(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】電極システム
(51)【国際特許分類】
C25B 9/65 20210101AFI20241031BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20241031BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20241031BHJP
C25B 9/70 20210101ALI20241031BHJP
C25B 11/02 20210101ALI20241031BHJP
C25B 11/03 20210101ALI20241031BHJP
【FI】
C25B9/65
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B9/70
C25B11/02 301
C25B11/03
(21)【出願番号】P 2021547859
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2020054514
(87)【国際公開番号】W WO2020169750
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2023-02-20
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520100103
【氏名又は名称】ハイメット アーペーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ビシュワス, サモン
【審査官】萩原 周治
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-504053(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第01341027(GB,A)
【文献】英国特許出願公開第02449724(GB,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0251794(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0034479(US,A1)
【文献】米国特許第08852410(US,B1)
【文献】実開平02-134692(JP,U)
【文献】特開昭55-162250(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0205973(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第112553640(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B 1/00-15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極システム(1)であって:
交互に配置されて電極スタックを形成する、複数の第1の電極板(3;3’;3”)及び複数の第2の電極板(5;5’)
であって、
各第1の電極板(3;3’;3”)は、第1の電極板(3;3’;3”)を通って延在している第1の電極板の第1のバスバー開口部(25a;25a’;25a”)及び第1の電極板の第2のバスバー開口部(25b;25b’;25b”)を有し、第1の電極板の第2のバスバー開口部(25b;25b’;25b”)は、第1の電極板の第1のバスバー開口部(25a;25a’;25a”)よりも大きく、
各第2の電極板(5;5’)は、第2の電極板(5;5’)を通って延在している第2の電極板の第1のバスバー開口部(27a;27a’)を有し、第2の電極板の第1のバスバー開口部(27a;27a’)は、第1の電極板の第1のバスバー開口部(25a;25a’;25a”)のそれぞれよりも大きい寸法であり、第1の電極板の第1のバスバー開口部(25a;25a’;25a”)と位置合わせされており、第2の電極板の第2のバスバー開口部(27b;27b’)は、第2の電極板(5;5’)を通って延在しており、第2の電極板の第2のバスバー開口部(27b;27b’)は、第1の電極板の第2のバスバー開口部(25b;25b’;25b”)のそれぞれよりも小さい寸法であり、第1の電極板の第2のバスバー開口部(25b;25b’;25b”)と位置合わせされて
いる、複数の第1の電極板(3;3’;3”)及び複数の第2の電極板(5;5’)と、
第1のバスバー(17a;18;31;45)
であって、第1の電極板の第1のバスバー開口部(25a;25a’;25a”)及び第2の電極板の第1のバスバー開口部(27a;27b’)を通って延在しており
、第1の電極板の第1のバスバー開口部(25a;25a’;25a”)の第1のバスバーの内側表面のみと機械的に接触するように構成されて
いる、第1のバスバー(17a;18;31;45)と、
第2のバスバー(17b)
であって、第1の電極板の第2のバスバー開口部(25b;25b’;25b”)及び第2の電極板の第2のバスバー開口部(27b;27b’)を通って延在しており
、第2の電極板の第2のバスバー開口部(27b;27b’)の第2のバスバーの内側表面のみと機械的に接触するように構成されており、
第1の電極板は、それぞれの第1の内部体積を区切る導電性の第1のフレームを有し、第2の電極板は、それぞれの第2の内部体積を区切る導電性の第2のフレームを有し、フレームは熱伝導性ポリマーでコーティングされており、第1の電極板及び第2の電極板は、下にある金属コアが露出された露出領域を有し、
第1の電極板の露出領域には、第1の電極板の第1のバスバー開口部及び第1のバスバーの第2のバスバー開口部が設けられており、
第2の電極板の露出領域には、第2の電極板の第1のバスバー開口部及び第2のバスバーの第2のバスバー開口部が設けられて
いる、第2のバスバー(17b)と、
それぞれが第1のバスバー又は第2のバスバーを受け入れる貫通開口部を有する複数の導電性スペーサー(41a、41b)
