(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】閉止および快適なフィット感のためのレース締め付けシステムを具備するゴルフ靴
(51)【国際特許分類】
A43C 11/16 20060101AFI20241031BHJP
A43B 5/00 20220101ALI20241031BHJP
A43B 23/02 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A43C11/16
A43B5/00 303
A43B23/02 104
(21)【出願番号】P 2022105196
(22)【出願日】2022-06-30
【審査請求日】2023-07-26
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023593
【氏名又は名称】アクシュネット カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【氏名又は名称】山田 英治
(72)【発明者】
【氏名】ジャン=マリー ビダール
(72)【発明者】
【氏名】ポール オウ. ティーター
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-130321(JP,A)
【文献】国際公開第2015/181928(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0289595(US,A1)
【文献】特開2019-000213(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0352898(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0022427(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43C 11/00 - 11/24
A43B 5/00
A43B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ靴において、
アッパーと、
アウトソールと、
上記アッパーおよび上記アウトソールに接続されたミッドソールであって、当該アッパー、ミッドソールおよびアウトソールのそれぞれは前方足部領域、中央足部領域、および、後方足部領域、並びに外側サイドおよび内側サイドを具備する、上記ミッドソールと、
レース締め付けシステムであって、レースおよびレース締め付けアセンブリを有する上記レース締め付けシステムとを有し、
上記アッパーは、
足部を当該アッパーに挿入可能にするための甲部領域であって、舌革部材と、上記舌革部材の上に横たわ
るパワーシュラウドであって、上記アッパーの上記中央足部領域の上記内側サイドに接続される第1端および上記アッパーの上記中央足部領域の上記外側サイドの上側部分を覆う第2端、並びに、上記パワーシュラウドの外層および上記パワーシュラウドの内層の間に取り付けられて上記パワーシュラウドを堅固にする繊維強化複合材料ストリップを具備する
上記パワーシュラウドと、第1の上部レースガイドと、第2の上部レースガイドと、第1の下部レースガイドと、第2の下部レースガイドとを具備し、上記第1
の上部レースガイドおよび
上記第2の上部レースガイドは上記パワーシュラウドに取り付けられ、上記第1の下部レースガイドおよび上記第2の下部レースガイドは上記アッパーの上記外側サイドに取り付けられる、上記甲部領域と、
上記レースを収容するため
の外側レースチャネルであって、当該外側レースチャネルは上記アッパーの上記外側サイドに沿って上記後方足部領域
および上記甲部領域の間を延び
、上記レースは、
当該外側レースチャネルから外面に出て上記第1の上部レースガイド、上記第2の上部レースガイド、上記第1の下部レースガイド、および、上記第2の下部レースガイドを通じて延び当該レースが上記パワーシュラウドと上記第1の下部レースガイドおよび上記第2の下部レースガイドとの間にループを形成
し、もって、上記レースが締め付けられるときに、上記パワーシュラウドが上記アッパーの上記外側サイドへと引かれて上記
ゴルフ靴が上記足部のまわりで締め付けられる、上記外側レースチャネルとを有することを特徴とするゴルフ靴。
【請求項2】
上記パワーシュラウドは、少なくとも1つの窓開口部を有し、当該窓開口部は、当該窓開口部が中央足部領域を横切って延びるように、上記パワーシュラウド上で長手方向に延びる請求項1に記載のゴルフ靴。
【請求項3】
上記パワーシュラウドが前面および
背面を有し、上記繊維強化複合材料ストリップは、当該繊維強化複合材料ストリップが上記窓開口部を満たすように上記パワーシュラウドの上記背面に固定されている請求項2に記載のゴルフ靴。
【請求項4】
上記パワーシュラウドが少なくとも2つの窓開口部を有し、上記窓開口部の各々が上記窓開口部を満たす繊維強化複合材料ストリップを具備する請求項3に記載のゴルフ靴。
【請求項5】
上記窓開口部のうちの少なくとも1つの窓開口部が、上記パワーシュラウド上で長手方向に延びる2つの実質的に平行な開口部を備えた「H」形状を具備する請求項2に記載のゴルフ靴。
【請求項6】
上記パワーシュラウドが前面および背面を具備し、上記繊維強化複合材料ストリップが実質的に「H」形状を具備し、上記窓開口部を満たすように上記パワーシュラウドの上記背面に固定されている、請求項5に記載のゴルフ靴。
【請求項7】
少なくとも1つの窓開口部が
上記パワーシュラウドの上記外層に形成される請求項2に記載のゴルフ靴。
【請求項8】
上記繊維強化複合材料ストリップが上記窓開口部を満たすように配置されている請求項7に記載のゴルフ靴。
【請求項9】
上記パワーシュラウドが、当該パワーシュラウドの長さの少なくとも30%に沿って長手方向に延びる少なくとも1つの窓開口部を具備する請求項2に記載のゴルフ靴。
【請求項10】
上記パワーシュラウドが前面および背面を具備し、上記繊維強化複合材料ストリップが、上記窓開口部を満たし、上記パワーシュラウドの長さの少なくとも50%に沿って長手方向に延びるように上記パワーシュラウドの上記背面に固定されている請求項9に記載のゴルフ靴。
【請求項11】
上記繊維強化複合材料ストリップが炭素繊維を含む請求項1に記載のゴルフ靴。
【請求項12】
上記レースは、上記外側レースチャネルから上記第1の上部レースガイドへと通過し、つぎに、上記第2の下部レースガイドへと下方に通過し、つぎに上記第2の上部レースガイドへと上方に通過し、つぎに上記第1の下部レースガイドへと下方に通過する請求項1に記載のゴルフ靴。
【請求項13】
上記レースは上記第1の下部レースガイドから、上記パワーシュラウドに取り付けられた終端プレートへと通過する請求項12に記載のゴルフ靴。
【請求項14】
上記レースは、上記
外側レースチャネルから上記終端プレートへと通過するときに、2つの十字交差ゾーンにおいてそれ自体と交差する請求項13に記載のゴルフ靴。
【請求項15】
上記レースはアイレットガイドを通じて上記
外側レースチャネルから上記第1の上部レースガイドへと通過する請求項12に記載のゴルフ靴。
【請求項16】
上記レース締め付けアセンブリは上記アッパーの上記後方足部領域に実装される請求項15に記載のゴルフ靴。
【請求項17】
上記レースは金属材料または繊維材料から製造される請求項1に記載のゴルフ靴。
【請求項18】
上記レースガイドは繊維材料から製造され上記パワーシュラウドおよび上記アッパーに縫い付けによって取り付けられる請求項1に記載のゴルフ靴。
【請求項19】
上記レースガイドは、上記レースが締め付けられるときに、下方に方向づけられた力が上記パワーシュラウドに加わるように、角度をもって配位付けされる請求項18に記載のゴルフ靴。
【請求項20】
上記繊維強化複合材料ストリップは上記アッパーの上記中央足部領域の上記内側サイドから上記ゴルフ靴の中央線を横切って上記アッパーの上記外側サイドの上を延びるように構成される請求項1に記載のゴルフ靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般に靴(シューズ)、より具体的にはレース(靴ひも)締め付けシステムを有するゴルフ靴に関する。靴のアッパーは、隙間で区切られた種々のレースガイドを含む。レースはこれらのガイドに通されており、靴に取り付けられた回転式ダイヤルでレースを締めたり緩めたりすることができる。レース締めシステムを使用して、足の甲部(インステップ)領域を閉じて靴を固定し、快適なフィット感を提供できる。ミッドソールは靴にクッションを提供する。アウトソールは、好ましくは、良好な安定性と地面との接触を提供するために、複数の牽引部材を含む。
【背景技術】
【0002】
プロゴルファーとアマチュアゴルファーの両方が、今日、特別に設計されたゴルフ靴を使用している。通常、ゴルフ靴は、アッパー部分とアウトソール部分と、アッパーをアウトソールに接続するミッドソールとを含む。アッパーは、ユーザーの足を挿入するための伝統的な形状を備えているため、靴中の足を覆って保護する。アッパーは、足の輪郭に快適にフィットするように設計されている。ミッドソールは比較的軽量で、靴にクッション性を提供する。アウトソールは、ゴルファーに安定性とトラクションを提供するように設計されている。アウトソールの底面は、地面との接触および地面への侵入によって地面に係合するように設計されたスパイクまたはクリートを含んで良い。これらの要素は、ゴルファーが歩いたりコースをプレーしたりするときに、足の安定性とトラクションを向上させるのに役立つ。
【0003】
ゴルフ靴メーカーは、典型的なレース結束システムを備えた甲部を含むアッパーを備えた靴を開発した。レースは、足を挿入するための甲部の口部の開口部のサイズを制御するために使用される。このような従来の靴では、レースは靴のアッパーの反対側にある一連のアイレットに通されている。レースは、靴の舌革の上にジグザグパターンでアイレットに通されている。ゴルファーが足を甲部に挿入し、レースを引っ張って「靴を結ぶ」と、アイレットが一緒に引っ張られ、甲部の領域が閉じる。
【0004】
近年、運動靴メーカーは、特許文献に記載されているように、従来のレースを使用しないレース締め付けシステムを開発した。例えば、米国特許第5,511,325号(Hieblinger)は、上部踵に配置された中央回転クロージャと、中央ロータリークロージャから靴の各側に向かって延びる締め付けセクションを有する少なくとも1つの締め付け要素とを有する運動靴を開示している。締め付けセクションは、各締め付けセクションまたはカップリング要素から甲部を越えて、および/またはアーチによって他の締め付けセクションまたは結合要素に延びる少なくとも1つのストラップを備えた結合要素によって結合される。
【0005】
米国特許第9,375,052号(Krueger)は、ギャップによって分離された甲部領域に2つの隣接配置された張力セクションを有するアッパー靴部分にソールを接続させたスポーツシューズを開示している。レーシングシステムは、一方の張力セクションを他方のセクションに対して引っ張ることによって着用者の足元で靴をレース処理できるように配置されている。レーシングシステムは、靴の舌革に取り付けられた回転式中央閉止システムを含む。Krueger'052特許によると、ランニングシューズはこのレーシングシステムで作ることができる。ゴルフ用途の場合、Krueger'052特許は、張力要素の実行に関して、左右の靴を異なる方法で設計できることを開示している。
【0006】
米国特許第9,462、851号(Baker等)は、アッパーとソールプレートとの間に配置されたケーブルを有する靴を開示している。アッパーは、柔軟な本体と、甲部の柔軟な本体の一部を覆う外骨格とを含む。ケーブルは外骨格に取り付けられているため、ケーブルの張力が増加すると、外骨格は着用者の足に締め付けられる。Baker'851特許によると、ケーブル張力システムはサッカーやフットボールのクリートなどの芝靴に、とくに適している。Baker'851特許は、ランニングシューズ、テニスシューズ、クロストレーニングシューズ、ウォーキングシューズ、ハイキングブーツも開示しています。
【0007】
米国特許第9,491,983号(Rushbrook)は、ソール構造を通って長手方向に延びるギャップを備えたソール構造を有する靴を開示している。張力部材は、ソール構造を通ってギャップを横切って延び、もって、張力部材を引っ張ることがギャップを収縮させ、ソール構造の反対側を一緒に引っ張る。ソール構造が収縮すると、アッパーが足に引き下げられ、足の周りでアッパーが締められる。Rushbrook'983特許は、ハイキングブーツ、サッカーシューズ、サッカーシューズ、スニーカー、ランニングシューズ、クロストレーニングシューズ、ラグビーシューズ、バスケットボールシューズ、野球シューズなどの適切な靴を開示している。
【0008】
足の輪郭の周りの甲部を閉じて快適なフィット感を提供するために使用することができるレース締め付けシステムを有する改良されたゴルフ靴が依然として必要とされている。レース締めシステムは、快適で滑らかなフィット感を提供しながら、靴に足を固定できる必要がある。また、レースの締め付けシステムは、すべてのゴルファーにとって快適でなければならない。一部のゴルファーは、靴にぴったりとフィットすることを好む。これらのゴルファーは、足の輪郭に非常にぴったり合う靴を望む。他のゴルファーは、足が靴の中でより簡単に動くことができるように、より緩いフィット感を好む。どちらの場合も、ゴルファーは快適で滑らかなフィット感を備えた安定した靴を望んでいる。靴は、ゴルフショットを行うときに体重を移動するときに、ゴルファーの足の内側(medial)と外側(lateral)、および、踵領域を保持およびサポートする必要がある。靴は、滑りがなく、ゴルファーがクラブを振るときにバランスを保つことができるように、良好な安定性を提供する必要がある。
【0009】
また、いくつかの従来のゴルフ靴の1つの欠点は、これらの靴がゴルファーに良好な安定性および牽引力を提供するのに役立つ可能性があるけれども、靴の柔軟性が失われることである。いくつかの伝統的なゴルフ靴は比較的硬いーそれらは堅いプラットフォームを提供するけれども、ゴルファーに必要な柔軟性を提供しない。以下でさらに説明するように、ゴルファーがクラブを振って自分の足部に体重を移すと、足部に大きな力がかかる。靴は、ゴルファーがスイングをするときに安定したプラットフォームを提供する必要があるけれども、足部もある程度曲がることができる必要があります。ゴルファーは、側部が靴の中で快適に感じることを必要とする。
【0010】
この発明の靴は、靴の中でゴルファーの足部を保持および支持するのを支援するレース締め付けシステムを備えた独特のアッパー構造を具備る。靴は、足部を靴の中にしっかりと保持し、ゴルファーに安定したプラットフォームを提供するのに役立つ閉止システムを具備する。同時に、閉止システムはゴルファーに快適なフィット感を提供する。靴は履きやすく自然である。靴はゴルファーに高い構造的サポートとトラクションを提供するけれども、それでも履きやすく自然である。靴は足部を曲げたり、必要に応じて動かしたりすることができる。靴は、快適さ、柔軟性、およびその他のゴルフパフォーマンス特性を犠牲にすることなく、安定性とパワーを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許第5,511,325号明細書
【文献】米国特許第9,375,052号明細書
【文献】米国特許第9,462,851号明細書
【文献】米国特許第9,491,983号明細書
【発明の概要】
【0012】
