(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/04 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B65D77/04 A
(21)【出願番号】P 2020151275
(22)【出願日】2020-09-09
【審査請求日】2023-09-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 販売日: 2020年4月20日~2020年9月8日 販売した場所: 別紙リスト参照 放送日: 2020年8月23日 放送番組: 「がっちりマンデー!!」 ウェブサイトの掲載日 : 2020年8月31日~ 公開場所(ウェブサイトのアドレス): https://www.risupack.co.jp/risupack_contents/article/1894
(73)【特許権者】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔭山 春香
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-111386(JP,A)
【文献】特許第6750918(JP,B1)
【文献】特開2012-46210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/04
B65D 81/34
B65D 1/26
B65D 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体に、中皿を収納した状態で、蓋体を閉じる包装用容器であって、
前記容器本体の側壁に、段部を備え、
前記中皿は、外周の側壁から下方へ延出する外周壁を備えると共に、前記側壁と前記外周壁の間に空間を備え、
前記中皿の外周壁の上端が、前記蓋体の天面に当接し、前記中皿の外周壁の下端が、前記側壁の段部に当接
し、
前記中皿の外周壁の上端には、外周壁側係止部が設けられ、
前記蓋体の天面には、天面側係止部が設けられ、
前記外周壁側係止部と前記天面側係止部は、互いに係止する、ことを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記蓋体が前記容器本体に嵌合した状態、又は前記蓋体が前記容器本体に向けて押圧した状態で、
前記中皿の外周壁の上端が、前記蓋体の天面によって下方へ押圧して当該天面と当接すると共に、前記中皿の外周壁の下端も、下方へ押圧して前記側壁の段部に当接することを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記中皿は、当該中皿の側壁の内側に、食品を収容可能な収容部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、容器本体と中皿と蓋体とからなる包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品等を収容した状態で、蓋体が容器本体に嵌合する包装用容器が利用されており、特に近年では、料理宅配サービスの普及によって、温かい麺類等の加熱調理された食品を収容するために包装用容器が利用されている。例えば、特許文献1や特許文献2の包装用容器は、容器本体と中皿と蓋体とを備えており、中皿と容器本体に個別に食品を収容できるようになっている。そして、容器本体にスープや水分が多い食品を収容し、中皿に麺や薬味等の食材を収容するなど、食品に合わせて多様な収容が行える。ただ、これらの包装用容器では、容器本体の開口部を塞ぐように、中皿が収容され、その上から蓋体が嵌合されて密閉されているものの、包装用容器が大きく傾いてしまった際に、容器本体に収容された食品の水分の液漏れを効果的に防止できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6214121号
【文献】特許第6013265号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、容器本体に収容された食品の水分等の液漏れを効果的に防止できる包装用容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る包装用容器は、容器本体に、中皿を収納した状態で、蓋体を閉じる包装用容器であって、前記容器本体の側壁に、段部を備え、前記中皿は、外周の側壁から下方へ延出する外周壁を備えると共に、前記側壁と前記外周壁の間に空間を備え、前記中皿の外周壁の上端が、前記蓋体の天面に当接し、前記中皿の外周壁の下端が、前記側壁の段部に当接することを特徴とする。
【0006】
