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特許7579807鼓膜をシミュレートするためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】鼓膜をシミュレートするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 23/32 20060101AFI20241031BHJP
   G09B 9/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G09B23/32
G09B9/00 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021564313
(86)(22)【出願日】2020-04-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(86)【国際出願番号】 US2020030524
(87)【国際公開番号】W WO2020223385
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】62/840,829
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518452607
【氏名又は名称】オトネクサス メディカル テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】モーリング, マーク エー.
(72)【発明者】
【氏名】ゲイツ, ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】コレドール, チャーリー
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド, チャド ジェイ.
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0221236(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0050710(US,A1)
【文献】米国特許第05997307(US,A)
【文献】特開昭58-198338(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0014053(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 9/00,23/28-23/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼓膜を含む耳の性質をモデル化するためのデバイスであって、前記デバイスは、
生物学的鼓膜の超音波反射率を模倣する超音波反射率を有する人工鼓膜と、
筐体であって、前記筐体は、前記人工鼓膜に結合され、前記人工鼓膜の内部表面に結合される内部部分をさらに画定し、前記内部部分は、調節可能体積の流体または調節可能タイプの流体を有し、前記内部部分は、調節可能ガス圧を有する、筐体と、
流体注入器、内部空気弁、内部空気ポンプ、内圧ゲージ、外圧ゲージ、または外部空気ポンプのうちの1つ以上のものの動作を制御するように構成されるプロセッサと
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記流体の体積、前記流体のタイプ、または前記ガス圧のうちの1つ以上のものの調節は、膜偏向または膜移動を変化させ、前記耳の疾患状態を制御可能に模倣する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記流体のタイプの調節は、膜偏向または膜移動を変化させ、前記耳の疾患状態を制御可能に模倣し、前記流体のタイプの調節は、前記流体の粘度を変動させることを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記耳の疾患状態は、細菌性またはウイルス性耳感染症である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記人工鼓膜は、前記人工鼓膜表面からの光学反射を呈し、前記人工鼓膜の場所および耳鏡の整合を可能にする形状を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記人工鼓膜は、1つ以上の視覚的キューを有し、前記視覚的キューは、少なくとも部分的に、鼓膜臍または槌骨の形状を呈することを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記人工鼓膜は、膨張可能または陥凹可能のうちの1つ以上のものであり、印加される空気圧変化に応答して移動するようにさらに構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記流体の体積、前記流体のタイプ、または前記ガス圧のうちの1つ以上のものの調節は、膜移動のレートを変化させ、前記耳の疾患状態を制御可能に模倣する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記筐体は、外部部分をさらに画定し、前記外部部分は、ヒト小児科対象またはヒト成人対象の近似幾何学形状を有する人工外耳道を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記内部部分は、前記人工鼓膜に結合される擬似耳小骨連鎖を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記擬似耳小骨連鎖は、制御可能張力を有する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記人工鼓膜の形状および硬度は、耳小骨連鎖の存在を模倣するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記内部部分は、流体注入器のための開口部または前記流体注入器を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記内部部分は、内部空気弁および内部空気ポンプ、または内部空気弁および内部空気ポンプのための開口部を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記筐体は、前記人工鼓膜の外部表面に結合される外部部分をさらに画定する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記プロセッサは、圧力データを前記内圧ゲージまたは前記外圧ゲージのうちの1つ以上のものから受信するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記圧力データは、
前記内部表面に近接する前記調節可能体積の流体と、
前記内部表面に近接する前記調節可能ガス圧と、
前記人工鼓膜の外部表面に近接するガス圧と
のうちの1つ以上のものを調節するために使用される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
人工鼓膜を含むモデル耳を使用して、耳鏡を試験する方法であって、前記方法は、
生物学的鼓膜の超音波反射率を模倣する超音波反射率を有する前記人工鼓膜を提供することと、
前記人工鼓膜の内部表面に近接する流体の体積またはタイプを調節することと、
前記人工鼓膜の前記内部表面に近接するガスの圧力を調節することと
前記人工鼓膜に動作可能に結合されるプロセッサにおいて、流体注入器、内部空気弁、内部空気ポンプ、内圧ゲージ、外圧ゲージ、または外部空気ポンプのうちの1つ以上のものの動作を制御すること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願)
本願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2019年4月30日に出願された、米国仮特許出願第62/840,829号の利益を主張する。
【0002】
(連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載)
本発明は、米国国立科学財団による、中小企業技術革新研究(SBIR)プログラム(認可番号第1853244号(第II相契約))を通した米国政府の支援の下で行われたものである。
【0003】
中耳炎(OM)は、内耳の炎症性疾患の群であり、「耳感染症」として一般的に公知である、最も一般的な小児医療問題の原因である。OMは、中耳内の液体滲出の存在によって定義され、以下の主要なタイプ、すなわち、急性中耳炎(AOM)、滲出液を伴う中耳炎(OME)、慢性中耳炎(COM)、および慢性化膿性中耳炎(CSOM)を有する。通常、耳の痛みを呈する感染症の急速な発症は、AOM中耳滲出液(MEE)の特性である一方、OMEは、典型的には、MEE流体が、非感染症性であるため、症状と関連付けられない。
【0004】
OM診断の正確度は、機器および内科医の技能に依存する。誤診の平均率は、30%~50%の範囲内であり得る。例えば、OMEは、AOMとして誤診され得、関連付けられる中耳滲出液を伴わない鼓膜陥凹は、OMEとして誤診され得る。誤診の率を前提として、OMを診断するための改良されたデバイス、システム、および方法が、所望される。新しい機器が、開発されているが、ヒト対象上で直接試験することは、実行不可能であり得る、または安全ではない場合がある、または両方である。
【0005】
故に、鼓膜、例えば、罹患鼓膜、障害のある鼓膜、または健康な鼓膜をシミュレートするための改良されたデバイス、システム、および方法が、所望される。
【0006】
本明細書の開示に関連し得る、参考文献として、米国特許第5,997,307号、第7,771,356号、第7,859,455号、第10,043,415号、および第10,097,923号、米国特許公開第2019/0142258号、台湾出願第1447681号、および非特許刊行物Shelton, et al., Quantitative Pneumatic Otoscopy Using a Light-Based Ranging Technique, Journal of the Association for Research in Otolaryngology18(4):555-568,2017、Morris, et al., Development and Validation of a Novel Ear Simulator to Teach Pneumatic Otoscopy, 7(1):22-26,2012、およびDiagnostic and Procedural Ear Trainer w/ Pneumatic Otoscopy Kit, www.GTsimulators.com.が、挙げられ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第5,997,307号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、鼓膜をシミュレートするためのシステムおよび方法に関する。シミュレートされた膜は、疾患状態または健康な状態等の耳の種々の生物学的状態の間の鼓膜の移動度に近似し得る。本開示の実施形態は、例えば、中耳炎等の耳の障害を診断するためのツールの開発を補助し得る。
【0009】
ある側面では、鼓膜を含む、耳の性質をモデル化するためのデバイスが、提供される。本デバイスは、生物学的鼓膜の超音波反射率を模倣する超音波反射率を有する、人工鼓膜と、人工鼓膜に結合され、さらに、人工鼓膜の内部表面に結合される、内部部分を画定する、筐体であって、内部部分は、調節可能体積の流体または調節可能タイプの流体を有し、内部部分は、調節可能ガス圧を有する、筐体とを備えてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、流体の体積、流体のタイプ、またはガス圧のうちの1つ以上のものの調節は、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。いくつかの実施形態では、流体のタイプの調節は、流体の粘度を変動させるステップを含む。いくつかの実施形態では、耳の疾患状態は、細菌性またはウイルス性耳感染症である。
【0011】
いくつかの実施形態では、人工鼓膜は、人工鼓膜表面からの光学反射を呈し、人工鼓膜の場所および耳鏡の整合を可能にする、形状を有する。いくつかの実施形態では、光学反射は、人工鼓膜の前下象限上に呈される。いくつかの実施形態では、人工鼓膜は、1つ以上の視覚的キューを有し、視覚的キューは、少なくとも部分的に、鼓膜臍または槌骨の形状を呈するステップを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、人工鼓膜は、膨張可能または陥凹可能のうちの1つ以上のものであって、さらに、印加される空気圧変化に応答して移動するように構成される。いくつかの実施形態では、人工鼓膜の移動は、順序値のセットに従って調節可能である。いくつかの実施形態では、人工鼓膜の移動は、連続的尺度に従って調節可能である。いくつかの実施形態では、流体の体積、流体のタイプ、またはガス圧のうちの1つ以上のものの調節は、膜移動のレートを変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。いくつかの実施形態では、筐体はさらに、外部部分を画定し、外部部分は、ヒト小児科対象またはヒト成人対象の近似幾何学形状を有する、人工外耳道を備える。いくつかの実施形態では、内部部分は、鼓膜に結合される、擬似耳小骨連鎖を備える。いくつかの実施形態では、擬似耳小骨は、制御可能張力を有する。いくつかの実施形態では、人工鼓膜の形状および硬度は、耳小骨連鎖の存在を模倣するように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、内部部分は、流体注入器または流体注入器のための開口部を備える。いくつかの実施形態では、内部部分は、内部空気弁および内部空気ポンプまたは内部空気弁および内部空気ポンプのための開口部を備える。いくつかの実施形態では、内部部分は、内圧ゲージまたは内圧ゲージのための開口部を備える。いくつかの実施形態では、筐体はさらに、人工鼓膜の外部表面に結合される、外部部分を画定する。いくつかの実施形態では、外部部分は、外圧ゲージまたは外圧ゲージのための開口部を備える。いくつかの実施形態では、外部部分は、外部空気ポンプまたは外耳ポンプのための開口部を備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、任意の側面または実施形態のデバイスはさらに、流体注入器、内部空気弁、内部空気ポンプ、内圧ゲージ、外圧ゲージ、外部空気ポンプ、またはユーザに可視のディスプレイのうちの1つ以上のものの動作を制御するように構成される、プロセッサを備える。いくつかの実施形態では、プロセッサは、圧力データを内圧ゲージまたは外圧ゲージのうちの1つ以上のものから受信するように構成される。いくつかの実施形態では、圧力データは、内部表面に近接する流体の体積と、内部表面に近接するガスの圧力と、外部表面に近接するガスの圧力とのうちの1つ以上のものを調節するために使用される。
【0015】
別の側面では、人工鼓膜を含むモデル耳を使用して、耳鏡を試験する方法が、提供される。本方法は、生物学的鼓膜の超音波反射率を模倣する超音波反射率を有する、人工鼓膜を提供するステップと、人工鼓膜の内部表面に近接する流体の体積またはタイプを調節するステップと、人工鼓膜の内部表面に近接するガスの圧力を調節するステップとを含んでもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、流体の体積、流体のタイプ、またはガスの圧力のうちの1つ以上のものを調節するステップは、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。いくつかの実施形態では、流体のタイプを調節するステップは、流体の粘度を変動させるステップを含む。いくつかの実施形態では、耳の疾患状態は、細菌性またはウイルス性耳感染症である。
【0017】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、耳鏡を整合させ、人工鼓膜表面からの光学反射に基づいて、人工鼓膜を位置特定するステップを含む。いくつかの実施形態では、光学反射は、人工鼓膜の前下象限上に呈される。いくつかの実施形態では、人工鼓膜は、1つ以上の視覚的キューを有し、視覚的キューは、少なくとも部分的に、鼓膜臍または槌骨の形状を呈するステップを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、順序値のセットに従って、人工鼓膜の移動を調節するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、連続的尺度に従って、人工鼓膜の移動を調節するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、音響耳鏡の検鏡を人工鼓膜に向かって指向するステップを含み、人工鼓膜は、膨張可能または陥凹可能のうちの少なくとも1つであって、印加される空気圧変化に応答して移動するように構成される。いくつかの実施形態では、流体の体積、流体のタイプ、またはガス圧のうちの1つ以上のものを調節するステップは、膜移動のレートを変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。
【0019】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ヒト小児科対象またはヒト成人対象の近似幾何学形状を有する、人工外耳道を提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、人工鼓膜に結合される、擬似耳小骨連鎖内の張力を調節するステップを含む。いくつかの実施形態では、人工鼓膜の形状および硬度は、耳小骨連鎖の存在を模倣するように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、流体注入器を使用して、流体を内部表面に近接して注入するステップを含む。いくつかの実施形態では、内部表面に近接するガスの圧力を調節するステップは、内部空気弁を開閉するステップと、内部空気ポンプをアクティブ化するステップとを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、内圧ゲージを使用して、内部表面に近接するガスの圧力を測定するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、外圧ゲージを使用して、人工鼓膜の外部表面に近接するガスの圧力を測定するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、外部空気ポンプを使用して、人工鼓膜の外部表面に近接するガスの圧力を調節するステップを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、プロセッサを使用して、流体注入器、内部空気弁、内部空気ポンプ、内圧ゲージ、外圧ゲージ、外部空気ポンプ、またはユーザに可視のディスプレイのうちの1つ以上のものの動作を制御するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、プロセッサにおいて、圧力データを内圧ゲージまたは外圧ゲージのうちの1つ以上のものから受信するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、圧力データを使用して、内部表面に近接する流体の体積と、内部表面に近接するガスの圧力と、外部表面に近接するガスの圧力とのうちの1つ以上のものを調節するステップを含む。
