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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】空気調和機およびネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/58 20180101AFI20241031BHJP
【FI】
F24F11/58
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022003458
(22)【出願日】2022-01-13
(62)【分割の表示】P 2017198708の分割
【原出願日】2017-10-12
(65)【公開番号】P2022036247
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2022-02-09
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(72)【発明者】
【氏名】平山 大悟
【合議体】
【審判長】鈴木 充
【審判官】村山 美保
【審判官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-163102(JP,A)
【文献】特開2002-81721(JP,A)
【文献】特開2009-133549(JP,A)
【文献】特開2015-78770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機制御用のメモリとは異なる第1のメモリを含む室内機と、
第2のメモリを含む室外機と、
制御部とを備え、
前記制御部は、無線通信による外部から前記第1のメモリへの室外機用のプログラムのダウンロードが完了した後に現在運転中か否かを判断し、前記制御部が前記現在運転中か否かの判断において現在運転中でないと判断すると、前記制御部は前記第2のメモリの室外機用のプログラムをアップデートする、空気調和機。
【請求項2】
室内機制御用のメモリとは異なる第1のメモリを含む室内機と、
第2のメモリを含む室外機と、
制御部とを備え、
前記制御部は、無線通信による外部から前記第1のメモリへの室外機用のプログラムのダウンロードが完了した後に現在運転中か否かを判断し、前記制御部が前記現在運転中か否かの判断において現在運転中であると判断すると、前記制御部は運転が停止してから前記第2のメモリの室外機用のプログラムをアップデートする、空気調和機。
【請求項3】
前記制御部が前記現在運転中か否かの判断において現在運転中であると判断すると、前記制御部は運転を強制停止する、請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
室内機制御用のメモリとは異なる第1のメモリを含む室内機と、
第2のメモリを含む室外機と、
制御部とを備え、
前記第2のメモリは、前記室外機用のプログラムのコードを記憶する領域と前記室外機用のプログラムのデータを記憶する領域とを含み、
無線通信による外部から前記第1のメモリへの室外機用のプログラムのダウンロードが完了すると、前記制御部は現在運転中か否かを判断し、前記制御部が前記現在運転中か否かの判断において現在運転中でないと判断すると、前記制御部は前記第2のメモリの室外機用のプログラムをアップデートし、
前記制御部は前記コードを記憶する領域と前記データを記憶する領域とのいずれがアップデートされるかを判定し、コード領域をアップデートしない場合には、運転を停止せずに前記第2のメモリの室外機用のプログラムをアップデートする、空気調和機。
【請求項5】
室内機制御用のメモリとは異なる第1のメモリと前記室内機制御用の第3のメモリとを含む室内機と、
制御部とを備え、
前記制御部は、無線通信による外部から前記第1のメモリへの室内機用のプログラムのダウンロードが完了した後に現在運転中か否かを判断し、前記制御部が前記現在運転中か否かの判断において現在運転中でないと判断すると、前記制御部は前記第3のメモリの室内機用のプログラムをアップデートする、空気調和機。
【請求項6】
室内機制御用のメモリとは異なる第1のメモリと前記室内機制御用の第3のメモリとを含む室内機と、
制御部とを備え、
