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特許7579974燃料電池積層体の構成要素のための製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】燃料電池積層体の構成要素のための製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0226 20160101AFI20241031BHJP
   H01M 8/0213 20160101ALI20241031BHJP
   H01M 8/0221 20160101ALI20241031BHJP
   B29C 33/20 20060101ALI20241031BHJP
   B29C 33/36 20060101ALI20241031BHJP
   B29C 43/48 20060101ALN20241031BHJP
【FI】
H01M8/0226
H01M8/0213
H01M8/0221
B29C33/20
B29C33/36
B29C43/48
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023527256
(86)(22)【出願日】2021-11-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2021081403
(87)【国際公開番号】W WO2022101351
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-05-09
(31)【優先権主張番号】102020006943.6
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522100316
【氏名又は名称】セルセントリック・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ハオスマン
(72)【発明者】
【氏名】フベルトゥス・レヘルマン
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-297338(JP,A)
【文献】特表2009-525889(JP,A)
【文献】特表2016-541096(JP,A)
【文献】特開2017-103220(JP,A)
【文献】特開2006-269313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/02
B29C 33/20
B29C 33/36
B29C 43/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダブル・ベルト・プレス(1,14)を使用した、少なくとも1つのプラスチックと少なくとも1つの導電性フィラーとを含む混合物からの、燃料電池積層体の構成要素のための製造方法であって、
前記混合物からの、硬化前のまたは完全には硬化していないウェブ状のブランク(2)が、複数の個別セグメント(4)を具備した定積型ダブル・ベルト・プレス(1)に供給されるものであり、前記個別セグメント(4)のそれぞれは、前記ブランク(2)が前記ダブル・ベルト・プレス(1)を通過する際に前記ブランク(2)を前記構成要素に成形するための成形構造を有し、前記ダブル・ベルト・プレス(1)の2つのベルト(3)上の前記個別セグメント(4)は、対応する係止要素(13)を介して、プレス工程中に互いに位置決めされ、および前記複数の個別セグメント(4)のうちの少なくとも1つの個別セグメント(4)は、他の個別セグメント(4)の成形構造とは異なる成形構造を有する少なくとも1つの個別セグメント(4)が使用される、前記製造方法。
【請求項2】
前記混合物が、少なくとも1つの熱硬化性樹脂と、導電性粒子、特にグラファイトとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
個別セグメント(4)を具備した定積型ダブル・ベルト・プレス(1)が使用され、前記個別セグメントが交換可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
少なくとも1つのベルト(3)上の前記個別セグメント(4)がこの周回するベルト(3)で回転できるように取り付けられているダブル・ベルト・プレス(1)が使用されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記個別セグメント(4)が、前記ダブル・ベルト・プレス(1)の入口領域で他方のベルト(3)の前記個別セグメント(4)と重力方向に整列するように取り付けられていることを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
