(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】情報提供装置および情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20241031BHJP
【FI】
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2020045588
(22)【出願日】2020-03-16
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000150615
【氏名又は名称】株式会社長谷工コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100163511
【氏名又は名称】辻 啓太
(72)【発明者】
【氏名】早川 広人
(72)【発明者】
【氏名】脇坂 晴麗野
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-010270(JP,A)
【文献】特開2017-091003(JP,A)
【文献】特許第6351779(JP,B1)
【文献】特開2014-134966(JP,A)
【文献】特開2004-199126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの属性情報を取得する取得部と、
予め記憶された、物件の契約者の属性情報と、前記物件に関する情報とを含む契約者情報に基づき、前記取得部が取得した前記ユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件に関する情報を分析し、前記分析の結果を前記ユーザに提示する制御部と、を備え、
前記分析の結果には、前記契約物件の価格の統計値、前記契約物件の面積の統計値、および、前記契約物件の所在エリアの傾向の少なくとも1つが含まれ、
前記制御部は、取引対象物件の中から、前記分析の結果に含まれる、前記契約物件の価格の統計値、前記契約物件の面積の統計値および前記契約物件の所在エリアの傾向に基づき、前記ユーザに推奨する推奨物件を選択し、前記選択した推奨物件に関する推奨物件情報をさらに前記ユーザに提示する情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記属性情報には、前記ユーザの自宅および前記ユーザが属する世帯の世帯主の勤務先の少なくとも一方の最寄駅が含まれ、
前記制御部は、前記最寄駅の近郊のエリアである近郊エリア内の物件、および、前記近郊エリア外であって、前記分析の結果から前記ユーザに推奨される物件を、前記推奨物件として推奨する、情報提供装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報提供装置において、
前記制御部は、前記ユーザが前記推奨物件の見学を希望する日時が入力されると、前記日時を前記推奨物件の管理者に通知する、情報提供装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報提供装置において、
前記取得部は、前記ユーザのユーザ端末から送信されてきた前記属性情報を取得し、
前記制御部は、前記分析の結果を、前記ユーザ端末が備える表示部に表示させる、情報提供装置。
【請求項5】
情報提供装置による情報提供方法であって、
ユーザの属性情報を取得し、
予め記憶された、物件の契約者の属性情報と、前記物件に関する情報とを含む契約者情報に基づき、前記取得したユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件に関する情報を分析し、前記分析の結果を前記ユーザに提示し、
前記分析の結果には、前記契約物件の価格の統計値、前記契約物件の面積の統計値、および、前記契約物件の所在エリアの傾向の少なくとも1つが含まれ、
取引対象物件の中から、前記分析の結果に含まれる、前記契約物件の価格の統計値、前記契約物件の面積の統計値および前記契約物件の所在エリアの傾向に基づき、前記ユーザに推奨する推奨物件を選択し、前記選択した推奨物件に関する推奨物件情報をさらに前記ユーザに提示する、情報提供方法。
【請求項6】
ユーザの属性情報を取得する取得部と、
予め記憶された、物件の契約者の属性情報と、前記物件に関する情報とを含む契約者情報に基づき、前記取得部が取得した前記ユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件に関する情報を分析し、前記分析の結果を前記ユーザに提示する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ユーザの属性情報および前記分析の結果に応じて推奨する物件である推奨物件に関する推奨物件情報をさらに前記ユーザに提示し、
