(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】操縦協調メッセージにおける優先度指示
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20241031BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G08G1/09 H
G08G1/16 A
(21)【出願番号】P 2022554552
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 CN2020084010
(87)【国際公開番号】W WO2021203372
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】イー、ラン
(72)【発明者】
【氏名】バッシロフスキー、ダン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ホン
(72)【発明者】
【氏名】マーシュ、ジーン・ウェスリー
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-199169(JP,A)
【文献】特開2016-143137(JP,A)
【文献】特開2016-031586(JP,A)
【文献】特開2012-150630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両操縦協調の方法であって、
第1の車両において、前記第1の車両が実行するための操縦を決定することと、
前記操縦に対応する優先度レベルを決定することと、
前記第1の車両から、前記操縦を実行するための要求をワイヤレスに送信することと、ここにおいて、前記要求は、
前記操縦、
前記優先度レベル、および、
前記操縦を実行するための時間ウィンドウ、
を示す情報を備える、
を備える、方法。
【請求項2】
前
記要求は、V2X(vehicle-to-everything)通信規格にしたがってワイヤレスに送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記優先度レベルは、前記操縦の理由、前記第1の車両の車両タイプ、またはその両方に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の車両において、第2の車両または路側ユニット(RSU)から受諾メッセージを受信することと、
前記第2の車両は、前記第2の車両のロケーションおよび速度に基づき、前記操縦によって影響を受けると決定された車両であり、
前記受諾メッセージを受信したことに応答して、前記第1の車両で前記操縦を実行することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
車両操縦協調の方法であって、
第1の車両から操縦を実行するための第1の要求をワイヤレスに受信することと、ここにおいて、前記第1の要求は、前記操縦と、優先度レベルと、前記操縦を実行するための時間ウィンドウとを示す情報を備え、
前記第1の要求の前記優先度レベルに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の要求を許可すべきかどうかを決定することと、
前記第1の要求が許可されたかどうかを示す応答をワイヤレスに送ることと、
を備える、方法。
【請求項6】
前記第1の要求を受信すること、前記第1の要求を許可すべきかどうかを決定すること、および前記応答をワイヤレスに送ることは、第2の車両によって実行さ
れ、
前記第2の車両は、前記第2の車両のロケーションおよび速度に基づき、前記操縦によって影響を受けると決定された車両である、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の車両は、第3の車両から前記第2の車両によって受信された第2の要求の優先度レベルにさらに基づいて、前記第1の要求を許可すべきかどうかを決定
し、
前記第2の要求は、前記第3の車両が実行する第2の操縦と、前記第2の操縦に対応する優先度レベルと、前記第2の操縦を実行するための時間ウィンドウとを示す情報を備え、
前記第2の車両は、前記第2の車両のロケーションおよび速度に基づき、前記第2の操縦によって影響を受けると決定された車両である、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の要求を許可すべきかどうかを決定することは、前記第2の要求の前記優先度レベルが前記第1の要求の前記優先度レベルよりも高いという決定に基づいて、前記第1の要求を拒否することを決定することを備え、
前記応答は、前記第1の要求の拒否を示す情報を備える、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の要求を許可すべきかどうかを決定することは、前記第2の要求の前記優先度レベルが前記第1の要求の前記優先度レベルよりも低いという決定に基づいて、前記第1の要求を受諾することを決定することを備え、
前記応答は、前記第1の要求の受諾を示す情報を備える、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
通信インターフェースと、メモリと、1つまたは複数の処理ユニットとを備えるデバイスであって、前記1つまたは複数の処理ユニットは、前記通信インターフェースおよび前記メモリに通信可能に結合され、前記デバイスに請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実行させるように構成される、デバイス。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実行するための手段を備えるデバイス。
【請求項12】
命令が埋め込まれた非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、1つまたは複数の処理ユニットによって実行されると、前記1つまたは複数の処理ユニットに請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
車両操縦協調(vehicle maneuver coordination)に関する。
【背景技術】
【0002】
[0001] V2X(Vehicle-to-everything)は、車両および関連するエンティティが交通環境に関する情報を交換するための通信規格である。V2Xは、V2X対応車両間の車車間(V2V:vehicle-to-vehicle)通信、車両とインフラストラクチャベースのデバイス(一般に路側ユニット(RSU:road side unit)という)との間の路車間(V2I:vehicle-to-infrastructure)通信、および車両と近くにいる人(歩行者、自転車利用者、および他の道路利用者)との間の歩車間(V2P:vehicle-to-person)通信等を含むことができる。さらに、V2Xは、様々なワイヤレス無線周波数(RF)通信技術のいずれかを使用することができる。例えば、セルラV2X(CV2X)は、ロングタームエボリューション(LTE(登録商標))、第5世代ニューラジオ(5G NR)、および/または第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))によって定義される直接通信モードにおける他のセルラ技術などのセルラベースの通信を使用するV2Xの形態である。V2Xメッセージを通信するために使用される、車両、RSU、または他のV2Xエンティティ上のコンポーネントもしくはデバイスは、総称して、V2XデバイスまたはV2Xユーザ機器(UE)と呼ばれる。
【0003】
[0002] 先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver-Assistance System)を有する車両を含む自律および半自律車両は、V2Xを使用して操縦(manuevers)を通信し、協調させることができる。V2X対応車両(「V2X車両」)が道路上で安全に操縦走行するのを助けるために、V2X車両は、意図された操縦(intended maneuvers)を他のV2X車両に通信することができる。これは、例えば、車線変更(lane change)および交差点横断等の操縦と、挙動軌道(behavior trajectory)についての対応する時間ウィンドウとを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】[0003] 道路上の交通シナリオの俯瞰図の例示である。
【
図2】[0004] 一実施形態による、意図された操縦を通信するときのエンティティ間の通信および基本機能を例示するコールフロー図である。
【
図3】[0005] 道路上の別の交通シナリオの俯瞰図の例示である。
【
図4】[0006] 一実施形態による、V2Xデバイスの一実施形態のブロック図である。
【
図5】[0007] 一実施形態による車両操縦協調(vehicle maneuver coordination)の方法のフロー図である。
【
図6】[0008] 一実施形態による、車両操縦協調の別の方法のフロー図である。
【
図7】[0009] 一実施形態による、車両が様々なネットワークを介して様々なデバイス、車両、およびサーバと通信し得るシステムの例示である。
【
図8】[0010] 一実施形態による、車両の機能ブロック図である。
【
図9】[0011] 一実施形態による例示的な車両の斜視図である。
【詳細な説明】
【0005】
[0012] 様々な図面中の同様の参照記号は、ある特定の例示的な実装形態によれば、同様の要素を示す。加えて、要素の複数のインスタンスは、当該要素についての第1の番号に文字またはハイフンと第2の番号とを後続させることによって示すことができる。例えば、要素110の複数のインスタンスは、110-1、110-2、110-3等、または110a、110b、110c等として示すことができる。第1の番号のみを使用してこのような要素に言及するとき、要素のいずれのインスタンスも理解されるべきである(例えば、先の例における要素110は、要素110-1、110-2、および110-3、または要素110a、110b、および110cを指すことになる)。
【0006】
[0013] 次に、いくつかの例示的な実施形態について、その一部を形成する添付図面と関連させて説明する。本開示の1つまたは複数の態様が実施され得る特定の実施形態について以下で説明するが、本開示の範囲または添付の特許請求の範囲の要旨から逸脱することなく、他の実施形態を使用してもよいし、様々な変更を行ってもよい。
【0007】
