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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】電力供給装置、および、制御方法
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/90 20100101AFI20241031BHJP
   B62M 6/45 20100101ALI20241031BHJP
   B62J 43/13 20200101ALI20241031BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B62M6/90
B62M6/45
B62J43/13
H02J7/00 P
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019027510
(22)【出願日】2019-02-19
(65)【公開番号】P2020131898
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-01-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 利彦
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-004944(JP,A)
【文献】特開2012-250552(JP,A)
【文献】特開2017-091979(JP,A)
【文献】特開2014-193081(JP,A)
【文献】特開2019-009897(JP,A)
【文献】特開2017-103898(JP,A)
【文献】国際公開第2017/154256(WO,A1)
【文献】特開2007-285972(JP,A)
【文献】特開2001-122180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/40 - 6/90
B62J 43/13
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車に搭載される電力供給装置であって、
前記人力駆動車に関する人力駆動車情報を記憶する記憶部と、
前記電力供給装置を充電する充電装置とは異なる報知装置に、前記人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を出力する第1制御部と、を備え
前記メンテナンス情報は、前記人力駆動車のコンポーネントが実行するソフトウェアの更新に関する情報を含む、電力供給装置。
【請求項2】
人力駆動車に搭載される電力供給装置であって、
前記人力駆動車に関する人力駆動車情報を記憶する記憶部と、
前記人力駆動車情報を取得する第1制御部と、を備え、
前記第1制御部は、前記人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を第1外部装置から取得する、電力供給装置。
【請求項3】
人力駆動車に搭載される電力供給装置であって、
前記人力駆動車に関する人力駆動車情報を記憶する記憶部と、
無線通信によって前記人力駆動車情報を取得する第1制御部と、を備え、
前記第1制御部は、前記人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を第1外部装置から取得する、電力供給装置。
【請求項4】
前記人力駆動車情報は、前記人力駆動車の走行に関する走行情報、および、前記人力駆動車に搭載されたコンポーネントに関するコンポーネント情報の少なくとも1つを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項5】
前記走行情報は、ケイデンス、前記人力駆動車の駆動力、前記人力駆動車の車速、前記人力駆動車の加速度、走行路面、空気抵抗、天候、気温、および、前記人力駆動車のライダーに関する情報の少なくとも1つを含む、請求項4に記載の電力供給装置。
【請求項6】
前記コンポーネント情報は、前記コンポーネントの動作履歴および前記コンポーネントが実行するソフトウェアの少なくとも1つに関する情報を含む、請求項4または5に記載の電力供給装置。
【請求項7】
前記第1制御部は、所定の条件が満たされると、前記人力駆動車情報を取得する、請求項1から6のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項8】
前記人力駆動車に搭載されたコンポーネントと電気的に接続される接続部をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項9】
前記第1制御部は、前記接続部を介して前記人力駆動車情報を取得する、請求項8に記載の電力供給装置。
【請求項10】
前記メンテナンス情報は、前記人力駆動車に搭載されたコンポーネントのメンテナンスに関する情報を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項11】
前記メンテナンス情報は、前記人力駆動車のコンポーネントが実行するソフトウェアの更新に関する情報を含む、請求項2または3に記載の電力供給装置。
【請求項12】
前記第1制御部は、前記メンテナンス情報を、報知装置に報知させる、請求項1から3、10、11のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項13】
前記人力駆動車に搭載されたコンポーネントに、前記コンポーネントの動作に必要な電力を供給する、請求項1から12のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項14】
前記人力駆動車に着脱可能に取り付けられる取付部をさらに備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の電力供給装置と、
前記電力供給装置を充電する充電装置と、
前記人力駆動車情報に対応する前記メンテナンス情報を出力するサーバと、を備えるシステムにおける制御方法であって、
前記記憶部に記憶された前記人力駆動車情報を、前記第1制御部が、前記充電装置に出力するステップと、
