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特許75796847-ベンジル-4-(2-メチルベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-A]ピリド[3,4-E]ピリミジン-5(1H)-オン、その類似体、およびこれらの塩ならびに治療におけるこれらの使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】7-ベンジル-4-(2-メチルベンジル)-2,4,6,7,8,9-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-A]ピリド[3,4-E]ピリミジン-5(1H)-オン、その類似体、およびこれらの塩ならびに治療におけるこれらの使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/14 20060101AFI20241031BHJP
   A61K 31/337 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20241031BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241031BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
C07D471/14 102
C07D471/14 CSP
A61K31/337
A61K31/519
A61K31/5377
A61K39/395 N
A61K45/00
A61P35/00
A61P43/00 121
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020195955
(22)【出願日】2020-11-26
(62)【分割の表示】P 2017540230の分割
【原出願日】2016-01-29
(65)【公開番号】P2021050209
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2020-11-26
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】62/109,737
(32)【優先日】2015-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/148,844
(32)【優先日】2015-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/233,757
(32)【優先日】2015-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515252019
【氏名又は名称】オンコシューティクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ONCOCEUTICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ストグニュー、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】アレン、ジョシュア・イー
(72)【発明者】
【氏名】ポットーフ、リチャード・エス
(72)【発明者】
【氏名】ナラガンチュ、ブアスカラ・ラオ
(72)【発明者】
【氏名】オルソン、ゲイリー・エル
(72)【発明者】
【氏名】サン、ヤンジュン
【合議体】
【審判長】阪野 誠司
【審判官】冨永 保
【審判官】野田 定文
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0335048(US,A1)
【文献】国際公開第2015/153468(WO,A1)
【文献】特許第6670751(JP,B2)
【文献】特許第6802172(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式(40b)で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物の塩を含む組成物であって、
前記塩が、塩酸のジ塩である、組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能なキャリアを含む医薬組成物。
【請求項4】
医薬として投与される、請求項2に記載の組成物、または請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
癌を治療するための医薬として投与される、請求項2に記載の組成物、または請求項3に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL、Apo2L)は、癌細胞内でアポトーシスを選択的に誘導する内因性タンパク質である。TRAILは、細胞表面のアポトーシス促進性の細胞死受容体4(DR4、TRAIL-R1)および細胞死受容体5(DR5、TRAIL-R2)を介した、外因性または内因性アポトーシス経路の関与による、広範囲のヒト癌細胞株に対する強力なアポトーシス誘導因子である。TRAILは免疫監視中の腫瘍抑制で直接的な役割を果たしているが、この抗腫瘍機構は疾患の進行中に失われる。TRAILは癌細胞内で選択的にアポトーシスを開始できるので、組換えTRAILおよびその2種類のアポトーシス促進性細胞死受容体のいずれかを標的とする長寿命TRAIL-アゴニスト抗体の投与による臨床試験が現在進行している。
【0002】
その効力にもかかわらず、組換えTRAILは、短い血清半減期、安定性、コスト、および送達などの有効性を制限する特性を有している。脳への組換えTRAILまたはTRAIL-アゴニスト抗体の送達は、組換えTRAILおよびTRAIL-アゴニスト抗体が血液脳関門を通過できないことにより制限されている。したがって、抗癌組成物および方法に対する必要性が継続して存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様では、下記の化学式(10)の化合物が本開示により提供される。
【0004】
【化1】
【0005】
式中、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アラルコキシ、アラルキルチオ、およびアシル基であり、RがCHPhである場合、Rは、CH-((2-CH)-Ph)ではない。いくつかの実施形態では、RおよびRは、H、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、C1-4ベンジルピペラジン、C1-4アルキルチエニル、C1-4アルキルピリジニル、C1-4アルキルイソオキサゾリジニル、C1-4アルキルモルホリニル、C1-4アルキルチアゾリル、およびC1-4アルキルピラジニルからなる群から独立して選択され、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、C1-4ベンジルピペラジン、C1-4アルキルチエニル、C1-4アルキルピリジニル、C1-4アルキルイソオキサゾリジニル、C1-4アルキルモルホリニル、C1-4アルキルチアゾリル、およびC1-4アルキルピラジニルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキル、またはハロで任意に置換されてもよい。いくつかの実施形態では、Rおよび/またはRは、置換もしくは非置換アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールアルキルは、C1-4アルキルピロリル、C1-4アルキルフリル、C1-4アルキルピリジル、C1-4アルキル-1、2、4-チアジアゾリル、C1-4アルキルピリミジル、C1-4アルキルチエニル、C1-4アルキルイソチアゾリル、C1-4アルキルイミダゾリル、C1-4アルキルテトラゾリル、C1-4アルキルピラジニル、C1-4アルキルピリミジル、C1-4アルキルキノリル、C1-4アルキルイソキノリル、C1-4アルキルチオフェニル、C1-4アルキルベンゾチエニル、C1-4アルキルイソベンゾフリル、C1-4アルキルピラゾリル、C1-4アルキルインドリル、C1-4アルキルプリニル、C1-4アルキルカルバゾリル、C1-4アルキルベンゾイミダゾリル、およびC1-4アルキルイソオキサゾリルから選択される。いくつかの実施形態では、Rおよび/またはRは、置換もしくは非置換ベンジルまたはフェニルエチルである。いくつかの実施形態では、Rおよび/またはRは、1種または複数の次のベンジル環上の置換基:X、-CH、-NO、-OCH、-CN、-CXH、-CXH、C-Cアルキル、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、-OC2p+1、-OC2p+1、OR、SR、NR、NRC(O)R、SOR、SO、C(O)R、およびC(O)ORで任意に置換されてもよいベンジルである。
およびRは、水素またはC-Cアルキルから独立して選択され、
pは2~20の整数であり、
Xはハロゲンである。
【0006】
一実施形態では、化合物(10)は、下記の化合物(90)の構造を有する。
【0007】
【化2】
【0008】
式中、
は上記で定義した通りであり、
b1、Rb2、Rb3、Rb4、およびRb5は、水素、X、-CH、-NO、-OCH、-CN、-CXH、-CXH、C-Cアルキル、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、-OC2p+1、-OC2p+1、OR、SR、NR、NRC(O)R、SOR、SO、C(O)R、およびC(O)ORからなる群からそれぞれ独立して選択され、
およびRは、水素またはC-Cアルキルから独立して選択され、
pは2~20の整数であり、
Xはハロゲンである。
【0009】
一実施形態では、化合物(10)は、下記の化合物(40)の構造を有する。
【0010】
【化3】
【0011】
式中、
は上記で定義した通りであり、
a1、Ra2、Ra3、Ra4、およびRa5は、水素、X、-CH、-NO、-OCH、-CN、-CXH、-CXH、C-Cアルキル、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、-OC2p+1、-OC2p+1、OR、SR、NR、NRC(O)R、SOR、SO、C(O)R、およびC(O)ORからなる群からそれぞれ独立して選択され、
およびRは、水素またはC-Cアルキルから独立して選択され、
pは2~20の整数であり、
Xはハロゲンである。
【0012】
一実施形態では、化合物(10)は、下記の化合物(50)の構造を有する。
【0013】
【化4】
【0014】
式中、
は上記で定義した通りであり、
は、X、-NO、-OCH、-CN、-CXH、-CXH、C-Cアルキル、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、-OC2p+1、-OC2p+1、OR、SR、NR、NRC(O)R、SOR、SO、C(O)R、およびC(O)ORからなる群から選択され、
a1、Ra2、Ra4、およびRa5は、水素、X、-CH、-NO、-OCH、-CN、-CXH、-CXH、C-Cアルキル、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、-OC2p+1、-OC2p+1、OR、SR、NR、NRC(O)R、SOR、SO、C(O)R、およびC(O)ORからなる群からそれぞれ独立して選択され、
およびRは、水素またはC-Cアルキルから独立して選択され、
pは2~20の整数であり、
Xはハロゲンである。
【0015】
一実施形態では、化合物(10)は、下記の化合物(80)の構造を有する。
【0016】
【化5】
【0017】
式中、
a1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、およびRb5は、水素、X、-CH、-NO、-OCH、-CN、-CXH、-CXH、C-Cアルキル、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、-OC2p+1、-OC2p+1、OR、SR、NR、NRC(O)R、SOR、SO、C(O)R、およびC(O)ORからなる群からそれぞれ独立して選択され、
およびRは、水素またはC-Cアルキルから独立して選択され、
pは2~20の整数であり、
Xはハロゲンである。
【0018】
別の態様では、本発明は、化学式(10)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を提供する。一実施形態では、医薬組成物は、化学式(10)の化合物の薬学的に許容可能な塩を含む。一実施形態では、該塩は、化学式(10)の化合物の薬学的に許容可能なモノ塩である。一実施形態では、該塩は、化学式(10)の化合物の薬学的に許容可能なジ塩である。一実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸水素塩、硫酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩および乳酸塩、重硫酸塩、ヒドロキシル、酒石酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、酒石酸水素塩、炭酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、ならびにカルボン酸塩からなる群から選択される。一実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルクロン酸塩、アスコルビン酸塩およびマレイン酸塩からなる群から選択される。一実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウムから、および/またはメチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよびトリエチルアミノ対イオンなどの他の対イオンと共に、選択される。一実施形態では、医薬組成物は、化学式(10)の化合物の、塩酸ジ塩または臭化水素酸ジ塩を含む。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は薬学的に許容可能なキャリアを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、第2の治療薬を含む。一実施形態では、第2の治療薬は抗癌剤である。一実施形態では、抗癌剤は、有糸分裂阻害剤である。一実施形態では、抗癌剤は、パクリタキセル、ドセタキセルおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。代替実施形態では、第2の治療薬は、抗血管新生薬である。一実施形態では、抗血管新生薬はベバシズマブである。一実施形態では、第2の治療薬は、患者を治療するための併用療法の一部として投与される。一実施形態では、併用療法の詳細は、化学式(10)の化合物に関する添付文書に含まれている。
【0020】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与用に処方される。
【0021】
別の態様では、本発明は治療方法を提供する。一実施形態では、治療方法は、対象に医薬組成物を投与することを含み、医薬組成物は薬学的有効量の化学式(10)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0022】
一実施形態では、治療方法は、薬学的有効量の化学式(10)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む。一実施形態では、治療方法は、薬学的有効量の化学式(10)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能なキャリアを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、治療方法は、追加の治療薬を投与することをさらに含む。一実施形態では、追加の治療薬は抗癌剤を含む。一実施形態では、追加の抗癌剤は抗有糸分裂剤を含む。一実施形態では、追加の抗癌剤は、パクリタキセル、ドセタキセル、ベバシズマブまたはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0024】
一実施形態では、治療方法は、治療を受けている対象から取得した試料中の腫瘍壊死因子(TNF)関連アポトーシス誘導性リガンド(TRAIL)をアッセイすることをさらに含む。一実施形態では、試料は、血液試料である。
【0025】
治療方法の一実施形態では、治療を受けている対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。一実施形態では、癌は、結腸癌、乳癌、多形神経膠芽腫、マントル細胞リンパ腫、および結腸直腸癌からなる群から選択される。一実施形態では、癌は、日光角化症、バレット食道、萎縮性胃炎、先天性角化異常症、鉄欠乏性嚥下困難症、扁平苔癬、口腔粘膜下線維症、日光弾力線維症、子宮頸部異形成、白斑症、および紅板症からなる群から選択される。
【0026】
治療方法の一実施形態では、医薬組成物は、経口投与経路を介して投与される。一実施形態では、医薬組成物は、静脈内、直腸、鼻、肺、硬膜外、眼、耳、動脈内、局所、心臓内、脳室内、皮内、筋肉内、腹腔内、骨内、髄腔内、膀胱内、皮下、経皮、経粘膜、舌下、頬、膣からなる群から選択される投与経路、および吸入による投与経路を介して投与される。
【0027】
一実施形態では、本発明は、脳癌を有するまたは脳癌を有するリスクがある対象を治療する方法を提供し、該方法は、薬学的有効量の化学式(10)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む。一実施形態では、医薬組成物は薬学的に許容可能なキャリアを含む。
【0028】
一実施形態では、本発明は、医薬組成物を対象に投与することを含む治療方法を提供し、医薬組成物は、薬学的有効量の化学式(10)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能なキャリアを含む。
【0029】
別の態様では、本発明は、このような治療を必要としている対象を治療する方法を提供し、該方法は、
(i)化学式(10)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む第1の治療薬を対象に投与すること、
(ii)対象への第1の治療薬の投与後、所定の待機時間が経過するまで待つこと、および
(iii)対象に第2の治療薬を投与することを含み、所定の待機時間は、第1の治療薬と第2の治療薬の起こり得る複合毒性効果のリスクが増加することなくまたはそのリスクを減少させて、第1の治療薬の遅延治療効果が得られるように選択される。
【0030】
別の態様では、本発明は、このような治療を必要としている対象を治療する方法を提供し、該方法は、
(i)化学式(10)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む第1の治療薬を対象に投与すること、
(ii)薬物動態学的プロファイリングを用いて、対象の、化学式(10)の化合物もしくはその塩またはその代謝物のレベルを監視すること、および
(iii)対象における第1の治療薬のレベルに応じて第2の治療薬を投与すること、を含む。
【0031】
別の態様では、本発明は、このような治療を必要としている対象を治療する方法を提供し、該方法は、
(i)化学式(10)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む第1の治療薬を対象に投与すること、
(ii)治療を受けている対象の化学式(10)の化合物の予測半減期に応じて第2の治療薬を投与すること、を含む。
【0032】
別の態様では、本開示により提供されるのは、下記の化学式(10)の化合物または化学式(1)の化合物の類似体、およびそれらの薬学的に許容可能な塩、ならびにそれらの製造プロセスである。
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】
一態様では、本開示により提供されるのは、治療方法である。一実施形態では、治療方法は、対象に医薬組成物を投与することを含み、該組成物は、薬学的有効量の化学式(10)または化学式(1)の化合物もしくはそれらの類似体、または薬学的に許容可能なそれら塩を含む。一実施形態では、医薬組成物は薬学的に許容可能なキャリアを含む。一実施形態では、治療を受けている対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。一実施形態では、対象は、ヒトである。
【0036】
別の態様では、本発明は、このような治療を必要としている対象を治療する方法を提供し、該方法は、
(i)化合物(1)の類似体(例えば、化学式(10)の化合物)またはその薬学的に許容可能な塩を含む第1の治療薬を対象に投与すること、および
(ii)解消したかまたは解消しつつある第1の治療薬による有害事象に応じて第2の治療薬を投与すること、を含む。いくつかの実施形態では、第1の治療薬の有害事象は、治療を受けている対象の、その薬物またはその代謝物の血中レベルに関連している。
【0037】
別の態様では、本発明は、薬物動態学的プロファイリングを用いて、化合物(1)の類似体(例えば、化学式(10)の化合物)もしくはその薬学的に許容可能な塩またはその代謝物で治療される個体において、化合物(1)の類似体もしくはその薬学的に許容可能な塩またはその代謝物を監視するためのキットを提供し、該キットは、検査室による定量化前に、少なくとも2種類の試料もしくはこれらの試料の貯蔵に適するマトリックス中の薬物の定量化が可能な複数のポイント・オブ・ケア装置またはポイント・オブ・ユース装置を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも2種類の試料を収集および/または貯蔵するための取扱説明書をさらに含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、治療方法は、(i)薬学的有効量の化学式(1)または化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を対象に投与すること;および(ii)薬物動態学的プロファイリングを使用して、対象の、化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩またはその代謝物のレベルを監視することを含み、化合物またはその塩の投薬が、治療後4時間以内の治療期間にわたり、対象の全血、血漿、血清、または脳脊髄液中の、少なくとも約400ng/mLの化合物またはその代謝物の濃度が維持されるように選択される。いくつかの実施形態では、治療を受けている対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。いくつかの実施形態では、治療方法は、1回または複数回のステップ(i)の繰り返しの間の所定の待機時間(例えば、待機時間は、第1の時間間隔と同じ長さである)の間、待機するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0039】
いくつかの実施形態では、治療方法は、(i)薬学的有効量の化学式(1)または化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を対象に投与すること;および(ii)薬物動態学的プロファイリングを使用して、対象の、化合物またはその代謝物のレベルを監視することを含み、化合物またはその塩の投薬が、治療後2、6、12、24、48、72時間もしくは72時間を超える期間にわたりまたは無限の時間に外挿して、対象の全血、血漿、血清、または脳脊髄液中の、少なくとも約3,500hr-ng/mLの化合物またはその代謝物のAUCが得られるように選択される。
【0040】
いくつかの実施形態では、治療方法は、(i)薬学的有効量の化学式(1)または化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を対象に投与すること;および(ii)薬物動態学的プロファイリングを使用して、対象の、化合物(1)、その薬学的に許容可能な塩またはその代謝物のレベルを監視することを含み、化合物またはその塩の投薬が、治療後3日目、4日目、5日目、6日目、または7日目の、対象の全血、血漿、血清、または脳脊髄液中の、化合物またはその代謝物の濃度が検出限界以下となるように選択される。
【0041】
いくつかの実施形態では、治療方法は、(i)第1の時間間隔(例えば、7日間)にわたり、化学式(1)または化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む複数の用量の治療薬を投与することであって、複数の用量が、第1の時間間隔内の第2の時間間隔(例えば、1週間の第1の時間間隔の間に2~5日連続して)にわたり投与されること;および(ii)ステップ(i)を1回または複数回追加して繰り返すこと、を含む。いくつかの実施形態では、治療を受けている対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。いくつかの実施形態では、治療方法は、1回または複数回のステップ(i)の繰り返しの間の所定の待機時間(例えば、待機時間は、第1の時間間隔と同じ長さである)の間、待機するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0042】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1日1回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、低頻度の投与計画によって、対象に投与される(例えば、週に1回またはそれより少ない頻度で投与される)。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、高頻度の投与計画によって、対象に投与される(例えば、週に2回以上の頻度で投与される)。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、週1回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、4週毎に1回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、週2回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、週3回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、週4回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、2週毎に1回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、3週毎に1回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、毎週、2週毎に1回、3週毎に1回、4週毎に1回またはそれらの組み合わせの反復サイクルで対象に投与される。
【0043】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状を有する対象が治療計画に応答する可能性が高いか否かを見極める方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)対象から生体試料を得ること;(ii)試料中の、RNA修飾レベルおよび/または表1および3の1種または複数のタンパク質の発現または活性レベルおよび/または表1および3の1種または複数のタンパク質をコードする少なくとも1つの遺伝子の1種または複数の変異を測定すること;(iii)試料中の測定したレベルおよび/または見出した変異を、所定の基準のデータと比較すること;および(iv)試料中の、所定の基準のデータに対する、測定したレベルおよび/または見出した変異に基づいて、対象が治療計画に応答する可能性が高いか否かを判定すること、を含む。一態様では、本開示により提供されるのは、病状を有する対象の予後を与える方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)対象から生体試料を得ること;(ii)試料中の、RNA修飾レベルおよび/または表1および3の1種または複数のタンパク質の発現または活性レベルおよび/または表1および3の1種または複数のタンパク質をコードする少なくとも1つの遺伝子の1種または複数の変異を測定すること;(iii)試料中の測定したレベルおよび/または見出した変異を、所定の基準のデータと比較すること;および(iv)試料中の、所定の基準のデータに対する、測定したレベルおよび/または見出した変異に基づいて、対象の予後を決定すること、を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。いくつかの実施形態では、治療計画は、有効量の化合物(1)またはその類似体を投与することを含む。一実施形態では、RNAは、mRNAである。一実施形態では、RNAは、miRNAである。一実施形態では、RNAの修飾はメチル化である。一実施形態では、RNAの修飾はN-メチルアデノシン(mA)である。一実施形態では、RNAの修飾はmA mRNAメチル化である。一実施形態では、対象は、ヒトである。一実施形態では、対象は、家畜化ペット、例えば、ネコまたはイヌである。一実施形態では、タンパク質はRNAリーダー、例えば、YTHDF3である。一実施形態では、タンパク質はRNAライター(RNA Writer)である。一実施形態では、タンパク質はRNAイレイサーである。
【0045】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状を有し、本開示の治療計画に応答する可能性の高い対象を特定し、治療する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)病状を有する対象が本開示の治療計画に応答する可能性が高いかどうかを見極めること;および(ii)該治療計画に応答する可能性が高いと判断した対象をその治療計画で治療すること、を含む。いくつかの実施形態では、対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。いくつかの実施形態では、治療計画は、有効量の化合物(1)またはその類似体を投与することを含む。
【0046】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状を有し、本開示の治療計画により治療を受けている対象の有効性を評価する方法、またはその対象を監視する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)対象から生体試料を得ること;(ii)試料中の、RNA修飾レベルおよび/または表1および3の1種または複数のタンパク質の発現または活性レベルおよび/または表1および3の1種または複数のタンパク質をコードする少なくとも1つの遺伝子の1種または複数の変異を測定すること;(iii)試料中の測定したレベルおよび/または見出した変異を、所定の基準のデータと比較すること;および(iv)試料中の、所定の基準のデータに対する、測定したレベルおよび/または見出した変異に基づいて、対象が治療計画に応答するか否かを判定すること、を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。いくつかの実施形態では、治療計画は、有効量の化合物(1)またはその類似体を投与することを含む。一実施形態では、RNAは、mRNAである。一実施形態では、RNAは、miRNAである。一実施形態では、RNAの修飾はメチル化である。一実施形態では、RNAの修飾はN-メチルアデノシン(mA)である。一実施形態では、RNAの修飾はmA mRNAメチル化である。一実施形態では、対象は、ヒトである。一実施形態では、対象は、家畜化ペット、例えば、ネコまたはイヌである。一実施形態では、タンパク質はRNAリーダー、例えば、YTHDF3である。一実施形態では、タンパク質はRNAライターである。一実施形態では、タンパク質はRNAイレイサーである。
【0048】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状に対し有望な治療薬を選別する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)表1および3のタンパク質を病状に対し治療効果がある考えられる試験化合物と接触させること;(ii)試験化合物の該タンパク質に対する結合親和性または相互作用を測定すること;および(iii)試験化合物の結合親和性または相互作用を所定の閾値と比較することを含み、閾値と同等であるかまたはそれより大きい試験化合物の親和性または相互作用が、該病状に対する治療薬としての指標となる。いくつかの実施形態では、病状は癌である。いくつかの実施形態では、所定の閾値は、化合物(1)またはその類似体の該タンパク質に対する親和性または相互作用である。いくつかの実施形態では、所定の閾値は、化合物(1)の該タンパク質に対する親和性または相互作用である。いくつかの実施形態では、タンパク質はRNAリーダー、例えば、YTHDF3である。いくつかの実施形態では、タンパク質はRNAライターである。いくつかの実施形態では、タンパク質はRNAイレイサーである。
【0049】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状に対し有望な治療薬を選別する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)基準化合物が表1および3のタンパク質に結合するまたは基準タンパク質と相互作用する条件下で、該タンパク質を基準化合物と接触させること;(ii)表1および3のタンパク質を、病状に対する治療薬となると考えられる試験化合物と接触させること;(iii)基準および試験化合物の該タンパク質に対する結合親和性または相互作用を測定すること;および(iv)基準および試験化合物の結合親和性または相互作用を比較することを含み、基準化合物に対して試験化合物の同等またはより強い親和性または相互作用が、該病状に対する治療薬としての指標となる。一実施形態では、基準化合物は化合物(1)またはその類似体である。一実施形態では、基準化合物は化合物(1)である。一実施形態では、病状は癌である。一実施形態では、タンパク質はRNAリーダー、例えば、YTHDF3である。一実施形態では、タンパク質はRNAライターである。一実施形態では、タンパク質はRNAイレイサーである。
【0050】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状に対し有望な治療薬を選別する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)プロセッサーを使って、その状態に対する治療薬となると考えられる試験化合物の3次元構造の、表1および3のタンパク質の3次元構造との結合または相互作用(もしあれば)をモデル化すること;(ii)プロセッサーを使って、試験化合物の構造の、該タンパク質構造に対する結合親和性または相互作用を決定すること;および(iii)プロセッサーを使って、所定の閾値に対する試験化合物の結合親和性または相互作用を比較することを含み、閾値と同等であるかまたはそれより大きい試験化合物の親和性または相互作用が、該病状に対する治療薬としての指標となる。一実施形態では、所定の閾値は、化合物(1)またはその類似体の該タンパク質に対する親和性または相互作用である。一実施形態では、所定の閾値は、化合物(1)の該タンパク質に対する親和性または相互作用である。いくつかの実施形態では、病状は癌である。一実施形態では、タンパク質はRNAリーダー、例えば、YTHDF3である。一実施形態では、タンパク質はRNAライターである。一実施形態では、タンパク質はRNAイレイサーである。
【0051】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状に対し有望な治療薬を選別する方法である。いくつかの実施形態では、プロセッサーを使って、方法は、(i)コンピュータドッキング法を使って、該病状に対する治療薬となると考えられる該病状の試験分子(試験化合物)の1種または複数の3次元構造(高次構造)の、表1および3のタンパク質の3次元構造またはモデルとの結合または相互作用をモデル化すること;(ii)該計算法を使って、試験分子の3次元構造の、該タンパク質の構造またはモデルとの結合または相互作用(もしあれば)を推定すること;(iii)該計算法を使って、基準および試験化合物の、該タンパク質に対する結合親和性または相互作用を比較すること;および(iv)プロセッサーを使って、基準および試験化合物構造の結合親和性または相互作用を比較することを含み、基準化合物に対し同等であるかまたはそれより大きい試験化合物の親和性または相互作用が、該病状に対する治療薬としての指標となる。一実施形態では、基準化合物構造は、化合物(1)またはその類似体の構造である。いくつかの実施形態では、基準化合物構造は、化合物(1)の構造である。いくつかの実施形態では、病状は癌である。いくつかの実施形態では、タンパク質はRNAリーダー、例えば、YTHDF3である。いくつかの実施形態では、タンパク質はRNAライターである。いくつかの実施形態では、タンパク質はRNAイレイサーである。
【0052】
一態様では、本開示により提供されるのは、YTHDF3または表1および3中のその他のタンパク質またはこれらのタンパク質をコードする核酸の転写、翻訳、または生物活性を調節する薬物を投与することによる、癌などの病状を有する対象を治療する方法である。薬物としては、siRNA、アンチセンス核酸、リボザイム、三重鎖ヘリックス形成剤、抗体、およびポリペプチド、ならびに小分子化合物が挙げられるが、これらに限定されない。siRNA、アンチセンス核酸、リボザイム、三重鎖ヘリックス形成剤が、表1および3の1種または複数の遺伝子の翻訳または転写を阻害するのが好ましい。これを達成させるためには、使われるオリゴヌクレオチドが、標的遺伝子に固有の適切な配列を基準にして設計される。種々の遺伝子治療手法を、本発明に従って使用して、表1および3の遺伝子の発現を調節し得る。例えば、アンチセンスDNA分子を設計し、インビボでYTHDF3 mRNAの翻訳を阻害するために使用し得る。あるいは、YTHDF3 mRNAがインビボで開裂および破壊されるようにリボザイム分子を設計してもよい。あるいは、YTHDF3遺伝子の5'部位(コード配列の上流の領域を含む)にハイブリッド形成し、三重鎖ヘリックス構造を形成するように設計されたオリゴヌクレオチドは、YTHDF3遺伝子の転写を阻害する、または低減させる。さらに別の代替例では、完全長野性型YTHDF3メッセージをコードする核酸を、他の方法では野性型YTHDF3遺伝子産物を十分な量で産生できないまたは全く産生できない細胞中にインビボで導入し得る。
【0053】
一実施形態では、医薬組成物は薬学的に許容可能なキャリアを含む。いくつかの実施形態では、対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。いくつかの実施形態では、対象は、ウイルスに感染しているか、または感染するリスクがある。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、化合物(1)またはその薬学的に許容可能な塩の投与量は、約125mg~約625mgの範囲である。いくつかの実施形態では、対象から得られた試料は、切断および/または完全サイトケラチン18に関しアッセイされ、切断および/または完全サイトケラチン18アッセイの結果に基づいて、治療計画を継続すべきか否かが判断される。いくつかの実施形態では、本開示の治療計画は、第2の治療薬を投与するステップをさらに含み、第2の治療薬の投与前に、投与と同時に、または投与後で、化合物(1)、その薬学的に許容可能な塩、またはその類似体が投与される。
【0054】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状を有する対象が本開示の治療計画に応答する可能性が高いか否かを見極める方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)対象から生体試料を得ること;(ii)試料中の、eIF2-アルファ、ATF4、CHOP、もしくはDR5の発現、翻訳後修飾、もしくは活性レベルまたは変異を測定すること;(iii)試料中の測定したレベルおよび/または見出した変異を、所定の基準のデータと比較すること;および(iv)試料中の、所定の基準のデータに対する、測定したレベルおよび/または見出した変異に基づいて、対象が治療計画に応答する可能性が高いか否かを判定すること、を含む。別の態様では、本開示により提供されるのは、本開示の治療計画の有効性を評価、監視する、または病状を有する対象の予後を提供する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)対象から生体試料を得ること;(ii)試料中の、eIF2-アルファ、ATF4、CHOP、もしくはDR5の発現、翻訳後修飾、もしくは活性レベルまたは変異を測定すること;(iii)試料中の測定したレベルおよび/または見出した変異を、所定の基準のデータと比較すること;および(iv)試料中の、所定の基準のデータに対する、測定したレベルおよび/または見出した変異に基づいて、予後を決定すること、または対象が治療計画に応答するか否かを判定すること、を含む。いくつかの実施形態では、対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。いくつかの実施形態では、対象は、ウイルスに感染しているか、または感染するリスクがある。いくつかの実施形態では、治療計画は、有効量の化合物(1)、その薬学的に許容可能な塩、またはその類似体を投与することを含む。
【0055】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状を有する対象が本開示の治療計画に応答する可能性が高いか否かを見極める方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)対象から生体試料を得ること;(ii)試料中の少なくとも1種のドーパミン受容体の発現、翻訳後修飾、もしくは活性レベルまたは変異を測定すること;(iii)試料中の測定したレベルおよび/または見出した変異を、所定の基準のデータと比較すること;および(iv)試料中の、所定の基準のデータに対する、測定したレベルおよび/または見出した変異に基づいて、対象が治療計画に応答する可能性が高いか否かを判定すること、を含む。別の態様では、本開示により提供されるのは、本開示の治療計画の有効性を評価、監視する、または病状を有する対象の予後を提供する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)対象から生体試料を得ること;(ii)試料中の少なくとも1種のドーパミン受容体の発現、翻訳後修飾、もしくは活性レベルまたは変異を測定すること;(iii)試料中の測定したレベルおよび/または見出した変異を、所定の基準のデータと比較すること;および(iv)試料中の、所定の基準のデータに対する、測定したレベルおよび/または見出した変異に基づいて、予後を決定すること、または対象が治療計画に応答するか否かを判定すること、を含む。いくつかの実施形態では、対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。いくつかの実施形態では、対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。いくつかの実施形態では、治療計画は、有効量の化合物(1)、その薬学的に許容可能な塩、またはその類似体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、ドーパミン受容体は、DRD2、DRD2S、DRD2L、およびDRD3から選択される。いくつかの実施形態では、ドーパミン受容体は、ドーパミン受容体のD2様ファミリー由来である。
【0056】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状に対し有望な治療薬を選別する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)少なくとも1種のGタンパク質共役受容体(GPCR)を病状に対する治療薬になると考えられる試験分子と接触させること;(ii)試験化合物の該GPCRに対する結合親和性または相互作用またはGPCRシグナル伝達を測定すること;および(iii)試験分子の結合親和性または相互作用を所定の閾値と比較することを含み、閾値と同等であるかまたはそれより大きい試験分子のGPCR拮抗作用またはGPCRシグナル伝達拮抗作用が、該病状に対する治療薬としての指標となる。一実施形態では、病状は癌である。一実施形態では、所定の閾値は、化合物(1)またはその薬学的に許容可能な塩、またはその類似体のGPCR拮抗作用またはGPCRシグナル伝達拮抗作用である。
