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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】基板搬送装置および基板搬送方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20241031BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H01L21/68 F
B25J13/08 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020150186
(22)【出願日】2020-09-07
(65)【公開番号】P2022044512
(43)【公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100098305
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 祥人
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【弁理士】
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼原 丈二
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-511104(JP,A)
【文献】特開平01-057104(JP,A)
【文献】特開2005-297072(JP,A)
【文献】特開2001-264015(JP,A)
【文献】特表2005-527966(JP,A)
【文献】特開2019-195890(JP,A)
【文献】特開2020-053431(JP,A)
【文献】特開2009-061585(JP,A)
【文献】国際公開第2015/037032(WO,A1)
【文献】特開2018-133415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
B25J 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部により支持された基板の位置を判定する基板搬送装置であって、
前記基板を保持しつつ移動可能に構成された搬送保持部と、
前記搬送保持部に設けられ、第1の検出領域を有する第1の検出器と、
前記搬送保持部に設けられ、第2の検出領域を有する第2の検出器と、
前記搬送保持部を移動させることにより、前記支持部により支持された前記基板に対して前記第1の検出器および前記第2の検出器を相対的に移動させることが可能に構成された相対的移動部と、
前記相対的移動部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記基板の外周端部のうち第1および第2の部分が順次前記第1の検出領域に位置するとともに、前記基板の外周端部のうち第3および第4の部分が順次前記第2の検出領域に位置するように、前記相対的移動部を制御する相対的移動制御部と、
前記第1および第2の検出器の検出信号に基づいて前記支持部における前記第1の部分、前記第2の部分、前記第3の部分および前記第4の部分の位置をそれぞれ算出する部分位置算出部と、
前記部分位置算出部により算出された前記第1の部分、前記第2の部分、前記第3の部分および前記第4の部分の位置に基づいて、前記支持部における前記基板の位置を判定する位置判定部とを含む、基板搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記支持部に支持された前記基板を前記搬送保持部により受け取るための受け取り位置を示す第1の座標と前記基板が搬送されるべき所定の位置を示す第2の座標とを含む座標情報を記憶する座標情報記憶部と、
前記座標情報に基づいて、前記支持部に支持された前記基板の受け取りおよび前記基板の搬送が行われるように、前記相対的移動部を制御する移動制御部と、
前記移動制御部による前記相対的移動部の制御前に、前記位置判定部の判定結果に基づいて、前記搬送保持部により搬送されることになる前記基板の位置と前記所定の位置とのずれが相殺されるように、前記座標情報記憶部に記憶された座標情報を補正する座標情報補正部とを含む、請求項1記載の基板搬送装置。
【請求項3】
前記第1および第2の検出器は、前記第1の検出領域と前記第2の検出領域とが第1の方向において前記基板の直径よりも小さい間隔で並ぶように設けられ、
前記相対的移動制御部は、前記第1の方向に交差する第2の方向に前記第1および第2の検出器が移動することにより前記第1および第2の検出領域が前記基板を横切るように、前記相対的移動部を制御する、請求項1または2記載の基板搬送装置。
【請求項4】
支持部により支持された基板の位置を判定する基板搬送方法であって、
前記基板を保持しつつ移動可能に構成された搬送保持部に設けられ、第1の検出領域を有する第1の検出器を用意するステップと、
前記搬送保持部に設けられ、第2の検出領域を有する第2の検出器を用意するステップと、
前記支持部に支持された前記基板の外周端部のうち第1および第2の部分が順次前記第1の検出領域に位置するとともに、前記基板の外周端部のうち第3および第4の部分が順次前記第2の検出領域に位置するように、前記支持部に支持された前記基板に対して前記搬送保持部を相対的に移動させるステップと、
前記第1および第2の検出器の検出信号に基づいて前記支持部における前記第1の部分、前記第2の部分、前記第3の部分および前記第4の部分の位置をそれぞれ算出するステップと、
前記算出するステップにより算出された前記第1の部分、前記第2の部分、前記第3の部分および前記第4の部分の位置に基づいて、前記支持部における前記基板の位置を判定するステップとを含む、基板搬送方法。
【請求項5】
前記支持部に支持された前記基板を前記搬送保持部により受け取るための受け取り位置を示す第1の座標と前記基板が搬送されるべき所定の位置を示す第2の座標とを含む座標情報を座標情報記憶部に記憶するステップと、
前記座標情報に基づいて、前記支持部に支持された前記基板の受け取りおよび前記基板の搬送を行うステップと、
前記基板の受け取りおよび前記基板の搬送を行うステップの前に、前記基板の位置を判定するステップの判定結果に基づいて、前記搬送保持部により搬送されることになる前記基板の位置と前記所定の位置とのずれが相殺されるように、前記座標情報記憶部に記憶された座標情報を補正するステップとをさらに含む、請求項4記載の基板搬送方法。
【請求項6】
前記第1および第2の検出器は、前記第1の検出領域と前記第2の検出領域とが第1の方向において前記基板の直径よりも小さい間隔で並ぶように設けられ、
前記支持部に支持された前記基板に対して前記第1および第2の検出器を相対的に移動させることは、前記第1および第2の検出領域が前記基板を横切るように、前記第1の方向に交差する第2の方向に前記第1および第2の検出器を移動させることを含む、請求項4または5記載の基板搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持部に支持された基板の支持部における位置を判定する基板搬送装置および基板搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等の各種基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられる。
【0003】
基板処理装置では、例えば一枚の基板に対して複数の処理ユニットにおいて連続的に処理が行われる。そのため、基板処理装置には、複数の処理ユニットの間で基板を搬送する基板搬送装置が設けられる。
【0004】
例えば、特許文献1に記載された基板搬送装置においては、処理対象となる基板が保持部により保持され、保持部が移動することにより基板が搬送される。第1の位置から第2の位置への基板の搬送時には、第1の位置で保持部により基板が受け取られた状態で、保持部により保持される基板の外周端部の第1~第5の部分が検出される。それらの検出に基づいて、保持部における第1~第5の部分の位置がそれぞれ算出される。算出された第1~第5の部分の位置に基づいて保持部における基板の位置が判定される。基板が第2の位置に正確に搬送されるように、判定された基板の位置に基づいて保持部の移動が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-133415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基板処理装置の低コスト化を実現するために、基板の位置を判定するための構成(以下、位置判定装置と呼ぶ。)は、単純化されることが望ましい。また、基板処理装置の低コスト化を実現するために、位置判定装置の部品点数は低減されることが望ましい。
【0007】
本発明の目的は、基板処理装置の低コスト化が実現可能な基板搬送装置おび基板搬送方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)第1の発明に係る基板搬送装置は、支持部により支持された基板の位置を判定する基板搬送装置であって、基板を保持しつつ移動可能に構成された搬送保持部と、搬送保持部に設けられ、第1の検出領域を有する第1の検出器と、搬送保持部に設けられ、第2の検出領域を有する第2の検出器と、搬送保持部を移動させることにより、支持部により支持された基板に対して第1の検出器および第2の検出器を相対的に移動させることが可能に構成された相対的移動部と、相対的移動部を制御する制御部とを備え、制御部は、基板の外周端部のうち第1および第2の部分が順次第1の検出領域に位置するとともに、基板の外周端部のうち第3および第4の部分が順次第2の検出領域に位置するように、相対的移動部を制御する相対的移動制御部と、第1および第2の検出器の検出信号に基づいて支持部における第1の部分、第2の部分、第3の部分および第4の部分の位置をそれぞれ算出する部分位置算出部と、部分位置算出部により算出された第1の部分、第2の部分、第3の部分および第4の部分の位置に基づいて、支持部における基板の位置を判定する位置判定部とを含む。
【0009】
その基板搬送装置においては、基板の外周端部のうち複数の部分が順次第1の検出領域に位置するように、支持部に支持された基板と第1の検出器とが相対的に移動される。第1の検出器の検出信号に基づいて、支持部における複数の部分の位置がそれぞれ算出される。算出された複数の部分の位置に基づいて、支持部における基板の位置が判定される。
【0010】
上記の基板搬送装置によれば、支持部に支持された基板の複数の部分が第1の検出器により検出される。そのため、基板の複数の部分の位置を検出するために、基板の複数の部分にそれぞれ対応する複数の検出器を用意する必要がない。したがって、基板搬送装置が備える位置判定装置の構成が単純化される。また、位置判定装置の部品点数が低減される。これらの結果、基板処理装置の低コスト化が実現される。
【0012】
この場合、搬送保持部により基板が保持された状態で、当該搬送保持部における基板の位置を把握することが可能になる。
【0017】
対的移動部は、第1の検出器を移動させることにより、支持部により支持された基板に対して第1の検出器を相対的に移動させることが可能に構成されている