前記電力供給装置から出力された前記人力駆動車情報を、第2制御部が、前記サーバに出力するステップと、
前記充電装置から出力された前記人力駆動車情報に対応する前記メンテナンス情報を、前記サーバが、前記充電装置に出力するステップと、
前記メンテナンス情報を、前記第2制御部が、前記電力供給装置に出力するステップと、を備える制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給装置、充電装置、コンポーネント、および、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される蓄電池パックは、記憶器を備える。記憶器は、蓄電池パックに関する情報を記憶する。蓄電池パックに関する情報は、サーバに設けられる記憶器に出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/145510号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人力駆動車に搭載される電力供給装置は、人力駆動車に関する情報を記憶できることが好ましい。本発明の目的は、人力駆動車に関する情報を好適に入出力することができる電力供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う電力供給装置は、人力駆動車に搭載される電力供給装置であって、前記人力駆動車に関する人力駆動車情報を記憶する記憶部を備える。
上記第1側面の電力供給装置によれば、記憶部を備えるため、人力駆動車から取得した人力駆動車情報および外部から取得した人力駆動車情報を記憶することができる。このため、記憶部に記憶された人力駆動車情報を読み出し、人力駆動車情報を好適に入出力することができる。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面の電力供給装置において、前記人力駆動車情報は、前記人力駆動車の走行に関する走行情報、および、前記人力駆動車に搭載されるコンポーネントに関するコンポーネント情報の少なくとも1つを含む。
上記第2側面の電力供給装置によれば、記憶部は、人力駆動車に関する複数の異なる種類の人力駆動車情報を記憶することができる。このため、異なる種類の人力駆動車情報を入出力することができる。
【0007】
前記第2側面に従う第3側面の電力供給装置において、ケイデンス、前記人力駆動車の駆動力、前記人力駆動車の車速、前記人力駆動車の加速度、走行路面、空気抵抗、天候、気温、および、前記人力駆動車のライダーに関する情報の少なくとも1つを含む。
上記第3側面の電力供給装置によれば、記憶部は、ケイデンス、人力駆動車の駆動力、人力駆動車の車速、人力駆動車の加速度、走行路面、空気抵抗、天候、気温、および、人力駆動車のライダーに関する情報の少なくとも1つを走行情報として記憶することができる。このため、例えば、走行情報を人力駆動車の制御に利用することができる。
【0008】
前記第2または第3側面に従う第4側面の電力供給装置において、前記コンポーネント情報は、前記コンポーネントの動作履歴および前記コンポーネントが実行するソフトウェアの少なくとも1つに関する情報を含む。
上記第4側面の電力供給装置によれば、記憶部は、コンポーネントの動作履歴およびコンポーネントが実行するソフトウェアの少なくとも1つに関する情報をコンポーネント情報として記憶することができる。このため、例えば、コンポーネント情報を人力駆動車の制御に利用することができる。
【0009】
前記第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面の電力供給装置において、前記人力駆動車情報を取得する第1制御部をさらに備える。
上記第5側面の電力供給装置によれば、人力駆動車情報を好適に取得することができる。
【0010】
前記第5側面に従う第6側面の電力供給装置において、前記第1制御部は、所定の条件が満たされると、前記人力駆動車情報を取得する。
上記第6側面の電力供給装置によれば、所定の条件が満たされた場合に、人力駆動車情報を好適に取得することができる。
【0011】
前記第5または第6側面に従う第7側面の電力供給装置において、前記人力駆動車のコンポーネントと電気的に接続される接続部をさらに備える。
上記第7側面の電力供給装置によれば、接続部を介してコンポーネントに電力を好適に供給することができる。
【0012】
前記第7側面に従う第8側面の電力供給装置において、前記第1制御部は、前記接続部を介して前記人力駆動車情報を取得する。
上記第8側面の電力供給装置によれば、接続部を介して人力駆動車情報を好適に取得することができる。
【0013】
前記第5または第6側面に従う第9側面の電力供給装置において、前記第1制御部は、無線通信によって前記人力駆動車情報を取得する。
上記第9側面の電力供給装置によれば、無線通信によって人力駆動車情報を好適に取得することができる。
【0014】
前記第5から第9側面のいずれか1つに従う第10側面の電力供給装置において、前記第1制御部は、前記人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を第1外部装置から取得する。
上記第10側面の電力供給装置によれば、適切なメンテナンス情報を取得することができる。
【0015】
前記第10側面に従う第11側面の電力供給装置において、前記メンテナンス情報は、前記人力駆動車のコンポーネントのメンテナンスに関する情報を含む。
上記第11側面の電力供給装置によれば、メンテナンスに関する情報をコンポーネントのメンテナンスに利用することができる。
【0016】
前記第10または第11側面に従う第12側面の電力供給装置において、前記メンテナンス情報は、前記人力駆動車のコンポーネントが実行するソフトウェアの更新に関する情報を含む。
上記第12側面の電力供給装置によれば、コンポーネントが実行するソフトウェアの更新に関する情報をコンポーネントのメンテナンスに利用することができる。
【0017】
前記第10から第12側面のいずれか1つに従う第13側面の電力供給装置において、前記第1制御部は、前記メンテナンス情報を、報知装置に報知させる。