前記制御部は、無線通信による外部から前記第1のメモリへの室内機用のプログラムのダウンロードが完了した後に現在運転中か否かを判断し、前記制御部が前記現在運転中か否かの判断において現在運転中であると判断すると、前記制御部は運転が停止してから前記第3のメモリの室内機用のプログラムをアップデートする、空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の技術に関し、特に室内機と室外機とを有する空気調和機およびネットワークシステムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワーク通信を利用した空気調和機に関する技術が知られている。たとえば、特開2015-172443号公報(特許文献1)には、空気調和機、空気調和機システム、及び書き換え制御プログラムが開示されている。特許文献1によると、空気調和機は、制御データが格納される制御データ格納部、制御データの更新データが格納されるバッファ部、書き換え部、データ受信部、及び受信処理部を備える。書き換え部は、バッファ部に格納された更新データで、制御データ格納部に格納される制御データを書き換える書き換え処理を実行する。データ受信部は、送信機から複数回送信される更新データを、無線通信を介して受信する。更新データの受信時、受信処理部は、書き換え処理が実行されている最中か否かを判定し、書き換え処理の最中であれば受信した更新データを破棄し、書き換え処理の最中でなければ受信した更新データをバッファ部に格納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-172443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、効率的にデータをアップデートすることができる空気調和機またはネットワークシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のある態様に従うと、第1のメモリを含む室内機と、第2のメモリを含む室外機とを備える空気調和機であって、外部から室外機用のプログラムを第1のメモリにダウンロードしてから、第2のメモリの室外機用のプログラムをアップデートする、空気調和機が提供される。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明によれば、効率的にデータをアップデートすることができる空気調和機またはネットワークシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成を示すイメージ図である。
図2】第1の実施の形態にかかる空気調和機100の冷房運転時および除湿運転、除霜運転時の概略構成図である。
図3】第1の実施の形態にかかる空気調和機100の暖房運転時の概略構成図である。
図4】第1の実施の形態にかかる室内制御部35と室外制御部29との構成を示すブロック図である。
図5】第1の実施の形態にかかる室内制御部35の情報処理を示すフローチャートである。
図6】第1の実施の形態にかかるサーバ300の構成を示すブロック図である。
図7】第1の実施の形態にかかるスマートフォン400などの通信端末の構成を示すブロック図である。
図8】第1の実施の形態にかかるスマートフォン400の画面例を示すイメージ図である。
図9】第2の実施の形態にかかる室内制御部35の情報処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<ネットワークシステム1の全体構成>
【0009】
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成について説明する。本実施の形態にかかるネットワークシステム1は、主に、家電制御用のアプリケーションのためのサーバ300と、サーバ300と各種データをやり取りするスマートフォン400などの通信端末と、モデム500やWiFi(登録商標)ルータ600を介してサーバ300と各種データをやり取りする空気調和機100などを含む。通信端末は、スマートフォン400に限らず、タブレットや、ゲーム機や、ウェアラブル端末や、パーソナルコンピュータや、その他の通信装置であってもよい。
<ネットワークシステム1の動作概要>
【0010】
本実施の形態にかかるネットワークシステム1においては、空気調和機100の室外機用の新たなプログラムが開発されたり、室内機用の新たなプログラムが開発されたり、スマートフォン400用の新たなプログラムが開発されると、ユーザの許可に基づいて、サーバ300から空気調和機100に更新プログラムがダウンロードされる。特に本実施の形態においては、一旦室内機の通信制御基板のメモリに更新プログラムがダウンロードされた後に、室外機用のプログラムのみが更新(アップデート)されたり、室内機用のプログラムのみが更新されたり、プログラムのコード領域のみが更新されたり、プログラムのデータ領域のみが更新されたりする。なお、ダウンロードされたプログラムによって各領域の元のプログラムが更新される場合だけでなく、ダウンロードされたプログラムが各領域に初めてインストールされてもよい。以下、このような機能を実現するためのネットワークシステム1の具体的な構成について詳述する。
<空気調和機100の構成>
【0011】
