(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/243 20180101AFI20241031BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20241031BHJP
F21S 43/15 20180101ALI20241031BHJP
F21S 43/241 20180101ALI20241031BHJP
F21S 43/249 20180101ALI20241031BHJP
F21S 43/50 20180101ALI20241031BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20241031BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241031BHJP
【FI】
F21S43/243
F21S43/14
F21S43/15
F21S43/241
F21S43/249
F21S43/50
F21W103:10
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021009076
(22)【出願日】2021-01-22
【審査請求日】2023-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】杉江 雄太
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-523677(JP,A)
【文献】特開2015-162363(JP,A)
【文献】特表2012-514831(JP,A)
【文献】特開2015-164121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/243
F21S 43/14
F21S 43/15
F21S 43/241
F21S 43/249
F21S 43/50
F21W 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体と、
前記導光体の周囲を遮光するシェードとを備え、
前記導光体は、前記光源の前方に位置して、前記光源から出射された光の光軸と直交する一の方向の寸法よりも前記光軸及び前記一の方向と直交する他の方向の寸法が長くなる導光部と、
前記導光部の前記光源と対向する側に位置して、前記光源から出射された光を前記導光部の内部へと入射する入射部と、
前記導光部の前記入射部とは反対側に位置して、前記導光部の内部で導光される光を前記導光部の外部へと出射する出射部とを有し、
前記シェードは、前記光源から出射された光のうち前記入射部に入射する光を通過させる開口部を有し、
前記一の方向の断面において、前記導光部の中心軸に対して前記光軸が前記一の方向の一方側にオフセットした位置にあ
り、
前記入射部は、前記一の方向の断面において、平坦な第1の入射面と、前記第1の入射面の前記光軸がオフセットした側から前方に向かって傾斜した第2の入射面とを有して、前記光源から放射状に出射された光のうち、前記一の方向において所定の角度範囲に制限された光のみを入射することを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記開口部を通過した光の前記光軸を挟んだ一方側の角度範囲が他方側の角度範囲よりも小さいことを特徴とする請求項
1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記シェードは、前記一の方向の断面において、前記開口部を挟んだ一方側及び/又は他方側から
前記開口部を通過する光の進行方向に向かって
前記開口部が広がるように傾斜した傾斜面を有し、
前記傾斜面は、前記開口部を通過した光とは非接触な角度で傾斜していることを特徴とする請求項
1又は
2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記光源と前記入射部との間に前記開口部が位置することを特徴とする請求項1~
3の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記開口部の内側に前記入射部が位置することを特徴とする請求項1~
3の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記開口部と前記入射部とが互いに一致した形状を有することを特徴とする請求項
5に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記光源は、前記他の方向に並んで設けられていることを特徴とする請求項1~
6の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記導光部を挟んだ前記一の方向の一方側に位置して、前記導光体の周囲を覆うエクステンションを備えることを特徴とする請求項1~
7の何れか一項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載される車両用灯具として、発光ダイオード(LED)などの光源と、インナーレンズなどの導光体とを組み合わせたものが知られている(例えば、下記特許文献1を参照。)。
【0003】
このような車両用灯具では、光源から出射された光を導光体の入射面から導光体の内部へと入射し、導光体の内部で光を導光させながら、導光体の出射面から導光体の外部へと光を出射する。これにより、導光体の出射面を車両用灯具の発光面として発光させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した車両用灯具では、例えば導光体を斜め上方視したときに、導光体の内部で全反射されずに導光体の上面から漏れ出す光(いわゆる漏れ光)によって、この導光体の見栄えが悪くなることがあった。