【0057】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状に対し有望な治療薬を選別する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)少なくとも1種のドーパミン受容体を病状に対する治療薬になると考えられる試験分子と接触させること;(ii)該少なくとも1種のドーパミン受容体に対する試験分子の結合親和性または相互作用を測定すること;および(iii)試験分子の結合親和性または相互作用を所定の閾値と比較することを含み、閾値と同等であるかまたはそれより大きい試験分子による少なくとも1種のドーパミン受容体の阻害が、該病状に対する治療薬としての指標となる。いくつかの実施形態では、病状は癌である。いくつかの実施形態では、ドーパミン受容体は、DRD2、DRD2S、DRD2L、およびDRD3から選択される。いくつかの実施形態では、D2様ドーパミン受容体ファミリーの阻害は、該病状に対する治療薬としての指標となる。いくつかの実施形態では、DRD2およびDRD3の両方の阻害は、該病状に対する治療薬としての指標となる。いくつかの実施形態では、所定の閾値は、化合物(1)またはその薬学的に許容可能な塩、またはその類似体による少なくとも1種のドーパミン受容体の阻害である。
【0058】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状に対し有望な治療薬を選別する方法である。いくつかの実施形態では、プロセッサーを使って、方法は、(i)コンピュータドッキング法を使って、該病状に対する治療薬になると考えられる該病状の試験分子の1種または複数の3次元構造(高次構造)の、少なくとも1種のドーパミン受容体の3次元構造またはモデルとの結合または相互作用(もしあれば)をモデル化すること;(ii)該計算法を使って、試験分子の、少なくとも1種のドーパミン受容体の構造またはモデルとの結合親和性または相互作用を推定すること;(iii)該計算法を使って、基準および試験分子の、所定の閾値に対する結合親和性または相互作用を比較することを含み、該閾値に対し同等であるかまたはそれより大きい試験分子による少なくとも1種のドーパミン受容体の阻害が、該病状に対する治療薬としての指標となる。一実施形態では、該病状は癌である。いくつかの実施形態では、ドーパミン受容体は、DRD2、DRD2S、DRD2L、およびDRD3から選択される。一実施形態では、D2様ドーパミン受容体ファミリーの阻害は、該病状に対する治療薬としての指標となる。一実施形態では、DRD2およびDRD3の両方の阻害は、該病状に対する治療薬としての指標となる。一実施形態では、所定の閾値は、化合物(1)またはその薬学的に許容可能な塩、またはその類似体による少なくとも1種のドーパミン受容体の阻害である。一実施形態では、"A Textbook of Drug Design and De velopment," 1991,pp 54-91,Krogsgaard-Larsen & Bundgaard,Eds.,Harwood Academic Publishers GmbH,Chur,Switzerland中の、Hogberg & Norinder,Chapter 3.Theoretical and Experimental Methods in Drug Design applied on Antipsychotic Dopamine Antagonists、に記載のように、ファルマコフォアモデリング手法を使って、三次元における異なるドーパミンアンタゴニスト化合物を比較し得る。
【0059】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状を有する対象を治療する方法および治療の有効性を評価する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)本開示の治療方法により対象を治療すること、(ii)本開示のように治療の有効性を評価することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。一実施形態では、治療計画は、有効量の化合物(1)、その薬学的に許容可能な塩、またはその類似体を投与することを含む。
【0060】
前述の概要、ならびに治療組成物および方法の実施形態の以下の詳細な説明は、添付の特許請求の範囲と併せて読むことで、より良く理解されるであろう。しかしながら、本発明は、本明細書に記載の正確な配置および手段に限定されるものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
前述の概要、ならびに本発明の実施形態の以下の詳細な説明は、例示的な実施形態の添付図面と併せて読むことで、より良く理解されるであろう。しかしながら、本発明は、示される正確な配置および手段に限定されるものではないことを理解されたい。
【0062】
図1】腫瘍細胞および正常細胞の生存率に対する、化合物(1)の種々の濃度の効果を示す用量反応関係を示す。
図2】化合物(1)で72時間治療した後の、ヒト胎児肺線維芽(MRC-5)細胞の細胞生存率アッセイを示す。
図3】ONC201によるドーパミン受容体(DRD1、DRD2S、DRD2L、DRD3、DRD4、およびDRD5)の拮抗作用を示す。
図4】ベースラインおよび単回ONC201投与(PO 125~625mg)後の進行固形腫瘍患者の末梢血中の、ELISAアッセイにより検出された可溶性プロラクチンを示す。治療後のサンプリング時点には、治療の6時間、1、2、7、および21日後が含まれる。
図5】平均ONC201血漿中濃度とONC201の最初の投与後の時間との関係を示す。濃度は、(A)それぞれの投与コホートの平均、または(B)625mgで治療された個体に対する値を示す。エラーバーは標準偏差を示す。
図6】ONC201(A)AUCおよび(B)Cmax対投与量の個々の測定値を示す。625mg投与群の男性をベースにした予測用量比例直線。
図7】(A)は、最初の投与後の時間に対するM30アッセイ比を示し、(B)は、各患者のM30アッセイ比を示す。
図8】この試験の患者の感受性と比較したインビトロ感受性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本明細書で使用する科学技術用語は、当業者によって、一般的に理解される意味を有することが意図されている。このような用語は、種々の基準的文献の文脈中で定義および使用されているのが認められる。これらの文献の例には、下記が含まれる。J.Sambrook and D.W.Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press;3rd Ed.,2001;F.M.Ausubel,Ed.,Short Protocols in Molecular Biology,Current Protocols;5th Ed.,2002;B.Alberts et al.,Molecular Biology of the Cell,4th Ed.,Garland,2002;D.L.Nelson and M.M.Cox,Lehninger Principles of Biochemistry,4th Ed.,W.H.Freeman & Company,2004;Engelke,D.R.,RNA Interference(RNAi):Nuts and Bolts of RNAi Technology,DNA Press LLC,Eagleville,Pa.,2003;Herdewijn,P.(Ed.),Oligonucleotide Synthesis:Methods and Applications,Methods in Molecular Biology,Humana Press,2004;A.Nagy,M.Gertsenstein,K.Vintersten,R.Behringer,Manipulating the Mouse Embryo:A Laboratory Manual,3rd edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press;Dec.15,2002,ISBN-10:0879695919;Kursad Turksen(Ed.),Embryonic stem cells:methods and protocols in Methods Mol Biol.2002;185,Humana Press;Current Protocols in Stem Cell Biology,ISBN:9780470151808、ならびに米国特許第8,673,923号。前述の文献の各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0064】
単数形「a」、「an」、および「the」は、限定することを意図するものではなく、明示的に示されない限りまたは文脈から明確に別義が示されない限り、複数の参照対象を含む。
【0065】
本明細書で使用される場合、用語の「置換」は、指定原子の通常の原子価を超えず、置換により安定な化合物を生ずる限りにおいて、指定原子上のいずれか1つまたは複数の水素を、示された基から選択された基で置き換えることを意味する。置換基がケト(すなわち、=O)の場合は、原子上の2個の水素が置換される。ケト置換基は芳香族部分上には存在しない。本明細書で使用される場合、環二重結合は、2個の隣接する環原子(例えば、C=C,C=N、またはN=N)の間で形成される二重結合である。
【0066】
化合物の任意の置換基または式中で、いずれかの変数(例えば、R)が2回以上出現する場合、出現毎のその定義は、その他の全ての出現でのその定義とは独立したものである。したがって、例えば、ある基が0~3個のR部分で置換されることが示される場合、その基は、必要に応じて3個までのR部分で置換されたよく、また、出現毎のRは、Rの定義からは独立して選択される。同様に、置換基および/または変数の組み合わせは、そのような組み合わせにより安定な化合物が得られる場合にのみ許容される。
【0067】
原子または化学部分が下付き文字の数値範囲を伴う場合(例えば、C1-6)、範囲内の各数値ならびに全ての中間範囲を含むことは理解されよう。例えば、「C1-6アルキル」は、1、2、3、4、5、6、1~6、1~5、1~4、1~3、1~2、2~6、2~5、2~4、2~3、3~6、3~5、3~4、4~6、4~5、および5~6個の炭素を有するアルキル基を含むことを意味する。
【0068】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、明記した数の炭素原子を有する分岐および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図されている。例えば、C1-6アルキルは、C、C、C、C、C、およびCアルキル基を含むことが意図されている。アルキル基の例としては、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、ネオペンチルおよびn-ヘキシルが挙げられる。特定の実施形態では、直鎖または分枝鎖アルキルは、その主鎖内に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖ではC-C、分枝鎖ではC-C)を有し、別の実施形態では、直鎖または分枝鎖アルキルは、4個以下の炭素原子を有する。同様に、シクロアルキルは、それらの環構造内に3~8個の炭素原子を有し、他の実施形態では、シクロアルキルは、環構造内に5または6個の炭素を有する。最も好ましいのは、(C-C)アルキル、特に、エチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルおよびシクロプロピルメチルである。
【0069】
本明細書で使用される場合、用語の「置換アルキル」は、ハロゲン、-OH、アルコキシ、-NH、-N(CH、-C(=O)OH、トリフルオロメチル、-C≡N、-C(=O)O(C-C)アルキル、-C(=O)NH、-SONH、-C(=NH)NH、および-NOからなる群から選択される1、2または3個の置換基により置換された、好ましくは、ハロゲン、-OH、アルコキシ、-NH、トリフルオロメチル、-N(CH、および-C(=O)OHから選択される1個または2個の置換基を含む、より好ましくは、ハロゲン、アルコキシおよび-OHから選択される、上記で定義のアルキルを意味する。置換アルキルの例には、2,2-ジフルオロプロピル、2-カルボキシシクロペンチルおよび3-クロロプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
炭素数の別段の指定がない限り、「低級アルキル」は、その主鎖構造中に1~6個の炭素原子、好ましくは1~4個の炭素原子を有する上記で定義のアルキル基を含む。「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、2~6個の炭素原子、好ましくは2~4個の炭素原子の鎖長を有する。
【0071】
「アルケニル」は、上記のアルキル基に、長さおよび可能な置換において類似であるが、少なくとも1つの二重結合を含む不飽和脂肪族基を含む。例えば、用語の「アルケニル」は、直鎖アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル)、分岐鎖アルケニル基、シクロアルケニル(例えば、脂環化学式)基(例えば、シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル)、アルキルまたはアルケニル置換シクロアルケニル基、およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルケニル基を含む。特定の実施形態では、直鎖または分枝鎖アルケニル基は、その主鎖内に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖ではC-C、分枝鎖ではC-C)を有する。同様に、シクロアルケニル基は、それらの環構造内に3~8個の炭素原子を有し、いくつかの実施形態では、シクロアルケニル基は、環構造内に5または6個の炭素を有する。用語の「C-C」は、2~6個の炭素原子を含むアルケニル基を含む。用語の「C-C」は、3~6個の炭素原子を含むアルケニル基を含む。
【0072】
「アルキニル」は、上記のアルキル基に、長さおよび可能な置換において類似であるが、少なくとも1つの三重結合を含む不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルキニル」は、直鎖アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニル、デシニル)、分岐鎖アルキニル基、およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルキニル基を含む。特定の実施形態では、直鎖または分枝鎖アルキニル基は、その主鎖内に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖ではC-C、分枝鎖ではC-C)を有する。用語の「C-C」は、2~6個の炭素原子を含むアルキニル基を含む。用語の「C-C」は、3~6個の炭素原子を含むアルキニル基を含む。
【0073】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、単環化学式または多環化学式芳香族基を意味し、環を形成するそれぞれの原子(すなわち、骨格原子)は炭素原子である。一実施形態では、シクロアルキル基は飽和または部分的に不飽和である。別の実施形態では、シクロアルキル基は、芳香環を使って融合される。シクロアルキル基は、3~10個の環原子を有する基を含む。シクロアルキル基の実例には、下記の部分が挙げられるが、これらに限定されない:
【0074】
【化8】
【0075】
単環化学式シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。二環化学式シクロアルキルとしては、テトラヒドロナフチル、インダニル、およびテトラヒドロペンタレンが挙げられるが、これらに限定されない。多環化学式シクロアルキルには、アダマンタンおよびノルボルナンが挙げられる。用語のシクロアルキルは、「不飽和非芳香族カルボシクリル」または「非芳香族不飽和カルボシクリル」基を含み、これらは、両方とも、本明細書中に定義されているように、非芳香族炭素環化合物を意味し、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合または1個の炭素-炭素三重結合を含む。
【0076】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキルアルキル」は、シクロアルキル基で置換されたアルキル基を意味する。シクロアルキルアルキル基の例には、シクロプロピルアルキル、シクロヘキシルアルキル、などが挙げられる。
【0077】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」は、1個または複数の環形成原子がO、N、またはS原子などのヘテロ原子であり得る非芳香族複素環化合物を意味する。ヘテロシクロアルキル基は、単環化学式または多環化学式(例えば、2、3または4個の融合環)環系ならびにスピロ環を含むことができる。ヘテロシクロアルキル基の例には、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、2,3-ジヒドロベンゾフリル、1,3-ベンゾジオキソール、ベンゾ-1,4-ジオキサン、ピペリジニル、ピロリジニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、などが挙げられる。ヘテロシクロアルキルの定義には、非芳香族複素環に融合した(すなわち、非芳香族複素環と共通の結合を有する)1種または複数の芳香環を有する部分、例えば、複素環化合物のキノリル、イソキノリル、およびベンゾ誘導体も含めることができる。1個または複数の融合芳香族環を有するヘテロシクロアルキル基は、芳香族または非芳香族部分を介して結合される。ヘテロシクロアルキルの定義には、1種または複数の環形成原子が1個もしくは2個のオキソまたはスルフィド基により置換され得る部分も含めることができる。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、1個~約20個の炭素原子を有し、さらなる実施形態では、約3個~約20個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、3~約20個、3~約14個、3~7個、または5~6個の環形成原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、1~約4個、1~約3個、または1~2個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、0~3個の二重結合を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、0~2個の三重結合を含む。
【0078】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキルアルキル」は、ヘテロシクロアルキル基で置換されたアルキル基を意味する。ヘテロシクロアルキルアルキル基の例には、モルホリノアルキルおよびピペラジニルアルキル、などが挙げられる。
【0079】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、単環化学式または多環化学式(例えば、2、3または4個の融合環の)芳香族炭化水素、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、などを意味する。いくつかの実施形態では、アリール基は、6~約20個の炭素原子を有する。
【0080】
本明細書で使用される場合、「アリールアルキル」は、アリール基で置換されたアルキル基を意味する。アリールアルキル基の例には、ベンジルおよびフェニルエチルが挙げられる。
【0081】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」基は、硫黄、酸素、または窒素などの、少なくとも1種のヘテロ原子環員を有する芳香族複素環化合物を意味する。ヘテロアリール基は、単環または多環(例えば、2、3または4個の融合環の)系を含む。ヘテロアリール基中の任意の環形成N原子はまた、酸化されてN-オキソ部分を形成することができる。ヘテロアリール基の例には、限定されないが、ピリジル、N-オキソピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピリル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリニル、などが挙げられる。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、1~約20個の炭素原子を有し、さらなる実施形態では、約3~約20個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、3~約14個、3~7個、または5~6個の環形成原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、1~約4個、1~約3個、または1~2個のヘテロ原子を含む。
【0082】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリールアルキル」基は、ヘテロアリール基で置換されたアルキル基を意味する。ヘテロアリールアルキル基の1例は、ピリジルメチルである。
【0083】
本発明で使用する場合、「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子、好ましくは、フッ素、塩素、または臭素、より好ましくは、フッ素または塩素を意味する。用語の「過ハロゲン化」は、全ての水素がハロゲン原子で置換されている部分を意味する。
【0084】
用語の「ハロアルキル」は、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素上の水素原子を置換しているハロゲン原子を有するアルキル部分を意味する。C-Cハロアルキルは、その主鎖中に6個以下の炭素原子、および炭化水素主鎖の1個または複数の炭素上の水素原子を置換しているハロゲン原子を有する直鎖または分岐鎖アルキルを含むことが意図されている。
【0085】
用語の「アルコキシ」、「アルコキシル」は、酸素原子に共有結合した置換および非置換アルキル、アルケニルおよびアルキニル基を含む。C-Cアルコキシは、炭化水素主鎖中の6個以下の炭素原子を有する部分を意味する。アルコキシ基(またはアルコキシルラジカル)の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、プロポキシ、ブトキシ、およびペントキシ基が挙げられる。好ましいのは、(C-C)アルコキシ、特に、エトキシおよびメトキシである。置換アルコキシ基の例には、ハロゲン化アルコキシ基が挙げられる。
【0086】
用語の「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、-OHまたは-Oを有する基を含む。
【0087】
本発明はまた、本開示の化合物の薬学的に許容可能な塩も含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な塩」は、親化合物が既存の酸または塩基部分をその塩型に変換することにより改変されている開示化合物の誘導体を意味する。薬学的に許容可能な塩の例には、限定されないが、アミンなどの塩基性残基の鉱物または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩;などが含まれる。本発明の薬学的に許容可能な塩には、例えば、非毒性無機または有機酸から形成された親化合物の従来の非毒性塩が含まれる。本発明の薬学的に許容可能な塩は、塩基性または酸性部分を含む親化合物から従来の化学的方法により合成される。一般に、このような塩は、遊離酸または塩基型のこれらの化合物を化学量論量の適切な塩基または酸と、水中または有機溶媒中、あるいはこれら2種の混合物中で反応させることにより調製することができ、通常、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水媒体が好ましい。適切な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418,Journal of Pharmaceutical Science,66:2(1977)、およびP.H.Stahl and C.G.Wermuth,editors,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,2nd Revised edition,Weinheim/Zurich:Wiley-VCH/VHCA(2011)で見つけることができる。これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0088】
好適な無機酸の例には、塩酸、硫酸、リン酸、または臭化水素酸が挙げられ、一方、好適な有機酸の例には、酢酸、酒石酸、乳酸、プロピオン酸、グリコール酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、タンニン酸、コハク酸、アルギン酸、安息香酸、2-フェノキシ安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸、トリフルオロ酢酸、3-アミノサリチル酸、アスコルビン酸、エンボン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、シュウ酸、グルコン酸、アミノ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-メチルベンゼンスルホン酸またはナフタレン-2-スルホン酸、などのカルボン酸、スルホン酸、またはスルホン酸を含めることができる。好適な無機塩基の例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびアンモニアを含めることができ、一方、好適な有機塩基の例は、アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、キノリン、イソキノリン、α-ピコリン、β-ピコリン、γ-ピコリン、キナルジンまたはピリミジンなどの第三級アミンである。
【0089】
I.化合物(1)、その塩およびその合成
【0090】
発明者らは、インビトロモデル、動物モデル、およびヒト臨床試験において、ONC201(化合物(1))が広範な抗癌活性、あったにしてもわずかな有害作用を含む低毒性、低遺伝子毒性および経口バイオアベイラビリティを含む高バイオアベイラビリティを有することを発見した。これらの特徴は、ONC201および種々の類似体を様々な用途に特に適しているものにしている。
【0091】
一態様では、本発明は、下記の化学式で表される化合物(1)、その類似体、およびそれらの薬学的に許容可能な塩、ならびにそれらの製造プロセスを提供する。
【0092】
【化9】
【0093】
化合物(1)は、下記のスキーム1に示す合成プロセスにより調製できる。
【化10】
【0094】
一実施形態では、化合物(1)のジ塩酸塩の合成は、市販の中間体N-ベンジル-3-カルボメトキシ-4-ピペリドン塩酸塩、化合物(3)から開始される。一実施形態では、合成プロセスは、塩基で中間化合物(3)を中和して(ステップ1)遊離塩基の化合物(4)を生成することを含む。一実施形態では、合成プロセスは、無機塩基で中間化合物(3)を中和して化合物(4)を生成することを含む。一実施形態では、合成プロセスは、有機塩基で中間化合物(3)を中和して化合物(4)を生成することを含む。一実施形態では、中間化合物(3)は、アルコールの存在下で中和される。例えば、中間化合物(3)は、n-ブタノールの存在下で中和される。一実施形態では、中間化合物(3)は、少なくとも1種の有機溶媒の存在下で中和される。例えば、中間化合物(3)は、n-ブタノールおよび/または酢酸エチルの存在下で中和される。一実施形態では、中間化合物(3)は、塩基および少なくとも1種の有機溶媒の存在下で中和される。例えば、中間化合物(3)は、NaHCOおよびn-ブタノールの存在下で中和される。一実施形態では、中間化合物(3)は、n-ブタノールおよびトリエチルアミン(EtN)の存在下で中和される。
【0095】
一実施形態では、合成プロセスは、化合物(4)を化合物(5)と反応させて(ステップ2)、(1)の中間化合物を生成することを含む。一実施形態では、ステップ2の反応は、化合物(4)を化合物(5)と共に加熱することを含む。一実施形態では、ステップ2の反応は、化合物(4)と化合物(5)を溶媒の存在下で加熱還流することを含む。一実施形態では、ステップ2の反応は、反応中に形成される水および/またはメタノール(MeOH)を除去するためのディーン・スターク・トラップの使用を含む。
【0096】
一実施形態では、合成プロセスは、化合物(1)のジ塩酸塩を形成すること(ステップ3)を含む。一実施形態では、ステップ3の反応は、ジオキサン中、HClで化合物(1)を処理することを含む。一実施形態では、ステップ3の反応は、ジオキサン中、4NのHClで化合物(3)を処理することを含む。一実施形態では、合成プロセスは、必要に応じて、化合物(1)のジ塩の再結晶化を含む。
【0097】
好ましい一実施形態では、化合物(1)のジ塩酸塩の調製のための合成プロセスは、下記のスキーム2に示す通りである。
【0098】
【化11】
【0099】
II.TNF関連アポトーシス誘導リガンド(「TRAIL」)
【0100】
対象から取得した試験試料中のTRAILタンパク質をアッセイして、本開示の化合物およびそれらの塩により誘導されるTRAIL発現を検出することができる。限定されないが、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、酵素結合免疫濾過測定法(ELIFA)、フローサイトメトリー、免疫ブロット、免疫沈降、免疫組織化学、免疫細胞化学、発光免疫測定法(LIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、およびラジオイムノアッセイを含む、免疫アッセイ法を用いて、試料中のTRAILをアッセイすることができる。アッセイ方法を用いて、定性的および/または定量的結果を得てもよい。試料の定性的および定量的の両方のアッセイのための好適なアッセイ方法の具体的詳細は、次記に例示すものを含む標準的文献に記載されている。E.Harlow & D.Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1988;F.Breitling & S.Diibel,Recombinant Antibodies,John Wiley & Sons,New York,1999;H.Zola,Monoclonal Antibodies:Preparation and Use of Monoclonal Antibodies and Engineered Antibody Derivatives,Basics:From Background to Bench,BIOS Scientific Publishers,2000;B.K.C.Lo,Antibody Engineering:Methods and Protocols,Methods in Molecular Biology,Humana Press,2003;F.M.Ausubel et al.,Eds.,Short Protocols in Molecular Biology,Current Protocols,Wiley,2002;S.Klussman,Ed.,The Aptamer Handbook:Functional Oligonucleotides and Their Applications,Wiley,2006;Ormerod,M.G.,Flow Cytometry:a practical approach,Oxford University Press,2000;Givan,A.L.,Flow Cytometry:first principles,Wiley,New York,2001;Gorczyca,W.,Flow Cytometry in Neoplastic Hematology:morphologic-immunophenotypic correlation,Taylor & Francis,2006;Crowther,J.R.,The ELISA Guidebook(Methods in Molecular Biology),Humana Press,2000;Wild,D.,The Immunoassay Handbook,3rd Edition,Elsevier Science,2005、およびJ.Sambrook and D.W.Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,3rd ed.,2001.
【0101】
医薬組成物の効果の検出のために、TRAILについて試料をアッセイおよび分析するためのプロトコルの例は、Wafik S.El-deiryらの米国特許第8,673,923号に記載されており、この特許は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0102】
一実施形態では、TRAILアッセイを使って対象を監視する。したがって、例えば、試験試料は、治療の有効性を評価するために、医薬組成物による治療前に、および治療中および/または治療後に1回または複数回、対象から取得される。さらなる例では、試験試料は、疾患もしくは治癒の経過または進行を評価するために、様々な時点で対象から取得される。一実施形態では、循環腫瘍細胞からの細胞死受容体を分析して、本開示の化合物(1)またはその塩の投与が細胞死受容体の量または種類を増加させるかどうかを確認することもできる。
【0103】
本開示の方法および組成物を用いて治療される癌は、新生物発生前の過剰増殖、上皮内癌、腫瘍および転移を含むが、これらに限定されない異常な細胞増殖を特徴とする。本開示の方法および組成物は、癌の予防ならびに徴候および/または症状の改善に使用できる。対象の癌の治療に言及するために使用する用語「治療(treating)」および「治療(treatment)」は、癌の進行を遅らせるおよび/または癌の徴候もしくは症状を軽減または改善するなど、対象の癌を予防する、阻害するまたは改善することを含む。本開示の方法および組成物を用いて治療される癌の例としては、乳癌、CNS癌、結腸癌、卵巣癌、前立腺癌、白血病、肺癌、およびリンパ腫が含まれるが、これらに限定されない。
【0104】
III.化合物(10)およびその塩
【0105】
一態様では、本開示により提供されるのは、化合物(10)の化合物および関連塩、ならびにその製造方法である。当業者なら、方法および医薬組成物に関連する原理ならびに概念を含む、化合物(1)およびその塩に関連して本開示の一般的な原理および概念が、化学式(10)の化合物およびその塩に等しく適用されることを理解するであろう。
【0106】
いくつかの実施形態では、本開示により提供されるのは、下記の化学式(10)により表される化合物である。
【0107】
【化12】
【0108】
式中、RおよびRは独立に水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アラルコキシ、アラルキルチオ、およびアシル基であり、RがCHPhである場合、Rは、CH-((2-CH)-Ph)ではない。
【0109】
いくつかの実施形態では、RおよびRは、H、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、C1-4ベンジルピペラジン、C1-4アルキルチエニル、C1-4アルキルピリジニル、C1-4アルキルイソオキサゾリジニル、C1-4アルキルモルホリニル、C1-4アルキルチアゾリル、およびC1-4アルキルピラジニルからなる群から独立して選択され、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、C1-4ベンジルピペラジン、C1-4アルキルチエニル、C1-4アルキルピリジニル、C1-4アルキルイソオキサゾリジニル、C1-4アルキルモルホリニル、C1-4アルキルチアゾリル、およびC1-4アルキルピラジニルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキル、またはハロで任意に置換されてもよい。いくつかの実施形態では、Rおよび/またはRは、置換もしくは非置換アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールアルキルは、C1-4アルキルピロリル、C1-4アルキルフリル、C1-4アルキルピリジル、C1-4アルキル-1、2、4-チアジアゾリル、C1-4アルキルピリミジル、C1-4アルキルチエニル、C1-4アルキルイソチアゾリル、C1-4アルキルイミダゾリル、C1-4アルキルテトラゾリル、C1-4アルキルピラジニル、C1-4アルキルピリミジル、C1-4アルキルキノリル、C1-4アルキルイソキノリル、C1-4アルキルチオフェニル、C1-4アルキルベンゾチエニル、C1-4アルキルイソベンゾフリル、C1-4アルキルピラゾリル、C1-4アルキルインドリル、C1-4アルキルプリニル、C1-4アルキルカルバゾリル、C1-4アルキルベンゾイミダゾリル、およびC1-4アルキルイソオキサゾリルから選択される。
【0110】
いくつかの実施形態では、Rおよび/またはRは、1種または複数の次のベンジル環上の置換基:X、-CH、-NO、-OCH、-CN、-CXH、-CXH、C-Cアルキル、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、-OC2p+1、-OC2p+1、OR、SR、NR、NRC(O)R、SOR、SO、C(O)R、およびC(O)ORで任意に置換されてもよいベンジルであり;RおよびRは、水素またはC-Cアルキルから独立して選択され;pは2~20の整数であり、Xは、フッ素、臭素、またはヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素、または臭素、より好ましくはフッ素または塩素を含むハロゲンである。
【0111】
いくつかの実施形態では、Rは、H、CH、CHPh、CH-(4-CF-Ph)、CH-(4-F-Ph)、CH-(4-Cl-Ph)、CH-(OCH-Ph)、CH-((2-Cl)-Ph)、CH-(2-チエニル)、CH-(3-チエニル)、CH-2-ピリジニル、CH-4-メチル-2-チアゾリル、CH-2-ピリジニル、CHCHPh、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、CH-(2,4-ジF-Ph)、CH-(3,4-ジCl-Ph)、CH-(3,4-ジF-Ph)、CH-(3,5-ジF-Ph)、CH-((2-CH)-Ph)、CHCH(OH)Ph、(4-F-Ph)-4-オキソブチル、CHCHNHCOOC(CH、CHCHCHNH、およびCDからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Rは、H、CH、CHPh、CH-(4-CF-Ph)、CH-((2-Cl)-Ph)、CH-((2-F)-Ph)、CH-(2-チエニル)、CHCHPh、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、CH-(2、4-ジF-Ph)、CH-(2、4-ジF-Ph)、CH-(2、4-ジCl-Ph)、CH-(3、4-ジCl-Ph)、CH-(3、4-ジF-Ph)、CH-(3、5-ジF-Ph)、CH-((2-CH)-Ph)、CH(2-CH、4-F-Ph)、CH-((4-OCH)-Ph)、CH-(3-ピリジニル)、CH-(3-イソオキサゾリジニル)、CHCH-(4-モルホリニル)、CH-(2-F,4-CF-Ph)、CHCH(OH)Ph、(CHCO-4F-Ph、(4-F-Ph)-4-オキソブチル、CHCHNHCOOC(CH、CHCHCHNH、およびCDからなる群から選択される。
【0112】
いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。
【0113】
一実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。一実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。一実施形態では、アリールアルキルは、ハロ、-CH、-CF、-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。一実施形態では、Rは、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルアルキル、例えば、モルホリノアルキルまたはピペラジニルアルキル基である。一実施形態では、Rは、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、例えば、イソオキサゾリジニルメチルまたはピリジルメチル基である。一実施形態では、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。一実施形態では、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキルは、ハロ、-CH、-CF、-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。
【0114】
一実施形態では、化合物(10)は、下記の化合物(80)の構造を有する。
【0115】
【化13】
【0116】
式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、Ra5、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、およびRb5は、X、-CH、-NO、-OCH、-CN、-CXH、-CXH、C-Cアルキル、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、-OC2p+1、-OC2p+1、OR、SR、NR、NRC(O)R、SOR、SO、C(O)R、およびC(O)ORからなる群からそれぞれ独立して選択され;RおよびRは、水素またはC-Cアルキルから独立して選択され;pは2~20の整数であり、Xはハロゲンである。
【0117】
一実施形態では、化合物(10)は、下記の化合物(90)の構造を有する。
【0118】
【化14】
【0119】
式中、Rは上記で定義した通りであり、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、およびRb5は、X、-CH、-NO、-OCH、-CN、-CXH、-CXH、C-Cアルキル、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、-OC2p+1、-OC2p+1、OR、SR、NR、NRC(O)R、SOR、SO、C(O)R、およびC(O)ORからなる群からそれぞれ独立して選択され;RおよびRは、水素またはC-Cアルキルから独立して選択され;pは2~20の整数であり、Xはハロゲンである。
【0120】
一実施形態では、化合物(10)は、下記の化合物(40)の構造を有する。
【0121】
【化15】
【0122】
式中、Rは上記で定義した通りであり、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、およびRa5は、水素、X、-CH、-NO、-OCH、-CN、-CXH、-CXH、C-Cアルキル、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、-OC2p+1、-OC2p+1、OR、SR、NR、NRC(O)R、SOR、SO、C(O)R、およびC(O)ORからなる群からそれぞれ独立して選択され;RおよびRは、水素またはC-Cアルキルから独立して選択され;pは2~20の整数であり、Xはハロゲンである。一実施形態では、Rは水素である。一実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。一実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。一実施形態では、ベンジルは、1種または複数のハロゲンで置換される。一実施形態では、ベンジルは、ハロ、-CH、-CF、-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。一実施形態では、ベンジルは、1個のハロゲン置換基、例えば、オルトまたはパラ位でフッ素置換基により置換される。一実施形態では、ベンジルは、2個のハロゲン置換基、例えば、両方のメタ位でフッ素置換基により置換される。
【0123】
一実施形態では、化合物(40)は、下記の化合物(45)の構造を有する。
【0124】
【化16】
【0125】
式中、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、およびRa5は、上記で定義した通りである。一実施形態では、ベンジルは、1種または複数のハロゲンで置換される。いくつかの実施形態では、ベンジルは、ハロ、-CH、-CF、-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。一実施形態では、Ra1またはRa5は、ハロゲン、例えば、フッ素である。一実施形態では、Ra2またはRa3は、ハロゲン、例えば、フッ素置換基である。
【0126】
一実施形態では、化合物(10)は、下記の化合物(50)の構造を有する。
【0127】
【化17】
【0128】