【0022】
別の側面では、鼓膜を含む、耳の性質をモデル化するためのデバイスが、提供される。本デバイスは、人工鼓膜と、人工鼓膜に結合され、さらに、人工鼓膜の内部表面に結合される、内部部分を画定する、筐体であって、内部部分は、調節可能体積の流体と、調節可能ガス圧とを有する、筐体とを備えてもよく、流体の体積およびガス圧の調節は、移動度尺度に従って、膜移動を変化させ、選択された移動性質を生成する。
【0023】
いくつかの実施形態では、移動度尺度は、順序値のセットである。いくつかの実施形態では、移動度尺度は、連続的尺度である。いくつかの実施形態では、人工鼓膜は、膨張可能または陥凹可能であって、印加される空気圧変化に応答して移動するように構成される。いくつかの実施形態では、流体の体積、流体のタイプ、またはガスの圧力のうちの1つ以上のものの調節は、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。いくつかの実施形態では、流体のタイプの調節は、流体の粘度を変動させるステップを含む。いくつかの実施形態では、耳の疾患状態は、細菌性またはウイルス性耳感染症である。
【0024】
いくつかの実施形態では、人工鼓膜は、人工鼓膜表面からの光学反射を呈し、人工鼓膜の場所および耳鏡の整合を可能にする、形状を有する。いくつかの実施形態では、光学反射は、人工鼓膜の前下象限上に呈される。いくつかの実施形態では、人工鼓膜は、1つ以上の視覚的キューを有し、視覚的キューは、少なくとも部分的に、鼓膜臍または槌骨の形状を呈するステップを含む。いくつかの実施形態では、筐体はさらに、外部部分を画定し、外部部分は、ヒト小児科対象またはヒト成人対象の近似幾何学形状を有する、人工外耳道を備える。いくつかの実施形態では、内部部分は、鼓膜に結合される、擬似耳小骨連鎖を備える。いくつかの実施形態では、擬似耳小骨は、制御可能張力を有する。いくつかの実施形態では、人工鼓膜の形状および硬度は、耳小骨連鎖の存在を模倣するように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、内部部分は、流体注入器または流体注入器のための開口部を備える。いくつかの実施形態では、内部部分は、内部空気弁および内部空気ポンプまたは内部空気弁および内部空気ポンプのための開口部を備える。いくつかの実施形態では、内部部分は、内圧ゲージまたは内圧ゲージのための開口部を備える。いくつかの実施形態では、筐体はさらに、人工鼓膜の外部表面に結合される、外部部分を画定する。いくつかの実施形態では、外部部分は、外圧ゲージまたは外圧ゲージのための開口部を備える。いくつかの実施形態では、外部部分は、外部空気ポンプまたは外部空気ポンプのための開口部を備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、本デバイスはさらに、流体注入器、内部空気弁、内部空気ポンプ、内圧ゲージ、外圧ゲージ、外部空気ポンプ、またはユーザに可視のディスプレイのうちの1つ以上のものの動作を制御するように構成される、プロセッサを備える。いくつかの実施形態では、プロセッサは、圧力データを内圧ゲージまたは外圧ゲージのうちの1つ以上のものから受信するように構成される。いくつかの実施形態では、圧力データは、内部表面に近接する流体の体積と、内部表面に近接するガスの圧力と、外部表面に近接するガスの圧力とのうちの1つ以上のものを調節するために使用される。
【0027】
別の側面では、人工鼓膜を含むモデル耳を使用して、耳鏡を試験する方法が、提供される。本方法は、人工鼓膜を提供するステップと、人工鼓膜の内部表面に近接する流体の体積またはタイプを調節するステップと、人工鼓膜の内部表面に近接するガスの圧力を調節するステップとを含んでもよく、流体の体積またはタイプを調節するステップおよびガスの圧力を調節するステップは、移動度尺度に従って、膜移動を変化させ、選択された移動性質を生成する。
【0028】
いくつかの実施形態では、流体の体積、流体のタイプ、またはガスの圧力のうちの1つ以上のものを調節するステップは、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。いくつかの実施形態では、耳の疾患状態は、細菌性またはウイルス性耳感染症である。いくつかの実施形態では、耳の疾患状態は、細菌性またはウイルス性耳感染症である。いくつかの実施形態では、移動度尺度は、順序値のセットを備える。いくつかの実施形態では、移動度尺度は、連続的尺度を備える。
【0029】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、耳鏡を整合させ、人工鼓膜表面からの光学反射に基づいて、人工鼓膜を位置特定するステップを含む。いくつかの実施形態では、光学反射は、人工鼓膜の前下象限上に呈される。いくつかの実施形態では、人工鼓膜は、1つ以上の視覚的キューを有し、視覚的キューは、少なくとも部分的に、鼓膜臍または槌骨の形状を呈するステップを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、音響耳鏡の検鏡を人工鼓膜に向かって指向するステップを含み、人工鼓膜は、膨張可能または陥凹可能のうちの少なくとも1つであって、印加される空気圧変化に応答して移動するように構成される。いくつかの実施形態では、流体の体積、流体のタイプ、またはガス圧のうちの1つ以上のものを調節するステップは、膜移動のレートを変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ヒト小児科対象またはヒト成人対象の近似幾何学形状を有する、人工外耳道を提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、内部部分は、鼓膜に結合される、擬似耳小骨連鎖を備える。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、人工鼓膜に結合される、擬似耳小骨連鎖内の張力を調節するステップを含む。いくつかの実施形態では、人工鼓膜の形状および硬度は、耳小骨連鎖の存在を模倣するように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、流体注入器を使用して、流体を内部表面に近接して注入するステップを含む。いくつかの実施形態では、内部表面に近接するガスの圧力を調節するステップは、内部空気弁を開閉するステップと、内部空気ポンプをアクティブ化するステップとを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、内圧ゲージを使用して、内部表面に近接するガスの圧力を測定するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、外圧ゲージを使用して、人工鼓膜の外部表面に近接するガスの圧力を測定するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、外部空気ポンプを使用して、人工鼓膜の外部表面に近接するガスの圧力を調節するステップを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、プロセッサを使用して、流体注入器、内部空気弁、内部空気ポンプ、内圧ゲージ、外圧ゲージ、外部空気ポンプ、またはユーザに可視のディスプレイのうちの1つ以上のものの動作を制御するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、圧力データを内圧ゲージまたは外圧ゲージのうちの1つ以上のものから受信するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、圧力データを使用して、内部表面に近接する流体の体積と、内部表面に近接するガスの圧力と、外部表面に近接するガスの圧力とのうちの1つ以上のものを調節するステップを含む。
【0033】
別の側面では、鼓膜を含む、耳の性質をモデル化するためのデバイスが、提供される。本デバイスは、人工鼓膜と、人工鼓膜に結合される、さらに、人工鼓膜の内部表面に結合される、内部部分を画定する、筐体であって、内部部分は、調節可能体積またはタイプの流体と、調節可能ガス圧とを有する、筐体とを備えてもよく、流体の体積またはタイプおよびガス圧のうちの2つ以上のものの調節は、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。
【0034】
別の側面では、人工鼓膜を含むモデル耳を使用して、耳鏡を試験する方法が、提供される。本方法は、人工鼓膜を提供するステップと、人工鼓膜の内部表面に近接する流体の体積またはタイプを調節するステップと、人工鼓膜の内部表面に近接するガスの圧力を調節するステップとを含んでもよく、流体の体積、流体のタイプ、またはガスの圧力のうちの1つ以上のものを調節するステップは、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。
【0035】
別の側面では、鼓膜をシミュレートするためのシステムが、提供される。本システムは、主要チャンバと、膜であって、膜は、主要チャンバ内に支持され、膜は、主要チャンバの内部を主要チャンバの外部から分離し、膜は、膜クランプによって固着される、膜と、エラストマばねであって、エラストマばねは、膜に結合し、エラストマばねは、ばねクランプによって固着される、エラストマばねとを備えてもよく、膜の質量、エラストマばねの減衰、ばね定数、主要チャンバの内部内の圧力、および主要チャンバの内部内の流体の量のうちの少なくとも1つは、耳内の条件に近似するように選択的に制御される。
【0036】
(参照による組み込み)
本明細書に言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個々に参照することによって組み込まれることが示される場合と同程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。参照することによって組み込まれる刊行物および特許または特許出願が本明細書に含有される開示と矛盾する範囲について、本明細書は、いかなるそのような矛盾する資料にも優先する、および/または先立つことを意図している。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
鼓膜を含む耳の性質をモデル化するためのデバイスであって、前記デバイスは、
生物学的鼓膜の超音波反射率を模倣する超音波反射率を有する人工鼓膜と、
筐体であって、前記筐体は、前記人工鼓膜に結合され、さらに、前記人工鼓膜の内部表面に結合される内部部分を画定し、前記内部部分は、調節可能体積の流体または調節可能タイプの流体を有し、前記内部部分は、調節可能ガス圧を有する、筐体と
を備える、デバイス。
(項目2)
前記流体の体積、前記流体のタイプ、または前記ガス圧のうちの1つ以上のものの調節は、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記流体のタイプの調節は、前記流体の粘度を変動させることを含む、項目2に記載のデバイス。
(項目4)
前記耳の疾患状態は、細菌性またはウイルス性耳感染症である、項目1に記載のデバイス。
(項目5)
前記人工鼓膜は、前記人工鼓膜表面からの光学反射を呈し、前記人工鼓膜の場所および耳鏡の整合を可能にする形状を有する、項目1に記載のデバイス。
(項目6)
前記光学反射は、前記人工鼓膜の前下象限上に呈される、項目5に記載のデバイス。
(項目7)
前記人工鼓膜は、1つ以上の視覚的キューを有し、前記視覚的キューは、少なくとも部分的に、鼓膜臍または槌骨の形状を呈することを含む、項目1に記載のデバイス。
(項目8)
前記人工鼓膜は、膨張可能または陥凹可能のうちの1つ以上のものであり、さらに、印加される空気圧変化に応答して移動するように構成される、項目1に記載のデバイス。
(項目9)
前記人工鼓膜の移動は、順序値のセットに従って調節可能である、項目2に記載のデバイス。
(項目10)
前記人工鼓膜の移動は、連続的尺度に従って調節可能である、項目2に記載のデバイス。
(項目11)
前記流体の体積、前記流体のタイプ、または前記ガス圧のうちの1つ以上のものの調節は、前記膜移動のレートを変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する、項目1に記載のデバイス。
(項目12)
前記筐体はさらに、外部部分を画定し、前記外部部分は、ヒト小児科対象またはヒト成人対象の近似幾何学形状を有する人工外耳道を備える、項目1に記載のデバイス。
(項目13)
前記内部部分は、前記鼓膜に結合される擬似耳小骨連鎖を備える、項目1に記載のデバイス。
(項目14)
前記擬似耳小骨は、制御可能張力を有する、項目13に記載のデバイス。
(項目15)
前記人工鼓膜の形状および硬度は、耳小骨連鎖の存在を模倣するように構成される、項目1に記載のデバイス。
(項目16)
前記内部部分は、流体注入器または流体注入器のための開口部を備える、項目1に記載のデバイス。
(項目17)
前記内部部分は、内部空気弁および内部空気ポンプ、または内部空気弁および内部空気ポンプのための開口部を備える、項目1に記載のデバイス。
(項目18)
前記内部部分は、内圧ゲージまたは内圧ゲージのための開口部を備える、項目17に記載のデバイス。
(項目19)
前記筐体はさらに、前記人工鼓膜の外部表面に結合される外部部分を画定する、項目1に記載のデバイス。
(項目20)
前記外部部分は、外圧ゲージまたは外圧ゲージのための開口部を備える、項目19に記載のデバイス。
(項目21)
前記外部部分は、外部空気ポンプまたは外耳ポンプのための開口部を備える、項目19に記載のデバイス。
(項目22)
前記流体注入器、前記内部空気弁、前記内部空気ポンプ、前記内圧ゲージ、前記外圧ゲージ、前記外部空気ポンプ、またはユーザに可視のディスプレイのうちの1つ以上のものの動作を制御するように構成されるプロセッサをさらに備える、項目1-21のいずれか1項に記載のデバイス。
(項目23)
前記プロセッサは、圧力データを前記内圧ゲージまたは前記外圧ゲージのうちの1つ以上のものから受信するように構成される、項目22に記載のデバイス。
(項目24)
前記圧力データは、
前記内部表面に近接する流体の体積と、
前記内部表面に近接するガスの圧力と、
前記外部表面に近接するガスの圧力と
のうちの1つ以上のものを調節するために使用される、項目23に記載のデバイス。
(項目25)
人工鼓膜を含むモデル耳を使用して、耳鏡を試験する方法であって、前記方法は、
生物学的鼓膜の超音波反射率を模倣する超音波反射率を有する人工鼓膜を提供することと、
前記人工鼓膜の内部表面に近接する流体の体積またはタイプを調節することと、
前記人工鼓膜の内部表面に近接するガスの圧力を調節することと
を含む、方法。
(項目26)
前記流体の体積、前記流体のタイプ、または前記ガスの圧力のうちの1つ以上のものを調節することは、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記流体のタイプを調節することは、前記流体の粘度を変動させることを含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記耳の疾患状態は、細菌性またはウイルス性耳感染症である、項目25に記載の方法。
(項目29)
耳鏡を整合させ、前記人工鼓膜表面からの光学反射に基づいて、前記人工鼓膜を位置特定することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目30)
前記光学反射は、前記人工鼓膜の前下象限上に呈される、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記人工鼓膜は、1つ以上の視覚的キューを有し、前記視覚的キューは、少なくとも部分的に、鼓膜臍または槌骨の形状を呈することを含む、項目29に記載の方法。
(項目32)
順序値のセットに従って、前記人工鼓膜の移動を調節することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目33)
連続的尺度に従って、前記人工鼓膜の移動を調節することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目34)
音響耳鏡の検鏡を前記人工鼓膜に向かって指向することをさらに含み、前記人工鼓膜は、膨張可能または陥凹可能のうちの少なくとも1つであり、印加される空気圧変化に応答して移動するように構成される、項目25に記載の方法。
(項目35)
前記流体の体積、前記流体のタイプ、または前記ガス圧のうちの1つ以上のものを調節することは、前記膜移動のレートを変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する、項目26に記載の方法。
(項目36)
ヒト小児科対象またはヒト成人対象の近似幾何学形状を有する人工外耳道を提供することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目37)
前記人工鼓膜に結合される擬似耳小骨連鎖内の張力を調節することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目38)
前記人工鼓膜の形状および硬度は、耳小骨連鎖の存在を模倣するように構成される、項目25に記載の方法。
(項目39)
流体注入器を使用して、流体を前記内部表面に近接して注入することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目40)
前記内部表面に近接するガスの圧力を調節することは、内部空気弁を開閉することと、内部空気ポンプをアクティブ化することとを含む、項目25に記載の方法。
(項目41)
内圧ゲージを使用して、前記内部表面に近接するガスの圧力を測定することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目42)
外圧ゲージを使用して、前記人工鼓膜の外部表面に近接するガスの圧力を測定することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目43)
外部空気ポンプを使用して、前記人工鼓膜の外部表面に近接するガスの圧力を調節することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目44)
プロセッサを使用して、前記流体注入器、前記内部空気弁、前記内部空気ポンプ、前記内圧ゲージ、前記外圧ゲージ、前記外部空気ポンプ、またはユーザに可視のディスプレイのうちの1つ以上のものの動作を制御することをさらに含む、項目25-43のいずれか1項に記載の方法。
(項目45)
プロセッサにおいて、圧力データを前記内圧ゲージまたは前記外圧ゲージのうちの1つ以上のものから受信することをさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目46)
前記圧力データを使用して、
前記内部表面に近接する流体の体積と、
前記内部表面に近接するガスの圧力と、
前記外部表面に近接するガスの圧力と
のうちの1つ以上のものを調節する、項目45に記載の方法。
(項目47)
鼓膜を含む耳の性質をモデル化するためのデバイスであって、前記デバイスは、
人工鼓膜と、
筐体であって、前記筐体は、前記人工鼓膜に結合され、さらに、前記人工鼓膜の内部表面に結合される内部部分を画定し、前記内部部分は、調節可能体積または調節可能タイプの流体と、調節可能ガス圧とを有する、筐体と
を備え、