【0006】
また、導光体の中には、光源から出射された光の光軸と直交する一の方向(例えば縦方向)の寸法よりも、光軸及び一の方向と直交する他の方向(例えば横方向)の寸法が長くなる横長の形状を有したものがある。
【0007】
この場合、光源から放射状に出射された光のうち、縦方向において相対的に狭い角度範囲の光が導光体に入射し、横方向において相対的に広い角度範囲の光が導光体に入射することになる。したがって、このような導光体では、縦方向の方が横方向よりも強く光ることで、上述した上面からの漏れ光が発生した場合、点灯時の見栄えが悪くなってしまう。
【0008】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、見栄えの良い発光を可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体と、
前記導光体の周囲を遮光するシェードとを備え、
前記導光体は、前記光源の前方に位置して、前記光源から出射された光の光軸と直交する一の方向の寸法よりも前記光軸及び前記一の方向と直交する他の方向の寸法が長くなる導光部と、
前記導光部の前記光源と対向する側に位置して、前記光源から出射された光を前記導光部の内部へと入射する入射部と、
前記導光部の前記入射部とは反対側に位置して、前記導光部の内部で導光される光を前記導光部の外部へと出射する出射部とを有し、
前記シェードは、前記光源から出射された光のうち前記入射部に入射する光を通過させる開口部を有し、
前記一の方向の断面において、前記導光部の中心軸に対して前記光軸が前記一の方向の一方側にオフセットした位置にあり、
前記入射部は、前記一の方向の断面において、平坦な第1の入射面と、前記第1の入射面の前記光軸がオフセットした側から前方に向かって傾斜した第2の入射面とを有して、前記光源から放射状に出射された光のうち、前記一の方向において所定の角度範囲に制限された光のみを入射することを特徴とする車両用灯具。
〔2〕 前記開口部を通過した光の前記光軸を挟んだ一方側の角度範囲が他方側の角度範囲よりも小さいことを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 前記シェードは、前記一の方向の断面において、前記開口部を挟んだ一方側及び/又は他方側から前記開口部を通過する光の進行方向に向かって前記開口部が広がるように傾斜した傾斜面を有し、
前記傾斜面は、前記開口部を通過した光とは非接触な角度で傾斜していることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記光源と前記入射部との間に前記開口部が位置することを特徴とする前記〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔5〕 前記開口部の内側に前記入射部が位置することを特徴とする前記〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔6〕 前記開口部と前記入射部とが互いに一致した形状を有することを特徴とする前記〔5〕に記載の車両用灯具。
〔7〕 前記光源は、前記他の方向に並んで設けられていることを特徴とする前記〔1〕~〔6〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔8〕 前記導光部を挟んだ前記一の方向の一方側に位置して、前記導光体の周囲を覆うエクステンションを備えることを特徴とする前記〔1〕~〔7〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、見栄えの良い発光を可能とした車両用灯具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯具の構成を示す正面図である。
【
図2】
図1に示す車両用灯具の構成を示す分解斜視図である。
【
図3】
図1中に示す線分A-Aによる車両用灯具の断面図である。
【
図4】
図3に示す車両用灯具の要部を拡大した断面図である。
【
図6】車両用灯具の別の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0013】
本発明の一実施形態として、例えば
図1~
図4に示す車両用灯具1について説明する。
なお、
図1は、車両用灯具1の構成を示す正面図である。
図2は、車両用灯具1の構成を示す分解斜視図である。
図3は、
図1中に示す線分A-Aによる車両用灯具の断面図である。
図4は、車両用灯具1の要部を拡大した断面図である。
【0014】
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を車両用灯具1の前後方向(長さ方向)、Y軸方向を車両用灯具1の左右方向(幅方向)、Z軸方向を車両用灯具1の上下方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
【0015】
本実施形態の車両用灯具1は、例えば、車両(図示せず。)の後端側の両コーナー部(本実施形態では左後端側のコーナー部)に搭載されるリアコンビネーションランプのうち、赤色発光するテールランプに本発明を適用したものである。
【0016】
なお、以下の説明において、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、車両用灯具1を正面(車両後方)から見たときのそれぞれの方向を意味するものとする。したがって、車両を正面(車両前方)から見たときのそれぞれの方向とは、前後左右を逆にした方向となっている。
【0017】
具体的に、この車両用灯具1は、
