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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ドライアイス噴射装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 7/00 20060101AFI20241031BHJP
   B05B 7/14 20060101ALI20241031BHJP
   B05B 7/28 20060101ALI20241031BHJP
   B24C 1/00 20060101ALI20241031BHJP
   B24C 11/00 20060101ALI20241031BHJP
   B24C 7/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B08B7/00
B05B7/14
B05B7/28
B24C1/00 A
B24C11/00 E
B24C7/00 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020019488
(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公開番号】P2021122805
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-11-14
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506219889
【氏名又は名称】株式会社クールテクノス
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】和田 嘉之
(72)【発明者】
【氏名】和田 好史
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-227741(JP,A)
【文献】特開2019-072813(JP,A)
【文献】特開2011-183538(JP,A)
【文献】特開2019-098519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 7/00
B05B 7/14,7/28
B24C 1/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化二酸化炭素を供給する液化二酸化炭素供給路と、
前記液化二酸化炭素供給路から供給される液化二酸化炭素を噴出する噴出孔が形成されたオリフィス板と、
前記噴出孔から噴出された液化二酸化炭素を膨張させてドライアイス粒子を生成する膨張空間が内部に形成されたドライアイス生成管と、
キャリアガスを供給するキャリアガス供給路と、
前記ドライアイス生成管の下流側に接続され、前記ドライアイス生成管の下流側から流出するドライアイス粒子と前記キャリアガス供給路から供給されるキャリアガスとを合流させて噴射口から噴射する噴射部材と、
を備え、
前記ドライアイス生成管を加熱する加熱手段を備え、
前記オリフィス板は、前記液化二酸化炭素供給路を形成する配管の下流側端部と前記ドライアイス生成管の上流側端部との境界に設けられており、
前記加熱手段は、前記液化二酸化炭素供給路を形成する前記配管、および、前記オリフィス板に直接接触することなく前記ドライアイス生成管に直接、面接触することにより伝熱し、
前記加熱手段は、発熱体と熱伝導性を有する伝熱部材とを有し、
前記伝熱部材は、第1伝熱部材および第2伝熱部材の2つに分かれたブロックであり、前記発熱体と前記ドライアイス生成管とは、互いに並行な状態で前記第1伝熱部材と前記第2伝熱部材との間に挟まれており、
前記加熱手段は、前記発熱体が発する熱を前記伝熱部材を介して前記ドライアイス生成管に伝達させ、
前記加熱手段は、前記ドライアイス生成管の長さ方向の中間位置より上流側のみを加熱し、
前記ドライアイス生成管の外表面の温度が-20℃から-30℃となるよう、前記加熱手段における加熱温度を制御する温度制御部を備える、
ことを特徴とするドライアイス噴射装置。
【請求項2】
請求項1に記載のドライアイス噴射装置において、
前記ドライアイス生成管の下流側と前記噴射部材とが可撓性のチューブを介して接続されており、
前記噴射部材は、前記可撓性のチューブの下流側に接続され、前記可撓性のチューブの下流側から流出するドライアイス粒子と前記キャリアガス供給路から供給されるキャリアガスとを合流させて噴射口から噴射する、
ことを特徴とするドライアイス噴射装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のドライアイス噴射装置において、
前記液化二酸化炭素供給路は、2MPa±0.3MPa以内の圧力で前記噴出孔に前記液化二酸化炭素を供給する、
