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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】発射システム
(51)【国際特許分類】
   B64D 5/00 20060101AFI20241031BHJP
   B64D 27/16 20060101ALI20241031BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20241031BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B64D5/00
B64D27/16
B64D47/08
B64C39/02
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021509181
(86)(22)【出願日】2019-08-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 IL2019050910
(87)【国際公開番号】W WO2020039424
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-07-20
(31)【優先権主張番号】262690
(32)【優先日】2018-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509082743
【氏名又は名称】イスラエル エアロスペース インダストリーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ペレグ,エヤル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレンシー,トメル
(72)【発明者】
【氏名】バルボイ,イラン
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0046372(US,A1)
【文献】特表2017-533133(JP,A)
【文献】特表2013-528528(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0299708(US,A1)
【文献】米国特許第06056237(US,A)
【文献】特開2017-171032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 5/00
B64D 27/16
B64D 47/08
B64C 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア飛行体および少なくとも1つのペイロード飛行体を備える発射システムであって、
前記ペイロード飛行体は、前記ペイロード飛行体に所望の高度における設計亜音速巡航速度での空力動力飛行を提供するように設計されたペイロード推進システムおよび空力揚力面を備え、
前記キャリア飛行体は、少なくとも1つのペイロード飛行体を搬送するように構成されており、少なくとも1つのペイロード飛行体を搬送する間に前記発射システムを推進するための固体ロケット推進システムをさらに備え、
前記キャリア飛行体は、所定の高度で前記キャリア飛行体に対してペイロード飛行体を解放するように構成されており、
前記少なくとも1つのペイロード飛行体は、正の仰角を有する照準線(LOS)を有する少なくとも1つのセンサを含み、
前記少なくとも1つのセンサは、物体を検出すること、識別すること、および追跡することのうちの少なくとも1つを可能にするように構成されており、
前記少なくとも1つのセンサは、赤外線(IR)波長、紫外線(UV)波長、および可視スペクトルのうちの少なくとも1つにおける電磁放射を受信するように構成されている、発射システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサは、前記LOSに対する視野(FOV)を有し、前記FOVは5°未満である、請求項1に記載の発射システム。
【請求項3】
前記FOVは、物体の検出、識別、および追跡のうちの少なくとも1つを可能にするように構成されている、請求項2に記載の発射システム。
【請求項4】
前記物体は、衛星、航空機、および対空ミサイルのうちのいずれか1つである、請求項3に記載の発射システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのセンサは、
-赤外線(IR)センサ、
-紫外線(UV)センサ、および
-光学セン
のうちの少なくとも1つである、請求項1~4のいずれか一項に記載の発射システム。
【請求項6】
前記光学センサは電気光学センサである、請求項5に記載の発射システム。
【請求項7】
前記発射システムは慣性プラットフォームを備え、前記少なくとも1つのセンサは、前記慣性プラットフォームに取り付けられている、請求項1~のいずれか一項に記載の発射システム。
【請求項8】
前記キャリア飛行体は、前記所望の高度で所定の前進速度を提供にするように構成されており、前記所定の前進速度は前記設計亜音速巡航速度に相関しており、前記所定の前進速度は亜音速であり、かつ、前記所定の前進速度は、ゼロと最大で前記設計亜音速巡航速度の±0.3マッハ数との間にある、請求項1~のいずれか一項に記載の発射システム。
【請求項9】
前記ペイロード飛行体は、収納構成と展開構成との間で展開可能であり、前記ペイロード飛行体は、前記キャリア飛行体によって搬送されるときに前記収納構成にあり、前記解放後に前記ペイロード飛行体は前記展開構成に展開され、前記ペイロード飛行体は、前記展開構成にあるときの前記設計亜音速巡航速度での前記空力動力飛行のために設計されている、請求項1~のいずれか一項に記載の発射システム。
【請求項10】
前記発射システムは、前記所望の高度未満で最大速度に到達するように設計されており、前記最大速度は前記設計亜音速巡航速度よりも大きい、請求項1~のいずれか一項に記載の発射システム。
【請求項11】
前記所望の高度が、少なくとも3kmである、請求項1~10のいずれか一項に記載の発射システム。
【請求項12】
前記設計亜音速巡航速度が0.7M未満である、請求項1~10のいずれか一項に記載の発射システム。
【請求項13】
前記所望の高度が少なくとも3kmであり、かつ、前記設計亜音速巡航速度が0.7M未満である、請求項1~10のいずれか一項に記載の発射システム。
【請求項14】
ペイロード飛行体を所定の高度に発射するための方法であって、
(a)前記ペイロード飛行体およびキャリア飛行体を含む発射システムを提供することであって、
-前記ペイロード飛行体は、前記ペイロード飛行体に所望の高度における設計亜音速巡航速度での空力動力飛行を可能するように設計されたペイロード推進システムおよび空力揚力面を含み、
-前記キャリア飛行体は、少なくとも1つのペイロード飛行体を搬送するように構成され、少なくとも1つのペイロード飛行体を搬送する間に前記発射システムを推進するための固体ロケット推進システムをさらに備え、
-前記キャリア飛行体は、所定の高度で前記キャリア飛行体に対してペイロード飛行体を解放するように構成され、
-前記少なくとも1つのペイロード飛行体が、照準線(LOS)を有する少なくとも1つのセンサを含み、
-前記少なくとも1つのセンサは、物体を検出すること、識別すること、および追跡することのうちの少なくとも1つを可能にするように構成されており、
-前記少なくとも1つのセンサは、赤外線(IR)波長、紫外線(UV)波長、および可視スペクトルのうちの少なくとも1つにおける電磁放射を受信するように構成されている
ことと、
(b)前記発射システムを発射し、前記発射システムに前記所望の高度に到達させることと、
(c)前記所望の高度で前記キャリア飛行体から前記ペイロード飛行体を解放することと、
(d)前記ペイロード飛行体に、前記設計亜音速巡航速度での空力動力飛行を達成させることと、
(e)前記LOSを正の仰角に位置合わせすることと、
を備える、方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのセンサは、前記LOSに対する視野(FOV)を有しており、前記FOVは5°未満である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
物体を検出すること、識別すること、および追跡することのうちの少なくとも1つのために前記少なくとも1つのセンサを使用するステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記物体は、衛星、航空機、および対空ミサイルのいずれか1つである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのセンサは、
-赤外線(IR)センサ、
-紫外線(UV)センサ、および
-光学セン
のうちの少なくとも1つである、請求項1417のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記光学センサは電気光学センサである、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、航空機に関し、特に無人航空機(UAV)に関する。
【背景技術】
【0002】
無人航空機(UAV:Unmannedaerialvehicle)は長年にわたって使用されており、様々な航空機構成および様々な用途に対応し、さらにリモート制御または自律制御が可能である。かかるUAVは、固定ウィングおよび回転ウィングの構成を含み、用途には、特に、諜報活動、監視および偵察任務が含まれ得る。
【0003】
任務によっては、亜音速巡航機能を提供する航空機構成が必要になり得、任意選択的にロイター飛行が含まれ、場合によっては高高度で行われる。揚力対抗力比の高い航空機構成、およびこれらの航空機構成の高いスパン対弦比により、亜音速巡航および高高度での性能を最適化し得る。言い換えれば、かかる航空機構成をとることは、高高度への上昇率が低いことに関連している。
【0004】
概要
本開示の主題の第1の態様によれば、キャリア飛行体および少なくとも1つのペイロード飛行体を備える発射システムが提供され、
ペイロード飛行体は、ペイロード飛行体に所望の高度における設計亜音速巡航速度での空力動力飛行を提供するように設計されたペイロード推進システムおよび空力揚力面を備えており、
キャリア飛行体は、少なくとも1つのペイロード飛行体を少なくとも所望の高度まで搬送するように構成され、発射システムを該所望の高度に推進するための該固体ロケット推進システムをさらに備えており、
キャリア飛行体は、該所望の高度で該所定の前進速度を提供にするように構成され、該所定の前進速度は該設計亜音速巡航速度に相関しており、
キャリア飛行体は、該所望の高度および該所定の前進速度で、該キャリア飛行体に対してペイロード飛行体を解放するように構成されており、
該設計亜音速巡航速度は、0.7マッハ数未満であり、
該所望の高度は、3kmよりも大きい。
【0005】
本開示の主題の第1の態様の変形例によれば、キャリア飛行体および少なくとも1つのペイロード飛行体を備える発射システムが提供され、
ペイロード飛行体は、ペイロード飛行体に所望の高度における設計亜音速巡航速度での空力動力飛行を提供するように設計されたペイロード推進システムおよび空力揚力面を備えており、
キャリア飛行体は、少なくとも1つのペイロード飛行体を少なくとも所望の高度まで搬送するように構成され、発射システムを該所望の高度に推進するための該固体ロケット推進システムをさらに備えており、
キャリア飛行体は、該所望の高度で該所定の前進速度を提供にするように構成され、該所定の前進速度は該設計亜音速巡航速度に相関しており、
キャリア飛行体は、該所望の高度および該所定の前進速度で、該キャリア飛行体に対してペイロード飛行体を解放するように構成されており、
該設計亜音速巡航速度は、0.7マッハ数未満であり、
該所望の高度は、2km、1kmのいずれか1つよりも大きい。
【0006】
本開示の主題の第1の態様の別の変形例によれば、キャリア飛行体および少なくとも1つのペイロード飛行体を備える発射システムが提供され、
ペイロード飛行体は、ペイロード飛行体に所望の高度における設計亜音速巡航速度での空力動力飛行を提供するように設計されたペイロード推進システムおよび空力揚力面を備えており、