式中、Rは上記で定義した通りであり、Rは、X、-NO、-OCH、-CN、-CXH、-CXH、C-Cアルキル、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、-OC2p+1、-OC2p+1、OR、SR、NR、NRC(O)R、SOR、SO、C(O)R、およびC(O)ORからなる群から選択され;RおよびRは、水素またはC-Cアルキルから独立して選択され;pは2~20の整数であり、Xはハロゲンであり、Ra1、Ra2、Ra4、およびRa5は、水素、X、-CH、-NO、-OCH、-CN、-CXH、-CXH、C-Cアルキル、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、-OC2p+1、-OC2p+1、OR、SR、NR、NRC(O)R、SOR、SO、C(O)R、およびC(O)ORからなる群からそれぞれ独立して選択され;RおよびRは、水素またはC-Cアルキルから独立して選択され;pは2~20の整数であり、Xはハロゲンである。一実施形態では、Rは水素である。一実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。一実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。一実施形態では、Rは、ハロ、-CH、-CF、-OCHからなる群から選択される。一実施形態では、Ra1、Ra2、Ra4、およびRa5の内の1個または複数が、ハロ、-CH、-CF、-OCHからなる群から選択される。一実施形態では、Ra1、Ra2、Ra4、およびRa5は水素であり、Rはハロ、-CH、-CF、-OCHからなる群から選択される。一実施形態では、Rは、ハロゲン、例えば、フッ素であり、Ra1はメチルである。一実施形態では、Rはフッ素または塩素であり、Ra2はフッ素または塩素である。一実施形態では、RはCFである。一実施形態では、Rは-OCHである。一実施形態では、Rは塩素であり、Ra1は塩素である。
【0129】
一実施形態では、化合物(50)は、下記の化合物(55)の構造を有する。
【0130】
【化18】
【0131】
式中、Ra1、Ra2、Ra4、Ra5、およびRは、上記で定義した通りである。一実施形態では、Rは、ハロ、-CH、-CF、-OCHからなる群から選択される。一実施形態では、Ra1、Ra2、Ra4、およびRa5の内の1個または複数が、ハロ、-CH、-CF、-OCHからなる群から選択される。一実施形態では、Ra1、Ra2、Ra4、およびRa5は水素であり、Rはハロ、-CH、-CF、-OCHからなる群から選択される。一実施形態では、Rは、ハロゲン、例えば、フッ素であり、Ra1はメチルである。一実施形態では、Rはフッ素または塩素であり、Ra2はフッ素または塩素である。一実施形態では、RはCFである。一実施形態では、RはOCHである。一実施形態では、Rは塩素であり、Ra1は塩素である。
【0132】
一実施形態では、化合物(10)は、下記の化合物(60)の構造を有する。
【0133】
【化19】
【0134】
いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、例えば、CH-(2-チエニル)、CH-(3-チエニル)、CH-2-ピリジニル、CH-3-ピリジニル、CH-4-メチル-2-チアゾリル、CH-2-ピラジニル、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、CH-(3-イソオキサゾリジニル)、およびCHCH-(4-モルホリニル)である。一実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。一実施形態では、ベンジルは、1種または複数のハロゲンで置換される。いくつかの実施形態では、ベンジルは、ハロ(例えば、フッ素)、-CH、-CF、-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。一実施形態では、ベンジルは、ハロ、-CH、-CF、-OCHからなる群から選択される置換基によりパラ位で置換される。一実施形態では、Rはフルオロフェニルオキソブチルまたはヒドロキシフェニルエチルである。
【0135】
スキーム3は、下記の化学式(10)の化合物の合成を示す。
【0136】
【化20】
【0137】
上記の化学式(10)の化合物は、置換ピペリドンから出発して合成され、置換ピペリドンは置換アミノイミダゾリンとの反応により変換されてコア化合物(10)が得られる。2つの経路があり、その内の1つでは、R置換基がピペリドン中に存在する(例えば、68)。その経路では、(68)は、トルエン中で、水素化ナトリウムを使って、80℃で炭酸ジメチルによりアシル化され、ピペリドンエステル(69)が形成される。市販のメチルチオイミダゾリンHI塩(63)をジオキサン中、70℃でアミンと反応させて、R置換アミノイミダゾリン(64)をそのHI塩として得る。3~6時間にわたるディーン・スターク・トラップによる水除去を行いながら、1-ブタノール中で(64)のピペリドンエステル(69)と、還流下で直接反応させることにより、三環化学式化合物(10)が得られる。このスキームの変形型では、N-BOC保護ピペリドン(61)が、同一の方法でBOC保護化合物(65)に変換され、ジオキサン中でHClでの処理によりBOC基が除去された後、1NのNaOHを使い、塩化メチレンで抽出して、(66)の遊離塩基に変換される。(66)のハライド(67)またはエポキシド(70)を使ったその後の処理により、目的の化合物(10)が得られる。
【0138】
粗生成物を、カラムクロマトグラフィーで塩化メチレン:メタノールで溶出することにより、またはHPLCでアセトニトリル:TFA:HOを使うことにより精製して、最終生成物を遊離塩基またはTFA塩として生成し得る。遊離塩基のジオキサン中のHClによる処理またはTFA塩の凍結乾燥により、生成物(10)がHClまたはTFA塩として生成される。あるいは、遊離塩基を別の無機または有機酸で処理して、通常、薬学的に許容可能な塩であることがわかっているものから選択される、その他の塩を形成してよい。化合物(10)の塩は通常、固体であり、いくつかの例としては、エタノールまたはその他の溶媒から結晶化され、高品質結晶が得られている。三環化学式構造は、化合物(1)の場合について、X線結晶構造およびNMRにより最終的に確証されている。
【0139】
アミノアルキルリンカー(例えば、化合物(33))と共にまたはそれなしで、本開示の化合物を使用して、特定の細胞状況において、それらと相互作用する分子(例えば、タンパク質)を特定できる。これらの結合標的の発現を使って、化合物(1)(ONC201)またはその類似体に対する応答を予測し得る(すなわち、バイオマーカーとして機能する)。さらに、これらの化合物を使い、当該技術分野において既知の競合アッセイを使って構造上無関係の抗癌化合物を選別し、より高い親和性を有する標的相互作用に打ち勝つことができる薬物を特定できる。さらに、これらの分子は、限定されないが、薬物動態学、効力、安全性、体内分布、または代謝を含む薬物特性を変えることにより、治療上の改善をもたらす、または追加の治療用途を可能とする薬物特性を有し得る。
【0140】
【表12-1】
【0141】
【表12-2】
【0142】
下記実施例12で記載のように、アミノアルキルリンカー(すなわち、化合物(33))と共に化合物(1)を使って、化合物(1)と相互作用するタンパク質を特定した。化合物(1)は、N6-メチルアデノシン(mA)mRNAメチル化に関与するタンパク質と相互作用することが明らかになった。mA mRNAエピジェネティック修飾に関与するタンパク質には、表1のものが含まれる。これらのタンパク質には、METTL3、METTL14,WTAP、およびKIAA1429などのmRNAをメチル化するもの(RNAライター);FTOおよびALKBH5などのmA mRNAを脱メチル化するもの(RNAイレイサー);ならびにYTHDF3、YTHDF2、YTHDF1、YTHDC1、およびYTHDC2などのmA RNAを特異的に認識するもの(RNAリーダー)が含まれる。
【0143】
【表1】
【0144】
IV.治療計画の感受性および効力の評価
eIF2-アルファ、ATF4、CHOP、DR5、または切断または完全サイトケラチン18の発現、翻訳後修飾、もしくは活性レベルまたはそれらの変異の測定を行うことにより、本開示の治療方法に対する応答または感受性を予測し、化合物(1)、その薬学的に許容可能な塩、またはその類似体による治療などの本開示の治療方法に対し応答する可能性の高い対象を特定し得る。さらに、eIF2-アルファ、ATF4、CHOP、DR5、または切断または完全サイトケラチン18の発現、翻訳後修飾、もしくは活性レベルまたはそれらの変異の測定を行うことにより、本開示の治療方法の有効性を評価または該方法を監視することができる。さらに、eIF2-アルファ、ATF4、CHOP、DR5、または切断または完全サイトケラチン18の発現、翻訳後修飾、もしくは活性レベルまたはそれらの変異の測定を行うことにより、構造上無関係の抗癌化合物に対するインビボ、インビトロ、またはインシリコ選別が可能となる。例えば、当該技術分野において既知の競合およびその他のアッセイを使って、より高い親和性を有する標的相互作用に打ち勝つことができる薬物を特定し、化合物(1)またはその類似体により引き起こされたそれぞれの変化に対するそれらのレベルの変化を比較することができる。アッセイはまた、生きている哺乳動物細胞に対し実施することもでき、これにより、身体中の特定の血清レベルの薬物の効果、または培養細胞株から調製されたマイクロソーム抽出物に対する効果にさらに近づく。
【0145】
いくつかの実施形態では、対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。いくつかの実施形態では、治療計画は、有効量の化合物(1)もしくは化合物(10)またはそれらの類似体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療計画は、有効量の化合物(1)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療計画は、有効量の化学式(10)の化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(40)の化合物、例えば、化学式(45)の化合物である。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(50)の化合物、例えば、化学式(55)の化合物である。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(80)の化合物である。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(90)の化合物である。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(60)の化合物である。いくつかの実施形態では、化合物(1)の類似体は、化合物(25)、化合物(26)、化合物(27)、化合物(28)、化合物(29)、化合物(30)、または化合物(31)の構造から選択される構造を有する。
【0146】
所定の基準のレベルは、例えば、対象の試料で測定された平均値または中央値とすることができる。所定の基準のレベルは、対象由来の試料の測定の場合と同じまたは実質的に類似の実験条件下で測定することができる。所定の基準のレベルは、化合物(1)または化合物(10)またはそれらの類似体による治療に対し応答する対象から取得してよい。一実施形態では、所定の基準は、化合物による治療に応答する対象から取得され、対象由来の試料のレベルが基準の値と類似である場合、対象は治療に対し応答する可能性が高いとして分類できる。所定の基準のレベルは、化合物による治療に応答する対象から取得してよい。一実施形態では、所定の基準は、化合物による治療に応答しない対象から取得され、対象由来の試料のレベルが所定の基準の値とは異なる(例えば、発現上昇または発現下降した)場合、対象は治療に対し応答する可能性が高いとして分類できる。所定の基準のレベルは、健常な対象から取得してもよい。
【0147】
限定されないが、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、酵素結合免疫濾過測定法(ELIFA)、フローサイトメトリー、免疫ブロット、免疫沈降、免疫組織化学、免疫細胞化学、発光免疫測定法(LIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、およびラジオイムノアッセイを含む、免疫アッセイ法を用いて、試料中のタンパク質またはメチル化レベルをアッセイすることができる。試料中のmA mRNAメチル化レベルは、メチル化RNA免疫沈殿(Me-RIP)またはその他の当該技術分野において既知の定量生化学的アッセイにより得ることができる。
【0148】
核酸変異は、多くの既知の手順のいずれかにより決定できる。例えば、個体由来の生体試料を最初に得ることができる。このような生体試料には、限定されないが、体液(例えば、尿、唾液、血漿、または血清)または組織試料(例えば、口腔内組織試料または口腔内細胞)が含まれる。生体試料はその後、既知の方法を使用して、配列決定または走査できる。例えば、DNAアレイを使って、少なくとも一部の対象のゲノム配列を解析できる。さらに、全体または部分的ゲノム配列情報を使用できる。このような配列は、chain-termination法(Sangerジデオキシヌクレオチド法)、dye-terminatorシーケンシング法、およびSOLID(商標)シーケンシング法(Applied Biosystems)を含む標準的シーケンシング法を使って決定できる。全ゲノム配列は、シーケンシングのために、制限酵素により切断またはより短い断片に(機械的に)切断することができる。DNA配列はまた、PCRおよびベクターベースのクローニング方法(例えば、大腸菌)などの既知の方法を使用して増幅できる。一実施形態では、例えば、従来のDNAシークエンサーまたはチップベース技術を使って、少なくとも一部の対象の遺伝物質(例えば、DNA、RNA、mRNA、cDNA、その他のヌクレオチド塩基またはこれらの誘導体)が走査または配列決定され、変異の有無またはコピー数の変化が特定される。
【0149】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状を有し、本開示の治療計画に応答する可能性が高い対象を特定し、治療する方法である。一実施形態では、方法は、(i)病状を有する対象が本開示の治療計画に応答する可能性が高いかどうかを見極めること;および(ii)該治療計画に応答する可能性が高いと判断した対象をその治療計画で治療すること、を含む。一実施形態では、対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。一実施形態では、治療計画は、有効量の化合物(1)もしくは化合物(10)またはそれらの類似体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療計画は、有効量の化合物(1)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療計画は、有効量の化学式(10)の化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(40)の化合物、例えば、化学式(45)の化合物である。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(50)の化合物、例えば、化学式(55)の化合物である。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(80)の化合物である。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(90)の化合物である。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(60)の化合物である。いくつかの実施形態では、化合物(1)の類似体は、化合物(25)、化合物(26)、化合物(27)、化合物(28)、化合物(29)、化合物(30)、または化合物(31)の構造から選択される構造を有する。
【0150】
所定の基準のレベルは、例えば、対象の試料で測定された平均値または中央値とすることができる。所定の基準のレベルは、対象由来の試料の測定の場合と同じまたは実質的に類似の実験条件下で測定することができる。所定の基準のレベルは、化合物(1)または化合物(10)またはそれらの類似体による治療に対し応答する対象から取得してよい。一実施形態では、所定の基準は、化合物による治療に応答する対象から取得され、対象由来の試料のレベルが基準の値と類似である場合、対象は治療に対し応答する可能性が高いとして分類できる。所定の基準のレベルは、化合物による治療に応答する対象から取得してよい。一実施形態では、所定の基準は、化合物による治療に応答しない対象から取得され、対象由来の試料のレベルが所定の基準の値とは異なる(例えば、発現上昇または発現下降した)場合、対象は治療に対し応答する可能性が高いとして分類できる。所定の基準のレベルは、健常な対象から取得してもよい。イムノアッセイを使って、試料中のタンパク質のレベルをアッセイできる。
【0151】
一態様では、本開示により提供されるのは、病状を有する対象を治療する方法および治療の有効性を評価する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(i)本開示の治療方法により対象を治療すること、(ii)本開示のように治療の有効性を評価することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、癌を有しているか、または癌を有するリスクがある。いくつかの実施形態では、治療計画は、有効量の化合物(1)もしくは化合物(10)またはそれらの類似体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療計画は、有効量の化合物(1)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療計画は、有効量の化学式(10)の化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(40)の化合物、例えば、化学式(45)の化合物である。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(50)の化合物、例えば、化学式(55)の化合物である。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(80)の化合物である。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(90)の化合物である。いくつかの実施形態では、化学式(10)の化合物は、化学式(60)の化合物である。いくつかの実施形態では、化合物(1)の類似体は、化合物(25)、化合物(26)、化合物(27)、化合物(28)、化合物(29)、化合物(30)、または化合物(31)の構造から選択される構造を有する。
【0152】
本明細書記載の方法に好適であり得るその他の病状には、限定されないが、注意欠陥障害;嗜癖;てんかん;ウイルス感染症;炎症;アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患;冠動脈疾患、心筋症、高血圧性心疾患、心不全、肺心症、不整脈、炎症性心臓病、心内膜炎、炎症性心肥大、心筋炎、心臓弁膜症、脳血管疾患、末梢動脈疾患、先天性心臓疾患、リウマチ性心疾患などの心臓血管疾患;および軽鎖アミロイドーシスが挙げられる。
【0153】
V.組成物
【0154】
一態様では、下記の化学式(10)の化合物または下記の化学式(1)の化合物、およびそれらの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物が提供される。
【0155】
【化21】
【0156】
【化22】
【0157】
一実施形態では、医薬組成物は、該化合物の薬学的に許容可能な塩を含む。一実施形態では、該塩は、該化合物の薬学的に許容可能なモノ塩である。一実施形態では、該塩は、該化合物の薬学的に許容可能なジ塩である。一実施形態では、塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸水素塩、硫酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩および乳酸塩、重硫酸塩、ヒドロキシル、酒石酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、酒石酸水素塩、炭酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、ならびにカルボン酸塩からなる群から選択される、薬学的に許容可能なそれらのモノまたは多重塩(例えば、ジ塩、トリ塩)である。一実施形態では、塩は、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、およびマレイン酸塩からなる群から選択される薬学的に許容可能な塩である。一実施形態では、塩は、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウムからなる群から選択され、および/またはメチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよびトリエチルアミノの対イオンなどの対イオンを有する薬学的に許容可能な塩である。一実施形態では、該塩は、該化合物のジ塩酸塩またはジ臭化水素酸塩である。
【0158】
化合物(1)は、米国立癌研究所の創薬プログラムリポジトリから入手可能な、化合物NSC350625の構造解析(例えば、NMR、X線回折)によって、明らかにされるものと同じ化学構造を有する。
【0159】
一実施形態では、医薬組成物は、化合物(1)またはその類似体(例えば、化学式(10)の化合物)のジ塩(例えば、ジ塩酸塩)を含む。化合物(1)の類似体の塩(例えば、ジ塩またはトリ塩)は、化合物(1)の類似体から調製でき、これは、本開示のようにして、または当業者に既知の標準的化学合成法を使って、合成できる。
【0160】
一実施形態では、医薬組成物は少なくとも1種の薬学的に許容可能なキャリアを含む。適切な薬学的に許容可能なキャリアには、Raymond C.Roweらにより編集されたHandbook of Pharmaceutical Excipients、第7版、American Pharmaceutical Association,Washington,USAおよびPharmaceutical Press、London、ならびに以前の版に見られるものが含まれるが、これらに限定されない。代表的な薬学的に許容可能なキャリア、医薬組成物および様々な剤形の製造法、ならびに投与方法は、例えば、Larry L.Augsburger & Stephen W.Hoag.編のPharmaceutical Dosage Forms:Tablets,London:Informa Healthcare,2008;L.V.Allen,Jr.et al.,Ansel's Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,8th Ed.,Philadelphia,Pa.:Lippincott,Williams & Wilkins,2004;A.R.Gennaro,Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott Williams & Wilkins,21st ed.,2005,particularly chapter 89;およびJ.G.Hardman et al.,Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics,McGraw-Hill Professional,10th ed.,2001に詳述されているように、当該技術分野において既知である。
【0161】
一実施形態では、医薬組成物は、眼投与用に処方される。一実施形態では、医薬組成物は、局所眼投与用に処方される。一実施形態では、医薬組成物は、点滴薬、軟膏、または液剤として処方される。一実施形態では、医薬組成物は、水性、粉末状または油性基剤、増粘剤などの従来の医薬キャリアを含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、静脈内投与用の製剤である。一実施形態では、静脈内製剤は、溶媒に溶解された、化学式(10)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。一実施形態では、溶媒は水を含む。一実施形態では、静脈内製剤は、約0.05、約0.25、約0.5、約2.5、約5、約25、または約50mg/mLの濃度の化合物またはその塩を含む。一実施形態では、静脈内製剤は、約0.05、0.5、または5mg/mL~約1、10、または100mg/mLの濃度の化合物またはその塩を含む。一実施形態では、静脈内製剤は、約0.005%、0.05%、または0.5%~約0.1%、1%または10%の化合物もしくはその塩を含む。一実施形態では、静脈内製剤は、約0.05%、0.5%、または5%の化合物もしくはその塩を含む。いくつかの実施形態では、静脈内製剤は、より高いまたはより低い濃度の化合物もしくはその塩を含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、静脈内製剤は、約3のpHを有する。一実施形態では、静脈内製剤は、リン酸緩衝液でpH3に調整される。一実施形態では、静脈内製剤は、デキストロースまたは塩化ナトリウムを含む。一実施形態では、約5mg/mlの濃度で化合物またはその塩を含み、pH3の静脈内製剤は、安定な溶液を形成する。一実施形態では、静脈内製剤は、約5mg/mlの濃度の化合物またはその塩を含み、5未満のpHであり、安定な溶液を形成する。一実施形態では、静脈内製剤は、化合物またはその塩および1種または複数の抗酸化剤を含む。一実施形態では、静脈内製剤は、化合物のモノ塩酸塩とジ塩酸塩の混合物を含む。一実施形態では、静脈内製剤は、約10mg/mLの濃度での1%溶液として、化合物またはその塩を含む。例えば、静脈内製剤は、約3.3のpHを有する溶液である。一実施形態では、pHは4.0未満である。
【0164】
一実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容可能なキャリアをさらに含む。一実施形態では、適切な薬学的に許容可能なキャリアは油を含む。一実施形態では、薬学的に許容可能なキャリアは滅菌水を含む。一実施形態では、適切な薬学的に許容可能なキャリアは水性キャリアを含む。いくつかの実施形態では、静脈内製剤は、デキストロースおよび/またはナトリウムを含む。
【0165】
一実施形態では、静脈内製剤は、25mg/mlで水に溶解した化合物(1)その類似体またはそのジ塩酸塩を含む。一実施形態では、静脈内製剤は、リン酸緩衝液でpH3に調整される。一実施形態では、静脈内製剤は、デキストロースまたは塩化ナトリウムを含む。一実施形態では、静脈内製剤は、より高いまたはより低い濃度の化合物(1)またはその類似体のジ塩酸塩を含む。一実施形態では、静脈内製剤は、約5mg/mlの濃度の化合物(1)またはその類似体またはそれらのジ塩酸塩を含む。一実施形態では、静脈内製剤は、約5mg/mlの濃度の化合物(1)またはその類似体またはそれらのジ塩酸塩を含み、pH3で安定な溶液を形成する。一実施形態では、静脈内製剤は、約5mg/mlの濃度の化合物(1)またはその類似体またはそれらのジ塩酸塩を含み、5未満のpHで安定な溶液を形成する。一実施形態では、静脈内製剤は、化合物(1)またはその類似体またはそれらのジ塩酸塩ならびに1種または複数の抗酸化剤を含む。一実施形態では、静脈内製剤は、化合物(1)またはその類似体のモノ塩酸塩とジ塩酸塩の混合物を含む。一実施形態では、静脈内製剤は、約10mg/mlの濃度での1%溶液として、化合物(1)またはその類似体またはそれらのジ塩酸塩を含む。例えば、静脈内製剤は、約3.3のpHを有する溶液である。一実施形態では、pHは4.0未満である。
【0166】
一実施形態では、静脈内製剤は、約0.5%~約10%(または約5mg/ml~約100mg/ml)の化合物(1)またはその類似体またはそれらのジ塩を含む。一実施形態では、静脈内製剤は、約5%(または約50mg/ml)の化合物(1)または化合物(1)またはその類似体またはそれらのジ塩を含む。一実施形態では、静脈内注入速度は、化合物(1)またはその類似体またはそれらのジ塩の副作用を減少させるために遅くしてもよい。
【0167】
一実施形態では、医薬組成物は、約0.1~99%の化合物(1)またはその類似体の塩、および薬学的に許容可能なキャリア、例えば、油もしくは滅菌水または他の水性キャリアを含む。一実施形態では、医薬組成物は、経口剤形のために約5%~約50%の範囲の化合物(1)またはその類似体のモノ塩またはジ塩を含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、酸化防止剤を含む。好適な抗酸化剤としては、アスコルビン酸、エリソルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムなどのアスコルビン酸誘導体、チオグリセロール、システイン、アセチルシステイン、システイン、ジチオエリスリトール、ジチオスレイトール、グルタチオンなどのチオール誘導体、トコフェロール、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、アセトン亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩、ノルジヒドログアイアレチン酸が挙げられる。水性製剤に使用される抗酸化剤としては、一般的に、亜硫酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレートおよびアスコルビン酸ならびにそれらの組み合わせが挙げられ、一方、油性溶液、有機溶媒中で使用される抗酸化剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)および没食子酸プロピルならびにそれらの組み合わせが挙げられることに留意されたい。さらに他の実施形態では、抗酸化剤は、フラバノイド、イソフラボン、モノチオグリセロール、L-システイン、チオグリコール酸、α-トコフェロール、アスコルビン酸6-パルミテート、ジヒドロリポ酸、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ビタミンE、没食子酸プロピル、βカロチン、アスコルビン酸の内の1種または複数とすることができる。抗酸化剤は、通常、約0.1重量%~1.0重量%で使用でき、より典型的には約0.2%で使用できる。
【0169】
一実施形態では、医薬組成物は、化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩および少なくとも1種の他の治療薬を含む。例えば、他の治療薬は、ホルモン類似体および抗ホルモン剤、アロマターゼ阻害剤、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト、増殖因子の阻害剤、増殖因子抗体、増殖因子受容体抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、代謝拮抗薬、抗腫瘍抗生物質、白金誘導体、アルキル化剤、抗有糸分裂剤、チューブリン阻害剤、PARP阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、タンパク質間相互作用阻害剤、RAF阻害剤、MEK阻害剤、ERK阻害剤、IGF-1R阻害剤、ErbB受容体阻害剤、ラパマイシン類似体、BTK阻害剤、CRM1阻害剤(例えば、KPT185)、P53モジュレーター(例えば、ヌトリン)、血管新生抑制剤(例えば、アキシチニブ、アフリベルセプト、ソラフェニブ、およびレゴラフェニブ)、アミフォスチン、アナグレリド、クロドロネート、フィルグラスチン、インターフェロン、インターフェロンアルファ、ロイコボリン、リツキシマブ、プロカルバジン、レバミゾール、メスナ、ミトタン、パミドロネートおよびポルフィマー、2-クロロデオキシアデノシン、2-フルオロデオキシシチジン、2-メトキシエストラジオール、2C4、3-アレシン(alethine)、131-1-TM-601、3CPA、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、16-アザ-エポチロンB、A105972、A204197、アビラテロン、アルデスロイキン、アリトレチノイン、アロベクチン-7、アルトレタミン、アルボシジブ、アモナフィド、アントラピラゾール、AG-2037、AP-5280、アパジクオン、アポミン、アラノース、アルグラビン、アルゾキシフェン、アタメスタン、アトラセンタン、アウリスタチンPE、AVLB、AZ10992、ABX-EGF、AMG-479(ガニツマブ)、ARRY162、ARRY438162、ARRY-300、ARRY-142886/AZD-6244(セルメチニブ)、ARRY-704/AZD-8330、AR-12、AR-42、AS-703988、AXL-1717、AZD-8055、AZD-5363、AZD-6244、ARQ-736、ARQ680、AS-703026(ピマセルチブ(primasertib))、アバスチン、AZD-2014、アザシチジン、アザエポチロンB、アゾナフィド、BAY-43-9006、BAY80-6946、BBR-3464、BBR-3576、ベバシズマブ、BEZ-235、二クエン酸ビリコダル、BCX-1777、BKM-120、ブレオシン(bleocin)、BLP-25、BMS-184476、BMS-247550、BMS-188797、BMS-275291、BMS-663513、BMS-754807、BNP-1350、BNP-7787、BIBW 2992(アファチニブ、トムトボク)、BIBF 1120(バルガテフ(vargatef))、BI 836845、BI 2536、BI 6727、BI 836845、BI 847325、BI 853520、BUB-022、ブレオマイシン酸、ブレオマイシンA、ブレオマイシンB、ブリバニブ、ブリオスタチン-1、ボルテゾミブ、ブロスタリシン、ブスルファン、BYL-719、CA-4プロドラッグ、CA-4、CapCell、カルシトリオール、カネルチニブ、カンフォスファミド、カペシタビン、カルボキシフタラトプラチン、CCL-779、CC-115、CC-223、CEP-701、CEP-751、CBT-1セフィキシム、セフラトニン、セフトリアキソン、セレコキシブ、セルモロイキン、セマドチン、CH4987655/RO-4987655、クロロトリアニセン、シレンジチド、シクロスポリン、CDA-II、CDC-394、CKD-602、CKI-27、クロファラビン、コルヒチン、コンブレタスタチンA4、COT阻害剤、CHS-828、CH-5132799、CLL-Thera、CMT-3クリプトフィシン52、CTP-37、CTLA-4モノクローナル抗体、CP-461、CV-247、シアノモルホリノドキソルビシン、シタラビン、D 24851、デシタビン、ドキソルビシン、デオキシルビシン、デオキシコホルマイシン、デプシペプチド、デスオキシエポチロンB、デキサメタゾン、デクスラゾキサン、ジエチルスチルベストロール、ジフロモテカン、ジドックス、DMDC、ドラスタチン10、ドラニダゾール、DS-7423、E7010、E-6201、エダトレキサート、エドトレオチド、エファプロキシラル、エフロルニチン、EGFR阻害剤、EKB-569、EKB-509、エンザスタウリン、エンザルタミド、エルサミトルシン、エポチロンB、エプラツズマブ、ER-86526、エルロチニブ、ET-18-0CH3、エチニルシチジン、エチニルエストラジオール、エキサテカン、メシル酸エキサテカン、エキセメスタン、エクシスリンド、フェンレチニド、フィギツムマブ、フロクスウリジン、葉酸、フォルフォックス、フォルフォックス4、フォルフィリ、フォルメスタン、フォテムスチン、ガラルビシン、ガリウムマルトレート、ゲフィチニブ、ゲムツズマブ、ギマテカン、グルフォスファミド、GCS-100、GDC-0623、GDC-0941(ピクトレリシブ(pictrelisib))、GDC-0980、GDC-0032、GDC-0068、GDC-0349、GDC-0879、G17DT免疫原、GMK、GPX-100、gp100-ペプチドワクチン、GSK-5126766、GSK-690693、GSK-1120212(トラメチニブ)、GSK-2118436(ダブラフェニブ)、GSK-2126458、GSK-2132231A、GSK-2334470、GSK-2110183、GSK-2141795、GW2016、グラニセトロン、ハーセプチン、ヘキサメチルメラミン、ヒスタミン、ホモハリングトニン、ヒアルロン酸、ヒドロキシウレア、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、イバンドロネート、イブルチニブ、イブリツモマブ、イダトレキサート(idatrexate)、イデネストール(idenestrol)、IDN-5109、IGF-1R阻害剤、IMC-1C11、IMC-A12(シクスツムマブ)、イミュノール、インジスラム、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、インターロイキン-2、INK-1117、INK-128、INSM-18、イオナファルニブ、イピリムマブ、イプロプラチン、イロフルベン、イソホモハリコンドリン-B、イソフラボン、イソトレチノイン、イクサベピロン、JRX-2、JSF-154、J-107088、共役エストロゲン、カハリドF、ケトコナゾール、KW-2170、KW-2450、ロバプラチン、レフルノミド、レノグラスチム、リュープロリド、リュープロレリン、レキシドロナム、LGD-1550、リネゾリド、ルテチウムテキサフィリン、ロメトレキソール、ロソキサントロン、LU 223651、ルートテカン、LY-S6AKT1、LY-2780301、マホスファミド、マリマスタット、メクロロエタミン、MEK阻害剤、MEK-162、メチルテストステロン、メチルプレドニゾロン、MEDI-573、MEN-10755、MDX-H210、MDX-447、MDX-1379、MGV、ミドスタウリン、ミノドロン酸、マイトマイシン、ミボブリン、MK-2206、MK-0646(ダロツズマブ)、MLN518、モテキサフィンガドリニウム、MS-209、MS-275、MX6、ネリドロネート、ネラチニブ、ネクサバール、ネオバスタット、ニロチニブ、ニメスリド、ニトログリセリン、ノラトレキセド、ノレリン、N-アセチルシステイン、06-ベンジルグアニン、オブリメルセン、オメプラゾール、オンコファージ、オンコVEXGM-CSF、オルミプラチン(ormiplatin)、オルタタキセル、OX44抗体、OSI-027、OSI-906(リンシチニブ)、4-IBB抗体、オキサトラゾール、エストロゲン、パニツムマブ、パツピロン(patupilone)、ペグフィルグラスチム、PCK-3145、ペグフィルグラスチム、PBI-1402、PBI-05204、PDO325901、PD-1抗体、PEG-パクリタキセル、アルブミン安定化パクリタキセル、PEP-005、PF-05197281、PF-05212384、PF-04691502、PHT-427、P-04、PKC412、P54、PI-88、ペリチニブ、ペメトレキセド、ペントリクス(pentrix)、ペリホシン、ペリリルアルコール、ペルツズマブ、PI3K阻害剤、PI3K/mTOR阻害剤、PG-TXL、PG2、PLX-4032/RO-5185426(ベムラフェニブ)、PLX-3603/RO-5212054、PT-100、PWT-33597、PX-866、ピコプラチン、ピバロイルオキシメチルブチレート(pivaloyloxymethylbutyrate)、ピクサントロン、フェノキソジオールO、PKI166、プレビトレキセド、プリカマイシン、ポリプレン酸、ポルフィロマイシン、プレドニゾン、プレドニゾロン、キナメド、キヌプリスチン、R115777、RAF-265、ラモセトロン、ランピルナーゼ、RDEA-119/BAY 869766、RDEA436、レベッカマイシン類似体、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤、レゴラフェニブ、レビミッド、RG-7167、RG-7304、RG-7421、RG-7321、RG 7440、リゾキシン、rhu-MAb、リンファベート、リセドロネート、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロフェコキシブ、RO-31-7453、RO-5126766、RO-5068760、RPR 109881A、ルビダゾン、ルビテカン、R-フルルビプロフェン、RX-0201、S-9788、サバルビシン、SAHA、サルグラモスチム、サトラプラチン、SB 408075、Se-015/Ve-015、SU5416、SU6668、SDX-101、セムスチン、セオカルシトール、SM-11355、SN-38、SN-4071、SR-27897、SR-31747、SR-13668、SRL-172、ソラフェニブ、スピロプラチン、スクアラミン、スベラニロヒドロキサミン酸(suberanilohydroxamic acid)、ステント、T 900607、T 138067、TAK-733、TAS-103、タセジナリン、タラポルフィン、タルセバ、タリキダル(tariquitar)、タシスラム(tasisulam)、タキソテール、タクサオプレキシン、タザロテン、テガフール、テモゾラミド、テスミリフェン、テストステロン、プロピオン酸テストステロン、テスミリフェン、テトラプラチン、テトロドトキシン、テザシタビン、サリドマイド、テラルクス(theralux)、テラルビシン、チマルファシン、チメクタシン、チアゾフリン、チピファルニブ、チラパザミン、トクラデシン、トムデックス、トレモフィン、トラベクテジン、トランスMID-107、トランスレチン酸、トラスツズマブ、トレメリムマブ、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリアピン、トリシリビン、トリメトレキサート、TLK-286TXD 258、タイケルブ/タイバーブ、ウロシジン、バルルビシン、バタラニブ、ビンクリスチン、ビンフルニン、ビルリジン、WX-UK1、WX-554、ベクティビックス、ゼローダ、XELOX、XL-147、XL-228、XL-281、XL-518/R-7420/GDC-0973、XL-765、YM-511、YM-598、ZD-4190、ZD-6474、ZD-4054、ZD-0473、ZD-6126、ZD-9331、ZD1839、ZSTK-474、ゾレドロネート、ゾスキダル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0170】
