IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大王製紙株式会社の特許一覧

特許7579713シート包装体用蓋材及び蓋材付シート包装体
<>
  • 特許-シート包装体用蓋材及び蓋材付シート包装体 図1
  • 特許-シート包装体用蓋材及び蓋材付シート包装体 図2
  • 特許-シート包装体用蓋材及び蓋材付シート包装体 図3
  • 特許-シート包装体用蓋材及び蓋材付シート包装体 図4
  • 特許-シート包装体用蓋材及び蓋材付シート包装体 図5
  • 特許-シート包装体用蓋材及び蓋材付シート包装体 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】シート包装体用蓋材及び蓋材付シート包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20241031BHJP
   B65D 77/30 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B65D83/08 B
B65D83/08 D
B65D77/30 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021012337
(22)【出願日】2021-01-28
(65)【公開番号】P2022115655
(43)【公開日】2022-08-09
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】鬼澤 里奈
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-285173(JP,A)
【文献】特開平11-115952(JP,A)
【文献】特開2014-234160(JP,A)
【文献】国際公開第2012/047143(WO,A1)
【文献】特開2006-123949(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0038016(US,A1)
【文献】Kanro,100均の不思議な輪っかで、料理にまつわるイライラが解消されるってどういうこと?|マイ定番スタイル, ROOMIE(ルーミー),[オンライン],2019年02月13日,[検索日 2024.06.17], インターネット: <URL: https://web.archive.org/ web/20190213025119/https://www.roomie.jp/2019/02/489965/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
B65D 77/30
B65D 33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にロール状のシートを収納するフィルム状のシート包装体に設けられた開口部を閉塞するように前記シート包装体に着脱自在に取り付けられるシート包装体用蓋材であって、
側面部のうち内面側の下方部に雌ネジ部を備え、前記開口部を覆う蓋部材と、
前記蓋部材を前記シート包装体に取り付ける装着部材と、を備え、
前記蓋部材は、前記シートを取り出す際に抵抗を掛ける取出孔を備えた取出部と、
前記取出孔を閉塞する蓋部と、を備え
前記装着部材は、その外側面部に前記開口部周辺の前記シート包装体が当接される輪状部材と、接続部を始点として開閉することで、前記シート包装体及び前記輪状部材を外側から挟み込む固定部材と、を備え、
前記固定部材は、外面側の上端部から前記雌ネジ部と螺合する雄ネジ部を備えることを特徴とするシート包装体用蓋材。
【請求項2】
前記蓋部材と前記装着部材との間を気密にするシール部材を備えることを特徴とする請求項1に記載のシート包装体用蓋材。
【請求項3】
内部にロール状のシートを収納するシート包装体と、
前記シート包装体に設けられた開口部を閉塞するように前記シート包装体に着脱自在に取り付けられるシート包装体用蓋材と、を備え、
前記シート包装体用蓋材は、側面部のうち内面側の下方部に雌ネジ部を備え、前記開口部を覆う蓋部材と、
前記蓋部材を前記シート包装体に取り付ける装着部材と、を備え、
前記シート包装体は、所定の柔軟性を有するフィルムによって形成され、
前記蓋部材は、前記シートを取り出す際に抵抗を掛ける取出孔を備えた取出部と、
前記取出孔を閉塞する蓋部と、を備え
前記装着部材は、その外側面部に前記開口部周辺の前記シート包装体が当接される輪状部材と、接続部を始点として開閉することで、前記シート包装体及び前記輪状部材を外側から挟み込む固定部材と、を備え、
