(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】リード部品供給装置、および供給方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
H05K13/02 C
(21)【出願番号】P 2022556295
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(86)【国際出願番号】 JP2020039558
(87)【国際公開番号】W WO2022085116
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-08-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】池田 充利
(72)【発明者】
【氏名】大坪 覚
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-145281(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147381(WO,A1)
【文献】特開平07-329914(JP,A)
【文献】特開2001-174229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リード部品がテーピングされたテープ化リード部品のキャリアテープに接触・離間
し、前記キャリアテープの両面を挟み込むことで前記キャリアテープを矯正する矯正装置
と、
前記キャリアテープにテーピングされたリード部品のリードを切断する切断装置と
を備え
、
前記矯正装置が前記キャリアテープの両面を挟み込んだ状態で前記切断装置が前記キャリアテープにテーピングされたリード部品のリードを切断するリード部品供給装置。
【請求項2】
前記矯正装置は、
駆動源の作動に基づいて、前記キャリアテープに接触・離間することで前記キャリアテープを矯正する請求項1に記載のリード部品供給装置。
【請求項3】
前記矯正装置は、
専用の駆動源の作動に基づいて、前記キャリアテープに接触・離間することで前記キャリアテープを矯正する請求項1または請求項2に記載のリード部品供給装置。
【請求項4】
前記矯正装置は、
テープフィーダから送出された前記テープ化リード部品の前記キャリアテープの両面を挟み込むことで前記キャリアテープを矯正する請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のリード部品供給装置。
【請求項5】
ラジアルリード部品がキャリアテープにテーピングされたテープ化ラジアルリード部品を供給位置に向って送り出す送出工程と、
前記送出工程において送り出されたテープ化ラジアルリード部品の
前記キャリアテープの両面を挟み込むことで前記キャリアテープを矯正装置が矯正する矯正工程と、
前記矯正工程において
前記キャリアテープの両面を挟み込んだ状態で前記テープ化ラジアルリード部品のリードを切断して前記キャリアテープからラジアルリード部品を切り離す切断工程と、
前記切断工程において前記キャリアテープから切り離されたラジアルリード部品を前記供給位置で供給する供給工程と
を含むラジアルリード部品の供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ化リード部品からリード部品を供給するリード部品供給装置、および供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品供給装置には、下記特許文献に記載されているように、テープ化部品から部品を供給するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-286272号公報
【文献】特表2018-538216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書は、テープ化リード部品からリード部品を適切に供給することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、リード部品がテーピングされたテープ化リード部品のキャリアテープに接触・離間し、前記キャリアテープの両面を挟み込むことで前記キャリアテープを矯正する矯正装置と、前記キャリアテープにテーピングされたリード部品のリードを切断する切断装置とを備え、前記矯正装置が前記キャリアテープの両面を挟み込んだ状態で前記切断装置が前記キャリアテープにテーピングされたリード部品のリードを切断するリード部品供給装置を開示する。
【0006】
また、上記課題を解決するために、本明細書は、ラジアルリード部品がキャリアテープにテーピングされたテープ化ラジアルリード部品を供給位置に向って送り出す送出工程と、前記送出工程において送り出されたテープ化ラジアルリード部品の前記キャリアテープの両面を挟み込むことで前記キャリアテープを矯正装置が矯正する矯正工程と、前記矯正工程において前記キャリアテープの両面を挟み込んだ状態で前記テープ化ラジアルリード部品のリードを切断して前記キャリアテープからラジアルリード部品を切り離す切断工程と、前記切断工程において前記キャリアテープから切り離されたラジアルリード部品を前記供給位置で供給する供給工程とを含むラジアルリード部品の供給方法を開示する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、キャリアテープを矯正することで、テープ化リード部品からリード部品を適切に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図9】切断装置及び部品装着装置を示す斜視図である。
【
図11】第2チャック及び第3チャックを示す斜視図である。
【
図13】切断装置及び部品装着装置を示す側面図である。
【
図14】部品実装機の制御装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0010】
図1及び
図2に、部品実装機10を示す。部品実装機10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装機10は、装置本体20、基材保持装置22、部品供給装置24、部品装着装置26、制御装置(