【0018】
この場合、第1の検出器が移動することにより、支持部を移動させることなく当該支持部における基板の位置を把握することが可能になる。
【0019】
基板搬送装置は、第2の検出領域を有する第2の検出器をさらに備え、相対的移動部は、第2の検出器を移動させることにより、支持部により支持された基板に対して第2の検出器を相対的に移動させることが可能に構成され、相対的移動制御部は、基板の外周端部のうち第1および第2の部分が順次第1の検出領域に位置するとともに、基板の外周端部のうち第3および第4の部分が順次第2の検出領域に位置するように、相対的移動部を制御し、部分位置算出部は、第1および第2の検出器の検出信号に基づいて支持部における複数の部分の位置をそれぞれ算出する
【0020】
この場合、第1の検出器により基板の第1および第2の部分が検出され、第2の検出器により基板の第3および第4の部分が検出される。
(2)制御部は、支持部に支持された基板を搬送保持部により受け取るための受け取り位置を示す第1の座標と基板が搬送されるべき所定の位置を示す第2の座標とを含む座標情報を記憶する座標情報記憶部と、座標情報に基づいて、支持部に支持された基板の受け取りおよび基板の搬送が行われるように、相対的移動部を制御する移動制御部と、移動制御部による相対的移動部の制御前に、位置判定部の判定結果に基づいて、搬送保持部により搬送されることになる基板の位置と所定の位置とのずれが相殺されるように、座標情報記憶部に記憶された座標情報を補正する座標情報補正部とを含んでもよい。
【0021】
)第1および第2の検出器は、第1の検出領域と第2の検出領域とが第1の方向において基板の直径よりも小さい間隔で並ぶように設けられ、相対的移動制御部は、第1の方向に交差する第2の方向に第1および第2の検出器が移動することにより第1および第2の検出領域が基板を横切るように、相対的移動部を制御してもよい。
【0022】
この場合、第1および第2の検出器が第2の方向に移動することにより、第1の検出領域が基板の第1および第2の部分を順次通過するのとほぼ同じタイミングで、第2の検出領域が基板の第3および第4の部分を順次通過する。したがって、基板の第1~第4の部分の検出に要する時間を短くすることができる。
【0025】
(4)第2の発明に係る基板搬送方法は、支持部により支持された基板の位置を判定する基板搬送方法であって、基板を保持しつつ移動可能に構成された搬送保持部に設けられ、第1の検出領域を有する第1の検出器を用意するステップと、搬送保持部に設けられ、第2の検出領域を有する第2の検出器を用意するステップと、支持部に支持された基板の外周端部のうち第1および第2の部分が順次第1の検出領域に位置するとともに、基板の外周端部のうち第3および第4の部分が順次第2の検出領域に位置するように、支持部に支持された基板に対して搬送保持部を相対的に移動させるステップと、第1および第2の検出器の検出信号に基づいて支持部における第1の部分、第2の部分、第3の部分および第4の部分の位置をそれぞれ算出するステップと、算出するステップにより算出された第1の部分、第2の部分、第3の部分および第4の部分の位置に基づいて、支持部における基板の位置を判定するステップとを含む。
【0026】
その基板搬送方法においては、基板の外周端部のうち複数の部分が順次第1の検出領域に位置するように、支持部に支持された基板と第1の検出器とが相対的に移動される。第1の検出器の検出信号に基づいて、支持部における複数の部分の位置がそれぞれ算出される。算出された複数の部分の位置に基づいて、支持部における基板の位置が判定される。
【0027】
上記の基板搬送方法によれば、支持部に支持された基板の複数の部分が第1の検出器により検出される。そのため、基板の複数の部分の位置を検出するために、基板の複数の部分にそれぞれ対応する複数の検出器を用意する必要がない。したがって、基板搬送装置が備える位置判定装置の構成が単純化される。また、位置判定装置の部品点数が低減される。これらの結果、基板処理装置の低コスト化が実現される。
【0034】
持部に支持された基板に対して搬送保持部を相対的に移動させるステップは、第1の検出器を移動させることにより、支持部により支持された基板に対して第1の検出器を相対的に移動させることを含
【0035】
この場合、第1の検出器が移動することにより、支持部を移動させることなく当該支持部における基板の位置を把握することが可能になる。
【0036】
基板搬送方法は、第2の検出領域を有する第2の検出器を用意するステップをさらに含み、支持部に支持された基板に対して第1の検出器を相対的に移動させることは、基板の外周端部のうち第1および第2の部分が順次第1の検出領域に位置するとともに、基板の外周端部のうち第3および第4の部分が順次第2の検出領域に位置するように、支持部に支持された基板に対して第1および第2の検出器を相対的に移動させることを含み、複数の部分の位置をそれぞれ算出するステップは、第1および第2の検出器の検出信号に基づいて支持部における複数の部分の位置をそれぞれ算出するステップを含
【0037】
この場合、第1の検出器により基板の第1および第2の部分が検出され、第2の検出器により基板の第3および第4の部分が検出される。
(5)基板搬送方法は、支持部に支持された基板を搬送保持部により受け取るための受け取り位置を示す第1の座標と基板が搬送されるべき所定の位置を示す第2の座標とを含む座標情報を座標情報記憶部に記憶するステップと、座標情報に基づいて、支持部に支持された基板の受け取りおよび基板の搬送を行うステップと、基板の受け取りおよび基板の搬送を行うステップの前に、基板の位置を判定するステップの判定結果に基づいて、搬送保持部により搬送されることになる基板の位置と所定の位置とのずれが相殺されるように、座標情報記憶部に記憶された座標情報を補正するステップとをさらに含んでもよい。
【0038】
)第1および第2の検出器は、第1の検出領域と第2の検出領域とが第1の方向において基板の直径よりも小さい間隔で並ぶように設けられ、支持部に支持された基板に対して第1および第2の検出器を相対的に移動させることは、第1および第2の検出領域が基板を横切るように、第1の方向に交差する第2の方向に第1および第2の検出器を移動させることを含んでもよい。
【0039】
この場合、第1および第2の検出器が第2の方向に移動することにより、第1の検出領域が基板の第1および第2の部分を順次通過するのとほぼ同じタイミングで、第2の検出領域が基板の第3および第4の部分を順次通過する。したがって、基板の第1~第4の部分の検出に要する時間を短くすることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、基板処理装置の低コスト化が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】第1の実施の形態に係る基板搬送装置の平面図である。
図2図1の基板搬送装置の側面図である。
図3図1の基板搬送装置の正面図である。
図4】ハンドにより保持された基板の外周端部の複数の部分を検出する方法の一例を示す模式図である。
図5】第1の実施の形態に係る基板搬送装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図6】ハンドに定義されるXY座標系の一例を示す平面図である。
図7】複数のずれ量のうち少なくとも1つがしきい値を超える場合のハンド上の基板と仮想円との位置関係を示す平面図である。
図8】複数のずれ量のうち少なくとも1つがしきい値を超える場合のハンド上の基板と仮想円との位置関係を示す平面図である。
図9】複数のずれ量のうち少なくとも1つがしきい値を超える場合のハンド上の基板と仮想円との位置関係を示す平面図である。
図10】複数のずれ量のうち少なくとも1つがしきい値を超える場合のハンド上の基板と仮想円との位置関係を示す平面図である。
図11】搬送制御部の機能的な構成を示すブロック図である。
図12】基板搬送装置による基板の基本的な搬送動作を示すフローチャートである。
図13】基板搬送装置による基板の基本的な搬送動作を示すフローチャートである。
図14】第2の実施の形態に係る基板搬送装置の平面図である。
図15図14の基板搬送装置の側面図である。
図16】第2の実施の形態に係る基板搬送装置において検出される基板の複数の部分を示す平面図である。
図17】第3の実施の形態に係る基板搬送装置の平面図である。
図18】第3の実施の形態に係る基板搬送装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図19】2つの検出器を用いてハンドにより保持された基板Wの外周端部の5以上の部分を検出する方法の一例を示す模式図である。
図20】第4の実施の形態に係る基板搬送装置の側面図である。
図21】第5の実施の形態に係る基板搬送装置の平面図である。
図22図21の基板搬送装置の側面図である。
図23図21の基板搬送装置の正面図である。
図24】基板支持部に支持された基板の外周端部の複数の部分を検出する方法の一例を示す模式図である。
図25】第1~第5のいずれかの実施の形態に係る基板搬送装置を備えた基板処理装置の全体構成を示す模式的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の一実施の形態に係る位置判定装置、基板搬送装置、位置判定方法および基板搬送方法について図面を用いて説明する。以下の説明において、基板とは、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等をいう。
【0045】
また、以下に示す実施の形態で用いられる基板は、少なくとも一部が円形状の外周端部を有する。具体的には、基板には、位置決め用のノッチが形成され、基板のうちノッチを除く外周端部が円形状を有する。なお、基板には、ノッチに代えてオリエンテーションフラットが形成されてもよい。
【0046】
[1]第1の実施の形態
(1)第1の実施の形態に係る基板搬送装置の構成
図1は第1の実施の形態に係る基板搬送装置の平面図であり、図2図1の基板搬送装置500の側面図であり、図3図1の基板搬送装置500の正面図である。図1図3に示す基板搬送装置500は、移動部材510(図2および図3)、回転部材520、2つのハンドH1,H2および複数の検出器SE1,SE2(図1)を含む。本実施の形態では、2つの検出器SE1,SE2が設けられる。移動部材510は、ガイドレール(図示せず)に沿って水平方向に移動可能に構成される。
【0047】
移動部材510上には、略直方体形状の回転部材520が上下方向の軸の周りで回転可能に設けられる。回転部材520にはハンドH1,H2がそれぞれ支持部材521,522により支持される。ハンドH1,H2は、回転部材520の長手方向に進退可能に構成される。本実施の形態では、ハンドH2が回転部材520の上面の上方に位置し、ハンドH1がハンドH2の上方に位置する。
【0048】
ハンドH1,H2の各々は、ガイド部Haおよびアーム部Hbからなる。図1に示すように、ガイド部Haは略V字型の平板形状を有し、アーム部Hbは一方向に延びる矩形の平板形状を有する。ガイド部Haは、アーム部Hbの一端部から2本に枝分かれするように設けられている。
【0049】