前記属性情報には、前記ユーザの自宅および前記ユーザが属する世帯の世帯主の勤務先の少なくとも一方の最寄駅が含まれ、
前記制御部は、前記最寄駅の近郊のエリアである近郊エリア内の物件、および、前記近郊エリア外であって、前記分析の結果から前記ユーザに推奨される物件を、前記推奨物件として推奨する、情報提供装置。
【請求項7】
情報提供装置による情報提供方法であって、
ユーザの属性情報を取得し、
予め記憶された、物件の契約者の属性情報と、前記物件に関する情報とを含む契約者情報に基づき、前
記取得した前記ユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件に関する情報を分析し、前記分析の結果を前記ユーザに提示し、
前記ユーザの属性情報および前記分析の結果に応じて推奨する物件である推奨物件に関する推奨物件情報をさらに前記ユーザに提示し、
前記属性情報には、前記ユーザの自宅および前記ユーザが属する世帯の世帯主の勤務先の少なくとも一方の最寄駅が含まれ、
前記最寄駅の近郊のエリアである近郊エリア内の物件、および、前記近郊エリア外であって、前記分析の結果から前記ユーザに推奨される物件を、前記推奨物件として推奨する、情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置および情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マンション、戸建て住宅などの不動産(以下、「物件」という。)の賃貸・購入を希望するユーザが所望の物件を探す場合、ユーザは、物件情報の検索サイトにアクセスして物件情報を検索するのが一般的である。この場合、ユーザは、希望の価格、面積、間取りおよびエリアなどの検索条件を入力し、入力した検索条件により検索された物件情報を閲覧する。
【0003】
上述した検索条件の入力に際し、特に、物件を探し始めたようなユーザは、自身に適した物件の検索条件を具体的に想定することが難しい。
【0004】
特許文献1には、ユーザの世帯に適した検索条件を決定する技術が開示されている。この技術では、ユーザが現在居住する住宅に、居住者の日常生活に関する活動内容を検出するための各種センサが設けられ、各種センサの検出結果に基づき分析されたユーザの価値観に基づき、ユーザの世帯に適した検索条件が決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されている技術では、居住者の住宅に各種センサを設け、長期間に亘る各種センサの検出結果からユーザの価値観を分析するため、手間およびコストがかかり、検索条件の決定における簡便性に欠けるという問題がある。
【0007】
上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、より簡易にユーザに適した物件の検索条件の決定が可能な情報提供装置および情報提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る情報提供装置は、ユーザの属性情報を取得する取得部と、予め記憶された、物件の契約者の属性情報と、前記物件に関する情報とを含む契約者情報に基づき、前記取得部が取得した前記ユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件に関する情報を分析し、前記分析の結果を前記ユーザに提示する制御部と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る情報提供装置において、前記分析の結果には、前記契約物件の価格の統計値、前記契約物件の面積の統計値、および、前記契約物件の所在エリアの傾向の少なくとも1つが含まれてよい。
【0010】
本発明の一態様に係る情報提供装置において、前記制御部は、前記ユーザの属性情報および前記分析の結果に応じて推奨する物件である推奨物件に関する推奨物件情報をさらに前記ユーザに提示してよい。
【0011】
本発明の一態様に係る情報提供装置において、前記属性情報には、前記ユーザの自宅および前記ユーザが属する世帯の世帯主の勤務先の少なくとも一方の最寄駅が含まれ、前記制御部は、前記最寄駅の近郊のエリアである近郊エリア内の物件、および、前記近郊エリア外であって、前記分析の結果から前記ユーザに推奨される物件を、前記推奨物件として推奨してよい。
【0012】
本発明の一態様に係る情報提供装置において、前記制御部は、前記ユーザが前記推奨物件の見学を希望する日時が入力されると、前記日時を前記推奨物件の管理者に通知してよい。
【0013】
