(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるデュアルレーザオプティックモジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20241031BHJP
G01R 1/073 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H01L21/66 B
G01R1/073 E
(21)【出願番号】P 2022171886
(22)【出願日】2022-10-27
【審査請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0063643
(32)【優先日】2022-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517416215
【氏名又は名称】レーザーセル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジェジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ビョンロク
(72)【発明者】
【氏名】キム、テギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドンシク
(72)【発明者】
【氏名】リ、ジュンギ
(72)【発明者】
【氏名】リ、サンウォン
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2021-0116290(KR,A)
【文献】特開2005-313195(JP,A)
【文献】特開2022-013800(JP,A)
【文献】特開2002-228683(JP,A)
【文献】特開2000-091678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/64-H01L 21/66
G01R 1/06-G01R 1/073
B23K 26/00-B23K 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイ上に置かれたプローブピンを一対の左右の鉗子で構成されたピングリッパで取った後、搬送するピックアップユニットと、前記ピックアップユニットによって搬送されたプローブピンにはんだペーストを塗布するディッピングユニットと、前記ピックアップユニットによってディッピングユニットから搬送されたプローブピン
がボンディングされるプローブカードの上面に2つのレーザビームをそれぞれ照射することにより、前記プローブピンを
前記プローブカードにボンディングするレーザボンディングユニットを含むターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるデュアルレーザオプティックモジュールにおいて、
内側が空の円形または多角形の本体部と、
前記本体部の内部に向かって第1方向に接続され、特定の波長帯の第1レーザビームが入射する第1レーザ接続部と、
前記本体部の内部に向かって前記第1方向と直交する第2方向に接続され、特定の波長帯の第2レーザビームが入射する第2レーザ接続部と、
前記本体部の内部に設けられ、前記本体部の内部で合った前記第1レーザビームと前記第2レーザビームがそれぞれ透過または反射されることによって同焦点(co-focus)を有するように重畳するレーザフィルタ部と、
前記レーザフィルタ部によって同焦点(co-focus)を有するように重畳されたレーザビームを本体部の第3方向に出射する重畳レーザ出射部とを含み、
照射される平面上において、前記第1レーザビームは直線状であり、
前記第2レーザビームは前記第1レーザビームを含み、前記第1レーザビームの面積よりも大きな面積の正方形である、
ターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるデュアルレーザオプティックモジュール。
【請求項2】
前記第1および第2レーザ接続部は、それぞれ異なる波長帯を有する前記第1および第2レーザビームが本体部の内部に垂直に入射するように、本体部の周りに垂直または水平方向で分割して設けられることを特徴とする、
請求項1に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるデュアルレーザオプティックモジュール。
【請求項3】
前記レーザフィルタ部は、本体部の内部に前記第1および第2レーザ接続部に向かって斜めに設けられる、
請求項2に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるデュアルレーザオプティックモジュール。
【請求項4】
前記第1および第2レーザ接続部は、内部にコリメーションレンズがそれぞれ設けられ、前記第1および第2レーザ接続部のいずれか1つは内部に回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)レンズがさらに設けられる、
請求項1に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるデュアルレーザオプティックモジュール。
【請求項5】
前記重畳レーザ出射部は、内部にフォーカシングレンズが設けられる、
請求項1に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるデュアルレーザオプティックモジュール。
【請求項6】
前記重畳レーザ出射部から出射される前記第1および第2レーザビームは、波長が異なることを特徴とする、
