(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】管継手
(51)【国際特許分類】
F16L 33/22 20060101AFI20241031BHJP
F16L 19/08 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
F16L33/22
F16L19/08
(21)【出願番号】P 2021021793
(22)【出願日】2021-02-15
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000151025
【氏名又は名称】株式会社タブチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】川田 裕太郎
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-248075(JP,A)
【文献】特開平11-201347(JP,A)
【文献】特開平03-265791(JP,A)
【文献】実開昭60-128087(JP,U)
【文献】米国特許第04256335(US,A)
【文献】中国実用新案第206626297(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 33/22
F16L 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製の管の端部に内嵌するインナーコアと、前記管が挿入される開口部を画定する筒部を有する継手本体と、前記筒部に外嵌して螺合する袋ナットと、前記管に外嵌され、前記袋ナットの螺合によって前記筒部内に縮径しながら圧入されて前記管を締め付けるリング状の締め付けリングと、を備え、
前記筒部は、管挿入側となる軸方向一端部に設けられ、前記袋ナットによる締め付け前の前記締め付けリングの外面を支持する支持部と、該支持部よりも軸方向他端側に設けられ、前記袋ナットにより締め付けられた前記締
め付けリングを径方向外側へ逃がすための凹部と、を備えていることを特徴とする管継手。
【請求項2】
前記締
め付けリングは、外面に径方向の最も外側に位置する頂点を有し、前記支持部は、前記締め付けリングの頂点が該支持部よりも軸方向一方側に位置するように締め付け前の締め付けリングを支持することを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【請求項3】
前記締
め付けリングは、外面に径方向の最も外側に位置する頂点を有し、前記袋ナットの螺合による締め付け完了状態で、該締め付けリングの頂点が、前記支持部と前記凹部との境界よりも軸方向他端側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製の管を接続するための管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
上記管継手は、樹脂管の端部に内嵌して該端部を拡径する端部拡径管と、樹脂管が挿入される開口部を有する継手本体と、前記樹脂管に外嵌されるシールリングと、該シールリングを前記継手本体の内面に沿って前記樹脂管の先端側へ移動させるように継手本体に螺合する袋ナットと、を備えている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
前記構成の管継手では、袋ナットを回転させてシールリングを継手本体の内面に沿って管の先端側へ移動させるほど、シールリングによる締め付け力が強くなるが、袋ナットを回転させるための大きなトルクも必要になるため、袋ナットの回転操作がし難いという不都合があり、早期改善が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、袋ナットを回転させるためのトルクを低減することができる管継手を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の管継手は、前述の課題解決のために、合成樹脂製の管の端部に内嵌するインナーコアと、前記管が挿入される開口部を画定する筒部を有する継手本体と、前記筒部に外嵌して螺合する袋ナットと、前記管に外嵌され、前記袋ナットの螺合によって前記筒部内に縮径しながら圧入されて前記管を締め付けるリング状の締め付けリングと、を備え、前記筒部は、管挿入側となる軸方向一端部に設けられ、前記袋ナットによる締め付け前の前記締め付けリングの外面を支持する支持部と、該支持部よりも軸方向他端側に設けられ、前記袋ナットにより締め付けられた前記締め付けリングを径方向外側へ逃がすための凹部と、を備えていることを特徴としている。