次に、図2および図3を参照して、本実施の形態にかかる空気調和機100は、セパレート式の空気調和機であって、主に、室外機10、室内機30およびリモートコントローラ50から構成されている。なお、空気調和機100は、室外機10と室内機30とが冷媒配管17および18を介して接続されることによって構成されている。以下、室外機10、室内機30、リモートコントローラ50、冷媒配管17および18について詳述する。
【0012】
(1)室外機
室外機10は、主に、筐体11、圧縮機12、四路切換弁13、室外熱交換器14、膨張弁15、室外ファン16、冷媒配管17、冷媒配管18、二方弁19、三方弁20、室外熱交換器温度センサ21、吐出温度センサ22、吸入温度センサ23、室外熱交換器出口温度センサ24、外気温度センサ25および室外制御部29から構成されている。なお、この室外機10は、屋外に設置されている。
【0013】
圧縮機12は、吐出管12aおよび吸入管12bを有している。吐出管12aおよび吸入管12bは、それぞれ、四路切換弁13の異なる接続口に接続されている。また、圧縮機12は、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。圧縮機12は、運転時、吸入管12bから低圧の冷媒ガスを吸入し、その冷媒ガスを圧縮して高圧の冷媒ガスを生成した後、その高圧の冷媒ガスを吐出管12aから吐出する。
【0014】
四路切換弁13は、冷媒配管を介して圧縮機12の吐出管12aおよび吸入管12b、室外熱交換器14ならびに室内熱交換器32に接続されている。そして、この四路切換弁13は、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。これによって、四路切換弁13は、運転時、室外制御部29から送信される制御信号に従って、圧縮機12の吐出管12aを室外熱交換器14に連結させると共に圧縮機12の吸入管12bを室内熱交換器32に連結させる冷房運転や除湿運転や除霜運転状態(図2参照)と、圧縮機12の吐出管12aを室内熱交換器32に連結させると共に圧縮機12の吸入管12bを室外熱交換器14に連結させる暖房運転状態(図3参照)とを切り換える。
【0015】
室外熱交換器14は、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたもの(フィン&チューブ型)であって、冷房運転時や除霜運転時(図2参照)には凝縮器として機能し、暖房運転時(図3参照)には蒸発器として機能する。なお、熱交換器としてパラレルフロー型熱交換器やサーペンタイン型熱交換器を用いてもよい。
【0016】
膨張弁15は、後述するステッピングモータを介して開度制御が可能な電子膨張弁である。膨張弁15は、一方が冷媒配管17を介して二方弁19に接続されると共に、他方が室外熱交換器14に接続されている。また、この膨張弁15のステッピングモータは、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。膨張弁15は、運転時において、凝縮器(冷房運転時や除湿運転時や除霜運転時は室外熱交換器14であり、暖房運転時は室内熱交換器32である)から流出する高温高圧の液冷媒を蒸発しやすい状態に減圧すると共に、蒸発器(冷房運転時や除湿運転時や除霜運転時は室内熱交換器32であり、暖房運転時は室外熱交換器14である)への冷媒供給量を調節する役目を担っている。
【0017】
室外ファン16は、主に、プロペラファンおよびモータから構成されている。プロペラファンは、モータによって回転駆動され、屋外の外気を室外熱交換器14に供給する。モータは、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。
【0018】
二方弁19は、冷媒配管17に配設されている。なお、二方弁19は、室外機10から冷媒配管17が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機10から外部に漏れることを防ぐ。
【0019】
三方弁20は、冷媒配管18に配設されている。なお、三方弁20は、室外機10から冷媒配管18が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機10から外部に漏れることを防ぐ。また、室外機10から、あるいは室内機30を含めた冷凍サイクル全体から、冷媒を回収する必要があるときは、三方弁20を通じて冷媒の回収が行われる。
【0020】
温度センサ21~25は、サーミスタである。室外熱交換器温度センサ21は室外熱交換器14に配置されており、吐出温度センサ22は圧縮機12の吐出管12aに配置されており、吸入温度センサ23は圧縮機12の吸入管12bに配置されており、室外熱交換器出口温度センサ24は室外熱交換器14の出口付近の冷媒配管17に配置されており、外気温度センサ25は外気温度測定用であって筐体11の内部の所定箇所に配置されている。より詳細には、外気温度センサ25は、例えば、室外ファン16によって室外熱交換器14に供給される前の外気の温度を検知できる箇所に配置されることが好ましい。これらの温度センサ21~25は、全て、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、計測された温度に関する情報を室外制御部29に送信している。