請求項1に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるデュアルレーザオプティックモジュール。
【請求項7】
前記第1および第2レーザビームの波長はそれぞれ980nmと808nmであることを特徴とする、
請求項1に記載のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるデュアルレーザオプティックモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置に関する。より詳細には、従来はそれぞれ異なる焦点を有し、独立して完全に分離配置された第1および第2レーザオプティックモジュールを改善することにより、同焦点(co-focus)上で重畳照射される統合型デュアルレーザオプティックモジュールを提供することで、日々微細化していくプローブピンレーザボンディングの際、統合型デュアルレーザオプティックモジュールから重畳照射される第1および第2レーザビームの出力および密度を精密に制御することができ、ボンディング不良率が著しく改善されるのはもちろん、装置の高集積化および高精度化に寄与できるターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるデュアルレーザオプティックモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プローブカードは、半導体基板上に形成されたチップの電気的性能を検査するための装置である。
【0003】
より具体的には、プローブカード上には無数の複数のプローブピンがボンディングされ、複数のプローブピンは半導体チップのパッドと接触して電気信号を印加する方式でチップの正常な有無を確認する。
【0004】
このような半導体素子は、継続的に高集積化するにつれて、半導体素子の回路パターンも微細化している傾向にある。このため、半導体素子の微細回路パターンの間隔に対応する間隔を有するようにプローブピンがボンディングされたプローブカードも必要とされている。
【0005】
しかし、従来のプローブカードの製造方法は、自動化が進んでいないため、1つのプローブカードの性能を高めるために多くの時間がかかり、不良率も高かった。
【0006】
より具体的には、従来は人がピンセットを用いてウエハ上のプローブピンをカセットに移して積載した。すなわち、従来は人が直接手作業でウエハ上のプローブピンを縦に立てた後、カセットに積載しなければならなかったため、プローブピンにスクラッチや反りが発生して不具合が生じる問題があった。
【0007】
特に、最近では、プローブピン間の間隔を減らすためにプローブピンの厚さがさらに微細化しているため、プローブピンの復元力が大きく減少している。すなわち、ウエハ上のプローブピンは、カセットに手作業で移される過程で小さな衝撃でも容易に損傷が発生する可能性がさらに高まっている。したがって、プローブピンに損傷を与えない最小限の力でプローブピンの搬送を自動化する必要がある。
【0008】
また、従来は人がプローブピンを直接移す場合、各自の技術熟練度によってウエハ上のプローブピンをカセットに積載する時間がそれぞれ異なり、熟練した人であっても、時間当たりの生産量に差が生じるため、正確に時間の経過に伴う半製品の生産量を予測することは困難であった。
【0009】
そして、従来はプローブピンを搬送する装置の厚さのために、プローブカードに取り付けられるプローブピン間の間隔を狭めることに限界があった。
【0010】
より具体的には、プローブカード上にプローブピンを把持して搬送するグリップモジュールが一定の厚さを有しているため、プローブピンの厚さを薄く製造しても、プローブカードに取り付けられるプローブピンの間隔が少なくともグリップモジュールの厚さ以下には狭められないという限界があった。
【0011】
したがって、プローブカード生産現場では、全自動で行われ、プローブピンに加わる衝撃を最小限に抑えることができ、また、プローブカードに取り付けられるプローブピンの間隔を最小化できるプローブピンボンディング装置に対する要求が高い実情である。
【0012】
以下、
図1および
図2を参照すると、本発明の出願人は、既に4面にそれぞれ取り付けられたピングリッパがターンテーブル方式で連続的に回転しながらプローブピンをプローブカードに自動でレーザボンディングするターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置を出願したことがある。
【0013】
図1は、従来のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の構成を一実施形態にしたがって示した平面図であり、
図2は、
図1のピックアップユニットを分離して示す斜視図であり、
図3は従来のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置のレーザボンディング工程を概略的に示す例示図である。
【0014】
図1を参照すると、従来のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置100は、ピックアップユニット110、ディッピングユニット120、レーザボンディングユニット130、サクションユニット140を含んで設けられる。
【0015】
まず、前記ピックアップユニット110は、複数のユニット120、130、140の中央に位置し、水平線上で360度回転しながらトレイT上に載置されたプローブピンPを搬送する役割を果たす。
【0016】
図1に示すように、前記ピックアップユニット110は、ピックアップユニット110の右側(
