(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20241031BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20241031BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20241031BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20241031BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20241031BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20241031BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20241031BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20241031BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
G01C21/36
G09B29/00 Z
G09B29/10 A
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
(21)【出願番号】P 2020200495
(22)【出願日】2020-12-02
【審査請求日】2023-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】赤見 悠弐
【審査官】西畑 智道
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-037181(JP,A)
【文献】特開2002-296068(JP,A)
【文献】特開2005-024279(JP,A)
【文献】特開2013-217664(JP,A)
【文献】特開2010-277575(JP,A)
【文献】特開2014-093050(JP,A)
【文献】特開2018-106465(JP,A)
【文献】特開2014-237345(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0205885(US,A1)
【文献】国際公開第2011/158352(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G09B 29/00
G09B 29/10
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
公共交通機関の施設に接続可能な出入口を撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記出入口がどの場所の出入口であるかを特定可能な特定手段と、
前記特定された出入口の場所を考慮した前記公共交通機関の案内情報を生成する生成手段と、
前記生成された案内情報を
、前記撮像画像上に重畳表示または専用案内画面で表示する出力手段と、
を備え
、
前記出力手段は、前記案内情報が重畳表示された前記撮像画像と前記専用案内画面とを切り替え可能に表示することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記案内情報は、前記特定された出入口を前記公共交通機関の利用のための移動を開始する起点として考慮した情報であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記案内情報は、前記特定された出入口から前記公共交通機関の乗降場所または改札口までの所要時間を考慮した情報であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記案内情報は、前記所要時間内に搭乗できる路線毎の公共交通機関の時刻表であることを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記出入口が前記公共交通機関の施設に直結する施設の出入口である場合、前記案内情報は、前記公共交通機関および前記公共交通機関の路線の少なくとも一方を示すマークを含むことを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記案内情報は、前記特定された出入口を識別可能に示す前記公共交通機関の施設の構内図であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記案内情報は、前記特定された出入口から選択された路線の乗降場所までの屋内ルートであることを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記出力手段は、前記案内情報を選択可能な表示態様で表示し、前記案内情報が選択された場合に、前記案内情報に関連する関連情報を表示することを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項9】
公共交通機関の発車標を撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記発車標が設置されている前記公共交通機関の施設を特定可能な特定手段と、
前記特定された公共交通機関の施設における前記発車標に示される発車時刻以降の発車時刻の情報が少なくとも含まれる案内情報を生成する生成手段と、
前記生成された案内情報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
前記出力手段は、前記発車標に連続する表示態様で前記撮像画像上に前記案内情報を重畳表示することを特徴とする請求項
9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記出力手段は、前記案内情報が重畳表示された前記撮像画像と前記発車標の専用案内画面とを切り替え可能に表示することを特徴とする請求項
