する分類手段と、前記声情報を、前記声フレーズ及び該声フレーズが分類された前記意味分類と対応付けて記憶する記憶手段と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施の形態によれば、一つの側面において、VOC等の声分析において、分析者の特定意図に応じた声の意味分類を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態に係るVOC分析結果と商品開発ストラテジーの関係を説明する図である。
【
図2】本実施形態に係るVOC分析支援システム100の構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るVOC分析支援装置10の機能構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る商品情報及び商品意図に関する情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るVOC情報の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係るVOCのコンテクスト分類処理を示すフローチャートである。
【
図7A】本実施形態に係るVOCに対するコンテクスト分類処理を説明する図(その1)である。
【
図7B】本実施形態に係るVOCに対するコンテクスト分類処理を説明する図(その2)である。
【
図7C】本実施形態に係るVOCに対するコンテクスト分類処理を説明する図(その3)である。
【
図8】本実施形態に係るVOC分析集計画面の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係るVOC及び声主の顧客属性に応じた商品改善策の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
[第1実施形態]
<概要>
はじめに商品開発担当者は、VOC分析を行いたい商品又はサービス(役務)(以下、商品等ともいう)に関するナレッジをナレッジベースに入力し、予めDBとして構造化・形式化しておく。商品等に関するナレッジは、商品開発担当者の商品意図に関する情報であって、これは即ち商品開発担当者がVOC分析で確かめたい商品分析観点に関する情報でもある。本実施形態に係るVOC分析支援装置は、顧客からVOCテキストデータが収集されると、商品開発担当者の商品意図に即した観点からVOC分析しやすいよう、VOCテキストデータを、ナレッジベースに入力された商品等に関するナレッジに即して、VOCを解釈し分類・分析・集約等を行う。
【0018】
このように、商品開発担当者がVOC分析において商品意図等のナレッジをナレッジベースに予め入力・学習させることで、本実施形態に係るVOC分析支援装置は、商品開発担当者の商品意図に即してVOCの示す意味(コンテクストという)を解釈・判定し、商品開発担当者にとってそのVOCが示す意味分類(コンテクスト分類という)に、VOCを分類することができる。これにより、商品開発担当者はVOC分析時に自身が注目したい商品又はサービスに関する分析観点に即したVOC分析が可能となる。またVOCに対する意味解釈の質を高められるため、商品開発のPDCAサイクルの一層の向上に役立てることが可能である。
【0019】
なお、コンテクストとは、一般的に物事の置かれている文脈、背景、状況、その物事に関係する事情といった意味を持ち、コンテクストの意味する「文脈」には、前後関係や、それぞれの事象の背景にある文化といった、あいまいで広い情報を含む。そして本実施形態に係るコンテクストは、VOCの置かれている商品意図に即して解釈されたVOCの示す意味をいう。本実施形態において顧客の声(VOC)の意味というものは、VOCテキスト文字通りの単一(一義的)の意味ではなく、商品開発担当者の「商品意図」との関係を考慮してはじめて企業が分析したい顧客の声(VOC)の意味が定められる。
【0020】
<システム構成>
図2は、本実施形態に係るVOC分析支援システム100の構成例を示す図である。
図2のVOC分析支援システム100は、VOC分析支援装置10、ナレッジベース20、及び端末30を含み、ネットワーク(非図示)を介して接続されている。
【0021】
VOC分析支援装置10は、顧客から寄せられた商品に関するVOCを分析支援するサーバ装置である。VOC分析支援装置10は、ナレッジベース20に蓄積された商品情報、商品開発担当者の意図した商品に関するナレッジ、及びVOC情報をもとに、VOCの解釈、判定、分類、集計等のVOC分析を行う。
【0022】
ナレッジベース20は、商品マスタ、商品開発担当者の商品意図に関する情報、及び、顧客から収集されたVOC情報など、商品等に関するナレッジ情報が蓄積・構築されたナレッジデータベースである。ナレッジベース(知識ベース)とは、社内業務の経験やノウハウを一か所にまとめて検索・活用しやすい状態にしたデータベースをいう。
【0023】
端末30は、例えばPC(パーソナル・コンピュータ)、スマートフォン、タブレット端末などであって、例えば商品開発部門の商品開発担当者が使用するユーザ端末である。端末30には、VOC分析支援装置10にアクセスするための所定のアプリケーション・プログラムや汎用ウェブブラウザ等が予めインストールされる。商品開発担当者は端末30を用いてVOC分析支援装置10にアクセスし、VOC分析支援装置10により分析(解釈、判定、分類、集計等)された分析結果を取得し画面上に表示することができる。商品開発担当者は顧客から寄せられた商品に対するVOCを分析することで、顧客ニーズに合った既存商品の改良、新商品開発、マーケティング戦略立案等の商品開発PDCAサイクルに役立てる。
【0024】