上記特徴によれば、蓋体が容器本体に閉じられた状態では、中皿の外周壁の下端と容器本体の段部との間に隙間ができず、容器本体内に収容された食品の水分等が外に漏れることを効果的に防止できる。また、包装用容器が大きく傾けられると、容器本体の収容部に収容された食品の水分等は、中皿の側壁と外周壁の間の空間へと流れ込んでいく。そのため、中皿の外周壁の下端と容器本体の段部との当接箇所に食品の水分等が流れ込みにくく、その当接箇所に食品の水分等が流れ込む圧力がかかりにくい。よって、中皿の外周壁の下端と容器本体の段部との間から、容器本体内に収容された食品の水分等が外に漏れることを更に効果的に防止できる。
【0007】
さらに、本願発明の請求項2に係る包装用容器は、前記蓋体が前記容器本体に嵌合した状態、又は前記蓋体が前記容器本体に向けて押圧した状態で、前記中皿の外周壁の上端が、前記蓋体の天面によって下方へ押圧して当該天面と当接すると共に、前記中皿の外周壁の下端も、下方へ押圧して前記側壁の段部に当接することを特徴とする。
【0008】
上記特徴によれば、蓋体の天面が外周壁の上端を下方へ押圧しているので、その押圧する力が、外周壁の下端まで直接かつ効果的に伝わり、外周壁の下端が容器本体の段部に当接した状態を強固に維持できることから、中皿の外周壁の下端と容器本体の段部との間に隙間ができず、容器本体内に収容された食品の水分等が外に漏れることを更に効果的に防止できる。
【0009】
さらに、本願発明の請求項3に係る包装用容器は、前記中皿は、当該中皿の側壁の内側に、食品を収容可能な収容部を備えていることを特徴とする。
【0010】
上記特徴によれば、中皿の収容部に収容された食品の重量により、外周壁は下方へ押圧されるので、外周壁の下端が容器本体の段部に当接した状態を強固に維持できることから、中皿の外周壁の下端と容器本体の段部との間に隙間ができず、容器本体内に収容された食品の水分等が外に漏れることを更に効果的に防止できる。
【0011】
さらに、本願発明の請求項1に係る包装用容器は、前記中皿の外周壁の上端には、外周壁側係止部が設けられ、前記蓋体の天面には、天面側係止部が設けられ、前記外周壁側係止部と前記天面側係止部は、互いに係止することを特徴とする。
【0012】
上記特徴によれば、外周壁側係止部と前記天面側係止部は互いに係止しているので、蓋体の天面が中皿の外周壁の上端に当接した状態、又は蓋体の天面が中皿の外周壁の上端を下方へ押圧した状態を強固に維持できるのである。
【発明の効果】
【0013】
上述したように、本願発明の包装用容器は、容器本体に収容された食品の水分等の液漏れを効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(a)は、本願発明の包装用容器の蓋体の平面図、(b)は蓋体の側面図、(c)はA-A端面図である。
【
図2】(a)は、本願発明の包装用容器の中皿の平面図、(b)は中皿の側面図、(c)はB-B端面図である。
【
図3】(a)は、本願発明の包装用容器の容器本体の平面図、(b)は、容器本体の側面図、(c)はC-C端面図である。
【
図4】(a)は、本願発明の包装用容器の平面図、(b)は包装用容器の側面図である。
【
図5】(a)は、
図4(a)のD-D端面図、(b)は、
図5(a)における、包装用容器の嵌合部分の拡大端面図である。
【
図6】(a)は、
図5(a)に示す包装用容器を傾けた端面図、(b)は包装用容器の嵌合部分の拡大端面図である。
【符号の説明】
【0015】
100 蓋体
110 天面
200 中皿
220 側壁
230 外周壁
300 容器本体
320 側壁
330 段部
400 包装用容器
X 空間
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本願発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、包装用容器の容器本体の開口面を上にして水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことである。
【0017】
まず、
図1には、本願発明の包装用容器400の蓋体100を示す。なお、
図1(a)は蓋体100の平面図、
図1(b)は蓋体100の側面図、
図1(c)はA-A端面図である。
【0018】
図1に示すように、蓋体100は下方に開口した浅皿型で、平面視略円形形状をしており、平坦な天面110と、当該天面110の縁部111から下方へ向けて連続する側壁120と、当該側壁120の下端から外側へ延びるフランジ部130とを備える。また、フランジ部130から立ち上がるように、外側に凸状の蓋体側嵌合部140が設けられ、蓋体側嵌合部140の上端の外側には、平坦な鍔部150が形成されている。そして、側壁120、フランジ部130、蓋体側嵌合部140、及び鍔部150は、蓋体100の周方向へ全周にわたり連続して設けられている。
