(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】薬物送達デバイス用の用量検出システムモジュールの態様のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/315 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A61M5/315 550J
(21)【出願番号】P 2023506107
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(86)【国際出願番号】 US2021042873
(87)【国際公開番号】W WO2022026303
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-03-16
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】カーシュナー,ジェイムズ ロバート
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】マッサーリ,ロッサーノ クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】トルジビンスキー,ロバート ユージーン
【審査官】川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-519026(JP,A)
【文献】特表2007-525243(JP,A)
【文献】特開2016-116948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/315
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用量検出システム用の電池の消耗を低減するように構成されたシステムであって、前記システムは、
作動状態と停止状態との間で切り替え可能な電源投入モジュールと、
電池と、
コンピュータ可読命令を実行するように構成された処理回路と、を備え、前記コンピュータ可読命令は、前記処理回路に、
前記電源投入モジュールが前記停止状態から前記作動状態に切り替えられるときに、前記システムによって前記電池から引き出される電力を増加電力状態に増加させること、
前記電源投入モジュールがどのくらい長く連続的に前記作動状態に維持されるかを測定すること、
前記電源投入モジュールが第1の期間にわたって連続的に前記作動状態にある場合、前記システムによって前記電池から引き出される電力を低電力状態に低減すること、
その後、前記電源投入モジュールが前記第1の期間に加えて、第2の期間にわたって連続的に前記作動状態にある場合、前記システムによって前記電池から引き出される電力を前記低電力状態から前記増加電力状態に増加させ、
前記電池の早期消耗を引き起こす前記電源投入モジュールの
連続的な作動を示す事象を生成すること、および
前記事象を示すデータを前記用量検出システムのメモリに格納すること、を行わせる、システム。
【請求項2】
前記コンピュータ可読命令は、前記処理回路に、更に、
前記事象を示すデータをリモートコンピューティングシステムに通信すること、を行わせ、
前記リモートコンピューティングシステムは、前記リモートコンピューティングシステムのユーザに前記事象を示す通知を生成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンピュータ可読命令は、前記処理回路に、更に、
前記事象を示すデータが格納された後、前記電池から引き出される電力を前記低電力状態に低減すること、
その後、前記電源投入モジュールが前記第1及び第2の期間に加えて、第3の期間にわたって連続的に前記作動状態にある場合、前記電池から引き出される電力を前記低電力状態から前記増加電力状態に増加させ、第2の事象を生成すること、および
前記第2の事象を示すデータを前記メモリに格納すること、を行わせる、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンピュータ可読命令は、前記処理回路に、更に、
前記第2の事象を示すデータをリモートコンピューティングシステムに通信すること、を行わせ、
前記リモートコンピューティングシステムは、前記リモートコンピューティングシステムのユーザに前記第2の事象を示す通知を生成するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の期間は、20秒~1分の範囲にあり、前記第2の期間及び前記第3の期間の各々は、前記第1の期間よりも長い、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の期間は、20秒~1分の範囲にあり、前記第2の期間は、前記第1の期間の期間より長い、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項7】
用量検出システム用の電池の消耗を低減するための方法であって、前記システムは、電源投入モジュールと、電池と、を含み、
前記電源投入モジュールが作動状態に切り替えられるとき、前記システムによって前記電池から引き出される電力を増加電力状態に増加させることと、
前記電源投入モジュールがどのくらい長く連続的に前記作動状態に維持されるかを測定することと、
期間が第1の期間を含むとき、前記電源投入モジュールが前記期間にわたって連続的に前記作動状態にある場合、前記システムによって前記電池から引き出される電力を前記増加電力状態から低電力状態に低減することと、
その後、前記期間が前記第1の期間に加えて第2の期間を含むとき、前記電源投入モジュールが連続的に前記作動状態にある場合、前記システムによって前記電池から引き出される電力を前記低電力状態から前記増加電力状態に増加させ、
前記電池の早期消耗を引き起こす前記電源投入モジュールの
連続的な作動を示す事象を生成することと、
前記事象を示すデータを前記用量検出システムのメモリに格納することと、を含む、方法。
【請求項8】
前記事象を示すデータをリモートコンピューティングシステムに通信すること、を更に含み、
前記リモートコンピューティングシステムは、前記リモートコンピューティングシステムのユーザに前記事象を示す通知を生成するように構成されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記事象を示すデータが格納された後、前記システムによって前記電池から引き出される電力を前記低電力状態に低減することと、
その後、前記電源投入モジュールが前記第1及び第2の期間に加えて第3の期間、連続的に前記作動状態にある場合、前記システムによって前記電池から引き出される電力を前記低電力状態から前記増加電力状態に増加させ、第2の事象を生成することと、
前記第2の事象を示すデータを前記メモリに格納することと、を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の事象を示すデータを前記リモートコンピューティングシステムに通信すること、を更に含み、
前記リモートコンピューティングシステムは、前記リモートコンピューティングシステムの前記ユーザに前記第2の事象を示す通知を生成するように構成されている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の期間は、20秒~1分の範囲にあり、前記第2の期間及び前記第3の期間の各々は、前記第1の期間よりも長い、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の期間は、20秒~1分の範囲であり、前記第2の期間は、前記第1の期間の期間より長い、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記用量検出システムが結合される薬物送達デバイスを更に備え、前記薬物送達デバイスは、薬物を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
用量検出システム用の電池の消耗を低減するように構成されたシステムであって、前記システムは、
作動状態と停止状態との間で切り替え可能な電源投入モジュールと、
電池と、
コンピュータ可読命令を実行するように構成された処理回路と、を備え、前記コンピュータ可読命令は、前記処理回路に、
前記電源投入モジュールが前記停止状態から前記作動状態に切り替えられるとき、前記システムによって前記電池から引き出される電力を増加電力状態に増加させること、
前記電源投入モジュールがある期間に何回前記作動状態にあるのかを測定すること、
前記電源投入モジュールが第1の期間に第1の回数だけ前記作動状態にある場合、前記システムによって前記電池から引き出される電力を低電力状態から前記増加電力状態に増加させ、
前記電池の早期消耗を引き起こす前記電源投入モジュールの
連続的な作動を示す事象を生成すること、および
前記事象を示すデータを前記用量検出システムのメモリに格納すること、を行わせる、システム。
【請求項15】
用量検出システム用の電池の消耗を低減するための方法であって、前記システムは、電源投入モジュールと、電池と、を含み、
前記電源投入モジュールが作動状態に切り替えられるとき、前記システムによって前記電池から引き出される電力を増加電力状態に増加することと、
前記電源投入モジュールがある期間に何回前記作動状態にあるのかを測定することと、
前記期間が第1の期間を含むとき、前記電源投入モジュールが前記期間の間に連続的に前記作動状態にある場合、前記システムによって前記電池から引き出される電力を前記増加電力状態から低電力状態に低減することと、
前記電源投入モジュールが前記第1の期間に第1の回数だけ前記作動状態にある場合、前記システムによって前記電池から引き出される電力を前記低電力状態から前記増加電力状態に増加させ、
前記電池の早期消耗を引き起こす前記電源投入モジュールの
連続的な作動を示す事象を生成することと、
前記事象を示すデータを前記用量検出システムのメモリに格納することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬物送達デバイス用の電子的用量検出システムについての技術に関し、詳細には薬物送達デバイスへの接続を検出し、薬物送達デバイスのタイプを判定し、電池寿命を監視するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な疾患に罹患している患者は、自分自身に薬物を注射しなければならないことが頻繁にある。ヒトが薬剤を便利にかつ正確に自己投与することを可能にするために、ペン型注射器又は注射ペンとして広く知られている様々なデバイスが開発されている。一般に、これらのペンには、ピストンが含まれ、かつ複数用量の液体薬剤を含有するカートリッジが装填されている。駆動部材は、前方に移動可能であり、カートリッジ内のピストンを前進させて、含有された薬物を遠位カートリッジ端の出口から、典型的には針を介して、分注する。使い捨て又は事前充填されたペンでは、ペンがカートリッジ内の薬物の供給量を使い果たすように利用された後、ユーザは、ペン全体を廃棄し、新しい代わりのペンを使用し始める。再使用可能なペンでは、ペンがカートリッジ内の薬剤の供給量を使い果たすように利用された後、ペンは、分解されて、使用済みのカートリッジを新しいカートリッジに交換することが可能になり、次に、ペンは、その後の使用のために再組み立てされる。
【0003】
多くのペン型注射器及び他の薬物送達デバイスは、デバイスの動作によって送達される用量に比例した様態で、部材が互いに対して回転及び/又は平行移動する機械的システムを利用する。したがって、当該技術分野では、送達される用量を評価するために、薬物送達デバイスの部材の相対的な運動を正確に測定する信頼性の高いシステムを提供する努力がなされてきた。そのようなシステムは、薬物送達デバイスの第1の部材に固定され、デバイスの第2の部材に固定された被検知構成要素の相対的な運動を検出するセンサを含み得る。
【0004】
適切な量の薬物の投与は、薬物送達デバイスによって送達される用量が正確であることを必要とする。多くのペン型注射器及び他の薬物送達デバイスは、注射事象中にデバイスによって送達される薬物の量を自動的に検出して記録するための機能を含まない。自動化システムがない場合、患者は各注射の量及び時間を手動で追跡しなければならない。したがって、注射事象中に薬物送達デバイスによって送達される用量を自動的に検出するように動作可能なデバイスが必要である。更に、そのような用量検出デバイスは、取り外し可能であり、かつ複数の送達デバイスとともに再使用可能である必要がある。他の実施形態では、そのような用量検出デバイスは、送達デバイスと一体化される必要がある。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、開示されるのは、用量検出システム用の光インジケーションパターンを生成するように構成されたシステム及び方法である。例えば、システムは、1つ以上の発光ダイオード(LED)と、1つ以上の電池と、処理回路とを含むことができる。処理回路は、用量検出システム用の複数のユースケースタイプからあるユースケースタイプを判定することと、複数の電池寿命状態から1つ以上の電池の電池寿命状態を判定することと、1つ以上のLEDを介して光インジケーションパターンを提供することとを行うように構成され得、又は方法ステップは、これらを行い得る。光インジケーションパターンは、(i)判定されたユースケースタイプに基づく第1の光インジケーションセグメントと、(ii)第1の光インジケーションセグメントの完了後のある遅延期間後に判定された電池寿命状態に基づく第2の光インジケーションセグメントとを含むことができる。
【0006】
別の実施形態では、開示されるのは、用量検出システム用の電池の消耗を低減するように構成されたシステム及び方法である。例えば、システムは、作動状態と停止状態との間で切り替え可能な電源投入モジュールと、電池と、処理回路とを含むことができる。処理回路は、電源投入モジュールが停止状態から作動状態に切り替えられるとき、システムによって電池から引き出される電力を増加電力状態に増加することと、電源投入モジュールが作動状態においてどのくらい長く連続的に維持されるかを測定することとを行うように構成され得、又は方法ステップは、これらを行い得る。電源投入モジュールが第1の期間にわたって連続的に作動状態にある場合、システムによって電池から引き出される電力を低電力状態に低減する。その後、電源投入モジュールが第1の期間に加えて、第2の期間にわたって連続的に作動状態にある場合、システムによって電池から引き出される電力を低電力状態から増加電力状態に増加させ、事象を生成し、及び事象を示すデータを用量検出システムのメモリに格納する。
【0007】
本開示の更なる実施形態、並びにその特徴及び利点は、添付の図面と併せて本明細書の説明を参照することによってより明らかになるであろう。図中の構成要素は必ずしも縮尺通りではない。更に、図面において、同様の参照番号は、異なる概観を通して対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】いくつかの実施形態による、例示的なシステムの図である。
【
図1B】いくつかの実施形態による、コントローラ及びその構成要素を示すブロック図を示す。
【
図1C】いくつかの実施形態による、例示的なシステムの図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、物体に関連する色を判定するための例示的なコンピュータ化された方法のフローチャートである。
【
図3】いくつかの実施形態による、較正パラメータを生成するための例示的なコンピュータ化された方法のフローチャートである。
【
図4】いくつかの実施形態による、電池インジケーションを判定するための例示的なコンピュータ化された方法のフローチャートである。
【
図5】本開示の用量検出システムが動作可能である例示的な薬物送達デバイスの斜視図である。
【
図6】
図5の例示的な薬物送達デバイスの断面斜視図である。
【
図7】
図5の例示的な薬物送達デバイスの近位部分の斜視図である。
【
図8】本開示の用量検出システムとともに、
図5の例示的な薬物送達デバイスの近位部分の部分分解斜視図である。
【
図9】薬物送達デバイスの近位部分に取り付けられた別の例示的実施形態による用量検出システムモジュールの側面部分断面概略図である。
【
図10A】磁気検知を利用する用量検出システムの更に他の例示的な実施形態を示す。
【
図10B】磁気検知を利用する用量検出システムの更に他の例示的な実施形態を示す。
【
図11A】磁気検知を利用する用量検出システムの更に他の例示的な実施形態を示す。
【
図11B】磁気検知を利用する用量検出システムの更に他の例示的な実施形態を示す。
【
図12】磁気検知を利用する用量送達検出システムの更に他の例示的な実施形態の軸方向図である。
【
図13】いくつかの実施形態による、装置が薬物注射デバイスに取り外し可能に結合されているかどうかを判定するための例示的なコンピュータ化された方法を示す。
【
図14】いくつかの実施形態による例示的なシステム及びリモートコンピューティングシステムの図である。
【
図15】いくつかの実施形態による、システムのユーザへの単一の光インジケーションパターンのインジケーション信号を生成するための例示的なコンピュータ化された方法を示す。
【
図16】いくつかの実施形態による、複数のユースケースタイプ構成から用量送達検出システムのユースケースタイプを判定するための例示的なコンピュータ化された方法を示す。
【
図17】いくつかの実施形態による、残存電池状態寿命に基づいて光インジケーションパターンを判定するための例示的なコンピュータ化された方法を示す。
【
図18】いくつかの実施形態による、用量検出システムの電源投入モジュールがある時間に連続的に作動された場合、ユーザへのインジケーションを生成するための例示的なコンピュータ化された方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の原理の理解を促進する目的のために、ここで、図面に例示された実施形態を参照し、特定の言語を使用して、これを説明する。しかしながら、これによって本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されるであろう。