10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記案内情報は、前記発車標に示される発車時刻および当該発車時刻以降の発車時刻の少なくとも一方に対応する前記公共交通機関の運行情報および/または混雑情報を更に含むことを特徴とする請求項
9乃至
11のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記出力手段は、前記案内情報を選択可能な表示態様で表示し、前記案内情報が選択された場合に、前記案内情報に関連する関連情報を表示することを特徴とする請求項
9乃至
12のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記生成手段は、前記特定された公共交通機関の施設における前記発車標に示される発車時刻以外の案内対象を案内する第2の案内情報を生成し、
前記出力手段は、前記生成された第2の案内情報を出力することを特徴とする請求項
9に記載の情報処理システム。
【請求項15】
コンピュータを、
公共交通機関の施設に接続可能な出入口を撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記出入口がどの場所の出入口であるかを特定可能な特定手段、
前記特定された出入口の場所を考慮した前記公共交通機関の案内情報を生成する生成手段、および
前記生成された案内情報を
、前記撮像画像上に重畳表示または専用案内画面で表示する出力手段、
として機能させ
、
前記出力手段は、前記案内情報が重畳表示された前記撮像画像と前記専用案内画面とを切り替え可能に表示することを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項16】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
公共交通機関の施設に接続可能な出入口を撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記出入口がどの場所の出入口であるかを特定可能な特定手段と、
前記特定された出入口の場所を考慮した前記公共交通機関の案内情報を生成する生成手段と、
前記生成された案内情報を
、前記撮像画像上に重畳表示または専用案内画面で表示する出力手段と、
を備え
、
前記出力手段は、前記案内情報が重畳表示された前記撮像画像と前記専用案内画面とを切り替え可能に表示する情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項17】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項1乃至
8のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの1つを請求項1乃至
8のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項18】
コンピュータを、請求項1乃至
8のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項19】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
公共交通機関の施設に接続可能な出入口を撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記出入口がどの場所の出入口であるかを特定可能な特定手段と、
前記特定された出入口の場所を考慮した前記公共交通機関の案内情報を生成する生成手段と、
前記生成された案内情報を
、前記撮像画像上に重畳表示または専用案内画面で表示する出力手段と、
を備え
、
前記出力手段は、前記案内情報が重畳表示された前記撮像画像と前記専用案内画面とを切り替え可能に表示する情報処理システムを構成するために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項20】
特定手段が、公共交通機関の施設に接続可能な出入口を撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記出入口がどの場所の出入口であるかを特定するステップと、
生成手段が、前記特定された出入口の場所を考慮した前記公共交通機関の案内情報を生成するステップと、
出力手段が、前記生成された案内情報を
、前記撮像画像上に重畳表示または専用案内画面で表示するステップと、
を備え
、
前記出力手段は、前記案内情報が重畳表示された前記撮像画像と前記専用案内画面とを切り替え可能に表示することを特徴とする情報処理方法。
【請求項21】
コンピュータを、
公共交通機関の発車標を撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記発車標が設置されている前記公共交通機関の施設を特定可能な特定手段、
前記特定された公共交通機関の施設における前記発車標に示される発車時刻以降の発車時刻の情報が少なくとも含まれる案内情報を生成する生成手段、および
前記生成された案内情報を出力する出力手段、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項22】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
公共交通機関の発車標を撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記発車標が設置されている前記公共交通機関の施設を特定可能な特定手段と、
前記特定された公共交通機関の施設における前記発車標に示される発車時刻以降の発車時刻の情報が少なくとも含まれる案内情報を生成する生成手段と、
前記生成された案内情報を出力する出力手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項23】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項
9乃至
14のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの1つを請求項
9乃至
14のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項24】