[0014] 本明細書でいう「V2Xデバイス」、「V2X車両」、および「V2Xエンティティ」は、それぞれ、V2Xメッセージを送受信することが可能なデバイス、車両、およびエンティティを指す。同様に、「非V2X車両」および「非V2Xエンティティ」は、V2X通信に関与しない、または関与できない車両およびエンティティを指す。さらに、本明細書で詳述される「V2Xデバイス」は、V2X通信を可能にするためにV2Xエンティティに組み込まれ、および/またはV2Xエンティティによって使用され得るデバイス、システム、またはコンポーネント等を指す。多くの実施形態が「V2X車両」および「非V2X車両」について述べるが、多くの実施形態は、例えば、歩行者、自転車利用者、道路危険物、障害物、および/または他の交通関連の物体等の非車両エンティティを含むように拡張することができることが理解されよう。さらに、実施形態は、交通関連の通信が可能な車両および/またはRSUに適用され得るが、必ずしもV2X対応車両/RSUに適用されなくてもよいことに留意されたい。さらに、本明細書で提供される実施形態は、自律および/または半自律車両によって実行され得るが、実施形態はそのように限定されるものではない。実施形態は、例えば、意図された操縦を(例えば、人間の運転者に命令を通信することが可能な車載ナビゲーションコンピュータ内で)決定および通信するための能力を有する従来の(非自律)車両を含み得る。当業者であれば、そのような変形例を理解するであろう。
【0008】
[0015]
図1は、一実施形態による、道路100の俯瞰図の例示であり、V2X車両が意図された操縦を通信することができることを例示するのを助けるために提供される。ここで、車両110-1、110-2、110-3、および110-4(本明細書では集合的および総称的に車両110と呼ぶ)を含むいくつかの車両が道路100に沿って走行しており、RSU120が道路100の近くに位置している(混乱を避けるために、すべての車両110にラベルが付いているわけではない)。
図1は、本明細書で提供される他の図と同様に、非限定的な例として提供されていることが理解されよう。当業者であれば、
図1の他の態様と同様に、道路の様々な特性(車線数、形状、方向、交差点等)が変わり得ることを理解するであろう。当然のことながら、道路100に沿った車両の数、ロケーション、相対速度、および他の特性は、交通状況が変化すると変化する。
【0009】
[0016] 先に述べたように、車両110は、道路上で安全に操縦走行するのを助けるために、意図された操縦を互いに通信することができる。より具体的には、車両110は、意図された操縦を、操縦によって(例えば、他の車両110を加速または減速させることによって、または他の車両110の特定の距離内に入ることによって)影響を受け得る1つまたは複数の他の車両110にメッセージを送ることによって、通信することができる。これらのメッセージは、操縦の軌道(例えば、車線変更および交差点横断等を含むことができる)に関する情報と、挙動(behavior)または軌道(trajectory)についての対応する時間ウィンドウとを含む。他の車両は、これらの要求を受諾または拒否することによって応答することができる。
【0010】
[0017]
図2は、一実施形態による、意図された操縦を通信するときのエンティティ間の通信および基本機能を例示するコールフロー図である。ここで、意図された操縦を通信する車両110は、「要求車両(requesting vehicle)」という。加えて、要求を受信し、それに応答するエンティティは、「受信V2Xエンティティ(receiving V2X entity)」という。これは、いくつかの実施形態によれば、受信V2Xエンティティが必ずしも受信車両110に限定されなくてもよいからである。例えば、
図2を参照すると、RSU120が、道路100の指定部分(例えば、道路100の所定の長さ、および交差点等)についての車両移動を協調させ得る(may coordinate)。そのため、そのような場合、RSU120は、道路100の指定部分内にいる様々な車両110からの要求を受信し得る。しかし、受信V2Xエンティティは、多くの場合、要求車両の意図された操縦によって影響を受け得る車両を備え得る。
【0011】
[0018] 再び
図2に戻ると、操縦協調(maneuver coordinatioon)は、要求車両が操縦協調要求210を受信V2Xエンティティに送ることによって開始する。V2Xでは、この操縦協調要求210は、「Msg_Intention」メッセージを備え得、これは、前述のように、要求車両の予定軌道または所望の挙動、およびホスト車両が操縦を実行しようとする時間ウィンドウを含むことができる。予定軌道および時間ウィンドウは、例えば、ロケーション、速度等の車両の現在の計算された特性に基づいて決定され得る。
【0012】
[0019] 以下で詳述するように、要求車両などの、V2Xシステムにおける車両110は、様々なロケーション決定技法の1つまたは複数に基づいて、そのそれぞれのロケーションを決定し得る。これは、例えば、グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)ロケーション決定、地上トランシーバを使用する三辺測量または三角測量(例えば、ワイドエリアネットワーク(WAN)ベースの観測到着時間差、往復時間(RTT)決定、受信信号強度インジケーション(RSSI)、到来角(AoA)および/または出発角(AoD)、および同様のものを利用する技法)、画像ベースのロケーション決定(例えば、画像を高解像度マップデータと比較する)、センサベースのロケーション決定(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計等を使用する)、または同様のものを含むことができる。車両110は、データ融合(data fusion)を利用して複数のロケーション決定技法を統合し、その最終的なロケーションを決定し得、これは、ビーコンまたは同様のワイヤレス技法を使用してブロードキャストされ得るか、または他の方法で軽減され得る。
【0013】
[0020] 加えて、要求車両は、意図された操縦によってどの近くの車両110が影響を受け得るかを、近くの車両110の現在の計算された特性に基づいて識別し得る(したがって、いくつかの実施形態によれば、操縦協調要求210を送るべき1つまたは複数の車両を識別し得る)。これらの特性は、これらの近くの車両110からの通信、センサ測定値、およびRSU120ならびに/もしくは他のデバイスから提供される車両に関する情報等により決定され得る。例えば、V2X通信にしたがって、近くの車両110は、基本安全メッセージ(BSM:Basic Safety Message)または協調認識メッセージ(CAM:Cooperative Awareness Message)をブロードキャストし得る。追加的または代替的に、要求車両は、測定値(例えば、RTT測定値、ソナー、レーダ、カメラ画像等)を使用して、近くの車両110の絶対ロケーションまたは相対ロケーションを決定し得る。
【0014】
[0021] 実施形態によれば、操縦協調要求210は、受信V2Xエンティティが要求を許可すべきかどうかを決定する(
図2のブロック220で示される)のを助けるために優先度レベルをさらに含み得る。
【0015】
[0022] 操縦協調要求210(本明細書で説明される別のメッセージング)は、様々な手段、プロトコル、および規格を介して送受信され得、自動車技術者協会(SAE)または欧州電気通信規格協会(ETSI)などのV2X関連のグループによって規格化されたメッセージ要素を含み得る。したがって、操縦協調要求210において使用される(例えば、意図された操縦、時間ウィンドウ、および優先度を伝達するために使用される)メッセージ要素は、アプリケーション層情報要素を備え得る。
【0016】
[0023] 要求車両は、要求車両のタイプおよび要求された操縦についての理由付けなどのファクタに基づいて、操縦協調要求210の優先度を決定し得る。これらの優先度レベルは、アプリケーション層における規格化された共通のルールおよびファクタに基づき得る。表1は、車線変更の操縦協調要求についての優先度の定義の一例を提供する。他のタイプの操縦についての優先度レベルも同様に決定され得る。
【0017】
【0018】
[0024] ここで、考慮されるファクタは、操縦の理由、および車両タイプを含む。見て分かるように、要求された車線変更の理由は、戦略(Strategy)(例えば、ルートを継続させる)、協調(Cooperative)(例えば、他の車両のために場所を空ける)、または作戦(Tactic)(例えば、速度増加)という3つのカテゴリの1つに分けられる。さらに、車両タイプは、緊急車両または普通車両という2つのカテゴリの1つに分けられる。しかし、代替の実施形態は、追加または代替の優先度付けファクタ(例えば、緊急車両タイプ、要求車両の操縦または他の能力等に基づく)を含んでもよい。代替の実施形態はまた、追加または代替の車両タイプまたは車線変更の理由(例えば、事故回避を含み、比較的高い優先度が与えられ得る)を有してもよい。表1では、優先度0を有する操縦に最も高い優先度が与えられ、優先度5を有する操縦に最も低い優先度が与えられている。
【0019】
[0025] 次いで、受信V2Xエンティティは、例えば、要求された操縦タイプ、優先度レベル、他の要求車両からの操縦要求、(受信V2Xエンティティが受信車両を備える場合には)それ自身の運動状態(motion state)、道路状況、交通環境、および/または他のそのようなファクタに基づいて、要求を許可することを決定することができる(220)。異なるファクタに異なる重みを与えることができ、受信V2Xエンティティは、決定を行うためにファクタの各々のバランスをとることができる。操縦協調要求210が優先度レベルを含むことができるということにより、受信V2Xエンティティが、要求を許可すべきかどうかについて、よりインテリジェントな判定を行うことが可能になる。
【0020】
[0026] 例えば、受信車両を備える受信V2Xエンティティは、要求を許可したら受信車両が乗客を何らかの危険にさらすような方法でその動作を変更することによって応答することになる場合、要求車両からの車線変更要求を無視することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、受信車両は、優先度がある特定の閾値(例えば、表1の優先度0または1)を上回り、受信車両の乗客への危険が比較的低い場合、そのような車線変更要求を許可し得る。
【0021】
[0027] 受信V2Xエンティティは、要求を許可すると判定した場合、操縦協調受諾230を送り得る。V2X通信によれば、この操縦協調受諾230は、「Msg_Response」メッセージを備え得、これは、要求された操縦の受信V2Xエンティティの受諾を示す(代替的に、受信V2Xエンティティが要求を拒否した場合には、同様の方法で拒否を送り得る)。
【0022】
[0028] 受諾を受信すると、次いで要求車両は、操縦を実行することを決定し得る(240)(しかしながら、要求車両が、1つまたは複数の他の受信V2Xエンティティに同様の操縦協調要求を送っている場合があり、そのため、操縦を行うと判定をする前に、すべての受信V2Xエンティティからの受諾を受信するまで待機する場合があることに留意されたい)。しかしながら、操縦を行うと判定すると、要求車両は、
図2に例示されるように、操縦協調判定250を受信V2Xエンティティに送り、要求車両が操縦を実行することを受信V2Xエンティティに通知し得る。次いで、要求車両は操縦を開始することができる(260)。
【0023】
[0029]
図1に戻ると、例えば、第1の車両110-1は、速度を上げるために、ルート130に沿って移動し、車線変更することを望む場合がある。第2の車両110-2のロケーションおよび速度(第1の車両110-1によって決定される)が与えられると、第1の車両110-1は、第2の車両110-2に、ルート130、操縦を行うための時間ウィンドウ、および操縦の優先度レベルを示す操縦協調要求210を送ることができる。操縦が作戦(速度増加のため)であり、第1の車両110-1が普通(非緊急)車両と見なされるので、表1によれば、操縦の優先度は優先度5である。優先度が比較的低いにもかかわらず、第2の車両110-2は、前述のファクタに依存して要求を許可し得る。