前記固定部材は、外面側の上端部から前記雌ネジ部と螺合する雄ネジ部を備えることを特徴とする蓋材付シート包装体。
【請求項4】
前記シート包装体の少なくとも一端側に、所定の吊下げ部材に掛止される掛止部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の蓋材付シート包装体。
【請求項5】
前記蓋部材と前記装着部材との間を気密にするシール部材を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の蓋材付シート包装体。
【請求項6】
前記シートは、ウェットシートであることを特徴とする請求項5に記載の蓋材付シート包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート包装体用蓋材及び蓋材付シート包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール状のウェットシートをシート包装体からポリエチレン等のプラスチックによって形成された収納容器に移し替えて収納し、当該収納容器からシートを取り出して使用する、一般に「ボトルタイプ」と呼ばれる衛生用薄葉紙収納容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6564480号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の衛生用薄葉紙収納容器は、材料としてプラスチックを好適なものとしているが、プラスチックは剛性を有するため、収納されたウェットシートの量が減っても、当該ウェットシートの外形よりも大きい設置スペースを要するという問題点を抱えている。加えて、当該衛生用薄葉紙収納容器を破棄する際も、嵩張りやすいためごみの量が増えて環境に優しくないという問題点を抱えている。
【0005】
本発明の目的は、シート包装体の省スペース化が可能であり、環境に優しいシート包装体用蓋材及び蓋材付シート包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、シート包装体用蓋材であって、
内部にロール状のシートを収納するフィルム状のシート包装体に設けられた開口部を閉塞するように前記シート包装体に着脱自在に取り付けられるシート包装体用蓋材であって、
側面部のうち内面側の下方部に雌ネジ部を備え、前記開口部を覆う蓋部材と、
前記蓋部材を前記シート包装体に取り付ける装着部材と、を備え、
前記蓋部材は、前記シートを取り出す際に抵抗を掛ける取出孔を備えた取出部と、
前記取出孔を閉塞する蓋部と、を備え
前記装着部材は、その外側面部に前記開口部周辺の前記シート包装体が当接される輪状部材と、接続部を始点として開閉することで、前記シート包装体及び前記輪状部材を外側から挟み込む固定部材と、を備え、
前記固定部材は、外面側の上端部から前記雌ネジ部と螺合する雄ネジ部を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシート包装体用蓋材であって、
前記蓋部材と前記装着部材との間を気密にするシール部材を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、蓋材付シート包装体であって、
内部にロール状のシートを収納するシート包装体と、
前記シート包装体に設けられた開口部を閉塞するように前記シート包装体に着脱自在に取り付けられるシート包装体用蓋材と、を備え、
前記シート包装体用蓋材は、側面部のうち内面側の下方部に雌ネジ部を備え、前記開口部を覆う蓋部材と、
前記蓋部材を前記シート包装体に取り付ける装着部材と、を備え、
前記シート包装体は、所定の柔軟性を有するフィルムによって形成され、
前記蓋部材は、前記シートを取り出す際に抵抗を掛ける取出孔を備えた取出部と、
前記取出孔を閉塞する蓋部と、を備え
前記装着部材は、その外側面部に前記開口部周辺の前記シート包装体が当接される輪状部材と、接続部を始点として開閉することで、前記シート包装体及び前記輪状部材を外側から挟み込む固定部材と、を備え、
前記固定部材は、外面側の上端部から前記雌ネジ部と螺合する雄ネジ部を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の蓋材付シート包装体であって、
前記シート包装体の少なくとも一端側に、所定の吊下げ部材に掛止される掛止部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の蓋材付シート包装体であって、