構成要素として、バイポーラ・プレート(5)および/またはインターフェイス・プレートのアノード側およびカソード側の半部が製造されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
燃料電池積層体用のバイポーラ・プレート(5)および/またはインターフェイス・プレートのための製造方法であって、
個別セグメント(4)を具備した2つの定積型ダブル・ベルト・プレス(1)を介して、前記バイポーラ・プレート(5)および/またはインターフェイス・プレートのカソード側およびアノード側の半部が、請求項1から6のいずれか一項に記載の製造方法にしたがって製造され、その後、前記バイポーラ・プレート(5)および/またはインターフェイス・プレートの前記半部が、定圧型ダブル・ベルト・プレス(14)で接着されることを特徴とする、製造方法。
【請求項8】
前記定圧型ダブル・ベルト・プレス(14)は、前記バイポーラ・プレート(5)および/またはインターフェイス・プレートの表面にシールを適用するために、プレス工程側とは反対側にシール材料が備えられた構造体を、そのベルト(3)上に有することを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
少なくとも1つの前記ダブル・ベルト・プレス(1,14)の領域内に、材料流れ方向(m)に沿って温度が異なるゾーン(I,II,III)が設けられることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記材料流れ方向(m)に沿って温度が低下する少なくとも3つのゾーン(I,II,III)が設けられることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
少なくとも1つの前記定積型および/または定圧型のダブル・ベルト・プレス(1,14)の下流側に、前記構成要素および/または前記バイポーラ・プレート(5)および/またはインターフェイス・プレートの後処理のための少なくとも1つのステーション(20,23)が設けられ、前記後処理が特にレーザー加工を含むことを特徴とする、請求項に記載の製造方法。
【請求項12】
請求項6または7に記載の製造方法で製造された前記バイポーラ・プレートまたはインターフェイス・プレートを使用する、事前に組み立てられた膜電極ユニットの取付けが、連続するダブル・ベルト・プレスの方法で行われることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに詳細に明示される種類の燃料電池積層体の構成要素のための製造方法に関する。それに加えて本発明は、燃料電池積層体用のバイポーラ・プレートのための製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池積層体用の構成要素を、特に燃料電池積層体用のバイポーラ・プレートまたはバイポーラ・プレートの部材を、プラスチックと少なくとも1つの導電性フィラーとから成る混合物から製造すること自体は、従来技術より知られている。典型的には、この目的のために適切なプレスが使用され、ホット・プレスにより30秒から90秒にわたるかなり時間がかかるプロセスで、導電性フィラーを備えた熱硬化性樹脂のホット・プレスが行われる。あるいはその代わりに、熱可塑性樹脂をベースとしてそのような構成要素を製造するために、様々なコールド・プレスを導入することもできる。これには、剛性が格段と劣るという短所が付随する。また、例えばシート・モールディング・コンパウンドの回転式エンボス加工のような、さらに別の方法も原則的に可能ではあるが、しかしながらこの方法ではかなりの厚肉とすることが要求されるために、そのようにして製造される燃料電池積層体の内部にもたらされるエネルギー密度が結局は低くなる上に、幾何形状の成形に関しても非常に顕著な制約を受ける。あるいはその代わりに、例えばワニスまたはその類い等の別のプラスチックを使用することも可能である。これは、しばしば、さらにもう1つのプラスチックからの担体フィルム上に配設される。
【0003】
それ以外にも特許文献1の形態をとる従来技術から、いわゆるダブル・ベルト・プレスを使用して導電性コンポジット材料をブランクとして製造することが知られている。しかしながらこのシステムは、低圧である上にそれぞれのベルトの同期化に困難を極めるために、構成要素の製造には不向きである。
【文献】WO 01/60593 A2
【0004】
