(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】外科用アクセスアセンブリ用の封止
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A61B17/34
(21)【出願番号】P 2020002052
(22)【出願日】2020-01-09
【審査請求日】2023-01-06
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ロイ ジェイ. ピレッテア
(72)【発明者】
【氏名】マシュー エー. ディニーノ
(72)【発明者】
【氏名】ケビン デスジャルディン
(72)【発明者】
【氏名】ギャレット ピー. エバーソール
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ シー. バリル
(72)【発明者】
【氏名】ニコレット アール. ラピエール
(72)【発明者】
【氏名】エリック ブラウン
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-504197(JP,A)
【文献】特表2010-527710(JP,A)
【文献】特表2011-510709(JP,A)
【文献】特開2010-005385(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0201966(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1407283(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104487355(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108354638(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスアセンブリであって、
上部、下部、および内部ハウジング区分を含み、空洞を画定する器具バルブハウジングと、
前記器具バルブハウジングの前記空洞内に配設されたバルブアセンブリであって、
複数のガード区分を含むガードアセンブリ、
前記ガードアセンブリに隣接して配設された封止アセンブリであって、前記封止アセンブリは、複数の封止区分を含み、前記複数の封止区分は、展開構成から折り畳み構成に移動可能であり、前記折り畳み構成において、前記封止アセンブリ
の前記複数の封止区分の輪郭は外科用器具の封止された通過を容易にするための開口部を画定する六角形部材を形成する、封止アセンブリ、ならびに
前記封止アセンブリおよびガードアセンブリを前記器具バルブの前記空洞内で中心に維持するためのセンタリング機構を含む、バルブアセンブリと、を備える、アクセスアセンブリ。
【請求項2】
前記封止アセンブリ内の前記開口部が、0.025インチ~0.100インチの直径を有する、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項3】
前記封止アセンブリが、6つの封止区分を含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項4】
前記複数の封止区分が、ポリイソプレンまたはシリコーンエラストマで形成されている、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項5】
前記複数の封止区分の封止区分が、コネクタ部分によって、前記複数の封止区分の隣接する封止区分に接続されている、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項6】
前記コネクタ部分が、ヒンジを含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項7】
前記複数の封止区分の各封止区分が、翼形状を含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項8】
前記複数の封止区分の各封止区分の内縁部が、直線である、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項9】
前記複数の封止区分の各封止区分の内縁部が、V形状を画定する、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項10】
前記V形状が、180度~275度の角度を含む、請求項9に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項11】
前記複数の封止区分の各封止区分の内縁部が、先細りである、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項12】
前記複数の封止区分が、第1、第2、第3、第4、第5、および第6の封止区分を含み、前記第1、第2、第3、第4、第5、および第6の封止区分の各々が、前記隣接する第2、第3、第4、第5、第6、および第1の封止区分と重なり合う、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項13】