キャリア飛行体は、少なくとも1つのペイロード飛行体を少なくとも所望の高度まで搬送するように構成され、発射システムを該所望の高度に推進するための該固体ロケット推進システムをさらに備えており、
キャリア飛行体は、該所望の高度で該所定の前進速度を提供にするように構成され、該所定の前進速度は該設計亜音速巡航速度に相関しており、
キャリア飛行体は、該所望の高度および該所定の前進速度で、該キャリア飛行体に対してペイロード飛行体を解放するように構成されており、
該設計亜音速巡航速度は、0.7マッハ数未満であり、
該所望の高度は、4km、5km、6km、7km、8km、10km、11km、12km、または12kmよりも大きい、のうちのいずれか1つよりも大きい。
【0007】
本開示の主題の第1の態様の別の変形例によれば、キャリア飛行体および少なくとも1つのペイロード飛行体を備える発射システムが提供され、
ペイロード飛行体は、ペイロード飛行体に所望の高度における設計亜音速巡航速度でのベクトル動力飛行を提供にするように設計されたペイロード推進システムを備えており、
キャリア飛行体は、少なくとも1つのペイロード飛行体を少なくとも所望の高度まで搬送するように構成され、発射システムを該所望の高度に推進するための該固体ロケット推進システムをさらに備えており、
キャリア飛行体は、該所望の高度で該所定の前進速度を提供にするように構成され、該所定の前進速度は該設計亜音速巡航速度に相関しており、
キャリア飛行体は、該所望の高度および該所定の前進速度で、該キャリア飛行体に対してペイロード飛行体を解放するように構成されている。
【0008】
例えば、該設計亜音速巡航速度は、0.7M、0.65M、0.6M、0.5M、0.45M、0.4M、0.35M、0.3M、0.25M、0.2M、のうちのいずれか1つ未満であり、および/または、該所望の高度は、1km,2km,3km,4km,5km,6km,7km,8km,10km,11km,または12kmよりも大きい、のうちのいずれか1つよりも大きい。
【0009】
本開示の主題の第1の態様、または第1の態様の少なくとも1つ以上の変形例によれば、発射システムは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を任意の組み合わせを有し得、例えば、少なくともいくつかの実施例において、該所定の前進速度は亜音速であり、該所定の前進速度はゼロ~最大±0.3マッハ数の該設計亜音速巡航速度である。
【0010】
追加的または代替的に、例えば、少なくともいくつかの実施例において、ペイロード飛行体は収納構成と展開構成との間で展開可能であり、該ペイロード飛行体は該キャリア飛行体によって搬送されるときに該収納構成にあり、該解放後に、該ペイロード飛行体は該展開構成に展開されており、該ペイロード飛行体は、該展開構成時における該設計亜音速巡航速度での該空力動力飛行のために設計されている。例えば、ペイロード飛行体は、該収納構成と該展開構成との間で可逆的に展開可能である。
【0011】
追加的または代替的に、例えば、展開構成におけるペイロード飛行体の揚力対抗力比は、少なくとも8か、または任意選択的に少なくとも9か、またはさらに任意選択的に少なくとも10か、またはさらに任意選択的に10よりも大きい。
【0012】
追加的または代替的に、例えば、該ペイロード飛行体は胴体を備えており、該収納構成において、該空力揚力面はそれぞれのスパンを胴体と位置合わせされ、展開構成において、該空力揚力面は胴体に対して角度関係にあるそれぞれのスパンを有し、該設計亜音速巡航速度での空力揚力を生成すること可能にする。
【0013】
追加的または代替的に、例えば、ペイロード飛行体は、それ自体では、該キャリア飛行体が存在しなければ、該所望の高度に到達することができない。
【0014】
追加的または代替的に、例えば、該ペイロード飛行体はロケットモーターシステムを欠いているか、または該ペイロード推進システムはそれ自体ではペイロード飛行体が該所望の高度に到達することを可能にすることができないか、または該ペイロード推進システムはそれ自体では該ペイロード飛行体が60秒未満の時間内に該所望の高度に到達することを可能にすることができないか、または該ペイロード推進システムはそれ自体ではペイロード飛行体が2分未満の時間内に該所望の高度に到達することを可能にすることができない。
【0015】
追加的または代替的に、例えば、該ロケット推進システムは、少なくとも1つの固体ロケットモーターおよび固体推進剤を備え、該発射システムを該所望の高度に推進するように構成されている。例えば、固体ロケットモーターは、約180秒~約250秒の範囲で、任意選択的に約180秒~約200秒の範囲で、さらに任意選択的に約180秒~約220秒の範囲で、ISPを提供する。
【0016】
追加的または代替的に、例えば、該発射システムは、該所望の高度未満で最大速度に到達するように設計されており、該最大速度は、該設計亜音速巡航速度よりも大きい。例えば、該ペイロード飛行体は、それ自体では、該キャリア飛行体が存在しないと該最大速度に到達することができない。
【0017】
追加的または代替的に、例えば、該最大速度は、該設計亜音速巡航速度の少なくとも1.5倍か、該設計亜音速巡航速度の少なくとも2倍か、該設計亜音速巡航速度の少なくとも3倍か、該設計亜音速巡航速度の少なくとも4倍か、該設計亜音速巡航速度の少なくとも5倍か、または該設計亜音速巡航速度の5倍よりも大きい、かである。
【0018】
追加的または代替的に、例えば、該ペイロード飛行体は、該キャリア飛行体が存在しないときに第1の平均上昇率を提供するように構成されており、該発射システムは、該所望の高度未満で第2の平均上昇率に到達するように設計されており、該第2の平均上昇率は該第1の平均上昇率よりも大きい。例えば、該ペイロード飛行体は、それ自体では、該第2の実証上昇率を達成することができない。
【0019】
追加的または代替的に、例えば、該第2の上昇率は、該第1の平均上昇率の少なくとも2倍、該第1の平均上昇率の少なくとも5倍、該第1の平均上昇率の少なくとも10倍、のうちのいずれか1つである。
【0020】
追加的または代替的に、例えば、該所望の高度は、少なくとも5km、少なくとも10km、少なくとも12km、のうちのいずれか1つとし得る。
【0021】
追加的または代替的に、例えば、該設計亜音速巡航速度は、0.65M、0.6M、0.5M、0.45M、0.4M、0.35M、0.3M、0.25M、0.2M、のうちのいずれか1つ未満である。
【0022】
追加的または代替的に、例えば、該ペイロード推進システムは、ローターに動作可能に結合された燃料燃焼エンジンおよび電気モーターのうちの少なくとも1つを備えており、任意選択的に、ローターはプロペラである。例えば、該ローターはプロペラであり、該プロペラは、プロペラ収納構成(または折り畳み構成)とプロペラ推進構成(または折り戻し構成)との間で可逆的に枢動可能(または折り畳み可能/折り戻し可能)な枢動プロペラブレードを備える。
【0023】
追加的または代替的に、例えば、該キャリア飛行体は、該固体ロケット推進システムを含む推進モジュール、および該ペイロード飛行体を支持するように構成されたペイロードモジュールを備え、推進モジュールは、ペイロードモジュールに取り外し可能に係合されており、該推進モジュールと該ペイロードモジュールとの間の脱係合により、該所望の高度および該所定の前進速度で該ペイロードモジュールからペイロード飛行体を解放することを可能にする。例えば、ペイロードモジュールは、ペイロード飛行体がキャリア飛行体によって搬送されている間にペイロード飛行体を収容するためのペイロードベイを備え、該ペイロード飛行体は、該所望の高度および該所定の前進速度で該ペイロードモジュールから解放可能である。
【0024】
追加的または代替的に、例えば、推進モジュールは、第1の所定の標的領域で回収されるように構成されている。
【0025】
追加的または代替的に、例えば、ペイロードモジュールは、第2の所定の標的領域で回収されるように構成されている。
【0026】
追加的または代替的に、例えば、該キャリア飛行体は、該ペイロード飛行体を収容するように構成されたペイロードベイを備えており、該ペイロードベイは、該所望の高度および該所定の前進速度で該ペイロードベイからペイロード飛行体を解放することを可能にするために開放可能である。例えば、該キャリア飛行体は、所定の第3の標的領域で回収されるように構成されている。
【0027】
追加的または代替的に、例えば、キャリア飛行体は、少なくとも1つのペイロード飛行体を少なくとも該所定の範囲まで搬送するようにさらに構成され、該キャリア飛行体は、該所望の高度、かつ該所定の前進速度、かつ該所定の範囲で、該キャリア飛行体に対してペイロード飛行体を解放するように構成されている。
【0028】
追加的または代替的に、例えば、該所定の前進速度は、ゼロ~該設計亜音速巡航速度の範囲内にある。
【0029】
追加的または代替的に、例えば、該キャリア飛行体の重量は、発射システムの総重量の20%~50%の範囲にある。
【0030】
追加的または代替的に、例えば、推進モジュールの重量は、発射時のキャリアシステム100の全重量の20%~50%の範囲にある。
【0031】
追加的または代替的に、例えば、キャリア飛行体は、該所望の高度および該所定の前進速度で該キャリア飛行体に対してペイロード飛行体を解放するときに、該キャリア飛行体から該固体ロケット推進システムを解放しないように構成されている。
【0032】
追加的または代替的に、例えば、キャリア飛行体は、該キャリア飛行体に対してペイロード飛行体を解放するとき、または解放した後に、ペイロード飛行体に対して展開可能なパラシュートが存在しない。
【0033】
追加的または代替的に、例えば、少なくとも1つのペイロード飛行体は、(地球の地平線に対して)正の仰角を有する照準線(LOS)を有する少なくとも1つのセンサを含む。
【0034】
追加的または代替的に、例えば、該正の仰角は、少なくともペイロード飛行体が所定の高度における設計亜音速巡航速度での空力動力飛行中であるときに、地球から離れる方向に向いている。
【0035】
追加的または代替的に、例えば、該仰角は、0°~90°の仰角範囲にある。
【0036】
追加的または代替的に、例えば、該少なくとも1つのセンサは、該LOSに対する視野(FOV)を有しており、該FOVは5°未満である。
【0037】
追加的または代替的に、例えば、該FOVは、物体の検出、識別、および追跡のうちの少なくとも1つを可能にするように構成されている。例えば、該物体は、衛星、航空機、または対空ミサイルのうちのいずれか1つである。
【0038】
追加的または代替的に、例えば、該LOSは、ペイロード飛行体に対する方位角を有し、該方位角は、ペイロード飛行体の長手方向軸に対して0°~±180°である。
【0039】
追加的または代替的に、例えば、該方位角は、ペイロード飛行体の該長手方向軸に対して+90°~+180°である。
【0040】
追加的または代替的に、例えば、該方位角は、ペイロード飛行体の該長手方向軸に対して-90°~-180°である。
【0041】
追加的または代替的に、例えば、該少なくとも1つのセンサは、赤外線(IR)波長、紫外線(UV)波長、または可視スペクトルのうちの少なくとも1つの電磁放射を受信するように構成されている。
【0042】
追加的または代替的に、例えば、発射システムは、慣性プラットフォームを備えており、該少なくとも1つのセンサは、該慣性プラットフォームに取り付けられている。
【0043】
本開示の主題の第2の態様によれば、ペイロード飛行体を所望の高度に高速発射するための方法が提供され、該方法は、
(a)該ペイロード飛行体およびキャリア飛行体を含む発射システムを提供することであって、
-ペイロード飛行体は、所望の高度における設計亜音速巡航速度での空力動力飛行ために設計されたペイロード推進システムおよび空力揚力面を備え、
-キャリア飛行体は、少なくとも1つのペイロード飛行体を少なくとも該所望の高度まで搬送するように構成され、該発射システムを該所望の高度に推進するための固体ロケット推進システムをさらに備え、
-キャリア飛行体は、該所望の高度で所定の前進速度を提供するように構成され、該所定の前進速度は、該設計亜音速巡航速度に相関し、
-キャリア飛行体は、該所望の高度および該所定の前進速度で該ペイロードベイからペイロード飛行体を解放するように構成されており、
-該設計亜音速は、0.7マッハ数未満であり、