ことを特徴とするドライアイス噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライアイス粒子を対象物に向けて噴射することで対象物の表面の洗浄等を行うドライアイス噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液化二酸化炭素から生成したドライアイス粒子をキャリアガスの流れに導入して噴射する装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に開示されているドライアイス噴射装置では、液化炭酸ガス容器からドライアイス噴射用ノズルに供給される液化二酸化炭素をドライアイス生成管内で断熱膨張させてドライアイスを生成し、生成したドライアイスを液体窒素貯槽側からドライアイス噴射用ノズルに供給されるキャリアガスの流れに導入して噴射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-145429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ドライアイス粒子を対象物に向けて噴射させて対象物の表面の処理(洗浄等)を行うこの種の装置では、通常、対象物の表面を効率よく処理(洗浄等)するため、噴射するドライアイス粒子の流量は一定であることが要求される。
【0006】
しかしながら、液化二酸化炭素を供給する際の圧力が低い場合、ドライアイス粒子が配管の内部を閉塞し、ドライアイス粒子の噴射が間欠的となる場合がある。すなわち、ドライアイス粒子を液化二酸化炭素の断熱膨張によって生成する場合、粒子を生成する過程において大きなドライアイスの塊が生成されることがある。そして、大きなドライアイスの塊が、ドライアイス生成管を一時的に閉塞することがある。その結果、噴射口からドライアイス粒子が噴射される場合と噴射されない場合とがある間欠噴射が発生し、対象物の表面を効率よく処理(洗浄等)することができない場合がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて創案されたものであり、ドライアイスの塊がドライアイス生成管を閉塞することを防止して、ドライアイス粒子を安定して連続噴射できるドライアイス噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様に係るドライアイス噴射装置は、液化二酸化炭素を供給する液化二酸化炭素供給路と、前記液化二酸化炭素供給路から供給される液化二酸化炭素を噴出する噴出孔と、前記噴出孔から噴出された液化二酸化炭素を膨張させてドライアイス粒子を生成する膨張空間が内部に形成されたドライアイス生成管と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給路と、前記ドライアイス生成管の下流側に接続され、前記ドライアイス生成管の下流側から流出するドライアイス粒子と前記キャリアガス供給路から供給されるキャリアガスとを合流させて噴射口から噴射する噴射部材とを備え、前記ドライアイス生成管を加熱する加熱手段を備える。
【0009】
かかる構成を備えるドライアイス噴射装置によれば、ドライアイス粒子を安定して連続噴射できるドライアイス噴射装置を提供することができる。
【0010】
本発明の第2態様に係るドライアイス噴射装置は、第1態様に係るドライアイス噴射装置において、前記ドライアイス生成管の下流側と前記噴射部材とが可撓性のチューブを介して接続されており、前記噴射部材は、前記可撓性のチューブの下流側に接続され、前記可撓性のチューブの下流側から流出するドライアイス粒子と前記キャリアガス供給路から供給されるキャリアガスとを合流させて噴射口から噴射する。
【0011】
本発明の第3態様に係るドライアイス噴射装置は、第1態様又は第2態様に係るドライアイス噴射装置において、前記液化二酸化炭素供給路は、2MPa±0.3MPa以内の圧力で前記噴出孔に前記液化二酸化炭素を供給する。
【0012】
本発明の第4態様に係るドライアイス噴射装置は、第1~第3の何れか1つの態様に係るドライアイス噴射装置において、前記ドライアイス生成管が所定の温度となるよう、前記加熱手段における加熱温度を制御する温度制御部を備える。
【0013】
本発明の第5態様に係るドライアイス噴射装置は、第1~第4の何れか1つの態様に係るドライアイス噴射装置において、前記加熱手段は、発熱体と熱伝導性を有する伝熱部材とを有し、前記発熱体が発する熱を前記伝熱部材を介して前記ドライアイス生成管に伝達させる。
【0014】
本発明の第6態様に係るドライアイス噴射装置は、第1~第5の何れか1つの態様に係るドライアイス噴射装置において、前記加熱手段は、前記ドライアイス生成管に直接接触することにより伝熱している。