コンピュータを、請求項
9乃至
14のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項25】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
公共交通機関の発車標を撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記発車標が設置されている前記公共交通機関の施設を特定可能な特定手段と、
前記特定された公共交通機関の施設における前記発車標に示される発車時刻以降の発車時刻の情報が少なくとも含まれる案内情報を生成する生成手段と、
前記生成された案内情報を出力する出力手段と、
を備えた情報処理システムを構成するために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項26】
特定手段が、公共交通機関の発車標を撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記発車標が設置されている前記公共交通機関の施設を特定するステップと、
生成手段が、前記特定された公共交通機関の施設における前記発車標に示される発車時刻以降の発車時刻の情報が少なくとも含まれる案内情報を生成するステップと、
出力手段が、前記生成された案内情報を出力するステップと、
を備えたことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮像手段で撮像された物体の画像上に当該物体と関連する付加情報を表示する技術が採用されている。例えば、特許文献1には、駅の入口の撮像画像上に、その駅から乗車可能な鉄道の路線名を重ねて表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、鉄道を利用する際の利便性を向上させるには不十分であった。例えば、公共交通を利用するユーザに対する拡張現実を用いた情報提示が不十分であった。
【0005】
そこで、本発明は、公共交通機関を利用する際の利便性を向上させることができる情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理システムは、
公共交通機関の施設に接続可能な出入口を撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて前記出入口がどの場所の出入口であるかを特定可能な特定手段と、
前記特定された出入口の場所を考慮した前記公共交通機関の案内情報を生成する生成手段と、
前記生成された案内情報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、公共交通機関を利用する際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図3】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、駅の出入口を撮像した出入口画像を示す図である。
【
図4】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、出入口画像上に重畳表示された案内情報を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、駅の出入口の専用案内画面を示す図である。
【
図6】第2の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】第2の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、駅の発車標を撮像した発車標画像上に重畳表示された案内情報を示す図である。
【
図8】第2の実施形態に係る情報処理システムの動作の一変形例として、駅の発車標を撮像した発車標画像上に重畳表示された案内情報および関連情報を示す図である。
【
図9】第2の実施形態に係る情報処理システムの動作の一変形例として、外国語で表示された案内情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0010】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム1について説明する。第1の実施形態に係る情報処理システム1は、モバイル端末(スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等)やウェアラブル端末(眼鏡型、腕時計型、イヤホン型等)などの電子機器の使用者(以下、単に「ユーザ」ともいう)に対して、公共交通機関の案内情報を提供するシステムである。
【0011】
図1に示すように、情報処理システム1は、前述の電子機器に相当する端末装置2と、サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0012】
ネットワークは、有線回線および無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、端末装置2およびサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0013】
端末装置2は、公共交通機関の案内情報の提供を受けるためにユーザが使用するものであり、例えば、モバイル端末やウェアラブル端末などの情報処理端末である。端末装置2は、単体の機器で構成されていてもよく、または、複数の機器で構成されていてもよい。端末装置2を複数の機器で構成する場合、端末装置2は、例えば、サーバ3と通信可能に接続できるモバイル端末(例えば、スマートフォン等)と、モバイル端末と通信可能に接続できるウェアラブル端末とで構成されていてもよく、また、モバイル端末と、モバイル端末に接続可能なカメラとで構成されていてもよい。
【0014】
端末装置2は、
図1に示すように、通信部21と、入力部23と、出力部24と、撮像手段の一例である撮像部25と、制御部22とを有する。
【0015】
通信部21は、ネットワークを介して制御部22とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0016】