上記第13側面の電力供給装置によれば、ユーザがメンテナンス情報の内容を容易に認識することができる。
【0018】
前記第2から第13側面のいずれか1つに従う第14側面の電力供給装置において、前記人力駆動車のコンポーネントに、前記コンポーネントの動作に必要な電力を供給する。
上記第14側面の電力供給装置によれば、人力駆動車に搭載されるコンポーネントに電力を供給することができる。
【0019】
前記第1から第14側面のいずれか1つに従う第15側面の電力供給装置において、前記人力駆動車に着脱可能に取り付けられる取付部をさらに備える。
上記第15側面の電力供給装置によれば、人力駆動車に容易に装着する、あるいは、人力駆動車から容易に取り外すことができる。
【0020】
本発明の第16側面に従う充電装置は、前記第1から第15側面のいずれか1つに従う電力供給装置を充電する充電装置であって、前記記憶部の人力駆動車情報を取得する第2制御部を備える。
上記第16側面の充電装置によれば、電力供給装置の記憶部に保存された人力駆動車情報を好適に取得することができる。
【0021】
前記第16側面に従う第17側面の充電装置において、前記電力供給装置と電気的に接続される受付部を備える。
上記第17側面の充電装置によれば、受付部を介して電力供給装置に電力を好適に充電することができる。
【0022】
前記第16または第17側面に従う第18側面の充電装置において、前記第2制御部は、取得した前記人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を第2外部装置から取得する。
上記第18側面の充電装置によれば、適切なメンテナンス情報を入手することができる。
【0023】
本発明の第19側面に従うコンポーネントは、人力駆動車に関する人力駆動車情報を記憶する記憶部と、前記記憶部の人力駆動車情報を第2外部装置に出力する第3制御部と、前記人力駆動車に着脱可能に取り付けられる取付部と、を備える。
上記第19側面のコンポーネントによれば、人力駆動車情報を好適に出力することができる。また、人力駆動車に容易に装着する、あるいは、人力駆動車から容易に取り外すことができる。
【0024】
本発明の第20側面に従う制御方法は、前記第1から第15側面のいずれか1つに従う電力供給装置を充電する充電装置と、前記第16から18側面のいずれか1つに従う充電装置と、人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を出力するサーバと、を備えるシステムにおける制御方法であって、前記記憶部に記憶された前記人力駆動車情報を、第1制御部が、前記充電装置に出力するステップと、前記電力供給装置から出力された前記人力駆動車情報を、第2制御部が、前記サーバに出力するステップと、前記充電装置から出力された前記人力駆動車情報に対応する前記メンテナンス情報を、前記サーバが、前記充電装置に出力するステップと、前記メンテナンス情報を、前記第2制御部が、前記電力供給装置に出力するステップと、を備える。
上記第20側面の制御方法によれば、人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を取得することができるため、例えば人力駆動車のコンポーネントのメンテナンスに利用することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の電力供給装置、充電装置、コンポーネント、および、制御方法によれば、人力駆動車に関する情報を好適に入出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態の電力供給装置を含む自転車の側面図。
図2】第1実施形態のシステムのブロック図。
図3】第1制御部が実行する制御の一例を示すフローチャート。
図4】第2制御部が実行する制御の一例を示すフローチャート。
図5】システムにおいて実行される制御方法の一例を示すシーケンス図。
図6】第2実施形態のシステムのブロック図。
図7】第3実施形態のコンポーネントのブロック図。
図8】第3制御部が実行する制御の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<第1実施形態>
図1を参照して、電力供給装置10が搭載される人力駆動車Aについて説明する。
ここで、人力駆動車は、走行のための原動力に関して、少なくとも部分的に人力を用いる車両を意味し、電動で人力を補助する車両を含む。人力以外の原動力のみを用いる車両は、人力駆動車には含まれない。特に、内燃機関のみを原動力に用いる車両は、人力駆動車には含まれない。通常、人力駆動車には、小型軽車両が想定され、公道での運転に免許を要しない車両が想定される。図示される人力駆動車Aは、電気エネルギーを用いて人力駆動車Aの推進を補助する補助駆動装置Eを含む自転車である。具体的には、図示される人力駆動車Aは、トレッキングバイクである。人力駆動車Aは、フレームA1、フロントフォークA2、前輪WF、後輪WR、ハンドルH、および、ドライブトレインBをさらに含む。
【0028】
ドライブトレインBは、チェーンドライブタイプである。ドライブトレインBは、クランクアセンブリC、フロントスプロケットアセンブリD1、リアスプロケットアセンブリD2、および、チェーンD3を含む。クランクアセンブリCは、フレームA1に対して回転可能にフレームA1に支持されるクランク軸C1、および、クランク軸C1の両端部のそれぞれに設けられる一対のクランクアームC2を含む。各クランクアームC2の先端には、ペダルPDが回転可能に取り付けられる。ドライブトレインBは、任意のタイプから選択でき、ベルトドライブタイプ、または、シャフトドライブタイプであってもよい。
【0029】
フロントスプロケットアセンブリD1は、クランク軸C1と一体に回転するようにクランクアセンブリCに設けられる。フロントスプロケットアセンブリD1は、複数のフロントスプロケットD11を含む。リアスプロケットアセンブリD2は、後輪WRのハブHRに設けられる。リアスプロケットアセンブリD2は、複数のリアスプロケットD21を含む。チェーンD3は、複数のフロントスプロケットD11の1つと、複数のリアスプロケットD21の1つとに巻き掛けられる。人力駆動車Aに搭乗するライダーによってペダルPDに加えられる駆動力は、フロントスプロケットアセンブリD1、チェーンD3、および、リアスプロケットアセンブリD2を介して後輪WRに伝達される。