図14参照)28を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
【0011】
装置本体20は、フレーム30と、そのフレーム30に上架されたビーム32とによって構成されている。基材保持装置22は、フレーム30の上面に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52と移動装置54とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材保持装置22は、回路基材12を搬送装置50により搬送するとともに、所定の位置まで搬送された回路基材12をクランプ装置52により固定的に保持する。なお、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。また、移動装置54は、X方向移動装置(
図14参照)56とY方向移動装置(
図14参照)58とを有している。X方向移動装置56は、クランプ装置52により保持された回路基材12をX方向に移動させる装置であり、Y方向移動装置58は、クランプ装置52により保持された回路基材12をY方向に移動させる装置である。これにより、X方向移動装置56とY方向移動装置58とによって、クランプ装置52に保持された回路基材12は、フレーム上の任意の位置に移動するとともに、位置決めして停止する。
【0012】
部品供給装置24は、スライド装置60とテープフィーダ(
図3参照)62と切断装置64とを有している。スライド装置60は、保持壁66とスライドレール68とフィーダ保持台70とを含み、保持壁66は、フレーム30の上面のY方向における縁に、X方向に延びるように立設されている。そして、スライドレール68が保持壁66にX方向に延びるように固定されており、フィーダ保持台70がスライドレール68によりスライド可能に保持されている。また、フィーダ保持台70は、電磁モータ(
図14参照)72の作動により任意の位置にスライドする。これにより、フィーダ保持台70は保持壁66に沿ってX方向の任意の位置にスライドするとともに、位置決めして停止する。なお、部品実装機10の保持壁66が配設されている側を前方側と記載し、反対側を後方側と記載する。つまり、Y方向が部品実装機10での前後方向であり、X方向が部品実装機10での左右方向である。
【0013】
また、フィーダ保持台70には、複数のスロット76がX方向に並んで形成されており、テープフィーダ62が、作業者によって、複数のスロット76の各々にワンタッチで着脱可能に位置決めして装着される。テープフィーダ62は、テープ化部品(
図6参照)78を切断装置64に向って送り出す装置である。テープ化部品78は、
図6に示すように、複数のラジアルリード部品80とキャリアテープ82とから構成されている。ラジアルリード部品80は、概して円柱状の本体86と、その本体86の底面から同じ方向に延び出す2本のリード88とを含む。そして、ラジアルリード部品80の2本のリード88が、下端部において、キャリアテープ82にテーピングされている。また、キャリアテープ82には、複数の送り穴90が等ピッチで形成されている。そして、複数のラジアルリード部品80は、送り穴90の形成ピッチと同ピッチで、キャリアテープ82にテーピングされている。
【0014】
また、テープフィーダ62が装着されるフィーダ保持台70の下方には、
図1に示すように、収容庫92が配設されており、その収容庫92にテープ化部品78が折り畳まれた状態で収納されている。そして、その収容庫92からテープ化部品78の一端が引っ張り出され、その一端がテープフィーダ62の内部に挿入される。詳しくは、
図3に示すように、テープフィーダ62は、本体96と1対のガイドレール97とにより構成されており、収容庫92から引っ張り出されたテープ化部品78のキャリアテープ82の一端が1対のガイドレール97の間に挿入される。また、テープフィーダ62の本体96の上面には、前後方向に延びるように溝98が形成されており、本体96の上面の前端及び後端に開口している。そして、本体96の後端の開口に1対のガイドレール97が連通している。このため、1対のガイドレール97の間に挿入されたキャリアテープ82が溝98の内部に挿入される。なお、キャリアテープ82は、1対のガイドレール97の間及び溝98の内部に、キャリアテープ82の幅方向が上下方向に延びた状態、つまり、立設した状態で挿入される。キャリアテープ82が立設した状態は、キャリアテープ82とテープフィーダ62の上面とが概して直角に交差する状態であり、キャリアテープ82にテーピングされたリード88が上下方向に延びる状態である。そして、キャリアテープ82にテーピングされたラジアルリード部品80は、1対のガイドレール97及び溝98から上方に延び出す。
【0015】
また、テープフィーダ62の本体96の内部には、送出装置99が配設されている。送出装置99は、爪部材(図示省略)と送出用エアシリンダ100とを有している。爪部材は、本体96の内部において前後方向にスライド可能に配設されており、送出用エアシリンダ100の作動により前後方向にスライドする。また、爪部材は、溝98に挿入されたキャリアテープ82の送り穴90に係合している。そして、爪部材が溝98のガイドレール97と反対側の開口102に向かってスライドすることで、テープ化部品78が開口102に向かって送り出される。なお、爪部材の1回のスライド量は、テープ化部品78への送り穴90の形成ピッチと同じ長さとされている。また、爪部材が開口102と反対の方向にスライドする際に、爪部材の送り穴90への係合は解除される。これにより、爪部材が前後方向に1往復することで、送り穴90の形成ピッチに相当する量、テープ化部品78が開口102に向かって送り出される。そして、テープ化部品78が溝98の内部で順次送り出されることで、テープ化部品78が開口102からテープフィーダ62の外部に送り出される。
【0016】
また、切断装置64は、テープフィーダ62の開口102から送り出されたテープ化部品78にテーピングされているリード88を切断することで、ラジアルリード部品80をテープ化部品78から切り離す装置であり、