【0007】
本発明によれば、管の端部の径がインナーコアで保持されることにより、管に引っ張りがかかったときの管の端部の縮径が阻止される。これにより、継手本体からの管の抜けが阻止される。この状態において袋ナットを筒部に螺合させることで、管の外面に締め付けリングを縮径しながら圧入し、管に圧接(圧着)して管と締め付けリングとの間をシールする。この締め付けリングの移動中に、継手本体の凹部に締め付けリングが差し掛ることにより、締め付けリングを径方向外側へ逃がすことができる。これにより、袋ナットを回転させるためのトルクを低減することができる。
【0008】
又、本発明の管継手は、前記締め付けリングは、外面に径方向の最も外側に位置する頂点を有し、前記支持部は、前記締め付けリングの頂点が該支持部よりも軸方向一方側に位置するように締め付け前の締め付けリングを支持してもよい。
【0009】
上記のように、締め付けリングの頂点が支持部よりも軸方向一方側に位置するように締め付け前の締め付けリングを支持することによって、締め付けリングを継手本体の内面に沿って管の先端側へ良好に移動させることができる。
【0010】
又、本発明の管継手は、前記締め付けリングは、外面に径方向の最も外側に位置する頂点を有し、前記袋ナットの螺合による締め付け完了状態で、該締め付けリングの頂点が、前記支持部と前記凹部との境界よりも軸方向他端側に位置していてもよい。
【0011】
上記のように、袋ナットの螺合による締め付け完了状態で、該締め付けリングの頂点が、前記支持部と前記凹部との境界よりも軸方向他端側に位置することによって、締め付けの最終段階において、頂点が境界を軸方向他端側に越えて位置することで袋ナットの締め付けトルクを低減することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、継手本体に締め付けリングを径方向外側へ逃がすための凹部を備えることによって、袋ナットを回転させるためのトルクを低減することができる管継手を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の管継手を示す縦断正面図であり、管を管継手に挿入して袋ナットを回転させる直前の状態を示している。
【
図8】
図4におけるVIII-VIII線断面図である。
【
図12】袋ナットの回転数に対応する締め付けリングと管との位置を示す説明図であり、(a)は袋ナットを回転した状態、(b)は袋ナットを
図12(a)から更に回転させた状態である。
【
図13】袋ナットの回転数に対応する締め付けリングと管との位置を示す説明図であり、(a)は袋ナットを
図12(b)から更に回転した状態、(b)は袋ナットを
図13(a)から更に回転した状態である。
【
図14】袋ナットの回転数に対応する締め付けリングと管との位置を示す説明図であり、(a)は袋ナットを
図13(b)から更に回転した状態、(b)は
図14(a)から袋ナットを更に回転した状態である。
【
図15】継手本体の内面の他の構成を示す拡大断面図である。
【
図16】継手本体の内面の更に他の構成を示す拡大断面図である。
【
図17】(a),(b),(c)はインナーコア3の他の3つの形状を示す要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に、合成樹脂製の管を接続する前の本発明の管継手1を示している。
【0015】
管継手1は、継手本体2と、インナーコア3と、締め付けリング4と、袋ナット5と、を備えている。この実施形態では、継手本体2とインナーコア3とが一体化されているが、別体でもよい。尚、
図1において後述する継手本体2の開口部22K側(図では右側)を一端側とし、一端側と反対側(図では左側)を他端側として、以下において説明する。
【0016】
継手本体2は、金属で構成され、
図1~
図8に示すように、軸方向他端側(
図1の左側)に向けて延びる円筒状の第1本体部21と、軸方向一端側(
図1の右側)に向けて延びるとともに第1本体部21よりも内径及び外径が大きい寸法の円筒状の第2本体部22と、第1本体部21と第2本体部22とを連結する環状の連結部23と、を備えている。第2本体部22は、管6が挿入される開口部22Kを画定する筒部22Aを有する。
【0017】
連結部23は、径方向に延びるように形成され、連結部23の径方向内側端からインナーコア3が軸方向一端側(右側)に向けて延びている。
【0018】