-所望の高度が、5kmか、または4kmよりも大きいか、または3kmよりも大きいか、または2kmよりも大きいか、または1kmよりも大きいか、のいずれか1つよりも大きい、ことと、
(b)発射システムを発射し、発射システムに該所望の高度および該所定の前進速度を達成させることと、
(c)該所望の高度および該所定の前進速度で該キャリア飛行体から該ペイロード飛行体を解放することと、
(d)該ペイロード飛行体に、少なくとも該所望の高度において、該設計亜音速巡航速度での空力動力飛行を達成させることとを備える。
【0044】
本開示の主題の第2の態様の代替の変形例によれば、該所望の高度は、代わりに、6km、7km、8km、9km、10km、11km、12、15km、のいずれか1つよりも大きい。
【0045】
本開示の主題の第2の態様、または第2の態様の変形例によれば、方法は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を任意の組み合わせを有し得る。
【0046】
例えば、該所定の前進速度は亜音速であり、該所定の前進速度は、ゼロ~最大±0.3マッハ数の該設計亜音速巡航速度である。
【0047】
追加的または代替的に、例えば、ペイロード飛行体は、収納構成と展開構成との間で展開可能であり、ステップ(c)における該解放後に、ペイロード飛行体を該収納構成から該展開位置に展開するステップ(d)をさらに備えており、該ペイロード飛行体は、該展開構成にあるときに、該設計亜音速巡航速度での該空力動力飛行のために設計されている。
【0048】
追加的または代替的に、例えば、該ペイロード飛行体は胴体を備えており、該収納構成において、該空力揚力面はそれぞれのスパンを胴体と位置合わせされ、展開構成において、該空力揚力面は胴体に対して角度関係にあるそれぞれのスパンを有し、該設計亜音速巡航速度での空力揚力を生成すること可能にする。
【0049】
追加的または代替的に、例えば、ペイロード飛行体はそれ自体では該キャリア飛行体が存在しないと該所望の高度に到達することができないか、または、該ペイロード飛行体はロケットモーターシステムを欠いているか、または、該ペイロード推進システムは、それ自体では、ペイロード飛行体が該所望の高度に到達することを可能するができないか、または、該ペイロード推進システムは、それ自体では、ペイロード飛行体が60秒未満の時間内に該所望の高度に到達することを可能にすることができないか、または、該ペイロード推進システムは、それ自体では、ペイロード飛行体が2分未満の時間内に該所望の高度に到達することを可能にすることができないか、または、該ロケット推進システムは少なくとも1つの固体ロケットモーターおよび固体推進剤を備え、該発射システムを該所望の高度に推進するように構成されている。
【0050】
追加的または代替的に、例えば、ステップ(b)において、該発射システムは、該所望の高度未満で最大速度に到達し、該最大速度は、該設計亜音速巡航速度よりも大きい。
【0051】
追加的または代替的に、例えば、該ペイロード飛行体は、それ自体では、該キャリア飛行体が存在しないと該最大速度を達成することができない。
【0052】
追加的または代替的に、例えば、該最高速度は、該設計亜音速巡航速度の少なくとも2倍、該設計亜音速巡航速度の少なくとも5倍、該設計亜音速巡航速度の少なくとも3倍、該設計亜音速巡航速度の少なくとも4倍、のうちのいずれか1つである。
【0053】
追加的または代替的に、例えば、該ペイロード飛行体は、該キャリア飛行体が存在しないときに、第1の平均上昇率を提供するように構成されており、該発射システムは、該所望の高度未満で第2の平均上昇率に到達し、該第2の平均上昇率は、該第1の平均上昇率よりも大きい。例えば、該ペイロード飛行体は、それ自体では、該第2の実証上昇率を達成することができない。追加的または代替的に、例えば、該第2の上昇率は、該第1の平均上昇率の少なくとも2倍、該第1の平均上昇率の少なくとも5倍、該第1の平均上昇率の少なくとも10倍、のうちのいずれか1つである。
【0054】
追加的または代替的に、例えば、該所望の高度は、少なくとも5km、少なくとも10km、少なくとも12km、のうちのいずれか1つとし得る。
【0055】
追加または代替として、例えば、設計亜音速巡航速度は、0.65M、0.6M、0.5M、0.45M、0.4M、0.35M、0.3M、0.25M、0.2M、のいずれか1つ未満である。
【0056】
追加的または代替的に、例えば、該ペイロード推進システムは、ローターに動作可能に結合された燃料燃焼エンジンおよび電気モーターのうちの少なくとも1つを備えており、該ローターはプロペラであり、該プロペラは、プロペラ収納構成(または折り畳み構成)とプロペラ推進構成(または折り戻し構成)との間で可逆的に枢動可能な(または折り畳み可能な/折り戻し可能な)枢動プロペラブレードを備え、方法は、該ペイロード飛行体が該展開構成であるときに、プロペラブレードを該プロペラ収納構成から該プロペラ推進構成に枢動するまたは折り戻すことを備える。
【0057】
追加的または代替的に、例えば、該キャリア飛行体は、固体ロケット推進システムを含む推進モジュール、およびペイロード飛行体を支持するように構成されたペイロードモジュールを備え、推進モジュールは、ペイロードモジュールに取り外し可能に係合されており、ステップ(c)は、ペイロードモジュールに対して推進モジュールを脱係合させ、続いて、該所望の高度および該所定の前進速度で該ペイロードモジュールからペイロード飛行体を解放することを含む。例えば、方法は、第1の所定の標的領域で推進モジュールを回収するステップ(e)をさらに備える。
【0058】
追加的または代替的に、例えば、ステップ(e)は、推進モジュールを、該第1の所定の標的領域への第1の軌道に追従させることを備える。
【0059】
追加的または代替的に、例えば、方法は、第2の所定の標的領域でペイロードモジュールを回収するステップ(f)をさらに備える。例えば、ステップ(f)は、ペイロードモジュールを、該第2の所定の標的領域への第2の軌道に追従させることを備える。
【0060】
追加的または代替的に、例えば、該キャリア飛行体は、該ペイロード飛行体を収容するように構成された開放可能なペイロードベイを備えており、ステップ(c)は、該ペイロードベイを開放し、該所望の高度および該所定の前進速度で該ペイロードベイからペイロード飛行体を解放することを含む。例えば、方法は、第3の所定の標的領域でキャリア飛行体を回収するステップ(g)をさらに備える。例えば、ステップ(g)は、キャリア飛行体を、該第3の所定の標的領域への第3の軌道に追従させることを備える。
【0061】
追加的または代替的に、例えば、ステップ(b)は、発射システムを所定の範囲に到達させることをさらに備えており、ステップ(c)は、該所望の高度で、該所定の前進速度で、該所定の範囲において、該キャリア飛行体から該ペイロード飛行体を解放することを備える。
【0062】
追加的または代替的に、例えば、該所定の前進速度前進速度は、ゼロ~該設計亜音速巡航速度である。
【0063】
追加的または代替的に、例えば、方法は、ステップ(h)をさらに備えており、ステップ(h)は、
-展開を反転させ、ペイロード飛行体は、該展開構成から該収納構成に戻されることと、
-該空力揚力面を脱落させることのいずれか1つを備える。
【0064】
例えば、ステップ(h)は、任務の終了時にペイロード飛行体が地表に着陸する直前に実装される。
【0065】
追加的または代替的に、例えば、キャリア飛行体は、該所望の高度および該所定の前進速度で該キャリア飛行体に対してペイロード飛行体を解放するときに、該キャリア飛行体から該固体ロケット推進システムを解放しない。
【0066】
追加的または代替的に、例えば、該キャリア飛行体に対してペイロード飛行体を解放するとき、または解放した後に、ペイロード飛行体に対してパラシュートは展開されない。
【0067】
追加的または代替的に、例えば、少なくとも1つのペイロード飛行体は、照準線(LOS)を有し、該LOSを(地球の地平線に対して)正の仰角に位置合わせするステップをさらに備える、少なくとも1つのセンサを含む。
【0068】
追加的または代替的に、例えば、該正の仰角は、少なくともペイロード飛行体が所定の高度における設計亜音速巡航速度での空力動力飛行中であるときに、地球から離れる方向に向いている。
【0069】
追加的または代替的に、例えば、該仰角は、0°~90°の仰角範囲にある。
【0070】
追加的または代替的に、例えば、該少なくとも1つのセンサは、該LOSに対する視野(FOV)を有しており、該FOVは5°未満である。
【0071】
追加的または代替的に、例えば、方法は、物体を検出、識別、および追跡することの少なくとも1つのために、該少なくとも1つのセンサを使用するステップをさらに備える。例えば、該物体は、衛星、航空機、または対空ミサイルのうちのいずれか1つである。
【0072】
追加的または代替的に、例えば、該LOSは、ペイロード飛行体に対する方位角に沿って位置合わせされ、該方位角は、ペイロード飛行体の長手方向軸に対して0°~±180°である。
【0073】
追加的または代替的に、例えば、該方位角は、ペイロード飛行体の該長手方向軸に対して+90°~+180°である。
【0074】
追加的または代替的に、例えば、該方位角は、ペイロード飛行体の該長手方向軸に対して-90°~-180°である。
【0075】
追加的または代替的に、例えば、該少なくとも1つのセンサは、赤外線(IR)波長、紫外線(UV)波長、または可視スペクトルのうちの少なくとも1つの電磁放射を受信するように構成されている。
【0076】
追加的または代替的に、例えば、ペイロード飛行体は、慣性プラットフォームを備えており、該少なくとも1つのセンサは、該慣性プラットフォームに取り付けられている。
【0077】
本開示の主題の第3の態様によれば、キャリア飛行体および少なくとも1つのペイロード飛行体を備える発射システムが提供され、
ペイロード飛行体は、ペイロード飛行体に所望の高度における設計亜音速巡航速度での空力動力飛行を提供するように設計されたペイロード推進システムおよび空力揚力面を備え、
キャリア飛行体は、少なくとも1つのペイロード飛行体を搬送するように構成され、少なくとも1つのペイロード飛行体を搬送する間に該発射システムを推進するための固体ロケット推進システムをさらに備え、
キャリア飛行体は、所定の高度で該キャリア飛行体に対してペイロード飛行体を解放するように構成されており、
少なくとも1つのペイロード飛行体は、(地球の地平線に対して)正の仰角を有する照準線(LOS)を有する少なくとも1つのセンサを含む。
【0078】
例えば、該正の仰角は、少なくともペイロード飛行体が所定の高度において設計亜音速巡航速度で空力動力飛行中であるとき、地球から離れる方向に向いている。
【0079】
追加的または代替的に、例えば、該仰角は、0°~90°の仰角範囲にある。
【0080】
追加的または代替的に、例えば、該少なくとも1つのセンサは、該LOSに対する視野(FOV)を有しており、該FOVは5°未満である。
【0081】
追加的または代替的に、例えば、該FOVは、物体の検出、識別、および追跡のうちの少なくとも1つを可能にするように構成されている。例えば、該物体は、衛星、航空機、または対空ミサイルのうちのいずれか1つである。
【0082】
追加的または代替的に、例えば、該LOSは、ペイロード飛行体に対する方位角を有し、該方位角は、ペイロード飛行体の長手方向軸に対して0°~±180°である。
【0083】
追加的または代替的に、例えば、該方位角は、ペイロード飛行体の該長手方向軸に対して+90°~+180°である。
【0084】
追加的または代替的に、例えば、該方位角は、ペイロード飛行体の該長手方向軸に対して-90°~-180°である。
【0085】
追加的または代替的に、例えば、該少なくとも1つのセンサは、赤外線(IR)波長、紫外線(UV)波長、または可視スペクトルのうちの少なくとも1つの電磁放射を受信するように構成されている。
【0086】
追加的または代替的に、例えば、発射システムは、慣性プラットフォームを備えており、該少なくとも1つのセンサは、該慣性プラットフォームに取り付けられている。
【0087】
本開示の主題の第4の態様によれば、ペイロード飛行体を所望の高度に高速発射するための方法が提供され、該方法は、
(a)該ペイロード飛行体およびキャリア飛行体を含む発射システムを提供することであって、
-ペイロード飛行体は、ペイロード飛行体に所望の高度における設計亜音速巡航速度での空力動力飛行を提供するように設計されたペイロード推進システムおよび空力揚力面を備え、