図1に示すように、ビーム32の下面側に取り付けられて固定されている。詳しくは、ビーム32の下面には、
図4に示す板状のブラケット110が下方に向って延び出す姿勢で固定されている。また、切断装置64は、1対の概してブロック状のスライダ112を有しており、それら1対のスライダ112が、ブラケット110の前面側で、ブラケット110によってX方向に接近・離間可能に保持されている。そして、1対のスライダ112は、エアシリンダ(
図14参照)114の作動により制御可能に接近・離間する。
【0017】
1対のスライダ112の各々の上面は概して水平面であり、1対のスライダ112の各々の前方側の面は概して鉛直面である。そして、1対のスライダ112の上面に、1対のリードカッタ116が刃先を対向させた状態で固定されている。なお、1対のリードカッタ116は、刃先をスライダ112のX方向での端から突出させた状態で、1対のスライダ112の上面に固定されている。また、1対のスライダ112の前方側の面に、1対のテープカッタ118が刃先を対向させた状態で固定されている。なお、1対のテープカッタ118は、刃先をスライダ112のX方向での端から突出させた状態で、1対のスライダ112の前方側の面に固定されている。
【0018】
また、1対のスライダ112の各々の内部には、
図4のAA線における断面図である
図5に示すように、マイクロエアシリンダ120が配設されている。具体的には、1対のスライダ112の各々には、X方向に貫通する貫通孔122が形成されている。なお、1対のスライダ112に形成される1対の貫通孔122は1直線上に位置している。つまり、1対のスライダ112に、X方向に貫通する1対の貫通孔122が同軸的に形成されている。マイクロエアシリンダ120のシリンダチューブ126の外径より僅かに大きい貫通孔122の内径には、マイクロエアシリンダ120が固定的に嵌合している。なお、1対のマイクロエアシリンダ120は、互いのシリンダロッド128が対向するように、1対の貫通孔122に嵌合している。そして、マイクロエアシリンダ120が伸長した際に、シリンダロッド128は貫通孔122の内部から延び出し、マイクロエアシリンダ120が伸縮した際に、シリンダロッド128は貫通孔122の内部に入り込む。
【0019】
また、1対のスライダ112が離間している状態において、1対のマイクロエアシリンダ120が伸長することで、1対のシリンダロッド128が1対のスライダ112の貫通孔122から延び出して、1対のスライダ112の間において、1対のシリンダロッド128の一方の先端面と他方の先端面とが面接触する。一方、1対のスライダ112が離間している状態において、1対のマイクロエアシリンダ120が収縮することで、1対のシリンダロッド128が1対のスライダ112の貫通孔122の内部に入り込み、1対のスライダ112の間は所定の間隔の隙間となる。
【0020】
なお、1対のスライダ112が離間している状態での1対のスライダ112の隙間は、フィーダ保持台70に装着されたテープフィーダ62の開口102と同じ高さに位置している。また、フィーダ保持台70に装着されたテープフィーダ62の開口102は後方を向いており、1対のスライダ112はブラケット110の前方側の面に配設されている。このため、スライド装置60の電磁モータ72の作動が制御され、フィーダ保持台70がX方向での所定の位置にスライドして位置決めされ停止することで、1対のスライダ112が離間している状態での1対のスライダ112の隙間と、位置決めされたテープフィーダ62の開口102とが前後方向において向い合う。そして、1対のスライダ112が離間している状態での1対のスライダ112の隙間と、テープフィーダ62の開口102とが向い合っている状態において、テープフィーダ62がテープ化部品78を開口102から送り出すことで、
図6に示すように、1対のスライダ112の隙間に、テープフィーダ62の開口102から送り出されたテープ化部品78のキャリアテープ82が入り込む。
【0021】
この際、キャリアテープ82にテーピングされているリード88は、1対のスライダ112の隙間から上方に向って延び出しており、1対のスライダ112の上面に固定されている1対のリードカッタ116の間に入り込む。そして、1個のラジアルリード部品80の1対のリード88が1対のリードカッタ116の間に入り込んでいる状態で、1対のスライダ112がエアシリンダ114の作動により接近することで、1対のリード88が1対のリードカッタ116により切断される。これにより、切断装置64においてテープ化部品78から1個のラジアルリード部品80が切り離される。なお、切断装置64によるリード88の切断については、後程、詳しく説明する。
【0022】
また、部品装着装置26は、切断装置64によってテープ化部品78から切り離されたラジアルリード部品80を回路基材12に装着するための装置であり、
図1及び
図2に示すように、ビーム32に配設されている。詳しくは、部品装着装置26は、
図7及び
図8に示すように、切断装置64が配設されているブラケット110の、切断装置64と反対側の面に配設されている。つまり、ブラケット110の前方側の面に切断装置64が配設されており、ブラケット110の後方側の面に部品装着装置26が配設されている。なお、
図7は、ブラケット110の後方側の面を示す図であり、
図8は、ブラケット110の前方側の面を示す図である。
【0023】
部品装着装置26は、第1チャック140と第2チャック142と第3チャック144との3つのチャックを有している。そして、第1チャック140は、切断装置64によってテープ化部品78から切り離されたラジアルリード部品80を把持し、第2チャック142は、第1チャック140からラジアルリード部品80を把持し、第3チャック144は、第2チャック142からラジアルリード部品80を把持して、回路基材12に装着する。
【0024】
第1チャック140は、
図9及び、
図9のBB線における断面図である
図10に示すように、1対の把持爪150とスプライン軸152とを有している。スプライン軸152は1対のスライダ112の後方側においてX方向に延びるように配設されており、軸心周りに自転可能にブラケット110により保持されている。そして、1対の把持爪150がスプライン軸152によりX方向において接近・離間可能に保持されており、電磁モータ(
