(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】アプリケーション内メッセージングを提供するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G10L 19/018 20130101AFI20241031BHJP
【FI】
G10L19/018
(21)【出願番号】P 2021568794
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(86)【国際出願番号】 US2020033649
(87)【国際公開番号】W WO2020242840
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-04-28
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】リングアンティ ニコラス アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ハンフリーズ キンバリー アン
(72)【発明者】
【氏名】カム ウンベルト アウグスト
【審査官】大野 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-180893(JP,A)
【文献】特開2007-174108(JP,A)
【文献】特開2005-150849(JP,A)
【文献】特表2019-502506(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0225717(US,A1)
【文献】鵜木祐史,"聴覚特性に基づいた音響情報ハンディング技術",電子情報通信学会技術研究報告 マルチメディア情報ハンディング・エンリッチメント,Vol.118 No.313, 発行日2018年11月14日,pp.153-156
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L 19/00-19/26
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーション内メッセージングシステムであって、
遊園地のアトラクションの映画的提示のために生成されたオーディオ信号内に少なくとも1つのオーディオ透かしを符号化して前記オーディオ信号を物理的環境内に放送するように構成されたオーディオ生成システムと、
前記遊園地の前記物理的環境から前記オーディオ信号を受け取り、前記オーディオ信号内に符号化された前記少なくとも1つのオーディオ透かしを識別し、前記アトラクションの前記映画的提示中に
、ポータブル電子装置上で動作するアプリケーションを介して、前記アトラクションの前記映画的提示に関連するアプリケーション内メッセージング情報を表示するように構成されたポータブル電子装置と、
を備え、前記アプリケーション内メッセージング情報は、前記少なくとも1つのオーディオ透かしに少なくとも部分的に基づき、前記アプリケーション内メッセージング情報は、前記アトラクションの前記映画的提示を補完し、
前記ポータブル電子装置は、
前記アトラクションの前記映画的提示に関連する
前記アプリケーション内メッセージング情報を前記オーディオ生成システムから無線で
受信するように構成される、
ことを特徴とするアプリケーション内メッセージングシステム。
【請求項2】
前記ポータブル電子装置は、前記少なくとも1つのオーディオ透かしに少なくとも部分的に基づいて、前記アトラクションの前記映画的提示に関連する前記アプリケーション内メッセージング情報を決定するように構成される、
請求項1に記載のアプリケーション内メッセージングシステム。
【請求項3】
前記ポータブル電子装置は、前記アトラクションの前記映画的提示に関連する前記アプリケーション内メッセージング情報に前記ポータブル電子装置のコンピュータ可読記憶媒体からアクセスするように構成される、
請求項2に記載のアプリケーション内メッセージングシステム。
【請求項4】
前記ポータブル電子装置は、
前記オーディオ生成システムにおいて前記アプリケーション内メッセージング情報を決定するために、前記少なくとも1つのオーディオ透かしを示す信号を前記オーディオ生成システムに送信するように構成され、前記オーディオ生成システムは、前記ポータブル電子装置から受け取られた前記信号に少なくとも部分的に基づいて、前記アトラクションの前記映画的提示に関連する前記アプリケーション内メッセージング情報を決定し、前記アトラクションの前記映画的提示に関連する前記アプリケーション内メッセージング情報を前記ポータブル電子装置に送信するように構成される、
請求項1に記載のアプリケーション内メッセージングシステム。
【請求項5】
前記オーディオ生成システムは、前記アトラクションの前記映画的提示に関連する前記アプリケーション内メッセージング情報の決定に応答して、前記アプリケーションを開始する制御信号を前記ポータブル電子装置に送信するように構成される、
請求項
4に記載のアプリケーション内メッセージングシステム。
【請求項6】
前記アトラクションの前記映画的提示のために生成されたビデオ信号内に少なくとも1つのビデオ透かしを符号化して前記ビデオ信号を前記遊園地の前記物理的環境内に放送するように構成されたビデオ生成システムを備え、前記ポータブル電子装置は、前記遊園地の前記物理的環境から前記ビデオ信号を受け取り、前記ビデオ信号内に符号化された前記少なくとも1つのビデオ透かしを識別するように構成され、前記アプリケーション内メッセージング情報は、前記少なくとも1つのビデオ透かしに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載のアプリケーション内メッセージングシステム。
【請求項7】
前記ポータブル電子装置は、スペクトル拡散型オーディオ透かしアルゴリズム、低ビットオーディオ透かしアルゴリズム、位相符号化オーディオ透かしアルゴリズム、エコーハイディングオーディオ透かしアルゴリズム、時間スケール修正オーディオ透かしアルゴリズム、振幅修正オーディオ透かしアルゴリズム、レプリカ変調オーディオ透かしアルゴリズム、ディザーオーディオ透かしアルゴリズム、自己マーキングオーディオ透かしアルゴリズム、又はこれらの何らかの組み合わせを使用して前記少なくとも1つのオーディオ透かしを識別するように構成される、
請求項1に記載のアプリケーション内メッセージングシステム。
【請求項8】
前記アトラクションの前記映画的提示に関連する前記アプリケーション内メッセージング情報は、クローズドキャプション情報、オープンキャプション情報、ライブキャプション情報、多言語翻訳情報、ガイド付きツアー情報、隠された秘密情報、又はこれらの何らかの組み合わせを含む、
請求項1に記載のアプリケーション内メッセージングシステム。
【請求項9】
ポータブル電子装置であって、
遊園地の物理的環境内に前記遊園地のアトラクションの映画的提示の一部として放送されたオーディオ信号を検出するように構成された1又は2以上のオーディオセンサと、
前記オーディオ信号内に符号化された少なくとも1つのオーディオ透かしを識別し、前記アトラクションの前記映画的提示中に、前記少なくとも1つのオーディオ透かしに少なくとも部分的に基づいて、前記アトラクションの前記映画的提示に関連するアプリケーション内メッセージング情報を前記ポータブル電子装置のディスプレイに表示させるように構成された処理回路と、