この発明は種々のレース締め付けシステムを具備するゴルフ靴を提供する。このゴルフ靴は、アッパー、アウトソール、および、上記アッパーおよび上記アウトソールに接続されたミッドソールを有し、ここで、当該アッパー、ミッドソールおよびアウトソールのそれぞれは前方足部領域、中央足部領域、および、後方足部領域、並びに外側サイドおよび内側サイドを具備する。この靴は、さらに、レース締め付けシステムを有し、このレース締め付けシステムは、レースおよびレース締め付けアセンブリを有する。1実施例において、上記アッパーは、さらに、足部を当該アッパーに挿入可能にするための甲部領域であって、舌革部材と、上記舌革部材の上に横たわるパワーシュラウド(おおい)と、上記アッパーの上記外側サイドに沿って上方に延びる下部チップとを有する。そこには、また、第1の上部レースガイドと、第2の上部レースガイドと、第1の下部レースガイドと、第2の下部レースガイドとがある。上記第1および第2の上部レースガイドは上記パワーシュラウドに取り付けられ、上記第1および第2の下部レースガイドは上記下部チップに取り付けられる。上記アッパーは、さらに、上記レースを収容するために上記アッパーの上記外側サイドに沿って上記後方足部領域から延びる外側レースチャネルを有する。上記レースは、当該レースが上記パワーシュラウドおよび上記下部チップの間にループを形成するように、上記チャネルから外面に出て、好ましくはアイレットガイドを通じで出て、さらに、上記レースガイドを通じて通過すうる。これによって、上記レースが締め付けられるときに、上記パワーシュラウドが上記下部チップへと引かれて上記靴が上記足部のまわりで締め付けられる。
【0013】
1つの経路において、上記レースは、上記外側レースチャネルから上記第1の上部レースガイドへと通過し、つぎに、上記第2の下部レースガイドへと下方に通過し、つぎに上記第2の上部レースガイドへと上方に通過し、つぎに上記第1の下部レースガイドへと下方に通過して良い。つぎに、上記レースは上記第1の下部レースガイドから、上記パワーシュラウドに取り付けられた終端プレートへと通過して良い。一例において、上記レースは、上記レースチャネルから上記終端プレートへと通過するときに、2つの十字交差ゾーンにおいてそれ自体と交差する。
【0014】
一例において、上記レース締め付けアセンブリは回転ダイヤルを有し、これが内側に押されて上記締め付けアセンブリと係合し、時計回り方向に回転されて上記レースを締め付け、反時計回り方向に回転されて上記レースを緩める。上記レース締め付けアセンブリは、さらに、上記レースを巻き込み、また巻き外すためのスプールと、上記レースを所定位置にロックするロック機構とを有して良い。一例において、上記ダイヤルを外側に引いて上記ロック機構を開放して良い。上記レース締め付けアセンブリは上記アッパーの後方足部(踵)領域または上記アッパーの他の領域に取り付けられて良い。上記レースは金属材料または繊維材料から製造されて良い。上記レースガイドは繊維材料から製造され上記パワーシュラウドおよび上記下部チップに縫い付け、その他の取り付け手段によって取り付けられて良い。上記上部および下部レースガイドは、実質的に相互に対して並行であり、上記レースが締め付けられるときに、下方に方向づけられた力が上記パワーシュラウドに加わるように、角度をもって配位付けされる。
【0015】
他の実施例において、上記アッパーは、足部を当該アッパーに挿入可能にするための甲部領域を有し、この甲部領域は、舌革部材と、上記舌革部材の上に横たわるパワーシュラウドと、上記アッパーの上記外側サイドに沿って上方に延びる下部チップとを有する。上記アッパーは、さらに、第1の上部レースガイドと、第2の上部レースガイドと、第3の上部レースガイドと、第1の下部レースガイドと、第2の下部レースガイドとを有する。上記第1および第2の上部レースガイドは上記パワーシュラウドの側部エッジに取り付けられ、上記第3の上部レースガイドは上記パワーシュラウドの上部エッジに取り付けられ、上記第1および第2の下部レースガイドは上記下部チップに取り付けられる。
【0016】
外側レースチャネルは、上記アッパーの上記外側サイドに沿って上記後方足部領域から延び、内側レースチャネルは、上記アッパーの上記内側サイドに沿って上記後方足部領域から延びる。これらチャネルは上記レースを収容するように適合化され、上記レースは上記外側チャネルから外面へ出て上記上部および下部レースガイドを通じて、かつ、上記第3の上部レースガイドを通じて、上記内側チャネル内へと通過する。したがって、上記レースは連続的なループを形成し、もって、当該レースが上記アッパーの上記外側および内側サイドに沿って、かつ上記甲部領域の周りを延びる。上記レースが締め付けられるときに、上記パワーシュラウドが上記下部チップへと引かれて上記靴が上記足部のまわりで締め付けられる。1つの経路において、上記レースが上記外側レースチャネルから上記第1の上部レースガイドへと通過し、つぎに、上記第2の下部レースガイドへと下方に通過し、つぎに、上記第2の上部レースガイドへと上方に通過し、つぎに、上記第1の下部レースガイドへと下方に通過し、つぎに、上記第3の上部レースガイドへと上方に通過し、つぎに、上記内側レースチャネル中へと通過する。一例において、上記レースは、2つの十字交差ゾーンにおいてそれ自体と交差する。
【0017】
さらに他の実施例において、上記アッパーは、足部を当該アッパーに挿入可能にするための甲部領域を有し、この甲部領域は、舌革部材と、上記舌革部材の上に横たわるパワーシュラウドと、上記アッパーの上記外側サイドに沿って上方に延びる下部チップとを具備する。また、第1の上部レースガイドと、第2の上部レースガイドと、第3の上部レースガイドと、第1の下部レースガイドと、第2の下部レースガイドとがある。上記第1および第2の上部レースガイドは上記パワーシュラウドの側部エッジに取り付けられ、上記第3の上部レースガイドは上記パワーシュラウドの上部エッジに取り付けられる。上記第1および第2の下部レースガイドは上記下部チップに取り付けられる。
【0018】
上記アッパーは、さらに、上記アッパーの上記外側サイドに沿って上記後方足部領域から延びる外側レースチャネル、および、上記アッパーの上記内側サイドに沿って上記後方足部領域から延びる内側レースチャネルを有する。これらチャネルは上記レースを収容するように適合化され、上記レースは上記外側チャネルから外面へ出て上記上部および下部レースガイドを通じて、かつ上記第3の上部レースガイドを通じて上記内側チャネル内へと通過する。上記レースは連続的なループを形成し、もって、当該レースが上記アッパーの上記外側および内側サイドに沿って、かつ上記甲部領域の周りを延びるようにする。上記レースが締め付けられるときに、上記パワーシュラウドが上記下部チップへと引かれて上記靴が上記足部のまわりで締め付けられる。
【0019】
一例において、上記アッパーに横たわる骨格フレームがあり、これが、上記ミッドソールから上方に延びる複数のリブ部材を有し、当該リブが一緒に結合されて開口を形成し、A-フレーム形状構造を形成する。上記骨格フレームは、上記アッパーの上記外側サイドおよび上記内側サイドの上を延びて、上記アッパーの上記外側サイドおよび上記内側サイドの上にA-フレーム形状構造を形成す。上記骨格フレームは、好ましくは、熱可塑性ポリウレタン材料から製造される。
【0020】
さらに、他の実施例において、靴は、第1のレース締め付けシステムであって、第1のレースおよび第1のレース締め付けアセンブリを有する上記第1のレース締め付けシステムと、第2のレース締め付けシステムであって、第2のレースおよび第2のレース締め付けアセンブリを有する上記第2のレース締め付けシステムとを含む。上記アッパーは、足部を当該アッパーに挿入可能にするための甲部領域を有し、この甲部領域は、舌革部材と、上記アッパーの上記内側サイドから延びて上記舌革部材の上に横たわる第1のパワーシュラウドと、上記アッパーの上記外側サイドから延びて上記舌革部材の上に横たわる第1のパワーシュラウドとを具備する。また、第1の上部レースガイドと、第2の上部レースガイドと、第1の下部レースガイドとがある。上記第1の上部レースガイドは上記第1のパワーシュラウドに取り付けられ、上記第2の上部レースガイドは上記第2のパワーシュラウドに取り付けられ、上記第1の下部レースガイドは上記アッパーの上記内側サイドに取り付けられる。
【0021】
上記第1のレースは上記第1のレース締め付けシステムから延びて上記第1の上部レースガイドを通じて通過して、もって、上記第1のレースが締め付けられるときに、上記第1のパワーシュラウドが上記アッパーの上記外側サイドに向かって引っ張られる。他方、上記第2のレースは上記第2のレース締め付けシステムから延びて上記第2の上部レースガイドを通じて、かつ、上記第1の下部レースガイドを通じて通過して、もって、上記レースが締め付けられるときに、上記第2のパワーシュラウドが上記アッパーの上記内側サイドに向かって引っ張られる。このようにして、上記靴が上記足部のまわりで締め付けられる。
【0022】
一例において、上記第1のレース締め付けアセンブリは上記アッパーの上記外側サイドに取り付けられ、上記第2のレース締め付けアセンブリは上記後方足部(踵)領域に取り付けられる。両レース締め付けアセンブリは回転ダイヤルを有して良く、これらダイヤルは、内側に押されて上記締め付けアセンブリと係合して良い。これらダイヤルは、時計回り方向に回転されて上記第1および第2のレースを締め付け、反時計回り方向に回転されて上記第1及び第2のレースを緩めて良い。これらレース締め付けアセンブリは、さらに、上記レースを巻き込み、また巻き外すためのスプールと、上記第1および第2のレースを所定位置にロックするロック機構とを有して良い。一例において、上記ダイヤルを外側に引いて上記ロック機構を開放して良い。一例において、上記アッパーは、さらに、上記第2のレースを収容するために上記アッパーの上記外側サイドに沿って上記後方足部領域から延びるレースチャネルを有し、上記第2のレースは上記チャネルから外面に出て通過し、上記第2のパワーシュラウドに取り付けられた上記第2の上部レースガイドを通じて通過する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
この発明を特徴づける新規の技術は、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、この発明の好ましい実施例は、さらなる目的および付随する利点とともに、添付の図面に関連して以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解される。
【0024】
【
図1】この発明のゴルフ靴の一例の外側(lateral)側面図であり、アッパー部分を詳細に示している。
【
図3】
図1に示されるゴルフ靴の内側(medial)側面図である。
【
図4】
図1に示すゴルフ靴の底面図であり、アウトソール部分を詳細に示す。
【
図5】この発明のゴルフ靴の第2の例の外側側面図であり、アッパー部分を詳細に示している。
【
図8】
図5に示すゴルフ靴の第2の外側側面図である。
【
図9】この発明のゴルフ靴の第3の例の外側側面図であり、アッパー部分を詳細に示している。
【
図10】
図9に示されるゴルフ靴の内側側面図である。
【
図11】この発明のゴルフ靴の第4の例の外側側面図であり、アッパー部分を詳細に示している。
【
図13】この発明のゴルフ靴の第5の例の外側側面図であり、アッパー部分を詳細に示している。
【
図16】
図13に示されるゴルフ靴の第2の外側側面図である。
【
図17】この発明のゴルフ靴の第5の例の外側側面図であり、アッパー部分を詳細に示している。
【
図18】この発明のゴルフ靴の第6の例の外側側面図であり、アッパー部分を詳細に示している。
【
図22】この発明のゴルフ靴の第7の例の外側側面図であり、アッパー部分を詳細に示している。
【
図25】
図22に示されるゴルフ靴の第2の外側側面図である。
【
図26】この発明のゴルフ靴の第8の例の外側側面図であり、アッパー部分詳細に示している。
【
図29】
図26に示されるゴルフ靴の第2の外側側面図である。
【
図30】この発明のゴルフ靴の第9の例の外側側面図であり、アッパー部分を詳細に示している。
【
図33】
図30に示されるゴルフ靴の第2の外側側面図である。
【
図34】この発明のゴルフ靴の第10の例の外側側面図であり、アッパー部分を詳細に示している。
【
図37】
図34に示されるゴルフ靴の第2の外側側面図である。
【
図38】この発明のゴルフ靴の第11の例の外側側面図であり、アッパー部分を詳細に示している。
【
図41】
図38に示されるゴルフ靴の第2の外側側面図である。
【
図42】この発明のゴルフ靴の第12の例の外側側面図であり、アッパー部分を詳細に示している。
【
図46】この発明のゴルフ靴の第13の例の外側側面図であり、アッパー部分を詳細に示している。
【
図47】この発明の他の実施例に従うゴルフ靴の平面図である。
【
図50】この発明の他の実施例に従うゴルフ靴の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図を参照すると、同様の参照番号が同様の要素を示すために使用され、とくに
図1を参照すると、この発明のゴルフ靴(10)の一実施例が示されている。靴(10)は、アッパー(12)の部分およびアウトソール(16)の部分を含み、さらに、アッパー(12)をアウトソール(16)に接続するミッドソール(14)を伴う。図に示されているビューは右足部の靴のものであり、左側部の靴のコンポーネントは右足部の靴の鏡像であることが理解される。靴は様々なサイズで製造することができ、したがって靴の構成要素のサイズは靴のサイズに応じて調整できることも理解されたい。
【0026】
[構造]
アッパー(12)は伝統的な形状であり、例えば、天然皮革、合成皮革、ニット、不織布、天然繊維、合成繊維などの標準的なアッパー材料から作られている。例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ゴム、発泡体、およびそれらの組み合わせから作られた通気性、メッシュ、および合成繊維織物を使用することができる。アッパーの構成に使用される素材は、通気性、耐久性、柔軟性、快適さなどの望ましい特性に基づいて選択される。1つの好ましい例では、アッパー(12)はメッシュ材料でできている。アッパーの素材は、アッパーの構造を形成するために一緒にステッチまたは結合されている。
図1~3を参照すると、アッパー(12)は、一般に、足を挿入するためのスロート開口部(20)を備えた甲部領域(18)を含む。アッパーには、足の前部を覆うためのヴァンプ(19)と舌革部材(22)が含まれている。甲部領域は、舌革部材(22)を覆うパワーシュラウドまたはシールド(24)を含む。アッパー(12)は、甲部領域(18)の後部領域から延びるフォックス(26)およびオプションのギルストリップ(28)を含み得る。レース(30)は、足の輪郭の周りで靴を締めるために使用される。レースを所定の位置に締め付けてロックし、レース(30)を緩めるための種々のレース締め付けシステムについて、以下でさらに説明する。
図1~3に示される上述のアッパー(12)は、この発明の靴構造に使用できるアッパーの一例に過ぎず、この発明の精神および範囲から逸脱することなく他のアッパーを使用することができることを理解されたい。
【0027】
ミッドソール(14)は比較的軽量で、靴にクッション性を提供します。ミッドソール(14)は、例えば、発泡エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)またはポリウレタンなどの標準的なミッドソール材料から作製することができる。1つの製造プロセスにおいて、ミッドソール(14)は、アウトソール上およびその周囲に成形される。代替的には、ミッドソール(14)は、別個の部品として成形され、次いで、当技術分野で知られている標準的な技術を使用して、ステッチング、接着剤、または他の適切な固定手段によってアウトソール(16)の頂部表面(図示せず)に接合されて良い。例えば、ミッドソール(14)は、熱プレスされ、アウトソール(16)の上面に接着されて良い。
図1~3に示される上述のミッドソール(14)は、この発明の靴構造に使用できるミッドソールの一例に過ぎず、この発明の精神および範囲から逸脱することなく他のミッドソールを使用することができることに留意されたい。
【0028】
一般的には、アウトソール(16)は、靴に安定性と牽引力を提供するように設計されている。
図4を参照すると、アウトソール(16)の底面は、コース上の靴と草との間の牽引を提供するのを助けるために、複数の牽引部材(32)を含む。アウトソール(16)および牽引部材(32)の底面は、ゴムまたはプラスチック、ならびにそれらの組み合わせなどの任意の適切な材料で作ることができる。ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタンなどの熱可塑性プラスチックを使用できる。