一実施形態では、他の治療薬は、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルベストラント、酢酸メゲストロール、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、アミノグルテチミド、酢酸シプロテロン、フィナステリド、酢酸ブセレリン、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロゲステロン、オクトレオチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるホルモン類似体、抗ホルモン剤または両方を含む。一実施形態では、他の治療薬は、酢酸ゴセレリン、酢酸リュープロリド、トリプトレリンパモ酸塩およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1種または複数のLHRHアゴニストおよび/またはアンタゴニストを含み、該LHRHアンタゴニストは、デガレリクス、セトロレリックス、アバレリックス、オザレリックス、デガレリクス、それらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、他の治療薬は、血小板由来増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、上皮増殖因子(EGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、ヒト上皮増殖因子(HER)および肝細胞増殖因子(HGF)の阻害剤からなる群から選択される1種または複数の増殖因子阻害剤を含む。一実施形態では、他の治療薬は、HER2、HER3、およびHER4からなる群から選択されるヒト上皮増殖因子の内の1種または複数の阻害剤を含む。一実施形態では、他の治療薬は、セツキシマブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブおよびトラスツズマブ、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される1種または複数のチロシンキナーゼ阻害剤を含む。一実施形態では、他の治療薬は、アナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、ボロゾール、エキセメスタン、アタメスタン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1種または複数のアロマターゼ阻害剤を含む。一実施形態では、他の治療薬は、メトトレキサート、ラルチトレキセド、およびピリミジン類似体からなる群から選択される葉酸代謝拮抗薬である1種または複数の代謝拮抗薬を含む。一実施形態では、他の治療薬は、5-フルオロウラシル、カペシタビンおよびゲムシタビンからなる群から選択されるピリミジン類似体である1種または複数の代謝拮抗薬を含む。一実施形態では、他の治療薬は、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビンおよびペントスタチン、シタラビン、フルダラビン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるプリンおよび/またはアデノシン類似体である1種または複数の代謝拮抗薬を含む。一実施形態では、他の治療薬は、アントラサイクリン類、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシンおよびイダルビシン、マイトマイシン-C、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ストレプトゾシンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1種または複数の抗腫瘍抗生物質を含む。一実施形態では、他の治療薬は、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1種または複数の白金誘導体を含む。一実施形態では、他の治療薬は、エストラムスチン、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ニトロソウレア、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1種または複数のアルキル化剤を含む。一実施形態では、他の治療薬は、カルムスチン、ロムスチン、チオテパ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるニトロソウレアを含む。一実施形態では、他の治療薬は、ビンカアルカロイド類およびタキサン類からなる群から選択される抗有糸分裂剤を含む。一実施形態では、他の治療薬は、パクリタキセル、ドセタキセル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1種または複数のタキサン類を含む。一実施形態では、他の治療薬は、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビンクリスチン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1種または複数のビンカアルカロイド類を含む。一実施形態では、他の治療薬は、エピポドフィロトキシン類である1種または複数のトポイソメラーゼ阻害剤を含む。一実施形態では、他の治療薬は、エトポシドおよびエトポフォス、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、ミトキサントロン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1種または複数のエピポドフィロトキシン類を含む。一実施形態では、他の治療薬は、PDK 1阻害剤、B-Raf阻害剤、mTOR阻害剤、mTORCl阻害剤、PI3K阻害剤、mTOR/PI3K二重阻害剤、STK 33阻害剤、AKT阻害剤、PLK1阻害剤、CDK阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1種または複数のセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤を含む。一実施形態では、他の治療薬は、PTK2/FAK阻害剤である1種または複数のチロシンキナーゼ阻害剤を含む。一実施形態では、他の治療薬は、IAP、Mcl-1、MDM2/MDMXおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1種または複数のタンパク質間相互作用阻害剤を含む。一実施形態では、他の治療薬は、エベロリムス、テムシロリムス、リダフォロリムス、シロリムス、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1種または複数のラパマイシン類似体を含む。一実施形態では、他の治療薬は、アミフォスチン、アナグレリド、クロドロネート、フィルグラスチン、インターフェロン、インターフェロンアルファ、ロイコボリン、リツキシマブ、プロカルバジン、レバミゾール、メスナ、ミトタン、パミドロネートおよびポルフィマー、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される1種または複数の治療薬を含む。一実施形態では、他の治療薬は、2-クロロデオキシアデノシン、2-フルオロデオキシシチジン、2-メトキシエストラジオール、2C4、3-アレチン、131-1-TM-601、3CPA、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、16-アザ-エポチロンB、A105972、A204197、アビラテロン、アルデスロイキン、アリトレチノイン、アロベクチン-7、アルトレタミン、アルボシジブ、アモナフィド、アントラピラゾール、AG-2037、AP-5280、アパジクオン、アポミン、アラノース、アルグラビン、アルゾキシフェン、アタメスタン、アトラセンタン、アウリスタチンPE、AVLB、AZ10992、ABX-EGF、AMG-479(ガニツマブ)、ARRY162、ARRY438162、ARRY-300、ARRY-142886/AZD-6244(セルメチニブ)、ARRY-704/AZD-8330、AR-12、AR-42、AS-703988、AXL-1717、AZD-8055、AZD-5363、AZD-6244、ARQ-736、ARQ 680、AS-703026(ピマセルチブ(primasertib))、アバスチン、AZD-2014、アザシチジン、アザエポチロンB、アゾナフィド、BAY-43-9006、BAY80-6946、BBR-3464、BBR-3576、ベバシズマブ、BEZ-235、二クエン酸ビリコダル、BCX-1777、BKM-120、ブレオシン(bleocin)、BLP-25、BMS-184476、BMS-247550、BMS-188797、BMS-275291、BMS-663513、BMS-754807、BNP-1350、BNP-7787、BIBW 2992(アファチニブ、トムトボク)、BIBF 1120(バルガテフ(vargatef))、BI 836845、BI 2536、BI 6727、BI 836845、BI 847325、BI 853520、BUB-022、ブレオマイシン酸、ブレオマイシンA、ブレオマイシンB、ブリバニブ、ブリオスタチン-1、ボルテゾミブ、ブロスタリシン、ブスルファン、BYL-719、CA-4プロドラッグ、CA-4、CapCell、カルシトリオール、カネルチニブ、カンフォスファミド、カペシタビン、カルボキシフタラトプラチン、CCL-779、CC-115、CC-223、CEP-701、CEP-751、CBT-1セフィキシム、セフラトニン、セフトリアキソン、セレコキシブ、セルモロイキン、セマドチン、CH4987655/RO-4987655、クロロトリアニセン、シレンジチド、シクロスポリン、CDA-II、CDC-394、CKD-602、CKI-27、クロファラビン、コルヒチン、コンブレタスタチンA4、COT阻害剤、CHS-828、CH-5132799、CLL-Thera、CMT-3クリプトフィシン52、CTP-37、CTLA-4モノクローナル抗体、CP-461、CV-247、シアノモルホリノドキソルビシン、シタラビン、D 24851、デシタビン、ドキソルビシン、デオキシルビシン、デオキシコホルマイシン、デプシペプチド、デスオキシエポチロンB、デキサメタゾン、デクスラゾキサン、ジエチルスチルベストロール、ジフロモテカン、ジドックス、DMDC、ドラスタチン10、ドラニダゾール、DS-7423、E7010、E-6201、エダトレキサート、エドトレオチド、エファプロキシラル、エフロルニチン、EGFR阻害剤、EKB-569、EKB-509、エンザスタウリン、エンザルタミド、エルサミトルシン、エポチロンB、エプラツズマブ、ER-86526、エルロチニブ、ET-18-0CH3、エチニルシチジン、エチニルエストラジオール、エキサテカン、メシル酸エキサテカン、エキセメスタン、エクシスリンド、フェンレチニド、フィギツムマブ、フロクスウリジン、葉酸、フォルフォックス、フォルフォックス4、フォルフィリ、フォルメスタン、フォテムスチン、ガラルビシン、ガリウムマルトレート、ゲフィチニブ、ゲムツズマブ、ギマテカン、グルフォスファミド、GCS-100、GDC-0623、GDC-0941(ピクトレリシブ(pictrelisib))、GDC-0980、GDC-0032、GDC-0068、GDC-0349、GDC-0879、G17DT免疫原、GMK、GPX-100、gp100-ペプチドワクチン、GSK-5126766、GSK-690693、GSK-1120212(トラメチニブ)、GSK-2118436(ダブラフェニブ)、GSK-2126458、GSK-2132231A、GSK-2334470、GSK-2110183、GSK-2141795、GW2016、グラニセトロン、ハーセプチン、ヘキサメチルメラミン、ヒスタミン、ホモハリングトニン、ヒアルロン酸、ヒドロキシウレア、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、イバンドロネート、イブルチニブ、イブリツモマブ、イダトレキサート(idatrexate)、イデネストール(idenestrol)、IDN-5109、IGF-1R阻害剤、IMC-1C11、IMC-A12(シクスツムマブ)、イミュノール、インジスラム、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、インターロイキン-2、INK-1117、INK-128、INSM-18、イオナファルニブ、イピリムマブ、イプロプラチン、イロフルベン、イソホモハリコンドリン-B、イソフラボン、イソトレチノイン、イクサベピロン、JRX-2、JSF-154、J-107088、共役エストロゲン、カハリドF、ケトコナゾール、KW-2170、KW-2450、ロバプラチン、レフルノミド、レノグラスチム、リュープロリド、リュープロレリン、レキシドロナム、LGD-1550、リネゾリド、ルテチウムテキサフィリン、ロメトレキソール、ロソキサントロン、LU 223651、ルートテカン、LY-S6AKT1、LY-2780301、マホスファミド、マリマスタット、メクロロエタミン、MEK阻害剤、MEK-162、メチルテストステロン、メチルプレドニゾロン、MEDI-573、MEN-10755、MDX-H210、MDX-447、MDX-1379、MGV、ミドスタウ
リン、ミノドロン酸、マイトマイシン、ミボブリン、MK-2206、MK-0646(ダロツズマブ)、MLN518、モテキサフィンガドリニウム、MS-209、MS-275、MX6、ネリドロネート、ネラチニブ、ネクサバール、ネオバスタット、ニロチニブ、ニメスリド、ニトログリセリン、ノラトレキセド、ノレリン、N-アセチルシステイン、06-ベンジルグアニン、オブリメルセン、オメプラゾール、オンコファージ、オンコVEXGM-CSF、オルミプラチン(ormiplatin)、オルタタキセル、OX44抗体、OSI-027、OSI-906(リンシチニブ)、4-IBB抗体、オキサトラゾール、エストロゲン、パニツムマブ、パツピロン(patupilone)、ペグフィルグラスチム、PCK-3145、ペグフィルグラスチム、PBI-1402、PBI-05204、PDO325901、PD-1抗体、PEG-パクリタキセル、アルブミン安定化パクリタキセル、PEP-005、PF-05197281、PF-05212384、PF-04691502、PHT-427、P-04、PKC412、P54、PI-88、ペリチニブ、ペメトレキセド、ペントリクス(pentrix)、ペリホシン、ペリリルアルコール、ペルツズマブ、PI3K阻害剤、PI3K/mTOR阻害剤、PG-TXL、PG2、PLX-4032/RO-5185426(ベムラフェニブ)、PLX-3603/RO-5212054、PT-100、PWT-33597、PX-866、ピコプラチン、ピバロイルオキシメチルブチレート(pivaloyloxymethylbutyrate)、ピクサントロン、フェノキソジオールO、PKI166、プレビトレキセド、プリカマイシン、ポリプレン酸、ポルフィロマイシン、プレドニゾン、プレドニゾロン、キナメド、キヌプリスチン、R115777、RAF-265、ラモセトロン、ランピルナーゼ、RDEA-119/BAY 869766、RDEA436、レベッカマイシン類似体、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤、レビミッド、RG-7167、RG-7304、RG-7421、RG-7321、RG 7440、リゾキシン、rhu-MAb、リンファベート、リセドロネート、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロフェコキシブ、RO-31-7453、RO-5126766、RO-5068760、RPR 109881A、ルビダゾン、ルビテカン、R-フルルビプロフェン、RX-0201、S-9788、サバルビシン、SAHA、サルグラモスチム、サトラプラチン、SB 408075、Se-015/Ve-015、SU5416、SU6668、SDX-101、セムスチン、セオカルシトール、SM-11355、SN-38、SN-4071、SR-27897、SR-31747、SR-13668、SRL-172、ソラフェニブ、スピロプラチン、スクアラミン、スベラニロヒドロキサミン酸(suberanilohydroxamic acid)、ステント、T 900607、T 138067、TAK-733、TAS-103、タセジナリン、タラポルフィン、タルセバ、タリキダル(tariquitar)、タシスラム(tasisulam)、タキソテール、タクサオプレキシン、タザロテン、テガフール、テモゾラミド、テスミリフェン、テストステロン、プロピオン酸テストステロン、テスミリフェン、テトラプラチン、テトロドトキシン、テザシタビン、サリドマイド、テラルクス(theralux)、テラルビシン、チマルファシン、チメクタシン、チアゾフリン、チピファルニブ、チラパザミン、トクラデシン、トムデックス、トレモフィン、トラベクテジン、トランスMID-107、トランスレチン酸、トラスツズマブ、トレメリムマブ、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリアピン、トリシリビン、トリメトレキサート、TLK-286TXD 258、タイケルブ/タイバーブ、ウロシジン、バルルビシン、バタラニブ、ビンクリスチン、ビンフルニン、ビルリジン、WX-UK1、WX-554、ベクティビックス、ゼローダ、XELOX、XL-147、XL-228、XL-281、XL-518/R-7420/GDC-0973、XL-765、YM-511、YM-598、ZD-4190、ZD-6474、ZD-4054、ZD-0473、ZD-6126、ZD-9331、ZD1839、ZSTK-474、ゾレドロネート、ゾスキダル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1種または複数の治療薬を含む。
【0171】
一実施形態では、他の治療薬は、ステロイドを含む。ステロイドには、デキサメタゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、およびコルチバゾールが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、他の治療薬は、制吐剤を含む。制吐剤には、5-HT3受容体アゴニスト(例えば、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、パロノセトロン、およびミルタザピン)、ドーパミンアゴニスト(例えば、ドンペリドン、オランザピン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロルペラジン、アリザプリド、プロクロルペラジン、およびメトクロプラミド)、NK1受容体拮抗薬(例えば、アプレピタントおよびカソピタント)、抗ヒスタミン薬(シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、ドキシラミン、メクリジン、プロメタジン、ヒドロキシジンなど)、カンナビノイド(例えば、大麻、ドロナビノール、ナビロン、およびサティベックス)、ベンゾジアゼピン(例えば、ミダゾラムおよびロラゼパム)、抗コリン薬(例えば、ヒヨスチン)、トリメトベンズアミド、ジンジャー、エメトロール、プロポフォール、ペパーミント、ムシモール、およびアジョワンが含まれるが、これらに限定されない。
【0172】
いくつかの実施形態では、他の治療薬は抗癌剤を含み、これには有糸分裂阻害剤が含まれる。一実施形態では、有糸分裂阻害剤はタキサンを含む。一実施形態では、有糸分裂阻害剤は、パクリタキセルおよびドセタキセルからなる群から選択されるタキサンを含む。
【0173】
一実施形態では、医薬組成物は、化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体またはそれらの薬学的に許容可能な塩、および少なくとも1種の抗癌剤を含み、抗癌剤には、限定されないが、アシビシン、アクラルビシン、アコダゾール、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アンボマイシン、アメタントロン、アミフォスチン、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイシン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アザシチジン、アゼテパ、アゾトマイシン、バチマスタット、ベンゾデパ、ベバシズマブ、ビカルタミド、ビサントレン、ビスナフィドジメシラート、ビゼレシン、ブレオマイシン、ブレキナル、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カペシタビン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルムスチン、カルビシン、カルゼレシン、セデフィンゴール、セレコキシブ、クロラムブシル、シロレマイシン、シスプラチン、クラドリビン、メシル酸クリスナトール、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、デキソルマプラチン、デザグアニン、メシル酸デザグアニン、ジアジクオン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロロキシフェン、ドロモスタノロン、デュアゾマイシン、エダトレキセート、エフロミチン、エルサミトルシン、エンロプラチン、エンプロメート、エピプロピジン、エピルビシン、エルブロゾール、エソルビシン、エストラムスチン、エタニダゾール、エトポシド、エトプリン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルロシタビン、ホスキドン、フォストリエシン、フルベストラント、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イルモホシン、インターロイキンII(IL-2、組換えインターロイキンIIまたはrIL2を含む)、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-n1、インターフェロンアルファ-n3、インターフェロンベータ-Ia、インターフェロンガンマ-Ib、イプロプラチン、イリノテカン、ランレオチド、レトロゾール、リュープロリド、リアロゾール、ロメトレキソール、ロムスチン、ロソキサントロン、マソプロコール、メイタンシン、メクロレタミン塩酸塩、メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトプリン、メツレデパ、ミチンドミド、ミトカリシン、ミトクロミン、ミトギリン、ミトマルシン、マイトマイシン、ミトスパー、ミトタン、ミトキサントロン、ミコフェノール酸、ネララビン、ノコダゾール、ノガラマイシン、オムルナプラチン(omrnaplatin)、オキスラン、パクリタキセル、ペガスパルガーゼ、ペリオマイシン、ペンタムスチン、ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピポブロマン、ピポスルファン、ピロキサントロン塩酸塩、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマー、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ピューロマイシン、ピラゾフリン、リボプリン、ログレチミド、サフィンゴール、セムスチン、シムトラゼン、スパルフォセート、スパルソマイシン、スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、スロフェヌール、タリゾマイシン、タモキシフェン、テコガラン、テガフール、テトキサントロン、テモポルフィン、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、トポテカン、トレミフェン、トレストロン、トリシリビン、トリメトレキサート、トリプトレリン、ツブロゾール、ウラシルマスタード、ウレデパ、バプレオチド、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、ビネピジン、ビングリシナート、ビンロイロシン、ビノレルビン、ビンロシジン、ビンゾリジン、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン、ゾレドロネート、ゾルビシンおよびそれらの組み合わせの内の1種または複数が含まれる。
【0174】
適切な抗癌剤の例としては、Laurence Brunton Bruce Chabner,Bjorn Knollman編によるGoodmanとGilmanのThe Pharmacological Basis of Therapeutics、第12版、McGraw Hill Professional、2010に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0175】
いくつかの例示的な実施形態では、医薬組成物は、化合物(1)または化合物(10)またはそれらの類似体の塩(例えば、モノ塩またはジ塩)および少なくとも1種の他の治療薬を含み、他の治療薬は抗血管新生剤を含む。例えば、抗血管新生薬はベバシズマブである。一実施形態では、抗血管新生剤は、アフリベルセプト、アキシチニブ、アンギオスタチン、エンドスタチン、16kDaプロラクチン断片、ラミニンペプチド、フィブロネクチンペプチド、組織メタロプロテイナーゼ阻害剤(TIMP 1、2、3、4)、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤(PAI-1、PAI-2)、腫瘍壊死因子α(高用量、インビトロ)、TGF-β1、インターフェロン(IFN-α、-β、-γ)、ELR-CXCケモカイン、IL-12、SDF-1、MIG、血小板因子4(PF-4)、IP-10、トロンボスポンジン(TSP)、SPARC、2-メトキシエストラジオール、プロリフェリン関連タンパク質、スラミン、ソラフェニブ、レゴラフェニブ、サリドマイド、コルチゾン、リノマイド、フマギリン(AGM-1470、TNP-470)、タモキシフェン、レチノイド、CM101、デキサメタゾン、白血病抑制因子(LIF)、ヘッジホッグ阻害剤およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0176】
医薬品の組み合わせには、相乗的または共同的効果がさらに生じることを条件に、任意の所望の割合で第1および第2の治療薬を含めることができる。相乗的な医薬品の組み合わせでは、約1:9~約9:1の比で第1および第2の治療薬を含有するのが好ましい。一実施形態では、相乗的な医薬品の組み合わせでは、約1:8~約8:1、約1:7~約7:1、約1:6~約6:1、約1:5~約5:1、約1:4~約4:1、約1:3~約3:1、または約1:2~約2:1の比で第1および第2の治療薬を含有する。一実施形態では、相乗的な医薬品の組み合わせは、約1:1の比で第1および第2の治療薬を含有する。
【0177】
一実施形態では、第2の治療薬は、アロプリノール、三酸化ヒ素、アザシチジン、ボルテゾミブ、ベバシズマブ、カペシタビン、カルボプラチン、セレコキシブ、クロラムブシル、クロファラビン、シタラビン、ダカルバジン、ダウノルビシンHCl、ドセタキセル、ドキソルビシンHCl、フロクスウリジン、ゲムシタビンHCl、ヒドロキシウレア、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、イクサベピロン、レナリドマイド、酢酸メゲストロール、メトトレキサート、ミトタン、ミトキサントロンHCl、オキサリプラチン、パクリタキセル、プララトレキサート、ロミデプシン(Romidepsin)、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、タモキシフェンクエン酸、トポテカンHCl、トレチノイン、バンデタニブ、ビスモデギブ、ボリノスタット、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0178】
一実施形態では、第2の治療薬は、小分子マルチキナーゼ阻害剤、例えば、ソラフェニブまたはレゴラフェニブを含む。一実施形態では、第2の治療薬は、ヘッジホッグ経路阻害剤、例えば、ビスモデギブを含む。一実施形態では、第2の治療薬は下表2から選択される薬物である。
【0179】
【表2-1】
【0180】
【表2-2】
【0181】
いくつかの実施形態では、第2の治療薬は、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)受容体を標的とする薬物を含む。一実施形態では、第2の治療薬は、組換えTRAILまたは1種または複数のTRAIL受容体を活性化するアゴニスト抗体を含む。一実施形態では、第2の治療薬は、DR4、DR5または両方によりシグナル伝達を活性化する1種または複数の抗体または組換えTRAILを含む。一実施形態では、第2の治療薬は、AMG-655、LBY-135。マパツムマブ、レクサツムマブ、アポマブ、およびrhAPo2L/TRAILの内の1種または複数を含む。一実施形態では、第2の治療薬は、カンプトテシン、5-FU、カペシタビン、シスプラチン、ドキソルビシン、イリノテカン、パクリタキセル、シスプラチン、ボルテゾミブ、BH3I-2、リツキシマブ、放射線、トリテルペノイド、ソラフェニブ、ゲムシタビン、HDAC阻害剤、カルボプラチン、T-101(ゴシポール誘導体)、ABT-263、ABT-737、およびGX-15-070(オバトクラックス)、ボリノスタット、セツキシマブ、パニツムマブ、ベバシズマブ、ガニツマブ、インターフェロンガンマ、ソラフェニブ、XIAPアンタゴニスト、Bcl-2アンタゴニスト、およびSmac模倣物からなる群から選択される活性薬剤を含む。
【0182】
VI.投与量
【0183】
一実施形態では、医薬組成物は、約40、50、60、または100mg~約2000mg;約4、5、6、または10mg~約200mg;または約0.4、0.5、0.6、または1mg~約20mgの範囲の用量で化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含み、その重量は、その遊離塩基形態の化合物を基準にすることができる。一実施形態では、医薬組成物は、約50mg~約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、または2000mg;約5mg~約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、および200mg;または約0.5mg~約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、および20mgの範囲の用量レベルで化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む。一実施形態では、医薬組成物は、約40mg~約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、または2000mg;約4mg~約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または200mg;または約0.4mg~約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20mgの範囲の用量レベルで化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む。一実施形態では、医薬組成物は、約60mg~約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、または2000mg;約6mg~約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または200mg;または約0.6mg~約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20mgの範囲の用量レベルで化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む。一実施形態では、医薬組成物は、約100mg~約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900mg、または2000mg;約10mg~約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または200mg;または約1mg~約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20mgの範囲の用量レベルで化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む。一実施形態では、医薬組成物は、その遊離塩基形態の化合物を基準にして、約200mg~約300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、または2000mg;約20mg~約30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または200mg;または約2mg~約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20mgの範囲の用量レベルで化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む。一実施形態では、医薬組成物は、その遊離塩基形態の化合物を基準にして、約400mg~約500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、または2000mg;約40mg~約50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または200mg;または約4mg~約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20mgの範囲の用量レベルで化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む。一実施形態では、医薬組成物は、約50mg~約60、70、80、90、または100mg;約60mg~約70、80、90、または100mg;約70mg~約80、90、または100mg;約80mg~約90または100mg;約90~約100mg;約5mg~約6、7、8、9または10mg;約6mg~約7、8、9または10mg;約7mg~約8、9または10mg;約8mg~約9または10mg;約9mg~約10mg;約0.5mg~0.6、0.7、0.8、0.9、または1mg;約0.6mg~0.7、0.8、0.9、または1mg;約0.7mg~0.8、0.9、または1mg;約0.8mg~0.9、または1mg;または約0.9mg~1mgの範囲の用量レベルで化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む。
【0184】
一実施形態では、医薬組成物は、約1mg/kg~約40mg/kg;約0.1mg/kg~約4mg/kg;または約0.01mg/kg~約0.40mg/kgの範囲の用量で化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む。一実施形態では、医薬組成物は、約1、2、3、4、5、6、7、8または9mg/kg~約10、20、30、または40mg/kg;約10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19mg/kg~約20、30、または40mg/kg;約20、21、22、23、24、25、26、27、28、または29mg/kg~約30または40mg/kg;約30、31、32、33、34、35、36、37、38、または39mg/kg~約40mg/kg;約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、または0.9mg/kg~約1、2、3、または4mg/kg;約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、または1.9mg/kg~約2、3、または4mg/kg;約2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、または2.9mg/kg~約3または4mg/kg;または約3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、または3.9mg/kg~約4mg/kg;約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09mg/kg~約0.10、0.20、0.30、または0.40mg/kg;約0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、または0.19mg/kg~約0.20、0.30、または0.40mg/kg;約0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、または0.29mg/kg~約0.30または0.40mg/kg;または約0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、または0.39mg/kg~約0.40mg/kgの範囲の用量レベルで化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む。
【0185】
一実施形態では、医薬組成物は、約37.5mg/m~約1500mg/m;約3.75mg/m~約150mg/m;約0.4mg/m~約15mg/mの範囲の用量レベルで、化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む。一実施形態では、医薬組成物は、約40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、505、510、515、520、525、530、535、540、545、550、555、560、565、570、575、580、585、590、595、600、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、755、760、765、770、775、780、785、790、795、800、805、810、815、820、825、830、835、840、845、850、855、860、865、870、875、880、885、890、895、900、905、910、915、920、925、930、935、940、945、950、955、960、965、970、975、980、985、990、995、1000、1005、1010、1015、1020、1025、1030、1035、1040、1045、1050、1055、1060、1065、1070、1075、1080、1085、1090、1095、1100、1105、1110、1115、1120、1125、1130、1135、1140、1145、1150、1155、1160、1165、1170、1175、1180、1185、1190、1195、1200、1205、1210、1215、1220、1225、1230、1235、1240、1245、1250、1255、1260、1265、1270、1275、1280、1285、1290、1295、1300、1305、1310、1315、1320、1325、1330、1335、1340、1345、1350、1355、1360、1365、1370、1375、1380、1385、1390、1395、1400、1405、1410、1415、1420、1425、1430、1435、1440、1445、1450、1455、1460、1465、1470、1475、1480、1485、1490、1495mg/m~約1500mg/m;約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、または149mg/m~約150mg/m;または約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、111、11.5、12、12.5、13、13.5、14、または14.5mg/m~約15mg/mの範囲の用量レベルで、化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む。
【0186】
VII.剤形
【0187】
開示される方法による使用に好適する医薬組成物は、患者に投与可能な剤形に処方できる。一実施形態では、医薬組成物は、経口投与単位または非経口投与単位の形態である。一実施形態では、医薬組成物は、経口投与単位の形態である。いくつかの実施形態では、経口投与単位は、投与される治療薬の毒性を低減するために、所定の期間にわたって対象に投与されるいくつかのより小さな用量に分割される。いくつかの実施形態では、経口投与単位は、複数の粒子、顆粒、ペレット、小型錠剤または錠剤を含むことができる制御放出製剤を含む錠剤またはカプセルにより投与される。一実施形態では、医薬組成物は、非経口投与単位の形態である。一実施形態では、医薬組成物は、非経口投与単位は、静脈内(IV)、皮下(SC)、および筋肉内(M)、直腸(PR)ならびに経皮投与単位からなる群から選択される非経口投与単位の形態である。一実施形態では、医薬組成物は、滅菌液剤、懸濁剤、坐剤、錠剤およびカプセル剤からなる群から選択される剤形である。一実施形態では、組成物は、錠剤、カプレット剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤およびエリキシル剤からなる群から選択される経口剤形である。一実施形態では、組成物は、錠剤、ハードシェルカプセル剤、軟ゼラチンカプセル剤、ビーズ、顆粒剤、凝集物、粉剤、ゲル剤、固形剤および半固形剤からなる群から選択される経口剤形である。
【0188】
いくつかの実施形態では、開示される方法に使用するための医薬組成物の適切な形態は、皮膚の局所投与に適合した皮膚用組成物を含む。例えば、皮膚用組成物は、化粧品として許容されるまたは薬学的に許容される媒体を含む。局所投与のための皮膚用組成物は、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、点滴薬、坐薬、噴霧剤、液剤および粉剤を含んでよい。いくつかの実施形態では、従来の医薬キャリア、水性、粉末または油性基剤、増粘剤、およびスキンエンハンサーなどが必要とされる、またはこれらの使用が望ましい場合があり、したがって、これらを使用できる。適切なエンハンサーの例としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(TRANSCUTOL(登録商標)として市販されている)およびジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー(231、182、184)、ツイーン(20、40、60、80)、およびレシチン(米国特許第4,783,450号)などの界面活性剤、エタノール、プロパノール、オクタノール、およびベンジルアルコールなどのアルコール、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのポリエチレングリコールおよびそのエステル、アミドならびに尿素、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)、2-ピロリドン、1-メチル-2-ピロリドン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンなどの他の窒素化合物、テルペン、アルカノン、ならびに有機酸、特にクエン酸およびコハク酸が挙げられるが、これらに限定されない。AZONE(登録商標)ならびにDMSOおよびCIOMSOなどのスルホキシドを用いてもよいが、あまり好ましくない。
【0189】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、持続放出形態、制御放出形態、遅延放出形態および応答放出形態からなる群から選択される剤形である。
【0190】
VIII.使用方法
本開示の組成物および方法は、癌(例えば、大腸癌、脳癌、および神経膠芽腫)を含む多くの病状の治療に有用である。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、眼の黒色腫、線維形成円形細胞腫瘍、軟骨肉腫、軟膜疾患、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、エイズ関連癌、エイズ関連リンパ腫、肛門癌または直腸癌、虫垂癌、星細胞腫、および非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍などの疾患を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、基底細胞癌、基底細胞母斑症候群、ゴーリン-母斑症候群、胆管癌、膀胱癌、骨癌、骨肉腫および悪性線維性組織球腫、脳腫瘍、乳癌、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、および脊髄腫瘍などの疾患を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、カルチノイド腫瘍、未知の原発性の中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、軟膜疾患、中枢神経系胚芽腫、中枢神経系リンパ腫、子宮頸癌、脊索腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、および皮膚T細胞リンパ腫(セザリー症候群および菌状息肉腫(MF)を含むが、これらに限定されない)などの疾患を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、中枢神経系胚芽腫、子宮内膜癌、上衣芽細胞腫、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫腫瘍ファミリー、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、および眼の癌などの疾患を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、胆嚢癌、胃癌(Gastric(Stomach) Cancer)、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛腫瘍、および神経膠腫などの疾患を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、ヘアリー細胞白血病、頭頸部癌、肝細胞(肝臓)癌、組織球症、ホジキンリンパ腫、および下咽頭癌からなる群から選択される癌を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、カポジ肉腫、および腎臓(腎細胞)癌などの疾患を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭癌、口唇および口腔癌、肝癌、肺癌、非ホジキンリンパ腫、および原発性中枢神経系リンパ腫などの疾患を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫)、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、髄芽腫、髄様上皮腫、メラノーマ、メルケル細胞癌、中皮腫、原発不明転移性扁平上皮頸部癌、多発性内分泌腫瘍症候群、口癌、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍、多発性骨髄腫、および骨髄増殖性疾患などの疾患を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、癌を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、鼻腔癌および副鼻腔癌、上咽頭癌、および神経芽細胞腫などの疾患を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、口腔癌、口唇および口腔癌、口腔咽頭癌、骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣上皮癌、および卵巣低悪性度腫瘍などの疾患を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、膵臓癌、乳頭腫症、副鼻腔癌および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、中間分化型松果体実質腫瘍および松果体芽細胞腫、テント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腫瘍、胸膜肺芽、妊娠中の癌および乳癌、原発性中枢神経系リンパ腫、ならびに前立腺癌などの疾患を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、直腸癌、腎細胞(腎臓)癌、腎盂および尿管、染色体15上のNUT遺伝子が関与する気道癌、網膜芽細胞腫、および横紋筋肉腫からなる群から選択される癌を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、高悪性度の前立腺癌を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、中悪性度の前立腺癌を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、低悪性度の前立腺癌を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、去勢抵抗性前立腺癌を治療するために使用される。