図1~
図3に示すように、灯体の内側に、複数の光源2が配置された回路基板3と、複数の光源2から出射された光Lを導光させる導光体4と、導光体4の周囲を遮光するシェード5と、導光体4の周囲を覆うエクステンション6とを備えている。
【0018】
なお、灯体は、正面が開口したハウジングと、このハウジングの開口を覆う透明なレンズカバー(アウターレンズ)とにより構成される。なお、灯体の形状については、車両のデザイン等に合わせて、適宜変更することが可能である。
【0019】
光源2は、赤色光(以下、単に「光」という。)Lを発する発光ダイオード(LED)からなる。光源2は、このLEDを駆動する駆動回路が設けられた回路基板3の一面(本実施形態では正面)側に実装されている。これにより、光源2は、光Lを前方の導光体4に向けて放射状に出射する。
【0020】
なお、回路基板3は、上述したLEDを駆動する駆動回路が設けられた構成となっているが、LEDが設けられた実施基板と、駆動回路が設けられた回路基板とを別々に配置し、これら実装基板と回路基板とをハーネスと呼ばれる配線コードを介して電気的に接続し、LEDが発する熱から駆動回路を保護する構成としてもよい。
【0021】
導光体4は、各光源2から出射された光Lを導光させる光透過性部材からなる。光透過性部材には、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなど、空気よりも屈折率の高い材質のものを用いることができる。
【0022】
導光体4は、光源2の前方に位置する導光部7と、導光部7の光源2と対向する側に位置する入射部8と、導光部7の入射部8とは反対側に位置する出射部9とを有している。
【0023】
導光部7は、その後端側に位置する入射部8と、その前端側に位置する出射部9との間で、光Lを前方に向けて導光させる部分を構成している。具体的に、この導光部7は、正面視で幅方向に長尺となるリング形状を有している。また、導光部7は、所定の厚みで前後方向に板状に形成されている。
【0024】
複数の光源2は、この導光部7と正面視で重なるように、回路基板3の正面側に所定の間隔でリング状に並んで設けられている。なお、光源2の数及び間隔については、特に限定されないものの、導光体4の出射部9をリング状に均一に発光させるのに合わせて適宜調整することが望ましい。
【0025】
したがって、この導光部7は、光源2から出射された光Lの光軸AXと直交する一の方向の寸法よりも光軸AX及び一の方向と直交する他の方向の寸法が長くなる形状を有している。また、複数の光源2は、他の方向に並んで設けられている。
【0026】
なお、本実施形態では、特に断りがない限り、一の方向が縦方向、他の方向が横方向となる位置(車両用灯具1の縦断面)を基準にして説明を行うものとする。
【0027】
また、導光部7の内側には、ストップランプを構成する発光ユニット30が配置されている。なお、本実施形態では、発光ユニット30の構成を省略するものの、ストップランプとして機能するものでれば、その構成について特に限定されるものでない。
【0028】
入射部8は、光源2から出射された光Lを導光部7の内部へと入射する部分を構成している。具体的に、この入射部8は、一の方向(縦方向)の断面において、平坦な第1の入射面8aと、第1の入射面8aを挟んだ一方側(本実施形態では外周側)から前方に向かって傾斜した第2の入射面8bとを有している。
【0029】
入射部8では、光源2から放射状に出射された光Lのうち、一の方向(縦方向)において相対的に狭い角度範囲の光Lが、第1の入射面8a及び第2の入射面8bから導光部7の内部へと入射する。すなわち、この入射部8では、光源2から放射状に出射された光Lのうち、一の方向(縦方向)において所定の角度範囲に制限された光Lのみを入射している。
【0030】
一方、入射部8では、他の方向(横方向)において相対的に広い角度範囲の光Lが、第1の入射面8a及び第2の入射面8bから導光部7の内部へと入射する。すなわち、この入射部8では、光源2から放射状に出射された光Lのうち、他の方向において全角度範囲の光Lを入射している。これにより、導光部7の内部に入射した光Lは、前方の出射部9に向けて拡散しながら導光されることになる。
【0031】
出射部9は、導光部7の内部で導光される光Lを導光部7の外部へと出射する部分を構成している。具体的に、この出射部9は、一の方向(縦方向)の断面において、平坦な出射面9aを有している。出射部9では、導光部7の内部で導光される光Lを出射面9aから導光部7の外部へと出射する。これにより、車両用灯具1では、テールランプの発光面として、出射面14aを赤色発光させることが可能である。
【0032】
シェード5は、黒色の遮光部材からなり、光源2から出射された光Lのうち入射部8に入射する光Lを通過させる開口部5aを有している。開口部5aは、光源2と入射部8(導光体4)との間に位置している。また、開口部5aは、入射部8(第1の入射面8a及び第2の入射面8b)に入射する光Lのみを通過させるため、正面視で幅方向に長尺となる長孔形状を有している。一方、シェード5は、開口部5aを通過しない光Lを遮光するように、光源2の周囲を囲むように設けられている。
【0033】
シェード5は、一の方向(縦方向)の断面において、開口部5aを挟んだ一方側(外周側)及び他方側(内周側)から前方に向かって傾斜した傾斜面5bを有している。傾斜面5bは、開口部5aを通過した光Lとは非接触な角度で傾斜している。これにより、開口部5aを通過した光Lが傾斜面5bで反射されて迷光となることを防ぐことが可能である。
【0034】