図1参照)に配置されたトレイTからプローブピンPを取ってピックアップした後、時計回りに沿って90度ぐらい時間差を置いて回転できる。
【0017】
また、前記ピックアップユニット110の下側(
図1参照)にはディッピングユニット120が配置され、前記ディッピングユニット120はピックアップユニット110によって時計回りに90度回転して搬送されたプローブピンPにはんだペースト(solder paste、
図5参照)を塗布する役割を果たす。
【0018】
また、前記ピックアップユニット110の左側(
図1参照)にはレーザボンディングユニット130が配置され、前記レーザボンディングユニット130はピックアップユニット110によってディッピングユニット120から時計回りに90度回転して搬送されたプローブピンPのはんだペーストにレーザビームを照射することにより、前記プローブピンPをプローブカードSにボンディングする役割を果たす。
【0019】
また、前記ピックアップユニット110の上側(
図1参照)にはサクションユニット140が配置され、前記サクションユニット140はピックアップユニット110によってレーザボンディングユニット130から時計回りに90度回転して搬送されたプローブピンPのうち不良が発生した場合、前記不良プローブピンPを吸引して除去する役割を果たす。
【0020】
すなわち、前記ピックアップユニット110は、予め設定された角度(例えば、90度)ぐらいの時間差をおいて時計回りに回転しながらトレイTからプローブピンPを取って固定した後、ディッピングユニット120によるディッピング工程、レーザボンディングユニット130によるレーザボンディング工程、およびサクションユニット140によるサクション工程を順次に行う。
【0021】
以下、
図2を参照して前記ピックアップユニットの構成について詳しく見てみると、次の通りである。
【0022】
前記ピックアップユニット110の最下端には、プローブピンPをグリップ(grip)して固定するための鉗子状のピングリッパ112が設けられる。
【0023】
また、前記ピングリッパ112の上端には、プローブピンPに一定のグリップフォース(grip force)が加わるようにピングリッパ112を制御するフォース制御部114が設けられる。
【0024】
また、前記ピングリッパ112とフォース制御部114は、Z軸駆動部116に装着された状態で、前記Z軸駆動部116の上下駆動により、前記ピングリッパ112とフォース制御部114も共に上下に昇降する。
【0025】
また、前記Z軸駆動部116は、四角ボックス状の本体部117の各側面に設けられ、前記本体部117は互いに垂直な4つの側面を有する。
【0026】
これにより、前記本体部117の各側面にピングリッパ112、フォース制御部114、およびZ軸駆動部116がそれぞれ設けられる。
【0027】
また、前記本体部117の上端には回転駆動部118が一体として結合されており、前記回転駆動部118の回転力により例えば、本体部117が90度ぐらい回転する。
【0028】
このとき、前記本体部117が回転すると、前記本体部117の各側面に固定結合されたピングリッパ112、フォース制御部114及びZ軸駆動部116も、前記本体部117と共に回転する。
【0029】
また、前記回転駆動部118の上端回転軸118aには、ガントリークレーンの形の支持フレーム119が結合されているので、前記支持フレーム119によって回転駆動部118を含むピックアップユニット110が回転できるように支持する。
【0030】
したがって、前記ピックアップユニット110によってトレイT上に置かれた状態で供給されるプローブピンPをピックアップして、水平線上で予め設定された所定の角度ぐらい時計回りに搬送することができる。
【0031】
また、
図3を参照すると、前記レーザボンディングユニット130は、プローブピンPに塗布されたはんだペーストに第1レーザビームLB1を照射する第1レーザオプティックモジュール131と、前記プローブピンPがボンディングされるプローブカードSの上面に第2レーザビームLB2を照射する第2レーザオプティックモジュール132がそれぞれ分割して構成された。
【0032】
これにより、前記第1レーザオプティックモジュール131は、プローブピンPの下端に塗布されたはんだペースト(solder paste)に第1レーザビームLB1を照射してはんだペーストを融点まで加熱し、これと同時に、第2レーザオプティックモジュール132は、プローブピンPがボンディングされるプローブカードSの上面に第2レーザビームLB2を照射し、プローブカードSの上面をはんだペーストの融点以下に予熱する。
【0033】
したがって、第1レーザオプティックモジュール131から照射された第1レーザビームLB1によってはんだペースト(solder paste)が溶融すると、ピングリッパ112が下降し、プローブピンPをプローブカードSの上面にボンディングする。
【0034】
しかしながら、前述の従来のプローブピンレーザボンディング装置のデュアルレーザオプティックモジュールは、それぞれ異なる焦点を有する第1および第2レーザオプティックモジュールが分離して構成され、また、それぞれ異なる位置に装着された状態でレーザビームを分割または重畳照射するので、基板上にレーザボンディングに必要なターゲット温度を形成するために、第1および第2レーザオプティックモジュールからそれぞれ照射された第1および第2レーザビームのパワーおよび密度をそれぞれ精密に制御することが非常に難しく、これにより日々微細化していくプローブピンレーザボンディング工程において不良率が増加するという問題があった。
【0035】