前記流体の体積またはタイプおよび前記ガス圧の調節は、移動度尺度に従って、膜移動を変化させ、選択された移動性質を生成する、デバイス。
(項目48)
前記移動度尺度は、順序値のセットである、項目47に記載のデバイス。
(項目49)
前記移動度尺度は、連続的尺度である、項目48に記載のデバイス。
(項目50)
前記人工鼓膜は、膨張可能または陥凹可能であり、印加される空気圧変化に応答して移動するように構成される、項目47に記載のデバイス。
(項目51)
前記流体の体積、前記流体のタイプ、または前記ガスの圧力のうちの1つ以上のものの調節は、膜偏向または膜移動を変化させ、前記耳の疾患状態を制御可能に模倣する、項目47に記載のデバイス。
(項目52)
前記流体のタイプの調節は、前記流体の粘度を変動させることを含む、項目51に記載のデバイス。
(項目53)
前記耳の疾患状態は、細菌性またはウイルス性耳感染症である、項目51に記載のデバイス。
(項目54)
前記人工鼓膜は、前記人工鼓膜表面からの光学反射を呈し、前記人工鼓膜の場所および耳鏡の整合を可能にする形状を有する、項目47に記載のデバイス。
(項目55)
前記光学反射は、前記人工鼓膜の前下象限上に呈される、項目54に記載のデバイス。
(項目56)
前記人工鼓膜は、1つ以上の視覚的キューを有し、前記視覚的キューは、少なくとも部分的に、鼓膜臍または槌骨の形状を呈することを含む、項目47に記載のデバイス。
(項目57)
前記筐体はさらに、外部部分を画定し、前記外部部分は、ヒト小児科対象またはヒト成人対象の近似幾何学形状を有する人工外耳道を備える、項目47に記載のデバイス。
(項目58)
前記内部部分は、前記鼓膜に結合される擬似耳小骨連鎖を備える、項目47に記載のデバイス。
(項目59)
前記擬似耳小骨は、制御可能張力を有する、項目58に記載のデバイス。
(項目60)
前記人工鼓膜の形状および硬度は、耳小骨連鎖の存在を模倣するように構成される、項目47に記載のデバイス。
(項目61)
前記内部部分は、流体注入器または流体注入器のための開口部を備える、項目47に記載のデバイス。
(項目62)
前記内部部分は、内部空気弁および内部空気ポンプ、または内部空気弁および内部空気ポンプのための開口部を備える、項目47に記載のデバイス。
(項目63)
前記内部部分は、内圧ゲージまたは内圧ゲージのための開口部を備える、項目62に記載のデバイス。
(項目64)
前記筐体はさらに、前記人工鼓膜の外部表面に結合される外部部分を画定する、項目47に記載のデバイス。
(項目65)
前記外部部分は、外圧ゲージまたは外圧ゲージのための開口部を備える、項目64に記載のデバイス。
(項目66)
前記外部部分は、外部空気ポンプまたは外部空気ポンプのための開口部を備える、項目64に記載のデバイス。
(項目67)
前記流体注入器、前記内部空気弁、前記内部空気ポンプ、前記内圧ゲージ、前記外圧ゲージ、前記外部空気ポンプ、またはユーザに可視のディスプレイのうちの1つ以上のものの動作を制御するように構成されるプロセッサをさらに備える、項目47-66のいずれか1項に記載のデバイス。
(項目68)
前記プロセッサは、圧力データを前記内圧ゲージまたは前記外圧ゲージのうちの1つ以上のものから受信するように構成される、項目67に記載のデバイス。
(項目69)
前記圧力データは、
前記内部表面に近接する流体の体積と、
前記内部表面に近接するガスの圧力と、
前記外部表面に近接するガスの圧力と
のうちの1つ以上のものを調節するために使用される、項目68に記載のデバイス。
(項目70)
人工鼓膜を含むモデル耳を使用して、耳鏡を試験する方法であって、前記方法は、
人工鼓膜を提供することと、
前記人工鼓膜の内部表面に近接する流体の体積またはタイプを調節することと、
前記人工鼓膜の内部表面に近接するガスの圧力を調節することと
を含み、
前記流体の体積またはタイプを調節することおよび前記ガスの圧力を調節することは、移動度尺度に従って、膜移動を変化させ、選択された移動性質を生成する、方法。
(項目71)
前記流体の体積、前記流体のタイプ、または前記ガスの圧力のうちの1つ以上のものを調節することは、膜偏向または膜移動を変化させ、前記耳の疾患状態を制御可能に模倣する、項目70に記載の方法。
(項目72)
前記耳の疾患状態は、細菌性またはウイルス性耳感染症である、項目70に記載の方法。
(項目73)
前記流体のタイプの調節は、前記流体の粘度を変動させることを含む、項目70に記載の方法。
(項目74)
耳鏡を整合させ、前記人工鼓膜表面からの光学反射に基づいて、前記人工鼓膜を位置特定することをさらに含む、項目70に記載の方法。
(項目75)
前記光学反射は、前記人工鼓膜の前下象限上に呈される、項目74に記載の方法。
(項目76)
前記人工鼓膜は、1つ以上の視覚的キューを有し、前記視覚的キューは、少なくとも部分的に、鼓膜臍または槌骨の形状を呈することを含む、項目74に記載の方法。
(項目77)
前記移動度尺度は、順序値のセットを備える、項目70に記載の方法。
(項目78)
前記移動度尺度は、連続的尺度を備える、項目70に記載の方法。
(項目79)
音響耳鏡の検鏡を前記人工鼓膜に向かって指向することをさらに含み、前記人工鼓膜は、膨張可能または陥凹可能のうちの少なくとも1つであり、印加される空気圧変化に応答して移動するように構成される、項目70に記載の方法。
(項目80)
前記流体の体積、前記流体のタイプ、または前記ガス圧のうちの1つ以上のものを調節することは、前記膜移動のレートを変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する、項目71に記載の方法。
(項目81)
ヒト小児科対象またはヒト成人対象の近似幾何学形状を有する人工外耳道を提供することをさらに含む、項目70に記載の方法。
(項目82)
前記内部部分は、前記鼓膜に結合される擬似耳小骨連鎖を備える、項目70に記載の方法。
(項目83)
前記人工鼓膜に結合される擬似耳小骨連鎖内の張力を調節することをさらに含む、項目70に記載の方法。
(項目84)
前記人工鼓膜の形状および硬度は、耳小骨連鎖の存在を模倣するように構成される、項目70に記載の方法。
(項目85)
流体注入器を使用して、流体を前記内部表面に近接して注入することをさらに含む、項目70に記載の方法。
(項目86)
前記内部表面に近接するガスの圧力を調節することは、内部空気弁を開閉することと、内部空気ポンプをアクティブ化することとを含む、項目70に記載の方法。
(項目87)
内圧ゲージを使用して、前記内部表面に近接するガスの圧力を測定することをさらに含む、項目70に記載の方法。
(項目88)
外圧ゲージを使用して、前記人工鼓膜の外部表面に近接するガスの圧力を測定することをさらに含む、項目70に記載の方法。
(項目89)
外部空気ポンプを使用して、前記人工鼓膜の外部表面に近接するガスの圧力を調節することをさらに含む、項目70に記載の方法。
(項目90)
プロセッサを使用して、前記流体注入器、前記内部空気弁、前記内部空気ポンプ、前記内圧ゲージ、前記外圧ゲージ、前記外部空気ポンプ、またはユーザに可視のディスプレイのうちの1つ以上のものの動作を制御することをさらに含む、項目70-89のいずれか1項に記載の方法。
(項目91)
圧力データを前記内圧ゲージ、または前記外圧ゲージのうちの1つ以上のものからから受信することをさらに含む、項目70に記載の方法。
(項目92)
前記圧力データを使用して、
前記内部表面に近接する流体の体積と、
前記内部表面に近接するガスの圧力と、
前記外部表面に近接するガスの圧力と
のうちの1つ以上のものを調節する、項目91に記載の方法。
(項目93)
鼓膜を含む耳の性質をモデル化するためのデバイスであって、前記デバイスは、
人工鼓膜と、
筐体であって、前記筐体は、前記人工鼓膜に結合され、さらに、前記人工鼓膜の内部表面に結合される内部部分を画定し、前記内部部分は、前記流体の調節可能体積またはタイプと、調節可能ガス圧とを有する、筐体と
を備え、
前記流体の体積またはタイプおよび前記ガス圧のうちの2つ以上のものの調節は、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する、デバイス。
(項目94)
人工鼓膜を含むモデル耳を使用して、耳鏡を試験する方法であって、前記方法は、
人工鼓膜を提供することと、
前記人工鼓膜の内部表面に近接する流体の体積またはタイプを調節することと、
前記人工鼓膜の内部表面に近接するガスの圧力を調節することと
を含み、
前記流体の体積、前記流体のタイプ、または前記ガスの圧力のうちの2つ以上のものを調節することは、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する、方法。
(項目95)
鼓膜をシミュレートするためのシステムであって、前記システムは、
主要チャンバと、
膜であって、前記膜は、前記主要チャンバ内に支持され、前記膜は、前記主要チャンバの内部を前記主要チャンバの外部から分離し、前記膜は、膜クランプによって固着される、膜と、
エラストマばねであって、前記エラストマばねは、前記膜に結合し、前記エラストマばねは、ばねクランプによって固着される、エラストマばねと
を備え、
前記膜の質量、前記エラストマばねの減衰、ばね定数、前記主要チャンバの内部内の圧力、および前記主要チャンバの内部内の流体の量のうちの少なくとも1つは、耳内の条件に近似するように選択的に制御される、システム。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の新規の特徴は、添付される請求項に具体的に記載される。本発明の特徴および利点のより深い理解が、本発明の原理が利用される例証的実施形態を記載する以下の詳細な説明および付随の図面(また、本明細書では、「図(Figure)」および「図(FIG.)」)を参照して取得されるであろう。
【0038】
図1A図1Aは、いくつかの実施形態による、擬似耳小骨連鎖を伴う内部部分を備える、耳の性質をモデル化するためのデバイスの概略を図示する。
【0039】
図1B図1Bは、いくつかの実施形態による、擬似耳小骨連鎖を伴う内部部分と、シールを伴う外部部分とを備える、耳の性質をモデル化するためのデバイスの概略を図示する。
【0040】
図1C図1Cは、いくつかの実施形態による、内部部分と、シールを伴う外部部分とを備える、耳の性質をモデル化するためのデバイスの概略を図示する。
【0041】
図2図2は、いくつかの実施形態による、膜のシミュレーションに関連するいくつかの潜在的原理を図示する。
【0042】
図3A図3Aは、いくつかの実施形態による、内部部分と、シールを伴う外部部分とを備える、耳の性質をモデル化するための例示的デバイスの分解図を図示する。
【0043】
図3B図3Bは、いくつかの実施形態による、耳の性質をモデル化するための図3Aの例示的デバイスの外部等角図を図示する。
【0044】
図3C図3Cは、いくつかの実施形態による、耳の性質をモデル化するための図3Aの例示的デバイスの外部正面図を図示する。
【0045】
図4図4は、いくつかの実施形態による、擬似耳小骨連鎖を伴う内部部分を備える、例示的デバイスの透明等角図を図示する。
【0046】
図5A図5A図5B、および図5Cは、それぞれ、いくつかの実施形態による、人工鼓膜の等角、正面、および側面図を示す。
図5B図5A図5B、および図5Cは、それぞれ、いくつかの実施形態による、人工鼓膜の等角、正面、および側面図を示す。
図5C図5A図5B、および図5Cは、それぞれ、いくつかの実施形態による、人工鼓膜の等角、正面、および側面図を示す。
【0047】
図5D図5Dは、本開示の例示的人工鼓膜の外部表面の画像である。
【0048】
図6図6は、いくつかの実施形態による、耳の性質をモデル化するためのデバイスのための例示的空気および液体サブシステムの略図である。
【0049】
図7図7は、いくつかの実施形態による、耳の性質をモデル化するためのデバイスのための例示的電気サブシステムの略図である。
【0050】
図8図8は、いくつかの実施形態による、耳の性質をモデル化するためのデバイスのための空気および液体サブシステムの上面図を図示する。
【0051】
図9図9は、いくつかの実施形態による、空気および液体サブシステムに接続される、耳の性質をモデル化するためのデバイスの写真である。
【0052】
図10図10は、いくつかの実施形態による、人工外耳道と、耳介とを伴う、耳の性質をモデル化するための例示的デバイスの外部等角図を図示する。
【0053】
図11A図11Aは、いくつかの実施形態による、人工外耳道と、耳介とを伴う、耳の性質をモデル化するための例示的デバイスのスライス図を図示する。
【0054】
図11B図11Bは、いくつかの実施形態による、図11Aの例示的デバイスの人工外耳道および耳介の等角スライス図を図示する。
【0055】
図12A図12Aは、対象の耳内に配置される、本開示の耳鏡の検鏡を図示する。
【0056】
図12B図12B図12C図12D、および図12Eは、例示的耳鏡の出力が膜の背後の滲出液の可変粘度に伴って変化し得る様子を示す、例示的実験データを図示する。
図12C図12B図12C図12D、および図12Eは、例示的耳鏡の出力が膜の背後の滲出液の可変粘度に伴って変化し得る様子を示す、例示的実験データを図示する。
図12D図12B図12C図12D、および図12Eは、例示的耳鏡の出力が膜の背後の滲出液の可変粘度に伴って変化し得る様子を示す、例示的実験データを図示する。
図12E図12B図12C図12D、および図12Eは、例示的耳鏡の出力が膜の背後の滲出液の可変粘度に伴って変化し得る様子を示す、例示的実験データを図示する。
【0057】
図13図13は、振動周波数および振幅に基づいて識別され得る、種々のクラスの滲出液を示す、例示的実験データを図示する。
【0058】
図14図14は、いくつかの実施形態による、モデル耳を使用した耳鏡の試験の例示的方法のフローチャートである。
【0059】
図15図15は、いくつかの実施形態による、モデル耳を使用した耳鏡の試験の別の例示的方法のフローチャートである。
【0060】
図16図16は、いくつかの実施形態による、デジタル処理デバイスと、ユーザに可視のディスプレイとを備える、耳の性質をモデル化するための例示的デバイスを図示する、概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本開示は、耳の人工モデル(本明細書には、「ファントム」とも称される)を使用して、耳の性質をモデル化するためのデバイス、方法、およびシステムに関する。本明細書におけるデバイス、方法、およびシステムは、含気または他の耳鏡に関連して使用されてもよい。含気耳鏡は、誘発圧力を鼓膜部に印加し得、鼓膜の性質が、誘発空気圧に応答して測定され得る。鼓膜をシミュレートするための改良されたデバイス、方法、およびシステムは、対象等で使用する前に、対象を必要とせずに、耳鏡デバイス(例えば、音響耳鏡デバイス)の試験を可能にし得る。本明細書に開示されるデバイス、方法、およびシステムは、より高速なプロトタイピング、プロトタイプのより安全な試験等を可能にし得る。耳の人工モデルは、膜移動、膜変位、光学反射率、超音波反射率等の種々の耳の性質を十分にシミュレートし、耳鏡デバイス、例えば、音響耳鏡デバイスおよび/または含気耳鏡デバイスの試験を可能にし得る。耳の人工モデルは、特定の耳の疾患状態を模倣するように調節可能であり得る。耳の人工モデルは、鼓膜の膜移動または変位特性を模倣するように調節可能であり得る。人工鼓膜は、移動度尺度に従って、調節可能であり得る。臨床診断試験は、順序尺度を採用し、膜特性をカテゴリ化する。故に、臨床尺度に従って特定の移動特性を模倣する、人工鼓膜を設計することが、有益であり得る。
【0062】
本明細書に開示されるようなデバイス、方法、およびシステムは、例えば、共同所有の米国特許第7,771,356号および米国特許公開第2019/0365292号、第2018/0310917号、および第2017/0014053号(それぞれ、参照することによってその全体として組み込まれる)に説明されるもの等の延性膜、表面、および表面下性質を特性評価するためのデバイスおよび方法と組み合わせて使用されてもよい。本明細書に開示されるような方法、システム、および媒体は、例えば、本発明の譲受人に譲渡された米国特許公開第2019/0200873号および米国特許公開第2017/0360302号(それぞれ、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示されるように、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を使用するデバイスおよび方法と組み合わせて使用されてもよい。
【0063】
本明細書に開示されるようなデバイス、方法、およびシステムは、例示的膜としての耳を使用してもよい。ある場合には、本明細書に開示されるデバイス、方法、およびシステムは、いくつかの生物学的組織をシミュレートし、種々の診断情報を提供するために使用されてもよい。生物学的組織は、患者器官を備えてもよい。検鏡が、患者組織を特性評価するために、体腔内に配置されてもよい。患者器官または体腔は、例えば、いくつか例を挙げると、筋肉、腱、靭帯、口、舌、咽頭、食道、胃、腸、肛門、肝臓、胆嚢、膵臓、鼻、喉頭、気管、肺、腎臓、膀胱、尿道、子宮、膣、卵巣、精巣、前立腺、心臓、動脈、静脈、脾臓、腺、脳、脊髄、神経等を備えてもよい。
【0064】
本明細書に開示されるようなデバイス、方法、およびシステムは、鼓膜の1つ以上の性質をシミュレートするために使用されてもよい。本明細書に開示されるようなデバイス、方法、およびシステムは、人工鼓膜を備えてもよい。例えば、人工鼓膜は、急性中耳炎(AOM)、慢性中耳炎、滲出液を伴う中耳炎、および/または慢性化膿性中耳炎等の耳の種々の条件をシミュレートしてもよい。耳がAOMを呈する分類は、滲出液の存在の検出、および漿液性、粘液性、化膿性、またはこれらの組み合わせのうちの1つとしての滲出液のタイプの特性評価を含んでもよい。AOMでは、中耳滲出液(MEE)は、病原体によって誘発され得、ウイルス感染症では薄い、または漿液性であり、細菌感染症ではより厚く、化膿性であり得る。故に、耳の罹患状態または健康な状態をシミュレートするステップは、流体のタイプ、流体の粘度等、鼓膜に隣接する流体の種々の性質をシミュレートするステップを含んでもよい。耳の罹患状態または健康な状態をシミュレートするステップは、耳内の圧力をシミュレートするステップを含んでもよい。耳の罹患状態または健康な状態をシミュレートするステップは、鼓膜の張力または形状をシミュレートするステップを含んでもよい。例えば、膜は、膨張または陥凹され得る。
【0065】
ここで、種々の実施形態が、詳細に参照され、その実施例は、付随の図面に図示される。以下の詳細な説明では、多数の具体的詳細が、本開示および説明される実施形態の徹底的な理解を提供するために記載される。しかしながら、本開示の実施形態は、随意に、これらの具体的詳細を伴わずに実践される。他の事例では、周知の方法、手順、構成要素、および回路は、実施形態の側面を不必要に不明瞭にしないように、詳細に説明されていない。図面では、同様の参照番号は、同様または類似するステップまたは構成要素を指定する。
【0066】
本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、請求項の限定であることを意図していない。実施形態の説明および添付される請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別様に示さない限り、複数形も同様に含むことを意図している。また、本明細書に使用されるような用語「および/または」が、関連付けられる列挙されるアイテムのうちの1つ以上のもののありとあらゆる可能性として考えられる組み合わせを指し、包含することを理解されたい。用語「~を備える(comprises)」および/または「~を備える(comprising)」が、本明細書において使用されるとき、記載される特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を規定し、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはその群の存在または追加を除外しないことをさらに理解されたい。