【0024】
[0030] しかしながら、第2の車両110-2が別のより高い優先度の要求を受信した場合、第2の車両110-2が両方の要求を許可することができないならば、第1の車両110-1からの操縦要求を拒否し得る。例えば、緊急車両を備える第3の車両110-3が操縦協調要求210を第2の車両110-2に送った場合、これは、第2の車両110-2に、第3の車両110-3からの操縦要求を許可し、第1の車両110-1の要求を拒否させ得る。より具体的には、第3の車両110-3からの操縦要求がルート140に沿った作戦操縦(速度増加のため)を示す場合、操縦要求は、対応して優先度2(これもまた表1に基づく)を含み得る。第3の車両110-3からの操縦要求を受信した後、第2の車両110-2は、各車両がそれぞれの操縦を実行するための時間ウィンドウが重なること、および/または車両110-2からの結果として得られる応答が競合する(例えば、第3の車両110-3からの要求を許可すると、第2の車両110-2の減速が必要となり得るが、第1の車両110-1からの要求を許可すると、第2の車両110-2の加速が必要となり得る)ことに基づいて、第3の車両110-3および第1の車両110-1の両方の要求を許可することができないことを決定し得る。両方の要求を許可することができないので、第2の車両110-2は、したがって、第3の車両110-3からの要求のほうが第1の車両110-1の要求よりも高い優先度を有していたということに基づいて、第3の車両110-3の要求を許可し、第1の車両110-1の要求を拒否し得る。したがって、
図2に例示される方法によれば、第2の車両110-2は、操縦協調受諾230メッセージを第3の車両110-3に送り、拒否メッセージを第1の車両110-1に送り得る。そして、第3の車両110-3が操縦を開始することを示す操縦協調判定250を第3の車両110-3から受信した後、第2の車両110-2は、第3の車両110-3が操縦を実行することを可能にするために減速することができる。
【0025】
[0031]
図3は、道路100の俯瞰図の例示であり、操縦要求メッセージを許可および/または拒否すべきかどうかを決定するために操縦要求メッセージの優先度付けが車両110によってどのように使用され得るかのさらに別の例を提供する。ここで、第4の車両110-4は、第5の車両110-5に、それぞれの時間ウィンドウ内の、ルート310に沿った意図された操縦を示し、かつ対応する優先度を有する操縦要求を送る。この場合、第4の車両110-4が車線変更する理由は、戦略(ルートを継続させる)のためである。このため、また第4の車両110-4が普通車両であるので、操縦要求は、表1に示される優先度レベルによれば優先度レベル3を含むことができる。
【0026】
[0032] しかしながら、さらに、第6の車両110-6が、第5の車両110-5に、第4の車両110-4の意図された操縦の時間ウィンドウと重なり得る(または時間ウィンドウの閾値時間差内にあり得る)それぞれの時間ウィンドウ内の、ルート320に沿った意図された操縦を示す操縦要求を送る。ここで、第6の車両110-6が車線変更する理由は、作戦(速度増加のため)である。第6の車両110-6も普通車両であるので、対応する操縦要求は、表1に示される優先度レベルによれば優先度レベル5を有することができる。
【0027】
[0033]
図1のシナリオと同様に、要求が競合している。すなわち、第4の車両110-4および第6の車両110-6は、両方が実質的に同時に道路100上の実質的に同じロケーションへと移動して、車両同士で衝突することになる可能性があるので、それぞれの意図された操縦を実行することができない。しかしながら、
図1のシナリオとは異なり、どちらの要求でも許可するために第5の車両110-5が必要なことは同じであり、単に減速する必要があるだけである。しかしながら、第5の車両110-5が両方の要求を許可するために同じアクション(減速)を行うことができても、第5の車両110-5は、第4の車両110-4および第6の車両110-6の両方からの操縦要求を許可すると競合することになることを依然として決定することができる。したがって、第5の車両110-5は、一方の要求を許可し、他方を拒否することを決定することができる。そして、第4の車両110-4の要求の優先度のほうが第6の車両110-6の優先度よりも高いので、第5の車両110-5は、第4の車両110-4の要求を許可し、第6の車両110-6の要求を拒否することができる。
【0028】
[0034]
図4は、前述のように車両110および/またはRSUとワイヤレスに通信するために車両110、RSU120、または任意の他のシステムもしくはデバイスによって利用され、および/またはそれらに一体化され得る、V2Xデバイス400の一実施形態のブロック図である。車両110によって利用されるとき、V2Xデバイス400は、車両のナビゲーションおよび/または自動運転に関連する1つまたは複数のシステムを管理するとともに他の車載システムおよび/または他の交通エンティティと通信するために使用される車両コンピュータシステムを備え得るか、またはその中に一体化され得る。RSU120によって利用されるとき、V2Xデバイス400は、RSU120に、
図2に関連して説明された受信V2Xエンティティの機能および/または後述する
図6に示される方法600の機能の1つまたは複数を実行させ得る。さらに、V2Xデバイス400は、追加のコンポーネントを含み得、かつ追加のRSU関連の機能を実行し得るRSUコンピュータシステムに一体化され得る。そのようなRSU関連の機能およびRSUの追加のコンポーネントについては、
図7に関連して以下で詳述する。これを考慮して、いくつかの実施形態によれば、V2Xデバイス400は、車両110またはRSU120のスタンドアロンデバイスもしくはコンポーネントを備え得、これは、車両110またはRSU120の他のコンポーネント/デバイスと通信可能に結合され得る。V2Xデバイス400が、車両110またはRSU120以外のV2Xエンティティによって同様に利用され得ることにも留意されたい。加えて、実施形態は、必ずしもV2X通信に限定されなくてもよい。したがって、代替の実施形態は、
図4に示されるものと同様のコンポーネントを有し、前述の実施形態で説明された車両110および/またはRSU120の機能を実行することが可能だが、V2X機能を有さない、V2Xデバイス400と同様のデバイスを含み得る。
【0029】
[0035]
図4は、様々なコンポーネントの汎用の例示を提供することのみを意図しており、それらのうちの任意のものまたはすべてが適宜利用され得ることにも留意されたい。いくつかの場合には、
図4によって例示されるコンポーネントが、単一の物理デバイスへとローカライズされ得ること、および/または、例えば、車両110、RSU120、または他のV2Xエンティティの異なる物理ロケーションに位置し得る様々なネットワーク化デバイスの間で分散され得ることに留意されたい。
【0030】
[0036] バス405を介して電気的に結合され得る(または、適宜、他の方法で通信状態にあり得る)ハードウェア要素を備えるV2Xデバイス400が示される。ハードウェア要素は、処理ユニット(単数または複数)410を含み得、これは、限定はしないが、1つまたは複数の汎用プロセッサ、1つまたは複数の専用プロセッサ(デジタル信号処理(DSP)チップ、グラフィックスアクセラレーションプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または同様のものなど)、および/または他の処理構造もしくは手段を含み得る。
【0031】
[0037] V2Xデバイス400はまた、ユーザインターフェースに関連するデバイス(例えば、タッチスクリーン、タッチパッド、マイクロフォン、ボタン(単数または複数)、ダイヤル(単数または複数)、スイッチ(単数または複数)、ならびに/もしくは同様のもの)、および/またはナビゲーション、自動運転、ならびに同様のものに関連するデバイスを含むことができる1つまたは複数の入力デバイス470を含むことができる。同様に、1つまたは複数の出力デバイス415は、(例えば、ディスプレイ、発光ダイオード(単数または複数)(LED(単数または複数))、スピーカ(単数または複数)等を介した)ユーザとの対話に関連し、および/またはナビゲーション、自動運転、ならびに同様のものに関連するデバイスであり得る。
【0032】
[0038] V2Xデバイス400はまた、ワイヤレス通信インターフェース430を含み得、これは、限定はしないが、モデム、ネットワークカード、赤外線通信デバイス、ワイヤレス通信デバイス、および/またはチップセット(例えば、Bluetooth(登録商標)デバイス、IEEE802.11デバイス、IEEE802.15.4デバイス、Wi-Fiデバイス、WiMAXデバイス、WANデバイス、および/または様々なセルラデバイス等)、および/または同様のものを備え得る(そのような通信の例は、
図7で提供され、以下で詳述される)。ワイヤレス通信インターフェース430は、V2Xデバイス400が他のV2Xデバイスと通信することを可能にすることができる。これは、
図2に例示されるメッセージングを含む、前述の実施形態の様々な形態の通信を含むことができる。したがって、直接通信を送信すること、ワイヤレス信号をブロードキャストすること、直接および/またはブロードキャストワイヤレス信号を受信することなどを行うことが可能であり得る。したがって、ワイヤレス通信インターフェース430は、様々なRFチャネル/周波数帯域からのRF信号を送信および/または受信することが可能であり得る。ワイヤレス通信インターフェース430を使用する通信は、ワイヤレス信号434を送信および/または受信する1つまたは複数のワイヤレス通信アンテナ(単数または複数)432を介して実施され得る。
【0033】
[0039] V2Xデバイス400は、センサ(単数または複数)440をさらに含み得る。センサ440は、限定はしないが、1つまたは複数の慣性センサおよび/または他のセンサ(例えば、加速度計(単数または複数)、ジャイロスコープ(単数または複数)、カメラ(単数または複数)、磁力計(単数または複数)、高度計(単数または複数)、マイクロフォン(単数または複数)、近接センサ(単数または複数)、光センサ(単数または複数)、気圧計(単数または複数)、および同様のもの)を備え得る。センサ440は、例えば、ロケーション、速度、および加速度等の車両の特定のリアルタイム特性を決定するために使用され得る。前述のように、センサ(単数または複数)440は、車両110が自身のロケーションを決定するのを助けるために使用され得る。
【0034】
[0040] V2Xデバイス400の実施形態はまた、アンテナ482(いくつかの実施形態では、アンテナ432と同じであり得る)を使用して1つまたは複数のGNSS衛星から信号484を受信することが可能なGNSS受信機480を含み得る。GNSS信号測定に基づく測位は、V2Xデバイス400の現在ロケーションを決定するために利用され得、検出された物体のロケーションを決定するための基準としてさらに使用され得る。GNSS受信機480は、全地球測位システム(GPS)および/または同様の衛星システムなどのGNSSシステムのGNSS衛星から、従来の技法を使用して、V2Xデバイス400の位置を抽出することができる。