【0030】
人力駆動車Aは、コンポーネントCOを備える。コンポーネントCOは、変速装置T、制動装置BD、サスペンションSU、アジャスタブルシートポストASP、補助駆動装置E、サイクルコンピュータSC、ランプL、発電機、無線ユニット、および、コンポーネントCOの操作装置ODの少なくとも1つを含む。本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、その選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、その選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0031】
一例では、操作装置ODは、変速操作装置SL、制動操作装置BL、変速操作装置SLと制動操作装置BLが一体となった変速/制動操作装置、サスペンション操作装置、アジャスタブルシートポスト操作装置、および、補助駆動操作装置の少なくとも1つを含む。各種のコンポーネントCOは、例えば人力駆動車Aに搭載される電力供給装置10から供給される電力、または、個々のコンポーネントCOに搭載される専用の電源から供給される電力等によって動作する。
【0032】
変速装置Tは、外装変速機を含む。一例では、変速装置Tは、フロントディレーラTFおよびリアディレーラTRの少なくとも1つを含む。フロントディレーラTFは、フレームA1のフロントスプロケットアセンブリD1付近に設けられる。フロントディレーラTFによって、チェーンD3が巻き掛けられるフロントスプロケットD11が変更されることで人力駆動車Aの変速比が変更される。リアディレーラTRは、フレームA1のリアエンドA3に設けられる。リアディレーラTRによって、チェーンD3が巻き掛けられるリアスプロケットD21が変更されることで人力駆動車Aの変速比が変更される。一例では、変速操作装置SLの操作に応じて、変速装置Tが電気的に駆動される。変速装置Tは、内装変速機を含んでいてもよい。
【0033】
制動装置BDは、車輪Wの数に対応する制動装置BDを含む。車輪Wは、前輪WFおよび後輪WRを含む。本実施形態では、前輪WFに対応する制動装置BD、および、後輪WRに対応する制動装置BDが人力駆動車Aに設けられる。2つの制動装置BDは、互いに同様の構成を有していてもよい。制動装置BDは、例えば人力駆動車AのリムRを制動するリムブレーキ装置である。一例では、制動操作装置BLの操作に応じて、対応する制動装置BDが電気的に駆動される。制動装置BDは、人力駆動車Aに搭載されるディスクブレーキロータを制動するディスクブレーキ装置であってもよい。
【0034】
サスペンションSUは、フロントサスペンションSFおよびリアサスペンションの少なくとも1つを含む。フロントサスペンションSFは、前輪WFが地面から受ける衝撃が緩和されるように動作する。リアサスペンションは、後輪WRが地面から受ける衝撃が緩和されるように動作する。一例では、サスペンション操作装置の操作に応じて、対応するサスペンションSUが電気的に駆動されることによりサスペンションSUの動作状態が変更される。サスペンションSUの動作状態は、変位状態、トラベル量、減衰力、および、反発力の少なくとも1つを含む。
【0035】
アジャスタブルシートポストASPは、フレームA1に対するサドルSDの高さが変更されるように動作する。一例では、アジャスタブルシートポスト操作装置の操作に応じて、アジャスタブルシートポストASPが電気的に駆動される。
【0036】
補助駆動装置Eは、人力駆動車Aの推進力がアシストされるように動作する。補助駆動装置Eは、例えばペダルPDに加えられる人力駆動力に応じて動作する。一例では、補助駆動操作装置の操作に応じて、補助駆動装置Eが電気的に駆動される。
【0037】
図2を参照して、システム1の具体的な構成について説明する。システム1は、電力供給装置10と、充電装置30と、サーバ50と、を含む。電力供給装置10は、人力駆動車AのコンポーネントCOに、コンポーネントCOの動作に必要な電力を供給する。電力供給装置10は、人力駆動車Aに搭載される。電力供給装置10は、人力駆動車Aに関する人力駆動車情報を記憶する記憶部12を備える。記憶部12は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。記憶部12は、人力駆動車情報、制御のための各種プログラム、および、予め設定される情報等を記憶する。
【0038】
本実施形態において、人力駆動車情報は、人力駆動車Aに搭載される電力供給装置10に関する情報を含まないようにしてもよい。電力供給装置10に関する情報の一例は、電力供給装置10の電圧または温度である。電力供給装置10は、コンポーネントCOに含まれない。電力供給装置10は、1つまたは複数のコンポーネントCOに電力を供給する。電力供給装置10の一例は、図1に示される人力駆動車AのフレームA1に設けられるバッテリである。電力供給装置10は、複数のバッテリセルをハウジング内に備える。
【0039】
人力駆動車情報は、人力駆動車Aの走行に関する走行情報、および、人力駆動車Aに搭載されるコンポーネントCOに関するコンポーネント情報の少なくとも1つを含む。走行情報は、ケイデンス、人力駆動車Aの駆動力、人力駆動車Aの車速、人力駆動車Aの加速度、走行路面、空気抵抗、天候、気温、および、人力駆動車Aのライダーに関する情報の少なくとも1つを含む。ケイデンスに関する情報は、クランク軸C1の単位時間当たりの回転数と同義である。人力駆動車Aの駆動力に関する情報は、クランク軸C1に作用するトルク、および、パワーに関する情報を含む。パワーは、ケイデンスとトルクとの積である。人力駆動車Aの車速に関する情報の一例は、人力駆動車Aの走行中の最高速度、平均速度、または速度の変化の推移である。人力駆動車Aの加速度に関する情報の一例は、人力駆動車Aの走行中の最高加速度、平均加速度、または加速度の変化の推移である。走行路面に関する情報の一例は、人力駆動車Aの走行中における走行路面の抵抗または勾配である。空気抵抗に関する情報の一例は、人力駆動車Aの走行中における人力駆動車Aに対する風速、風圧、および、風向等の風力に関する情報である。人力駆動車Aのライダーに関する情報の一例は、ライダーの、心拍数、筋電位、発汗量、消費カロリー、および、体温に関する情報である。走行情報は、人力駆動車Aの走行距離および走行時間の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0040】