上部および下部保持部材を含む保持アセンブリをさらに含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項14】
前記上部および下部保持部材のうちの少なくとも1つが、前記ガードアセンブリおよび封止アセンブリを互いに対して保持するために、前記ガードアセンブリおよび封止アセンブリを通して受容可能な複数のピンを含む、請求項13に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項15】
前記センタリング機構が、ベローズを含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
本開示は、封止を含む、低侵襲手術のためのアクセスアセンブリに関する。より具体的には、本開示は、外科用アクセスアセンブリ用の封止に関する。
【背景技術】
【0002】
低侵襲手術を容易にするために、作業スペースが、所望の外科用空間において作成されなければならない。送気ガス、典型的には、CO2が、気腹と呼ばれる膨張状態を作成するために、患者の腹部に導入される。アクセスアセンブリは、外科用器具および内視鏡(または他の視覚化ツール)の導入を可能にするために利用される。これらのアクセスアセンブリは、それらが外科用器具に適合する1つ以上の封止を有するため、気腹の圧力を維持する。典型的には、アクセスアセンブリにおける「ゼロ封止」は、アクセスアセンブリ内に外科用器具がないときにアクセスアセンブリを封止し、器具封止は、アクセスアセンブリを通して挿入される外科用器具の周囲を封止する。
【0003】
今日、市場での外科用器具の幅は、複数のサイズに調節すること、かつ外科用器具の複数回の挿入に耐えることが可能な堅牢な封止を必要とする。器具のいくつかは、封止を裂くかまたはさもなければ損傷を与える可能性がある鋭い縁を含む場合がある。したがって、改善された封止耐久性を備えるアクセスアセンブリを有することが有益であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
改善された封止耐久性を備えるアクセスアセンブリが、提供される。アクセスアセンブリは、器具バルブハウジングとバルブアセンブリと、を含む。器具バルブハウジングは、上部、下部、および内部ハウジング区分を含み、空洞を画定する。バルブアセンブリは、器具バルブハウジングの空洞内に配設される。バルブアセンブリは、ガードアセンブリと、ガードアセンブリに隣接して配設された封止アセンブリと、封止アセンブリならびにガードアセンブリを器具バルブの空洞内で中心に維持するためのセンタリング機構と、を含む。ガードアセンブリは、複数のガード区分を含む。封止アセンブリは、ガードアセンブリに隣接して配設され、封止アセンブリは、複数の封止区分を含み、複数の封止区分が、展開構成から折り畳み構成に移動可能であり、折り畳み構成において、封止アセンブリは、外科用器具の封止された通過を容易にするための開口部を画定する六角形部材を形成する。
【0005】
実施形態では、封止アセンブリの開口部は、0.025インチ~0.100インチの直径を有する。封止アセンブリは、6つの封止区分を含んでもよい。複数の封止区分は、ポリイソプレンまたはシリコーンエラストマで形成されてもよい。複数の封止区分の封止区分は、コネクタ部分によって複数の封止区分の隣接する封止区分に接続されてもよい。コネクタ部分は、リビングヒンジを含んでもよい。複数の封止区分の各封止区分は、翼形状を含み得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、複数の封止区分の各封止区分の内縁部は、直線である。代替的に、複数の封止区分の各封止区分の内縁部は、V形状を画定する。V形状は、180度~275度の角度を含み得る。複数の封止区分の各封止区分の内縁部は、先細りであってもよい。複数の封止区分は、第1、第2、第3、第4、第5、および第6の封止区分を含み得る。第1、第2、第3、第4、第5、および第6の封止区分の各々は、隣接する第2、第3、第4、第5、第6、および第1の封止区分と重なり合ってもよい。
【0007】
アクセスアセンブリは、上部および下部保持部材を含む、保持アセンブリをさらに含み得る。上部および下部保持部材のうちの少なくとも1つは、ガードアセンブリおよび封止アセンブリを互いに対して保持するために、ガードアセンブリおよび封止アセンブリを通して受容可能な複数のピンを含むことができる。センタリング機構は、ベローズを含んでもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
アクセスアセンブリであって、
上部、下部、および内部ハウジング区分を含み、空洞を画定する器具バルブハウジングと、
前記器具バルブハウジングの前記空洞内に配設されたバルブアセンブリであって、
複数のガード区分を含むガードアセンブリ、
