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7579911ゲームプログラム、ゲーム処理方法、およびゲームシステム
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  • -ゲームプログラム、ゲーム処理方法、およびゲームシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法、およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/55 20140101AFI20241031BHJP
   A63F 13/525 20140101ALI20241031BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20241031BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/525
A63F13/69
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023093485
(22)【出願日】2023-06-06
(65)【公開番号】P2023166350
(43)【公開日】2023-11-21
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】毛利 志朗
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真靖
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-171013(JP,A)
【文献】特開2021-053186(JP,A)
【文献】特開2011-101754(JP,A)
【文献】特開2020-124285(JP,A)
【文献】林 賢吾,プレイステーション・ポータブル対応 ヴァルハラナイツ2 バトルスタンス 完全攻略ガイド,第1版,株式会社光栄 襟川 陽一,2009年07月27日,p.192
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,
9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ少なくとも1つのゴールを含む複数のコースを有するアクションゲームをゲームシステムのコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータに、
プレイヤの操作に応じて、第1オブジェクトが配置された前記コース内で操作オブジェクトを移動させ、
前記操作オブジェクト以外の前記コース内の複数の種類のオブジェクトをそれぞれコース毎に予め設定された第1の挙動で制御させ、
前記操作オブジェクトが前記第1オブジェクトに作用したことに応じて、前記複数の種類のコース内オブジェクトのうち前記コース毎に予め設定されたいずれかの種類のコース内オブジェクトを、前記コース毎に予め設定された第2の挙動で制御させ、
前記操作オブジェクトが前記第1オブジェクトに作用したことに応じて、前記コース内に第2オブジェクトを出現させ、
前記操作オブジェクトが前記第2オブジェクトに作用したことに応じて、前記第2の挙動で制御されている前記コース内オブジェクトを前記第1の挙動で制御させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記複数の種類のコース内オブジェクトのそれぞれについて、前記第1の挙動および前記第2の挙動が予め設定されている、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記複数のコースのうち少なくとも1つのコースにおいて、前記操作オブジェクトが前記第1オブジェクトに作用したことに応じて、前記操作オブジェクトを第1の状態から第2の状態に変化させ、
前記操作オブジェクトが前記第2オブジェクトに作用したことに応じて、前記操作オブジェクトを前記第2の状態から前記第1の状態に戻す、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記複数のコースのうち少なくとも1つのコースにおいて、前記操作オブジェクトが前記第1オブジェクトに作用したことに応じて、コース毎に予め設定された第1のカメラ制御パラメータで制御されている仮想カメラを、コース毎に予め設定された第2のカメラ制御パラメータで制御させ、
前記操作オブジェクトが前記第2オブジェクトに作用したことに応じて、前記第2のカメラ制御パラメータで制御されている仮想カメラを前記第1のカメラ制御パラメータで制御させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記操作オブジェクトが前記第1オブジェクトに作用したことに応じて、前記コースにかかわらず、ゲーム画面に所定のエフェクトを表示し、
前記操作オブジェクトが前記第2オブジェクトに作用したことに応じて、前記所定のエフェクトの表示を終了する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記複数のコースのうち少なくとも1つのコースにおいて、前記操作オブジェクトが前記第1オブジェクトに作用した後、前記第2オブジェクトに作用した場合、当該第2オブジェクトに作用したときの前記操作オブジェクトの位置を変化させることなく、前記第2の挙動で制御されている前記コース内オブジェクトを前記第1の挙動で制御させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記ゲームシステムは、単一のゲームシステムで同じ表示部を用いた複数のプレイヤによるマルチプレイゲームが可能であり、
前記複数のプレイヤのうち第1のプレイヤが操作する第1操作オブジェクトが前記第1オブジェクトに作用したとき、当該第1操作オブジェクトを含む全ての操作オブジェクトを所定の位置に集合させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記第1操作オブジェクトが前記第1オブジェクトに作用したことに応じて当該第1操作オブジェクトを含む全ての操作オブジェクトを第1の状態から第2の状態に変化させる、請求項7に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記第1操作オブジェクトが前記第1オブジェクトに作用した後、いずれかの操作オブジェクトが前記第2オブジェクトに作用した場合、当該第2オブジェクトに作用したときの各操作オブジェクトの位置を変化させることなく、前記第2の挙動で制御されている前記コース内オブジェクトを前記第1の挙動で制御させる、請求項7に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記操作オブジェクトが前記第2オブジェクトに作用したことに応じて、所定の報酬がプレイヤに付与される、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記報酬の総数は有限であり、
前記コースをクリアした場合も、前記報酬が付与される、請求項10に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記複数のコースには、前記操作オブジェクトを前記第1オブジェクトに作用させなくても操作オブジェクトが到達可能な第1のゴールと、前記操作オブジェクトを到達させるためには当該操作オブジェクトを前記第1オブジェクトに作用させることが必要となる第2のゴールとを少なくとも含む複数のゴールを有するコースが含まれている、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
前記操作オブジェクトが前記第2オブジェクトに作用したことに応じて前記報酬が付与された後、当該操作オブジェクトが前記ゴールに到達できない状態となったことに基づいて当該コースのプレイをリスタートさせる場合は、当該報酬が付与された状態で、当該コース内の所定の地点からリスタートさせる、請求項10に記載のゲームプログラム。
【請求項14】
それぞれ少なくとも1つのゴールを含む複数のコースを有するアクションゲームをゲームシステムのコンピュータに実行させるゲーム処理方法であって、
前記コンピュータに、
プレイヤの操作に応じて、第1オブジェクトが配置されたコース内で操作オブジェクトを移動させ、
前記操作オブジェクト以外の前記コース内の複数の種類のオブジェクトをそれぞれコース毎に予め設定された第1の挙動で制御させ、
前記操作オブジェクトが前記第1オブジェクトに作用したことに応じて、前記複数の種類のコース内オブジェクトのうちコース毎に予め設定されたいずれかの種類のコース内オブジェクトを、コース毎に予め設定された第2の挙動で制御させ、
前記操作オブジェクトが前記第1オブジェクトに作用したことに応じて、前記コース内に第2オブジェクトを出現させ、
前記操作オブジェクトが前記第2オブジェクトに作用したことに応じて、前記第2の挙動で制御されている前記コース内オブジェクトを前記第1の挙動で制御させる、ゲーム処理方法。
【請求項15】
それぞれ少なくとも1つのゴールを含む複数のコースを有するアクションゲームを実行可能な、プロセッサを備えたゲームシステムであって、
前記プロセッサは、
プレイヤの操作に応じて、第1オブジェクトが配置されたコース内で操作オブジェクトを移動させ、
前記操作オブジェクト以外の前記コース内の複数の種類のオブジェクトをそれぞれコース毎に予め設定された第1の挙動で制御し、
前記操作オブジェクトが前記第1オブジェクトに作用したことに応じて、前記複数の種類のコース内オブジェクトのうちコース毎に予め設定されたいずれかの種類のコース内オブジェクトを、コース毎に予め設定された第2の挙動で制御し、
前記操作オブジェクトが前記第1オブジェクトに作用したことに応じて、前記コース内に第2オブジェクトを出現させ、