コンポーネント情報は、コンポーネントCOの動作履歴およびコンポーネントCOが実行するソフトウェアの少なくとも1つに関する情報を含む。コンポーネントCOの動作履歴に関する情報は、変速装置T、制動装置BD、サスペンションSU、アジャスタブルシートポストASP、および、補助駆動装置Eの動作履歴の少なくとも1つを含む。変速装置Tの動作履歴に関する情報は、変速比または変速段の変化の推移に関する情報を含む。制動装置BDの動作履歴に関する情報は、制動装置BDの動作量に関する情報を含む。サスペンションSUの動作履歴に関する情報は、サスペンションSUの動作状態に関する情報を含む。アジャスタブルシートポストASPの動作履歴に関する情報は、シートポストの高さの変化の推移に関する情報を含む。補助駆動装置Eの動作履歴に関する情報は、アシスト比またはアシストモードの変化の推移に関する情報を含む。コンポーネントCOの動作履歴に関する情報は、使用時間、使用回数および電力供給装置10からの電力供給量の少なくとも1つを含んでいてもよい。コンポーネントCOが実行するソフトウェアに関する情報は、変速装置Tを制御するためのソフトウェア情報、制動装置BDを制御するためのソフトウェア情報、サスペンションSUを制御するためのソフトウェア情報、アジャスタブルシートポストASPを制御するためのソフトウェア情報、補助駆動装置Eを制御するためのソフトウェア情報、および、ソフトウェアの現在のバージョンに関するバージョン情報の少なくとも1つを含む。
【0041】
電力供給装置10は、人力駆動車情報を取得する第1制御部14をさらに備える。第1制御部14は、CPU(Central Processing Unit)およびMPU(Micro Processing Unit)の少なくとも1つである。第1制御部14は、通信部20を制御することで第1外部装置EP1と通信する。通信部20は、第1外部装置EP1と通信可能に構成される。
【0042】
電力供給装置10は、人力駆動車AのコンポーネントCOと電気的に接続される接続部16をさらに備える。第1制御部14は、接続部16を介して人力駆動車情報を取得する。接続部16は、コンポーネントCOと電力供給装置10とを接続する接続線CWおよび接続線CWが接続されるポートを含む。一例では、接続線CWは、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)を実行できるように構成される。接続部16は、蓄電部18に接続される。蓄電部18は、一例では複数のバッテリセルで構成される。蓄電部18の電力は、接続部16を介してコンポーネントCOに供給される。
【0043】
電力供給装置10は、人力駆動車Aに着脱可能に取り付けられる取付部22をさらに備える。取付部22は、人力駆動車Aの任意の場所に着脱可能に構成される。一例では、取付部22は、人力駆動車AのフレームA1と着脱可能に構成されるホルダである。
【0044】
人力駆動車Aは、走行情報を検出するための検出装置DDをさらに含む。検出装置DDは、例えば接続線CWを介して、電力供給装置10に接続される。検出装置DDは、走行情報を検出するように構成される。検出装置DDは、ケイデンスを検出するセンサ、トルクを検出するセンサ、車速を検出するセンサ、加速度を検出するセンサ、走行路面に関する情報を検出するセンサ、空気抵抗を検出するセンサ、天候に関する情報を外部から受信する受信機、気温を検出するセンサ、および、ライダーの情報を検出するセンサの少なくとも1つを含む。
【0045】
第1制御部14は、所定の条件が満たされると、人力駆動車情報を取得する。所定の条件は、人力駆動車情報を取得するか否か判断するための条件である。所定の条件は、電力供給装置10の記憶部12に記憶される。所定の条件は、第1所定の条件および第2所定の条件の少なくとも1つを含む。第1所定の条件は、所定のパラメータと閾値との関係に基づいて設定される。一例では、第1制御部14は、所定のパラメータが閾値以上のとき、第1所定の条件が成立したと判定する。所定のパラメータは、人力駆動車Aの総走行距離、人力駆動車Aの総走行時間、および、前回人力駆動車情報を取得してからの時間の少なくとも1つを含む。第2所定の条件は、電力供給装置10と人力駆動車Aとの関係に基づいて設定される。一例では、第1制御部14は、電力供給装置10が人力駆動車Aに取り付けられると、人力駆動車情報を取得する。所定の条件は、第3所定の条件をさらに含んでいてもよい。第3所定の条件は、記憶部12の空き容量に基づいて設定される。第1制御部14は、記憶部12の空き容量が閾値を下回ると、第3所定の条件が成立したと判定する。一例では、第1制御部14は、第1所定の条件および第2所定の条件の少なくとも1つが成立したと判定したとき、人力駆動車情報を取得する。別の例では、第1制御部14は、第1所定の条件および第2所定の条件の少なくとも1つが成立したと判定し、かつ、第3所定の条件が成立したと判定したとき、人力駆動車情報を取得する。
【0046】
第1制御部14は、人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を第1外部装置EP1から取得する。本実施形態において、第1外部装置EP1は充電装置30を含む。なお、第1外部装置EP1は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等のスマートデバイスを含んでいてもよい。メンテナンス情報は、人力駆動車AのコンポーネントCOのメンテナンスに関する情報を含む。一例では、メンテナンス情報は、人力駆動車AのコンポーネントCOを使用開始してからの使用回数および使用時間に関する情報の少なくとも1つに基づいて設定される交換時期に関する情報を含む。別の例では、メンテナンス情報は、コンポーネントCOの修理またはリコールに関する情報を含む。メンテナンス情報は、人力駆動車AのコンポーネントCOが実行するソフトウェアの更新に関する情報を含む。一例では、ソフトウェアの更新に関する情報は、コンポーネントCOが実行するソフトウェアのバージョンに関する情報およびコンポーネントCOが実行するソフトウェアの更新内容に関する情報の少なくとも1つを含む。