とを含み、第1の電極板及び第2の電極板のそれぞれについて、それぞれの2つのスペーサーが、露出領域と電気的に接続して配置されており、1つのスペーサーは、対応する第1の電極板の第1のバスバー開口部又は第2の電極板の第2のバスバー開口部の一方の側に配置されており、別のスペーサーは、その反対側に配置されており、露出領域(39)の前面及び後面の両方が、それぞれのスペーサーと機械的及び電気的に接触している、電極システム(1)。
【請求項2】
第1のバスバーがアノードバスバーであり、第2のバスバーがカソードバスバーである、請求項1に記載の電極システム(1)。
【請求項3】
すべての第1の電極板(3;3’;3”)がアノードであり、すべての第2の電極板(5;5’)がカソードである、請求項1又は2に記載の電極システム(1)。
【請求項4】
第1のフレーム(19a)は、第1の酸素ガスチャネル(24a)、第1の水素ガスチャネル(24b)を有し、第1の酸素ガスチャネル(24a)と第1の水素ガスチャネル(24b)のうち、第1の酸素ガスチャネル(24a)のみが、第1の内部体積(21a)に接続されており、水チャネル(22a)が第1の内部体積(21a)に接続されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の電極システム(1)。
【請求項5】
第2のフレーム(19b)は、第1の酸素ガスチャネル(26a)と位置合わせされている第2の酸素ガスチャネル(26a)、第1の水素ガスチャネル(24a)と位置合わせされている第2の水素ガスチャネル(26b)を有し、第2の酸素ガスチャネル(26a)と第2の水素ガスチャネル(26b)のうち、第2の水素ガスチャネル(26b)のみが第2の内部体積(21b)に接続されており、第2の水チャネル(28a)は水チャネル(22a)と位置合わせされている、請求項4に記載の電極システム(1)。
【請求項6】
第1のバスバー(17a;18;31;45)が、
第1の電極板の第1のバスバー開口部(25a;25a’;25a”)の第1のバスバーの内側表面と係合するように構成されており、第2のバスバー(17b)が、
第2の電極板の第2のバスバー開口部(27b;27b’)の第2のバスバーの内側表面と係合するように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の電極システム(1)。
【請求項7】
第1のバスバーの内側表面にはねじ山があり、第1のバスバー(17a)には、第1のバスバーの内側表面のねじ山とねじ山接続を形成するように構成されている雄ねじが設けられており、第2のバスバーの内側表面にはねじ山があり、第2のバスバー(17b)には、第2のバスバーの内側表面のねじ山とねじ山接続を形成するように構成されている雄ねじが設けられている、請求項1から6のいずれか一項に記載の電極システム(1)。
【請求項8】
第1のバスバー(17a;18;31)及び第2のバスバー(17b)が、円形の断面を有する、請求項7に記載の電極システム(1)。
【請求項9】
電解槽システムである、請求項1から8のいずれか一項に記載の電極システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば電解槽の、電極スタックの電極への電力供給に関する。
【背景技術】
【0002】
電極のスタックは、非常に複数の用途で使用することができる。電極のスタックを利用することができる1つの用途は、電気分解の用途である。
【0003】
水の電気分解は、水分子が分解されて水素ガスと酸素ガスを生成するプロセスである。このプロセスは、水中に沈められた2つの電極間に電流が流れる結果として発生する。
【0004】
既存の解決策では、電源と電極との間の機械的な接続は比較的かさばる可能性がある。さらに、設置の間に電源に必要な接続を行うのは比較的面倒な場合がある。
【発明の概要】
【0005】
上記を考慮して、本開示の一般的な目的は、先行技術の問題を解決するか、あるいは少なくとも軽減する電極システムを提供することである。
【0006】
したがって、電極スタックを形成するために交互に配置された複数の第1の電極板及び複数の第2の電極板を含み、各第1の電極板は、第1の電極板の第1のバスバー開口部と、第1の電極板を通って延在している第1の電極板の第2のバスバー開口部とを有し、第1の電極板の第2のバスバー開口部は、第1の電極板の第1のバスバー開口部よりも大きく、各第2の電極板は、第2の電極板を通って延在している第2の電極板の第1のバスバー開口部を有し、第2の電極板の第1のバスバー開口部は、第1の電極板の第1のバスバー開口部のそれぞれよりも大きい寸法形状であり、第1の電極板の第1のバスバー開口部と位置合わせされており、第2の電極板の第2のバスバー開口部は、第2の電極板を通って延在しており、第2の電極場の第2のバスバー開口部は、第1の電極板の第2のバスバー開口部のそれぞれよりも小さい寸法形状であり、第1の電極板の第2のバスバー開口部と位置合わせされており、第1のバスバーは、第1の電極板の第1のバスバー開口部及び第2の電極板の第1のバスバー開口部を通って延在しており、第1のバスバーは、第1の電極板の第1のバスバー開口部の第1のバスバーの内側表面のみと機械的に接触するように構成されており、第2のバスバーは、第1の電極板の第2のバスバー開口部及び第2の電極板の第2のバスバー開口部を通って延在しており、第2のバスバーは、第2の電極板の第2のバスバー開口部の第2のバスバーの内側表面のみと機械的に接触するように構成されている、電極システムが提供される。
【0007】
したがって、電極スタックとのバスバー接続は内部であり、電極スタックの内部を通って延在しているため、バスバーの外部フットプリント、並びに第1の電極板及び第2の電極板に対するそれらの接続が減少する。さらに、それにより、例えば、第1の電極板及び第2の電極板の外部冷却の目的のために、電極スタックの外側表面に直接アクセスすることができる。
【0008】
したがって、第1のバスバーは、第1の電極板の第1のバスバー開口部及び第2の電極板の第1のバスバー開口部のうちの、第1の電極板の第1のバスバーの開口部の第1のバスバーの内側表面のみと機械的に接触するような寸法にされる。
【0009】