を備え、前記アプリケーション内メッセージング情報は、前記アトラクションの前記映画的提示を補完
し、
前記処理回路は、
前記アトラクションの前記映画的提示に関連する
前記アプリケーション内メッセージング情報を無線で受信するように構成される、
ことを特徴とするポータブル電子装置。
【請求項10】
前記処理回路は、前記少なくとも1つのオーディオ透かしに少なくとも部分的に基づいて、前記アトラクションの前記映画的提示に関連する前記アプリケーション内メッセージング情報を決定するように構成される、
請求項
9に記載のポータブル電子装置。
【請求項11】
前記処理回路は、前記アトラクションの前記映画的提示に関連する前記アプリケーション内メッセージング情報に前記ポータブル電子装置のコンピュータ可読記憶媒体からアクセスするように構成される、
請求項
10に記載のポータブル電子装置。
【請求項12】
前記処理回路は、前記少なくとも1つのオーディオ透かしの識別に応答してアプリケーションを開始するように構成される、
請求項
10に記載のポータブル電子装置。
【請求項13】
前記1又は2以上のオーディオセンサは、前記オーディオ信号を受動的にリスンすることによって前記オーディオ信号を検出するように構成される、
請求項
10に記載のポータブル電子装置。
【請求項14】
前記1又は2以上のオーディオセンサは、前記ポータブル電子装置の入力装置を介して受け取られたユーザ入力に少なくとも部分的に基づいて前記オーディオ信号を能動的に要求することによって前記オーディオ信号を検出するように構成される、
請求項
10に記載のポータブル電子装置。
【請求項15】
ビデオを取り込むように構成された少なくとも1つのカメラを備え、前記処理回路は、前記ポータブル電子装置の前記ディスプレイに、前記アトラクションの前記映画的提示に関連する前記アプリケーション内メッセージング情報と共に前記ビデオを表示させるように構成される、
請求項
10に記載のポータブル電子装置。
【請求項16】
前記遊園地の前記物理的環境内に前記遊園地の前記アトラクションの前記映画的提示の一部として放送されたビデオ信号を受け取るように構成された少なくとも1つのカメラを備え、前記処理回路は、前記ビデオ信号内に符号化された少なくとも1つのビデオ透かしを識別し、該ビデオ透かしに少なくとも部分的に基づいて、前記ポータブル電子装置の前記ディスプレイに、前記アトラクションの前記映画的提示に関連する前記アプリケーション内メッセージング情報を表示させるように構成される、
請求項
10に記載のポータブル電子装置。
【請求項17】
前記処理回路は、スペクトル拡散型オーディオ透かしアルゴリズム、低ビットオーディオ透かしアルゴリズム、位相符号化オーディオ透かしアルゴリズム、エコーハイディングオーディオ透かしアルゴリズム、時間スケール修正オーディオ透かしアルゴリズム、振幅修正オーディオ透かしアルゴリズム、レプリカ変調オーディオ透かしアルゴリズム、ディザーオーディオ透かしアルゴリズム、自己マーキングオーディオ透かしアルゴリズム、又はこれらの何らかの組み合わせを使用して前記少なくとも1つのオーディオ透かしを識別するように構成される、
請求項
10に記載のポータブル電子装置。
【請求項18】
前記アトラクションの前記映画的提示に関連する前記アプリケーション内メッセージング情報は、クローズドキャプション情報、オープンキャプション情報、ライブキャプション情報、多言語翻訳情報、ガイド付きツアー情報、隠された秘密情報、秘密情報、又はこれらの何らかの組み合わせを含む、
請求項
10に記載のポータブル電子装置。
【請求項19】
アプリケーション内メッセージングシステムであって、
オーディオ信号内に少なくとも1つのオーディオ透かしを符号化するように構成されたオーディオ生成システムと、
前記オーディオ信号を受信し、遊園地のアトラクションの映画的提示の最中に前記遊園地の物理的環境内に前記アトラクションの前記映画的提示の一部として前記オーディオ信号を放送するように構成された1又は2以上のオーディオシステムと、
を備え、前記オーディオ信号は、前記アトラクションの前記映画的提示を補完
し、
前記オーディオ生成システムは、
前記オーディオ信号内に符号化された少なくとも1つのオーディオ透かしを示す信号をポータブル電子装置から受け取り、
前記ポータブル電子装置から受け取られた前記信号に少なくとも部分的に基づいて、前記アトラクションの前記映画的提示に関連するアプリケーション内メッセージング情報を決定し、
前記アトラクションの前記映画的提示に関連する前記アプリケーション内メッセージング情報を前記ポータブル電子装置に送信する、
ように構成される、
ことを特徴とするアプリケーション内メッセージングシステム。
【請求項20】
前記オーディオ生成システムは、前記ポータブル電子装置上で動作するアプリケーションを介して前記アプリケーション内メッセージング情報を表示する制御信号を前記ポータブル電子装置に送信するように構成される、
請求項
19に記載のアプリケーション内メッセージングシステム。
【請求項21】
前記オーディオ生成システムは、前記アトラクションの前記映画的提示に関連する前記アプリケーション内メッセージング情報の決定に応答して、前記アプリケーションを開始する制御信号を前記ポータブル電子装置に送信するように構成される、
請求項
20に記載のアプリケーション内メッセージングシステム。
【請求項22】
前記アトラクションの前記映画的提示に関連する前記アプリケーション内メッセージング情報は、クローズドキャプション情報、オープンキャプション情報、ライブキャプション情報、多言語翻訳情報、ガイド付きツアー情報、隠された秘密情報、又はこれらの何らかの組み合わせを含む、
請求項
19に記載のアプリケーション内メッセージングシステム。
【請求項23】
前記オーディオ生成システムは、スペクトル拡散型オーディオ透かしアルゴリズム、低ビットオーディオ透かしアルゴリズム、位相符号化オーディオ透かしアルゴリズム、エコーハイディングオーディオ透かしアルゴリズム、時間スケール修正オーディオ透かしアルゴリズム、振幅修正オーディオ透かしアルゴリズム、レプリカ変調オーディオ透かしアルゴリズム、ディザーオーディオ透かしアルゴリズム、自己マーキングオーディオ透かしアルゴリズム、又はこれらの何らかの組み合わせを使用して前記オーディオ信号内に前記少なくとも1つのオーディオ透かしを符号化するように構成される、
請求項
19に記載のアプリケーション内メッセージングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2019年5月24日に出願された「アプリケーション内メッセージングを提供するためのシステム及び方法(Systems and Methods for Providing In-Application Messaging)」という名称の米国仮特許出願第62/852,660号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、この文献はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般にアプリケーション内メッセージングを提供するシステム及び方法に関する。具体的には、一般に本開示の実施形態は、特定のアトラクションに関して提供されるオーディオ内に符号化されたオーディオ透かしを介して生成される、遊園地のアトラクションに関連するアプリケーション内メッセージングを遊園地のゲストが見ることを可能にするシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