前記蓋部材と前記装着部材との間を気密にするシール部材を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の蓋材付シート包装体であって、
前記シートは、ウェットシートであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シート包装体の省スペース化が可能であり、環境に優しいシート包装体用蓋材及び蓋材付シート包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る蓋材付シート包装体の斜視図である。
図2】本実施形態に係る蓋材付シート包装体の、使用時の状態を示す斜視図である。
図3】本実施形態に係るシート包装体用蓋材を示す斜視図である。
図4図3のIV-IV線による断面図である。
図5】(a)~(c)はいずれも本実施形態に係るシート包装体用蓋材の分解斜視図である。
図6】変形例に係るシート包装体用蓋材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係るシート包装体用蓋材及びシート包装体の実施形態について詳細に説明する。
ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
なお、以下においては、図1に示すように、上下方向、左右方向及び前後方向並びにX軸、Y軸及びZ軸を定めて説明する。すなわち、蓋材付シート包装体100において、第1端側のエンドシール部111が形成される側を上、第2端側のエンドシール部111が形成される側を下、第1端側のエンドシール部111を上側に配した際の左手側を左、右手側を右、上下方向及び左右方向と垂直に交わる方向のうち、一方を前、他方を後とし、前後方向に沿った軸をX軸、左右方向に沿った軸をY軸、上下方向に沿った軸をZ軸とする。
【0015】
[シート包装体]
本実施形態の蓋材付シート包装体100は、例えば、図1に示すように、複数枚のロール状のシートPを包装するフィルム状のシート包装体110に設けられた開口部を覆うようにシート包装体用蓋材120が取り付けられ、使用時は、図2に示すように、蓋部材121の蓋部121aを開放することで、シート包装体110内のシートPを取り出せるようにしたものである。
【0016】
[シート]
シートPは、シート包装体110内において、Z軸方向(高さ方向)に沿ってロール状に巻かれ、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目が施され、当該ミシン目に沿って切り離されたシートPを使用する、例えばシート材に薬液が含浸されたウェットシートであり、ウェットティッシュー、キッチンクリーナー、トイレクリーナー、制汗シート等である。
【0017】
シートPのシート材は、所定の繊維を繊維素材として、例えば、スパンレース、エアスルー、エアレイド、ポイントボンド、スパンボンド、ニードルパンチ等の周知の技術により製造される不織布であることが好ましい。
所定の繊維としては、例えば、レーヨン、リヨセル、テンセル、コットン等のセルロース系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド系繊維が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0018】
また、シートPに含浸される薬液としては、シートPの用途に応じて任意のものを用いることができるが、例えば、精製水、防腐剤、pH調整剤、界面活性剤等を含有するものが好ましい。
なお、シートPはウェットシートに限られず、ドライシートであってもよい。
【0019】
[シート包装体]
シート包装体110は、図1及び図2に示すように、柔軟性を有するシート状のフィルムによって袋状に形成されたものである。
シート状のフィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂フィルムの単材もしくは複合材、又はこれら合成樹脂フィルムとアルミホイルもしくは紙等を貼り合わせた複合フィルムを使用することができ、厚みは、40μmから70μmであることが好ましい。
【0020】
このシート包装体110は、シート状のフィルムの対向する辺同士を接合して、図示しないセンターシール部(シート包装体110の後面側に形成されている)を形成した上で、筒状となったフィルムの内部にロール状のシートPを収めた後、筒状のフィルムの両端の孔部を接合して2か所のエンドシール部111、111を形成するようにして、複数枚のシートPを内包したピロー型の包装体に形成されている。
シート包装体110の大きさは、収容されるロール状のシートPの大きさに応じて定められるが、シート包装体110を不必要に大きくすることなく、かつ使用時におけるシートPの取り出しが困難とならないように、複数枚のシートPを若干の余裕をもって収容できる大きさであることが好ましい。