さらに、分離された2つの光学系、すなわち第1および第2レーザオプティックモジュールを適用して装置を設計および製造する過程においても、従来の分離されたレーザオプティックモジュールおよび他の構成要素を配置または相互動作上で多くの空間上の制約が発生するため、機器の高集積、精密化のために改善課題が残っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【0037】
【0038】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0039】
そこで、本発明は上記のような問題を解消できるように発明されたものであり、従来それぞれ異なる焦点を有し、独立して完全に分離配置された第1および第2レーザオプティックモジュールを改善して同焦点(co-focus)上で重畳照射される統合型デュアルレーザオプティックモジュールを提供することで、日々微細化していくプローブピンレーザボンディングの際、統合型デュアルレーザオプティックモジュールから重畳照射される第1および第2レーザビームの出力および密度を精密に制御することができ、ボンディング不良率が著しく改善できることはもちろん、装置の高集積化および高精度化に寄与できるターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるデュアルレーザオプティックモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0040】
上記の目的を達成するための本発明に係る一実施形態によれば、水平線上で360度回転しながらトレイ上に置かれたプローブピンを一対の左右の鉗子からなるピングリッパで取った後、搬送するピックアップユニットと、前記ピックアップユニットにより搬送されたプローブピンにはんだペーストを塗布するディッピングユニットと、前記ピックアップユニットによってディッピングユニットから搬送されたプローブピンのはんだペーストに2つのレーザビームをそれぞれ照射することにより、前記プローブピンをプローブカードにボンディングするレーザボンディングユニットを含むターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるデュアルレーザオプティックモジュールにおいて、内側が空の円形または多角形の本体部と、前記本体部の内部に向かって第1方向に接続され、特定の波長帯の第1レーザビームが入射する第1レーザ接続部と、前記本体部の内部に向かって第1方向と直交する第2方向に接続され、特定の波長帯の第2レーザビームが入射する第2レーザ接続部と、前記本体部の内部に設けられ、前記本体部の内部で合った第1レーザビームと第2レーザビームがそれぞれ透過または反射されることによって同焦点(co-focus)を有するように重畳するレーザフィルタ部、および前記レーザフィルタ部によって同焦点(co-focus)を有するように重畳されたレーザビームを本体部の第3方向に出射する重畳レーザ出射部とを含んで設けられる。
【0041】
また、本発明に係る一実施形態によれば、前記第1および第2レーザ接続部は、それぞれ異なる波長帯を有する第1および第2レーザビームが本体部の内部に垂直に入射するように本体部の周囲に垂直または水平方向に分割して設けられる。
【0042】
また、本発明に係る一実施形態によれば、前記レーザフィルタ部は、本体部の内部に前記第1および第2レーザ接続部に向かって傾斜して設けられる。
【0043】
また、本発明に係る一実施形態によれば、前記第1および第2レーザ接続部は内部にコリメーションレンズがそれぞれ設けられ、前記第1および第2レーザ接続部のいずれかは内部に回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)レンズがさらに設けられる。
【0044】
また、本発明に係る一実施形態によれば、前記重畳レーザ出射部は、内部にフォーカシングレンズが設けられる。
【0045】
また、本発明に係る一実施形態によれば、前記重畳レーザ出射部から出射される第1および第2レーザビームは、波長と面積が異なるように構成される。
【0046】
さらに、本発明に係る一実施形態によれば、第1および第2レーザビームの波長はそれぞれ980nmと808nmである。
【発明の効果】
【0047】
前述のように本発明は、同焦点(co-focus)で重畳照射される一体型デュアルレーザオプティックモジュールを提供することによって日々微細化していくプローブピンレーザボンディングの際、一体型デュアルレーザオプティックモジュールから重畳照射される第1および第2レーザビームの出力および密度を精密に制御でき、ボンディングの不良率が著しく改善できる効果がある。
【0048】
さらに、本発明は、従来の第1および第2レーザオプティックモジュールとして分離して構成された2つの光学系を1つのデュアルレーザオプティックモジュールに統合して構成することによって、装置を設計および製造する過程においても、レーザオプティックモジュールおよび他の構成要素を配置または相互作用する上でも多くの空間上の制約が解消されるため、装置の高集積化および高精度化に寄与できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】従来のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置の構成を本発明に係る一実施形態により示す平面図である。
【
図2】本発明に係る
図1のピックアップユニットを分離して示す斜視図である。
【
図3】本発明に係る従来のターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるレーザボンディング工程を概略的に示す例示図である。