入力部23は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、例えばモバイル端末におけるタッチパネルやマイクロフォン、タッチパッドもしくはダイヤルボタンまたはジェスチャーであってもよい。
【0017】
出力部24は、端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、例えば液晶ディスプレイ等の映像表示手段である。一例として、出力部24は、入力部23を通じたユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。出力部24は、各種情報を音声出力するスピーカやイヤホンを有していてもよい。
【0018】
なお、出力部24は、ユーザに情報を直接提示するものでなくてもよい。例えば、出力部24は、端末装置2の外部に接続される映像表示手段や音声出力手段に、映像信号や音声信号を出力するものであってもよいし、外部に接続される印刷装置にデータを出力するものであってもよいし、端末装置2内もしくは外部の記憶装置にデータを出力して記憶させるものであってもよい。
【0019】
撮像部25は、物体の像を撮像した撮像画像を端末装置2に入力する装置であり、例えば、CCD等の固体撮像素子を備えたカメラである。撮像部25は、端末装置2の本体に内蔵されたものであってもよく、または、端末装置2の本体にインターフェースを介して接続されたものであってもよい。第1の実施形態において、撮像部25は、公共交通機関の施設に接続可能な出入口の撮像に用いられる。
【0020】
制御部22は、
図1に示すように、出力手段の一例である案内情報提示部221を有する。案内情報提示部221は、サーバ3から送信された公共交通機関の案内情報を、出力部24を介して出力することで、ユーザに案内情報を提示する。
【0021】
また、制御部22は、撮像部25から入力された撮像画像を、通信部21を介してサーバ3に送信する制御を実行する。制御部22は、端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0022】
次に、サーバ3について説明する。
図1に示すように、サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有する。制御部32について説明する前に、通信部31および記憶部33について説明する。
【0023】
通信部31は、ネットワークを介して端末装置2と、サーバ3の制御部32との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0024】
記憶部33は、例えばハードディスク等のデータストレージであり、各種データベースを格納する。なお、記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられなくてもよく、ネットワークを介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。
【0025】
記憶部33は、経路ネットワーク情報データベース331を有する。経路ネットワーク情報データベース331は、経路探索用のデータベースであり、経路ネットワーク情報として、例えば、交通ネットワーク情報を含む。交通ネットワーク情報は、鉄道やバス等の交通網や道路網を規定する情報である。交通網の情報としては、公共交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。また、交通網の情報は、例えば駅等の路線網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の線路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。また、道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。
【0026】
また、図示しないが、記憶部33は、地図の表示や地点の検索等に用いる地図情報データベースを有していてもよい。地図情報は、全国または各地方の道路地図などの地図データを含み、地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報(注記情報、記号情報等)を含んでいてもよい。さらに、記憶部33には、施設の検索や目的地の設定に用いるPOI(Point of Interest)情報データベースを含んでいてもよい。POI情報は、施設やイベントの情報である。POI情報は、施設やイベントの名称情報や位置情報を含んでいる。POI情報には、駅などの公共交通機関の施設に接続可能な出入口の情報が含まれていてもよい。また、記憶部33は、駅の構内図を示す構内図情報を有していてもよい。
【0027】
次に、サーバ3の制御部32について説明する。制御部32は、
図1に示すように、特定手段の一例である特定部321と、生成手段の一例である案内情報生成部322とを有する。
【0028】
特定部321は、公共交通機関の施設に接続可能な出入口を撮像部25で撮像した撮像画像(以下、出入口画像とも呼ぶ)に基づいて、出入口画像上の出入口がどの場所の出入口であるかを特定する。
【0029】
ここで、公共交通機関の施設は、例えば、駅やバスターミナルなどである。また、公共交通機関の施設に接続可能な出入口は、公共交通機関の施設自体の出入口に限らず、例えば、駅に直結する商業ビル等の施設の出入口も含む。
【0030】
特定部321は、例えば、全国各所の公共交通機関の施設に接続可能な出入口の画像を学習することによって構築されたアルゴリズムに基づいて、出入口画像上の施設が出入口であるか否かを判定してもよい。出入口であると判定された場合、特定部321は、VPS(Visual Positioning Service)やGPSまたはそれらの組み合わせによって、判定された出入口がどの場所の出入口であるかを特定してもよい。出入口の場所の特定は、例えば、「A駅のA1出入口」、「B駅のB1出入口」などの態様で行われてもよい。VPS、GPSによって出入口の場所を特定した後、特定部321は、必要に応じて画像認識による文字情報等の抽出によって出入口の場所をより正確に特定してもよい。