【0029】
アウトソール(16)の底面は、ゴルフプレー中に地面に接触するように構成されている。ゴルフ靴は、好ましくは、アウトソールの底面から突出する様々な形状の牽引突起を含む。牽引突起(32)は、様々な形状およびサイズにすることができる。牽引部材(32)は、長方形、三角形、正方形、球形、星形、ひし形、ピラミッド、矢印、棒、または円錐形を含むがこれらに限定されない任意の適切な形状であって良い。また、牽引部材(32)の高さおよび面積は、同じであっても異なっていてもよい。牽引部材(32)は、地面と係合し、地面との接触面積を増加させるように設計されている。これは、ゴルファーがコースを歩き、ラウンドをプレーするときに、芝での足のトラクションを向上させるのに役立つ。
図4に示される上述のアウトソール(16)は、この発明の靴構造に使用できるアウトソールの一例のみを表し、他のアウトソール設計は、この発明の精神および範囲から逸脱することなく使用することができることを留意されたい。
【0030】
図4にさらに示されるように、アウトソール(16)の底面は、スパイクまたはクリート(34)をさらに含んで良い。取り付けられたクリートは、靴と地面の間に追加の牽引力を提供する。そのようなスパイクまたはクリート(34)が存在する場合、それらはアウトソール(16)のソケット(レセプタクル)(35)に解放可能に固定されることが好ましい。アウトソール(16)は、アウトソールに沿って横方向に延びる屈曲チャネル(36)をさらに含んで良い。
図4に示すアウトソール(16)の構造および機能性は、以下でさらに詳細に説明される。
【0031】
基本的に、足部の解剖学的構造は、3つの骨の領域に分割することができる。後足領域には通常、足首(距骨)と踵(踵骨)の骨が含まれます。足の中央部は、足の縦アーチを形成する立方骨、楔形文字骨、および舟状骨を含む。前足部には中足骨とつま先が含まれます。アウトソール(16)は、一般に、着用者の中足骨の下に配置される中足骨(前足)部分(21)、一般に着用者の足のアーチの下に配置されるアーチ(中足)部分(23)、および、一般的に着用者の踵骨の下に配置され踵骨(後足)部分(25)を含む。アウトソール(16)は、頂部(上面)表面(図示せず)と底部(下側)表面(27)を具備する。ミッドソール(14)はアウトソール(16)の上面に接合される。
【0032】
[アッパー]
図1に戻って参照すると、アッパー(12)の部分は、一般的には、足を挿入するためのスロート開口部(20)を備えた甲部領域(18)を含む。甲部領域(18)は、舌革部材(22)、およびアッパーの内側縁または側部(38)から延在し、舌革部材(22)を覆うパワーシュラウド(24)を含む。パワーシュラウド(24)は、以下でさらに説明するように、レース(30)がレース締め付けシステム(60)を介して締め付けられるときに、甲部領域(18)を越えて側面(41)に向かって引っ張られる。下部チップ(40)は、アッパー(12)の部分の外側縁(42)から上向きに伸びている。
図2~3に示されるように、この例では、パワーシュラウド(24)はY字型の構造をしている。しかしながら、パワーシュラウド(24)および下部チップ(40)は、他の適切な形状であってよいことに留意されたい。
図1~3において、アッパー(12)はリブ(13)を備えたエンジニアリングメッシュ素材でできており、パワーシュラウド(24)にはマッチングリブ(15)も含まれており、審美的に快適なラインとファッショナブルな設計のアッパー(12)を提供する。下部チップ(40)は、任意の適切な材料、例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU)で作ることができる。パワーシュラウド(24)は、また、i)第1の上部レースガイド(44)、およびii)第2の上部レースガイド(46)を含む。下部チップ(40)は、また、第1の下部レースガイド(48)、および第2の下部レースガイド(50)を含む。
【0033】
アッパー(12)は、アッパーの外側サイドに沿って延びる外側レースチャネル(52)をさらに含む。レース(30)は、踵領域(17)のレース締め付けアセンブリ(60)から甲部領域(18)まで延びるように、チャネル(52)に配置されている。レース(30)は、例えば、金属、繊維などの当技術分野で知られている任意の材料で作ることができる。例えば、レース(30)は、糸、コード、ロープ、ひも、繊維、フィラメント、ストランド、布、ウェビングまたは他の繊維材料で作ることができる。ポリアミド(ナイロン)、Kevlar(商標)繊維などのアラミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを使用してレースを作ることができる(30)。他の実施例において、レース(30)は、金属、ガラス、炭素繊維、炭素繊維複合材料、または金属ワイヤまたはケーブルなどの金属材料から作製することができる。ステンレス製のレース(30)が使用できる。好ましくは、レース(30)は、耐摩耗性、耐久性のある材料でできている。材料の組み合わせも使用できる。たとえば、レース(30)は、ステンレス鋼、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリプロピレン、および/またはポリエチレンで作ることができる。レース(30)を作るために使用できる他の材料は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)繊維から構築された積層布であるDyneema(tm)複合布を含む。モノフィラメント、繊維、およびフィルムも、レース(30)を形成するために使用できる。
【0034】
レース(30)は、アイレットガイド(54)を通って踵領域(17)まで延在し、ここで、レース締め付けアセンブリ(60)が好ましくは取り付けられる。レース(30)が締められると、パワーシュラウド(24)が下向きに引っ張られ、それが少なくとも部分的に甲部領域(18)を覆うようになる。好ましくは、パワーシュラウド(24)が締められると、それは甲部領域(18)全体を覆う。このようにして、靴(10)は、足の周りにしっかりと快適に取り付けられる。レースガイドを通して引っ張られるときのレース(30)の締め付け、およびパワーシュラウド(24)およびシュー(10)に加えられる力は、以下でさらに説明される。
【0035】
[レースガイド]
図1~2に示されるように、パワーシュラウド(24)に取り付けられている第1の上部レースガイド(44)が角度を付けられた位置に向けられている。第1の上部レースガイド(44)は、縫い目、接着剤、または他の適切な固定手段によってパワーシュラウド(24)に取り付けることができる。レース(30)は、踵領域(以下でさらに説明する)のレース締め付けアセンブリ(60)から延在し、トランペットまたはアイレットガイド(54)を出る。次に、レース(30)は、入口点で第1の上部レースガイド(44)に入り、出口点でレースガイド(44)を出る。したがって、レースガイド(44)は、靴の上部の周りのレース(30)の経路を導くのに役立つ。
【0036】
レース(30)は、出口点で第1の上部レースガイド(44)を出た後、下向きに通過し、入口点で第2の下部レースガイド(50)に入る。レースは、第2の下部レースガイド(50)を通って移動し、次に出口点でレースガイド(50)を出る。第2の下部レースガイド(50)を出た後、レースは第2の上部レースガイド(46)に上向きにねじ込まれ、そこで入口点でガイド(46)に入る。次に、レース(30)は、第2の上部レースガイド(46)を通って移動し、出口点でレースガイド(46)を出る。次に、レース(30)は下向きに通過し、入口点で第1の下部レースガイド(48)に入るときに初めてそれ自体を横切る。
図1に示すように。
図1に示されるように、この領域は、第1の十字交差ゾーン(「X」)と呼ばれることができる。レース(30)は、第1の下部レースガイド(48)を通って移動し、次に出口点でこのレースガイド(48)を出る。次に、レース(30)は上向きに伸び、その経路がパワーシュラウド(24)に取り付けられた終端プレート(56)で終わるまで、再びそれ自体を横切る。この領域は、2番目の十字交差ゾーン(「Y」)と呼ばれる。レースガイドと終端プレートは、しっかりと織られた繊維、成形プラスチック、金属、または張力下で順応するように設計された他の適切な材料で作ることができる。
【0037】
十字交差レース(30)は、上部および下部レースガイドとスライド可能に係合し、パワーシュラウド(24)と下部チップ(40)との間に位置するギャップ(57)と交差し、それにより、パワーシュラウド(24)をそこに保持する。レース(30)がレース締め付けアセンブリ(60)を介して締め付けられると、パワーシュラウド(24)は、矢印Aによって表されるように下方向に引っ張られる。角度のある力がパワーシュラウド(24)に加えられて、シュラウド(24)を矢印Aの方向に下向きに引っ張る。レースガイドの摩擦が低いため、レース(30)をガイドからスムーズ、かつ、しっかりと引っ張ることができる。レースガイドの入口と出口の間の長さとレースの経路(30)については、以下でさらに説明する。
【0038】
異なる実施例では、パワーシュラウド(24)の長さは変化して良い。例えば、いくつかの実施例において、パワーシュラウド(24)の長さ(L1)は、約0.5から約2.5インチの範囲であって良い。一例では、パワーシュラウドの長さ(L1)は約1.25インチである。一般に、パワーシュラウド(24)は、通常、靴アッパー(12)の表面積の約10%から約80%を覆う。
【0039】
パワーシュラウド(24)の幅も、また、変化して良い。例えば、いくつかの実施例において、パワーシュラウド(24)の幅(W1)は、約0.50から約2.50インチの範囲にあって良い。一例において、パワーシュラウドの幅(W1)は約1.75インチである。パワーシュラウド(24)の幅は、甲部領域(18)の舌革部材の幅よりも大きくする必要がある。このようにして、パワーシュラウド(24)は、舌革部材(22)を横切って横方向に延びる。
【0040】
パワーシュラウド(24)に加えられる角度のある力は、また、レースガイドの長さおよび位置に依存するであろう。
図1~において、レースガイドは角度を付けた位置で示されている。上部レースガイド(44、46)は、下部レースガイド(48、50)と実質的に平行である。先に検討したように、レース(30)は、入口点で所与のレースガイドに入り、出口点でレースガイドを出る。レースガイドの入口と出口の間の長さは可変であって良い。レースガイドは、しっかりと織られた繊維、成形プラスチック、金属、または、張力下で順応するように設計された他の適切な材料で作ることができる。通常、レースガイドの長さは約5~約50mmの範囲である。一例では、レースガイドの長さは約20mmである。
【0041】
パワーシュラウド(24)に加えられる角度のある力は、また、レースガイド間のギャップに依存するであろう。先に検討したように、レース(30)は、出口点で第1の上部レースガイド(44)を出た後、第2の下部レースガイド(50)に入り、次に第2の下部レースガイドを出る。第1の上部レースガイド(44)と第2の下部レースガイド(50)との間のギャップ(Ga1)は、一般に、約0.100から約2.00インチの範囲であり、好ましくは約0.125から約1.750インチの範囲である。
【0042】
第2の下部レースガイド(50)を出た後、レース(30)は第2の上部レースガイド(46)に入る。第2の下部レースガイド(50)と第2の上部レースガイド(46)との間のギャップ(Ga2)は、一般に、約0.100から約2.00インチの範囲であり、好ましくは、約0.125から約1.750インチの範囲である。次に、レース(30)はそれ自体を横切り、入口点で第1の下部レースガイド(48)に入る。第2の上部レースガイド(46)と第1の下部レースガイド(48)との間のギャップ(Ga3)は、約0.100から約2.00インチ、好ましくは約0.125から約1.750インチの範囲であって良い。次に、レース(30)は、第1の下部レースガイド(48)を出る。もう一度自分自身を横切る。そして、パワーシュラウド(24)に取り付けられた終端プレート(56)で愁嘆する。第1の下部レースガイド(48)と終端プレート(56)との間のギャップ(Ga4)は、約0.100から約2.00インチ、好ましくは約0.125から約1.750インチの範囲であって良い。
【0043】
[チャネル]
図1および
図2を参照すると、上で論じたように、アッパー(12)は、踵領域(17)から甲部領域(18)まで横方向に延びる外側レースチャネル(52)を含む。レース(30)は、チャネル(52)内に配置され、チャネルを出るときに、パワーシュラウド(24)と下部チップ(接続部品)(40)との間にループを形成する。外側レースチャネル(52)は、チャネル(52)内の経路を通してレース(30)を保持および誘導するためのプラスチックチューブ(図示せず)を含む。レース(30)は、アイレットガイド(54)を通ってレースチャネル(52)を出る。
【0044】
[レース締め付けシステム]
この発明に従い、任意の適切なレース締め付けアセンブリ(60)を使用することができる。適切なレース締め付けシステムの例は、Boa Technology、Inc.(コロラド州、デンバー、CO 80216);FITGO Technology Co.、Ltd.、Technology Part GuShu Industrial BaoAn、深セン地区、中国;ATOPレーシングシステム、Yu Chen PlasticEnt. Co. Ltd.、台中、台湾;およびQUICKFIT Lacing Systems、Click Medical(コララド州、スティームボート・スプリング、CO 80487)から入手可能なシステムが含まれるけれども、これらに限定されない。他のレース締め付けシステムも、また、この発明に従って使用されて良い。スプール(リール)システムは特許文献に記載されており、そのようなシステムはこの発明に従って使用することができる。例えば、そのようなスプール締め付けシステムは、米国特許第7,591,050号(Hammerslag)、および、米国特許第6,289,558号(Hammerslag)に開示されており、これらの開示は、参照によりここに組み込まれる。レース締め付けアセンブリ(60)は、踵領域のどこにでも配置することができ、好ましくは、
図1に示すように、踵領域の中央の靴アッパー(12)に取り付けられる。他の実施例において、レース締め付けアセンブリ(60)は、舌革部材上に配置することができる。さらに他の実施例において、アセンブリ(60)は、靴アッパー(12)上の遠隔領域に配置することができる。
図1は、ハウジング(図示せず)内に配置されたスプール(図示せず)を覆う回転式ダイヤル(62)を含むことができるレース締め付けアセンブリ(60)の一実施例を示す。ハウジングは、フランジを含み、これが、ハウジングを靴アッパー(12)に縫い付けるか、またはリベットで留めることを可能にする。
【0045】
レース(30)は、レース締め付けアセンブリ(60)に供給され、スプールに巻き付けられる。スプールは、靴アッパー(12)に回転可能に取り付けられているので、回転式ダイヤル(62)を第1の方向に回すと、より多くのレースセグメントがスプールに巻き付けられる。これにより、レース(30)の有効長が短くなる。回転式ダイヤル(62)を第2の方向に回すと、レースセグメントがスプールから巻き戻され、レース(30)の有効長が長くなる。いくつかの実施例において、第1の方向は時計回りであり、第2の方向は反時計回りである。他の実施例において、第1の方向は反時計回りであり、第2の方向は時計回りである。
【0046】
ダイヤル(62)を回すと、上述のようにスプールにレースを巻き付けることにより、レース(30)の長さが短くなる。レース(30)を締めると、パワーシュラウド(24)が引っ張られる。これは、レースがパワーシュラウド(24)および下部チップ(40)に取り付けられているアイガイド(54)およびレースガイド(44、46、48、および50)に通されているためである。このレース(30)の締め付けは、パワーシュラウド(24)を下向きに、矢印Aの方向に、そしてアウトソール(16)に向かって締める。