【0021】
(吊り穴)
シート包装体110の端部である2つのエンドシール部111、111のうちの少なくとも1つには、蓋材付シート包装体100を所定の吊下げ部材に吊下げるための吊り穴11が設けられている。
吊り穴11は、フック等の所定の吊下げ部材に掛止される掛止部として機能し、壁面等に取り付けられているフックに第1端側の吊り穴11を掛止するようにすれば、シート包装体110の第2端側のエンドシール部111を下にして、蓋材付シート包装体100をフック等から吊下げて設置することができる。
なお、シート包装体110のエンドシール部111は掛止部の一部であって、当該エンドシール部111と吊り穴11とによって掛止部が構成されていてもよい。
【0022】
[シート包装体用蓋材]
シート包装体用蓋材120は、シート包装体110に設けられた開口部を閉塞するように着脱自在となるように形成されており、シート包装体110内の密閉性を保つとともに、必要に応じてシート包装体110の内部に収納されたシートPを取り出す取出部材となる蓋材であり、図3及び図4に示すように、少なくとも蓋部材121と、装着部材122とを備える。
【0023】
なお、シート包装体用蓋材120としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂等の、一定の強度を有し、シートPがウェットシートである場合に含まれるアルコールや、薬液による湿潤に対する耐性を有するものであればよく、公知の素材を用いることができる。
【0024】
(蓋部材)
蓋部材121は、図3に示すように、例えば上面視円形の部材であって、上面部には、取出孔121d(後述)を閉塞する蓋である蓋部121aを備える。また、図4に示すように、側面部のうち内面側の下方部に、雄ネジ部1221c(後述)と螺合する円筒状の雌ネジ部121bを備え、雌ネジ部121bの孔部内に取出部121cを備える。
【0025】
(取出部)
取出部121cは、図5(a)に示すように、例えば、スチレン-ブタジエン系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ウレタン系等のエラストマー等の弾性変形可能な素材からなる、略円柱状に形成された部材であって、シートPを取り出すための孔部である取出孔121dが形成されている中央部に比べて周辺部が肉厚となるように構成されており、蓋部材121の孔部内に固定されている。
【0026】
(取出孔)
取出孔121dとしては、シートPを取り出す際に抵抗を掛けて1枚ずつ取り出すことができればよく、任意の形状とすることができるが、例えば図5(a)に示すように、2本の直線が十字状に交差し、当該直線の第1端が交差する部分に第1円形部を設け、当該直線の第2端に、第1円形部よりも直径が小さい第2円形部を設けるような構成とすると、取出孔121dにおけるシートPの保持性と、シートPの取り出しやすさを両立することができるため、好ましい。
【0027】
取出部121cは、取出孔121dの周囲が上記したような弾性変形可能な素材によって形成されていることで、シートPに対して適切な抵抗を掛けることができ、シート包装体110内に収納されたシートPが引き出された後に、次のシートPを保持する機能を果たす。また、シートPに設けられている切断用のミシン目で、これを切断することを可能とする。
【0028】
(装着部材)
装着部材122は、シート包装体110に蓋部材121を装着するための部材であって、図4に示すように、例えば上面視円形の部材である固定部材1221と、固定部材1221よりも僅かに小さい上面視円形の部材である輪状部材1222と、を備える。
【0029】
(固定部材)
固定部材1221は、図5(b)に示すように、上面視円形の部材が、互いに等しい大きさの半円となるように切断され、両半円の側面部のうち外面側の第1端部同士が、固定部材1221と比較して薄い接続部1221aによって接続されている。そのため、固定部材1221は、接続部1221aを支点として、開閉自在とすることができる。
また、図4及び図5(b)に示すように、固定部材1221は、側面部のうち内面側の下部に、輪状部材1222の凸部1222a(後述)と当接する凹部1221bを備えるとともに、外面側の上端部から雄ネジ部1221cを備える。
【0030】
(輪状部材)
輪状部材1222は、図5(c)に示すように、外径は上部よりも下部の方が大きくなるように形成され、側面部のうち外面側の上部に凹部1221bと当接する凸部1222aを備える。また、輪状部材1222の下端部の互いに対向する箇所には、シート包装体用蓋材120をシート包装体110に取り付ける際に、当該輪状部材1222を凸部1222aに触れずに指で摘まむための摘まみ部1222b、1222bが下方に突出するように設けられている。