図14参照)154の作動により各々の位置が制御可能に接近・離間する。また、スプライン軸152は電磁モータ(
図14参照)156の作動により制御可能に自転し、そのスプライン軸152に保持されている1対の把持爪150が前後方向に揺動する。
【0025】
なお、1対の把持爪150が前方に向って揺動した際には、
図9に示すように、1対のリードカッタ116の上方に位置する。このため、1対の把持爪150が電磁モータ156の作動により前方に向って揺動している際に電磁モータ154の作動により接近することで、テープ化部品78から切り離されたラジアルリード部品80のリード88を1対の把持爪150により把持することができる。また、1対の把持爪150が後方に向って揺動した際には、1対の把持爪150により把持されたラジアルリード部品80を第2チャック142に受け渡し可能な位置まで、1対の把持爪150は揺動する。
【0026】
詳しくは、第2チャック142は、
図10及び
図11に示すように、1対の把持爪160と載置皿162とブラケット164とを有している。なお、
図11は、前方側からの視点において第2チャック142を示す図である。1対の把持爪160はブラケット164によりX方向において接近・離間可能に保持されており、電磁モータ(
図14参照)166の作動により各々の位置が制御可能に接近・離間する。また、載置皿162は、1対の把持爪160の間においてブラケット164に固定的に保持されている。なお、載置皿162は、ラジアルリード部品80の円柱状の本体86に応じて円弧状に湾曲している。
【0027】
また、ブラケット164は、X方向における両側面において、1対の支持壁170(
図11では1対の支持壁170のうちの一方のみが図示されている)により挟まれている。1対の支持壁170には、1対のカム溝172が形成されており、ブラケット164のX方向における両側面には、X方向を軸心とする1対のローラ174が配設されている。そして、1対のローラ174が1対のカム溝172に嵌合することで、ブラケット164が1対の支持壁170により挟持されている。なお、カム溝172の形状は概して円弧状であり、後方に向うほど上方に向って湾曲し、前方に向うほど下方に向って湾曲している。そして、
図11に示すように、ブラケット164が支持壁170に対して下降して、ローラ174がカム溝172の下端に向って移動することで、1対の把持爪160及び載置皿162は上下方向に延びる姿勢となる。この際、1対の把持爪160の先端は下方を向く。一方、
図12に示すように、ブラケット164が支持壁170に対して上昇して、ローラ174がカム溝172の上端に向って移動することで、1対の把持爪160及び載置皿162は前後方向に延びる姿勢となる。この際、1対の把持爪160の先端は前方を向く。なお、ブラケット164は、電磁モータ(
図14)178の作動により制御可能に支持壁170に対して昇降する。
【0028】
また、ブラケット164が支持壁170に対して上昇して、第2チャック142の1対の把持爪160及び載置皿162が前後方向に延びる姿勢となっている際に、第1チャック140の1対の把持爪150に把持されたラジアルリード部品80の後方に載置皿162が位置する。なお、この際に第2チャック142の1対の把持爪160は離間している。このため、
図13に示すように、第1チャック140の1対の把持爪150が後方に向って揺動することで、1対の把持爪150により把持されたラジアルリード部品80の本体86が載置皿162の上に載置される。そして、ラジアルリード部品80の本体86が載置皿162の上に載置されると、第2チャック142の1対の把持爪160が接近することで、載置皿162の上に載置されているラジアルリード部品80の本体86が1対の把持爪160により把持される。また、ラジアルリード部品80の本体86が載置皿162の上に載置された後に、1対の把持爪150が離間することで、第1チャック140によるラジアルリード部品80の把持が解除される。これにより、第1チャック140により把持されていたラジアルリード部品80が第2チャック142に渡されて、第2チャック142により把持される。
【0029】
また、第3チャック144は、
図12に示すように、1対の支持壁170の下方に配設されており、1対の把持爪180を有している。1対の支持壁170の後方側には、吊下げ部材182が固定されており、その吊下げ部材182は1対の支持壁170の下端より下方に延び出している。そして、その吊下げ部材182の下端に、1対の把持爪180が接近・離間可能に配設されており、1対の把持爪180は前方に向って延び出している。つまり、第3チャック144の1対の把持爪180は、吊下げ部材182を介して1対の支持壁170に配設されており、1対の支持壁170の下方に向って延び出している。なお、1対の把持爪180は、電磁モータ(
図14参照)186の作動により各々の位置が制御可能に接近・離間する。
【0030】
また、1対の支持壁170により挟持されているブラケット164が支持壁170に対して下降することで、上述したように、ブラケット164に保持されている第2チャック142の1対の把持爪160の先端が下方を向く。この際、第2チャック142の把持爪160により把持されているラジアルリード部品80の1対のリード88の先端も下方を向く。なお、ブラケット164が下降する際に、第3チャック144の1対の把持爪180は離間している。そして、先端が下方を向いている1対のリード88が、第3チャック144の1対の把持爪180の間に入り込む。この際、1対の把持爪180が接近することで、
図11に示すように、ラジアルリード部品80の1対のリード88が1対の把持爪180により把持される。また、第3チャック144の1対の把持爪180によりラジアルリード部品80の1対のリード88が把持された後に、第2チャック142の1対の把持爪160が離間することで、第2チャック142によるラジアルリード部品80の把持が解除される。これにより、第2チャック142により把持されていたラジアルリード部品80が第3チャック144に渡されて、第3チャック144により把持される。
【0031】