ガイド部Haの上面には、互いに離間する複数(本例では3つ)の部分に複数(本例では3つ)の吸着部smがそれぞれ設けられている。各吸着部smは、吸気系(図示せず)に接続される。複数の吸着部sm上に基板Wが載置される。この状態で、複数の吸着部sm上の基板Wの複数箇所が吸気系によりそれぞれ複数の吸着部smに吸着される。
【0050】
2つの検出器SE1,SE2の各々は、投光部Seおよび受光部Srにより構成される透過型光電センサである。2つの投光部Seは、回転部材520の長手方向における共通の位置で、回転部材520の短手方向(幅方向)に間隔をおいて並ぶように回転部材520の上面に取り付けられている。2つの受光部Srは、支持部材530(図2および図3)により回転部材520の上方で2つの投光部Seにそれぞれ対向するように配置される。なお、図1では、支持部材530の図示を省略している。
【0051】
各投光部Seから上方に向かってそれぞれ光が出射される。各受光部Srは、対向する投光部Seから出射される光を帰還光として受光する。これにより、各検出器SE1,SE2においては、図2および図3にハッチングで示すように、互いに対向する投光部Seと受光部Srとの間に、上下方向に延びる検出領域DAが形成される。検出器SE1,SE2の2つの検出領域DAは、基板Wの直径よりも小さくかつ基板Wの周方向におけるノッチの長さよりも大きい距離離間している。なお、本実施の形態に係る基板Wの直径は例えば300mmであり、その基板Wが有するノッチの周方向の長さは例えば2.73mmである。
【0052】
各検出器SE1,SE2の投光部Seと受光部Srとの間に基板Wが存在する場合には、投光部Seから出射された光が受光部Srに入射しない。受光部Srに光が入射しない状態を非入光状態と呼ぶ。各検出器SE1,S5の投光部Seと受光部Srとの間に基板Wが存在しない場合には、投光部Seから出射された光が受光部Srに入射する。受光部Srに光が入射する状態を入光状態と呼ぶ。受光部Srは入光状態および非入光状態を示す検出信号を出力する。
【0053】
ハンドH1,H2の進退方向においてハンドH1,H2が後退可能な回転部材520上での限界位置を進退初期位置(ホームポジション)と呼ぶ。また、ハンドH1,H2の進退方向において平面視でガイド部Haが回転部材520から外れた位置にあるときのハンドH1,H2の位置を前進位置と呼ぶ。
【0054】
基板Wを保持するハンドH1が前進位置から進退初期位置へ後退する場合に検出器SE1,SE2の検出信号が入光状態から非入光状態になるタイミングに基づいて基板Wの外周端部の2つの部分の位置を算出することができる。また、基板Wを保持するハンドH1が前進位置から進退初期位置へ後退する場合に検出器SE1,SE2の検出信号が非入光状態から入光状態になるタイミングに基づいて基板Wの外周端部の他の2つの部分の位置を算出することができる。
【0055】
具体的には、検出器SE1の検出信号が入光状態から非入光状態になるタイミングにおけるハンドH1と検出器SE1との相対位置に基づいてハンドH1に対する基板Wの外周端部の第1の部分の位置を算出することができる。検出器SE2の検出信号が入光状態から非入光状態になるタイミングにおけるハンドH1と検出器SE2との相対位置に基づいてハンドH1に対する基板Wの外周端部の第2の部分の位置を算出することができる。検出器SE1の検出信号が非入光状態から入光状態になるタイミングにおけるハンドH1と検出器SE1との相対位置に基づいてハンドH1に対する基板Wの外周端部の第3の部分の位置を算出することができる。検出器SE2の検出信号が非入光状態から入光状態になるタイミングにおけるハンドH1と検出器SE2との相対位置に基づいてハンドH1に対する基板Wの外周端部の第4の部分の位置を算出することができる。
【0056】
以下の説明では、基板Wの外周端部が検出器SE1,SE2の検出領域DAを横切ることにより検出器SE1,SE2の検出信号が入光状態から非入光状態になることまたは非入光状態から入光状態になることを適宜検出と呼ぶ。
【0057】
図4は、ハンドH1により保持された基板Wの外周端部の複数の部分を検出する方法の一例を示す模式図である。図4では、図1の基板搬送装置500のうちハンドH2、支持部材522および支持部材530の図示が省略されている。また、図4では、基板Wを保持するハンドH1が、前進位置から進退初期位置へ後退するまでの4つの時点における基板搬送装置500の状態が左から右に並ぶ4つの平面図で示される。
【0058】
図4の左端の平面図に示すように、前進位置から進退初期位置へのハンドH1の後退開始時点において、基板Wは、平面視で回転部材520の外方に位置し、検出器SE1,SE2に重ならない。それにより、検出器SE1,SE2の検出信号は入光状態を示す。
【0059】
次に、図4の左から2番目の平面図に示すように、ハンドH1が所定距離後退すると、基板Wの外周端部の2つの部分は、平面視で検出器SE1,SE2に重なることになる。すなわち、基板Wの外周端部の2つの部分が検出器SE1,SE2の2つの検出領域DA(図3)を横切ることになる。この場合、検出器SE1,SE2の各々の検出信号が入光状態から非入光状態になる。それにより、検出器SE1,SE2の検出信号が入光状態から非入光状態になる検出のタイミングに基づいて、ハンドH1により保持される基板Wの外周端部の2つの部分の位置を算出することが可能になる。このとき、検出器SE1の検出信号に基づいて検出される基板Wの外周端部の部分を部分p1と呼ぶ。また、検出器SE2の検出信号に基づいて検出される基板Wの外周端部の部分を部分p2と呼ぶ。
【0060】
次に、図4の左から3番目の平面図に示すように、ハンドH1がさらに所定距離後退すると、基板Wの外周端部の他の2つの部分は、平面視で検出器SE1,SE2に重なることになる。すなわち、基板Wの外周端部の他の2つの部分が検出器SE1,SE2の2つの検出領域DA(図3)を横切ることになる。この場合、検出器SE1,SE2の各々の検出信号が非入光状態から入光状態になる。それにより、検出器SE1,SE2の検出信号が非入光状態から入光状態になる検出のタイミングに基づいて、ハンドH1により保持される基板Wの外周端部の2つの部分の位置を算出することが可能になる。このとき、検出器SE1の検出信号に基づいて検出される基板Wの外周端部の部分を部分p3と呼ぶ。また、検出器SE2の検出信号に基づいて検出される基板Wの外周端部の部分を部分p4と呼ぶ。
【0061】
その後、図4の右端の平面図に示すように、ハンドH1が進退初期位置に到達する。このとき、基板Wは、平面視で検出器SE1,SE2に重ならない。それにより、検出器SE1,SE2の検出信号は入光状態で維持される。
【0062】
上記の例に代えて、基板Wを保持するハンドH1が回転部材520上で進退初期位置から前進するときに検出器SE1,SE2の検出信号が入光状態から非入光状態になるタイミングおよび検出器SE1,SE2の検出信号が非入光状態から入光状態になるタイミングに基づいてハンドH1により保持される基板Wの外周端部の4つの部分の位置を算出することもできる。この場合、図4の右端の平面図から左端の平面図に向かって基板搬送装置500の状態が変化することに伴って、基板Wの外周端部の複数の部分p1~p4が検出される。なお、ハンドH2により保持される基板Wについても、ハンドH1の例と同様の方法で当該基板Wの外周端部の4つの部分の位置を検出することができる。
【0063】
各ハンドH1,H2においては、保持される基板Wの中心が位置すべき基準の位置(以下、第1の基準位置と呼ぶ。)が予め定められている。各ハンドH1,H2における第1の基準位置は、例えば3つの吸着部smの中心位置である。
【0064】
基板Wの半径が既知である場合、各ハンドH1,H2により保持される基板Wの4つの部分p1~p4の位置を算出することができれば、当該ハンドにおける基板Wの位置を判定することができる。それにより、各ハンドH1,H2により実際に保持されている基板Wの中心が第1の基準位置からどれだけずれているのかを算出することができる。
【0065】
(2)基板搬送装置500の制御系の構成
図5は第1の実施の形態に係る基板搬送装置500の制御系の構成を示すブロック図である。図5に示すように、基板搬送装置500は、上下方向駆動モータ511、上下方向エンコーダ512、水平方向駆動モータ513、水平方向エンコーダ514、回転方向駆動モータ515、回転方向エンコーダ516、上ハンド進退用駆動モータ525、上ハンドエンコーダ526、下ハンド進退用駆動モータ527、下ハンドエンコーダ528、複数の検出器SE1,SE2、搬送制御部550および操作部529を含む。
【0066】
上下方向駆動モータ511は、搬送制御部550の制御により移動部材510(図2)を上下方向に移動させる。上下方向エンコーダ512は、上下方向駆動モータ511の回転角度を示す信号を搬送制御部550に出力する。それにより、搬送制御部550は、移動部材510の上下方向の位置を検出することができる。
【0067】
水平方向駆動モータ513は、搬送制御部550の制御により移動部材510(図2)を水平方向に移動させる。水平方向エンコーダ514は、水平方向駆動モータ513の回転角度を示す信号を搬送制御部550に出力する。それにより、搬送制御部550は、移動部材510の水平方向の位置を検出することができる。
【0068】
回転方向駆動モータ515は、搬送制御部550の制御により回転部材520(図1)を上下方向の軸の周りで回転させる。回転方向エンコーダ516は、回転方向駆動モータ515の回転角度を示す信号を搬送制御部550に出力する。それにより、搬送制御部550は、水平面内での回転部材520の向きを検出することができる。
【0069】
上ハンド進退用駆動モータ525は、搬送制御部550の制御によりハンドH1(図1)を回転部材520上で水平方向に進退させる。上ハンドエンコーダ526は、上ハンド進退用駆動モータ525の回転角度を示す信号を搬送制御部550に出力する。それにより、搬送制御部550は、回転部材520上でのハンドH1の位置を検出することができる。
【0070】
下ハンド進退用駆動モータ527は、搬送制御部550の制御によりハンドH2(図2)を回転部材520上で水平方向に進退させる。下ハンドエンコーダ528は、下ハンド進退用駆動モータ527の回転角度を示す信号を搬送制御部550に出力する。それにより、搬送制御部550は、回転部材520上でのハンドH2の位置を検出することができる。
【0071】
検出器SE1,SE2の投光部Seは、搬送制御部550の制御により受光部Srに向かって光を出射する。受光部Srの検出信号は搬送制御部550に与えられる。それにより、搬送制御部550は、各検出器SE1,S5が入光状態であるか非入光状態であるかを判別することができる。搬送制御部550は、2つの検出器SE1,SE2の検出信号および上ハンドエンコーダ526の出力信号に基づいてハンドH1における基板Wの部分p1~p4の位置を算出することができる。同様に、搬送制御部550は、2つの検出器SE1,SE2の検出信号および下ハンドエンコーダ528の出力信号に基づいてハンドH2における基板Wの部分p1~p4の位置を算出することができる。
【0072】
搬送制御部550には、操作部529が接続される。使用者は、操作部529を操作することにより各種指令および情報を搬送制御部550に与えることができる。
【0073】
(3)ハンドH1,H2における基板Wの位置の判定