遊園地は、遊園地のゲスト(例えば、家族及び/又は全ての年齢の人々)に楽しみを提供する上で有用な様々な娯楽アトラクション、レストラン、土産物店及び乗り物を含むことができる。これらのアトラクションは、娯楽値に寄与するオーディオ及び/又はビデオ提示を伴うことができる。しかしながら、遊園地のゲストは、アトラクションに関連する追加情報を望むことがある。また、ゲストの中には他のゲストのように上手く聞き取れないゲストも存在し、従ってアトラクションに関連する追加情報の提供が評価を得られると思われる。
【0004】
本節は、以下で説明及び/又は特許請求する本技術の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、特許請求する主題の範囲を限定するものではなく、むしろ本主題の可能な形態の概要を示すものにすぎない。実際には、本主題は、以下に示す実施形態と類似し得る又は異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、アプリケーション内メッセージングシステムが、オーディオ信号内に少なくとも1つのオーディオ透かしを符号化してオーディオ信号を物理的環境内に放送するように構成されたオーディオ生成システムを含む。アプリケーション内メッセージングシステムは、物理的環境からオーディオ信号を受け取り、オーディオ信号内に符号化された少なくとも1つのオーディオ透かしを識別し、ポータブル電子装置上で動作するアプリケーションを介してアプリケーション内メッセージング情報を表示するように構成されたポータブル電子装置も含む。アプリケーション内メッセージング情報は、少なくとも1つのオーディオ透かしに少なくとも部分的に基づく。
【0007】
また、いくつかの実施形態では、ポータブル電子装置が、物理的環境内に放送されたオーディオ信号を検出するように構成されたオーディオセンサを含む。ポータブル電子装置は、オーディオ信号内に符号化された少なくとも1つのオーディオ透かしを識別し、少なくとも1つのオーディオ透かしに少なくとも部分的に基づいてポータブル電子装置のディスプレイにアプリケーション内メッセージング情報を表示させるように構成された処理回路も含む。
【0008】
また、いくつかの実施形態では、アプリケーション内メッセージングシステムが、オーディオ信号内に少なくとも1つのオーディオ透かしを符号化するように構成されたオーディオ生成システムを含む。アプリケーション内メッセージングシステムは、物理的環境内にオーディオ信号を放送するように構成された1又は2以上のオーディオシステムも含む。
【0009】
本開示の様々な態様に関連して、上述した特徴の様々な改善を行うこともできる。また、これらの様々な態様にさらなる特徴を組み込むこともできる。これらの改善及びさらなる特徴は、個別に又はあらゆる組み合わせで存在することができる。
【0010】
全体を通じて同じ要素を同じ記号で示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態による、遊園地のゲストによって使用されるポータブル電子装置を介してアプリケーション内メッセージングを提供するように構成された遊園地の概略表現である。
【
図2】本開示の実施形態による、ポータブル電子装置上で動作するアプリケーションを介してアプリケーション内メッセージングを提供するアプリケーション内メッセージングシステムの概略図である。
【
図3】本開示の実施形態による、アプリケーション内メッセージングシステムのアプリケーションのメインメニュー画面を示すスクリーンショットである。
【
図4】本開示の実施形態による、アプリケーションを実行するポータブル電子装置のオーディオ装置へのアクセスをゲストが確認するためのプロンプトの描写である。
【
図5】本開示の実施形態による、アプリケーションを介してアプリケーション内メッセージングが現れることをゲストに通知するアプリケーション内メッセージングシステムのアプリケーションのスクリーンショットである。
【
図6】本開示の実施形態による、アプリケーションを介してアプリケーション内メッセージングが提示されていることを示すアプリケーション内メッセージングシステムのアプリケーションのスクリーンショットである。
【
図7】本開示の実施形態による、アプリケーションを実行するポータブル電子装置のカメラへのアクセスをゲストが確認するためのプロンプトの描写である。
【
図8】本開示の実施形態による、アプリケーションを介して提示される取り込まれたビデオに関連するアプリケーション内メッセージングを示すアプリケーション内メッセージングシステムのアプリケーションのスクリーンショットである。
【
図9】本開示の実施形態による、ポータブル電子装置のオーディオ装置へのアクセスを有効にする必要があるメッセージがゲストに提示されていることを示すアプリケーション内メッセージングシステムのアプリケーションのスクリーンショットである。
【
図10】本開示の実施形態による、ポータブル電子装置のカメラへのアクセスを有効にする必要がある旨のメッセージがゲストに提示されていることを示すアプリケーション内メッセージングシステムのアプリケーションのスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の1又は2以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実施の特徴を全て説明していない場合もある。あらゆる工学又は設計プロジェクトにおいて見られるようなあらゆるこのような実施の開発においては、実施によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守などの開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実施固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑で時間が掛かる場合もあるが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作及び製造という日常的な取り組みであると理解されたい。さらに、本発明において平行及び垂直などの特定の用語を使用する限り、これらの用語は、厳密な数学的定義からの逸脱を可能にし、例えば製造上の不完全性及び関連する許容誤差に関連する逸脱を認めるものであると理解されたい。
【0013】
本開示の様々な実施形態の要素を紹介する場合、「a」、「an」及び「the」といった冠詞は、これらの要素が1つ又は2つ以上存在することを意味するものとする。「備える(comprising)」、「含む(including)」及び「有する(having)」という用語は、包括的なものとして意図されており、列記する要素以外のさらなる要素が存在し得ることを意味する。また、本開示の「1つの実施形態」又は「ある実施形態」についての言及は、記載する特徴も含むさらなる実施形態の存在を排除するものとして解釈されるように意図するものではないと理解されたい。
【0014】