【0067】
本明細書に使用されるように、用語「~である場合」は、随意に、文脈に応じて、記載される先行条件が当てはまる、「~であるとき」、または「~に応じて」、または「~を決定することに応答して」、または「~の決定に従って」、または「~を検出することに応答して」を意味するように解釈される。同様に、語句「[記載される先行条件が当てはまること]が決定される場合」、または「[記載される先行条件が当てはまる]場合」、または「[記載される先行条件が当てはまる]とき」は、随意に、文脈に応じて、記載される先行条件が当てはまる、「~を決定することに応じて」、または「~を決定することに応答して」、または「~の決定に従って」、または「~を検出することに応じて」、または「~を検出することに応答して」を意味するように解釈される。
【0068】
本明細書に使用されるように、かつ別様に規定されない限り、用語「約」または「およそ」は、部分的に、値が測定または決定される方法に依存する、当業者によって決定されるような特定の値に関する許容可能な誤差を意味する。ある実施形態では、用語「約」または「およそ」は、1、2、3、または4標準偏差以内を意味する。ある実施形態では、用語「約」または「およそ」は、所与の値または範囲の30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、または0.05%以内を意味する。
【0069】
本明細書に使用されるように、用語「~を備える(comprises)」、「~を備える(comprising)」、またはその任意の他の変形例は、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含まず、明確に列挙されない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含み得るように、非排他的な包含を網羅することを意図している。
【0070】
本明細書に使用されるように、用語「対象」および「患者」は、同義的に使用される。本明細書に使用されるように、用語「対象」および「複数の対象」は、動物(例えば、鳥類、爬虫類、および哺乳類)を指し、哺乳類は、霊長類(例えば、サル、チンパンジー、およびヒト)および非霊長類(例えば、ラクダ、ロバ、シマウマ、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット、およびマウス)を含む。ある実施形態では、哺乳類は、生後0~6ヶ月、生後6~12ヶ月、1~5歳、5~10歳、10~15歳、15~20歳、20~25歳、25~30歳、30~35歳、35~40歳、40~45歳、45~50歳、50~55歳、55~60歳、60~65歳、65~70歳、70~75歳、75~80歳、80~85歳、85~90歳、90~95歳、または95~100歳である。
【0071】
本明細書に開示されるものは、耳の性質をモデル化するためのデバイスである。本デバイスは、鼓膜の性質を含む、耳の性質をモデル化してもよい。いくつかの実施形態では、本デバイスは、人工鼓膜を備える。人工鼓膜は、生物学的鼓膜の超音波反射率を模倣する、超音波反射率を有してもよい。人工鼓膜は、生物学的鼓膜を模倣する、光学反射率を有してもよい。本デバイスは、人工鼓膜に結合される、筐体を備えてもよい。筐体は、内部部分を画定してもよく、これは、人工鼓膜の内部表面に結合されてもよい。内部部分は、調節可能体積の流体または調節可能タイプの流体を有してもよい。内部部分は、調節可能ガス圧を有してもよい。
【0072】
本明細書に開示されるものは、耳の性質をモデル化するためのデバイスである。本デバイスは、鼓膜を含んでもよい。本デバイスは、人工鼓膜を備えてもよい。本デバイスは、人工鼓膜に結合される、筐体を備えてもよい。筐体は、人工鼓膜の内部表面に結合される、内部部分を画定してもよい。内部部分は、調節可能体積またはタイプの流体および調節可能ガス圧を有してもよい。流体の体積またはタイプおよびガス圧のうちの2つ以上のものの調節は、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣してもよい。
【0073】
本明細書に開示されるものは、耳の性質をモデル化するためのデバイスである。本デバイスは、鼓膜を含んでもよい。本デバイスは、人工鼓膜を備えてもよい。本デバイスは、人工鼓膜に結合される、筐体を備えてもよい。筐体は、人工鼓膜の内部表面に結合される、内部部分を画定してもよい。内部部分は、調節可能体積または調節可能タイプの流体と、調節可能ガス圧とを有してもよい。流体の体積またはタイプおよびガス圧の調節は、移動度尺度に従って、膜移動を変化させ、選択された移動性質を生成する。
【0074】
また、本明細書に開示されるものは、鼓膜を含む、耳の性質をモデル化するためのデバイスを備える、システムである。本明細書に開示されるシステムは、本開示のデバイスと、さらにもう1つの付加的構成要素、例えば、デジタル処理デバイス、空気サブシステム、液体サブシステム、電気サブシステム、人工外耳、反応測定デバイス(例えば、耳鏡)、およびそれらの任意の組み合わせとを備えてもよい。
【0075】
本明細書に開示されるものは、鼓膜をシミュレートするためのシステムである。本システムは、主要チャンバを備えてもよい。本システムは、膜を備えてもよい。膜は、主要チャンバ内に支持されてもよい。膜は、主要チャンバの内部を主要チャンバの外部から分離してもよい。膜は、クランプによって、主要チャンバ内に固着されてもよい。本システムは、エラストマばねを備えてもよい。エラストマばねは、膜に結合され、ばねクランプによって固着されてもよい。ある場合には、膜の質量、エラストマばねの減衰、ばね定数、主要チャンバの内部内の圧力、および主要チャンバの内部内の流体の量のうちの少なくとも1つは、耳内の条件に近似するように選択的に制御されてもよい。
【0076】
図1Aは、いくつかの実施形態による、耳の性質をモデル化するためのデバイス100の概略を図示し、デバイス100は、擬似耳小骨連鎖を伴う内部部分を備える。本デバイスは、筐体170を備えてもよい。筐体170は、内部部分120を備えてもよい。筐体170は、弾性材料130を備えてもよく、これは、擬似耳小骨連鎖として作用してもよい。筐体170は、筐体に結合される、流体注入器150を備えてもよい。筐体170は、筐体に結合される、空気弁または空気ポンプ140を備えてもよい。筐体は、人工鼓膜によって分割され、少なくとも、内部と、随意に、外部部分とを備える、主要チャンバを備えてもよい。
【0077】
筐体170は、人工鼓膜110を備えてもよい。膜110は、生物学的鼓膜を模倣する、性質を伴う、材料を備えてもよい。例えば、膜110は、生物学的鼓膜の張力および/または形状を模倣してもよい。例えば、膜110は、膨張または陥凹され、生物学的鼓膜を模倣してもよい。膜は、膨張または陥凹し、耳の健康な状態または罹患状態を模倣してもよい。膜は、印加される誘発空気圧に応答して、移動してもよい。印加される誘発空気圧に応答した膜移動のレートは、耳の疾患状態または健康な状態を模倣し得る。膜110は、生物学的鼓膜の視覚的外観を模倣する、視覚的キューを表示する、形状を有してもよい。例えば、人工鼓膜の表面は、槌骨または鼓膜臍または両方の視覚的形状を有してもよい。鼓膜は、超音波のための反射率を有してもよく、これは、生物学的超音波反射率を模倣する。
【0078】
内部部分は、液体を備えてもよい。液体体積122は、鼓膜の背後の流体の量をシミュレートするように調節可能であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、生物学的流体の性質をシミュレートするように調節可能であってもよい。例えば、流体のタイプは、膜の背後の流体の粘度を上昇または降下させるように変化されてもよい。流体の粘度を変化させるステップは、鼓膜の運動または運動のレートを改変し得る。例えば、より粘性流体は、鼓膜の有効弾性を低減させ得る。ある場合には、内部部分は、流体注入器または流体注入器のための開口部を備える。流体注入器は、液体の体積を上昇または降下させるために使用されてもよい。流体注入器は、液体のタイプを変化させるために使用されてもよい。
【0079】
ある場合には、液体のタイプは、水であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、溶液であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、水溶液であってもよい。水溶液の粘度は、溶媒の溶質の量を制御することによって、変化されてもよい。例えば、塩化ナトリウム、ヨウ化カリウム、糖等が、水に添加され、粘度を変化させてもよい。ある場合には、液体のタイプは、蜂蜜であってもよい。ある場合には、液体のタイプは、オリーブ油、亜麻仁油、ひまし油、潤滑油、鉱物油、シリコーン油等の油であってもよい。ある場合には、液体のタイプは、2つの不混和性液体の懸濁液であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、油および水の懸濁液であってもよい。ある場合には、流体は、ペースト、ゲル、または別の半固体であってもよい。ある場合には、流体は、粘弾性ポリマーであってもよい。流体の粘度は、温度に伴って変化されてもよい。例えば、室温では、流体の粘度は、100マイクロパスカル秒、例えば、軽油~5,000パスカル秒、例えば、蜂蜜で変動され得る。
【0080】
内部部分120は、調節可能空気体積を備えてもよい。空気体積は、鼓膜の背後の圧力をシミュレートするように調節されてもよい。鼓膜の背後の圧力は、鼓膜の運動または運動のレートを調節してもよい。例えば、鼓膜の背後のより高い圧力は、鼓膜の運動または運動のレートを低減させ得る。ある場合には、内部部分は、内部空気弁を備える。デバイス100は、内部空気ポンプを備えてもよい。デバイス100は、内部空気弁のための開口部を備えてもよい。デバイス100は、空気ポンプのための開口部を備えてもよい。ある場合には、内部部分は、内圧ゲージまたは内圧ゲージのための開口部を備える。内部部分内の圧力は、ポンプによって調整されてもよい。内部部分内の圧力は、ポンプを用いて圧力を上昇または降下させ、内部部分を弁でシールすることによって、調整されてもよい。内部部分内の圧力は、ゲージを用いて監視されてもよい。内部部分内の圧力は、連続的に監視される、または周期的に監視されてもよい。
【0081】
ある場合には、ガスのタイプは、空気であってもよい。ガスは、窒素、酸素、ヘリウム、水素、二酸化炭素、ヘリウム、クリプトン、アルゴン等、およびそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。ガスは、不活性ガスを備えてもよい。ガスは、元素ガスを備えてもよい。ガスの圧力は、数ミリトル~100キロトルで変動され得る。生物学的耳圧は、典型的には、約760トルであり得る。
【0082】
ある場合には、内部部分120は、人工鼓膜に結合される、弾性材料130を備えてもよい。ある場合には、内部部分は、鼓膜に結合される、擬似耳小骨連鎖を備える。ある場合には、人工鼓膜に結合される、弾性材料は、ばね、例えば、エラストマばねである。ある場合には、弾性材料は、制御可能張力を有する人工鼓膜に結合される。擬似耳小骨は、制御可能張力を有してもよい。図1Aは、弾性材料130に結合される、ばね調節器160を示す。ばね調節器は、張力を制御し、人工鼓膜110の弾性を調節してもよい。
【0083】
図1Bは、いくつかの実施形態による、耳の性質をモデル化するためのデバイス100’の概略を図示し、デバイス100’は、擬似耳小骨連鎖を伴う内部部分と、シールを伴う外部部分とを備える。本デバイスは、筐体170’を備えてもよい。筐体170’は、内部部分120’を備えてもよい。筐体170’は、弾性材料130’を備えてもよく、これは、擬似耳小骨連鎖として作用してもよい。筐体170’は、筐体に結合される、流体注入器150’を備えてもよい。筐体170’は、筐体に結合される、内部空気弁または内部空気ポンプ140’を備えてもよい。筐体は、人工鼓膜によって分割され、少なくとも、内部と、外部部分125’とを備える、主要チャンバを備えてもよい。筐体170’は、筐体に結合される、外部空気弁または外部空気ポンプ145’を備えてもよい。筐体170’は、筐体に結合される、シール180’を備えてもよい。
【0084】
筐体170’は、人工鼓膜110’を備えてもよい。膜110’は、生物学的鼓膜を模倣する、性質を伴う、材料を備えてもよい。例えば、膜110’は、生物学的鼓膜の張力または形状を模倣してもよい。例えば、膜110’は、膨張または陥凹され、生物学的鼓膜を模倣してもよい。膜は、膨張または陥凹し、耳の健康な状態または罹患状態を模倣してもよい。膜は、印加される誘発空気圧に応答して、移動してもよい。印加される誘発空気圧に応答した膜移動のレートは、耳の疾患状態または健康な状態を模倣し得る。膜110’は、生物学的鼓膜の視覚的外観を模倣する、視覚的キューを表示する、形状を有してもよい。例えば、人工鼓膜の表面は、槌骨または鼓膜臍または両方の視覚的形状を有してもよい。鼓膜は、超音波のための反射率を有してもよく、これは、生物学的超音波反射率を模倣する。
【0085】
内部部分は、液体を備えてもよい。液体体積122’は、鼓膜の背後の流体の量をシミュレートするように調節可能であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、生物学的流体の性質をシミュレートするように調節可能であってもよい。例えば、流体のタイプは、膜の背後の流体の粘度を上昇または降下させるように変化されてもよい。流体の粘度を変化させるステップは、鼓膜の運動または運動のレートを改変し得る。例えば、より粘性流体は、鼓膜の有効弾性を低減させ得る。ある場合には、内部部分は、流体注入器または流体注入器のための開口部を備える。流体注入器は、液体の体積を上昇または降下させるために使用されてもよい。流体注入器は、液体のタイプを変化させるために使用されてもよい。
【0086】
ある場合には、液体のタイプは、水であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、溶液であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、水溶液であってもよい。水溶液の粘度は、溶媒の溶質の量を制御することによって、変化されてもよい。例えば、塩化ナトリウム、ヨウ化カリウム、糖等が、水に添加され、粘度を変化させてもよい。ある場合には、液体のタイプは、蜂蜜であってもよい。ある場合には、液体のタイプは、オリーブ油、亜麻仁油、ひまし油、潤滑油、鉱物油、シリコーン油等の油であってもよい。ある場合には、液体のタイプは、2つの不混和性液体の懸濁液であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、油および水の懸濁液であってもよい。ある場合には、流体は、ペースト、ゲル、または別の半固体であってもよい。ある場合には、流体は、粘弾性ポリマーであってもよい。流体の粘度は、温度に伴って変化されてもよい。例えば、室温では、流体の粘度は、100マイクロパスカル秒、例えば、軽油~5,000パスカル秒、例えば、蜂蜜で変動され得る。
【0087】
内部部分120’は、調節可能空気体積を備えてもよい。空気体積は、鼓膜の背後の圧力をシミュレートするように調節されてもよい。鼓膜の背後の圧力は、鼓膜の運動または運動のレートを調節してもよい。例えば、鼓膜の背後のより高い圧力は、鼓膜の運動または運動のレートを低減させ得る。ある場合には、内部部分は、内部空気弁を備える。デバイス100’は、内部空気ポンプを備えてもよい。デバイス100’は、内部空気弁のための開口部を備えてもよい。デバイス100’は、空気ポンプのための開口部を備えてもよい。ある場合には、内部部分は、内圧ゲージまたは内圧ゲージのための開口部を備える。内部部分内の圧力は、ポンプによって調整されてもよい。内部部分内の圧力は、ポンプを用いて圧力を上昇または降下させ、内部部分を弁でシールすることによって、調整されてもよい。内部部分内の圧力は、ゲージを用いて監視されてもよい。内部部分内の圧力は、連続的に監視される、または周期的に監視されてもよい。
【0088】
ある場合には、ガスのタイプは、空気であってもよい。ガスは、窒素、酸素、ヘリウム、水素、二酸化炭素、ヘリウム、クリプトン、アルゴン等、およびそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。ガスは、不活性ガスを備えてもよい。ガスは、元素ガスを備えてもよい。ガスの圧力は、数ミリトル~100キロトルで変動され得る。生物学的耳圧は、典型的には、約760トルであり得る。
【0089】
ある場合には、内部部分120’は、人工鼓膜に結合される、弾性材料130’を備えてもよい。ある場合には、内部部分は、鼓膜に結合される、擬似耳小骨連鎖を備える。ある場合には、人工鼓膜に結合される、弾性材料は、ばね、例えば、エラストマばねである。ある場合には、人工鼓膜に結合される、弾性材料は、制御可能張力を有する。擬似耳小骨は、制御可能張力を有してもよい。図1Bは、弾性材料130’に結合される、ばね調節器160’を示す。ばね調節器は、張力を制御し、人工鼓膜110’の弾性を調節してもよい。
【0090】
デバイス100’は、人工鼓膜の外部表面に結合される、外部部分125’を備えてもよい。外部部分125’は、調節可能空気体積または圧力を備えてもよい。空気体積または圧力は、鼓膜に印加される圧力をシミュレートするように調節されてもよい。鼓膜に印加される圧力は、誘発空気圧であってもよい。例えば、誘発空気圧は、膜移動を誘発し得、これは、反応測定デバイス、例えば、耳鏡によって測定されてもよい。ある場合には、外部部分は、外部空気弁を備える。デバイス100’は、外部空気ポンプを備えてもよい。デバイス100’は、外部空気弁のための開口部を備えてもよい。デバイス100’は、外部空気ポンプのための開口部を備えてもよい。ある場合には、外部部分は、外圧ゲージまたは外圧ゲージのための開口部を備える。外部部分内の圧力は、ポンプによって調整されてもよい。外部部分内の圧力は、ポンプを用いて、圧力を上昇または降下させ、外部部分を弁でシールすることによって、調整されてもよい。
【0091】
外部部分内の圧力は、ゲージを用いて監視されてもよい。外部部分内の圧力は、連続的に監視される、または周期的に監視されてもよい。外部部分内の圧力を監視するステップは、印加される誘発空気圧等の印加される圧力を監視するために有用であり得る。例えば、患者の耳の過度の加圧を防止するために、反応測定デバイスによって印加されている圧力を理解することが、有益であり得る。
【0092】
デバイス100’は、外部部分125’に結合される、シール180’を備えてもよい。臨床設定では、反応測定デバイスは、対象オリフィスに対するシールを備えてもよい。例えば、耳鏡の検鏡は、成人または乳児対象の外耳道等の生物学的外耳道内に嵌合するためのサイズおよび形状を備えてもよい。シール180’は、反応測定デバイスと対象オリフィスとの間の生物学的シールをシミュレートしてもよい。ある場合には、外圧ゲージが、反応測定デバイスが、定位置にある、または使用中のとき、シールの品質を監視するために使用されてもよい。
【0093】