本発明の一態様に係る情報提供装置において、前記取得部は、前記ユーザのユーザ端末から送信されてきた前記属性情報を取得し、前記制御部は、前記分析の結果を、前記ユーザ端末が備える表示部に表示させてよい。
【0014】
本発明の一態様に係る情報提供方法は、情報提供装置による情報提供方法であって、ユーザの属性情報を取得し、予め記憶された、物件の契約者の属性情報と、前記物件に関する情報とを含む契約者情報に基づき、前記取得したユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件に関する情報を分析し、前記分析の結果を前記ユーザに提示する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、より簡易にユーザに適した物件の検索条件の決定が可能な情報提供装置および情報提供方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報提供装置を含む情報提供システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図1に示す情報提供装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図1に示す情報提供装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図1に示すユーザ端末の表示部に表示される属性情報入力画面の一例を示す図である。
【
図5】
図1に示すユーザ端末の表示部に表示される分析結果提示画面の一例を示す図である。
【
図6】
図1に示すユーザ端末の表示部に表示される推奨物件提示画面の一例を示す図である。
【
図7】
図1に示すユーザ端末の表示部に表示される見学予約入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して例示説明する。なお、各図中、同一符号は、同一または同等の構成要素を示している。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報提供装置10を含む情報提供システム1の構成例を示す図である。
【0019】
図1に示す情報提供システム1は、ユーザ端末2と、契約者情報DB3と、物件情報DB4と、情報提供装置10とを備える。ユーザ端末2と、情報提供装置10とは、ネットワーク5を介して通信可能である。ネットワーク5は、インターネット、携帯電話網などの、有線通信および/または無線通信による通信が可能な種々のネットワークである。
【0020】
ユーザ端末2は、例えば、物件の賃貸・購入などのために物件情報の検索を行うユーザにより使用される端末である。ユーザ端末2は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末あるいはパーソナルコンピュータなどである。ユーザ端末2は、種々の画面を表示可能な表示部2aおよびユーザからの操作入力を受け付ける入力部2bを備える。入力部2bは、例えば、表示部2a上に配置されたタッチセンサである。この場合、表示部2aおよび入力部2bは一体的に形成され、いわゆるタッチパネルを構成する。また、ユーザ端末2は、ネットワーク5を介して情報提供装置10と通信する通信モジュールを備える。
【0021】
ユーザ端末2は、ユーザの属性情報の入力を受け付け、入力された属性情報を、ネットワーク5を介して情報提供装置10に送信する。ユーザの属性情報には、例えば、ユーザが同居する家族の構成、ユーザが属する世帯の世帯主の年齢、自宅および世帯主の勤務地の少なくとも一方の最寄駅、世帯年収および現在の居住形態などの情報が含まれる。
【0022】
契約者情報DB3は、物件の賃貸・購入の契約をした過去の契約者の属性情報と、当該契約者が契約した物件(契約物件)に関する情報とを含む契約者情報を記憶する。契約者の属性情報には、例えば、契約者の家族構成、契約者の年齢、契約前の自宅・勤務地の最寄駅および世帯年収などの情報が含まれる。また、契約物件に関する情報には、例えば、契約物件の価格、契約物件の面積および契約物件の所在エリアなどの情報が含まれる。契約者情報DB3には、例えば、物件の契約が成立するごとに、契約物件の管理者などにより、契約者情報が追加されてよい。また、例えば、契約者情報DB3には、一定期間ごとに、その期間に成立した契約についての契約者情報が追加されてよい。
【0023】
物件情報DB4は、賃貸・売買の対象の物件である取引対象物件に関する情報を記憶する。取引対象物件に関する情報には、例えば、取引対象物件の価格、取引対象物件の面積、取引対象物件の所在エリア、および、取引対象物件の管理者の連絡先などの情報が含まれる。
【0024】