-キャリア飛行体は、少なくとも1つのペイロード飛行体を搬送するように構成され、少なくとも1つのペイロード飛行体を搬送する間に該発射システムを推進するための固体ロケット推進システムをさらに備え、
-キャリア飛行体は、所定の高度で該キャリア飛行体に対してペイロード飛行体を解放するように構成され、
-少なくとも1つのペイロード飛行体は、照準線(LOS)を有する少なくとも1つのセンサを含むことと、
(b)発射システムを発射し、発射システムに該所望の高度に到達させることと、
(c)該所望の高度で該キャリア飛行体から該ペイロード飛行体を解放することと、
(d)該ペイロード飛行体に、該設計亜音速巡航速度での空力動力飛行を達成させることと、
(e)該LOSを(地球の地平線に対して)正の仰角に位置合わせすることとを備える。
【0088】
例えば、該正の仰角は、少なくともペイロード飛行体が所定の高度において設計亜音速巡航速度で空力動力飛行中であるとき、地球から離れる方向に向いている。
【0089】
追加的または代替的に、例えば、該仰角は、0°~90°の仰角範囲にある。
【0090】
追加的または代替的に、例えば、該少なくとも1つのセンサは、該LOSに対する視野(FOV)を有しており、該FOVは5°未満である。
【0091】
追加的または代替的に、例えば、方法は、物体を検出、識別、および追跡することの少なくとも1つのために、該少なくとも1つのセンサを使用するステップをさらに備える。例えば、物体は、衛星、航空機、または対空ミサイルのうちのいずれか1つである。
【0092】
追加的または代替的に、例えば、該LOSは、ペイロード飛行体に対する方位角に沿って位置合わせされ、該方位角は、ペイロード飛行体の長手方向軸に対して0°~±180°である。
【0093】
追加的または代替的に、例えば、該方位角は、ペイロード飛行体の該長手方向軸に対して+90°~+180°である。
【0094】
追加的または代替的に、例えば、該方位角は、ペイロード飛行体の該長手方向軸に対して-90°~-180°である。
【0095】
追加的または代替的に、例えば、該少なくとも1つのセンサは、赤外線(IR)波長、紫外線(UV)波長、または可視スペクトルのうちの少なくとも1つの電磁放射を受信するように構成されている。
【0096】
追加的または代替的に、例えば、ペイロード飛行体は、慣性プラットフォームを備えており、該少なくとも1つのセンサが、該慣性プラットフォームに取り付けられている。
【0097】
本開示の主題の少なくとも1つの実施例の特徴は、発射システムが、それぞれのペイロード飛行体を、任意の従来のシステムよりも格段に速く、かつ、ペイロード飛行体自体が達成することができるよりも格段に速く、所望の高い姿勢に展開することを可能にし、その上、ペイロード飛行体自体が亜音速巡航ために設計されている。例えば、このことは、緊急事態における高高度への迅速な展開を可能にする。
【0098】
本開示の主題の少なくとも1つの実施例の別の特徴は、発射システムが、電気推進システム(すなわち、推進システムが電力のみによって動力供給される)を有するペイロード飛行体を、電気推進システム自体が達成できるよりも格段に速く、所望の高い姿勢に展開することを可能にし、ペイロード飛行体自体が亜音速巡航ために設計されており、したがって、電気的準備運動システムのバッテリーに格納された全電気エネルギーを、所望の高度での動力飛行に使用することも可能にすることである。例えば、このことは、緊急事態における高高度への迅速な展開を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0099】
本明細書に開示されている主題をより良く理解し、実際にそれがどのように実行され得るかを例証するために、添付図面を参照して、非限定的な実施例としてのみ、実施形態をここで説明する。
図1】本開示の主題の第1の実施例による発射システムの側面図である。
図2図1の実施例の縦断面側面図である。
図3図2のA-Aに沿った実施例の横断面図である。
図4図2の実施例のペイロード飛行体の収納構成における等角正面図/側面図/上面図である。
図5図2の実施例のペイロード飛行体の展開構成における等角正面図/側面図/上面図である。
図6】本開示の主題の態様にしたがって、図1の実施例を動作させる方法を概略的に示す図である。
図7図7(a)は、図1および図6の実施例の実装について、推力の経時的な変化を概略的に示す図である。図7(b)は、図1および図6の実施例の実装について、加速度の経時的な変化を概略的に示す図である。図7(c)は、図1および図6の実施例の実装につぃて、質量の経時的な変化を概略的に示す図である。図7(d)は、図1および図6の実施例の実装について、高度の経時的な変化を概略的に示す図である。
図8図1および図6の実施例の実装について、範囲対高度の変化の実施例を概略的に示す図である。
図9図1の実施例のセンサの照準線(LOS)の仰角を概略的に示す図である。
図10図9の実施例のセンサのLOSの方位角を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0100】
図1および図2を参照すると、一般に100と示される、本開示の主題の第1の実施例による発射システムは、キャリア飛行体200およびペイロード飛行体300を備える。この実施例の代替の変形例において、発射システムは、キャリア飛行体、およびキャリア飛行体によって搬送される複数のペイロード飛行体を備え得る。
【0101】
発射システム100は、キャリア飛行体200を介して、ペイロード飛行体300の所望の高度Hへの高速展開、および任意選択的に所定の範囲に沿った高速展開も可能にするように特に構成されている。
【0102】
本明細書において明らかになるように、この実施例および他の実施例において、ペイロード飛行体300は、ペイロード飛行体300に、所望の高度において設計亜音速巡航速度で空力動力飛行を提供するように設計されたペイロード推進システムおよび空力揚力面とを備え、さらに、より低い高度において亜音速でペイロード飛行体300が空力動力飛行することを可能にする。
【0103】
また、本明細書において明らかになるように、キャリア飛行体200は、ペイロード飛行体300を少なくとも所望の高度Hまで搬送するように構成され、発射システム100を所望の高度まで推進するための固体ロケット推進システムをさらに備える。さらに、キャリア飛行体200は、所望の高度Hにおいて所定の前進速度を提供するように構成されており、所定の前進速度は、ペイロード飛行体300の亜音速巡航速度に相関している。例えば、所定の前進速度は、ゼロ~ペイロード飛行体300の設計亜音速巡航速度までの範囲にある所定の前進速度として、ペイロード飛行体300の設計亜音速巡航速度と相関している。
【0104】
発射システム100に言及する場合、「前進速度」という用語は、本明細書において、発射システム100の長手方向軸LAにほぼ平行な方向に沿った発射システム100の速度を指し、代替的に、発射システム100に言及する場合、「前進速度」という用語は、本明細書において、発射システム100の軌道の方向に沿った発射システム100の速度を指す。
【0105】
キャリア飛行体200に言及する場合、「前進速度」という用語は、本明細書において、キャリア飛行体200の長手方向軸LA2にほぼ平行な方向に沿ったキャリア飛行体200の速度を指し、代替的に、キャリア飛行体200に言及する場合、「前進速度」という用語は、本明細書において、キャリア飛行体200の軌道の方向に沿ったキャリア飛行体200の速度を指す。
【0106】
ペイロード飛行体300に言及するとき、「前進速度」という用語は、本明細書において、ペイロード飛行体300の長手方向軸LA3にほぼ平行な方向に沿ったペイロード飛行体300の速度を指し、代替的に、ペイロード飛行体300に言及する場合、「前進速度」という用語は、本明細書において、ペイロード飛行体300の軌道の方向に沿ったペイロード飛行体300の速度を指す。
【0107】
キャリア飛行体200はまた、所望の高度および所定の前進速度において、キャリア飛行体200に対してペイロード飛行体300を解放するように構成されている。
【0108】
少なくともいくつかの実施例において、所望の高度は、雲層より上であり得、および/または、他の任意の適切な高度、例えば、少なくとも1kmか、または少なくとも2kmか、または少なくとも3kmか、または少なくとも4kmか、または少なくとも5kmか、または少なくとも6kmか、または少なくとも7kmか、または少なくとも8kmか、または少なくとも9kmか、または少なくとも10kmか、または少なくとも12kmか、または少なくとも15kmかであり得る。
【0109】
任意選択的に、所定の範囲は、発射場所から1km未満、例えば0km~1kmとし得、または代替的に、その範囲は、風の影響が考慮されていない場合、発射場所から1km~5kmとし得る。希望の高度
【0110】
少なくともこの実施例において、以下により詳細に開示されるように、発射システム100は、所望の高度への移行時間を最小化するために、通常、垂直に、または垂直に対して小さな角度で発射される。例えば、かかる角度は、ペイロード飛行体300の展開後のキャリア飛行体200の軌道により、キャリア飛行体が発射場所自体に着陸することをもたらさないことを確実にするように選択し得る。
【0111】
少なくともこの実施例のキャリア飛行体200は、単段ロケットとして構成され、ペイロードモジュール210および推進モジュール250を備える。なお、この実施例の代替の変形例において、キャリア飛行体は、代わりに、短時間内に所望の高度および/または所定の範囲内に到達し、それによってそうするために必要な加速を提供することが可能な、多段ロケットとして、または、単段または多段混合推進システム飛行体として構成され得る。「混合推進システム飛行体」とは、固体ロケット推進システムに加えて、固体ロケット推進システムとは異なる少なくとも1つの追加の推進システムを含む推進システムを有する飛行体を意味する。
【0112】
少なくともこの実施例において、ペイロードモジュール210は、ペイロードベイ240(本明細書ではペイロードキャニスターとも呼ばれる)を含み、例えば、長手方向長さLの約70%であり得る長手方向長さL1を有しており、推進モジュール250は、例えば、長手方向長さLの約30%であり得る長手方向長さL2を有する。
【0113】
少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体300を含むペイロードモジュール210は合わせて、推進モジュール250とほぼ同じ重量/質量を有する。さらに、少なくともこの実施例または他の実施例において、ペイロード飛行体300の重量/質量は、例えば、ペイロード飛行体300とペイロードモジュール210を合わせた合計重量/質量の約85%である。
【0114】
少なくともこの実施例のキャリア飛行体200は、制御された方法で短時間内に所望の高度および/または所定の範囲に到達することが可能な制御ミサイルまたは誘導ミサイルとして構成されている。
【0115】
なお、この実施例の代替の変形例において、キャリア飛行体は、代わりに、短期間内に所望の高度および/または所定の範囲に到達することができる弾道ロケットとして構成され得る。例えば、キャリア飛行体のかかる構成は、例えば空力安定器を介して空力安定性を提供する以外に、ステアリングのための任意の制御システムを任意選択的に省略し得る。
【0116】
少なくともこの実施例において、キャリア飛行体200は、長手方向長さLの本体205を有しており、本体は、ノーズ208および平滑な後端207を有する。さらに、少なくともこの実施例において、本体205は、外径DEを有する長さLに沿った名目上円形の断面を有する。代替的に、本体205は、長さLに沿って非円形の断面を有し、外径DEの円筒内に収まる。
【0117】
キャリア飛行体200の長手方向軸LA2は、ノーズ208と後端207との間に延在し、発射システム100の長手方向軸LAと同軸である。
【0118】
この実施例において、キャリア飛行体200は、スピン安定化され得、および/または複数の、一般的には4つの後方フィン215を備える。この実施例において、フィン215は、推進モジュール250に枢動可能に、さもなければ進退可能に取り付けられ、発射前において後退構成または折り畳み構成を有する。
【0119】