図1Cは、いくつかの実施形態による、内部部分と、シールを伴う外部部分とを備える、耳の性質をモデル化するためのデバイス100”の概略を図示する。本デバイスは、筐体170”を備えてもよい。筐体170”は、内部部分120”を備えてもよい。筐体170”は、筐体に結合される、流体注入器150”を備えてもよい。筐体170”は、筐体に結合される、内部空気弁または内部空気ポンプ140”を備えてもよい。筐体は、人工鼓膜によって分割され、少なくとも、内部と、外部部分125”とを備える、主要チャンバを備えてもよい。筐体170”は、筐体に結合される、外部空気弁または外部空気ポンプ145”を備えてもよい。筐体170”は、筐体に結合される、シール180”を備えてもよい。
【0094】
図1Cの実施例は、耳小骨連鎖の存在を模倣するように構成される、人工鼓膜の形状および硬度を伴う、人工鼓膜110”を備えてもよい。膜110”は、本明細書のいずれかの場所で説明されるような弾性材料(例えば、擬似耳小骨連鎖)と組み合わせて、またはその代わりに使用されてもよい。
【0095】
筐体170”は、人工鼓膜110”を備えてもよい。膜110”は、生物学的鼓膜を模倣する、性質を伴う、材料を備えてもよい。例えば、膜110”は、生物学的鼓膜の張力または形状を模倣してもよい。例えば、膜110”は、膨張または陥凹され、生物学的鼓膜を模倣してもよい。膜は、膨張または陥凹し、耳の健康な状態または罹患状態を模倣してもよい。膜は、印加される誘発空気圧に応答して、移動してもよい。印加される誘発空気圧に応答した膜移動のレートは、耳の疾患状態または健康な状態を模倣し得る。膜110”は、生物学的鼓膜の視覚的外観を模倣する、視覚的キューを表示する、形状を有してもよい。例えば、人工鼓膜の表面は、槌骨または鼓膜臍または両方の視覚的形状を有してもよい。鼓膜は、超音波のための反射率を有してもよく、これは、生物学的超音波反射率を模倣する。
【0096】
内部部分は、液体を備えてもよい。液体体積122”は、鼓膜の背後の流体の量をシミュレートするように調節可能であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、生物学的流体の性質をシミュレートするように調節可能であってもよい。例えば、流体のタイプは、膜の背後の流体の粘度を上昇または降下させるように変化されてもよい。流体の粘度を変化させるステップは、鼓膜の運動または運動のレートを改変し得る。例えば、より粘性流体は、鼓膜の有効弾性を低減させ得る。ある場合には、内部部分は、流体注入器または流体注入器のための開口部を備える。流体注入器は、液体の体積を上昇または降下させるために使用されてもよい。流体注入器は、液体のタイプを変化させるために使用されてもよい。
【0097】
ある場合には、液体のタイプは、水であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、溶液であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、水溶液であってもよい。水溶液の粘度は、溶媒の溶質の量を制御することによって、変化されてもよい。例えば、塩化ナトリウム、ヨウ化カリウム、糖等が、水に添加され、粘度を変化させてもよい。ある場合には、液体のタイプは、蜂蜜であってもよい。ある場合には、液体のタイプは、オリーブ油、亜麻仁油、ひまし油、潤滑油、鉱物油、シリコーン油等の油であってもよい。ある場合には、液体のタイプは、2つの不混和性液体の懸濁液であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、油および水の懸濁液であってもよい。ある場合には、流体は、ペースト、ゲル、または別の半固体であってもよい。ある場合には、流体は、粘弾性ポリマーであってもよい。流体の粘度は、温度に伴って変化されてもよい。例えば、室温では、流体の粘度は、100マイクロパスカル秒、例えば、軽油~5,000パスカル秒、例えば、蜂蜜で変動され得る。
【0098】
内部部分120”は、調節可能空気体積を備えてもよい。空気体積は、鼓膜の背後の圧力をシミュレートするように調節されてもよい。鼓膜の背後の圧力は、鼓膜の運動または運動のレートを調節してもよい。例えば、鼓膜の背後のより高い圧力は、鼓膜の運動または運動のレートを低減させ得る。ある場合には、内部部分は、内部空気弁を備える。デバイス100”は、内部空気ポンプを備えてもよい。デバイス100”は、内部空気弁のための開口部を備えてもよい。デバイス100”は、空気ポンプのための開口部を備えてもよい。ある場合には、内部部分は、内圧ゲージまたは内圧ゲージのための開口部を備える。内部部分内の圧力は、ポンプによって調整されてもよい。内部部分内の圧力は、ポンプを用いて圧力を上昇または降下させ、内部部分を弁でシールすることによって、調整されてもよい。内部部分内の圧力は、ゲージを用いて監視されてもよい。内部部分内の圧力は、連続的に監視される、または周期的に監視されてもよい。
【0099】
ある場合には、ガスのタイプは、空気であってもよい。ガスは、窒素、酸素、ヘリウム、水素、二酸化炭素、ヘリウム、クリプトン、アルゴン等、およびそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。ガスは、不活性ガスを備えてもよい。ガスは、元素ガスを備えてもよい。ガスの圧力は、数ミリトル~100キロトルで変動され得る。生物学的耳圧は、典型的には、約760トルであり得る。
【0100】
デバイス100”は、人工鼓膜の外部表面に結合される、外部部分125”を備えてもよい。外部部分125”は、調節可能空気体積または圧力を備えてもよい。空気体積または圧力は、鼓膜に印加される圧力をシミュレートするように調節されてもよい。鼓膜に印加される圧力は、誘発空気圧であってもよい。例えば、誘発空気圧は、膜移動を誘発し得、これは、反応測定デバイス、例えば、耳鏡によって測定されてもよい。ある場合には、外部部分は、外部空気弁を備える。デバイス100”は、外部空気ポンプを備えてもよい。デバイス100”は、外部空気弁のための開口部を備えてもよい。デバイス100”は、外部空気ポンプのための開口部を備えてもよい。ある場合には、外部部分は、外圧ゲージまたは外圧ゲージのための開口部を備える。外部部分内の圧力は、ポンプによって調整されてもよい。外部部分内の圧力は、ポンプを用いて、圧力を上昇または降下させ、外部部分を弁でシールすることによって、調整されてもよい。
【0101】
外部部分内の圧力は、ゲージを用いて監視されてもよい。外部部分内の圧力は、連続的に監視される、または周期的に監視されてもよい。外部部分内の圧力を監視するステップは、印加される誘発空気圧等の印加される圧力を監視するために有用であり得る。例えば、患者の耳の過度の加圧を防止するために、反応測定デバイスによって印加されている圧力を理解することが、有益であり得る。
【0102】
デバイス100”は、外部部分125”に結合される、シール180”を備えてもよい。臨床設定では、反応測定デバイスは、対象オリフィスに対するシールを備えてもよい。例えば、耳鏡の検鏡は、成人または乳児対象の外耳道等の生物学的外耳道内に嵌合するためのサイズおよび形状を備えてもよい。シール180”は、反応測定デバイスと対象オリフィスとの間の生物学的シールをシミュレートしてもよい。ある場合には、外圧ゲージが、反応測定デバイスが、定位置にある、または使用中のとき、シールの品質を監視するために使用されてもよい。
【0103】
図2は、いくつかの実施形態による、膜のシミュレーションに関連するいくつかの潜在的原理を図示する。図2は、外耳道(EAM)と、中耳腔(MEC)と、鼓膜(TM)と、耳小骨連結(M、I、SFP)と、流体充填内耳とを含む、中耳の音響機械的概略図である。耳小骨連結はまた、耳小骨連鎖とも称され、槌骨Mと、砧骨Iと、あぶみ骨底SFPとを備える。また、蝸牛窓RSおよび耳管ETも示される。誘発空気圧または音等の外部空気圧Pを外耳道内で用いることで、TMは、移動し、体積変位Vおよび付随の圧力変化を中耳PMEC内に引き起こす。TMの往復移動はまた、付随の変位を耳小骨連鎖およびアブミ骨底板内に引き起こし、これは、骨底Pの内方の前庭の圧力変化を誘発する。鼓膜臍は、TM上の槌骨の時として可視の頭部である。耳の音響機構の付加的説明に関しては、例えば、Acoustics of Speech & Hearing MIT6.551J/HST.714J, http://web.mit.edu/6.551j/www/(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0104】
OMは、TMの背後の流体の存在によって特徴付けられる。細菌性耳感染症は、抗生物質を用いて治療され得る。しかしながら、ウイルス性耳感染症は、抗生物質に応答し得ない。細菌性対ウイルス性OMは、異なるタイプの滲出液によって特徴付けられる。しかしながら、TMの背後の滲出液は、典型的には、外耳から可視ではあり得ない。滲出液のタイプの識別は、種々の反応測定デバイスによって補助され得、これは、鼓膜の移動を探査する。対象TMの生検または診断を伴わない処方ではなく、これらの間接方法は、感染症を正しくかつ早期に識別することに役立ち得る。例えば、ウイルス性滲出液は、典型的には、より粘っぽくあり得る(例えば、より粘性である)、細菌性感染症より水っぽい(例えば、あまり粘性ではない)。
【0105】
膜移動を探査するための方法の実施例は、誘発空気圧Uを印加するステップと、その誘発前後の膜移動を監視するステップとを含む。移動を監視するステップは、視診によって、または超音波システムまたは光コヒーレンス断層撮影を使用して等、より高度な方法を使用して、行われてもよい。これらの技法は、本明細書のいずれかの場所において、例えば、「反応測定デバイス」の節においてさらに詳細に説明される。
【0106】
膜移動を探査するステップは、膜陥凹または膨張の測定、移動の速度の測定、膜移動の減衰時間の測定、膜移動の周波数の測定等を含んでもよい。誘発空気圧に応答した膜移動の単純モデルは、単純高調波発振器のものである。ばね力が、TMの弾性、蝸牛の圧縮(耳小骨連鎖を介して)、中耳内の空気の圧縮等に関連し得る。発振器の減衰は、TMの減衰、ETを介した空気圧等化、蝸牛内の圧力等化等に関連し得る。発振器の質量は、TMの質量、耳内の流体の質量、および耳小骨の質量に関連し得る。正確な膜シミュレーションは、単純および調節可能部品を使用して、これらのパラメータの多くまたは全てを捕捉するはずである。
【0107】
本開示のデバイスは、疾患状態を模倣する、移動性質を生成するように選択的に調節されてもよい。ある場合には、膜の質量、エラストマばねの張力、内部部分の内圧、および内部部分内の流体の量のうちの少なくとも1つが、耳内の条件に近似するように選択的に制御されてもよい。ある場合には、エラストマばねは、要求されなくてもよい。ある場合には、流体のタイプまたは体積および内部部分内の圧力は、調節可能パラメータであってもよい。単一膜タイプが、複数の疾患状態を制御可能に模倣するために使用されてもよい。ある場合には、流体の体積、流体のタイプ、またはガス圧のうちの1つ以上のものの調節は、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。ある場合には、流体のタイプの調節は、流体の粘度を変動させるステップを含む。ある場合には、人工鼓膜の移動は、順序値のセットまたは連続的尺度に従って調節可能である。ある場合には、流体の体積、流体のタイプ、またはガス圧のうちの1つ以上のものの調節は、膜移動のレートを変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。
【0108】
図3Aは、いくつかの実施形態による、内部部分と、シールを伴う外部部分とを備える、耳の性質をモデル化するための例示的デバイス300の分解図を図示する。図3Bは、いくつかの実施形態による、耳の性質をモデル化するための図3Aの例示的デバイスの外部等角図を図示する。図3Cは、いくつかの実施形態による、耳の性質をモデル化するための図3Aの例示的デバイスの外部正面図を図示する。デバイス300は、図1Cに提示される概略デバイス100”の例示的実装を備えてもよい。
【0109】
本デバイスは、筐体を備えてもよい。筐体は、内部部分320を備えてもよい。筐体は、流体注入器のための開口部を備えてもよい。筐体は、内部部分320に結合される、内部空気弁または内部空気ポンプのための開口部を備えてもよい。筐体は、人工鼓膜によって分割され、少なくとも、内部320と、外部部分325とを備える、主要チャンバを備えてもよい。外部部分は、外部部分に結合される、外部空気弁または外部空気ポンプのための開口部を備えてもよい。本デバイスは、筐体に結合される、シール380を備えてもよい。
【0110】
デバイス300は、耳小骨連鎖の存在を模倣するように構成される、人工鼓膜の形状および硬度を伴う、人工鼓膜310を備えてもよい。膜310は、本明細書のいずれかの場所で説明されるような弾性材料(例えば、擬似耳小骨連鎖)と組み合わせて、またはその代わりに使用されてもよい。示されるように、膜310は、シール312を備え、内部部分と外部部分との間の圧力分離を補助してもよい。膜310は、配向特徴を備えてもよい。
【0111】
デバイス300は、人工鼓膜310を備えてもよい。膜310は、生物学的鼓膜を模倣する、性質を伴う、材料を備えてもよい。例えば、膜310は、生物学的鼓膜の張力または形状を模倣してもよい。例えば、膜310は、膨張または陥凹され、生物学的鼓膜を模倣してもよい。膜は、膨張または陥凹し、耳の健康な状態または罹患状態を模倣してもよい。膜は、印加される誘発空気圧に応答して、移動してもよい。印加される誘発空気圧に応答した膜移動のレートは、耳の疾患状態または健康な状態を模倣し得る。膜310は、生物学的鼓膜の視覚的外観を模倣する、視覚的キューを表示する、形状を有してもよい。例えば、人工鼓膜の表面は、槌骨または鼓膜臍または両方の視覚的形状を有してもよい。鼓膜は、超音波のための反射率を有してもよく、これは、生物学的超音波反射率を模倣する。
【0112】
内部部分320は、液体を備えてもよい。液体体積は、鼓膜の背後の流体の量をシミュレートするように調節可能であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、生物学的流体の性質をシミュレートするように調節可能であってもよい。例えば、流体のタイプは、膜の背後の流体の粘度を上昇または降下させるように変化されてもよい。流体の粘度を変化させるステップは、鼓膜の運動または運動のレートを改変し得る。例えば、より粘性流体は、鼓膜の有効弾性を低減させ得る。ある場合には、内部部分は、流体注入器のための開口部を備える。流体注入器は、液体の体積を上昇または降下させるために使用されてもよい。流体注入器は、液体のタイプを変化させるために使用されてもよい。
【0113】
ある場合には、液体のタイプは、水であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、溶液であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、水溶液であってもよい。水溶液の粘度は、溶媒の溶質の量を制御することによって、変化されてもよい。例えば、塩化ナトリウム、ヨウ化カリウム、糖等が、水に添加され、粘度を変化させてもよい。ある場合には、液体のタイプは、蜂蜜であってもよい。ある場合には、液体のタイプは、オリーブ油、亜麻仁油、ひまし油、潤滑油、鉱物油、シリコーン油等の油であってもよい。ある場合には、液体のタイプは、2つの不混和性液体の懸濁液であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、油および水の懸濁液であってもよい。ある場合には、流体は、ペースト、ゲル、または別の半固体であってもよい。ある場合には、流体は、粘弾性ポリマーであってもよい。流体の粘度は、温度に伴って変化されてもよい。例えば、室温では、流体の粘度は、100マイクロパスカル秒、例えば、軽油~1,000パスカル秒、例えば、タールで変動され得る。
【0114】
内部部分320は、調節可能空気体積を備えてもよい。空気体積は、鼓膜の背後の圧力をシミュレートするように調節されてもよい。鼓膜の背後の圧力は、鼓膜の運動または運動のレートを調節してもよい。例えば、鼓膜の背後のより高い圧力は、鼓膜の運動または運動のレートを低減させ得る。ある場合には、内部部分は、内部空気弁を備える。デバイス300は、空気ポンプのための開口部を備えてもよい。デバイス300は、内部空気弁のための開口部を備えてもよい。ある場合には、内部部分は、内圧ゲージのための開口部を備える。内部部分内の圧力は、ポンプによって調整されてもよい。内部部分内の圧力は、ポンプを用いて圧力を上昇または降下させ、内部部分を弁でシールすることによって、調整されてもよい。内部部分内の圧力は、ゲージを用いて監視されてもよい。内部部分内の圧力は、連続的に監視される、または周期的に監視されてもよい。
【0115】
ある場合には、ガスのタイプは、空気であってもよい。ガスは、窒素、酸素、ヘリウム、水素、二酸化炭素、ヘリウム、クリプトン、アルゴン等、およびそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。ガスは、不活性ガスを備えてもよい。ガスは、元素ガスを備えてもよい。ガスの圧力は、数ミリトル~100キロトルで変動され得る。生物学的耳圧は、典型的には、約760トルであり得る。
【0116】
内部部分320は、取付デバイス324によって、外部部分に添着されてもよい。内部部分および外部部分は、ねじ、ボルト、ねじ留め、スナップ嵌合等によって、取り付けられてもよい。内部部分および外部部分は、相互から流体および空気圧式にシールされてもよい。
【0117】
デバイス300は、人工鼓膜の外部表面に結合される、外部部分325を備えてもよい。外部部分325は、調節可能空気体積または圧力を備えてもよい。空気体積または圧力は、鼓膜に印加される圧力をシミュレートするように調節されてもよい。鼓膜に印加される圧力は、誘発空気圧であってもよい。例えば、誘発空気圧は、膜移動を誘発し得、これは、反応測定デバイス、例えば、耳鏡によって測定されてもよい。ある場合には、外部部分は、外部空気弁のための開口部を備える。デバイス300は、外部空気ポンプのための開口部を備えてもよい。ある場合には、外部部分は、外圧ゲージのための開口部を備える。外部部分内の圧力は、ポンプによって調整されてもよい。外部部分内の圧力は、ポンプを用いて、圧力を上昇または降下させ、外部部分を弁でシールすることによって、調整されてもよい。
【0118】
外部部分内の圧力は、ゲージを用いて監視されてもよい。外部部分内の圧力は、連続的に監視される、または周期的に監視されてもよい。外部部分内の圧力を監視するステップは、印加される誘発空気圧等の印加される圧力を監視するために有用であり得る。例えば、患者の耳の過度の加圧を防止するために、反応測定デバイスによって印加されている圧力を理解することが、有益であり得る。
【0119】
デバイス300は、外部部分325に結合される、シール380を備えてもよい。臨床設定では、反応測定デバイスは、対象オリフィスに対するシールを備えてもよい。例えば、耳鏡の検鏡は、成人または乳児対象の外耳道等の生物学的外耳道内に嵌合するためのサイズおよび形状を備えてもよい。シール380は、反応測定デバイスと対象オリフィスとの間の生物学的シールをシミュレートしてもよい。ある場合には、外圧ゲージが、反応測定デバイスが、定位置にある、または使用中のとき、シールの品質を監視するために使用されてもよい。
【0120】
シール380は、その中に挿入されるべき反応測定デバイスのための開口部382を備えてもよい。シール380は、流体および空気圧シールを外部部分と本デバイスの外部との間に形成してもよい。シール380は、面プレート384によって、外部部分に取り付けられてもよい。面プレート384は、取付デバイス386によって、外部部分に添着されてもよい。面プレートおよび外部部分は、ねじ、ボルト、ねじ留め、スナップ嵌合等によって、取り付けられてもよい。