情報提供装置10は、例えば、サーバ装置である。情報提供装置10は、ユーザ端末2から送信されてきたユーザの属性情報を取得する。情報提供装置10は、取得したユーザの属性情報に基づき、契約者情報DB3に記憶されている契約者情報を分析し、分析の結果をユーザ端末2に送信する。
【0025】
次に、情報提供装置10の構成について説明する。
【0026】
図2は、本実施形態に係る情報提供装置10の構成例を示す図である。
【0027】
図2に示す情報提供装置10は、通信部11と、制御部12とを備える。通信部11は、取得部の一例である。
【0028】
通信部11は、ネットワーク5を介した通信が可能な通信モジュールを含む。通信部11は、当該通信モジュールを介して、ユーザ端末2と通信する。通信部11は、ユーザ端末2からネットワーク5を介して送信されてきた、ユーザの属性情報を受信(取得)する。通信部11は、取得したユーザの属性情報を制御部12に出力する。また、通信部11は、制御部12の制御に従い、ユーザの属性情報に基づき契約者情報DB3に記憶されている契約者情報を分析した結果をユーザ端末2に送信する。
【0029】
制御部12は、1つ以上のプロセッサである。プロセッサとしては、CPU(Central Processing Unit)などの汎用プロセッサまたは特定の処理に特化した専用プロセッサを使用することができる。制御部12は、1つ以上の専用回路が含まれてよい。専用回路としては、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)を使用することができる。制御部12は、情報提供装置10全体の動作を制御する。
【0030】
制御部12は、通信部11からユーザの属性情報が入力されると、契約者情報DB3を参照し、ユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者の契約者情報を取得する。ユーザの属性情報と契約者の属性情報とが類似するとは、例えば、属性情報に含まれる複数の項目のうち、所定数の項目が一致する場合、あるいは、ユーザの属性情報と契約者の属性情報とで、対応する項目の値の差が所定値未満である場合などであるが、これらの場合に限られない。
【0031】
制御部12は、取得した契約者の契約者情報を統計的に分析する。制御部12は、契約者情報の分析により、例えば、ユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件の価格(賃料あるいは購入価格)の統計値(例えば、中央値)、契約物件の面積の統計値(例えば、中央値)、および、契約物件の所在エリアの傾向を求める。制御部12は、契約者情報の分析の結果を、通信部11にネットワーク5を介してユーザ端末2へ送信させる。ユーザ端末2に送信された分析結果は、ユーザ端末2の表示部2aに表示されるなどして、ユーザに提示される。
【0032】
ユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件の価格の統計値、契約物件の面積の統計値、および、契約物件の所在エリアの傾向などの情報は、ユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者がどのような物件を賃貸・購入したかの目安をユーザに提供する情報であり、ユーザに適した物件の検索条件にも合致する可能性が高い情報である。したがって、ユーザは、制御部12により提示された分析の結果を参考にすることで、ユーザに適した物件の検索条件を決定することができる。さらに、本実施形態においては、ユーザは属性情報を入力するだけでよいので、より簡易にユーザに適した物件の検索条件を決定することが可能である。
【0033】
制御部12は、ユーザの属性情報および上述した分析の結果に応じて、物件情報DB4に物件情報が記憶されている取引対象物件の中から、ユーザに推奨する物件である推奨物件を選択し、選択した推奨物件に関する推奨物件情報を、分析の結果とともに、通信部11にネットワーク5を介してユーザ端末2へ送信させてよい。すなわち、制御部12は、ユーザの属性情報および上述した分析の結果に応じて推奨する物件である推奨物件に関する推奨物件情報をさらにユーザに提示してよい。
【0034】
制御部12は、例えば、ユーザの自宅あるいはユーザが属する世帯の世帯主の勤務地の最寄駅の近郊のエリアである近郊エリア内の物件であって、ユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件の価格あるいは面積と同程度の価格あるいは面積の物件を推奨物件として推奨してよい。このような推奨物件情報を提供することで、入力された最寄駅の近郊エリアにおける、ユーザと家族構成および年収などが似た契約者が契約した契約物件と同程度の価格あるいは面積の物件を、ユーザに推奨することができる。
【0035】