【0021】
室外制御部29は、通信線を介して圧縮機12、四路切換弁13、膨張弁15、室外ファン16、温度センサ21~25に通信接続されている。たとえば、室外制御部29のプロセッサは、随時、温度センサ21~25の出力情報や、メモリに記憶される種々の制御パラメータ等を演算処理して適切な制御パラメータを導出し、その制御パラメータを、圧縮機12や、四路切換弁13、膨張弁15、室外ファン16に送信する。また、プロセッサは、必要に応じて、制御パラメータ等を室内制御部35に送信したり、受信したりする。
【0022】
(2)室内機
室内機30は、主に、筐体31、室内熱交換器32、室内ファン33、室内熱交換器温度センサ34、室内温度センサ37、室内制御部35、フィルタ104、縦ルーバ(上下風向板)105、図示しない横ルーバ(左右風向板)から構成されている。
【0023】
筐体31には、室内熱交換器32、室内ファン33、室内熱交換器温度センサ34、室内温度センサ37、および室内制御部35等が収納されている。縦ルーバ105は、筐体31の一部を構成している。
【0024】
室内熱交換器32は、3個の熱交換器32A、32B、32Cを、室内ファン33を覆う屋根(逆V字形、ラムダ型)のように組み合わせたものである。なお、各熱交換器32A、32B、32Cは、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたものであって、冷房運転時および除湿運転時や除霜運転時(図2参照)には蒸発器として機能し、暖房運転時(図3参照)には凝縮器として機能する。
【0025】
室内ファン33は、主に、クロスフローファンおよびモータから構成されている。クロスフローファンは、モータによって回転駆動され、室内の空気を吸い込み口102からフィルタ104を通して筐体31に吸い込んで室内熱交換器32に供給すると共に、室内熱交換器32で熱交換された空気を吹き出し口103を介して室内に送出する。モータは、通信線を介して室内制御部35に通信接続されており、室内制御部35から送信される制御信号に従って動作する。
【0026】
温度センサ34は、サーミスタである。室内熱交換器温度センサ34は室内熱交換器32に配置されており、室内温度センサ37は、室内温度を測定するものであって筐体31内の吸込口付近に配置されている。温度センサ34,37は、通信線を介して室内制御部35に通信接続されており、計測された温度に関する情報を室内制御部35に送信している。
【0027】
室内制御部35は、通信線を介して室内ファン33、温度センサ34,37などに通信接続されている。室内制御部35のプロセッサは、随時、リモートコントローラ50からの制御信号や、温度センサ34,37などの出力情報等を演算処理して適切な制御パラメータを導出し、その制御パラメータ等を、室内ファン33などに送信する。また、プロセッサは、必要に応じて、制御パラメータ等を室外制御部29に送信したり、制御パラメータ等を室外制御部29から受信したりする。赤外線受光部36は、リモートコントローラ50から発生される点滅赤外線を受光するものである。この赤外線受光部36は、点滅赤外線を信号化処理し、生成した信号を室内制御部35に受け渡す。
【0028】
なお、室外機10の圧縮機12、四路切換弁13、室外熱交換器14および膨張弁15、ならびに室内機30の室内熱交換器32は、冷媒配管17,18によって順次接続され、冷媒回路(冷凍サイクル)を構成している。
【0029】
(4)冷媒配管
冷媒配管17は、冷媒配管18よりも細い管であって、冷房運転時、除湿運転時および除霜運転時に液冷媒が流れる。冷媒配管18は、冷媒配管17よりも太い管であって、冷房運転時にガス冷媒が流れる。
<制御部の構成の構成>
【0030】
本実施の形態にかかる空気調和機100は、上述した通り、室内制御部35と室外制御部29とを含む。以下では、図4を参照して、室内制御部35と室外制御部29とを含む制御部の構成について説明する。
【0031】
室内制御部35は、室内制御基板35Aと通信制御基板35Bとを含む。室内制御基板35Aには、マイクロコンピュータ350や、RAM(Random access memory)353や、ROM(Read Only Memory)354や、シリアル通信インターフェース358などが配置される。マイクロコンピュータ350は、CPU(Central Processing Unit)351や、フラッシュメモリ352を含む。フラッシュメモリ352は、コード領域3521とデータ領域3522とを含む。なお、フラッシュメモリ352は、不揮発性のメモリであればよい。