【0031】
案内情報生成部322は、特定部321によって特定された出入口の場所を考慮した公共交通機関の施設の案内情報を生成する。案内情報は、時刻表等の公共交通機関自体の利用に関する案内情報に限らず、バリアフリー設備(例えば、エレベータ、エスカレータ、スロープ等)、トイレ、ATM、店舗などの公共交通機関の施設の利用に関する案内情報であってもよい。
【0032】
より詳しくは、特定された出入口の場所を考慮した案内情報は、特定された出入口を公共交通機関の利用のための移動(徒歩や車椅子等による移動)を開始する起点として考慮した情報である。ここで、公共交通機関の利用は、公共交通機関自体の利用に限らず、公共交通機関の施設の利用であってもよい。
【0033】
一例として、案内情報は、特定された出入口から公共交通機関の乗降場所または改札口までの所要時間を考慮した情報であってもよい。より具体的には、案内情報は、所要時間内に搭乗できる公共交通機関の時刻表であってもよい。時刻表は、路線毎の時刻表であってもよい。路線が複数ある場合、ユーザ情報(ユーザが予め登録しておいた路線、経路、定期券などの情報)から時刻表を表示する路線を絞り込んだり、時刻表の表示順を変えたり、強調表示してもよい。案内情報として所要時間内に搭乗できる公共交通機関の時刻表が出力されることで、ユーザは、時刻表に示される電車に間に合うことを容易に把握することができる。
【0034】
他の一例として、案内情報は、特定された出入口を識別可能に示す公共交通機関の施設の構内図であってもよい。この場合、特定された出入口は、識別し易いように構内図の中心に配置されてもよいし、強調表示されてもよい。既述した公共交通機関の施設の利用に関する案内情報(バリアフリー設備の情報等)は、構内図上の該当する位置に対応付けてアイコン表示されてもよい。案内情報として、特定された出入口を識別可能に示す構内図が出力されることで、ユーザは、特定された出入口にエスカレータやエレベータがあるのか、改札の外にトイレはあるのか、特定された出入口以外の出入口の方がホームに近いのか等を容易に把握することができる。
【0035】
他の一例として、案内情報は、特定された出入口から選択された路線の乗降場所であるホームまでの屋内ルートであってもよい。路線の選択は、情報処理システム1(例えば、案内情報生成部322)が、予め決められた選択条件にしたがって行ってもよい。屋内ルートの生成において選択される路線(すなわち、路線の選択条件)は、例えば、予め入力部23を用いたユーザ操作によって端末装置2に登録されたルートまたはルート上の路線であってもよく、または、予めユーザによって購入されて端末装置2に登録された電子チケット情報(例えば、定期券等)に示される路線であってもよい。案内情報として、特定された出入口から選択された路線の乗降場所までの屋内ルートが表示されることで、ユーザは、どのルートでホームまで移動すればよいかを容易に把握することができる。
【0036】
案内情報提示部221は、案内情報生成部322によって生成された案内情報を、出力部24を介して撮像画像上に重畳表示してもよい。また、案内情報提示部221は、出入口画像から、案内情報を含む出入口の専用案内画像に遷移してもよい。あるいは、案内情報提示部221は、案内情報が重畳表示された出入口画像と、出入口の専用案内画像とを切り替え可能に表示してもよい。
【0037】
また、案内情報は、入力部23を用いたユーザ操作によって選択可能な表示態様で表示されてもよい。案内情報の選択は、手入力に限らず、音声入力などで行ってもよい。案内情報が選択された場合、案内情報生成部322は、案内情報に関連する関連情報を生成し、案内情報提示部221は、生成された関連情報を出力部24に表示させてもよい。例えば、案内情報として公共交通機関の施設の構内図が表示されている状態において、構内図上に選択可能に表示されたバリアフリー設備を示すアイコンがユーザ操作によって選択された場合に、案内情報生成部322は、関連情報として、特定された出入口から選択されたアイコンに示されるバリアフリー設備または当該バリアフリー設備の最寄りの出入口までの案内ルートを生成してもよい。この場合、案内情報提示部221は、案内ルートを構内図上に表示してもよいし、実写画像上に重畳表示してもよい。このような構成によれば、例えば、車いすやベビーカーによる移動の場合、撮像されている出入口にはエレベータがないが、他の出入口にエレベータがあることを容易に把握させることができ、また、撮像している地点からエレベータが併設されている出入口までの案内ルートを表示させることで利用者の利便性を向上させることができる。また、例えば、案内情報として既述した特定された出入口から選択された路線の乗降場所であるホームまでの屋内ルートが選択可能な表示態様で表示されている状態において、表示されている屋内ルートがユーザ操作によって選択された場合に、案内情報生成部322は、関連情報として、屋内ルートの詳細情報や他の屋内ルートの選択肢を表示してもよい。屋内ルートの詳細情報としては、例えば、屋内ルートの距離、屋内ルートの幅員・天井の高さ等の換気性、他端末のGPS情報に基づく屋内ルートの混雑度合い等を挙げることができる。このような構成によれば、屋内ルートを円滑かつ安心して通行できるかを事前に把握することができ、必要に応じて他の屋内ルートに変更することも可能となる。
【0038】
また、案内情報の出力は、画像表示のみに限らず、音声出力をともなってもよい。
【0039】
制御部32は、案内情報生成部322で生成された案内情報を、通信部31を介して端末装置2に送信する制御を実行する。制御部32は、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0040】
(動作例)
次に、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作例について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0041】
図2に示すように、先ず、端末装置2の撮像部25は、ユーザが公共交通機関の施設に接続可能な出入口を撮像することで出入口画像を取得する(ステップS21)。