また、制御部12は、近郊エリア外の物件であって、上述した分析の結果からユーザに推奨される物件を推奨物件として推奨してもよい。例えば、制御部12は、近郊エリア外であって、ユーザと家族構成および年収などが似ている契約者が契約した契約物件が多く所在するエリア内の物件のうち、契約者が契約した契約物件の価格あるいは面積と同程度の価格あるいは面積の物件を推奨物件として推奨してよい。小さな子供のいる世帯にとって利便性の高い地域、あるいは、高齢者にとって利便性の高い地域など、地域によって、特定の属性のユーザに適した特性を有することがある。このような地域の特性を、例えば、慣れない場所で物件を探し始めたユーザが把握するのは難しい。そこで、上述したような、ユーザの近郊エリアに関わらず、ユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件の所在エリアの傾向に基づいて推奨物件を選択することで、ユーザに適した地域の特性を考慮して、推奨物件を選択することができる。
【0036】
なお、多くの推奨物件に関する情報をユーザに提示すると、ユーザに適した情報の取捨選択が困難になる。そのため、制御部12は、推奨物件として推奨する物件の数を、所定数(例えば、3件)に制限してよい。
【0037】
図3は、本実施形態に係る情報提供装置10の動作の一例を示すフローチャートであり、情報提供装置10による情報提供方法について説明するための図である。
【0038】
情報提供装置10は、ユーザの属性情報を取得する(ステップS11)。ユーザの属性情報の取得に際し、例えば、ユーザに適した物件の検索条件の診断要求がユーザ端末2から送信される。診断要求を受信すると、制御部12は、
図4に示す、ユーザの属性情報を入力するための属性情報入力画面20の画面情報をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2に送信された画面情報に基づき、属性情報入力画面20がユーザ端末2の表示部2aに表示される。
【0039】
図4に示すように、属性情報入力画面20には、例えば、ユーザが同居予定の家族構成を入力するための家族構成入力領域21が含まれる。また、属性情報入力画面20には、例えば、ユーザが属する世帯の世帯主の年齢を入力するための年齢入力領域22が含まれる。また、属性情報入力画面20には、例えば、ユーザの自宅およびユーザが属する世帯の世帯主の勤務先の少なくとも一方の最寄駅を入力するための最寄駅入力領域23が含まれる。また、属性情報入力画面20には、例えば、ユーザが属する世帯の世帯年収を入力するための年収入力領域24が含まれる。また、属性情報入力画面20には、例えば、ユーザの現在の居住形態を入力するための居住形態入力領域25が含まれる。
【0040】
属性情報入力画面20の表示に応じて、ユーザの属性情報が入力されると、ユーザ端末2は、入力された属性情報を情報提供装置10に送信する。情報提供装置10に送信された属性情報は、通信部11で受信される(取得される)。
【0041】
図3を再び参照すると、制御部12は、契約者情報DB3に予め記憶された契約者情報から、取得したユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者の契約者情報を取得する(ステップS12)。
【0042】
制御部12は、取得した契約者情報を分析し、分析の結果をユーザ端末2に送信してユーザに提示する(ステップS13)。すなわち、本実施形態に係る情報提供装置10による情報提供方法は、ユーザの属性情報を取得するステップ(ステップS11)と、予め記憶された契約者情報に基づき、取得したユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件に関する情報を分析し、分析の結果をユーザに提示するステップ(ステップS12およびステップS13)と、を含む。
【0043】
制御部12は、ユーザの属性情報および契約者情報DB3に記憶された契約者情報に応じた分析を行うと、例えば、
図5に示す、分析の結果を提示するための分析結果提示画面30の画面情報をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2に送信された画面情報に基づき、分析結果提示画面30がユーザ端末2の表示部2aに表示される。
【0044】
図5に示すように、分析結果提示画面30には、例えば、ユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件の価格および面積を統計的に分析した結果を示す価格面積提示領域31が含まれる。価格面積提示領域31には、例えば、ユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件の価格および面積の中央値が含まれてよい。また、分析結果提示画面30には、例えば、ユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件の所在エリアの傾向を示すエリア傾向提示領域32が含まれる。