【0032】
通信制御基板35Bには、マイクロコンピュータ355や、WiFiアンテナ359などが配置される。マイクロコンピュータ355は、CPU356や、フラッシュメモリ357を含む。フラッシュメモリ357は、コード領域3571とデータ領域3572とを含む。なお、フラッシュメモリ357は、不揮発性のメモリであればよい。
【0033】
室外制御部29は、室外制御基板29Aを含む。室外制御基板29Aには、マイクロコンピュータ290や、シリアル通信インターフェース298などが配置される。マイクロコンピュータ290は、CPU291や、フラッシュメモリ292を含む。フラッシュメモリ292は、コード領域2921とデータ領域2922とを含む。なお、フラッシュメモリ292は、不揮発性のメモリであればよい。
【0034】
そして、室内制御基板35AのCPU351は、外部からの指示などに基づいて、通信制御基板35Bのフラッシュメモリ357にサーバ300からの更新用プログラムをダウンロードする。そして、ダウンロードが完了すると、CPU351は、当該更新用プログラムを所定のメモリにインストールさせることによってプログラムの更新を実行する。
【0035】
たとえば、室内制御部35用の更新プログラムに関しては、CPU351は、RAM353に記憶させてから、室内制御基板35Aのフラッシュメモリ352にインストールさせる。これにより、室内制御部35用の更新プラグラムにアップデートされる。なお、CPU351は、ダウンロードしたデータに含まれる指示に基づいて、コード領域3521のみを更新させたり、データ領域3522のみを更新させたり、両者を更新させたりする。
【0036】
また、室外制御部29用の更新プログラムに関しては、CPU351は、RAM353に記憶させてから、シリアル通信インターフェース358,298を介して、室外制御基板29Aのフラッシュメモリ292にインストールさせることによってプログラムの更新を実行する。なお、室外制御部29のCPU291は、室内制御部35からの指示に基づいて受信されたデータに含まれる指示に基づいて、コード領域2921のみを更新させたり、データ領域2922のみを更新させたり、両者を更新させたりする。
【0037】
特に本実施の形態においては、室内制御部35のCPU351は、運転中には室内制御部35のコード領域3521の更新や室外制御部29のコード領域2921の更新は行わない。運転中にコード領域のプログラムを書き換えると運転が正常に行われない可能性があるからである。より詳細には、本実施の形態にかかるCPU351は、いずれかのプログラムの更新の要求を受け付けた際に、図5に示す処理を実行する。
【0038】
CPU351は、WiFiアンテナ359を介して、サーバ300からの更新プログラムを通信制御基板35Bのフラッシュメモリ357にダウンロードする(ステップS100)。CPU351は、いずれのフラッシュメモリ352,357,292のプログラムの更新であるか否かを特定する(ステップS101)。CPU351は、コード領域3521,3571,2921の更新の必要があるか否かを判断する(ステップS102)。コード領域3521,3571,2921の更新の必要がない場合(ステップS102にてNOである場合)、CPU351は、指定されたフラッシュメモリ352,357,292のプログラムの更新を実行する(ステップS108)。
【0039】
より詳細には、CPU351は、室内制御基板35Aのマイクロコンピュータ350用のプログラムに関しては、RAM353に記憶させてから、フラッシュメモリ352にインストールさせる。これにより、アップデートされる。CPU351は、室外制御基板29Aのマイクロコンピュータ290用のプログラムに関しては、RAM353に記憶させてから、シリアル通信によって室外制御基板29Aに転送し、フラッシュメモリ292にインストールさせる。これにより、アップデートされる。なお、CPU351は、通信制御基板35Bのマイクロコンピュータ355用のプログラムに関しては、フラッシュメモリ357の所定の領域3571,3572にインストールさせる。これにより、アップデートされる。
【0040】
コード領域3521,3571,2921の更新の必要がある場合(ステップS102にてYESである場合)、CPU351は、現在運転中であるか否かを判断する(ステップS104)。現在運転中でない場合(ステップS104にてNOである場合)、CPU351は、ステップS108からの処理を実行する。現在運転中である場合(ステップS104にてYESである場合)、CPU351は、運転が終了するまで待機してから(ステップS106)、ステップS108からの処理を実行する。
【0041】