【0010】
正しい薬物を送達することは、重要である。患者は、状況に応じて、異なる薬物、又は所与の薬物の異なる形態のいずれかを選択する必要があり得る。どの薬物が薬物送達デバイス内にあるかを間違えると、患者に適切に投与されず、用量の投与の記録が不正確になる。これが起こる可能性は、薬物送達デバイスに含まれる薬物のタイプを自動的に確認する用量検出デバイスが使用されると大幅に減少する。
【0011】
本開示は、薬剤送達デバイス用の検知システムに関する。一態様では、検知システムは、用量検出システム用の単一の光インジケーションパターンを生成するためのものである。本発明者らは、用量検出システムが表示部を有していないとき、光インジケーション戦略を有することが望ましい場合があることを発見し、理解したが、本発明者らは、光インジケーション戦略が、表示部を有する用量検出システムで依然として利点を有し得ることを認識する。しかしながら、本発明者らは、そのような用量検知システムに含まれることが望まれる様々なハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェア、並びに用量検知システムを小さく、使いやすくし、繰り返しの使用に起因する故障の可能性が低い構成要素のみを含めるように制限したいという要望を考慮すると、用量検知システムがリモートコンピューティングデバイスに接続されたとき、又は注射が成功であったかどうかの情報をユーザへ示すための追加の構成要素(例えば、スイッチ、ラッチなど)を組み込むこともまた困難な場合があると発見し、認識した。本明細書に記載の技術は、異なるユースケースタイプを判定するために、用量検知デバイスが薬物送達デバイスに結合されているかどうか、検知素子が動いているかどうか、及び電源投入モジュールがどのくらい長く作動しているかを判定するために、用量検知デバイスの既存の構成要素を活用することを提供する。例えば、用量検知デバイスは、センサ(ホール効果センサなど)及び関連するハードウェア及び/又はソフトウェアを含み、薬物送達デバイスによって投与された用量のサイズを判定することができる。この技術は、用量検出を実行するために使用されるそのようなハードウェア及び/又はソフトウェアを活用して、用量検知システムが薬物送達デバイスに結合されているかどうかを判定することもできる。
【0012】
第2の態様では、検知システムは、検知システムの電池からの消耗を低減するためのものであり得る。本発明者らは、電源投入モジュールが長時間作動されるとき、電池の完全な枯渇が予想よりはるかに早く発生し得ることを発見し、認識した。本発明者らは、電源投入モジュールの連続的作動を監視して、事象を格納し、及び/又はこの事象のユーザに何らかのインジケーションを提供するように構成されたリモートコンピューティングシステムと通信するための技術を提供する技術を開発した。本明細書で使用される「事象」という用語は、以下の、すなわち、(i)プロセッサ割り込み、(ii)回路に沿って伝搬される電気信号の生成、(iii)レジスタにおける1つ以上のビットの設定又は設定解除、(iv)プログラミング変数の値を変更することのうちの任意の1つ以上を含むように定義される。
【0013】
例として、薬剤送達デバイスは、ペン型注射器の形態で記載されている。しかしながら、薬物送達デバイスは、注入ポンプ、ボーラス注射器又は自動注射デバイスなどの、ある用量の薬物を設定して送達するために使用される任意のデバイスであり得る。薬剤は、このような薬剤送達デバイスによって送達され得るタイプのうちのいずれかであり得る。
【0014】
様々な実施形態を説明してきたが、更に多くの実施形態及び実装が可能であることが当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載の実施形態は例であり、唯一の可能な実施形態及び実装ではない。更に、上述の利点は必ずしも唯一の利点ではなく、記載された利点の全てが各実施形態で達成されるとは必ずしも予想されない。
【0015】
デバイス10などの本明細書に記載のデバイスは、例えば、リザーバ又はカートリッジ20内などに、薬物を更に含むことができる。別の実施形態では、システムは、デバイス10を含む1つ以上のデバイス及び薬物を含み得る。「薬剤」という用語は、限定されないが、インスリン、インスリンリスプロ又はインスリングラルギンなどのインスリン類似体、インスリン誘導体、ダラグルチド又はリラグルチドなどのGLP-1受容体アゴニスト、グルカゴン、グルカゴン類似体、グルカゴン誘導体、胃抑制ポリペプチド(GIP)、GIP類似体、GIP誘導体、オキシントモジュリン類似体、オキシントモジュリン誘導体、治療用抗体及び上記のデバイスによる送達が可能な任意の治療薬を含む、1つ以上の治療薬を指す。本デバイスにおいて使用されるような薬剤は、1つ以上の賦形剤とともに製剤化され得る。デバイスは、ヒトに薬剤を送達するために、患者、介護者、又は医療専門家によって、概して上述のような様態で操作される。
【0016】
図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的なシステム120の図である。システム101は、通信ユニット106を介して(例えば、有線及び/又は無線接続を介して)リモートコンピューティングデバイス104と通信する検知システム103を含む。通信ユニット106は、例えば、WiFiトランシーバ、Bluetoothトランシーバ、RFIDトランシーバ、USBトランシーバ、近距離無線通信(NFC)トランシーバ、コンビネーションチップなどであり得る。
【0017】
本明細書で更に説明するように、検知システム103は、物体の色を示す照明データを判定するように構成され得る。検知システム103は、光センサ110及び制御ユニット112と通信する処理ユニット108(例えば、MCU)を含む。光センサ110は、物体116(例えば、薬物送達デバイスの一部分)と光通信している。いくつかの実施形態では、光センサ110は、例えば、反射モードで動作する周囲光センサ(ALS)である。LED駆動部112は、物体116との光通信において、発光ダイオード(LED)114A、114B、及び114C(総称してLED114)のセットと通信している。例えば、LED114は、赤色LED、青色LED、及び/又は緑色LEDを含むことができる。光センサ110、LED114、又はその両方は、任意選択的に、任意選択的な光ガイド118を介して物体116と光通信している。光ガイド118は、Makrolon 2458 LightGuideなどの透明な光ガイドであり得る。いくつかの実施形態では、色センサは、別個のLED、単一パッケージのRGB LED、又はそれらの組み合わせでできている。
【0018】
図1Bは、
図14を更に参照すると、本明細書に記載のモジュールのうちのいずれかに含まれることができる、1400と呼ばれる検知モジュールの電子機器アセンブリの詳細な例を示す。電子機器アセンブリは、(
図1BにMCUとして参照されるマイクロコントローラを含む。検知システム1400のMCUは、処理回路であり得る、又は処理回路を含む、処理ユニットを含む。「処理回路」は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ハードワイヤードロジック、又はそれらの組み合わせを含むことができる。MCUは、モジュールの電子機能を実現するようにプログラムされている。MCUは、薬物送達デバイスへの接続を検出することと、薬物送達デバイスのタイプを判定することと、薬物送達デバイスによって送達される用量を判定するために使用されるデータを取得することと、薬物送達デバイスの電池寿命を監視することとを含む、本明細書に記載の動作を実行するように動作可能な制御ロジックを含む。MCUは、フランジに固定された回転センサの回転量を検出すること及び/又は判定することによりデータを取得するように動作可能であり得、その回転量は、例えばホール効果センサなどのシステムの測定センサの検知素子によって回転センサの磁場を検出することにより判定される。
【0019】
検知モジュール1400は、用量検知素子1402A~E、メモリ1408、識別センサ1404、カウンター1414、光駆動部1411及び光インジケータ1412、電源投入モジュール1406、通信モジュール1410、表示部駆動部/表示部1416、電源1418、並びに存在モジュール1420のうちの1つ以上に動作可能に結合されることができるMCUを含む。検知モジュール1400は、例えば、5つの磁気センサ1402A~E(図示)又は6つのセンサなど、任意の数の検知素子を含み得る。用量センサは、投与された用量の量を判定するために使用することができる薬物送達デバイス内の構成要素の回転の総単位を判定するために使用することができ(例えば、
図5~12と併せて本明細書で更に考察されるように)、かつ、薬物送達デバイスへの接続を検出するために使用される。MCUは、存在スイッチシステムのトリガーを介してモジュールがデバイスの用量ノブに結合されているかどうかを判定するために、この実施形態では破線でオプションであると示されている存在モジュール1420を介して構成され得る。MCUは、識別センサ1404を介して用量ノブの色を判定するように、いくつかの例では、検知モジュール1400に搭載された論理を使用して、又は外部デバイス(例えば、リモートコンピューティングデバイス104)上に実装された論理の支援を借りて、判定された色を特定の薬剤と関連付けるように構成されている。いくつかの実施形態では、検知モジュール1400は、用量ノブの色、又は特定の薬剤に関連する薬剤の種類を示す外部インジケーションをユーザに提供するように(例えば、本明細書で更に考察されるように、LED114を使用して)構成され得る。MCUは、
図14に電源投入モジュール1406として集合的に示される、使用のために電源から電子アセンブリへ引き出される電力を増加させるために、電源投入スイッチ(
図9に示されるボタン139によって作動される参照137として示される)のトリガーを判定するように構成されている。一例では、全回転は、データベース、早見表、又はメモリに格納された他のデータを有するメモリを含む外部デバイスと通信して、総回転単位を特定された所与の薬物に対して送達される薬物の量に相関させることができる。別の例では、MCUは、送達される薬物の量を判定するように構成され得る。MCUは、検出された用量をローカルメモリ1408(例えば、内部フラッシュメモリ又はオンボードEEPROM)に格納するように動作可能であり得る。MCUは更に、例えば、回転ユニット(いずれか1つ又はそれらの任意の組み合わせ)、薬物識別(色など)データ、タイムスタンプ、最終投与からの時間、電池の充電状態、モジュール識別番号、モジュールの着脱時間、非アクティブ時間、及び/又は他のエラー(例えば、用量検出及び/又は送信エラー、薬物識別検出及び/又は送信エラーなど)などのデバイスデータを表す信号を、Bluetooth低エネルギー(BLE)又は他の好適な短距離もしくは長距離無線通信プロトコルモジュール1410(例えば、近距離無線通信(NFC)、WiFi、又はセルラーネットワーク上のユーザのスマートフォンなどの対を成すリモート電子デバイスに無線で送信するように動作可能である。例示的に、BLE制御ロジック及びMCUは、同じ回路上に集積される。一例では、本明細書に記載のモジュールのうちのいずれかは、ユーザへの情報のインジケーションのために、この実施形態では破線で任意選択的であると示されている表示部モジュール1416を含み得る。そのような表示部は、LED、LCD、又は他のデジタルもしくはアナログ表示部であり得、近位部分の指パッドと一体化され得る。MCUは、検知されたデータを受信して処理し、例えば、用量設定、分注された用量、注射の状態、注射の完了、日付及び/もしくは時間、又は次の注射までの時間などの情報を上記表示部に表示するように動作可能な表示部駆動部ソフトウェアモジュール及び制御ロジックを含む。別の例では、MCUは、データが成功裏に送信されたかどうか、電池充電が高いか若しくは低いか、又は他の臨床通信について、オン/オフの順番及び異なる色によって患者と通信するために使用される、例えば、琥珀色LED、及び緑色LEDなどの1つ以上のLED1412に結合されたLED駆動部1411を含む。カウンター1414は、例えば投与時間などの時間を追跡するためにMCUに電子的に結合されたリアルタイムクロック(RTC)として示されている。カウンター1414は、通電に基づいてゼロからの秒を追跡する時間カウンターでもあり得る。時間又はカウント値は、外部デバイスに通信することができる。
【0020】
図14を更に参照すると、リモートコンピューティングデバイス/スマートフォン104は、メモリ1465(揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を含む、プロセッサ1463によってアクセス可能である任意の適切なコンピュータ可読媒体であり得る)を有するプロセッサ1463(本明細書では処理回路とも呼ばれ得る)と通信するユーザインターフェース1461と、有線又は無線信号1475を介して通信プロトコルモジュール1410と通信し、ユーザ入力データをシステムに提供し、システムによって生成されたデータ、情報、及びプロンプトを受信及び表示するように動作可能に構成される通信デバイス1467とを含む。無線信号1475は、モジュール1410に関して以前に記載された通信プロトコルのうちの1つ以上により構成され得る。ユーザインターフェースは、ユーザ入力を受信し、ユーザ入力をシステムに供給するための、少なくとも1つの入力デバイスを含む。図示の実施形態では、ユーザインターフェース1461は、データを表示し、ユーザ入力を受信するために動作可能なタッチスクリーンディスプレイを含むグラフィカルユーザインターフェース(GUI)である。タッチスクリーンディスプレイは、ユーザが、提示された情報、メニュー、ボタン及びその他のデータと相互作用して、システムから情報を受信すること、及びシステムにユーザ入力を供給することを可能にする。代替としては、キーボード、キーパッド、マイクロフォン、マウスポインタ又はその他の好適なユーザ入力装置が提供されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、
図8~12に関連して更に考察されるように、検知システム103は、薬物送達デバイスに接続されるように構成される。いくつかの実施形態では、物体116は、物体116の色に基づいて薬物送達デバイスの態様を識別するために使用されることができる薬物送達デバイスの一部(例えば、ノブ、ラベル、外部コンパートメントの色など)である。例えば、物体116の色は、薬物送達デバイスの薬物のタイプを示すことができる。
【0022】
図1Cは、いくつかの実施形態による、例示的なシステム130の図である。システム130は、通信ユニット136を介して(例えば、有線及び/又は無線接続を介して)リモートコンピューティングデバイス134と通信する検知システム132を含む、用量検出システムの態様を含む。本明細書で更に説明するように、検知システム132は、電池138の残存寿命を示す電池インジケータを判定するように構成することができる。装置132は、通信ユニット136、電池138、及び温度検知ユニット142と通信する処理ユニット140を含む。
【0023】
図1A~1Cに関連して説明される用量検出システムの例示的な態様は、用量検出システムの様々な態様を強調するための例示的な目的のために示されている。
図1A~1Cに示される態様は、
図8~12に関連して説明される用量送達検出システム80などの単一の装置に組み合わせることができ、例えば、それらの図に関連して考察される様々な例示的な構成を使用して実施することができる。電池が例示的な電源として記載されているが、本明細書に記載の教示は、電池以外の電源に適用され得る。
【0024】
図1Aを参照すると、いくつかの実施形態では、検知システム103は、物体(例えば、ペン型薬物送達デバイスのノブ)の色を判定するように構成されている。いくつかの実施形態では、検知システムは、LED114を順番にスイッチ投入し、かつ広いスペクトルの周囲光センサ110を通して反射されたビームを戻して読みだすことによって、物体の色を判定する。検知システム103は、3つのLED114の各々について3つの値など、様々な値を生成することができる。検知システム103は、生成された値を処理して、マッチングのための最終的な色値を生成することができる。検知システム103は、最終的な色値を事前定義された色のセットに対してチェックして、一致するかどうかを判定することができる。
【0025】
図2は、いくつかの実施形態による、物体に関連する色を判定するための例示的なコンピュータ化された方法200のフローチャートである。検知システム103の処理ユニット108などのプロセッサは、プロセッサに方法200を実行させるコンピュータ可読命令を実行することができる。ステップ202において、検知システムは、LEDのセットによって照明された物体の照明データを取得する。検知システムは、任意選択的に、ステップ204及び/又は206で照明データを処理して、処理済み照明データを生成することができる。ステップ204において、検知システムは、任意選択的に、温度に基づいて照明データを調整する。ステップ206において、検知システムは、任意選択的に、照明データを正規化する。ステップ208において、検知システムは、物体がLEDのセットによって照明されている間、光センサに物体の照明データをキャプチャさせる。ステップ208において、検知システムは、処理済み照明データをリモートデバイスに送信する(例えば、装置のプロセッサと通信する通信モジュールを介して)。ステップ210において、リモートデバイスは、照明メトリックが格納された色のセットと一致するかどうかを判定する。リモートデバイスが一致を判定した場合、ステップ212において、リモートデバイスは、一致した色を出力する(例えば、プログラム、表示部などに)。リモートデバイスが一致を判定しない場合、ステップ214において、リモートデバイスは、色の一致が見つからなかったことを出力する(例えば、エラーコード、一致しないコードなどを返すことによって)。
【0026】