したがって、第2のバスバーは、第1の電極板の第2のバスバー開口部及び第2の電極板の第2のバスバー開口部のうちの、第2の電極板の第2のバスバー開口部の第2のバスバーの内側表面のみと機械的に接触するような寸法にされる。
【0010】
第1のバスバーは、例えば、銅又はアルミニウムで作られていてもよい。第2のバスバーは、例えば、銅又はアルミニウムで作られていてもよい。
【0011】
第1のバスバー及び第2のバスバーは、同じ外径を有し得る。第1のバスバー及び第2のバスバーは、例えば、同一又は本質的に同一であり得る。
一例は、複数の第1のバスバーを含み得、各第1の電極板は、複数の第1の電極板の第1のバスバー開口部を含み得、各第1のバスバーは、それぞれの第1の電極板の第1のバスバー開口部の第1のバスバーの内側表面を通って延び、機械的に接触している。
【0012】
一例は、複数の第2のバスバーを含み得、各第2の電極板は、複数の第2の電極板の第2のバスバー開口部を含み得、各第2のバスバーは、それぞれの第2の電極板の第2のバスバー開口部の第2のバスバーの内側表面を通って延び、機械的に接触している。
【0013】
一例によれば、各第1の電極板の第2のバスバー開口部は、複数の第2のバスバーを受け入れるように構成される。各第1の電極板の第1の電極板第2のバスバー開口部は、それを通って延在している第2のバスバーのいずれも第1の電極板と電気的に接触しないような寸法にされ得る。一例によれば、第2の電極板の第1のバスバー開口部は、複数の第1のバスバーを受け入れるように構成される。各第2の電極板の第2の電極板の第1のバスバー開口部は、それを通って延在している第1のバスバーのいずれもが第2の電極板と電気的に接触しないような寸法にされ得る。
【0014】
好ましくは、第1のバスバーの数と第2のバスバーの数は同じである。
【0015】
一実施形態によれば、第1のバスバーはアノードバスバーであり、第2のバスバーはカソードバスバーである。
【0016】
一実施形態によれば、すべての第1の電極はアノードであり、すべての第2の電極板はカソードである。
【0017】
一実施形態によれば、各第1の電極板は、第1の内部体積を区切る第1のフレームを有し、第1のフレームは、第1の酸素ガスチャネル、第1の水素ガスチャネルを有し、第1の酸素ガスチャネル及び第1の水素ガスチャネルのうち、第1の酸素ガスチャネルのみが第1の内部体積に接続されており、水チャネルが第1の内部体積に接続されている。
【0018】
一実施形態によれば、各第2の電極板は、第2の内部体積を区切る第2のフレームを有し、第2のフレームは、第1の酸素ガスチャネルと整列されている第2の酸素ガスチャネル、第1の水素ガスチャネルと整列されている第2の水素ガスチャネルを有し、第2の酸素ガスチャネル及び第2の水素ガスチャネルのうち、第2の水素ガスチャネルのみが第2の内部体積に接続されており、第2の水チャネルは水チャネルと整列されている。
【0019】
一実施形態によれば、第1のバスバーは、第1のバスバーの内側表面と係合するように構成されており、第2のバスバーは、第2のバスバーの内側表面と係合するように構成されている。
【0020】
一実施形態によれば、1のバスバーの内側表面にはねじ山があり、第1のバスバーには、第1のバスバーの内側表面のねじ山とねじ山接続を形成するように構成された雄ねじが設けられており、第2のバスバーの内側表面にはねじ山があり、第2のバスバーには、第2のバスバーの内側表面のねじ山とねじ山接続を形成するように構成された雄ねじが設けられている。
【0021】
一実施形態によれば、第1のバスバー及び第2のバスバーは、円形の断面を有する。それにより、第1のバスバーは、例えば、第1の電極板の第1のバスバー開口部にねじ込むことができ、第2のバスバーは、例えば、第2の電極板の第2のバスバー開口部にねじ込むことができる。
【0022】
一実施形態によれば、第1のバスバーは、径方向外向きに延在している複数の第1のフィンを備え、第1のフィンは、それぞれの第1のフィンロック構造を備えており、第1のバスバーの内側表面は、それぞれが第1の内側ロック構造を備えている複数の径方向内向きに延在している第1の突起を備え、各第1の内側ロック構造は、それぞれの第1フィンロック構造と嵌合するように構成されている。
【0023】
第2の電極板の第1のバスバー開口部は、電極スタックを通って延在している第1のバスバーの長さに沿った第1のバスバーの最大断面寸法よりも大きい最小寸法を有し得る。したがって、第1のバスバーは、第2の電極板の第1のバスバー開口部の内側表面と機械的に接触することはない。
【0024】
第1のバスバーと第1の電極板との間の表面接触体積を増加させることができ、したがって、より多くの電流を第1のバスバーから第1の電極板に流すことができる。
【0025】
一実施形態によれば、第1のフィンロック構造は、それぞれの第1の内側ロック構造とスナップフィットするように構成されている接線方向の突起である。
【0026】
それにより、第1のバスバーは、設置中に第1のバスバーをねじることによって、第1の電極板と機械的にロックされ得る。
【0027】
第1のフィンロック構造は、それぞれの第1のフィンから次の第1のフィンに向かって、第1のバスバーの第1の円周方向に次々に接線方向に延在していることができる。
【0028】
一実施形態によれば、第2のバスバーは、径方向外向きに延在している複数の第2のフィンを備え、第2のフィンは、それぞれの第2のフィンロック構造を備えており、第2のバスバーの内側表面は、それぞれが第2の内側ロック構造を備えている複数の径方向内向きに延在している第2の突起を備え、各第2の内側ロック構造は、それぞれの第2フィンロック構造と嵌合するように構成されている。
【0029】
第1の電極板の第2のバスバー開口部は、電極スタックを通って延在している第2のバスバーの長さに沿った第2のバスバーの最大断面寸法よりも大きい最小寸法を有し得る。したがって、第2のバスバーは、第1の電極板の第2のバスバー開口部の内側表面と機械的に接触することはない。
【0030】
第2のバスバーと第2の電極板との間の表面接触体積を増加させることができ、したがって、より多くの電流を第2のバスバーから第2の電極板に流すことができる。
【0031】