なお、運転中である場合、運転を強制停止してアップデートしてもよい。また、データ領域のアップデートの場合に、運転中であれば、更新しないようにしてもよい。すなわち、コード領域、データ領域いずれの更新の場合も、運転停止中にしかしないようにしてもよい。
<サーバ300の構成>
【0042】
図6を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成するサーバ300の構成の一態様について説明する。サーバ300は、主たる構成要素として、CPU310と、メモリ320と、ディスプレイ330と、操作部340と、通信インターフェース360とを含む。
【0043】
CPU310は、メモリ320に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ300の各部を制御する。たとえば、CPU310は、メモリ320に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する各種の処理を実行する。
【0044】
メモリ320は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、サーバ300に内包されているものであってもよいし、サーバ300の各種インターフェースに着脱可能なものであってもよいし、サーバ300からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ320は、CPU310によって実行されるプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、その他の本実施の形態のサービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
【0045】
ディスプレイ330は、CPU310からの信号に基づいて、テキストや画像を表示する。操作部340は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をCPU310に入力する。
【0046】
通信インターフェース360は、CPU310からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して、空気調和機100やスマートフォン400などの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェース360は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して他の装置からのデータを受信して、CPU310に受け渡す。
【0047】
本実施の形態にかかるCPU310は、管理者などからの指示とスマートフォン400のアプリのユーザの許可とに基づいて、通信インターフェース360を介して、所定の空気調和機100に、更新プログラム本体と、どのメモリ領域を更新するかを指定するための情報とを送信する。
<スマートフォン400の構成>
【0048】
図7を参照して、本実施の形態にかかるスマートフォン400などの通信端末の構成の一態様について説明する。スマートフォン400は、主たる構成要素として、CPU410と、メモリ420と、ディスプレイ430と、操作部440と、通信インターフェース460と、スピーカ470と、マイク480などを含む。
【0049】
CPU410は、メモリ420に記憶されているプログラムを実行することによって、スマートフォン400の各部を制御する。
【0050】
メモリ420は、各種のRAMや各種のROMなどによって実現される。メモリ420は、CPU410によって実行されるプログラムたとえば家電制御用のアプリケーションプログラムや、CPU410によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、その他の本実施の形態にかかる家電管理サービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
【0051】
ディスプレイ430は、CPU410からの信号に基づいて、テキストや画像を表示する。操作部440は、ユーザなどの命令を受け付けて、当該命令をCPU410に入力する。たとえば、CPU410は、空気調和機100の制御用のアプリケーションプログラムに基づいて、ディスプレイ430に操作画面を表示して、操作部440を介して空気調和機100への遠隔制御命令の入力を受け付ける。なお、ディスプレイ430と操作部440とはタッチパネルであってもよい。
【0052】
通信インターフェース460は、CPU410からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して、サーバ300などの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェース460は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して当該他の装置からのデータを受信して、CPU410に受け渡す。