ステップ202を参照すると、検知システムは、物体がLEDのセットによって照明されていないときの第1の照明データ、物体がLEDのセットの各LEDによって照明されているときの第2の照明データ、又はその両方をキャプチャするように構成することができる。例えば、装置は、LEDがオンにされていないときに、物体が周囲光だけで照明されているときに、物体の照明データをキャプチャするように構成することができる。いくつかの実施形態では、検知システムは、暗い照明データをキャプチャするための露光時間を含むことができる。
【0027】
別の例として、LEDのセットが異なる色のLEDを含む場合、物体が各LEDによって照明されたときに物体の照明データをキャプチャするように装置を構成することができる。例えば、
図1Aに示されるように、いくつかの実施形態では、装置は、赤色LED114A、青色LED114B、及び緑色LED114Cを含む。装置は、物体が赤色LED114A(他のLEDではなく)によって照明されているときの照明データ、物体が青色LED114B(他のLEDではなく)によって照明されているときの照明データ、物体が緑色LED114C(他のLEDではなく)によって照明されているときの照明データを、光センサ110がキャプチャするために、光センサ110及びLED駆動部112を調整して、LED114を照明すること、及び照明データをキャプチャすることを調整するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、検知システムは、照明データをキャプチャする間の、各LEDについて同じであり、及び/又は1つ以上のLEDについて異なり得る、露光時間を使用するように構成することができる。
【0028】
ステップ204を参照すると、照明データを、温度に基づいて調整することができる。いくつかの実施形態では、温度は、周囲空気、検知システム、及び/又は薬物送達デバイスから取得される。いくつかの実施形態では、検知システムは、複数の温度測定値をキャプチャし、値を平均化して判定し、平均化された温度を使用して照明データを調整することができる。いくつかの実施形態では、検知システムは、式1を使用して各照明データ値(X)を調整することができる。
【0029】
【0030】
式中、
・rgbTempXは、式1が計算される色に応じて、赤色値、緑色値、青色値などの色ごとに判定される調整された照明データ値である。
・rgbXは、赤色値、緑色値、青色値などの各元の照明データ値である。
・TempCoefficientXは、各値の温度係数であり、1つの係数を使用して様々な温度測定値を追跡できる(例えば、異なる温度測定値でパフォーマンスドリフトが発生する可能性があるため)。
・CalTempは、検知システムの較正中に測定された温度であり、温度変化を考慮するために使用することができる(例えば、非較正測定の場合)。
・Tempは、測定された(例えば、平均化された)温度である。
【0031】
ステップ206を参照すると、検知システムは、LEDの照明なしでキャプチャされた暗い照明データに基づいて、(温度調整された)照明データを正規化することができる。いくつかの実施形態では、検知システムは、較正中に判定された1つ以上の照明測定値に基づいて、照明データを正規化することができる。例えば、式2を使用して、各照明データ値(X)を正規化できる。
【0032】
【0033】
式中、
・bNormXは、式2が計算される色に応じて、赤色、緑色、青色の正規化された値などの正規化された照明値である(パーセントで、100を乗算したもの)。
・whiteXは、白色のターゲット物体を使用した場合の較正フェーズ中に取得された赤色、緑色及び青色値などの照明値を表す(
図3と併せて更に説明する)。
・blackXは、黒色のターゲット物体を使用した場合の較正フェーズ中に取得された赤色、緑色及び青色値などの照明値を表す(
図3と併せて更に説明する)。
・calDarkは、較正フェーズ(
図3と併せて更に説明)中に判定された暗い照明値(LEDがオフの場合)である。
・darkValueは、ステップ202中に判定された暗い照明値である。
【0034】
ステップ210を参照すると、リモートデバイスは、明度AB(LABc)値を判定するように構成することができる。システムは、生の照明データであるか、温度調整された及び/又は正規化された照明データである照明データであるかどうか、照明値のいずれかに基づいてLABc値を判定することができる。説明のために、以下の例では、簡単にするために正規化された照明データを参照している。A値は、正規化された照明値に応じて計算され得る。例えば、式2を使用して判定されたrgbNormRedがrgbNormGreenより大きいかどうかに応じて、式3又は4のいずれかを使用してA値が判定される。
【0035】
【0036】
B値は、正規化された照明値に応じて計算することもできる。例えば、式2を使用して判定されたrgbNormBlueがrgbNormGreenより大きいかどうかに応じて、式5又は6のいずれかがB値の判定に使用される。式3~6の場合、KnはRGBからLABcへの変換に使用される係数であり、A及びB値は-100~100の範囲になり、Lは0~100の範囲になる(例えば、20、21.5、23など)。
【0037】
【0038】
L値は、式7を使用して計算され得る。
【0039】
【0040】
いくつかの実施形態では、リモートデバイスは、照明データが色を満たすかどうかを判定するために使用されるメトリックのテーブルを含むことができる。リモートデバイスは、各色が、関連するデータのセットを有する、色のセット(例えば、灰色、青色、紺色、赤色、及び/又は他の色)を含むことができる。各色に関連するデータは、システムの較正及び/又は設計中に判定された平均データ及び/又はシグマ変動データを含むことができる。いくつかの実施形態では、各色は、A、B、及びL値のそれぞれの平均、及びA、B、及びL値のそれぞれのシグマ変動値を含むことができる。リモートデバイスは、格納されている色のセット内の照明データと各色のシグマ距離を判定できる。例えば、式8を使用して、色のセット内の各色のシグマ距離を判定できる。
【0041】
【0042】
式中、
・SigmaDistanceXは、色のセットから考慮中の色(X)のシグマ距離である。
・リアルタイム測定の場合、
・Lは、式7を使用して計算される。
・Aは、式3又は4のいずれかを使用して計算される。
・Bは、式5又は6のいずれかを使用して計算される。
・考慮中の色(X)について、
・μLXは、色(X)についてのL値の平均である。
・σLXは、色(X)についてのL値のシグマ変動である。
・μAXは、色(X)についてのA値の平均である。
・σAXは、色(X)についてのA値のシグマ変動である。
・μBXは、色(X)についてのB値の平均である。
・σBXは、色(X)についてのB値のシグマ変動である。
【0043】
リモートデバイスは、シグマ距離を使用して、照明データが色のセットにおける色と一致するかどうかを判定することができる。例えば、リモートデバイスは、シグマ距離値(Min1)の中から最尤色として最小値を選択することができる。2番目に小さい値(Min2)は、ここで更に考察されるように、一致色のチェックに使用することができる。
【0044】
検知システム及び/又はリモートデバイスは、照明データについて1つ以上のチェックを実行するように構成することができる。例えば、暗い照明データをチェックして、LED照明下での後続の測定が周囲光によって妨害されているかどうかを判定することができる。別の例として、LEDについて取得された照明データをチェックして、照明データが最小の黒色値と最大の白色値との間の予想される閾値内にあることを確認できる。さらなる例として、LABc値をチェックして、それらが許容範囲内にあるかどうかを判定することができる(例えば、A又はBの場合は-100~100、Lの場合は0~100)。別の例として、一致色チェックを実行して、Min1及び/又はMin2が許容値内にあることを確認できる。例えば、Min1をチェックして、Min1が予想される色一致の最大シグマ距離を下回っていることを確認し、及び/又はMin2/Min1の比率を、許容可能な一致の2つの最小値間の最小比率と比較し得る。
【0045】
較正中、検知デバイスは、物体のリアルタイム測定値を較正するために使用され得る様々な測定値を採ることができる。較正測定値には、温度と、白色ターゲット、黒色ターゲットを使用した測定値、任意のLEDをオンにしない暗い照明などの様々な光の測定値を含めることができる。
図3は、いくつかの実施形態による、較正パラメータを生成するための例示的なコンピュータ化された方法300のフローチャートである。ステップ302において、装置は、温度を測定する。ステップ304において、装置は、白色のターゲット物体(例えば、白色物体)の照明データをキャプチャする。ステップ306において、装置は、黒色のターゲット(例えば、黒色物体)の照明データをキャプチャする。ステップ308において、装置は、LEDがオンになっていない暗い光の照明データをキャプチャする。ステップ310において、装置は較正パラメータのセットを生成する。較正パラメータには、暗い測定及び/又は各LED(例えば、赤色、緑色及び青色のLED)に使用する露光時間(又は最大/最小露光時間)、白色及び/又は黒色物体、温度、温度マージン、及び/又は他の較正パラメータの各々についての各LEDの較正中に読み取られたカウントを含めることができる。
【0046】
本明細書で説明するように、用量検知システムは、他の構成要素の中でもとりわけ、プロセッサ/MCU、センサ、LEDを含む様々な構成要素を有する検知モジュールを含む。いくつかの実施形態では、検知モジュールは、例えば、1つ以上の電池などの電源によって電力供給されることができる。
図1Cを参照すると、例えば、検知システム132は、
図1Cに示される例示的な構成要素を含む、用量検知システムに電力供給する電池138を含む。本明細書に記載の技術は、用量検知システムの電池寿命を監視するために使用されることができる。電池寿命を監視することによって、電池の寿命を追跡する電池状態インジケータ、電池に関連する警告(例えば、電池寿命が短いことをユーザに警告する、電池をいつ交換するかなど)のような情報をユーザに提供できる。例えば、用量検知システムは、検知モジュール又はリモートコンピューティングデバイスのどちらを使用していても、ユーザに電池を交換するのに十分な時間を提供できるように、電池がなくなるのを、ユーザに警告することができる(例えば、電池の寿命が切れる1又は2週間前)。
【0047】
本発明者らは、電池の挙動が温度、測定から測定までの緩和時間、取り付けられた薬物送達デバイスの注射の持続時間、負荷変動、電池のブランド、電池の変動、及び他のパラメータなどの多くの変数に依存する可能性があるという事実のために、電池電圧測定値を使用することによる電池寿命の推定が複雑になる可能性があることを発見し、認識した。デバイスプロバイダによって制御可能ではないことが多いこのような問題に対処するために、本発明者らは、電池寿命に十分なマージンを提供する様態で、デバイスアーキテクチャに基づいて電池を監視する技術を開発して、電池測定中に発生する可能性があると発明者らが認識した潜在的なエラー及び変動性を補償する。
【0048】
図4は、いくつかの実施形態による、電池インジケーションを判定するための例示的なコンピュータ化された方法400のフローチャートである。
図1Bの装置132の処理ユニット140などのプロセッサは、プロセッサに方法400を実行させるコンピュータ可読命令を実行するように構成することができる。ステップ402において、装置は、電池の電圧測定値のセットを取得する。ステップ404において、装置は、温度測定値を取得する(例えば、温度検知モジュールを介して)。ステップ406において、装置は、温度測定値に基づいて、温度調整された電池インジケーションのセットを判定する。ステップ408において、装置は、温度調整された電池インジケーション及び電圧測定値のセットに基づいて、電池の残存寿命を示す電池インジケータを判定する。
【0049】
ステップ402を参照すると、装置(例えば、MCU)は、電池が異なる負荷の下にあるとき、及び/又は装置の異なる動作状態にあるとき、様々な電圧測定値を取得することができる。電池から引き出される電力は、低電力状態(スリープ状態と呼ばれ得る)では、増加電力状態(起動状態と呼ばれ得る))と比較して低くなる。低電力状態は、(a)システムにおける一部又は全ての構成要素を増加電力状態で動作するよりも低いクロック速度で動作させること、(b)増加電力状態において動作して電力を消費していたであろう一部又は全ての構成要素をシャットダウンすること、又は(c)両方によって実装され得る。いくつかの実施形態では、装置は、(a)装置が電源オンされているときの起動電池電圧、(b)プロセッサが最大速度で動作しているときの高電流電池電圧、(c)プロセッサが低電力モードで動作しているときの低電流電池電圧、又はそれらの組み合わせを取得する。起動電池電圧は、例えば、電源投入されている検知モジュールから一定時間内に高電流電池電圧を取得することによって判定することができる。例えば、装置が起動されたとき(例えば、ボタン(
図9における参照番号139を参照)の押下に続いて)、装置は、電子機器用の電池からの引き出しを増加電力状態に増加させ得る。ボタン139は、押し込まれたとき、スイッチ137(作動のためにセンサパッドに接触し、非作動のためにセンサパッドから取り除かれるばね付勢アームを有するように示されている)を作動させるために、用量本体88に対してより軸方向に相対するように構成されている。いくつかの実施形態では、起動されたとき、装置は、起動プロセスを開始し得る。起動プロセスは、例えば、様々な自己テスト、起動動作、及び/又は同様のもののために、電子機器を増加電力状態に置くために、電池からの引き出しを増加させ得る。いくつかの実施形態では、起動されたとき、装置は磁気測定を行うことができる(例えば、1つ以上の構成要素の開始位置を判定するために)。したがって、そのような起動プロセス及び/又は磁気検知は、始動電池電圧として測定するための高電流電池電圧を提供し得る。
【0050】
高電流電池電圧は、例えば、その時点での電圧降下を測定するために使用することができる、高(例えば、最大)電流ピークをキャプチャすることができる。高電流電池電圧は、例えば、マイクロコントローラを最大速度で、及び他の全ての負荷を所定の時間(例えば、msで)低電力モードで実行すること、並びに高電流電池電圧を測定することによって判定されることができる。いくつかの実施形態では、高電流電池電圧は、測定値のセットに基づいて計算された平均電圧である。いくつかの実施形態では、高電流電池電圧は、磁気センサアクティビティの開始時及び/又は終了時に計算することができる。例えば、システムの最大電圧降下は、磁気センサが測定を完了したときに取得され得る。
【0051】
低電流電池電圧を使用して、最小の電流負荷での電圧降下を測定して、例えば、電池の開回路電圧チェックをシミュレートすることができる。低電流電池電圧は、例えば、MCU上で実行するファームウェアが全ての負荷(例えば、MCUを含む)を所定時間(例えば、msで指定された休止時間)低電力モードにすることによって、並びに低電流電池電圧を測定することによって判定されることができる。いくつかの実施形態では、低電流電池電圧は、測定値のセットを平均化することによって計算された平均電圧である。いくつかの実施形態では、低電流電池電圧は、高電流電池電圧測定値を判定した後に判定される。
【0052】
本明細書で説明するように、1つ以上の電圧測定値をステップ402にて使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、電圧は、高い及び/又は最大の消費電流(例えば、最大の電圧降下を伴う点)での電圧読み取り値及び低い/最低の消費電流についての代表的な開回路電圧測定値を取得するように設計された様態で採られることができる。本明細書に記載されているように、電圧を使用して、電池の残りのエネルギーを推定することができる。いくつかの実施形態では、技術は、例えば、最大電圧降下などの単一の電圧降下を使用して、残りの電池エネルギーを推定することができる(例えば、最大電圧降下は、より容量性駆動であり得る他の電圧降下と比較して、電池の状態により依存する可能性があるため)。例えば、電源投入/始動時の電圧降下は、最大電圧降下との比較に簡単に使用できる。例えば、電源投入中の電圧降下がシステムの測定された最大降下よりも大きい場合、比較により、構成要素がリセットされ得るリスクがあることが示される。
【0053】
ステップ406を参照すると、装置は、様々な温度で電池インジケーションテーブルを格納することができる。例えば、装置は、それぞれが低温に関連する電圧を有する電池インジケーションのセットを含む低温電池インジケーションのセットを格納することができる。表1は、低温電池インジケーションのセットの例である(例えば、0℃で)。
【0054】
【0055】
別の例として、装置は、それぞれが高温に関連する電圧を有する高温電池インジケーションのセットを含む高温電池インジケーションのセットを格納することができる。表2は、高温電池インジケーションのセットの例である(例えば、22~24℃で)。
【0056】
【0057】
検知システムは、低温電池インジケーションのセット、高温電池インジケーションのセット、及びステップ402で得られた温度測定値のセットに基づいて、温度調整された電池インジケーションのセットを判定することができる。いくつかの実施形態では、検知システムは(例えば、MCU上で実行されるファームウェアを介して)、ステップ404で測定された温度に基づいて補正ファクタを判定することができる。例えば、検知システムは、測定された温度及び1つ以上の補正ファクタに基づいて補正ファクタを判定することができる。対数(以下に示す)及び/又は線形関係を発展して、補正ファクタを特徴付けることができる。例えば、検知システムは式9を使用して補正ファクタを判定できる。
【0058】
【0059】
式中、
・corrFactorは、補正ファクタである。
・A、B、Cは係数である(例えば、補正ファクタを判定するための望ましい自由度を提供するために収集されたデータに基づいて判定される)。