【0015】
本発明の第7態様に係るドライアイス噴射装置は、第6の態様に係るドライアイス噴射装置において、前記加熱手段は、前記ドライアイス生成管の上流側に直接接触することにより伝熱している。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ドライアイス粒子を安定して連続噴射できるドライアイス噴射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態に係るドライアイス噴射装置の要部を示す部分断面図である。
図2】第1の実施形態に係るドライアイス噴射装置の全体を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る加熱手段の拡大斜視図であって、加熱手段の製造工程を示す図である。
図4】第2の実施形態に係るドライアイス噴射の要部を示す部分断面図である。
図5】第3の実施形態に係るドライアイス噴射装置の要部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係るドライアイス噴射装置について、図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、ドライアイス噴射装置100は、液化二酸化炭素供給部3、噴出孔6、ドライアイス生成管7、可撓性のチューブ8、キャリアガス供給部9、噴射部材10、加熱手段20、温度制御部50等を備えている。
【0019】
液化二酸化炭素供給部3は、図2に示すように、液化二酸化炭素供給路31、液化二酸化炭素貯留部32、開閉弁SV1、気液分離器33等を備え、ドライアイス生成管7に液化二酸化炭素を供給する。
【0020】
液化二酸化炭素貯留部32は、冷却された液化二酸化炭素を約2MPa(例えば2MPa±0.5MPa)の低圧にて貯留する低圧貯留部である。液化二酸化炭素貯留部32として、例えば、極低温容器(LGC)、貯槽タンク(CE:コールドエバポレーター)などが使用される。液化二酸化炭素貯留部32は、大きな対象物Xを洗浄する場合に多量の液化二酸化炭素を使用するため、容量の大きな容器が用いられることが多い。液化二酸化炭素は、液化二酸化炭素貯留部32から液化二酸化炭素供給路31へ、約2MPa(例えば2MPa±0.3MPa)の圧力で供給される。
【0021】
液化二酸化炭素供給路31は、液化二酸化炭素貯留部32からオリフィス板4に形成された噴出孔6に至るまで配管等により形成されており、液化二酸化炭素をオリフィス板4の噴出孔6を介してドライアイス生成管7内の膨張空間71に供給する。この液化二酸化炭素供給路31上には、液化二酸化炭素貯留部32に付設された開閉弁SV1、気液分離器33等が設けられている。
【0022】
気液分離器33は、液化二酸化炭素中に発生した炭酸ガスを分離して液化二酸化炭素供給路31から排出する。気液分離器33は、噴出孔6の上流側であって噴出孔6から近い位置(例えば噴出孔6から100mm~500mm上流側の位置)に設けられている。
【0023】
オリフィス板4は、1又は複数の噴出孔6が形成された薄板(例えば板厚1mmの円板)で形成されている。このオリフィス板4は、液化二酸化炭素供給路31の下流側端部31bとドライアイス生成管7の上流側端部7aとの境界に設けられている。
【0024】
噴出孔6は、オリフィス板4に形成されていて、液化二酸化炭素供給路31から供給される液化二酸化炭素をドライアイス生成管7内部の膨張空間71に噴出する。噴出孔6は、内径が例えば0.1mm~0.2mmであって、本実施形態では、内径0.18mmの噴出孔6が1カ所形成されている。
【0025】
ドライアイス生成管7は、図1に示すように、上流側端部7aがオリフィス板4を介して液化二酸化炭素供給路31の下流側端部31bに接続されており、その内部に、オリフィス板4の噴出孔6から噴出された液化二酸化炭素を膨張させてドライアイス粒子を生成する膨張空間71が形成されている。また、ドライアイス生成管7の下流側端部7bは、可撓性のチューブ8の上流側端部8aと接続されているところ、ドライアイス生成管7の下流側端部7bの外径が、可撓性のチューブ8と嵌合接続するために、所定の大きさに設定されている。ドライアイス生成管7の内径は、噴出孔6から膨張空間71に噴出された液化二酸化炭素が断熱膨張してドライアイス粒子を形成するように、所定の内径に設定されている。すなわち、ドライアイス生成管7の内部の断面積とオリフィス板4に形成された噴出孔6の断面積とが、所定の比率の大きさとなるよう設定されている。膨張空間71は、ドライアイス生成管7の管内部においてドライアイス生成管7の上流側端部7aから下流側端部7bにかけて形成された空間である。
【0026】