前記ガードアセンブリに隣接して配設された封止アセンブリであって、前記封止アセンブリは、複数の封止区分を含み、前記複数の封止区分は、展開構成から折り畳み構成に移動可能であり、前記折り畳み構成において、前記封止アセンブリは外科用器具の封止された通過を容易にするための開口部を画定する六角形部材を形成する、封止アセンブリ、ならびに
前記封止アセンブリおよびガードアセンブリを前記器具バルブの前記空洞内で中心に維持するためのセンタリング機構を含む、バルブアセンブリと、を備える、アクセスアセンブリ。
(項目2)
前記封止アセンブリ内の前記開口部が、0.025インチ~0.100インチの直径を有する、上記項目に記載のアクセスアセンブリ。
(項目3)
前記封止アセンブリが、6つの封止区分を含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目4)
前記複数の封止区分が、ポリイソプレンまたはシリコーンエラストマで形成されている、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目5)
前記複数の封止区分の封止区分が、コネクタ部分によって、前記複数の封止区分の隣接する封止区分に接続されている、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目6)
前記コネクタ部分が、リビングヒンジを含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目7)
前記複数の封止区分の各封止区分が、翼形状を含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目8)
前記複数の封止区分の各封止区分の内縁部が、直線である、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目9)
前記複数の封止区分の各封止区分の内縁部が、V形状を画定する、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目10)
前記V形状が、180度~275度の角度を含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目11)
前記複数の封止区分の各封止区分の内縁部が、先細りである、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目12)
前記複数の封止区分が、第1、第2、第3、第4、第5、および第6の封止区分を含み、前記第1、第2、第3、第4、第5、および第6の封止区分の各々が、前記隣接する第2、第3、第4、第5、第6、および第1の封止区分と重なり合う、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目13)
上部および下部保持部材を含む保持アセンブリをさらに含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目14)
前記上部および下部保持部材のうちの少なくとも1つが、前記ガードアセンブリおよび封止アセンブリを互いに対して保持するために、前記ガードアセンブリおよび封止アセンブリを通して受容可能な複数のピンを含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目15)
前記センタリング機構が、ベローズを含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(摘要)
アクセスアセンブリは、器具バルブハウジングと、器具バルブハウジングの空洞内に配設されたバルブアセンブリと、を含む。バルブアセンブリは、ガードアセンブリと、ガードアセンブリに隣接して配設された封止アセンブリと、封止アセンブリならびにガードアセンブリを器具バルブの空洞内で中心に維持するためのセンタリング機構と、を含む。実施形態では、封止アセンブリは、展開構成から折り畳み構成に移動可能な複数の封止区分を含み、折り畳み構成において、封止アセンブリは、外科用器具の封止された通過を容易にするための開口部を画定する六角形部材を形成する。封止区分は、器具バルブハウジングを通して挿入された外科用器具と係合するための先細りの内縁部を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例証し、上述した開示の一般的な説明、および下記の実施形態の詳細な説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【
図1】本開示の実施形態によるアクセスアセンブリの側面斜視図である。
【
図2】切断線2-2に沿って切り取られた、
図1で示されるアクセスアセンブリの側面断面図である。
【
図3】センタリング機構、ガードアセンブリ、封止アセンブリ、および保持アセンブリを含む、バルブアセンブリの分解斜視図である。
【
図4】
図3に示される封止アセンブリの斜視図である。
【
図5】展開構成にある、
図3に示される封止アセンブリの斜視図である。
【
図6】一連の部分的に折り畳まれた状態にある、
図3に示される封止アセンブリの斜視図である。
【
図7】一連の部分的に折り畳まれた状態にある、