【0047】
レース(30)を緩めるために、人の手がダイヤル(62)を引きh離し、この動きにより、レースがほどける。ダイヤルを引き離すと、レース締めシステムをすばやく解除できる。レースの有効長(30)が長くなり、たるみがレースに戻る。このたるんだレース(30)により、パワーシュラウド(24)と靴アッパー(12)を緩めることができるため、足をより簡単に引き抜くことができる。
【0048】
適切なレース締め付けアセンブリ(60)は、Boa Technology、Inc.(コロラド州デンバー、CO80216)を含む多くの供給業者から入手可能であるけれども、これらに限定されない。
図1~4に示されるように、レース締め付けアセンブリ(60)は、靴アッパー(12)の踵領域に取り付けられている。一実施例において、取り付けられたダイヤル(62)は、最初に内側に押し込まれて、レース締め付けシステムと係合する。次に、ダイヤル(62)を時計回りに回転させて、レース(30)を締める。レース(30)を緩めるには、ダイヤル(62)を反時計回りに回転させる。このようにして、レース(30)の張力を調整することができる。張力は少しずつ増減できる。第2の実施例において、ダイヤル(62)は、締め付けシステムと係合するために内側に押し込まれる。次に、ダイヤル(62)を時計回りに回して、レース(30)を締める。ダイヤル(62)を引き抜いて、締め付けシステムをすばやく解除し、レース(30)を緩めることができる。第3の実施例において、ダイヤル(62)を反時計回りに回転させて、レース(32)を締める。レース(30)を緩めるには、ダイヤル(62)を時計回りに回転させる。
【0049】
[アウトソール]
図4を参照すると、この発明の靴(10)に使用できるアウトソール(16)の一実施例が示されている。アウトソール(16)は、また、外側サイド(66)および内側サイド(68)を含む。外側サイド(66)および内側サイド(68)は、各足領域(21、23、および25)を通って延在し、アウトソール(16)の両対抗サイドに対応する。アウトソールの外側サイドまたはエッジ(66)は、着用者の足の外側領域に対応するサイドである。外側エッジ(66)は、着用者の足の、着用者のもう一方の足から一般に最も遠いサイドである(すなわち、第5趾[小足指]に近いサイドである)。アウトソールの内側サイドまたはエッジ(68)は、着用者の足の内側の領域に対応するサイドである。内側エッジ(68)は、一般に着用者のもう一方の足に最も近い、着用者の足のサイドである(つまり、第1趾[足の親指]に近いサイドである)。外側サイドおよび内側サイドは、アウトソールの前端(72)から後端(74)までのアウトソール(16)の周辺または周囲(70)の周りで伸びる。
図4に示すように、アウトソール(16)は、一般的に着用者の中足骨の下に配置される中足骨または前足領域(21)、一般的に着用者の足アーチの下に配置されるアーチまたは中足領域(23)、および、一般的に着用者の踵骨の下に配置される踵骨または後足領域(25)を含む。
【0050】
上述のようなアウトソールの領域(リージョン)、サイド、および区域(エリア)は、アウトソールの正確な場所を区別することを意図していない。むしろ、これらの領域、サイド、および区域は、アウトソールの一般的な場所を表すことを目的としている。アッパー(12)およびミッドソール(14)も、そのような領域、サイド、および区域を具備する。各領域、サイド、および区域は、前部および後部を含んで良い。
【0051】
さらに
図4に示されるように、アウトソール(16)の底面は、スパイクまたはクリート(34)をさらに含んで良い。取り付けられたクリートは、靴と地面の間に追加の牽引力を提供する。そのようなスパイクまたはクリート(34)が存在する場合、それらはアウトソール(16)のソケット(レセプタクル)(35)に解放可能に固定されることが好ましい。スパイク(34)は、レセプタクル(35)に容易に挿入および除去することができる。通常、スパイク(34)は、それを挿入し、次にそれを時計回りにわずかにねじることによって、レセプタクル(35)に固定されて良い。スパイク(34)は、反時計回りにわずかにねじることにより、レセプタクル(35)から取り外すことができる。アウトソール(16)は、任意の適切な数のクリートを含むことができ、クリートは、多種多様なパターンで配置することができる。ほとんどのゴルフコースではゴルファーが非金属のクリートを使用する必要があるため、クリートはプラスチック材料でできていることが好ましい。アウトソール(16)は、また、それを通って横方向または縦方向に延びる1つまたは複数の屈曲チャネル(36)を含んで良い。屈曲チャネル(36)は、好ましくは、歩行中の足の自然な屈曲に対応する屈曲領域をアウトソール(16)に提供するように配置される。
【0052】
好ましくは、アウトソール(16)は、複数の屈曲チャネル(36)を有し、各屈曲チャネルは、外側エッジ(66)または内側エッジ(68)からアウトソールの内部領域(75)まで、ほぼ横方向に延びる。屈曲チャネル(36)は、比較的広い端部および比較的狭い反対側の端部を備えた実質的に線形である。すなわち、チャネル(36)は、一般に先細になっており、尖塔のような形状をしている。硬いベース材料が屈曲チャネル(36)を囲んでいる。上述のように、アウトソール(16)は、好ましくは、複数のスパイク(34)を取り付けおよび除去するための複数のレセプタクルを含む。
図4に示すように、レセプタクル(35)は、屈曲チャネル(36)の尖った端部に隣接して配置される。
【0053】
硬いベース材料(80)は、支持および安定性のための剛性を提供し、他方、屈曲チャネル(36)は、ゴルファーが歩いたりスイングしたりするときにアウトソール(16)を屈曲可能にする。少なくとも1つの屈曲チャネル(36)は、外側エッジから、レセプタクルに隣接するアウトソールの内部領域内の点まで延びて良い。少なくとも1つの屈曲チャネル(36)は、内側エッジから、レセプタクルに隣接するアウトソールの内部領域内の点まで延びて良い。
【0054】
上述のように、中足骨(21)、アーチ(23)、および踵骨領域(25)は、屈曲チャネル(36)を含み、これは、アウトソール(16)内の空所であり、アウトソール(16)を横切って延びる。各尖塔形状の屈曲チャネル(36)は、アウトソールの外縁からアウトソール(16)の内部領域(75)まで横方向に延びる。尖塔形の屈曲チャネル(36)は、互いに実質的に平行である。尖塔形の屈曲チャネル(36)の尖った端は、それが内部領域で終わるところで、レセプタクル(35)に隣接している。
【0055】
屈曲チャネル(36)は、ゴルファーがクラブを歩いたり、スイングしたりするときに、アウトソール(16)が屈曲し撓むことを可能にする。屈曲チャネル(36)は、一般的に、アウトソール(16)の内側エッジ(68)と外側エッジ(66)との間の内部領域(75)に沿って延びる。
図4に示す実施例において、アウトソール(16)は、中足骨部分(21)を横切る4つの屈曲チャネル(36)を含み、アーチ部分(23)を横切る2つの屈曲チャネル(36)を含み、踵骨部分(25)を横切る2つの屈曲チャネル(36)。しかしながら、屈曲チャネル(36)の総数は、アウトソール(16)の所望の柔軟性および靴(10)のサイズに応じて変化して良いことに留意されたい。同様に、屈曲チャネル(36)の深さ、幅、および形状は、アウトソール(16)の所望の柔軟性に応じて変化させて良い。
【0056】
さらに
図1を参照すると、硬いベース材料(80)は、アウトソール(16)を横切って延在し、屈曲チャネル(36)を取り囲んでいる。硬いベース素材(80)は、アウトソール(16)に剛性と安定性を提供する。硬い基材(80)は、熱可塑性ポリウレタンなどの材料であって良く、少なくとも80ショアAの硬度を有して良い。硬い基材(80)は、靴(10)のアウトソール(16)全体を構成するものではない。。むしろ、先に議論され、
図4に示されるように、屈曲チャネル(36)は、靴のアウトソールの一部を構成する。屈曲チャネル(36)は、EVAなどの比較的柔らかい材料でできている。1つの好ましい実施例において、屈曲チャネル(36)は、靴のミッドソール(14)を作るために使用されるのと同じEVAまたは他の材料を有する。靴の露出したミッドソール(14)の領域は、屈曲チャネル(36)を形成する。ミッドソール(つまり、屈曲チャネル)は、靴のアウトソール(16)を見ている人にはっきりと見える。先に論じたように、アウトソール(16)は、また、硬いベース材料(80)から延びる一連の牽引要素または部材(32)およびスパイク(34)を有し、これらは、アウトソール(16)と地面との間の牽引を提供する。
【0057】
図4に示される上述のアウトソール(16)は、この発明の靴構造で使用することができるアウトソールの一例のみを表し、他のアウトソールは、この発明の精神および範囲から逸脱することなく使用することができることに留意されたい。例えば、他の適切なアウトソールは、米国特許出願公開第2020/0077734-A1号および米国特許出願公開第2020/0146389-A1号(Bidal);米国特許出願公開第2020/0046072-A1(Bento);並びに、米国特許第9,999,275号および第10,595,585号(Bacon)に記載されている構造を含む。
【0058】
[足部に加わる力]
通常のゴルフプレー中に、ゴルファーは多種多様なクラブでショットを行う。ゴルファーがショットをするときにクラブを振って体重を移動すると、足は途方もない力を吸収する。多くの場合、右利きのゴルファーがボールをアドレスしているとき、彼らの右足と左足はニュートラルな位置にある。ゴルファーがバックスイングを行うと、右足が内側前足、および、踵領域を押し下げ、右膝が押し込まれたままになると、右足が地面にトルクを発生させて、外部の足の回転に抵抗する。ショットに続いて、ゴルファーの左靴は左足の内側サイド(インサイド)から左足の外側サイド(アウトサイド)に向かって転がる。その間、彼らの右の靴は同時に前足に曲がり、踵が上がると内部で回転する。
【0059】
先に検討したように、ゴルフショットサイクルの種々の段階でかなりの圧力が足に加えられる。この発明において、レース締め付けシステムは、足の側面および踵領域に支持および安定性を提供するのに役立つ。
図1~4に示されるように、レースは靴の片側に沿ってのみ伸びるけれども、それでも最適な閉鎖システムを提供し、快適なフィット感を提供する。レースのストランドは1本だけである。すなわち、単一のレース(30)が、
図1~4に示され、これが、靴アッパー(12)の外側(lateral)サイドのみに沿って延び、アッパーは、踵領域(17)から甲部領域(18)まで横方向に延びる外側レースチャネル(52)を含む。レース(30)は、チャネル(52)内に配置され、チャネルを出るときに、終端プレート(56)で終端する前に、パワーシュラウド(24)と下部チップ(40)との間にループを形成する。他の例において、レースはアッパー(12)の内側(medial)サイドに沿ってのみ伸びるようにねじ入れることができる。
【0060】
この発明のレース締め付けシステム(60)は、ゴルファーがショットを行い体重を移動するときに、ゴルファーの足の内側(medial)サイドおよび外側(lateral)サイド並びに踵領域を保持および支持するのに役立つ。足は、レース締め付けシステム(60)によって下向きおよび後ろ向きに保持される。したがって、ゴルファーはショットをするときにより良い安定性とバランスを持つ。このサポートと輪郭のあるフィット感は、コースを歩くことを含むゲームのすべての段階でゴルファーを支援する。靴(10)は足の周りにぴったりとフィットするけれども、靴は過度に硬くはない。靴(10)は、足が靴の内側である程度動くことを可能にする。つまり、靴は足の動きをある程度許容するけれども、足の動きは制御される。この発明のレース締め付けシステムは、構造化された滑らかで快適なフィット感を提供するのに役立つ。レース締め付けシステムは、内側サイドおよび外側サイド、並びに踵領域に力を加えることにより、足の動きを制御するのに役立つ。靴は柔軟性を犠牲にすることなく足を保持し、支える。したがって、靴はぴったりでありながら快適なフィット感を提供する。一実施例において、種々のレースガイドを通過するときのレースの張力は、実質的に同じである。他の実施例において、張力は変化して良い。レースを調整することで、靴のアッパーに対して実質的に均一な力を加えることができます。この発明のシステムは、足の長さに沿って、外側(lateral)、内側(medial)、および下向きの締め付け力を分散させる。したがって、着用者の足に対して靴が均一に締め付けられる。これは、着用者の足に圧力点が生じるのを防ぐのに役立つ。さらに、靴の着用者が望むように、レース締めシステムを少しずつ調整して、レースを締めたり緩めたりすることができる。
【0061】
[他の靴構造]
上述の靴構造は、全体的には、a)アッパー(12);b)アウトソール(16);c)アッパー(12)およびアウトソール(16)を接続するミッドソール(14)を含み、アッパーは、パワーシュラウド(24)を含み、このパワーシュラウド(24)は、レース(30)がレース締め付けシステム(60)を介して締め付けられるときに、甲部領域(18)を越えて外側(41)に向かって引っ張られ、また、アッパーは、下部チップ(40)も含み、この靴構造はこの発明の靴構造の一例にすぎないことに留意されたい。先に検討したように、ユニークなアッパー構造とレース締め付けシステムは、ゴルファーに高い安定性とさまざまな表面でのバランスを提供するのに役立つ。しかしながら、この発明の精神および範囲から逸脱することなく、他のアッパーおよびシュー構造を使用できることに留意されたい。
【0062】
例えば、
図5~8を参照すると、
図1~4に示す靴アッパーと同様の構造を有する靴アッパー(12)の第2の実施例が示される。この実施例において、レース(30)は、第1の下部レースガイド(48)を通って移動し、次いで、上述のレース経路と同様の出口点でこのレースガイド(48)を出る。次に、レース(30)は上向きに伸び、2回目に交差する(「Y」-2番目の十字交差ゾーン)。しかしながら、レース(30)が、
図1~4に示されるように、パワーシュラウド(24)に取り付けられた終端プレート(56)でその経路を終了するのに代わって、レース(30)は、甲部領域(18)上に延在し続け、パワーシュラウド(24)の上部後縁に取り付けられ、舌革部材(22)に隣接した第3の上部レースガイド(53)を通ってねじ込まれる。
【0063】
したがって、
図5~8に示されるように、この実施例においては、同じレース(30)が靴の両側に沿って延びる。すなわち、
図5~8に示される単一のレース(30)は、靴アッパー(12)の外側と内側に沿って伸びる。レース(30)が外側経路および内側経路を具備するように甲部領域(18)上を延びるように構成した、当該レース締め付けシステムは、とくに安定した閉止システムを提供する。この実施例において、アッパー(12)は、甲部領域(18)から踵領域(17)まで横方向に延びる外側レースチャネル(52)および内側レースチャネル(55)を含む。したがって、レースは、外側レースチャネル(52)を出て、上述のように、アッパー(12)の外側サイドにある上部および下部レースガイドに通される。次に、同じレース(30)が第3の上部レースガイド(53)を通過して内側サイドに行き、そこで内側レースチャネル(55)に入る。内側レースチャネル(55)は、甲部領域(18)から踵領域(17)に戻る横方向に延びる。そこで、レースはレース締め付けアセンブリ(60)のスプールに巻き戻される。したがって、レース(30)は、レースが外側サイドおよび内側サイドに沿って、そして靴のアッパー(12)の踵領域の周りに延びるように、連続的なループを形成する。レース(30)を調整することにより、外側サイドおよび内側サイドの両方で靴のアッパーに対して実質的に均一な力の適用が提供される。着用者の足に対して靴が均一に締め付けられる。これは、着用者の足に圧力点がかかるのを防ぐのに役立つ。
【0064】