【0019】
また、天面110の外周には、天面110の周方向へ一周する、上方へ凸状の段部112が形成されている。この段部112の内側には、後述する容器本体の底面を載置できるようになっており、段積みされた包装用容器が横ズレしないようになっている。
【0020】
さらに、天面110の外周には、天面110の周方向へ一周する、上方へ凸状の天面側係止部160が形成されている。この天面側係止部160は、裏面側が上方へ窪んだ凹部161となっており、後述する外周壁側係止部を凹部161内に係止できるように構成されている。なお、天面側係止部160は、天面110の周方向へ一周するように連続して形成されているが、これに限定されず、天面110の周方向へ断続的に形成してもよい。
【0021】
次に、
図2に本願発明の包装用容器400の中皿200を示す。なお、
図2(a)は中皿200の平面図、
図2(b)は中皿200の側面図、
図2(c)はB-B端面図である。
【0022】
図2に示すように、中皿200は上方に開口した浅皿型で、平面視略円形形状をしており、平坦な底面210と、当該底面210の縁部から上方へ立ち上がるように連続する側壁220と、当該側壁220の上端から下方へ延出する外周壁230と、外周壁230の下端から外側へ延びるフランジ部240とを備える。側壁220と外周壁230は、上端側で互いに連続しているものの、下端側は互いに離間しているので、側壁220と外周壁230の間には、空間Xが形成されている。そして、側壁220、外周壁230、及びフランジ部240は、中皿200の周方向へ全周にわたり連続して設けられている。また、中皿200は、底面210と周囲の側壁220に囲まれて、内側に食材等を収容可能な収容部270を備える。
【0023】
また、外周壁230の上端には、上方へ凸状の外周壁側係止部260が形成されている。この外周壁側係止部260は、中皿200の周方向へ一周するように連続して形成されているが、これに限定されず、中皿200の周方向へ断続的に形成してもよい。また、外周壁230の下端には、後述する容器本体の段部に載置可能な平坦なフランジ部240が設けられているが、これに限定されず、外周壁230の下端が容器本体の段部に当接できるのであれば、フランジ部240を備えないなど、任意の構成とすることができる。
【0024】
次に、
図3には、本願発明の包装用容器400の容器本体300を示す。なお、
図3(a)は、容器本体300の平面図、
図3(b)は、容器本体300の側面図、
図3(c)はC-C端面図である。
【0025】
図3に示すように、容器本体300は上方に開口した深皿型で、平面視略円形形状をしており、平坦な底面310と、当該底面310の縁部から上方へ立ち上がるように連続する側壁320と、当該側壁320の上端側に形成された段部330と、当該段部330から上方に連続し、外側に凹状の容器側嵌合部340と、容器側嵌合部340の上端の外側に連続するフランジ部350とを備える。そして、側壁320、段部330、容器側嵌合部340、及びフランジ部350は、容器本体300の周方向へ全周にわたり連続して設けられている。また、容器本体300は、底面310と周囲の側壁320に囲まれて、内側にスープ等の食材を収容可能な収容部360を備える。
【0026】
また、段部330は、平坦な載置面331と載置面331から立ち上がる側面332とを備えている。この載置面331は、中皿200のフランジ部240が安定して載置できるように構成されており、側面332は、載置された中皿200のフランジ部240がズレないように、外側から囲むように構成されている。
【0027】
なお、本実施形態に係る蓋体100(
図1参照)、及び中皿200(
図2参照)は、厚さが約0.1mmから1.00mm程度のシート状の素材を用いて、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形)されたものであり、例えば、蓋体100や中皿200の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを二軸延伸させたものを用いることができる。また、容器本体300は、スープ等の液体の食材を収容するのに適した、例えば、保温性、耐熱性や、耐水性を備える、耐熱PSP、耐熱発泡PET等によって成形されている。また、蓋体100、中皿200、及び容器本体300は、平面視略円形であるが、この他にも平面視多角形など、適宜形状を変更することができる。
【0028】
では次に、
図4及び
図5を参照して、本願発明の包装用容器400について説明する。なお、
図4(a)は包装用容器400の平面図、
図4(b)は包装用容器400の側面図、
図5(a)は、
図4(a)のD-D端面図、