図3に示される封止アセンブリの斜視図である。
【
図8】一連の部分的に折り畳まれた状態にある、
図3に示される封止アセンブリの斜視図である。
【
図9】一連の部分的に折り畳まれた状態にある、
図3に示される封止アセンブリの斜視図である。
【
図10】一連の部分的に折り畳まれた状態にある、
図3に示される封止アセンブリの斜視図である。
【
図11】一連の部分的に折り畳まれた状態にある、
図3に示される封止アセンブリの斜視図である。
【
図12】
図3に示されるバルブアセンブリの上面斜視図である。
【
図13】
図3に示されるバルブアセンブリの底面斜視図である。
【
図14】初期または展開構成にある本開示の別の実施形態による、封止アセンブリの上面図である。
【
図15】
図14に示される封止アセンブリの区分の側面斜視図である。
【
図16】
図15に示される切断線16-16に沿って切り取られた
図14に示される封止アセンブリの区分の側面断面図である。
【
図17】折り畳み構成にある、
図14に示される封止アセンブリの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の特定の実施形態が、添付の図面を参照して以下に記載される。しかしながら、開示される実施態様は、本開示の単なる例示に過ぎず、様々な態様で具現化され得ることを理解されたい。周知の機能または構成は、本開示を不必要に詳細に記述して本開示が不明瞭になることを避けるために、詳細には記載されていない。それゆえに、本明細書で開示される特定の構造的および機能的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、かつ本開示を実質的に適切で詳細な任意の構造で様々に用いるために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。同様の参照番号は、図面の記載を通して類似または同一の要素を指す。
【0010】
本明細書で使用される「遠位」という用語は、ユーザからより遠い、器具のその部分またはその構成要素を指し、一方、「近位」という用語は、ユーザにより近い、器具のその部分またはその構成要素を指す。
【0011】
栓子を備えるアクセスアセンブリが、腹腔鏡手術などの低侵襲手術中に用いられ、気体を吹き込まれた、腹腔などの体腔への外科用器具の封止されたアクセスを提供する。本開示のアクセスアセンブリは、カニューレチューブに取り付けられた器具バルブハウジングを含み、バルブハウジングおよびカニューレを通して挿入された栓子(図示せず)を含む。栓子は、鈍い遠位端、またはブレード付きもしくはブレードのない穿孔遠位端を有することができ、アクセスアセンブリを腹部に導入できるように、腹壁を切開するために使用され得る。栓子のハンドルは、アクセスアセンブリの器具バルブハウジングと係合するか、選択的に器具バルブハウジングに係止することができる。
【0012】
アクセスアセンブリは、解剖学的構造、例えば腹壁を通る新しい通路を作ることによって、または解剖学的構造を通る既存の開口部を通過することによって、解剖学的構造を通って掘進するために用いられる。栓子を備えるトロカールアセンブリが解剖学的構造を通って掘進したら、栓子は取り外され、アクセスアセンブリを適所に残す。アクセスアセンブリの器具バルブハウジングは、体腔からの送気ガスの漏れを防止するバルブを含み、また体腔に外科用器具を挿入することも可能にする。
【0013】
様々な実施形態では、外科手技における組織面の分離、および分離中の体組織繊維の視覚化を可能にし、それにより体壁にわたる制御された横断を可能にするブレードレス光学トロカール栓子が提供され得る。他の実施形態では、トロカール栓子は、光学的である必要のない、例えば、栓子の遠位先端部を通して同時発生視覚化を提供する必要のない、ブレードレスであってもよい。ブレードレス栓子は、外科手技中に腹部内層の鈍的切開のために提供されてもよい。
【0014】
本開示のアクセスアセンブリとともに使用することに好適な様々なトロカール栓子が既知であり、例えば、ブレード付き、ブレードレス、とがっていない、光学、および非光学を含む。例示的なトロカール栓子および例示的なカニューレを含む、例示的なトロカールアセンブリの構造ならびに機能の詳細な説明については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、同一所有者のPCT公開第WO2016/186905号(「‘905公開物」)を参照されたい。
【0015】
ここでまず
図1を参照すると、本開示の態様によるアクセスアセンブリは、概してアクセスアセンブリ100として示される。アクセスアセンブリ100は、カニューレ102と、カニューレ102に固定された器具バルブハウジング110と、を含む。例示的なアクセスアセンブリの詳細な説明については、’905公開物を参照されたい。
【0016】