【0053】
スピーカ470は、CPU410からのデータに基づいて音声を出力し、マイク480は音声を受け付けて音声データをCPU410に入力する。
【0054】
本実施の形態においては、CPU410は、通信インターフェース460を介してサーバ300から、スマートフォン400とペアリング済みの空気調和機100のプログラムの更新に関するデータを受信する。CPU410は、図8に示すようにディスプレイ430に空気調和機100のプログラムの更新を提案する。CPU410は、更新の許可を受けるとその旨を通信インターフェース460を介してサーバ300に送信する。
【0055】
この更新には、スマートフォン400のアプリケーションプログラム、空気調和機100の室内機30の室内制御基板35Aのフラッシュメモリ352のコード領域3521、空気調和機100の室内機30の室内制御基板35Aのフラッシュメモリ352のデータ領域3522、空気調和機100の室外機10の室外制御基板29Aのフラッシュメモリ292のコード領域2921、空気調和機100の室外機10の室外制御基板29Aのフラッシュメモリ292のデータ領域2922、空気調和機100の室内機30の通信制御基板35Bのフラッシュメモリ357のコード領域3571、空気調和機100の室内機30の通信制御基板35Bのフラッシュメモリ357のデータ領域3572、のうちの1つまたは複数の更新が含まれる。
【0056】
これによって、サーバ300のCPU310は、ユーザの許可に基づいて、通信インターフェース360を介して、スマートフォン400に更新プログラムをダウンロードしたり、指定の空気調和機100に更新プログラムをダウンロードしたりする。
<第2の実施の形態>
【0057】
本実施の形態においては、コード領域のプログラムデータの更新がある場合には、データ領域のプログラムデータの更新を先に行って、運転終了後にコード領域のプログラムデータの更新を実行するものである。より詳細には、CPU351は、いずれかのプログラムの更新の要求を受け付けた際に、図9に示す処理を実行する。
【0058】
CPU351は、WiFiアンテナ359を介して、サーバ300からの更新プログラムを通信制御基板35Bのフラッシュメモリ357にダウンロードする(ステップS100)。CPU351は、いずれのフラッシュメモリ352,357,292のプログラムの更新であるか否かを特定する(ステップS101)。CPU351は、コード領域3521,3571,2921の更新の必要があるか否かを判断する(ステップS102)。コード領域3521,3571,2921の更新の必要がない場合(ステップS102にてNOである場合)、CPU351は、指定されたフラッシュメモリ352,357,292のプログラムの更新を実行する(ステップS108)。
【0059】
コード領域3521,3571,2921の更新の必要がある場合(ステップS102にてYESである場合)、CPU351は、現在運転中であるか否かを判断する(ステップS104)。現在運転中でない場合(ステップS104にてNOである場合)、CPU351は、ステップS108からの処理を実行する。
【0060】
現在運転中である場合(ステップS104にてYESである場合)、CPU351は、データ領域3522,3572,2922の更新の必要があるか否かを判断する(ステップS112)。データ領域3522,3572,2922の更新の必要がある場合(ステップS112にてYESである場合)、CPU351は、フラッシュメモリ352,357,292のデータ領域3522,3572,2922の更新を実行する(ステップS114)。そして、CPU351は、運転が終了するまで待機してから(ステップS106)、フラッシュメモリ352,357,292のコード領域3521,3571,2921の更新を実行する(ステップS116)。なお、運転中である場合、運転を強制停止してアップデートしてもよい。
【0061】
なお、データ領域3522,3572,2922の更新の必要がない場合(ステップS112にてNOである場合)、CPU351は、運転が終了するまで待機してから(ステップS106)、フラッシュメモリ352,357,292のコード領域3521,3571,2921の更新を実行する(ステップS116)。
<第3の実施の形態>
【0062】
第1および第2の実施の形態のネットワークシステム1の各部の役割の一部または全部を他の部材が実行してもよい。たとえば、通信制御基板35B上の部材が、室内制御基板35Aに配置されてもよい。言い換えれば、通信制御基板と室内制御基板が一体化してもよい。また、通信制御基板35Bのマイクロコンピュータ355の役割の一部または全部を室内制御基板35Aのマイクロコンピュータ350が担ったり、逆に、室内制御基板35Aのマイクロコンピュータ350の役割の一部または全部を通信制御基板35Bのマイクロコンピュータ355が担ったりしてもよい。