【
図4】本発明に係るターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるデュアルレーザオプティックモジュールを一実施形態により全体的に示す正面図である。
【
図5】本発明に係る
図4においてデュアルレーザビームが出射される状態図である。
【
図6】本発明に係る
図5においてデュアルレーザビームが平面上に重畳照射される実写画像である。
【
図7】本発明に係るレーザフィルタ部の透過率Tのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本明細書で用いる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたものであり、本発明を限定する意図はない。単数の表現は、文脈上明らかに他のことを意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」乃至「設ける」などの用語は、本明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはその以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものの存在または追加の可能性を予め排除しないことを理解されるべきである。
【0051】
本明細書において別の定義がない限り、技術的または科学的用語を含み本明細書において用いられるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般に理解されるものと同じ意味を表す。
【0052】
一般的に使われる辞書で定義している用語は、関連技術の文脈上の有する意味と一致する意味があることと解釈されるべきであり、本明細書において明確に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味として解釈されるべきではない。
【0053】
以下、添付の
図4~
図7を参照して、本発明に係る一実施形態によるターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置における同焦点デュアルレーザオプティックモジュールについて具体的に見てみると、以下の通りである。
【0054】
まず、本発明は、前述の
図1~
図3で説明したように、水平線上で360度回転しながらトレイ上に置かれたプローブピンを一対の左、右鉗子からなるピングリッパ112で取った後、搬送するピックアップユニット110と、前記ピックアップユニット110によって搬送されたプローブピンにはんだペーストを塗布するディッピングユニット120と、前記ピックアップユニット110によってディッピングユニット120から搬送されたプローブピンのはんだペーストに2つのレーザビームをそれぞれ照射することによって前記プローブピンをプローブカードにボンディングするレーザボンディングユニット130を含むターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置に関する。
【0055】
特に、本発明は、前記レーザボンディングユニット130に含まれる同焦点(co-focus)の重畳レーザビームLB1+LB2を形成するためのデュアルレーザオプティックモジュール1300に関する。
【0056】
前記デュアルレーザオプティックモジュール1300は、従来のように2つのレーザオプティックモジュール131、132(
図3を参照)をそれぞれ設けることなく、1つの本体部1310に2つの第1および第2レーザ接続部1320、1330が同焦点(co-focus)を有するように一体化した同焦点二重デュアルレーザオプティックモジュール1300を設ける。
【0057】
【0058】
図4は、本発明に係るターンテーブル方式のプローブピンレーザボンディング装置におけるデュアルレーザオプティックモジュールを一実施形態に従って全体的に示す正面図であり、
図5は
図4からデュアルレーザビームが出射される状態図であり、
図6は
図5のデュアルレーザビームが平面上に重畳照射される実写画像であり、
図7は本発明に係るレーザフィルタ部の透過率Tのグラフである。
【0059】
前記図面を参照すると、本発明に係る同焦点の重畳レーザビームを形成するためのデュアルレーザオプティックモジュール1300は、一実施形態によれば、内部が空の円形または多角形の本体部1310が設けられる。
【0060】
また、前記本体部1310の内部に向かって第1方向に接続され、特定波長帯の第1レーザビームLB1が入射する第1レーザ接続部1320が設けられる。
【0061】
また、前記本体部1310の内部に向かって第1方向(一例として垂直方向)と直交する第2方向(一例では水平方向)に接続され、特定波長帯の第2レーザビームLB2が入射する第2レーザ接続部1330が設けられる(
図5参照)。
【0062】
本発明に係る一実施形態によれば、前記第1および第2レーザ接続部1320、1330は、それぞれ異なる波長帯を有する第1および第2レーザビームLB1、LB2が本体部1310の内部に互いに垂直に入射するために、本体部1310の周囲に垂直または水平方向に分割して接続される。
【0063】
また、前記第1および第2レーザ接続部1320、1330は、内部にコリメーションレンズ(Collimation)1321、1331がそれぞれ設けられ、前記第1および第2レーザ接続部1320、1330のいずれかは、内部に回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)レンズ1322がさらに設けられる。
【0064】