なお言うまでもなく、端末30を使用するユーザは、商品開発担当者のみに限られず、例えば商品開発部、商品企画部、商品製造部、広報部、マーケティング部等の商品開発に携わる関係者を含む。また本実施形態に係るVOCは、商品に対して寄せられたお客様の声であるものとするが、製造、流通、調達、小売などの流通プロセス上を含む従業員(店頭の店員等)やその他関係者(配送員、製造工程に関与した製造員やエンジニア)従業員からのVOE(Voice of Employee)であってもよい。
【0025】
(機能構成)
図3は、本実施形態に係るVOC分析支援装置10の機能構成例を示す図である。VOC分析支援装置10は、主な機能部として、特定意図取得部101、VOC取得部102、フレーズ抽出部103、コンテクスト分類部104、表示制御部105、及び記憶部109を有する。
【0026】
特定意図取得部101は、分析者の商品又はサービスに対する特定意図に関する情報を取得する機能を有している。VOC取得部102は、声情報(VOC)を取得する機能を有している。フレーズ抽出部103は、声情報から商品又はサービスに対する声を示すフレーズ(語句)を抽出する機能を有している。コンテクスト分類部104は、特定意図に関する情報に基づいて、フレーズを該フレーズの示す意味分類(例えばコンテクスト分類)に分類する機能を有している。表示制御部105は、端末30に、フレーズ及びフレーズが分類された意味分類(例えばコンテクスト分類処理結果)を表示させる機能を有している。記憶部109は、声情報を、フレーズ及び該フレーズが分類された意味分類(例えばコンテクスト分類処理結果)と対応付けて、ナレッジベース20に記憶する機能を有している。
【0027】
なお、VOC分析支援装置10は、汎用のコンピュータにより実現することができる。具体的にVOC分析支援装置10は、演算処理ユニット(CPU等)、メモリ、入出力インターフェース、および通信インターフェース等のハードウェアを備えている。VOC分析支援装置10の機能は、メモリに格納されているコンピュータプログラムに沿った処理を演算処理ユニットが実行することで実現される。即ち各機能部は、VOC分析支援装置10を構成するコンピュータの演算処理ユニット、メモリ等のハードウェア資源上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されるものである。VOC分析支援装置10は、VOC分析支援のための計算用マシンなどと呼んでもよい。またこれらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」、又は「回路」に読替えてもよい。またナレッジベース20は、VOC分析支援装置10のメモリやネットワーク上の外部記憶装置に配置してもよい。またVOC分析支援装置10の各機能部は単一のサーバ装置のみにより実現されるのみならず、機能分散させて複数の装置からなるシステムとして実現してもよい。また上記コンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に格納されていてもよい。
【0028】
(ナレッジベース)
本実施形態に係るナレッジベース20は、商品情報、商品開発担当者の商品意図に関する情報、及びVOC情報などが蓄積・構築されたナレッジデータベースである。
【0029】
図4の(a)は、本実施形態に係る商品情報の一例を示す図である。商品情報は、例えば商品コード、商品名、JANコード、商品カテゴリ、価格、内容量、製造者、発売日等を含む商品マスタの情報である。
【0030】
図4の(b)は、本実施形態に係る商品意図に関する情報の一例を示す図である。昨今、商品に対する顧客ニーズや嗜好は益々多様化・細分化しているという背景の下、商品開発担当者は、商品意図(例えば商品コンセプト)を以って、特定の顧客ニーズや嗜好にターゲットを絞った商品開発を行う。
【0031】
例えば商品開発担当者は、商品開発担当者の想定したインスタントレモンティー(粉末タイプ)商品がコンセプトの狙い通り、顧客に評価されたか否かをVOC分析したいと考えている。より具体的に、商品開発担当者がVOC分析したいことは、特に今回の開発に力を入れた冷たい水や氷水でもよく溶ける粉末にしたという観点に対する顧客の声であり、従ってこのような場合、商品意図に関する情報は、商品の何がどうであるかを表現すべく、例えば商品仕様(商品属性カテゴリ)及び商品意図を示すフレーズ(phrase)のセットとして、「使用方法・使用性質」冷たい水でもよく溶ける、「形状」粉末、「味」きりっとおいしい、といったように予め構造化・形式化されてナレッジベース20に入力・保存される。
【0032】
なお、ナレッジベース20への入力方法は任意でよいが、商品開発担当者は例えば端末30を用いてVOC分析支援装置10にアクセスし、VOC分析支援装置10により提供される所定のダッシュボード画面等を介して入力可能である。VOC分析支援装置10は、例えば商品情報において、当該商品の商品コードと商品意図に関する情報とを対応付けて格納しうる(
図4)。
【0033】
またナレッジベース20への入力方法は、商品意図に関する情報を含む文書(例えば、
図4に示す商品開発企画書)から自動的に抽出されてもよい。VOC分析支援装置10は、文書に対し自然言語処理を実行し、商品意図を示すフレーズを抽出するとともに、当該フレーズの属する商品仕様(商品属性カテゴリ)を判定する。抽出処理には、機械可読目録とコーパス、形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析などを含め、従来手法を用いたライブラリ等を利用可能である。なお
図4に示す商品意図に関する情報において、商品意図に該当しないものが自動的に抽出された場合には、商品開発担当者が所定のダッシュボード画面等を介して削除可能としてよい。
【0034】