図3は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、公共交通機関の施設の一例である駅の出入口を撮像部25で撮像することで得られた出入口画像i1を示す図である。
図3に示す出入口画像i1のように、画像中に駅名(
図3における「A駅」)が映り込んでいる場合、例えば、駅名の文字情報を機械学習した学習結果に基づいて画像中の施設が出入口であることを判定した後、画像中の文字やマークを画像解析して、出入口がどの公共交通機関のどの出入口であるかを特定することができる。撮像画像中に駅名が映り込んでいない場合であっても、VPSやGPSまたはそれらの組み合わせによって出入口の場所を一意に特定することができる。
【0042】
出入口画像が取得された後、端末装置2の制御部22は、取得された出入口画像を、通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS22)。
【0043】
出入口画像が送信された後、サーバ3の特定部321は、送信された出入口画像に基づいて、出入口画像上の出入口がどの場所の出入口であるかを特定する(ステップS31)。出入口の場所の特定は、既述したように、出入口の画像の学習結果や、VPSとGPSとの組み合わせによる現在位置推定等によって行うことができる。
【0044】
出入口の場所が特定された後、サーバ3の案内情報生成部322は、特定された出入口の場所を考慮した公共交通機関の案内情報を生成する(ステップS32)。具体的には、案内情報生成部322は、案内情報として、特定された出入口を公共交通機関の利用のための移動を開始する起点として考慮した情報を生成する。一例として、案内情報生成部322は、特定された出入口から公共交通機関の乗降場所または改札口までの所要時間を考慮した情報を生成する。より詳しくは、案内情報生成部322は、特定された出入口から公共交通機関の乗降場所または改札口までの所要時間内に搭乗できる公共交通機関の時刻表を生成する。さらに詳しくは、案内情報生成部322は、特定された出入口から公共交通機関の乗降場所または改札口までの所要時間内に搭乗できる路線毎の公共交通機関の時刻表を生成する。他の一例として、案内情報生成部322は、特定された出入口を識別可能に示す公共交通機関の施設の構内図を生成する。他の一例として、案内情報生成部322は、特定された出入口から選択された路線の乗降場所までの屋内ルートを生成する。
【0045】
案内情報が生成された後、サーバ3の制御部32は、生成された案内情報を、通信部31を介して端末装置2に送信する(ステップS33)。
【0046】
案内情報が送信された後、端末装置2の案内情報提示部221は、送信された案内情報を、出力部24を介して出力する(ステップS23)。案内情報を端末装置2の画面に表示する場合、案内情報提示部221は、画面サイズに応じて案内情報の文字サイズや表示量を適宜調整してもよい。
【0047】
図4は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、出入口画像i1上に重畳表示された案内情報i2を示す図である。例えば、
図4に示すように、案内情報提示部221は、出入口画像i1上に案内情報i2を重畳表示することで案内情報を出力する。
図4に示される例において、案内情報i2は、路線毎の電車の時刻表を示す時刻表情報i21と、駅構内図を示す駅構内図情報i22とを含む。
【0048】
時刻情報i21は、出入口画像i1上の出入口の場所から駅のホームまでの所要時間を考慮して、所要時間内に乗車できる直近の電車の発車時刻(出発時刻)を示すように生成された画像情報である。したがって、現在時刻や出入口を撮像した時刻に直近の発車時刻があっても、ホームまでの所要時間の経過前に発車する時刻については時刻情報i21に含まれていないか、ユーザがスクロールするなどして当該発車時刻を表示させなければならない。また、時刻情報i21には、経路ネットワーク情報に基づいて算出された出入口からホームまでの所要時間(例えば、路線Zは2分)が含まれている。このような時刻情報i21が表示されることで、ユーザは、駅のホームまでどの程度の時間がかかり、表示されている時刻表の発車時刻に間に合うことを容易に把握することができる。また、
図4に示す例において、時刻情報i21には更に電車の遅延情報(例えば、遅れ5分)が含まれているため、発車時刻が遅れることを容易に把握することができる。
【0049】
駅構内図情報i22は、出入口画像i1上の出入口の場所を起点として電車の利用のための移動を開始することを考慮して、出入口画像i1上の出入口を識別可能な状態で示すように生成された駅構内図の画像情報である。
図4に示すように、駅構内図情報i22において、出入口画像i1上の出入口の場所Pは、駅構内図i221の中心位置に円形のマーク等によって目立つように表示されている。また、駅構内図情報i22には、バリアフリー設備を示す複数種類のアイコンi222が含まれている。アイコンi222は、ユーザ操作によって選択可能であり、案内情報生成部322は、選択されたアイコンi223が駅構内図i221の該当する位置に対応付けて表示されるように案内情報i2を生成する。更に、駅構内図i221に対応付けて表示されたアイコンi223は、ユーザ操作によって選択可能であり、案内情報生成部322は、アイコンi223が選択されると、特定された出入口Pから選択されたアイコンi223に示されるバリアフリー設備までの案内ルートを生成する。このような駅構内図情報i22が表示されることで、ユーザは、出入口画像i1上の出入口でバリアフリー設備が使えるのか、バリアフリー設備が使える出入口までどうやって移動すればよいのか等を容易に把握することができる。なお、駅構内図情報i22には、バリアフリー設備以外の駅の設備を示すアイコンが含まれていてもよい。
【0050】
図5は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、駅の出入口の専用案内画面Sを示す図である。例えば、
図5に示すように、案内情報提示部221は、ユーザ操作にしたがって
図4の案内情報i2の表示画面から