可撓性のチューブ8は、上流側端部8aがドライアイス生成管7の下流側端部7bに接続され、下流側に噴射部材10が接続されている。この可撓性のチューブ8は、ドライアイス生成管7で生成されたドライアイス粒子を噴射部材10へ送給する。可撓性のチューブ8には、下流側に接続された噴射部材10が対象物Xに対して自由に移動できるように、所定の可撓性を有する素材が用いられる。可撓性のチューブ8の素材としては、例えばテフロン(登録商標)を使用することができる。本実施形態では、可撓性のチューブ8の長さを1m~2m程度としている。また、可撓性のチューブ8とドライアイス生成管7との接続には、密閉性を確保するためにカシメ式のフェルールロック継ぎ手等を用いてもよい。また、可撓性のチューブ8の下流側においては、噴射部材10と接続される部分よりも下流側に可撓性の無い直管を用いてもよい。
【0027】
噴射部材10は、可撓性のチューブ8の下流側に接続されている。噴射部材10の内部には、合流空間101が形成され、さらに、可撓性のチューブ8の下流側端部8bから噴射口103に向かう流路102が形成される。噴射部材10は、ドライアイス粒子を噴射口103から洗浄の対象物Xに噴射する。具体的には、噴射部材10は、可撓性のチューブ8から供給されるドライアイス粒子と、キャリアガス供給路91から供給されるキャリアガスとを合流空間101において合流させ、キャリアガスとともにドライアイス粒子を流路102を通じて洗浄の対象物X(図2参照)に噴射する。噴射部材10は、ドライアイス生成管7に可撓性のチューブ8を介して接続されていることから、対象物Xに対して自由に移動することができる。噴射部材10は、例えば、対象物Xの表面に対して移動する噴射部材移動装置に取付けて使用される。噴射部材移動装置として、ロボットアームおよびXYステージ(不図示)を例示することができる。
【0028】
キャリアガス供給部9は、図2に示すように、空気圧源92、キャリアガス供給路91、開閉弁SV2を有する。キャリアガス供給路91は、上流側端部91aが空気圧源92に接続され、下流側端部91bが、噴射部材10内部の合流空間101に接続されており、空気圧源92から送られてくるキャリアガスを噴射部材10にまで供給する。キャリアガス供給路91に用いられる管は特に限定されない。ただし、噴射部材10を対象物Xに対して移動可能とするために、キャリアガス供給路91の下流側の少なくとも一部には可撓性を有する管93が用いられる。キャリアガス供給路91は、噴射部材10内の合流空間101において、可撓性のチューブ8の側面に向かってキャリアガスを供給するように形成されている。この構成によって、図1に示すように、合流空間101において、可撓性のチューブ8から流出するドライアイス粒子の流れと同じ方向にキャリアガスの流れが形成される。なお、本実施形態ではキャリアガスとしてドライエアが使用されているが、キャリアガスには、露点温度の低いガスを使用することができ、上記ドライエアの他、窒素ガス、炭酸ガスなどを使用してもよい。
【0029】
合流空間101では、キャリアガス供給路91から供給されるキャリアガスと、ドライアイス生成管7内で生成されたドライアイス粒子とが合流する。具体的には、この合流空間101において、可撓性のチューブ8の下流側端部8bから流出されたドライアイス粒子が、可撓性のチューブ8の下流側端部8bよりも上流側から流れてくるキャリアガスの流れに乗るように合流する。合流空間101でキャリアガスと合流したドライアイス粒子は、流路102を通り、噴射口103から洗浄の対象物Xに向かって噴射される。
【0030】
以下、加熱手段20について説明する。加熱手段20は、ドライアイス生成管7を加熱するために設けられている。図3(a)に示すように、加熱手段20は、発熱体201と、熱伝導性を有する伝熱部材202とを有する。加熱手段20がドライアイス生成管7を加熱することによって、ドライアイス生成管7内で詰まりの原因となる過度に大きなドライアイスの塊が生成されることを防止する。
【0031】
発熱体201には、例えば通電により発熱する電熱ヒータ等を用いる。発熱体201としての電熱ヒータの形状は、例えば真直な棒状とされ、ドライアイス生成管7の軸中心と平行に配置される。
【0032】
また、伝熱部材202は、例えば第1伝熱部材2021と第2伝熱部材2022との2つに分かれた直方体形状のブロックで構成される。第1伝熱部材2021と第2伝熱部材2022とは、図3(b)に示すように、それぞれにおける接続面を互いに向かい合わせて面接触させた状態で接続される。発熱体201と、ドライアイス生成管7とは、互いに並行に並んだ状態で、第1伝熱部材2021と第2伝熱部材2022との間に挟まれる構造となっている。第1伝熱部材2021と第2伝熱部材2022とにおけるそれぞれの接続面の一方又は双方には、発熱体201とドライアイス生成管7との側面部の形状に合わせて、凹部が形成されている。このような形状とすることによって、伝熱部材202が発熱体201およびドライアイス生成管7と接触する面積を大きくすることができ、発熱体201からドライアイス生成管7に効率よく熱伝達することが可能となる。なお、第1伝熱部材2021と第2伝熱部材2022とは、ボルト(不図示)を用いて固定されるが、固定手段は特に限定されない。