また、第3チャック144の1対の把持爪180が配設されている1対の支持壁170は、
図11に示すように、上端においてフランジ188に固定されている。そして、そのフランジ188は、電磁モータ(
図14参照)190の作動により制御可能に昇降する。これにより、第3チャック144の1対の把持爪180に把持されたラジアルリード部品80の上下方向の位置を任意に変更することができる。
【0032】
さらに、第3チャック144により把持されたラジアルリード部品80の上方には、プッシャ196が配設されている。プッシャ196は、ブラケット164により昇降可能に保持されており、電磁モータ(
図14参照)198の作動により制御可能に昇降する。これにより、プッシャ196が下降することで、第3チャック144により把持されたラジアルリード部品80がプッシャ196によって下方に向って押し込まれる。
【0033】
また、制御装置28は、
図14に示すように、コントローラ200、複数の駆動回路202を備えている。複数の駆動回路202は、上記搬送装置50、クランプ装置52、X方向移動装置56、Y方向移動装置58、送出装置99、送出用エアシリンダ100、エアシリンダ114、マイクロエアシリンダ120、電磁モータ72,154,156,166,178,186,190,198に接続されている。コントローラ200は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路202に接続されている。これにより、基材保持装置22、部品供給装置24、部品装着装置26の作動が、コントローラ200によって制御される。
【0034】
部品実装機10では、上述した構成によって、基材保持装置22に保持された回路基材12に対してラジアルリード部品80の装着作業が行われる。具体的には、回路基材12が、所定の位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置52によって固定的に保持される。また、部品供給装置24のスライド装置60において、電磁モータ72の作動が制御され、装着対象のラジアルリード部品80がテーピングされているテープ化部品78を収容するテープフィーダ62の開口102が、切断装置64の1対のスライダ112の間と対向するように、フィーダ保持台70がスライドする。
【0035】
そして、そのテープフィーダ62において、送出装置99の作動が制御され、テープ化部品78が開口102に向って送り出され、その開口102からテープフィーダ62の外部にまで送り出される。この際、切断装置64では、1対のスライダ112が、エアシリンダ114の作動によって離間している。また、1対のスライダ112の内部に配設されている1対のマイクロエアシリンダ120は収縮しており、1対のマイクロエアシリンダ120のシリンダロッド128は、1対のスライダ112の貫通孔122の内部に入り込んでいる。また、第1チャック140の1対の把持爪150は電磁モータ156の作動により前方に向って揺動しており、1対のスライダ112の上方に位置しているが、電磁モータ154の作動により離間している。
【0036】
このため、1対のスライダ112の間及び、1対の把持爪150の間は所定の間隔の隙間となっており、開口102からテープフィーダ62の外部に送り出されたテープ化部品78の先端が、1対のスライダ112の間及び1対の把持爪150の間に入り込む。この際、テープ化部品78のキャリアテープ82の先端が、1対のスライダ112の間に入り込むとともに、そのキャリアテープ82の先端にテーピングされているリード88が、1対の把持爪150の間に入り込む。そして、そのキャリアテープ82にテーピングされている先頭の1個のラジアルリード部品80の1対のリード88が、1対の把持爪150の間に入り込んだタイミングで、送出装置99の作動が停止する。
【0037】
次に、送出装置99の作動が停止すると、1対のマイクロエアシリンダ120が伸長する。この際、1対のマイクロエアシリンダ120のシリンダロッド128が1対のスライダ112の貫通孔122から延び出して、1対のスライダ112の間に入り込んでいるキャリアテープ82に接触して挟持する。つまり、1対のスライダ112の間にキャリアテープ82が入り込む前に、1対のマイクロエアシリンダ120は収縮しており、1対のシリンダロッド128は1対のスライダ112の貫通孔122の内部に入り込んでいるため、1対のシリンダロッド128の先端はキャリアテープ82から離間している。そして、1対のスライダ112の間にキャリアテープ82が入り込んだ後に、1対のマイクロエアシリンダ120が伸長して、1対のシリンダロッド128が1対のスライダ112の貫通孔122から延び出して、キャリアテープ82に接触して挟持する。この際、1対のシリンダロッド128の先端面が、キャリアテープ82を介して面接触する。つまり、1対のシリンダロッド128の一方の先端面と、その先端面と対向するキャリアテープ82の一方の面とが接触し、1対のシリンダロッド128の他方の先端面と、その先端面と対向するキャリアテープ82の他方の面とが接触する。この際、キャリアテープ82の両面が1対のシリンダロッド128の先端面によって挟み込まれる。
【0038】
次に、キャリアテープ82の両面が1対のシリンダロッド128の先端面によって挟み込まれると、第1チャック140の1対の把持爪150が電磁モータ154の作動により接近し、1対の把持爪150の間に入り込んでいる1対のリード88を把持する。つまり、キャリアテープ82の両面が1対のシリンダロッド128の先端面によって挟み込まれた状態で、1対の把持爪150が接近することで、1対のリード88を把持する。そして、1対の把持爪150が1対のリード88を把持している状態で、1対のスライダ112がエアシリンダ114の作動により接近することで、1対のリード88を把持している1対の把持爪150の下方において、その1対のリード88が1対のリードカッタ116によって切断される。つまり、キャリアテープ82にテーピングされている1個のラジアルリード部品80の1対のリード88が、その1対のリード88を把持している1対の把持爪150の下方において、1対のリードカッタ116によって切断される。これにより、1対の把持爪150が1対のリード88を把持している状態で、ラジアルリード部品80がキャリアテープ82から切り離される。つまり、第1チャック140の1対の把持爪150により1対のリード88が把持される位置がラジアルリード部品80の供給位置であり、1対のリードカッタ116により1対のリード88が切断されることで、1個のラジアルリード部品80がキャリアテープ82から切り離されて、第1チャック140に供給される。また、1対のスライダ112が接近し、1対のリード88が1対のリードカッタ116によって切断されるとともに、1対のスライダ112の間に入り込んでいるキャリアテープ82が、1対のテープカッタ118によって切断される。