上記の各ハンドH1,H2においては、X軸およびY軸を有するXY座標系が定義される。X軸およびY軸は、各ハンドH1,H2により保持される基板Wに平行な水平面内に位置し、各ハンドH1,H2の第1の基準位置で直交する。そのため、第1の基準位置は、原点Oとなる。本例では、Y軸は、各ハンドH1,H2の進退方向に対して平行に定義される。
【0074】
図6は、ハンドH1に定義されるXY座標系の一例を示す平面図である。図6では、ハンドH1に定義されるXY座標系のX軸およびY軸が一点鎖線で示される。また、第1の基準位置が原点Oとして示される。さらに、ハンドH1により保持される基板Wが実線で示される。図6の例において、ハンドH1により保持される基板Wの中心位置は原点Oにあるものとする。
【0075】
基板搬送装置500においては、検出器SE1,SE2によりハンドH1における基板Wの4つの部分p1~p4が検出され、検出された部分p1~p4の位置に基づいてハンドH1における基板Wの位置が判定される。同様に、検出器SE1,SE2によりハンドH2における基板Wの4つの部分p1~p4が検出され、検出された部分p1~p4の位置に基づいてハンドH2における基板Wの位置が判定される。判定された基板Wの位置に基づいて、上記の上下方向駆動モータ511、水平方向駆動モータ513、回転方向駆動モータ515、上ハンド進退用駆動モータ525および下ハンド進退用駆動モータ527が制御される。ここでは、ハンドH1における基板Wの位置の判定方法を説明する。
【0076】
まず、例えば図4に示される方法に従って、基板Wを保持するハンドH1が前進位置から進退初期位置へ後退する。それにより、検出器SE1,SE2により基板Wの部分p1~p4がそれぞれ検出される。検出器SE1,SE2の検出信号および図5の上ハンドエンコーダ526の出力信号に基づいてハンドH1における基板Wの部分p1~p4の位置がそれぞれ算出される。また、XY座標系において部分p1,p2,p3,p4のうち互いに異なる3つの部分の位置を通る4つの仮想円が算出されるとともに、4つの仮想円の中心位置がそれぞれ算出される。さらに、4つの中心位置間の複数のずれ量が算出される。
【0077】
以下の説明においては、部分p1,p2,p3を通る仮想円を仮想円cr1と呼び、部分p2,p3,p4を通る仮想円を仮想円cr2と呼び、部分p1,p3,p4を通る仮想円を仮想円cr3と呼び、部分p1,p2,p4を通る仮想円を仮想円cr4と呼ぶ。また、ハンドH1における仮想円cr1,cr2,cr3,cr4のそれぞれの中心位置をvp1,vp2,vp3,vp4とする。
【0078】
図6に一点鎖線で示すように、中心位置vp1~vp4の間の複数のずれ量の全てが0である場合、4つの中心位置vp1~vp4はハンドH1における基板Wの中心位置Cに一致する。また、複数のずれ量の少なくとも1つが0にならない場合でも、4つの中心位置vp1~vp4の間の複数のずれ量の全てが予め定められたしきい値以下である場合には、4つの中心位置vp1~vp4はハンドH1における基板Wの中心位置Cにほぼ一致する。ここで、しきい値は、例えば検出器SE1,SE2の実際の位置と設計上の取付位置(設計位置)との間で許容される誤差に定められる。
【0079】
このように、複数のずれ量の全てがしきい値以下である場合には、検出器SE1,SE2により検出される基板Wの部分p1~p4のいずれにもノッチNが存在しない。そのため、4つの仮想円cr1~cr4の全てがハンドH1における基板Wの位置を表すので、4つの仮想円cr1~cr4のいずれかまたは全てに基づいてハンドH1における基板Wの位置を判定することができる。
【0080】
図7図10は、複数のずれ量のうち少なくとも1つがしきい値を超える場合のハンドH1上の基板Wと4つの仮想円cr1~cr4との位置関係をそれぞれ示す平面図である。なお、図7図10では、ハンドH1の図示を省略する。図7に基板Wと仮想円cr2との位置関係が示され、図8に基板Wと仮想円cr3との位置関係が示される。また、図9に基板Wと仮想円cr1との位置関係が示され、図10に基板Wと仮想円cr4との位置関係が示される。
【0081】
複数のずれ量のうち少なくとも1つがしきい値を超える場合には、4つの中心位置vp1~vp4のうち1つの中心位置(本例では仮想円cr4の中心位置vp4)のみがハンドH1における基板Wの中心位置Cに一致するかまたはほぼ一致する(図10)。一方、残りの3つの中心位置(本例では仮想円cr1,cr2,cr3の中心位置vp1,vp2,vp3)はハンドH1における基板Wの中心位置Cから一定値よりも大きくずれる(図7図8および図9)。
【0082】
このように、複数のずれ量のうち少なくとも1つがしきい値を超える場合には、検出器SE1,SE2により検出される基板Wの部分p1~p4のいずれか(本例では部分p3)にノッチNが存在する。この場合、ノッチNが存在する部分を通る3つの仮想円の半径(または直径)は、実際の基板Wの半径(または直径)に比べて比較的大きくずれることになる。一方、ノッチNが存在する部分を通らない1つの仮想円の半径(または直径)は、実際の基板Wの半径(または直径)に一致するかまたはほぼ一致する。
【0083】
本実施の形態においては、基板搬送装置500による搬送対象となる基板Wの半径は、既知であるものとする。以下の説明では、基板Wの情報として既知である基板Wの設計上の半径を、設計半径と呼ぶ。この場合、4つの仮想円cr1~cr4のうち、設計半径に一致するかまたは最も近い半径を有する仮想円(本例では仮想円cr4)を選択することにより、選択された仮想円に基づいてハンドH1における基板Wの位置を判定することができる。
【0084】
(4)搬送制御部550の機能的な構成
図11は、搬送制御部550の機能的な構成を示すブロック図である。搬送制御部550は、部分位置算出部51、仮想円算出部52、基板位置判定部53、検出器位置記憶部54、しきい値記憶部55、移動制御部58、座標情報記憶部59、座標情報補正部60および基板情報記憶部61を含む。搬送制御部550は、CPU(中央演算処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)および記憶装置により構成される。CPUがROMまたは記憶装置等の記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、搬送制御部550の各構成要素の機能が実現される。なお、搬送制御部550の一部またはすべての構成要素が電子回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0085】
ここで、基板搬送装置500は、一の処理ユニットの所定の位置(以下、受け取り位置と呼ぶ。)にある基板Wを受け取って搬送し、他の処理ユニットの所定の位置(以下、載置位置と呼ぶ。)に基板Wを載置するものとする。受け取り位置および載置位置は基板搬送装置500全体について固定された座標系の座標で表される。受け取り位置の座標を受け取り座標と呼び、載置位置の座標を載置座標と呼ぶ。
【0086】
座標情報記憶部59は、受け取り位置の受け取り座標および載置位置の載置座標を座標情報として予め記憶する。移動制御部58は、座標情報記憶部59に記憶された座標情報(受け取り座標)に基づいて、基板Wを受け取り位置から受け取るように図5の上下方向駆動モータ511、水平方向駆動モータ513および回転方向駆動モータ515を制御するとともに、上ハンド進退用駆動モータ525または下ハンド進退用駆動モータ527を制御する。このとき、ハンドH1またはハンドH2は、進退初期位置から前進することにより受け取り位置で基板Wを受け取った後、進退初期位置まで後退する。
【0087】
検出器位置記憶部54は、複数の検出器SE1,SE2の設計位置を検出器情報として記憶する。部分位置算出部51は、複数の検出器SE1,SE2の検出信号、上ハンドエンコーダ526または下ハンドエンコーダ528の出力信号、および検出器位置記憶部54に記憶された検出器情報に基づいて、ハンドH1またはハンドH2における基板Wの複数の部分p1~p4の位置を算出する。
【0088】
仮想円算出部52は、部分位置算出部51により算出された部分p1~p4の位置から4つの仮想円cr1~cr4(図6図10)をそれぞれ算出する。また、仮想円算出部52は、算出された各仮想円cr1~cr4の中心位置vp1~vp4(図6図10)それぞれを算出する。
【0089】
しきい値記憶部55は、上記のしきい値を記憶する。基板位置判定部53は、仮想円算出部52により算出された複数の中心位置vp1~vp4の間の複数のずれ量を算出する。また、基板位置判定部53は、複数のずれ量の全てがしきい値記憶部55に記憶されたしきい値以下であるか否かを判定する。
【0090】
基板位置判定部53は、複数のずれ量の全てがしきい値以下である場合に、4つの仮想円cr1~cr4のいずれかまたは全てに基づいてハンドH1またはハンドH2における基板Wの位置を判定する。このとき、基板位置判定部53は、中心位置vp1~vp4と第1の基準位置との間の距離に基づいて判定に用いる1つの仮想円を選択してもよい。例えば、中心位置vp1~vp4と第1の基準位置との間の距離がn(nは1~4の整数)番目に小さい仮想円を選択してもよい。あるいは、基板位置判定部53は、全ての仮想円cr1~cr4の平均位置をハンドH1またはハンドH2における基板Wの位置として判定してもよい。
【0091】
基板情報記憶部61は、基板搬送装置500による搬送対象である基板Wの設計半径を記憶する。基板位置判定部53は、上記の複数のずれ量のうち少なくとも1つがしきい値を超える場合に、4つの仮想円cr1~cr4のうち、設計半径に一致するかまたは最も近い半径を有する仮想円を選択する。また、基板位置判定部53は、選択した仮想円に基づいてハンドH1またはハンドH2における基板Wの位置を判定する。
【0092】
座標情報補正部60は、基板位置判定部53により判定されたハンドH1またはハンドH2における基板Wの位置に基づいて、ハンドH1またはハンドH2の第1の基準位置に対する基板Wの中心位置Cのずれを算出する。また、座標情報補正部60は、算出されたずれに基づいて座標情報記憶部59に記憶された座標情報(載置座標)を補正する。移動制御部58は、座標情報記憶部59に記憶されかつ補正された座標情報(載置座標)に基づいて、受け取り位置で受け取った基板Wを載置位置に載置するように図5の上下方向駆動モータ511、水平方向駆動モータ513および回転方向駆動モータ515を制御するとともに、上ハンド進退用駆動モータ525または下ハンド進退用駆動モータ527を制御する。このとき、ハンドH1またはハンドH2が進退初期位置から前進する。
【0093】
(5)基板搬送装置500の動作
図12および図13は、基板搬送装置500による基板Wの基本的な搬送動作を示すフローチャートである。以下、ハンドH1を用いた基板Wの搬送動作について説明する。初期状態において、ハンドH1は、回転部材520上で進退初期位置に位置する。また、初期状態のハンドH1には、基板Wは保持されていないものとする。
【0094】
図11の移動制御部58は、座標情報記憶部59に記憶された座標情報(受け取り座標)に基づいて、ハンドH1を受け取り位置の近傍に移動させ(ステップS1)、ハンドH1を前進させることにより受け取り位置の基板Wを受け取らせる(ステップS2)。また、移動制御部58は、基板Wを受け取ったハンドH1を進退初期位置まで後退させる(ステップS3)。このとき、部分位置算出部51は、複数の検出器SE1,SE2の検出信号および上ハンドエンコーダ526の出力信号に基づいて基板Wの外周部の複数の部分p1~p4のハンドH1における位置を算出する(ステップS4)。