【0191】
発明者らは、インビトロモデル、動物モデル、およびヒト臨床試験において、ONC201(化合物(1))が広範な抗癌活性、あったにしてもわずかな有害作用を含む低毒性、低遺伝子毒性および経口バイオアベイラビリティを含む高バイオアベイラビリティを有することを発見した。これらの特徴は、ONC201および種々の類似体を小児科の患者に特に適するものにしている。これらの特徴はまた、ONC201および種々の類似体を、長期治療に対し、高リスク患者に対し、および持続性の応答もしくは安定疾患を確実にするのに、または疾患再発を防ぐのに、特に適するものにしている。
【0192】
一実施形態では、本開示の組成物および方法は、小児癌(例えば、小児固形腫瘍、小児肉腫、小児ユーイング肉腫、小児神経膠腫、小児中枢神経系癌、小児白血病および小児リンパ腫)を治療するために使用される。
【0193】
一実施形態では、本開示の組成物および方法は、乾癬などの増殖性皮膚障害を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、唾液腺癌、肉腫、セザリー症候群、皮膚癌(skin cancer)、眼癌、皮膚癌(skin Carcinoma)、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、原発不明扁平上皮頸部癌、およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍からなる群から選択される癌を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、T細胞リンパ腫、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺癌、腎盂および尿管の移行上皮癌、ならびに妊娠性絨毛腫瘍からなる群から選択される癌を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、原発部位不明の細胞腫、原発部位不明の癌、小児のまれな癌、腎盂および尿管の移行細胞癌、尿道癌、および子宮肉腫からなる群から選択される癌を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、膣癌、および外陰癌からなる群から選択される癌を治療するために使用される。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、ウイルムス腫瘍および女性の癌からなる群から選択される癌を治療するために使用される。
【0194】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物および方法は、ファーストライン療法(一次治療と呼ばれることもある)として使用される。いくつかの実施形態では、本開示の組成物および方法は、セカンドライン療法として使用される。いくつかの実施形態では、本開示の組成物および方法は、サードライン療法として使用される。いくつかの実施形態では、本開示の組成物および方法は、サルベージ療法として使用される。本明細書で使用される場合、用語の「サルベージ療法」とは、対象の初期治療計画が失敗した後か、または対象の状態が初期治療に反応しなかった後に、任意の治療計画で採用できる治療薬を意味する。いくつかの実施形態では、本開示の組成物および方法は、レスキュー療法として使用される。レスキュー療法の一実施形態では、組成物は、初期治療の作用の影響を弱めるレスキュー薬として使用される。レスキュー療法の一実施形態では、組成物は、標準的な治療または初期治療に対して耐性を生じた対象に投与されるレスキュー薬として使用される。いくつかの実施形態では、本開示の組成物および方法は、ネオアジュバント療法として使用される。一実施形態では、ネオアジュバント療法は、主治療またはファーストライン治療の前に、1種または複数の本開示の治療薬を対象に投与することを含む。一実施形態では、ネオアジュバント療法は、治療を受ける対象に主治療またはファーストライン治療が施される前に、治療されている癌のサイズまたは程度を減少させる。いくつかの実施形態では、本開示の組成物および方法は、アジュバント療法として使用される。一実施形態では、アジュバント療法は、本開示の1種または複数の治療薬の対象への投与を含み、該1種または複数の治療薬は、すでに対象に投与されているかまたは対象に同時に投与されるかまたは続いて対象に投与される他の治療薬の効果を変える。
【0195】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物および方法は、薬物間相互作用の可能性を減少させる。いくつかの実施形態では、化合物(1)もしくは化合物(10)またはそれらの類似体は、別の薬学的に活性のある薬剤と相互作用が可能となる前に、患者の身体から排出される。
【0196】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物および方法は、他の薬剤との組み合わせを容易にする毒性レベルを示す。
【0197】
本開示の方法および組成物は、任意の特定の動物種に限定されない。一実施形態では、本発明の方法に従い、また、本開示の方法および組成物を用いて治療される対象は、哺乳動物または非哺乳動物とすることができる。一実施形態では、哺乳類の対象の哺乳動物には、限定されないが、ヒト;非ヒト霊長類;マウス、ラット、またはモルモットなどのげっ歯類;ネコまたはイヌなどの家畜化ペット;ウマ、雌ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、またはウサギが含まれる。一実施形態では、非哺乳動物対象には、限定されないが、アヒル、ガチョウ、ニワトリ、またはシチメンチョウなどの鳥類が含まれる。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。一実施形態では、対象は、どちらかの性別および任意の年齢とすることができる。本組成物および方法は、癌を予防するためにも使用できる。本組成物および方法は、免疫系を刺激するためにも使用できる。
【0198】
本開示の方法および組成物は、特定の年齢の対象に限定されない。一実施形態では、本開示の方法に従い、本開示の組成物を用いて治療される対象は、50歳を超える、55歳を超える、60歳を超える、または65歳を超える年齢とすることができる。一実施形態では、本開示の方法に従い、本開示の組成物を用いて治療される対象は、50歳未満、55歳未満、60歳未満、または65歳未満とすることができる。
【0199】
一実施形態では、本開示の方法に従い、本開示の組成物を用いて治療される対象は、小児患者とすることができる。一実施形態では、小児患者は、18才より若い、17才より若い、16才より若い、15才より若い、14才より若い、13才より若い、12才より若い、11才より若い、10才より若い、9才より若い、8才より若い、7才より若い、6才より若い、5才より若い、4才より若い、3才より若い、2才より若い、1才より若い。一実施形態では、小児患者は、12月齢より若い、11月齢より若い、10月齢より若い、9月齢より若い、8月齢より若い、7月齢より若い、6月齢より若い、5月齢より若い、4月齢より若い、3月齢より若い、2月齢より若い、1月齢より若い。一実施形態では、小児患者は、4週齢より若い、3週齢より若い、2週齢より若い、1週齢より若い。一実施形態では、小児患者は、7日齢より若い、6日齢より若い、5日齢より若い、4日齢より若い、3日齢より若い、2日齢より若い、または1日齢より若い。一実施形態では、小児患者は、新生児である。一実施形態では、小児患者は、未熟で出生している。一実施形態では、小児患者は、新生児である。
【0200】
一実施形態では、患者は、45kg未満の体重、40kg未満の体重、35kg未満の体重、30kg未満の体重、25kg未満の体重、20kg未満の体重、15kg未満の体重、14kg未満の体重、10kg未満の体重、5kg未満の体重、4kg未満の体重、3kg未満の体重、2kg未満の体重、または1kg未満の体重である。
【0201】
一実施形態では、対象は、少なくとも1種の前治療薬を受けている。一実施形態では、対象は、少なくとも2種類、少なくとも3種類、または少なくとも4種類の前治療薬を受けている。一実施形態では、前治療薬は、イブルチニブ、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、テモゾロミド、ベバシズマブ、シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、シタラビン、シスプラチン、リツキシマブ、5-フルオロウラシル、オキサリプラチン、ロイコボリン、またはレナリドマイドである。
【0202】
一実施形態では、対象は放射線で治療されている。一実施形態では、対象は、外科手術で治療されている。一実施形態では、対象は、養子T細胞療法で治療されている。
【0203】
いくつかの実施形態では、癌はもはや、イブルチニブ、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、テモゾロミド、ベバシズマブ、シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、シタラビン、シスプラチン、リツキシマブ、5-フルオロウラシル、オキサリプラチン、ロイコボリン、レナリドマイド、放射線、外科手術、またはそれらの組み合わせによる治療に応答しない。
【0204】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物および方法は、正常細胞での同一の組成物および方法の用量反応関係とは異なる、癌細胞での用量応答関係を有する。図1は、例えば、正常細胞および腫瘍細胞での増殖および細胞死に対する化合物(1)の用量反応関係を示す。図1は、示した濃度で化合物(1)を用いて72時間にわたり処理した後の細胞生存率を示す。試験した腫瘍には、ヒト結腸癌細胞株(HCT116)、乳房腫瘍細胞株(MDA-MB-231)、ヒト初代神経膠芽腫細胞株(U87)を含めた。また、試験した正常細胞には、ヒト包皮線維芽細胞(HFF)、ヒト胎児肺線維芽細胞(MRC-5)細胞、およびヒト肺線維芽細胞株(WI-38)を含めた。ドキソルビシンは、1μg/mLを、正常線維芽細胞中の陽性対照として使用した。図1に示すように、試験した正常細胞の細胞生存率は、約1~5mg/mLの化合物(1)濃度で少なくとも約75%であり、腫瘍細胞の生存率は化合物(1)の同じ濃度で大幅に低い(例えば、50%以下)。さらに、化合物(1)の濃度が約5mg/mLを超えて増加すると、正常細胞の生存率は約75%のままであるのに対して、腫瘍細胞の生存率が25%未満に低下する。
【0205】
図2は、化合物(1)(5μM)またはDMSOによる72時間の処理後のヒト胎児肺線維芽細胞(MRC-5)における細胞生存率アッセイ、および処理後の薬物不含完全培地中での示された回復期間を示す。時点は、72時間の処理後に化合物(1)を除去した後の時間として与えられる。図2に示すように、細胞の回復は化合物(1)で認められたが、DMSOでは認められなかった。
【0206】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物および方法は、対象における癌を治療するのに有用である。一実施形態では、本開示の組成物および方法は、ヒト対象の癌を治療するのに有用である。いくつかの実施形態では、治療方法は、薬学的有効量の化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能なキャリアをこのような治療を必要とする対象に投与することを含む。
【0207】
一実施形態では、治療方法は、(i)化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む第1の治療薬を、(ii)第2の治療薬と組み合わせて、このような治療を必要とする対象に投与することを含み、第1および第2の治療薬は同時にまたは順次に投与される。第2の治療薬は、本開示の薬学的に活性のある薬剤のいずれかを含む任意の適切な治療薬とすることができる。化合物(1)の薬学的に許容可能な塩には、下記のジ塩酸塩が含まれる。
【0208】
【化23】
【0209】
化合物(1)もしくはその類似体(限定されないが、化学式(10)の化合物が含まれる)のジ塩酸塩、または本開示の教示から明らかな代替物のそのジ塩は、本開示の組成物または投与計画において、化合物(1)またはその類似体で置換できると理解される。
【0210】
いくつかの実施形態では、治療方法は、相乗的な医薬品の組み合わせを、このような治療を必要とする対象に、同時にまたは順次に投与することを含み、相乗的な医薬品の組み合わせは(i)化合物(1)もしくは化合物(10)もしくはそれらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む第1の治療薬と、(ii)第2の治療薬と、を含む。一実施形態では、治療方法は、治療上相乗効果のある量の第1の治療薬を第2の治療薬と組み合わせて同時にまたは順次に、このような治療を必要とする対象に投与することを含む。一実施形態では、治療方法は、有効量の第1の治療薬を有効量の第2の治療薬と組み合わせて、このような治療を必要とする対象に投与することを含み、該組み合わせは、該組み合わせに感受性のある癌のインビボ治療において、相乗効果をもたらし、第1および第2の治療薬は同時にまたは順次に投与される。一実施形態では、治療方法は、有効量の第1の治療薬を有効量の第2の治療薬と組み合わせて、このような治療を必要とする対象に投与することを含み、該組み合わせは、該組み合わせに感受性のある微小残存病変のインビボ治療において、相乗効果をもたらし、第1および第2の治療薬は同時にまたは順次に投与される。
【0211】
いくつかの実施形態では、第2の治療薬は、第1の治療薬の前にまたは先立って投与できる。
【0212】
一実施形態では、治療方法は、固形腫瘍、液性腫瘍、リンパ腫、白血病、または骨髄腫からなる群から選択される癌を標的とする。
【0213】
一実施形態では、治療方法は固形腫瘍を標的とし、固形腫瘍は、子宮頸癌、子宮内膜癌、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛腫瘍、卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、上皮性卵巣癌、および卵巣低悪性度腫瘍、陰茎癌、前立腺癌、妊娠中の癌および乳癌、高悪性度前立腺癌、中悪性度前立腺癌、低悪性度前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、乳癌、胆管癌、肝外胆管癌、癌胆嚢、肝細胞(肝臓)癌、腎臓(腎細胞)癌、肝臓癌、腎細胞(腎臓)癌、腎盂と尿管、基底細胞癌、基底細胞母斑症候群、ゴーリン-母斑症候群、悪性黒色腫、メルケル細胞癌、乳頭腫症、多発性内分泌新形成症候群、膵臓癌、副甲状腺癌、眼の黒色腫、眼の癌、網膜芽細胞腫、悪性線維性組織球腫、ユーイング肉腫腫瘍ファミリー、線維形成性円形細胞腫瘍、軟骨肉腫、カポジ肉腫、横紋筋肉腫、脊髄腫瘍、軟膜疾患、中枢神経系胚芽腫、脊索腫、中枢神経系の胚芽腫、上衣芽細胞腫、上衣腫、神経芽細胞腫、中間分化型松果体実質腫瘍、松果体芽細胞腫、副腎皮質癌、骨癌、骨肉腫、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫、カルチノイド腫瘍、原発不明細胞腫、気管支腫瘍、肺癌、胸膜肺の癌芽細胞腫、染色体15上のNUT遺伝子が関与する気道癌、星細胞腫、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、頭蓋咽頭腫、神経膠腫、脳癌、髄芽腫、髄様上皮腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、胃癌(Gastric(Stomach) Cancer)、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、膀胱癌、肛門癌および直腸癌、虫垂癌、食道癌、下咽頭癌、喉頭癌、口唇癌および口腔癌、原発不明の転移性扁平上皮頸部癌、口癌、鼻腔および副鼻腔癌、咽頭癌、口腔癌、口唇癌および口腔癌、口咽頭癌、副鼻腔および鼻腔癌、咽頭癌、頭頸部癌、および中皮腫からなる群から選択される。
【0214】
一実施形態では、治療方法は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、エイズ関連リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、セザリー症候群、菌状息肉症(MF)、組織球症、バーキットリンパ腫、および中枢神経系リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、および原発性中枢神経系リンパ腫、ホジキンリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、菌状息肉腫、原発性中枢神経系リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、および原発性中枢神経系リンパ腫からなる群から選択されるリンパ腫を標的とする。
【0215】
一実施形態では、治療方法は、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、リンパ形質細胞性NHL、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および皮膚リンパ腫からなる群から選択される非ホジキンリンパ腫(NHL)を標的とする。
【0216】
一実施形態では、治療方法は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄増殖性疾患、有毛細胞白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、およびランゲルハンス細胞組織球症からなる群から選択される白血病を標的とする。
【0217】
一実施形態では、治療方法は、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症群、および骨髄増殖性疾患からなる群から選択される急性白血病を標的とする。
【0218】
一実施形態では、治療方法は、IgA骨髄腫、IgG骨髄腫、IgM骨髄腫、IgD骨髄腫、IgE骨髄腫、軽鎖骨髄腫、非分泌性骨髄腫、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍、および骨髄増殖性疾患からなる群から選択される骨髄腫を標的とする。
【0219】
一実施形態では、治療方法は、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、エイズ関連癌、エイズ関連リンパ腫、肛門癌または直腸癌、虫垂癌、星細胞腫、および非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍からなる群から選択される癌を標的とする。
【0220】
一実施形態では、治療方法は、基底細胞癌、基底細胞母斑症候群、ゴーリン-母斑症候群、胆管癌、膀胱癌、骨癌、骨肉腫および悪性線維性組織球腫、脳腫瘍、乳癌、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、および脊髄腫瘍からなる群から選択される癌を標的とする。
【0221】
一実施形態では、治療方法は、カルチノイド腫瘍、原発不明の細胞腫、中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胚芽腫、中枢神経系リンパ腫、子宮頸癌、脊索腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性疾患、大腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、および皮膚T細胞リンパ腫(セザリー症候群および菌状息肉腫を含むが、これらに限定されない)からなる群から選択される癌を標的とする。
【0222】
一実施形態では、治療方法は、中枢神経系の胚芽腫、子宮内膜癌、上衣芽細胞腫、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫腫瘍ファミリー、線維形成ラウンド細胞腫瘍、軟骨肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、ならびに眼内黒色腫および網膜芽細胞腫を含む眼癌からなる群から選択される癌を標的とする。
【0223】
一実施形態では、治療方法は、胆嚢癌、胃癌(Gastric(Stomach) Cancer)、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛腫瘍、および神経膠腫からなる群から選択される癌を標的とする。
【0224】
一実施形態では、組成物および方法は、ヘアリー細胞白血病、頭頸部癌、肝細胞(肝臓)癌、組織球症、ホジキンリンパ腫、および下咽頭癌からなる群から選択される癌を標的とする。
【0225】
一実施形態では、治療方法は、カポジ肉腫および腎臓(腎細胞)癌からなる群から選択される癌を標的とする。
【0226】
一実施形態では、治療方法は、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、喉頭癌、口唇癌および口腔癌、肝臓癌;非小細胞肺癌、および小細胞肺癌を含む肺癌;非ホジキンリンパ腫、および原発性中枢神経系リンパ腫からなる群から選択される癌を標的とする。
【0227】
一実施形態では、治療方法は、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫)、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、髄芽腫、髄様上皮腫、メラノーマ、メルケル細胞癌、中皮腫、原発不明転移性扁平上皮頸部癌、多発性内分泌腫瘍症候群、口腔癌、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍、多発性骨髄腫、および骨髄増殖性疾患からなる群から選択される癌を標的とする。
【0228】
一実施形態では、治療方法は、鼻腔および副鼻腔癌、上咽頭癌、および神経芽細胞腫からなる群から選択される癌を治療するのに有用である。
【0229】
一実施形態では、治療方法は、口腔癌、口唇および口腔癌、口腔咽頭癌、骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、上皮性卵巣癌、および卵巣低悪性度腫瘍からなる群から選択される癌を治療するのに有用である。
【0230】
一実施形態では、治療方法は、膵臓癌、乳頭腫症、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、中間分化型の松果体実質腫瘍、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腫瘍、胸膜肺芽、妊娠中の癌および乳癌、原発性中枢神経系リンパ腫、および前立腺癌からなる群から選択される癌を治療するのに有用である。
【0231】
一実施形態では、治療方法は、直腸癌、腎細胞(腎臓)癌、腎盂および尿管、染色体15上のNUT遺伝子が関与する気道癌、網膜芽細胞腫、および横紋筋肉腫からなる群から選択される癌を治療するのに有用である。
【0232】
一実施形態では、治療方法は、唾液腺癌、肉腫、セザリー症候群、皮膚癌(skin cancer)、眼癌、皮膚癌(skin Carcinoma)、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、原発不明扁平上皮頸部癌、およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍からなる群から選択される癌を治療するのに有用である。
【0233】
一実施形態では、治療方法は、T細胞リンパ腫、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺癌、腎盂および尿管の移行上皮癌、ならびに妊娠性絨毛腫瘍からなる群から選択される癌を治療するのに有用である。
【0234】
一実施形態では、治療方法は、原発部位不明の細胞腫、原発部位不明の癌、小児のまれな癌、腎盂および尿管の移行細胞癌、尿道癌、および子宮肉腫からなる群から選択される癌を治療するのに有用である。
【0235】
一実施形態では、治療方法は、膣癌および外陰癌からなる群から選択される癌を治療するのに有用である。
【0236】
一実施形態では、治療方法は、ウイルムス腫瘍および女性の癌からなる群から選択される癌を治療するのに有用である。
【0237】
いくつかの実施形態では、癌の治療は、癌の対象における腫瘍増殖の防止を含む。いくつかの実施形態では、癌の治療は、癌の対象における癌転移の形成の防止を含む。いくつかの実施形態では、癌の治療は、癌の中に微小残存病変を有することが知られている癌の対象または微小残存病変を有するリスクのある対象における、微小残存病変の標的治療を含む。
【0238】
これは、手術による原発腫瘍の治療後におよび/または化学療法(放射線療法)が開始されたかまたは有効と判断された後に示される可能性がある。播種性腫瘍細胞は、休止状態である場合があり、化学療法(放射線療法)によって、攻撃できないことが多い。このように治療された患者は一見治癒状態にあり、この状態は「微小残存病変」とも呼ばれる。それにもかかわらず、休止状態の腫瘍細胞は、より長い休止状態の後でも増殖刺激により転移性細胞となる場合に、転移を形成する可能性を有する。
【0239】
本明細書で使用される場合、「微小残存病変」は、治療中、または対象が寛解期にある(疾患の症状または徴候を示さない)治療後に対象に存続する少数の癌細胞を意味する。本開示の方法は、本明細書で列挙した疾患の形態に適用されるのが好ましく、これには、これらの疾患の成人および小児の形態を含む。
【0240】
一実施形態では、治療方法は、自己免疫疾患を治療するのに有用である。自己免疫疾患には、円形脱毛症、抗リン脂質、自己免疫性肝炎、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、ギランバレー症候群、橋本病、溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、炎症性腸疾患、炎症性筋疾患、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、および白斑が含まれるが、これらに限定されない。
【0241】
一実施形態では、治療方法は、糖尿病、B12および葉酸ビタミン欠乏を含む代謝障害、HIVを治療するために使用される化学療法薬、末梢神経損傷を引き起こす毒物、末梢神経障害ならびに腫瘍随伴症候群を発生させる癌、アルコール依存症、慢性腎臓病、神経の圧迫および他の病変を引き起こす傷害、ライム病などの感染症、ギランバレー症候群、結合組織病、関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、サルコイドーシスなどの特定の炎症状態、セリアック病、シャルコー・マリー歯症候群などの遺伝病、フリードライヒ失調症、および/または特定の原因は分からないが炎症および/もしくは自己免疫のメカニズムが発症の原因である特発性疾患などの様々な要因に基づく、筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリック病)などの末梢神経系の自己免疫疾患および炎症性疾患を治療するのに有用である。
【0242】
一実施形態では、治療方法は、眼の症状を呈する自己免疫疾患および炎症性疾患の治療に有用である。このような眼の症状には、眼瘢痕性類天疱瘡、モーレン角膜潰瘍、ブドウ膜炎の様々な形態、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、結節性多発動脈炎、再発性多発性軟骨炎、ウェゲナー肉芽腫、強皮症、ベーチェット病、ライター病、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病)ならびに強直性脊椎炎、網膜色素変性症、黄斑変性、乾性角結膜炎、強膜炎、上強膜炎、角膜炎、末梢角膜潰瘍、ならびに脈絡膜炎、網膜血管炎、強膜上結節、網膜剥離、および/または黄斑浮腫などのあまり一般的でない実体が含まれるが、これらに限定されない。
【0243】
一実施形態では、治療方法は、移植患者での急性同種移植片拒絶反応を治療するのに有用である。一実施形態では、治療方法は、虚血性脳卒中を治療するのに有用である。一実施形態では、治療方法は、限定されないが、関節炎、乾癬、喘息、および大腸炎を含む炎症性疾患を治療するのに有用である。
【0244】
一実施形態では、治療薬は、化合物(1)またはその類似体(例えば、化学式(10)の化合物)の薬学的に許容可能なモノ塩を含む。一実施形態では、治療薬は、化合物(1)またはその類似体(例えば、化学式(10)の化合物)の薬学的に許容可能なジ塩を含む。本開示のように、いくつかの類似体はトリ塩とすることができる。一実施形態では、治療薬には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸水素塩、硫酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩および乳酸塩、重硫酸塩、ヒドロキシル、酒石酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、酒石酸水素塩、炭酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、およびカルボン酸塩からなる群から選択される、薬学的に許容可能なモノ塩またはジ塩の形態の化合物(1)またはその類似体(例えば、化学式(10)の化合物)が含まれる。一実施形態では、治療薬には、P-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩およびマレイン酸塩から選択される薬学的に許容可能なモノ塩またはジ塩の形態の化合物(1)またはその類似体が含まれる。一実施形態では、治療薬には、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウムからなる群から選択される対イオン、および/もしくはメチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、トリエチルアミノの対イオンなどの対イオン、ならびにそれらの組み合わせを有する薬学的に許容可能なモノ塩またはジ塩の形態の化合物(1)またはその類似体が含まれる。一実施形態では、治療薬には、ジ塩酸塩またはジ臭化水素酸塩などのハライドジ塩の形態の本開示の化合物が含まれる。
【0245】
治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬には抗癌剤が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬は、限定されないが、アシビシン、アクラルビシン、アコダゾール、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アンボマイシン、アメタントロン、アミフォスチン、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイシン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アザシチジン、アゼテパ、アゾトマイシン、バチマスタット、ベンゾデパ、ベバシズマブ、ビカルタミド、ビサントレン、ビスナフィドジメシラート、ビゼレシン、ブレオマイシン、ブレキナル、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カペシタビン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルムスチン、カルビシン、カルゼレシン、セデフィンゴール、セレコキシブ、クロラムブシル、シロレマイシン、シスプラチン、クラドリビン、メシル酸クリスナトール、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、デキソルマプラチン、デザグアニン、メシル酸デザグアニン、ジアジクオン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロロキシフェン、ドロモスタノロン、デュアゾマイシン、エダトレキセート、エフロミチン、エルサミトルシン、エンロプラチン、エンプロメート、エピプロピジン、エピルビシン、エルブロゾール、エソルビシン、エストラムスチン、エタニダゾール、エトポシド、エトプリン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルロシタビン、ホスキドン、フォストリエシン、フルベストラント、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イルモホシン、インターロイキンII(IL-2、組換えインターロイキンIIまたはrIL2を含む)、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-n1、インターフェロンアルファ-n3、インターフェロンベータ-Ia、インターフェロンガンマ-Ib、イプロプラチン、イリノテカン、ランレオチド、レトロゾール、リュープロリド、リアロゾール、ロメトレキソール、ロムスチン、ロソキサントロン、マソプロコール、メイタンシン、メクロレタミン塩酸塩、メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトプリン、メツレデパ、ミチンドミド、ミトカリシン、ミトクロミン、ミトギリン、ミトマルシン、マイトマイシン、ミトスパー、ミトタン、ミトキサントロン、ミコフェノール酸、ネララビン、ノコダゾール、ノガラマイシン、オムルナプラチン(omrnaplatin)、オキスラン、パクリタキセル、ペガスパルガーゼ、ペリオマイシン、ペンタムスチン、ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピポブロマン、ピポスルファン、ピロキサントロン塩酸塩、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマー、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ピューロマイシン、ピラゾフリン、リボプリン、ログレチミド、サフィンゴール、セムスチン、シムトラゼン、スパルフォセート、スパルソマイシン、スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、スロフェヌール、タリゾマイシン、タモキシフェン、テコガラン、テガフール、テトキサントロン、テモポルフィン、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、トポテカン、トレミフェン、トレストロン、トリシリビン、トリメトレキサート、トリプトレリン、ツブロゾール、ウラシルマスタード、ウレデパ、バプレオチド、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、ビネピジン、ビングリシナート、ビンロイロシン、ビノレルビン、ビンロシジン、ビンゾリジン、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン、ゾレドロネート、ゾルビシンおよびそれらの組み合わせから選択される。
【0246】
治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬は、限定されないが、ホルモン類似体および抗ホルモン剤、アロマターゼ阻害剤、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト、増殖因子の阻害剤、増殖因子抗体、増殖因子受容体抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、代謝拮抗薬、抗腫瘍抗生物質、白金誘導体、アルキル化剤、抗有糸分裂剤、チューブリン阻害剤、PARP阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、タンパク質間相互作用阻害剤、MEK阻害剤、ERK阻害剤、IGF-1R阻害剤、ErbB受容体阻害剤、ラパマイシン類似体、アミフォスチン、アナグレリド、クロドロネート、フィルグラスチン、インターフェロン、インターフェロンアルファ、ロイコボリン、リツキシマブ、プロカルバジン、レバミゾール、メスナ、ミトタン、パミドロネートおよびポルフィマー、2-クロロデオキシアデノシン、2-フルオロデオキシシチジン、2-メトキシエストラジオール、2C4、3-アレシン(alethine)、131-1-TM-601、3CPA、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、16-アザ-エポチロンB、A105972、A204197、アビラテロン、アルデスロイキン、アリトレチノイン、アロベクチン-7、アルトレタミン、アルボシジブ、アモナフィド、アントラピラゾール、AG-2037、AP-5280、アパジクオン、アポミン、アラノース、アルグラビン、アルゾキシフェン、アタメスタン、アトラセンタン、アウリスタチンPE、AVLB、AZ10992、ABX-EGF、AMG-479(ガニツマブ)、ARRY162、ARRY438162、ARRY-300、ARRY-142886/AZD-6244(セルメチニブ)、ARRY-704/AZD-8330、AR-12、AR-42、AS-703988、AXL-1717、AZD-8055、AZD-5363、AZD-6244、ARQ-736、ARQ 680、AS-703026(ピマセルチブ(primasertib))、アバスチン、AZD-2014、アザシチジン、アザエポチロンB、アゾナフィド、BAY-43-9006、BAY80-6946、BBR-3464、BBR-3576、ベバシズマブ、BEZ-235、二クエン酸ビリコダル、BCX-1777、BKM-120、ブレオシン(bleocin)、BLP-25、BMS-184476、BMS-247550、BMS-188797、BMS-275291、BMS-663513、BMS-754807、BNP-1350、BNP-7787、BIBW 2992(アファチニブ、トムトボク)、BIBF 1120(バルガテフ(vargatef))、BI 836845、BI 2536、BI 6727、BI 836845、BI 847325、BI 853520、BUB-022、ブレオマイシン酸、ブレオマイシンA、ブレオマイシンB、ブリバニブ、ブリオスタチン-1、ボルテゾミブ、ブロスタリシン、ブスルファン、BYL-719、CA-4プロドラッグ、CA-4、CapCell、カルシトリオール、カネルチニブ、カンフォスファミド、カペシタビン、カルボキシフタラトプラチン、CCL-779、CC-115、CC-223、CEP-701、CEP-751、CBT-1セフィキシム、セフラトニン、セフトリアキソン、セレコキシブ、セルモロイキン、セマドチン、CH4987655/RO-4987655、クロロトリアニセン、シレンジチド、シクロスポリン、CDA-II、CDC-394、CKD-602、CKI-27、クロファラビン、コルヒチン、コンブレタスタチンA4、COT阻害剤、CHS-828、CH-5132799、CLL-Thera、CMT-3クリプトフィシン52、CTP-37、CTLA-4モノクローナル抗体、CP-461、CV-247、シアノモルホリノドキソルビシン、シタラビン、D 24851、デシタビン、ドキソルビシン、デオキシルビシン、デオキシコホルマイシン、デプシペプチド、デスオキシエポチロンB、デキサメタゾン、デクスラゾキサン、ジエチルスチルベストロール、ジフロモテカン、ジドックス、DMDC、ドラスタチン10、ドラニダゾール、DS-7423、E7010、E-6201、エダトレキサート、エドトレオチド、エファプロキシラル、エフロルニチン、EGFR阻害剤、EKB-569、EKB-509、エンザスタウリン、エンザルタミド、エルサミトルシン、エポチロンB、エプラツズマブ、ER-86526、エルロチニブ、ET-18-0CH3、エチニルシチジン、エチニルエストラジオール、エキサテカン、メシル酸エキサテカン、エキセメスタン、エクシスリンド、フェンレチニド、フィギツムマブ、フロクスウリジン、葉酸、フォルフォックス、フォルフォックス4、フォルフィリ、フォルメスタン、フォテムスチン、ガラルビシン、ガリウムマルトレート、ゲフィチニブ、ゲムツズマブ、ギマテカン、グルフォスファミド、GCS-100、GDC-0623、GDC-0941(ピクトレリシブ(pictrelisib))、GDC-0980、GDC-0032、GDC-0068、GDC-0349、GDC-0879、G17DT免疫原、GMK、GPX-100、gp100-ペプチドワクチン、GSK-5126766、GSK-690693、GSK-1120212(トラメチニブ)、GSK-2118436(ダブラフェニブ)、GSK-2126458、GSK-2132231A、GSK-2334470、GSK-2110183、GSK-2141795、GW2016、グラニセトロン、ハーセプチン、ヘキサメチルメラミン、ヒスタミン、ホモハリングトニン、ヒアルロン酸、ヒドロキシウレア、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、イバンドロネート、イブリツモマブ、イダトレキサート(idatrexate)、イデネストール(idenestrol)、IDN-5109、IGF-1R阻害剤、IMC-1C11、IMC-A12(シクスツムマブ)、イミュノール、インジスラム、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、インターロイキン-2、INK-1117、INK-128、INSM-18、イオナファルニブ、イピリムマブ、イプロプラチン、イロフルベン、イソホモハリコンドリン-B、イソフラボン、イソトレチノイン、イクサベピロン、JRX-2、JSF-154、J-107088、共役エストロゲン、カハリドF、ケトコナゾール、KW-2170、KW-2450、ロバプラチン、レフルノミド、レノグラスチム、リュープロリド、リュープロレリン、レキシドロナム、LGD-1550、リネゾリド、ルテチウムテキサフィリン、ロメトレキソール、ロソキサントロン、LU 223651、ルートテカン、LY-S6AKT1、LY-2780301、マホスファミド、マリマスタット、メクロロエタミン、MEK阻害剤、MEK-162、メチルテストステロン、メチルプレドニゾロン、MEDI-573、MEN-10755、MDX-H210、MDX-447、MDX-1379、MGV、ミドスタウリン、ミノドロン酸、マイトマイシン、ミボブリン、MK-2206、MK-0646(ダロツズマブ)、MLN518、モテキサフィンガドリニウム、MS-209、MS-275、MX6、ネリドロネート、ネラチニブ、ネクサバール、ネオバスタット、ニロチニブ、ニメスリド、ニトログリセリン、ノラトレキセド、ノレリン、N-アセチルシステイン、06-ベンジルグアニン、オブリメルセン、オメプラゾール、オンコファージ、オンコVEXGM-CSF、オルミプラチン(ormiplatin)、オルタタキセル、OX44抗体、OSI-027、OSI-906(リンシチニブ)、4-IBB抗体、オキサトラゾール、エストロゲン、パニツムマブ、パツピロン(patupilone)、ペグフィルグラスチム、PCK-3145、ペグフィルグラスチム、PBI-1402、PBI-05204、PDO325901、PD-1抗体、PEG-パクリタキセル、アルブミン安定化パクリタキセル、PEP-005、PF-05197281、PF-05212384、PF-04691502、PHT-427、P-04、PKC412、P54、PI-88、ペリチニブ、ペメトレキセド、ペントリクス(pentrix)、ペリホシン、ペリリルアルコール、ペルツズマブ、PI3K阻害剤、PI3K/mTOR阻害剤、PG-TXL、PG2、PLX-4032/RO-5185426(ベムラフェニブ)、PLX-3603/RO-5212054、PT-100、PWT-33597、PX-866、ピコプラチン、ピバロイルオキシメチルブチレート(pivaloyloxymethylbutyrate)、ピクサントロン、フェノキソジオールO、PKI166、プレビトレキセド、プリカマイシン、ポリプレン酸、ポルフィロマイシン、プレドニゾン、プレドニゾロン、キナメド、キヌプリスチン、R115777、RAF-265、ラモセトロン、ランピルナーゼ、RDEA-119/BAY 869766、RDEA436、レベッカマイシン類似体、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤、レビミッド、RG-7167、RG-7304、RG-7421、RG-7321、RG 7440、リゾキシン、rhu-MAb、リンファベート、リセドロネート、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロフェコキシブ、RO-31-7453、RO-5126766、RO-5068760、RPR 109881A、ルビダゾン、ルビテカン、R-フルルビプロフェン、RX-0201、S-9788、サバルビシン、SAHA、サルグラモスチム、サトラプラチン、SB 408075、Se-015/Ve-015、SU5416、SU6668、SDX-101、セムスチン、セオカルシトール、SM-11355、SN-38、SN-4071、SR-27897、SR-31747、SR-13668、SRL-172、ソラフェニブ、スピロプラチン、スクアラミン、スベラニロヒドロキサミン酸(suberanilohydroxamic acid)、ステント、T 900607、T 138067、TAK-733、TAS-103、タセジナリン、タラポルフィン、タルセバ、タリキダル(tariquitar)、タシスラム(tasisulam)、タキソテール、タクサオプレキシン、タザロテン、テガフール、テモゾラミド、テスミリフェン、テストステロン、プロピオン酸テストステロン、テスミリフェン、テトラプラチン、テトロドトキシン、テザシタビン、サリドマイド、テラルクス(theralux)、テラルビシン、チマルファシン、チメクタシン、チアゾフリン、チピファルニブ、チラパザミン、トクラデシン、トムデックス、トレモフィン、トラベクテジン、トランスMID-107、トランスレチン酸、トラスツズマブ、トレメリムマブ、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリアピン、トリシリビン、トリメトレキサート、TLK-286TXD 258、タイケルブ/タイバーブ、ウロシジン、バルルビシン、バタラニブ、ビンクリスチン、ビンフルニン、ビルリジン、WX-UK1、WX-554、ベクティビックス、ゼローダ、XELOX、XL-147、XL-228、XL-281、XL-518/R-7420/GDC-0973、XL-765、YM-511、YM-598、ZD-4190、ZD-6474、ZD-4054、ZD-0473、ZD-6126、ZD-9331、ZD1839、ZSTK-474、ゾレドロネート、ゾスキダル、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0247】