【0031】
(シール部材)
シール部材123は、図5(b)に示すように、例えば雄ネジ部1221cの下端部に設けられたゴム等の弾性部材であって、蓋部材121の下端部と当接することで、蓋部材121と装着部材122の密着性を高め、シート包装体110内の気密性を高めるための部材である。
なお、蓋部材121及び装着部材122が本実施形態に示すような形状である場合、雌ネジ部121bの下端部にシール部材123を設けても構わないが、雌ネジ部121bと雄ネジ部1221cを螺合させる際の抵抗が強くなるため、雄ネジ部1221cの下端部に設けるのが好ましい。
【0032】
(シート包装体用蓋材の取り付け方)
上記したようなシート包装体用蓋材120をシート包装体110に取り付けるにあたっては、以下(1)~(3)に示す手順の通りにすればよい。
【0033】
(1)シート包装体110の一部(図1及び図2においては第2端側のエンドシール部111の略中央部)に所定の大きさの開口部を設け、当該開口部周辺のシート包装体110が輪状部材1222の外側面部と当接するように、開口部内に輪状部材1222を入れる。このとき、摘まみ部1222b、1222bを一方の手の指で摘まみ、他方の手で輪状部材1222の孔部からシートPの一端部が出るようにする。
(2)接続部1221aを支点として固定部材1221を開き、シート包装体110の上から、凸部1222aと凹部1221bとが当接するように、輪状部材1222を挟んで閉める。
(3)シートPの一端部が取出孔121dから出るようにした上で、シール部材123と蓋部材121の下端部とが当接するまで、蓋部材121を回動させて、雌ネジ部121bと雄ネジ部1221cを螺合させて、全体を閉める。
【0034】
[発明の効果]
本実施形態に係るシート包装体用蓋材120を、シート包装体110に設けられた開口部を覆うように取り付けることでなる、図1に示すような蓋材付シート包装体100は、衛生用薄葉紙収納容器として使用することができる。
本実施形態に係る蓋材付シート包装体100は、従来のロール状のシートを収納するプラスチックからなる衛生用薄葉紙収納容器に相当するシート包装体110が、柔軟性を有するシート状のフィルムからなるため、多少の変形をすることができ、棚の隙間部等にも設置することができるため、省スペース化することができ、持ち運びも容易である。
【0035】
また、シート包装体用蓋材120は、シート包装体110とは別体かつ着脱自在であるため、シート包装体110に収納された全てのシートPを使い切った際は、シート包装体用蓋材120を取り外し、シート包装体110のみを廃棄すればよく、従来のボトル状の衛生用薄葉紙収納容器が必要なくなり、プラスチックごみを少なくすることができるため、環境に優しくなる。
【0036】
また、シート包装体用蓋材120は、取出孔121dを備える取出部121cを備えるため、シート包装体110から取り出されたシートPの端部を適切に保持するとともに、抵抗を掛けることでシートPを適切に取り出すことができる。
【0037】
また、シート包装体110の少なくとも第1端側のエンドシール部111に吊り穴11が設けられているため、当該吊り穴11をフック等に掛止することで、蓋材付シート包装体100をフック等から吊下げることができる。
このような蓋材付シート包装体100であれば、ユーザーが所望する箇所にフック等を固定し、当該フック等に吊り穴11を掛止するようにすれば、キッチンや洗面所等のユーザーが使いやすい場所に蓋材付シート包装体100を吊下げて設置することができる。
【0038】
また、例えば、第1端側のエンドシール部111の吊り穴11をフック等に掛止している場合、第2端側のエンドシール部111にシート包装体用蓋材120を取り付けると、ユーザーがシートPを取り出そうとする下向きの力に対して、フック等が蓋材付シート包装体100を担持する上向きの力が働くため、ユーザーがシート包装体110を手で押さえなくてもよく、片手でシートPを取り出すことができる。
【0039】
また、蓋部材121と装着部材122との間を気密にするシール部材123を備えるため、蓋部材121を装着部材122に装着する際に両部材の密着度を高めることができ、シート包装体110内に収納されたシートPがウェットシートである場合は、薬液の蒸散をより抑制することができる。
【0040】
[変形例;シート包装体用蓋材]