それ以外の従来技術については、さらに特許文献2を引き合いに出すことができる。そこにはグラファイトと樹脂とから成る流れ場プレートを製造するための方法が説明されるが、そのような混合物が溶融される。そのためにこの混合物は相応に押し出されて、多数の流れ場を備えた型枠内に持ち込まれて、その後でそれぞれの流れ場が個別プレートに分割される。この型枠が、燃料電池積層体用の流れ場を有するバイポーラ・プレート内に、それぞれ所望される構造の流れ場を作り出すための一種の成形ツールである。型枠内で材料を溶融して、引き続いて硬化させる工程にも同様に、かなりの工数と時間がかかる。それに加えて型枠内での硬化工程においては、液状で装填される材料の振動プロセスにより、望ましくない形状誤差はほとんど回避され得ず、それにより、流れ場の機能性を確保するために、積層方向の材料厚さをかなり厚くすることが不可欠となる。
【文献】EP 2 801 121 B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明の課題は、燃料電池積層体の構成要素および/またはバイポーラ・プレートのための、少なくとも1つのプラスチックと少なくとも1つの導電性フィラーとの混合物からの、可能な限りエネルギー効率および時間効率に優れた製造方法を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明によれば、請求項1にしたがった燃料電池積層体の構成要素のための製造方法により解決される。製造方法のこの実施態様の幾つかの有益な構成形態および展開構成例は、これに従属しているそれぞれの従属請求項から明らかにされる。それに加えてこの課題は、請求項8にしたがったバイポーラ・プレートのための製造方法によっても解決される。そこでも、これに従属している従属請求項により、非常に有利で有益な展開構成例が明らかにされている。両方の製造方法を対象として使用することができる有利な構成形態および展開構成例は、両方の製造方法に関するさらに別の従属請求項である請求項10から12に提示されている。
【0007】
本発明にしたがった燃料電池積層体の構成要素のための製造方法では、上述の従来技術における方法に類似して、ダブル・ベルト・プレスが導入される。本発明にしたがった製造方法においては、従来のようにウェブ状のブランクだけが生産されるのではなく、その代わりに、上述の混合物からの、硬化前のまたは完全には硬化していないウェブ状のブランクが、個別セグメントを具備した定積型ダブル・ベルト・プレスに供給される。この特殊な種類のダブル・ベルト・プレスの個別セグメントのそれぞれは、ブランクがダブル・ベルト・プレスを通過する際にブランクを成形するための成形構造を有する。ダブル・ベルト・プレスの2つのベルト上のこれらの個別セグメントは、対応する係止要素を介して、プレス工程中に互いに係止し合い、それによりプレス工程中に、優れた信頼度と再現度で互いに位置決めされる。
【0008】
すなわちこの製造方法により、プレス工程中に互いに係止し合う個別セグメントを具備した特殊なダブル・ベルト・プレスで、ブランクにプレス工程中に成形構造を正確に位置出しして作り込むことが可能となる。これが連続プロセスとなっており、またまだ(完全には)硬化していない脆弱な構成要素の複雑な取り扱いが一切不要となっている。それどころか、それぞれ該当する定積型ダブル・ベルト・プレスで作られるこれらの構成要素は、最終的に硬化した状態に至る。それにより、短時間で大量の構成要素を供出可能な連続製造プロセスが許容される。したがって構成要素当たり0.5秒を大幅に下回るプロセス時間が可能となる。その際に構成要素は、これらの個別セグメントにより作り込まれる一定の構造が、片面だけに備えられるようにしてもよいし、-好ましくは-両面に備えられるようにしてもよい。
【0009】
特にそれにより、本発明にしたがった製造方法の有益な展開構成例にしたがって、燃料電池積層体用のバイポーラ・プレートおよび/またはインターフェイス・プレートのアノード側およびカソード側の半部を製造することができる。本発明にしたがった製造方法を用いることで、それぞれの流れ場、ならびにそれぞれの接続用開口部およびそれぞれの分散構造の必要とされる構造を、効率的に優れた形状精度で作製することができる。
【0010】
その際にそれぞれの個別セグメントは、本発明にしたがった製造方法の有益な展開構成例にしたがって、ダブル・ベルト・プレスに交換可能に組み込まれていてもよく、それにより構成要素、特にバイポーラ・プレートの半部の幾何形状の様々な要求項目や変更に簡単かつ迅速に応答することができる。
【0011】