・LogOffsetは、係数である(例えば、補正ファクタを判定するための望ましい自由度を提供するために収集されたデータに基づいて判定される)。
【0060】
検知システムは、温度補正ファクタに基づいて、補正された電池インジケーションのセット(例えば、補正された電池テーブル)を判定できる。いくつかの実施形態では、検知システムは、低温及び高温の両方の電池テーブルに基づいて、修正された電池インジケーションを判定することができる。例えば、検知システムは式10を使用して、各インジケータに関連付けられた各補正済み電池電圧を判定できる。
【0061】
【0062】
式中、
・corrBatCurvexは、行Xの補正された電池曲線電圧である。
・VoltageTEMPHIxは、高温電池テーブルのX行の電圧である。
・VoltageTEMPLOxは、低温電池テーブルのX行の電圧である。
・TEMPHIは、高温電池テーブルを判定するときに使用される温度である。
・TEMPLOは、低温電池テーブルを判定するときに使用される温度である。
・corrFactorは式9で求めた補正ファクタである。
【0063】
ステップ408を参照すると、装置は、以前の電池インジケータに基づいて電池インジケータを判定することができる。例えば、装置は、電池についての以前の電池インジケータを取得し、修正された電池テーブル及び電圧測定値のセットで温度調整された電池インジケーションに基づいて電池についての現在の電池インジケータを判定し、以前の電池インジケータ及び現在の電池インジケータに基づいて電池インジケータを判定することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、検知システムは、格納された電池テーブル及び/又は修正された電池テーブルに基づいて現在の電池インジケータを判定することができる。例えば、検知システムは、修正された電池テーブルでのポイントを、高電流電池電圧(例えば、
図4のステップ402で測定された)で補間することができる。例えば、高電流電池電圧がテーブルの電圧値と等しい場合、検知システムは、電池インジケータがそのテーブルの行に関連付けられたインジケータであると判定することができる。別の例として、高電流電池電圧がテーブルでの2つの電圧値の間にある場合、検知システムは、2つの関連する電池インジケータを補間して、関連する電池インジケーションを判定することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、検知システムは、以前の電池インジケータに基づいて新しい電池インジケータを判定することができる(例えば、EEPROMなどの検知システム上のストレージに格納することができる)。例えば、検知システムは式11を使用して、新しい電池インジケータを判定することができる。
【0066】
【0067】
式中、
・newBatIndは、新しい電池インジケータである。
・batIndは、以前の電池インジケータ(例えば、EEPROMから取得された)である。
・curBatIndは、現在判定されている電池インジケータである。
・FILTERは、フィルタ値である。FILTERは、検知システムに関連する最後の操作(例えば、リモートコンピューティングデバイス104などのリモートコンピューティングデバイスとの通信同期)、リモートコンピューティングデバイスとのボンディング事象、及び/又は関連する薬物送達デバイスによって投与される用量の検出から経過した時間に基づいて判定され得る。
【0068】
検知システムは、判定された新しい電池インジケータを(例えば、EEPROMに)格納できる。いくつかの実施形態では、タイムスタンプ、残りの注射数などの追加のデータを、新しい電池インジケータとともに格納することができる。例えば、初期の注射数は、新しい検知システム及び/又は新しい電池に関連付けられたシステムによって設定されることができ、検知システムは、薬物送達デバイスを介した各検知された注射の注射数を減らすように設定されることができる。
【0069】
装置は、電池インジケータをリモートデバイス(例えば、リモートコンピューティングデバイス104)に伝送することができる。リモートデバイスは、新しい電池インジケータを処理することができる。例えば、リモートデバイスは、電池インジケータに基づいて電池状態を判定するように設定され得る。例として、以下の表3に、例示的な電池の状態及び関連する電池インジケータ(注射の最大数を送達するための設計容量のパーセントとして)を示す。
【0070】
【0071】
いくつかの実施形態では、検知デバイスが初めて低電池フラグを立てると、検知デバイスは低電池状態に入ることができる(例えば、デバイスが、120回の注射などの特定の回数を超える注射を提供することができる可能性が低いとき)。検知デバイスは、一旦低電池状態に入ると、その電池についての低電池状態からはずれる変化を回避することができる(例えば、低電池状態及び非低電池状態から前後に移動することを回避するために)。いくつかの実施形態では、検知デバイスは、それが一旦低電力状態になると、検知デバイスの新しい動作(例えば、同期、ボンディング、又は用量事象)ごとに電池インジケータを1つ低減するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、検知デバイスは、それが一旦低電力状態になると、検知デバイスの新しい動作ごとに残りの注射数を1つ低減するように構成されることができる。電池インジケータがゼロに等しくなると、検知システムは寿命末期状態に入る可能性がある。いくつかの実施形態では、電池は、交換されることができ、検知システムは、新しい電池を検出するとリセットすることができる。いくつかの実施形態では、検知システムは使い捨てであり、寿命状態に達して寿命が尽きたときに廃棄されることができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、検知システムは、電池監視プロセス中に得られたデータ及び/又は得られた測定値に対して1つ以上のチェックを実行することができる。例えば、MCUは、新しい電池インジケータが所定の閾値を下回ると、電池低下の警告を発することができる。別の例として、検知システムは、検知された電圧が所定の許容範囲内にあるかどうか、温度測定値が所定の許容範囲内にあるかどうかなどをチェックすることができる。
【0073】
本明細書で説明するように、この技術は、本明細書で説明する態様を組み込んだ薬物送達デバイス、ならびに薬物送達デバイスに取り付けることができるアドオン構成要素を含む、様々なタイプの薬物送達デバイスで使用することができる。説明のために、
図5~12は、技術を組み込むことができる例示的な薬物送達デバイス及び用量検知システムを説明している。そのような技術は、2019年2月20日に出願されたPCT出願公開第WO2019/164955号で更に考察され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
図5~
図6は、いくつかの例による、例示的な薬物送達デバイス10を示している。薬物送達デバイス10は、針を通して患者に薬物を注射するように構成されるペン型注射器である。ペン型注射器10は、遠位部分14及び近位部分16を含む、細長いペン型ハウジング12を備える、本体11を含む。遠位部分14は、ペンキャップ18内に受容されている。
図6を参照すると、遠位部分14は、分注動作中にその遠位出口端を通して分注されるべき薬液を保持するように構成されたリザーバ又はカートリッジ20を含む。遠位部分14の出口端には、取り外し可能なカバー25によって囲まれた注射針24を含む取り外し可能な針アセンブリ22が装備されている。ピストン26は、リザーバ20内に位置決めされる。近位部分16内に位置決めされた注射機構は、用量分注動作中にピストン26をリザーバ20の出口に向かって前進させて、含まれる薬物を強制的に針端に通すように動作可能である。注射機構は、リザーバ20を通してピストン26を前進させるために、例示的にハウジング12に対して軸方向に移動可能なねじの形態である駆動部材28を含む。
【0075】
用量設定部材30は、デバイス10によって分注されるべき用量を設定するためにハウジング12に結合される。例示される実施形態では、用量設定部材30は、用量設定中及び用量分注中にハウジング12に対して螺旋状に動く(すなわち、軸方向にかつ回転的に同時に移動する)ように動作可能なねじ要素の形態である。
図5及び
図6は、そのホーム又はゼロ用量位置でハウジング12内に完全にねじ込まれた用量設定部材30を示す。用量設定部材30は、1回の注射でデバイス10によって送達可能な最大用量に対応する完全に伸張された位置に到達するまで、ハウジング12から近位方向にねじ切るように動作可能である。
【0076】
図6~
図8を参照すると、用量設定部材30がハウジング12に対して螺旋状に動くことを可能にするように、用量設定部材30は、ハウジング12の対応するねじ山付き内面に係合する螺旋状ねじ山付き外面を有する円筒状用量ダイヤル部材32を含む。用量ダイヤル部材32は、デバイス10のスリーブ34(
図6)のねじ山付き外面に係合する螺旋状ねじ山付き内面を更に含む。ダイヤル部材32の外面は、ユーザに設定用量を示すために、投与量窓36を介して視認可能な数字などの用量インジケータマーキングを含む。用量設定部材30は、ダイヤル部材32の開放近位端に連結され、かつダイヤル部材32の開放41内に受容される戻り止め40によってダイヤル部材32に対して軸方向にかつ回転的に係止される、管状フランジ38を更に含む。用量設定部材30は、その近位端でダイヤル部材32の外周の周りに位置決めされるカラー又はスカート42を更に含むことができる。スカート42は、スロット46に受容されるタブ44によってダイヤル部材32に対して軸方向にかつ回転的に係止される。後述するさらなる実施形態は、スカートのないデバイスの例を示した。
【0077】
したがって、用量ダイヤル部材32、フランジ38、及びスカート42が全て、回転的にかつ軸方向に一緒に固定されているため、用量設定部材30はそれらのいずれか又は全てを含むと見なすことができる。用量ダイヤル部材32は、用量の設定及び薬物の送達の推進に直接関与している。フランジ38は、用量ダイヤル部材32に取り付けられ、後述するように、ダイヤル部材32を用量ノブ56に選択的に結合するためにクラッチと協働する。スカート42は、ユーザが用量を設定するためにダイヤル部材32を回転させることができるように、本体11の外部に表面を提供する。スカートのない実施形態の場合、用量ノブ56は、ユーザが回転するための表面を形成するために遠位に延在する外壁を含む。
【0078】
スカート42は、例示的に、スカート42の外面上に形成された複数の表面特徴部48及び環状隆起部49を含む。表面特徴部48は、例示的に、スカート42の外面の周りに円周方向に離間された長手方向に延在するリブ及び溝であり、ユーザがスカートを把持して回転させ易くする。代替的な実施形態では、スカート42は取り外されるか、又はダイヤル部材32と一体化され、ユーザは、用量設定のために、用量ノブ56及び/又は用量ダイヤル部材32を把持して回転させることができる。
図8の実施形態では、ユーザは、用量設定のために、同様に複数の表面特徴部を含む一体型用量ノブ56の半径方向外側表面を把持して回転させることができる。
【0079】
送達デバイス10は、ダイヤル部材32内に受容されるクラッチ52を有するアクチュエータ50を含む。クラッチ52は、その近位端に軸方向に延在するステム54を含む。アクチュエータ50は、用量設定部材30のスカート42の近位に位置決めされた用量ノブ56を更に含む。用量ノブ56は、用量ノブ56の遠位面の中央に位置する装着カラー58(
図6)を含む。カラー58は、用量ノブ56とクラッチ52を一緒に軸方向にかつ回転的に固定するために、締まり嵌め又は超音波溶接などによりクラッチ52のステム54に取り付けられる。
【0080】
用量ノブ56は、円盤状の近位端表面又は面60と、遠位に延在し、かつ面60の外周縁の半径方向内向きに離間された環状壁部分62とを含み、その間に環状リップ64を形成する。用量ノブ56の近位面60は、アクチュエータ50を遠位方向に押すために、手動で、すなわち、ユーザによって直接的に、力が印加され得る押圧表面として機能する。用量ノブ56は、例示的に、近位面60の中央に位置する凹状部分66を含むが、近位面60は、代替的に平坦な表面であり得る。付勢部材68、例示的にばねが、ノブ56の遠位表面70と管状フランジ38の近位表面72との間に配置され、アクチュエータ50及び用量設定部材30を互いから軸方向に離して付勢する。用量ノブ56は、用量分注動作を開始するように、ユーザによって押下可能である。
【0081】
送達デバイス10は、用量設定モード及び用量分注モードの両方で動作可能である。用量設定モードの動作では、デバイス10によって送達されるべき所望の用量を設定するために、用量設定部材30をハウジング12に対してダイヤルする(回転させる)。近位方向へのダイヤルは、設定用量を増加させるように機能し、遠位方向へのダイヤルは、設定用量を減少させるように機能する。用量設定部材30は、用量設定動作中に設定用量の最小増分増加又は減少に対応する回転増分(例えば、クリック)で調節可能である。例えば、1回の増分又は「クリック」は、2分の1又は1単位の薬物と等しくなり得る。設定用量は、投与窓36を通して示されるダイヤルインジケータマーキングを介してユーザに視認可能である。用量ノブ56及びクラッチ52を含むアクチュエータ50は、用量設定モードでのダイヤル中に用量設定部材30とともに軸方向にかつ回転的に動く。
【0082】
用量ダイヤル部材32、フランジ38、及びスカート42は、全て互いに回転固定されており、用量ダイヤル部材32とハウジング12とのねじ接続に起因して、用量設定中に回転して薬物送達デバイス10の近位に延在する。この用量設定動作中、用量ノブ56は、付勢部材68によって一緒に付勢されるフランジ38及びクラッチ52の相補的スプライン74(
図6)によってスカート42に対して回転的に固定される。用量設定の過程では、スカート42及び用量ノブ56は、ハウジング12に対して「開始」位置から「終了」位置まで螺旋状に動く。ハウジングに対するこの回転は、薬物送達デバイス10の操作によって設定される投与量に比例する。
【0083】
所望の用量が設定されてから、注射針24が、例えばユーザの皮膚を適切に貫通するようにデバイス10を操作される。用量分注動作モードは、用量ノブ56の近位面60に印加される軸方向の遠位力に応答して開始される。軸方向力は、ユーザによって用量ノブ56に直接印加される。これにより、アクチュエータ50をハウジング12に対して軸方向に遠位に移動させる。
【0084】
アクチュエータ50の軸方向への移動動作は、付勢部材68を圧縮し、用量ノブ56と管状フランジ38との間の間隙を低減するか又は閉鎖する。この相対的な軸方向への移動は、クラッチ52及びフランジ38上の相補的スプライン74を分離し、それにより、アクチュエータ50、例えば用量ノブ56を、用量設定部材30に回転固定された状態から解放する。具体的には、用量設定部材30は、アクチュエータ50から回転的に連結解除され、アクチュエータ50及びハウジング12に対する用量設定部材30の後方駆動回転を可能にする。用量分注モードの動作はまた、別個のスイッチ又はトリガー機構を起動させることによっても開始され得る。
【0085】
アクチュエータ50がハウジング12に対して回転しない状態で軸方向に押し込まれ続けると、ダイヤル部材32が用量ノブ56に対して回転するにつれて、ダイヤル部材32がハウジング12内にねじ戻される。注射されるべき量がまだ残っていることを示す用量マーキングは、窓36を通して視認可能である。用量設定部材30が遠位にねじ止めされると、駆動部材28は、遠位に前進されて、リザーバ20を通してピストン26を押し込み、かつ針24(
図6)を通して薬物を放出する。
【0086】
用量分注動作中に、薬物送達デバイスから放出される薬物の量は、ダイヤル部材32がハウジング12内にねじ戻される際のアクチュエータ50に対する用量設定部材30の回転運動の量に比例する注射は、ダイヤル部材32の雌ねじがスリーブ34の対応する雄ねじの遠位端に到達したときに完了する(
図6)。次いで、デバイス10は、
図6及び
図7に示すような準備状態又はゼロ用量位置に再度配設される。
【0087】
用量ノブ56に対する用量ダイヤル部材32の、したがって回転固定されたフランジ38及びスカート42の開始及び終了角度位置は、用量送達中に角度位置の「絶対」変化を提供する。相対回転が360°を超えたかどうかの判定は、いくつかの方法で判定される。例として、全回転は、検知システムによって任意の数の方法で測定することができる用量設定部材30の増分運動も考慮に入れることによって判定することができる。
【0088】
様々なセンサシステムが本明細書において企図される。概して、センサシステムは、検知素子と、被検知素子とを含む。「検知素子」という用語は、被検知素子の相対位置を検出することができる任意の構成要素を指す。検知素子は、検知素子又は「センサ」を、検知素子を操作するための関連する電気構成要素とともに含む。「被検知素子」は、検知素子が検知素子に対する被検知素子の位置及び/又は動きを検出することができる任意の構成要素である。用量送達検出システムの場合、被検知素子は、検知素子に対して回転し、それによって被検知素子の角度位置及び/又は回転運動を検出することができる。用量タイプ検出システムの場合、検知素子は、被検知素子の相対角度位置を検出する。検知素子は、1つ以上の検知素子を含み得、被検知素子は、1つ以上の被検知素子を含み得る。センサシステムは、被検知素子の位置又は動きを検出し、被検知素子の位置又は動きを表す出力を提供することができる。
【0089】
センサシステムは、典型的には、被検知領域内の1つ以上の被検知素子の位置に関連して変動する検知されたパラメータの特性を検出する。被検知素子は、検知されたパラメータの特性に直接的又は間接的に影響を及ぼす様態で被検知領域内に及ぶか又は別様に影響する。センサと被検知素子との相対位置は、検知されたパラメータの特性に影響を及ぼし、センサシステムのマイクロコントローラユニット(MCU)が被検知素子の異なる回転位置を判定することを可能にする。
【0090】