図5(b)は、
図5(a)における、包装用容器400の嵌合部分の拡大端面図である。
【0029】
図4及び
図5に示すように、包装用容器400は、蓋体100、中皿200、及び容器本体300の3つの部材から構成されている。そして、包装用容器400を使用して商品を店頭等で陳列する場合や、包装用容器400を使用して料理の配達を行う際は、容器本体300の収容部360にスープ等の液体の食品Sを収容した状態で、容器本体300の開口部を覆うように中皿200が載置され、当該中皿200の収容部270に麺類や具材等の食品Mを収容して、その上から覆うように蓋体100が被せられ、包装用容器400は密閉された状態となる。
【0030】
より詳しく説明すると、
図5に示すように、中皿200の外周壁230の下端のフランジ部240を、容器本体300の段部330の載置面331に載置させて、中皿200を容器本体300の開口部を覆うように収容している。また、蓋体100の蓋体側嵌合部140は容器本体300の容器側嵌合部340に内嵌合し、蓋体100は中皿200を覆うようにして容器本体300に取り付けられている。蓋体100が容器本体300に嵌合している状態では、鍔部150がフランジ部350に密着しているので、蓋体100と容器本体300の隙間から、内部にゴミ等が侵入することを防ぐことができる。また、中皿200の側壁220と外周壁230との間の空間Xは、容器本体300の収容部360の上方に位置し、収容部360と連通した状態となる。
【0031】
また、蓋体100が容器本体300に嵌合した状態では、中皿200の外周壁230の上端側では、上方に凸状の外周壁側係止部260が、蓋体100の天面110の天面側係止部160の凹部161内に入り込んで当接し、互いにズレることなく係止した状態となっている。そのため、後述するように包装用容器400が揺れたり傾いたりしても、蓋体100の天面110が中皿200の外周壁230の上端に当接した状態、又は蓋体100の天面110が中皿200の外周壁230の上端を下方へ押圧した状態を強固に維持できるのである。
【0032】
なお、天面側係止部160は上方に凹状(天面側係止部160の裏面側が窪んでいる状態)で、外周壁側係止部260は上方に凸状となっているが、これに限定されず、天面側係止部160が下方に凸状で、外周壁側係止部260が下方に凹状など、天面側係止部160と外周壁側係止部260とが互いに係止できるのであれば、天面側係止部160と外周壁側係止部260は任意の構成であってもよい。また、天面側係止部160と外周壁側係止部260とが互いに係止できる構成となっているが、これに限定されず、天面側係止部160と外周壁側係止部260とが互いに嵌合する構成としてもよい。
【0033】
このように、本願発明の包装用容器400では、中皿200の外周壁230の上端が蓋体100の天面110に当接し、外周壁230の下端のフランジ部240が容器本体300の段部330に当接しているので、中皿200が上下方向にズレることを防止でき、外周壁230の下端のフランジ部240が容器本体300の段部330に当接した状態を維持できる。さらに、中皿200の外周壁230のフランジ部240の上方に位置する段状の当接部231の一部と、蓋体100のフランジ部130の一部は、蓋体100が容器本体300に嵌合した状態、又は前記蓋体100が容器本体300に向けて押圧した状態で互いに当接することにより、中皿200が上下方向にズレることを防止することもできる。そのため、包装用容器400の運搬時等に包装用容器400が揺れたり、
図6に示すように包装用容器400が大きく傾いたりしても、蓋体100が容器本体300に閉じられた状態では、中皿200の外周壁230の下端と容器本体300の段部330との間に隙間ができず、容器本体300内に収容された食品Sが外に漏れることを効果的に防止できる。なお、
図6(a)は、
図5(a)に示す包装用容器400を傾けた端面図、
図6(b)は包装用容器400の嵌合部分の拡大端面図である。
【0034】
さらに、蓋体100が容器本体300に嵌合した状態では、段部330の載置面331から外周壁230の上端における天面110との当接箇所(
図5では、外周壁側係止部260)までの高さH1は、段部330の載置面331から蓋体100の天面110における外周壁230との当接箇所(
図5では、天面側係止部160)までの高さH2よりもわずかに大きくなっている。そのため、蓋体100が容器本体300に嵌合して取り付けられると、蓋体100の天面110が、天面側係止部160を介して、外周壁230の上端の外周壁側係止部260を下方へ押圧した状態となるのである。そして、外周壁230は下方へ押圧されているので、外周壁230の下端のフランジ部240も段部330に向けて押圧するように当接しているのである。
【0035】