【0047】
第1制御部14は、メンテナンス情報を、報知装置60に報知させる。報知装置60は、例えば、LED(Light Emitting Diode)、スピーカ、振動装置、および、サイクルコンピュータSCを含む。報知装置60は、コンポーネントCOのソフトウェアの更新が実行中であることを示す情報およびコンポーネントCOのソフトウェアの更新が完了したことを示す情報の少なくとも1つを報知するように構成されていてもよい。
【0048】
電力供給装置10は、充電装置30によって充電される。充電装置30は、記憶部12の人力駆動車情報を取得する第2制御部34を備える。第2制御部34は、CPUおよびMPUの少なくとも1つを含む。第2制御部34は、通信部40を制御することで、第2外部装置EP2と通信する。通信部40は第2外部装置EP2と通信可能に構成される。充電装置30は、電力供給装置10と電気的に接続される受付部36を備える。一例では、受付部36は、コネクタである。第2制御部34は、受付部36を介して人力駆動車情報を電力供給装置10から取得する。
【0049】
充電装置30は、人力駆動車情報を記憶する記憶部32および電力供給装置10の蓄電部18を充電するための電力を供給する電源部38をさらに含む。記憶部32は、人力駆動車情報、制御のための各種プログラム、および、予め設定される情報等を記憶する。電源部38は、受付部36と電気的に接続され、受付部36を介して電力供給装置10の蓄電部18に電力を供給する。電源部38は、外部電源と接続されるように構成されていてもよい。
【0050】
第2制御部34は、取得した人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を第2外部装置EP2から取得する。第2外部装置EP2は、第1外部装置EP1と異なる。本実施形態において、第2外部装置EP2はサーバ50を含む。サーバ50は、人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を出力するサーバである。本実施形態において、サーバ50はクラウド環境に設けられている。第2制御部34は、サーバ50から取得したメンテナンス情報を電力供給装置10に出力する。なお、第2外部装置EP2は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等のスマートデバイスを含んでいてもよい。
【0051】
図3を参照して、第1制御部14が実行する制御の一例について説明する。
第1制御部14は、ステップS11において、電力供給装置10が充電装置30に取り付けられているか否かを判定する。具体的には、第1制御部14は、充電装置30の受付部36と電気的に接続されているか否か、および、通信部20を介して充電装置30と通信可能か否かを判定する。少なくとも1つが否定判定の場合、第1制御部14は、電力供給装置10が充電装置30に取り付けられていないと判定する。第1制御部14は、ステップS11において、充電装置30に取り付けられていないと判定した場合、ステップS12の処理に移行する。第1制御部14は、ステップS11において、充電装置30に取り付けられていると判定した場合、ステップS18の処理に移行する。
【0052】
第1制御部14は、ステップS12において、人力駆動車Aに取り付けられているか否かを判定する。具体的には、第1制御部14は、接続部16がコンポーネントCOと電気的に接続されているか否かを判定する。第1制御部14は、ステップS12において、人力駆動車Aに取り付けられていると判定した場合、ステップS13の処理に移行する。第1制御部14は、ステップS12において、人力駆動車Aに取り付けられていないと判定した場合、ステップS11の処理を再度実行する。
【0053】
第1制御部14は、ステップS13において、記憶部12にメンテナンス情報が保存されているか否かを判定する。第1制御部14は、ステップS13において、記憶部12にメンテナンス情報が保存されていると判定した場合、ステップS14の処理に移行する。第1制御部14は、ステップS13において、記憶部12にメンテナンス情報が保存されていないと判定した場合、ステップS15の処理に移行する。
【0054】
第1制御部14は、ステップS14において、メンテナンス情報に基づく更新およびメンテナンス情報の報知を行う。具体的には、第1制御部14は、メンテナンス情報に基づいてコンポーネントCOのソフトウェアの更新を行う。第1制御部14は、メンテナンス情報を報知装置60に報知させる。第1制御部14は、ステップS14の終了後、ステップS15の処理に移行する。
【0055】
第1制御部14は、ステップS15において、所定の条件が成立したか否かを判定する。第1制御部14は、ステップS15において、所定の条件が成立したと判定した場合、ステップS16の処理に移行する。第1制御部14は、ステップS15において、所定の条件が成立していないと判定した場合、ステップS15の処理を再度実行する。
【0056】
第1制御部14は、ステップS16において、人力駆動車情報の取得および保存を行う。具体的には、第1制御部14は、ステップS16において、コンポーネントCOから人力駆動車情報を取得し、取得した人力駆動車情報を記憶部12に保存する。第1制御部14は、ステップS16の終了後、ステップS17の処理に移行する。
【0057】
第1制御部14は、ステップS17において、充電装置30に取り付けられたか否かを判定する。第1制御部14は、ステップS17において、充電装置30に取り付けられたと判定した場合、ステップS18の処理に移行する。第1制御部14は、ステップS17において充電装置30に取り付けられていないと判定した場合、ステップS12の処理を再度実行する。
【0058】
第1制御部14は、ステップS18において、人力駆動車情報が記憶部12に保存されているか否かを判定する。第1制御部14は、ステップS18において、人力駆動車情報が記憶部12に保存されていると判定した場合、ステップS19の処理に移行する。第1制御部14は、ステップS18において、人力駆動車情報が記憶部12に保存されていないと判定した場合、制御を終了する。