さらにもう1つの非常に有益な構成形態にしたがって、少なくとも1つの個別セグメントは、他の個別セグメントの成形構造とは異なる成形構造を有してもよい。これらの個別セグメントを具備したダブル・ベルト・プレスは、好適にはかなりの大型に構成されていてもよい。それとともに、そのようなダブル・ベルト・プレスを、例えばバイポーラ・プレートのカソード側の半部を製造するために導入して、さらにこれに隣接して配設されるさらにもう1つのダブル・ベルト・プレスを、バイポーラ・プレートのアノード側の半部を製造するために導入してもよい。これらのバイポーラ・プレートから組み立てられる燃料電池積層体すなわちスタックが、例えば総数で250個から300個の単セルを備えて構成されるのであれば、個別セグメントの個数をそれに合わせることによって、一回通過するだけで、すなわちそれぞれのベルトが1周回するだけで、バイポーラ・プレートの半部の全必要数を製造できる。その際に、これらの個別セグメントの内の1つが、バイポーラ・プレート用の一方の半割りシェルではなく、その代わりに、インターフェイス・プレート、すなわち燃料電池積層体をそれぞれ閉止するプレート用の一方の半割りシェルを構成するように構成されている場合には、2つのそのようなダブル・ベルト・プレスが1周回するだけで、燃料電池積層体全体のための1セットのバイポーラ・プレートおよびインターフェイス・プレートを簡単かつ効率的に製造できる。その場合は、それぞれの半部を引き続いて選別する、および/または重ね直す工程が不要である。この明細書本文中では便宜上、非常に多くのケースでバイポーラ・プレートだけが言及されるが、しかし有意であるのは常に、相応のインターフェイス・プレートについてもこれに包摂されるものとする。
【0012】
さらにこの製造方法の特に有利な構成形態の一例においては、定積型ダブル・ベルト・プレスの少なくとも1つのベルトの個別セグメントが、周回するベルトで回転できるように取り付けられていることを企図する。少なくとも1つのベルトの個別セグメントのこの回転運動性により、互いに突き合わされる2つの個別セグメントのそれぞれ対応する係止要素同士が係合し易くなるように、これらの個別セグメントが、その時々の領域内で、ベルトの向きに関係なく、ある程度まで回転することを可能にしている。
【0013】
上述の構成形態の非常に有利な展開構成例によれば、プレスの入口領域で、他方のベルトの個別セグメントに対して、重力によりアライメント調整することができる。すなわちそれぞれの個別セグメントは、重力による水平出しが行われて、他方のベルトのところに、相応にアライメント調整される、またはそこに相応に取り付けられているそれぞれの個別セグメントと、高信頼度と優れた位置精度で協働するように、回転運動を可能とする何らかの取付け部を介して相応に受け入れられていてもよい。これらの個別セグメントがそのように水平出しされた状態で突き合わされることにより、特に両面とも構造化される構成要素については、プレス加工に際して高い形状精度が達成される。
【0014】
本発明にしたがったバイポーラ・プレートのための好ましい製造方法ではさらに、個別セグメントを具備した2つまたはそれ以上のダブル・ベルト・プレスを使用して、特に上述の様々な構成態様の内のいずれか1つにならって、バイポーラ・プレート用のカソード側およびアノード側の半部をそれぞれ製造することを企図する。その後、それに続いてこれらの半部は、従来型の定圧型ダブル・ベルト・プレス内で、依然として連続している同じプロセスにおいて、互いに接着される。ここでも、それぞれの要素を個別に切り離して取り扱う工程は一切不要である。それどころかこれらの要素は、2つの定積型ダブル・ベルト・プレスから、置き換えたり一時的に保管したりすることなく、この定圧型ダブル・ベルト・プレスに直接供給して、所望の方式で互いに接着され得る。
【0015】
後続の定圧型ダブル・ベルト・プレス内でそれぞれのバイポーラ・プレートが高信頼度で互いに接着されるようにするために、接着剤は、定圧型ダブル・ベルト・プレスに到達する前に、規定通りに使用される場合には重力の向きで下側から供給されるそれぞれのバイポーラ・プレートの半部の表面に、例えばシルク・スクリーンまたはその類いの方法を使用して、好適には重力の助けを借りて適宜適用される。それにより、信頼性に非常に優れる上に殊の外高速である連続プロセスにおける全バイポーラ・プレートの簡単な製造が許容される。
【0016】
ベルトのプレス工程側とは反対側に、これらのベルトが相応に構造化されている場合には、さらなる要素が、例えば、後工程でそれぞれの単セルをシールするために使用される、それぞれのバイポーラ・プレートと、それに隣接するいわゆる膜電極接合体(MEA:Membrane Ekectrode Assembly)または好適にはフレーム付き膜電極接合体(MEFA:Membrane Electrode Frame Assembly)との間の一定のシール効果を保証するシーリングが適用される。そのシール材料は、各ベルトのエッチング構造の穴や溝の中に相応に受け入れられるようにして、定圧型ダブル・ベルト・プレス内でそれぞれのバイポーラ・プレートの表面に施されるようにするとよく、その結果これらのバイポーラ・プレートは、それぞれの半部によって互いに接着されるだけにとどまらず、各バイポーラ・プレートの外向きの面のうちの少なくとも片方の面または好ましくは両面で、必要とされるシーリングと同時に固定接続される。
【0017】