例えば、フィン215は、最初は折り畳み構成で本体205の周りに近接して枢動するラップアラウンドフィンまたは平面フィンとして構成され、安定性を提供するために折り戻し構成に(例えば、長手方向軸LA2に平行な枢動軸に沿って)枢動し、任意選択的に、それらのラップアラウンドフィンまたは平面フィンが作動され得、適切な軸を中心に枢動してキャリア飛行体200に制御モーメントを提供し、そのステアリングを可能にすることができる。別の実施例において、フィン215は、最初は折り畳み構成において本体205の周りに近接して枢動するグリッドフィン(格子フィンとしても知られる)の形態であるが、安定性を提供するために折り戻し構成に(例えば、長手方向軸LA2に直交する枢動軸に沿って)枢動し、任意選択的に、それらのグリッドフィンが作動され得、適切な軸を中心に枢動してキャリア飛行体200に制御モーメントを提供し、そのステアリングを可能にすることができる。
【0120】
これらの実施例のさらに他の変形例において、フィン215の一部またはすべてが本体205に固定的に取り付けられている。
【0121】
この実施例および他の実施例において、発射システム100は、適切な発射管または適切な発射レール(図示せず)を介して発射され得る。
【0122】
発射システム100またはキャリア飛行体200の発射後すぐに、フィン215は、図1および図2に示されるように、半径方向に延在する展開構成に速やかに展開されるようになる。この実施例および他の実施例の代替の変形例において、フィンは、キャリア飛行体200に対して固定された空間的関係にあり得る。
【0123】
ペイロードモジュール210の前端はノーズ208を含み、ペイロードモジュール210の後端212は、推進モジュール250の前端で相補的な界面255と嵌合するための界面215を備える。少なくともこの実施例において、界面215および界面255はそれぞれ、本明細書において明らかになるように、推進モジュール250に対してペイロードモジュール210の選択的分離を可能にする適切な方法で一体化して保持されたフランジの形状である。例えば、界面215および界面255は、それぞれ、爆発性ボルト(図示せず)で一体化して保持されたフランジの形状であり、爆発性ボルトが動作したときに推進モジュール250に対してペイロードモジュール210の選択的脱係合を可能にする。その後、ペイロードモジュール210は、任意の適切な方法で推進モジュール250から分離し得る。例えば、ペイロードモジュール210および推進モジュール250の一方または他方に設けられたピストンまたはスプリングは、ペイロードモジュール210および推進モジュール250を互いから押し離すように構成され得る。追加的または代替的に、空気力を使用して、推進モジュール250に対してペイロードモジュール210を分離し得る。例えば、かかる空気力は、ペイロードモジュール250と推進モジュール250との間の抗力の差を含み得、それによって、ペイロードモジュール210に対して推進モジュール250を分離することを可能にする。かかる空気力をさらに支援するために、ペイロードモジュール250および推進モジュール250の一方または両方は、それらに作用する抗力の差異をさらに生じさせるために脱係合後に選択的に展開し得るエアブレーキを含み得る。
【0124】
この実施例の代替の変形例において、または他の実施例において、界面215および界面255は、ペイロードモジュール210および推進モジュール250が、少なくとも所望の高度および/または所定の範囲が到達するまで一体化して保持されることを可能にし、推進モジュールに対してペイロードモジュールの選択的な分離を可能にする、任意の他の適切な構成を備え得る。例えば、界面215および界面255は、爆発物ベルトを介して一体化して保持され得る。これらまたは他の実施例において、ペイロードモジュール210は、互いに引き裂かれる複数のセグメントとして形成された外皮を有しており、任意選択的に、推進モジュール250に付着された状態でも、それによってペイロード飛行体300がペイロードモジュール210から解放されることを可能にする。
【0125】
少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体300は、収納構成と展開構成との間で展開可能である。それぞれの収納構成において、例えば図4を参照すると、ペイロード飛行体300は、ペイロード飛行体300がキャリア飛行体200のペイロードベイ240内に収められているか、さもなければキャリア飛行体によって支持されることを可能にするコンパクトな構成を有する。特に、ペイロードベイが名目上円筒形を有するこの実施例において、ペイロード飛行体300はまた、かかる名目上円筒形内にコンパクトに収まるそれぞれの収納構成を有する。それぞれの展開構成において、例えば図5を参照すると、ペイロード飛行体300は、キャリア飛行体200から解放されたときにペイロード飛行体300が空力飛行モードで動作することを可能にする空力構成を有する。空力飛行モードにおけるペイロード飛行体300は、展開構成にあるときに、設計亜音速巡航速度での空力動力飛行のために設計されている。
【0126】
少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体は、収納構成と展開構成との間で可逆的に展開可能である。
【0127】
少なくともこの実施例において、ペイロードモジュール210は、その収納構成でペイロード飛行体300をその中に収容するように構成されており、ペイロードモジュール210は、その中にペイロードベイ240を画定する外殻215を備える。少なくともこの実施例において、特に図2および図3を参照すると、ペイロードベイ240は、ペイロード飛行体300がその収納構成に収まることになるエンベロープEを画定している。ペイロードベイ240は、ペイロード飛行体が、ペイロードモジュール、特に外殻215に対して、収納構成でペイロード飛行体300を可逆的に固定することを可能にし、発射システム100の発射からの飛行の加速および減速フェーズ中にペイロード飛行体を支持し、さらに、ペイロードモジュール210を推進モジュール250から分離した後に、ペイロード飛行体300をペイロードモジュール210、特にペイロードベイ215から選択的に解放されるように、さらに構成されている。
【0128】
少なくともこの実施例において、ノーズ208は丸みを帯びており、オジブまたは円錐形の尖った形状ではなく、半球形の輪郭を有する。ノーズ208の丸みを帯びた形状は、(ペイロードモジュール210と同じ長手方向長さL1に対して)オジブまたは円錐形の尖った形状と比較して、ペイロードベイ240の中に追加の内部空間を提供し、さらに、以下で明らかになるように、ランチシステムが減速を開始したときに、エンジンカットアウト後の高い抗力が高くなる。なお、この実施例および他の実施例の代替の変形例において、ノーズ208は、オジブまたは円錐形の尖った形状を有し得る。この実施例および他の実施例のさらに他の代替の変形例において、ノーズ208は、例えば、丸みを帯びたノーズまたはオジブノーズまたは尖ったノーズと比較して、拡張抗力特性を提供し得る平滑な形状を有し得、ペイロード飛行体300の解放前にシステム100の減速を容易にし得る。
【0129】
この実施例において、エンベロープEは、シェル215の内径DSIよりも小さい直径D1の名目上円筒形部分E1を含み、ノーズ208の内部半球形状に相補的な名目上半球部分E2に隣接している。
【0130】
少なくともこの実施例において、推進モジュール250は、発射システム100、特にキャリア飛行体200に原動力を提供して、発射システム100、特にキャリア飛行体200が所望の高度Hおよび任意選択的に所定の範囲に、所定の時間Tおよび所定の前進速度内で到達することを可能にするように構成された固体ロケット推進システム260を含む。少なくともこの実施例において、推進システム260は、固体ロケットモーター265および固体燃料推進剤268、コントローラ270、ならびに、所望の高度および/または所定の範囲および/または所定の時間Tが発射システム100の発射後に達成されたかを判定するように構成された適切なセンサシステム269を含む。例えば、固体ロケットモーター265は、180秒~250秒の範囲のISP、例えば、最大約200秒または最大約220秒のISPを提供する。
【0131】
少なくともこの実施例および他の実施例において、推進モジュール250は、ペイロードモジュール210が推進モジュール250から解放された後、およびペイロード飛行体300がペイロードモジュール210から展開された後も、固体ロケット推進システム260を保持する。
【0132】
少なくともこの実施例および他の実施例において、固体燃料推進剤268、または推進モジュール250、またはキャリア飛行体200の重量のそれぞれは、発射システム100の総重量の20%~50%とし得る。
【0133】
推進モジュール250は、例えば、推力ベクトル制御(TVC)装置、および/またはフィン215を介した空力ステアリングを含む、適切なステアリングシステムをさらに備える。
【0134】
センサシステム269は、コントローラ270に結合され、所望の高度および/または所定の範囲および/または時間Tが発射システム100の発射後に到達されたときに、コントローラ270に警告するように構成されている。例えば、センサシステム269は、コントローラ270が、発射システム100が減速しているとき、および/または遠地点に到達したときを判定することを可能にするための加速度計を含む。
【0135】
任意選択的に、キャリア飛行体200、特に推進モジュール250は、発射システム100が減速と加速との間を変転しているときにコントローラ270に警告するように構成された、コントローラ270に結合された適切な加速度計272を含む。
【0136】
任意選択的に、キャリア飛行体200、特に推進モジュール250は、コントローラ270に結合された通信モジュール275を含む。通信モジュール275は、例えば、直接無線リンクまたは衛星リンクによる、地上局とキャリア飛行体200との間の通信を可能にするように構成されている。例えば、かかる通信は、ペイロード飛行体200によってキャリア飛行体200から地上局に搬送されるテレメトリ通信および/またはセンサによって提供される任意の他のセンサ情報を含に得、および/またはキャリア飛行体200に発射時およびその後の飛行中に様々な動作を実行させるための、地上局からキャリア飛行体200へのコマンド信号を含み得る。
【0137】
特に図2図3、および図4を参照すると、少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体300は、その収納構成において、ペイロード飛行体300がエンベロープE内に収容され得る外部収納された幾何学的エンベロープESを有する。つまり、ペイロード飛行体300のすべての部分(収納構成にある場合)は、エンベロープE内に収容され、このエンベロープEを通過しない。言い換えると、収納構成のペイロード飛行体300の外側の幾何学的エンベロープESは、エンベロープEの直径D1と長さLEを超えない直径と長さを有する。
【0138】
特に図5を参照すると、ペイロード飛行体300は、その展開構成において、ペイロード飛行体300がエンベロープE内に収容されることを可能にしない外部展開された幾何学的エンベロープEDを有する。つまり、ペイロード飛行体300の少なくとも一部分は、(展開構成の場合)このエンベロープEを通過することになる。
【0139】
少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体300はUAVである。
少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体300は固定ウィング航空機として構成されているが、この実施例および他の実施例の代替の変形例において、ペイロード飛行体は、パラグライダーまたはいつでもモーターグライダーの形をとり得る。この実施例および他の実施例のさらに他の代替の変形例において、ペイロード飛行体は、ローター航空機、例えば、ヘリコプター、オートジャイロ、オルニコプター、クワッドコプターなどであるか、またはその形態であり得、それぞれのペイロード推進システムは、ペイロード飛行体に、所望の高度における設計亜音速巡航速度でのベクトル動力飛行を提供するように設計されている。
【0140】