前記操作オブジェクトが前記第2オブジェクトに作用したことに応じて、前記第2の挙動で制御している前記コース内オブジェクトを前記第1の挙動で制御する、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、それぞれ少なくとも1つのゴールを含む複数のコースを有するアクションゲームの処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、予め設定されているゴール地点にプレイヤキャラクタを到達させることでコースをクリアしたものとして扱う、ゴールクリアタイプのアクションゲームが開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-101754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなアクションゲームにおいては、複数のコースが用意され得る。そして、コース毎に特色を持たせることで、コース間での様々な変化に基づく興趣性を創出できる。一方で、1つのコース内での変化の付け方には、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0006】
(構成1)
構成1は、それぞれ少なくとも1つのゴールを含む複数のコースを有するアクションゲームをゲームシステムのコンピュータに実行させるゲームプログラムである。ゲームプログラムは、コンピュータに、プレイヤの操作に応じて、第1オブジェクトが配置されたコース内で操作オブジェクトを移動させる。また、操作オブジェクト以外のコース内の複数の種類のオブジェクトをそれぞれコース毎に予め設定された第1の挙動で制御させる。また、操作オブジェクトが第1オブジェクトに作用したことに応じて、複数の種類のコース内オブジェクトのうちコース毎に予め設定されたいずれかの種類のコース内オブジェクトを、コース毎に予め設定された第2の挙動で制御させる。また、操作オブジェクトが第1オブジェクトに作用したことに応じて、コース内に第2オブジェクトを出現させる。そして、操作オブジェクトが第2オブジェクトに作用したことに応じて、第2の挙動で制御されているコース内オブジェクトを第1の挙動で制御させる。
【0007】
上記構成によれば、コースをスタートからゴールまで進む過程で、コース内のオブジェクトに変化が生じるため、ゲームの興趣性が向上できる。また、いずれのコースにおいても、操作キャラクタが共通の第1オブジェクトに作用することで変化が生じるところ、当該変化はコースによって異なるため、何が起こるのかについてプレイヤが予想しにくいものとして、ゲームの興趣性をより向上できる。また、第2オブジェクトを取得することで変化している状態が終了し、再び元の状態に戻るため、本来のコースのスタートからゴールまでの間に、あたかも別のコースのスタートとゴールがあるかのような、従来にない新たな興趣性を提供できる。
【0008】
(構成2)
構成2は、構成1において、複数の種類のコース内オブジェクトのそれぞれについて、第1の挙動および第2の挙動が予め設定されてもよい。
【0009】
上記構成によれば、コース内あるいはコース間で共通のコース内オブジェクトを利用しつつ、第1の挙動から第2の挙動に挙動が変化するか否かや、第2の挙動の内容をコース毎に個別に設定できるため、コースによって全く異なる変化内容をプレイヤに提供できる。
(構成3)
構成3は、構成1または2において、複数のコースのうち少なくとも1つのコースにおいて、操作オブジェクトが第1オブジェクトに作用したことに応じて、操作オブジェクトを第1の状態から第2の状態に変化させてもよい。そして、当該操作オブジェクトが第2オブジェクトに作用したことに応じて、操作オブジェクトを第1の状態に戻してもよい。
【0010】
上記構成によれば、プレイヤの操作対象である操作オブジェクトにも変化が発生し得る。そのため、どのような変化が起こるのかについてのプレイヤの高揚感や、ゲームの興趣性を向上できる。
【0011】
(構成4)
構成4は、構成1~3のいずれかにおいて、複数のコースのうち少なくとも1つのコースにおいて、操作オブジェクトが第1オブジェクトに作用したことに応じて、コース毎に予め設定された第1のカメラ制御パラメータで制御されている仮想カメラを、コース毎に予め設定された第2のカメラ制御パラメータで制御させてもよい。そして、操作オブジェクトが前記第2オブジェクトに作用したことに応じて、第2のカメラ制御パラメータで制御されている仮想カメラを第1のカメラ制御パラメータで制御させてもよい。
【0012】
上記構成によれば、第1の挙動での制御から第2の挙動での制御へ変化することに伴って、画面の表示のされ方や画面の見た目についても変化をつけることができる。これにより、ゲームの興趣性を向上できる。
【0013】
(構成5)
構成5は、構成1~4のいずれかにおいて、操作オブジェクトが第1オブジェクトに作用したことに応じて、コースにかかわらず、ゲーム画面に所定のエフェクトを表示し、操作オブジェクトが第2オブジェクトに作用したことに応じて、所定のエフェクトの表示を終了してもよい。
【0014】
上記構成によれば、コース内オブジェクトが第2の制御で制御されていることをプレイヤに認識させることができる。具体的には、プレイヤは、コース毎にどのような第2挙動が起こるのかわからないがために、実際に既に第2挙動への変化が発生しているのかどうか、把握できない可能性がある。この点、上記のエフェクトを表示することで、第2挙動への変化が発生したことをプレイヤに認識させることができる。
【0015】
(構成6)
構成6は、構成1~5のいずれかにおいて、複数のコースのうち少なくとも1つのコースにおいて、操作オブジェクトが第1オブジェクトに作用した後、第2オブジェクトに作用した場合、当該第2オブジェクトに作用したときの操作オブジェクトの位置を変化させることなく、第2の挙動で制御されているコース内オブジェクトを第1の挙動で制御させてもよい。
【0016】
上記構成によれば、操作オブジェクトが第1オブジェクトに作用した後のコースへの変化を楽しめるだけでなく、例えば、変化中のコースを進んでから第2オブジェクトに作用した場合に、進んだ分のコースを戻っていくことで、変化が発生していない場合のコースの状態等を楽しませることができる。
【0017】
(構成7)
構成7は、構成1~6のいずれかにおいて、ゲームシステムは、単一のゲームシステムで同じ表示部を用いた複数のプレイヤによるマルチプレイゲームが可能であってもよい。そして、複数のプレイヤのうち第1のプレイヤが操作する第1操作オブジェクトが第1オブジェクトに作用したとき、当該第1操作オブジェクトを含む全ての操作オブジェクトを所定の位置に集合させてもよい。
【0018】
上記構成によれば、複数プレイヤでマルチプレイゲームをしている場合、第1のプレイヤが操作する第1操作オブジェクト以外の操作オブジェクトの位置によっては、第2の挙動の内容次第では特定の操作オブジェクトについて、先に進むことができなくなる等で、コースのプレイが進行不能になってしまうという状況が発生することを抑制できる。
【0019】
(構成8)
構成8は、構成7において、第1操作オブジェクトが第1オブジェクトに作用したことに応じて当該第1操作オブジェクトを第1の状態から第2の状態に変化させる場合、当該第1操作オブジェクトを含む全ての操作オブジェクトを当該第2の状態に変化させてもよい。
【0020】
上記構成によれば、例えばコース内に、操作オブジェクトが第2の状態で制御されることが前提となるルートがある場合、特定の操作オブジェクトがコースを進行することができなくなるという状況の発生を抑制できる。
【0021】
(構成9)
構成9は、構成7または8において、第1操作オブジェクトが第1オブジェクトに作用した後、いずれかの操作オブジェクトが第2オブジェクトに作用した場合、当該第2オブジェクトに作用したときの各操作オブジェクトの位置を変化させることなく、第2の挙動で制御されているコース内オブジェクトを第1の挙動で制御させてもよい。
【0022】
上記構成によれば、第2オブジェクトに作用した操作オブジェクト以外の操作オブジェクトが、コース内オブジェクトが第1の挙動に戻ることにより不利な状況になることがあり、ゲームの興趣性を向上させることができる。また、自分の操作する操作オブジェクトをいち早く第2オブジェクトに作用させるモチベーションをプレイヤに与えることができる。
【0023】
(構成10)
構成10は、構成1~9のいずれかにおいて、操作オブジェクトが第2オブジェクトに作用したことに応じて、所定の報酬がプレイヤに付与されてもよい。
【0024】
上記構成によれば、操作オブジェクトを第1オブジェクトに作用させること、および、第2オブジェクトに作用させることへのモチベーションをプレイヤに与えることができる。
【0025】
(構成11)
構成11は、構成10において、上記報酬の総数はゲーム内において有限であってもよい。そして、コースをクリアした場合も、当該報酬が付与されてもよい。
【0026】
上記構成によれば、プレイヤは、ゴールによってコースをクリアしたときに報酬を得ることができるが、操作オブジェクトを第2オブジェクトに作用させたうえでゴールした場合のほうが、有限である報酬をより多く入手できる。これにより、操作オブジェクトを第1オブジェクトに作用させること、および、第2オブジェクトに作用させることへのモチベーションをプレイヤに与えることができる。
【0027】
(構成12)
構成12は、構成1において、上記複数のコースには、操作オブジェクトを第1オブジェクトに作用させなくても操作オブジェクトが到達可能な第1のゴールと、操作オブジェクトを到達させるためには当該操作オブジェクトを第1オブジェクトに作用させることが必要となる第2のゴールとを少なくとも含む複数のゴールを有するコースが含まれていてもよい。
【0028】
上記構成によれば、1度クリアしたコースを再度遊ぶことへのモチベーションをプレイヤに提供できる。
【0029】
(構成13)
構成13は、構成10~12のいずれかにおいて、操作オブジェクトが第2オブジェクトに作用したことに応じて報酬が付与された後、当該操作オブジェクトがゴールに到達できない状態となったことに基づいて当該コースのプレイをリスタートさせる場合は、当該報酬が付与された状態で、当該コース内の所定の地点からリスタートさせてもよい。
【0030】
上記構成によれば、第2オブジェクトに作用したことに応じて報酬が付与された後に、コースクリア前にプレイヤがミスしてリスタートした場合でも、再度報酬を獲得しに行く手間を省くことができ、プレイヤの利便性を向上できる。
【発明の効果】
【0031】