図5は、本実施形態に係るVOC情報の一例を示す図である。VOC情報は、アンケート、オペレーターへの問い合わせ、苦情、ECサイトレビュー、SNSなどのチャネルから収集され、顧客から寄せられた声である。本実施形態に係るVOC情報は、例えばVOC_ID、商品名、商品コード、チャネル(種別)、受付日、氏名、年齢、性別、声内容などを含む。なおVOC情報には、VOC入手のチャネルに応じた方法により、どの商品に対するVOCであるのかを特定可能な情報(商品名や商品コード等)を含めるようにする。例えばWeb系チャネルの場合、商品名や商品コードを必須入力としたり、コールセンターへの問い合わせチャネルの場合、オペレーターは必ず商品名や商品コードを確認する。
【0035】
また本実施形態に係るVOC情報はテキストデータであるが、VOC入手のチャネルに応じた方法により、例えばテキスト以外のデータ(音声や画像等)であってもよく、最終的にテキストに変換されたものであればよい。
【0036】
<VOCのコンテクスト分類処理(VOCの意味解釈処理)>
図6は、本実施形態に係るVOCのコンテクスト分類処理を示すフローチャートである。VOC分析支援装置10の演算処理ユニットが処理を実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、以下の各ステップ(以下、「S」と表記する)を実現することができる。
【0037】
S1:VOC分析支援装置10は、ナレッジベース20から、例えば商品コードをキーとして対象商品の商品意図に関する情報を取得する。本実施形態に係る商品意図に関する情報は、商品の何がどうであるかを表現すべく、例えば商品仕様(商品属性カテゴリ)及び商品意図を示すフレーズのセットである(
図4)。
【0038】
S2:VOC分析支援装置10は、ナレッジベース20から、例えば商品コードをキーとして対象商品に係るVOC情報を取得する。本実施形態に係るVOC情報は、例えばVOC_ID、商品名、商品コード、チャネル(種別)、受付日、氏名、年齢、性別、声内容を含む(
図5)。
【0039】
S3:VOC分析支援装置10は、自然言語処理を実行し、VOC情報(声内容)から顧客の声が表れたフレーズ(以下VOCフレーズという)を抽出する。抽出処理には、機械可読目録とコーパス、形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析などを含め、従来手法を用いたライブラリ等を利用すればよい。
【0040】
なお、一般的にフレーズ(phrase)とは、一連の単語や音節が組み合わさった表現であり、文法的な意味を持つ単位として扱われ、単語よりも大きく、文よりも小さい。但し本実施形態において、必ずしも抽出対象は複数語からなるフレーズに限定されず、V顧客の声が表れていれば1ないし2以上のワード単位であってもよい。
【0041】
S4:VOC分析支援装置10は、S1で取得した商品意図に関する情報と、S2で抽出したVOCフレーズとに基づくコンテクスト分類処理を実行する。より具体的に、まず当該VOCフレーズの示す意味と、当該VOCフレーズがどの商品仕様に属するワードかを判定する。次に、当該VOCフレーズの示す意味と、当該VOCフレーズの属する商品仕様に応じた商品意図を示すフレーズとに基づいて、当該VOCフレーズの示すコンテクスト(商品開発担当者にとってそのVOCフレーズが示す意味)を判定する。結果、当該VOCフレーズは、判定されたコンテクスト分類に分類される。
【0042】
本実施形態に係るコンテクスト分類は、VOCを意味分類するための区分であって、例えば「ポジティブ(お褒め)」、「ネガティブ(苦情)」、「ニュートラル(中立)」、「ミスコミュニケーション(意図外れ)」、「単なる感想」、「質問」、「要望」、「その他」などが例示される。VOCは、商品意図に即してその意味が解釈・判定された結果、当該VOCの示す意味に対応するコンテクスト分類に分類される。
【0043】
S5:VOC分析支援装置10は、各々のVOC情報について、コンテクスト分類処理結果として、VOCフレーズごとの商品仕様とコンテクスト分類とを対応付けてナレッジベース20に保存する。なお、1つのVOCにおいて複数のVOCフレーズを含んでいる場合には、それぞれのVOCフレーズがそれぞれの当該VOCの示す意味に対応するコンテクスト分類に分類されるため、1つのVOCが同時に複数のコンテクスト分類に分類される場合もある。この点も
図7A~Cにおいて例示される。次いでS3及びS4につき具体的に詳しく説明する。
【0044】
図7Aは、本実施形態に係るVOCに対するコンテクスト分類処理を説明する図(その1)である。まずVOC分析支援装置10は、VOC情報の声内容1001aから、例えば「お湯でよく溶ける」、「味も濃厚で(香りも)よい」、「香りもよい」などのVOCフレーズ1002aを抽出する。
【0045】
次にVOC分析支援装置10は、抽出したVOCフレーズ1002aがどの商品仕様(商品属性カテゴリ)1003aに属するワードかを判定する。
図7Aの例において、VOCフレーズ「お湯でよく溶ける」は、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて、例えば商品仕様(商品属性カテゴリ)のうち「使用方法・使用性質」に属するワードと判定されている。またVOCフレーズ「味も濃厚で(香りも)よい」は、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて、例えば商品仕様(商品属性カテゴリ)のうち「味」に属するワードと判定されている。またVOCフレーズ「香りもよい」は、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて、例えば商品仕様(商品属性カテゴリ)のうち「香り」に属するワードと判定されている。
【0046】
そしてVOC分析支援装置10は、それぞれのVOCフレーズ1002aの示す意味と、当該VOCフレーズ1002aの属する商品仕様1003aに対応する商品意図を示すフレーズ1004aとに基づいて、当該VOCフレーズの示すコンテクスト(商品開発担当者にとってそのVOCフレーズが示す意味)1005aを判定し、判定したコンテクスト1005aにVOCフレーズを分類する。
【0047】