【0095】
仮想円算出部52は、算出された基板Wの部分p1~p4の位置のうち互いに異なる3つの部分の位置を通る4つの仮想円cr1~cr4をそれぞれ算出するとともに、それらの仮想円cr1~cr4の中心位置vp1~vp4をそれぞれ算出する(ステップS5)。
【0096】
次に、基板位置判定部53は、算出された複数の中心位置vp1~vp4の間の複数のずれ量を算出し(ステップS6)、算出された複数のずれ量の全てがしきい値記憶部55に記憶されたしきい値以下であるか否かを判別する(ステップS7)。
【0097】
複数のずれ量の全てがしきい値以下である場合に、基板位置判定部53は、4つの仮想円cr1~cr4のいずれかまたは全てに基づいてハンドH1における基板Wの位置を判定する(ステップS8)。
【0098】
次に、座標情報補正部60は、判定された基板Wの位置に基づいて第1の基準位置に対する基板Wの中心位置Cのずれを算出し、算出結果に基づいてハンドH1により載置されることになる基板Wの位置と載置位置とのずれが相殺されるように座標情報記憶部59に記憶された座標情報(載置座標)を補正する(ステップS9)。
【0099】
その後、移動制御部58は、補正された座標情報(載置座標)に基づいて、載置位置へ基板Wを搬送するようにハンドH1の搬送制御を開始し(ステップS10)、ハンドH1により保持された基板Wを載置位置に載置させる(ステップS11)。これにより、ハンドH1における基板Wの位置によらず、基板Wを載置位置に正確に載置することが可能になる。
【0100】
上記のステップS7において、複数のずれ量のうち少なくとも1つがしきい値を超える場合に、基板位置判定部53は、4つの仮想円cr1~cr4のうち設計半径に一致するかまたは最も近い半径を有する1つの仮想円を選択する(ステップS12)。その後、基板位置判定部53は、選択した仮想円に基づいてハンドH1における基板Wの位置を判定し(ステップS13)、ステップS9に進む。
【0101】
なお、上記の搬送動作においては、ステップS10の動作がステップS3の動作後ステップS4の動作前に実行されてもよい。この場合、部分位置算出部51は、受け取った基板Wを保持するハンドH1またはハンドH2が進退初期位置から前進する際に、基板Wの外周部の複数の部分p1~p4のハンドH1における位置を算出してもよい。その後、載置位置までの基板Wの搬送動作と並行して上記のステップS5~S10の動作あるいはステップS5~S7,S12,S13,S9,S10の動作が行われてもよい。また、上記の搬送動作においては、ステップS7,S8の動作に代えて、ステップS12,S13の動作が行われてもよい。この場合、ずれ量に関するしきい値を設定する必要がない。
【0102】
(6)第1の実施の形態の効果
上記の基板搬送装置500においては、ハンドH1,H2の各々が回転部材520上を移動することにより、基板Wの複数の部分p1、p3が1つの検出器SE1により検出される。さらに、基板Wの複数の部分p2、p4が1つの検出器SE2により検出される。したがって、基板Wの複数の部分p1~p4の位置を検出するために、基板Wの複数の部分p1~p4にそれぞれ対応する複数の検出器を用意する必要がない。それにより、基板搬送装置500の構成が単純化される。また、基板搬送装置500の部品点数が低減される。これらの結果、基板搬送装置500を含む基板処理装置の低コスト化が実現される。
【0103】
また、上記の基板搬送装置500においては、ハンドH1,H2の各々が回転部材520上で前進または後退する場合に、基板Wの部分p1,p2がほぼ同じタイミングで検出器SE1,SE2の検出領域DAを通過する。また、基板Wの部分p3,p4がほぼ同じタイミングで検出器SE1,SE2の検出領域DAを通過する。したがって、基板Wの複数の部分p1~p4の検出に要する時間を短くすることが可能となっている。
【0104】
上記の基板搬送装置500においては、検出器SE1,SE2により検出される基板Wの4つの部分p1~p4は、平面視で各ハンドH1,H2に定義されるXY座標系の第1~第4象限にそれぞれ位置する。この場合、部分p1~p4のうち2以上の部分が一の象限内に位置する場合に比べて、基板Wの位置の判定精度が向上する。
【0105】
上記の基板搬送装置500においては、ハンドH1,H2のアーム部Hbは、平面視における検出器SE1,SE2間の距離よりも小さい幅を有する。また、ハンドH1,H2のアーム部Hbは、ハンドH1,H2が回転部材520上で進退する際に、検出器SE1,SE2の検出領域DAを横切らないように構成されている。さらに、ハンドH1,H2により基板Wが保持される際には、ガイド部Haの大部分は基板Wの下方に位置する。このような構成により、基板Wの位置の判定時に、ハンドH1,H2の一部が、基板Wの外周端部として誤って検出されることが防止される。
【0106】
[2]第2の実施の形態
第2の実施の形態に係る基板搬送装置500について、第1の実施の形態に係る基板搬送装置500と異なる点を説明する。図14は第2の実施の形態に係る基板搬送装置500の平面図であり、図15図14の基板搬送装置500の側面図である。
【0107】
図14および図15に示すように、第2の実施の形態に係る基板搬送装置500は、第1の実施の形態に係る基板搬送装置500の構成に加えて、検出器SE3がさらに設けられる。
【0108】
検出器SE3は、検出器SE1,SE2と同様に、投光部Seおよび受光部Srにより構成される透過型光電センサである。検出器SE3の投光部Seは、回転部材520の長手方向における略中央の位置でかつ回転部材520の短手方向(幅方向)において検出器SE1,SE2の投光部Seとは異なる位置に取り付けられている。検出器SE3の受光部Srは、支持部材530(図15)により回転部材520の上方で検出器SE3の投光部Seに対向するように配置される。なお、図14では、支持部材530の図示を省略している。
【0109】
検出器SE3においては、検出器SE1,SE2と同様に、投光部Seから上方に向かってそれぞれ光が出射される。受光部Srは、対向する投光部Seから出射される光を帰還光として受光する。これにより、検出器SE3においては、検出器SE1,SE2と同様に、図15にハッチングで示すように、上下方向に延びる検出領域DAが形成される。
【0110】
検出器SE3は、ハンドH1,H2が進退初期位置にあるときに、平面視で各ハンドH1,H2より保持される基板Wに重なるように設けられている。すなわち、検出器SE3は、ハンドH1,H2が進退初期位置にあるときに検出信号が非入光状態となり、ハンドH1,H2が前進位置にあるときに検出信号が入光状態となるように配置されている。このような構成によれば、検出器SE1,SE2による基板Wの外周端部における4つの部分p1~p4の検出時に、基板Wの外周端部におけるさらに他の部分を検出することが可能になる。
【0111】
図16は、第2の実施の形態に係る基板搬送装置500において検出される基板Wの複数の部分を示す平面図である。図16に示すように、本実施の形態においては、基板Wの外周端部における4つの部分p1~p4が検出器SE1,SE2により検出されるとともに、基板Wの外周端部における1つの部分p5が検出器SE3により検出される。
【0112】
ここで、回転部材520の短手方向(幅方向)における検出器SE1,SE3間の距離および検出器SE2,SE3間の距離は、基板Wが有するノッチNの周方向の長さよりも大きい。この場合、部分p5は他の部分p1~p4に対して少なくともノッチNの周方向の長さよりも大きく離間する。
【0113】
本実施の形態では、検出された5つの部分p1~p5の位置に基づいてハンドH1,H2における基板Wの位置が判定される。具体的には、第1の実施の形態の例と同様に、まず部分p1~p4のうち互いに異なる3つの部分の位置を通る4つの仮想円cr1~cr4が算出されるとともに、4つの仮想円cr1~cr4の中心位置vp1~vp4がそれぞれ算出される。さらに、4つの中心位置間の複数のずれ量が算出される。これにより、複数のずれ量の全てが0であるかまたは予め定められたしきい値以下である場合には、4つの仮想円cr1~cr4のいずれかまたは全てに基づいてハンドH1,H2における基板Wの位置が判定される。
【0114】
複数のずれ量のうち少なくとも1つがしきい値を超える場合には、上記のように、基板Wの部分p1~p4のいずれかにノッチNが存在する。この場合、検出器SE3により検出される基板Wの部分p5には、ノッチNが存在しない。そのため、ハンドH1,H2における基板Wの位置を示す仮想円は、部分p5の位置を通ることになる。したがって、4つの仮想円cr1~cr4のうち部分p5の位置を通る仮想円を選択することにより、選択された仮想円に基づいてハンドH1,H2における基板Wの位置が判定される。
【0115】
このように、第2の実施の形態に係る基板搬送装置500によれば、基板Wの設計半径が未知である場合でも、ハンドH1,H2における基板Wの位置を容易かつ正確に判定することが可能になる。
【0116】
[3]第3の実施の形態
第3の実施の形態に係る基板搬送装置500について、第1の実施の形態に係る基板搬送装置500と異なる点を説明する。図17は第3の実施の形態に係る基板搬送装置500の平面図である。図17の基板搬送装置500の平面図は、第1の実施の形態に係る図1の基板搬送装置500の平面図に相当する。そのため、第3の実施の形態に係る基板搬送装置500は、図示されないハンドH2および支持部材530をさらに備える。この基板搬送装置500においては、ハンドH1,H2は、回転部材520の長手方向に進退可能であるとともに、図17に太い矢印で示すように、回転部材520の短手方向に進退可能に構成される。
【0117】
図18は第3の実施の形態に係る基板搬送装置500の制御系の構成を示すブロック図である。図18に示すように、本実施の形態に係る基板搬送装置500は、第1の実施の形態に係る図5の構成のうち上ハンド進退用駆動モータ525に代えて、上ハンド第1駆動モータ525Aおよび上ハンド第2駆動モータ525Bを備える。また、本実施の形態に係る基板搬送装置500は、第1の実施の形態に係る図5の構成のうち下ハンド進退用駆動モータ527に代えて、下ハンド第1駆動モータ527Aおよび下ハンド第2駆動モータ527Bを備える。
【0118】
上ハンド第1駆動モータ525Aは、搬送制御部550の制御によりハンドH1(図17)を回転部材520の長手方向に進退させる。上ハンド第2駆動モータ525Bは、搬送制御部550の制御によりハンドH1(図17)を回転部材520の短手方向に移動させる。上ハンドエンコーダ526は、上ハンド第1駆動モータ525Aおよび上ハンド第2駆動モータ525Bの回転角度を示す信号を搬送制御部550に出力する。それにより、搬送制御部550は、回転部材520上でのハンドH1の位置を検出することができる。
【0119】
下ハンド第1駆動モータ527Aは、搬送制御部550の制御によりハンドH2(図17)を回転部材520の長手方向に進退させる。下ハンド第2駆動モータ527Bは、搬送制御部550の制御によりハンドH2(図17)を回転部材520の短手方向に移動させる。下ハンドエンコーダ528は、下ハンド第1駆動モータ527Aおよび下ハンド第2駆動モータ527Bの回転角度を示す信号を搬送制御部550に出力する。それにより、搬送制御部550は、回転部材520上でのハンドH2の位置を検出することができる。