上記においては、シート包装体用蓋材120として、互いに独立した部材である蓋部材121と装着部材122とを組み合わせたものを例示したが、これに限られず、例えば図6に示すような、下方に突出した蓋部材121と、左右方向に回動自在であり、蓋部材121を挟持するようなクリップ状の装着部材122が一体であるシート包装体用蓋材120を用いてもよい。
また、蓋部121aも、取出孔121dを閉塞することができるものであればよく、図5に示すような蓋部材121の上面部に固定された開閉式のものに限られず、図6に示すような着脱自在な装着式のものでも構わない。
【0041】
このようなシート包装体用蓋材120の場合は、シート包装体110に開口部を設け、装着部材122から突出した蓋部材121の下方部をシート包装体110内に入れ、装着部材122によりシート包装体110の開口部を挟み込むようにすることで、シート包装体110にシート包装体用蓋材120を取り付けることができる。
シート包装体用蓋材120がこのような形状である場合、装着部材122によってシート包装体110を挟み込むことでシート包装体用蓋材120をシート包装体110に取り付けるため、シート包装体用蓋材120の周辺のシート包装体110の変形を小さくすることができる。
【0042】
また、上記においては、蓋部材121と、装着部材122をなす固定部材1221と、輪状部材1222とは、それぞれ別々の独立した部材であるとしたが、これに限られず、例えば、固定部材1221と一体である蓋部材121が内側面側の下端部から雌ネジを備え、輪状部材1222が外面側の上端部から雌ネジと螺合する雄ネジを備え、蓋部材121と輪状部材1222によって開口部周辺のシート包装体110を挟むことで、シート包装体用蓋材120をシート包装体110に取り付けるものとしても構わない。
【0043】
なお、上記したような3つの形態は、あくまで一例であって、シート包装体用蓋材120としては、蓋部材121と、蓋部材121をシート包装体110に取り付ける装着部材122と、を備え、蓋部材121が、シートPを取り出す際に抵抗を掛ける取出孔121dを備えた取出部121cと、取出孔121dを閉塞する蓋部121aを備え、内部にロール状のシートPを収納するフィルム状のシート包装体110に設けられた開口部を閉塞するようにシート包装体110に着脱自在に取り付けられればよく、その形状や取り付け方は適宜任意のものを用いることができる。
【0044】
[変形例;その他の構成]
上記においては、吊下げ部材としてフック等を用いるものとしたが、これに限られず、例えば、壁面に予め設けられている突起や、壁面に打ち込んだ釘や鋲などに吊り穴11を掛止して、蓋材付シート包装体100を吊下げるようにしてもよい。
【0045】
また、蓋材付シート包装体100の掛止部は吊り穴11に限らず、例えば、エンドシール部111に固着された樹脂製のリングなどであってもよく、壁面に蓋材付シート包装体100を吊下げるためのものであれば任意である。
【0046】
また、図1及び図2においては、シート包装体110のうち第2端側のエンドシール部111の略中央部を切断して開口部を設けるものとしたが、これに限られず、エンドシール部111の一端部を切断するようにしてもよく、また、エンドシール部111の全体を切断するようにしても構わない。
【0047】
また、本実施形態においては、Z軸方向(上下方向)に沿ってロール状に巻かれた状態でシートPが収納されている場合を例示したため、エンドシール部111に開口部を設けるものとしたが、これに限られず、例えば、X軸方向(前後方向)に沿ってロール状に巻かれた状態でシートPをシート包装体110に収納するようにしてもよく、この場合はシートPをシート包装体110の前面部に開口部を設けるようにするのが好ましい。
【0048】
ただし、例えばシート包装体110内において、Z軸方向に沿ってロール状に巻かれた状態でシートPが収納されているにも拘わらず、ユーザーがシート包装体110の前面部に開口部を設けてしまった場合は、収納されたシートPを取り出すのが困難になってしまう。そのため、予めシート包装体110に開口部を設け、当該開口部を覆うように剥離可能なシールを貼付したり、シート包装体110の切り取り箇所をシート包装体110に表記したりするのが望ましい。
【0049】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0050】
100 蓋材付シート包装体
110 シート包装体
11 吊り穴(掛止部)
120 シート包装体用蓋材
121 蓋部材
121a 蓋部
121c 取出部
121d 取出孔
122 装着部材
123 シール部材
P シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6