遊園地アトラクションはますます人気が高まってきており、遊園地のゲストに独自のオーディオビジュアル体験を提供する様々な遊園地アトラクションが創出されている。しかしながら、これらの体験をさらに向上させる補助システム及び方法が望ましい。例えば、本明細書で説明する実施形態は、携帯電話機(例えば、スマートフォン)、タブレットコンピュータ、(例えば、メガネ、ゴーグル及びウォッチなどの)ウェアラブル装置、又は遊園地のゲストが持ち歩くことができる他のいずれかの好適な装置などのポータブル電子装置を介して、様々な遊園地アトラクションに関連する追加情報の伝達を容易にする。具体的には、いくつかの実施形態では、アプリケーション内メッセージングシステムを使用して、遊園地アトラクションに関連するキャプションに関するデータ、遊園地アトラクションに関連する多言語メッセージングに関するデータ、遊園地アトラクションに関連する特別なガイド付きツアーに関するデータ、及び遊園地アトラクションに関連する隠された秘密に関するデータなどを符号化したオーディオ透かしを含むオーディオを遊園地アトラクションの物理的環境内に放送することができる。ポータブル電子装置は、放送されたオーディオを受信し、特定のポータブル電子装置の特定の設定(例えば、アプリケーション内メッセージングが選択されているかどうか)に応じて、特定のポータブル電子装置上で動作するアプリケーションに、オーディオ透かし内に符号化されたデータに関する情報を表示させることができる。
【0015】
さらに、いくつかの実施形態では、(例えば、ポータブル電子装置を使用するゲストが)特定のポータブル電子装置のカメラを作動させているかどうかに応じて、オーディオ透かし内に符号化されたデータに関連する情報を、ポータブル電子装置のカメラによって取り込まれた画像及び/又はビデオと共にポータブル電子装置上に表示することができる。さらに、いくつかの実施形態では、アプリケーション内メッセージングシステムを使用して、遊園地アトラクションに関連する特定の映画的提示(cinematic presentations)内にビデオ透かしを符号化することもできる。ポータブル電子装置のカメラが作動している場合には、このカメラが映画的提示のビデオを取り込むことによってビデオ透かしを検出することができ、特定のポータブル電子装置の特定の設定(例えば、アプリケーション内メッセージングが選択されているかどうか)に応じて、特定のポータブル電子装置上で動作するアプリケーションに、ビデオ透かし内に符号化されたデータに関する情報を表示させることができる。
【0016】
これらを踏まえて、
図1は、遊園地10のゲスト20によって使用されるポータブル電子装置12を介してアプリケーション内メッセージングを提供するように構成された遊園地10の概略表現である。図示のように、いくつかの実施形態では、遊園地10が、遊園地10内に配置された1又は2以上のオーディオシステム16を介して提供されるオーディオ内にオーディオ透かしを符号化するように構成されたアプリケーション内メッセージングシステム14を含み、このオーディオ透かしをポータブル電子装置12が使用することで、遊園地10の様々なアトラクションに関するアプリケーション内メッセージング(例えば、キャプション、多言語メッセージング、特別なガイド付きツアー、及び隠された秘密など)を提供することができる。例えば、遊園地10の特定のアトラクション内に配置されたオーディオシステム16は、特定のアトラクションに関連するオーディオを提供することができ、このオーディオは、特定のアトラクションに明確に関連するオーディオ透かしを含むことができる。
図1に示す実施形態では、アプリケーション内メッセージングシステム14が、遊園地10の至る所に配置されたオーディオシステム16へのオーディオの伝達を容易にするように構成された無線通信システム18を含む。換言すれば、アプリケーション内メッセージングシステム14は、遊園地10の至る所に配置されたオーディオシステム16と無線で通信する集中システムとして実装することができる。しかしながら、他の実施形態では、アプリケーション内メッセージングシステム14を特定のアトラクション24に対して局所的なものとすることもできる。
【0017】
従って、本明細書で説明する実施形態は、遊園地10の至る所に配置されたオーディオシステム16から受け取られるオーディオ内に符号化されたオーディオ透かしを検出することによる、ゲスト20によって持ち運ばれるポータブル電子装置12を介したアプリケーション内メッセージングの提供を容易にする。例えば、ゲスト20が特定のアトラクション24(例えば、乗り物)の乗車待ち行列22で待っている間に、乗車待ち行列22で待っているゲスト20を楽しませるために、ゲスト20が乗車待ち行列22で待っている特定のアトラクション24に関連するアプリケーション内メッセージングをゲスト20に提供することができる。別の例として、特定のアトラクション(例えば、劇場26)において(例えば、1又は2以上のディスプレイシステム28を介して)特定の映画的提示が提示されている最中に、映画的提示に関連する追加情報をゲスト20に提供するために、特定の映画的提示に関連するアプリケーション内メッセージングをゲスト20に提供することができる。実際には、遊園地10のあらゆるタイプのアトラクションに関連するアプリケーション内メッセージングを提供することができる。例えば、アプリ内メッセージングは、ウォータースライド30及びその他のタイプの絶叫マシン、並びにレクレーションエリアなどの内部及び周囲で提供することができる。さらに、アプリ内メッセージングは、レストラン32及び特定のテーマを有するパークエリア34(例えば、パーク「ビレッジ」)などの非乗り物アトラクションにも提供することができる。
【0018】
本明細書でさらに詳細に説明するように、アプリケーション内メッセージングは、ゲスト20が所有するポータブル電子装置12上で動作するアプリケーションを介して提供することができる。いくつかの実施形態では、ゲスト20が入口通路36(例えば、ホテルのフロント、キオスク、ゲストサービスカウンタ、パークゲート)に到着した時に、遊園地マップ、仮想待ち行列使用説明書及びアメニティ使用説明書などの数あるアイテムの中でもとりわけ入場証明書(例えば、チケット、又はアプリケーション内メッセージングを提供するアプリケーションを実行できるアクティブなウェアラブル)をゲスト20に提供することができる。しかしながら、場合によっては、ゲスト20が到着前に入場証明書を取得しており、入口通路36におけるこのような証明書の取得をスキップすることもある。このような状況では、ゲスト20が所有しているポータブル電子装置12上で動作するアプリケーションに入場証明書をリンクさせることができる。入口通路36には、情報媒体(例えば、オーディオ、ビデオ)及び説明標識(instructional signage)が存在することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ゲスト20が自身のポータブル電子装置12にアプリケーションをインストールしていない場合、ゲストが入口通路を通過する際に(又はその直後に)アプリケーションをダウンロードするように促すことができる。本明細書でさらに詳細に説明するように、入口通路36において提示されるオーディオ及びビデオは、ゲスト20のポータブル電子装置12上で動作するアプリケーションを介してアプリケーション内メッセージングで補完することもできる。いくつかの状況では、ゲスト20がポータブル電子装置12を有していない場合、例えば遊園地10の入口通路36内のキオスク38においてゲストにポータブル電子装置12を配布することができる。