好適なセンサシステムは、能動的構成要素と受動的構成要素の組み合わせを含み得る。検知素子が能動的構成要素として動作している場合、両方の構成要素が電源又はMCUなどの他のシステム要素に接続される必要はない。
【0091】
2つの部材の相対位置を検出することができる様々な検知技術のいずれも、組み込まれ得る。そのような技術は、例えば、触覚的、光学的、誘導的又は電気的測定に基づく技術を含み得る。そのような技術は、磁場などの場に関連する検知されたパラメータの測定を含み得る。一形態では、磁気構成要素をセンサに対して移動させると、磁気センサが、検知された磁場における変化を検知する。別の実施形態では、物体を磁場内に配置したとき及び/又は磁場を通って移動させたときに、センサシステムが磁場の特性及び/又は磁場への変化を検知することができる。場の変動は、被検知領域内の被検知素子の位置に関連して検知されたパラメータの特性を変化させる。そのような実施形態では、検知されたパラメータは、静電容量、コンダクタンス、抵抗、インピーダンス、電圧、インダクタンスなどであり得る。例えば、磁気抵抗型センサは、センサの素子の抵抗に特性変化をもたらす印加磁場の歪みを検出する。別の例として、ホール効果センサは、印加磁場の歪みから生じる電圧の変化を検出する。
【0092】
一態様では、センサシステムは、被検知素子、したがって薬物送達デバイスの関連する部材の相対位置又は動きを検出する。センサシステムは、被検知素子の位置又は移動量を表す出力を生産する。例えば、センサシステムは、用量送達中の用量設定部材の回転を判定することができる出力を生成するように動作可能であり得る。出力を受信するために、MCUが各センサに動作可能に接続される。一態様では、MCUは、薬物送達デバイスの動作によって送達される用量を出力から判定するように構成される。
【0093】
用量送達検出システムは、2つの部材間の相対回転運動を検出することを含む。送達される投与量と既知の関係を有する回転の程度により、センサシステムは、用量注射の開始から用量注射の終了までの角度移動量を検出するように動作する。例えば、ペン型注射器の典型的な関係は、用量設定部材の18°の角変位が1単位用量に等しいということであるが、他の角度関係もまた好適である。センサシステムは、用量送達中の用量設定部材の全角変位を判定するように動作可能である。したがって、角度変位が90°であれば、5単位の用量が送達されたことになる。
【0094】
角度変位を検出するための1つの手法は、注射が進むにつれて用量の増分をカウントすることである。例えば、センサシステムは、各繰り返しが既定の程度の回転角度のインジケーションとなるように、被検知素子の繰り返しパターンを使用することができる。都合のよいことに、パターンは、各繰り返しが薬剤送達デバイスを用いて設定され得る用量の最小増分に対応するように確立することができる。
【0095】
代替的な手法は、相対的に移動する部材の開始位置と停止位置を検出し、それらの位置の間の差として送達投与量を判定することである。この手法では、センサシステムが用量設定部材の全回転数を検出することが判定の一部であり得る。このための様々な方法は、十分に当業者の範囲内であり、全回転数を評価するために増分数を「カウントする」ことを含み得る。
【0096】
センサシステム構成要素は、恒久的に又は取り外し可能に薬物送達デバイスに取り付けることができる。例示的な実施形態では、用量検出システムの構成要素の少なくともいくつかは、薬物送達デバイスに取り外し可能に取り付けられるモジュールの形態で提供される。これは、これらのセンサ構成要素を1つより多くのペン型注射器で使用できるようにするという利点を有する。
【0097】
いくつかの実施形態では、検知素子は、アクチュエータに取り付けられ、被検知素子は、用量設定部材に取り付けられる。被検知素子はまた、用量設定部材又はその任意の部分を含み得る。センサシステムは、用量送達中に、被検知素子、したがって用量設定部材の相対回転を検出し、それから薬物送達デバイスによって送達される用量が判定される。例示的な実施形態では、回転センサがアクチュエータに取り付けられ、回転固定される。アクチュエータは、用量送達中に薬物送達デバイスの本体に対して回転しない。この実施形態では、被検知素子は、用量送達中にアクチュエータ及びデバイス本体に対して回転する用量設定部材に取り付けられ、回転固定される。被検知素子はまた、用量設定部材又はその任意の部分を含み得る。例示的な実施形態では、回転センサは、用量送達中に、相対的に回転する用量設定部材に直接取り付けられない。
【0098】
図9を参照すると、デバイス10などの薬物送達デバイスとの組み合わせにおいて有用なモジュール82の一例を含む用量送達検出システム80が概略的な形態で示されている。モジュール82は、回転センサ86(又は1つより多い回転センサ)及びプロセッサ、メモリ、電池などの他の関連構成要素に概略的に示されるセンサシステムを担持する。モジュール82は、アクチュエータに取り外し可能に取り付けられることができる別個の構成要素として提供される。
【0099】
用量検出モジュール82は、用量ノブ56(破線で示される)に取り付けられた本体88を含む。本体88は、例示的に、円筒状の側壁90と、側壁90にわたって広がりそれを密封する頂壁92とを含む。用量検出モジュール82は、代替的に、スナップ又は圧入、ねじインターフェースなどの任意の好適な締結手段を介して用量ノブ56に取り付けられ得るが、ただし、一態様では、モジュール82を第1の薬物送達デバイスから取り外し、その後、第2の薬物送達デバイスに取り付けることができるものとする。取り付けは、用量ノブ56上のいずれの位置であり得るが、ただし、本明細書で考察されるように、用量ノブ56が用量設定部材30に対して軸方向に任意の必要量を動くことができるものとする。
【0100】
用量送達中、用量設定部材30は、用量ノブ56及びモジュール82に対して自由に回転できる。例示的な実施形態では、モジュール82は、用量ノブ56と回転固定されており、用量送達中は回転しない。これは、例えば、タブを用いて、又は、用量ノブ56に対するモジュール82の軸方向運動時に係合するモジュール本体88及び用量ノブ56上の互いに向かい合うスプライン又は他の表面特徴部を有することによって、構造的に提供され得る。別の実施形態では、モジュールの遠位への押圧は、モジュール82と用量ノブ56との間に十分な摩擦係合をもたらし、用量送達中にモジュール82及び用量ノブ56を機能的に一緒に回転固定されたままにする。
【0101】
頂壁92は、用量ノブ56の面60から離間され、それによって回転センサ及び他の構成要素の一部又は全部が包含され得るキャビティ96を提供する。キャビティ96は、底部において開口し得るか、又は底壁98などによって囲まれ得る。底壁98は、用量ノブ56の面に直接当接するように位置決めされ得る。代替的に、底壁98は、存在するのであれば、用量ノブ56から離間され得、モジュール82と用量ノブ56との間の他の接触は、モジュール82に印加される軸方向力が用量ノブ56に伝達されるように使用され得る。別の実施形態では、モジュール82は、一体型用量ノブ構成に回転的に固定され得る。
【0102】
代替的な実施形態では、用量設定中のモジュール82は、代わりに用量設定部材30に取り付けられる。例えば、側壁90は、ノブ側壁と係合する結合アーム102の形態の内向き突起を有する下壁部分100を含み得る。この手法では、モジュール82は、用量ノブ56の近位面60及び環状隆起部49の遠位側に効果的に係合し得る。この構成では、下壁部分100に、モジュール82を用量ノブに回転的に固定するために、用量ノブの表面特徴部と係合する表面特徴部が提供され得る。用量設定中にハウジング82に印加される回転力は、それによって、下壁部分100と用量ノブの側壁との結合の効力によって用量ノブに伝達される。光ガイド118は、電子機器アセンブリの単一の位置で集合的に示されている、LED114A~C及び光センサ110と、存在するとき、用量ノブ56の面との間に配設されて示される。電池138は、照明システム89及び電子機器アセンブリの一部の上に配設されて示されている。
【0103】
例示的な電子機器アセンブリ120は、複数の電子部品を有するフレキシブルプリント回路基板(FPCB)を含む。電子機器アセンブリは、検知された相対回転を表す信号をセンサから受信するためにプロセッサと動作可能に通信する1つ以上の回転センサ86を含むセンサシステムを備える。電子機器アセンブリは、少なくとも1つの処理コア及び内部メモリを備える、MCUを更に含む。電子機器アセンブリの概略の一例が
図1Bに示されている。
【0104】
図10A、
図10B、
図11A、及び
図11Bを参照すると、N極154及びS極156を有する環状のリング形状の双極磁石152を被検知素子として含む例示的な磁気センサシステム150が示されている。本明細書の記載の磁石は、直径方向に磁化されたリングと呼ばれることもある。磁石152はフランジ38に取り付けられており、したがって用量送達中にフランジとともに回転する。磁石152は、代替的に、用量ダイヤル32又は用量設定部材に回転固定された他の部材に取り付けられ得る。磁石152は、希土類磁石、例えば、ネオジムなど、及び様々な材料から構成され得る。
【0105】
センサシステム150は、モジュール82内に含まれるセンサ電子機器(図示せず)と動作可能に接続された1つ以上の検知素子160を含む測定センサ158を更に含む。センサ158の検知素子160は、用量ノブ56に回転固定されているモジュール82に回して取り付けられたプリント回路基板162に取り付けられているのが
図11Aにおいて示される。その結果、用量送達中、磁石152は検知素子160に対して回転する。検知素子160は、磁石152の相対角度位置を検出するように動作可能である。検知素子160は、リング152が金属リングである場合、誘導センサ、容量センサ、又は他の非接触センサを含むことができる。これにより、磁気センサシステム150は、用量ノブ56に対するフランジ38の全回転、したがって用量送達中のハウジング12に対する回転を検出するように動作する。一例では、磁石152及び検知素子160を有するセンサ158を含む磁気センサシステム150は、モジュール内に配設され得る。
【0106】
一実施形態では、磁気センサシステム150は、図示されるように、リングパターンを画定するためのモジュール82内に等半径で離間された4つの検知素子160を含む。検知素子の代替的な数及び位置が使用され得る。例えば、
図11Bに示される別の実施形態では、単一の検知素子160が使用されている。更に、
図11Bの検知素子160はモジュール82内の中心にあるように示されているが、他の位置が使用され得る。
図12に示される別の実施形態では、例えば、5つの検知素子906が、モジュール内に等円周方向及び等半径で離間されている。前述の実施形態では、検知素子160はモジュール82内に取り付けられて示されている。代替的に、検知素子160は、用量送達中に構成要素がハウジング12に対して回転しないように、用量ノブ56に回転固定された構成要素の任意の部分に取り付けられ得る。
【0107】
説明のために、磁石152は、フランジ38に取り付けられた単一の環状の双極磁石として示されている。しかしながら、磁石152の代替的な構成及び位置も企図される。例えば、磁石は、交互のN極とS極などの複数の極を備え得る。一実施形態では、磁石は、フランジ38の個別の回転用量設定位置の数と等しいいくつかの極対を含む。磁石152はまた、いくつかの別個の磁石部材を含み得る。加えて、磁石構成要素は、スカート42又は用量ダイヤル部材32などの、用量送達中にフランジ38に回転固定された部材の任意の部分に取り付けることができる。
【0108】
代替的に、センサシステムは誘導センサシステム又は容量センサシステムであってもよい。この種のセンサシステムは、本明細書に記載の磁気リングの取り付けと同様に、フランジに取り付けられた金属帯を含む被検知素子を利用する。センサシステムは、モジュールハウジング又はペンハウジングの遠位壁に沿って等角度で離間された4つ、5つ、6つ、又はそれ以上の独立したアンテナ又はアーマチュアなどの1つ以上の検知要素を更に含む。それらのアンテナは、180度又は他の角度だけ離れた位置にあるアンテナ対を形成し、送達される用量に比例した金属リングの角度位置のレシオメトリック測定を提供する。
【0109】
金属帯リングは、モジュールに対する金属リングの1つ以上の異なる回転位置を検出できるような形状である。金属帯は、金属リングがアンテナに対して回転すると変化する信号を発生する形状を有する。アンテナは電子機器アセンブリと動作可能に接続されており、そのためアンテナは用量送達中に、センサに対する、したがってペン10のハウジング12に対する金属リングの位置を検出するように機能する。金属帯は、フランジの外側に取り付けられた単一の円筒状の帯であってもよい。しかしながら、金属帯の代替的な構成及び位置も企図される。例えば、金属帯は、複数の異なる金属元素を含み得る。一実施形態では、金属帯は、フランジの個別の回転用量設定位置の数と等しいいくつかの要素を含む。代替的な金属帯は、ダイヤル部材32など、用量送達中にフランジ38に回転的に固定された構成要素の任意の部分に取り付けることができる。金属帯は、部材の内側もしくは外側で回転部材に取り付けられた金属要素を含み得るか、又は構成要素に組み込まれた金属粒子によって、もしくは金属帯を用いて構成要素をオーバーモールドすることによって、そのような部材に組み込まれ得る。MCUは、センサで金属リングの位置を判定するように動作可能である。
【0110】
MCUは、標準の直交差動信号計算に従って最大サンプリングレートで検知素子160の数(例えば4つ)を平均化することによって、磁石152の開始位置を判定するように動作可能である。用量送達モード中、磁石152の回転数を検出するように、MCUによってターゲット周波数でのサンプリングが実行される。用量送達の終わりに、MCUは、標準の直交差動信号計算に従って最大サンプリングレートで検知素子160の数(例えば4つ)を平均化することによって、磁石152の最終位置を判定するように動作可能である。MCUは、判定された開始位置、回転数、及び最終位置からの全回転角の計算から判定するように動作可能である。MCUは、全回転角を、デバイスの設計及び薬物と相関する所定の数(10、15、18、20、24など)で除算することによって、投与ステップ又は単位の数を判定するように動作可能である。
【0111】
図12を更に参照すると、
図12は、N極903及びS極905を有する直径方向に磁化されたリング902を検知素子として含む、磁気センサシステム900の別の例を示している。磁化されたリング902は、前述のように、例えばフランジなどの用量設定部材に取り付けられる。磁化されたリング902に対する、例えばホール効果センサなどの磁気センサ906の半径方向の配置は、リングパターンで互いに対して等角度であり得る。一例では、磁気センサ906は、磁気センサ906の一部が磁化されたリング902にわたって存在し、残りの部分が磁化されたリング902の外側に存在するように、磁化されたリング902の外周縁902Aと重なり合う関係で半径方向に配設される。
【0112】
いくつかの実施形態では、検知システムは、検知システムが薬物送達デバイスに結合されているかどうかを判定するように構成される。
図13は、いくつかの実施形態に従って、装置が薬物注射デバイスに取り外し可能に結合されているかどうかを判定するための例示的なコンピュータ化された方法1300を示している。用量送達検出システムなどの検知システムは、複数の検知素子を含む。例えば、検知システムは、装置内で等円周方向及び等半径方向に離間された、4つ又は5つの検知素子などのいくつかの検知素子を含む。本明細書で説明するように、複数の検知素子は、複数のホール効果センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、5つのホール効果センサが、検知されている薬物送達デバイスの磁気構成要素に基づいて設計された直径を有する円の周りに72度で等間隔に離間されている。例えば、磁石がその軸の周りを回転するとき、センサが磁場のZ成分の最大値によって記述されるエンベロープを示すように、約14mmの直径を使用することができる。検知システムはまた、検知素子のセットと通信するプロセッサ(例えば、MCU)を含む。
【0113】
検知システム(MCUなどの、そのプロセッサを介して)は、プロセッサにコンピュータ化された方法1300を実行させるコンピュータ可読命令を実行するように構成される。ステップ1302において、検知システムは、複数の検知素子の各々から電圧測定値のセットを取得する。ステップ1304において、検知システムは、薬物注射デバイスの磁気構成要素の磁場を表す二次元データを判定する。ステップ1306において、検知システムは、二次元データに基づいて一次元データを判定する。ステップ1308において、検知システムは、一次元データに基づいて、電圧測定値のセットが、薬物注射デバイスに結合されている装置を示しているかどうかを判定する。
【0114】
ステップ1302を参照すると、検知システムへの電源投入ボタン(
図9におけるボタン139及びスイッチ137を参照)がユーザによって押されるとき、スイッチ137が作動されて検知システムが起動され、プロセッサ上で実行されているファームウェアは、薬物送達デバイスの磁気構成要素の始動位置を取るために(例えば、回転が起こる前)、検知素子(例えば、磁気センサ)のスイッチを入れる。このフェーズでは、回転中に測定値を採るのを避けるために、起動の直後にセンサの読み取りを行うことが重要である。いくつかの実施形態では、検知システムは、例えば、ノイズを低減するために、各センサの試料の数(例えば、各センサの5、10、15など)を平均化することができる。
【0115】
ステップ1304を参照すると、いくつかの実施形態では、検知システムは、同相(I)部分及び直交(Q)部分を含む直交信号を判定する。システムは、各センサ値の合計に基づいてI及びQ値を判定できる。いくつかの実施形態では、検知システムは、センサ値を合計するときに係数を使用する。例えば、システムは各センサについて1つ以上の係数を格納することができる。いくつかの実施形態では、検知システムは、I値を判定するために加算中にセンサ値が乗算される各センサについて1つの係数、及び値を判定するために加算中にセンサ値が乗算される各センサについての第2の係数を格納する。いくつかの実施形態では、係数を使用して、I及びQの計算のために、複数のセンサ(例えば、互いに72度で等間隔に離間された5つのセンサなど)の結果を組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、係数は、直交計算の結果が、測定された信号の、オフセット、二次高調波歪み、三次高調波歪み及び/又は同様のものの前で、公称角度と比較してゼロ誤差を有するように強制する連立方程式を解くことによって取得することができる。