図9および
図10を参照すると、第3の実施例において、靴アッパー(12)は、追加の安定性および支持を提供するミッドソール(14)から上方に延びる「Aフレーム形状」構造(63)を有する骨格フレームを備えた独特の設計を有する。Aフレーム骨格構造(63)は、靴(10)の外側サイド(41)および内側サイド(38)に沿って延びる。Aフレーム骨格構造は、3つの表面またはセグメント(31a、31b、および31c)を有する外側側面図(
図9)および内側側面図(
図10)に示されるような三角形の形態の単一の一体構造である。これらのセグメントは、
図9および
図10に示されるように、一緒に結合されて、開口(37)を形成する。Aフレームの骨格構造(63)は、軽量でありながら構造的なサポートと剛性を提供するのに役立つ。比較的硬くて耐久性のあるAフレーム骨格構造(63)は、アッパー(12)と重なり、靴(10)に剛性と安定性を提供するのに役立つ。Aフレームの骨格構造(63)は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)でできていることが好ましい。他の適切な耐久性のある材料を使用することができる。Aフレームの骨格構造(63)がアッパー(12)まで伸びているため、パワーシュラウド(24)と連動して、安定したプラットフォームを提供する。Aフレームの骨格構造(63)は、パワーシュラウド(24)をうまく補完する。両方の構造が連携して、靴のサポートと安定性の機能を強化する。
【0065】
この実施例において、レース(30)は、
図1~4に示されるのと同じ態様で、上部および下部のレースガイドに通される。特に、パワーシュラウド(24)に取り付けられた第1の上部レースガイド(44)は、角度を付けられた位置に向けられている。第1の上部レースガイド(44)は、縫い目、接着剤、または他の適切な固定手段によってパワーシュラウド(24)に取り付けることができる。レース(30)は、踵領域(17)のレース締め付けアセンブリ(60)から延在し、トランペットまたはアイレットガイド(54)から出る。次に、レース(30)は、入口点で第1の上部レースガイド(44)に入り、このレースガイド(44)を出る。レース(30)は、出口点で第1の上部レースガイド(44)を出た後、下向きに通過し、アッパーの外側サイド(41)に取り付けられた第2の下部レースガイド(50)に入る。レース(30)は、第2の下部レースガイド(50)を通って移動し、次に出口点でこのレースガイド(50)を出る。第2の下部レースガイド(50)を出た後、レースは第2の上部レースガイド(46)に上向きにねじ込まれ、そこで入口点でガイド(46)に入る。次に、レース(30)は、第2の上部レースガイド(46)を通って移動し、このレースガイド(46)を出る。
【0066】
次に、レース(30)は、下向きに通過し、アッパーの外側サイド(41)に取り付けられた第1の下部レースガイド(48)に入るときに、初めてそれ自体を横切る。
図9に示すように、この領域は、第1の十字交差ゾーン(「X」)と呼ばれることができる。レース(30)は、第1の下部レースガイド(48)を通って移動し、次に出口点でこのレースガイド(48)を出る。次に、レース(30)は上向きに伸び、その経路がパワーシュラウド(24)に取り付けられた終端プレート(56)で終わるまで、再びそれ自体を横切る。この領域は、2番目の十字交差ゾーン(「Y」)と呼ばれる。
図9~10に示されるように、レース(30)は靴の片側しか伸びていないけれども、それでも最適な閉止システムを提供し、快適なフィット感を提供する。レースのストランドは1本だけある。すなわち、単一のレース(30)が
図9~10に示すように、靴アッパー(12)の外側サイドのみに沿って伸びる。他の例において、レースは、アッパー(12)の内側サイドに沿ってのみ伸びるようにねじ込むようにすることができます。
【0067】
図11および
図12を参照すると、靴(10)の第4の実施例が示され、ここでは、2つのレース締め付けアセンブリ(60a、60b)および2つのパワーシュラウド(24a、24b)が存在する。この実施例において、アッパー(12)は、一般的に、足を挿入するための開口部(20)を備えた甲部領域(18)を含む。甲部領域(18)は、舌革部材(22)、および2つのパワーシュラウド(24a、24b)を含む。第1のパワーシュラウド(24a)は、アッパー(12)の内側エッジ(38)から延在し、舌革部材(22)を覆い、外側サイド(41)に延在する。レース(30)を締めると、最初のパワーシュラウド(24a)が下向きに引っ張られ、甲部領域(18)が覆われる。第1のパワーシュラウド(24a)は、レース(30)がレース締め付けシステム(60a)を介して締め付けられるときに、甲部領域(18)を越えて外側サイド(41)に向かって引っ張られる。このようにして、靴(10)は、足の周りにしっかりと快適に取り付けられる。
図11~12に示されるように、第1のパワーシュラウド(24a)は、また、i)第1の上部レースガイド(44)を含む。他方、第2のパワーシュラウド(24b)は、アッパー(12)の外側サイド(41)から延在し、舌革部材(22)を覆い、内側サイド(38)まで延在する(
図12)。第2のパワーシュラウド(24b)は、また、i)第2の上部レースガイド(46)を含む。さらに、第1の下部レースガイド(48)が、アッパー(12)の内側サイドに固定されて示されている(
図12)。
【0068】
図11~12に示されるように、第1のパワーシュラウド(24a)に取り付けられている第1の上部レースガイド(44)が角度を付けられた位置に方向づけられている。第1の上部レースガイド(44)は、ステッチング、接着剤、または他の任意の適切な固定手段によって第1のパワーシュラウド(24a)に取り付けることができる。第1のレース(30)は、アッパー(12)に取り付けられた第1のレース締め付けアセンブリ(60a)を出て、入口点で第1の上部レースガイド(44)に入り、次にこのレースガイド(44)を出る。このレースガイド(44)は摩擦が低く、これにより、レース(30)をガイド(44)を通してスムーズかつしっかりと引っ張ることができる。靴(10)のこの実施例における第1の上部レースガイド(44)は、先に検討したレースガイドと同じ寸法を有することができる。
【0069】
第1のレース(30)が出口点で第1の上部レースガイド(44)を出た後、それは下向きにねじ込まれ、同じ第1のレース締め付けシステム(60a)に戻る。先に検討したように、レース締め付けアセンブリ(60a)は、ハウジング内に配置されたレースを巻くためのスプール(図示せず)を覆うダイヤル(62a)を含むことができる。一実施例において、ダイヤル(62a)は、最初に内側に押し込まれて、レース締め付けシステム(60a)と係合する。次に、ダイヤル(62a)を時計回りに回転させて、レース(30)を締める。第1のレース(30)が締められると、第1のパワーシュラウド(24a)は、矢印Bによって表されるように下方向に引っ張られる。これは、パワーシュラウド(24a)に作用する角度のある力である。レース(30)を緩めるために、ダイヤル(62a)を反時計回りに回転させる。このようにして、第1のレース(30)の張力を調整することができる。張力は増減できる。ダイヤル(62a)を引っ張って、レース締め付けシステム(60a)を素早く解放し、レース(30)を緩めることができる。
【0070】
他方、第2のパワーシュラウド(24b)は、外側サイド(41)から延在し、舌革部材(22)を覆い、内側サイド(38)に延在する。第2のパワーシュラウド(24b)は、i)第2の上部レースガイド(46)を含む。また、第1の下部レースガイド(48)が、アッパー(12)の内側サイド(38)に固定されて示されている。第2のパワーシュラウド(24b)は、甲部領域(18)上に引っ張られ、踵領域に取り付けられたレース締め付けシステム(60b)を介して締め付けられる。
【0071】
第2のレース(33)は、踵領域の第2のレース締め付けシステム(60b)から延在し、内側レースチャネル(51)を通って通され、トランペットまたはアイレットガイド(54)を通ってチャネルを出て、上部レースガイド(46)と下部レースガイド(48)の間にループを形成する。第2のレース(33)は、最初に、入口点で第2の上部レースガイド(46)に入り、このレースガイド(46)を出る。レース(33)は、第2の上部レースガイド(46)を出た後、下向きに通過し、入口点で第1の下部レースガイド(48)に入る。レース(33)は、第1の下部レースガイド(48)を通って移動し、次にこのレースガイド(48)を出る。第1の下部レースガイド(48)を出た後、レース(33)は、その経路が第2のパワーシュラウド(24b)に取り付けられた終端プレート(56)で終わるまで上方に延びる。レースガイドは摩擦が少ないため、レースをガイドからスムーズかつしっかりと引っ張ることができる。靴のこの実施例においては、第2の上部レースガイド(46)および第1の下部レースガイド(48)が、先に検討したレースガイドと同じ寸法を有することができる。
【0072】
この実施例において、第2のレース締め付けアセンブリ(60b)は、アッパー(12)の踵領域に配置されている。
図11~12に示され、先に検討したように、レース締め付けアセンブリ(60b)は、ハウジング内に配置されたスプール(図示せず)を覆うダイヤル(62b)を含むことができる。一実施例において、ダイヤル(62b)は、最初に内側に押し込まれて、レース締め付けシステム(60b)と係合する。次に、ダイヤル(62b)を時計回りに回転させて、レース(33)を締める。2番目のレース(33)を締めると、2番目のパワーシュラウド(24b)が矢印Cで表されるように下方向に引っ張られる。2番目のパワーシュラウド(24b)が矢印Cの方向に下向きに引っ張られ、これは、2番目のパワーシュラウド(24b)に作用する角度づけられた力である。第2のレース(33)を緩めるために、ダイヤル(62b)は反時計回りの方向に回転される。このようにして、レース(33)の張力を調整することができる。張力は段階的に増減できる。ダイヤル(62b)を引き上げて、レース締め付けシステム(60a)を素早く解放し、第2のレース(33)を緩めることができる。
【0073】
図13~16を参照する。アッパー構造の第5の実施例において、単一のレース締め付けアセンブリ(81)および2つのパワークロージャストラップ(82a、82b)が存在する。この実施例において、アッパー(12)は、一般的に、足を挿入するための踵カラー(79)を有する開口部(20)を備えた甲部領域(18)を含む。アッパー(12)は、足収容開口部(20)のカラー(79)の周りに完全なブーティー構造(83)を含んで良い。ブーティー構造(83)は、快適性を高め、寒くて濡れた環境に対する耐性を提供する。他のブーツ構造(83)は、例えば南部地域などの高温多湿環境で快適さを提供するために通気性材料でできており、これらのブーツは、また、この発明の靴に使用することができる。ブーティ(83)は、多種多様な布および/または発泡材料から構築することができ、これは、Lycra(商標)、Neoprene(商標)、ニット、スパンデックス、およびスパンデックスブレンド例えば綿/スパンデックス、ナイロン/スパンデックス、およびポリエステル/スパンデックスのブレンドを含むけれども、これらに限定されない。発泡体およびライナーに積層されたメッシュなどのラミネート、例えばメッシュ発泡体コア材料、およびTiong Liong Industrial Co.、Ltd.から入手可能なAriaprene(商標)などの合成ゴムおよび発泡体材料を使用することができる。ブーティー構造(83)は、主に
図13-16に示されているアッパーに使用されていることが示されているけれども、これは一例に過ぎず、限定的なものと見なされるべきではない。ブーティー(83)は、この発明の任意の靴構造に使用できることを理解されたい。ブーティー(83)は、アッパー(12)がニットなどの折りたたみ可能な素材でできている場合に特に効果的である。
【0074】
第1のパワークロージャーストラップ(82a)は、アッパー(12)の内側サイドから延在し、舌革部材(22)を覆い、そして外側サイドに延在する。
図13に示すように、第1のパワークロージャストラップ(82a)は、また、i)第1の上部レースガイド(84a)を含む。他方、第2のパワークロージャーストラップ(82b)も、また、アッパー(12)の内側サイドから延在し、舌革(22)を覆い、外側サイドに延在する。第2のパワークロージャーストラップ(82b)は、また、i)第2の上部レースガイド(84b)を含む。さらに、第1の下部レースガイド(85a)および第2の下部レースガイド(85b)が、アッパー(12)の外側エッジまたは側部(41)に固定されている。
図13~16に示されるように、レース(30)は靴のアッパー(12)の片側にしか伸びていないけれども、それでも最適な閉鎖システムを提供し、快適なフィット感を提供する。レースのストランドは1本だけである。すなわち、単一のレース(30)が、靴のアッパー(12)の外側サイドのみに沿ってねじ込まれていることが
図13~16に示されている。他の例において、レースはアッパー(12)の内側サイドに沿ってのみ伸びるようにねじ込むことができる。
【0075】
さらに、
図13に示されるように、レース(30)は、踵領域のレース締め付けアセンブリ(81)から延在し、外側チャネル(52)に通され、このチャネルを出るときに、2つのパワークロージャストラップ(82a、82b)および第1および第2の下部レースガイド(85a、85b)の間にループを形成する。より具体的には、レース(30)は、第1の下部レースガイド(85a)を通って移動し、次に出口点でガイド(85a)を出る。第1の下部レースガイド(85a)を出た後、レース(30)は、入口点で第1の上部レースガイド(84a)に入るまで上方に延びる。レース(30)は、出口点で第1の上部レースガイド(84a)を出た後、下向きに通過し、第2の下部レースガイド(85b)に入る。レース(30)は、第2の下部レースガイド(85b)を通って移動し、次に出口点でレースガイド(85b)を出る。第2の下部レースガイド(85b)を出た後、レース(30)は上方に伸び、第2の上部レースガイド(84b)に入る。レース(30)は、第2の上部レースガイド(84b)を通って移動し、次に、このガイド(84b)を出て、下向きに延びる。レース(30)は、その経路がアッパー(12)の外側エッジに締め付けられた終端プレート(56)で終わるまで下向きに通過する。
【0076】
この実施例において、単一のレース締め付けアセンブリ(81)が、アッパー(12)の踵領域に配置されている。
図13に示し、先に検討したように、レース締め付けアセンブリ(81)は、ハウジング内に配置されたスプール(図示せず)を覆うダイヤル(88)を含むことができる。一実施例において、ダイヤル(88)は、最初に内側に押し込まれて、レース締め付けシステム(81)と係合する。次に、ダイヤル(88)を時計回りに回転させて、レース(30)を締める。レース(30)が締められると、第1および第2のパワークロージャーストラップ(82a、82b)は、矢印Dによって表されるように下方向に引っ張られる。パワークロージャーストラップ(82a、82b)は、矢印Dの方向に下向きに引っ張られ、これは、第1および第2のパワークロージャーストラップ(82a、82b)に作用する角度の付いた力である。レース(30)を緩めるには、ダイヤル(88)を反時計回りに回転させる。このようにして、レース(30)の張力を調整することができる。張力は段階的に増減できる。ダイヤル(88)を引いて、レース締め付けシステム(81)を素早く解放し、レース(30)を緩めることができる。
【0077】