【0019】
本明細書でさらに詳細に説明するように、アプリケーション内メッセージングは、それぞれが少なくとも1つのプロセッサ42及び少なくとも1つのメモリ44を含んで遊園地10の至る所に配置されたオーディオシステム16にオーディオ透かしを含むオーディオを伝達できる1又は2以上のコンピュータ40を含むことができるアプリケーション内メッセージングシステム14を介してポータブル電子装置12に提供される。
【0020】
図2は、ゲスト20が所有している又は遊園地10がゲスト20に配布するポータブル電子装置12上で動作するアプリケーションを介してアプリケーション内メッセージングを提供するアプリケーション内メッセージングシステム14の概略図である。
図2に示すように、いくつかの実施形態では、アプリケーション内メッセージングシステム14が、遊園地10のゲスト20が使用できる1又は2以上のポータブル電子装置12を含むことができる。また、やはり
図2に示すように、いくつかの実施形態では、アプリケーション内メッセージングシステム14が、遊園地10の至る所に配置された1又は2以上のオーディオシステム16によって放送され、1又は2以上のポータブル電子装置12によって検出されて、1又は2以上のポータブル電子装置12上で動作するアプリケーションを介して表示できるアプリケーション内メッセージングを生成できる、符号化されたオーディオ透かし50を含むオーディオ48を生成するように構成されたオーディオ生成システム46を含むことができる。また、やはり
図2に示すように、いくつかの実施形態では、アプリケーション内メッセージングシステム14が、遊園地10の至る所に配置された1又は2以上のディスプレイシステム28によって放送され、1又は2以上のポータブル電子装置12によって検出されて、1又は2以上のポータブル電子装置12上で動作するアプリケーションを介して表示できるアプリケーション内メッセージングを生成できる、符号化されたビデオ透かし56を含むビデオ54を生成するように構成されたビデオ生成システム52を含むことができる。いくつかの実施形態では、
図2に示すアプリケーション内メッセージングシステム14を、遊園地10の特定のアトラクションのためのアプリケーション内メッセージングを提供するためにのみ使用することができると理解されるであろう。しかしながら、他の実施形態では、アプリケーション内メッセージングシステム14を、遊園地10の全部ではないにせよいずれかの数のアトラクションのためのアプリケーション内メッセージングを協調させて提供するために使用することもできる。
【0021】
図2に示すように、いくつかの実施形態では、オーディオ生成システム46が、遊園地10の特定のアトラクションに関連するオーディオ透かし50を含むオーディオ48を生成するために使用できる、プロセッサ58及びメモリ60などの処理回路を含むことができる。具体的には、プロセッサ58は、メモリ60及び/又はその他のストレージなどの有形の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された、スペクトル拡散型(spread spectrum)オーディオ透かしアルゴリズム、低ビット(low bit)オーディオ透かしアルゴリズム、位相符号化(phase coding)オーディオ透かしアルゴリズム、エコーハイディング(echo hiding)オーディオ透かしアルゴリズム、時間スケール修正(time scale modification)オーディオ透かしアルゴリズム、振幅修正(amplitude modification)オーディオ透かしアルゴリズム、レプリカ変調(replica modulation)オーディオ透かしアルゴリズム、ディザー(dither)オーディオ透かしアルゴリズム、自己マーキング(self-marking)オーディオ透かしアルゴリズム、又はこれらの何らかの組み合わせなどのオーディオ透かしアルゴリズムを利用してオーディオ透かし50を生成し、1又は2以上のオーディオシステム16に提供されるオーディオ48内にオーディオ透かし50を符号化するプロセッサ実行可能命令を実行することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ58を、汎用プロセッサ、システムオンチップ(SoC)デバイス、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の何らかの同様のプロセッサ構成とすることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、オーディオ生成システム46を、遊園地10の至る所に配置された1又は2以上のオーディオシステム16に無線通信システム18(例えば、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)、近距離通信(NFC)ネットワーク、又は他のいずれかの好適な無線ネットワーク)を介してオーディオ48を伝えるように構成することができる。このような実施形態では、オーディオ生成システム46が、1又は2以上のオーディオシステム16の通信回路64と無線で通信して1又は2以上のオーディオシステム16にオーディオ48を送信するように構成された通信回路62を含むことができる。しかしながら、他の実施形態、とりわけオーディオ生成システム46が遊園地10の特定のアトラクションのためのオーディオ48のみを提供する実施形態では、オーディオ生成システム46の通信回路62を、例えばサウンドケーブル及び通信ケーブルなどのケーブルを介して1又は2以上のオーディオシステム16の通信回路64に直接結合することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、1又は2以上のオーディオシステム16が、オーディオ生成システム46から受け取られたオーディオ48を処理して、1又は2以上のオーディオシステム16の周囲の物理的環境内にオーディオ48を放送するために使用できる、プロセッサ66及びメモリ68などの処理回路を含むこともできる。具体的には、プロセッサ66は、メモリ68及び/又はその他のストレージなどの有形の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された、オーディオ生成システム46から受け取られたオーディオ48を処理してオーディオ48を放送するプロセッサ実行可能命令を実行することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ66を、汎用プロセッサ、システムオンチップ(SoC)デバイス、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の何らかの同様のプロセッサ構成とすることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、ポータブル電子装置12を、携帯電話機(例えば、スマートフォン)、タブレットコンピュータ、(例えば、拡張現実(AR)メガネ、ARゴーグル及びウォッチなどの)ウェアラブル装置、或いはポータブル電子装置12の1又は2以上のオーディオセンサ70(例えば、マイクなど)によって検出できるオーディオ48内に符号化されたオーディオ透かし50に少なくとも部分的に基づいて、遊園地10の特定のアトラクションに関連するアプリケーション内メッセージング情報を表示するアプリケーションを実行するように構成された、ゲスト20が遊園地10内で持ち歩くことができる他のいずれかの好適な装置とすることができる。いくつかの実施形態では、1又は2以上のオーディオセンサ70が、オーディオ48を受動的にリスンすること(listening)によってオーディオ48を検出することができる。しかしながら、他の実施形態では、1又は2以上のオーディオセンサ70を、ポータブル電子装置12の入力装置72(例えば、ボタン及びタッチ画面など)を介して受け取られたユーザ要求に少なくとも部分的に基づいてオーディオ48を能動的にリスンするように促すこともできる。