図2を参照すると、アクセスアセンブリ100の器具バルブハウジング110は、上部ハウジング区分112、下部ハウジング区分114、および内部ハウジング区分116を含む。上部、下部、および内部ハウジング区分112、114、116は、カニューレ102の近位端上のバルブアセンブリ120を支持するように構成される。より具体的には、内部ハウジング区分116は、上部ハウジング区分112と下部ハウジング区分114との間に固定され、バルブアセンブリ120は、内部ハウジング区分116と下部ハウジング区分114との間に受容される。器具バルブハウジング110の上部ハウジング区分112および下部ハウジング区分114は、内部ハウジング区分116に選択的に取り付け可能、および取り外し可能であってもよい。下部ハウジング区分114は、アクセスアセンブリ102のカニューレチューブ104(
図1)に解放可能または永久的に取り付けられ得る。実施形態では、器具バルブハウジング110の上部ハウジング区分112および下部ハウジング区分114のいずれかまたは両方は、節、刻み目、タブを含み得るか、または別様に臨床医による係合を容易にするように構成され得る。
【0017】
アクセスアセンブリ100はまた、アクセスアセンブリの安定化のための特徴を含み得る。例えば、カニューレチューブ104の遠位端は、内部から腹部と係合するバルーンアンカーまたは別の拡張可能部材を担持してもよい。例えば、全開示が参照により本明細書に組み込まれる、同一所有者の米国特許第7,300,448号を参照のこと。腹壁の反対側の機能は、接着タブや調整可能なフォームカラーなど、アクセスアセンブリをさらに安定させるために使用されてもよい。
【0018】
器具バルブハウジング110の上部、下部、および内部ハウジング区分112、114、116は、外科用器具(図示せず)を受容するための長手方向通路111を画定する。バルブアセンブリ120は、器具バルブハウジング110内に支持されて、アクセスアセンブリ100を通る外科用器具の封止された通路を提供する。
【0019】
特に
図2および3を参照すると、器具バルブハウジング110(
図2)内に支持されたバルブアセンブリ120は、センタリング機構130と、ガードアセンブリ140と、封止アセンブリ160と、保持アセンブリ180と、を含む。バルブアセンブリ120のセンタリング機構130は、外科用器具がバルブアセンブリ120を通して受容されるとき、器具バルブハウジング110に対するバルブアセンブリ120の半径方向移動を可能にし、外科用器具が器具バルブハウジング110内から引き出されると、バルブアセンブリ120をほぼ中心位置に戻す。ガードアセンブリ140は、封止アセンブリ160を通す外科用器具の挿入および引き抜き中に、封止アセンブリ160を保護する。封止アセンブリ160は、器具バルブハウジング110を通る外科用器具の封止された通路を提供する。保持アセンブリ180は、センタリング機構130と、ガードアセンブリ140と、封止アセンブリ160とを互いに整列した関係に維持する。
【0020】
引き続き
図2および3を参照すると、上述のように、バルブアセンブリ120のセンタリング機構130は、バルブアセンブリ120を器具バルブハウジング110(
図2)内の中心に維持するように構成される。実施形態では、示されるように、センタリング機構130は、外部環状リング132、内部環状リング134、および外部環状リング132と内部環状リング134との間に配設されたベローズ136を含む。
図2に示されるように、外部環状リング132は、内部ハウジング区分116と下部ハウジング区分114との間に受容されて、センタリング機構130を器具バルブハウジング110内に保持する。内部環状リング134は、封止アセンブリ160を支持する。例示的なセンタリング機構の構造および機能の詳細な説明については、その内容が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、同一所有者の米国特許第6,702,787号(「‘787特許」)を参照されたい。
【0021】
ベローズ136を有するセンタリング機構130を含んで示されるが、バルブアセンブリ120は、代替のセンタリング機構を含むことができる。例えば、センタリング機構は、その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、同一所有者の米国特許出願公開第2015/0025477号(「‘477公開物」)に記載されるように、環状基部および基部から延在する複数のスポークを含んでもよい。’477公開物に開示されるように、センタリング機構は、複数の組のスポークを含んでもよいことが想定される。
【0022】
さらに