図7Aの例において、VOCフレーズ「お湯でよく溶ける」は、商品仕様「使用方法・使用性質」に属するワードであり、その商品意図を示すフレーズ「冷たい水でもよく溶ける」との関係において、同じ話題だが異なることを意味しているため、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて、「ミスコミュニケーション(意図外れ)」なるコンテクストに意味分類されることが好適である。
【0048】
商品開発担当者は、特定の意図を以って商品開発を行った際、ユーザからのVOCをその商品意図の観点の下に分析することで、その商品意図に対する顧客評価を確かめ、今後のより良い新商品開発、既存商品の改良、見直しなどを役立てる。そして当該商品開発担当者は、「冷たい水でもよく溶ける」粉末のレモンティーを狙って商品開発したものであるところ、顧客の声は、「使用方法・使用性質」において冷たい水でよく溶けたかどうかの観点に関して言及されたものではなく、商品意図とは外れた(離れた)「お湯でよく溶ける」との声である。つまりVOCフレーズ「お湯でよく溶ける」は、当該VOCフレーズの示す意味のみに基づくとすれば、「ポジティブ」と判定されうるものの、商品意図を示すフレーズ「冷たい水でもよく溶ける」との関係を考慮した場合に、必ずしも「ポジティブ」分類は適切でない。
【0049】
またこの場合、商品開発担当者が当該VOCフレーズ及び「ミスコミュニケーション(意図外れ)」なるコンテクストへの分類結果から得られる気づき及びアクションは、例えば商品特徴紹介文の見直しやパッケージ改良など、商品コンセプト(例えば「冷たい水でもよく溶ける」)が顧客に正確に伝わるようプロモーションの改善が挙げられる(例えば
図1のC)。
【0050】
またVOCフレーズ「味も濃厚で(香りも)よい」は、商品仕様「味」に属するワードであり、その商品意図を示すフレーズ「きりっとおいしい」との関係において、同じ話題だが異なることを意味しているため、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて、「ミスコミュニケーション(意図外れ)」なるコンテクストに意味分類されることが好適である。
【0051】
当該商品開発担当者は、「きりっとおいしい」味のレモンティーを狙って商品開発したものであるところ、顧客の声は、「味」においてきりっとおいしいかどうかの観点に関して言及されたものではなく、商品意図とは外れた(離れた)「味も濃厚で(香りも)よい」との声である。つまりVOCフレーズ「味も濃厚で(香りも)よい」は、当該VOCフレーズの示す意味のみに基づくとすれば、「ポジティブ」と判定されうるものの、商品意図を示すフレーズ「きりっとおいしい」との関係を考慮した場合に、必ずしも「ポジティブ」分類は適切でない。
【0052】
またこの場合、商品開発担当者が当該VOCフレーズ及び「ミスコミュニケーション(意図外れ)」なるコンテクストへの分類結果から得られる気づき及びアクションは、例えば商品特徴紹介文の見直しやパッケージ改良など、商品コンセプト(例えば「きりっとおいしい」)が顧客に正確に伝わるようプロモーションの改善が挙げられる(例えば
図1のC)。
【0053】
ここで、VOCのコンテクスト分類処理(VOCの意味解釈処理)には、例えば次の非特許文献に記載される技術を適用することができる。当該非特許文献には、一つの言葉(例えばVOCフレーズ)は常に一つの意味を持つものではなく、状況や文脈(商品意図に関する情報)が与えられてはじめて意味が確定するもの、つまりデータ間の意味的、感性的な同一性、類似性、関連性は、静的な関係によって決定されるのではなく、文脈や状況に応じて動的に変化するものと考え、データ間の意味的、感性的な等価性、類似性、関連性を“状況や文脈”に応じて動的に計算する計量モデル(意味の数学モデル)が記載されている。
【0054】
清木康,“感性や意味を計量するデータベースシステム 人間と情報システムの記憶系について”,「KEIO SFC JOURNAL」,慶應義塾大学湘南藤沢学会,2013年,Vol.13,No.2,p.19-26
一方、VOCフレーズ「香りもよい」は、商品仕様「香り」に属するワードであり、商品意図を示す商品仕様には対応しない。つまり、VOCフレーズ「香りもよい」は、商品意図とは関係ない商品仕様「香り」の話題・観点に関して言及されたものであり、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて「ポジティブ」なるコンテクストに意味分類されてよい。なお、当該VOCフレーズ「香りもよい」の示す意味についても、当該VOCフレーズ単独で判定されるものではなく、上記非特許文献のように、状況や文脈が与えられてはじめて意味が確定するものであり、文脈や状況に応じて動的に変化するものと考え、声内容1001aの全体テキスト文において、データ間の意味的、感性的な等価性、類似性、関連性を“状況や文脈”に応じて動的に計算する計量モデル(意味の数学モデル)を適用し、判定されることが望ましい。
【0055】
図7Bは、本実施形態に係るVOCに対するコンテクスト分類処理を説明する図(その2)である。まずVOC分析支援装置10は、VOC情報の声内容1001bから、例えば「水にすぐ溶ける」、「レモンの風味が美味しくない」、「容量が少ない」、「価格が少し高い」、「お手頃価格だと助かります」などのVOCフレーズ1002bを抽出する。
【0056】
次にVOC分析支援装置10は、抽出したVOCフレーズ1002bがどの商品仕様(商品属性カテゴリ)1003bに属するワードかを判定する。