【0121】
図4は、いくつかの実施形態による、擬似耳小骨連鎖を伴う内部部分を備える、例示的デバイスの透明等角図を図示する。デバイス400は、図1Aに提示される概略デバイス100の例示的実装を備えてもよい。本デバイスは、筐体470を備えてもよい。筐体470は、内部部分を備えてもよい。筐体470は、弾性材料430を備えてもよく、これは、擬似耳小骨連鎖として作用してもよい。筐体470は、筐体に結合される、流体注入器接続部450を備えてもよい。筐体470は、筐体に結合される、空気弁接続部440を備えてもよい。筐体は、人工鼓膜によって分割され、少なくとも、内部と、随意に、外部部分とを備える、主要チャンバを備えてもよい。
【0122】
筐体470は、人工鼓膜410を備えてもよい。膜410は、生物学的鼓膜を模倣する、性質を伴う、材料を備えてもよい。例えば、膜410は、生物学的鼓膜の張力または形状を模倣してもよい。例えば、膜410は、膨張または陥凹され、生物学的鼓膜を模倣してもよい。膜は、膨張または陥凹し、耳の健康な状態または罹患状態を模倣してもよい。膜は、印加される誘発空気圧に応答して、移動してもよい。印加される誘発空気圧に応答した膜移動のレートは、耳の疾患状態または健康な状態を模倣し得る。膜410は、生物学的鼓膜の視覚的外観を模倣する、視覚的キューを表示する、形状を有してもよい。例えば、人工鼓膜の表面は、槌骨または鼓膜臍または両方の視覚的形状を有してもよい。鼓膜は、超音波のための反射率を有してもよく、これは、生物学的超音波反射率を模倣する。
【0123】
示されるように、膜410は、内部部分と本デバイスの外部との間の圧力分離を補助する、シール412を備える。面プレート472は、筐体474の内部部分とインターフェースを取ってもよい。内部部分および面プレートは、ねじ、ボルト、ねじ留め、スナップ嵌合等によって、取り付けられてもよい。
【0124】
内部部分は、液体を備えてもよい。液体体積は、鼓膜の背後の流体の量をシミュレートするように調節可能であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、生物学的流体の性質をシミュレートするように調節可能であってもよい。例えば、流体のタイプは、膜の背後の流体の粘度を上昇または降下させるように変化されてもよい。流体の粘度を変化させるステップは、鼓膜の運動または運動のレートを改変し得る。例えば、より粘性流体は、鼓膜の有効弾性を低減させ得る。ある場合には、内部部分は、流体注入器のための開口部を備える。内部部分は、流体注入器接続部450を備えてもよい。内部部分は、弁452と、流体退出口454とを備えてもよい。流体注入器は、液体の体積を上昇または降下させるために使用されてもよい。流体注入器は、液体のタイプを変化させるために使用されてもよい。
【0125】
ある場合には、液体のタイプは、水であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、溶液であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、水溶液であってもよい。水溶液の粘度は、溶媒の溶質の量を制御することによって、変化されてもよい。例えば、塩化ナトリウム、ヨウ化カリウム、糖等が、水に添加され、粘度を変化させてもよい。ある場合には、液体のタイプは、蜂蜜であってもよい。ある場合には、液体のタイプは、オリーブ油、亜麻仁油、ひまし油、潤滑油、鉱物油、シリコーン油等の油であってもよい。ある場合には、液体のタイプは、2つの不混和性液体の懸濁液であってもよい。ある場合には、流体のタイプは、油および水の懸濁液であってもよい。ある場合には、流体は、ペースト、ゲル、または別の半固体であってもよい。ある場合には、流体は、粘弾性ポリマーであってもよい。流体の粘度は、温度に伴って変化されてもよい。例えば、室温では、流体の粘度は、100マイクロパスカル秒、例えば、軽油~5,000パスカル秒、例えば、蜂蜜で変動され得る。
【0126】
内部部分474は、調節可能空気体積を備えてもよい。空気体積は、鼓膜の背後の圧力をシミュレートするように調節されてもよい。鼓膜の背後の圧力は、鼓膜の運動または運動のレートを調節してもよい。例えば、鼓膜の背後のより高い圧力は、鼓膜の運動または運動のレートを低減させ得る。ある場合には、内部部分は、内部空気弁を備える。デバイス400は、内部空気ポンプ接続部440を備えてもよい。デバイス400は、内部空気弁のための開口部442と、退出口444とを備えてもよい。ある場合には、内部部分は、内圧ゲージのための開口部を備える。内部部分内の圧力は、ポンプによって調整されてもよい。内部部分内の圧力は、ポンプを用いて圧力を上昇または降下させ、内部部分を弁でシールすることによって、調整されてもよい。内部部分内の圧力は、ゲージを用いて監視されてもよい。内部部分内の圧力は、連続的に監視される、または周期的に監視されてもよい。
【0127】
ある場合には、ガスのタイプは、空気であってもよい。ガスは、窒素、酸素、ヘリウム、水素、二酸化炭素、ヘリウム、クリプトン、アルゴン等、およびそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。ガスは、不活性ガスを備えてもよい。ガスは、元素ガスを備えてもよい。ガスの圧力は、数ミリトル~100キロトルで変動され得る。生物学的耳圧は、典型的には、約760トルであり得る。
【0128】
ある場合には、内部部分474は、人工鼓膜に結合される、弾性材料430を備えてもよい。ある場合には、内部部分は、鼓膜に結合される、擬似耳小骨連鎖を備える。ある場合には、人工鼓膜に結合される、弾性材料は、ばね、例えば、エラストマばねである。ある場合には、人工鼓膜に結合される、弾性材料は、制御可能張力を有する。擬似耳小骨は、制御可能張力を有してもよい。図4は、弾性材料430に結合される、ばね調節器460を示す。ばね調節器は、張力を制御し、人工鼓膜410の弾性を調節してもよい。
【0129】
人工鼓膜
図5A図5B、および図5Cは、それぞれ、いくつかの実施形態による、人工鼓膜の等角、正面、および側面図を示す。膜510は、可撓性表面511を備えてもよい。膜510は、生物学的鼓膜を模倣する、性質を伴う、材料を備えてもよい。例えば、膜510は、生物学的鼓膜の張力または形状を模倣してもよい。例えば、膜510は、膨張または陥凹され、生物学的鼓膜を模倣してもよい。膜は、膨張または陥凹し、耳の健康な状態または罹患状態を模倣してもよい。膜は、印加される誘発空気圧に応答して、移動してもよい。
【0130】
膜510は、耳小骨連鎖の存在を模倣するように構成される、形状および/または硬度を備えてもよい。膜510は、本明細書のいずれかの場所で説明されるような弾性材料(例えば、擬似耳小骨連鎖)と組み合わせて、またはその代わりに使用されてもよい。印加される誘発空気圧に応答した膜移動のレートは、耳の疾患状態または健康な状態を模倣し得る。膜510は、生物学的鼓膜の視覚的外観を模倣する、視覚的キューを表示する、形状を有してもよい。例えば、人工鼓膜の表面は、槌骨または鼓膜臍または両方の視覚的形状を有してもよい。鼓膜は、超音波のための反射率を有してもよく、これは、生物学的超音波反射率を模倣する。
【0131】
種々のパラメータが、耳内の条件、例えば、罹患状態または健康な状態に近似するように調節されてもよい。ある場合には、膜の質量、エラストマばねの減衰、ばね定数、主要チャンバの内部内の圧力、および主要チャンバの内部内の流体の量または流体のタイプのうちの1つ以上のものが、耳内の条件に近似するように選択的に制御されてもよい。
【0132】
膜は、可撓性材料を備えてもよい。膜は、エラストマを備えてもよい。エラストマは、天然ゴム、ネオプレンゴム、ブナ-s、ブナ-n、エラストマポリマー、シリコーンゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、クロロプレン、ブチルゴム、スチレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ポリアクリルゴム、フルオロシリコーンゴム、フルオロエラストマ、パーフルオロエラストマ、ポリエーテルブロックアミド、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン-ビニル酢酸塩等を備えてもよい。膜は、シリコーンを備えてもよい。ある場合には、膜は、シール512を備え、本開示のデバイスへの取付を補助する。
【0133】
図5Dは、本開示の例示的人工鼓膜の外部表面511の画像である。鼓膜の視覚的外観は、耳鏡が、多くの場合、眼によって整合され得るため、重要な考慮点であり得る。本開示の膜は、1つ以上の視覚的キューを呈するように設計されてもよい。例えば、膜は、少なくとも部分的に、鼓膜臍または槌骨の形状514を呈し得る。
【0134】
ある場合には、本開示の膜は、人工鼓膜表面からの光学反射を呈し、人工鼓膜の場所および耳鏡の整合を可能にする、形状を有する。ある場合には、本開示の膜は、光の円錐を呈する。ある場合には、光学反射は、人工鼓膜の前下象限上に呈される。
【0135】
光の円錐または光反射は、鼓膜の視診の間に生じ得る、可視現象である。鼓膜上への光輝する光は、光の円錐形状の反射を現れさせ得る。円錐の頂点は、鼓膜の最も押下される部分、すなわち、鼓膜臍である。これは、鼓膜の前下象限内に位置し得る。光の円錐は、鼓膜の検査の間の整合補助として使用されてもよい。耳内において、ユーザは、光の円錐が可視であるように、光源を外耳道内に整合させ得る。図5Dでは、光の円錐は、鼓膜臍514の近傍の明るいスポットとして示される。
【0136】
空気および液体サブシステム
図6は、いくつかの実施形態による、耳の性質をモデル化するためのデバイスのための例示的空気および液体サブシステムの略図である。例示的空気および液体サブシステムは、本明細書に開示される空気の性質をモデル化するためのデバイスの任意の変形例、実施形態、または実施例と組み合わせて使用されてもよい。示されるように、空気および液体サブシステムは、制御ユニット650と、測定ユニット610とを備える。測定ユニット610は、耳の性質をモデル化するためのデバイスの実施形態、変形例、または実施例を備えてもよい。本デバイスは、筐体を備えてもよい。筐体は、人工鼓膜310によって分割され、少なくとも、内部320と、外部部分325とを備える、主要チャンバを備えてもよい。
【0137】
測定ユニット610は、内部部分320の構成要素のための制御部を備えてもよい。内部部分は、流体注入器660のための開口部を備えてもよい。筐体は、内部空気弁614のための開口部を備えてもよい。示されるように、第1の弁614は、測定ユニットを制御ユニットから分離してもよい。デジタル圧力ゲージP/S1が、空気取扱ラインに流体的に接続されてもよい。1つ以上の注射器622および624が、微細な圧力制御のために内部空気システムに流体的に接続されてもよい。
【0138】
測定ユニット610は、外部部分325の構成要素のための制御部を備えてもよい。外部部分325は、外部空気弁612のための開口部を備えてもよい。外部空気値612は、通気弁として作用してもよい。デジタル圧力ゲージP/S2が、外部空気取扱ラインに流体的に接続されてもよい。示されるように、外部空気ポンプ672が、外部部分に結合されてもよい。本デバイスは、筐体に結合される、シールを備えてもよい。また、反応測定デバイス640もシール内に示される。
【0139】
制御ユニット650は、電気サブシステムを備えてもよく、図7に関してさらに詳細に説明される。制御ユニットは、内部部分320に結合される、内部空気ポンプ652を備えてもよい。内部空気ポンプは、マイクロダイヤフラムポンプであってもよい。内部空気ラインは、通気口654と、通気弁656とを備えてもよい。内部空気ラインは、指向性制御部658を備えてもよい。制御ユニットはまた、ゲージ680を内部空気ライン上に備えてもよい。ゲージは、ユーザに可視であってもよい。ゲージは、類似ゲージであってもよい。制御ユニットは、内部流体ラインに結合される、流体注入器660を備えてもよい。流体注入器は、注射器ポンプを備えてもよい。制御ユニットは、外部空気ポンプ672を備えてもよい。外部空気ポンプは、バルブコンプレッサ670と、制御部674とを伴う、バルブを備えてもよい。バルブコンプレッサは、ソレノイドを備えてもよい。バルブは、手動で制御される含気耳鏡の作用を模倣してもよい。
【0140】
図7は、いくつかの実施形態による、耳の性質をモデル化するためのデバイスのための例示的電気サブシステムの略図である。デジタル圧力ゲージP/S1およびデジタル圧力ゲージP/S2は、電気信号をアナログ/デジタルコンバータ(DAC)715に提供してもよい。DACは、少なくとも2つのチャネル出力をデジタル処理デバイス710に提供してもよい。デジタル処理デバイスは、Arduinoマイクロプロセッサ等のマイクロプロセッサであってもよい。デジタル処理デバイスは、USBまたはEthernet(登録商標)ポート等の出力712を通して、1つ以上の二次プロセッサに接続されてもよい。デジタル処理デバイス710は、ユーザに可視のディスプレイ690に接続されてもよい。
【0141】
プロセッサは、本明細書に開示されるデバイスおよび方法の種々の側面を制御するように接続されてもよい。ポンプ652は、モータMを備えてもよい。モータMは、電源スイッチ750と、指向性制御部658とによって制御されてもよい。プロセッサは、モータM、電源スイッチ750、および指向性制御部658の動作を制御するように構成されてもよい。プロセッサは、ソレノイド制御スイッチ772の動作を制御し、ソレノイド670を移動させ、バルブ672を圧縮するように構成されてもよい。
【0142】
図8は、いくつかの実施形態による、耳の性質をモデル化するためのデバイスのための空気および液体サブシステムの上面図を図示する。図8の下側部分は、制御ユニット650を示す。制御ユニット650は、デジタル処理デバイス710を備えてもよい。デジタル処理デバイス710は、ユーザに可視のディスプレイ690に接続されてもよい。制御ユニットはまた、ゲージ680を内部空気ライン上に備えてもよく、これは、制御ユニットの外部表面上で可視であってもよい。制御ユニットは、外部空気ポンプ672を備えてもよい。外部空気ポンプは、バルブコンプレッサ670と、制御部674とを伴う、バルブを備えてもよい。制御ユニットは、内部流体ラインに結合される、流体注入器660を備えてもよい。図8の上側部分は、外部空気ポンプ612と、1つ以上の注射器622および624とを示す。
【0143】
図9は、いくつかの実施形態による、空気および液体サブシステムに接続される、耳の性質をモデル化するためのデバイスの測定ユニットを図示する。測定ユニット610は、本開示のデバイスのためのスタンドを備えてもよい。測定ユニットは、デジタル圧力ゲージP/S1と、デジタル圧力ゲージP/S2とを備えてもよい。測定ユニットは、内部空気弁614を備えてもよい。
【0144】
人工外耳
図10は、いくつかの実施形態による、人工外耳道と、耳介とを伴う、耳の性質をモデル化するための例示的システムの外部等角図を図示する。本システムは、対象1000の頭部のモデルを備えてもよい。本システムは、耳の性質をモデル化するためのデバイスのための搭載部1020を備えてもよい。搭載部1020は、耳介1010に接続されてもよい。耳介は、外耳道1015を備えてもよい。外耳道1015は、対象の外耳道の幾何学形状に近似し得る。例えば、外耳道1015は、ヒト成人対象またはヒト小児科対象の幾何学形状を備えてもよい。
【0145】
図11Aは、いくつかの実施形態による、人工外耳道と、耳介とを伴う、耳の性質をモデル化するための例示的デバイスのスライス図を図示する。図11Bは、いくつかの実施形態による、図11Aの例示的デバイスの人工外耳道および耳介の等角スライス図を図示する。本システムは、耳の性質をモデル化するためのデバイスのための搭載部1020を備えてもよい。搭載部1020は、耳介1010に接続されてもよい。耳介は、外耳道1015を備えてもよい。搭載部1020は、鼓膜1100を備える、デバイス1200の対応する搭載部分1025に接続してもよい。デバイス1200は、本明細書に開示されるようなデバイスの任意の実施形態、変形例、または実施例を備えてもよい。耳介1010は、内部部分の中に突出し、本デバイスとシール1012を形成してもよい。
【0146】
反応測定デバイス
図12Aは、対象の耳内に配置される、本開示の耳鏡の検鏡を図示する。耳鏡の検鏡は、本明細書に開示される反応測定デバイスの実施形態であってもよい。反応測定システムは、空気圧励起に応答して、データを収集してもよい。反応測定システムは、例えば、空気圧励起に応答して、膜移動に関連するデータを収集してもよい。空気圧励起は、空気の吹き付け等の圧力励起を備えてもよい。空気圧励起は、超音波励起に対する膜の応答を変化させ得る。例えば、空気圧励起は、膜を偏向させ得、これは、空気圧励起に暴露されていない膜に対する反射超音波の位相を変化させ得る。膜の偏向は、減衰調和運動を備え得る。本運動は、膜の弾性の変化によって影響を受け得る。膜弾性の変化は、例えば、水、細菌成長、または他の異物が、膜に隣接している場合に起こり得る。
【0147】
いくつかの実施例では、空気圧励起は、ある時間間隔の間に表面または膜の移動を発生させ得る。本間隔は、超音波送信機によって表面または膜に送達される音響波と一致し得る。空気圧励起は、連続的であってもよい、パルス状であってもよい等である。表面から反射された超音波は、トランスデューサにおいて受信されてもよい。トランスデューサは、入射音響波を発生させた同一のトランスデューサであってもよい。表面または膜の変位は、伝送信号と比較されたとき、受信信号の位相変化に関連し得る。膜の移動は、受信超音波の位相変化に影響を及ぼし得る。変位は、時間に伴って変動し得る。表面または膜に結合される空気圧励起に応答する反射超音波の位相偏移によって測定されるような表面または膜の時間的変位の分析が、表面または膜の機械的特性を決定するために使用されてもよい。
【0148】
時間的情報の分析が、比較を作成するために、他の膜応答のテンプレートから測定される時間的変位と組み合わせて使用されてもよい。時間的情報の分析は、表面または膜の応答を特性評価する、反射超音波の振幅の遅延と関連付けられる他のメトリックと組み合わせて使用されてもよい。測定される機械的特性は、延性、弾性、硬度等を含んでもよい。表面、または代替として、膜の表面の下方の流体の機械的性質の非接触測定値が、決定されてもよい。
【0149】
いくつかの実施形態では、表面の弾性が、測定されてもよい。膜からの反射超音波の位相および/または振幅が、弾性メトリックを生成するために分析されてもよい。弾性測定は、印加された励起に応答する一連の測定を特性評価し得る。弾性メトリックは、表面の応答から導出され得、いくつかの異なる現象のうちの1つ以上のもののインジケーションを提供し得る。例えば、弾性メトリックは、膜に隣接する表面が、ガス状境界または流体境界を有するかどうかを示し得る。例えば、膜は、膜が、流体境界を有する場合、あまり移動しない、より緩慢に移動する、および/または全く移動しない場合がある。ある実施例では、弾性メトリックは、膜の流体境界の後方の流体を特性評価する場合に関して、流体の範囲または特性を示し得る。いくつかの実施例では、弾性メトリックは、応答のヒステリシスの有無を問わず、弾性流体の特性を測定するために使用されてもよい。ヒステリシス応答を伴う流体では、流体は、1つの方向における応答挙動が、特定の変位距離を進行した後にのみ、対向する方向における応答挙動に類似するように、変位応答のオフセット、すなわち、「記憶」を呈し得る。ヒステリシス応答に関して、本システムのヒステリシスと関連付けられる特定の測定された変位後に応答の線形挙動を特性評価することが、必要であり得る。流体弾性メトリックは、表面励起および反射超音波特性評価に対する表面または膜の特徴的応答から決定され得る。