パワークロージャーストラップ(82a、82b)は、好ましくは、軽量で高強度の布材料でできている。例えば、ポリアミド(ナイロン)、ケブラー(商標)などのアラミド、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエステルなどで作られた織物を使用して、パワークロージャーストラップ(82a、82b)を作製することができる。また、スパンデックスまたはゴム布材料、たとえばスチレンブタジエンゴム(SBR)およびネオプレン(tm)合成ゴムを使用して、パワークロージャーストラップ(82a、82b)を形成することができる。天然ゴムおよび合成ゴム材料を使用できる。合成ゴム材料の例はは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン-プロピレンゴム(「EPR」)、エチレン-プロピレン-ジエン(「EPDM」)ゴム、スチレン-ブタジエンゴム、スチレンブロック共重合体ゴム(「SI」、「SIS」、「SB」、「SBS」、「SIBS」、「SEBS」、「SEPS」など。ここで、「S」はスチレン、「I」はイソブチレン、「E」はエチレン、「P」はプロピレンであり、「B」はブタジエン)、ポリアルケナマー、ブチルゴム、ニトリルゴム、およびそれらの2つ以上のブレンドを含む。天然皮革、合成皮革、ニット、不織布、天然繊維、合成繊維も使用できる。例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ゴム、およびそれらの組み合わせから作られた合成繊維織物を使用することができる。マイクロファイバーや不織布だけでなく、加工されたニットや圧延された良質の生地も使用できる。これらの繊維と布の構造は、すべて、種々の材料で補強することができる。また、ホットメルト熱可塑性ポリウレタン(TPU)をこれらの構造に塗布することもできる。
【0078】
さらに他の実施例において、パワークロージャーストラップ(82a、82b)は、パワークロージャーストラップ(82a、82b)が単一のパワーシュラウド構造として機能するように、小さなストラップ、ステッチング、または他の適切な固定手段と一緒に結合することができる。さらに他の実施例において、単一のパワークロージャストラップを使用することができる。このようなパワークロージャーストラップは、単一の一体型の単一構造を持つことができる。
【0079】
図17を参照すると、第6の実施例において、靴アッパー(12)は、以下の違いを除いて、
図13~16に示される上述の靴アッパーと同じ構造を有する。すなわち、i)
図13~16に示されるフル・ブーティー構造(85)とは対照的に、足収容開口部(20)のカラー(79)の周りにハーフ・ブーティー構造(87)がある。ii)
図13~16に示される2つのパワークロージャーストラップ(82a、82b)の代わりに、チャネル(98a、98b)を通って延びる2つのパワーコネクタウェビング(90a、90b)が存在する。
【0080】
パワーコネクタウェビング(90a、90b)は、舌革部材(22)のチャネル(98a、98b)を通って延びる。他の例において、パワーコネクタウェビング(90a、90b)は、ブーティーの内側に延在することができ、すなわち、チャネル(98a、98b)は、ブーティー(87)の舌革部材(22)とライナーとの間に延在することができる。パワーコネクトウェビング(90a、90b)は「フローティング」と見なすことができる。さらに他の例において、ウェビング(90a、90b)がブーティー(87)を越えることができる。パワーコネクタウェビング(90a、90b)は、甲部領域の内側または上に配置できるため、アッパー(12)の内側サイドと外側サイドの間に伸びる。ウェビング(90a、90b)は、例えば、ポリアミド(ナイロン)、Kevlar(商標)繊維などのアラミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ゴムなどの任意の適切な繊維材料から作製することができる。ウェビングを作るために使用することができる他の適切な繊維および布材料は先に記載されている。
【0081】
第1のパワーウェビング(90a)は、また、i)第1の上部レースガイド(84a)を含む。第2のパワーウェビング(90b)はまた、i)第2の上部レースガイド(84b)を含む。さらに、第1の下部レースガイド(85a)および第2の下部レースガイド(85b)が、アッパー(12)の外側エッジ(42)に固定されている。レース(30)は、踵領域のレース締め付けアセンブリ(81)から延在し、レースチャネル(52)のトランペットまたはアイレットガイド(54)を通って出て、レースガイドに入る。レースは、2つのパワーコネクタウェビング(90a、90b)と第1および第2の下部レースガイド(85a、85b)の間にループを形成する。レース締め付けアセンブリ(81)を使用して、上述のようにレース(30)を締め付けたり緩めたりすることができる。
【0082】
図18~21を参照すると、第7の実施例において、靴のアッパー(12)は、2つのパワーコネクタウェビング(90a、90b)も含む。パワーコネクトウェビング(90a、90b)は、甲部領域の内側または上に配置できるため、アッパー(12)の内側サイドおよび外側サイトの間に伸びる。ウェビング(90a、90b)は、例えば、ポリアミド(ナイロン)、Kevlar(商標)繊維などのアラミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ゴムなどの任意の適切な繊維材料から作製することができる。第1のパワーウェビング(90a)は、また、i)第1の上部レースガイド(93a)を含む。第2のパワーウェビング(90b)も、また、アッパー(12)の内側サイドから延在し、舌革(22)を覆い、アッパー(12)の外側サイドに延在する。第2のパワーウェビング(90b)は、また、i)第2の上部レースガイド(93b)を含む。
【0083】
レース(30a)は、踵領域のレース締め付けアセンブリ(89)から延在し、外側のレースチャネル(52a)に通され、アイレット(54)を通ってそのチャネルを出るときに、第1の下部レースガイド(91a)に入り、次にそのガイド(91a)を出る。第1の下部外側ガイド(91a)を出た後、レース(30a)は、出口点で第1の上部外側レースガイド(93a)に入るまで、下方に延びる。をレース(30a)が第1の上部外側レースガイド(93a)を出た後、レース(30a)は、下方に延び、第2の下部外側レースガイド(91b)に入口点で入る。レース(30a)は、第2の下部レースガイド(91b)を通って移動し、次にガイド(91b)を出る。第2の下部レースガイド(91b)を出た後、レース(30a)は上方に伸び、第2の上部外側レースガイド(93b)に入る。レース(30a)は、第2の上部外側レースガイド(93b)を通って移動し、次に出口点でこのガイド(93b)を出て、下向きに延びる。次に、レース(30a)の経路は、前足領域(21)の外側エッジ(41)に固定された終端プレート(56a)で終端することができる。このバージョンでは、2本のレース(30a、30b)がある。レース(30a)は靴アッパーの外側サイド(41)に沿って延在し、レース(30b)は靴アッパー(12)の内側サイド(38)に沿って延在する。靴レース(30a、30b)は接続されていない。ただし、このシステムは足の周りをしっかりと閉じ、快適で滑らかなフィット感を提供します。このバージョンでは、2本のレース(30a、30b)がある。両方のレース(30a、30b)は、同じレース締め付けアセンブリ(89)から伸びている。他の例において、以下に説明するように、レースは外側サイドに沿って延びることができ、内側サイドに沿って延びるレースは接続することができる。つまり、外側と内側に沿って走り、連続したループを形成する単一のレースがある。例えば、レースは、
図22~25に示され、以下に検討されるように、前足コネクタねじガイド(97)を介して接続することができる。
【0084】
靴の外側サイド(41)に沿ったレースストランド(30a)の経路は先に説明されている。内側サイド(38)に沿った第2のレースストランド(30b)の経路において、レースは、踵領域のレース締め付けアセンブリ(89)から延在し、内側レースチャネル(52b)に通され、そしてそれがアイレット(54)を通って当該チャネルを出るときに、第1の下部内側レースガイド(91d)に入り、そののち、当該ガイド(91d)から出る。第1の下部内側レースガイド(91d)を出た後、レース(30b)は、入口点で第1の上部内側レースガイド(93d)に入り、上方に延び、次にガイド(93d)を出る。レース(30a)は、第1の上部内側レースガイド(93d)を出た後、下向きに通過し、入口点で第2の下部内側レースガイド(91c)に入る。レース(30b)は、第2の下部レースガイド(91c)を通って移動し、次にガイド(91c)を出る。第2の下部レースガイド(91c)を出た後、レース(30b)は上方に伸び、第2の上部内側レースガイド(93c)に入る。レース(30b)は、第2の上部内側レースガイド(93c)を通って移動し、次に出口点でガイド(93b)を出て、下向きに延びる。次に、レース(30b)の経路は、前足領域(21)の内側エッジ(38)に固定された終端プレート(56b)で終端することができる。したがって、一方のレースストランド(30a)は外側サイド(41)に沿って延在し、他方のレースストランド(30b)は内側サイド(38)に沿って延在する。レースストランド(30a、30b)のそれぞれの経路は、靴のアッパーの外側サイドおよび内側サイド(41、38)の終端プレート(56a、56b)で終端する。
【0085】
他のバージョンにおいて、レース(30)は、第2の上部外側レースガイド(93b)を下向きに通過し、次に、アッパー(12)とミッドソール(14)との間を走るチャネル(図示せず)に通される。レース(30)はこのチャネルを通過し、靴のアッパーの内側サイド(38)に沿って走る。したがって、同じレース(30)が、上部内側レースガイド(93c、93d)および下部内側レースガイド(91c、91d)に通される。レース(30)は、第2の下部内側レースガイド(91d)を通過し、次に内側レースチャネル(52b)に通され、レース締め付けアセンブリ(89)に戻る。したがって、この例では、レース(30)は連続ループを形成し、その結果、レースは、外側サイドおよび内側サイドの両方に沿って、そして靴のアッパー(12)の踵領域の周りに延びる。
【0086】
図22~25を参照すると、第8の実施例において、第8の実施例において、靴アッパー(12)は、
図18~21に示される靴アッパーと同じ靴構造を有し、以下の追加要素を含む、すなわち、i)アッパーの外側サイドに配置された第3の下部外側レースガイド(95)、ii)アッパーの内側サイドに配置された第3の下部内側レースガイド(96)、および、iii)アッパーの前足領域に取り付けられた前足コネクタスレッドガイド(97)である。この実施例において、レース(30)は、レースが靴のアッパー(12)の外側サイドおよび内側サイドの両方に沿って、そして靴のアッパー(12)の踵領域の周りに延びるように、連続ループを形成する。
【0087】
レース(30)は、踵領域のレース締め付けアセンブリ(89)から延在し、外側レースチャネル(52)に通され、このチャネルを出るときに、第1の下部レースガイド(91a)に入り、次に、出口点でこのガイド(91a)を出る。第1の下部外側レースガイド(91a)を出た後、レース(30)は、入口点で第1の上部外側レースガイド(93a)に入るまで、上方に延び、このガイド(93a)を出る。レース(30)は、出口点で第1の上部外側レースガイド(93a)を出た後、下向きに通過し、入口点で第2の下部外側レースガイド(91b)に入る。レース(30)は、第2の下部レースガイド(91b)を通って移動し、次に出口点でこのガイド(91b)を出る。第2の下部レースガイド(91b)を出た後、レース(30)は上方に伸び、第2の上部外側レースガイド(93b)に入る。レース(30)は、第2の上部外側レースガイド(93b)を通って移動し、次に出口点でこのガイド(93b)を出て、下向きに延びる。次に、レース(30)は、外側サイドの第3の下部レースガイド(95)に通される。第3の下部レースガイド(95)を出た後、レース(30)は上向きに伸び、前足コネクタスレッドガイド(97)を通ってアッパー(12)の内側サイドに通される。
【0088】
図23~24に示されるように、同一のレース(30)は、次に、第1の下部内側レースガイド(115a)に入り、次に、出口点でこのガイド(115)を出る。第1の下部内側レースガイド(115a)を出た後、レース(30)は、入口点で第1の上部内側レースガイド(117a)に入るまで、上方に延び、そして、このガイド(117a)を出る。レース(30)は、出口点で第1の上部内側レースガイド(117a)を出た後、下向きに通過し、入口点で第2の下部内側レースガイド(115b)に入る。レース(30)は、第2の下部レースガイド(115b)を通って移動し、次に出口点でガイド(115b)を出る。第2の下部内側レースガイド(115b)を出た後、レース(30)は上方に伸び、第2の上部内側レースガイド(117b)に入る。レース(30)は、第2の上部内側レースガイド(117b)を通って移動し、次に出口点でガイド(117b)を出て、下向きに延びる。レース(30)は、第3の下部内側レースガイド(96)を通過し、次に内側レースチャネル(52b)に通され、レース締め付けアセンブリ(89)に戻る。したがって、この例において、レース(30)は連続ループを形成し、その結果、レースは、靴のアッパー(12)の外側サイド(41)および内側サイド(38)の両方に沿って、そして靴のアッパー(12)の踵領域の周りに延びる。
【0089】
第9の実施例において、
図26~29に示されるように、靴のアッパーの外側サイドに配置された第1の(外側)上部コネクタスレッドガイド(94)がある。
図26~29において、第1の(外側)上部コネクタねじガイド(94)は、以下でさらに説明するように、第2の(内側)上部コネクタスレッドガイド(107)に結合されている。レース(30)は、踵領域のレース締め付けアセンブリ(99)から延在し、トランペットまたはアイレットガイド(54)から出る。次に、レース(30)は、入口点で下部外側レースガイド(104)に入り、そして、このガイド(104)を出る。レース(30)は、下部外側レースガイド(104)を出た後、上方を通過し、入口点で第1の(外側)上部コネクタスレッドガイド(94)に入る。次に、レースは上部コネクタスレッドガイド(94)を通って移動し、下向きに伸びる。次に、レース(30)の経路は、前足領域(21)の外側エッジ(41)に固定された終端プレート(56)で終端することができる。
【0090】
このバージョンにおいて、2つのレースストランド(30a、30b)が存在する。レース(30a)は、上述のように靴アッパーの外側サイド(41)に沿って延びる。他方、レース(30b)は、靴のアッパー(12)の内側サイド(38)に沿って伸びる。レース(30a、30b)は接続されていない。靴の外側サイド(41)に沿ったレースストランド(30a)の経路は先に説明されている。内側サイド(38)に沿ったレースストランド(30b)の経路において、レースは、踵領域のレース締め付けアセンブリ(99)から延在し、内側レースチャネル(52b)に通されている。レース(30b)がアイレット(54)を通ってチャネルを出るとき、それは下部内側レースガイド(113)に入り、次にこのガイド(113)を出る。レース(30b)は、出口点で下部内側レースガイド(113)を出た後、上向きに通過し、入口点で第2の(内側)上部コネクタスレッドガイド(107)に入る。次に、レース(30b)は、上部コネクタスレッドガイド(107)を通って移動し、次に下向きに延びる。次に、レース(30b)の経路は、前足領域(21)の内側エッジ(41)に固定された終端プレート(56)で終端することができる。このバージョンにおいて、2つの別々のレースストランド(30a、30b)があるけれども、システムは足の周りをしっかりと閉じ、快適で滑らかなフィット感を提供する。両方のレースストランド(30a、30b)は、同じレース締め付けアセンブリ(99)から伸びている。
【0091】