【0035】
[0041] V2Xデバイス400は、メモリ460をさらに備え、および/またはそれと通信状態にあり得る。メモリ460は、限定はしないが、ローカルおよび/またはネットワークアクセス可能な記憶装置、ディスクドライブ、ドライブアレイ、光学記憶デバイス、プログラム可能で、フラッシュ更新可能であり得るランダムアクセスメモリ(RAM)および/または読取専用メモリ(ROM)などのソリッドステート記憶デバイス、および/または同様のものを含み得る。このような記憶デバイスは、限定はしないが、様々なファイルシステム、データベース構造を含む任意の適切なデータストア、および/または同様のものを実装するように構成され得る。
【0036】
[0042] V2Xデバイス400のメモリ460はまた、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、実行可能ライブラリ、および/または、様々な実施形態によって提供されるコンピュータプログラムを備え得、および/または本明細書で説明されるように方法を実装し、ならびに/もしくはシステムを構成するように設計され得る、1つまたは複数のアプリケーションプログラムなどの他のコードを含む、ソフトウェア要素(
図4には図示せず)を備え得る。メモリ460に記憶され、処理ユニット(単数または複数)410によって実行されるソフトウェアアプリケーションは、本明細書で説明されるように車両110またはRSU120の機能を実装するために使用され得る。さらに、本明細書で説明される方法(単数または複数)に関連して説明される1つまたは複数のプロシージャは、以下で説明される
図5および
図6の方法で例示される機能を含む、V2Xデバイス400(および/またはV2Xデバイス400内の処理ユニット(単数または複数)410もしくはDSP420)によって実行可能であるメモリ460内のコードおよび/または命令として実装され得る。次いで、一態様では、そのようなコードおよび/または命令は、説明された方法にしたがって1つまたは複数の動作を実行するように汎用コンピュータ(または他のデバイス)を構成し、および/または適合させるために使用され得る。
【0037】
[0043]
図5は、一実施形態による車両操縦協調の方法500のフロー図である。代替の実施形態は、
図5に例示されるブロックに記載された機能を組み合わせる、分離する、または他の方法で変更することによって機能が変更されてもよい。
図5の方法500は、一実施形態による、(例えば、
図2に関連して)上述された要求車両の機能がどのように実装され得るかを例示する。したがって、
図5に例示されるブロックのうちの1つまたは複数の機能を実行するための手段は、(前述のように)
図4に例示され上述されたV2Xデバイス400の1つまたは複数のコンポーネントを含み得る、車両110のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントを備え得る。
【0038】
[0044] ブロック510において、機能は、第1の車両において、第1の車両が実行するための操縦を決定することを備える。前述のように、この決定は、第1の車両(例えば、車両ナビゲーション、自律運転、および/または半自律運転等を実行する)の車載コンピュータによって行われ得る。したがって、いくつかの実施形態では、決定は、(
図8に示され、以下で詳述されるように)車両感知、予測、計画、および実行を実行し得るV2Xデバイス400によって行われ得る。操縦は、例えば、車線変更、加速/減速、交差点を通る操縦等の、近くの車両に影響を与え得る様々な操縦のいずれかを含み得る。ブロック510における機能を実行するための手段は、
図4に例示されるV2Xデバイス400のバス405、処理ユニット(単数または複数)410、メモリ460、および/または他のソフトウェアならびに/もしくはハードウェアコンポーネントなど、V2Xデバイスの1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアコンポーネントを含み得る。
【0039】
[0045] ブロック520における機能は、操縦に対応する優先度レベルを決定することを備える。前述の実施形態で述べたように、優先度レベルは、車両タイプ(例えば、緊急または普通)、操縦の理由、またはその両方などの様々なファクタに基づいて予め決定されていてよい。いくつかの実施形態では、優先度は、操縦タイプに基づいて予め決定されていてよい(例えば、いくつかの操縦には、他の操縦よりも高い優先度が与えられ得る)が、先に述べたように、実施形態は、追加的または代替的に、操縦要求を許可すべきか否かを決定するときに受信車両によって操縦タイプが考慮されることを可能にすることによって、同様の機能を提供し得る。ブロック520における機能を実行するための手段は、
図4に例示されるV2Xデバイス400のバス405、処理ユニット(単数または複数)410、メモリ460、および/または他のソフトウェアならびに/もしくはハードウェアコンポーネントなど、V2Xデバイスの1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアコンポーネントを含み得る。
【0040】
[0046] ブロック530において、機能は、第1の車両から、操縦を実行するための要求をワイヤレスに送信することを備える。要求は、操縦、優先度レベル、および操縦を実行するための時間ウィンドウを示す情報を備える。前述のように、操縦を実行するための時間ウィンドウは、例えば、車両速度、操縦能力、ロケーションなどの特性に基づいて、第1の車両によって(例えば、第1の車両に一体化されたV2Xデバイス400の処理ユニット(単数または複数)410によって)決定され得る。いくつかの実施形態によれば、第1のメッセージは、V2X通信規格、または車両、インフラストラクチャ、および/または他の交通関連のエンティティ間の通信を可能にする他のワイヤレス通信規格にしたがってワイヤレスに送信され得る。ブロック530における機能を実行するための手段は、
図4に例示されるV2Xデバイス400のバス405、処理ユニット(単数または複数)410、メモリ460、ワイヤレス通信インターフェース430、および/または他のソフトウェアならびに/もしくはハードウェアコンポーネントなど、V2Xデバイスの1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアコンポーネントを含み得る。
【0041】
[0047]
図2に示されるように、要求は許可または拒否され得、要求車両はそれに応じて応答することができる。したがって、方法500の実施形態は、第1の車両において、第2の車両から受諾メッセージを受信することと、第2の車両から受諾メッセージを受信したことに応答して、第1の車両で操縦を実行することとをさらに備え得る。
【0042】
[0048]
図6は、一実施形態による車両操縦協調の方法600のフロー図である。代替の実施形態は、
図6に例示されるブロックに記載された機能を組み合わせる、分離する、または他の方法で変更することによって機能が変更されてもよい。
図6の方法600は、一実施形態による、(例えば、
図2に関連して)上述された受信V2Xエンティティ(例えば、受信車両またはRSU)の機能がどのように実装され得るかを例示する。したがって、
図6に例示されるブロックのうちの1つまたは複数の機能を実行するための手段は、
図4に例示され上述されたV2Xデバイス400のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントを備え得る。
【0043】
[0049] ブロック610において、機能は、車両から操縦を実行するための要求をワイヤレスに受信することを備え、ここにおいて、要求は、操縦、優先度レベル、および操縦を実行するための時間ウィンドウを示す情報を備える。この要求は、V2X通信および/または他のワイヤレス手段を介してワイヤレスに受信され得る。ブロック610における機能を実行するための手段は、
図4に例示されるV2Xデバイス400のバス405、処理ユニット(単数または複数)410、メモリ460、ワイヤレス通信インターフェース430、および/または他のソフトウェアならびに/もしくはハードウェアコンポーネントなど、V2Xデバイスの1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアコンポーネントを含み得る。
【0044】
[0050] ブロック620における機能は、要求の優先度レベルに少なくとも部分的に基づいて、要求を許可すべきかどうかを決定することを備える。上記実施形態で述べたように、複数の要求の中のどれを許可すべきかを決定するために優先度レベルが使用され得る。追加的または代替的に、優先度レベルは、例えば、道路状況、交通環境、および受信車両の運動状態等の他のファクタと共に使用され得る。ブロック620における機能を実行するための手段は、
図4に例示されるV2Xデバイス400のバス405、処理ユニット(単数または複数)410、メモリ460、および/または他のソフトウェアならびに/もしくはハードウェアコンポーネントなど、V2Xデバイスの1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアコンポーネントを含み得る。
【0045】
[0051] ブロック630において、機能は、要求が許可されたかどうかを示す応答をワイヤレスに送ることを備える。要求の許可により、要求車両が操縦を実行することが可能になり得、拒否により、要求車両は操縦を実行しないことになり得る。加えて、上述の実施形態で示されたように、受信V2Xエンティティは、要求が競合している場合(例えば、要求を許可したら1つまたは複数の車両に危険を及ぼすことになる場合)、いくつかの要求を許可し、他の要求を拒否し得る。ブロック630における機能を実行するための手段は、
図4に例示されるV2Xデバイス400のバス405、処理ユニット(単数または複数)410、メモリ460、ワイヤレス通信インターフェース430、および/または他のソフトウェアならびに/もしくはハードウェアコンポーネントなど、V2Xデバイスの1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアコンポーネントを含み得る。
【0046】
[0052] 要求車両が第1の車両を備えるいくつかの場合には、方法600は、第2の車両を備える受信車両によって実行され得る。そのような場合、要求を受信すること、要求を許可すべきかどうかを決定すること、および応答をワイヤレスに送ることはすべて、第2の車両によって実行され得る。さらに、いくつかの場合には(例えば、
図1および
図3の実施形態で説明されたように)、第2の車両は、異なる車両から1つまたは複数の要求を受信し得、例えば、第1の車両から第1の要求を受信し、第3の車両から第2の要求を受信し得る。第2の車両は、第3の車両から第2の車両によって受信された第2の要求の優先度レベルにさらに基づいて、第1の要求を許可することを決定し得る。そのような場合、第1の要求を許可すべきかどうかを決定することは、第2の要求の優先度レベルが第1の要求の優先度レベルよりも高いという決定に基づいて第1の要求を拒否することを決定することを備え得、したがって、応答は、第1の要求の拒否を示す情報を備える。代替的に、第1の要求を許可すべきかどうかを決定することは、第2の要求の優先度レベルが第1の要求の優先度レベルよりも低いという決定に基づいて第1の要求を受諾することを決定することを備え得、この場合、応答は、第1の要求の受諾を示す情報を備え得る。