前述のように、少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体300は、少なくともそれぞれの展開構成において、ペイロード飛行体300がキャリア飛行体200から解放されたときに空力飛行モードで動作することを可能にする空力構成を有する。本明細書における「空力飛行モード」という用語は、ペイロード飛行体300が、例えば空力動力飛行、特に、空力揚力面を介して空力的に揚力が提供される亜音速巡航条件において持続飛行が可能である、ペイロード飛行体300の動作モードを含む。
【0141】
少なくともこの実施例および他の実施例において、展開構成におけるペイロード飛行体300の揚力対抗力比は少なくとも8であり、さらに、9、10、11、12、13、14、15または15より大きい、とし得る。
【0142】
少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体300は、胴体320、および収納可能なウィングシステム340の形態の空力揚力面を備えている。
【0143】
少なくともこの実施例において、収納可能なウィングシステム340もタンデムウィング構成であり、前方ウィングセット360および後方ウィングセット380を有する。
【0144】
前方ウィングセット360は、前方左舷ウィング362および前方右舷ウィング364を含み、それぞれが、それぞれのヒンジ(図示せず)で胴体320にヒンジ取り付けされ、各ウィングが、それぞれのウィングのスパンが胴体320の長手方向軸LA3に名目上平行である収納位置から、それぞれのウィングのスパンが胴体320の長手方向軸LA3に著しく非平行である展開位置まで、それぞれの枢動軸の周りで前方方向に可逆的にスイングし、さらに、それぞれのスイープ角度に設定することを可能にする。この実施例において、スイープ角度は、名目上0°またはそれに近い。
【0145】
この実施例および他の実施例の代替の変形例において、前方ウィングセットのウィングは後方にスイープされ、例えば、スイープ角度は0°より大きく45°未満である。この実施例および他の実施例のさらに他の代替の変形例において、前方ウィングセットのウィングは前方にスイープされる。
【0146】
少なくともこの実施例において、前方左舷ウィング362および前方右舷ウィング364は胴体320の上部に展開され、胴体320は、それぞれの収納位置にある前方左舷ウィング362および前方右舷ウィング364を収容するためのパーキングスペースを提供する上部切欠き部分322を含む。さらに、少なくともこの実施例において、前方左舷ウィング362および前方右舷ウィング364は、胴体320の上部の異なる高さに位置され、その結果、図3および図4で最もよく分かるように、収納位置において、一方のウィング(この実施例において、左舷ウィング362)が他方のウィング(この実施例において右舷ウィング364)と重なる関係にある。
【0147】
後方ウィングセット380は、後方左舷ウィング382および後方右舷ウィング384を含み、それぞれが、それぞれのヒンジ(図示せず)で胴体320にヒンジ取り付けされ、各ウィングが、それぞれのウィングのスパンが胴体320の長手方向軸LA3に名目上平行である収納位置から、それぞれのウィングのスパンが胴体320の長手方向軸LA3に著しく非平行である展開位置まで、それぞれの枢動軸の周りで後方方向に可逆的にスイングし、さらにそれぞれのスイープ角度に設定することを可能にする。この実施例において、スイープ角度は名目上0°である。この実施例および他の実施例の代替の変形例において、後方ウィングセットのウィングは後方にスイープされ、例えば、スイープ角度は0°より大きく45°未満である。この実施例および他の実施例のさらに他の代替の変形例において、後方ウィングセットのウィングは前方にスイープされる。
【0148】
少なくともこの実施例において、後方左舷ウィング382および後方右舷ウィング384はまた、胴体320の上部、上部切欠き部分322の上に位置され、後方ウィングセット380がそれぞれの収納位置にある前方左舷ウィング362および前方右舷ウィング364と重なる関係で収容されることを可能にする。さらに、少なくともこの実施例において、後方左舷ウィング364および後方右舷ウィング384は、胴体320の上部の異なる高さに位置され、その結果、図3および図4で最もよく分かるように、収納位置において、一方のウィング(この実施例において、左舷ウィング382)が他方のウィング(この実施例において右舷ウィング384)と重なる関係にある。
【0149】
この実施例または他の実施例の代替の変形例において、後方ウィングセット380は、代わりに、例えば、可変スイープウィングまたはオブリークウィングを含み得る。
【0150】
この実施例において、後方ウィングセット380のウィング382、384は、前方ウィングセット360のウィング362、364よりも大きなスパンを有する。
【0151】
少なくともこの実施例において、後方ウィングセット380のウィング382、384、および前方ウィングセット360のウィング362、364は、任務が終了した後、例えば、ペイロード飛行体300が着陸した後に、元の収納位置に戻り得る。この実施例または他の実施例において、後方ウィングセット380のウィング382、384、および前方ウィングセット360のウィング362、364は、ペイロード飛行体300が着陸する直前に、例えば、地表から数メートル、例えば1m~10mの高さで、元の収納位置に戻り得る。
【0152】
少なくともこの実施例において、前方ウィングセット360および後方ウィングセット380のそれぞれは、ペイロード飛行体300の一次揚力生成ウィングとして構成されている。例えば、前ウィングセット360によって生成される揚力と後ウィングセット380によって生成される揚力との比は、50:50か、または代替的に40:60か、代替的に30:70、または代替的に60:40、または代替的に70:30とし得る。
【0153】
この実施例および他の実施例の代替の変形例において、代替の構成が、収納可能なウィングシステム340に提供され得る。例えば、前ウィングセット360は、代わりに、カナードとして構成され得、後ウィングセット380は、ペイロード飛行体300の一次揚力生成ウィングとして構成される。
【0154】
この実施例および他の実施例のさらに他の代替の変形例において、前ウィングセット360は、代わりに、ペイロード飛行体300の一次揚力生成ウィングとして構成され得、後ウィングセット380は、テールプレーンとして構成される。
【0155】
いずれの場合においても、少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体300は、横方向の安定性および制御のために、左舷および右舷のテールフィン390をさらに備える。この実施例において、テールフィン390は、特に図3で分かるように、コンパクト化のために胴体320の中間の高さから下方向に突出している。少なくともこの実施例において、各テールフィン390は、それぞれのヒンジ(図示せず)で胴体320にヒンジ取り付けされ、各テールフィンが、それぞれのフィンのスパンが胴体320の長手方向軸LA3に平行である収納位置(図4)から、それぞれのフィンのスパンが胴体320の長手方向軸LA3に著しく非平行である展開位置にまで、それぞれの枢動軸の周りで後方にスイングし、それぞれの角度を、例えば長手方向軸LA3に対して90°に設定することを可能にする(図5)。
【0156】
少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体300は動力付き航空機であり、推進システム330を備えている。この実施例において、推進システム330は、胴体320の前端に取り付けられ、適切なバッテリーに結合された1つ以上の電気モーターによって駆動されるトラクタープロペラ332を備えている。この実施例および他の実施例の代替の変形例において、推進システム330は、追加的または代替的に、1つ以上の電気モーターによって駆動されるプッシャープロペラを備え得る。この実施例および他の実施例のさらに他の代替の変形例において、推進システムは、1つ以上のローターを駆動するために、燃料燃焼エンジン、例えば、1つ以上の内燃機関、または1つ以上のガスタービンエンジン、または代替的に電気モーターを含に得る。かかるローター(複数可)は、プロペラ332を含み得、および/または2つ以上のトラクタープロペラ、および/または2つ以上のプッシャープロペラを含み得る。この実施例および他の実施例のさらに他の代替の変形例において、推進システムは、プロペラ(複数可)を他の推力生成構成、例えば、ターボジェットエンジン、ターボファンエンジン、ダクテッドファン構成などに置き換え得る。
【0157】
推進システムが1つ以上の内燃機関を含む実施例において、かかる各内燃機関は、例えば、高高度、例えば5km以上の高度での動作を可能にするために、スーパーチャージャーまたはターボチャージャーに結合され得る。
【0158】
推進システム330が、1つの電気モーターのみまたは2つ以上の電気モーターを含む少なくともいくつかの実施例において、かかる推進システムは、キャリア飛行200が存在しない場合、または少なくとも上昇率が十分に高くない場合、ペイロード飛行体300に所望の高度Hに到達させることを可能にすることができないことに留意されたい。例えば、かかる場合の推進システム330は、所望の高度Hで巡航するための電力を提供するのに十分であるが、キャリア飛行体200が存在しないときに、ペイロード飛行体300を所望の高度に推進するために使用される場合に、代わりに、この高度に到達する前に使い果たされ得る通常のバッテリーを含み得る。代替的に、例えば、推進システム330は、所望の高度Hに到達するのに適切であるが、バッテリーの重量で、キャリア飛行体200が存在せずに推進システム100の上昇率と比較して著しく低い上昇率でペイロード飛行体300を所望の高度に推進することをもたらし得る大型のバッテリーを含み得るが、かかる場合、バッテリーが著しく消耗し、有意な時間を巡航するための電力を供給することができない場合がある。
【0159】
少なくともこの実施例において、プロペラ332は、図3および図4に示されるように、ペイロード飛行体300の収納構成において、コンパクト性を高めるために胴体320に近い位置で後方に枢動される枢動プロペラブレードを備える。例えば、特にペイロード飛行体300の展開構成では、プロペラ332がエンジンによって回転されるとき、プロペラブレードは、遠心力により推進構成(例えば、図5で分かるように)に向かって前方に枢動され、プロペラブレードは、少なくともペイロード飛行体300が着陸するまで推進構成にある。
【0160】
この実施例および他の実施例の代替の変形例において、ペイロード飛行体300は、動力のない航空機であり、推進システムを備えず、本質的にグライダーとして動作する。
【0161】
少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体300は、適切なフライトコントローラ、ナビゲーションシステム、および他の適切なセンサ(図示せず)を備えている。
【0162】
この実施例の代替の変形例、および他の実施例において、ペイロード飛行体は、それぞれのペイロード飛行体がそれぞれの収納構成からそれぞれの展開構成に可逆的または非可逆的に展開されることを可能にする他の構成を含み得ることに留意されたい。
【0163】
任意選択的に、ペイロード飛行体300は、フライトコントローラに結合されたペイロード飛行体通信モジュール(図示せず)を含む。ペイロード飛行体通信モジュールは、例えば、直接無線リンクまたは衛星リンクによって、地上局とペイロード飛行体300との間の一方向または双方向通信を可能にするように構成されている。例えば、かかる通信は、ペイロード飛行体300から地上局への遠隔測定通信および/またはセンサ情報を含み得、および/または、例えばペイロード飛行体300の飛行を能動的に制御するため、ペイロード飛行体300に、発射時およびその飛行中のその後の様々なアクションを実行させるための地上局からペイロード飛行体300へのコマンド信号を含み得る。
【0164】
任意選択的に、ペイロード飛行体300、特にフライトコントローラは、ペイロード飛行体300の自律制御を可能にするように構成され、例えば、ミッションパラメータにしたがって所定の任務を実行する。
【0165】
少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体300は、ペイロード(図示せず)をさらに備え、これは、少なくともいくつかの実施例において、ミッションセンシティブであり得、したがって、ペイロード飛行体による所望の任務を実行するために特に適合され得る。