【0039】
なお、マイクロエアシリンダ120はエアの供給により伸長するが、1対のスライダ112が接近し、1対のリード88が1対のリードカッタ116により切断され、キャリアテープ82が1対のテープカッタ118により切断されるタイミングまで、マイクロエアシリンダ120へのエアの供給は継続される。この際、1対のマイクロエアシリンダ120へのエアの供給によりマイクロエアシリンダ120が伸長しようとする力が、1対のスライダ112が接近しようする力を阻害するが、マイクロエアシリンダ120の断面積は非常に小さく、マイクロエアシリンダ120が伸長しようとする力は弱いため、1対のスライダ112は大きな抵抗を受けることなく接近する。このように、1対のリード88及びキャリアテープ82が切断されるタイミングまで、マイクロエアシリンダ120へのエアの供給が継続されることで、1対のシリンダロッド128の先端面によって挟み込まれた状態のキャリアテープ82を切断するとともに、そのキャリアテープ82にテーピングされている1対のリード88を切断することができる。そして、1対のリード88が1対のリードカッタ116により切断され、キャリアテープ82が1対のテープカッタ118により切断された後に、マイクロエアシリンダ120へのエアの供給が停止する。
【0040】
このように、部品実装機10では、テープフィーダ62の開口102と、切断装置64の1対のスライダ112の間とが対向している状態において、送出装置99の作動によりテープ化部品78が送り出されることで、テープ化部品78にテーピングされているラジアルリード部品80が供給位置、つまり、1対の把持爪150により把持可能な位置まで送り出される。なお、ラジアルリード部品80が供給位置に送り出される際に、1対のスライダ112及び1対の把持爪150は離間しており、マイクロエアシリンダ120は収縮している。次に、ラジアルリード部品80が供給位置まで送り出されると、1対のマイクロエアシリンダ120が伸長し、1対のスライダ112の間でキャリアテープ82の両面が1対のシリンダロッド128の先端面によって挟み込まれる。このように、キャリアテープ82の両面が1対のシリンダロッド128の先端面によって挟み込まれた状態で、キャリアテープ82にテーピングされている1個のラジアルリード部品80の1対のリード88が1対の把持爪150により把持される。そして、キャリアテープ82の両面が1対のシリンダロッド128の先端面によって挟み込まれるとともに、1対のリード88が1対の把持爪150により把持された状態で、1対のスライダ112が接近することで、キャリアテープにテーピングされている1対のリード88が1対のリードカッタ116によって切断される。これにより、キャリアテープ82から切り離された1個のラジアルリード部品80が、1対の把持爪150に把持された状態で第1チャック140に供給される。また、リード88が1対のリードカッタ116により切断される際に、リード88が切断されるタイミングと同じタイミングで、キャリアテープ82も1対のテープカッタ118により切断される。つまり、キャリアテープ82の両面が1対のシリンダロッド128の先端面によって挟み込まれた状態で、キャリアテープ82が1対のテープカッタ118によって切断される。
【0041】
このように、キャリアテープ82の両面が1対のシリンダロッド128の先端面によって挟み込まれた状態で、1対の把持爪150により1対のリード88が把持されることで、1対の把持爪150により1対のリード88を適切に把持することが可能となる。また、キャリアテープ82の両面が1対のシリンダロッド128の先端面によって挟み込まれた状態で、1対のリードカッタ116により1対のリード88が切断されることで、1対のリードカッタ116により1対のリード88を適切に切断することが可能となる。さらに、キャリアテープ82の両面が1対のシリンダロッド128の先端面によって挟み込まれた状態で、1対のテープカッタ118によりキャリアテープ82が切断されることで、1対のテープカッタ118によりキャリアテープ82を適切に切断することが可能となる。
【0042】
詳しくは、テープ化部品78は、収容庫92に折り畳まれた状態で収納されているため、キャリアテープ82に折り目が形成されている。このため、テープフィーダ62の開口102から送り出され、1対のスライダ112の間に入り込んだキャリアテープ82が、そのキャリアテープ82に形成された折り目によって、1対のスライダ112の間で曲がったり、捩れたり、歪んだりしている場合がある。このように、1対のスライダ112の間に入り込んでいるキャリアテープ82に曲がり,捩り,歪み等が生じていることで、そのキャリアテープ82にテーピングされているリード部品の1対のリード88も鉛直方向に対して傾いてしまう場合があり、そのような場合には、キャリアテープ82にテーピングされている1対のリード88を1対の把持爪150により適切に把持できない虞がある。また、キャリアテープ82にテーピングされているリード部品の1対のリード88が鉛直方向に対して傾いている場合には、キャリアテープ82にテーピングされている1対のリード88を1対のリードカッタ116により適切に切断できない虞もある。さらに、キャリアテープ82に曲がり,捩り,歪み等が生じていると、そのキャリアテープ82にテーピングされている1対のリード88が1対の把持爪150の間に入り込まない場合もあり、このような場合にも、1対のリード88を1対の把持爪150により適切に把持できない。また、キャリアテープ82にテーピングされている1対のリード88が1対のリードカッタ116の間に入り込まない場合もあり、このような場合にも、1対のリード88を1対のリードカッタ116により適切に切断できない。また、1対のスライダ112の間に入り込んでいるキャリアテープ82に曲がり,捩り,歪み等が生じていると、テープカッタ118の切断面に対してキャリアテープ82が傾いている場合があり、そのような場合には、キャリアテープ82を1対のテープカッタ118により適切に切断できない虞がある。