図7Bの例において、VOCフレーズ「水にすぐ溶ける」は、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて、例えば商品仕様(商品属性カテゴリ)のうち「使用方法・使用性質」に属するワードと判定されている。またVOCフレーズ「レモンの風味が美味しくない」は、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて、例えば商品仕様(商品属性カテゴリ)のうち「味」に属するワードと判定されている。またVOCフレーズ「容量が少ない」は、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて、例えば商品仕様(商品属性カテゴリ)のうち「ボリューム」に属するワードと判定されている。またVOCフレーズ「価格が少し高い」及び「お手頃価格だと助かります」は、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて、例えば商品仕様(商品属性カテゴリ)のうち「価格」に属するワードと判定されている。
【0057】
そしてVOC分析支援装置10は、それぞれのVOCフレーズ1002bの示す意味と、当該VOCフレーズ1002bの属する商品仕様1003bに対応する商品意図を示すフレーズ1004bとに基づいて、当該VOCフレーズの示すコンテクスト(商品開発担当者にとってそのVOCフレーズが示す意味)1005bを判定し、判定したコンテクスト1005bにVOCフレーズを分類する。
【0058】
図7Bの例において、VOCフレーズ「水にすぐ溶ける」は、商品仕様「使用方法・使用性質」に属するワードであり、その商品意図を示すフレーズ「冷たい水でもよく溶ける」との関係において、同じ話題で同じ又は近いことを意味(肯定意味)しているため、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて、「ポジティブ」なるコンテクストに意味分類されることが好適である。
【0059】
当該商品開発担当者は、「冷たい水でもよく溶ける」粉末のレモンティーを狙って商品開発したものであるところ、顧客の声は、まさに商品意図に近い「水にすぐ溶ける」との声である。つまりVOCフレーズ「水にすぐ溶ける」は、商品意図を示すフレーズ「冷たい水でもよく溶ける」との関係を考慮した場合に、「ポジティブ」分類が適切である。
【0060】
またこの場合、商品開発担当者は、当該VOCフレーズ及び「ポジティブ」なるコンテクストへの分類結果から、商品意図の狙い通りであったことを確認することができる(例えば
図1のA)。
【0061】
またVOCフレーズ「レモンの風味が美味しくない」は、商品仕様「味」に属するワードであり、その商品意図を示すフレーズ「きりっとおいしい」との関係において、同じ話題だが異なることを意味しているため、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて、「ミスコミュニケーション(意図外れ)」なるコンテクストに意味分類されることが好適である。
【0062】
当該商品開発担当者は、「きりっとおいしい」味のレモンティーを狙って商品開発したものであるところ、顧客の声は、きりっとおいしいかどうかの観点に関して言及されたものではなく、商品意図とは外れた(離れた)「レモンの風味が美味しくない」との声である。つまりVOCフレーズ「レモンの風味が美味しくない」は、当該VOCフレーズの示す意味のみに基づくとすれば、「ネガティブ」と判定されうるものの、商品意図を示すフレーズ「きりっとおいしい」との関係を考慮した場合に、必ずしも「ネガティブ」分類は適切でない。
【0063】
またこの場合、商品開発担当者が当該VOCフレーズ及び「ミスコミュニケーション(意図外れ)」なるコンテクストへの分類結果から得られる気づき及びアクションは、例えば味自体の改善や新味の開発など、別のニーズとして新たな商品開発への活用が挙げられる(例えば
図1のD)。
【0064】
一方、VOCフレーズ「容量が少ない」は、商品仕様「ボリューム」に属するワードであり、商品意図を示す商品仕様には対応しない。つまり、VOCフレーズ「容量が少ない」は、商品意図とは関係ない商品仕様「ボリューム」の話題・観点に関して言及されたものであり、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて「ネガティブ」なるコンテクストに意味分類されてよい。
【0065】
またVOCフレーズ「価格が少し高い」は、商品仕様「価格」に属するワードであり、商品意図を示す商品仕様には対応しない。つまり、VOCフレーズ「価格が少し高い」は、商品意図とは関係ない商品仕様「価格」の話題・観点に関して言及されたものであり、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて「ネガティブ」なるコンテクストに意味分類されてよい。
【0066】
またVOCフレーズ「お手頃価格だと助かります」は、商品仕様「価格」に属するワードであり、商品意図を示す商品仕様には対応しない。つまり、VOCフレーズ「お手頃価格だと助かります」は、商品意図とは関係ない商品仕様「価格」の話題・観点に関して言及されたものであり、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて「要望」なるコンテクストに意味分類されてよい。
【0067】
図7Cは、本実施形態に係るVOCに対するコンテクスト分類処理を説明する図(その3)である。まずVOC分析支援装置10は、VOC情報の声内容1001cから、例えば「氷水だとしっかり混ぜないと粉が溶けずにすこしダマが残る」、「パッケージも開封しにくいかも」、「何とかならないのかしら」などのVOCフレーズ1002cを抽出する。
【0068】
次にVOC分析支援装置10は、抽出したVOCフレーズ1002cがどの商品仕様(商品属性カテゴリ)1003cに属するワードかを判定する。
図7Cの例において、VOCフレーズ「氷水だとしっかり混ぜないと粉が溶けずにすこしダマが残る」は、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて、例えば商品仕様(商品属性カテゴリ)のうち「使用方法・使用性質」に属するワードと判定されている。またVOCフレーズ「パッケージも開封しにくいかも」、「何とかならないのかしら」は、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて、例えば商品仕様(商品属性カテゴリ)のうち「パッケージ」に属するワードと判定されている。