図5の専用案内画面Sへの表示の切り替えを行ってもよいし、ユーザ操作を介さずに自動で切り替えを行ってもよい。専用案内画面Sは、案内情報i2と同様の情報を含むように案内情報生成部322で生成された画像情報である。専用案内画面Sは、モバイル端末に備えられている専用アプリ上の案内画面でもよいし、ウェブ上の案内画面でもよい。また、案内情報i2と同様の情報以外にも、専用案内画面Sには、独自の情報が含まれていてもよい。例えば、専用案内画面Sには、特定された出入口に対応する駅から目的地までのルート検索を指示する操作ボタン(
図5における“検索”ボタン)が含まれていてもよい。専用案内画面Sは、撮像部25によって駅の出入口を撮像し続けなくても表示し続けることができるので便利である。
【0051】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、公共交通機関の施設に接続可能な出入口を撮像した撮像画像に基づいて出入口がどの場所の出入口であるかを特定し、特定された出入口の場所を考慮した公共交通機関の案内情報を生成して出力することで、公共交通を利用するユーザに対して拡張現実を用いた十分な情報提示を行うことができる。これにより、公共交通機関を利用する際の利便性を向上させることができる。
【0052】
(第2の実施形態)
次に、公共交通機関の発車標の撮像画像に付随する案内情報を提供する第2の実施形態について説明する。以下、
図1を用いて、第2の実施形態に係る情報処理システム1の構成を説明する。
【0053】
第1の実施形態と同様に、第2の実施形態に係る情報処理システム1は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続された端末装置2とサーバ3とを備えている。第2の実施形態においても、端末装置2は、通信部21と、案内情報提示部221を有する制御部22と、入力部23と、出力部24と、撮像部25とを有し、サーバ3は、通信部31と、特定部321および案内情報生成部322を有する制御部32と、経路ネットワーク情報データベース331を有する記憶部33とを有する。ただし、第2の実施形態においては、案内情報の内容が第1の実施形態とは異なり、これにともなって、端末装置2およびサーバ3の構成部の機能が第1実施形態とは異なっている。
【0054】
具体的には、サーバ3の特定部321は、公共交通機関の発車標を撮像部25で撮像した撮像画像(以下、発車標画像とも呼ぶ)に基づいて、撮像されている物体が発車標であるか否かを判断し、そして、発車標が設置されている公共交通機関の施設を特定する。第1の実施形態と同様に、公共交通機関の施設は、駅であってもよく、または、バス停であってもよい。
【0055】
特定部321は、例えば、全国各所の公共交通機関の施設の発車標の画像を学習することによって構築されたアルゴリズムに基づいて、撮像されている物体が発車標であるか否かを判定してもよい。発車標であると判定された場合、特定部321は、発車標画像上の発車標が設置されている公共交通機関の施設を特定してもよい。特定部321は、VPS、GPSまたはこれらの組み合わせによって、発車標画像上の発車標が設置されている公共交通機関の施設を特定してもよい。例えば、特定部321は、発車標に示されている番線、路線名、発車時刻などに基づいて、発車標が設置されている公共交通機関の施設を特定してもよい。
【0056】
案内情報生成部322は、特定部321によって特定された公共交通機関の施設における発車標画像に示される発車時刻以降の発車時刻の情報が少なくとも含まれる案内情報を生成する。端末装置2の案内情報提示部221は、出力部24を介して案内情報を出力する。案内情報提示部221は、発車標画像上の発車標の末尾に連続する表示態様で発車標画像上に案内情報を重畳表示してもよい。このような案内情報が表示されることで、ユーザは、発車標の後続の発車情報を容易に把握することができる。
【0057】
案内情報は、発車標に示される発車時刻に対応する公共交通機関の運行情報および混雑情報の少なくとも一方を更に含んでもよい。また、案内情報は、発車標に示される発車時刻以降の発車時刻に対応する公共交通機関の運行情報および混雑情報の少なくとも一方を更に含んでもよい。このような案内情報が表示されることで、ユーザは、発車標または案内情報に示される発車時刻の公共交通機関に搭乗すべきか否かを容易に判断することができる。
【0058】
なお、案内情報は、発車標に示される発車時刻以降の発車時刻の情報は含まず、発車時刻以外の発車標に関連する情報のみを含んでもよい。発車時刻以外の発車標に関連する情報は、例えば、発車標に示される列車の混雑(列車単位の混雑度や車両別の混雑など)や運行情報(遅延など)、ロケーションなどであってもよく、これらの情報は、発車標に倣って重畳表示(発車標近傍に表示)されてもよい。
【0059】
案内情報提示部221は、案内情報が重畳表示された発車標画像と発車標の専用案内画面とを切り替え可能に表示してもよい。専用案内画面は、例えば、発車標に示される発車時刻と案内情報に示される発車時刻とを含む画面であって、撮像部25で発車標を撮像し続けなくても表示し続けることができる画面である。また、案内情報提示部221は、案内情報を選択可能な表示態様で表示し、案内情報生成部322は、案内情報が選択された場合に、選択された案内情報に関連する関連情報を生成して案内情報提示部221に表示させてもよい。関連情報は、例えば、選択された案内情報に示される発車時刻の公共交通機関が現在走行している位置を示す情報であってもよい。
【0060】
(動作例)
次に、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作例について説明する。
図6は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0061】
図6に示すように、先ず、端末装置2の撮像部25は、公共交通機関の発車標を撮像することで発車標画像を取得する(ステップS211)。
【0062】
発車標画像が取得された後、端末装置2の制御部22は、取得された発車標画像を、通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS212)。
【0063】
発車標画像が送信された後、サーバ3の特定部321は、送信された発車標画像に基づいて、発車標画像上の発車標が設置されている公共交通機関の施設を特定する(ステップS311)。公共交通機関の施設の特定は、既述したように、発車標の画像の学習結果や、VPSとGPSとの組み合わせによる現在位置推定等によって行うことができる。