一実施形態によれば、第2のフィンロック構造は、それぞれの第2の内側ロック構造とスナップフィットするように構成された接線方向の突起である。
【0032】
これにより、第2のバスバーは、設置中に第2のバスバーをねじる又は回転させることによって、第2の電極板と機械的にロックすることができる。
【0033】
第2のフィンロック構造は、それらのそれぞれの第2のフィンから次の第2のフィンに向かって、第2のバスバーの第1の円周方向に次々に接線方向に延在していることができる。
【0034】
一実施形態によれば、第1のバスバーは、第1のバスバーの軸方向に互いに平行に延在している、分離されている2つ第1の半分及び2つの第1の半分の間の距離の調整を可能にするように構成されている第1の距離設定アセンブリを含み、それにより、第1の電極板の第1のバスバー開口部とのタイトフィットを可能にし、第2のバスバーは、第2のバスバーの軸方向に互いに平行に延在している、分離されている2つの第2の半分及び2つの第2の半分の間の距離の調整を可能にするように構成されている第2の距離設定アセンブリを含み、それにより、第2の電極板の第2のバスバー開口部とのタイトフィットを可能にする。
【0035】
それにより、第1のバスバーの2つの第1の半分は、第1のバスバーと第1の電極板との間のより良い機械的接触を得るために、第1のバスバーの内側表面に向かって押し付けられ得る。2つの第1の半分は、回転させることで互いに離すことができる。一実施形態によれば、第1の距離設定アセンブリは、第1のバスバーの各端部領域に第1のねじを含み、2つの第1の半分を通って径方向に延在しており、各第1のねじには、2つの第1の半分の間の距離の調整を可能にする2つの第1のナットが設けられており、第2の距離設定アセンブリは、第2のバスバーの各端部領域に第2のねじを含み、2つの第2の半分を通って径方向に延在しており、各第2のねじには、2つの第2の半分の間の距離の調整を可能にする2つの第2のナットが設けられている。
【0036】
これにより、第2のバスバーの2つの第2の半分を、第2のバスバーの内側表面に向かって押して、第2のバスバーと第2の電極板との間のより良い機械的接触を得ることができる。
【0037】
一実施形態によれば、電極システムは電解槽システムである。電解槽システムは、高圧電解槽システムであり得る。
【0038】
一実施形態は、複数の導電性平面スペーサーを含み、各スペーサーは、第1のバスバー又は第2のバスバーを受け入れるように構成されている貫通開口部を有し、第1の電極板及び第2の電極板は、熱伝導性ポリマーでコーティングされており、第1の電極板及び第2の電極板は、下にある金属コアが露出された露出領域を有し、第1の電極板の露出領域には、それぞれ1つの第1の電極板の第1のバスバー開口部が設けられており、第2の電極板の露出領域には、それぞれ1つの第2の電極板の第2のバスバー開口部が設けられており、各第1の電極板について、1つのスペーサーが第1の電極板の第1のバスバー開口部の一方の側に配置されており、別のスペーサーが第1の電極板の第1のバスバー開口部の反対側に配置されており、各第2の電極板に対して、1つのスペーサーが第2の電極板の第2のバスバー開口部の一方の側に配置され、別のスペーサーが第2の電極板の第2のバスバー開口部の反対側に配置されており、これにより、スペーサーは、露出領域の前面と背面の両方と機械的及び電気的に接触して配置されている。
【0039】
これにより、バスバーが接触する導電性材料の厚さが増加される。スペーサーは、バスバーの追加の接触面として機能する。これにより、バスバーが電極板と電気的に接触する長さが長くなり、電極板が非常に薄く、電極板に大電流を流す場合に有利である。これにより、バスバーから電極板に流れる電流を増加させることができる。
【0040】
あるいは、スペーサーは接触要素と呼ばれることもある。
【0041】
一例によれば、電極システムは:キャビネット及び複数の第1のバスバー、複数の第1の電極板の第1のバスバー開口部を含む各第1の電極板、並びに複数の第2のバスバー、複数の第2の電極板の第2のバスバー開口部を含む各第2の電極板を含み、電極システムは、第1のバスバーの対の間に接続されている第1のパンタグラフを含み、第1のパンタグラフは、第1のバスバーを第1の電極板に向かって押すように構成されており、第2のパンタグラフは、第2のバスバーの対の間に接続されており、第2のパンタグラフは、第2のバスバーを第2の電極板に向かって押すように構成されている。
【0042】
複数の第1の電極板は、例えば、2つの第1の電極板であり得る。複数の第2の電極板は、例えば、2つの第2の電極板であり得る。
【0043】
一例によれば、電極システムは、第1のバスバー及び第2のバスバーに接続されるように構成されている電気コネクタを備えているキャビネット、並びに電磁石を含み得、電極スタックは電解槽の一部を形成し、電解槽は、電解槽がキャビネット内に配置されたときに電磁石と磁気的に相互作用するように構成されている強磁性材料を含む。
【0044】
電磁石は、電解槽がキャビネット内に配置されたときに通電されて、電解槽をキャビネット内に適切に位置合わせし、電気コネクタ及び第1のバスバー及び第2のバスバーの間の電気接続を固定することができる。電気分解を除去する場合は、電磁石の電源を切ることができる。
【0045】
一般に、特許請求の範囲で使用されるすべての用語は、ここで別段の定めがない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「a/an/要素、装置、コンポーネント、手段、ステップなど」へのすべての参照は、特に明記しない限り、要素、装置、コンポーネント、手段、ステップなどの少なくとも1つの実例を指すものとして公然と解釈されるべきである。ここに開示される任意の方法のステップは、明示的に述べられない限り、開示される正確な順序で実行される必要はない。
【0046】
次に、本発明の概念の例を、添付の図面を参照して、例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】電極システムの一例の斜視図を概略的に示している。
【
図2a-b】
図2のaは、第1の電極板の正面図を概略的に示している。
図2のbは、第2の電極板の正面図を概略的に示している。