インナーコア3は、管6の端部に内嵌する円筒状部分31から構成され、円筒状部分31の外面には、軸方向一端側(右側)から他端(連結部23)側に向けて外径が大きくなるテーパー状外面31Aを備えている。円筒状部分31のテーパー状外面31Aの他端部(連結部23側端部)には、軸方向他端側ほど径方向外側に位置する規制面32Aを有するテーパー部32と、テーパー部32の軸方向他端から連結部23へ繋がる軸方向と平行な面が形成されたストレート部33と、を有する規制部34を備えている。したがって、管6の端が規制面32Aに接触して管6の連結部23側への移動が一旦阻止される(
図1参照)。そして、締め付けリング4による締め付けにより管6の内径が拡径されて、規制面32Aを乗り越える(
図12(c)参照)。乗り越えた管6は、ストレート部33により案内されて連結部23側へ移動する(近づく)。
【0019】
図1に示すように、インナーコア3の一端(遊端)には、径方向外側に突出する周方向全域に亘る第1凸条35を備えている。第1凸条35は、他端側ほど径方向外側に位置するテーパー形状に構成され、管6の挿入時の案内部として機能する。また、インナーコア3の一端(遊端)から前記規制部34までの間に、断面形状が半円状で径方向外側に突出する周方向全域に亘る第2凸条36を備えている。したがって、締め付けリング4による締め付けで管6が内側に押し付けられた時に管6に第1凸条35及び第2凸条36が食い込んで管6の抜け止め機能が付与される(
図13(a),(b)参照)。
【0020】
継手本体2の第1本体部21の外面には、他の配管等を螺合により接続するための雄螺子部21N(
図1参照)が形成されている。継手本体2の第2本体部22の端部には、
図10及び
図11にも示すように、管6を挿入可能な開口部22Kが形成され、その開口部22Kにインナーコア3のテーパー状外面31A(
図1参照)と傾斜方向が逆向きとなるテーパー状内面24が形成されている。また、第2本体部22の一端部(遊端部)の筒部22Aの外面には、後述する袋ナット5の雌螺子部51N(
図1参照)が螺合する雄螺子部22Nが形成されている。第2本体部22の他端部の外面には、工具を用いて回転操作可能なナット操作部22S(
図1参照)が形成されている。
【0021】
締め付けリング4は、例えばポリアセタール(POM)から構成され、
図9に示すように、軸方向他端側(締め付けリング4の移動方向側、
図9の左側)に他端側ほど径が小さくなるように延びる第1テーパー状外面41と、軸方向一端側(締め付けリング4の移動方向とは反対方向)に第1テーパー状外面41の一端(
図9の右端)から一端側ほど径が小さくなるように延びる第2テーパー状外面42と、波形状に湾曲した内側湾曲部43と、を備えた環状の部材である。第1テーパー状外面41と第2テーパー状外面42との境界に、径方向外側に最も位置する頂点44を形成している。また、締め付けリング4には、軸方向一端から中途部まで及び軸方向他端から中途部まで軸方向に延びるスリット45が周方向に間隔を置いて複数形成されている。これら内側湾曲部43とスリット45によって袋ナット5からの締め付け力で締め付けリング4が径方向内側に変形することができるようになっている。尚、締め付けリング4は、ポリアセタール(POM)以外の剛性のある各種の合成樹脂で構成してもよく、同等の剛性を有するものであれば、どのような材料で構成してもよい。
【0022】
継手本体2のテーパー状内面24は、
図10及び
図11に示すように、前記開口部22K側端部に形成され、前記締め付けリング4の第1テーパー状外面41を支持する支持部として構成され、この支持部は、軸方向他端側(連結部23側)ほど径方向内側に位置するテーパー面から構成されている。このテーパー状内面24の軸方向他端(前記開口部側から離間する側の奥側端)から他端側(奥側)へ向かって形成され、締め付けリング4を径方向外側へ逃がすための凹部25を備えている。
【0023】
凹部25は、テーパー状内面24の軸方向他端から他端側へ向けて軸方向と平行に延びる平坦面26Aを有する平坦部26と、平坦部26の軸方向他端から他端(連結部23)側へ延び、他端側ほど径方向内側に位置するテーパー面27Aを有するテーパー部27と、を有し、これら平坦面26Aとテーパー面27Aとテーパー状内面24の仮想延長線24Lとで囲まれる空間である。平坦部26の軸方向の長さは、テーパー状内面24の軸方向の長さよりも短い寸法になっている。また、テーパー状内面24の軸方向の長さは、テーパー部27の軸方向の長さよりも短い寸法になっている。また、軸方向に対するテーパー状内面24の第1角度θ1は、軸方向に対するテーパー部27の第2角度θ2よりも大きく設定しているが、同一角度であってもよい。また、第1テーパー状外面41(
図9参照)は、テーパー状内面24と同一の傾斜方向で、かつ、同一の傾斜角度にしている。
【0024】
したがって、締め付けリング4の頂点44が継手本体2の開口部22K側端よりも軸方向外側に位置するように締め付け前の締め付けリング4を支持部(テーパー状内面24)が支持することによって(