【0120】
上記の構成を有する基板搬送装置500においては、基板Wを保持するハンドH1,H2を水平面内で直交する2方向に移動させることにより、2つの検出器SE1,SE2で基板Wの外周端部における5以上の部分を検出することが可能になる。
【0121】
図19は、2つの検出器SE1,SE2を用いてハンドH1により保持された基板Wの外周端部の5以上の部分を検出する方法の一例を示す模式図である。図19では、図17の基板搬送装置500のうち一部の構成要素のみ示される。
【0122】
まず、図19の左側の平面図に太い矢印で示すように、基板Wを保持するハンドH1が、回転部材520の中心軸CL上で前進位置から進退初期位置へ向かって後退する。ここで、中心軸CLは、回転部材520の短手方向における中心を通って回転部材520の長手方向に延びる直線である。この場合、基板Wが検出器SE1,SE2の2つの検出領域DAを横切ることにより、基板Wの外周端部における4つの部分p1~p4が検出される。
【0123】
本例では、基板Wの4つの部分p1~p4が検出されると、ハンドH1は、基板Wの一部が平面視で検出器SE1,SE2の間に位置するように、進退動作を停止する。その後、ハンドH1は、図19の右側の平面図に太い矢印で示すように、部分p1~p4以外の基板Wの部分p5が、検出器SE1,SE2のいずれかの検出領域DAを横切るように、回転部材520の短手方向に移動する。これにより、2つの検出器SE1,SE2を用いて基板Wの外周端部のうち5以上の部分を検出することができる。したがって、基板Wの設計半径が未知である場合でも、4つの仮想円cr1~cr4のうち部分p5の位置を通る仮想円を選択することにより、選択された仮想円に基づいてハンドH1における基板Wの位置が判定される。
【0124】
このように、第3の実施の形態に係る基板搬送装置500によれば、基板Wの外周端部を検出する検出器の数を増加させることなくハンドH1,H2における基板Wの位置を容易かつ正確に判定することが可能になる。
【0125】
[4]第4の実施の形態
第4の実施の形態に係る基板搬送装置500について、第1の実施の形態に係る基板搬送装置500と異なる点を説明する。図20は第4の実施の形態に係る基板搬送装置500の側面図である。
【0126】
図20に示すように、本実施の形態に係る基板搬送装置500においては、検出器SE1,SE2が、ハンドH1,H2および回転部材520とは別体の固定部611,612に設けられている。上記の受け取り位置または載置位置には、基板Wを支持可能に構成された基板支持部600が設けられている。固定部611,612は、基板支持部600の近傍の位置で、基板支持部600に対して移動不可能に設けられている。検出器SE1,SE2は、基板搬送装置500により搬送される基板Wが検出器SE1,SE2の検出領域DAを横切るように配置されている。
【0127】
基板支持部600は、例えば1または複数の基板Wを収容するキャリアである。または、基板支持部600は、例えば2つの基板搬送装置の間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部である。あるいは、基板支持部600は、基板Wに所定の処理を行うための処理ユニット内に設けられる。処理ユニット内に設けられる基板支持部600の例としては、基板Wに熱処理を行うためのホットプレートまたはクーリングプレートがある。上記の例の他、処理ユニット内に設けられる基板支持部600の例としては、基板Wを水平姿勢で回転可能に保持する回転保持部(スピンチャック)がある。
【0128】
本実施の形態に係る基板搬送装置500においては、基板支持部600から基板Wを受け取ったハンドH1(またはハンドH2)が受け取り位置から進退初期位置に後退するまでの間に基板Wの複数の部分p1~p4が検出される。または、基板Wを保持するハンドH1(またはハンドH2)が進退初期位置から載置位置に前進するまでの間に基板Wの複数の部分p1~p4が検出される。それにより、ハンドH1(またはハンドH2)における基板Wの位置が判定される。
【0129】
上記の構成によれば、基板Wの複数の部分p1~p4を検出するための検出器SE1,SE2が固定部611,612に取り付けられる。この場合、検出器SE1,SE2の取付状態が安定するので、ハンドH1,H2における基板Wの位置の判定精度が向上する。
【0130】
[5]第5の実施の形態
第5の実施の形態に係る基板搬送装置500について、第1の実施の形態に係る基板搬送装置500と異なる点を説明する。図21は第5の実施の形態に係る基板搬送装置の平面図であり、図22図21の基板搬送装置500の側面図であり、図23図21の基板搬送装置500の正面図である。
【0131】
図21に示すように、本実施の形態に係る基板搬送装置500には、図1の検出器SE1,SE2に代えて、4つの検出器SE11,SE12,SE21,SE22が設けられる。検出器SE11,SE12は、ハンドH1に設けられ、枝分かれしたガイド部Haの2つの先端部に位置する。検出器SE21,SE22は、ハンドH2に設けられ、枝分かれしたガイド部Haの2つの先端部に位置する。そのため、図21図22の基板搬送装置500には、図2の支持部材530は設けられない。
【0132】
検出器SE11,SE12,SE21,SE22の各々は、反射型光電センサである。ここで用いられる反射型光電センサは、例えば投光部Seおよび受光部Srが共通のパッケージ内に一体的に設けられた構成を有する。検出器SE11,SE12,SE21,SE22の各々は、投光部Seから上方に向かって光を出射するとともに、上方から下方に向かって進行する光が受光部Srに入射するように設けられる。これにより、各検出器SE11,SE12,SE21,SE22においては、図22および図23にハッチングで示すように、当該検出器から上方に延びる検出領域DAが形成される。
【0133】
検出器SE11,SE12,SE21,SE22の各々においては、検出領域DAに基板Wが存在する場合、投光部Seから出射されて基板Wにより反射された光が帰還光として受光部Srに入射する。それにより、受光部Srから入光状態を示す検出信号が出力される。一方、検出領域DAに基板Wが存在しない場合、投光部Seから出射された光は、受光部Srに帰還しない。それにより、受光部Srから非入光状態を示す検出信号が出力される。
【0134】
第4の実施の形態において説明したように、受け取り位置には、例えば基板Wを支持する基板支持部600が設けられる。基板支持部600には、ハンドH1,H2に第1の基準位置が定められていることと同様に、指示される基板Wの中心が位置すべき基準の位置(以下、第2の基準位置と呼ぶ。)が予め定められている。
【0135】
本実施の形態に係る基板搬送装置500においては、基板支持部600に支持された基板Wの受け取り時に、当該基板Wの外周端部の複数の部分が検出器SE11,SE12により検出される。
【0136】
図24は、基板支持部600に支持された基板Wの外周端部の複数の部分を検出する方法の一例を示す模式図である。図24では、基板支持部600、基板支持部600に支持される基板WおよびハンドH1のみが示される。本例の基板支持部600は、例えば基板Wの下面中央部を吸着保持する回転保持部(スピンチャック)である。
【0137】
基板Wの外周端部の複数の部分の検出時には、例えば基板Wを保持していないハンドH1が、図24の左端の平面図に太い矢印で示すように、基板支持部600に載置された基板Wの下方の位置で、基板支持部600に向かって前進する。このとき、2つの検出器SE11,SE12の上方に基板Wが位置しないので、検出器SE11,SE12の各々の検出信号は非入光状態となる。
【0138】
次に、図24の中央の平面図に太い矢印で示すように、ハンドH1が所定距離前進すると、検出器SE11,SE12が、平面視で基板Wの外周端部の2つの部分に重なることになる。すなわち、基板Wの外周端部の2つの部分が検出器SE11,SE12の2つの検出領域DA(図23)を横切ることになる。この場合、検出器SE11,SE12の各々の検出信号が非入光状態から入光状態になる。それにより、検出器SE11,SE12の検出信号が非入光状態から入光状態になるタイミングに基づいて、基板支持部600に支持される基板Wの外周端部の2つの部分の位置が検出される。このとき、検出器SE11の検出信号に基づいて検出される基板Wの外周端部の部分を部分p11と呼ぶ。また、検出器SE12の検出信号に基づいて検出される基板Wの外周端部の部分を部分p12と呼ぶ。
【0139】
次に、図24の右端の平面図に太い矢印で示すように、ハンドH1がさらに所定距離前進すると、検出器SE11,SE12が、平面視で基板Wの外周端部の他の2つの部分に重なることになる。すなわち、基板Wの外周端部の他の2つの部分が検出器SE11,SE12の2つの検出領域DA(図23)を横切ることになる。この場合、検出器SE11,SE12の各々の検出信号が入光状態から非入光状態になる。それにより、検出器SE11,SE12の検出信号が非入光状態から入光状態になるタイミングに基づいて、基板支持部600に支持される基板Wの外周端部の2つの部分の位置が検出される。このとき、検出器SE11の検出信号に基づいて検出される基板Wの外周端部の部分を部分p13と呼ぶ。また、検出器SE12の検出信号に基づいて検出される基板Wの外周端部の部分を部分p14と呼ぶ。4つの部分p11~p14が検出されると、ハンドH1は、基板支持部600に接触しないように、基板支持部600に対する前進動作を停止する。
【0140】
上記の例に代えて、基板Wが支持される基板支持部600に最も近接する位置から、図24の右から左の順にハンドH1が基板支持部600に対して後退するときに上記の4つの部分p11~p14を検出することもできる。
【0141】
なお、ハンドH1の例と同様に、基板支持部600に対してハンドH2を前進または後退させる場合には、検出器SE21,SE22の検出信号に基づいて、基板Wの外周端部の4つの部分p11~p14の位置を検出することができる。
【0142】
上記のようにして、基板支持部600における基板Wの外周端部の複数の部分p11~p14が検出され、それらの位置が算出される。算出された複数の部分p11~p14の位置に基づいて、基板支持部600における基板Wの位置が判定される。
【0143】
第5の実施の形態に係る基板搬送装置500は、第1の実施の形態に係る基板搬送装置500と基本的に同じ制御系(図5)を有する。この場合、本実施の形態に係る搬送制御部550においては、基板位置判定部53が、検出された複数の部分p11~p14の位置に基づいて、基板支持部600における基板Wの位置を判定する。
【0144】
座標情報補正部60は、基板位置判定部53により判定された基板支持部600における基板Wの位置に基づいて、第2の基準位置に対する基板Wの中心位置Cのずれを算出する。また、座標情報補正部60は、ハンドH1,H2による基板Wの受け取り後に、基板Wの中心位置CがハンドH1,H2の第1の基準位置に一致するように、算出されたずれに基づいて受け取り位置の座標情報を補正する。あるいは、座標情報補正部60は、ハンドH1,H2から他の基板支持部600への基板Wの搬送後に、基板Wの中心位置Cが他の基板支持部600の第2の基準位置に一致するように、算出されたずれに基づいて載置位置の座標情報を補正する。これにより、基板Wを高い精度で搬送することが可能になる。