他のバージョンにおいて、レース(30)は、第1の(外側)上部コネクタスレッドガイド(94)から下向きに通過し、次に、アッパーとミッドソールとの間を走るチャネル(図示せず)を通過することができる。レース(30)はチャネルを通過し、靴のアッパー(12)の内側サイド(38)に沿って上に移動する。したがって、この例において、連続ループを形成する単一のレース(30)があり、その結果、レース(30)は、靴のアッパーの外側サイドおよび内側サイドの両方に沿って、そして靴のアッパーの踵領域の周りに延びる。このバージョンにおいて、同じレース(30)が靴のアッパー(12)の外側サイドおよび内側サイドの両方に沿って伸びる。すなわち、レース(30)は、チャネル(図示せず)に通され、上向きに通過し、入口点で第2の(内側)上部コネクタスレッドガイド(107)に入る。次に、レースは、第2の(内側)コネクタスレッドガイド(107)を通って移動し、次に出て、靴アッパー(12)の内側エッジにある下部内側レースガイド(113)を通過するまで下向きに延びる。次に、レース(30)は、内側レースチャネル(52b)に通され、レース締め付けアセンブリ(99)に戻る。したがって、この例では、同じレース(30)が連続ループを形成し、その結果、レースは靴のアッパー(12)の外側サイドおよび内側サイドの両方に沿って延びる。
【0092】
第1の(外側)、および第2の(内側)上部コネクタスレッドガイド(94、107)は、広範囲の種類の締め付け手段により相互に結合することができ、この手段は、これに限定されないけれども、成形プラスチック、金属ワイヤ(100、101)、炭素繊維、炭素繊維複合材、布地、ウェビング、繊維、その他のレーシングシステムを含む。他の例において、ブーティー(83)が甲部領域(18)で使用される場合、コネクタスレッドガイド(94、107)はブーティー部材の内側に入ることができる。
【0093】
この実施例において、レース締め付けアセンブリ(99)は、アッパー(12)の踵領域に配置されている。
図27および28に示され、また、先に説明したように、レース締め付けアセンブリ(99)は、ハウジング内に配置されたスプール(図示せず)を覆うダイヤル(88)を含むことができる。一実施例において、ダイヤル(88)は、最初に内側に押し込まれて、レース締め付けシステム(99)と係合する。次に、ダイヤル(88)を時計回りに回転させて、レース(30)を締める。レース(30)を締めると、第1の上部(外側)コネクタスレッドガイド(99)が矢印Eで表されるように下方向に引っ張られる。第2の上部(内側)コネクタねじガイド(107)が矢印Fで表される下方向に引き込まれる。レース(30)を緩めるには、ダイヤル(88)を反時計回りに回転させる。このようにして、レース(30)の張力を調整することができる。張力は段階的に増減できる。ダイヤル(88)を引き上げて、レース締め付けシステム(99)を素早く解放し、レース(30)を緩めることができる。
【0094】
第10の実施例において、
図30~33に示されるように、パワーシュラウド(110)には2つのセクションがある。すなわち、上部セクション(111)と下部セクション(112)である。パワーシュラウド(100)は、上部セクション(111)および下部セクション(112)を備えた一体型の単一構造である。上部および下部(111、112)は、Neoprene(商標)合成ゴムを含む任意の適切な素材で作ることができ、高い快適性と滑らかなフィット感を実現する。ニット、スパンデックス、および例えば綿/スパンデックス、ナイロン/スパンデックス、およびポリエステル/スパンデックスブレンドなどのスパンデックスブレンドなどの他の快適で弾性のある材料を使用することができる。天然皮革、合成皮革、ニット、不織布、天然繊維、合成繊維も使用できる。例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ゴム、およびそれらの組み合わせから作られた合成繊維織物を使用することができる。マイクロファイバーや不織布だけでなく、加工されたニットや圧延された良質の生地も使用できる。これらの繊維と布の構造はすべて、さまざまな材料で補強することができる。また、ホットメルト熱可塑性ポリウレタン(TPU)をこれらの構造に塗布することもできる。
【0095】
図30に示すように、第1および第2の上部レースガイド(114、122)は、ステッチングまたは他の手段によって、パワーシュラウド(100)の上部セクション(111)に結合することができる。または、ガイド(114、122)をシュラウド(100)の不可欠な部分にすることができる。レース(30)は、踵領域のレース締め付けアセンブリ(119)から延在し、トランペットまたはアイレットガイド(54)から出る。次に、レースは、入口点で第1の下部レースガイド(116)に入り、出口点でこのレースガイド(116)を出る。第1の下部レースガイド(116)は、角度を付けられた位置に向けられている。レース(30)は、出口点で第1の下部レースガイド(116)を出た後、上向きに通過し、入口点で第1の上部レースガイド(114)に入る。レース(30)は、第1の上部レースガイド(114)に通され、次にレースガイド(118)から出る。第1の上部レースガイド(114)を出た後、レースは、第2の下部レースガイド(120)まで下向きに伸び、そこで、入口点でガイド(120)に入る。次に、レース(30)は、第2の下部レースガイド(120)を通って移動し、このレースガイド(120)を出る。次に、レース(30)は、第2の上部レースガイド(122)に入るときに上向きに通過する。レース(30)は、第2の上部レースガイド(122)を通って移動し、次にこのガイド(122)を出る。次に、レース(30)は、その経路がアッパー(12)の外側エッジ(41)に固定された終端プレート(56)で終わるまで下向きに延びる。
図130~33に示される実施例において、上部と下部のレースガイドの間にループが形成される。ただし、ループ内に交差するゾーンはない。
図30~33に示されるように、レース(30)は靴の片側にのみ伸びているけれども、それでも最適な閉止システムを提供し、快適なフィット感を提供する。次に、レース(30)は、前足領域(21)の側縁(41)に固定された終端プレート(56)で終端することができる。
【0096】
他のバージョンにおいて、2つのレースストランドが存在する。上述のとおり、1つのレースが靴のアッパー(12)の外側サイド(41)に沿って伸びる。別のレースストランドは、靴のアッパー(12)の内側サイド(38)に沿って伸びる。レースは結合されない。むしろ、レースストランドは、靴の外側サイドおよび内側サイドのそれぞれの終端プレートで終端する。
【0097】
図34~41を参照すると、このアッパー構造の実施例において、単一のレース締め付けアセンブリ(125)および3つのパワークロージャストラップ(128、129、130)が存在する。この実施例において、アッパー(12)は、一般的に、足を挿入するための踵カラー(79)を有する開口部(20)を備えた甲部領域(18)を含む。
図34~37に示されるように、一例において、踵カラー(79)は薄型である。別の例において、
図38~41に示されるように、踵カラー(79)は高いプロファイルを持っている。靴の内側サイドに沿ったレース(30)の経路も、また、
図36および40に示されるように変化して良い。
【0098】
図34に戻って参照すると、レース(30)は、踵領域のレース締め付けアセンブリ(119)から延在し、外側レースチャネル(52)に通され、このチャネルを出るときに、第1の上部レースガイド(132)に入り、これは、第1の(上部)パワークロージャストラップ(128)に取り付けられ、出口点で当該ガイド(132)から出る。第1の上部外側レースガイド(132)を出た後、レース(30)は、下部外側レースガイド(134)に入るまで下方に延び、こののち、出口点でこの下部外側レースガイド(134)から出る。下部外側レースガイド(134)は第2の(中央)パワークロージャストラップ(129)に取り付けられている。レース(30)が下部レースガイド(134)を出た後、それは上向きにねじ込まれ、第2の上部側面レースガイド(136)に入り、この第2の上部側面レースガイド(136)は第3(下部)パワークロージャーストラップ(130)に取り付けらている。レース(30)は、第2の上部レースガイド(136)を通って移動し、次にこのガイド(136)を出る。次に、レース(30)は、その経路がアッパー(12)の外側エッジ(41)に固定された終端プレート(56)で終わるまで下向きに通過する。
【0099】
このバージョンにおいて、2つのレースストランド(30a、30b)が存在する。レース(30a)は靴アッパーの外側サイド(41)に沿って延在し、レース(30b)は靴アッパー(12)の内側サイド(38)に沿って延在する。レース(30a、30b)は接続されていない。ただし、このシステムは足の周りをしっかりと閉じ、快適で滑らかなフィット感を提供する。靴の外側サイト(41)に沿ったレースストランド(30a)の経路は上に記載されている。内側サイド(38)に沿ったレースストランド(30b)の経路において、レースは、踵領域のレース締め付けアセンブリ(119)から延在し、内側レースチャネル(52b)に通され、このチャネルをアイレット(54)を通じて出るときに、それは下部内側レースガイド(113)に入る(
図36)。他の例(
図40に示される)において、レース(30b)は、下部内側レースガイド(113)に入る前に、上部内側レースガイド(124)に入ることができる。次に、レース(30b)は、レースガイド(113)を出て、次に、第2の(中央の)パワークロージャーストラップ(129)に取り付けられた上部内側レースガイド(190)に入る。次に、レース(30b)は、その経路がアッパー(12)の内側エッジ(38)に固定された終端プレート(56)で終わるまで下向きに通過する。
【0100】
他のバージョンにおいて、レース(30)は下向きに通過し、次にそれは、上部ソールとミッドソールとの間を走るチャネル(図示せず)を通過することができる。レース(30)はこのチャネルを通過し、靴のアッパー(12)の内側サイド(38)に沿って上方に移動する。したがって、この例では、レース(30)は連続ループを形成し、その結果、レースは、靴のアッパーの外側サイドおよび内側サイドの両方に沿って、そして靴のアッパーの踵領域の周りに延びる。このバージョンにおいて、同じレース(30)が靴のアッパーの内側サイドに沿って伸びる。すなわち、レース(30)は上向きに通過し、入口点で内側上部コネクタスレッドガイド(109)に入る。次に、レースは、内側コネクタスレッドガイド(109)を通って移動し、次に、内側サイド(38)の第2の下部レースガイド(113)を通過するまで下向きに延びる。次に、レース(30)は、内側レースチャネル(52b)に通され、レース締め付けアセンブリ(119)に戻る。したがって、この例において、レース(30)は連続ループを形成し、その結果、レースは、靴のアッパー(12)の外側サイドおよび内側サイドの両方ならびに踵領域に沿って延びる。
【0101】
図34~41に示され、先に検討したように、レース締め付けアセンブリ(119)は、ハウジング内に配置されたスプール(図示せず)を覆うダイヤル(121)を含むことができる。レース(30)がレース締め付けアセンブリ(119)を介して締め付けられると、上部パワークロージャーストラップ(128)は、矢印Hによって表されるように下方向に引っ張られる。中央のパワークロージャーストラップ(129)は、矢印Iで表されるように下方向に引っ張られる。下部パワークロージャーストラップ(130)は、矢印Jで表されるように下方向に引っ張られる。レースガイドは摩擦が少ないため、レース(30)をガイドからスムーズかつしっかりと引っ張ることができる。レース(30)を緩めるために、ダイヤル(121)を反時計回りに回転させる。このようにして、レース(30)の張力を調整することができる。張力は段階的に増減できる。ダイヤル(121)を引き上げて、レース締め付けシステム(110)を素早く解放し、レース(30)を緩めることができる。したがって、レース(30)は、当該レースが靴のアッパー(12)の外側サイドおよび内側サイドに沿って、そして靴のアッパー(12)の踵領域の周りに延びるように、連続的なループを形成する。レース(30)を調整することにより、靴のアッパーに対して実質的に均一な力の適用が提供される。着用者の足に対して靴が均一に締め付けられる。これは、着用者の足に圧力点がかかるのを防ぐのに役立つ。
【0102】
さらに別の実施例において、
図42~45に示されるように、靴のアッパー(12)は、
図26~29に示される靴のアッパーと同じ靴構造を有し、ただし、以下の変更を伴う。すなわち、i)靴のアッパーの外側サイドに配置された第1の(外側)上部コネクタスレッドガイド(94)は、プラスチック材料ではなくウェビングでできている。ii)外側レースチャネル(52a)に隣接して上部レースガイド(135)がある。iii)2つの下部レースガイド(104、137)がある。iv)アッパーの前足領域に取り付けられた前足コネクタスレッドガイド(140)がある。この実施例において、レース(30)は、レースが靴のアッパー(12)の外側サイドおよび内側サイドに沿って、そして靴のアッパー(12)の踵領域の周りに延びるように、連続ループを形成する。
【0103】
図42~45において、第1の(外側)上部コネクタスレッドガイド(94)は、以下でさらに説明するように、第2の(内側)上部コネクタスレッドガイド(107)に結合されている。レース(30)は、踵領域のレース締め付けアセンブリ(99)から延在し、トランペットまたはアイレットガイド(54)を通って外側レースチャネル(52a)を出る。次に、レース(30)は、入口点で第1の上部レースガイド(135)に入り、このガイド(135)を出る。レース(30)が第1の上部レースガイド(135)を出た後、それは下向きに伸びて第1の下部レースガイド(104)に入り、次に出口点でこのガイド(104)を出る。次に、レース(30)は上向きに通過し、入口点で第1の(外側)上部コネクタスレッドガイド(94)に入る。次に、レースは上部コネクタスレッドガイド(94)を通って移動し、2番目の下部レースガイド(137)まで下向きに伸びる。
【0104】
第2の下部レースガイド(137)を出た後、レース(30)は上方に延在し、前足コネクタスレッドガイド(140)を通ってアッパー(12)の内側サイド(38)に通される。
図43~44に示されるように、同じレース(30)が第1の下部内側レースガイド(142)に入り、出口点でこのガイド(142)から出る。第1の下部内側レースガイド(142)を出た後、レース(30)は、それが内側上部コネクタ糸ガイド(107)に入るまで上方に延びる。レース(30)は、出口点で上部内側糸ガイド(107)を出た後、下向きに通過し、入口点で第2の下部内側レースガイド(144)に入る。レース(30)は、第2の下部内側レースガイド(144)を通って移動し、次にこのガイド(144)を出る。第2の下部内側レースガイド(144)を出た後、レース(30)は上方に伸び、上部内側レースガイド(145)に入る。次に、レース(30)は、内側レースチャネル(52b)に通され、レース締め付けアセンブリ(99)に戻る。したがって、この例では、レース(30)は連続ループを形成し、その結果、レースは、靴のアッパー(12)の外側サイドおよび内側サイドに沿って、そして靴のアッパー(12)の踵領域の周りに延びる。
【0105】
この例において、第1(外側)および第2(内側)上部コネクタスレッドガイド(94、107)はウェビングでできており、これに限定されないが、多種多様な固定手段によって互いに結合することができ、これは、成形プラスチック、金属ワイヤ(100、101)、炭素繊維、炭素繊維複合材、布地、ウェビング、繊維、その他のレーシングシステムを含む。
【0106】
上述のこの発明のゴルフ靴(10)の種々の実施例のすべては、甲部分、並びに、内側サイドおよび外側サイドおよび踵領域に力を加えることによって足の動きを制御するのに役立つレース締め付けシステムを有する。
図46を参照すると、上述のパワーシュラウドおよびレースガイドを含むこのレース締め付けシステムは、靴カバー(150)で覆うことができることがさらに理解される。この靴カバー(150)は、靴に審美的に心地よくファッショナブルな外観を提供するのに役立つ。
【0107】