【0069】
そしてVOC分析支援装置10は、それぞれのVOCフレーズ1002cの示す意味と、当該VOCフレーズ1002cの属する商品仕様1003cに対応する商品意図を示すフレーズ1004cとに基づいて、当該VOCフレーズの示すコンテクスト(商品開発担当者にとってそのVOCフレーズが示す意味)1005cを判定し、判定したコンテクスト1005cにVOCフレーズを分類する。
【0070】
図7Cの例において、VOCフレーズ「氷水だとしっかり混ぜないと粉が溶けずにすこしダマが残る」は、商品仕様「使用方法・使用性質」に属するワードであり、その商品意図を示すフレーズ「冷たい水でもよく溶ける」との関係において、同じ話題で逆のことを意味(否定意味)しているため、当該VOCフレーズの示す意味に基づいて、「ネガティブ」なるコンテクストに意味分類されることが好適である。
【0071】
当該商品開発担当者は、「冷たい水でもよく溶ける」粉末のレモンティーを狙って商品開発したものであるところ、顧客の声は、商品意図に反する「氷水だとしっかり混ぜないと粉が溶けずにすこしダマが残る」との声である。つまりVOCフレーズ「氷水だとしっかり混ぜないと粉が溶けずにすこしダマが残る」は、商品意図を示すフレーズ「冷たい水でもよく溶ける」との関係を考慮した場合に、「ネガティブ」分類が適切である。
【0072】
またこの場合、商品開発担当者は、当該VOCフレーズ及び「ネガティブ」なるコンテクストへの分類結果から得られる気づき及びアクションは、例えば冷たい水でもダマが残らない粉末の開発など、商品の要改善が挙げられる(例えば
図1のB)。
【0073】
一方、VOCフレーズ「何とかならないのかしら」は、商品仕様「パッケージ」に属するワードであり、商品意図を示す商品仕様には対応しない。つまり、VOCフレーズ「何とかならないのかしら」は、商品意図とは関係ない商品仕様「パッケージ」の話題・観点に関して言及されたものであり、当該VOCフレーズの示す意味に基づいてそれぞれ「単なる感想」(又は「要望」)なるコンテクストに意味分類されてよい。
【0074】
<VOC分析集計>
図8は、本実施形態に係るVOC分析集計画面の一例を示す図である。商品開発担当者は端末30を用いてVOC分析支援装置10にアクセスし、VOC分析支援装置10により分析・集計されたVOC分析集計情報を取得し、ダッシュボード画面上に表示する。商品開発担当者は顧客から寄せられた商品に関するVOCを分析し、商品意図(例えば商品コンセプト)に対する顧客の声を分析することができる。
【0075】
具体的に、まず商品開発担当者は、例えば商品の商品コードや商品名をキーとして、VOC分析対象商品に関するVOC分析集計情報を検索する。VOC分析支援装置10は、端末30からのVOC分析集計情報の検索要求に応じて、当該商品におけるコンテクスト分類処理結果を取得し集計することで、例えば
図8に示されるVOC分析集計情報として表示することができる。
【0076】
商品開発担当者は、商品開発担当者の想定した商品意図の狙い通り、顧客に評価されたか否かをVOC分析したいと考えている。従って商品開発担当者は、商品コードまたは商品名、並びに、商品意図に係る商品仕様(例えば「使用方法・使用性質」、「形状」及び「味」)などの入力条件の下検索を実行すると、当該商品に寄せられたVOCが商品仕様ごとに且つそのVOCフレーズがそれぞれ意味するコンテクストに分類されて表示される。
【0077】
またVOCフレーズには、VOCフレーズ元のオリジナルVOC情報にリンクされており、商品開発担当者は、顧客の声をより詳しく確認・分析したい場合、VOCフレーズに対するクリック操作等により、元のオリジナルVOC情報(全文)を迅速且つ容易に確認することが可能である。
【0078】
より具体的に、商品開発担当者は、「冷たい水でもよく溶ける」粉末のレモンティーを狙って商品開発したものであるところ、当該商品におけるコンテクスト分類処理結果によれば、顧客の声の一つには「使用方法・使用性質」においてコンテクスト「ミスコミュニケーション(意図外れ)」に分類されている「お湯でよく溶ける」との声がある。商品開発担当者は元のオリジナルVOC情報(全文)をよく確認し分析の上、当該顧客の声を受けて、例えば商品特徴紹介文の見直しやパッケージ改良など、商品コンセプト(例えば「冷たい水でもよく溶ける」)が顧客に正確に伝わるようプロモーションの改善等を検討することができる。
【0079】
また顧客の声の一つには「使用方法・使用性質」においてコンテクスト「ポジティブ」に分類されている「水にすぐ溶ける」との声がある。商品開発担当者は、当該顧客の声を受けて、商品意図の狙い通りに成功したことを確認することができる。また顧客の声の一つには「使用方法・使用性質」においてコンテクスト「ネガティブ」に分類されている「氷水だとしっかり混ぜないと粉が溶けずにすこしダマが残る」との声がある。商品開発担当者は、当該顧客の声を受けて、例えば溶け具合の不十分さを実感し冷たい水でもダマが残らない粉末の開発など、商品の改善等を検討することができる。
【0080】
以上本実施形態によれば、商品開発担当者がVOC分析時において注目したい特定意図に関する情報を事前定義しナレッジベース20に入力・学習させることで、VOC分析支援装置は、膨大な量のVOCテキストデータ(顧客の声)を、商品開発担当者にとってそのVOCが示す意味(コンテクスト)に分類することができる。これにより、商品開発担当者はVOC分析時に自身が注目したい商品又はサービスに関する特定意図の観点に即したVOC分析が可能となる。
【0081】
以下の実施形態についても言及する。