【0116】
ステップ1306を参照すると、いくつかの実施形態では、検知システムは、ステップ1304で判定された二次元信号(例えば、直交信号)に基づいてスケールファクタを判定する。いくつかの実施形態では、検知システムは、直交信号と、所定のオフセット及び所定のゲインのうちの1つ以上に基づいて、スケールファクタを判定する。例えば、プロセッサは次の式12に基づいてスケールファクタを判定することができる。
【0117】
【0118】
式中、
・ScaleFactorは、スケールファクタである。
・Iは、直交信号の同相部分である。
・Qは、直交信号の直交部分である。
・OIは、較正中にI信号で測定されたオフセットである。
・OQは、較正中にQ信号で測定されたオフセットである。
・GIは、較正中にI信号で測定されたゲインである。
・GQは、較正中にQ信号で測定されるゲインである。
【0119】
オフセットがゼロに等しく、ゲインが1に等しい場合など、IとQのバランスが取れている場合、直交位相が適切に機能するため、このような例示的なI及びQのオフセットならびにゲインを使用できる。較正プロセスを使用して、測定されたI及びQのバランスを取り、十分な値を達成すること、IとQの間のスキューを除去することなどを行う、オフセット/ゲインを判定することができる。いくつかの実施形態では、検知システムは、I及びQ値を正規化し、I及びQ値を使用して、磁場のZ成分の正規化された角度を判定するように構成することができる。用量が投与された後、検知システムは、次に、薬物送達デバイスの磁気構成要素の終了位置を監視して、注射された用量の量を判定することができる(例えば、磁石の回転を監視するために本明細書に記載されるのと同様の技術を使用して、及び/又は磁石の終了位置を判定して)。
【0120】
ステップ1308を参照して、検知システムは、一次元データが、検知システムが薬物送達デバイスに結合されている(又は結合されていない)ことを示しているかどうかを判定することができる。検知システムは、スケールファクタを使用して、検知システムが薬物送達デバイスに取り付けられているか、又は結合されているかを判定することができる。例えば、スケールファクタが所定の閾値の間にある場合、検知システムは、検知システムが薬物送達デバイスに取り付けられていると判定することができる。スケールファクタが所定の閾値の間にない場合、検知システムは、検知システムが薬物送達デバイスに取り付けられていない可能性が高いと判定することができる。いくつかの実施形態では、検知システムは、低振幅マージン及び高振幅マージンに対してスケールファクタをチェックして、モジュールが監視している磁石が予想される磁石であるかどうかを判定することができ(例えば、公称値の約+/-25%が許容可能である)、これによって必要な振幅のみがモジュールによって受け入れられるようにする。
【0121】
図14は、
図1A、1B、1Cに示される電子機器及び/又は構成要素のうちの1つ以上を、任意の組み合わせで備え得る、システムモジュール1400の態様の少なくともいくつかを含む用量送達検出システム80を示す。一実施形態では、システムは、検知システム101、130、150、1400、及び本明細書に記載の他のシステムのうちの1つ、又はそれらの任意の組み合わせを含む。システム80は、信号1475を介して、スマートフォンなどのリモートコンピューティングシステム104への信号を介する通信が示されている。
【0122】
システム80のユーザインターフェースは、リモートコンピューティングシステム104のオフボード機能と組み合わせて、又は組み合わせなくてもよい、そのオンボード機能に基づいて、システム80の動作中にユーザ情報を提供するように更に強化されることができる。この目的のために、システム80は、光インジケーションパターンを生成するための1つ以上の光インジケータが提供される。システム80はまた、表示部、可聴部、又は他の既知のインジケーションシステムが提供され得る。一実施形態では、システム80は、表示部を含まない。光インジケータ1412(上で考察されたように、1つ以上のLEDを備え得る)は、様々なユースケースタイプを示すために、色及び点滅の様々なパターンを使用し得る。本明細書で使用されるように、「ユースケースタイプ」は、システム80の状態(state)又は状態(status)である。システム80は、複数の異なるユースケースタイプのうちの1つを占め得る。各ユースケースタイプは、例えば、リモートコンピューティングデバイスとのペアリングの成功又は不成功、注射の成功又は不成功、リモートコンピューティングデバイスとの手動同期の成功又は不成功、及び電池状態など、デバイスの状態を示すことができる。いくつかの実施形態では、システムは、ユースケースタイプのうちの1つを示すように構成され得る。他の実施形態では、システムは、組合せ又は2つ以上のユースケースタイプを順番に示すように構成され得る。他の実施形態では、システムは、オンボード表示部なしで、光インジケータ1412などを伴う、単一のインジケーション通知で2つ以上のユースケースタイプの組み合わせを示すように構成され得る。
【0123】
一実施形態では、検知システムは、オンボード表示部なしで、光インジケータ1412などの光インジケーションを伴う、電池状態と他のユースケースタイプの1つとの組み合わせを示すように構成され得る。光インジケーションパターンは、ユースケースタイプの1つを示すパターンの第1のセグメント、時間の遅延を示すパターンの遅延セグメント、及びユースケースタイプの別のものを示すパターンの第2のセグメントとの組み合わせであり得る。色及び点滅のパターンは、各セグメントであっても、又は異なっていてもよい。一実施形態では、検知システムは、低振幅マージン及び高振幅マージンに対してスケールファクタをチェックして、モジュールが監視している磁石が予想される磁石であるかどうかを判定することができ(例えば、公称値の約+/-25%が許容可能である)、これによって必要な振幅のみがモジュールによって受け入れられるようにする。
【0124】
図15は、いくつかの実施形態による、システム80のユーザへの光インジケーションパターンのインジケーション信号を生成するための例示的なコンピュータ化された方法1500のフローチャートである。ステップ1502において、検知システムは(そのプロセッサ、MCUなどを介して)、プロセッサのメモリに事前に格納され得る、複数のユースケースタイプ構成からユースケースタイプ構成を判定する。ステップ1504において、検知システムは、プロセッサのメモリに事前に格納され得る、複数の電池寿命状態から電池寿命状態のカテゴリを判定する。ステップ1506において、検知システムは、ステップ1502から判定されたユースケースタイプ構成に基づく第1の光インジケーションセグメントと、第1の光インジケーションセグメントの完了後のある遅延期間直後にステップ1504から判定された電池寿命状態に基づく第2の光インジケーションセグメントとを備える光インジケーションパターンを提供する。
【0125】
図16は、いくつかの実施形態による、ステップ1502で使用されることができる、複数のユースケースタイプ構成からユースケースタイプ構成を判定するための例示的なコンピュータ化された方法1600のフローチャートである。方法1600において見られることができるように、判定されたユースケースタイプは、次いで、光インジケーションパターンの少なくとも1つの態様で、及び一実施形態では、光インジケーションパターンの第1のセグメントを判定するために使用され得る。ステップ1602において、検知システムは(そのプロセッサ、MCUなどを介して)、電源投入モジュールが作動されているか、及びどのくらい長く作動されているかを判定する。任意選択的なステップ1604において、検知システムは、被検知素子が存在するかを判定する。完全に統合されたデバイスの場合、被検知素子は、常に存在することになり、このステップは、省略され得る。注射デバイスに取り外し可能に結合する用量検出システムの場合、このステップは、複数ステップに含まれ得る。ステップ1606において、検知システムは、被検知素子が動いているかどうかを判定する。ステップ1602、1604、及び1606は、ユースケースタイプ構成を定義するために、個別に又はそれらの任意の組み合わせで、使用され得る。ステップ1610、1612、及び1614は、ステップ1604を含んで記載されているが、ステップ1610、1612、及び1614は、検知素子の存在に対して「はい」と判定することなく記載されることができる。また、ユースケースタイプは、ステップ1602、1604、1606の1つ、2つ、又は全てを判定することに依存し得ることが企図される。
【0126】
ステップ1610において、検知システムが、被検知素子が動いておらず、電源投入モジュールが第1の時間範囲で連続的に作動されると判定する場合、検知システムは、第1の光インジケーションセグメントについて第1のパターンを提供するように構成されている。任意選択的に、被検知素子が動いていないという検知システムの判定の前に、被検知素子が存在するかどうかの判定も、発生し得る。そのような場合、検知システムはまた、第1のパターンを提供する前に、被検知素子が存在することを判定する必要があり得る。1612において、検知システムが、被検知素子が動いておらず、電源投入モジュールが第2の時間範囲で連続的に作動されると判定する場合、検知システムは、第1の光インジケーションセグメントについて第2のパターンを提供するように構成されている。任意選択的に、被検知素子が動いているという検知システムの判定の前に、被検知素子が存在するかどうかの判定も、発生し得る。そのような場合、検知システムはまた、第2のパターンを提供する前に、被検知素子が存在することを判定する必要があり得る。1614において、検知システムが、被検知素子が動いていると判定した場合、検知システムは、第1の光インジケーションセグメントについて第3の光インジケーションパターンを提供するように構成されている。任意選択的に、被検知素子が動いているという検知システムの判定の前に、被検知素子が存在するかどうかの判定も、発生し得る。そのような場合、検知システムはまた、第3のパターンを提供する前に、被検知素子が存在することを判定する必要があり得る。
【0127】
一例では、被検知素子が移動しておらず、電源投入モジュールが第1の時間範囲で連続的に作動されている場合、次いで、検知システムは、例えば、検知システムからリモートコンピューティングシステムにデータをプッシュために、リモートコンピューティングシステムとの手動データ同期のためのユースケースタイプ構成を実装するように構成され得る。これは、
図16における1610に対応するユースケースタイプ構成である。一実施形態では、検知システムが手動データ同期ユースケースタイプ構成を実装するとき、検知システムは、それ自体を低電力状態にする。
図9を更に参照すると、ユーザは、3~10秒の範囲における第1の期間、電源投入モジュール1406(ボタン139及び電源投入スイッチ137が集合的に電源投入モジュール1406である)を作動させるために、ボタン139を用量本体88内に軸方向に押し下げることができる。電源投入モジュール1406は、接触可能なスイッチを含み得ることに留意されたい。この時間の範囲は、より広く、より狭く、より高く、及び/又はより低くなるように修正され得る。検知システムは、例えば、磁気センサ906(検知素子1402として示される)などの磁石センサを有する磁化された検知素子の開始角度位置及び上述のような最終角度位置が変更されないままであることを判定することによって、例えば、磁化されたリング902などの磁気被検知素子が回転しているかどうかを判定することができる。角度位置に変化があれば、システムは、動きがあると判定することができ、角度位置に変化がなければ、システムは、動きがないと判定することができる。ユーザがボタン139を解放することによって電源投入スイッチ137が停止されて、第1の時間範囲が満了した後、検知システムは、例えば、光インジケータ1412の緑色LEDをオン及びオフ(例えば、300msオン/300msオフなど)、例えば、3サイクルなどの複数サイクルで点滅させるなど、第1の光インジケーションセグメントについてパターンを提供することができる。LEDの色、オン及びオフの時間、並びにサイクル数は、異なり得る。次いで、検知システムは、手動同期の事象を示すデータをそのメモリ1408に格納し得る。
【0128】
一例では、被検知素子が動いておらず、電源投入モジュールが第2の時間範囲で連続的に作動されている場合、ユースケースタイプ構成は、リモートコンピューティングシステムとのペアリングの動作にあり得る。これは、
図16における1612に対応するユースケースタイプ構成である。一実施形態では、検知システムは、低電力状態にある。ユーザは、10~20秒の範囲における第2の期間の間、電源投入スイッチ137を作動させるために、ボタン139を用量本体88に対して軸方向に押し下げることができる。このペアリング時間の範囲は、より広く、より狭く、より高く、及び/又はより低くなるように修正され得る。ペアリングのための第2の時間範囲は、第1の時間範囲よりも長い。検知システムは、例えば、磁気センサ906(検知素子1402として示される)などの磁石センサを有する磁化された検知素子の開始角度位置及び上述のような最終角度位置が変更されないままであることを判定することによって、例えば、磁化されたリング902などの磁気被検知素子が回転しているかどうかを判定することができる。ユーザがボタン139を解放することによって電源投入スイッチが停止されて、第2の時間範囲が満了した後、検知システムは、第1の光インジケーションセグメントについて異なる第2のパターンを提供することができる。異なる第2のパターンは、ペアリングが成功又は不成功であるかに基づくことができる。
【0129】
第2の時間範囲内で、検知システムは、例えば、単一のサイクルで、又は複数サイクルであり得る光インジケータ1412の緑色LEDを点滅させる(例えば、1000msなど)など、第1の光インジケーションセグメントについての第2のパターンの第1のバージョンを提供することができる。これは、ペアリングの開始が成功したことをユーザに通知し、及びボタンを解放するために使用されることができる。次いで、検知システムは、成功したペアリング開始の事象を示すデータをそのメモリ1408に格納し得る。ボタンが解放された後、検知システムの通信ユニット1410は、リモートコンピューティングシステムに信号広告を開始し得、ボンディングが成功した後、リモートコンピューティングシステムの通信デバイス1467は、検知システムに信号を伝送する。リモートコンピューティングシステムの伝送を検知システムによって成功した受信の後、検知システムは、例えば、光インジケータ1412の緑色LEDを、例えば、3サイクルなどの複数サイクルでオン及びオフ(例えば、300msオン/300msオフなど)に点滅させるなど、第2のパターンの第1のバージョンとは異なる第1の光インジケーションセグメントのための第2のパターンの第2のバージョンを提供することができる。LEDの色、オン及びオフの長さ、並びにサイクル数は、異なり得る。次いで、検知システムは、成功したペアリングの事象を示すデータをそのメモリ1408に格納し得る。
【0130】
ペアリングが不成功である又はペアリングが失われた場合、すなわち、検知システムの通信ユニット1410がリモートコンピューティングシステムへの信号宣伝を開始し、何らかの理由で接続に成功しなかった場合、検知システムは、リモートコンピューティングシステムの通信デバイス1467からボンディング成功についての信号を受信することに失敗する。ペアリングが不成功であった後、検知システムは、例えば、光インジケータ1412の琥珀色LEDを複数サイクル(例えば、3サイクルなど)でオン及びオフ(例えば、100msオン/100msオフ/100msオン/100msオフ/100msオン/400msオフなど)に点滅させるなど、第2のパターンの第1及び第2とは異なる第1の光インジケーションセグメントのための第2のパターンの第3のバージョンを提供することができる。LEDの色、オン及びオフの長さ、並びにサイクル数は、異なり得る。次いで、検知システムは、成功した又は不成功であったペアリングの事象を示すデータ(判定されたものは何でも)をそのメモリ1408に格納し得る。
【0131】
一例では、被検知素子が動いて存在する場合、ユースケースタイプ構成は、典型的な注射状態の動作にあり得る。これは、
図16における1614に対応するユースケースタイプ構成である。一実施形態では、検知システムは、低電力状態にある。ユーザは、用量ノブに結合されたシステムを回すことによって用量を設定することができ、ユーザは、薬剤の送達を開始するために、システム/用量ノブに対して押し下げることができる。ユーザが押し下げている間に、ボタン139は、電源投入モジュールを作動させるために、用量本体88に関して軸方向に押し下げられ得る。検知システムは、例えば、磁気センサ906(検知素子1402として示される)などの磁石センサを有する磁化された検知素子の開始角度位置及び上述のような最終角度位置が変更されたことを判定することによって、例えば、磁化されたリング902などの磁気被検知素子が回転しているかどうかを判定することができる。検知システムによって検知素子回転の検出に成功した後、検知システムは、例えば、光インジケータ1412の緑色LEDを、例えば、3サイクルなどの複数サイクルでオン及びオフ(例えば、300msオン/300msオフなど)に点滅させるなど、第1の光インジケーションセグメントのための第3のパターンを提供することができる。LEDの色、オン及びオフの長さ、並びにサイクル数は、異なり得る。次いで、検知システムは、成功した注射の事象を示すデータを格納し得る。
【0132】