【0033】
加熱手段20の構成は、上記の構成に限定されない。例えば、ドライアイス生成管7に温風を当てる構成や、発熱体201を直接ドライアイス生成管7に接触させる構成などであってもよい。すなわち、ドライアイス生成管7の内部において過度に大きなドライアイスの塊が生成されることを防止するよう、ドライアイス生成管7を加熱する構成であればよい。
【0034】
加熱手段20は、ドライアイス生成管7の一部(例えば、長さ方向中間位置より上流側、又は、上流側端部7a)のみを加熱する構成であってもよい。
【0035】
温度制御部50(図1図2参照)は、ドライアイス生成管7の外表面の温度が所定の温度となるよう、加熱手段20における加熱温度を制御する。具体的には、温度制御部50は、発熱体201が電熱ヒータの場合、発熱体201に供給する電力を制御する。電力を制御することによって発熱体201の温度を制御し、ドライアイス生成管7の加熱温度を制御する。二酸化炭素は沸騰線、溶融線及び昇華線の交点である三重点の温度が-56℃であることから、過度に大きなドライアイスの塊ができないように、ドライアイス生成管7の内部の温度が-56℃以下にならないようにすることが望ましい。ドライアイス生成管7の内部を当該温度とするためには、ドライアイス生成管7の外表面の温度を一定の温度、例えば-20℃から-30℃程度にすることが望ましい。そうすることで、温度制御部50は、電熱ヒータに通電する電力を制御し、加熱手段20の加熱温度を制御することによって、ドライアイス生成管7の外表面の温度、ひいてはドライアイス生成管7の内部の温度を好ましい温度に制御することができる。
【0036】
本件の変形例を以下に挙げる。
【0037】
第2の実施形態に係るドライアイス噴射装置100Aは、図4に示すように、可撓性のチューブ8を用いず、噴射部材10の上流側端部10aがドライアイス生成管7の下流側に直接に接続されている。
【0038】
また、第2の実施形態に係るドライアイス噴射装置100Aにおける加熱手段20は、ドライアイス生成管7の噴射部材10から露出した部分を加熱する。図4に示す例では、加熱手段20は、ドライアイス生成管7の噴射部材10から露出した部分であって、ドライアイス生成管7の下流側端部7bから所定距離(例えばドライアイス生成管7の1/2長さと同じ長さ)上流側に離れた部分を加熱している。
【0039】
第2の実施形態に係るドライアイス噴射装置100Aにおける加熱手段20は、ドライアイス生成管7の表面部に直接接触している。具体的には、伝熱部材202が直接ドライアイス生成管7の表面部に接触している。
【0040】
第3の実施形態に係るドライアイス噴射装置100Bは、図5に示すように、ドライアイス生成管7を複数備えている。複数のドライアイス生成管7は、それぞれの上流側端部7aと下流側端部7bとの向きをそろえて互いに平行に配置される。
【0041】
第3の実施形態に係るドライアイス噴射装置100Bにおいては、複数のドライアイス生成管7に対して、ドライアイス生成管7の数よりも少ない数の加熱手段20Bを用いることが好ましい。例えば、発熱体201Bと伝熱部材202Bとをそれぞれ1つずつとし、伝熱部材202Bが、複数のドライアイス生成管7のすべてに接触する構成としてもよい。このようにすれば、複数のドライアイス生成管7のすべてを、1つの加熱手段20Bで加熱することができる。そして、加熱手段20Bの数を少なくすることによって、加熱手段20Bの設置に必要なスペースの増加を防止することができる。
【0042】
なお、複数のドライアイス生成管7と、それぞれを加熱する加熱手段20Bの構成は、上記の構成に限定されない。すなわち、対象物Xに対してドライアイス粒子を効率よく噴射できる構成であれば、他の構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、例えば、ドライアイス噴射装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0044】
100、100A、100B ドライアイス噴射装置
31 液化二酸化炭素供給路
6 噴出孔
7 ドライアイス生成管
7a (ドライアイス生成管の)下流側端部
71 膨張空間
8 可撓性のチューブ
8b (可撓性のチューブの)下流側端部
91 キャリアガス供給路
10 噴射部材
101 合流空間
102 流路
103 噴射口
20 加熱手段
201 発熱体
202 伝熱部材
50 温度制御部


図1
図2
図3
図4
図5