【0043】
このため、部品実装機10では、リード88が把持爪150により把持される前、リード88がリードカッタ116により切断される前、キャリアテープ82がテープカッタ118により切断される前に、キャリアテープ82の両面が1対のシリンダロッド128の先端面によって挟み込まれる。このように、キャリアテープ82の両面が1対のシリンダロッド128の先端面によって挟み込まれると、キャリアテープ82が1対のスライダ112の間で曲がったり、捩れたり、歪んだりしている場合であっても、そのキャリアテープ82の曲がり,捩り,歪み等が1対のシリンダロッド128によって矯正される。つまり、曲がり,捩り,歪み等が生じているキャリアテープ82の姿勢が、1対のスライダ112の間で、テープカッタ118の切断面に対して平行な姿勢となり、リードカッタ116に対して直行する姿勢となる。このようにキャリアテープ82の姿勢が、1対のスライダ112の間で矯正されると、キャリアテープ82にテーピングされている1対のリード88が、1対のスライダ112の間で鉛直方向を向くことで、1対の把持爪150及び1対のリードカッタ116の間に良好に入り込む。また、キャリアテープ82が、1対のスライダ112の間でテープカッタ118の切断面に対して平行となる。これにより、1対のリード88を1対の把持爪150により適切に把持し、1対のリード88を1対のリードカッタ116により適切に切断し、キャリアテープ82を1対のテープカッタ118により適切に切断することが可能となる。
【0044】
このように、1対のリード88が1対の把持爪150により把持されて、その1対のリード88が切断されることで、上述したように、供給位置においてキャリアテープ82から切り離されたラジアルリード部品80が、1対の把持爪150により把持された状態で供給される。そして、1対の把持爪150により把持されたラジアルリード部品80が、部品装着装置26の作動により回路基材12に装着される。
【0045】
詳しくは、ラジアルリード部品80を把持する1対の把持爪150が、電磁モータ156の作動により後方に向って揺動することで、1対の把持爪150に把持されたラジアルリード部品80の本体86が、
図13に示すように、第2チャック142の載置皿162に載置される。なお、ラジアルリード部品80の本体86が載置皿162に載置される際に、第2チャック142の1対の把持爪160は離間している。そして、ラジアルリード部品80の本体86が載置皿162の上に載置されると、第2チャック142の1対の把持爪160が、電磁モータ166の作動により接近することで、載置皿162の上に載置されているラジアルリード部品80の本体86が1対の把持爪160により把持される。また、ラジアルリード部品80の本体86が載置皿162の上に載置された後に、1対の把持爪150が電磁モータ154の作動により離間することで、第1チャック140によるラジアルリード部品80の把持が解除される。これにより、第1チャック140により把持されていたラジアルリード部品80が第2チャック142に渡されて、第2チャック142により把持される。
【0046】
次に、第2チャック142のブラケット164が、電磁モータ178の作動により下降することで、ブラケット164に保持されている第2チャック142の1対の把持爪160の先端が下方を向く。この際、第2チャック142の把持爪160により把持されているラジアルリード部品80の1対のリード88の先端も下方を向く。なお、ブラケット164が下降する際に、第3チャック144の1対の把持爪180は離間している。そして、先端が下方を向いている1対のリード88が、第3チャック144の1対の把持爪180の間に入り込む。この際、1対の把持爪180が、電磁モータ186の作動により接近することで、
図11に示すように、ラジアルリード部品80の1対のリード88が1対の把持爪180により把持される。また、第3チャック144の1対の把持爪180によりラジアルリード部品80の1対のリード88が把持された後に、第2チャック142の1対の把持爪160が離間することで、第2チャック142によるラジアルリード部品80の把持が解除される。これにより、第2チャック142により把持されていたラジアルリード部品80が第3チャック144に渡されて、第3チャック144により把持される。
【0047】
また、基材保持装置22では、X方向移動装置56及びY方向移動装置58の作動が制御されて、回路基材12がラジアルリード部品80の装着位置に移動する。詳しくは、回路基材12に、ラジアルリード部品80の1対のリード88を挿入するための1対の貫通孔(図示省略)が形成されている。そして、その回路基材12に形成されている1対の貫通孔と、第3チャック144の1対の把持爪180により把持された1対のリード88の先端とが上下方向において一致するように、つまり、X座標及びY座標が一致するように、X方向移動装置56及びY方向移動装置58の作動が制御される。
【0048】
そして、電磁モータ190の作動によりフランジ188が下降する。これにより、第3チャック144の1対の把持爪180により把持されたラジアルリード部品80が下降して、そのラジアルリード部品80の1対のリード88が回路基材12の1対の貫通孔に挿入される。このように、1対のリード88が回路基材12の1対の貫通孔に挿入されると、プッシャ196が電磁モータ198の作動により下降することで、第3チャック144により把持されたラジアルリード部品80がプッシャ196によって下方に向って押し込まれる。これにより、1対のリード88が根元まで回路基材12の貫通孔に挿入されて、ラジアルリード部品80が回路基材12に装着される。
【0049】
なお、切断装置64は、リード部品供給装置の一例である。テープ化部品78は、テープ化部品及びテープ化ラジアルリード部品の一例である。ラジアルリード部品80は、リード部品及びラジアルリード部品の一例である。キャリアテープ82は、キャリアテープの一例である。マイクロエアシリンダ120は、矯正装置及び駆動源の一例である。