【0047】
[0053]
図7~
図9は、いくつかの実施形態による、複数の車両間での車両操縦の協調のために本明細書で提供される技法を実施するために使用され得る、システム、構造デバイス、車両コンポーネント、およびV2X通信に関連する他のデバイス、コンポーネント、ならびにシステムの例示である。これらの図におけるいくつかのコンポーネント(例えば、RSU(単数または複数)725および車両780、790、800、900)は、前述の実施形態および図における同様のコンポーネント(例えば、RSU120および車両110)に対応し得ることに留意されたい。
【0048】
[0054]
図7は、一実施形態による、車両が様々なネットワークを介して様々なデバイス、車両、およびサーバと通信し得るシステムの例示である。一実施形態では、V2X車両A780は、V2Xまたは別様の通信トランシーバ対応車両B790と、V2Xまたは他のワイヤレス通信トランシーバを使用してリンク723を介して通信し得る。いくつかの実施形態は、例えば、車両間相対測位、車線変更の交渉、交差点を通過するための交渉を行うため、および/またはGNSS測定値、車両状態、車両ロケーションならびに車両能力、測定値データ、ならびに/もしくは計算された状態などのV2Xデータ要素を交換するために通信し得る。このような通信は、追加的または代替的に、V2X能力データ要素に含まれない場合もある他のV2X車両状態ステップを交換するために使用されてもよい。
【0049】
[0055] いくつかの実施形態では、車両A780はまた、ネットワークを通じて車両B790と通信し得る。これは、基地局720への/からのワイヤレス信号722/724を使用して、および/またはアクセスポイント730への/からのワイヤレス信号732を介して行われ得る。追加的または代替的に、そのような通信は、1つまたは複数の通信対応RSU(単数または複数)725を介して行われ得、そのいずれも、通信、情報を中継し、および/またはプロトコルを車両B790などの他の車両による使用のために変換し得る。この後者の機能は、例えば、車両B790が車両A780と共通プロトコルで直接通信することが可能でない実施形態で行われ得る。一実施形態では、RSU(単数または複数)725は、様々なタイプの路側ビーコン、交通ならびに/もしくは車両モニタ、交通制御デバイス、およびロケーションビーコンを備え得る。さらに、先述のように、RSU(単数または複数)725は、
図1および
図3に例示されるRSU120に対応し得、したがって、
図4に例示されるV2Xデバイス400のコンポーネント(以下で説明される
図7に例示されるRSU(単数または複数)725のコンポーネントに加えて、またはその代替として使用され得る)を含み得、
図6の車両操縦協調の方法600を実行するように構成され得る。
【0050】
[0056] 一実施形態では、RSU(単数または複数)725は、基地局720および/またはアクセスポイント730から、ワイヤレスメッセージ、例えば、BSM、CAM、または他のV2Xメッセージを車両A780および/または車両B790へ/から送受信するようにワイヤレストランシーバ725Eを動作させるように構成されたプロセッサ725Aを有し得る。例えば、ワイヤレストランシーバ725Eは、車両とのV2X通信(例えば、サイドリンク通信を使用する)などの様々なプロトコルで、および/またはワイヤレス通信ネットワークを介して通信するための様々なワイドエリアネットワーク(WAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、および/またはパーソナルエリアネットワーク(PAN)プロトコルを使用して、ワイヤレスメッセージを送信および/または受信し得る。一実施形態では、RSU(単数または複数)725は、ワイヤレストランシーバ725Eおよびメモリに通信可能に結合された1つまたは複数のプロセッサ725Aを含み得、命令および/またはハードウェアを含み得、命令および/またハードウェアは、交通制御ユニット725Cとして働き、および/または環境および路側センサ情報725Dを提供ならびに/もしくは処理する、もしくはそれと車両との間のGNSS相対ロケーションについてのロケーション基準として機能するためのものである。一実施形態では、RSU(単数または複数)725は、ネットワークインターフェース725B(および/またはワイヤレストランシーバ725E)を含み得、これは、一実施形態では、交通最適化サーバ765、車両情報サーバ755、および/または環境データサーバ740などの外部サーバと通信し得る。一実施形態では、ワイヤレストランシーバ725Eは、ワイヤレス通信リンクを介してワイヤレスベーストランシーバサブシステム(BTS)、ノードB、または発展型ノードB(eノードB)もしくは次世代ノードB(gノードB)からワイヤレス信号を送信または受信することによって、ワイヤレス通信ネットワークを介して通信し得る。一実施形態では、ワイヤレストランシーバ(単数または複数)725Eは、WAN、WLAN、および/またはPANトランシーバの様々な組合せを備え得る。また、一実施形態では、ローカルトランシーバは、Bluetooth(登録商標)トランシーバ、ZigBeeトランシーバ、または他のPANトランシーバであり得る。ローカルトランシーバ、WANワイヤレストランシーバ、および/またはモバイルワイヤレストランシーバは、WANトランシーバ、アクセスポイント(AP)、フェムトセル、ホーム基地局、スモールセル基地局、ホームノードB(HNB)、ホームeノードB(HeNB)、または次世代ノードB(gノードB)を備え得、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN、例えば、IEEE902.11ネットワーク)、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(PAN、例えば、Bluetoothネットワーク)、またはセルラネットワーク(例えば、LTEネットワーク、または次の段落で説明されるものなどの他のワイヤレスワイドエリアネットワーク)へのアクセスを提供し得る。これらは、ワイヤレスリンクを介してRSU(単数または複数)725と通信し得るネットワークの例にすぎず、請求項に記載の主題が、この点に関して限定されるものではないことを理解されたい。
【0051】
[0057] RSU(単数または複数)725は、車両A780および/または車両B790から、ロケーション、状態、GNSSならびに他のセンサ測定値、および能力情報を受信し得、これらは、例えば、GNSS測定値、センサ測定値、速度、進行方向、ロケーション、停止距離、優先度もしくは緊急状態、および他の車両関連の情報などである。一実施形態では、路面情報/状態、気象状態、およびカメラ情報などの環境情報が、ポイントツーポイントまたはブロードキャストメッセージングのいずれかを介して収集され、車両と共有され得る。RSU(単数または複数)725は、車両A780および/または車両B790からワイヤレストランシーバ725Eを介して受信した情報、環境および路側センサ725D、および例えば交通制御および最適化サーバ765からのネットワーク情報ならびに制御メッセージを利用して、交通の流れを協調させ誘導し、車両A780および車両B790に環境、車両、安全、および告知メッセージを提供し得る。
【0052】
[0058] プロセッサ725Aは、一実施形態では、ネットワークインターフェース725Bを動作させるように構成され得、ネットワークインターフェース725Bは、バックホールを介してネットワーク770に接続され得、一実施形態では、都市もしくは都市のセクション内などのエリア内または地域内の交通の流れをモニタリングおよび最適化する集中型交通制御および最適化サーバ765などの様々な集中型サーバと通信および協調するために使用され得る。ネットワークインターフェース725Bはまた、車両データのクラウドソーシングのためのRSU(単数または複数)725へのリモートアクセス、RSU(単数または複数)725の保守、および/または他のRSU(単数または複数)725もしくは他の用途との協調のために利用され得る。RSU(単数または複数)725は、交通制御ユニット725Cを動作させるように構成されたプロセッサ725Aを有し得、交通制御ユニット725Cは、車両A780および車両B790などの車両から受信されたデータ、例えば、ロケーションデータ、停止距離データ、道路状況データ、識別データ、および近くの車両の状態ならびにロケーションや環境に関連する他の情報などを処理するように構成され得る。RSU(単数または複数)725は、環境および路側センサ725Dからデータを取得するように構成されたプロセッサ725Aを有し得、環境および路側センサ725Dは、温度センサ、気象センサ、カメラセンサ、気圧センサ、道路センサ(例えば、自動車検出用)、事故検出センサ、移動検出センサ、速度検出センサ、および他の車両ならびに環境モニタリングセンサを含み得る。
【0053】
[0059] 一実施形態では、車両A780はまた、例えば、一実施形態ではWANならびに/もしくはWi-Fiネットワークにアクセスするために、および/または一実施形態ではモバイルデバイス700からセンサならびに/もしくはロケーション測定値を取得するために、Bluetooth、Wi-Fi、もしくはZigbee(登録商標)などの狭域通信およびパーソナルネットワークを使用して、またはV2X(例えば、CV2X/サイドリンク通信)もしくは他の車両関連の通信プロトコルを介して、モバイルデバイス700と通信し得る。一実施形態では、車両A780は、モバイルデバイス700と、WAN関連のプロトコルを使用してWANネットワークを通してWAN基地局720などを介して、またはWi-Fiを使用して直接ピアツーピアでもしくはWi-Fiアクセスポイントを介して通信し得る。車両A780および/または車両B790は、様々な通信プロトコルを使用して通信し得る。一実施形態では、車両A780および/または車両B790は、例えば、V2X、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM(登録商標))、広帯域コード分割多元接続(WCDMA(登録商標))、コード分割多元接続(CDMA)、高速パケットデータ(HRPD)、Wi-Fi、Bluetooth、WiMAX、LTE、5Gニューラジオアクセス技術(NR)通信プロトコル等を使用するなど、様々な複数のワイヤレス通信モードをサポートし得る。
【0054】
[0060] 一実施形態では、車両Aは、WANネットワーク上でWANプロトコルを使用して基地局720を介して、またはWi-FiなどのWLANプロトコルを使用してWLANアクセスポイント730と通信し得る。車両はまた、例えば、WLANまたはPAN(BluetoothまたはZigBeeなど)を使用するワイヤレス通信をサポートし得る。
【0055】