【
図3a-b】
図3のaは、バスバーの一例の断面を概略的に示している。bは、電極板のバスバー開口部に取り付けられている
図3のaのバスバーを概略的に示している。
【
図4a-b】
図4のaは、バスバーの一例の斜視図を概略的に示している。
図4のbは、
図4のaのバスバーの側面図を概略的に示している。
【
図5a-b】
図5のaは、第2の電極板の別の例の斜視図を概略的に示している。
図5のbは、バスバー及びスペーサーが第2の電極板から取り外されている、
図5のaの第2の電極板の概略拡大図である。
【
図6a-b】
図6のaは、バスバーの一例の斜視図を概略的に示しており。
図6のbは、
図6のaに示されているバスバーと共に使用するための電極板を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
次に、本発明の特定の実施形態が示されている添付の図面を参照して、本発明を以下により完全に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、ここに記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、この開示が、徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えることになるよう、これらの実施形態は、例として提供されている。同様の符号は、説明全体で同様の要素を指す。
【0049】
図1は、電極スタックを形成する複数の電極板を含む電極システムの例を示している。以下では、電極システムは、電気分解のための電解槽システムによって例示される。しかしながら、任意の用途の電極スタックは、電気分解の文脈でここに記載されるように、バスバー構造から利益を得る可能性があることを理解されたい。
【0050】
例示された電極システム1は、複数の第1の電極板3及び複数の第2の電極板5を含む。第1の電極板3及び第2の電極板5は交互に配置されて、電極スタックを形成する。第1の電極板3と隣接する第2の電極板5の各対は、電解セルを形成する。
【0051】
電極システム1は、セパレータ膜などの膜を含み得る。それぞれの膜は、一対の第1の電極板3と第2の電極板5との間に配置することができる。したがって、それぞれの膜は、第1の電極板3と第2の電極板5との間に挟まれ得る。
【0052】
第1の電極板3は、第2の電極板5から電気的に絶縁されている。
例示された電極システム1は、2つのエンドプレートを有し、各エンドプレートは、電極スタックの各端にある。
図1では、1つのエンドプレート7のみが見える。エンドプレート7は、エンドプレート7の周囲に沿って分散された複数の開口部9を含み得る。開口部9は、電極スタックを一緒に保持するための留め具を受け入れるように構成され得る。留め具は、例えば、電極スタックを通って延在している圧縮ロッドと、圧縮ロッドを電極スタックに取り付けるためのナット及び/又はボルトとを含み得る。
【0053】
例示されたエンドプレート7はさらに2つのガスチャネルを含む。この例では、第1のガスチャネルは酸素ガスチャネル11aであり、第2のガスチャネルは水素ガスチャネル11bである。例示されたエンドプレート7は、水チャネル13をさらに含む。エンドプレート7は、第1バスバー開口部15a及び第2のバスバー開口部15bを有する。
【0054】
電極システム1はさらに、第1のバスバー17a及び第2のバスバー17bを備える。第1のバスバー17aは、第1のバスバー開口部15aを通って、そして電極スタック全体を通って延在しており、第2のバスバー17bは、第1のエンドプレート7の第2のバスバー開口部15bを通って、そして電極スタック全体を通って延在している。したがって、例示された第1のバスバー17a及び第2のバスバー17bは、すべての第1の電極板3、すべての第2の電極板5、及び両方のエンドプレートを含む電極スタック全体を通って延在している。
【0055】
第1のバスバー17a及び第2のバスバー17bは、
図1に示される例によれば、エンドプレート7と機械的又は電気的に接触していない。ここでは、例えば、第1のバスバー開口部15a及び第2のバスバー開口部15bは、第1のバスバー17a及び第2のバスバー17bの断面寸法よりも少なくともいくらか大きい寸法を有し得る。1つの変形例によれば、エンドプレート7は、第1のバスバー17aと第1のバスバー開口部15aとの間、及び第2のバスバー17bと第2のバスバー開口部15bとの間に固体電気絶縁を設け得る。
【0056】
図2aは、第1の電極板3の一例の正面図を示している。第1の電極板3は、第1の内部容積21aを区切る導電性の第1のフレーム19aを有する。第1のフレーム19aは、例えば、銅又はアルミニウムなどの金属コアを含み得る。第1のフレーム19a、特に金属コアは、熱伝導性ポリマーでコーティングすることができる。熱伝導性ポリマーのコーティングは、例えば、射出成形によって得ることができる。
【0057】
第1の電極板3には、第1の内部体積21aを区切る対向する側部の間で、第1の内部体積21aの内側に延在している複数のコイル23が設けられている。コイル23は、第1のフレーム19aに電気的に接続されている。コイル23は、互いに並列に配置することができる。
【0058】
第1の電極板3はさらに、第1の水チャネル22a及び第2の水チャネル22bを含み、そのうちの第2の水チャネル22bのみが第1の内部体積21aに接続されている。したがって、第1の水チャネル22aの第2の水チャネル22b及び第2の水チャネル22bのみが、第1の内部体積21aと流体連絡している。電極スタックにおいて、第1の水チャネル22a及び第2の水チャネル22bは、エンドプレート7の水チャネル13のそれぞれの1つに接続されている。
【0059】
第1の電極板3はさらに、第1のガスチャネル24a、例えば、第1の酸素ガスチャネル及び第2のガスチャネル24b、例えば、第1の水素ガスチャネルを含む。第1のガスチャネル24a及び第2のガスチャネル24bのうちの一方のみが、第1の内部体積21aに接続されている。
図2aに示される例では、第1のガスチャネル24aは、第1の内部体積21aに接続されている。したがって、第1のガスチャネル24aは、第1の内部体積21aと流体連絡している。