さらに上述の2つの製造方法において導入されるダブル・ベルト・プレスにおいては、すなわちそれぞれの半部を接着するための定圧型ダブル・ベルト・プレスにおいても、また構成要素または好ましくは半部を製造するための定積型ダブル・ベルト・プレスにおいても、それぞれのダブル・ベルト・プレス加工の領域内に、材料流れ方向に沿って温度が異なるゾーンが設けられてもよい。これにより、それぞれのダブル・ベルト・プレス内で製造の間に進行する様々なプロセスに対する各種各様の要求項目を一括して対処することができる。その場合は特に、材料流れ方向に沿って温度が低下する3つのゾーンが設けられていてもよい。定圧型ダブル・ベルト・プレスの領域内では、これらのゾーンにより、例えば各バイポーラ・プレートの接着工程、それに続くアライメント調整工程、および冷却工程が許容されることになり、その結果、互いに接着される両半部から平坦なバイポーラ・プレートを高信頼度で得ることができる。特に個別セグメントを具備した定積型ダブル・ベルト・プレスの領域内では、これらの温度ゾーンに特に、様々な構造をウェブ状ブランクに作り込むホット・プレス工程のための温度ゾーンと、それに続く冷却が含まれてもよいが、ほかにも特に、材料流れ方向に沿って、各半部のホット・プレス工程および緩慢な冷却工程のための、高温・中温・低温の3つの温度ゾーンが提供されてもよい。
【0018】
上述の両方の製造方法を対象として適用することができるさらにもう1つの非常に有益な構成形態では、定積型および/または定圧型ダブル・ベルト・プレスの内の少なくとも1つの下流側に、構成要素またはバイポーラ・プレートの後処理のためのステーションが設けられ、この後処理が特にレーザー加工を含む。そのようなレーザー加工を使用することで、例えばより一層大型に製造された面を、個別要素に分割することができる。ほかにも各バイポーラ・プレートの当該半部のデザイン次第によっては、表面上に様々な相応の構造および/またはミクロ構造を作製することにより、各バイポーラ・プレートの特定の領域を、それらが親水性または疎水性を示すように構成することも可能である。それに加え、そうすることによってほかにも、特にバイポーラ・プレートの半部が製造される場合は、最終工程でそれぞれの半部を貼り合わせてバイポーラ・プレートを得る際の、バイポーラ・プレート同士の付着性の向上、または各バイポーラ・プレートに後工程で施される様々なシーリングの付着性の向上を可能にする種々の構造を作り出すような様々な構造をもたらすことができる。それ以外にも後処理工程には、高温蒸気を用いた洗浄工程、プラズマ加工工程、またはその類いの工程も含まれてもよい。特にこの連続製造プロセスにおいては、そのような後処理工程の枠内でそれぞれの個別構成要素を切断したり折り取ったりすることで、1つひとつの構成要素および/またはバイポーラ・プレートが所定の基準破断地点に沿って切り離されるようにすることも、考えられるし、また実際に可能でもある。本発明にしたがった製造方法のさらに別の有益な構成形態は、以下で図面を参照しながら詳細に説明するそれぞれの実施例からも明らかにされる。
【0019】
本発明にしたがった方法のさらにもう1つの構成形態においては、先行する生産方法で製造されたバイポーラ・プレートまたはインターフェイス・プレートを使用する、事前に組み立てられた膜電極ユニットの取付けが、連続するダブル・ベルト・プレスの方法で行われる。膜電極ユニットから接着されてシールされるバイポーラ・プレートまたはインターフェイス・プレートが、いずれかのDBP(ダブル・ベルト・プレス)の助けを借りて連続的に互いに接合されるが、定積型プレスにおいて、前もって適用されていた接着剤の一定の硬化が行われるようにすると好ましく、さらに定圧型プレスにおいて、成形型内へのシール材料の注入が行われるようにすると好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】個別セグメントを具備した定積型ダブル・ベルト・プレスを示す概略図である。
図2図1から切り取った切片を拡大して示す概略図である。
図3図2から切り取った切片を拡大して示す概略図である。
図4】バイポーラ・プレートを上から見た概略図である。
図5】定圧型ダブル・ベルト・プレスを示す図である。
図6】バイポーラ・プレートの製造方法を概略的に示唆するプロセス構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1の図中には、全体に符号1を付したダブル・ベルト・プレスが描かれている。これは、上側領域のベルト構造体と、下側領域のベルト構造体とから成っている。例えばプラスチックと導電性フィラーとから成る未加工品2が、ウェブ状のブランクとして、このダブル・ベルト・プレス1に挿入されて、そこから符号mを付した材料流れ方向に沿って、このダブル・ベルト・プレスを通り搬送される。図1の図中のダブル・ベルト・プレス1は、いわゆる定積型ダブル・ベルト・プレス1として構成されている。これはそれぞれのベルト3の表面に、概略的に示唆されるに過ぎない多数の個別セグメント4を有している。その内の幾つかだけに符号4が付されている。