図12(b)参照)、締め付けリング4を継手本体2の内面(テーパー状内面24)に沿って管6の先端側へ良好に移動させることができる。そして、管6の端部がインナーコア3で拡径されることにより、管6に引っ張りがかかったときの管6の端部の縮径が阻止される。これにより、継手本体2からの管6の抜けが阻止される。この状態において袋ナット5を筒部22Aの雄螺子部22Nに螺合させることで、管6の外面に締め付けリング4を縮径しながら圧入し、管6に圧接(圧着)して管6と締め付けリング4との間をシールする。この締め付けリング4の移動中に、継手本体2の凹部25に締め付けリング4が差し掛ることにより、締め付けリング4を径方向外側へ逃がすことができる。これにより、袋ナット5を回転させるためのトルクを低減することができる。
【0025】
前記継手本体2の凹部25に締め付けリング4が差し掛るタイミングは、袋ナット5の螺合による締め付け完了状態で、該締め付けリング4の頂点44が、前記支持部と前記凹部25との境界よりも軸方向他端側に位置することによって(
図14(b)参照)、締め付けの最終段階において、頂点44が境界を軸方向他端側に越えて位置することで袋ナット5の締め付けトルクを低減することができる。
【0026】
袋ナット5は、金属で構成され、
図12(b)に示すように、締め付けリング4を継手本体2のテーパー状内面24に沿って管6の先端側へ移動させて管6の外面に締め付けリング4の内面を圧接(圧着)して管6と締め付けリング4との間をシールするものである。具体的には、袋ナット5は、軸方向一端部に設けられ、第2本体部22の雄螺子部22Nに螺合する雌螺子部51Nを内側に備える円筒部51と、円筒部51の軸方向他端から軸方向一端側へ一端側ほど内側に位置するように傾斜した環状の傾斜部52と、を備えている。
【0027】
傾斜部52の内側面には、軸方向他端部に位置し、一端部側ほど内側に位置するテーパー形状に構成された第1傾斜面52Aと、第1傾斜面52Aの一端から一端側に延び、一端部側ほど内側に位置するテーパー形状に構成された第2傾斜面52Bと、を備えている。軸方向に対する傾斜角度が、第1傾斜面52Aの傾斜角度よりも第2傾斜面52Bの傾斜角度の方が小さく設定されている。袋ナット5を第2本体部22の雄螺子部22Nに螺合させることによって、傾斜部52の第1傾斜面52Aが締め付けリング4の他端4T(
図12(b)参照)を押して締め付けリング4を管6の端側へ移動させることができる。そして、袋ナット5を5回転以上回転させると、
図13(a),(b)及び
図14(a),(b)に示すように、傾斜部52の第2傾斜面52Bが締め付けリング4の他端4Tを押して締め付けリング4を管6の端部側へ移動させることができる。
【0028】
前記のように構成された管継手1に管6を接続する手順について説明する。
【0029】
まず、管継手1を用意し、この管継手1に管6を規制部34の規制面32Aに管6の端6Tが当接するまで挿入する。この状態から、袋ナット5を回転させた場合を
図12(a)に示し、管6の端6Tが規制部34の規制面32Aを乗り越えていない状態である。続いて、袋ナット5を
図12(a)から更に回転させると、
図12(b)に示し、管6の端6Tが規制部34の規制面32Aを乗り越えて管6の端6Tがストレート部33に位置している状態である。袋ナット5を
図12(b)から更に回転させると、
図13(a)に示し、管6の端6Tが連結部23に近づいている状態である。このとき、袋ナット5の第2傾斜面52Bで締め付けリング4の他端4Tを押している。続いて、袋ナット5を更に回転させた場合を、
図13(b)に示し、袋ナット5を
図13(b)から更に回転させた場合を、
図14(a)に示している。袋ナット5を
図13(b)又は
図14(a)に示すように回転させると、管6の端6Tが連結部23に非常に接近する。続いて、袋ナット5を
図14(a)から更に回転させると、
図14(b)に示し、連結部23に当接する直前の状態である。
【0030】
袋ナット5を
図12(a)、
図12(b)、
図13(a)に示すように回転させる場合には、締
め付けリング4の第1テーパー状外面41がテーパー状内面(支持部)24に支持されながら、管6の先端側へ移動する。袋ナット5を
図13(b)に示すように回転させると、締
め付けリング4の他端4Tが袋ナット5の第2傾斜面52Bで内側に押圧されることによって、締
め付けリング4の頂点44を支点として第1テーパー状外面41が径方向外側へ揺動されて、第1テーパー状外面41の一部が凹部25に入り込む。袋ナット5を
図14(a)に示すように回転させると、締
め付けリング4の他端4Tが袋ナット5の第2傾斜面52Bで内側に更に押圧されることによって、締