治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬は、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルベストラント、酢酸メゲストロール、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、アミノグルテチミド、酢酸シプロテロン、フィナステリド、酢酸ブセレリン、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロゲステロン、オクトレオチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬は、限定されないが、LHRHアゴニストおよびLHRHアンタゴニストからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、LHRHアゴニストは、酢酸ゴセレリン、酢酸リュープロリド、トリプトレリンパモ酸塩およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第2の治療薬には、デガレリクス、セトロレリクス、アバレリクス、オザレリックス、デガレリクス、それらの組み合わせからなる群から選択されるLHRHアンタゴニストが含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬には増殖因子の阻害剤が含まれる。いくつかの実施形態では、増殖因子の阻害剤は、限定されないが、血小板由来増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、上皮増殖因子(EGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、ヒト上皮増殖因子(HER)、肝細胞増殖因子(HGF)の阻害剤、およびそれらの阻害剤の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒト上皮増殖因子(HER)は、HER2、HER3、およびHER4からなる群から選択される。
【0248】
治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬にはチロシンキナーゼ阻害剤が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、限定されないが、セツキシマブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブおよびトラスツズマブ、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬にはアロマターゼ阻害剤が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、アロマターゼ阻害剤は、アナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、ボロゾール、エキセメスタン、アタメスタン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0249】
治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬には代謝拮抗薬が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、代謝拮抗薬には葉酸代謝拮抗薬が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は、メトトレキセート、ラルチトレキセド、ピリミジン類似体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、代謝拮抗薬はピリミジン類似体である。治療方法のいくつかの実施形態では、ピリミジン類似体は、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、代謝拮抗薬はプリン類似体またはアデノシン類似体である。治療方法のいくつかの実施形態では、プリン類似体またはアデノシン類似体は、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビンおよびペントスタチン、シタラビン、フルダラビン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬には抗腫瘍抗生物質が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、抗腫瘍抗生物質は、アントラサイクリン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシンおよびイダルビシン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ストレプトゾシンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬には白金誘導体が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、白金誘導体は、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬にはアルキル化剤が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、アルキル化剤は、エストラムスチン、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ニトロソウレアニトロソウレア、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬にはニトロソウレアが含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、ニトロソウレアは、カルムスチン、ロムスチン、チオテパ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬には有糸分裂阻害薬が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、有糸分裂阻害薬は、ビンカアルカロイドおよびタキサンからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、タキサンは、パクリタキセル、ドセタキセル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、ビンカアルカロイドは、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビンクリスチン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬にはトポイソメラーゼ阻害剤が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、トポイソメラーゼ阻害剤はエピポドフィロトキシンである。治療方法のいくつかの実施形態では、トポイソメラーゼ阻害剤は、エトポシドおよびエトポフォス、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、ミトキサントロン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるエピポドフィロトキシンである。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬にはセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、セリン/トレオニンキナーゼ阻害剤は、PDK1阻害剤、B-Raf阻害剤、mTOR阻害剤、mTORCl阻害剤、PI3K阻害剤、mTOR/PI3K二重阻害剤、STK33阻害剤、AKT阻害剤、PLK1阻害剤、CDKの阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬にはチロシンキナーゼ阻害剤が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬にはPTK2/FAK阻害剤が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬にはタンパク質間相互作用阻害剤が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、タンパク質間相互作用阻害剤は、IAP、Mcl-1、MDM2/MDMX、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬にはラパマイシン類似体が含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、ラパマイシン類似体は、エベロリムス、テムシロリムス、リダフォロリムス、シロリムス、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬は、アミフォスチン、アナグレリド、クロドロネート、フィルグラスチン、インターフェロン、インターフェロンアルファ、ロイコボリン、リツキシマブ、プロカルバジン、レバミゾール、メスナ、ミトタン、パミドロネートおよびポルフィマー、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、第2の治療薬は、2-クロロデオキシアデノシン、2-フルオロデオキシシチジン、2-メトキシエストラジオール、2C4、3-アレチン、131-1-TM-601、3CPA、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、16-アザ-エポチロンB、A105972、A204197、アビラテロン、アルデスロイキン、アリトレチノイン、アロベクチン-7、アルトレタミン、アルボシジブ、アモナフィド、アントラピラゾール、AG-2037、AP-5280、アパジクオン、アポミン、アラノース、アルグラビン、アルゾキシフェン、アタメスタン、アトラセンタン、アウリスタチンPE、AVLB、AZ10992、ABX-EGF、AMG-479(ガニツマブ)、ARRY162、ARRY438162、ARRY-300、ARRY-142886/AZD-6244(セルメチニブ)、ARRY-704/AZD-8330、AR-12、AR-42、AS-703988、AXL-1717、AZD-8055、AZD-5363、AZD-6244、ARQ-736、ARQ 680、AS-703026(ピマセルチブ(primasertib))、アバスチン、AZD-2014、アザシチジン、アザエポチロンB、アゾナフィド、BAY-43-9006、BAY80-6946、BBR-3464、BBR-3576、ベバシズマブ、BEZ-235、二クエン酸ビリコダル、BCX-1777、BKM-120、ブレオシン(bleocin)、BLP-25、BMS-184476、BMS-247550、BMS-188797、BMS-275291、BMS-663513、BMS-754807、BNP-1350、BNP-7787、BIBW 2992(アファチニブ、トムトボク)、BIBF 1120(バルガテフ(vargatef))、BI 836845、BI 2536、BI 6727、BI 836845、BI 847325、BI 853520、BUB-022、ブレオマイシン酸、ブレオマイシンA、ブレオマイシンB、ブリバニブ、ブリオスタチン-1、ボルテゾミブ、ブロスタリシン、ブスルファン、BYL-719、CA-4プロドラッグ、CA-4、CapCell、カルシトリオール、カネルチニブ、カンフォスファミド、カペシタビン、カルボキシフタラトプラチン、CCL-779、CC-115、CC-223、CEP-701、CEP-751、CBT-1セフィキシム、セフラトニン、セフトリアキソン、セレコキシブ、セルモロイキン、セマドチン、CH4987655/RO-4987655、クロロトリアニセン、シレンジチド、シクロスポリン、CDA-II、CDC-394、CKD-602、CKI-27、クロファラビン、コルヒチン、コンブレタスタチンA4、COT阻害剤、CHS-828、CH-5132799、CLL-Thera、CMT-3クリプトフィシン52、CTP-37、CTLA-4モノクローナル抗体、CP-461、CV-247、シアノモルホリノドキソルビシン、シタラビン、D 24851、デシタビン、ドキソルビシン、デオキシルビシン、デオキシコホルマイシン、デプシペプチド、デスオキシエポチロンB、デキサメタゾン、デクスラゾキサン、ジエチルスチルベストロール、ジフロモテカン、ジドックス、DMDC、ドラスタチン10、ドラニダゾール、DS-7423、E7010、E-6201、エダトレキサート、エドトレオチド、エファプロキシラル、エフロルニチン、EGFR阻害剤、EKB-569、EKB-509、エンザスタウリン、エンザルタミド、エルサミトルシン、エポチロンB、エプラツズマブ、ER-86526、エルロチニブ、ET-18-0CH3、エチニルシチジン、エチニルエストラジオール、エキサテカン、メシル酸エキサテカン、エキセメスタン、エクシスリンド、フェンレチニド、フィギツムマブ、フロクスウリジン、葉酸、フォルフォックス、フォルフォックス4、フォルフィリ、フォルメスタン、フォテムスチン、ガラルビシン、ガリウムマルトレート、ゲフィチニブ、ゲムツズマブ、ギマテカン、グルフォスファミド、GCS-100、GDC-0623、GDC-0941(ピクトレリシブ(pictrelisib))、GDC-0980、GDC-0032、GDC-0068、GDC-0349、GDC-0879、G17DT免疫原、GMK、GPX-100、gp100-ペプチドワクチン、GSK-5126766、GSK-690693、GSK-1120212(トラメチニブ)、GSK-2118436(ダブラフェニブ)、GSK-2126458、GSK-2132231A、GSK-2334470、GSK-2110183、GSK-2141795、GW2016、グラニセトロン、ハーセプチン、ヘキサメチルメラミン、ヒスタミン、ホモハリングトニン、ヒアルロン酸、ヒドロキシウレア、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、イバンドロネート、イブリツモマブ、イダトレキサート(idatrexate)、イデネストール(idenestrol)、IDN-5109、IGF-1R阻害剤、IMC-1C11、IMC-A12(シクスツムマブ)、イミュノール、インジスラム、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、インターロイキン-2、INK-1117、INK-128、INSM-18、イオナファルニブ、イピリムマブ、イプロプラチン、イロフルベン、イソホモハリコンドリン-B、イソフラボン、イソトレチノイン、イクサベピロン、JRX-2、JSF-154、J-107088、共役エストロゲン、カハリドF、ケトコナゾール、KW-2170、KW-2450、ロバプラチン、レフルノミド、レノグラスチム、リュープロリド、リュープロレリン、レキシドロナム、LGD-1550、リネゾリド、ルテチウムテキサフィリン、ロメトレキソール、ロソキサントロン、LU 223651、ルートテカン、LY-S6AKT1、LY-2780301、マホスファミド、マリマスタット、メクロロエタミン、MEK阻害剤、MEK-162、メチルテストステロン、メチルプレドニゾロン、MEDI-573、MEN-10755、MDX-H210、MDX-447、MDX-1379、MGV、ミドスタウリン、ミノドロン酸、マイトマイシン、ミボブリン、MK-2206、MK-0646(ダロツズマブ)、MLN518、モテキサフィンガドリニウム、MS-209、MS-275、MX6、ネリドロネート、ネラチニブ、ネクサバール、ネオバスタット、ニロチニブ、ニメスリド、ニトログリセリン、ノラトレキセド、ノレリン、N-アセチルシステイン、06-ベンジルグアニン、オブリメルセン、オメプラゾール、オンコファージ、オンコVEXGM-CSF、オルミプラチン(ormiplatin)、オルタタキセル、OX44抗体、OSI-027、OSI-906(リンシチニブ)、4-IBB抗体、オキサトラゾール、エストロゲン、パニツムマブ、パツピロン(patupilone)、ペグフィルグラスチム、PCK-3145、ペ
グフィルグラスチム、PBI-1402、PBI-05204、PDO325901、PD-1抗体、PEG-パクリタキセル、アルブミン安定化パクリタキセル、PEP-005、PF-05197281、PF-05212384、PF-04691502、PHT-427、P-04、PKC412、P54、PI-88、ペリチニブ、ペメトレキセド、ペントリクス(pentrix)、ペリホシン、ペリリルアルコール、ペルツズマブ、PI3K阻害剤、PI3K/mTOR阻害剤、PG-TXL、PG2、PLX-4032/RO-5185426(ベムラフェニブ)、PLX-3603/RO-5212054、PT-100、PWT-33597、PX-866、ピコプラチン、ピバロイルオキシメチルブチレート(pivaloyloxymethylbutyrate)、ピクサントロン、フェノキソジオールO、PKI166、プレビトレキセド、プリカマイシン、ポリプレン酸、ポルフィロマイシン、プレドニゾン、プレドニゾロン、キナメド、キヌプリスチン、R115777、RAF-265、ラモセトロン、ランピルナーゼ、RDEA-119/BAY 869766、RDEA436、レベッカマイシン類似体、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤、レビミッド、RG-7167、RG-7304、RG-7421、RG-7321、RG 7440、リゾキシン、rhu-MAb、リンファベート、リセドロネート、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロフェコキシブ、RO-31-7453、RO-5126766、RO-5068760、RPR 109881A、ルビダゾン、ルビテカン、R-フルルビプロフェン、RX-0201、S-9788、サバルビシン、SAHA、サルグラモスチム、サトラプラチン、SB 408075、Se-015/Ve-015、SU5416、SU6668、SDX-101、セムスチン、セオカルシトール、SM-11355、SN-38、SN-4071、SR-27897、SR-31747、SR-13668、SRL-172、ソラフェニブ、スピロプラチン、スクアラミン、スベラニロヒドロキサミン酸(suberanilohydroxamic acid)、ステント、T 900607、T 138067、TAK-733、TAS-103、タセジナリン、タラポルフィン、タルセバ、タリキダル(tariquitar)、タシスラム(tasisulam)、タキソテール、タクサオプレキシン、タザロテン、テガフール、テモゾラミド、テスミリフェン、テストステロン、プロピオン酸テストステロン、テスミリフェン、テトラプラチン、テトロドトキシン、テザシタビン、サリドマイド、テラルクス(theralux)、テラルビシン、チマルファシン、チメクタシン、チアゾフリン、チピファルニブ、チラパザミン、トクラデシン、トムデックス、トレモフィン、トラベクテジン、トランスMID-107、トランスレチン酸、トラスツズマブ、トレメリムマブ、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリアピン、トリシリビン、トリメトレキサート、TLK-286TXD 258、タイケルブ/タイバーブ、ウロシジン、バルルビシン、バタラニブ、ビンクリスチン、ビンフルニン、ビルリジン、WX-UK1、WX-554、ベクティビックス、ゼローダ、XELOX、XL-147、XL-228、XL-281、XL-518/R-7420/GDC-0973、XL-765、YM-511、YM-598、ZD-4190、ZD-6474、ZD-4054、ZD-0473、ZD-6126、ZD-9331、ZD1839、ZSTK-474、ゾレドロネート、ゾスキダル、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0250】
いくつかの実施形態では、他の治療薬には、ステロイドが含まれる。ステロイドには、デキサメタゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、およびコルチバゾールが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、他の治療薬には、制吐剤が含まれる。制吐剤には、5-HT3受容体アゴニスト(ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、パロノセトロン、およびミルタザピンなど)、ドーパミンアゴニスト(ドンペリドン、オランザピン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロルペラジン、アリザプリド、プロクロルペラジン、およびメトクロプラミドなど)、NK1受容体拮抗薬(アプレピタントおよびカソピタントなど)、抗ヒスタミン薬(シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、ドキシラミン、メクリジン、プロメタジン、ヒドロキシジンなど)、カンナビノイド(大麻、ドロナビノール、ナビロン、およびサティベックスなど)、ベンゾジアゼピン類(ミダゾラムおよびロラゼパムなど)、抗コリン薬(ヒヨスチンなど)、トリメトベンズアミド、ジンジャー、エメトロール、プロポフォール、ペパーミント、ムシモール、およびアジョワンが含まれるが、これらに限定されない。
【0251】
医薬組成物は、任意の適切な投与経路により対象に投与してよい。一実施形態では、医薬組成物は、対象に経口、非経口、経皮または経粘膜投与される。一実施形態では、医薬組成物は、非経口で対象に投与される。一実施形態では、医薬組成物は、静脈内(IV)、皮下(SC)、および筋肉内(IM)からなる群から選択される非経口経路を介して対象に投与される。一実施形態では、医薬組成物は、直腸および経皮から選択される投与経路を介して対象に投与される。一実施形態では、医薬組成物は、無菌の溶液、懸濁剤、坐剤、錠剤およびカプセル剤からなる群から選択される剤形で対象に投与される。一実施形態では、医薬組成物は、錠剤、カプレット、カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤およびエリキシル剤からなる群から選択される経口剤形で対象に投与される。一実施形態では、医薬組成物は、錠剤、ハードシェルカプセル剤、軟ゼラチンカプセル剤、ビーズ、顆粒剤、凝集物、粉剤、ゲル剤、固形剤および半固形剤からなる群から選択される経口剤形で対象に投与される。
【0252】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、持続放出形態、制御放出形態、遅延放出形態および応答放出形態からなる群から選択される剤形として対象に投与される。
【0253】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1日1回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、低頻度の投与計画によって、対象に投与される(例えば、週に1回またはそれより少ない頻度で投与される)。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、高頻度の投与計画によって、対象に投与される(例えば、週に2回以上の頻度で投与される)。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、週1回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、4週毎に1回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、週2回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、2週毎に1回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、3週毎に1回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、毎週、2週毎に1回、3週毎に1回、4週毎に1回またはそれらの組み合わせの反復サイクルで対象に投与される。
【0254】
一実施形態では、治療方法は、(i)化合物(1)、化合物(10)、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む化合物を含む第1の治療薬を、(ii)第2の治療薬と組み合わせて、このような治療を必要とする対象に投与することを含み、第1の治療薬および第2の治療薬は同時にまたは順次に投与され、生体試料中の小胞体(ER)ストレス応答遺伝子の発現をアッセイすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、小胞体ストレス応答遺伝子は、C/EBP-相同タンパク質(CHOP)、活性化転写因子3(ATF3)およびCHOPとATF3の両方を含むが、これらに限定されない群から選択される。いくつかの実施形態では、小胞体ストレス応答遺伝子は、ATF3、活性化転写因子4(ATF4)、CHOP、IRE1、結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)、真核生物翻訳開始因子2A(eIF2a)、Xボックス結合タンパク質1(XBP1)を含むが、これらに限定されない群から選択される。生体試料は、腫瘍、末梢血単核細胞、または皮膚生検材料であってよい。生体試料は、薬物投与前、投与中、または投与後に取得されてよい。いくつかの実施形態では、治療方法は、1種または複数のERストレス遺伝子の約50%、75%、100%、125%、150%、175%、200%、225%、250%、275%、300%、325%、350%、375%、400%、425%、450%、475%、500%、525%、550%、575%、600%、または600%超の誘導を達成するために、第1の治療薬の用量を調整することをさらに含む。いくつかの実施形態では、治療方法は、ERストレス遺伝子の約50%~約100%、約100%~約150%、約150%~約200%、約200%~約250%、約250%~約300%、約300%~約350%、約350%~約400%、約400%~約450%、約450%~約500%、約500%~約550%、約550%~約600%、または600%超の誘導を達成するために第1の治療薬の用量を調整することをさらに含む。いくつかの実施形態では、治療方法は、ERストレス遺伝子の約50%~約100%、約100%~約200%、約200%~約300%、約300%~約400%、約400%~約500%、約500%~約600%、または600%超の誘導を達成するために第1の治療薬の用量を調整することをさらに含む。
【0255】
一実施形態では、治療方法は、(i)化合物(1)または化合物(10)、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む化合物を含む第1の治療薬を、(ii)第2の治療薬と組み合わせて、このような治療を必要とする対象に投与することを含み、第1の治療薬および第2の治療薬は同時にまたは順次に投与され、生体試料中のプロテアソーム活性の発現をアッセイすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、プロテアソーム活性は、キモトリプシン様、トリプシン様、および/またはカスパーゼ様活性であってよい。いくつかの実施形態では、生体試料は、腫瘍、末梢血単核細胞、または皮膚細胞であってよい。生体試料は、薬物投与前、投与中、または投与後に取得されてよい。いくつかの実施形態では、治療方法は、プロテアソーム活性の約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%の阻害を達成するために用量を調整することをさらに含む。いくつかの実施形態では、治療方法は、プロテアソーム活性の少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の阻害を達成するために用量を調整することをさらに含む。いくつかの実施形態では、治療方法は、プロテアソーム活性の約20%~約30%、約30%~約40%、約40%~約50%、約50%~約60%、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約90%、または90%超の阻害を達成するために用量を調整することをさらに含む。
【0256】
一態様では、本開示により提供されるのは、化学式(1)もしくは化学式(10)の化合物、もしくはそれらの類似体、またはその薬学的に許容可能な塩(例えば、ジ塩またはトリ塩)を含む第1の治療薬と、第2の治療薬との組み合わせを、このような治療を必要とする対象に投与することを含む治療方法であって、該方法は、
(i)第1の治療薬を対象に投与すること、
(ii)対象への第1の治療薬の投与の時間後に所定の待機時間が経過するまで、および/または有害事象が解消されるかもしくは解消中まで待つこと、および
(iii)対象に第2の治療薬を投与することを含み、第1の治療薬と第2の治療薬の起こり得る複合毒性効果のリスクを増加させることなく第1の治療薬の遅延治療効果を得るように、該所定の待機時間が選択される。治療方法のいくつかの実施形態では、所定の待機時間は、第1の治療薬の化合物またはその代謝物のクリアランス速度に基づいて決定される。治療方法のいくつかの実施形態では、所定の待機時間は、腎機能および腎臓パラメータの定量的評価により決定される。治療方法のいくつかの実施形態では、所定の待機時間は、腎機能の測定のためのアッセイにより決定され、該アッセイは、第1の治療薬の化合物またはその代謝物の血清レベル、第1の治療薬の化合物またはその代謝物のクリアランス速度、第1の治療薬の化合物またはその代謝物の24時間の尿クリアランスからなる群から選択される。
【0257】
治療方法の一実施形態では、所定の待機時間は、第1の治療薬の化合物またはその代謝物の対象の身体からの全身クリアランスに必要な時間に実質的に等しい。治療方法の一実施形態では、所定の待機時間は、第1の治療薬の化合物またはその代謝物の対象の身体からの腎クリアランスに必要な時間に実質的に等しい。治療方法の一実施形態では、所定の待機時間は、第1の治療薬の化合物またはその代謝物の対象の身体からの肝クリアランスに必要な時間に実質的に等しい。治療方法の一実施形態では、所定の待機時間は、第1の治療薬の化合物またはその代謝物の対象の身体からの総クリアランスに必要な時間に実質的に等しい。治療方法の一実施形態では、所定の待機時間は約4時間である。他の実施形態では、待機時間は1日である。いくつかの実施形態では、待機時間は第1の治療薬の化合物のCmaxが過ぎるまでである。他の実施形態では、待機時間は、有害事象の大部分が解消された後か、または解消中の後である。治療方法の一実施形態では、所定の待機時間は約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、または約7日間である。治療方法の一実施形態では、所定の待機時間は約1~7日間、約1~6日間、約1~5日間、約1~4日間、約1~3日間、または約1~2日間の範囲である。一実施形態では、待機時間は最高で3週間である。前述の期間は「治療期間」とみなされる。
【0258】
投与の順序が逆になる場合には、第1の治療薬の投与のタイミングは、第2の治療薬(すなわち、最初に投与される薬物)のCmaxが過ぎた後とすることができる。一実施形態では、第1の治療薬の投与は、大部分または実質的に全ての最初に投与された薬物が身体から排出された後か、または最初に投与された薬物に対する毒性の影響が解消されているかもしくは解消中の後とすることができる。
【0259】
いくつかの実施形態では、治療方法は、薬物動態学的プロファイリングを使用して対象の第1の治療薬の化合物またはその代謝物のレベルを監視することをさらに含む。いくつかのこのような実施形態では、薬物動態学的プロファイリングを用いる対象の第1の治療薬の化合物またはその代謝物のレベルの監視は、薬物動態学的プロファイルを構築するのに適する時点で対象から取得される少なくとも2種類の試料中の第1の治療薬の化合物またはその代謝物の濃度を用いて、対象に関する第1の治療薬の化合物またはその代謝物の薬物動態プロファイルを構築することを含む。薬物動態学的プロファイリングを用いた対象の第1の治療薬の化合物またはその代謝物のレベルの監視を含む、方法のいくつかの実施形態では、ポイント・オブ・ケア装置もしくはポイント・オブ・ユース装置で、または検査室での定量化の前の試料保管に適するマトリックス上での試料採取または自己試料採取によって、ポイント・オブ・ケアまたはポイント・オブ・ユース方化学式により対象から試料が収集される。治療方法のいくつかの実施形態では、ポイント・オブ・ケア装置またはポイント・オブ・ユース装置のそれぞれは、第1の治療薬の化合物またはその代謝物を定量できる。対象の第1の治療薬の化合物またはその代謝物のレベルの監視を含む、方法のいくつかの実施形態では、1種または複数の試料が、ポイント・オブ・ケア装置もしくはポイント・オブ・ユース装置での分析のためにまたは検査室での分析の前の保管のために、生検装置によって、ポイント・オブ・ケアまたはポイント・オブ・ユース方化学式により対象から収集される。方法のいくつかの実施形態では、第1の治療薬の対象への投与後3~8時間の時間間隔の後に、生検材料が取得される。方法のいくつかの実施形態では、第1の治療薬の対象への投与後3~24時間の時間間隔の後に、生検材料が取得される。方法のいくつかの実施形態では、第1の治療薬の対象への投与後8~24時間の時間間隔の後に、生検材料が取得される。方法のいくつかの実施形態では、第1の治療薬の対象への投与後2日の時間間隔の後に、生検材料が取得される。方法のいくつかの実施形態では、第1の治療薬の対象への投与後3日の時間間隔の後に、生検材料が取得される。方法のいくつかの実施形態では、第1の治療薬の対象への投与後4日の時間間隔の後に、生検材料が取得される。方法のいくつかの実施形態では、第1の治療薬の投与後1~7日の時間間隔の後に、生検材料が取得される。
【0260】
治療方法のいくつかの実施形態では、薬物動態プロファイルには、治療されている対象のために第1の治療薬の投与を導くのに適する薬物動態学的パラメータが含まれる。治療方法のいくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の対象への投与後の最大濃度(「Cmax」)は、治療期間中約1000ng/dL~1500ng/dLの範囲である。いくつかの実施形態では、Cmaxは、治療期間中1500ng/dL未満および85ng/dL超である。治療方法のいくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の対象への投与後の最大濃度(「Cmax」)は、治療期間中約1000ng/mL~1500ng/mLの範囲である。いくつかの実施形態では、Cmaxは、治療期間中1500ng/mL未満および85ng/mL超である。
【0261】
いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の対象への投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約1000、1010、1020、1030、1040、1050、1060、1070、1080、1090、1100、1110、1120、1130、1140、1150、1160、1170、1180、1190、1200、1210、1220、1230、1240、1250、1260、1270、1280、1290、1300、1310、1320、1330、1340、1350、1360、1370、1380、1390、1400、1410、1420、1430、1440、1450、1460、1470、1480、もしくは1490ng/dL~約1500ng/dL;約100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、もしくは149ng/dL~約150ng/dL;または約10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、もしくは14.5ng/dL~約15ng/dLのCmaxである。
【0262】
いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約1000、1010、1020、1030、1040、1050、1060、1070、1080、1090、1100、1110、1120、1130、1140、1150、1160、1170、1180、1190、1200、1210、1220、1230、1240、1250、1260、1270、1280、1290、1300、1310、1320、1330、1340、1350、1360、1370、1380、1390、1400、1410、1420、1430、1440、1450、1460、1470、1480、もしくは1490ng/mL~約1500ng/mL;約100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、もしくは149ng/mL~約150ng/mL;または約10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、もしくは14.5ng/mL~約15ng/mLのCmaxである。
【0263】
いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約1000、1010、1020、1030、1040、1050、1060、1070、1080、1090、1100、1110、1120、1130、1140、1150、1160、1170、1180、1190、1200、1210、1220、1230、1240、1250、1260、1270、1280、1290、1300、1310、1320、1330、1340、1350、1360、1370、1380、1390、1400、1410、1420、1430、1440、1450、1460、1470、1480、または1490ng/dLから選択される。いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、または149ng/dLから選択される。いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、または14.5ng/dLから選択される。
【0264】
いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約1000、1010、1020、1030、1040、1050、1060、1070、1080、1090、1100、1110、1120、1130、1140、1150、1160、1170、1180、1190、1200、1210、1220、1230、1240、1250、1260、1270、1280、1290、1300、1310、1320、1330、1340、1350、1360、1370、1380、1390、1400、1410、1420、1430、1440、1450、1460、1470、1480、または1490ng/mLから選択される。いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、または149ng/mLから選択される。いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約10、10.5、11、11.5、120、12.5、13、13.5、14、または14.5ng/mLから選択される。
【0265】
いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約85、95、105、115、125、135、145、155、165、175、185、195、205、215、225、235、245、255、265、275、285、295、305、315、325、335、345、355、365、375、385、395、405、415、425、435、445、455、465、475、485、495、505、515、525、535、545、555、565、575、585、595、605、615、625、635、645、655、665、675、685、695、705、715、725、735、745、755、765、775、785、795、805、815、825、835、845、855、865、875、885、895、905、915、925、935、945、955、965、975、985、995、1005、1015、1025、1035、1045、1055、1065、1075、1085、1095、1105、1115、1125、1135、1145、1155、1165、1175、1185、1195、1205、1215、1225、1235、1245、1255、1265、1275、1285、1295、1305、1315、1325、1335、1345、1355、1365、1375、1385、1395、1405、1415、1425、1435、1445、1455、1465、1475、1485、1495、または1500ng/dLから選択される。いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、または149ng/dLから選択される。いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、または14.5ng/dLから選択される。
【0266】
いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約85、95、105、115、125、135、145、155、165、175、185、195、205、215、225、235、245、255、265、275、285、295、305、315、325、335、345、355、365、375、385、395、405、415、425、435、445、455、465、475、485、495、505、515、525、535、545、555、565、575、585、595、605、615、625、635、645、655、665、675、685、695、705、715、725、735、745、755、765、775、785、795、805、815、825、835、845、855、865、875、885、895、905、915、925、935、945、955、965、975、985、995、1005、1015、1025、1035、1045、1055、1065、1075、1085、1095、1105、1115、1125、1135、1145、1155、1165、1175、1185、1195、1205、1215、1225、1235、1245、1255、1265、1275、1285、1295、1305、1315、1325、1335、1345、1355、1365、1375、1385、1395、1405、1415、1425、1435、1445、1455、1465、1475、1485、1495、または1500ng/mLから選択される。いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、または149ng/mLから選択される。いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、または14.5ng/mLから選択される。
【0267】
治療方法のいくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の対象への投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約85ng/dL~1500ng/dL、約8.5ng/dL~150ng/dL、または約0.85ng/dL~15ng/dLの範囲である。いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は約85、95、105、115、125、135、145、155、165、175、185、195、205、215、225、235、245、255、265、275、285、295、305、315、325、335、345、355、365、375、385、395、405、415、425、435、445、455、465、475、485、495、505、515、525、535、545、555、565、575、585、595、605、615、625、635、645、655、665、675、685、695、705、715、725、735、745、755、765、775、785、795、805、815、825、835、845、855、865、875、885、895、905、915、925、935、945、955、965、975、985、995、1005、1015、1025、1035、1045、1055、1065、1075、1085、1095、1105、1115、1125、1135、1145、1155、1165、1175、1185、1195、1205、1215、1225、1235、1245、1255、1265、1275、1285、1295、1305、1315、1325、1335、1345、1355、1365、1375、1385、1395、1405、1415、1425、1435、1445、1455、1465、1475、1485、もしくは1495ng/dL~約1500ng/dL;約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、もしくは149ng/dL~約150ng/dL;または約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、もしくは14.5ng/dL~約15ng/dLから選択される。
【0268】
治療方法のいくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約85ng/mL~1500ng/mL、約8.5ng/mL~150ng/mL、または約0.85ng/mL~15ng/mLの範囲である。いくつかの実施形態では、対象の血液(全血、血漿、または血清)中の第1の治療薬の投与後の最大濃度(「Cmax」)は、約85、95、105、115、125、135、145、155、165、175、185、195、205、215、225、235、245、255、265、275、285、295、305、315、325、335、345、355、365、375、385、395、405、415、425、435、445、455、465、475、485、495、505、515、525、535、545、555、565、575、585、595、605、615、625、635、645、655、665、675、685、695、705、715、725、735、745、755、765、775、785、795、805、815、825、835、845、855、865、875、885、895、905、915、925、935、945、955、965、975、985、995、1005、1015、1025、1035、1045、1055、1065、1075、1085、1095、1105、1115、1125、1135、1145、1155、1165、1175、1185、1195、1205、1215、1225、1235、1245、1255、1265、1275、1285、1295、1305、1315、1325、1335、1345、1355、1365、1375、1385、1395、1405、1415、1425、1435、1445、1455、1465、1475、1485、もしくは1495ng/mL~約1500ng/mL;約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、もしくは149ng/mL~約150ng/mL;または約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、もしくは14.5ng/mL~約15ng/mLから選択される。
【0269】
方法のいくつかの実施形態では、薬物投与後の時間に対する薬物投与後の対象の血液(全血、血漿、または血清)中の薬物濃度のプロットの曲線下面積(「AUC」)として測定される経時的薬物総曝露量は、約150ng hr/mL~約8000ng hr/mL、約15ng hr/mL~約800ng hr/mL、または約1.5ng hr/mL~約80ng hr/mLの範囲である。いくつかの実施形態では、AUCは8000ng hr/mL未満であり、150ng hr/mL以上である。いくつかの実施形態では、AUCは800ng hr/mL未満であり、15ng hr/mL以上である。いくつかの実施形態では、AUCは80ng hr/mL未満であり、1.5ng hr/mL以上である。
【0270】
方法のいくつかの実施形態では、経時的薬物総曝露量は、約100ng hr/mL~約8000ng hr/mL、約10ng hr/mL~約800ng hr/mL、または約1ng hr/mL~約80ng hr/mLのAUCである。いくつかの実施形態では、経時的薬物総曝露量は、約150、200、400、600、800、1000、1200、1400、1600、1800、2000、2200、2400、2600、2800、3000、3200、3400、3600、3800、4000、4200、4400、4600、4800、5000、5200、5400、5600、5800、6000、6200、6400、6600、6800、7000、7200、7400、7600、または7800ng hr/mL~約8000ng hr/mLのAUCである。いくつかの実施形態では、経時的薬物総曝露量は、約15、20、40、60、80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、300、320、340、360、380、400、420、440、460、480、500、520、540、560、580、600、620、640、660、680、700、720、740、760、または780ng hr/mL~約800ng hr/mLのAUCである。いくつかの実施形態では、経時的薬物総曝露量は、約1.5、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、または78ng hr/mL~約80ng hr/mLのAUCである。
【0271】
方法のいくつかの実施形態では、経時的薬物総曝露量は、約100ng hr/mL~約8000ng hr/mL、約10ng hr/mL~約800ng hr/mL、または約1ng hr/mL~約80ng hr/mLのAUCである。いくつかの実施形態では、経時的薬物総曝露量は、約150ng hr/mL~約7800、7600、7400、7200、7000、6800、6600、6400、6200、6000、5800、5600、5400、5200、5000、4800、4600、4400、4200、4000、3800、3600、3400、3200、3000、2800、2600、2400、2200、2000、1800、1600、1400、1200、1000、800、600、400、または200ng hr/mLのAUCである。いくつかの実施形態では、経時的薬物総曝露量は、約15ng hr/mL~約780、760、740、720、700、680、660、640、620、600、580、560、540、520、500、480、460、440、420、400、380、360、340、320、300、280、260、240、220、200、180、160、140、120、100、80、60、40、または20ng hr/mLのAUCである。いくつかの実施形態では、経時的薬物総曝露量は、約1.5ng hr/mL~約78、76、74、72、70、68、66、64、62、60、58、56、54、52、50、48、46、44、42、40、38、36、34、32、30、28、26、24、22、20、18、16、14、12、10、8、6、4、または2ng hr/mLのAUCである。いくつかの実施形態では、経時的薬物総曝露量は、約100ng hr/mL~約200ng hr/mL、約10ng hr/mL~約20ng hr/mL、または約1ng hr/mL~約2ng hr/mLのAUCである。
【0272】
方法のいくつかの実施形態では、経時的薬物総曝露量は、約100、150、200、400、600、800、1000、1200、1400、1600、1800、2000、2200、2400、2600、2800、3000、3200、3400、3600、3800、4000、4200、4400、4600、4800、5000、5200、5400、5600、5800、6000、6200、6400、6600、6800、7000、7200、7400、7600、7800、および8000ng hr/mLから選択されるAUCである。いくつかの実施形態では、経時的薬物総曝露量は、約10、15、20、40、60、80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、300、320、340、360、380、400、420、440、460、480、500、520、540、560、580、600、620、640、660、680、700、720、740、760、780、および800ng hr/mLから選択されるAUCである。方法のいくつかの実施形態では、経時的薬物総曝露量は、約1、1.5、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、および80ng hr/mLから選択されるAUCである。
【0273】
別の態様では、本開示により提供されるのは、第1の治療薬と第2の治療薬の組み合わせを、このような治療を必要とする対象に投与することを含む治療方法、または病態を治療するための組成物の使用であり、該方法は、
(i)化学式(1)もしくは化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む第1の治療薬を対象に投与すること、
(ii)薬物動態学的プロファイリングを使用して対象の第1の治療薬の化合物またはその代謝物のレベルを監視すること、および
(iii)対象の第1の治療薬のレベルに応じて、第2の治療薬を投与すること、を含む。方法のいくつかの実施形態では、監視ステップは、薬物動態学的プロファイルを構築するのに適する時点で対象から取得される複数の試料中の第1の治療薬の化合物またはその代謝物の濃度を用いて、対象に関する第1の治療薬の化合物またはその代謝物の薬物動態プロファイルを構築することを含む。方法のいくつかの実施形態では、少なくとも2種類の試料が、ポイント・オブ・ケア装置もしくはポイント・オブ・ユース装置での、または検査室での化合物またはその代謝物の定量化前の試料保管に適するマトリックス上への、試料採取または自己試料採取により、ポイント・オブ・ケアまたはポイント・オブ・ユース方化学式で収集される。方法のいくつかの実施形態では、ポイント・オブ・ケア装置またはポイント・オブ・ユース装置のそれぞれは、化合物またはその代謝物を定量できる。方法のいくつかの実施形態では、薬物動態プロファイルは、対象のための化合物またはその塩の投与を導くのに適する薬物動態パラメータを含む。方法のいくつかの実施形態では、2~12種の試料由来の試料を含む。方法のいくつかの実施形態では、試料は、8時間、24時間、48時間、または72時間までの期間にわたって収集される。方法のいくつかの実施形態では、薬物動態パラメータは、AUC、AUCinf、Tmax、Cmax、閾値を超える時間、定常状態濃度、吸収速度、クリアランス速度、分配速度、終末相半減期またはノンコンパートメント薬物動態(PK)解析もしくは生理学的モデルベースコンパートメントPK解析を含むコンパートメントPK解析から導き出されるパラメータからなる群から選択される、少なくとも1つのパラメータを含む。方法のいくつかの実施形態では、治療方法は、対象の薬物動態プロファイルを含むレポートを生成することをさらに含む。方法のいくつかの実施形態では、レポートは、対象の薬物動態プロファイルに基づく投薬に関する推奨を含む。方法のいくつかの実施形態では、1種または複数の薬物動態パラメータに基づいて、化合物(1)、その類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の投与量の低減化が、毒性リスクを減少させるために指示される。方法のいくつかの実施形態では、化合物またはその塩の投与量の低減化が閾値を超える時間に基づいて指示され、閾値は、それを超えると毒性が生じる薬物濃度、または薬物動態プロファイルを適切に記述するためのAUC、AUCinf、平均滞留時間(MRT)、薬物動態プロファイルを規定する指数、定常状態での分布容積(Vss)、終末相の分布容積(Vz)もしくは薬物動態学的変数群の組み合わせの内の1種または複数である。方法のいくつかの実施形態では、1種または複数の薬物動態パラメータに基づいて、有効性を増加させるように化合物またはその塩の用量調節が指示される。方法のいくつかの実施形態では、薬物動態プロファイルを適切に記述するためのAUC、AUCinf、MRT、薬物動態プロファイルを規定する指数、定常状態での分布容積(Vss)、終末相の分布容積(Vz)または薬物動態学的変数群の組み合わせの内の1種または複数に基づいて、化合物またはその塩の投与量の増加が指示される。方法のいくつかの実施形態では、化合物またはその塩の用量は、所望の目標値の5%~25%以内に調整される。方法のいくつかの実施形態では、それぞれの試料が、化合物またはその代謝物の濃度を決定するためのポイント・オブ・ケア装置またはポイント・オブ・ユース装置に適用され、該ポイント・オブ・ケア装置またはポイント・オブ・ユース装置は、1種または複数の試料の側方流動ストリップへの適用が試料中の薬物の画分を側方流動ストリップの成分と結合させ、適用される試料中の薬物濃度に比例する検出可能なシグナルを生成するような構造および組成を有する、側方流動ストリップを含む。方法のいくつかの実施形態では、検査室での定量化前に、試料の保管に適するマトリックスに試料が適用される。方法のいくつかの実施形態では、試料は、乾燥血斑として保管される。方法のいくつかの実施形態では、薬物濃度は、ELISA、LC MS MS、LC UVまたはLCMSにより測定される。方法のいくつかの実施形態では、薬物動態パラメータには、定常状態濃度、吸収、および終末相半減期の内の少なくとも1つが含まれる。方法のいくつかの実施形態では、少なくとも1種の試料は全血である。
【0274】
IX.集学的療法
一態様では、本開示により提供されるのは、化学式(1)もしくは化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の、このような治療を必要とする対象への投与が、他の治療法の投与によって補われる、集学的療法である。一実施形態では、集学的療法は、放射線療法と併用して、または放射線が有効ではなかったと判定された後に、化学式(1)もしくは化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む。一実施形態では、集学的療法は、放射線療法と併用して、化学式(1)もしくは化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、化学式(1)もしくは化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物および放射線療法は、同時に、または任意の順序で逐次投与される。一実施形態では、集学的療法は、放射線療法と併用して、逐次配列形化学式で、化学式(1)もしくは化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む。一実施形態では、集学的療法は、放射線療法と同時に、化学式(1)もしくは化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、このような治療を必要とする対象に投与することを含む。一実施形態では、集学的療法は、癌の治療のために使用される。一実施形態では、集学的療法は、化学式(1)もしくは化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、このような治療を必要とする癌の対象に投与すること、および癌細胞に放射線ビームを照射すること、を含む。一実施形態では、集学的療法は、癌の対象に処方される線量体積ヒストグラム(DVH)を供給するために原体照射法(CRT)の技術を使用する。一実施形態では、集学的療法は、癌細胞に放射線を供給するために強度変調放射線治療(IMRT)技術を使用する。一実施形態では、集学的療法は、治療中に対象中の腫瘍の動きを補償する技術を使用する(例えば、放射線の用量が、患者が呼吸するのにつれて移動する胸部腫瘍に投与されなければならない場合)。例えば、集学的療法は、呼吸サイクルにわたって腫瘍の動きを補償するために、4次元コンピュータ断層撮影法(4D CT)スキャン技術を使用して供給される放射線場を調整する。
【0275】
所定の分割ガンマ線、IMRT(強度変調放射線治療)、ガンマナイフ、陽子線治療および近接照射療法を含む、任意の適切な種類の放射線を、集学的療法で使用できる。放射線療法および化学式(1)もしくは化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の投与は、神経膠芽腫などの脳腫瘍または肺癌から脳に転移した疾患を治療できる。集学的療法を用いて、肺癌、膵臓癌、直腸癌、乳癌、肉腫、前立腺癌、婦人科悪性腫瘍、およびリンパ腫を治療できる。ガンマナイフは、脳転移を治療するために頻繁に使用されている。一実施形態では、集学的療法は、脳腫瘍、前立腺癌および、近傍の正常組織に対する毒性を最小限にすることが非常に大切な重要臓器に近接するあらゆる腫瘍を含む、癌を治療するための陽子線治療の使用を含む。
【0276】
一実施形態では、集学的療法は、養子免疫細胞療法(CAR-T(JCAR14、15、16、17、KTE-C19、またはCTL019);他のT細胞(AFM13);またはNK(CDNO-109またはNK-92))と併せて、同時にまたは組み合わせて、化学式(1)もしくは化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、このような治療を必要とする癌の対象に投与することを含む。
【0277】
一実施形態では、集学的療法は、化学式(1)もしくは化学式(10)の化合物、それらの類似体、またはそれらの薬学的に許容可能な塩による治療から生じる毒性を増大させることなく、微小残存病変を除去する。一実施形態では、集学的療法は、治療を受けている対象の予後を改善し、および/または疾患状態もしくは病状に関連する有害な副作用を減少させる。
【0278】
X.化合物(1)の追加の誘導体、類似体および塩ならびに関連化合物
一態様では、本開示により提供されるのは、化合物(1)の類似体および関連塩ならびにそれらの製造方法である。当業者なら、方法および医薬組成物に関連する原理ならびに概念を含む、化合物(1)、(10)およびそれらの塩と組み合わせて上で記載される同じ一般的な原理および概念が、化合物(1)の誘導体および類似体ならびに塩ならびにそれらの塩に等しく適用されることを理解するであろう。
【0279】
一実施形態では、類似体は、下記の化合物(25)の構造を有する。
【0280】
【化24】
【0281】
式中、Yは、NRまたはOであり、R、R、R、およびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、カルボキシル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アラルコキシ、アラルキルチオ、アルカノイル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリール、アシル、および複素環基である。いくつかの実施形態では、R、R、R、およびRは、任意に置換されている。いくつかの実施形態では、R、R、R、およびR中の一部または全ての水素は、重水素で置換されていてよい。他の実施形態では、類似体は化合物(25)の構造を有し、R、R、R、およびRは、独立して、H、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、C1-4ベンジルピペラジン、およびC1-4アルキルチエニルからなる群から選択され、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、およびC1-4ベンジルピペラジンは、C1-4アルキル、ヒドロキシル、またはハロで任意に置換されてよい。さらに他の実施形態では、類似体は化合物(25)の構造を有し、R、R、R、およびRは、独立して、H、CH、CHPh、CH-((2-Cl)-Ph)、CH-(2-チエニル)、CHCHPh、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、CH-(2,4-ジF-PH)、CH-((2-CH)-Ph)、CHCHOHPh、および(CHCO-4F-Phからなる群から選択される。
【0282】
一実施形態では、類似体は、下記の化合物(26)の構造を有する。
【0283】
【化25】
【0284】
式中、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、カルボキシル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アラルコキシ、アラルキルチオ、アルカノイル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリール、アシル、および複素環基である。いくつかの実施形態では、RおよびRは、H、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、C1-4ベンジルピペラジン、およびC1-4アルキルチエニルからなる群から独立して選択され、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、およびC1-4ベンジルピペラジンは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキル、またはハロで任意に置換されてよい。いくつかの実施形態では、Rは、H、CH、CHPh、CH-((2-Cl)-Ph)、CH-(2-チエニル)、CHCHPh、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、CH-(2,4-ジF-Ph)、CH-((2-CH)-Ph)、CHCHOHPh、および(CHCO-4F-Phからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Rは、H、CH、CHPh、CH-((2-Cl)-Ph)、CH-(2-チエニル)、CHCHPh、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、CH-(2,4-ジF-Ph)、CH-((2-CH)-Ph)、CHCHOHPh、および(CHCO-4F-Phからなる群から選択される。
【0285】
いくつかの実施形態では、Rは、単独で、またはベンジル環のオルト、メタ、および/またはパラ位で組み合わせて、1種または複数の次の置換基:-CH、-NO、-OCH、-CXH、-CXH、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、または-OC2p+1により任意に置換されてもよいベンジルであり、pは2~20の整数であり、Xは、フッ素、臭素、またはヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素、または臭素、より好ましくはフッ素または塩素を含むハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rは、単独で、またはベンジル環のオルト、メタ、および/またはパラ位で組み合わせて、1種または複数の次の置換基:-CH、-NO、-OCH、-CXH、-CXH、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、または-OC2p+1により置換されるベンジルであり、pは2~20の整数であり、Xはハロゲンである。
【0286】
いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。
【0287】
いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、ハロ、-CH、-CF、および-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。一実施形態では、Rは、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルアルキル、例えば、モルホリノアルキルまたはピペラジニルアルキル基である。いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、例えば、イソオキサゾリジニルメチルまたはピリジルメチル基である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキルは、ハロ、-CH、-CF、および-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。
【0288】
一実施形態では、類似体は、下記の化合物(27)の構造を有する。
【0289】
【化26】
【0290】
式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、カルボキシル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アラルコキシ、アラルキルチオ、アルカノイル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリール、アシル、および複素環基である。いくつかの実施形態では、Rは、H、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、C1-4ベンジルピペラジン、およびC1-4アルキルチエニルからなる群から選択され、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、およびC1-4ベンジルピペラジンは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキル、またはハロで任意に置換されてよい。いくつかの実施形態では、Rは、H、CH、CHPh、CH-((2-Cl)-Ph)、CH-(2-チエニル)、CHCHPh、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、CH-(2,4-ジF-Ph)、CH-((2-CH)-Ph)、CHCHOHPh、および(CHCO-4F-Phからなる群から選択される。
【0291】
いくつかの実施形態では、Rは、単独で、またはベンジル環のオルト、メタ、および/またはパラ位で組み合わせて、1種または複数の次の置換基:-CH、-NO、-OCH、-CXH、-CXH、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、または-OC2p+1により任意に置換されてもよいベンジルであり、pは2~20の整数であり、Xは、フッ素、臭素、またはヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素、または臭素、より好ましくはフッ素または塩素を含むハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。
【0292】
一実施形態では、類似体は、下記の化合物(28)の構造を有する。
【0293】
【化27】
【0294】
式中、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、カルボキシル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アラルコキシ、アラルキルチオ、アルカノイル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリール、アシル、および複素環基である。いくつかの実施形態では、RおよびRは、H、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、C1-4ベンジルピペラジン、およびC1-4アルキルチエニルからなる群から独立して選択され、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、およびC1-4ベンジルピペラジンは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキル、またはハロで任意に置換されてよい。いくつかの実施形態では、Rは、H、CH、CHPh、CH-((2-Cl)-Ph)、CH-(2-チエニル)、CHCHPh、CH-(2,4-ジF-Ph)、CH-((2-CH)-Ph)、CHCHOHPh、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、および(CHCO-4F-Phからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Rは、H、CH、CHPh、CH-((2-Cl)-Ph)、CH-(2-チエニル)、CHCHPh、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、CH-(2,4-ジF-Ph)、CH-((2-CH)-Ph)、CHCHOHPh、および(CHCO-4F-Phからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、RがCHPhである場合、RはCH-((2-CH)-Ph)ではない。
【0295】
いくつかの実施形態では、Rは、単独で、またはベンジル環のオルト、メタ、および/またはパラ位で組み合わせて、1種または複数の次の置換基:-CH、-NO、-OCH、-CXH、-CXH、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、または-OC2p+1により任意に置換されてもよいベンジルであり、pは2~20の整数であり、Xは、フッ素、臭素、またはヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素、または臭素、より好ましくはフッ素または塩素を含むハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rは、単独で、またはベンジル環のオルト、メタ、および/またはパラ位で組み合わせて、1種または複数の次の置換基:-CH、-NO、-OCH、-CXH、-CXH、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、または-OC2p+1により置換されるベンジルであり、pは2~20の整数であり、Xはハロゲンである。
【0296】
いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。
【0297】
いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、ハロ、-CH、-CF、および-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。一実施形態では、Rは、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルアルキル、例えば、モルホリノアルキルまたはピペラジニルアルキル基である。いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、例えば、イソオキサゾリジニルメチルまたはピリジルメチル基である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキルは、ハロ、-CH、-CF、および-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。
【0298】
一実施形態では、類似体は、下記の化合物(29)の構造を有する。
【0299】
【化28】
【0300】
式中、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、カルボキシル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アラルコキシ、アラルキルチオ、アルカノイル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリール、アシル、および複素環基である。いくつかの実施形態では、RおよびRは、H、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、C1-4ベンジルピペラジン、およびC1-4アルキルチエニルからなる群から独立して選択され、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、およびC1-4ベンジルピペラジンは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキル、またはハロで任意に置換されてよい。いくつかの実施形態では、Rは、H、CH、CHPh、CH-((2-Cl)-Ph)、CH-(2-チエニル)、CHCHPh、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、CH-(2,4-ジF-Ph)、CH-((2-CH)-Ph)、CHCHOHPh、および(CHCO-4F-Phからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Rは、H、CH、CHPh、CH-((2-Cl)-Ph)、CH-(2-チエニル)、CHCHPh、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、CH-(2,4-ジF-Ph)、CH-((2-CH)-Ph)、CHCHOHPh、および(CHCO-4F-Phからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、RがCHPhである場合、RはCH-((2-CH)-Ph)ではない。
【0301】
いくつかの実施形態では、Rは、単独で、またはベンジル環のオルト、メタ、および/またはパラ位で組み合わせて、1種または複数の次の置換基:-CH、-NO、-OCH、-CXH、-CXH、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、または-OC2p+1により任意に置換されてもよいベンジルであり、pは2~20の整数であり、Xは、フッ素、臭素、またはヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素、または臭素、より好ましくはフッ素または塩素を含むハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rは、単独で、またはベンジル環のオルト、メタ、および/またはパラ位で組み合わせて、1種または複数の次の置換基:-CH、-NO、-OCH、-CXH、-CXH、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、または-OC2p+1により置換されるベンジルであり、pは2~20の整数であり、Xはハロゲンである。
【0302】
いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。
【0303】
いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、ハロ、-CH、-CF、および-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。一実施形態では、Rは、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルアルキル、例えば、モルホリノアルキルまたはピペラジニルアルキル基である。いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、例えば、イソオキサゾリジニルメチルまたはピリジルメチル基である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキルは、ハロ、-CH、-CF、および-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。
【0304】
一実施形態では、類似体は、下記の化合物(30)の構造を有する。
【0305】
【化29】
【0306】
式中、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、カルボキシル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アラルコキシ、アラルキルチオ、アルカノイル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリール、アシル、および複素環基である。いくつかの実施形態では、RおよびRは、H、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、C1-4ベンジルピペラジン、およびC1-4アルキルチエニルからなる群から独立して選択され、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、およびC1-4ベンジルピペラジンは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキル、またはハロで任意に置換されてよい。いくつかの実施形態では、Rは、H、CH、CHPh、CH-((2-Cl)-Ph)、CH-(2-チエニル)、CHCHPh、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、CH-(2,4-ジF-Ph)、CH-((2-CH)-Ph)、CHCHOHPh、および(CHCO-4F-Phからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Rは、H、CH、CHPh、CH-((2-Cl)-Ph)、CH-(2-チエニル)、CHCHPh、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、CH-(2,4-ジF-Ph)、CH-((2-CH)-Ph)、CHCHOHPh、および(CHCO-4F-Phからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、RがCHPhである場合、RはCH-((2-CH)-Ph)ではない。
【0307】
いくつかの実施形態では、Rは、単独で、またはベンジル環のオルト、メタ、および/またはパラ位で組み合わせて、1種または複数の次の置換基:-CH、-NO、-OCH、-CXH、-CXH、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、または-OC2p+1により任意に置換されてもよいベンジルであり、pは2~20の整数であり、Xは、フッ素、臭素、またはヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素、または臭素、より好ましくはフッ素または塩素を含むハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rは、単独で、またはベンジル環のオルト、メタ、および/またはパラ位で組み合わせて、1種または複数の次の置換基:-CH、-NO、-OCH、-CXH、-CXH、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、または-OC2p+1により置換されるベンジルであり、pは2~20の整数であり、Xはハロゲンである。
【0308】
いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。
【0309】
いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、ハロ、-CH、-CF、および-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。一実施形態では、Rは、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルアルキル、例えば、モルホリノアルキルまたはピペラジニルアルキル基である。いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、例えば、イソオキサゾリジニルメチルまたはピリジルメチル基である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキルは、ハロ、-CH、-CF、および-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。
【0310】
一実施形態では、類似体は、下記の化合物(31)の構造を有する。
【0311】
【化30】
【0312】
式中、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、カルボキシル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アラルコキシ、アラルキルチオ、アルカノイル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリール、アシル、および複素環基である。いくつかの実施形態では、RおよびRは、H、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、C1-4ベンジルピペラジン、およびC1-4アルキルチエニルからなる群から独立して選択され、C1-4アルキル、C1-4アルキルフェニル、C1-4アルキルフェニルケトン、およびC1-4ベンジルピペラジンは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキル、またはハロで任意に置換されてよい。いくつかの実施形態では、Rは、H、CH、CHPh、CH-((2-Cl)-Ph)、CH-(2-チエニル)、CHCHPh、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、CH-(2,4-ジF-Ph)、CH-((2-CH)-Ph)、CHCHOHPh、および(CHCO-4F-Phからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Rは、H、CH、CHPh、CH-((2-Cl)-Ph)、CH-(2-チエニル)、CHCHPh、CHCH(4-N-ベンジルピペラジン)、CH-(2,4-ジF-Ph)、CH-((2-CH)-Ph)、CHCHOHPh、および(CHCO-4F-Phからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、RがCHPhである場合、RはCH-((2-CH)-Ph)ではない。
【0313】