図17は、いくつかの実施形態による、ステップ1504のように、残存電池状態寿命に基づいて光インジケーションパターンを判定するための例示的なコンピュータ化された方法1700のフローチャートである。方法1700において見られることができるように、判定された残存電池寿命状態は、次いで、光インジケーションパターンの少なくとも1つの態様で、及び一実施形態では、光インジケーションパターンの第2のセグメントを判定するために使用され得る。ステップ1702において、検知システムは(そのプロセッサ、MCUなどを介して)、残存電池寿命状態を判定する。ステップ1704において、残存電池状態が比較的高い電池充電を示す第1の状態にある場合、システムは、第2の光インジケーションセグメントの第1のパターンを判定するように構成されている。ステップ1706において、残存電池状態が比較的低い電池充電を示す第2の状態にある場合、システムは、第2の光インジケーションセグメントの第2のパターンを判定するように構成されている。ステップ1708において、残存電池状態が中間の第3の状態(すなわち、第1と第2の状態の間)である場合、システムは、第2の光インジケーションセグメントの第3のパターンを判定するように構成されている。
【0133】
ステップ1702、1704、1706、1708の場合、電源の電気的特性をチェックすること、及びそれを満充電と比較して満充電のパーセンテージを判定することによって、残存電池寿命状態を判定する様々な方法があり得る。一実施形態では、
図4は、残存電池状態についての電池インジケーションを判定するための例示的なコンピュータ化された方法のフローチャートを示す。例えば、上述の表3を使用して、第1の状態は、残存電池寿命状態についての電池インジケータの判定が高い範囲、例えば、満充電の5~100パーセントの間にあるときであり得、第2の状態は、残存電池寿命状態についての電池インジケータの判定が低い範囲、例えば、満充電の0及び1%未満にあるときであり得、第3の状態は、残存電池寿命状態についての電池インジケータの判定が中間の範囲、例えば、満充電の1~4パーセントの間にあるときであり得る。
【0134】
一実施形態では、検知システムが、残存電池寿命状態が上述の高い第1の状態にあると判定した場合、検知システムは、ステップ1704において、第2の光インジケーションセグメントの第1のパターン、例えば、点滅しないなどを提供することができる。これは、残存電池寿命状態が「通常」であることをユーザに示すことができる。他の実施形態では、第2の光インジケーションセグメントの第1のパターンは、オン及びオフの長さ並びにサイクル数が変化し得る、LEDの色の点滅順番を含み得る。一実施形態では、検知システムが、残存電池寿命状態が上述の低い第2の状態にあると判定した場合、検知システムは、ステップ1706において、第1のパターンとは異なる第2の光インジケーションセグメントの第2のパターン、例えば、光インジケータ1412の緑色LED及び琥珀色LEDを1回以上のサイクルで点滅するなどを提供することができる。一例では、オン及びオフは、複数サイクル(例えば、3サイクルなど)で、100msオン/100msオフ/100msオン/100msオフ/100msオン/400msオフであり得る。これは、残存電池寿命状態が「寿命末期」であることをユーザに示すことができる。いくつかの実施形態では、LEDの色、オン及びオフの長さ、並びにサイクル数は、異なり得る。一実施形態では、検知システムが、残存電池寿命状態が上述の中間の第3の状態にあると判定した場合、検知システムは、ステップ1708において、第1及び第2のパターンとは異なる第2の光インジケーションセグメントの第3のパターン、例えば、光インジケータ1412の琥珀色LED及び/又は緑色LEDが複数サイクル(例えば、3サイクルなど)でオン及びオフ(例えば、150ms琥珀色オン/150ms緑色オンなど)するなどを提供することができる。これは、残存電池寿命状態が「残存寿命が短い」であることをユーザに示すことができる。LEDの色、オン及びオフの長さ、並びにサイクル数は、異なり得る。
【0135】
本明細書に記載されるように、検知システムは、セグメント間に遅延(D)がある、第1の光インジケーションセグメント(S1)のパターン及び第2の光インジケーションセグメント(S2)のパターンを有する、単一の光インジケーション(LI)(すなわち、LI=S1+D+S2)を提供する。一実施形態では、単一の光インジケーション(LIt)についての最大総サイクル時間は、2.7秒を含む第1のセグメント(S1t)、2.7秒を含む第2のセグメント(S2t)、及び間の1秒遅延の遅延(Dt)(すなわち、LIt=S1t+Dt+S2t)を有する、6.4秒であり得る。一実施形態では、例えば、成功した注射及び高い電池寿命残存状態のための注射ユースケースについてなど、単一の光インジケーション(LIt)についての総サイクル時間は、1.8秒を含む第1のセグメント(S1t)、0秒(又は第2のセグメントなし)を含む第2のセグメント(S2t)、及び間の1秒の遅延の遅延(Dt)を有する、1.8秒であり得る。一実施形態では、例えば、成功したペアリング及び高い電池寿命残存状態のための第1のペアリングユースケースについてなど、単一の光インジケーション(LIt)についての総サイクル時間は、1.0秒を含む第1のセグメント(S1t)、0秒(又は第2のセグメントなし)を含む第2のセグメント(S2t)、及び間の1秒の遅延の遅延(Dt)を有する、2.0秒であり得る。
【0136】
図18は、いくつかの実施形態による、用量検出システムの電源投入モジュール1406が望ましくないことに電源(例示的な電池として以下に記載される)の早期消耗を引き起こすようにある時間に連続的に作動された場合、システム80のユーザに指示を生成するための例示的なコンピュータ化された方法1800のフローチャートである。例えば、1年又は2年の寿命期間は、1年未満に下がる。ほとんどのシステムは、再充電することなく長時間にわたってシステムに電力を供給するように構成されている内蔵電池を有する。ステップ1804において、検知システムは、(そのプロセッサ、MCUなどを介して)電源投入モジュールが作動されているかどうかを判定する。電池消耗は、用量検出システム単独で、すなわち、注射デバイス10と結合されていない場合、又はデバイス10に結合されている間に発生し得る。
【0137】
ステップ1806において、検知システムは、増加電力状態において検知システムの電子機器に電力を供給するために、電池から引き出される電力における増加を提供する。任意選択的に、ステップ1802(破線で示されている)において、検知システムは、ステップ1804の前に、用量検出システムが送達デバイスに結合されているかどうかを判定し得る。用量検出システムが結合されているかどうかの判定することは、本明細書に記載されている。ステップ1808において、検知システムが、システムが増加電力状態にある間、電源投入モジュールが第1の期間にわたって連続的に作動されたと判定する場合、検知システムの電子機器によって電池から引き出される電力を低減させて、低電力状態にする。ステップ1810において、検知システムが、電源投入モジュールが第1の期間に加えて、第2の期間にわたって連続的に作動されていると判定する場合、事象を示すデータを格納し、及び/又は事象信号をリモートコンピューティングシステムに通信するために、検知システムの電子機器によって電池から引き出される電力を増加電力状態に増加する。そのような事象が格納された後、システムは、電池から引き出される電力が低減されるように、低電力状態に戻り得る。任意選択的に、ステップ1812において、リモートコンピューティングシステムは、検知システムから受信した事象信号に基づいて、ユーザにインジケーションを提供することができる。このインジケーションは、リモートコンピューティングシステムの表示部1461を介して、システム80のユーザへのモバイルアプリを介して、音、光、画像、及び/又は英数字テキストの形式であり得る。例えば、ユーザは、用量検出システムの正しい取り扱い及び手入れ、及び/又は、例えば、「ボタンから圧力を取り除いてください」などの警告メッセージについて思い出させられ得る。警告の種類は、アプリ警告に加えて、ユーザのスマートフォンの表示部又はユーザによって指定された別のスマートフォン上のメッセージングシステムを介して通信のためのメッセージを生成することを含み得る。
【0138】
検知システムは、行動が問題に対処するためにユーザによって行われるまで、追加の期間、第2の期間(その後、システムが低電力状態に戻る)を超えて、電源投入モジュールの連続的作動を監視し続け得る。例えば、電源投入モジュールが第1及び第2の期間に加えて、第3の期間にわたって連続的に作動状態にある場合、検知システムは、システムによって電池から引き出される電力を低電力状態から増加電力状態に増加させ、別の事象を生成し得る。第3の期間は、第1の期間より長くなり得る。一例では、第3の期間は、上述の第2の期間と同じ時間量であり得る。他の例では、2回目以降の期間は、後続の警告をユーザに段階的に増大するという形態でますます短くなり得る。
【0139】
一実施形態では、電源投入モジュールがどのくらい長く作動しているかを判定するために、ステップ1807において、システムは、電源投入モジュールが作動状態においてどのくらい長く連続的に維持されるかを測定するように構成されている。ボタン139が用量本体88内に軸方向に押し込まれ、電源投入モジュール1406が、RTC1414によって測定された、例えば、約20~60秒、一実施形態では、60秒後の範囲の第1の期間にわたって連続的に作動される場合、システムは、これを偶発的な押下と見なし得る。この時間は、60秒より短く又は長く修正され得る。ボタン139の最初の押下は、ステップ1806のように、検知システムの電子機器によって電池から引き出される電力を電力増加状態に増加させるために、スイッチ137を作動させることになる。増加電力状態にあるとき、検知システムは、注射デバイスの被検知素子の任意の動きを検知するために、例えば、ホール効果センサなどの検知構成要素に電力供給することを可能にする。次いで、動きがない場合、作動は、偶発的なものであった可能性がある。例えば、60秒の連続的作動などの後、検知システムは、検知システムの電子機器によって電池から引き出される電力を低電力状態に低減し得る。次いで、検知システムは、例えば、「ボタンがまだ押されている」などの事象を示すデータをそのメモリ1408に格納し得る。一実施形態では、電源投入モジュールが、(システムが低電力状態に戻った後)第1の期間よりも長い第2の期間にわたって、連続的に作動されたままである場合、システムは、増加電力状態に戻り得る。第2の期間は、例えば、1~9分などの範囲にあり得、一実施形態では、RTC1414によって測定されるように9分である。連続的な作動の結合された総分数は、第1の期間と第2の期間の合計となり、第2の期間の満了後、検知システムは、事象を示すデータを格納するために、低電力状態から増加電力状態への検知システムの電子機器によって電池から引き出される電力における増加を提供する。格納された事象は、例えば、「ボタンがまだ押されている」であり得、及び/又は用量検出システム80の通信ユニット1410を介して、事象信号をリモートコンピューティングシステム104の通信デバイス1467に伝送し得る。例えば、結合された総時間は、10分間の連続的作動(第1の期間について1分、第2の期間について9分)であり得る。例えば、結合された総時間は、5分間の連続的作動(第1の期間について1分、第2の期間について4分)であり得る。事象の伝送は、事象の格納がある任意の時間に発生し得、又はリモートコンピューティングシステムへの次の接続中に発生し得る。検知システムが第2の期間を超えて電源投入モジュールの連続的作動を監視している場合、追加の事象は、トリガーされ、及び格納され得る。一実施形態では、システムは、1つの事象信号のみをリモートコンピューティングデバイスに伝送するために、ステップを1回通過し得る。
【0140】
電源投入モジュールが作動される時間量を監視することに基づいて事象信号を生成することに加えて、又はむしろ、事象信号は、方法1800において、ステップ1804及び1807における注射事象の期間で、又は注射事象の間に、電源投入モジュールが作動される回数を監視することによって生成され得る。例えば、システムは、押圧の数が、例えば、1~5分などの範囲における総時間について、例えば、10~40回/分などの範囲におけると判断するとき、事象信号を生成し得る。一例では、システムは、押下の数が2分の総時間について30回/分、又は2分について総押下60回であるとき、事象信号を生成し得る。選択された期間にわたる押下数に達すると、システムは、事象を格納するために、システムによって電池から引き出される電力を増加電力状態に増加させ得、かつ/又は事象をデバイスから警告インジケーションを生成するように構成されているリモートコンピューティングシステムに通信し得る。いくつかの実施形態による、用量検出システムの電源投入モジュール1406が、電池又は電源の早期消耗につながり得る回数について断続的に作動される場合、システム80のユーザにモバイルアプリを介して音、光、画像、又は英数字テキストのインジケーションを生成するための例示的なコンピュータ化された方法である。
【0141】
用量検出システムは、例としてペン型注射器などの薬物送達デバイスの特定の設計を用いて説明されてきた。しかしながら、例示的な用量検出システムはまた、本明細書に記載の様態で動作可能な、代替的な薬物送達デバイスとともに、及び他の検知構成とともに使用され得る。例えば、様々な検知及びスイッチシステムのうちのいずれか1つ以上がモジュールから省略される場合がある。
【0142】
本明細書で概説される様々な方法又はプロセスは、様々なオペレーティングシステム又はプラットフォームのうちのいずれか1つを使用する1つ以上のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとして、コード化され得る。加えて、そのようなソフトウェアは、多数の好適なプログラミング言語及び/又はプログラミングツール若しくはスクリプトツールのいずれかを使用して記述され得、また、仮想マシン又は好適なフレームワーク上で実行される実行可能機械語コード又は中間コードとしてコンパイルされ得る。
【0143】
この点で、様々な発明概念は、1つ以上のコンピュータ又は他のプロセッサ上で実行されると本発明の様々な実施形態を実施する、1つ以上のプログラムで符号化された、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、コンピュータメモリ、1つ以上のフロッピーディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイ若しくは他の半導体デバイスにおける回路構成、など)として具体化され得る。非一時的コンピュータ可読媒体又は複数の媒体は、移動可能であり得、その結果、そこに格納された1つ以上のプログラムは、上で考察されたような本発明の様々な態様を実装するため任意のコンピュータリソースにロードされ得る。
【0144】
「プログラム」、「ソフトウェア」、及び/又は「アプリケーション」という用語は、本明細書では、一般的な意味で使用され、上で考察されたような実施形態の様々な態様を実施するためにコンピュータ又は他のプロセッサをプログラムするために採用される、任意の種類のコンピュータコード又はコンピュータ実行可能命令のセットを指す。加えて、一態様によれば、実行されると本発明の方法を実施する1つ以上のコンピュータプログラムは、単一のコンピュータ又はプロセッサ上に存在する必要はないが、本発明の様々な態様を実施するため、異なるコンピュータ又はプロセッサ間でモジュール方式により配布され得ることを理解されたい。
【0145】
コンピュータ実行可能命令は、プログラムモジュールなど、1つ以上のコンピュータ又は他のデバイスによって実行される多くの形態であり得る。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実施するか、又は特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などが含まれる。典型的には、プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において所望されるように組み合わされ、又は分散され得る。
【0146】
また、データ構造は、任意の好適な形態で、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に格納され得る。データ構造には、そのデータ構造内の場所によって関連付けられているフィールドが含まれる場合がある。そのような関係は、同様に、フィールド間の関係を伝達する非一時的コンピュータ可読媒体内の場所を備えたフィールドに、記憶域を割り当てることによって達成することができる。しかしながら、任意の好適なメカニズムを使用して、データ要素間の関係を確立するポインタ、タグ、又は他のメカニズムの使用を介することを含む、データ構造のフィールド内の情報間の関係を確立することができる。
【0147】
様々な発明概念は、1つ以上の方法として具体化することができ、その例が提供されている。方法の一部として実施される動作は、任意の好適な様式で順序付けられてもよい。したがって、例示的な実施形態では順次行為として示されているが、いくつかの行為を同時に実行することを含み得る、図示されたものと異なる順序で行為が実行される実施形態が構築され得る。
【0148】
本明細書及び特許請求の範囲において本明細書で使用される不定冠詞「a」及び「an」は、明確に反すると示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。本明細書の明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、1つ以上の要素のリストに関連する「少なくとも1つ(at least one)」という句は、要素のリスト内の要素のうちの任意の1つ以上から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであり、要素のリスト内に具体的にリストされている各要素及び全ての要素の少なくとも1つを含む必要はなく、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外するものでもない。これにより、「少なくとも1つ」という句が参照する要素のリスト内で具体的に特定される要素以外の要素は、具体的に特定されるこれらの要素に関連するか関連しないかにかかわらず、任意選択的に存在することができる。