【0060】
第1の電極板3は、第1の電極板の第1のバスバー開口部25aを含む。第1の電極板の第1のバスバー開口部25aは、第1の電極板3を通って延在している。第1の電極板の第1のバスバー開口部25aは、この例では、第1の電極板3の下部領域に配置されている。
【0061】
第1の電極板3は、第1の電極板の第2のバスバー開口部25bを備えている。第1の電極板の第2のバスバー開口部25bは、第1の電極板3を通って延在している。第1の電極板の第2のバスバー開口部25bは、この例では、第1の電極板3の下部領域に配置されている。
【0062】
第1の電極板の第2のバスバー開口部25bは、第1の電極板の第1のバスバー開口部25aよりも大きい。
【0063】
図2bは、第2の電極板5の一例の正面図を示している。第2の電極板5は、第2の内部体積21bを区切る導電性の第2のフレーム19bを有する。第2のフレーム19bは、例えば、銅又はアルミニウムなどの金属コアを含み得る。第2のフレーム19b、特に金属コアは、熱伝導性ポリマーでコーティングすることができる。熱伝導性ポリマーのコーティングは、例えば、射出成形によって得ることができる。
【0064】
第2の電極板5には、第2の内部体積21を区切る対向する側部の間で、第2の内部体積21bの内側に延在している複数のコイル23を備えている。コイル23は、第2のフレーム19bに電気的に接続されている。コイル23は、互いに並列に配置することができる。
【0065】
第2の電極板5はさらに、第1の水チャネル28a及び第2の水チャネル228bを含み、そのうち第1の水チャネル28aのみが第2の内部体積21bに接続されている。したがって、第1の水チャネル28aの第1の水チャネル28a及び第2の電極板5の第2の水チャネル28bのみが、第2の内部体積21bと流体連絡している。電極スタックにおいて、第1の水チャネル28a及び第2の水チャネル28bは、第1の電極板3の水チャネル22a及び22b並びにエンドプレート7の水チャネル13のそれぞれの1つに接続されている。
【0066】
第2の電極板5はさらに、第1のガスチャネル26a、例えば、第2の酸素ガスチャネルと、第2のガスチャネル26b、例えば、第2の水素ガスチャネルとを含み、第1の電極板3の対応するガスチャネルと整列され、接続されている。第1のガスチャネル26a及び第2のガスチャネル26bのうちの一方のみが、第2の内部体積21bに接続されている。
図2bに示される例では、第2のガスチャネル26bは、第2の内部体積21bに接続されている。したがって、第2のガスチャネル26bは、第2の内部体積21bと流体連絡している。
【0067】
第2の電極板5は、第2の電極板の第1のバスバー開口部27aを含む。第2の電極板の第1のバスバー開口部27aは、第2の電極板5を通って延在している。第2の電極板の第1のバスバー開口部27aは、この例では、第2の電極板5の下部領域に配置されている。
【0068】
第2の電極板5は、第2の電極板第2のバスバー開口部27bを含む。第2の電極板の第2のバスバー開口部27bは、第2の電極板5を通って延在している。第2の電極板の第2のバスバー開口部27bは、この例では、第2の電極板5の下部領域に配置されている。
【0069】
第2の電極板の第1のバスバー開口部27aは、第2の電極板の第2のバスバー開口部27bよりも大きい。
【0070】
電極スタックにおいて、各第1の電極板3の第1の電極板の第1のバスバー開口部25aは、第2の電極板の第2の電極板の第1のバスバー開口部27a、及び他の第1の電極板3の第1の電極板の第1のバスバー開口部25aと位置合わせされている。
【0071】
電極スタックにおいて、各第1の電極板3の第1の電極板の第2のバスバー開口部25bは、第2の電極板5の第2の電極板の第2のバスバー開口部27b及び他の第1の電極板3の第1の電極板の第2のバスバー開口部25bと位置合わせされている。
【0072】
第1のバスバー17aは、第1の電極板の第1のバスバー開口部25a及び第2の電極板の第1のバスバー開口部27aのすべてを通って延在している。第1のバスバー17aは、第1の電極板の第1のバスバー開口部25aの第1のバスバーの内側表面と機械的に接触するような寸法にされている。第2の電極板の第1のバスバー開口部27aは、第1の電極板の第1のバスバー開口部25aよりも大きな寸法を有し、第1のバスバー17aは、第2の電極板の第1のバスバー開口部27aのどの表面とも機械的に接触していない。これにより、第1のバスバー17aは、第1の電極板3にのみ電流を供給することができる。
【0073】
第2のバスバー17bは、第1の電極板の第2のバスバー開口部25b及び第2の電極板の第2のバスバー開口部27bのすべてを通って延在している。第2のバスバー17bは、第2の電極板の第2のバスバー開口部27bの第2のバスバーの内側表面と機械的に接触するような寸法にされている。第2の電極板の第2のバスバー開口部27bは、第1の電極板の第2のバスバー開口部25bよりも小さい寸法を有し、第2のバスバー17bは、第1の電極板の第2のバスバー開口部25bのどの表面とも機械的に接触していない。これにより、第2のバスバー17bは、第2の電極板5にのみ電流を供給することができる。
【0074】
第1のバスバー17aはアノードバスバーであり得、第2のバスバー17bはカソードバスバーであり得る。したがって、第1の電極板3はアノードを形成することができ、第2の電極板5はカソードを形成することができる。
【0075】
図2a~
図2bに示される例によれば、第1のバスバー17a及び第2のバスバー17bは、同じ直径又は寸法を有する。第1のバスバー17a及び第2のバスバー17bは、円形の断面を有し得る。これは、ここに開示される任意の例に適用され得る。
【0076】
第1のバスバー17aは、第1の電極板の第1のバスバー開口部25a、特に第1のバスバーの内側表面と係合するように構成されている。第2のバスバー17bは、第2の電極板の第2のバスバー開口部27b、特に第2のバスバーの内側表面と係合するように構成されている。
【0077】