本開示によれば、コースをスタートからゴールまで進む過程で、コース内の同種のオブジェクトであっても、その挙動を変化させることで、1つのコースにおけるゲーム性についてバラエティに富んだものとし、ゲームの興趣性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】ゲームシステム1のハードウェア構成を示すブロック図
図2】ゲーム画面の一例
図3】ゲーム画面の一例
図4】ゲーム画面の一例
図5】ゲーム画面の一例
図6】ゲーム画面の一例
図7】ゲーム装置3の記憶部32に記憶される各種データの一例を示すメモリマップ
図8】コースデータ307のデータ構成の一例
図9】コース内オブジェクトデータ313のデータ構成の一例
図10】ゲーム装置3で実行されるコースプレイ処理の詳細を示すフローチャート
図11】通常状態ゲーム処理の詳細を示すフローチャート
図12】特殊状態ゲーム処理の詳細を示すフローチャート
図13】特殊状態ゲーム処理の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0033】
[ゲームシステムのハードウェア構成]
【0034】
以下、本実施形態の一例に係るゲームシステムについて説明する。図1は、本実施形態に係るゲームシステム1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。本実施形態におけるゲームシステム1は、ゲーム装置3と、コントローラ4と、表示部5とを含む。なお、本実施形態では、ゲーム装置は、据置型のゲーム装置である場合を例に説明する。他の実施形態では、ゲーム装置3は、例えば携帯型のゲーム装置、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末等の情報処理装置であってもよい。
【0035】
図1において、ゲーム装置3は、プロセッサ31を備える。プロセッサ31は、ゲーム装置3において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ31は、記憶部32に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。なお、記憶部32は、例えば、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の内部記憶媒体であってもよいし、図示しないスロットに装着される外部記憶媒体等を利用する構成でもよい。
【0036】
また、ゲーム装置3は、ゲーム装置3が他のゲーム装置3や所定のサーバと無線通信を行うための無線通信部33を備える。当該無線通信としては、例えば、インターネット通信や近距離無線通信が用いられる。
【0037】
また、ゲーム装置3は、ゲーム装置3がコントローラ4と有線または無線通信を行うためのコントローラ通信部34を備える。
【0038】
また、ゲーム装置3には、画像音声出力部35を介して表示部5(例えば、テレビ等)が接続される。プロセッサ31は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像や音声を、画像音声出力部35を介して表示部5に出力する。
【0039】
次に、コントローラ4について説明する。コントローラ4は、方向入力デバイスの一例であるアナログスティック42を少なくとも1つ備える。当該アナログスティック42は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。プレイヤは、アナログスティック42を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。また、コントローラ4は、各種操作ボタンを含むボタン部43を備える。例えば、コントローラ4は、上記ハウジングの主面上に複数個の操作ボタンを備えていてもよい。
【0040】
また、コントローラ4は、慣性センサー44を備える。具体的には、コントローラ4は、慣性センサー44として、加速度センサー、角速度センサーを備えている。本実施形態においては、加速度センサーは、所定の3軸方向に沿った加速度の大きさを検出する。また、角速度センサーは、所定の3軸回りの角速度を検出する。
【0041】
また、コントローラ4は、上記コントローラ通信部34と有線または無線通信を行うための通信部41も備える。上記アナログスティック42に対する方向入力内容、ボタン部43の押下状態を示す情報、および、慣性センサー44による各種の検出結果は、適宜のタイミングで通信部41へ繰り返し出力され、ゲーム装置3に送信される。
【0042】
[本実施形態における情報処理の概要]
次に、本実施形態に係る情報処理の概要を説明する。本実施形態では、情報処理の一例として、仮想空間内に存在するプレイヤキャラクタオブジェクト(以下、プレイヤキャラと呼ぶ)をプレイヤが操作して遊ぶゲーム処理を想定して説明する。より具体的には、本実施形態では、横スクロール型のアクションゲーム(以下、本ゲームと呼ぶ)を想定して説明する。本ゲームでは、プレイの主な舞台となる、「コース」と呼ばれる仮想空間が用意されている。なお、当該コースは、ゲームによっては「ステージ」や「ラウンド」等と呼ばれることもある。また、当該コースは複数用意されている。当該コースには、それぞれスタート地点とゴール地点が設定されている。本ゲームは、各コースにおいて、プレイヤキャラをゴール地点に到達させることを目的とするゲームである。
【0043】
図2に、上記コースをプレイ中のゲーム画面の一例を示す。図2の例では、全体として横長になるような仮想空間として構成されているコースの一部が表示されている。また、図2は、コースのスタート地点付近の画面、すなわち、当該コースのプレイを開始した直後の画面例である。なお、本コースでは、コースの左端付近にスタート地点が設定され、コースの右端付近にゴール地点が設定されているものとする。そのため、全体的なゲーム進行として、プレイヤキャラを画面の右方向に向けて進ませていくようなコース構成となっている。このようなゲーム画面において、プレイヤは、プレイヤキャラを操作して、ゴール地点に向けて移動させていく。プレイヤキャラの移動にあわせて、コースの別の場所が表示されることになる。そして、プレイヤキャラがゴール地点に到達すれば、当該コースをクリアしたことになる。なお、プレイヤは複数のコースの中から自由にプレイするコースを選択できてもよいし、あるコースをクリアすることで他のコースをプレイすることができるようになってもよい。
【0044】
また、スタート地点からゴール地点までの間には、様々なコース内オブジェクトが配置されている。以下では、当該コース内オブジェクトの一例について説明する。
【0045】
本例において、コース内には敵キャラクタが配置される。敵キャラクタとは、プロセッサ31によって制御されるオブジェクトであり、ある程度自律的に行動し、接触するとダメージ受け得るキャラクタオブジェクトである。例えば、予め定義されている挙動パターンに基づいてコース内の所定範囲内を移動したり、プレイヤキャラが近づくと攻撃を仕掛けてきたりする。また、敵キャラクタは、プレイヤキャラが所定の攻撃を行うことでダメージを与えることができてもよく、ダメージ量が一定値を超えると消滅させることができてもよい。ここで、敵キャラクタについては、キャラクタデザインや挙動パターンが異なる様々な種類の敵キャラクタが出現し得る。以下の説明では、同じデザインで、同じ行動パターンで制御される敵キャラクタ群を同じ「種類」の敵キャラクタとして扱う。例えば、プレイヤキャラに突進攻撃してくるような挙動パターンの「敵キャラクタA」と、プレイヤキャラに向かって火球を撃ってくる挙動パターンの「敵キャラクタB」が存在しており、敵キャラクタAが複数体、敵キャラクタBも複数体、同時に出現し得る。
【0046】
また、本例において、コース内にはコースパーツオブジェクトが配置される。コースパーツオブジェクトは、プレイヤキャラクタが乗ったりぶつかったりすることで、プレイヤキャラのコース内におけるルートを規定したり、進行のサポートあるいは邪魔をするオブジェクトである。コースパーツオブジェクトはコース内に固定されていてもよいし、所定の移動パターンで移動してもよいし、プレイヤキャラに作用されることで移動してもよい。コースパーツオブジェクトは常時存在してもよいし、所定の条件を満たすことで消滅等してもよい。コースパーツオブジェクトの例として、ブロックや木、砂、雪、足場等がある。また、別の例として、プレイヤキャラが昇降できるはしごやロープ等がある。また、コースパーツオブジェクトは、何らかのギミックを有するものでもよい。例えば、プレイヤキャラに作用されることで、別のコースパーツオブジェクトを出現させたり移動させたりしてもよい。また、プレイヤキャラに作用されることで、プレイヤキャラを速く移動させたり高くジャンプさせたりしてもよい。なお、敵キャラクタの場合と同様、同じ挙動のコースパーツオブジェクトは同じ「種類」として扱う。
【0047】
このようなコース内オブジェクトの存在により、プレイヤは、プレイヤキャラを操作して、これら各種のコース内オブジェクトを倒したり、回避したり、活用したりしながら、プレイヤキャラをゴールに到達させるというプレイが要求されることになる。
【0048】
上記のように、プレイヤキャラがゴール地点に到達することで、そのコースをクリアしたことになる。本ゲームでは、1度クリアしたコースは、その後も繰り返しプレイすることが可能となるが、初回のクリア時には、初回クリア報酬として、「報酬アイテム」がプレイヤに付与される。当該報酬アイテムは、その所持数が多いほど、ゲームを進行させる上でプレイヤが有利になり得るアイテムである。例えば、あるコースをプレイするための前提条件として、当該報酬アイテムの所持数が所定数以上、という条件が設定されていてもよい。また、その所持数が多いほど、プレイヤキャラの性能が向上する、等の効果が得られてもよいこのような点から、より多くのコースをクリアして、当該報酬アイテムを集めることも、本ゲームの目的の一つである。
【0049】