・一般的にフレーズ(phrase)は、一連の単語や音節が組み合わさった表現であり、文法的な意味を持つ単位として扱われ、単語よりも大きく、文よりも小さい。但し本実施形態に係るフレーズは、必ずしも単語の組み合わせで意味を成すもののみに限定されず、顧客の声が表れていれば1のワード(単語)であってもよく、語句と言ってもよい。即ち単語単独でも単語の組み合わせでも意味を成すものでもあり、その意味を判断した結果により定められる意味単位である。
【0082】
・S3のVOCフレーズの抽出処理においては、VOCの文章>分割された文>フレーズ(句、文節)>ワード(単語)の順に解析し、言語が持つ初期情報として与えられている名詞、動詞、形容詞、副詞などの品詞分類情報も考慮の上、意味を持つVOCフレーズを抽出する。またVOCフレーズの示す意味は、組み合わせで意味を成す場合は互いの単語の重心、状況や文脈により意味が変わり、これらが与えられてはじめて意味が確定するものである。例えばインスタントレモンティーに寄せられたVOCにおいて、「コスパ良い」「コスパ悪い」というVOCフレーズは、単純に価格面の多寡のみからは真の意味は判断しえず、例えばVOCの全文、他のフレーズ、商品意図に関する情報など、他の様々な状況や文脈が与えられて当該VOCの意味する真のコンテクストが判断される。よって状況や文脈によっては、当該VOCの意味する真のコンテクストは、全く正反対のコンテクストやミスコミュニケーション(意図外れ)を意味する可能性もありうる。
【0083】
例えばVOCが膨大である場合、声内容が重複しているのもある。VOC分析集計の画面においては、同じ意味を示すVOCを集約し、VOCフレーズを1つにまとめて表示してもよい。この場合、例えば「甘口」(50件)といったように、VOCフレーズとともにまとめたVOC件数を併記してもよい。商品開発担当者は、このような多数の声又は少数の声を示すVOC件数により、当該VOCフレーズの重要度合いを把握可能である。
【0084】
・商品仕様(商品属性カテゴリ)は、VOC分析対象商品それ自体などに応じて様々である。例えば、他の品質関連、商品設計・表示、容器包装・材質、内容量・サイズ・個数、デザイン、製造方法・工程、使用・保存方法、返品・交換方法、コミュニケーション、品揃え・在庫状況などが挙げられる。また例えば商品が食材や調味料であった場合に、商品開発担当者のVOC分析時に注目したい商品意図の観点を、例えば調理やレシピに合うかどうか関する商品意図について定義した場合、商品仕様として、例えば和食、洋食、中華等のジャンルや、具体的な料理名などが挙げられる。
【0085】
・コンテクスト分類は、上述の実施形態の例示のみに限られず、商品開発担当者のVOC分析時に注目したい特定意図の観点、即ち企業がVOC分析により知りたい情報ニーズに応じて様々である。つまり商品開発担当者は、特定意図に関する情報及び商品等を分類するためコンテクストの定義の仕方次第で、企業の欲する様々な情報ニーズに即したVOC分析が可能である。
【0086】
・VOCにおいては、例えば商品発売直後と、商品発売から一定期間経過後とでは、商品コンセプトに対する顧客理解が浸透するなどして商品評価が変化する場合がある。VOC分析支援装置10は、端末30からの要求に応じて、VOCを所定期間単位(例えば月単位)で分析集計し、時系列に所定期間ごとのVOC分析集計情報を画面上表示してもよい。
【0087】
・商品の新発売のみならず、商品のリニューアル前後においても、本実施形態に係るVOC分析支援システム100を活用することにより、商品のリニューアル前後におけるVOCの変化、リニューアルの意図に近いか遠いかを分析可能である。
【0088】
・本実施形態に係るVOC分析支援システム100(VOC分析支援装置10)は、商品開発やサービス開発の場におけるVOCの利活用のみに限られず、製造、流通、調達、小売などの流通プロセス上を含む従業員(店頭の店員等)やその他関係者(配送員、製造工程に関与した製造員やエンジニア等)のVOEから寄せられた声の利活用に適用することも可能である。
【0089】
・またさらに、VOCとVOEというように声をそれぞれ切り分けて、声の発生源と他の発生源との異種の声を比較しながら分析集計することで、単一の声の発生源のみからでは困難なニーズ、課題、問題点等を特定することも可能となる。
【0090】
[第2実施形態]
上述したように商品開発担当者は、VOC分析により顧客ニーズに合った次なる新商品開発、既存商品の改良、マーケティング戦略立案などに役立てることができる。ここで、商品開発担当者は、そのVOCは「誰」があげた声なのかを解像度高く理解することによって、今後どのように商品改善をすべきか、精度高く検討することができるようになる。
【0091】
図9は、本実施形態に係るVOC及び声主の顧客属性に応じた商品改善策の一例を説明する図である。例えば、商品「レトルトの味付きミートボール」に関し、コンテクスト分類「味」:しょっぱい(ネガティブ)とのVOC、及び「味」:薄い(ネガティブ)とのVOCが寄せられた場合、商品開発担当者が当該VOCから得られる重要な気づきは、「味」の側面において、単純には塩分量を少なくしたり、味付けを濃くしたりといった商品改善策が挙げられる。しかしながら、商品開発担当者は「誰」があげた声なのかを理解することによって、一見相反する内容のVOCを元に今後どのように商品改善をすべきか、より幅広い側面からこれを検討することが可能である。
【0092】
例えば、商品「レトルトの味付きミートボール」に関し、「味」:しょっぱい(ネガティブ)とのVOCは、声主が「幼稚園児を持つ母親」から寄せられたことを理解した場合、例えば幼児の成長過程や味覚の発達を考えて、塩分を控えたレシピを検討するとともに、キャラクターをつかうなどかわいくポップなパッケージデザインに変更し「塩分控えめ」を追記する、といったようにより踏み込んだ商品改善策を検討することが可能である。
【0093】
また例えば、商品「レトルトの味付きミートボール」に関し、「味」:薄い(ネガティブ)とのVOCは、声主が「高齢者」から寄せられたことを理解した場合、例えば高齢者の味覚の衰えや塩分の取りすぎを考えて、うま味を加えたレシピを検討とともに、文字が大きく読みやすい健康的な印象のパッケージに「毎日たべられる」を追記する、といったようにより踏み込んだ商品改善策を検討することが可能である。