【0149】
本明細書及び特許請求の範囲において本明細書で使用される「及び/又は(and/or)」という句は、そのように結合された要素、すなわち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素の「いずれか一方又は両方(either or both)」を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」を用いてリストされた複数の要素は、同じ形式で解釈する必要があり、すなわち、そのように結合された要素の「1つ以上(one or more)」である。「及び/又は」節によって具体的に特定される要素以外の他の要素は、具体的に特定されるこれらの要素に関連するかどうかにかかわらず、任意選択的に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「A及び/又はB」への言及は、「含む(comprising)」などの制限のない言語と組み合わせて使用される場合、一実施形態では、Aのみ(任意選択的にB以外の要素を含む)についての言及、別の実施形態では、Bのみ(任意選択的にA以外の要素を含む)についての言及、更に別の実施形態では、AとBの両方(任意選択的に他の要素を含む)についての言及などであり得る。
【0150】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「又は」は、上記で定義された「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「又は」又は「及び/又は」は包括的であると解釈されるものとする。すなわち、複数の要素又は要素のリストうちの少なくとも1つだけでなく複数を含むものと解釈され、任意選択的に、追加のリストされていない項目も含むものと解釈されるものとする。「のうちの1つのみ(only one of)」又は「のうちの正確に1つ(exactly one of)」、又は特許請求の範囲で使用される場合、「からなる(consisting of)」など、反対に明確に示される用語のみが、複数の要素又は要素のリストうちの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用される場合、「又は」という用語は、「いずれか(either)」、「のうちの1つ(one of)」、「のうちの1つのみ」、又は「のうちの正確に1つ」などの排他的な用語が続く場合、排他的選択(すなわち、「一方又は他方であるが両方ではない(one or the other but not both)」)を示すと解釈されるべきである。「本質的にからなる(consisting essentially of)」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0151】
特許請求の範囲において、特許請求項の要素を修飾ための「第1」、「第2」、「第3」などの序数用語の使用は、それ自体では、いかなる優先順位、先行順、又はある特許請求項の要素の別の特許請求項の要素に対する順序若しくは、ある方法の動作が実施される時間的順序を暗示するものではない。そのような用語は、特定の名前を有する1つの特許請求項の要素を、同じ名前を有する別の要素から区別するためのラベルとしてのみ使用される(しかし、序数用語の使用による)。
【0152】
本明細書で使用される語法及び専門用語は、説明目的のためであって、限定とみなされるべきではない。「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、及びそれらの変形の使用は、その後にリストされる項目及び追加の項目を包含することを意味する。
【0153】
本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明してきたが、当業者には、様々な修正及び改良が容易に生じるであろう。そのような修正及び改良は、本発明の趣旨及び範囲内にあることが意図されている。したがって、前述の説明は単なる例示にすぎず、限定を意図するものではない。
【0154】
以下の態様を含むがこれらに限定されない様々な態様が、この開示に記載されている。
【0155】
1.用量検出システム用の光インジケーションパターンを生成するように構成されたシステムであって、システムは、1つ以上の発光ダイオード(LED)と、1つ以上の電池と、処理回路と、を備え、処理回路は、用量検出システム用の複数のユースケースタイプからあるユースケースタイプを判定し、複数の電池寿命状態から上記1つ以上の電池の電池寿命状態を判定し、かつ1つ以上のLEDを介して光インジケーションパターンを提供するように構成されており、1つ以上のLEDは、(i)判定されたユースケースタイプに基づく第1の光インジケーションセグメントと、(ii)第1の光インジケーションセグメントの完了後のある遅延期間後の判定された電池寿命状態に基づく第2の光インジケーションセグメントと、を備える、システム。
【0156】
2.作動状態と停止状態との間で切り替え可能な電源投入モジュールを更に備え、処理回路により、電源投入モジュールがある期間にわたって連続的に作動状態にあるかどうかを判定し、ユースケースタイプは、電源投入モジュールの判定された連続的作動期間に少なくとも部分的に基づいて判定される、態様1に記載のシステム。
【0157】
3.用量注射中に使用される被検知素子の動きを検知するように構成された検知素子を更に備え、処理回路により、検知素子を介して被検知素子が存在しているかどうかを判定し、検知素子の判定された存在に基づいて、ユースケースタイプを判定させる態様1又は2に記載のシステム。
【0158】
4.処理回路により、検知素子を介して被検知素子が動いているかどうかを判定し、検知素子の判定された動きに基づいて、ユースケースタイプを判定させる、態様4に記載のシステム。
【0159】
5.作動状態と停止状態との間で切り替え可能な電源投入モジュールと、用量注射中に使用される被検知素子の動きを検知するように構成された検知素子と、を更に備え、処理回路により、(a)電源投入モジュールがある期間にわたって連続的に作動状態にあるかどうかを判定し、(b)検知素子を介して被検知素子が動いているかどうかを判定し、ユースケースタイプは、電源投入モジュールの判定された連続的作動期間、及び検知素子の判定された動きに基づいて判定される、態様1に記載のシステム。
【0160】
6.電源投入モジュールの連続的作動期間が第1の時間範囲内にあるとき、及び処理回路が被検知要素が動いていないと判定するとき、処理回路により、LEDのセットを介して単一の光インジケーションパターンの第1の光インジケーションセグメントの第1のパターンを提供する、態様5に記載のシステム。
【0161】
7.電源投入モジュールの連続的作動期間が第2の時間範囲内にあるとき、及び処理回路が被検知要素が動いていないと判定するとき、処理回路により、LEDのセットを介して単一の光インジケーションパターンの第1の光インジケーションセグメントの第2のパターンを提供する、態様5又は6に記載のシステム。
【0162】
8.被検知素子が動いていると判定されるとき、処理回路により、LEDのセットを介して単一の光インジケーションパターンの第1の光インジケーションセグメントの第3のパターンを提供する、態様5~7のいずれか一項に記載のシステム。
【0163】
9.判定された電池寿命状態は、第1の状態、第2の状態、第3の状態、又はそれらの任意の組み合わせを含む、態様5~8のいずれか一項に記載のシステム。
【0164】
10.処理回路により、
電池寿命状態が第1の状態であるとの判定に応答して、第2の光インジケーションセグメントの第1のパターンを提供し、電池寿命状態が第2の状態であるとの判定に応答して、第2の光インジケーションセグメントの第2のパターンを提供し、電池寿命状態が第3の状態であるとの判定に応答して、第2の光インジケーションセグメントの第3のパターンを提供する、態様9に記載のシステム。
【0165】
11.作動状態と停止状態との間で切り替え可能な電源投入モジュールと、用量注射中に使用される被検知素子の動きを検知するように構成された検知素子と、を更に備え、処理回路により、(a)電源投入モジュールがある期間にわたって連続的に作動状態にあるかどうかを判定し、(b)検知素子を介して被検知素子が存在しているかどうかを判定し、(c)検知素子を介して被検知素子が回転しているかどうかを判定し、ユースケースタイプは、電源投入モジュールの判定された連続的作動期間に検知素子の判定された存在、及び検知素子の判定された回転運動に基づいて判定され、用量検出システムは、ペン型注射デバイスに取り外し可能に取り付けられ、用量検出システムは、検知素子と、電源投入モジュールと、LEDと、を含み、ペン型注射デバイスは、被検知素子を含む、態様1に記載のシステム。
【0166】
12.検知素子は、複数の磁気センサを備え、被検知素子は、回転可能な磁気リングを備える、態様11に記載のシステム。
【0167】
13.用量検出システム用の単一の光インジケーションパターンを生成するための方法であって、用量検出システムは、1つ以上の発光ダイオード(LED)と、1つ以上の電池と、を含み、用量検出システム用の複数のユースケースタイプからあるユースケースタイプを判定することと、複数の電池寿命状態から上記1つ以上の電池の電池寿命状態を判定することと、判定されたユースケースタイプに基づく第1の光インジケーションセグメントと、第1の光インジケーションセグメントの完了後のある遅延期間後の判定された電池寿命状態に基づく第2の光インジケーションセグメントと、を備える1つ以上のLEDを介して光インジケーションパターンを提供することと、を含む、方法。
【0168】
14.ユースケースタイプを判定するステップは、電源投入モジュールの連続的作動期間を判定することと、検知素子を介して被検知素子が存在しているかどうかを判定することと、検知素子を介して被検知素子が動いているかどうかを判定することと、のうち少なくとも1つを含む、態様13に記載の方法。
【0169】
15.電源投入モジュールの連続的作動期間が第1の時間範囲内にあるとき、及び被検知素子が動いていないと判定されるとき、光インジケーションパターンを提供するステップは、1つ以上のLEDを介して光インジケーションパターンの第1の光インジケーションセグメントの第1のパターンを提供することを含むか、電源投入モジュールの連続的作動期間が第2の時間範囲内にあるとき、及び被検知素子が動いていないと判定されるとき、光インジケーションパターンを提供するステップは、1つ以上のLEDを介して第1の光インジケーションセグメントの第2のパターンを提供することを含むか、又は被検知素子が動いていると判定されるとき、処理回路により、1つ以上のLEDを介して第1の光インジケーションセグメントの第3のパターンを提供する、態様14に記載の方法。
【0170】
16.1つの電池寿命状態を判定するステップは、電池寿命状態を第1の状態、第2の状態、第3の状態の間で区別することを含み、単一の光インジケーションパターンを提供するステップは、電池寿命状態が第1の状態にあるとき、第2の光インジケーションセグメントの第1のパターンを提供することを含むか、電池寿命状態が第2の状態にあるとき、第2の光インジケーションセグメントの第2のパターンを提供することを含むか、又は、電池寿命状態が第3の状態にあるとき、第2の光インジケーションセグメントの第3のパターンを提供することと、を含む、態様15に記載の方法。
【0171】
17.用量検出システム用の電池の消耗を低減するように構成されたシステムであって、システムは、作動状態と停止状態との間で切り替え可能な電源投入モジュールと、電池と、コンピュータ可読命令を実行するように構成された処理回路と、を備え、コンピュータ可読命令は、処理回路に、電源投入モジュールが停止状態から作動状態に切り替えられるとき、システムによって電池から引き出される電力を増加電力状態に増加させ、電源投入モジュールが作動状態においてどのくらい長く連続的に維持されるかを測定し、電源投入モジュールが第1の期間にわたって連続的に作動状態にある場合、システムによって電池から引き出される電力を低電力状態に低減し、その後、電源投入モジュールが第1の期間に加えて第2の期間に連続的に作動状態にある場合、システムによって電池から引き出される電力を低電力状態から増加電力状態に増加させ、事象を生成し、かつ上記事象を示すデータを用量検出システムのメモリに格納することを行わせる、システム。
【0172】
18.処理回路により更に、上記事象を示す上記データをリモートコンピューティングシステムに通信し、リモートコンピューティングシステムは、リモートコンピューティングシステムのユーザに上記事象を示す通知を生成するように構成されている、態様17に記載のシステム。
【0173】
19.処理回路により更に、上記事象を示す上記データが格納された後、電池から引き出される電力を低電力状態に低減し、その後、電源投入モジュールが第1及び第2の期間に加えて、第3の期間にわたって連続的に作動状態にある場合、電池から引き出される電力を低電力状態から増加電力状態に増加させ、第2の事象を生成し、かつ上記第2の事象を示すデータを上記メモリに格納する、態様17又は18に記載のシステム。
【0174】
20.処理回路により更に、第2の事象を示す上記データをリモートコンピューティングシステムに通信し、リモートコンピューティングシステムは、リモートコンピューティングシステムのユーザに上記第2の事象を示す第2の通知を生成するように構成されている、態様19に記載のシステム。
【0175】
21.第1の期間は、20秒~1分の範囲にあり、第2の期間及び第3の期間の各々は、第1の期間よりも長い、態様19又は20に記載のシステム。
【0176】
22.第1の期間は、20秒~1分の範囲にあり、第2の期間は、第1の期間の期間より長い、態様17又は18に記載のシステム。
【0177】
23.用量検出システム用の電池の消耗を低減するための方法であって、システムは、電源投入モジュールと、電池と、を含み、上記電源投入モジュールが作動状態に切り替えられるとき、システムによって上記電池から引き出される電力を増加電力状態に増加することと、電源投入モジュールが作動状態においてどのくらい長く連続的に維持されるかを測定することと、期間が第1の期間を含むとき、電源投入モジュールが期間の間に連続的に作動状態にある場合、システムによって上記電池から引き出される電力を増加電力状態から低電力状態に低減することと、その後、期間が第1の期間に加えて第2の期間を含むとき、電源投入モジュールが連続的に作動状態にある場合、システムによって上記電池から引き出される電力を低電力状態から増加電力状態に増加させ、事象を生成することと、上記事象を示すデータを用量検出システムのメモリに格納することと、を含む、方法。
【0178】
24.上記事象を示すデータをリモートコンピューティングシステムに通信することを更に含み、リモートコンピューティングシステムは、リモートコンピューティングシステムのユーザに上記事象を示す通知を生成するように構成されている、態様23に記載の方法。
【0179】
25.上記事象を示すデータが格納された後、システムによって電池から引き出される電力を低電力状態に低減することと、その後、電源投入モジュールが第1及び第2の期間に加えて第3の期間、連続的に作動状態にある場合、システムによって電池から引き出される電力を低電力状態から増加電力状態に増加させ、第2の事象を生成することと、上記第2の事象を示すデータを上記メモリに格納することと、を更に含む、態様24に記載の方法。
【0180】
26.上記第2の事象を示すデータをリモートコンピューティングシステム通信することを更に含み、リモートコンピューティングシステムは、リモートコンピューティングシステムのユーザに上記第2の事象を示す第2の通知を生成するように構成されている、態様25に記載の方法。
【0181】
27.第1の期間は、20秒~1分の範囲にあり、第2の期間及び第3の期間の各々は、第1の期間よりも長い、態様25又は26に記載の方法。
【0182】
28.第1の期間は、20秒~1分の範囲であり、第2の期間は、第1の期間の期間より長い、態様23に記載の方法。
【0183】
29.用量検出システムが結合される薬物送達デバイスを更に備え、薬物送達デバイスは、薬物を含む、態様1又は態様17に記載のシステム。
【0184】
30.用量検出システム用の電池の消耗を低減するように構成されたシステムであって、システムは、作動状態と停止状態との間で切り替え可能な電源投入モジュールと、電池と、コンピュータ可読命令を実行するように構成された処理回路と、を備え、コンピュータ可読命令は、処理回路に、電源投入モジュールが停止状態から作動状態に切り替えられるとき、システムによって電池から引き出される電力を増加電力状態に増加させ、電源投入モジュールがある期間に何回作動状態にあるのかを測定し、電源投入モジュールが第1の期間に第1の回数だけ作動状態にある場合、システムによって電池から引き出される電力を低電力状態から増加電力状態に増加させ、事象を生成し、かつ上記事象を示すデータを用量検出システムのメモリに格納することを行わせる、システム。
【0185】
31.用量検出システム用の電池の消耗を低減するための方法であって、システムは、電源投入モジュールと、電池と、を含み、上記電源投入モジュールが作動状態に切り替えられるとき、システムによって上記電池から引き出される電力を増加電力状態に増加することと、電源投入モジュールがある期間に何回作動状態にあるのかを測定することと、期間が第1の期間を含むとき、電源投入モジュールが期間の間に連続的に作動状態にある場合、システムによって上記電池から引き出される電力を増加電力状態から低電力状態に低減することと、電源投入モジュールが第1の期間に第1の回数だけ作動状態にある場合、システムによって電池から引き出される電力を低電力状態から増加電力状態に増加させ、事象を生成することと、上記事象を示すデータを用量検出システムのメモリに格納することと、を含む、方法。