【0145】
上記の構成によれば、ハンドH1の移動により、基板Wの4つの部分p11~p14が2つの検出器SE11,SE12により検出される。また、ハンドH2の移動により、基板Wの4つの部分p11~p14が2つの検出器SE21,SE22により検出される。したがって、基板Wの複数の部分p11~p14の位置を検出するために、基板Wの複数の部分p11~p14にそれぞれ対応する複数の検出器を用意する必要がない。それにより、基板搬送装置500の構成が単純化される。また、基板搬送装置500の部品点数が低減されるので、基板搬送装置500を含む基板処理装置の低コスト化が実現される。
【0146】
[6]第6の実施の形態
図25は、第1~第5のいずれかの実施の形態に係る基板搬送装置500を備えた基板処理装置の全体構成を示す模式的ブロック図である。図25に示すように、基板処理装置100は、露光装置800に隣接して設けられ、制御装置210、第1~第5のいずれかの実施の形態に係る基板搬送装置500、熱処理部230、塗布処理部240および現像処理部250を備える。
【0147】
制御装置210は、例えばCPUおよびメモリ、またはマイクロコンピュータを含み、基板搬送装置500、熱処理部230、塗布処理部240および現像処理部250の動作を制御する。また、制御装置210は、基板搬送装置500のハンドH1を所定の処理ユニットの基板支持部に位置合わせするための指令を搬送制御部550に与える。
【0148】
基板搬送装置500は、基板Wを熱処理部230、塗布処理部240、現像処理部250および露光装置800の間で搬送する。塗布処理部240および現像処理部250の各々は、複数の処理ユニットPUを含む。塗布処理部240に設けられる処理ユニットPUには、基板支持部600としてスピンチャックが設けられる。また、処理ユニットPUには、スピンチャックにより回転される基板Wにレジスト膜を形成するための処理液を供給する処理液ノズル5が設けられる。それにより、未処理の基板Wにレジスト膜が形成される。レジスト膜が形成された基板Wには、露光装置800において露光処理が行われる。
【0149】
現像処理部250に設けられる処理ユニットPUには、スピンチャックにより回転される基板Wに現像液を供給する現像液ノズル6が設けられる。それにより、露光装置800による露光処理後の基板Wが現像される。
【0150】
熱処理部230は、基板Wに加熱または冷却処理を行う複数の処理ユニットTUを含む。処理ユニットTUにおいては、基板支持部600として温度調整プレートが設けられる。温度調整プレートは、加熱プレートまたはクーリングプレートである。熱処理部230においては、塗布処理部240による塗布処理、現像処理部250による現像処理、および露光装置800による露光処理の前後に基板Wの熱処理が行われる。
【0151】
上記の基板処理装置100には、第1~第5のいずれかの実施の形態に係る基板搬送装置500が設けられる。それにより、基板Wの位置を判定するために多数の検出器を用意する必要がないので、低コスト化が実現される。また、複数の処理ユニットPU,TU間で基板Wが高い精度で搬送される。それにより、各処理ユニットPU,TUにおいて、基板Wの位置ずれに起因する処理不良の発生が防止され、基板Wの処理精度が向上する。
【0152】
[7]他の実施の形態
(1)上記実施の形態に係る基板搬送装置500においては、ハンドH1,H2が回転部材520上で進退可能に構成されるが、ハンドH1,H2は、回転部材520上で進退可能かつ旋回可能に構成されてもよい。
【0153】
この場合、基板搬送装置500には、回転部材520上でハンドH1,H2の向きを変更する旋回用モータと、旋回用モータの回転角度を示す信号を出力する旋回用エンコーダが設けられる。それにより、例えば検出器SE1の検出領域DAを横切るようにハンドH1,H2を旋回させることにより、検出器SE1の検出信号と旋回用エンコーダの出力信号とに基づいて、基板Wの外周端部における一部分の位置を算出することが可能になる。このように、基板Wの外周端部の複数の部分を検出するためのハンドH1,H2の動作は、進退動作に限らず、旋回動作を含んでもよい。
【0154】
(2)第3の実施の形態に係る基板搬送装置500においては、一の検出器SE1を用いて基板Wの外周端部の3つの部分p1,p3、p5が検出されるが、本発明はこれに限定されない。上記実施の形態に係る基板搬送装置500においては、一の検出器SE1を用いて基板Wの外周端部の4以上の部分が検出されてもよい。この場合、基板Wを保持するハンドH1,H2は、例えば保持された基板Wの外周端部の4以上の部分が、一の検出器SE1の検出領域DAを順次横切るように移動される。それにより、検出器SE1の出力信号の状態の切り替わりのタイミングと、基板搬送装置500に内蔵される各エンコーダの出力とに基づいて基板Wの外周端部の4以上の部分の位置をそれぞれ算出することが可能になる。このような構成によれば、基板Wの外周端部を検出するための検出器の数をさらに低減することができる。したがって、基板搬送装置500を含む基板処理装置のさらなる低コスト化が実現される。
【0155】
(3)上記実施の形態において、基板搬送装置500は、一の処理ユニットの受け取り位置にある基板Wを受け取って搬送し、他の処理ユニットの載置位置に基板を載置するが、本発明はこれに限定されない。基板Wの受け取り位置および載置位置は、一の処理ユニット内に設定されてもよい。
【0156】
例えば、一のケーシング内に2つの基板支持部600(例えばクーリングプレートおよびホットプレート)を備える処理ユニットに、いわゆるローカル搬送機構として第1~第4のいずれかの実施の形態に係る基板搬送装置500を設けることができる。この場合、一の処理ユニット内で、一の基板支持部600から他の基板支持部600に基板Wが搬送される際に、ハンドH1,H2における基板Wの位置が判定される。
【0157】
あるいは、一のケーシング内に2つの基板支持部600(例えばクーリングプレートおよびホットプレート)を備える処理ユニットに、いわゆるローカル搬送機構として第5の実施の形態に係る基板搬送装置500を設けることができる。この場合、一の処理ユニット内で、一の基板支持部600から他の基板支持部600に基板Wが搬送される前または後に、基板支持部600における基板Wの位置が判定される。
【0158】
(4)上記の実施の形態において、ハンドH1,H2のガイド部Haは、略V字型の平板形状を有するが、本発明はこれに限定されない。ハンドH1,H2のガイド部Haは、円弧状に延びる略C字型の平板形状を有してもよい。この場合、ガイド部Haは、基板Wを保持した状態で、平面視で検出器SE1,SE2,SE3により検出されるべき基板Wの外周端部に重ならないように構成される。
【0159】
(5)上記の実施の形態において、基板搬送装置500のハンドH1,H2は、基板Wの下面を吸着する機構の代わりに、基板Wの外周端部に当接することにより基板の外周端部を保持する機構を有してもよい。基板Wの外周端部を保持するハンドによれば、基板Wの外周端部との当接部分が磨耗することにより、基板Wの中心位置Cが第1の基準位置からずれた状態でハンドにより保持される可能性がある。このような場合でも、ハンドにおける基板Wの位置が正確に判定されるので、本来載置されるべき位置に基板Wを正確に載置することが可能となる。
【0160】
(6)上記の実施の形態では、複数の検出器SE1,SE2,SE3の投光部Seは、基板Wの下方の位置から上方に向かうように光を出射する。これに限らず、検出器SE1,SE2,SE3の投光部Seは、基板Wの上方の位置から下方に向かうように光を出射してもよい。
【0161】
(7)第1~第4の実施の形態に係る基板搬送装置500においては、検出器SE1,SE2,SE3として透過型光電センサが用いられるが、本発明はこれに限定されない。第1~第4の実施の形態に係る基板搬送装置500においては、検出器SE1,SE2,SE3として透過型光電センサに代えて、反射型光電センサが用いられてもよい。
【0162】
(8)上記の実施の形態では、ハンドH1,H2により保持される基板Wの外周部の複数の部分p1~p5が光学式の検出器SE1,SE2,SE3により検出される。これに限らず、各ハンドH1,H2により保持される基板Wの外周部の複数の部分p1~p5は、超音波センサ等の他の検出器により検出されてもよい。
【0163】
[8]請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0164】
上記の実施の形態では、ハンドH1,H2および基板支持部600が支持部の例であり、基板搬送装置500のうちハンドH1,H2を除く構成が位置判定装置の例であり、検出器SE1,SE11,SE21の検出領域DAが第1の検出領域の例であり、検出器SE1,SE11,SE21が第1の検出器の例である。
【0165】
また、移動部材510、上下方向駆動モータ511、水平方向駆動モータ513、回転方向駆動モータ515、回転部材520、支持部材521,522、上ハンド進退用駆動モータ525、上ハンド第1駆動モータ525A、上ハンド第2駆動モータ525B、下ハンド進退用駆動モータ527、下ハンド第1駆動モータ527Aおよび下ハンド第2駆動モータ527Bが相対的移動部の例である。
【0166】
また、搬送制御部550が制御部の例であり、移動制御部58が相対的移動制御部の例であり、部分位置算出部51が部分位置算出部の例であり、基板位置判定部53が位置判定部の例であり、ハンドH1,H2が搬送保持部の例であり、検出器SE2,SE12,SE22の検出領域DAが第2の検出領域の例であり、検出器SE2,SE12,SE22が第2の検出器の例であり、基板Wの外周端部の部分p1,p11が基板の外周端部のうち第1の部分の例であり、基板Wの外周端部の部分p3,p13が基板の外周端部のうち第2の部分の例である。
【0167】
また、基板Wの外周端部の部分p2,p12が基板の外周端部のうち第3の部分の例であり、基板Wの外周端部の部分p4,p14が基板の外周端部のうち第4の部分の例であり、回転部材520の短手方向が第1の方向の例であり、回転部材520の長手方向が第2の方向の例である。
【0168】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
[9]参考形態
(1)第1の参考形態に係る位置判定装置は、支持部により支持された基板の位置を判定する位置判定装置であって、第1の検出領域を有する第1の検出器と、支持部に支持された基板と第1の検出器とを相対的に移動させることが可能に構成された相対的移動部と、相対的移動部を制御する制御部とを備え、制御部は、基板の外周端部のうち複数の部分が順次第1の検出領域に位置するように、相対的移動部を制御する相対的移動制御部と、第1の検出器の検出信号に基づいて支持部における複数の部分の位置をそれぞれ算出する部分位置算出部と、部分位置算出部により算出された複数の部分の位置に基づいて、支持部における基板の位置を判定する位置判定部とを含む。
