(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】試験装置
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
G01R31/00
(21)【出願番号】P 2021132119
(22)【出願日】2021-08-16
【審査請求日】2023-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小峰 幸子
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 辰二
(72)【発明者】
【氏名】梶山 輝明
【審査官】越川 康弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-169618(JP,A)
【文献】実開昭48-022571(JP,U)
【文献】実開昭61-079572(JP,U)
【文献】特開昭51-052702(JP,A)
【文献】特開2012-247824(JP,A)
【文献】特開2011-027558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のケースに納められた測定器
と、
第二のケースに納められた試験部
と、
第三のケースに納められた操作端末と、
第四のケースに納められ、被試験器と
、前記操作端末と
、前記測定器または前記試験部
の少なくとも一方とをケーブルを介して接続する接続部と、
を備え、
前記操作端末および前記接続部は、試験に必須の構成品であり、
前記第一のケース、前記第二のケース、前記第三のケースおよび前記第四のケースは、積み上げて組み立てることが可能であり、
前記操作端末は、前記接続部と前記測定器または前記試験部の少なくとも一方とを制御するよう構成され、
且つ、前記操作端末は、第一の操作画面
および第二の操作画面を有し、
前記第一の操作画面において選択された被試験器および該被試験器の試験内容に基づいて前記測定器および前記試験部のうち試験に必要な構成品を表示し
、
前記第二の操作画面において前記試験に必要な構成品および前記必須の構成品の接続図および該接続図に対応して接続されるケーブルを表示し、
ユーザが前記試験に必要な構成品および前記必須の構成品を前記組み立てにより配置し、前記ユーザが前記表示された前記接続図に従い前記試験に必要な構成品および前記必須の構成品の接続を完了した後、前記
操作端末が前記試験に必要な構成品および前記必須の構成品の接続確認を実施することで前記試験に必要な構成品が使用可能であることを確認し、試験実施可能な試験項目を表示するよう構成された
、
試験装置。
【請求項2】
請求項1の試験装置において、
前記測定器は汎用の測定器であり、前記試験部は前記被試験器に専用に使用される試験器であり、前記操作端末および前記接続部は必須の構成品である試験装置。
【請求項3】
請求項2の試験装置において、
前記操作端末は第二の操作画面を有し、前記試験に必要な構成品および前記必須の構成品の接続図および該接続図に対応して接続されるケーブルを前記第二の操作画面に表示するよう構成される試験装置。
【請求項4】
請求項3の試験装置において、
前記操作端末は第三の操作画面を有し、前記試験に必要な構成品および前記必須の構成品の配置図を前記第三の操作画面に表示するよう構成される試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は試験装置に関し、例えば、無線機等の被試験器に対して性能試験等を行う試験装置に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
試験装置は、固定式のラック構造となっており、建屋内等に設置して使用するものである。また、複数の被試験器の試験が実施可能な統合試験器のため、試験対象である被試験器の試験を実行するために必要な測定器や専用試験器は全てラック内に収納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように試験装置は建屋内に設置して使用するため、試験を実施するためには、被試験器を試験装置の設置場所まで持ち込み、試験を行なわなければならず、被試験器の運用先が離れていると、緊急時等に試験が実施できない。
【0005】