【0050】
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、マイクロエアシリンダ120が1対のスライダ112の間においてキャリアテープ82に接触してキャリアテープ82を矯正するための専用の駆動源であり、スライダ112等を作動させるための駆動源ではない。なお、キャリアテープ82を矯正するための専用の駆動源とは、マイクロエアシリンダ120のみに駆動力を与えるものであり、スライダ112等の他の物に駆動力を与えないものである。このように、マイクロエアシリンダ120をキャリアテープ82の矯正専用の駆動源とすることで、任意のタイミングでキャリアテープ82を矯正することが可能となる。一方で、スライダ112等の他の物を作動させる駆動源とマイクロエアシリンダ120を作動させる駆動源とを兼用させてもよい。つまり、マイクロエアシリンダ120と、スライダ112等の他の物とを連動して作動させる駆動源を採用してもよい。このように、スライダ112等の他の物を作動させる駆動源とマイクロエアシリンダ120を作動させる駆動源とを兼用させることで、駆動源の数を少なくすることができる。また、上記実施例では、マイクロエアシリンダ120の作動によりキャリアテープ82を矯正しているが、電磁モータ,油圧式シリンダ等の別の種類のアクチュエータを作動させてキャリアテープ82を矯正してもよい。
【0051】
また、上記実施例では、キャリアテープを矯正するための駆動源を用いて、つまり、マイクロエアシリンダ120の作動によりキャリアテープ82を矯正しているが、駆動源を用いることなくキャリアテープ82を矯正してもよい。具体的には、例えば、テープ化部品78が送り出される経路のキャリアテープ82に接触可能な位置に接触部材を配置する。そして、接触部材に向ってテープ化部品78を送り出すことで、接触部材とキャリアテープ82とが離間した状態から接触部材とキャリアテープ82とが接触する状態となり、接触部材とキャリアテープ82とが接触することで、接触部材によりキャリアテープ82を矯正してもよい。
【0052】
また、上記実施例では、キャリアテープ82にテーピングされている1対のリード88が1対の把持爪150により把持される前に、そのキャリアテープ82が1対のマイクロエアシリンダ120により挟み込まれているが、1対のリード88が1対の把持爪150により把持された後、若しくは、把持されるタイミングで、キャリアテープ82が1対のマイクロエアシリンダ120により挟み込まれてもよい。つまり、1対のリード88が1対の把持爪150により把持された後、若しくは、把持されるタイミングで、マイクロエアシリンダ120が作動してもよい。
【0053】
また、上記実施例では、マイクロエアシリンダ120がスライダ112の内部に配設されているが、スライダ112の前方側に配設されてもよい。これにより、1対のスライダ112の間に入り込む前のキャリアテープ82を矯正することで、1対のスライダ112の間に正しい姿勢のキャリアテープ82を送り込むことが可能となる。また、キャリアテープ82に接触可能な位置であれば、スライダ112の上方,下方,後方の何れにマイクロエアシリンダ120を配設しても、1対のスライダ112の間に入り込んでいるキャリアテープ82を矯正することができる。
【0054】
上記実施例では、テープフィーダ62によってテープ化部品78が切断装置64に向って送り出されており、切断装置64によってテープ化部品78からラジアルリード部品80が切り離されて、そのテープ化部品78から切り離されたラジアルリード部品80が供給されている。つまり、テープ化部品78を送り出す送出工程をテープフィーダ62が実行し、テープ化部品78からラジアルリード部品80を切り離す切断工程及び、テープ化部品78から切り離されたラジアルリード部品80を供給する供給工程を切断装置64が実行している。一方で、テープフィーダ62と切断装置64とを一体的な供給装置として、その供給装置が、送出工程と切断工程と供給工程とを実行してもよい。この場合の供給装置はテープフィーダとして、例えば、フィーダ保持台の複数のスロット76の各々に作業者がワンタッチで着脱可能に位置決めして装着される。あるいは別の態様として、例えば、切断装置64にテープ化部品78を送り出す機能を設けることで、その切断装置64が、送出工程と切断工程と供給工程とを実行してもよい。
【0055】
また、上記実施例では、切断装置64によりテープ化部品78から切り離されて供給されるラジアルリード部品80を、第1チャック140と第2チャック142と第3チャック144との3つのチャックを作動させることで、回路基材12に装着しているが、1つのチャックの作動により、回路基材12に装着してもよい。つまり、上記実施例では、供給位置において第1チャック140がラジアルリード部品80を把持し、第1チャック140に把持されたラジアルリード部品80が第2チャック142に渡されて、さらに、第2チャック142から第3チャック144にラジアルリード部品80が渡された後に、第3チャック144により回路基材12に装着される。一方で、1つのチャックが供給位置においてラジアルリード部品80を把持し、その1つのチャックに把持されたラジアルリード部品80が回路基材12に装着されてもよい。部品装着装置がその1つのチャックに加えて水平方向移動装置と垂直方向移動装置を備えることで把持したラジアルリード部品を、回路基材に装着しても良い。
【0056】
また本発明が、上記実施例では、テープ化部品78、つまり、ラジアルリード部品80がキャリアテープにテーピングされたテープ化ラジアルリード部品に採用されているが、テープ化ラジアルリード部品以外のテープ化部品にも採用することが可能である。具体的には、例えば、アキシャルリード部品がテーピングされたテープ化アキシャルリード部品、あるいは、紙テープやエンボステープに封入された角チップのテープ化部品などに本発明を採用することもできる。
【符号の説明】
【0057】
64:切断装置(リード部品供給装置) 78:テープ化部品 80:ラジアルリード部品 82:キャリアテープ 120:マイクロエアシリンダ(矯正装置)(駆動源)