【0025】
いくつかの実施形態では、受け取られたオーディオ48内に符号化されたオーディオ透かし50に少なくとも部分的に基づいてアプリケーション内メッセージングを提供するために、ポータブル電子装置12が、プロセッサ74及びメモリ76などの処理回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ74を、汎用プロセッサ、システムオンチップ(SoC)デバイス、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の何らかの同様のプロセッサ構成とすることができる。プロセッサ74は、メモリ76及び/又はその他のストレージなどの有形の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された、オーディオ48内に符号化されたオーディオ透かし50を識別し、オーディオ透かし50に少なくとも部分的に基づいてポータブル電子装置12のディスプレイ78にアプリケーション内メッセージング情報80を表示させるプロセッサ実行可能命令を実行することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ74が、スペクトル拡散型オーディオ透かしアルゴリズム、低ビットオーディオ透かしアルゴリズム、位相符号化オーディオ透かしアルゴリズム、エコーハイディングオーディオ透かしアルゴリズム、時間スケール修正オーディオ透かしアルゴリズム、振幅修正オーディオ透かしアルゴリズム、レプリカ変調オーディオ透かしアルゴリズム、ディザーオーディオ透かしアルゴリズム、自己マーキングオーディオ透かしアルゴリズム、又はこれらの何らかの組み合わせなどのオーディオ透かしアルゴリズムを利用してオーディオ48内に符号化されたオーディオ透かし50を復号することによってオーディオ透かし50を識別するプロセッサ実行可能命令を実行することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、プロセッサ74が、例えばポータブル電子装置12のメモリ76及び/又はその他のストレージなどの有形の非一時的コンピュータ可読媒体からアプリケーション内メッセージング情報80にアクセスすることによって、オーディオ透かし50に少なくとも部分的に基づいてアプリケーション内メッセージング情報80をローカルに決定するプロセッサ実行可能命令を実行することができる。しかしながら、他の実施形態では、プロセッサ74が、ポータブル電子装置12の通信回路82に、オーディオ透かし50を示す信号をオーディオ生成システム46の通信回路62に無線で送信させるプロセッサ実行可能命令を実行することができ、オーディオ生成システム46は、例えばオーディオ生成システム46のメモリ60及び/又はその他のストレージなどの有形の非一時的コンピュータ可読媒体からアプリケーション内メッセージング情報80にアクセスすることによって、ポータブル電子装置12から受け取られた信号に少なくとも部分的に基づいてアプリケーション内メッセージング情報80を決定し、通信回路62、82の無線通信を介してアプリケーション内メッセージング情報80をポータブル電子装置12に返送するように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、アプリケーション内メッセージング情報80が、クローズドキャプション情報、オープンキャプション情報、ライブキャプション情報、多言語翻訳情報、ガイド付きツアー情報、隠された秘密情報、又はこれらの何らかの組み合わせを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、アプリケーション内メッセージング情報80が、遊園地10の特定のアトラクション24の近傍で放送されているオーディオ48及び/又はビデオ54に直接関連するキャプションを含むことができる。他の実施形態では、アプリケーション内メッセージング情報80が、遊園地10の特定のアトラクション24の近傍で放送されているオーディオ48及び/又はビデオ54に関連する多言語翻訳を含むことができる。例えば、ゲスト20によって使用されているポータブル電子装置12の設定はスペイン語が好ましい言語であることを示しているのに対し、遊園地10の特定のアトラクション24の近傍で放送されているオーディオ48及び/又はビデオ54は英語である場合、アプリケーション内メッセージング情報80は、オーディオ48及び/又はビデオ54の翻訳を行うことができる。他の実施形態では、アプリケーション内メッセージング情報80が、例えば特定のアトラクション24及び/又は遊園地10全体に関するさらなる情報を提供できるガイド付きツアー情報を含むことができる。他の実施形態では、アプリケーション内メッセージング情報80が、他のゲスト20が知らない可能性がある特定のアトラクション24及び/又は遊園地10全体に関する隠された秘密を含むことができる。
【0028】
本明細書でさらに詳細に説明するように、ポータブル電子装置12のプロセッサ74は、ポータブル電子装置12のディスプレイ78を介してアプリケーション内メッセージング情報80を表示するアプリケーション84を実行するプロセッサ実行可能命令を実行することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ74が、オーディオ透かし50の識別に応答してアプリケーション84を開始するプロセッサ実行可能命令を実行することができる。他の実施形態では、ポータブル電子装置12によってアプリケーション内メッセージング情報80がローカルに決定された場合、プロセッサ74が、アプリケーション内メッセージング情報80の決定に応答してアプリケーション84を開始するプロセッサ実行可能命令を実行することができる。他の実施形態では、アプリケーション内メッセージング情報80がオーディオ生成システム46によって決定された場合、オーディオ生成システム46が、アプリケーション内メッセージング情報80の決定に応答してアプリケーション84を開始し、アプリケーション84を介してアプリケーション内メッセージング情報80を表示する制御信号をポータブル電子装置12に送信することができる。
【0029】