【0022】
個別セグメント4を有するこのようなダブル・ベルト・プレス1は、それぞれの個別セグメント4に成形構造を作り込むことができ、これらの構造を未加工品に転写して、例えばバイポーラ・プレート5またはインターフェイス・プレートのカソード側またはアノード側の半部を製造することが可能になる。バイポーラ・プレート5とは、燃料電池積層体の単セルと単セルの間に位置するプレートのことであり、図4の図中にはそのようなバイポーラ・プレート5を上から見た図が例示的に示されている。インターフェイス・プレートは、セル積層体のそれぞれ最後のプレートである、すなわち、隣接してつながる単セルがそれ以上どこにもないプレートであると解釈される。なお、燃料電池積層体の一方の端部に位置するのがアノード・インターフェイス・プレートであり、他方の端部に位置するのがカソード・インターフェイス・プレートである。したがって、類型的には200個から400個の単セルが具備される燃料電池積層体であれば、200から400のバイポーラ・プレート5に加え、カソード側とアノード側のインターフェイス・プレートがそれぞれ1つずつ、必要とされる。以下では便宜上常にバイポーラ・プレート5だけに言及されているが、これには常に当該インターフェイス・プレートも包摂されるものとする。
【0023】
図4の図中に上面図で例示的に示唆されるような、そのようなバイポーラ・プレート5自体は、典型的には2つの半部から製造されるが、これらは積層方向に互いに貼り合わされている。図4の図中では、バイポーラ・プレート5、そしてここでは例えばアノード側の半部を上から見た図を確認することができる。バイポーラ・プレート5に設けられた符号6を付した開口部を介して、例えば水素または水素含有ガスが供給されて、符号7を付した流れ場を介して、単セルもしくはそこに位置する単セルのコアを形成する膜電極接合体の表面に一様に分散される。残留ガスは開口部8を介して再び流れ出る。この半部の反対側には冷媒用の相応の流れ場が構成されているが、この冷媒は、開口部9を通り流れ込んで開口部10を通り再び流れ出る。ここでは図示される半部により覆い隠されている対向する半部は、図示の半部と同様に左右逆に反転して構成されており、このためこのカソード側の半部においては、空気または酸素が開口部11を介して流れ込んで、そこに設けられた、図4の図の裏側に位置する流れ場を介して分散されて、残留ガスもしくは排ガスが開口部12を介して再び流れ出る。バイポーラ・プレート5のこの構成方式は燃料電池の当業者には広く一般に知られるものであるために、ここではこれについてそれ以上詳しく立ち入るには及ばない。
【0024】
図1にしたがったダブル・ベルト・プレス1のそれぞれの個別セグメント4は、その内の幾つかについては、図2において再度拡大図で確認できるが、今ではプレス工程中に互いに対向するそれぞれの表面の領域内に相応の構造を有することによって、例えば図4において確認することができるバイポーラ・プレートのアノード側の半部の場合は、上側に上述の流れ場7を構成して、さらに裏側に冷媒用の相応の流れ場を構成するとともに、ほかにも特に後の燃料電池積層体の内部を通り抜ける様々な流路を構成する開口部もしくは突破口6、8、9、10、11、12も作製できる。これらの構造を、例えばグラファイトと熱硬化性樹脂とから成るブランク2に押さえ付けて型押しする際の、ある一定の十分な圧力を保証するとともに、それ以外にもアノード側の半部の例では、上述の流れ場7を有する表側と冷媒用の流れ場を有する裏側との間の精確さを同時に保証するために、今ではこれらの個別セグメント4が、少なくともプレス加工の間には、両方のベルト3間で互いに対して正確に位置合わせされた状態となるように、懸架されている。
【0025】
そのために個別セグメント4は、ベルト3のところに、少なくとも製造時に上側に位置するベルト3のところに、好適には回転自在に懸架され、それによりプレス加工の間にはこれらの個別セグメント4が、下側のベルト3のところを例えば水平方向に供給されるそれぞれの個別セグメント4と、ぴたりとはまり合う位置で突き当たる。このはめ合わせ精度を保証するために、図2の図のさらなる拡大図であると解釈することができる図3の図中で確認することができるように、係止要素13が設けられ、これらによって個別セグメント4が互いに対してぴたりとはまり合うように位置決めされることによって、プレス加工の間にバイポーラ・プレートの製造される半部の一方の面と他方の面との間に生じる製造公差が最小限となることを保証する。これらの係止要素13は、例えばここに示唆されるピンと-好適にはファネル状の-開口部の形態で実現されていてもよく、個別セグメント4がどんどん接近するにつれて、これらが互いの中にはまり込んでいくことによって、それぞれの個別セグメント4と、それぞれの個別セグメント4に作り込まれる、ここには図示されない成形構造とが、互いに対する所望の位置に優れた再現精度で保持されるようにしている。その後はこれらの構造により、一種のプレス型押し加工のようにして、供給されるブランク2の材料内に当該構造が作り込まれることによって、ダブル・ベルト・プレス1の端部において材料流れ方向mで、バイポーラ・プレート5の当該半部が寸法的に安定して製造される。