本開示の課題は、必要時に被試験器の近傍や試験場所を選ばずに試験を実施可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、試験装置は、第一のケースに納められた測定器または第二のケースに納められた試験部と、第三のケースに納められた操作端末と、第四のケースに納められ、被試験器と前記操作端末と前記測定器または前記試験部とをケーブルを介して接続する接続部と、を備える。前記操作端末は、前記接続部と前記測定器または前記試験部とを制御するよう構成され、前記第一のケース、前記第二のケース、前記第三のケースおよび前記第四のケースは、それぞれ、積み上げて組み立てることが可能である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、被試験器の近傍や試験場所を選ばずに試験を実施することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は比較例における試験装置の外観に示す正面図である。
【
図2】
図2は実施形態における可搬型の試験装置の外観を示す正面図である。
【
図3】
図3(a)は試験部が格納されたケースの上面図であり、
図3(b)は試験部が格納されたケースの正面図であり、
図3(c)は試験部が格納されたケースの右側面図であり、
図3(d)は試験部が格納されたケースの左側面図である。
【
図4】
図4は実施形態における可搬型の試験装置の別の外観を示す正面図である。
【
図5】
図5は実施形態における試験装置の試験準備の手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は操作端末における構成品準備の操作画面例を示す図である。
【
図7】
図7は操作端末における構成品間の接続の操作画面例を示す図である。
【
図8】
図8(a)は
図2に示すように構成品が配置された場合の操作端末における接続確認の操作画面例を示す図である。
図8(b)は
図4に示すように構成品が配置された場合の操作端末における接続確認の操作画面例を示す図である。
【
図9】
図9は実施形態における試験用ケーブルの収納を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。
【0010】
本開示の実施形態を明確にするため、比較例におけるラック型の試験装置について
図1を用いて説明する。
図1は比較例における試験装置の外観に示す図である。
【0011】
比較例における試験装置100は、各種の汎用測定器120、信号切換等を行う測定経路切換器140、試験信号切換制御、汎用測定器120の測定モードの設定、測定データの記憶・表示などを行う操作端末110を主な構成としている。試験対象である被試験器130を試験装置100に接続して試験を行う。
【0012】
試験装置100は、複数の被試験器130の試験を実施するために必要な構成品(汎用測定器120、専用試験器等)を全て固定ラック150に格納する。そして、操作端末110が被試験器130を選択することで、被試験器130の試験に必要な構成品を選択して制御し、試験を実施する。
【0013】
試験装置100は、固定式のラック構造となっており、建屋内等に設置して使用するものである。また、試験装置100は、複数の被試験器130の試験が実施可能な統合試験器装置であるため、被試験器130の試験を実行するために必要な構成品(汎用測定器や専用試験器)は全てラック内に収納され、接続済みとなっている。ユーザは操作端末110から被試験器130の選択、試験項目の選択(任意)を行い、試験を実行する。
【0014】
上述したように試験装置100は建屋内に設置して使用するため、試験を実施するためには、被試験器130を試験装置100の設置場所まで持ち込み、試験を行なわなければならず、被試験器130の運用先が離れていると、緊急時等に試験が実施できない。比較例における試験装置100の場合、ラック単位での分解、移動は可能となるが、組立時には全てのラックを決められた順序に並べ接続する必要がある。
【0015】
実施形態における試験装置は可搬型にする。ただし、可搬型とする場合、試験対象となる被試験器の試験に必要な構成品が揃っていないと試験ができないため、試験準備として必要な構成品を準備し接続しなければならない。また、比較例におけるラック型の試験装置100と異なり、試験の都度、構成品の構築を行うので、必要な構成品が揃っていないと試験が実施できない。
【0016】
そこで、本実施形態における試験装置では、試験装置の構成品(測定器、専用試験器、経路切替器等)を必要に応じ接続し、試験を実施する。このため、操作端末起動時に、試験を実施したい被試験器を選択させ、試験に必要な構成品情報を表示し、その構成品を接続することで試験が実行できる。構成品接続後、操作端末は構成品の接続確認を実施することで、構成品が使用可能であることを確認し、試験実施可能な試験項目を表示することができる。