ところで、本ゲームでは、各コースにおいて、「変化発生アイテム」と呼ばれるアイテムオブジェクトが1つだけ出現する。そして、当該変化発生アイテムにプレイヤキャラを作用させることで、コース変化発生条件を満たしたとして、当該プレイ中のコースを、様々な変化を生じている状態にすることができる。当該作用は、例えば、変化発生アイテムにプレイヤキャラを接触させることである。その他、例えば、何らかのアイテムを投げて当該アイテムが変化発生アイテムに接触した場合も、当該作用の一例である。また、例えば、アイテムボックスの中に変化発生アイテムが隠されており、当該アイテムボックスに衝撃を与えることで変化発生アイテムを出現させるというような場合も、当該作用の一例である。このように変化を発生させた後、後述する変化解除条件を満たすことで、生じている変化が解除されて元の状態に戻る。変化する内容については、コース毎に設定されている。つまり、コース毎に、発生する変化が異なっている。当該変化内容について、例えば、以下の3種類の変化のうち、少なくとも1種類の変化が発生する。もちろん、2種類以上の変化が同時に発生することもあり得る。
(A)敵キャラクタの挙動の変化
(B)コースパーツオブジェクトの挙動の変化
(C)プレイヤキャラに関する変化
なお、上記変化の例は一例であり、他の変化が発生してもよい。
【0050】
以下の説明では、変化発生アイテムによる変化が発生中のコースの状態のことを、「特殊状態」と呼ぶ。これに対して、変化発生アイテムによる変化が発生していないコースの状態のことは「通常状態」と呼ぶ。ここで、本ゲームでは、「通常状態」と「特殊状態」とで、上記コース内オブジェクトの挙動やプレイヤキャラの挙動等が変化し得るが、コースの基本的な地形やコースの基本的なレイアウトそのものは変化しない。また、「特殊状態」でコース内オブジェクトの挙動が変化する結果、「通常状態」のときとはゲーム性が大きく異なることもあり得る。そのため、同じコースを利用しつつ異なるゲーム体験をプレイヤに提供することが可能となる。
【0051】
また、「特殊状態」のときのゲーム画面について、「通常状態」ではなく「特殊状態」であることを示すために、所定の画面エフェクトが加えられていてもよい。例えば、画面エフェクトの一例として、ゲーム画面の全体あるいは一部の領域について、色を変化させたり、エフェクト画像を重畳したりしてもよい。また他の例として、コースの背景の色を、「通常状態」と「特殊状態」とで異なる色で表現してもよい。これにより、プレイヤにとって、「通常状態」ではなく「特殊状態」であることがわかりやすくなる。但し、画面エフェクトは必須ではなく、他の実施形態では、「特殊状態」においても、上記のような画面エフェクトを加えないようにしてもよい。
【0052】
図3図6に、「通常状態」から「特殊状態」に変化するときの画面例を示す。図3は、「通常状態」とときのゲーム画面である。図3では、変化発生アイテムが表示されている。図3の状態からプレイヤキャラを移動させ、図4に示すように変化発生アイテムにプレイヤキャラを接触させると、変化発生アイテムが消去され、図5に示すような変化発生エフェクトが表示される。当該変化発生エフェクトは、例えば、変化発生アイテムの位置を中心に円が拡がっていくようなエフェクトである。その後、図6に示すような、「特殊状態」のときのゲーム画面が表示される。当該画面では、背景や地面の色が「通常状態」のときと異なった色で表現されている。また、図6では、変化発生アイテムによって、敵キャラクタの挙動について変化が発生するという例を示している。まず、図6では、敵キャラクタAがジャンプしている状態が示されている。これは、通常状態では「ジャンプしない」という敵キャラクタAの挙動が、特殊状態に変化したことに伴い「ジャンプする」という挙動に変化した例である。更に、図6において、画面の左端付近に、「通常状態」では表示されていなかった敵キャラクタBが出現したことも示されている。これは、敵キャラクタBについて、「出現しない」という挙動から「出現する」という挙動に変化した例を示している。別の観点から言えば、敵キャラクタBは、「表示されずに当たり判定もない」という挙動から「表示されて当たり判定もある」という挙動に変化したということもできる。上記のように、発生する変化の内容はコース毎に異なるため、他のコースで変化発生アイテムを取得した場合は、また別の変化が発生し得る。また、「特殊状態」であることを示すための表示態様の変化のさせ方もコース毎に異なり得る。また、「特殊状態」は、後述する変化解除条件が満たされるまで継続する。
【0053】
ここで、上記「特殊状態」において発生する変化の例をいくつか示す。
【0054】
[敵キャラクタの挙動の変化例]
まず、敵キャラクタの挙動変化の例を示す。本ゲームでは、例えば、敵キャラクタの挙動に関して、「特殊状態」の間は、以下のような変化が発生し得る。まず、「通常状態」のときは出現しない敵キャラクタが出現するという変化がある。つまり、ある敵キャラクタについて、「通常状態」では出現しないという挙動が、「特殊状態」の間は、出現する、という挙動に変化する。例えば、「特殊状態」になると、「通常状態」のときは出現しておらず、プレイヤキャラが倒すことができない敵キャラクタが画面左端に出現し、プレイヤキャラを追いかけてくる、という変化が発生してもよい。この場合、プレイヤキャラが追いつかれると「ミス」になる。これにより、「特殊状態」の間は当該敵キャラクタに追いつかれないように逃げながら先に進む、というゲーム性でのプレイが楽しめる。また、一例として、「通常状態」で出現している敵キャラクタを、「特殊状態」では出現させず、その一方でその敵キャラクタを巨大化した敵キャラクタを出現させてもよい。このようにすることで、「通常状態」においてコースにいた敵キャラクタが、「特殊状態」においてあたかも巨大化したかのようにプレイヤに感じさせることができる。
【0055】
また、同じ敵キャラクタについて、「通常状態」と「特殊状態」とで、挙動パターンが変化してもよい。例えば、「通常状態」と「特殊状態」のいずれにおいても移動はするが、「特殊状態」の間だけ移動に関するパターンが変化してもよい。一例として、移動速度が高速化する、移動範囲が拡がる等である。また、例えば、「特殊状態」の間だけ攻撃に関するパターンが変化してもよい。一例として、「通常状態」では水を噴いて攻撃してくる敵キャラクタが「特殊状態」では火を噴いて攻撃してきてもよいし、「通常状態」に比べて「特殊状態」の方が攻撃頻度が上がる等してもよい。
【0056】
また、例えば敵キャラクタAが複数体いる場合であって、通常状態のときに敵キャラクタAを何体か倒した場合を想定する。この場合に、その後特殊状態になったときは、倒されずに残っている敵キャラクタAだけ、挙動が変化してもよい。
【0057】
[コースパーツオブジェクトの挙動の変化例]
次に、コースパーツオブジェクトの挙動変化の例をいくつか示す。基本的には、上記敵キャラクタの場合と同様に、「通常状態」のときは出現しないコースパーツオブジェクトが出現するという変化がある。例えば、「特殊状態」になると、画面左端から鉄球オブジェクト(コースパーツオブジェクトの一種)が転がってくる、というような変化が発生してもよい。また、例えば、「特殊状態」になると、「通常状態」では出現していなかった「壁」が所定の位置に出現し、プレイヤキャラの進行ルートを妨げたり、迷路状のコースを構成するような変化が発生してもよい。また、例えば、「通常状態」において特に動かない大砲オブジェクトが配置されており、「特殊状態」の間だけ、この大砲オブジェクトから砲弾が発射されるような変化を発生させてもよい。これにより、「特殊状態」ではゲームの難易度が上がっても良い。また、「通常状態」において動かずに足場となる木が、「特殊状態」の間だけ移動してもよい。これにより、動く木に乗って移動することで、「特殊状態」だけコース内のあるエリアに到達できてもよい。
【0058】
また、上記敵キャラクタの場合と同様に、「通常状態」のときにも出現しているコースパーツオブジェクトについて、その外観や挙動パターンを変化させてもよい。例えば、「通常状態」においてプレイヤキャラにより作用されることで一時的に短い足場を突出させるブロックが配置されており、「特殊状態」の間だけ、ブロックから自動的にかつ長い足場が突出されてもよい。
【0059】
なお、本実施形態では、上記変化発生アイテムは、「特殊状態」における挙動を設定することはできないが、設定できるようにしてもよい。すなわち、変化発生アイテムを、例えば、「通常状態」では(プレイヤキャラが接触するまでの間)出現し、「特殊状態」では出現しないようなオブジェクトとして扱ってもよい。
【0060】
また、例えば、コースパーツオブジェクトとして、破壊が可能なオブジェクトや移動が可能なオブジェクトがあるとする。この場合、通常状態の間に破壊した、あるいは移動したオブジェクトについては、その後特殊状態になっても、通常状態のときの状態を引き継ぐようにしてもよい。すなわち、破壊されたオブジェクトは破壊されたままであり、移動されたオブジェクトは、特殊状態になった後もその位置は変化しないようにしてもよい。
【0061】
[プレイヤキャラに関する変化例]
次に、プレイヤキャラに関する変化例を示す。本例では、コースによってはプレイヤキャラの状態(外観や性能等)が変化し得る。例えば、プレイヤキャラのサイズが大きくなり、これに伴って当たり判定が大きくなる、という変化を発生させてもよい。
【0062】
また、プレイヤキャラの移動制御方法を変化させてもよい。例えば、「特殊状態」の間は、空中を移動可能になってもよい。より具体的には、「特殊状態」になると、まず、プレイヤキャラが高く跳ね上がり、これに伴い画面も上方にスクロールしていき、上空に到達すれば、そこで空中遊泳するようにプレイヤキャラの移動制御が行われてもよい。
【0063】
また、例えば、ダメージ床の上を、ダメージを受けることなく移動可能なように変化させても良い。より具体的には、「特殊状態」になると、プレイヤキャラの外観が変化(変身)し、ダメージ床の接触してもダメージを受けないようにプレイヤキャラの状態(制御内容)を変化させてもよい。この場合、「特殊状態」の終了に伴い、外観が元に戻り、ダメージ床でダメージを受ける状態に戻ることになる。
【0064】
また、「特殊状態」の間は、「通常状態」よりも移動速度が速くなったり、より高くジャンプできるような変化を発生させてもよい。
【0065】