【0166】
特に図5を参照すると、少なくともこの実施例および他の実施例において、そして本開示の主題の別の態様によれば、ペイロードは、1つ以上のセンサ810を備えるセンサシステム800を含み得、各センサ810は、照準線LOSに沿った所定の波長範囲内の電磁放射を検出および/または受信するように構成されている。例えば、かかるセンサの少なくとも1つは、
- 赤外線(IR)センサであり、所定の波長範囲には、電磁スペクトルのIR波長範囲の一部またはすべてが含まれるセンサ、および/または
- 紫外線(UV)センサであり、所定の波長範囲は、電磁スペクトルのUV波長範囲の一部または全部を含むセンサ、および/または
- 光学センサ(例えば、電気光学センサ)であり、所定の波長範囲は、電磁スペクトルの可視波長範囲の一部または全部を含むセンサ、とし得る。
【0167】
図9および図10も参照すると、各センサ810は、少なくともペイロード飛行体300が、特に所定の高度における設計亜音速巡航速度での空力動力飛行中であるとき、地球から離れる方向を指すそれぞれのLOS(それぞれの開口を通して)を有する。つまり、LOSは地球の地平線に対して正の仰角gを有する。LOSの仰角gは0°(水平、つまり地平線に平行)から90°(垂直、つまり地平線に直交)の範囲にあり得、少なくとも一部のアプリケーションでは、LOSの仰角gは垂直またはそれに近く、例えば、30°~90°、35°~90°、40°~90°、45°~90°、50°~90°、55°~90°、60°~90°、65°~90°、70°~90°、75°~90°、80°~90°、85°~90°、88°~90°、の範囲のうちのいずれか1つである。
【0168】
さらに、仰角gが90°以外の場合、それぞれのLOSの方位角はηである。少なくともこの実施例、および他の実施例において、方位角ηは、ペイロード飛行体300に対して定義されるが、他の実施例において、方位角ηは、代わりに、地球に関して定義され得る。特に、方位角ηは、長手方向軸LA3が水平である、すなわち地球に対して水平である場合に、ペイロード飛行体300の長手方向軸LA3に対して定義され得る。したがって、0°の方位角ηは、長手方向軸LA3に平行な順方向にあり、+180°または-180°の方位角ηは、長手方向軸LA3に平行な後方方向にあり、+90°の方位角ηは左舷方向にあって、長手方向軸LA3に直交し、-90°の方位角ηは右舷方向であって、長手方向軸LA3に直交する。
【0169】
少なくともこの実施例、および他の実施例において、方位角ηは、ペイロード飛行体300の長手方向軸LA3に対して0°~±180°の範囲にある。いくつかの実施例において、方位角ηは、ペイロード飛行体300の長手方向軸LA3に対して+90°~+180°の範囲にあり、および/または方位角ηは、ペイロード飛行体300の長手方向軸LA3に対して-90°~-180°の範囲にある。
【0170】
各センサ810は、それぞれのLOSが所望の仰角gおよび方位角ηに向けられることを可能にする方法で、ペイロード飛行体300に取り付けられている。再び図5を参照すると、例えば、少なくともこの実施例および他の実施例において、1つ以上のセンサ810は、それぞれ、センサ810の開口部が概して上方向に面するように、胴体320の上部、例えば、上部切欠き部分322に位置される。1つ以上のセンサ810は、胴体320の上部に固定的に取り付けられ得、したがって、LOSの仰角gおよび/または方位角ηは、ペイロード飛行体300を操縦することによって、例えば、胴体の迎角、横滑り角、ヨー角、ピッチ角またはロール角のうちの1つまたは複数を調整することによって変更され得る。代替的に、1つ以上のセンサ810は、例えば、LOSが胴体に対して1、2、または3自由度で角度方向に変位することを可能にする適切なジンバル機構を介して、胴体に移動可能に取り付けられる。
【0171】
代替的に、1つ以上のセンサ810は、固定または移動可能な方法で、胴体320、例えば上部切欠き部分322に対して他の場所に位置され得、同時に、センサ810のそれぞれの開口部が概して上方向を向いていることを確実にする。
【0172】
各センサ810はそれぞれ、LOSに対する視野(FOV)を有する。FOVは、LOSが円錐の頂点と交差し、円錐の円形断面に直交し、半角θを持つ仮想円錐に関して概念化でされ得、FOVは、この半角θと同義であると見なし得る。
【0173】
少なくともこの実施例、および他の実施例において、例えば、FOVは5°未満である。
【0174】
いずれの場合においても、FOVは、LOSに沿って、物体を検出、および/または識別、および/または追跡することを可能にするために、例えば最適化されるように構成されている。
【0175】
かかる物体は、一般に、垂直方向にペイロード飛行体300の位置より上にあり得、また、ペイロード飛行体300に対して水平に変位され得る。
【0176】
かかる物体は、例えば、軌道を回る衛星、または航空機、または対空ミサイルとし得る。
【0177】
本開示の主題のこの態様によれば、地球の地平線に対して正の高度gを有するLOSを有する少なくとも1つのセンサを含むペイロード飛行体は、任意の適切な発射システム、例えば、いくつかのタイプの従来の発射システムを使用して、所望の高度で迅速に発射され、解放され得る。いずれの場合においも、発射システムの別の実施例は、ペイロード飛行体およびキャリア飛行体を含んでおり、
- ペイロード飛行体は、ペイロード飛行体に、所望の高度における設計亜音速巡航速度での空力動力飛行を提供するように設計されたペイロード推進システムおよび空力揚力面を含み、
- キャリア飛行体は、少なくとも1つのペイロード飛行体を搬送するように構成され、さらに、少なくとも1つのペイロード飛行体を搬送する間に発射システムを推進するための固体ロケット推進システムを備え、
- キャリア飛行体は、所定の高度で該キャリア飛行体に対してペイロード飛行体を解放するように構成され、
- 少なくとも1つのペイロード飛行体は、照準線(LOS)を有する少なくとも1つのセンサを含む。
【0178】
少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体300は、任務が終了した後に飛行体を回収するための飛行体回収システム(図示せず)を備えている。例えば、飛行体回収システムは、任務が終了した後にペイロード飛行体のソフトランディングを可能にするパラシュートを備え得、任意選択的に、ウィングまたはウィングの一部分を折りたたんで収納構成または部分的に収納構成にされ得、または代替的に、パラシュートが展開されたときにウィングを排出され得る。代替的に、飛行体回収システムは、ペイロード飛行体が滑走路または他の適切な地表に制御された水平着陸を実行することを可能にする適切な下部構造を含み得る。
【0179】
本開示の主題の一態様によれば、発射システム100、特にコントローラ269は、ペイロード飛行体300が低亜音速巡航条件で空力飛行を達成することを可能にする所定の条件で、ペイロード飛行体300を発射システム100から(特に、キャリア飛行体200から、特に推進モジュール250から)解放するように構成されている。 例えば、かかる条件は、50m/秒~150m/秒の前方亜音速巡航速度、および/または0.65M未満、または0.6M未満、または0.55M未満、または0.5M未満、または0.45M未満、または0.4M未満、または0.35M未満、または0.3M未満、または0.25M未満、または0.2M未満、のマッハ数(M)を含み得る。
【0180】
本開示の主題のこの態様によれば、発射システム100、特にコントローラ269は、それぞれの亜音速巡航速度に相関する所定の前進速度で、ペイロード飛行体300を発射システム100から(特に、キャリア飛行体200から、特に推進モジュール250から)解放するように構成されている。本開示の主題のこの態様によれば、所定の前進速度は亜音速であり、ゼロ~最大±0.3マッハ数の設計亜音速巡航速度の範囲とし得る。したがって、例えば、0.6Mの亜音速巡航速度の場合、所定の前進速度の範囲は、0~0.3Mから0~0.9Mまでとし得る。
【0181】
図1から図5に示される実施例の第1の実装において、発射システム100は、約1,000Kgの場合の質量を有し、推進モジュール250は、約500Kgの質量を有し、ペイロードモジュール210は、約500kgの質量を有する。図1を参照すると、これは、少なくとも1つの実施例において、発射システム100の重心CGを、ノーズ208よりも後端207に長手方向に近く位置する。
【0182】
少なくともこの実施例および他の実施例において、ペイロード飛行体300は、それ自体では、キャリア飛行体200が存在しないと、所望の高度Hに到達することができないことに留意されたい。例えば、ペイロード飛行体300は、ペイロードモジュール300を所望の高度またはその近くまで推進することができる推進システム(すなわち、キャリア飛行体200およびその推進システムを除く)を欠いており、例えば、ペイロード飛行体300自体は、推進力のための推力を提供することができるロケットモーターシステム欠き、実際にペイロード飛行体300自体はロケットモーターシステムを欠いている。
【0183】
例えば、少なくともこの実施例において、ペイロード推進システムは、それ自体では、ペイロード飛行体300が所望の高度に到達することを可能にすることができない。
【0184】
例えば、少なくともこの実施例において、ペイロード推進システムは、それ自体では、ペイロード飛行体300が、発射点LPから、しきい値時間未満の時間内に所望の高度Hに到達することを可能にすることができず、または、ペイロード推進システムは、それ自体では、ペイロード飛行体300が、発射点LPから、しきい値時間未満の時間内に所望の高度Hに到達することを可能にすることができず、また、ペイロード飛行体300の任意の延長された巡航またはロイター飛行を可能にすることもできない。対照的に、発射システム100のコンテキストでキャリア飛行体によって搬送されるとき、ペイロード飛行体300は、しきい値時間よりも短い時間内に所望の高度Hに到達し得る。つまり、少なくともこの実施例において、ロケット推進システムは、ペイロード飛行体300を含む発射システム100を所望の高度Hまで推進するように構成された、少なくとも1つの固体ロケットモーターおよび固体推進剤を備える。
【0185】
例えば、しきい値時間は、1~2分、または2分、または5分、または10分、または60秒、または50秒、または40秒、または30秒、のいずれか1つ以内とし得る。
【0186】
少なくともこの実施例において、発射システム100は、キャリア飛行体200によって生成される推力を介して、所望の高度Hよりも低い高度で最大速度に達するように設計されており、この最大速度は、ペイロード飛行体300の設計亜音速巡航速度よりも大きい。さらに、ペイロード飛行体300は、少なくともこの実施例において、それ自体では、キャリア飛行体200が存在しなければ、この最大速度を達成することができない。例えば、最大速度は、設計亜音速巡航速度の少なくとも1.5倍、または設計亜音速巡航速度の2倍、または設計亜音速巡航速度の3倍、または設計亜音速巡航速度の4倍、または設計亜音速巡航速度の5倍、または設計亜音速巡航速度の5倍以上である。
【0187】
少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体300は、キャリア飛行体200が存在しないとき、すなわち、それ自体で、ペイロード飛行体推進システムのみを使用して、第1の平均上昇率を提供するように構成されていることにも留意されたい。すなわち、発射システム100は、所望の高度より低い高度で第2の平均上昇率に到達するように設計されており、第2の平均上昇率は、第1の平均上昇率よりも大きい。かかる平均上昇率は、それぞれの平均上昇率を含み得る。少なくともこの実施例において、ペイロード飛行体300は、それ自体では、第2の実証上昇率を達成することができない。例えば、第2の上昇率と第1の上昇率の比率は、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10以上、のうちのいずれか1つとし得る。
【0188】
本開示の主題の一態様によれば、図6を参照して、一般に参照番号1000で示される、ペイロード飛行体300が速度である発射システム100を操作するための方法の第1の実施例が提供される。発射システム100を介して所望の高度Hに発射された。