いくつかの実施形態では、Rは、単独で、またはベンジル環のオルト、メタ、および/またはパラ位で組み合わせて、1種または複数の次の置換基:-CH、-NO、-OCH、-CXH、-CXH、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、または-OC2p+1により任意に置換されてもよいベンジルであり、pは2~20の整数であり、Xは、フッ素、臭素、またはヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素、または臭素、より好ましくはフッ素または塩素を含むハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rは、単独で、またはベンジル環のオルト、メタ、および/またはパラ位で組み合わせて、1種または複数の次の置換基:-CH、-NO、-OCH、-CXH、-CXH、-CX、-CH(CX)、-CH(CX、-C(CX、-C2p+1、-OCX、または-OC2p+1により置換されるベンジルであり、pは2~20の整数であり、Xはハロゲンである。
【0314】
いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。
【0315】
いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換アリールアルキル、例えば、ベンジルまたはフェニルエチル基である。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。いくつかの実施形態では、アリールアルキルは、ハロ、-CH、-CF、および-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。一実施形態では、Rは、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルアルキル、例えば、モルホリノアルキルまたはピペラジニルアルキル基である。いくつかの実施形態では、Rは、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、例えば、イソオキサゾリジニルメチルまたはピリジルメチル基である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキルは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシル、ヒドロキシル、過ハロゲン化C1-4アルキルまたはハロで置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキルは、ハロ、-CH、-CF、および-OCHからなる群から選択される1種または複数の置換基で置換される。
【0316】
XI.実施例
【0317】
以下に提供する説明および特定の実施例は、単なる例示のためのものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。以下の実施例は、開示実施形態の例示を意図するものであり、それらに限定されるものとして解釈されるべきではない。以下に記載のもの以外の追加の化合物は、上記の反応スキームまたはこれらの適切な変形もしくは修正反応スキームに従って調製できる。
【0318】
実施例1.2-クロロベンジルアミノ-2-イミダゾリンヨウ化水素酸塩の合成
【0319】
乾燥ジオキサン(2.0mL)中の2-メチルチオ-2-イミダゾリンヨウ化水素酸塩(244mg、1.00ミリモル)の撹拌溶液に2-クロロベンジルアミン(141mg、1.0ミリモル)を添加した。反応混合物をアルゴン雰囲気下、70℃で90分間撹拌した。この溶液を室温まで冷却し、焼結漏斗で濾過し、冷ジオキサン(2mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。白色固体の化合物4・HI(R=2-クロロベンジル)(242mg、72%)を得て、さらに精製することなく使用した。
【0320】
実施例2.2-クロロベンジルアミノ-2-イミダゾリンの合成
【0321】
水(3mL)中の2-クロロベンジルアミノ-2-イミダゾリンヨウ化水素酸塩(242mg、0.72ミリモル)の撹拌溶液に、7℃で1.0Nの水酸化ナトリウム(2mL)を添加した。反応混合物をアルゴン雰囲気下、7℃で30分間撹拌した。その後、塩化メチレン(5mL)を加え、混合物をさらに5分間撹拌した。前記反応混合物を塩化メチレン(2x2.5mL)で抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、濾過、留去した。生じた遊離塩基(150mg、100%)を粘稠な液体として得て、さらに精製することなく次の反応に用いた。MS(ESI)210(M+H)。
【0322】
実施例3.メチル-1-ベンジル 4-オキソ-3-ピペリジンカルボキシレート(化合物(6))の合成
【0323】
酢酸エチル(50mL)中の攪拌メチル-1-ベンジル 4-オキソ-3-ピペリジンカルボキシレート塩酸塩(5.7g、20ミリモル)に、7℃でトリエチルアミン(6mL)を添加した。反応混合物をアルゴン雰囲気下、7℃で30分間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(2x50mL)で抽出し、水(50mL)で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、濾過、留去した。粘性油状物として生じた遊離塩基残基(5、R=ベンジル)を、さらに精製せずに次の反応に使用した。MS(ESI)248(M+H)。
【0324】
実施例4.ONC902(化合物(14))の合成
【0325】
1-ブタノール(2mL)中の2-クロロベンジルアミノ-2-イミダゾリン(150mg、0.72ミリモル)、メチル 1-ベンジル 4-オキソ-3-ピペリジンカルボキシレート(5、R=ベンジル)(195mg、0.79ミリモル)の溶液に、PPTS(10mg)を添加し、混合物を室温で48時間撹拌した。その後、この反応混合物を125℃~130℃で2時間還流した。溶媒を真空下で除去し、酢酸エチル(10mL)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2×10mL)および水(10mL)で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、濾過、留去した。粗製遊離塩基をRP HPLC(10%~40%アセトニトリル/水)により精製し、白色固体としてONC902 TFA塩を得た(228mg、50%収率)。MS(ESI)407(M+H)。
【0326】
異なるベンジルアミンから始まる同じプロセスを用いて、様々な類似体、例えば、ONC903、904、905、906、912、210、211、212、213、214、217、218、219、220、221、222、223、224、225、および226を調製した。
【0327】
実施例5.ONC907(化合物(19))の合成
【0328】
乾燥トルエン(50mL)中の60%水素化ナトリウム(3.5g、88ミリモル)の懸濁液に、炭酸ジメチル(4.32g、48.0ミリモル)を窒素雰囲気下、室温で0.5時間かけて滴加した。メタノールを数滴添加した後、乾燥トルエン(20mL)に溶解した1-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリドン(4.8g、24ミリモル)の溶液を、1時間かけて80℃で撹拌しながら反応混合物に滴加した。この反応混合物を同じ温度で3時間撹拌し、次いで0℃(氷浴)まで冷却し、酢酸でPHを6~6.5に調整した。生じた冷混合物を水(10mL)で希釈し、5%水酸化ナトリウム溶液でpH8に調整した。トルエン層を分離し、水層をトルエン(20mL)で抽出した。合わせた有機層無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この化合物を真空中で乾燥させ、メチル-1-tertブトキシカルボニル-4-オキソ-3-ピペリジンカルボキシレート(5.0g、80%)を得た。得られた化合物をさらに精製することなく次の反応に用いた。
【0329】
1-ブタノール(2mL)中の2-メチルベンジルアミノ-2-イミダゾリン(190mg、1ミリモル)、メチル 1-tertブトキシカルボニル-4-オキソ-3-ピペリジンカルボキシレート(315mg、1.1ミリモル)にPPTS(10.0mg)を添加し、混合物を室温で48時間撹拌した。その後、この反応混合物を125℃~130℃で2時間還流した。溶媒を真空下で除去し、酢酸エチル(10mL)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2x10mL)および水(10mL)で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、濾過、留去した。粗製遊離塩基をジクロロメタン中の10%トリフルオロ酢酸で切断し、RP HPLC(10%~40%アセトニトリル/水)により精製し、白色固体としてONC907(262mg、50%)TFA塩を得た。MS(ESI)297(M+H)。
【0330】
実施例6.ONC909(化合物(21))の合成
【0331】
N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中のONC907(100mg、0.2ミリモル)、フェニルエチルブロミド(55.0mg、0.28ミリモル)および炭酸カリウム(150mg、1.0ミリモル)の混合物を、70℃に12時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、酢酸エチル(10mL)で抽出し、水(5mL)で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、濾過、留去した。粗製遊離塩基をRP HPLC(10%~40%アセトニトリル/水)により精製し、白色固体としてONC909(62mg、50%)TFA塩を得た。MS(ESI)401(M+H)。
【0332】
異なるハロゲン化物で開始する同じプロセスを用いて、ONC910および214を得た。異なるベンジルアミンから出発して、実施例1および5と類似のプロセスを使って、化合物227、228、229、230、231、232、233、234、235、および236を調製した。
【0333】
TFAで処理することにより、ONC910から化合物ONC911を調製した。
【0334】
実施例5と同様にして調製した前駆体NH化合物を反応させ、それをスチレンオキシドで処理することにより、化合物(72)を調製した。
【0335】
実施例7.ONC908(化合物(20))の合成
【0336】
1-ブタノール(2.0mL)中の2-メチルベンジルアミノ-2-イミダゾリン(190.0mg、1.0ミリモル)、メチル 1-メチル 4-オキソ-3-ピペリジンカルボキシレート(185.0mg、1.0ミリモル)の溶液にPPTS(10.0mg)を添加し、混合物を室温で48時間撹拌した。その後、この反応混合物を125℃~130℃で2時間還流した。溶媒を真空下で除去し、酢酸エチル(10mL)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2x10mL)および水(10mL)で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、濾過、留去した。粗製遊離塩基をHPLC 10%~40%のアセトニトリルおよび水により精製し、白色固体としてONC908(270.0mg、50%)TFA塩を得た。MS(ESI)311(M+H)。
【0337】
実施例8.ONC201(化合物(1))の合成
【0338】
2Lの丸底フラスコ中の800mLの攪拌飽和NaHCOに、化合物(3)(239.7g、0.845モル、1.6当量)を少量ずつ添加した。n-ブタノール(500mL)を得られた混合物に添加し、混合物を30分間撹拌した後、分液漏斗に移した。化合物(4)を含む有機相を分離し、機械的撹拌、N入口、熱電対、凝縮器およびディーン・スターク・トラップを備えた2Lの三つ口丸底フラスコに移した。化合物(5)(100g、0.528モル、1当量)およびP-トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPTS)(6.63g、0.026モル、5モル%)をこのフラスコの内容物に添加した。生じた混合物を6時間、加熱還流した。反応混合物中の水は、必要に応じて、ディーン・スターク・トラップ中に分離した。還流温度を93℃から118℃に上昇させた。反応の進行をHPLCにより監視した。HPLC上の化合物(1)のピーク面積が反応時間に対して一定のままになったときに、反応を停止した。
【0339】
実施例9.ONC201のジ塩(化合物(1)・2HCl)の合成
【0340】
化合物(1)を単離しないで、実施例8からの反応混合物を水500mLで洗浄し、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)(800mL)で希釈した。有機相を水(500mLx2)で洗浄し、機械的撹拌、N入口、熱電対、凝縮器およびディーン・スターク・トラップを備えた3Lの三つ口丸底フラスコに移した。反応混合物を撹拌しながら、HClの添加時に反応混合物から固形物が沈殿しなくなるまで、ジオキサン-MTBE溶液中の1NのHClを滴加した(ジオキサン中の4N HCl:300mL、1.2モル、2.27当量、MTBE:1200mL)。反応混合物を2時間、60~65℃で加熱還流した。必要に応じて、水をディーン・スターク・トラップ中に分離した。室温まで冷却時に、固形沈殿物を焼結ガラス漏斗を通して濾過し、n-ブタノール-MTBE(1:2、600mL)およびMTBE(600mL)でそれぞれ洗浄した。固形物を、65℃で、真空オーブン中で一晩乾燥させ(16時間)、黄色固体200gを得た。
【0341】
機械的撹拌、N入口、熱電対および凝縮器を備えた2Lの三つ口丸底フラスコに、上記固形物(200g)を添加し、その後、エタノール(1000mL)を添加した。混合物を78℃で2時間、加熱還流した。室温まで冷却時に、固形物を焼結ガラス漏斗を通して濾過し、エタノール(200mLx3)で洗浄した。残留溶媒が仕様を満たすまで、湿潤固形物を3日間85℃の真空オーブン中で乾燥させた。化合物(2)120gを、収率49%、HPLC純度99.7%の白色固体として得た。
【0342】
実施例10.化合物(1)の類似体の活性
【0343】
多くの化合物(1)の代表的類似体を本開示の合成法に基づいて調製した。これら化合物のそれぞれに対し、化合物による治療の72時間後のヒト癌細胞の生存率を測定した。効力の変化(ONC201に対して)を測定し、下表に示した。
【0344】
【0345】
さらに、ヒト結腸癌異種移植片含有マウスに対する口腔または腹腔内投与による化合物(52)の単回投与は、ビークル処理対照コホートに比べて、腫瘍体積の有意な減少を生じた。化合物(52)は、マウスで少なくとも225mg/kgまでの用量で耐容性良好であることから、広い治療濃度域を有する。
【0346】
実施例11.投与計画
【0347】
化合物(1)は、次の投与計画に従って、7日間の繰り返しのサイクルを使って担腫瘍マウスに投与される。
1)1日目:200mg/kg経口;
2)1日目/4日目:単回用量当たり100mg/kg経口;
3)1日目/2日目:単回用量当たり100mg/kg経口;または
4)1日目:単回用量当たり100mg/kg経口を6時間の間隔を置いて2用量。
投与計画の効力を評価、比較する。
【0348】
実施例12.化合物(1)との相互作用の予備的決定
【0349】
ヒト結腸癌細胞株HCT116における化合物(1)の予備的薬効範囲を決定した。
【0350】
簡単に説明すると、化合物(33)(ONC911)を異なる固定化密度でセファロースビーズに固定した。定量的質量分析により分析するために、HCT116ヒト結腸癌細胞を、異なる型の同位体標識アミノ酸を含む培地中で増殖させた(SILAC=細胞培養中のアミノ酸による安定同位体標識)。対応するプロテオームは、導入された質量差異により識別できる。標識アーチファクトを排除するために標識の部分スイッチを使って、結合実験を2回繰り返して実施した。結合タンパク質をアフィニティマトリックスから完全に溶出し、SDS-PAGEで分離して、トリプシン消化に供した。LTQ Orbitrap Velos質量分析計(Thermo Fisher)を使って、回収したペプチドをLC-MS/MSで分析した。LC-MS/MSにより生成された生データをMaxQuantで処理して、定量的タンパク質存在量データを得た。
【0351】
対照マトリックスと比較したタンパク質の濃縮に関して、および化合物(1)とのインキュベーションによる結合タンパク質の競合に関して、定量化タンパク質を分析した。このような結合および置換パターンは、特定の標的タンパク質に対し期待されるであろう。
【0352】
(結果)
【0353】
最初に、HCT116細胞を培養し、SILACにより代謝的に標識した。アルギニンおよびリシンの同位体変異体の組み込み率が95%を超える効率的SILAC標識が達成された。その後の実験用として十分な細胞が調製された。合成洗剤媒介細胞溶解により細胞抽出物を生成した。さらに、核タンパク質を含めるために、残りの細胞核を、400mMのNaClの存在下での溶解により抽出した。細胞基質および核抽出物を混合した。
【0354】
リンカー化合物(33)(ONC911)をそのアミノ基を介してセファロースビーズに固定した。4種の異なる固定化密度:6mM、3mM、1mMおよび0.3mMを有するビーズを調製した。これらのマトリックスを使って、HCT116抽出物からタンパク質を濃縮し、結合タンパク質の50μMの化合物(1)による置換を調査した。
【0355】
全体で、約3600種のタンパク質を特定した。全ての結合密度および反復実験に対し、固定化合物(33)による特定のタンパク質の濃縮が観察された。
【0356】
標的候補の数は、固定化密度と共に増加した。表3は、化合物(1)の標的候補をまとめたものである。最高の結合密度(6mM)では、親和性マトリックスによる濃縮および2つの反復実験にわたる化合物(1)による一貫性のある置換が14種のタンパク質に対して観察された。3mMの結合密度では、2つの有望な標的候補が特定され、それらの両方は、高結合密度の場合の候補と同じであった。より低い結合密度(1および0.3mM)では、それぞれ、2種および1種のタンパク質が一貫して標的としての挙動をした。
【0357】
さらに、いくつかのタンパク質が親和性マトリックスによる濃縮および化合物(1)による置換を示したが、置換は、各結合密度当たり2つの反復実験の内の1つのみに観察された。このようなタンパク質は、表3では、「OK(外れ値あり)」として示されている。
【0358】
まとめると、固定化合物(33)(ONC911)は、機能し得ると思われ、細胞ライセート由来のタンパク質を特異的に濃縮できる。さらに、50μMの化合物(1)による明確な競合が観察された。
【0359】
【表3-1】
【0360】
【表3-2】
【0361】
標的分類:化合物ONC216の示した結合密度でのそれぞれのタンパク質の評価。「OK」は、それぞれのタンパク質が、一貫して濃縮され、2つの独立した反復実験にわたり競合を受けたとを示す。「OK(外れ値あり)」は、親和性マトリックスによる濃縮および化合物(1)による置換を示したが、置換は、2つの反復実験の内の1つのみに観察された。
【0362】
実施例13.化合物(1)のGPCR拮抗作用
【0363】
βアレスチンと、レポーターとして機能できる活性化GPCRとの相互作用を検出することによりドーパミン受容体活性を直接測定するβアレスチンGタンパク質共役受容体(GPCR)活性の全細胞機能アッセイでONC201を評価した。それぞれのドーパミン受容体(DRD1、DRD2S、DRD2L、DRD3、DRD4、およびDRD5)に対し、レポーター構築物を過剰発現している細胞株を冷凍庫ストックから増殖させた。合計容積20μLの細胞をホワイトウオール384ウエルマイクロプレートに播種し、37℃でインキュベートした後、アゴニストでのテストに続けてEC80濃度のアンタゴニストで刺激した。試料ストックの中程度の希釈を行って、アッセイバッファー中で5x試料を生成した。3.5μLの5x試料を細胞に加え、37℃または室温で30分間インキュベートした。ビークル濃度を1%とした。5μLのアッセイバッファー中の6xEC80アゴニストを細胞に加え、37℃または室温で、90分間または180分間インキュベートした後、アッセイの読み取りを行った。次化学式:%拮抗作用=100%x(1-(試験試料の平均RLU-ビークル対照の平均RLU)/(EC80対照の平均RLU-ビークル対照の平均RLU))により%拮抗作用を計算した。
【0364】
実施例14.化合物(1)の排出タンパク質および輸送タンパクとの相互作用の評価
【0365】
ONC201の輸送タンパク質活性と干渉する能力を評価し、輸送タンパク上の基質と組み合わせたONC201の投与計画を決定する。別の治療薬と組み合わせたONC201のタイミングまたは用量レベルは、これらの分析結果に基づいて修正してよい。輸送タンパク質には、OATP1B1、OATP1B3、OAT1、OAT3、OCT1、OCT2、MATE1およびMATE2-f溶質輸送体(SLC)が含まれる。
【0366】
ONC201の排出タンパク質と干渉する能力を評価して、ONC201がこれらのタンパク質の小分子基質を排出する能力を阻害可能かどうかを評価した。これらの排出タンパク質の阻害は、ONC201と結合してその細胞内の濃度を高めるかまたはその体内分布を変えることにより、排出タンパク質基質の効力を高める可能性がある。排出タンパク質には、MDR1およびBCRPが含まれる。
【0367】
ONC201とヒトMDR1およびBCRP輸送体の相互作用が、MDR1およびBCRP過剰発現Madin-Darbyイヌの腎臓(MDCKII-MDR1およびMDCKII-BCRP)および親細胞(MDCKII)を使って、インビトロで調査された。ONC201がMDR1およびBCRPに対する阻害剤であるかどうかを調べるために、MDCKII-MDR1およびMDCKII-BCRPならびにMDCKII単分子膜中のそれぞれのプローブ基質の双方向透過性の調査を実施した。ジゴキシンおよびプラゾシンをそれぞれMDR1およびBCRP用のプローブ基質として使用した。
【0368】
阻害アッセイ結果を下表4にまとめている。ONC201は200マイクロモルで、MDR1およびBCRPの阻害剤である。ONC201とMDR1またはBCRP基質との組合せは、基質の細胞内濃度を高めるまたはその体内分布を変えることにより、基質の効力を高め得る。
【0369】
【表4】
【0370】
実施例15.化合物(1)のP450酵素に対する阻害潜在能力
【0371】
3種の主要な誘導性薬物代謝酵素、すなわち、CYP 1A2、2B6、および3A4に着目して、播種可能なヒト凍結保存肝細胞を使って、ONC201のヒトチトクロムP450(CYP)酵素を誘導する潜在能力を評価した。
【0372】
ONC201のCYP誘導実験の結果を下表5にまとめている。ONC201は、このアッセイで陽性対照の20%以上の効力の程度にはP450を誘導しなかった。したがって、CYPの活性を変えることなく、その他の薬剤と組み合わせてONC201を使用できる。
【0373】
【表5】
【0374】
7種のヒトチトクロムP450(CYP)、すなわち、CYP1A2、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、および3A4、に対するONC201の阻害潜在能力を、8種のCYPイソ型特異的マーカー基質反応を使って、プールしたヒト肝臓ミクロソーム(HLM)中、インビトロで調査した。それらは、CYP1A2-媒介フェナセチンO脱エチル、CYP2B6媒介ブプロピオンヒドロキシル化、CYP2C8媒介アモジアキンN脱エチル、CYP2C9媒介ジクロフェナク4'ヒドロキシル化、CYP2C19媒介Sメフェニトイン4'ヒドロキシル化、CYP2D6-媒介ブフラロール1'ヒドロキシル化、CYP3A4媒介ミダゾラム1'ヒドロキシル化、およびテストステロン6βヒドロキシル化であった。
【0375】
ONC201は、CYPアイソザイム(CYP 1A2、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6および3A4)を、34.9~428.6μMの範囲のIC50値(9uMのCmaxを4~48倍上回る;24時間で0.9uMの平均血漿中濃度を40~480倍上回る)で阻害し、阻害は、有意に時間依存性ではなかった(表6参照)。これらの結果は、ONC201が、薬物-薬物相互作用に関する安全性の懸念なしに、大抵の他の薬物と一緒に投与できることを示す。
【0376】
【表6】
【0377】
実施例16.難治性固形腫瘍の患者に対する経口ONC201のヒト臨床試験
【0378】
ONC201は、ヒト癌細胞で高レベルの細胞死のトリガーとなる用量で腫瘍のアポトーシスを誘導するが、正常細胞では誘導しない。GLP安全性調査でのONC201のラットおよびイヌの安全性プロファイルは、インビトロでの正常細胞に対する腫瘍におけるONC201の選択的細胞毒性と一致した。したがって、ONC201のインビトロおよびインビボプロファイルは、癌治療薬にとって極めて望ましい広い治療濃度域を示す。腫瘍の持続性PDを示す臨床前結果に基づいて、および、より高頻度の投与が実質的にインビボ効力を高めるようには思われなかったことを示唆する初期の予備実験に従って、臨床試験のための全21日間のスケジュールを選択した。
【0379】
ONC201の注目すべき効力および安全性プロファイル、ならびに多くの癌にとって重要なシグナル伝達経路の新規関与に基づいて、進行癌の患者へのONC201の臨床的導入を行った。このファースト・イン・ヒューマンの、第1相用量漸増試験の主要目的は、進行癌の患者に経口投与するONC201の第II相試験推奨用量(RP2D)を決定すること、ならびに、該薬剤の安全性および耐容性を評価することであった。副次的目的には、ONC201の薬物動態学、薬力学および予備的抗腫瘍活性の評価を含めた。
【0380】
簡単に説明すると、この第1相非盲検試験により、用量漸増の間に10人の組織学的に確定した進行固形腫瘍患者を治療した。追加の10人の患者は、安全性情報を増やすために、進行中の拡大期間から得た。患者は、加速漸増デザインを使って、3週毎に125~625mgの用量のONC201の経口投与を受けた。
【0381】
RP2Dは、1.5~7.5mg/mL(約3.9~19.4mM)のCmaxを達成した625mgと決定された。血漿中濃度は375mgで飽和し、625mgを超える用量漸増は正当化されないことが示唆された。1を超えるグレードの薬物関連有害事象は発生しなかった。用量漸増期間中、サイクル(21日)の平均数は3.1であった。10人の患者による拡大期間により、RP2DでのONC201の安全性が確認された。PK分析により、9.6時間の半減期および25h.μg/LのAUCであることが明らかになった。血清カスパーゼ切断ケラチン18の長期誘導およびTRAILの誘導が観察された。10人の患者中の8人は安定疾患であり、1人の前立腺腺癌の患者は長期安定疾患を経験し、残りは、27週にわたり試験中である。1人の追加の子宮内膜癌の患者は、混合型反応(mixed responce)を示した。
【0382】
ONC201は極めて耐容性良好で、マイクロモル血漿中濃度の可飽和吸収を含む好ましいPKプロファイルを有し、3週毎の625mgの経口投与により、臨床活動の徴候を示す。
【0383】
患者および方法
【0384】
(倫理)
【0385】
この試験は、ヘルシンキ宣言および日米EU医薬品ハーモナイゼーション国際会議ガイドラインに従って、Robert Wood Johnson University Hospital/Rutgers Cancer Institute of New Jersey(CINJ)で実施され、関連規制委員会およびCINJの施設審査委員会により承認を受けた。患者は、試験参加に対する書面でのインフォームドコンセントを提出した。
【0386】
(患者集団)
【0387】
標準的治療を受けなかった、または標準的治療に抵抗性で、1以上のECOGパフォーマンスステータス、およびRECIST 1.1判定基準による評価可能疾患の、18才以上の進行固形腫瘍の患者を適格とした。患者が放射線療法を受けている場合には、照射領域外に1つの測定できる病変を有する必要があった。患者は、全ての以前の、細胞傷害性化学療法剤を、1回目の投与の前の、少なくとも4週間で、アルキル化剤を少なくとも6週間で、分子標的薬を少なくとも28日間で、および放射線療法を少なくとも14日間で、終了してしまう必要があった。脱毛症および神経障害を除いて、グレード2以下の以前の治療に関連するすべての有害事象を解消する必要があった。患者は、次のパラメータにより定義される正常骨髄および臓器機能を示す必要があった:好中球絶対数≧1,500/mcL;血小板≧1000,000/mcL;前の2週間に輸血を受けることなくヘモグロビン≧9.0mg/dL;正常範囲内の総ビリルビン量(肝臓転移のある患者では、血清ビリルビン≦1.5xULN);AST(SGOT)/ALT(SGPT)≦2.5x正常値の上限;および正常値を超えるクレアチニンレベルの患者では、測定または推定クレアチニンクリアランス≧40mL/分/1.73m。除外基準には、ステロイド類で治療された症候性脳転移または無症候性脳転移、以前のベバシズマブ治療、以前のONC201に類似の化合物に対するアレルギー反応、制御困難な合併症、HIV用の併用レトロウイルス療法、活動性心疾患/心機能不全の病歴、前の3ヶ月間の脳卒中またはてんかん発作、ONC201の吸収を変える可能性のあるGI機能障害、妊娠および治療開始前の2週間以内の造血コロニー刺激増殖因子による治療、を含めた。
【0388】
(試験デザインおよび毒性評価)
【0389】
デザインは、患者それぞれの徴候に対する標準的治療選択肢を実施し尽くしたまたはそれを拒絶した進行難治性腫瘍の患者を対象とした非盲検、用量漸増第1相ONC201単剤試験とした。Oncoceutics Inc(Philadelphia,PA)によりONC201のカプセル(125mg)の提供を受けた。加速用量漸増デザインを使って、ONC201を21日サイクル毎に1回経口投与した。経口開始用量は、125mg(ラットおよびイヌでの有害事象が観察されないレベルの10%)とした。試験は、いずれかの患者が、少なくともONC201におそらく関連するグレード2を超える有害事象を経験した場合、停止するようにデザインされた個別患者加速用量漸増デザインで実施された。この場合、従来の3+3用量漸増デザインが使用されたであろう。用量漸増は、前に投与されたコホートが1治療サイクルを完了し、次の用量レベルに進む判定基準に適合した後で、次の段階に移ることになる。それぞれのその後の用量レベルでの登録には、前の用量レベルで登録した全ての患者は、サイクル1投与を完了し、21日後に評価を受けて安全性評価されることが必要であった。用量レベルは、125mgから250mg、375mg、500mgおよび最終的に625mgまで進められる。
【0390】
RP2Dの決定後、22人の患者まで増やす拡大期間が開始され、試験で生成される安全性データのロバストネスを高めるために、RP2Dで追加の患者が登録された。
【0391】
全ての毒性は、有害事象共通用語規準バージョン4に基づいて評価された。DLTは、治療の第1サイクルで発生した次の判定基準のいずれかに適合する薬物関連有害事象または異常な検査室結果と定義した:グレード3以上の非血液学的毒性;最適制吐薬または下痢止め剤治療にもかかわらず72時間を超えて持続するグレード3悪心、嘔吐、または下痢;ビリルビンのグレード2上昇と組み合わされたグレード3~4のAST/ALT;グレード4好中球減少症の持続=7日間;グレード4好中球減少症および38.5℃を超える発熱;グレード3を超える感染症を伴うグレード3好中球減少症;臨床的に有意な出血と関連する場合のいずれかのグレードの血小板減少症;グレード4血小板減少症;またはグレード4貧血で、疾患、疾患進行、併発疾患、または併用薬と無関係と評価されたもの;およびONC201の投与に「おそらく関連」、「ほぼ関連」または「確実に関連」していると試験責任医師により判断されたもの。
【0392】
(安全性評価)
【0393】
全血球数、血液生化学検査、および毒性を含む安全性評価を、ベースラインで、続けて、最初の2サイクル中は毎週、その後、3週毎に評価した。ONC201投与の直前に、その後、薬物投与の15分、1時間および2時間後に、心電計監視を実施した。CTCAEバージョン4.0を用いて、有害事象をグレード付けした。腫瘍縮小効果をRECISTを用いて、2サイクル毎に評価した。
【0394】
(薬物動態学的分析)
【0395】
ベースライン、最初のONC201投与の、30分、2時間、4時間、6時間、24時間、48時間、および168時間後、ならびにサイクル2~6の治療前の投与前に、PK用の血漿試料を収集した。検証GLP法を使って、LC-MS/MSによりPK分析を行い、ヒト血漿中のONC201を検出した。PHOENIX(登録商標)WINNONLIN(登録商標)バージョン6.3(PHARSIGHT(登録商標),St.Louis,Missouri)を使って、PK分析を行った。
【0396】
(統計分析)
【0397】
記述統計を使って、安全性および腫瘍縮小効果データを解析した。
【0398】
(薬力学的分析)
【0399】
サイクル1のONC201治療の6時間、2、3、8、および15日後、ならびにサイクル2および3の薬物投与日の投与前に、PD用の血液試料を収集した。M30アッセイを使って、切断サイトケラチン18(cCK18)の血清中レベルを評価し、完全サイトケラチン18(CK18)の血清中レベルをM65アッセイ(Perviva A.B.,Sweden)を使って評価した。その他の腫瘍特異的マーカーの評価も標準治療に従って評価した。
【0400】
(腫瘍型のインビトロ感受性)
【0401】
Genomic of Drug Sensitivity in Cancer(http://www.cancerrxgene.org)コレクション由来の1020種の遺伝的注釈付き細胞株でONC201のインビトロ活性を評価した。以前に報告したように、治療72時間後の細胞生存率アッセイによりIC50値を決定した。それぞれの腫瘍型に対し、推定IC50値を複数の細胞株にわたり平均化した。腫瘍型を、平均IC50値の三分位数を表す3つの異なる群に分類した。表11では、ONC201感受性範囲内のそれらの三分位数分類に基づいて、これらの群を「高」、「低」および「中」と呼ぶ。
【0402】
結果
【0403】
(患者特性)
【0404】
用量漸増期間中に、10人の評価可能患者をこの試験に登録した。患者特性を表7に示している。用量漸増期間の完了後、進行中の拡大期間に追加の10人の患者を登録した(表8)。
【0405】
【表7】
【0406】
【表8】
【0407】
(用量漸増法、RP2Dおよび安全性の決定)
【0408】
用量コホートを表9に示す。625mgが最大の到達用量で、RP2Dとして決定された。おそらくONC201に起因すると思われた用量漸増期間中の唯一の有害事象は、1人の患者の低グレードの発熱であった。最大用量コホートに登録された1人の患者は、サイクル1での急速な疾患進行のために置き換えられた。
【0409】
おそらくONC201に起因すると思われた拡大期間中の10人の登録患者中の唯一の有害事象は、1人の患者の嘔吐であった。これらの有害事象の両方ともグレード1で、急速に回復した。検査室調査および身体検査は、薬物関連異常を何ら示さなかった。同様に、心臓血管評価も薬物関連の影響を何ら示さなかった。
【0410】
【表9】
【0411】
(薬物動態学)
【0412】
連続した時点で収集した血漿を使って、患者のONC201による全身曝露レベルを分析した(図5)。全ての患者に対しPKパラメータを決定し、最高用量コホートに関しまとめた(表10)。用量漸増は、個別患者コホートを含んでいたが、ONC201に対する全身曝露は、AUCおよびCmaxから判断して、375mgの用量で飽和するように見えた(図6)。最大用量コホートでは、平均Cmaxは3312(SD2133)ng/mLであり、これは、投与後、平均1.8時間で生じた。平均Vは381(SD164)Lで、大きな分布容積と一致する。平均AUCは、26.3(SD10.8)h.μg/mLで、平均CL/Fは、27.19(SD10.95)L/hであった。平均t1/2は、9.62(SD1.76)時間であった。
【0413】
【表10】
【0414】
一般に、CL/Fは変動することが観察されたが、全ての用量群にわたり一貫性があった。薬物CL/Fと患者性別、年齢とは、明らかな関係はなかった。注目すべきは、患者の体重およびBSAとの表面的な傾向が観察されたことである。体重とBSAの増加に伴い、CL/Fの全体的増大が観察された。CL/FとCLCRとの間には、わずかに上向きの傾向が観察されたが、強い相関は認められなかった。
【0415】
分布容積推定値(V)と患者の体重、BSAとの間でより強い相関が観察された。患者の体重の増加に伴い、Vの顕著な増大が観察された。この傾向から、体重の50kgから100kgへの増加に伴い、Vの2倍を超える増加が予測される。類似の傾向がVとBSAとの間にも観察された。用量正規化曝露パラメータに関して、患者の体重の効果がさらに調査された。Cmax/用量およびAUC/用量対患者の体重のプロットで、体重の増加に伴い暴露の減少の傾向が観察された。体重正規化CL/Fを、用量に対しプロットしても、非正規化CL/ Fと類似の傾向が示されたが、625mg用量群の患者全体にわたり有意に少ない変動性が認められた。
【0416】
(患者の応答)
【0417】
用量漸増期間中に登録した10人の評価可能患者に対する患者転帰を表11に示す。少なくとも2サイクルを完了した10人の評価可能患者の内で、4人の患者は少なくとも4サイクルを完了し、1人の患者は、8サイクルを受け、治療を継続している。患者は、平均で、3.1回のONC201の投与を受けた。拡大期間の登録された10人の患者の内で、6人の患者が治療を継続している。
【表11】
【0418】
臨床的および検査室結果は、治療を受けた患者において、この薬物が生物活性を有することを示した。72才の進行性明細胞子宮内膜癌の患者#3は、混合型反応を有し、複数の結節の30%超が減少し、同時に新しい結節の発生があった。62才の腎癌で、鎖骨に骨転移による消耗性の痛みを有する男性患者#4は、鎖骨痛の軽減を経験した。69才の前立腺腺癌患者#6は、長期安定疾患を経験し、27週間の試験中であった。71才の結腸癌患者#8は、ONC201の4回投与で12週間の安定疾患を得た。
【0419】
(薬力学)
【0420】
登録患者の腫瘍型の不均一性を考慮すれば、広範囲にわたり使用されるバイオマーカーを利用して、全ての患者試料を均一にアッセイすることはできなかった。特に、血清M30アッセイは、アポトーシス中に発生するカスパーゼ切断型のサイトケラチン18を検出でき、ほとんどの固形腫瘍はサイトケラチン18を発現するので、これは異種混合固形腫瘍の調査に有用である。M30サンドイッチELISAは、一連の異なる固形腫瘍で、種々の異なる癌化学療法剤により誘導される細胞死のバイオマーカーとして、臨床試験で広範に使われてきた。血清M30アッセイに加えて、同様に臨床試験で腫瘍壊死および疾患進行に伴い発生することがある完全サイトケラチン18の増加を検出するために使用されてきた、M65サンドイッチELISAアッセイも、腫瘍の壊死とアポトーシスとを識別するのに使用された。
【0421】
予想通り、急速臨床的進行のある、1サイクルの試験中の患者は、M65の増加を示したが、M30アッセイではそうではなかった。対照的に、8サイクルまで試験継続した患者は、M30の増加を示したが、M65アッセイではそうではなかった。この試験の用量漸増期間に登録した患者の内の4人は、ONC201の単回投与後にM30アッセイで誘導があり、21日目の治療後ではほとんどの場合で誘導があった(図7)。観察された異種性M30の誘導の妥当性をさらに理解することを試みるために、Genomic of Drug Sensitivity in Cancer program(GDSC)由来の大きな一群の細胞株で決定された腫瘍型のインビトロ感受性を、この試験の患者の感受性と比較した(図8)。興味深いことに、M30での誘導を経験したこれらの患者はまた、ONC201に対する高いインビトロ感受性を示した腫瘍型を有する3人の患者であった(表11)。
【0422】
臨床前モデルにおけるONC201によるTRAILの下流での誘導を考慮して、血清TRAILレベルも同様にELISAアッセイを使って定量化した。半分の患者がわずかな(約20%の)血清TRAILの増加を示し、この増加は薬物投与後の最初の24時間以内にほとんどがピークに達した。
【0423】
考察
【0424】
この実施例は、ONC201のヒトでの調査的癌治療の最初の試験である。この試験の主要目的は、全ての治療選択肢を実施し尽くした固形腫瘍患者に3週毎に投与される経口ONC201のRP2Dを決定することであった。ONC201の無害臨床前安全性プロファイルにより期待されたように、いずれの患者の場合にも臨床前モデルで効果的であったマイクロモル血漿中濃度で、グレード1を超える薬物関連毒性は観察されなかった。この薬物の優れた安全性プロファイルのために、試験は、追加の患者登録を必要とせずに次の用量レベルへと進めることが可能となり、加速漸増デザインから脇道へそれることなく完結した。この試験では、RP2Dとして、3週毎に1回投与される625mgが決定された。この決定は、毒性の非存在およびこの用量により治療効果がある血漿中濃度を達成するという事実に基づいている。このRP2Dは、375mgで観察された飽和閾値を超えており、したがって、一貫して到達可能な標的血中レベルを実現するための体表面積の調節を必要としない。RP2Dは、安全性の評価可能な追加の10人の患者による拡大期間で確認された。
【0425】
ONC201の薬物動態プロファイルは、経口投与による急速な、平均1.8時間で示される薬物の大きな吸収を示した。重要なのは、RP2Dで治療された最高用量コホートにおけるCmaxおよびAUCなどのPKパラメータが、GLP毒性調査のNOAELに関連するこれらのパラメータを超えたことである。RP2Dより低い2つの用量レベルで飽和したONC201への全身曝露は、吸収の飽和を示唆している。吸収の飽和は、明らかに耐容性良好な、治療効果がある血漿中濃度を生じる用量で発生するので、これは安全性特徴として機能し得る。これらの観察は、ONC201のRP2Dを超えるさらなる用量漸増を打ち切る決定を裏付けると同時に、標的用量近傍での安全マージンを与える。
【0426】
試験の主要エンドポイントが、極めて異種の侵襲性の強い癌患者群の安全性に基づいていることを考慮すると、一部の患者が臨床的有用性の証拠を示したことは注目に値する。これらの患者には、混合型反応の治療抵抗性の明細胞子宮内膜癌の腫瘍発症部位に付随する症状の軽減があった2名の患者、および2ヶ月を超える安定疾患の2名の(前立腺および結腸の腺癌)患者が含まれた。この臨床試験では、腫瘍サイズの20%の増加を規定しているRECIST判定基準を使って疾患進行後に治療を終了した。この試験における抗腫瘍活性の徴候および何らかの意味のある副作用の非存在により、抗癌治療薬が患者に与える典型的な毒性をもたらすことなく、ONC201が臨床的有用性を提供し得ることが示されている。
【0427】
臨床前の知見と同様に、M30アッセイによるPD測定値から、数人の患者でONC201の効果が一定の期間にわたり持続性があったことが明らかとなった。2人の患者で血清中TRAILの誘導が顕著であったが、このアッセイは、生検材料が利用できなかったために、血清可溶性TRAILの検出に限定された。ONC201のPKプロファイル、ならびにその持続性PD効果は、薬物間相互作用リスクを最小化すると同時に相乗的生物活性を維持する時差投与による併用療法の機会をもたらしている。ONC201とタキサン、ベバシズマブ、ボルテゾミブ、およびソラフェニブとの間の相乗的相互作用および承認された癌療法が明らかにされている。
【0428】
結論として、我々は、ONC201は625mgのRP2Dで非常に耐容性良好であり、進行固形腫瘍の患者で生物活性の徴候を示すことを明らかにした。
【0429】
その広い発明概念から逸脱することなく、図示した上記の例示的な実施形態を変更できることは、当業者なら理解するであろう。したがって、本発明は、図示および説明した例示的な実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲により定義される本発明の趣旨および範囲内の変更を包含することを意図するものと理解されたい。例えば、例示的な実施形態の特定の特徴は、請求される本発明の一部であっても、または一部でなくてもよく、開示する実施形態の特徴を組み合わせてもよい。具体的に開示しない限り、用語「1つ(a)」、「1つ(an)」および「その」は、1つの要素に限定されるものではなく、その代わりに、「少なくとも1つ」を意味するものとして解釈されるべきである。
【0430】
本発明の図面および説明の少なくとも一部は、本発明の明確な理解に関連する要素に焦点を当てるために簡略化されており、明確にするために、排除しているが、当業者ならわかると思われる他の要素も本発明の一部を含んでもよいことを理解されたい。しかしながら、そのような要素は、当技術分野において、周知であり、かつ必ずしも本発明のより良い理解を容易にしないので、そのような要素の説明は、本明細書では提供していない。
【0431】
さらに、方法が本開示のステップの特定の順序に依存しない程度に、ステップの特定の順序は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の方法に関する特許請求の範囲は、書かれた順序でそれらのステップを実行することに限定されるべきではなく、ステップが変更されても、依然として本発明の趣旨および範囲内に留まることができることを当業者なら容易に理解できる。
【0432】
各参考文献が個々にかつ具体的に参照により組み込まれることが示されその全体が開示されたのと同程度に、刊行物、特許出願、および特許を含む全ての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8