第1のバスバーの内側表面にはねじ山を設けることができ、第1のバスバー17aの外側表面には対応する雄ねじ山を設けることができる。これにより、第1のバスバー17aは、第1のバスバーの内側表面との、したがって第1の電極板3とのねじ接続を得ることができる。
【0078】
第2のバスバーの内側表面にはねじ山を設けることができ、第2のバスバー17bの外側表面には対応する雄ねじ山を設けることができる。これにより、第2のバスバー17bは、第2のバスバーの内側表面との、したがって第2の電極板5とねじ接続を得ることができる。
【0079】
図3aは、バスバーの別の例、すなわち、第1のバスバー及び第2のバスバーの断面を示している。以下に例示されるバスバーは、第1のバスバー18であるが、この変形例によれば、第2のバスバーは、同じ又は本質的に同じ構成を有し得る。第1のバスバー18は、第1のバスバー18の周囲に沿って分散された、径方向外向きに延在している複数の第1のフィン18aを含む。各第1のフィン18aは、第1のフィンロック構造18bを有する。図示の例では、第1のフィンロック構造18bは、対応する第1のフィン18aの長手方向軸に本質的に垂直に又は垂直に延在している。したがって、各第1のフィンロック構造18bは、対応する第1のフィン18bに対して直交する突起である。したがって、各第1のフィンロック構造18bは、第1のバスバー18のそれぞれの接線方向に延在することができる。第1のフィンロック構造18bのそれぞれは、時計回りに、又は代替の例では、第1のバスバー18の周囲に沿って反時計回りに移動するときに、後続の第1のフィン18aに向かって延在している。
【0080】
図3bは、第1の電極板3’及び第2の電極板5’の1つに取り付けられている、
図3aに示されるタイプのバスバーの拡大図を示す。第1の電極板3’/第2の電極板5’は、少なくとも第1の電極板の第1のバスバー開口部及び第2の電極板の第2の開口部が異なることを除いて、
図2a~
図2bを参照して説明したものと同様である。この場合、第1の電極板の第1のバスバー開口部25a’及び第2の電極板の第2のバスバー開口部には、径方向内向きに延在している複数の第1の突起又はフィン29を設けることができる。各第1のフィン18aは、径方向内向きに延在している第1の突起29の対の間に延在するように構成されている。径方向内向きに延在している各第1の突起29は、それぞれの第1のフィンロック構造18bと嵌合及び係合するように構成されている第1の内側ロック構造29aを有する。第1のフィンロック構造18b及び対応する第1の内側ロック構造29は、スナップフィット係合を有することができる。第1のフィンロック構造18bは、例えば、ヘッド構造を含み得、第1の内側ロック構造29は、ウエスト構造を含み得、ヘッド構造は、ウエスト構造によってロックされるように構成され得る。組み立て中、例えば、第1のバスバー18は、最初に、
図3bに示される位置で、第1の電極板の第1のバスバー開口部のすべてを通って導かれ得る。次に、第1のバスバー18は、第1のフィンロック構造18bが対応する第1の内側ロック構造29と係合するように、時計回りに回転又はねじることができる。
【0081】
この場合、第1の電極板の第2のバスバー開口部及び第2の電極板の第1のバスバー開口部は、好ましくは、対応するバスバーの最大断面寸法よりも大きく作られる。したがって、これらの開口部は、第1のバスバー及び第2のバスバーと機械的に接触しないように十分に大きい。
【0082】
図4aは、斜視図における第1のバスバー又は第2のバスバーの別の例を示している。この例では、第1のバスバーと第2のバスバーの両方が類似又は同じであってよい。第1の電極板の第1のバスバー開口部及び第2の電極板の第2のバスバー開口部は、第1/第2のバスバーの断面の包絡線形状、すなわち断面輪郭形状に適合した形状を有し得る。
【0083】
例示された第1のバスバー31は、互いに固定され、並列に配置されている2つの分離された細長い半分31a及び31bを含む。第1/第2のバスバーはさらに、2つの半分31aと31bとの間の距離を調整するための手段を含む。2つの半分31aと31bとの間の距離は、第1/第2のバスバーが対応する第1/第2の電極板の第1/第2の開口部に取り付けられた後に有益に調整され、ぴったりとはまり、良好な電気的接触が得られる。
図4a及び
図4bに示される例によれば、バスバーは、第1の距離設定アセンブリ33aを含む。
【0084】
第1の距離設定アセンブリ33aは、それぞれが両方の半分31a~31bを通って径方向に延在している2つの第1のねじ35a及び37b、並びに4つの第1のナット35b及び37bを含み、2つの第1のナット35bは、2つの半分31a~31bの間の第1のねじ35aに取り付けられ、2つの第1のナット37bは、2つの半分31a~31bの間の第1のねじ37bに取り付けられる。2つの第1のねじ35a及び35bは、バスバー31の反対側の端部領域/部分に配置され得る。
【0085】
第1のねじ35aに取り付けられた2つの第1のナット35bを2つの半分31a及び31bに向かって反対方向にねじ込むことにより、バスバー31のその端部の2つの半分31a~31b間の距離を調整することができる。同様に、2つの第1のナット37bを反対方向にねじ込むことにより、バスバー31の他端の2つの半分31a~31bの間の距離を調整することができる。それにより、バスバー31は、第1の電極板の第1のバスバー開口部及び第2の電極板の第2のバスバー開口部にぴったりとはまるように設置することができる。第1のねじ35a及び37aは、設置後の調整を可能にするために、電極スタックの外側に有利に配置され得る。
【0086】
図5aは、第2の電極板5’の別の例を示し、
図5bは、対応する第1の電極板3’を示す。第2の電極板5’は、
図2aを参照して説明したものと同様である。しかしながら、第2の電極板5’は、下にある金属コアが露出された、露出範囲又は範囲39を有する。したがって、熱伝導性ポリマーは、露出領域39で除去されている。露出領域39は、第2の電極板5’を通って延在している第2の電極板の第1のバスバー開口部27a’と、第2の電極板の第1のバスバー開口部27a’よりも小さい第2の電極板の第2のバスバー開口部27b’とを含む。
【0087】
この例では、第1の電極板は、