【0059】
第1制御部14は、ステップS19において、人力駆動車情報を充電装置30に出力する。具体的には、第1制御部14は、人力駆動車情報を充電装置30の記憶部32に保存する。第1制御部14は、ステップS19の終了後、制御を終了する。第1制御部14は、ステップS11からS19の処理を定期的に実行することで、人力駆動車情報を出力し、出力した人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を取得する。
【0060】
図4を参照して、第2制御部34が実行する制御の一例について説明する。
第2制御部34は、ステップS21において、電力供給装置10が充電装置30に取り付けられているか否かを判定する。具体的には、第2制御部34は、受付部36を介して電力供給装置10と電気的に接続されているか、および、通信部40を介して電力供給装置10と通信可能か否かを判定する。第2制御部34は、少なくとも1つが否定判定の場合、電力供給装置10が充電装置30に取り付けられていないと判定する。第2制御部34は、ステップS21において、電力供給装置10が充電装置30に取り付けられていると判定した場合、ステップS22の処理に移行する。第2制御部34は、ステップS21において、電力供給装置10が充電装置30に取り付けられていないと判定した場合、制御を終了する。
【0061】
第2制御部34は、ステップS22において、人力駆動車情報が記憶部32に保存されているか否かを判定する。第2制御部34は、ステップS22において、人力駆動車情報が記憶部32に保存されていると判定した場合、ステップS23の処理に移行する。第2制御部34は、ステップS22において、人力駆動車情報が記憶部32に保存されていないと判定した場合、ステップS25の処理に移行する。
【0062】
第2制御部34は、ステップS23において、充電装置30がサーバ50と接続されているか否かを判定する。具体的には、第2制御部34は、通信部40を介してサーバ50と通信できるか否かを判定する。第2制御部34は、ステップS23において、サーバ50と接続されていると判定した場合、ステップS24の処理に移行する。第2制御部34は、ステップS23において、サーバ50と接続されていないと判定した場合、ステップS25の処理に移行する。
【0063】
第2制御部34は、ステップS24において、人力駆動車情報をサーバ50へ出力する。具体的には、第2制御部34は、通信部40を介してサーバ50に人力駆動車情報を送信してサーバ50に保存させる。第2制御部34は、ステップS24の終了後、ステップS25の処理に移行する。
【0064】
第2制御部34は、ステップS25において、メンテナンス情報が記憶部32に保存されているか否かを判定する。第2制御部34は、ステップS25において、メンテナンス情報が記憶部32に保存されていると判定した場合、ステップS26の処理に移行する。第2制御部34は、ステップS25において、メンテナンス情報が記憶部32に保存されていないと判定した場合、制御を終了する。
【0065】
第2制御部34は、ステップS26において、メンテナンス情報を電力供給装置10に出力する。具体的には、第2制御部34は、メンテナンス情報を電力供給装置10の記憶部12に保存する。第2制御部34は、ステップS26の終了後、制御を終了する。第2制御部34は、ステップS21からS26の処理を定期的に実行することで、人力駆動車情報と人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を入出力する。
【0066】
図5を参照して、システム1における制御方法について説明する。具体的には、システム1を構成する各要素の人力駆動車情報および対応するメンテナンス情報の入出力方法について説明する。
【0067】
電力供給装置10と、充電装置30と、サーバ50と、を備えるシステムにおける制御方法は、記憶部12に記憶された人力駆動車情報を、第1制御部14が、充電装置30に出力するステップと、電力供給装置10から出力された人力駆動車情報を、第2制御部34が、サーバ50に出力するステップと、充電装置30から出力された人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を、サーバ50が、充電装置30に出力するステップと、メンテナンス情報を、第2制御部34が、電力供給装置10に出力するステップと、を備える。
【0068】
電力供給装置10の第1制御部14は、充電装置30に接続されているとき、ステップS31において、人力駆動車情報を充電装置30に出力する。人力駆動車情報を取得した充電装置30の第2制御部34は、サーバ50に接続されているとき、ステップS32において、人力駆動車情報をサーバ50に出力する。人力駆動車情報を取得したサーバ50は、ステップS33において、人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を充電装置30に出力する。メンテナンス情報を取得した充電装置30は、ステップS34において、メンテナンス情報を電力供給装置10に出力する。第1制御部14は、人力駆動車Aに接続されているとき、ステップS35において、人力駆動車Aの報知装置60にメンテナンス情報を出力する。第1制御部14は、ステップS36において、人力駆動車AのコンポーネントCOにメンテナンス情報を出力する。第1制御部14は、ステップS37において、コンポーネントCOから出力されたコンポーネントCOのソフトウェアの更新が完了したメンテナンス完了情報を取得する。第1制御部14は、ステップS38において、メンテナンス完了情報を報知装置60に出力する。
【0069】
<第2実施形態>
図6を参照して、第2実施形態のシステム100について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0070】