この発明のゴルフ靴は、安全でありながら快適なフィット感を提供する。一実施例において、種々のレースガイドを通過するときのレースの張力は、実質的に同じである。他の実施例において、張力は変化して良い。レースを調整することで、靴のアッパーに対して実質的に均一な力を加えることができる。この発明のシステムは、外側サイド、内側サイド、および下向きの締め付け力を足の長さに沿って均一に分散させる。レースガイドは甲部領域全体に均等に引っ張られ、甲部領域を閉じて足を下に引く。したがって、着用者の足に対して靴が均一に締め付けられる。これは、着用者の足に圧力点がかかるのを防ぐのに役立つ。足は踵部分に引き込まれ、外側サイドおよび内側サイドの領域に沿って引き込まれ、安全で快適なフィット感を提供する。
【0108】
図47~
図49に示されるように、パワーシュラウド(24)の代替的な実施例が図説されている。図示の靴構造の実施例は、
図1~
図10に示される実施例に関して先に記載される構成と類似していることが理解されよう。代替的には、靴構造は、この出願で論じられている構造のいずれかに従って良い。
図47~49を参照すると、他の実施例において、靴アッパー(12)は、ミッドソール(14)から上方に延びる「フレーム形状」構造(63)を有する骨格フレームを備えた独特の設計を有し、
図9および
図10を参照して先に記載された付加的な安定性および支持を実現する。この実施例において、レース(30)は、
図1~4および
図9および10に関して先に説明したのと同じ方法で、上部および下部レースガイド(44、46、48、50)に通される。レースガイド(44、46、48、50)は、ステッチング、接着剤、または他の任意の適切な固定手段によってパワーシュラウド(24)に取り付けられて良いことが理解されよう。より具体的には、上部レースガイド(44、46)は、パワーシュラウド(24)に取り付けられ、角度のある位置に方向づけられている。 レース(30)は、踵領域(17)のレース締め付けアセンブリ(60)から伸び、トランペットまたはアイレットガイド(54)から出る。次に、レース(30)は、入口点で第1の上部レースガイド(44)に入り、レースガイド(44)を出る。 レース(30)は、出口点で第1の上部レースガイド(44)を出た後、下向きに通過し、アッパーの外側側部(41)に取り付けられた第2の下部レースガイド(50)に入る。レース(30)は、第2の下部レースガイド(50)を通過し、出口点でレースガイド(50)を出る。レースは、第2の下部レースガイド(50)を出た後、第2の上部レースガイド(46)に上向きにねじ込まれ、ここで、入口点でレースガイド(46)に入る。次に、レース(30)は、第2の上部レースガイド(46)を通って移動し、レースガイド(46)を出る。 次に、レース(30)は下向きに通過し、アッパーの外側側部(41)に取り付けられている第1の下部レースガイド(48)に入るときに、初めてそれ自体を横切る。
図49に示すように、この領域は、最初の交差ゾーン(「X」)と呼ばれて良い。 レース(30)は、第1の下部レースガイド(48)を通過し、出口点でこのレースガイド(48)を出る。 次に、レース(30)は上向きに伸び、パワーシュラウド(24)に取り付けられた終端プレート(56)でその経路が終了するまで、それ自体と、2度目に、交差する。この領域は、第2の交差ゾーン(「Y」)と呼ばれて良い。
図47~49に示されるように、レース(30)は靴の片側に沿ってのみ伸びるけれども、それでも最適な閉鎖システムを提供し、快適なフィット感を提供する。 レースのストランドは1つだけである。すなわち、靴アッパー(12)の外側側部のみに沿って伸びる単一のレース(30)が
図47~49に示されている。他の例において、レースはアッパー(12)の内側側部に沿ってのみ延びるようにねじ込まれて良い。
【0109】
図47~49に示されるように、この実施例において、パワーシュラウド(24)は、第1および第2の窓開口部(154)を具備し、これら第1および第2の窓開口部(154)は、パワーシュラウド(24)内で長手方向に延びるように提供され、当該パワーシュラウド(24)が靴を横切って締められて装着者の足部を靴の中に固定するときに、それらが足中部領域を横切って延びるように構成される。第1および第2の窓開口部(154)は、当該窓開口部(154)を埋めて透けて見える繊維強化複合材料ストリップ(160)を備えている。繊維強化複合材料ストリップ(160)は、各窓開口部(154)が、当該窓開口部(154)を埋めて透けて見える別個の繊維強化複合材料ストリップ(160)を有するように提供されて良いことが理解されよう。1の構造において、窓開口部は、パワーシュラウド(24)に設けられた開口部を通る。 好ましくは、少なくとも1つの繊維強化複合材料ストリップ(160)は、それが少なくとも1つの窓開口部(154)を通して満たされ、見えるように、パワーシュラウド(24)の背面に固定される。代替的には、単一の繊維強化複合材料ストリップ(160)が、パワーシュラウド(24)の背面に固定されて良く、これが2つ以上の窓開口部(154)が透けて見えて良い。
【0110】
代替的な構造において、パワーシュラウド(24)は、外層および内層の2層の材料で製造されて良い。 材料の外層は、窓開口部(154)を具備して良く、パワーシュラウド(24)の層の間に繊維強化複合材料ストリップ(160)が固定され、これが当該窓開口部(154)を通して見える。繊維強化複合材料ストリップは、各窓開口部(154)に対して繊維強化複合材料ストリップ(160)として提供されて良く、または単一の繊維強化複合材料ストリップ(160)がすべての窓開口部(154)を満たすために提供されて良い。
【0111】
繊維強化複合材料ストリップ(160)は、結合マトリックス(樹脂)および強化繊維を有する。 結合ポリマーは、エポキシまたはゴムなどの熱硬化性材料であって良い。 ポリエステル、ポリオレフィン、ナイロン、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂も使用できる。好ましくは、グラファイトなどの炭素繊維が補強繊維として使用される。 炭素繊維に加えて、またはその代わりに、アラミド(例えば、Kevlar(商標)、アルミニウム、またはガラス繊維などの他の繊維を使用することができる。繊維強化複合材料ストリップ(160)は、強化繊維にエポキシなどの樹脂材料を含浸させる標準的な技術を使用して製造することができる。 この樹脂は、補強繊維を結合するためのマトリックスとして使用される。これらの含浸された材料は、積層構造、例えばストリップを形成するために積み重ねられて良く、これが高温で硬化されて複合材料を固化する。 得られた繊維強化複合材料ストリップは軽量で、高剛性、高引張強度、低重量対強度比などの優れた機械的特性を備えている。先に検討したように、パワーシュラウド(24)は、少なくとも1つの窓開口部(154)を有して良く、繊維強化複合材料ストリップ(160)が窓開口部内に固定されている。代替的には、パワーシュラウド(24)は、サンドイッチ状または層状構造を有して良く、繊維強化複合材料ストリップ(160)が層の間に配置され、外層の窓開口部(154)内に丁度提供されるように取り付けられる。繊維強化複合材料ストリップ(160)は、接着剤、ステッチングまたは他の任意の適切な固定手段を含む任意の適切な方法によって、パワーシュラウド(24)に固定されて良いことが理解されるであろう。繊維強化複合材料ストリップ(160)は、パワーシュラウド(24)を補強する軽量素材を提供し、靴の安定性とフィット感を向上させる。 先に述べたように、レース(30)がレース締め付けシステム(60)を介して締め付けられるとき、パワーシュラウド(24)が甲部領域(18)を越えて外側側部(41)に向かって引っ張られることが理解されよう。パワーシュラウド(24)を横切って甲部(18)から中足部(23)の外側側部(41)に向かって縦方向に延びる繊維強化複合材料ストリップ(160)を提供することにより、ゴルファーは、ショット時に、より優れた安定性およびバランスを享受する。
【0112】
図50~52に示されるように、パワーシュラウド(24)の代替的な実施例が図説されている。図示の靴構造の実施例は、
図1~10、および
図47~49に示される実施例に関して先に説明した構成と類似していることが理解されよう。代替的には、靴構造は、この出願で検討されている構造のいずれかに従って良い。図示のとおり、パワーシュラウド(24)は、「H」の形をした単一の窓開口部(154)を有し、これが、パワーシュラウド(24)において長手方向に延び、もって、中心開口によって接続された2つの実質的に平行な開口部は、 パワーシュラウド(24)が靴(10)の中足部領域を横切って締め付けられるときに、中足部領域を横切って延びる。窓開口部(154)は、繊維強化複合材料ストリップ(160)が充填され、窓開口部(154)を通して見えるようになっている。 1つの構造において、窓開口部(154)は、パワーシュラウド(24)に設けられた開口部を通る。好ましくは、少なくとも1つの繊維強化複合材料ストリップ(160)が、パワーシュラウド(24)の背面に固定され、もって、それが少なくとも1つの窓開口部(154)を通して満たされ、見えるようになっている。繊維強化複合材料ストリップ(160)は、窓開口部(154)を満たすために同じ「H」形状で実現されて良く、または繊維強化複合材料ストリップは、 窓開口部(154)を満たす大きな部品、例えば矩形部品として実現されて良い。
【0113】
図50~52のための代替的な構造において、パワーシュラウド(24)は、外層および内層の2層の材料で製造されて良い。材料の外層は、「H」の形の窓開口部(154)を具備して良く、繊維強化複合材料ストリップ(160)が、パワーシュラウド(24)の層の間に設けられ、当該窓開口部(154)を通して見えるようになっている。先に検討したように、単一の繊維強化複合材料ストリップ(160)は、窓開口部(154)を埋めるために同じ「H」字型として提供されて良く、または、繊維強化複合材料ストリップ(160)は、より大きな部品として、例えば矩形形状の部品として窓開口部(154)を埋めて良い。
【0114】
図47~52の実施例の少なくとも1つの窓開口部(154)および/または繊維強化複合材料ストリップ(160)も任意の形状またはサイズにすることができることに留意されたい。先に検討したように、好ましくは、パワーシュラウド(24)は長さ(L1)を具備し、少なくとも1つの窓開口部(154)および/または繊維強化複合材料ストリップ(160)は、パワーシュラウド(24)の長さ(L1)の少なくとも30%に沿って延びて良く、好ましくは、パワーシュラウド(24)の長さ(L1)の少なくとも50%に沿って延びて良い。さらに、
図47~52の実施例の繊維強化カーボンストリップ(160)が、パワーシュラウド(24)の外側表面に固着されて、窓開口部(154)をカバーするように構成されて良く、または、繊維強化複合材料ストリップ(160)がパワーシュラウド(24)の外側表面に固着されて良く、パワーシュラウド(24)は繊維強化複合材料ストリップ(160)用に提供された窓開口部(154)を持たない。
【0115】
この発明のゴルフ靴は、しっかり固定しつつ快適なフィット感を提供する。 一実施例において、異なるレースガイドを通過するときのレースの張力は、実質的に同じである。 他の実施例において、張力は変化して良い。レースを調整すると、靴のアッパーに対して実質的に均一な力が加えられる。この発明のシステムは、外側サイド(ラテラル)、内側サイド(ミディアル)、および下向きの締め付け力を足の長さに沿って均一に分散させる。レースガイドは甲部領域全体に均等に引っ張られ、甲部領域を閉じて足を下に引く。 したがって、着用者の足に対して靴が均一に締め付けられる。 これは、着用者の足にかかる圧力ポイントを防ぐのに役立つ。 足は踵部分へと、外側サイド領域および内側サイド領域に沿って引き込まれ、しっかり固定しつつ快適なフィット感を実現する。
【0116】
さらに、この発明のレース締め付けシステムは、着用者が望むようにレースを締め付けたり緩めたりするように少しずつ調整することができる。この発明のゴルフ靴は、高レベルの快適性および安定性を提供し、カスタムフィットである。レースの締め付けシステムは微調整可能で、ゴルファーや靴のフィッティングの好みに最適なフィット感を提供する。ゴルフ靴の種々の実施例は、高レベルの安定性、力、および牽引力、ならびに高レベルの柔軟性の両方を有する。靴は安定性、パワー、およびトラクションを提供するので、滑りがなく、ゴルファーはクラブをスイングするときにバランスを保つことができる。同時に、靴は柔軟性が高いので、ゴルファーは歩いてコースをプレーしたり、他のゴルフ活動を快適に行うことができる。
【0117】
この発明の靴は、また、ゴルフスイング中に体重をシフトするときにゴルファーに力と安定性を提供するのに役立つ。たとえば、ゴルファーがクラブのスイング動作を開始する前に最初に足を配置するとき(つまり、ボールをアドレス指定するとき)、体重は前側の足と後側の足に均等に分散される。ゴルファーがバックスイングを開始すると、体重は主に後側の足に移動する。ダウンスイングの開始時に、後側の足にかなりの圧力がかかる。したがって、後側の足は駆動足と呼ばれ、前側の足は安定足と呼ばれることがある。ゴルファーがスイングを続けてボールをドライブすると、その重量は駆動足から前側(安定化)の足に移動する。スイング動作中は、前後の足にある程度の回転があるけれども、この回転動作を制御する必要がある。ショットを行うときに、前側の足と後側の足の両方が実質的に動いたり滑ったりしないことが重要である。この発明のゴルフ靴は、この動きおよび滑りを防止するのに役立つ。この発明のゴルフ靴は、足部の長さに沿って外側サイド、内側サイド、および下向きの締め付け力を均一に分散させることによって、安定性および支持を提供するのに役立つ。
【0118】
本明細書に数値の下限および数値の上限が記載される場合、これらの値の任意の組み合わせが使用されて良いことが意図されている。動作例以外、または明示的に指定されていない限り、「約」という用語が、値、量、または範囲とともに明示的に表示されなくとも、数値の範囲、量、値、および材料の量などの明細書のパーセントなどはすべて、「約」という言葉で始まるように解釈されて良い。したがって、そうでないことが示されない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に示される数値パラメータは、この発明によって得られることが求められる所望の特性に応じて変わり得る近似値である。
【0119】
用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」、「第5」、「第6」、「第7」、「第8」、「第9」、「第10」、「第11」、「第12」、「トップ」、「ボトム」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「右」、「左」、「中間」、「近位」、「遠位」、「外側」(ラテラル)、「内側」(メディアル)、「前方」、「後方」、「前方足部」、「中央足部」、および、「後方足部」などは、1つの視点に基づいて要素の1つの位置を指すために使用される任意の用語であり、この発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0120】
優先権書類を含む、ここで引用されるすべての特許、刊行物、試験手順、および他の参考文献は、そのような開示がこの発明と矛盾しない範囲で、およびそのような組み込みが許可されるすべての管轄区域について、参照により完全に組み込まれる。靴の素材、デザイン、構造、構造、靴のコンポーネント、靴アセンブリおよびサブアセンブリは、この発明のいくつかの実施例のみを表すことに留意されたい。当業者は、この発明の精神および範囲から逸脱することなく、そのような製品および材料に様々な変更および追加を行うことができることを理解している。そのようなすべての実施例は、添付の特許請求の範囲によってカバーされることが意図される。
【符号の説明】
【0121】
10 ゴルフ靴
12 アッパー
14 ミッドソール
18 甲部領域
20 スロート開口部
22 舌革部材
24 パワーシュラウド
30 レース
44 第1の上部レースガイド
46 第2の上部レースガイド
48 第1の下部レースガイド
50 第2の下部レースガイド
154 窓開口部
160 繊維強化複合材料ストリップ