【0064】
公共交通機関の施設が特定された後、サーバ3の案内情報生成部322は、特定された施設における発車標画像に示される発車時刻以降の発車時刻を案内する案内情報を生成する(ステップS312)。
【0065】
案内情報が生成された後、サーバ3の制御部32は、生成された案内情報を、通信部31を介して端末装置2に送信する(ステップS313)。
【0066】
案内情報が送信された後、端末装置2の案内情報提示部221は、送信された案内情報を、出力部24を介して出力する(ステップS213)。
【0067】
図7は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、発車標画像i3上に重畳表示された案内情報i4を示す図である。例えば、
図7に示すように、案内情報提示部221は、駅の発車標を撮像した発車標画像i3上に案内情報i4を重畳表示することで案内情報を出力する。
図7に示される例において、案内情報i4は、発車標画像i3に示される発車時刻のうちの最も遅い発車時刻(
図7における10:25)以降の発車時刻を示す発車時刻情報i41と、発車標画像i3に示される発車時刻に対応する電車の混雑度合い及び発車時刻情報i41に示される発車時刻に対応する電車の混雑度合いを示す混雑情報i42とを含む。
【0068】
発車時刻情報i41が表示されることで、ユーザは、発車標の後続の発車時刻を容易に把握することができる。混雑情報i42が表示されることで、ユーザは、発車標に対応する電車および発車時刻情報i41に対応する電車の混雑度合いを容易に把握することができる。
【0069】
図8は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、関連情報i5を示す図である。
図8に示すように、発車時刻情報i41に示される発車時刻(
図8における10:34)がユーザ操作によって選択された場合、案内情報生成部322は、選択された発車時刻の電車の現在の走行位置を示す関連情報i5を生成し、案内情報提示部221は、生成された関連情報i5を発車標画像i3上に重畳表示してもよい。
【0070】
また、
図9に示すように、案内情報i4は、日本語に限らず外国語で表示してもよい。この場合、
図9に示すように、発車標画像上の発車時刻上にも外国語表記で発車時刻を重畳表示してもよい。案内情報生成部322は、案内情報を外国語表記にするか否かを、例えば、撮像する端末のOSで設定されている言語情報、アプリ上の言語情報、または音声入力された言語の認識結果等に基づいて判定してもよい。
【0071】
第2の実施形態によれば、公共交通機関の発車標を撮像した撮像画像に基づいて発車標が設置されている公共交通機関の施設を特定し、特定された公共交通機関の施設における発車標に示される発車時刻以降の発車時刻を案内する案内情報を生成して出力することで、公共交通を利用するユーザに対して拡張現実を用いた十分な情報提示を行うことができる。これにより、公共交通機関の利用の利便性を向上させることができる。
【0072】
上述した実施形態においては、駅ホームなどに発車標がない場合や、発車標が遠くて認識できない場合も考えられるため、発車標以外の方面看板や駅名標などを撮像した際にも、同様の手段を用いて案内情報を出力させてもよい。具体的には、特定部321は、公共交通機関の方面看板または駅名標を撮像部25で撮像した撮像画像に基づいて方面看板が示す方面または駅名標が示す駅名を画像認識することで、方面看板または駅名標が設置されている公共交通機関の施設を特定してもよい。案内情報生成部322は、方面看板または駅名標の撮像画像に基づいて特定された公共交通機関の施設における現在時刻以降の発車時刻の情報を案内情報として生成してもよいし、発車標に示される発車時刻以降の発車時刻の情報が少なくとも含まれる案内情報を生成してもよい。また、案内情報生成部322は、発車時刻以外の情報(例えば、特定された駅に到着する電車の混雑度合い、遅延情報およびロケーション情報等)が含まれる案内情報を生成してもよい。さらに、生成した案内情報を撮像した画像中の方面看板や駅名標近傍に表示させてもよい。
【0073】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。情報処理システムを構成するハードウェアには、レーザ光を用いたセンサの一例であるLiDAR(light detection and ranging)などのセンサが含まれていてもよい。センサは、端末装置2に標準搭載(内蔵)されていてもよく、または、端末装置2に後付けで接続されていてもよい。センサは、例えば、物体の形状、物体の位置、および物体までの距離などを検知してもよい。センサの検知情報は、撮像部25で撮像された物体が出入口であるか否かの判定、または、撮像された物体が公共交通機関の施設に接続可能な複数の出入口のうちのどの出入口であるかの判定を補助するために用いられてもよい。また、センサの検知情報は、案内情報を撮像画像中のどの位置に、どの範囲で、又はどの程度の詳細度で表示するかの決定を補助するために用いられてもよい。また、センサの検知情報は、撮像画像と専用案内画像との自動切換えの判断を補助するために用いられてもよい。情報処理システムをソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0074】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0075】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0076】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実施するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0077】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 情報処理システム
2 端末装置
221 案内情報提示部
3 サーバ
321 特定部
322 案内情報生成部