第2実施形態のシステム100は、コンポーネントCO、電力供給装置10、充電装置30、および、サーバ50を含む。第1制御部14は、無線通信によって人力駆動車情報を取得する。第1制御部14は、通信部20を介してコンポーネントCOおよび充電装置30と無線通信する。通信部20は、無線通信できるように構成される。一例では、通信部20は無線通信モジュールを含む。なお、第1制御部14は、検出装置DDおよび報知装置60の少なくとも1つと無線通信できるように構成されていてもよい。また、接続部16がコイルを含み、コンポーネントCOに非接触的に給電できるように構成されてもよい。
【0071】
第2制御部34は、無線通信によって人力駆動車情報を取得する。通信部40は、電力供給装置10およびサーバ50と無線通信できるように構成される。一例では、通信部40は無線通信モジュールを含む。受付部36は、電力供給装置10の蓄電部18に非接触的に給電できる。一例では、受付部36はコイルを含む。
【0072】
<第3実施形態>
図1および図7を参照して、第3実施形態のコンポーネント200について説明する。第1実施形態または第2実施形態と共通する構成については、第1実施形態または第2実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0073】
コンポーネント200は、人力駆動車Aに関する人力駆動車情報を記憶する記憶部202と、記憶部202の人力駆動車情報を第2外部装置EP2に出力する第3制御部204と、人力駆動車Aに着脱可能に取り付けられる取付部210と、を備える。コンポーネント200の一例は、人力駆動車Aに取り付けられるランプLである。記憶部202は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。記憶部202は、人力駆動車情報、制御のための各種プログラム、および、予め設定される情報等を記憶する。第3制御部204は、CPUおよびMPUの少なくとも1つを含む。取付部210の一例は、フロントフォークA2に取り付け可能に構成されたクランプである。ランプLは、人力駆動車AのハンドルHに取り付けられる構成であってもよい。
【0074】
コンポーネント200は、他のコンポーネントCOおよび第2外部装置EP2と無線通信が可能な通信部206を含む。一例では、通信部206は無線モジュールを含む。コンポーネント200は、蓄電部208をさらに含む。蓄電部208は、コンポーネント200の動作に必要な電力を供給する。蓄電部208の一例は、キャパシタである。
【0075】
第3制御部204は、通信部206を介して、他のコンポーネントCOから人力駆動車情報を取得し、人力駆動車情報を第2外部装置EP2に出力する。一例では、第2外部装置EP2は、サーバ50である。第2外部装置EP2は、第3制御部204から取得した人力駆動車情報に対応するメンテナンス情報を、コンポーネント200に出力する。
【0076】
図8を参照して、コンポーネント200の第3制御部204が実行する制御の一例について説明する。
第3制御部204は、ステップS41において、他のコンポーネントCOと接続されているか否かを判定する。具体的には、第3制御部204は、通信部206を介して他のコンポーネントCOと無線通信が可能か否かを判定する。第3制御部204は、ステップS41において、他のコンポーネントCOと接続されていると判定した場合、ステップS42の処理に移行する。第3制御部204は、ステップS41において、他のコンポーネントCOと接続されていないと判定した場合、ステップS41の処理を再度実行する。
【0077】
第3制御部204は、ステップS42において、他のコンポーネントCOから人力駆動車情報を取得し、記憶部202に保存する。第3制御部204は、ステップS42の終了後、ステップS43の処理に移行する。
【0078】
第3制御部204は、ステップS43において、サーバ50と接続されているか否かを判定する。具体的には、第3制御部204は、通信部206を介してサーバ50と無線通信可能か否かを判定する。第3制御部204は、ステップS43において、サーバ50と接続されていると判定した場合、ステップS44の処理に移行する。第3制御部204は、ステップS43において、サーバ50と接続されていないと判定した場合、ステップS41の処理を再度実行する。
【0079】
第3制御部204は、ステップS44において、人力駆動車情報をサーバ50へ出力する。第3制御部204は、ステップS44の終了後、制御を終了する。第3制御部204は、ステップS41からステップS44の処理を定期的に実行することで、人力駆動車情報をサーバ50に定期的に出力する。
【0080】
<変形例>
各実施形態に関する説明は、本発明に従う電力供給装置、充電装置、コンポーネント、および、制御方法が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う電力供給装置、充電装置、コンポーネント、および、制御方法は、例えば以下に示される各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0081】
・記憶部12、記憶部32、および、記憶部202は、対応する第1制御部14、第2制御部34、および、第3制御部204のインストラクションポインタを初期のアドレスに変更するリセット命令を複数記憶していてもよい。通常と異なるプログラムを実行している場合に、リセット命令によりインストラクションポインタのアドレスを初期のアドレスに戻し、正常のプログラムを実行することができる可能性を高くすることができる。
【0082】
・人力駆動車Aの種類は、任意に変更可能である。一例では、人力駆動車Aは、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイク、シティサイクル、カーゴバイク、リカンベント、または、キックスケータである。
【符号の説明】
【0083】
1,100…システム、10…電力供給装置、12…記憶部、14…第1制御部、16…接続部、22…取付部、30…充電装置、34…第2制御部、36…受付部、50…サーバ、60…報知装置、200…コンポーネント、202…記憶部、204…第3制御部、210…取付部、A…人力駆動車、EP1…第1外部装置、EP2…第2外部装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8