[0061] 車両A780および/または車両B790は、一実施形態では、ロケーション決定、時間取得、および時間維持のために、GNSS衛星710からGNSS信号712を受信するためのGNSS受信機480などの1つまたは複数のGNSS受信機を含み得る。Beidou、Galileo、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、ならびに/もしくは全地球測位システム(GPS)、および準天頂衛星システム(QZSS)ならびにNavICもしくはインド地域ナビゲーション衛星システム(IRNSS)などの様々な地域ナビゲーションシステムから信号を受信するためにGNSS受信機480または他の受信機を使用する、様々なGNSSシステムが、単独または組合せでサポートされ得る。一例では、1つまたは複数のRSU(単数または複数)725、1つまたは複数のWLANアクセスポイント730、もしくは1つまたは複数の基地局720などの、ビーコンに依存するものなど、他のワイヤレスシステムが利用され得る。様々なGNSS信号712が、ロケーション、速度、車両A780と車両B790との間などの他の車両への近接度を決定するために、自動車センサと併せて利用され得る。
【0056】
[0062] 一実施形態では、車両Aおよび/または車両Bは、一実施形態では、これもまたGNSS、WAN、Wi-Fi、ならびに他の通信受信機および/またはトランシーバを有するモバイルデバイス700によって提供されるGNSS測定値および/またはGNSSを少なくとも部分的に使用して決定されたロケーションにアクセスし得る。一実施形態では、車両A780および/または車両B790は、GNSS受信機480が機能しないまたは閾値レベル未満のロケーション精度を提供する場合の予備としてモバイルデバイス700によって提供されるGNSS測定値(疑似距離測定値、ドップラ測定値、および衛星IDなど)および/またはGNSSを少なくとも部分的に使用して決定されたロケーションにアクセスし得る。
【0057】
[0063] 車両A780および/または車両B790は、車両情報サーバ755、ルートサーバ745、ロケーションサーバ760、マップサーバ750、および環境データサーバ740など、ネットワーク上の様々なサーバにアクセスし得る。
【0058】
[0064] 車両情報サーバ755は、アンテナロケーション、車両サイズ、および車両能力などの様々な車両を記述する情報を提供し得、これらの情報は、近くの自動車が適時に停止または加速することが可能であるかどうか、近くの自動車が自律運転されているかどうか、自律運転が可能かどうか、通信が可能かどうかなど、近くの自動車に対する操縦に関する判定を行う際に利用され得る。一実施形態では、車両情報サーバ755はまた、車両サイズ、形状、能力、識別情報、所有権、乗車率、および/または決定されたロケーション地点(例えば、GNSS受信機のロケーションなど)、および決定されたロケーション地点に対する自動車境界のロケーションに関する情報を提供し得る。
【0059】
[0065] ルートサーバ745は、現在ロケーションおよび目的地情報を受信し、車両についてのルーティング情報、マップデータ、代替のルートデータ、および/または交通ならびに街路状況データを提供し得る。
【0060】
[0066] ロケーションサーバ760は、一実施形態では、ロケーション決定能力、送信機信号捕捉支援(GNSS衛星軌道予測情報、時間情報近似ロケーション情報、および/または近似時間情報など)、Wi-Fiアクセスポイントならびに基地局についての識別情報ならびにロケーションを含むものなどのトランシーバアルマナック、および、いくつかの実施形態では、速度制限、交通、ならびに道路状態/工事状態などのルートに関連する追加情報を提供し得る。マップサーバ750は、道路ロケーション、道路に沿った関心地点、道路に沿った住所ロケーション、道路サイズ、道路の制限速度、交通状況、および/または道路状況(湿潤、滑りやすい、積雪/凍結等)、道路状態(開放、工事中、事故等)などのマップデータを提供し得る。環境データサーバ740は、一実施形態では、気象および/または道路関連の情報、交通情報、地形情報、および/または道路品質ならびに速度情報、および/または他の関連する環境データを提供し得る。
【0061】
[0067] 一実施形態では、
図7の車両780ならびに790およびモバイルデバイス700は、ネットワーク770上でWLANアクセスポイント730などの様々なネットワークアクセスポイントを介してまたはネットワーク770上でワイヤレスWAN基地局720を介して通信し得る。車両780ならびに790およびモバイルデバイス700はまた、いくつかの実施形態では、Bluetooth、Zigbee、および5Gニューラジオ規格などを介して、ネットワーク770を経由せずに直接通信するための様々な狭域通信機構を使用して、デバイス間で、車両間で、デバイスから車両に、および車両からデバイスに直接通信し得る。
【0062】
[0068]
図8は、一実施形態による、車両800の機能ブロック図を備える。先に述べたように、車両800は、V2Xデバイス400を備え得る。したがって、
図8に示されるブロックを実行するための例示的なハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントが
図4に例示されている。
【0063】
[0069]
図8に示されるように、車両800は、車両外部センサ802、車両内部センサ804、車両能力806からの車両および環境情報、(環境から、他の車両から、RSU(単数または複数)から、システムサーバからの)他の車両のロケーションおよびGNSS測定情報などの外部ワイヤレス情報808、および/または(現在ならびに/もしくは将来の運動状態を記述する)車両運動状態810を受信し得る。受信された車両、センサ、および環境情報は、一実施形態では、1つまたは複数の処理ユニット410、DSP(単数または複数)420、およびメモリ460(
図4に図示)において処理され得、これらは、外部物体感知および分類、予測および計画、ならびに操縦実行を提供するとともに、GNSSデータ要素値を含むV2Xまたは他のワイヤレスデータ要素値を決定および更新し、決定されたデータ要素を含むメッセージングを、ワイヤレス通信インターフェース430を介して送信するように接続および構成されている。メッセージングおよびデータ要素は、自動車技術者協会(SAE)または欧州電気通信規格協会(ETSI)CV2Xメッセージおよび/またはワイヤレス通信インターフェース430によってサポートされる他のワイヤレスV2Xプロトコルなど、様々な手段、プロトコル、および規格を介して送受信され得る。
【0064】
[0070] 車両間相対ロケーション決定ブロック828は、関心エリア内の車両の相対ロケーションを決定するために使用され得る。一実施形態では、GNSSデータは、他の車両もしくはデバイスに関連付けられた相対ロケーションの精度を決定および/または検証および/または増加させるために、車両と、またはRSUなどの他のデバイスと交換される。1つの実施形態では、関心エリア内の車両(または他のデバイス)を決定することは、車両間の近似相対ロケーションおよび/または近似距離を決定するために、他の車両、他のデバイスからのメッセージ中に受信されたブロードキャスト緯度および経度などのブロードキャストロケーション情報と、車両800についてのロケーション情報とを利用し得る。
【0065】
[0071] 一実施形態では、サーバ755、745、760、750、および740などの他の車両関連の入力ソースが、車両情報、ルーティング、ロケーション支援、マップデータ、および環境データなどの情報を提供し、例えば、操縦実行826を決定するために車両間操縦協調824と併せて使用される、道路ロケーションデータ、マップデータ、運転状況データ、および他の車両関連のデータの入力などの他の入力に関する入力を提供し、および/または他の入力を補完し、および/または他の入力と併せて使用され得る。一実施形態では、マップデータは、道路ロケーションに対する路側ユニットのロケーションを含み得、ここで、車両は、特に、視程の低い気象状況(雪、雨、砂嵐等)などに起因して他のシステムが機能しない場合がある状況において、路面に対する測位を決定するために、マップデータと組み合わせてRSUとの間の相対測位を利用し得る。一実施形態では、マップサーバ750からのマップデータは、複数の車両についての高信頼度絶対ロケーションおよび道路/マップに対する相対ロケーションを決定するために、近隣車両および/またはRSU(単数または複数)725からの相対および/または絶対データと併せて利用され得る。例えば、車両A780のほうが、車両A780と通信している他の車両よりも高精度/高信頼度のロケーションを有する場合、例えば車両B790は、車両B790のシステムが特定の状況または環境において高精度のロケーションを計算することができない場合であっても、車両B790についての高精度のロケーションを決定するために、車両B790に送られた車両A780からの高精度のロケーションおよび高精度の相対ロケーションのためにGNSS情報を使用し得る。この状況では、高精度のロケーション決定システムを有する車両Aがいることで、周囲のすべての車両が、進行中の相対ロケーション情報と共に1つまたは複数の高精度のロケーションを共有することによって利益を受ける。さらに、マップサーバ750からのマップデータが正確であると仮定すると、車両A780から車両B790などの周辺車両に高精度のロケーションデータを伝搬できることにより、周辺車両も、困難な信号/ロケーション環境であっても、マップデータに対するそれらの相対ロケーションを正確に決定することが可能となる。車両情報サーバ755は、サイズ、形状、およびアンテナロケーションなどの車両情報を提供し得、車両情報は、例えば、車両Aまたは他の車両によって、車両A780上のGNSS受信機と、例えば車両B790との間の相対ロケーションだけでなく、車両A780および車両B790の最も近い地点間の距離も決定するために利用され得る。一実施形態では、交通制御および最適化サーバ765からの交通情報は、(一実施形態では)ルートサーバ745と併せて使用される、全体的な経路選択および再ルーティングを決定するために利用され得る。一実施形態では、環境データサーバ740は、これもまた車両間操縦協調ブロック824および操縦実行ブロック826における判定および判定基準に影響を与え得る、道路状況、ブラックアイスバーン、雪、道路上の水、および他の環境状況に関する入力を提供し得る。例えば、凍結または降雨の状況では、車両800は、隣接車両からの車両間距離を増やすことを実行および/または要求し得、またはブラックアイスバーンおよび水溜まりなどの道路危険状況を回避するルートオプションを選択し得る。
【0066】
[0072] ブロック828は、様々な専用もしくは汎用ハードウェアならびにソフトウェアを使用して、例えば、処理ユニット(単数または複数)410および/またはDSP420およびメモリ460(これもまた
図4に図示)などを使用して、または一実施形態では、専用センサ処理および/または車両メッセージングコアなどの特殊化されたハードウェアブロックにおいて実装され得る。いくつかの実施形態によれば、近くの車両のロケーションは、往復時間、到着時間(TOA)、車両のブロードキャスト信号の信号強度、および/または近隣車両からのブロードキャスト緯度ならびに経度および車両の現在ロケーションに基づいて決定される距離など、信号ベースのタイミング測定値などに基づいて、様々な手段を通して決定され得る。追加的または代替的に、近くの車両のロケーションは、LIght Detection And Ranging(LIDAR)、RAdio Detection And Ranging(RADAR)、SOund Navigation And Ranging(SONAR)などのセンサ測定値、およびカメラ測定値から決定され得る。一実施形態では、ブロック802、804、806、808、および/または810の一部または全部は、例えば、性能を向上させ、測定レイテンシを低減するために、専用の処理コアを有し得る。一実施形態では、ブロック802、804、806、808、および/または810の一部または全部は、ブロック828と処理を共有し得る。