【0017】
本実施形態における試験装置の構成について
図2を用いて説明する。
図2は実施形態における可搬型の試験装置の外観を示す正面図である。
【0018】
実施形態における試験装置10は複数の構成品により構成される。構成品は、例えば、操作端末110、測定器120、接続部160および試験部170などである。各構成品は一つのケース20に格納され、複数のケース20により試験装置10が構成される。被試験器130は、例えば、搬送装置30に載置される。
【0019】
試験装置10は構成品単位での分解が可能であり、試験実施場所へ運搬し、組み立てて試験実施が可能である。
図2では、一つのケース20に一つの構成品が格納されているが、運搬可能な大きさや重量であれば、一つのケース20に複数の構成品を格納することも可能である。
【0020】
操作端末110は、試験用のソフトウェアを記憶しており、試験を実施する際には、被試験器130と試験装置10とが後述する試験用ケーブル180で接続され、所定の試験を実行する。
【0021】
操作端末110は、測定器120、接続部160および試験部170を制御する。接続部160は信号切換等を行う測定経路切換器を含む。具体的には、操作端末110は、試験内容に応じて使用する測定器120または試験部170に試験信号を入力させるように測定経路を切り替えるため、接続部160に対して、測定経路切換信号を送信する。操作端末110は測定器120または試験部170の測定モードの設定、測定データの記憶・表示などを行う。
【0022】
操作端末110は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリなどを含む本体、キーボードおよび表示装置などを含む入出力装置、他の装置との通信を行う通信装置、および、CD装置およびHDD装置などの記録媒体に対するデータの記録および再生を行う記録装置から構成される。つまり、操作端末110は、情報処理および他の装置との通信が可能なコンピュータとしてのハードウェア構成部分を有している。
【0023】
測定器120は、汎用の測定機器であって、操作端末110が実行する試験で使用され、被試験器130から出力された試験信号を、接続部160を介して受信して所定の測定を行う。なお、例えば、通信・航法装置の測定に用いる汎用の測定器120には、デジタルオシロスコープ、シンセサイズド信号発生器、モジュレーション・アナライザ、低周波分析器およびスペクトラム・アナライザなどがある。
【0024】
試験部170は各被試験器130について専用に使用される試験器であって、接続部160を介して被試験器130から出力される試験信号を受信して所定の測定を行う。
【0025】
ここで、試験装置10の実測時の動作について説明する。
【0026】
先ず、操作端末110にて選択された試験項目に応じて、操作端末110から接続部160に対して測定経路切換信号が出力され、接続部160では、低周波信号、高周波信号の接続経路、CMOS又はTTLレベルでのディスクリート信号の経路設定が行われる。
【0027】
また、操作端末110より各種の測定器120または試験部170に対して測定器設定信号が出力されて、GP-IB、RS-232C等の通信インターフェイス基準により各種の測定器120または試験部170に対して周波数などの測定条件の設定が行われる。
【0028】
以上の接続部160および各種の測定器120の設定が完了すれば、接続部160に接続された被試験器130に対して、測定器120のうち信号発生器から出力された低周波および高周波などの試験信号が入力され、性能測定試験に入る。
【0029】
次に、被試験器130では、入力された信号に対応して、送信出力又は受信出力などが接続部160を経由してスペクトラム・アナライザなどの測定器120に、被試験器データとして転送される。
【0030】
送信出力又は受信出力などの測定のために、測定系として割り付けられた測定器120では所定の測定が行われ、その測定結果の出力は、測定結果のデータとして操作端末110に転送される。
【0031】
測定データとして入力された操作端末110では、要求基準との差値の算出およびその良否判定などを行って、その結果を試験結果としてのデータの一覧表に編集され、これを操作端末110の表示部に表示し、かつ、測定データとしてメモリに記憶される。
【0032】
これらの試験結果は、試験が行われる都度のデータ毎に日時管理されてメモリに記憶・保存される。
【0033】
続いて、ケース20について
図3を用いて説明する。
図3(a)は試験部が格納されたケースの上面図であり、
図3(b)は試験部が格納されたケースの正面図であり、