なお、傾斜面5bについては、上述した開口部5aを挟んだ一方側(外周側)及び他方側(内周側)に設けられた構成に必ずしも限定されるものではなく、一方側(外周側)と他方側(内周側)との何れかのみに設けられた構成であってよい。また、場合によっては、開口部5aを挟んだ一方側(外周側)及び/又は他方側(内周側)から前方に向かって光軸AXと平行となる面を設けることも可能である。
【0035】
エクステンション6は、有色(例えば黒色など。)の遮光部材からなり、導光部7を挟んだ一の方向(縦方向)の一方側(外周側)を覆うように設けられている。したがって、導光体4は、導光部7の一部がエクステンション6よりも前方に突出した状態で設けられている。また、シェード5は、エクステンション6よりも後方に位置する導光部7の内側の周囲を覆うように設けられている。
【0036】
ところで、本実施形態の車両用灯具1では、
図4に示すように、上述した一の方向(縦方向)において所定の角度範囲(狭い角度範囲)に制限された光Lのみが入射部8に入射する。このため、導光部7の内部に入射した光Lは、導光部7の一の方向(縦方向)における一方側(外周側)の面(以下、「上面」とする。)7aと、他方側(内周側)の面(以下、「下面」とする。)7bとの間で、前方の出射部9に向けて導光されることになる。
【0037】
また、本実施形態の車両用灯具1では、一の方向(縦方向)の断面において、導光部7の中心軸BXに対して光軸AXが一の方向(縦方向)の一方側(外周側)にオフセットした位置にある。これにより、開口部5aを通過した光Lの光軸AXを挟んだ一方側(外周側)の角度範囲αが他方側(内周側)の角度範囲βよりも小さくなっている(α<β)。
【0038】
この場合、導光部7の内部に入射した光Lのうち、導光部7の上面7aに入射する光Lを減らすことが可能である。特に、第2の入射面8bから入射した光Lは、導光部7の上面7aに対して離間する方向(下向き)に屈折されるため、導光部7の上面7aに入射する光Lを更に減らすことが可能である。
【0039】
また、本実施形態の車両用灯具1では、導光部7の上面7aに入射した光Lを前方の出射部9に向けて全反射することが可能である。同様に、導光部7の下面7bに入射した光Lを前方の出射部9に向けて全反射することが可能である。
【0040】
以上のようにして、本実施形態の車両用灯具1では、導光体4を斜め上方視したときに、導光部7の内部で全反射されずに導光部7の上面7aから漏れ出す光(漏れ光)を防ぐことができ、この導光体4の発光時の見栄えを良くすることが可能である。
【0041】
なお、上記第2の入射面8bについては、上述した第1の入射面8aを挟んだ一方側(外周側)に設けられた構成に限らず、他方側(内周側)に設けられた構成や、その両側に設けられた構成とすることも可能である。さらに、上記第2の入射面8bについては、上述した導光部7の後端側の角部を切り欠くように傾斜させた構成に限らず、導光部7の上面7a及び/又は下面7bに亘ってテーパー状に傾斜させた構成であってもよい。
【0042】
また、上記導光体4では、
図5に示すように、導光部7の上面7aから突出された突出部10が設けられている。上記導光体4では、この突出部10に入射した光L’が出射部9側へと漏れ出すことがないように、突出部10の正面側の基端部を切り欠く溝部11が設けられている。これにより、溝部11に入射した光L’をエクステンション6の背面側へと反射することが可能である。
【0043】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記車両用灯具1では、上述した光源2と入射部8(導光体4)との間に開口部5aが位置する構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば、
図6(a)~(d)に示すように、開口部5aの内側に入射部8が位置する構成であってもよい。さらに、
図6(a),(b)に示すように、導光体4とシェード5とを別体に構成したもの(隙間ありの構成)や、
図6(c),(d)に示すように、導光体4とシェード5とを一体に構成したもの(隙間なしの構成)であってもよい。特に、
図6(c),(d)に示す構成では、開口部5aと入射部8とを互いに一致した形状とすることが可能である。
【0044】
なお、上記光源2については、光を放射状に出射するものであればよく、上述したLED以外にも、例えばレーザーダイオード(LD)などの発光素子を用いることができる。また、複数の光源2を並べた構成に必ずしも限定されるものではない。
【0045】
また、上記導光体4については、光源2から出射された光Kの光軸AXと直交する一の方向の寸法よりも光軸AX及び一の方向と直交する他の方向の寸法が長くなる形状(導光部7)を有するものであればよく、上述したリング形状を有するものに限らず、その形状について適宜変更することが可能である。
【0046】
なお、上記実施形態では、上記車両用灯具1をリアコンビネーションランプが備えるテールランプに適用した場合を例示しているが、本発明が適用される車両用灯具については、上述したテールランプのようなリア側の車両用灯具に限らず、フロント側の車両用灯具に本発明を適用することも可能である。
【0047】
すなわち、本発明が適用される車両用灯具については、上述したテールランプ以外にも、例えば、ブレーキランプやバックランプ、昼間点灯ランプ(DRL)、車幅灯(ポジションランプ)、方向指示器(ターンランプ)などの車両用灯具に対して、本発明を幅広く適用することが可能である。また、光源が発する光の色については、上述した赤色光に限らず、白色光や橙色光など、その車両用灯具の用途に応じて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…車両用灯具 2…光源 3…回路基板 4…導光体 5…シェード 5a…開口部 6…エクステンション 7…導光部 8…入射部 8a…第1の入射面 8b…第2の入射面 9…出射部 10…突出部 11…溝部