また、例えば、「特殊状態」の間は、プレイヤキャラが画面奥行き方向を下方として移動可能となるように制御してもよい。一例として、画面奥行き方向に表示される壁を足場として、移動可能となるように制御してもよい。このとき、表示画面におけるプレイヤキャラは、それまでの全身を横から見た表示態様から、頭頂部方向から見た表示態様に変化してもよい。なおこのとき、実際に重力方向の制御を変化させてもよい。すなわち、画面奥行き方向に重力が生じるように制御してもよい。この場合、例えばプレイヤキャラがジャンプをすると、画面奥行き方向から手前方向にジャンプした後、奥行き方向に向けて落下するように制御される。
【0066】
また、重力方向自体は変化させないが、例えばプレイヤキャラの外観をスライム状に変化させ、壁や天井に張り付いて移動可能なように移動制御を変化させてもよい。
【0067】
[2種類以上のオブジェクトの変化が複合して発生する例]
また、2種類以上のオブジェクトの変化が同時に発生する例として、次のような変化が発生してもよい。例えば、プレイヤキャラクタがプレイヤキャラ、敵キャラクタ、コースパーツオブジェクトの全てについて、その動きがゆっくりした動きになるような変化を発生させてもよい。つまり、各オブジェクトの移動速度やアニメーションの再生速度を低下させる変化を発生させてもよい。
【0068】
また、例えば、「特殊状態」になると、「通常状態」とは異なるBGMを再生し、当該BGMのリズムに合わせて敵キャラクタおよびコースパーツオブジェクトが特定の動きを行うような変化を発生させてもよい。例えば、BGMのある再生位置で、敵キャラクタが一斉にジャンプする、等の挙動制御を行ってもよい。更には、例えばリズムに合わせてプレイヤキャラをジャンプさせることで得点可能とする等、いわゆるリズムゲームの要素を取り入れたプレイヤキャラの制御を行ってもよい。
【0069】
[仮想カメラの制御の変化について]
また、上述したような各種の変化内容に応じて、仮想カメラの挙動・制御方法についても、「通常状態」と「特殊状態」とで異ならせてもよい。すなわち、仮想カメラを制御するための各種パラメータを、「通常状態」と「特殊状態」とで異ならせてもよい。例えば、「通常状態」においては、プレイヤキャラが画面上端でジャンプする等して上方の画面外に移動した場合に、仮想カメラは追従移動させないが(縦方向に画面スクロールしない)、「特殊状態」においては、このような場合にもプレイヤキャラの移動に仮想カメラを追従させるようにして(縦方向に画面スクロールする)、仮想カメラの移動可能範囲を拡げてもよい。また、「特殊状態」のときには仮想カメラを左に若干回転させるとともに、画面への表示は若干右に回転させることで、あたかも仮想世界が右に傾いたかのように表現してもよい。このとき、プレイヤキャラや敵キャラクタに対して重力をやや右方向に(表示画面上は下方に)かけることで、仮想世界が傾いているようにより錯覚させることができる。
【0070】
[「特殊状態」の終了について]
次に、「特殊状態」の終了に関して説明する。本ゲームでは、「特殊状態」が解除されて「通常状態」に戻るための変化解除条件として、コース内に配置されている上記報酬アイテムを取得するという条件が設定されている。より具体的には、上記変化発生アイテムへの接触により、「特殊状態」の発生条件が満たされると共に、クリア報酬のものとは別で上記報酬アイテムが1つ、コース内の所定の位置に配置される。そして、当該報酬アイテムにプレイヤキャラを接触させることで、「特殊状態」の解除条件が満たされたとする。このことは、いわば、あるコースの中に、別のコースが包含されているような構成であるともいえる。つまり、この別のコースは、変化発生アイテムのある位置がスタート地点となり、「特殊状態」への変化に伴って配置された報酬アイテムのある地点がゴール地点となるようなコースである。そして、「特殊状態」が解除されれば、コース内オブジェクトやプレイヤキャラに発生していた各種の変化も解除され、コースの状態が「通常状態」に戻ることになる。
【0071】
また、「特殊状態」の解除と共に、上記報酬アイテムがプレイヤに付与される。この点につき、報酬アイテムの取得可能数という観点では、初回クリア報酬の分と、「特殊状態」において入手可能な分とで、1つのコースについて最大2つまで入手可能となっている。なお、「特殊状態」における報酬アイテムも、初回入手分のみ付与される。例えば、「特殊状態」における報酬アイテムを取得した後、クリア済みのコースを再度プレイして、再度「特殊状態」を発生させて「特殊状態」を解除しても、報酬アイテムは付与されない。また、「特殊状態」での報酬アイテム取得済みの場合は、上記変化発生アイテムや報酬アイテムの表示態様を変化させてもよい。例えば、双方とも半透明で表示するようにして、既に報酬アイテムは獲得済みであることをプレイヤに伝えるようにしてもよい。
【0072】
なお、本実施形態では、当該「特殊状態」における報酬アイテムもコースパーツオブジェクトの一種として扱ってもよい。具体的には、「通常状態」では出現せず、「特殊状態」では出現するように挙動が定義されてもよい。
【0073】
ここで、未クリアのコースにおいて、上記「特殊状態」で報酬アイテムを獲得した後、ゴールする前に「ミス」してプレイヤキャラの残数を失った場合について補足説明する。例えば、プレイヤキャラの残数が3体の状態で、あるコースをプレイし、「特殊状態」で報酬アイテムを獲得した後に「ミス」した場合、プレイヤキャラの残数が1体減って2体の状態で、所定のリスタート地点からプレイが再開される。この場合、「特殊状態」の報酬アイテムについては、暫定で「獲得済み」として扱われる。但し、ゴール地点に到達できないままプレイヤキャラの残数が0になった場合、つまり、そのコースを結局クリアできなかった場合は、上記「特殊状態」で獲得した報酬アイテムも、獲得できなかったものとして扱われる。換言すれば、「特殊状態」における報酬アイテムの獲得は、コースをクリアしたときに確定する。
【0074】
また、変化発生アイテムの配置位置についても補足説明する。変化発生アイテムの配置位置は基本的には任意の位置でよいが、コースによっては、コースの中間地点(例えば、到達することで、それ以降で「ミス」をしたとしてもその地点から再開可能な地点)よりも後ろに変化発生アイテムが配置されていてもよい。このような配置とすることで、プレイヤがある程度そのコースを遊んで、コースの雰囲気(敵キャラクタの挙動パターンや各種コースパーツオブジェクトの存在等)を把握した後に変化発生アイテムと接触させることができる。その結果、そこまでのプレイを「前振り(前置き、導入)」として、プレイヤが把握した雰囲気を大げさにしたり正反対にしたりすることで、プレイヤに驚きを与えることができる。
【0075】
また、「特殊状態」の解除条件について、上記報酬アイテムへの接触の他、コースによっては、制限時間の超過を条件としてもよい。この場合は、「特殊状態」に移行するとともに、ゲーム画面上に、制限時間のカウンタも表示される。そして、制限時間内に報酬アイテムに接触できなかった場合は、その時点で「特殊状態」は解除される。この場合は、報酬アイテムも獲得できないことになる。つまり、制限時間内に報酬アイテムに接触することを目的とするようなゲーム性となる。なお、この場合、変化発生アイテムはそのコースをクリアする等して出るまでは再度出現しないようにしてもよい。一方で、「特殊状態」中に「ミス」をした場合には、「特殊状態」になる前からリスタートさせるとともに、変化発生アイテムは再度出現可能としてもよい。
【0076】
次に、「特殊状態」から「通常状態」に戻ったときのプレイヤキャラの位置に関して説明する。本実施形態では、基本的には、「特殊状態」が解除された位置(報酬アイテムの配置位置付近)にプレイヤキャラが配置された状態で、「通常状態」でのプレイが再開される。つまり、「特殊状態」の間にコースを進んだ分は「通常状態」に戻ったときに反映されることになる。例えば、コース内の地点Aで「特殊状態」に変化し、「特殊状態」の間にプレイヤキャラが地点Bまで進んだとする。そして、地点Bで「特殊状態」が解除されて「通常状態」に戻ったとき、この地点Bにプレイヤキャラがいる状態で、「通常状態」でのプレイが再開されることになる。これにより、コースによっては、プレイヤキャラを敢えてスタート地点側に向けて移動させる(戻らせる)ことで、「通常状態」のときのコースがどういうものであったのかを確認する、という楽しみ方も提供できる。
【0077】
また、コースによっては、「特殊状態」開始前の位置、すなわち、変化発生アイテムに接触した位置にプレイヤキャラを戻してから、「通常状態」によるプレイを再開させてもよい。例えば上記地点Bで「特殊状態」が解除された場合、上記地点Aにプレイヤキャラを移動させてから、「通常状態」でのプレイが再開されてもよい。
【0078】
また、「特殊状態」が解除されたときに、プレイヤキャラの位置に足場となるものがなかった場合を想定する。この場合は、プレイヤキャラが落下していき、着地した地点から「通常状態」によるプレイが再開されることになる。例えば、「特殊状態」として、プレイヤキャラについて「空中遊泳」が可能となるような変化が発生していた場合を想定する。この場合、プレイヤキャラが空中にいるときに「特殊状態」が解除されると、コースが「通常状態」に戻った後、プレイヤキャラが落下していく。そして、着地点から、プレイが再開されることになる。
【0079】
このように、本実施形態のゲームでは、コース上に配置されている変化発生アイテムへの接触によって、コースの状態を「通常状態」から「特殊状態」に変化させることができる。そのため、プレイヤは、変化発生アイテムへの接触をせずに「通常状態」のままゴールまで進めることもできるし、変化発生アイテムへの接触によって、ゴールに向かう道中に、「特殊状態」によって変化したゲーム性によるプレイを楽しむこともできる。更に、上記のように、「特殊状態」における変化内容はコース毎に異なっている。そのため、変化発生アイテムという、どのコースにも共通で出現し得る「同じ」アイテムに接触したことに対して、コース毎に、ゲーム性すら大きく変わり得るような様々な変化をプレイヤに提供できる。
【0080】
以下、本実施形態におけるゲーム処理について、より詳細に説明する。
【0081】
[ゲーム処理で用いられるデータについて]
まず、本ゲーム処理で用いられるデータに関して説明する。図7は、ゲーム装置3の記憶部32に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。記憶部32には、ゲームプログラム301、プレイヤキャラクタデータ302、コースデータベース306、所持アイテムデータ308、操作データ309、特殊状態フラグ310が少なくとも記憶されている。