【0063】
例えば、本実施の形態では、室内機と室外機が1対1の関係であったが、1台の室外機と複数の室内機とからなるマルチ型空気調和機であってもよい。
<まとめ>
【0064】
上記の実施の形態においては、第1のメモリ352,357を含む室内機30と、第2のメモリ292を含む室外機10とを備える空気調和機100であって、外部から室外機10用のプログラムを第1のメモリ352,357にダウンロードしてから、第2のメモリ292の室外機10用のプログラムをアップデートする、空気調和機100が提供される。
【0065】
好ましくは、第1のメモリ352,357は、通信コントローラ355用のメモリ357である。室内機30は、室内機30制御用の第3のメモリ352をさらに含む。外部から室内機30用のプログラムを第1のメモリ357にダウンロードしてから、第3のメモリ352の室内機30用のプログラムをアップデートする。
【0066】
好ましくは、第2のメモリ292は、室外機10用のプログラムのコードを記憶する領域2921と室外機10用のプログラムのデータを記憶する領域2922とを含む。外部からの指定に基づいて、室外機10用のプログラムのコードを記憶する領域2921の更新、または室外機10用のプログラムのデータを記憶する領域2922の更新、または室外機10用のプログラムのコードを記憶する領域2921と室外機10用のプログラムのデータを記憶する領域2922の更新が実行される。
【0067】
この発明の別の局面に従うと、上記の空気調和機100と、室外機10用または室内機30用のプログラムをダウンロードする際に、プログラムのアップデート先のメモリ352,357,292を指定するためのサーバ300とを備える、ネットワークシステム1が提供される。
【0068】
好ましくは、サーバ300は空気調和機100に、室外機10用のプログラムのコードの更新、室外機10用のプログラムのデータの更新、室内機30用のプログラムのコードの更新、室内機30用のプログラムのデータの更新のすくなくともいずれかを実行させる。
【0069】
好ましくは、ネットワークシステム1は、端末400をさらに備える。端末400は、空気調和機100用のプログラムの更新の許可を受け付けた場合に、当該情報をサーバ300に送信する。サーバ300は、当該情報に基づいて、端末400に対応する空気調和機100に室外機10用および室内機30用のプログラムのすくなくともいずれかをアップデートさせる。
【0070】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0071】
1 :ネットワークシステム
10 :室外機
11 :筐体
12 :圧縮機
12a :吐出管
12b :吸入管
13 :四路切換弁
14 :室外熱交換器
15 :膨張弁
16 :室外ファン
17 :冷媒配管
18 :冷媒配管
19 :二方弁
20 :三方弁
21 :室外熱交換器温度センサ
22 :吐出温度センサ
23 :吸入温度センサ
24 :出口温度センサ
25 :外気温度センサ
29 :室外制御部
29A :室外制御基板
30 :室内機
31 :筐体
32 :室内熱交換器
32A :熱交換器
32B :熱交換器
32C :熱交換器
33 :室内ファン
34 :室内熱交換器温度センサ
35 :室内制御部
35A :室内制御基板
35B :通信制御基板
36 :赤外線受光部
37 :室内温度センサ
50 :リモートコントローラ
100 :空気調和機
102 :吸い込み口
103 :吹き出し口
104 :フィルタ
105 :縦ルーバ
142 :フィルタ清掃部
290 :マイクロコンピュータ
291 :CPU
292 :フラッシュメモリ
298 :シリアル通信インターフェース
300 :サーバ
310 :CPU
320 :メモリ
330 :ディスプレイ
340 :操作部
350 :マイクロコンピュータ
351 :CPU
352 :フラッシュメモリ
353 :RAM
355 :マイクロコンピュータ
356 :CPU
357 :フラッシュメモリ
358 :シリアル通信インターフェース
359 :WiFiアンテナ
360 :通信インターフェース
400 :スマートフォン
410 :CPU
420 :メモリ
430 :ディスプレイ
440 :操作部
460 :通信インターフェース
470 :スピーカ
480 :マイク
500 :モデム
600 :ルータ
2921 :コード領域
2922 :データ領域
3521 :コード領域
3522 :データ領域
3571 :コード領域
3572 :データ領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9