図2および3を参照すると、バルブアセンブリ120のガードアセンブリ140は、リング部分142および、第1、第2、第3、および第4のペタル144、146、148、150を含む。ガードアセンブリ140は、リング部分142およびペタル144、146、148、150を形成するツールで打ち抜くことにより、プラスチック/ポリマー材料のシートから形成され得る。代替的に、ガードアセンブリ140は、成形または他の技術によって形成されてもよい。ガードアセンブリは、任意の数のペタルを含むことができ、ペタルは、任意のサイズまたは構成のフラップ部分を含むことができることが想定される。例えば、例示的なガードアセンブリならびにアクセスアセンブリの他の態様について、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,895,377号および同第6,569,120号(「’377および’120特許」)、ならびにPCT公開第WO91/12838号を参照されたい。例示的なガードアセンブリの構造および機能の詳細な説明について、その内容が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、同一所有者の米国特許出願第##/###,####号(代理人整理番号C00019509(203-12169))、同第16/238,823号(代理人整理番号A0000135US01(203-12267))、および同第##/###,####号(代理人整理番号C00017498US01(203-12319))を参照されたい。
【0023】
ここで特に
図4~11を参照すると、バルブアセンブリ120の封止アセンブリ160は、器具バルブハウジング110(
図2)を通過する外科用器具(図示せず)の外側表面の周りに封止を提供するように構成される。
【0024】
封止アセンブリ160は、第1のまたは展開構成(
図5)から折り畳み構成(
図4)に移動可能な、第1、第2、第3、第4、第5、および第6のペタルまたは区分162、164、166、168、170、172を含む。折り畳み構成では、封止アセンブリ160は、封止アセンブリ160の第1、第2、第3、第4、第5、および第6の区分162、164、166、168、170、172が、封止アセンブリ160を通る外科用器具(図示せず)の封止された通過を容易にするために、それらの間の開口部161を画定する状態で、実質的に平面の六角形部材を形成する。実施形態では、開口部161は、直径0.025インチ~0.100インチである。単一の封止部材を通る連続した固体開口部の代わりに、封止アセンブリ160の第1、第2、第3、第4、第5、および第6の区分162、164、166、168、170、172から開口部161を形成することにより、挿入、取り外し、およびそこを通る外科用器具の使用中に封止アセンブリ160が裂ける可能性が大幅に低減される。6つの区分を含んで示されているが、封止アセンブリ160は、わずか4つの区分から8つもの区分を含み得ることが想定される。
【0025】
封止アセンブリ160の第1、第2、第3、第4、第5、および第6の区分162、164、166、168、170、172は、弾性材料、例えば、ゴム、ポリイソプレン、またはシリコーンエラストマで形成される。実施形態では、第1、第2、第3、第4、第5、および第6の区分162、164、166、168、170、172は、1つ以上の布地層を含み得る。
【0026】
特に
図5を参照すると、封止アセンブリ160の第1および第2の区分162、164、第2および第3の区分164、166、第3および第4の区分166、168、第4および第5の区分168、170、および第5および第6の区分170、172は、それぞれコネクタ部分162a、164a、166a、168a、170aによって互いに接続される。実施形態では、コネクタ部分162a、164a、166a、168a、170aは、リビングヒンジを含むか、または別様に区分の折り畳みを容易にするように形成される。
【0027】
封止アセンブリ160のそれぞれ第1、第2、第3、第4、第5、および第6の区分162、164、166、168、170、172の内縁部162b、164b、166b、168b、170b、172bは、直線(
図14)、またはV形状(
図5)を画定し得る。実施形態では、V形状は、180度(180°)~275度(275°)の角度を画定する。内縁部162b、164b、166b、168b、170bのV形状は、封止アセンブリ160を通る外科用器具(図示せず)の受容を容易にする。
【0028】
封止アセンブリ160の第1、第2、第3、第4、第5、および第6の区分162、164、166、168、170、172の各々は、翼形状の本体を含み、封止アセンブリ160が折り畳み構成にあるとき、それぞれの接続された第2、第3、第4、第5、および第6の区分164、166、168、170、172に部分的に重なり合うように構成される。第1、第2、第3、第4、第5、および第6の区分162、164、166、168、170、172はまた、それぞれの隣接する第3、第4、第5、第6、第1、ならびに第2の区分166、168、170、172、162、164、およびそれぞれの隣接する第6、第1、第2、第3、第4、ならびに第5の区分172、162、164、166、168と部分的に重なるように構成される。例えば、第1の区分162は、接続された第2の区分164、ならびに隣接する第3および第6の区分166、172と重なり合う。この様式で、第1、第2、第3、第4、第5、および第6の区分162、164、166、168、170、172の各々の一部は、3つの区分と重なり合う。
【0029】