【0082】
ゲームプログラム301は、後述する図10のフローチャートで示すコースプレイ処理を含むゲーム処理を実行するためのプログラムである。
【0083】
プレイヤキャラクタデータ302は、プレイヤの操作対象となる上記プレイヤキャラに関するデータである。プレイヤキャラクタデータ302には、位置データ303、姿勢データ304、通常状態定義データ305等が含まれている。位置データ303は、各コース上におけるプレイヤキャラの位置を示すデータである。姿勢データ304は、プレイヤキャラの姿勢を示すデータである。また、通常状態定義データ305には、各コースで共通となる、「通常状態」におけるプレイヤキャラの状態、具体的には、外観や、プレイヤの操作に基づく挙動の内容等について定義した各種のデータが含まれる。例えば、通常状態における外観のモデルデータや画像データ、移動速度に関するデータ、ジャンプしたときの最高到達点や落下速度に関するデータ、当たり判定の形状・大きさを定義したデータ、ジャンプ等のプレイヤキャラが行う各種挙動のアニメーションデータ、等が含まれている。
【0084】
コースデータベース306は、上述したコースの内容を定義したデータベースである。コースデータベース306には、複数のコースデータ307が含まれており、1つのコースデータ307が、1つのコースに対応している。図8に、コースデータ307のデータ構成の一例を示す。コースデータ307には、コースID311、コース地形データ312、コース内オブジェクトデータ313、プレイヤキャラ変化定義データ314、通常状態用カメラパラメータ315、特殊状態用カメラパラメータ316、が少なくとも含まれている。
【0085】
コースID311は、各コースを一意に識別するためのIDである。コース地形データ312は、各コースを構成する地形のデータであり、地形のポリゴンメッシュデータやテクスチャデータ等が含まれている。
【0086】
コース内オブジェクトデータ313は、コース内に出現し得る上記コース内オブジェクトのそれぞれについて定義したデータである。図9に、コース内オブジェクトデータ313のデータ構成の一例を示す。コース内オブジェクトデータ313には、複数のオブジェクトデータ321が含まれている。各オブジェクトデータ321には、オブジェクトID322、オブジェクト種類323、状態パラメータ324、通常状態制御データ325、特殊状態制御データ326が少なくとも含まれている。
【0087】
オブジェクトID322は、各オブジェクトを識別するためのIDである。
【0088】
オブジェクト種類323は、そのオブジェクトの種類を示すデータである。例えば、「敵キャラクタA」「敵キャラクタB」、「コースパーツオブジェクトA」「コースパーツオブジェクトB」のようなデータが設定されている。
【0089】
状態パラメータ324は、そのオブジェクトの挙動を制御するにあたって用いられる、現在状態を示すパラメータである。例えば、現在位置および現在の姿勢を示すパラメータが格納される。また、例えば、移動中、攻撃中、ジャンプ中等、そのオブジェクトの現在の状態を示す各種パラメータも格納される。また、コース上に存在させるか否かを示すパラメータも格納される。例えば、敵キャラクタの場合は倒されたか否か、コースパーツオブジェクトであれば破壊されたか否か、取得されたか否か、等を示すパラメータである。
【0090】
通常状態制御データ325は、例えば、そのオブジェクトの、上記「通常状態」における挙動を定義したデータである。また、特殊状態制御データ326は、そのオブジェクトの、上記「特殊状態」における挙動を定義したデータである。これらのデータの定義例をいくつか示す。例えば、ある敵キャラクタについて、通常状態制御データ325として移動速度が1.0であることを特定するデータが含まれ、特殊状態制御データ326として移動速度が2.0であることを特定するデータが含まれる。また、別の例では、ある敵キャラクタについて、通常状態制御データ325として「出現しない」ことを特定するデータが含まれ、特殊状態制御データ326として「出現する」ことを特定するデータが含まれる。一例として、ある外観を有する敵キャラクタオブジェクトについては、通常状態制御データ325として「出現する」ことを特定するデータが含まれ、特殊状態制御データ326として「出現しない」ことを特定するデータが含まれ、その敵キャラクタの外観違い(一例として、大きさや細部の形状)に相当する敵キャラクタオブジェクトについては通常状態制御データ325として「出現しない」ことを特定するデータが含まれ、特殊状態制御データ326として「出現する」ことを特定するデータが含まれる場合を想定する。このとき、「通常状態」から「特殊状態」に変化することで、それまで出現していた敵キャラクタが、その外観違いの敵キャラクタに変化したかのように演出することができる。なお、別の例においては、例えば、同一のコースパーツオブジェクトについて、通常状態制御データ325と特殊状態制御データ326とで、異なる彩色の画像データを特定してもよい。さらに別の例では、通常状態制御データ325と特殊状態制御データ326とで、オブジェクトの色情報として異なる色情報が特定されていてもよい。このとき、「通常状態」から「特殊状態」に変化することで、コース内オブジェクトの色が変化する。
【0091】
なお、上記コース内オブジェクトに関して、「通常状態」と「特殊状態」とで挙動が変化しないオブジェクトについては、上記通常状態制御データ325と特殊状態制御データ326との内容として、同じ内容が定義される。このことは、換言すれば、挙動が変化しないオブジェクトについて、「特殊状態中は挙動が変化しない」という内容を積極的に定義しているといえる。このようなデータ構造とすることで、複数のコースで敵キャラクタAを登場させつつ、一部のコースでのみ「通常状態」と「特殊状態」とで異なる挙動を定義し、他のコースでは「通常状態」と「特殊状態」とで同じ挙動を定義することで、敵キャラクタAに関する基本的なデータを流用しつつ一部のコースでのみ「特殊状態」において敵キャラクタAの挙動を変化させるといった設定が容易に実現できる。
【0092】
また、本実施形態では、特殊状態制御データ326に定義される挙動は、コース毎に異なる挙動が定義される。ただし、一部のコースで共通することを排除するものではない。また、本実施形態では、特殊状態制御データ326に定義される挙動については、オブジェクトの種類毎に設定されるものとする。例えば、オブジェクト種類323が同じオブジェクトであれば、同じ内容が設定される。例えばオブジェクト種類323が「敵キャラクタA」である敵キャラクタをコース内に複数出現させる場合は、これら複数のオブジェクトの特殊状態制御データ326は同じ内容であってもよい。この点、例えば、少なくとも一部のコースでは、同じ種類のオブジェクトのうち、一部のオブジェクトだけ「通常状態」と「特殊状態」とで異なる挙動が定義されていてもよい。また、例えば、少なくとも一部のコースでは、「通常状態」と「特殊状態」とで異なる挙動が定義されている同じ種類のオブジェクトのうち、一部のオブジェクトは他のオブジェクトと異なる「特殊状態」の挙動が定義されていてもよい。
【0093】
なお、本実施形態では、通常状態制御データ325をコース毎に持たせるようなデータ構成を例示した。この点、他の実施形態では、例えば、通常状態におけるコース内オブジェクトの外観を示すデータ(モデルデータ、テクスチャデータ)や、挙動パターンを示すデータ等、複数のコース間で共通して利用可能なデータについては、共通で利用できるようなデータ構成としてもよい。そして、各コースにおけるコース内オブジェクトの配置位置等、コース毎に特有となるデータのみを、コース毎に持たせる通常状態制御データ325として設定するようにしてもよい。
【0094】
図8に戻り、次に、プレイヤキャラ変化定義データ314は、そのコースが「特殊状態」の場合におけるプレイヤキャラの変化内容、すなわち、特殊状態におけるプレイヤキャラの状態について定義したデータである。例えば、プレイヤキャラの外観を変化させる場合は、その画像データが含まれる。また、当たり判定等のサイズを変化させる場合はその変化後のサイズを指定するデータが含まれる。また、制御内容を変化させる場合は、その変化後のプレイヤキャラの移動速度や移動パターン、アニメーションデータ等が含まれる。また、「通常状態」と「特殊状態」とでプレイヤキャラを特に変化させないコースの場合は、上記通常状態定義データ305と同じ内容がプレイヤキャラ変化定義データ314に定義される。
【0095】
なお、プレイヤキャラ変化定義データ314で定義されるプレイヤキャラの変化内容については、「通常状態」のときでも変化可能な変化内容が定義されていてもよいし、「通常状態」のときには起こらないような変化内容が定義されていてもよい。例えば、「通常状態」のときにコース上に出現し得るアイテムであって、取得すると、プレイヤキャラクタが大きくなるアイテムがあるとする。そして、あるコースについては、「特殊状態」でのプレイヤキャラの変化内容として、当該アイテムを取得したときと同じ効果が定義されていてもよい。また、「通常状態」の場合は発生し得ないような変化内容、すなわち、変化発生アイテムに接触すること以外では発生しないような変化内容が定義されていてもよい。
【0096】
次に、通常状態用カメラパラメータ315は、通常状態における仮想カメラを制御するための各種パラメータである。例えば、通常状態における仮想カメラの位置、撮像方向、画角等の初期値等が定義されている。
【0097】
特殊状態用カメラパラメータ316は、特殊状態における仮想カメラを制御するための各種パラメータである。例えば、特殊状態における仮想カメラの位置、撮像方向、画角等の初期値等が定義されている。なお、「通常状態」と「特殊状態」とで仮想カメラの制御を変化させないコースの場合は、上記通常状態用カメラパラメータ315と同じ内容が定義される。
【0098】
図7に戻り、次に、所持アイテムデータ308は、本ゲームにおいてプレイヤが獲得したゲーム内アイテムを示すデータである。所持アイテムデータ308には、上記報酬アイテムの所持数等を示すデータが含まれている。
【0099】
操作データ309は、プレイヤが操作するコントローラ4から得られるデータである。すなわち、プレイヤが行った操作内容を示すデータである。
【0100】