【0067】
[0073] 車両外部センサ802は、いくつかの実施形態では、カメラ、LIDAR、RADAR、SONAR、近接センサ、雨センサ、気象センサ、GNSS受信機480を備え得、センサと共に使用される受信データ、例えば、マップデータ、環境データ、ロケーション、ルート、および/または他の車両情報などは、他の車両、デバイス、およびサーバから、例えば一実施形態では、マップサーバ750、ルートサーバ745、車両情報サーバ755、環境データサーバ740、ロケーションサーバ760などから、および/または車両A780などの車両内もしくはその近くに存在し得るモバイルデバイス700などの関連するデバイスから受信され得る。例えば、一実施形態では、モバイルデバイス700は、GNSS測定値の追加のソースを提供し得、運動センサ測定値の追加のソースを提供し得、または、WAN、Wi-Fi、もしくは他のネットワークへの通信ポータルとして、およびサーバ740、745、750、755、760、ならびに/もしくは765などの様々な情報サーバへのゲートウェイとしてのネットワークアクセスを提供し得る。
【0068】
[0074] 車両800は、1つまたは複数のカメラを含み得ることが理解される。一実施形態では、カメラは、前向き、横向き、後ろ向き、または視野を調節可能であり得る(回転可能なカメラなど)。例えば、
図9に示されるように、同じ平面に面する複数のカメラ906があり得る。例えば、カメラ906およびバンパー取り付け型カメラ908は、2つの前向きカメラを備え得、1つは、駐車目的のために下のほうの物体および/またはより低い視点に焦点を合わせ(バンパー取り付け型など)、1つは、交通、他の車両、歩行者、およびより遠くにある物体のトラッキングなどのために、より高い視点に焦点を合わせる。一実施形態では、他の車両および外部エンティティならびに物体のトラッキングを最適化し、および/またはセンサシステムを互いに較正するために、他の車両からのV2X入力などの他の入力に対して様々な視野がスティッチングおよび/または相関され得る。LIDAR904は、ルーフ取り付け型で回転してもよいし、または特定の視点に焦点を合わせていてもよい(前向き、後向き、横向きなど)。LIDAR904は、ソリッドステートまたは機械式であり得る。近接センサは、超音波、RADARベース、光ベース(赤外線距離測定に基づくなど)、および/または容量性(金属体の表面触覚指向または容量性検出)であり得る。雨および気象センサは、気圧センサ、水分検出器、雨センサ、および/または光センサなどの様々な感知能力および技術を含み得、および/または他の既存のセンサシステムを活用し得る。GNSS受信機は、自動車の屋根の後部にあるフィンアンテナアセンブリなどへのルーフ取り付け型、フードもしくはダッシュ取り付け型、または別様に車両の外部もしくは内部に配置され得る。
【0069】
[0075] 一実施形態では、車両内部センサ804は、タイヤ圧センサ、ブレーキパッドセンサ、ブレーキ状態センサ、速度計および他の速度センサ、磁力計および磁気コンパスなどのヘディングセンサおよび/または方位センサ、オドメータおよびホイールチックセンサなどの距離センサ、加速度計およびジャイロなどの慣性センサと上述のセンサを使用した慣性測位結果、および個々に決定され得、または加速度計、ジャイロ、ならびに/もしくはチルトセンサなどの他のセンサシステムを使用して決定され得るヨー、ピッチ、ならびに/もしくはロールセンサなどのホイールセンサ912を備え得る。
【0070】
[0076] 車両内部センサ804と車両外部センサ802の両方は、共有または専用の処理能力を有し得る。例えば、センサシステムまたはサブシステムは、加速度計、ジャイロ、磁力計、および/または他の感知システムからの測定値および他の入力に基づいて、ヨー(yaw)、ピッチ、ロール、進行方向、速度、加速能力ならびに/もしくは距離、および/または停止距離などの自動車状態値を決定する1つまたは複数のセンサ処理コアを有し得る。異なる感知システムが、測定値を決定するために互いに通信し得、または車両ロケーションを決定するためにブロック828に値を送り得る。内部センサおよび外部センサからの測定値から導出された自動車状態値は、汎用またはアプリケーションプロセッサを使用して他のセンサシステムからの自動車状態値および/または測定値とさらに組み合わされ得る。例えば、ブロック828および/または824は、ワイヤレス通信インターフェース430を利用してまたは他の通信トランシーバを介して送られ得るV2Xメッセージングのためのデータ要素値を決定するために、専用または集中型プロセッサ上で実施され得る。一実施形態では、センサは、関連するシステム、例えば、LIDAR、RADAR、モーション、ホイールシステム等に分離され得、これらは、各コアから自動車状態値を出力するように未処理の結果を処理する専用コアによって動作され、自動車状態値は、組み合わされ解釈されて、組み合わされた自動車状態値を導出し、これは、能力データ要素および状態データ要素を含み、自動車の動作および/またはV2Xもしくは他のメッセージング能力を介して他の車両ならびに/もしくはシステムと共有されるメッセージングステップを制御する、または別様に影響を与えるために使用され得る。これらのメッセージング能力は、一実施形態では、ワイヤレス通信インターフェース430およびアンテナ(単数または複数)432によってサポートされるものなど、様々なワイヤレス関連の規格、光関連の規格、または他の通信規格に基づき得る。
【0071】
[0077] 一実施形態では、車両能力806は、停止、ブレーキ、加速、ならびに旋回半径についての性能推定値、および自律ならびに/もしくは非自律状態ならびに/もしくは1つまたは複数の能力を備え得る。能力推定値は、一実施形態では、メモリにロードされ得る、記憶された推定値に基づき得る。これらの推定値は、特定の車両についてもしくは1つまたは複数の車両にわたる平均についての経験的な性能の数字、および/または所与の性能の数値についての1つまたは複数のモデルに基づき得る。複数のモデルについての性能推定値が平均化される、または別様に組み合わされる場合、それらは、類似または共通の特徴に基づいて選択され得る。例えば、類似または同じ重量および同じまたは類似の駆動列を有する車両は、ブレーキ/停止距離、旋回半径、および加速性能などの運転性能関連の推定値について性能推定値を共有し得る。車両性能推定値はまた、例えば、外部V2X入力(単数または複数)808を使用して、ネットワーク上の車両データサーバからワイヤレスネットワークを介して取得され得る。これは、ワイヤレス能力がなく、車両情報を直接提供することができない車両についての情報を取得するのに特に役立つ。一実施形態では、車両能力806はまた、タイヤ摩耗、タイヤブランド能力、ブレーキパッド摩耗、ブレーキブランドならびに能力、およびエンジン状態などの自動車コンポーネントの状態によっても影響を受け得る。一実施形態では、車両能力806はまた、速度、進行方向などの全体的な自動車状態によって、および路面、道路状況(湿潤、乾燥、滑りやすさ/トラクション)、気象(風が強い、降雨、降雪、ブラックアイスバーン、滑りやすい道路等)などの外部ファクタによっても影響を受け得る。多くの場合、摩耗または他のシステム劣化、および気象、路面、道路状況等などの外部ファクタが、性能推定値を低減、確認、または向上させるために利用され得る。いくつかの実施形態では、車両停止距離および/または距離当たりの加速時間などを測定した実際に測定された車両性能は、実際の車両運転関連の性能に基づいて測定および/または推定され得る。一実施形態では、測定値が一致しない場合、より最近測定された性能がより重く重み付けされ得、またはより古い測定値よりも優先され得る。同様に、一実施形態では、車両外部センサ802および/または車両内部センサ804などを介して、車両によって現在検出されているものと同じタイプの気象または同じタイプの路面など同様の状況において得られた測定値は、より重く重み付けされ、および/または能力を決定する際に優先され得る。
【0072】
[0078] V2X車両感知、予測、計画実行812は、入力ブロック802、804、806、808、および810からのデータを相関、確証、および/または組み合わせるためにセンサ融合および物体分類ブロック816を部分的に利用して、外部物体感知および分類ブロック814を介して、ブロック802、804、806、808、および810からの情報の受信および処理を扱う。外部物体感知および分類ブロック814は、存在する物体を決定し、物体のタイプ(自動車、トラック、自転車、オートバイ、歩行者、動物等)および/または移動状態、近接度、進行方向、ならびに/もしくは車両に対する位置などの車両に対する物体の状態、サイズ、脅威レベル、および脆弱性(vulnerability)優先度(例えば、歩行者のほうが、路上ごみよりも高い脆弱性優先度を有する)を決定する。一実施形態では、ブロック814は、他の車両に対する相対的測位を決定するために、他の車両からのGNSS測定値メッセージを利用し得る。このブロック814からの出力は、予測および計画ブロック818に提供され得、ブロック818は、ブロック820を介して、検出された物体および車両およびそれらの関連付けられた軌道を決定し、ブロック822において車両操縦および経路計画を決定し、その出力は、他の車両から受信された操縦計画、ロケーション、および状態を一体化および考慮することになるV2X車両間交渉ブロック824を介してまたは直接、車両操縦実行ブロック826において利用される。V2X車両間交渉は、近隣車両の状態を考慮し、車両優先度、車両能力(衝突を回避するために停止、減速、または加速することができることなど)、および、いくつかの実施形態では、気象状況(降雨、霧、雪、風)、道路状況(乾燥、湿潤、凍結、滑りやすい)などの様々な状況に基づいて、近隣車両間または別様に影響を受ける車両間での交渉および協調を可能にする。これらは、例えば、交差点に接近する自動車間での交差点を通過するタイミングおよび順序の交渉、隣接自動車間での車線変更の交渉、駐車スペースの交渉、単一車線道路上での方向性移動へのアクセスまたは別の車両の追い越しの交渉を含む。車両間交渉はまた、予約時間、目的地距離、ならびに目的地に到達するための推定ルート時間などの時間ベースおよび/または距離ベースのファクタ、および、いくつかの実施形態では、予約のタイプおよび予約の重要度を含み得る。
【0073】
[0079]
図9は、前述の実施形態において他の車両および/またはV2Xエンティティと通信することが可能な、一実施形態による例示的な車両900の斜視図である。ここでは、