図3(c)は試験部が格納されたケースの右側面図であり、
図3(d)は試験部が格納されたケースの左側面図である。
【0034】
ケース20は二つの枠状部材21a,21bおよび四つの板状部材21c,21d,21e,21fを八つの継手22a~22hにジョイントさせた立体状の枠体で構成される。ケース20の右下および左下の板状部材21e,21fにはそれぞれ下段のケースの右上および左上の板状部材21c,21dと嵌合するための部位を有する。また、ケース20の右上および左上の板状部材21c,21dにはそれぞれ上段のケースの右下および左下の板状部材21e,21fと嵌合するための部位を有する。
【0035】
枠状部材21a,21bの幅方向の長さおよび板状部材21c,21d,21e,21fの長さは、全てのケースで同じであるが、枠状部材21a,21bの高さは構成品の高さに合わせて変更され得る。
【0036】
続いて、試験装置10の構成品の他の配置例について
図4を用いて説明する。
図4は実施形態における可搬型の試験装置の別の外観を示す正面図である。
【0037】
図2では試験部170は縦に四段重ねて配置されているが、
図4では試験部170は二段ずつ重ね、重ねられた試験部170が横に並べて配置される。構成品の配置はこれらに限定されるものではない。
【0038】
続いて、試験装置10における試験準備の手順について
図5から
図8を用いて説明する。
図5は実施形態における試験装置の試験準備の手順を示すフローチャートである。
図6は操作端末における構成品準備の操作画面例を示す図である。
図7は操作端末における構成品間の接続の操作画面例を示す図である。
図8(a)は
図2に示すように構成品が配置された場合の操作端末における接続確認の操作画面例を示す図である。
図8(b)は
図4に示すように構成品が配置された場合の操作端末における接続確認の操作画面例を示す図である。
【0039】
試験装置10では、操作端末110、被試験器130を接続するための接続部160は必須の構成品となる。しかし、それ以外は被試験器130により必要な構成品は異なるため、選択した被試験器130の試験内容に応じた構成品を事前に準備する必要がある。このため、以下の試験手順により試験を実施する。
【0040】
図5に示すステップS1~S7の試験準備は、試験装置10に特有の手順である。ステップS8以降は比較例における試験装置100と同じ手順となる。
【0041】
図6に示すように、ユーザは、操作端末110の操作画面201において、被試験器選択201aの「器材名称」および「部品名称」から被試験器を選択する(ステップS1)。これにより、被試験器が決められる。
図6では、HF無線機の送受信機が選択された状態が示されている。操作端末110は、操作画面201の外観表示領域201bに被試験器の外観を表示することが可能である。
【0042】
操作端末110は、選択された被試験器130の試験内容から必要な構成品名称を抽出する(ステップS2)。
図6に示すように、操作端末110は、操作画面201の使用構成品201cに抽出した構成品名称を表示する(ステップS3)。操作端末110は、操作画面201の外観表示領域201bに構成品の外観を表示することが可能である。
【0043】
ユーザは、表示された構成品を集める(ステップS4)。すべての構成品があるか確認後(ステップS5)、試験場所に集めた構成品を運搬する(ステップS6)。
【0044】
図7に示すように、操作端末110は、構成品接続画面202に、接続図およびその接続図に対応して接続されるケーブルを表示する。
図7では、使用構成品が操作端末110、接続部160、第一の試験部(試験部1)170、第二の試験部(試験部2)170の場合の接続例が示されている。
【0045】
図7に示すように、ケーブルAの片方の端部が接続部160の端子W200に接続され、他方の端部が第一の試験部(試験部1)170の端子W400に接続される。ケーブルBの片方の端部が接続部160の端子W201に接続され、他方の端部が第一の試験部(試験部1)170の端子W401に接続される。
【0046】
また、ケーブルCの片方の端部が接続部160の端子W301に接続され、他方の端部が第二の試験部(試験部2)170の端子W501に接続される。ケーブルDの片方の端部が接続部160の端子W302に接続され、他方の端部が第二の試験部(試験部2)170の端子W502に接続される。
【0047】
また、ケーブルEの片方の端部が操作端末110の端子W10に接続され、他方の端部が接続部160の端子W105に接続される。ケーブルFの片方の端部が操作端末110の端子W11に接続され、他方の端部が接続部160の端子W106に接続される。