特殊状態フラグ310は、現在のコースの状態が「特殊状態」か否かを判別するためのフラグである。オンの場合は「特殊状態」であることを示し、オフの場合は「通常状態」であることを示す。
【0101】
[ゲーム装置3のプロセッサ31が実行する処理の詳細]
次に、図10図13を用いて、本実施形態におけるコースプレイ処理の詳細を説明する。図10は、ゲーム装置3のプロセッサ31が実行するコースプレイ処理の詳細を示すフローチャートである。本実施形態では、ゲーム装置3において、例えばコース選択画面(図示は省略)からプレイヤが所定のコースをプレイするための操作を行うことで、図10に示す処理が開始される。また、本実施形態では、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された上記プログラムを読み込んで実行することにより、以下に示すフローチャートが実現される。なお、以下に示すフローチャートは、処理過程の単なる一例にすぎない。そのため、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。また、変数の値や、判定ステップで利用される閾値も、単なる一例であり、必要に応じて他の値を採用してもよい。
【0102】
コースプレイ処理が開始すると、まず、ステップS1で、プロセッサ31は、プレイヤが選択したコースに対応するコースデータ307を読み込む。次に、プロセッサ31は、当該コースデータ307に基づいて、各種地形オブジェクトを配置することで仮想空間内にコースを構築する。更に、プロセッサ31は、コース上の各種コース内オブジェクトや上記変化発生アイテムを配置する。更に、プロセッサ31は、スタート地点にプレイヤキャラを配置する。また、プロセッサ31は、通常状態用カメラパラメータ315に基づいて仮想カメラも所定の位置に配置する。また、プロセッサ31は、特殊状態フラグ310に「オフ」を設定する。
【0103】
次に、ステップS2で、プロセッサ31は、特殊状態フラグ310がオンか否かを判定する。当該判定の結果、オフの場合、すなわち、「通常状態」の場合は(ステップS2でNO)、ステップS3で、プロセッサ31は、通常状態ゲーム処理を実行する。
【0104】
図11は、通常状態ゲーム処理の詳細を示すフローチャートである。図11において、まず、ステップS11で、プロセッサ31は、操作データ309を取得する。次に、ステップS12で、プロセッサ31は、操作データ、および、上記通常状態定義データ305に基づいて、プレイヤキャラの制御を行う。
【0105】
次に、ステップS13で、プロセッサ31は、その時点でコース上に存在している各コース内オブジェクトについて、オブジェクト毎の通常状態制御データ325に基づいて挙動を制御する。これにより、各種敵キャラクタ、および、コースパーツオブジェクトが、「通常状態」の挙動で制御される。
【0106】
次に、ステップS14で、プロセッサ31は、当たり判定(衝突判定)処理を行い、その結果に基づいた各種のゲーム処理を行う。
【0107】
次に、ステップS15で、プロセッサ31は、通常状態用カメラパラメータ315に基づき、仮想カメラの移動制御等を行う。
【0108】
次に、ステップS16で、プロセッサ31は、コース変化発生条件が満たされたか否かを判定する。本例の場合は、上記変化発生アイテムにプレイヤキャラが接触したことである。この点、他の実施形態では、当該条件として、例えば隠されている変化発生アイテムを出現させること(接触はしなくてもよい)を条件としてもよい。当該判定の結果、コース変化発生条件が満たされた場合は(ステップS16でYES)、ステップS17で、プロセッサ31は、特殊状態フラグ310にオンを設定する。また、プロセッサ31は、プレイヤキャラが変化発生アイテムを取得したものとして、当該変化発生アイテムをコース上から消去する。すなわち、プロセッサ31は、コース上に存在しないように、状態パラメータ324を更新する。また、この際、プロセッサ31は、上記変化発生エフェクトを所定時間表示するような描画に関する設定も行う。また、この際、プロセッサ31は、プレイヤキャラの位置を所定の位置に移動させてもよい。特に、他の実施形態で、変化発生アイテムを出現させること(接触はしなくてもよい)をコース変化発生条件とする場合は、プレイヤキャラの位置を、例えば変化発生アイテムのある位置に強制的に移動させる。これにより、「特殊状態」開始前のプレイヤキャラの位置に関わらず、「特殊状態」における開始地点を固定化できる。
【0109】
次に、ステップS18で、プロセッサ31は、特殊状態の解除条件としても利用される報酬アイテムをコース上の所定の位置に出現させる。本例では、上記のように当該報酬アイテムも上記コースパーツオブジェクトの一つとして扱う。そして、その挙動については、「通常状態」では出現せず、「特殊状態」では出現するように定義されている。そのため、他のコース内オブジェクトと同様に挙動を変化させることで、報酬アイテムを出現させている。この点、他の実施形態では、当該報酬アイテムの出現の方法として、それまでコース上に存在していなかった報酬アイテムを新たに配置するという手法で出現させてもよい。その後、後述のステップS19に処理が進められる。
【0110】
一方、上記ステップS16の判定の結果、コース変化発生条件が満たされていない場合は(ステップS16でNO)、上記ステップS17およびS18の処理はスキップされる。
【0111】
次に、ステップS19で、プロセッサ31は、上記仮想カメラで撮像した仮想空間の画像を用いてゲーム画像を生成し、表示部5に出力する。以上で、通常状態ゲーム処理は終了する。
【0112】
図10に戻り、次に、上記ステップS2の判定の結果、特殊状態フラグがオンと判定された場合(ステップS2でYES)について説明する。この場合は、ステップS4で、プロセッサ31は、特殊状態ゲーム処理を実行する。
【0113】
図12図13は、特殊状態ゲーム処理の詳細を示すフローチャートである。図12において、まず、ステップS31で、プロセッサ31は、操作データ309を取得する。次に、ステップS32で、プロセッサ31は、操作データ309、および、上記プレイヤキャラ変化定義データ314に定義される内容に基づいて、プレイヤキャラの制御を行う。これにより、プレイヤキャラが「特殊状態」における内容で制御される。そのため、プレイヤキャラ変化定義データ314に「通常状態」とは異なる内容が定義されている場合は、プレイヤキャラの状態が「通常状態」のときの状態から変化することになる。
【0114】
次に、ステップS33で、プロセッサ31は、各コース内オブジェクトについて、オブジェクト毎の特殊状態制御データ326に基づいて挙動の制御を行う。これにより、各種敵キャラクタおよびコースパーツオブジェクトについて、「特殊状態」の挙動で制御される。また、特殊状態制御データ326はオブジェクト種類毎に設定されるため、例えば、敵キャラクタAについては「通常状態」から変化はしていないが、敵キャラクタBは「通常状態」とは挙動が異なる、というように、一部の種類のコース内オブジェクトの挙動だけ変化することもあり得る。
【0115】
次に、ステップS34で、プロセッサ31は、各種の当たり判定処理を行い、その結果に基づいた各種のゲーム処理を行う。
【0116】
次に、ステップS35で、プロセッサ31は、特殊状態用カメラパラメータ316に基づき、仮想カメラの移動制御等を行う。
【0117】
次に、図13のステップS36で、プロセッサ31は、変化解除条件が満たされたか否かを判定する。本例では、変化解除条件として、上記ステップS18で出現させた報酬アイテムにプレイヤキャラが接触した場合と、所定の制限時間が超過した場合とのいずれかが満たされた場合を想定する。当該判定の結果、上記2つの条件のいずれかが満たされた場合は(ステップS36でYES)、次に、ステップS37で、プロセッサ31は、報酬アイテムにプレイヤキャラが接触したことによって変化解除条件が満たされたか否かを判定する。当該判定の結果、報酬アイテムと接触したことによって変化解除条件が満たされた場合は(ステップS37でYES)、ステップS38で、プロセッサ31は、報酬アイテムをプレイヤに暫定的に付与する処理を行う。そして、プロセッサ31は、コース上から、報酬アイテムを消去する。
【0118】
一方、報酬アイテムと接触せずに、制限時間の超過によって変化解除条件が満たされた場合は(ステップS37でNO)、ステップS39で、プロセッサ31は、上記報酬アイテムをプレイヤに暫定付与することなく、コース上から、報酬アイテムを消去する。
【0119】
次に、ステップS40で、プロセッサ31は、特殊状態フラグ310にオフを設定する。また、これに併せて、「特殊状態」が解除されたことを示す所定のエフェクト画像を所定時間表示するような描画設定が行われてもよい。その後、ステップS41に処理が進められる。
【0120】
一方、上記ステップS36の判定の結果、変化解除条件が満たされていない場合は(ステップS36でNO)、上記ステップS37~S40の処理はスキップされる。
【0121】
次に、ステップS41で、プロセッサ31は、上記仮想カメラで撮像した仮想空間の画像を用いてゲーム画像を生成し、表示部5に出力する。この際、上述したように、背景や地面等の色を「通常状態」のときとは異なる色を用いてコースが描画されてもよい。また、その他、「通常状態」では表示されない所定の画面エフェクトをかけて描画してもよい。これにより、「通常状態」と同じ地形ではあるが、全体的な色合い等、見た目の感じが異なるゲーム画像が表示され得る。
【0122】
以上で、特殊状態ゲーム処理は終了する。
【0123】
図10に戻り、ステップS3またはS4の処理が終われば、次に、ステップS5で、プロセッサ31は、現在プレイ中のコースのクリア条件が満たされたか否かを判定する。すなわち、プロセッサ31は、プレイヤキャラがゴール地点に到達したか否かを判定する。当該判定の結果、まだ到達していない場合は(ステップS5でNO)、上記ステップS2に戻り、処理が繰り返される。一方、コースのクリア条件が満たされた場合は(ステップS5でYES)、ステップS6で、プロセッサ31は、上記「特殊状態」において報酬アイテムが暫定的に付与されていれば、その付与を確定する。すなわち、プロセッサ31は、報酬アイテムの所持数が1つ増加するように所持アイテムデータ308を更新する。
【0124】