図4および先の実施形態に関連して説明されたコンポーネントのいくつかが示されている。例示および前述されたように、車両900は、バックミラー取り付け型カメラ906、フロントフェンダー取り付け型カメラ(図示せず)、サイドミラー取り付け型カメラ(図示せず)、およびリアカメラ(図示せず、典型的にはトランク、ハッチ、またはリアバンパー上にある)などのカメラ(単数または複数)を有することができる。車両900はまた、物体を検出し、それらの物体までの距離を測定するためのLIDAR904を有し得、LIDAR904は、多くの場合、ルーフ取り付け型であるが、複数のLIDARユニット904がある場合、それらは、車両の前部、後部、および側部の周囲に配向され得る。車両900は、GNSS受信機480(典型的には、示されるように、ルーフの後部のシャークフィンユニット内に位置する)、様々なワイヤレス通信インターフェース(WAN、WLAN、V2Xなどであり、必須ではないが典型的には、シャークフィン内に位置する)902、RADAR908(典型的には、フロントバンパーにある)、およびSONAR910(存在する場合、典型的には、車両の両側に位置する)などの様々な他のロケーション関連のシステムを有し得る。タイヤ圧センサ、加速度計、ジャイロ、および車輪回転検出ならびに/もしくはカウンタなどの、様々なホイールセンサ912および駆動列センサも存在し得る。一実施形態では、LIDAR、RADAR、カメラ、GNSS、およびSONARなどの様々なセンサを介して決定される距離測定値および相対ロケーションは、自動車のサイズならびに形状情報およびセンサのロケーションに関する情報と組み合わされて、異なる車両の表面間の距離および相対ロケーションが決定され得、それにより、センサから別の車両までまたは2つの異なるセンサ(2つのGNSS受信機など)間の距離もしくはベクトルは、各車両上のセンサの位置を考慮するために徐々に増加される。したがって、2つのGNSS受信機間の正確なGNSS距離およびベクトルは、GNSS受信機までの様々な自動車表面の相対ロケーションに基づいて修正される必要がある。例えば、後方車のフロントバンパーと先行車のリアバンパーとの間の距離を決定する際に、距離は、後続車のGNSS受信機とフロントバンパーとの間の距離と、前方車のGNSS受信機と前方車のリアバンパーとの間の距離とに基づいて調節される必要がある。例えば、前方車のリアバンパーと後続車のフロントバンパーとの間の距離は、2つのGNSS受信機間の相対距離から、後方車のGNSS受信機からフロントバンパーまでの距離を引き、前方車のGNSS受信機からリアバンパーまでの距離を引いたものである。このリストは限定を意図するものではなく、
図9が、V2Xデバイス400を備える車両の一実施形態における様々なセンサの例示的な場所を提供することを意図するものであることが理解される。
【0074】
[0080] 添付の図を参照すると、メモリを含み得るコンポーネントは、非一時的な機械可読媒体を含み得る。本明細書で使用される「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械を特定の方式で動作させるデータを提供することに関与している任意の記憶媒体を指す。以上で提供された実施形態では、様々な機械可読媒体が、実行のために処理ユニットおよび/または他のデバイス(単数または複数)に命令/コードを提供することに関与し得る。追加的または代替的に、機械可読媒体は、そのような命令/コードを記憶および/または搬送するために使用され得る。多くの実装形態では、コンピュータ可読媒体は、物理的なおよび/または有形の記憶媒体である。このような媒体は、これらに限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含む多くの形態をとり得る。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、磁気および/または光媒体、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、FLASH(登録商標)-EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、以下で説明される搬送波、またはコンピュータが命令および/またはコードを読み取ることができる任意の他の媒体を含む。
【0075】
[0081] 本明細書で説明された方法、システム、およびデバイスは例である。様々な実施形態は、適宜、様々なプロシージャまたはコンポーネントを省略、置換、または追加し得る。例えば、ある特定の実施形態に関連して説明された特徴は、様々な他の実施形態において組み合わせてもよい。実施形態の異なる態様および要素は、同様に組み合わせてもよい。本明細書で提供される図の様々なコンポーネントは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて具現化され得る。また、技術は発展するので、要素の多くは、本開示の範囲をそれらの特定の例に限定しない例である。
【0076】
[0082] 主に一般的な使用の理由から、このような信号を、ビット、情報、値、要素、記号、文字、変数、用語、数、または番号などとして参照することが、時に便利であることが証明されている。しかしながら、これらまたは同様の用語のすべてが、適切な物理量に関連付けられるべきであり、便利なラベルにすぎないことを理解されたい。別途明記されない限り、上の説明から明らかであるように、本明細書全体を通じて、例えば、「処理する」、「算出する」、「計算する」、「決定する」、「確認する」、「識別する」、「アソシエートする」、「測定する」、または「行う」などの用語を利用した説明は、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスなどの特定の装置のアクションまたはプロセスを指すことが理解される。したがって、本明細書のコンテキストにおいて、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスは、典型的には、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスのメモリ、レジスタ、または他の情報記憶デバイス、送信デバイス、もしくはディスプレイデバイス内の物理的な電子量、電気量、または磁気量として表される信号を操作または変換することが可能である。
【0077】
[0083] 本明細書で使用される、「および」ならびに「または」という用語は、やはりこのような用語が使用されるコンテキストに少なくとも部分的に依存することが予想される様々な意味を含み得る。典型的には、「または」は、A、B、またはCなどのリストを関連付けるために使用される場合、本明細書では包括的な感覚で使用されるA、B、およびCと、本明細書では排他的な感覚で使用されるA、B、またはCとを意味することを意図している。さらに、本明細書で使用される「1つまたは複数」という用語は、任意の特徴、構造、または特性を単数形で説明するために使用され得、または、複数の特徴、構造、または特性の何らかの組合せを説明するために使用され得る。しかしながら、これが例示的な例にすぎず、請求項に記載の主題がこの例に限定されないことに留意されたい。さらに、「~のうちの少なくとも1つ」という用語は、A、B、またはCなどのリストを関連付けるために使用される場合、例えば、A、AB、AA、AAB、AABBCCC等の、A、B、および/またはCの任意の組合せを意味すると解釈され得る。
【0078】
[0084] いくつかの実施形態を説明してきたが、本開示の要旨から逸脱することなく、様々な修正、代替的な構成、および等価物が使用され得る。例えば、上記要素は、より大きいシステムの一コンポーネントにすぎず、ここにおいて、他の規則が、様々な実施形態の適用よりも優先し得、または別様に様々な実施形態の適用を修正し得る。また、上記要素が考慮される前、その間、またはその後に、いくつかのステップが行われ得る。したがって、上記説明は、本開示の範囲を限定するものではない。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
車両操縦協調の方法であって、
第1の車両において、前記第1の車両が実行するための操縦を決定することと、
前記操縦に対応する優先度レベルを決定することと、
前記第1の車両から、前記操縦を実行するための要求をワイヤレスに送信することと、ここにおいて、前記要求は、
前記操縦、
前記優先度レベル、および、
前記操縦を実行するための時間ウィンドウ、
を示す情報を備える、
を備える、方法。
[C2]
前記第1の要求は、V2X(vehicle-to-everything)通信規格にしたがってワイヤレスに送信される、[C1]に記載の方法。
[C3]
前記優先度レベルは、前記操縦の理由、前記第1の車両の車両タイプ、またはその両方に基づく、[C1]に記載の方法。
[C4]
前記第1の車両において、第2の車両または路側ユニット(RSU)から受諾メッセージを受信することと、
前記受諾メッセージを受信したことに応答して、前記第1の車両で前記操縦を実行することと、
をさらに備える、[C1]に記載の方法。
[C5]
車両操縦協調の方法であって、
第1の車両から操縦を実行するための第1の要求をワイヤレスに受信することと、ここにおいて、前記第1の要求は、前記操縦と、優先度レベルと、前記操縦を実行するための時間ウィンドウとを示す情報を備え、
前記第1の要求の前記優先度レベルに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の要求を許可すべきかどうかを決定することと、
前記第1の要求が許可されたかどうかを示す応答をワイヤレスに送ることと、
を備える、方法。
[C6]
前記第1の要求を受信すること、前記第1の要求を許可すべきかどうかを決定すること、および前記応答をワイヤレスに送ることは、第2の車両によって実行される、[C5]に記載の方法。
[C7]
前記第2の車両は、第3の車両から前記第2の車両によって受信された第2の要求の優先度レベルにさらに基づいて、前記第1の要求を許可すべきかどうかを決定する、[C6]に記載の方法。
[C8]
前記第1の要求を許可すべきかどうかを決定することは、前記第2の要求の前記優先度レベルが前記第1の要求の前記優先度レベルよりも高いという決定に基づいて、前記第1の要求を拒否することを決定することを備え、
前記応答は、前記第1の要求の拒否を示す情報を備える、
[C7]に記載の方法。
[C9]
前記第1の要求を許可すべきかどうかを決定することは、前記第2の要求の前記優先度レベルが前記第1の要求の前記優先度レベルよりも低いという決定に基づいて、前記第1の要求を受諾することを決定することを備え、
前記応答は、前記第1の要求の受諾を示す情報を備える、
[C7]に記載の方法。
[C10]
通信インターフェースと、メモリと、1つまたは複数の処理ユニットとを備えるデバイスであって、前記1つまたは複数の処理ユニットは、前記通信インターフェースおよび前記メモリに通信可能に結合され、前記デバイスに[C1]~[C9]のいずれか一項に記載の方法を実行させるように構成される、デバイス。
[C11]
[C1]~[C9]のいずれか一項に記載の方法を実行するための手段を備えるデバイス。
[C12]
命令が埋め込まれた非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、1つまたは複数の処理ユニットによって実行されると、前記1つまたは複数の処理ユニットに[C1]~[C9]のいずれか一項に記載の方法を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。