第1、第2、第3、第4、第5、および第6の区分162、164、166、168、170、172の各々は、各区分162、164、166、168、170、172の外周に沿って複数の開口部163、165、167、169、171、173を画定する。実施形態では、示されるように、複数の開口部163、165、167、169、171、173は、各複数の開口部163、165、167、169、171、173の最初と最後の2つの開口部が、隣接する区分の最後と最初の2つの開口部と整列するように配置される。例えば、上記のように、第1の区分162は、接続された第2の区分164、および隣接する第3ならびに第6の区分166、177と重なり合う。この様式で、複数の開口部163の最初の2つの開口部163aは、第3の区分166内の複数の開口部167の最後の2つの開口部167bと整列し、および第1の区分162内の複数の開口部163の第2の2つの開口部163bは、封止アセンブリ160が折り畳み構成内にあるとき、第6の区分の複数の開口部173の最初の2つの開口部173と整列する。
【0030】
複数の開口部163、165、167、169、171、173は、保持アセンブリ180のピン186(
図3)を受容して、封止アセンブリ160を折り畳まれた状態に維持し、かつ封止アセンブリ160をガードアセンブリ140とセンタリング機構130に対して固定するように構成される。
【0031】
ここで封止アセンブリ160を折り畳む方法が、
図6~11を参照して説明される。最初に
図6を参照すると、封止アセンブリ160の第1の区分162は、矢印「A」によって示されるように、第1の区分162と第2の区分164との間のヒンジ部分162aで第2の区分164に対して折り畳まれ、そのためヒンジ部分162aに隣接する第1の区分162の部分は、ヒンジ部分162aに隣接する封止アセンブリ160の第2の区分164の部分と整列する。この様式で、ヒンジ部分162aに隣接する第1の区分162の部分の複数の開口部163は、ヒンジ部分162aに隣接する封止アセンブリ260の第2の区分164の重なり合う部分内の複数の開口部165と整列する。
【0032】
図7を参照すると、封止アセンブリ160の第2の区分164は、矢印「B」で示されるように、第2の区分164と第3の区分166との間のヒンジ部分164aで第3の区分166に対して折り畳まれ、そのためヒンジ部分164aに隣接する第2の区分164の部分は、ヒンジ部分164aに隣接する封止アセンブリ160の第3の区分166の部分の長さと重なり合う。この様式で、ヒンジ部164aに隣接する第2の区分164の部分内の複数の開口部165は、ヒンジ部164aに隣接する封止アセンブリ160の第3の区分166の重なり合う部分内の複数の開口部167と整列する。
【0033】
図8を参照すると、封止アセンブリ160の第3の区分166は、矢印「C」によって示されるように、第3の区分166と第4の区分168との間のヒンジ部分166aで、封止アセンブリ160の第4の区分168に対して折り畳まれ、そのため、ヒンジ部分166aに隣接する第3の区分166の部分が、ヒンジ部分166aに隣接する封止アセンブリ260の第4の区分168の部分と重なり合う。この様式で、ヒンジ部分166aに隣接する第3の区分166の部分内の複数の開口部167は、ヒンジ部分166aに隣接する封止アセンブリ160の第4の区分168の重なり合う部分内の複数の開口部169と整列する。
【0034】
図9を参照すると、封止アセンブリ160の第4の区分168は、矢印「D」によって示されるように、第4の区分168と第5の区分170との間のヒンジ部分168aで封止アセンブリ160の第5の区分170に対して折り畳まれ、そのためヒンジ部分168aに隣接する第4の区分168の部分が、ヒンジ部分168aに隣接する封止アセンブリ160の第5の区分170の部分と重なり合う。この様式で、ヒンジ部分168aに隣接する第4の区分168の部分内の複数の開口部169は、ヒンジ部分168aに隣接する第5の区分170の重なり合う部分内の複数の開口部171と整列する。
【0035】
図10を参照すると、封止アセンブリ160の第5の区分170は、矢印「E」によって示されるように、第5の区分170と第6の区分172との間のヒンジ部分170aで第6の区分172に対して折り畳まれ、そのためヒンジ部分170aに隣接する第5の区分170の部分は、ヒンジ部分170aに隣接する封止アセンブリ260の第6の区分172の部分と重なり合う。この様式で、ヒンジ部分170aに隣接する第5の区分170の部分内の複数の開口部171は、ヒンジ部分170aに隣接する封止アセンブリ160の第6の区分170の重なり合う部分内の複数の開口部173と整列する。
【0036】
実施形態では、封止アセンブリ160の第6の区分172の部分は、封止アセンブリ160の第1の区分162の下に挿入されて、第1および第6の区分162、172を混ぜ合わせる。この混ぜ合わせにより、封止アセンブリ160の一体性が向上する。
【0037】
図2および3を再び参照すると、バルブアセンブリ120の保持アセンブリ180は、封止アセンブリ160に対してガードアセンブリ140を固定し、ガードおよび封止アセンブリ140、160をセンタリング機構130に固定するように構成される。保持アセンブリ180は、上部保持部材182と、下部保持部材184と、を含む。
【0038】