ここで、前記コリメーションレンズ1321、1331は、入射したレーザビームLB1、LB2を平行光に変換する機能を果たし、回折光学素子レンズ1322は平面レーザビームのエネルギーを均一に分散させる機能を実行する。
【0065】
また、前記本体部1310の内部に設けられ、前記本体部1310の内部で合った第1レーザビームLB1と第2レーザビームLB2とがそれぞれ透過または反射されることにより、前記2つのレーザビームLB1、LB2が同焦点(co-focus)を有するように重畳するレーザフィルタ部1340が設けられる。
【0066】
すなわち、前記レーザフィルタ部1340は、本体部1310に垂直または水平に結合された第1レーザ接続部1320および第2レーザ接続部1330を介してそれぞれ異なる波長の2つのレーザビームLB1、LB2が垂直に入射した後、レーザフィルタ部1340によってそれぞれ透過または反射されることにより、1つの重畳されたレーザビームLB1+LB2が形成される。
【0067】
より具体的には、前記レーザフィルタ部1340は、前記2つのレーザ光LB1、LB2の光路を一致させることにより互いに重畳し、前記一方に重畳されたレーザ光LB1+LB2を重畳レーザ出射部1350のフォーカシングレンズ1351を介して下方に出射する(
図5参照)。
【0068】
このために、前記レーザフィルタ部1340は、本体部1310の内部に前記第1および第2レーザ接続部1320、1330に向かって斜めに設けられる。
【0069】
また、前記レーザフィルタ部1340により同焦点(co-focus)を有するように重畳されたレーザビームLB1+LB2を本体部1310の第3方向(一例として、下方)に出射する重畳レーザ出射部が設けられる(
図5参照)。
【0070】
このとき、前記重畳レーザ出射部1350は、内部に単一のフォーカシングレンズ1351が設けられる。
【0071】
図6を参照すると、前記重畳レーザ出射部1350から出射される第1および第2レーザビームは、波長と面積が異なるように構成される。
【0072】
本発明に係る一実施形態によれば、第1レーザビームLB1は、リニア(linear)状のレーザビームとすることができ、第2レーザビームはリニア状の第1レーザビームLB1を含むより大きな面積の正方形(square)のレーザビームLB2であってもよい。
【0073】
上記のように同焦点を有する、すなわち、同じ経路で出射される波長が異なる2つの重畳レーザビームLB1+LB2は、一例として、2mm×2mmサイズの第2レーザビームLB2の内部に0.2mm×0.9mmサイズの第1レーザビームLB1を重ね合わせた形態で照射することができる。このとき、前記重畳された第1および第2レーザビームLB1+LB2の波長はそれぞれ980nmおよび808nmとすることができ、重畳した状態での波長は同じに維持される。
【0074】
また、前記第1および第2レーザビームLB1、LB2が重畳照射される領域では、第1または第2レーザビームLB1、LB2が単独で照射される領域よりも高い温度を形成するため、それにしたがって、前記2つのレーザビームLB1、LB2が重畳照射される領域では、より高い温度に基板が加熱される。
【0075】
図7を参照すると、本発明に係る一実施形態により、前記第1および第2レーザビームLB1、LB2の波長がそれぞれ980nmおよび808nmで形成される場合、前記レーザフィルタ部1340により980nmの波長を有する第1レーザビームLB1はレーザフィルタ部1340を透過し、808nmの波長を有する第2レーザビームLB2はレーザフィルタ部1340に反射されて同焦点(co-focus)を有する重畳されたレーザビームLB1+LB2が下方に出射される。
【0076】
すなわち、前記のように重畳されたデュアルレーザビームLB1+LB2は、重畳レーザ出射部1350のフォーカシングレンズ1351を介して下方の基板(図示せず)上に出射される。
【0077】
したがって、前述のように、本発明は、同焦点(co-focus)上で重畳照射される一体型デュアルレーザオプティックモジュール1300を提供することによって日々微細化していくプローブピンレーザボンディングの際、前記一体型デュアルレーザオプティックモジュール1300から重畳照射される第1および第2レーザビームLB1+LB2の出力および密度をそれぞれ精密に制御することができる。
【0078】
さらに、本発明は、従来の第1および第2レーザオプティックモジュールに分離され、構成された2つの光学系を1つのデュアルレーザオプティックモジュールに統合構成することによって装置を設計および製造する過程においても、レーザオプティックモジュールおよび他の構成要素を配置または相互作用する上でも多くの空間上の制約が解消されるため、装置の高集積化および高精度化に寄与できる。
【0079】
【0080】
なお、本発明は、ただ前述の説明した一実施形態によってのみ限定されるものではなく、装置の細部構成や個数及び配置構造を変更する際にも同様の効果を生み出すことのできるものであるため、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば本発明の技術的思想の範囲内で様々な構成の追加および削除、変形が可能であることを明示する。
【0081】
1300:デュアルレーザー光学モジュール
1310:本体部
1320:第1レーザ接続部
1321、1331:コリメーションレンズ
1322:回折光学素子(DOE)レンズ
1330:第2レーザ接続部
1340:レーザフィルタ部
1350:重畳レーザ出射部
1351:フォーカシングレンズ
LB1、LB2:第1、第2レーザビーム
LB1+LB2:同焦点重畳レーザビーム