次に、ステップS7で、プロセッサ31は、現在のコースのクリアが初回クリアの場合は、初回クリア報酬としての報酬アイテムをプレイヤに付与する。すなわち、プロセッサ31は、報酬アイテムの所持数が1つ増加するように所持アイテムデータ308を更新する。
【0125】
以上で、コースプレイ処理は終了する。
【0126】
このように、本実施形態では、プレイヤキャラをスタート地点からゴール地点まで進める道中において、コース変化発生条件を満たすことで、コース内オブジェクトの挙動に変化を生じさせるため、ゲームの興趣性を向上できる。また、いずれのコースにも共通のオブジェクトである上記変化発生アイテムへの接触によって、コース内オブジェクトの挙動変化が生じるところ、その変化内容はコースによって異なるものとなっている。つまり、変化の種類をコース毎に異ならせることができる。例えば、従来のゲームでは、スイッチ型の所定のオブジェクトに作用すると、コース上の所定の位置に所定のアイテムが出現する、というものがあった。これは、所定のアイテムが出現する位置についてはコース毎に異なり得るが、スイッチオブジェクトに作用すると「所定のアイテムが出現する」という、変化の内容そのものについては、どのコースでも共通のものとなっていた、この点、本実施形態では、スイッチオブジェクトに作用したときに、「所定のアイテムが出現する」こと以外にも、コース毎に異なる変化を発生させることができる。そのため、プレイヤは、変化発生アイテムによって何かの変化が起こることは予想できても、どのような変化が生じるのかは、(少なくとも各コースの初回プレイにおいては)予想することができない。これにより、何が起こるのかについての期待感、高揚感をプレイヤに提供し、ゲームの興趣性を向上できる。また、「特殊状態」において上記報酬アイテムに接触することで、生じていた変化が解除されて元の状態に戻る。そのため、本来のコースの道中に、擬似的に別のコースのスタート地点とゴール地点があるようなゲーム体験を提供でき、従来にない興趣性をプレイヤに提供できる。
【0127】
[変形例]
なお、上記実施形態では、シングルプレイの場合を想定した処理の例を示していた。他の実施形態では、上記のコースプレイをマルチプレイゲームとして実現してもよい。この場合のマルチプレイの態様として、どのプレイヤから見ても同じ画面表示を用いてプレイする態様がある。具体的には、1台のゲーム装置の表示画面を用いて複数人でプレイする態様のほか、インターネット等の通信を経由して複数台のゲーム装置を用いて複数人でプレイする場合において、各プレイヤのゲーム装置に同じ画面が表示される態様がある。
【0128】
上記のようなマルチプレイの場合、上記のような制御に加えて、更に以下のような制御が行われる。例えば、4人のプレイヤでマルチプレイを行っている場合を想定する。この場合、誰か1人のプレイヤキャラが上記変化発生アイテムに接触すると、他のプレイヤに係るプレイヤキャラの位置が、強制的に当該変化発生アイテムの位置に移動させられる。つまり、「通常状態」から「特殊状態」に変化したとき、4人とも同じ地点(4人が重複状態であってもよいし、近接した状態であってもよい)から「特殊状態」におけるプレイが開始することになる。これは、もし移動させずに「特殊状態」になった場合、その変化内容と各プレイヤキャラの位置との関係によっては、例えば新たに出現した壁オブジェクトに阻まれて先に進むことができないプレイヤキャラが出てしまう等で、不測の不利益を受ける可能性がある。そのため、「特殊状態」に変化する際は、プレイヤキャラ全てを同じ位置に集めるようにしている。なお、「特殊状態」が解除された場合は、このような強制移動は行わず、「特殊状態」解除時の各プレイヤキャラの位置から「通常状態」のプレイが再開される。これは、「特殊状態」のときは、解除条件である報酬アイテムを早い者勝ちで取り合うというような、競争するゲーム性も出てくることに鑑みて、「特殊状態」解除時の強制移動は行わないようにしている。この点、他の実施形態では、「特殊状態」解除時も全プレイヤキャラを所定位置に強制移動させるようにしてもよい。なお、シングルプレイの場合においても、プレイヤキャラが変化発生アイテムに接触した際にはプレイヤキャラを所定の位置に強制移動させてもよい。
【0129】
また、「特殊状態」における変化内容が、プレイヤキャラについての変化を発生させるものである場合は、変化発生アイテムに接触したプレイヤキャラだけでなく、全プレイヤキャラについて、同じ変化を発生させる制御が行われる。これは、例えば「特殊状態」において、プレイヤキャラの変化が発生していないと進めないようなコース構成である場合に、変化発生アイテムに接触していないプレイヤキャラが進行不能な状態となることを防ぐためである。
【0130】
また、更に他の実施形態では、「特殊状態」になった際、上記のような他のプレイヤキャラの強制的な移動は行わずに「特殊状態」におけるプレイが開始するようにしてもよい。更に、「特殊状態」における変化内容が、プレイヤキャラについての変化を発生させるものである場合に、変化発生アイテムに接触したプレイヤキャラだけに変化を発生させるようにしてもよい。この場合は、例えば他のプレイヤキャラは、ゲームの進行を一時的に変化発生アイテムに接触したプレイヤキャラに任せる、というようなゲーム展開になり得る。
【0131】
また、上記コースの構成に関して、変化発生アイテムへの接触でプレイヤキャラの所定の変化を発生させたときでないと進むことができないルートがコース内に含まれていてもよい。つまり、当該ルート自体は「通常状態」の場合も存在しているが、このルートで進むためには、変化発生アイテムへの接触によってプレイヤキャラに変化を発生させることが必要になる、というようなコース構成としてもよい。
【0132】
また、コースの構成に関して、以下のような構成のコースを用いてもよい。例えば、上記報酬アイテムを取得することなく、特殊状態のままゴール可能なコース構成としてもよい。また、これとは逆に、上記報酬アイテムを取得しないとゴール地点に到達できないようなコース構成としてもよい。
【0133】
また、例えば、上記変化発生アイテムとの接触がなくてもクリアできるコース構成としてもよいし、逆に、変化発生アイテムと接触して特殊状態に変化させないと、先に進むことができず、ゴールに到達できない、というようなコース構成としてもよい。
【0134】
また、ゲーム内のコースの中には、明確なゴール地点が設けられていない構成のコースが含まれていてもよい。例えば、所定の条件を達成することでそのコースをクリアしたとみなされるコースがあってもよい。そして、このようなコースにおいて、上記変化発生アイテムや報酬アイテムが配置されてもよい。
【0135】
また、ゴール地点が設けられているコースのうち、一部のコースは、変化発生アイテムが配置されないコースであってもよい。
【0136】
また、上記実施形態では、コースのゴール地点が1つだけである場合を想定したものを例示していた。他の実施形態では、コースによっては、ゴール地点が2つ設定されていてもよく、それぞれのゴール地点で初回クリア報酬として報酬アイテムが獲得できるようにしてもよい。この場合は、「特殊状態」における報酬アイテムと合わせて、最大で3つの報酬アイテムが獲得可能となる。また、この場合、一方のゴール地点については、「特殊状態」のときでないと到達できないような位置に設定されていてもよい。つまり、特殊状態の解除条件とコースクリア条件とが同時に満たされるような構成であってもよい。このようなコース構成とすることで、報酬アイテムを全て集めるためには、最低2回のコースクリアが必要となるため、1回クリア済みのコースをもう一度遊ぶことへのプレイヤのモチベーションを高めることができる。
【0137】
また、上記実施形態では、報酬アイテムがコース毎に有限数である場合を例示した。他の実施形態では、報酬アイテムは有限のアイテムでなくてもよい。例えば、コース内でゲーム内通貨を収集できる場合に、上記報酬アイテムとして、高額のゲーム内通貨を付与してもよい。
【0138】
また、上記特殊状態における報酬アイテムと、ゴールすることで付与される報酬アイテムとの内容は別の内容であってもよい。また、この場合、どちらの報酬アイテムもコース毎に有限数のものであってもよい。
【0139】
また、他の実施形態では、上記「特殊状態」の解除条件として用いる報酬アイテムは出現させないようにしてもよい。この場合は、例えば制限時間の超過を「特殊状態」の解除条件として用いればよい。あるいは、所定の地点に到達したことを解除条件としてもよい。
【0140】
また、上記実施形態では、横スクロール型のアクションゲームを例示したが、このようなゲームに限らず、他のゲームにも上記処理は適用可能である。例えば、上記ゲームは、縦スクロールするゲームであってもよい。また、ゲーム画面が自動スクロールするゲームであってもよい。また、上記ゲームは、1人称視点や3人称視点の3D画面で画面が表示されるゲームであってもよい。また、アクションゲームに限らず、シューティングゲーム等、他のジャンルのゲームであってもよい。
【0141】
また、上記実施形態においては、ゲーム処理に係る一連の処理を単一のゲーム装置3で実行される場合を説明した。他の実施形態においては、上記一連の処理が複数の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの一部の処理がサーバ側装置によって実行されてもよい。更には、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該端末側装置では一部の処理が実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。また、いわゆるクラウドゲーミングの構成としてもよい。例えば、ゲーム装置3は、プレイヤの操作を示す操作データを所定のサーバに送り、当該サーバにおいて各種ゲーム処理が実行され、その実行結果が動画・音声としてゲーム装置3にストリーミング配信されるような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0142】
1 ゲームシステム
3 ゲーム装置
4 コントローラ
5 表示部
31 プロセッサ
32 記憶部
33 無線通信部
34 コントローラ通信部
35 画像音声出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13