【0150】
いくつかの実施形態では、表面偏向が、推定されてもよい。例えば、表面偏向の推定値は、速度、加速度、または経時的な偏向と関連付けられる任意の他のメトリックの測定された推定値から導出され得る。例えば、表面の変位は、トランスデューサから表面への短縮された経路をもたらし、表面からトランスデューサに戻るような反射信号は、位相偏移を伴って戻るであろう。励起に対する反射超音波の位相偏移は、したがって、偏向の量についての情報を与える。励起によって印加される力の推定値を用いて、膜の弾性の推定値が、推定されることができる。
【0151】
図12B図12C図12D、および図12Eは、例示的耳鏡の出力が膜の背後の滲出液の可変粘度に伴って変化し得る様子を示す、例示的実験データを図示する。ある実施例では、励起は、立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジ、またはインパルス励起を伴うステップまたはインパルス応答である。インパルス励起は、膜の振動偏向を開始する。反射超音波は、励起の時点から膜の振動の減衰周期を通して測定されることができる。いくつかの実施形態では、位置、弾性、または粘度の推定が、リングダウン特性の検証によって実施されてもよい。例えば、リングダウン特性は、以下等の応答のリングダウン特性への分解等の指数関数的減衰時間またはリングサイクル間隔または周波数のうちの少なくとも1つを備え得る。
【化1】
式中、
【化2】
は、一連の測定に関する捕捉された位相であり、
τは、指数関数的消滅係数であり、
fは、リングサイクル周波数であり、
tは、時間である。
【0152】
振動子の減衰定数は、膜から周辺環境に失われるエネルギーに関連し得る。ある実施例では、膜が、流体に隣接している場合、流体は、膜の振動を減衰させ得る。流体の粘度は、振動子の減衰に関連し得る。リングサイクル周波数は、弾性膜の復元定数に関連し得る。復元定数は、膜の弾性に関連し得る。復元定数は、膜に隣接する流体の粘度に関連し得る。リングサイクル周波数は、膜に隣接する流体の粘度が低いほど、高くなり得る。
【0153】
各励起事象は、膜の新しい偏向を開始し得る。例えば、インパルス励起は、限定された時間周期にわたって膜を引き入れる、または膜を押し出し得る。例えば、方形波励起は、より長い時間にわたって膜を引き入れる、または膜を押し出し得る。例えば、正弦波または他のより複雑な励起が、印加され得、トランスデューサにおいて観察されるリングダウンは、励起場と応答場との交差相関であり得る。空気圧励起は、100kHzを下回る、1kHzを下回る、100Hzを下回る、10Hzを下回る、1Hzを下回る、またはそれを下回る、または任意の2つの先述の値によって与えられる範囲内の周波数において印加されてもよい。空気圧励起は、1Hzを上回る、10Hzを上回る、100Hzを上回る、1kHzを上回る、100kHzを上回る、またはそれを上回る、または任意の2つの先述の値によって与えられる範囲内の周波数において印加されてもよい。空気圧励起は、10Hz~100Hzの範囲内で印加されてもよい。
【0154】
ある実施例では、本明細書に開示されるような反応測定システムは、米国特許第7,771,356号および米国特許公開第2019/0365292号、第2018/0310917号、および第2017/0014053号(それぞれ、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示される方法およびシステムのある実施形態、変形例、または実施例を備えてもよい。組み込まれる参考文献に開示されるような超音波エコー信号を使用して鼓膜の運動に関する情報を取得するための方法およびシステムが、鼓膜の動的性質に関連する1つ以上のパラメータを発生させるために使用されてもよい。超音波エコー信号を測定するためのシステムは、系統的圧力パルスを印加し、次いで、超音波からドップラ偏移信号を抽出することによって、鼓膜の運動を誘発し、TMの変位を分析する、および/または耳滲出液の粘度をカテゴリ化し得る。
【0155】
ある実施例では、本明細書に開示されるような反応測定システムは、本発明の譲受人に譲渡された米国特許公開第2019/0200873号および米国特許公開第2017/0360302号(それぞれ、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示される方法およびシステムのある実施形態、変形例、または実施例を備えてもよい。米国特許公開第2019/0200873号および米国特許公開第2017/0360302号に開示されるような光コヒーレンス断層撮影(OCT)を使用して膜を特性評価するための方法およびシステムが、鼓膜の動的性質に関連する1つ以上のパラメータを発生させるために使用されてもよい。例えば、鼓膜の動的性質は、印加された空気圧励起に応答する反射光学信号の位相遅延または時間遅延を備えてもよい。OCTは、鼓膜に関連する深度依存性データを収集するために使用されてもよい。OCTは、膜または膜に隣接する流体の吸収の波長等の周波数依存性データを収集するために使用されてもよい。
【0156】
図14は、いくつかの実施形態による、モデル耳を使用した耳鏡の試験の例示的方法1400のフローチャートである。方法1400は、人工鼓膜を提供するステップを含んでもよい。人工鼓膜は、動作1410に従って、生物学的鼓膜の超音波反射率を模倣する、超音波反射率を有してもよい。方法1400は、動作1420に従って、人工鼓膜の内部表面に近接する流体の体積またはタイプを調節するステップを含んでもよい。方法1400は、動作1430に従って、人工鼓膜の内部表面に近接するガスの圧力を調節するステップを含んでもよい。
【0157】
ある場合には、流体の体積、流体のタイプ、またはガスの圧力のうちの1つ以上のものを調節するステップは、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣してもよい。ある場合には、流体のタイプを調節するステップは、流体の粘度を変動させるステップを含む。ある場合には、耳の疾患状態は、細菌性またはウイルス性耳感染症である。
【0158】
ある場合には、方法1400はさらに、耳鏡を整合させ、人工鼓膜表面からの光学反射に基づいて、人工鼓膜を位置特定するステップを含む。ある場合には、光学反射は、人工鼓膜の前下象限上に呈される。ある場合には、人工鼓膜は、1つ以上の視覚的キューを有し、視覚的キューは、少なくとも部分的に、鼓膜臍または槌骨の形状を呈するステップを含む。
【0159】
ある場合には、方法1400はさらに、順序値のセットに従って、または連続的尺度に従って、人工鼓膜の移動を調節するステップを含む。
【0160】
ある場合には、方法1400はさらに、音響耳鏡の検鏡を人工鼓膜に向かって指向するステップを含み、人工鼓膜は、膨張可能または陥凹可能のうちの少なくとも1つであって、印加される空気圧変化に応答して移動するように構成される。ある場合には、流体の体積、流体のタイプ、またはガス圧のうちの1つ以上のものを調節するステップは、膜移動のレートを変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。
【0161】
ある場合には、方法1400はさらに、ヒト小児科対象またはヒト成人対象の近似幾何学形状を有する、人工外耳道を提供するステップを含む。ある場合には、方法1400はさらに、人工鼓膜に結合される、擬似耳小骨連鎖内の張力を調節するステップを含む。ある場合には、人工鼓膜の形状および硬度は、耳小骨連鎖の存在を模倣するように構成される。
【0162】
ある場合には、方法1400はさらに、流体注入器を使用して、流体を内部表面に近接して注入するステップを含む。ある場合には、内部表面に近接するガスの圧力を調節するステップは、内部空気弁を開閉するステップと、内部空気ポンプをアクティブ化するステップとを含む。ある場合には、方法1400はさらに、内圧ゲージを使用して、内部表面に近接するガスの圧力を測定するステップを含む。ある場合には、方法1400はさらに、外圧ゲージを使用して、人工鼓膜の外部表面に近接するガスの圧力を測定するステップを含む。ある場合には、方法1400はさらに、外部空気ポンプを使用して、人工鼓膜の外部表面に近接するガスの圧力を調節するステップを含む。
【0163】
ある場合には、方法1400はさらに、プロセッサを使用して、流体注入器、内部空気弁、内部空気ポンプ、内圧ゲージ、外圧ゲージ、外部空気ポンプ、またはユーザに可視のディスプレイのうちの1つ以上のものの動作を制御するステップを含む。ある場合には、方法1400はさらに、プロセッサにおいて、圧力データを内圧ゲージまたは外圧ゲージのうちの1つ以上のものから受信するステップを含む。ある場合には、方法1400はさらに、圧力データを使用して、内部表面に近接する流体の体積と、内部表面に近接するガスの圧力と、外部表面に近接するガスの圧力とのうちの1つ以上のものを調節するステップを含む。
【0164】
上記の動作は、いくつかの実施形態による、耳をモデル化する方法1400を示すが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づく多くの変形例を認識するであろう。ステップは、任意の順序で完了されてもよい。ステップは、追加または削除されてもよい。ステップのうちのいくつかは、サブステップを含んでもよい。ステップのうちの多くは、製造方法に有益であれば何度も繰り返されてもよい。
【0165】
図15は、いくつかの実施形態による、モデル耳を使用した耳鏡の試験の別の例示的方法1500のフローチャートである。方法1500は、動作1510に従って、人工鼓膜を提供するステップを含んでもよい。方法1500は、動作1520に従って、人工鼓膜の内部表面に近接する流体の体積またはタイプを調節するステップを含んでもよい。方法1500は、動作1530に従って、人工鼓膜の内部表面に近接するガスの圧力を調節するステップを含んでもよい。方法1500は、動作1540に従って、膜移動を変化させ、移動度尺度に従って、選択された移動性質を生成することによって、流体の体積またはタイプを調節し、かつガスの圧力を調節してもよい。
【0166】
ある場合には、流体の体積、流体のタイプ、またはガスの圧力のうちの1つ以上のものを調節するステップは、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。ある場合には、耳の疾患状態は、細菌性またはウイルス性耳感染症である。ある場合には、流体のタイプの調節は、流体の粘度を変動させるステップを含む。
【0167】
ある場合には、方法1500はさらに、耳鏡を整合させ、人工鼓膜表面からの光学反射に基づいて、人工鼓膜を位置特定するステップを含む。ある場合には、光学反射は、人工鼓膜の前下象限上に呈される。ある場合には、人工鼓膜は、1つ以上の視覚的キューを有し、視覚的キューは、少なくとも部分的に、鼓膜臍または槌骨の形状を呈するステップを含む。
【0168】
ある場合には、移動度尺度は、順序値のセットまたは連続的尺度を備える。
【0169】
ある場合には、方法1500はさらに、音響耳鏡の検鏡を人工鼓膜に向かって指向するステップを含み、人工鼓膜は、膨張可能または陥凹可能のうちの少なくとも1つであって、印加される空気圧変化に応答して移動するように構成される。
【0170】
ある場合には、流体の体積、流体のタイプ、またはガス圧のうちの1つ以上のものを調節するステップは、膜移動のレートを変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。
【0171】
ある場合には、方法1500はさらに、ヒト小児科対象またはヒト成人対象の近似幾何学形状を有する、人工外耳道を提供するステップを含む。ある場合には、内部部分は、鼓膜に結合される、擬似耳小骨連鎖を備える。ある場合には、方法1500はさらに、人工鼓膜に結合される、擬似耳小骨連鎖内の張力を調節するステップを含む。ある場合には、人工鼓膜の形状および硬度は、耳小骨連鎖の存在を模倣するように構成される。
【0172】
ある場合には、方法1500はさらに、流体注入器を使用して、流体を内部表面に近接して注入するステップを含む。ある場合には、方法1500はさらに、内部表面に近接するガスの圧力を調節するステップと、内部空気弁を開閉するステップと、内部空気ポンプをアクティブ化するステップとを含む。ある場合には、方法1500はさらに、内圧ゲージを使用して、内部表面に近接するガスの圧力を測定するステップを含む。ある場合には、方法1500はさらに、外圧ゲージを使用して、人工鼓膜の外部表面に近接するガスの圧力を測定するステップを含む。ある場合には、方法1500はさらに、外部空気ポンプを使用して、人工鼓膜の外部表面に近接するガスの圧力を調節するステップを含む。
【0173】
ある場合には、方法1500はさらに、プロセッサを使用して、流体注入器、内部空気弁、内部空気ポンプ、内圧ゲージ、外圧ゲージ、外部空気ポンプ、またはユーザに可視のディスプレイのうちの1つ以上のものの動作を制御するステップを含む。ある場合には、方法1500はさらに、圧力データを内圧ゲージまたは外圧ゲージのうちの1つ以上のものから受信するステップを含む。ある場合には、方法1500はさらに、圧力データを使用して、内部表面に近接する流体の体積と、内部表面に近接するガスの圧力と、外部表面に近接するガスの圧力とのうちの1つ以上のものを調節するステップを含む。
【0174】
上記の動作は、いくつかの実施形態による、耳をモデル化する方法1500を示すが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づく多くの変形例を認識するであろう。ステップは、任意の順序で完了されてもよい。ステップは、追加または削除されてもよい。ステップのうちのいくつかは、サブステップを含んでもよい。ステップのうちの多くは、製造方法に有益であれば何度も繰り返されてもよい。
【0175】
本明細書に開示されるものは、人工鼓膜を含むモデル耳を使用して、耳鏡を試験する方法である。ある場合には、本方法は、人工鼓膜を提供するステップを含んでもよい。ある場合には、本方法は、人工鼓膜の内部表面に近接する流体の体積および/またはタイプを調節するステップを含んでもよい。ある場合には、本方法は、人工鼓膜の内部表面に近接するガスの圧力を調節するステップを含んでもよい。ある場合には、流体の体積、流体のタイプ、またはガスの圧力のうちの2つ以上のものを調節するステップは、膜偏向または膜移動を変化させ、耳の疾患状態を制御可能に模倣する。
【0176】
デジタル処理デバイス
図16は、いくつかの実施形態による、デジタル処理デバイスと、ユーザに可視のディスプレイとを備える、耳の性質をモデル化するための例示的デバイスを図示する、概略図である。
【0177】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるデバイス、システム、およびその使用の方法は、デジタル処理デバイスまたはその使用を含む。例えば、デジタル処理デバイスは、本明細書に開示されるデバイス、方法、およびシステムの種々の側面を制御するために使用されてもよい。例えば、デジタル処理デバイスは、人工鼓膜を含むモデル耳を使用して、耳鏡を試験する方法の1つ以上の動作を実施するために使用されてもよい。デジタル処理デバイスは、コンピューティングシステム、例えば、メモリを備える、コンピューティングシステムを備えてもよく、メモリは、鼓膜を試験する方法の1つ以上のステップを実施するための命令を備える。デジタル処理デバイスは、本明細書に開示されるように、方法1400または方法1500の1つ以上のステップを実施するように構成されてもよい。デジタル処理デバイスは、流体注入器、内部空気弁、内部空気ポンプ、内圧ゲージ、外圧ゲージ、外部空気ポンプ、またはユーザに可視のディスプレイのうちの1つ以上のものの動作を制御するように構成されてもよい。デジタル処理デバイスは、圧力データを内圧ゲージまたは外圧ゲージのうちの1つ以上のものから受信するように構成されてもよい。デジタル処理デバイスは、1つ以上のデータセットを本明細書に開示されるようなシステムまたはデバイスから受信する、および/または読み出してもよい。デジタル処理デバイスは、圧力データを使用して、内部表面に近接する流体の体積と、内部表面に近接するガスの圧力と、外部表面に近接するガスの圧力とのうちの1つ以上のものを調節するように構成されてもよい。デジタル処理デバイスは、1つ以上のデータセットのためのデータベース管理システムを備えてもよい。
【0178】
さらなる実施形態では、デジタル処理デバイスは、本デバイスの機能を実行する、1つ以上のハードウェア中央処理ユニット(CPU)、汎用グラフィックス処理ユニット(GPGPU)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む。なおもさらなる実施形態では、デジタル処理デバイスはさらに、実行可能命令を実施するように構成されるオペレーティングシステムを備える。いくつかの実施形態では、デジタル処理デバイスは、随意に、コンピュータネットワークに接続されてもよい。さらなる実施形態では、デジタル処理デバイスは、随意に、これが、ワールドワイドウェブにアクセスするように、インターネットに接続される。なおもさらなる実施形態では、デジタル処理デバイスは、随意に、クラウドコンピューティングインフラストラクチャに接続される。他の実施形態では、デジタル処理デバイスは、随意に、イントラネットに接続される。他の実施形態では、デジタル処理デバイスは、随意に、データ記憶デバイスに接続される。
【0179】
本明細書における説明によると、好適なデジタル処理デバイスは、非限定的実施例として、サーバコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、サブノートブックコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ネットパッドコンピュータ、セットトップコンピュータ、メディアストリーミングデバイス、ハンドヘルドコンピュータ、インターネットアプライアンス、モバイルスマートフォン、タブレットコンピュータ、携帯情報端末、ビデオゲームコンソール、および車両を含む。当業者は、多くのスマートフォンが、本明細書に説明されるシステムにおける使用のために好適であることを認識するであろう。当業者はまた、随意のコンピュータネットワークコネクティビティを伴う選択的テレビ、ビデオプレーヤ、およびデジタル音楽プレーヤが、本明細書に説明されるシステムにおける使用のために好適であることも認識するであろう。好適なタブレットコンピュータは、当業者に公知である、ブックレット、スレート、およびコンバーチブル構成を伴うものを含む。
【0180】
いくつかの実施形態では、デジタル処理デバイスは、実行可能命令を実施するように構成されるオペレーティングシステムを含む。オペレーティングシステムは、例えば、本デバイスのハードウェアを管理し、アプリケーションの実行のためのサービスを提供する、プログラムおよびデータを含む、ソフトウェアである。