同様に、ビデオ生成システム52は、遊園地10の特定のアトラクションに関連するビデオ透かし56を含むビデオ54を生成するために使用できる、プロセッサ86及びメモリ88などの処理回路を含むことができる。具体的には、プロセッサ86は、メモリ88及び/又はその他のストレージなどの有形の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された、スペクトル拡散型ビデオ透かしアルゴリズム、低ビットビデオ透かしアルゴリズム、位相符号化ビデオ透かしアルゴリズム、エコーハイディングビデオ透かしアルゴリズム、時間スケール修正ビデオ透かしアルゴリズム、振幅修正ビデオ透かしアルゴリズム、レプリカ変調ビデオ透かしアルゴリズム、ディザービデオ透かしアルゴリズム、自己マーキングビデオ透かしアルゴリズム、又はこれらの何らかの組み合わせなどのビデオ透かしアルゴリズムを利用してビデオ透かし56を生成し、1又は2以上のディスプレイシステム28に提供されるビデオ54内にビデオ透かし56を符号化するプロセッサ実行可能命令を実行することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ86を、汎用プロセッサ、システムオンチップ(SoC)デバイス、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の何らかの同様のプロセッサ構成とすることができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、ビデオ生成システム52を、遊園地10の至る所に配置された1又は2以上のディスプレイシステム28に無線通信システム18を介してビデオ54を伝えるように構成することができる。このような実施形態では、ビデオ生成システム52が、1又は2以上のディスプレイシステム28の通信回路92と無線で通信して1又は2以上のディスプレイシステム28にビデオ54を送信するように構成された通信回路90を含むことができる。しかしながら、他の実施形態、とりわけビデオ生成システム52が遊園地10の特定のアトラクションのためのビデオ54しか提供していない実施形態では、ビデオ生成システム52の通信回路90を、例えばビデオケーブル及び通信ケーブルなどのケーブルを介して1又は2以上のディスプレイシステム28の通信回路92に直接結合することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、1又は2以上のディスプレイシステム28が、ビデオ生成システム52から受け取られたビデオ54を処理して1又は2以上のディスプレイシステム28の周囲の物理的環境内にビデオ54を放送するために使用できる、プロセッサ94及びメモリ96などの処理回路を含むこともできる。具体的には、プロセッサ94は、メモリ96及び/又はその他のストレージなどの有形の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された、ビデオ生成システム52から受け取られたビデオ54を処理してビデオ54を放送するプロセッサ実行可能命令を実行することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ94を、汎用プロセッサ、システムオンチップ(SoC)デバイス、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の何らかの同様のプロセッサ構成とすることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、ポータブル電子装置12を、ポータブル電子装置12の1又は2以上のカメラ98によって検出できるビデオ54内に符号化されたビデオ透かし56に少なくとも部分的に基づいて遊園地10の特定のアトラクションに関連するアプリケーション内メッセージング情報80を表示するアプリケーション84を実行するように構成することができる。とりわけ、いくつかの実施形態では、ゲスト20が、1又は2以上のカメラ98によってビデオ54を検出できるように、1又は2以上のカメラ98をビデオ54に向けることができる。また、本明細書でさらに詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、ポータブル電子装置12のプロセッサ74が、1又は2以上のカメラ98によって取り込まれたいずれかのビデオがアプリケーション内メッセージング情報80に関連するアプリケーション84を介して表示されるようにするプロセッサ実行可能命令を実行することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、受け取られたビデオ54内に符号化されたビデオ透かし56に少なくとも部分的に基づいてアプリケーション内メッセージングを提供するために、ポータブル電子装置12のプロセッサ74が、ビデオ54内に符号化されたビデオ透かし56を識別し、ビデオ透かし56に少なくとも部分的に基づいてポータブル電子装置12のディスプレイ78にアプリケーション内メッセージング情報80を表示させるプロセッサ実行可能命令を実行することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ74が、スペクトル拡散型ビデオ透かしアルゴリズム、低ビットビデオ透かしアルゴリズム、位相符号化ビデオ透かしアルゴリズム、エコーハイディングビデオ透かしアルゴリズム、時間スケール修正ビデオ透かしアルゴリズム、振幅修正ビデオ透かしアルゴリズム、レプリカ変調ビデオ透かしアルゴリズム、ディザービデオ透かしアルゴリズム、自己マーキングビデオ透かしアルゴリズム、又はこれらの何らかの組み合わせなどのビデオ透かしアルゴリズムを利用してビデオ54内に符号化されたビデオ透かし56を復号することによってビデオ透かし56を識別するプロセッサ実行可能命令を実行することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、ポータブル電子装置12のプロセッサ74が、例えばポータブル電子装置12のメモリ76及び/又はその他のストレージなどの有形の非一時的コンピュータ可読媒体からアプリケーション内メッセージング情報80にアクセスすることによってビデオ透かし56に少なくとも部分的に基づいてアプリケーション内メッセージング情報80をローカルに決定するプロセッサ実行可能命令を実行することができる。しかしながら、他の実施形態では、プロセッサ74が、ポータブル電子装置12の通信回路82に、ビデオ生成システム52の通信回路90にビデオ透かし56を示す信号を無線で送信させるプロセッサ実行可能命令を実行することができ、ビデオ生成システム52は、例えばビデオ生成システム52のメモリ88及び/又はその他のストレージなどの有形の非一時的コンピュータ可読媒体からアプリケーション内メッセージング情報80にアクセスすることによって、ポータブル電子装置12から受け取られた信号に少なくとも部分的に基づいてアプリケーション内メッセージング情報80を決定し、通信回路82、90の無線通信を介してポータブル電子装置12にアプリケーション内メッセージング情報80を返送するように構成される。
【0035】