上記のように、上部保持部材182は、複数のピン186を含む。複数のピン186は、上部保持部材182の底面から延在する。複数のピン186の各ピンは、下部保持部材184の複数の開口部185(
図3)の開口部内に係止可能に受容されるように構成される。実施形態では、複数のピン186は、下部保持部材184内の複数の開口部185内に溶接、糊付け、接着、接合、または別様に固定されて、上部保持部材182と下部保持部材184を共に固定する。代替的に、下部保持部材184は、代わりに、または付加的に、上部保持部材182が、複数の対応する開口部(図示せず)を画定する状態で、複数のピン(図示せず)を含んでもよい。上部および下部保持部材182、184のいずれかまたは両方は、複数のピンと係合し、上部保持部材182を下部保持部材184に固定するための係止機能(図示せず)を含んでもよい。
【0039】
特に
図2を参照すると、上部保持部材182の複数のピン186は、ガードアセンブリ140のリング部分142、封止アセンブリ160、センタリング機構130の内部環状リング134を通って、下部保持部材184の開口部185に延在する。
【0040】
アクセスアセンブリ100を利用する外科手技中、外科用器具(図示せず)は、上部、下部、および内部ハウジング区分112、114、116内の長手方向通路111を通って器具バルブハウジング110に導入される。‘377および‘120特許内に記載されるように、外科用器具の遠位端は、ガードアセンブリ140のペタル144、146、148、150(
図3)と係合し、それぞれのペタル144、146、148、150を封止アセンブリ160と接触するように下方に屈曲させて、封止アセンブリ162の中央開口部163を開かせ、封止アセンブリを通る外科用器具の通過に対応する。ガードアセンブリ130は、バルブアセンブリ120を通る器具の挿入中の封止アセンブリ160への損傷を最小限に抑える。ガードアセンブリ130は、外科用器具が封止アセンブリ160を介して受容され、およびそこから引き出される際、封止アセンブリ160の封止162を引き裂きまたは他の損傷から保護するように動作する。上述のように、封止アセンブリ160のマルチペタル構成は、それを通る外科用器具の挿入および/または除去中に封止アセンブリ160が引き裂かれる可能性を低減する。
【0041】
ここで
図14~17を参照すると、本開示の別の実施形態による封止アセンブリは、概して封止アセンブリ260として示される。封止アセンブリ260は、上述の封止アセンブリ160(
図4~11)と実質的に同様であり、それらの間の違いに関してのみ詳細に説明する。
【0042】
封止アセンブリ260は、器具バルブハウジング110(
図2)を通過する外科用器具(図示せず)の外側表面の周囲に封止を提供するように構成される。封止アセンブリ260は、第1のまたは展開構成(
図14)から折り畳み構成(
図17)に折り畳み可能な、第1、第2、第3、第4、第5、および第6のペタルまたは区分262、264、266、268、270、272を含む。折り畳み構成では、封止アセンブリ260は、封止アセンブリ260の第1、第2、第3、第4、第5、および第6の区分262、264、266、268、270、272が、封止アセンブリ260を通る外科用器具(図示せず)の封止された通過を容易にするために、それらの間の開口部261を画定する状態で、実質的に平面の六角形部材を形成する。
【0043】
封止アセンブリ160のそれぞれ第1、第2、第3、第4、第5、および第6の区分262、264、266、268、270、272の内縁部262b、264b、266b、268b、270b、272bは、先細りになる。第1、第3、および第5の区分262、266、270それぞれの先細りの内縁部262b、266b、270bは、それぞれ第1、第3、および第5の区分262、266、270区分の第1の表面262’、266’、270’(
図17)上に配設され、第2、第4、および第6の区分264、268、274それぞれの先細りの内縁部264b、268b、272bは、それぞれ第1、第3、および第5区分262、266、270区分の第2の表面264”、268”、272”上に配設される。それぞれの第1、第2、第3、第4、第5、および第6の区分262、264、266、268、270、272の先細りの内縁部262b、264b、266b、268b、270b、272bは、封止アセンブリ260内の開口部261を通る外科用器具の封止された受容を容易にする。
【0044】
封止アセンブリ260は、封止アセンブリ160(上記図と同様の方法で器具バルブハウジング110(
図2)内に固定される。封止アセンブリ260は、封止アセンブリ160と同様の方法で動作する。
【0045】
本開示の様々な実施形態が本明細書に示され、かつ説明されたが、これらの実施形態が、例としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。多数の変形、変更、および置換が、ここで本開示から逸脱することなく、当業者に思い浮かぶであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲によってのみ限定されることが意図される。