このように、蓋体100の天面110が外周壁230の上端を下方へ押圧しているので、その押圧する力が、外周壁230の下端まで直接かつ効果的に伝わり、外周壁230の下端が容器本体300の段部330に当接した状態を強固に維持できることから、中皿200の外周壁230の下端と容器本体300の段部330との間に隙間ができず、容器本体300内に収容された食品Sが外に漏れることを更に効果的に防止できる。特に、外周壁230は上下方向に延出しており、その延出方向Y上で、外周壁230の上端(
図5では、外周壁側係止部260)が蓋体100の天面110に当接し、外周壁230の下端(
図5では、フランジ部240)が段部330に当接している。そのため、外周壁230の上端と下端が、蓋体100の天面110と容器本体300の段部330とで挟まれて、上下方向に突っ張った状態となっているので、中皿200の外周壁230の下端と容器本体300の段部330とのに間に隙間ができず、容器本体300内に収容された食品Sが外に漏れることを更に効果的に防止できる。
【0036】
また、中皿200の収容部270に収容された食品Mの重量により、外周壁230は下方へ押圧するので、外周壁230の下端が容器本体300の段部330に当接した状態を強固に維持できることから、中皿200の外周壁230の下端と容器本体300の段部330との間に隙間ができず、容器本体300内に収容された食品Sが外に漏れることを更に効果的に防止できる。
【0037】
また、
図6に示すように、包装用容器400が大きく傾けられると、容器本体300の収容部360に収容された食品Sは、中皿200の側壁220と外周壁230の間の空間Xへと流れ込んでいく。そのため、中皿200の外周壁230の下端と容器本体300の段部330との当接箇所に食品Sが流れ込みにくく、その当接箇所に食品Sが流れ込む圧力がかかりにくい。よって、中皿200の外周壁230の下端と容器本体300の段部330との間から、容器本体300内に収容された食品Sが外に漏れることを更に効果的に防止できる。
【0038】
さらに、空間Xに流れ込んだ食品Sの重さによって、外周壁230は斜め下方に押圧するので、外周壁230の下端のフランジ部240は段部330の側面332に押圧することになる。そのため、外周壁230の下端が容器本体300の段部330に当接した状態を維持できることから、容器本体300内に収容された食品Sが外に漏れることを更に効果的に防止できる。
【0039】
また、中皿200の外周壁230の下端は容器本体300の段部330に、包装用容器400の周方向に一周するように連続して当接しており、中皿200の外周壁230の下端と容器本体300の段部330との間には、互いに当接していない箇所(例えば、連通孔の開口)は形成されていない。そのため、包装用容器400がどの方向へ揺れたり傾いたりしても、容器本体300内に収容された食品Sが外に漏れることを効果的に防止できる。
【0040】
なお、
図5に示す、蓋体100が容器本体300に嵌合した状態では、外周壁230の外周壁側係止部260が蓋体100の天面側係止部160に当接しているが、これに限定されず、天面側係止部160及び外周壁側係止部260を備えない場合は、外周壁230の上端の一部が蓋体100の天面110の一部に当接するように構成される。
【0041】
また、段部330の載置面331から外周壁230の上端における天面110との当接箇所(
図5では、外周壁側係止部260)までの高さH1は、段部330の載置面331から蓋体100の天面110における外周壁230との当接箇所(
図5では、天面側係止部160)までの高さH2よりもわずかに大きくなっているが、これに限定されず、高さH1と高さH2は等しくてもよい。高さH1と高さH2が等しい場合は、蓋体100の天面110が外周壁230の上端に当接するものの、蓋体100の天面110は外周壁230の上端を下方へ押圧することはない。ただ、包装用容器400が段積みされた際に、上に段積みされた包装用容器400の自重によって、下側の包装用容器400の蓋体100が下方へ押圧する場合や、包装用容器400の蓋体100が人によって下方へ押圧される場合などは、蓋体100の天面110が外周壁230の上端に当接している状態から、蓋体100の天面110が外周壁230の上端を下方へ押圧する状態へと直ちに容易に変わる。そして、外周壁230の下端が容器本体300の段部330に当接した状態を強固に維持できることから、中皿200の外周壁230の下端と容器本体300の段部330との間に隙間ができず、容器本体300内に収容された食品Sが外に漏れることを更に効果的に防止できる。
【0042】
なお、本願発明の包装用容器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。