【0048】
また、操作端末110はハブ(HUB)40を介して第一の試験部(試験部1)170および第二の試験部(試験部2)170とLAN(Local Area Network)により接続される。
【0049】
ユーザは、
図7に示すような表示された接続図に従い、ステップS6で運搬した構成品を接続する(ステップS7)。接続図は構成品間の接続を示すものなので、接続可能であれば、配置はユーザが自由に配置してもよい。
【0050】
ユーザは、配置、ケーブル接続完了により、操作端末110より構成品の接続確認を実施し、試験に必要な機器が動作可能であることを確認する(ステップS8)。この時、
図8(a)に示すように、操作端末110の構成品の配置図をイメージ表示した操作画面203上で接続状態が確認できる。ただし、操作端末110は、構成品をあらかじめ決められた配置での表示(例えば、
図8(a)で表示された配置)とするため、
図4に示すように、ユーザが自由に配置した際には、
図8(a)に示される操作画面203と実物の配置が異なることになる。このため、ユーザが操作画面203に表示されている構成品の配置を自由に変更可能とし、例えば、
図8(b)に示される操作画面203の表示とする。これにより、操作画面203と実物を同じ配置とすることで、操作画面203に表示された画面での構成品状態が確認でき、異常となった構成品の場所もあわせて確認可能となる。
【0051】
接続が正常であれば試験準備が完了する。接続が正常でなければ、ユーザは操作端末110により構成品の接続を再確認する(ステップS10)。
【0052】
試験準備では、構成品を探したり、構成品間の接続をしたりすることが必要となる。そして、構成品情報および接続手順の表示は操作端末110内のソフトウェアにより実現している。このため、構成品が一箇所にまとまっていない場合、または構成品の接続時に操作端末110の画面を見るのでは不便な場合、別途タブレットPC(Personal Computer)等の携帯端末を試験準備の際には併用してもよい。
【0053】
また、無線局検査等、特定の試験を行いたい場合は、必要な構成品が限定され、少ない構成で試験が可能となることがある。被試験器の選択の際に、対象機器の試験項目一覧を表示し、実施したい試験項目をユーザが選択することにで、当該試験に必要な構成品に絞り込んでの構成品一覧表示も可能である。
【0054】
ユーザは、
図9に示す試験用ケーブル180を用いて被試験器130を試験装置10に接続して、試験を実施する。
図9は実施形態における試験用ケーブルの収納を示す図である。
【0055】
試験用ケーブル180は、例えば、電源ケーブル、RFケーブル、通信用ケーブルなどである。試験に使用される試験用ケーブル180の種類は複数あり、また、試験用ケーブル180は、被試験器130ごとに専用に使用される。
【0056】
比較例による試験装置では、試験用ケーブルも試験装置の近傍に保管されており運搬の必要が被試験器毎にまとめて箱等に収納していた。このため、接続の際には一本ずつケーブル番号の確認と接続先を確認しながら接続していた。このため、実施形態ではケーブルの運搬と接続時の時間短縮のために以下のようにケーブル収納容器190に収納する。
【0057】
試験用ケーブル180は、接続先が同じものの方向をあわせ被試験器毎にまとめて収納容器190に保管する。接続する際に接続し易いように、収納基板190aに設けられた輪190b等の中に試験用ケーブル180を一本ずつ通し、ケーブルまたは輪190bにケーブル番号および接続先の端子番号を表記することで、接続先の表記も見易くする。また、輪190b等にケーブルを通す際には、接続先の端子配置にあわせて配置することで、これにより、試験用ケーブルを一本単位でまとめて保管し、接続時には試験用ケーブルの接続方向を確認しながら接続する方法に比べて、試験準備における試験用ケーブルを探す時間、および試験実施時における被試験器と試験用ケーブルとの接続の時間を短縮できる。
【0058】
本実施形態によれば、試験実施場所を限定せず、試験が実施できる。また、試験頻度にあわせ、操作端末110と接続部160、使用度の高い構成品を追加することで、試験装置を複数構築可能となる。また、構成品の保管場所の分散が可能になる。
【0059】
以上、本開示者らによってなされた開示を実施形態に基づき具体的に説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0060】
10・・・試験装置
20・・・ケース
110・・・操作端末
120・・・測定器
130・・・被試験器
160・・・接続部
170・・・試験部