め付けリング4の頂点44を支点として第1テーパー状外面41が径方向外側へ更に揺動されて、第1テーパー状外面41の一部が凹部25に更に入り込む。そして、締め付けの最終段階である袋ナット5を
図14(b)に示すように回転させることにより、締め付けリング4の頂点44が、支持部24と凹部25との境界H(
図10参照)よりも軸方向他端側に位置することによって、頂点44が境界Hを軸方向他端側に越えて位置することで袋ナット5の締め付けトルクを低減することができる。
【0031】
前述のように、管継手1を用意し、この管継手1に管6を規制部34の規制面32Aに管6の端6Tが当接するまで挿入する構成であったが、袋ナット5を継手本体2から外し、外した袋ナット5を管6に外挿する。続いて、締め付けリング4を継手本体2から外し、外した締め付けリング4を管6に外装する。次に、締め付けリング4を外装した管6を規制部34の規制面32Aに管6の端6Tが当接するまで継手本体2に挿入するように構成してもよい。
【0032】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0033】
上記実施形態では、凹部25が、平坦部26とテーパー部27とを備えたが、
図15に示すように、平坦部26を省略し、テーパー部27のみで凹部25を構成してもよい。この場合、凹部25が形成されるように、第2角度θ2を、第1角度θ1よりも小さく設定することになる。
【0034】
また、上記実施形態では、平坦面でなるテーパー状内面(支持部)24を、
図16に示すように、内側に凸となる湾曲面から構成してもよい。また、
図16に示すように、凹部25を、内側に凹む湾曲面29Aを有する湾曲部29から構成してもよい。
図16の締め付けリング4を第1テーパー状外面41としているが、テーパー状内面(支持部)24と同一の曲率半径を有する内側に凹む湾曲面から構成してもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、袋ナット5を
図14(b)に示すように回転させることにより、締め付けリング4の頂点44が、支持部24と凹部25との境界H(
図10参照)よりも軸方向他端側に位置して袋ナット5を回転させるためのトルクを軽減することができるようにしたが、
図14(a)、
図13(b)、
図13(a)に示すように回転させた場合に、締め付けリング4の頂点44が、支持部24と凹部25との境界H(
図10参照)よりも軸方向他端側に位置して袋ナット5を回転させるためのトルクを軽減することができるようにしてもよい。この場合、テーパー状内面24の軸方向の長さ及び角度を調整することにより、袋ナット5を回転させる回転量を変化させることになる。
【0036】
また、上記実施形態の
図1で示した規制面32Aの軸方向に対する角度は、どのような角度にしてもよく、例えば
図17(a)に示すように、
図1の角度よりも大きな角度となる規制面32Aであってもよいし、
図1の角度よりも小さな角度であってもよい。また、
図1で示したストレート部33が、
図17(b)に示すように、連結部23に至るまでの途中で段落ちした段落部33Dを備えたものであってもよい。また、
図1で示したテーパー形状の規制面32Aを、
図17(c)に示すように円弧形状の規制面32Aとしてもよく、規制面32Aの形状は自由に変更可能である。
【0037】
また、上記実施形態では、管6の端部にインナーコア3を内嵌するだけで、管6の端部の径がインナーコア3で保持される。これにより、管に引っ張りがかかったときの管6の端部の縮径が阻止されるようにしたが、管6の端部にインナーコア3を内嵌して管6の端部の径が拡径されることにより、管に引っ張りがかかったときの管6の端部の縮径が阻止されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1…管継手、2…継手本体、3…インナーコア、4…締め付けリング、4T…他端、5…袋ナット、6…管、6A…外面、6T…端、21…第1本体部、21N…雄螺子部、22…第2本体部、22A…筒部、22N…雄螺子部、22K…開口部、22S…ナット操作部、23…連結部、24…テーパー状内面(支持部)、24L…仮想延長線、25…凹部、26…平坦部、26A…平坦面、27…テーパー部、27A…テーパー面、28…境界、29…湾曲部、29A…湾曲面、31…円筒状部分、31A…テーパー状外面、32…テーパー部、32A…規制面、33…ストレート部、33D…段落部、34…規制部、41…第1テーパー状外面、42…第2テーパー状外面、43…内側湾曲部、44…頂点、45…スリット、51…円筒部、51N…雌螺子部、52…傾斜部、52A…第1傾斜面、52B…第2傾斜面、H…境界、θ1…第1角度、θ2…第2角度