図5bに示されるように、第1の電極板の第1のバスバー開口部25a’が、第2の電極板の第2の開口部27b’の構造を有し、第2の電極板の第1のバスバー開口部27a’が配置されている対応する位置に配置されており、そして、第1の電極板の第2のバスバー開口部25b’が、第2の電極板の第1の開口部27a’の構造を有し、第2の電極板の第2のバスバー開口部27b’が配置されている対応する位置に配置されることを除いて、例示された第2の電極板5’と同様である。
【0088】
この例では、第2の電極板5’により多くの電流を供給できるようにするために、露出領域39に複数の第2の電極板の第2のバスバー開口部27b’が存在する。電極システムは、極性ごとに複数のバスバー、すなわち、2つ以上のカソードバスバー及び2つ以上のアノードバスバーを含み得る。これは、ここに開示される実施例のいずれかの変形に適用され得る。
【0089】
例示された電極システムは、複数の導電性スペーサー41a及び41bをさらに含み得る。スペーサー41a及び41bは、例えば、銅又はアルミニウムを含むか、又はそれからなることができる。スペーサー41a及び41bは、本質的に平面であるか又は平面である。各スペーサー41a~41bは、第1のバスバー又は第2のバスバーを受け入れるように構成されている貫通開口部を有する。
【0090】
1つ又は複数の第2の電極板の第2のバスバー開口部27b’、及び1つ又は複数の第1の電極板の第1のバスバー開口部のそれぞれは、それぞれの2つのスペーサー41a及び41bに関連付けられ得る。特に、2つのスペーサー41a及び41bは、露出領域39、したがって第2のバスバーの第2の開口部27b’が設けられている壁と電気的に接続して配置することができる。1つのスペーサー41aは、対応する開口部27’bの一方の側に配置され、別のスペーサー41bは、開口部27’bの反対側に配置される。したがって、露出領域39の前面及び後面の両方が、それぞれのスペーサー41a、41bと機械的及び電気的に接触している。これにより、バスバーが接触している導電性材料の厚さを増加させることができる。したがって、スペーサー41a及び41bは、バスバーの追加の接触面として機能する。これにより、バスバーが電極板と電気的に接触する長さが長くなり、電極板が非常に薄く、大きな電流が電極板に流れる場合に有利である。これにより、バスバーから電極板に流れる電流を増加させることができる。各電極板には、露出範囲と接触して配置されたそのようなスペーサー41a~41bが設けられている。
【0091】
組み立て中、バスバーのすべてのスペーサーは、バスバーの周囲に適切な距離を置いて次々に設けられ、その結果、それらが、例えば、電極スタックの第2の電極板ごとの範囲39の背面及び前面と機械的に接触して配置され得るようにする。したがって、通常、バスバーの周囲には、特定のタイプの電極板、つまり存在する第1の電極板又は第2の電極板の2倍の数のスペーサーが取り付けられている。同じことが第1の電極板とそのスペーサーにも当てはまる。
【0092】
各バスバーには、両端にエンドスレッドが設けることができる。両端にそれぞれのナット又は同様の固定手段を設け、それらを反対方向にねじ込むことにより、それらは互いに向かって移動し、最終的に電極スタックの反対側にある2つの最も外側のスペーサーを支える。これにより、スペーサーは電極スタックにしっかりと固定される。
【0093】
各第2の電極板5’の第2の電極板の第1のバスバー開口部27a’の上面43には、熱伝導性ポリマーなどの絶縁材料を設けることができる。これにより、電気絶縁は、第2の電極板の第1のバスバー開口部27a’のバスバーから延在しているスペーサーに対抗して提供され得る。同様に、第1の電極板の第2のバスバー開口部の上面43には、スペーサーからの電気絶縁を提供するために、熱伝導性ポリマーなどの絶縁材料を設けることができる。
【0094】
図6aは、別の礼の第1/第2のバスバー45の斜視図を示している。バスバー45は、断面においてほぼH字型の構成であり、斜視又は長手方向においてはしご構成である。バスバー45は、平行に延在している第1のバー45a及び第2のバー45bと、第1のバー45aと第2のバー45bとの間に延在している複数のラング45cとを有する。第1のバー45a及び第2のバー45bは、典型的には、両方ともカソードであり得るか、又は両方がアノードであり得る。ラング45cは、第1のバー45a及び第2のバー45bに、フレキシブルな又は可動の方法で取り付けられている。代替的又は追加的に、ラング45cはそれ自体がフレキシブルであり得る。したがって、第1のバー45a及び第2のバー45bは、互いに対して移動可能である。この場合、第1の電極板及び第2の電極板は、対応する第1の電極板の第1のバスバー開口部及び第2の電極板の第2のバスバー開口部を有し得る。したがって、これらの開口部はまた、
図6bの第1の電極板3’’について示されるように、概してH字型の構造を有し得る。第1の電極板3’’は、概してH字型であり、バスバー45がバスバー45を貫通するとバスバー45を受け入れて機械的に接触して配置されるように構成されている第1の電極板の第1のバスバー開口部25a’’を有する。第1の電極場3’’は、バスバー45の対応する断面寸法よりも大きい第1の電極板の第2のバスバー開口部25b’’を有する。次に、
図6aに示されるタイプの第2のバスバーは、第1の電極板3’’との機械的接触なしに、この開口部を通って延在することができる。開口部の形状は、他の例に関して上で説明したのと同様の方法で、第2の電極板上で相互交換される。
【0095】
開口部の形状は、例えば、レーザーによって切断することができる。バスバー45のフレキシブルな設計により、組み立て中にバスバー45を電極スタックの開口部に挿入するときに、許容誤差又は位置合わせの問題を軽減することができる。
本発明の概念は、主に、いくつかの実施形態を参照して上で説明されてきた。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、上に開示されたもの以外の実施形態は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の概念の範囲内で等しく可能である。