【0045】
上述したように、制御部12は、分析の結果とともに、ユーザに推奨する推奨物件に関する情報を提示してよい。
図6は、推奨物件に関する情報を提示するための推奨物件提示画面40の一例を示す図である。
【0046】
図6に示すように、推奨物件提示画面40には、例えば、推奨物件の価格帯、間取りおよび面積などの情報を示す推奨物件提示領域41が含まれる。また、推奨物件提示画面40には、例えば、検索条件の再診断を要求する操作入力を受け付けるための再診断要求ボタン42が含まれる。再診断要求ボタン42の押下に対応する操作が行われると、例えば、
図4を参照して説明した属性情報入力画面20が再びユーザ端末2の表示部2aに表示される。また、推奨物件提示画面40には、推奨物件提示領域41に表示される推奨物件の見学予約を受け付けるための見学予約要求ボタン43が含まれる。見学予約要求ボタン43の押下に対応する操作が行われると、
図7に示す、見学予約を希望する日時を入力するための見学予約入力画面50が表示される。
【0047】
図7に示すように、見学予約入力画面50には、例えば、ユーザが推奨物件の見学を希望する日付を入力するため日付入力領域51が含まれる。また、見学予約入力画面50には、例えば、ユーザが推奨物件の見学を希望する時間を入力するための時間入力領域52が含まれる。日付入力領域51および時間入力領域52それぞれに入力が行われ、入力が完了したことを示す操作が行われると、入力された日時が情報提供装置10に送信される。
【0048】
制御部12は、ユーザが推奨物件の見学を希望する日時がユーザ端末2から送信されてくると、その推奨物件の管理者に、ユーザが見学を希望する日時を通知する。推奨物件の管理者の連絡先は、例えば、上述したように、物件情報DB4に記憶されている物件情報に含まれている。したがって、制御部12は、ユーザが見学を要求する推奨物件の物件情報を参照し、その物件情報に含まれる推奨物件の管理者の連絡先に、ユーザが見学を予約する日時を通知することができる。
【0049】
本実施形態においては、情報提供装置10は、ネットワーク5を介してユーザ端末2と通信可能なサーバ装置であり、ユーザ端末2に入力されたユーザの属性情報を取得する例を用いて説明したが、これに限られるものではない。情報提供装置10は、例えば、不動産を取り扱う店舗などに設置され、ユーザなどが操作可能な端末であってもよい。この場合、情報提供装置10は、ユーザの属性情報の入力を受け付け、入力された属性情報と、契約者情報とに応じた分析の結果を、情報提供装置10が備える、あるいは、情報提供装置10と接続された表示装置に表示するなどして提示してよい。
【0050】
このように本実施形態においては、情報提供装置10は、ユーザの属性情報を取得する取得部としての通信部11と、予め記憶された契約者情報に基づき、取得したユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件に関する情報を分析し、分析の結果をユーザに提示する制御部12と、を備える。
【0051】
ユーザの属性情報と属性情報が一致または類似する契約者が契約した契約物件に関する情報の分析により、その契約者がどのような物件を賃貸・購入したかの目安となる情報をユーザに提示することができる。このような情報は、ユーザに適した物件の条件にも合致する可能性が高い情報であり、ユーザに適した物件の検索条件の決定に有益な情報である。したがって、ユーザが属性情報を入力するだけで物件の検索条件の決定に有益な情報が提示されるので、より簡易にユーザに適した物件の検索条件を決定することが可能となる。
【0052】
本発明に係る情報提供装置10および情報提供方法は、上述した実施形態に示す具体的な構成に限られず、特許請求の範囲を逸脱しない限り、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 情報提供システム
2 ユーザ端末
2a 表示部
2b 入力部
3 契約者情報DB
4 物件情報DB
5 ネットワーク
10 情報提供装置
11 通信部
12 制御部
20 属性情報入力画面
21 家族構成入力領域
22 年齢入力領域
23 最寄駅入力領域
24 年収入力領域
25 居住形態入力領域
30 分析結果提示画面
31 価格面積提示領域
32 エリア傾向提示領域
40 推奨物件提示画面
41 推奨物件提示領域
42 再診断要求ボタン
43 見学予約要求ボタン
50 見学予約入力画面
51 日付入力領域
52 時間入力領域