本明細書でさらに詳細に説明するように、ポータブル電子装置12のプロセッサ74は、ポータブル電子装置12のディスプレイ78を介してアプリケーション内メッセージング情報80を表示するアプリケーション84を実行するプロセッサ実行可能命令を実行することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ74が、ビデオ透かし56の識別に応答してアプリケーション84を開始するプロセッサ実行可能命令を実行することができる。他の実施形態では、アプリケーション内メッセージング情報80がポータブル電子装置12によってローカルに決定された場合、プロセッサ74が、アプリケーション内メッセージング情報80の決定に応答してアプリケーション84を開始するプロセッサ実行可能命令を実行することができる。他の実施形態では、アプリケーション内メッセージング情報80がビデオ生成システム52によって決定された場合、ビデオ生成システム52が、アプリケーション内メッセージング情報80の決定に応答してアプリケーション84を開始し、アプリケーション84を介してアプリケーション内メッセージング情報80を表示する制御信号をポータブル電子装置12に送信することができる。
【0036】
本明細書で説明するアプリケーション内メッセージングシステム14によって提供されるアプリケーション内メッセージングは、遊園地10のゲスト20にとって任意とすることができる。
図3~
図10に、本明細書で説明する特定のアプリケーション内メッセージング機能にゲスト20がどのようにして参加できるかを示すために、本明細書で説明したアプリケーション84の一連のスクリーンショットを示す。これらの一連のスクリーンショットは、アプリケーション84によって提示される、アプリケーション内キャプション情報に関連するオプションを示すものであるが、アプリケーション84は、他のタイプのアプリケーション内メッセージング情報80に関連する同様のオプションを提示することもできると理解されるであろう。
図3には、ゲスト20がアプリケーション84を介したアプリケーション内キャプション情報を有効にするためにアプリケーション84を介して選択できる「アプリケーション内キャプションあり(In-application Captioning Available)」メニューオプション102を含む、アプリケーション84のメインメニュー画面100のスクリーンショットを示す。ゲスト20が「アプリケーション内キャプションあり」メニューオプション102を選択した場合、アプリケーション84を実行しているポータブル電子装置12のオーディオセンサ70(例えば、マイク)にアプリケーション84がアクセスする承認をゲスト20が行うことを確認するプロンプト104を、アプリケーション84を介して開始することができる(例えば、
図4を参照)。ゲスト20がプロンプト104を介して「了承(Okay)」を選択した(すなわち、ポータブル電子装置12のオーディオセンサ70を有効にした)場合、アプリケーション84は、ポータブル電子装置12(具体的には、ポータブル電子装置12のオーディオセンサ70)がオーディオソース(例えば、遊園地10のオーディオシステム16)の範囲内に入るとすぐに(例えば、本明細書でさらに詳細に説明するように、ポータブル電子装置12のオーディオセンサ70が、オーディオ透かし50を含むことができるオーディオ48をリスンした時に)アプリケーション内キャプションが自動的に出現し始める旨をゲストに忠告する(例えば、
図5を参照)。ポータブル電子装置12がオーディオソースの範囲内に存在しない場合には、アプリケーション84を介して空白画面を表示することができると理解されるであろう。
【0037】
本明細書でさらに詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、アプリケーション84を介して表示されるアプリケーション内メッセージング情報80(例えば、
図6に示すアプリケーション内キャプション情報)を、アプリケーション84を実行しているポータブル電子装置12の1又は2以上のカメラ98によって取り込まれたビデオ108によって補完することができる。例えば、アプリケーション84はカメラアイコン106を表示することができ、ゲスト20がアプリケーション84を介してこれを選択すると、アプリケーション84を実行しているポータブル電子装置12の1又は2以上のカメラ98を介して取り込まれたビデオ108がアプリケーション内メッセージング情報80と共に表示されることを可能にすることができる。
図6には、アプリケーション内メッセージングは有効であるがポータブル電子装置12のカメラ98は無効であるアプリケーション84を示す。ゲスト20がカメラアイコン106をクリックした場合、アプリケーション84を実行しているポータブル電子装置12のカメラ98にアプリケーション84がアクセスする承認をゲスト20が行うことを確認するプロンプト110を、アプリケーション84を介して開始することができる(例えば、
図7を参照)。ゲスト20がプロンプト110を介して「了承」を選択した(すなわち、ポータブル電子装置12のカメラ98を有効にした)場合、アプリケーション84は、アプリケーション84を実行しているポータブル電子装置12の1又は2以上のカメラ98を介して取り込まれたビデオ108を、例えばビデオ108にオーバーレイ表示されたアプリケーション内メッセージング情報80と共に表示し始める(例えば、
図8を参照)。ゲスト20は、カメラアイコン106をクリックすることによってビデオ108をオン/オフに切り替えることができると理解されるであろう。
【0038】
場合によっては、ゲスト20が使用しているポータブル電子装置12の特定の設定が、ポータブル電子装置12のオーディオセンサ70(例えば、マイク)又はカメラ98をアプリケーション84が使用できるように選択されていないこともある。このような場合、アプリケーションは、ゲスト20がアプリケーション84を介して選択した特定の機能を有効にするためにポータブル電子装置12のこれらのコンポーネントへのアクセスが必要である旨をユーザに促すことができる。例えば、
図9には、アプリケーション84のアプリケーション内メッセージング機能を使用するためにポータブル電子装置12のオーディオセンサ70(例えば、マイク)へのアクセスを有効にする必要がある旨のメッセージ112をゲスト20に表示しているアプリケーション84を示しており、
図10には、ポータブル電子装置12のビデオ取り込み機能を使用するためにポータブル電子装置12のカメラ98へのアクセスを有効にする必要がある旨のメッセージ114をゲスト20に表示しているアプリケーション84を示す。
【0039】
本明細書では、いくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の実際の趣旨に該当する全てのこのような修正及び変更を含むものであると理解されたい。
【0040】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0041】
12 (単複の)ポータブル電子装置
14 アプリケーション内メッセージングシステム
16 (単複の)オーディオシステム
18 無線通信ネットワーク
28 (単複の)ディスプレイシステム
46 オーディオ生成システム
48 オーディオ
50 透かし
52 ビデオ生成システム
54 ビデオ
56 透かし
58 プロセッサ
60 メモリ
62 通信回路
64 通信回路
66 プロセッサ
68 メモリ
70 オーディオセンサ
72 入力装置
74 プロセッサ
76 メモリ
78 ディスプレイ
80 アプリケーション内メッセージング情報
82 通信回路
84 アプリケーション
86 プロセッサ
88 メモリ
90 通信回路
92 通信回路
94 プロセッサ
96 メモリ
98 カメラ