【0094】
ここで一般にVOCは例えばアンケート、オペレーターへの問い合わせ、ECサイトレビュー、SNSなどから収集されるが、例えばアンケート(特にアンケート用紙)、オペレーターへの問い合わせなどから収集されたVOCの場合、VOCの声主の顧客属性は不明か、不十分である場合が多い。その一方、例えばECサイトレビュー、SNSなどから収集されたVOCなど、顧客IDと顧客属性情報(ユーザプロフィール等)とVOCと紐付けがなされている場合には、当該VOCにおける声主の顧客属性を特定することが可能である。
【0095】
そして特に商品改善策検討に寄与しうる顧客属性情報は、例えば年齢、性別、生活している家族構成、住所(居住地域)、職業などが挙げられる。また、VOCにおける声主の顧客属性をクラスタに分類してもよい。クラスタ分類情報は、例えば若年単身者、ディンクス、子育てファミリー、子育てファミリー(共働き)、二世帯ファミリー、高齢者単身、高齢者夫婦などが挙げられる。
【0096】
一方、顧客属性情報(ユーザプロフィール等)において、例えば家族構成や職業が無記入・不登録であったりと、商品改善策検討に寄与しうる程度に十分な情報が登録されていない場合もある。このような場合、本出願人による特許6923890号、特許6971449号等を適用することで、例えば顧客が商品販売のECサイトの会員であれば、当該顧客の活例えば購買履歴DBや取引データに基づいて、顧客の家族構成や職業などを推定し、無記入・不登録である顧客属性情報に補完することが可能である。
【0097】
図8に示されたように、VOCフレーズは、該VOCフレーズ元のオリジナルVOC情報にリンクされており、VOCフレーズに対するクリック操作等により、元のオリジナルVOC情報(全文)、及び、当該VOCの声主の顧客属性情報(ユーザプロフィール等)ないしクラスタ分類情報を迅速且つ容易に確認することが可能である。
【0098】
なお、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【0099】
(付記1)
声主(例えば顧客)から収集された商品又はサービスに関する声情報(例えばVOC)を分析する声分析支援装置(例えばVOC分析支援装置)であって、
分析者(例えば商品開発担当者)の前記商品又はサービスに対する特定意図に関する情報(例えば商品意図を示すフレーズ、又は、商品仕様及び商品意図を示すフレーズのセット)を取得する取得手段(例えば
図6のS1)と、
前記声情報(例えばVOCテキストデータ)を取得する取得手段(例えば
図6のS2)と、
前記声情報から前記商品又はサービスに対する声を示すフレーズ(例えばVOCフレーズ)を抽出する抽出手段(例えば
図6のS3)と、
前記特定意図に関する情報に基づいて、抽出した前記フレーズを該フレーズの示す意味分類(例えばコンテクスト分類)に分類する分類手段(例えば
図6のS4)と、
前記声情報を、前記フレーズ及び該フレーズが分類された前記意味分類(例えばコンテクスト分類処理結果)と対応付けて記憶する記憶手段(例えば
図6のS6)と、
を有することを特徴とする声分析支援装置。
【0100】
(付記2)
前記分析者の端末に、前記フレーズ及び該フレーズが分類された前記意味分類(例えばコンテクスト分類処理結果)を表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする付記1に記載の声分析支援装置。
【0101】
(付記3)
前記分類手段は、
前記特定意図に関する情報に基づいて、所定の意味分類区分(例えば「ポジティブ(お褒め)」、「ネガティブ(苦情)」、「ニュートラル(中立)」、「ミスコミュニケーション(意図外れ)」、「単なる感想」、「質問」、「要望」、「その他」)のうち前記フレーズが分類される前記意味分類区分を判定すること、
を特徴とする付記1に記載の声分析支援装置。
【0102】
(付記4)
前記所定の意味分類区分は、前記特定意図に対応する第1の意味分類(例えば「ポジティブ(お褒め)」及び「ネガティブ(苦情)」)と、前記特定意図に対応しない第2の意味分類(例えば「ミスコミュニケーション(意図外れ)」)とを含み、
前記分類手段は、
前記フレーズの示す意味が前記特定意図に対応する場合、該フレーズを前記第1の意味分類(例えばコンテクスト分類「ポジティブ(お褒め)」又は「ネガティブ(苦情)」)に分類し、
前記フレーズの示す意味が前記特定意図に対応しない場合、該フレーズを前記第2の意味分類(例えばコンテクスト分類「ミスコミュニケーション(意図外れ)」)に分類すること、
を特徴とする付記3に記載の声分析支援装置。
【0103】
(付記5)
前記声主の属性情報(例えば「幼稚園児を持つ母親」「味覚の衰えに自覚がない高齢者」を取得する取得手段と、を有し、
前記表示制御手段は、
前記分析者の端末に、さらに前記声主の属性情報を表示させること、
を特徴とする付記2に記載の声分析支援装置。
【符号の説明】
【0104】
10 VOC分析支援装置
20 ナレッジベース
30 端末
100 VOC分析支援システム
101 VOC取得部
102 フレーズ抽出部
103 コンテクスト取得部
104 コンテクスト分類部
105 表示制御部
109 記憶部
【要約】
【課題】VOC等の声分析において、分析者の特定意図に応じた声の意味分類を可能とする。
【解決手段】声主から収集された商品又はサービスに関する声情報を分析する声分析支援装置であって、分析者の商品又はサービスに対する特定意図に関する情報を取得する取得手段と、声情報を取得する取得手段と、声情報から商品又はサービスに対する声を示すフレーズを抽出する抽出手段と、特定意図に関する情報に基づいて、抽出したフレーズをフレーズの示す意味分類に分類する分類手段と、声情報を、フレーズ及びフレーズが分類された意味分類と対応付けて記憶する記憶手段と、を有する。
【選択図】
図6