【0189】
方法1000のステップ1100によれば、発射システム100は、推進モジュール250のロケットモーター265を動作することによって、垂直に対して最大±15°以内の角度で、発射点LP(図8)から所望の高度Hに対して名目上垂直方向に発射される。発射システム100は、時間ΔTの間、ブーストフェーズBPを通過し、その間、ロケットモーターは推力THを生成し、発射システム100は加速され、同時に、発射システム100の質量は、燃料が使い果たされるにつれて減少する。少なくともこの実施例において、ブーストフェーズBP中に発射システムが到達する速度は、ペイロード飛行体300の巡航速度またはペイロード飛行体300の最大速度を大幅に超え得る。ロケットモーター265による推力の終了により、ブーストフェーズBPを終了させる。ブーストフェーズにおいて、発射システム100は高度HBに到達する。
【0190】
例えば、かかる発射点LPは、恒久的な発射施設(例えば、陸上または水上、例えば海上)とし得、また、電動発射プラットフォーム(例えば、陸上および/または水上)を含み得、発射点のモバイル化を可能にする。
【0191】
ロケットモーターが推力の発生を停止する時間ΔTの直後であるステップ1120において、減速フェーズDCがあり、このフェーズでは、発射システム100は、発射システム100に作用する重力および抗力によって減速する。
【0192】
例として、発射システム100は約1,000Kgの質量を有し、推進モジュール250は約500Kgの質量を有し、ペイロードモジュール210は約500Kgの質量を有し、そのうち約425Kgはペイロード飛行体300の質量である。ロケットモーター265は、約200秒のISPを有し、25秒の周期ΔTの間に34KNの推力THを提供する。この実施例において、時間の経過に伴う推力の変化を図7(a)に示す。時間の経過に伴う加速度の変化を図7(b)に示す。時間の経過に伴う質量の変化を図7(c)に示す。時間の経過に伴う高度の変化を図7(d)に示す。
【0193】
減速フェーズDPの間、発射システム100は、高度HBを超えて高さΔHを獲得し続けることが可能である。
【0194】
特に図8を参照すると、ブーストフェーズBPおよび減速フェーズDPの間、発射システム100は、弾道または疑似弾道軌道TJをたどり、これが継続されると、発射システム100を遠地点で最大高度MAに到達させ、続いて重力によって発射システム100の地面Gへ加速させる。最大高度MAでの発射システム100の速度は、ペイロード飛行体300の巡航速度(最大高度MAにおいて)とゼロとの間の範囲にある。
【0195】
高度BHにあり得る所望の高度Hで、または最大高度MAにあるかまたはそれの近くにあり得る高度BHを超えた高さΔH内で、ペイロード飛行体300のキャリア飛行体200からの分離が開始される。
【0196】
この実施例において、この分離は、まず、ステップ1130の脱係合フェーズNPにおいて、ペイロードモジュール210を推進モジュール250から脱係合させることによって実行される。例えば、この脱係合は、例えば、コントローラ、例えばコントローラ270を介した適切なコマンドに応答して、界面215および255を一体化して保持する爆発性ボルトの爆発を介して実行され得る。
【0197】
本開示の主題のこの態様によれば、ステップ1130の脱係合フェーズNPは、ペイロード飛行体300のそれぞれの亜音速巡航速度に相関する所定の前進速度で生じる。本開示の主題のこの態様によれば、所定の前進速度は亜音速であり、ゼロ~最大±0.3マッハ数の設計亜音速巡航速度の範囲とし得る。したがって、例えば、0.6Mの亜音速巡航速度の場合、所定の前進速度の範囲は、0~0.3Mから0~0.9Mまでとし得る。
【0198】
ステップ1130の後、ペイロードモジュール210はステップ1135に進み、同時に推進モジュール250はステップ1138で回収される。ステップ1138において、推進モジュール250は、標的領域GT2に向かって一般的または名目上弾道軌道TJ2をたどる。標的領域GT2は、人口および/または財産が存在しないように指定され得、したがって、例えば、重力衝突着陸またはソフトランディング(例えば、パラシュートの展開による)による推進モジュール250の回収は、人または財産を危険にさらすものではないと考えられる。かかる標的領域GT2は、例えば、海または砂漠、または他の無人エリアの所定の場所を含み得、または例えば、かかる目的のために確保されたフェンスで囲まれた「墓地」ゾーンを含み得る。
【0199】
ステップ1130の脱係合フェーズNPにおいて、ロケット推進システムを含むキャリア飛行体200の一部分、すなわち、推進モジュール250は、亜音速であり、ペイロード飛行体300の設計亜音速巡航速度の0~最大±0.3マッハ数の範囲内とし得る前進速度でペイロード飛行体300から分離される(したがって、ペイロード飛行体300は、ペイロードモジュール210に結合されている)ことに留意されたい、
【0200】
軌道TJにおける所望の高度DHは、発射システム100の前進速度Sが所望の速度範囲内にあるように、および/または発射システム100の動圧が所望の動圧範囲内にあるように選択され、これにより、ペイロード飛行体300が設計巡航速度以下で亜音速空力飛行を達成することを可能になる。また、少なくとも1つの実施例において、所望の高度は雲底より上にある。例えば、かかる前進速度Sは100m/秒以下である。例えば、所望の高度は約10kmとし得、この高度は、少なくとも前述の実施例において、約40秒で発射システム100を介して到達され得る。この前進速度は亜音速であり、ゼロ~最大±0.3の設計亜音速巡航速度のマッハ数の範囲とし得る。したがって、例えば、0.6Mの亜音速巡航速度の場合、所定の前進速度の範囲は、0~0.3Mから0~0.9Mまでとし得る。
【0201】
ステップ1135において、ペイロード飛行体300はペイロードモジュール210から分離され、ペイロード飛行体300はステップ1140に進み、同時に、空のペイロードモジュール210がステップ1148で回収される。ステップ1148において、空のペイロードモジュール210は、標的領域GT3に向かって一般的または名目上弾道軌道TJ3をたどる。標的領域GT3は、人口または資産が存在しないものとして指定され得、したがって、例えば、重力による衝突着陸またはソフトランディング(着陸パラシュートの展開など)による空のペイロードモジュール210の回収は、人または財産が危険にさらされることはないと考えられる。かかる標的領域GT3は、例えば、海または砂漠、または他の無人エリアの所定の場所を含み得、または例えば、かかる目的のために確保されたフェンスで囲まれた「墓地」ゾーンを含み得る。
【0202】
標的領域GT3は、標的領域GT2と同一とし得るか、または代替的に、標的領域GT3および標的領域GT2は、互いに異なり得る。
【0203】
ステップ1140、展開フェーズPPにおいて、現在リリースされているペイロード飛行体300は、展開構成を達成するために動作される。図1から図5に示される実施例において、前方ウィングセット360の前方左舷ウィング362および前方右舷ウィング364は前方方向に外向きに枢動され、後方ウィングセット360の後方左舷ウィング382および後方右舷ウィング384は後方方向に外向きに枢動され、テールフィン390は下方方向に外向きに枢動される。プロペラ332はエンジンによって回転され、プロペラ332のプロペラブレードは、遠心力により推進構成に向かって前方に枢動される。
【0204】
展開構成において、前述の速度範囲内の初期前進速度Sを有し、ペイロード飛行体300は、動力付きの低亜音速空力飛行を達成する。少なくともこの実施例において、動力付き低亜音速空力飛行は、対気速度50m/s~150m/s、および/またはマッハ数0.65M未満、または0.6M未満、または0.55M未満、または0.5M未満、または0.45M未満、または0.4M未満、または0.35M未満、または0.3M未満、または0.25M未満、または0.2M未満、で進行する。
【0205】
ステップ1150において、ペイロード飛行体300は、ミッションフェーズMPにおいて任務を進行し、任務は、事前設定され得るか、または地上局との通信を介して対話的に設定し得る任務目標を有する。任務目標にしたがって、ペイロード飛行体300は、事前にプログラムし得るか、またはペイロード飛行体通信モジュールを介して地上局によって提供される制御信号を含見えるフライトコントローラによって提供される制御信号に応答して、所望の高度Hでロイター飛行または巡航するか、またはこの高度を変更し得る。
【0206】
任意選択的に、任務および任務目標の性質に応じて、ペイロード飛行体300は、任務目標に関連し、任務中に取得された任務データを、ペイロード飛行体通信モジュールを介して地上基地に提供し得る。例えば、かかる任務データは、ペイロード飛行体300に含まれるセンサを介して取得されたセンサ情報を含み得る。
【0207】
ミッションデータは、例えば、それぞれの照準線(LOS)に沿って、1つ以上のセンサ810を介して取得された電磁データに関連付けし得る。
【0208】
ステップ1160において、任務は終了し、ペイロード飛行体300が回収される。ステップ1160は、任務目標が達成された後に実行され得、ペイロード飛行体300は、制御付き着陸のために指定された標的領域GTに(推進下または動力なしで)飛行し得る。
【0209】
少なくともいくつかの実施例において、ステップ1160は、ペイロード飛行体300の前述の展開を反転させることを含み得、ペイロード飛行体300は、展開構成から収納構成に戻され、これは、ペイロード飛行体300の着陸または接地の直前に、例えば、着陸面から2~10メートル以内で実行され得る。
【0210】
少なくともいくつかの実施例において、ステップ1160は、ペイロード飛行体300の空力揚力面の全部または一部を脱落することを含み得、これは、ペイロード飛行体300の着陸または接地の直前、例えば、着陸面から2~10メートル以内で実行され得る。かかる場合、ペイロード飛行体300は、その空力揚力面の全部または一部を選択的に解放するように構成され、この実施例において、後方ウィングセット380のウィング382、384、および前方ウィングセット360のウィング362、364を含む。例えば、後方ウィングセット380のウィング382、384および前方ウィングセット360のウィング362、364の一部またはすべては、爆発性ボルトを介して胴体320に接続され、爆発性ボルトは、それぞれのウィングを胴体320から脱落させるために選択的に作動させ得る。
【0211】
任意選択的に、ペイロード飛行体300は、特定の状況下でペイロード飛行体300を破壊するための自己破壊システム(図示せず)を含み得、自己破壊システムの作動は、かかる状況下でステップ1160を構成し得る。かかる状況には、例えば、ペイロード飛行体が部分的に損傷しているか、燃料または推進エネルギーが不足しており、望ましくない領域に上陸すると予想される場合が含まれ得、その場合、ペイロード飛行体が望ましくない人の手に落ちないことが望ましい。かかる状況はまた、例えば、ペイロード飛行体300が、ペイロード飛行体の自己破壊を介して損傷または破壊することが望まれる標的に向かって操縦される場合を含み得る。
【0212】
かかる自己破壊システムは、様々な形をとり得る。例えば、自己破壊システムは、最大の動量で飛行経路をたどって地面または標的との衝突を確実にするためのフライトコントローラへのコマンドの形式にし得る。代替的に、自己破壊システムは、爆発物を含み得、その爆発により、ペイロード飛行体300が破壊されるか、またはひどく損傷する結果となる。
【0213】
以下の方法クレームでは、クレームステップを指定するために使用される英数字およびローマ数字は、便宜のためにのみ提供され、ステップを実行する特定の順序を意味するものではない。
【0214】
最後に、添付の特許請求の範囲全体で使用される「含む」という用語は、「含むがこれに限定されない」を意味すると解釈されるべきであることに留意されたい。
【0215】
本開示の主題に従って例が示され、開示されているが、本開示の主題の精神から逸脱することなく、そこに多くの変更を加えることができることが理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7(a)】
図7(b)】
図7(c)】
図7(d)】
図8
図9
図10