【0181】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、記憶および/またはメモリデバイスを含む。記憶および/またはメモリデバイスは、一時的または恒久的にデータまたはプログラムを記憶するために使用される、1つ以上の物理的装置である。いくつかの実施形態では、本デバイスは、揮発性メモリであり、記憶された情報を維持するために電力を要求する。いくつかの実施形態では、本デバイスは、不揮発性メモリであり、デジタル処理デバイスが給電されていないとき、記憶された情報を保つ。さらなる実施形態では、不揮発性メモリは、フラッシュメモリを備える。いくつかの実施形態では、不揮発性メモリは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を備える。いくつかの実施形態では、不揮発性メモリは、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標))を備える。いくつかの実施形態では、不揮発性メモリは、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM)を備える。他の実施形態では、本デバイスは、非限定的実施例として、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリデバイス、磁気ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、およびクラウドコンピューティングベースの記憶装置を含む、記憶デバイスである。さらなる実施形態では、記憶および/またはメモリデバイスは、本明細書に開示されるもの等のデバイスの組み合わせである。
【0182】
いくつかの実施形態では、デジタル処理デバイスは、視覚情報をユーザに送信するために、ディスプレイを含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、ブラウン管(CRT)である。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)である。さらなる実施形態では、ディスプレイは、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT-LCD)である。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイである。種々のさらなる実施形態では、OLEDディスプレイ上に、パッシブマトリクスOLED(PMOLED)またはアクティブマトリクスOLED(AMOLED)ディスプレイがある。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、プラズマディスプレイである。他の実施形態では、ディスプレイは、ビデオプロジェクタである。なおもさらなる実施形態では、ディスプレイは、本明細書に開示されるもの等のデバイスの組み合わせである。
【0183】
いくつかの実施形態では、デジタル処理デバイスは、ユーザから情報を受信するために、入力デバイスを含む。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、キーボードである。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、非限定的実施例として、マウス、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティック、ゲームコントローラ、またはスタイラスを含む、ポインティングデバイスである。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、タッチスクリーンまたはマルチタッチスクリーンである。他の実施形態では、入力デバイスは、音声または他の音入力を捕捉するためのマイクロホンである。他の実施形態では、入力デバイスは、運動または視覚入力を捕捉するためのビデオカメラまたは他のセンサである。さらなる実施形態では、入力デバイスは、Kinect、Leap Motion、または同等物である。なおもさらなる実施形態では、入力デバイスは、本明細書に開示されるもの等のデバイスの組み合わせである。
【0184】
図16を参照すると、特定の実施形態では、例示的デジタル処理デバイス710は、本明細書に説明されるようなデバイスおよび方法を制御または実装するようにプログラムされる、または別様に構成される。デバイス710は、例えば、処理ステップを実施すること等、本開示の耳をモデル化するためのデバイスおよび方法の種々の側面を調整してもよい。本実施形態では、デジタル処理デバイス710は、単一コアまたはマルチコアプロセッサまたは並列処理のための複数のプロセッサであり得る、中央処理ユニット(CPU、また、本明細書では、「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」)1605を含む。デジタル処理デバイス710はまた、メモリまたはメモリ場所1610(例えば、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、フラッシュメモリ)と、電子記憶ユニット1615(例えば、ハードディスク)と、1つ以上の他のシステムと通信するための通信インターフェース1620(例えば、ネットワークアダプタ)と、キャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置、および/または電子ディスプレイアダプタ等の周辺デバイス1625とを含む。メモリ1610、記憶ユニット1615、インターフェース1620、および周辺デバイス1625は、マザーボード等の通信バス(実線)を通してCPU1605と通信する。記憶ユニット1615は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(またはデータリポジトリ)であってもよい。デジタル処理デバイス710は、通信インターフェース1620を用いてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)1630に動作的に結合されることができる。ネットワーク1630は、インターネット、イントラネットおよび/またはエクストラネット、またはインターネットと通信するイントラネットおよび/またはエクストラネットであり得る。ある場合におけるネットワーク1630は、電気通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク1630は、クラウドコンピューティング等の分散コンピューティングを可能にし得る、1つ以上のコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク1630は、ある場合には、デバイス710を用いて、デバイス710に結合されるデバイスがクライアントまたはサーバとして挙動することを可能にし得る、ピアツーピアネットワークを実装することができる。
【0185】
継続して図16を参照すると、CPU1605は、プログラムまたはソフトウェアにおいて具現化され得る、機械可読命令のシーケンスを実行することができる。命令は、メモリ1610等のメモリ場所内に記憶されてもよい。命令は、CPU1605にダイレクトされることができ、これは、続けて、本開示の方法を実装するようにCPU1605をプログラムまたは別様に構成することができる。CPU1605によって実施される動作の実施例は、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを含むことができる。CPU1605は、集積回路等の回路の一部であり得る。デバイス710の1つ以上の他の構成要素が、回路内に含まれることができる。ある場合には、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)である。
【0186】
継続して図16を参照すると、記憶ユニット1615は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラム等のファイルを記憶することができる。記憶ユニット1615は、ユーザデータ、例えば、ユーザ選好およびユーザプログラムを記憶することができる。ある場合におけるデジタル処理デバイス710は、イントラネットまたはインターネットを通して通信する遠隔サーバ上に位置する等、外部にある1つ以上の付加的データ記憶ユニットを含むことができる。デジタル処理デバイス710は、ネットワーク1630を通して1つ以上の遠隔コンピュータシステムと通信することができる。例えば、デバイス710は、ユーザの遠隔コンピュータシステムと通信することができる。
【0187】
遠隔コンピュータシステムの実施例は、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートまたはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標) iPad(登録商標)、Samsung(登録商標) Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標) iPhone(登録商標)、Android(登録商標)対応デバイス、Blackberry(登録商標))、または携帯情報端末を含む。
【0188】
本明細書に説明されるような方法は、例えば、メモリ1610または電子記憶ユニット1615上等のデジタル処理デバイス710の電子記憶場所上に記憶される、機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードを用いて実装されることができる。機械実行可能または機械可読コードは、ソフトウェアの形態において提供されることができる。使用の間、コードは、プロセッサ1605によって実行されることができる。ある場合には、コードは、記憶ユニット1615から読み出され、プロセッサ1605による迅速なアクセスのためにメモリ1610上に記憶されることができる。いくつかの状況では、電子記憶ユニット1615は、除外されることができ、機械実行可能命令が、メモリ1610上に記憶される。
【0189】
デジタル処理デバイス710は、ユーザインターフェース(UI)1640を備える、電子ディスプレイ690を含む、またはそれと通信することができる。UIの実施例は、限定ではないが、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースを含む。ある場合には、電子ディスプレイ690は、ネットワークを介して、例えば、ネットワーク1630を介して、コンピュータシステム710に接続されてもよい。
【0190】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるプラットフォーム、システム、媒体、および方法は、随意にネットワーク化されるデジタル処理デバイスのオペレーティングシステムによって実行可能な命令を含むプログラムを用いてエンコードされる、1つ以上の非一過性コンピュータ可読記憶媒体を含む。さらなる実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、デジタル処理デバイスの有形構成要素である。なおもさらなる実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、随意に、デジタル処理デバイスからリムーバブルである。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、非限定的実施例として、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリデバイス、ソリッドステートメモリ、磁気ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、クラウドコンピューティングシステムおよびサービス、および同等物を含む。ある場合には、プログラムおよび命令は、恒久的に、実質的に恒久的に、半恒久的に、または非一時的に媒体上でエンコードされる。
【0191】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるプラットフォーム、システム、媒体、および方法は、少なくとも1つのコンピュータプログラムまたはそれの使用を含む。コンピュータプログラムは、規定されたタスクを実施するように書き込まれる、デジタル処理デバイスのCPUにおいて実行可能な命令のシーケンスを含む。コンピュータ可読命令は、特定のタスクを実施する、または特定の抽象データタイプを実装する、機能、オブジェクト、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)、データ構造、および同等物等のプログラムモジュールとして実装されてもよい。本明細書に提供される開示に照らして、当業者は、コンピュータプログラムが、種々の言語の種々のバージョンで書き込まれ得ることを認識するであろう。
【0192】
コンピュータ可読命令の機能性は、種々の環境において所望に応じて、組み合わせられる、または分散されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、命令の1つのシーケンスを備える。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、命令の複数のシーケンスを備える。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、1つの場所から提供される。他の実施形態では、コンピュータプログラムは、複数の場所から提供される。種々の実施形態では、コンピュータプログラムは、1つ以上のソフトウェアモジュールを含む。種々の実施形態では、コンピュータプログラムは、部分的または全体的に、1つ以上のウェブアプリケーション、1つ以上のモバイルアプリケーション、1つ以上のスタンドアロンアプリケーション、1つ以上のウェブブラウザプラグイン、拡張、アドイン、またはアドオン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるプラットフォーム、システム、媒体、および方法は、ソフトウェア、サーバ、および/またはデータベースモジュール、またはそれの使用を含む。本明細書に提供される開示を考慮して、ソフトウェアモジュールは、当技術分野で公知の機械、ソフトウェア、および言語を使用して、当業者に公知の技法によって作成される。本明細書に開示されるソフトウェアモジュールは、多数の方法で実装される。種々の実施形態では、ソフトウェアモジュールは、ファイル、コードの区分、プログラミングオブジェクト、プログラミング構造、またはそれらの組み合わせを備える。さらなる種々の実施形態では、ソフトウェアモジュールは、複数のファイル、複数のコードの区分、複数のプログラミングオブジェクト、複数のプログラミング構造、またはそれらの組み合わせを備える。種々の実施形態では、1つ以上のソフトウェアモジュールは、非限定的実施例として、ウェブアプリケーション、モバイルアプリケーション、およびスタンドアロンアプリケーションを備える。いくつかの実施形態では、ソフトウェアモジュールは、1つのコンピュータプログラムまたはアプリケーション内にある。他の実施形態では、ソフトウェアモジュールは、1つを上回るコンピュータプログラムまたはアプリケーション内にある。いくつかの実施形態では、ソフトウェアモジュールは、1つの機械上でホストされる。他の実施形態では、ソフトウェアモジュールは、1つを上回る機械上でホストされる。さらなる実施形態では、ソフトウェアモジュールは、クラウドコンピューティングプラットフォーム上でホストされる。いくつかの実施形態では、ソフトウェアモジュールは、1つの場所における1つ以上の機械上でホストされる。他の実施形態では、ソフトウェアモジュールは、1つを上回る場所における1つ以上の機械上でホストされる。
【0194】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるプラットフォーム、システム、媒体、および方法は、1つ以上のデータベースまたはそれの使用を含む。本明細書に提供される開示を考慮して、当業者は、多くのデータベースが、反応測定システムからのデータセットの記憶および読出、分類されたデータセットの記憶、1つ以上のデータセットからのパラメータの決定、分類されたデータセットと関連付けられるパラメータの記憶等のために好適であることを認識するであろう。種々の実施形態では、好適なデータベースは、非限定的実施例として、関係データベース、非関係データベース、オブジェクト指向データベース、オブジェクトデータベース、エンティティ関係モデルデータベース、連想データベース、およびXMLデータベースを含む。さらなる非限定的実施例は、SQL、PostgreSQL、MySQL、Oracle、DB2、およびSybaseを含む。いくつかの実施形態では、データベースは、インターネットベースである。さらなる実施形態では、データベースは、ウェブベースである。なおもさらなる実施形態では、データベースは、クラウドコンピューティングベースである。他の実施形態では、データベースは、1つ以上のローカルコンピュータ記憶デバイスに基づく。
【実施例
【0195】
図13は、誘発空気圧に応答して行われるドップラ超音波測定を使用して採取された例示的実験データを図示する。データは、種々のクラスの滲出液が振動周波数および振幅に基づいて識別され得ることを示す。左上角内のデータ点は、膜の背後の空気を伴う(例えば、滲出液なし)サンプルからのものであって、高振動周波数と、高振幅とを示す。左下角内のデータ点は、高度に粘性の滲出液を伴うサンプルからのものであって、高周波数と、非常に低振幅とを示す。右上角内のデータ点は、中程度およびそれ未満の粘性の流体を伴うサンプルからのものであって、高振幅と、低周波数振動とを示す。
【0196】
以下のデータ表は、移動度尺度に従って選択された移動性質を生成するための本開示のデバイスの調節を示す、例示的実験データを示す。我々は、ショア硬度20A~ショア硬度70Aで変動した、異なる硬度の人工鼓膜を使用した。我々は、臨床医が、含気耳鏡のための手動送気バルブを装備した標準的耳鏡を用いて、人工鼓膜を視診するように設定した。我々の臨床医は、含気耳鏡をその診療において定期的に使用している、小児科医であった。耳ファントムはまた、送気作用が、漏出に起因して、若干減少されるであろうように、環境に開放された状態(すなわち、開放シール)、または外部外耳道が環境に対して閉鎖された状態(「閉鎖されたシール」)のいずれかで外部外耳道を有するように設定された。ニードル弁が、システムの減衰を調節するために使用された。外部外耳道への入口は、2mm直径の孔を伴う入口開口にわたってエラストマ被覆を有していた。これは、検鏡の外面が、外部外耳道と適正なシールを作製することを可能にする。
【0197】
送気に応答した鼓膜移動度のための尺度は、インビボ鼓膜の臨床医の予期される移動に基づく観察とし、「3」は、正常であり、「2」は、若干過移動度であり、「1」は、過移動度であり、「4」は、若干過堅性であり、「5」は、過堅性である。データから、我々は、正常に最も近い平均が70Aであったことを決定した。我々はまた、開放条件が、鼓膜移動度において過度の不確実性を導入し、過度の漏出状態を表することを決定した。我々は、パターン認識誘発観察バイアスを低減させるために、無作為な順序で鼓膜硬度を提示した。
【0198】
我々は、約ショア70A値に及ぶ、人工鼓膜を用いて、同一方法を繰り返した。本セットに関して、我々は、「開放」位置を外部外耳道シール上で使用しなかった。我々は、正常の平均測定値に近い値が、ショア70Aおよび80A人工鼓膜であったことを見出した。
【表1】
【表2】
【0199】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、説明されたが、そのような実施形態が、実施例としてのみ提供されることが、当業者に明白となるであろう。多数の変形例、変更、および代用が、ここで、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、本発明の発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。以下の請求項は、本発明の範囲を定義し、これらの請求項の範囲内の方法および構造およびそれらの均等物が、それによって網羅されることを意図している。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13
図14
図15
図16