その位置判定装置においては、基板の外周端部のうち複数の部分が順次第1の検出領域に位置するように、支持部に支持された基板と第1の検出器とが相対的に移動される。第1の検出器の検出信号に基づいて、支持部における複数の部分の位置がそれぞれ算出される。算出された複数の部分の位置に基づいて、支持部における基板の位置が判定される。
上記の位置判定装置によれば、支持部に支持された基板の複数の部分が第1の検出器により検出される。そのため、基板の複数の部分の位置を検出するために、基板の複数の部分にそれぞれ対応する複数の検出器を用意する必要がない。したがって、位置判定装置の構成が単純化される。また、位置判定装置の部品点数が低減される。これらの結果、基板処理装置の低コスト化が実現される。
(2)支持部は、基板を保持しつつ移動可能に構成された搬送保持部を含み、相対的移動部は、搬送保持部を移動させることにより、搬送保持部により保持された基板を第1の検出器に対して相対的に移動させることが可能に構成されてもよい。
この場合、搬送保持部により基板が保持された状態で、当該搬送保持部における基板の位置を把握することが可能になる。
(3)位置判定装置は、第2の検出領域を有する第2の検出器をさらに備え、相対的移動部は、搬送保持部を移動させることにより、搬送保持部により保持された基板を第2の検出器に対して相対的に移動させることが可能に構成され、相対的移動制御部は、基板の外周端部のうち第1および第2の部分が順次第1の検出領域に位置するとともに、基板の外周端部のうち第3および第4の部分が順次第2の検出領域に位置するように、相対的移動部を制御し、部分位置算出部は、第1および第2の検出器の検出信号に基づいて搬送保持部における複数の部分の位置をそれぞれ算出してもよい。
この場合、第1の検出器により基板の第1および第2の部分が検出され、第2の検出器により基板の第3および第4の部分が検出される。
(4)第1および第2の検出器は、第1の検出領域と第2の検出領域とが第1の方向において基板の直径よりも小さい間隔で並ぶように設けられ、相対的移動制御部は、第1の方向に交差する第2の方向に搬送保持部が移動することにより基板が第1および第2の検出領域を横切るように、相対的移動部を制御してもよい。
この場合、基板が第2の方向に移動することにより、基板の第1および第2の部分が第1の検出領域を順次通過するのとほぼ同じタイミングで、基板の第3および第4の部分が第2の検出領域を順次通過する。したがって、基板の第1~第4の部分の検出に要する時間を短くすることができる。
(5)相対的移動部は、第1の検出器を移動させることにより、支持部により支持された基板に対して第1の検出器を相対的に移動させることが可能に構成されてもよい。
この場合、第1の検出器が移動することにより、支持部を移動させることなく当該支持部における基板の位置を把握することが可能になる。
(6)位置判定装置は、第2の検出領域を有する第2の検出器をさらに備え、相対的移動部は、第2の検出器を移動させることにより、支持部により支持された基板に対して第2の検出器を相対的に移動させることが可能に構成され、相対的移動制御部は、基板の外周端部のうち第1および第2の部分が順次第1の検出領域に位置するとともに、基板の外周端部のうち第3および第4の部分が順次第2の検出領域に位置するように、相対的移動部を制御し、部分位置算出部は、第1および第2の検出器の検出信号に基づいて支持部における複数の部分の位置をそれぞれ算出してもよい。
この場合、第1の検出器により基板の第1および第2の部分が検出され、第2の検出器により基板の第3および第4の部分が検出される。
(7)第1および第2の検出器は、第1の検出領域と第2の検出領域とが第1の方向において基板の直径よりも小さい間隔で並ぶように設けられ、相対的移動制御部は、第1の方向に交差する第2の方向に第1および第2の検出器が移動することにより第1および第2の検出領域が基板を横切るように、相対的移動部を制御してもよい。
この場合、第1および第2の検出器が第2の方向に移動することにより、第1の検出領域が基板の第1および第2の部分を順次通過するのとほぼ同じタイミングで、第2の検出領域が基板の第3および第4の部分を順次通過する。したがって、基板の第1~第4の部分の検出に要する時間を短くすることができる。
(8)第2の参考形態に係る基板搬送装置は、上記の位置判定装置を備える。
その基板搬送装置においては、位置判定装置による判定結果に基づいて基板を搬送することが可能になる。したがって、基板を高い精度で搬送することが可能になる。
(9)第3の参考形態に係る位置判定方法は、支持部により支持された基板の位置を判定する位置判定方法であって、第1の検出領域を有する第1の検出器を用意するステップと、支持部に支持された基板の外周端部のうち複数の部分が順次第1の検出領域に位置するように、支持部に支持された基板と第1の検出器とを相対的に移動させるステップと、第1の検出器の検出信号に基づいて支持部における複数の部分の位置をそれぞれ算出するステップと、算出するステップにより算出された複数の部分の位置に基づいて、支持部における基板の位置を判定するステップとを含む。
その位置判定方法においては、基板の外周端部のうち複数の部分が順次第1の検出領域に位置するように、支持部に支持された基板と第1の検出器とが相対的に移動される。第1の検出器の検出信号に基づいて、支持部における複数の部分の位置がそれぞれ算出される。算出された複数の部分の位置に基づいて、支持部における基板の位置が判定される。
上記の位置判定方法によれば、支持部に支持された基板の複数の部分が第1の検出器により検出される。そのため、基板の複数の部分の位置を検出するために、基板の複数の部分にそれぞれ対応する複数の検出器を用意する必要がない。したがって、位置判定装置の構成が単純化される。また、位置判定装置の部品点数が低減される。これらの結果、基板処理装置の低コスト化が実現される。
(10)支持部は、基板を保持しつつ移動可能に構成された搬送保持部を含み、支持部に支持された基板と第1の検出器とを相対的に移動させるステップは、搬送保持部を移動させることにより、搬送保持部により保持された基板を第1の検出器に対して相対的に移動させることを含んでもよい。
この場合、搬送保持部により基板が保持された状態で、当該搬送保持部における基板の位置を把握することが可能になる。
(11)位置判定方法は、第2の検出領域を有する第2の検出器を用意するステップをさらに含み、搬送保持部により保持された基板を第1の検出器に対して相対的に移動させることは、基板の外周端部のうち第1および第2の部分が順次第1の検出領域に位置するとともに、基板の外周端部のうち第3および第4の部分が順次第2の検出領域に位置するように、搬送保持部に保持された基板を第1および第2の検出器に対して相対的に移動させることを含み、複数の部分の位置をそれぞれ算出するステップは、第1および第2の検出器の検出信号に基づいて搬送保持部における複数の部分の位置をそれぞれ算出するステップを含んでもよい。
この場合、第1の検出器により基板の第1および第2の部分が検出され、第2の検出器により基板の第3および第4の部分が検出される。
(12)第1および第2の検出器は、第1の検出領域と第2の検出領域とが第1の方向において基板の直径よりも小さい間隔で並ぶように設けられ、搬送保持部に保持された基板を第1および第2の検出器に対して相対的に移動させることは、基板が第1および第2の検出領域を横切るように、第1の方向に交差する第2の方向に搬送保持部を移動させることを含んでもよい。
この場合、基板が第2の方向に移動することにより、基板の第1および第2の部分が第1の検出領域を順次通過するのとほぼ同じタイミングで、基板の第3および第4の部分が第2の検出領域を順次通過する。したがって、基板の第1~第4の部分の検出に要する時間を短くすることができる。
(13)支持部に支持された基板と第1の検出器とを相対的に移動させるステップは、第1の検出器を移動させることにより、支持部により支持された基板に対して第1の検出器を相対的に移動させることを含んでもよい。
この場合、第1の検出器が移動することにより、支持部を移動させることなく当該支持部における基板の位置を把握することが可能になる。
(14)位置判定方法は、第2の検出領域を有する第2の検出器を用意するステップをさらに含み、支持部に支持された基板に対して第1の検出器を相対的に移動させることは、基板の外周端部のうち第1および第2の部分が順次第1の検出領域に位置するとともに、基板の外周端部のうち第3および第4の部分が順次第2の検出領域に位置するように、支持部に支持された基板に対して第1および第2の検出器を相対的に移動させることを含み、複数の部分の位置をそれぞれ算出するステップは、第1および第2の検出器の検出信号に基づいて支持部における複数の部分の位置をそれぞれ算出するステップを含んでもよい。
この場合、第1の検出器により基板の第1および第2の部分が検出され、第2の検出器により基板の第3および第4の部分が検出される。
(15)第1および第2の検出器は、第1の検出領域と第2の検出領域とが第1の方向において基板の直径よりも小さい間隔で並ぶように設けられ、支持部に支持された基板に対して第1および第2の検出器を相対的に移動させることは、第1および第2の検出領域が基板を横切るように、第1の方向に交差する第2の方向に第1および第2の検出器を移動させることを含んでもよい。
この場合、第1および第2の検出器が第2の方向に移動することにより、第1の検出領域が基板の第1および第2の部分を順次通過するのとほぼ同じタイミングで、第2の検出領域が基板の第3および第4の部分を順次通過する。したがって、基板の第1~第4の部分の検出に要する時間を短くすることができる。
(16)第4の参考形態に係る基板搬送方法は、上記の位置判定方法を含む。
その基板搬送装置においては、位置判定装置による判定結果に基づいて基板を搬送することが可能になる。したがって、基板を高い精度で搬送することが可能になる。
【符号の説明】
【0169】
5…処理液ノズル,6…現像液ノズル,51…部分位置算出部,52…仮想円算出部,53…基板位置判定部,54…検出器位置記憶部,55…しきい値記憶部,58…移動制御部,59…座標情報記憶部,60…座標情報補正部,61…基板情報記憶部,100…基板処理装置,210…制御装置,230…熱処理部,240…塗布処理部,250…現像処理部,500…基板搬送装置,510…移動部材,511…上下方向駆動モータ,512…上下方向エンコーダ,513…水平方向駆動モータ,514…水平方向エンコーダ,515…回転方向駆動モータ,516…回転方向エンコーダ,520…回転部材,521,522,530…支持部材,525…上ハンド進退用駆動モータ,525A…上ハンド第1駆動モータ,525B…上ハンド第2駆動モータ,526…上ハンドエンコーダ,527…下ハンド進退用駆動モータ,527A…下ハンド第1駆動モータ,527B…下ハンド第2駆動モータ,528…下ハンドエンコーダ,529…操作部,550…搬送制御部,600…基板支持部,611,612…固定部,800…露光装置,C…中心位置,CL…中心軸,DA…検出領域,W…基板,H1,H2…ハンド,Ha…ガイド部,Hb…アーム部,N…ノッチ,PU,TU…処理ユニット,SE1,SE2,SE3,SE11,SE12,SE21,SE22…検出器,Se…投光部,Sr…受光部,cr1~cr4…仮想円,p1~p5,p11~p14…部分,sm…吸着部,vp1~vp4…中心位置
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