【0026】
そのためにもダブル・ベルト・プレス1は、材料流れ方向mに沿って連続する、図1の図中に一点鎖線で書き込まれている符号I、IIおよびIIIが付された3つの温度ゾーンを有すると好適である。第1温度ゾーンI内の支配温度を相応の高温とすることによって、この定積型ダブル・ベルト・プレス1の内部のホット・プレス・プロセスにより、ブランク2の混合物がプレスされて硬化されるようにすることで、それぞれの個別セグメント4を介して、それぞれのバイポーラ・プレート5の1つひとつの半部の形状を決定できる。それに続く符号IIが付されたゾーン内の支配温度は、それよりも若干低くなっているために、材料を慎重に冷却することができるが、材料がダブル・ベルト・プレス1のそれぞれの個別セグメント4の間に挟まれた状態にとどまり続けることによって、製造される構成要素がこの冷却期の間にヒケを来すことなく、むしろ平坦に形状精度良くこれを作製可能であることを、同時に保証している。その後の符号IIIが付された第3の温度ゾーン内では再び、装置の周囲温度が支配的となっているために、そのようにして製造されるバイポーラ・プレート5の半部は、ダブル・ベルト・プレス1から搬出される前に、さらに冷却される。
【0027】
従来の方法とは対照的に、図1にしたがったダブル・ベルト・プレスではバイポーラ・プレート5の半部を連続的に製造することが可能であるために、例えばそれぞれのベルト3が周回する都度、燃料電池積層体用のそれぞれのバイポーラ・プレート半部を製造することができる。それに加えて、デザイン変更に対する設備の適合化を速やかに行うために、場合によっては交換することもできるこれらの個別セグメント4を導入することによって、例えば個別セグメント4の個数を単セルの個数と等しくする場合には、例えばアノード側の半部の必要量を全て、ダブル・ベルト・プレス1が1周回するだけで製造できるようになるが、個別セグメント4の内の1つによって、インターフェイス・プレートのための成形が実現されるようにすると好適であり、それによりそのインターフェイス・プレートを、そのためのコスト高な並行プロセスを不要として同時に製造できるようになる。類型的にこのインターフェイス・プレートが必要とされるのは、半部200個から300個につき一回だけであるために、さもなければその製造は莫大なコストと抱き合わせになりかねないし、また類型的に平行に配設される、ただでさえ稼働率に極めて劣る生産ラインも不可欠となりかねないであろう。
【0028】
定積型ダブル・ベルト・プレス1のこの構成方式のさらにもう1つの長所は、プレス工程側とは反対側を、すなわち上側のベルト3の場合は上側を、下側のベルト3の場合は下側を引き返すそれぞれの個別セグメント4が、この引き返し期には空になっている点にある。これらを例えば洗浄したり、離型剤を吹き付けたり、あるいはほかにも様々なインサート部材を備えて準備したりすることによって、この戻り行程を理想的に使用して、プロセス全体を改善して加速化することが可能になる。
【0029】
そのようにして製造されたバイポーラ・プレート5の半部はその後、図5の図中に示唆されるように、定圧型ダブル・ベルト・プレス14を使用して相応に互いに接続されてもよい。その構成方式は、個別セグメント4を具備した定積型ダブル・ベルト・プレスとして構成された上述のダブル・ベルト・プレス1の構成方式と実質的に同一である。個別セグメントだけが省略されており、このため、この定圧型ダブル・ベルト・プレス14の各ベルト3は直接、各種各様のダブル・ベルト・プレス部門から原則的に知られているような、積層体同士を互いに押し付ける工程を受け持つ。上側から符号15が付された例えばアノード側の半部のウェブがやって来る一方で、下側からは、もしくはこのケースにおいては同じ高さで、符号16が付されたウェブがカソード側の半部とともに供給される。これらのウェブ15、16のアノード側半部とカソード側半部の互いに対向する面側はいずれも、後々冷媒が間を通り流れる領域となっている。それに加えて、重力の向きで下側のウェブ16の表面には、例えばシルク・スクリーンまたはその類いの方法を使用して、接着剤17が所与の構造に適用されると好適である。この接着剤は、類型的にはバイポーラ・プレート5のそれぞれの半部の外周縁部、ならびに冷媒用の流れ場とは連通していない当該開口部6、8、11および12を取り囲む。すなわちこの接着剤17を介して、後のバイポーラ・プレート5の個々の半部が互いに貼り合わされる。これは、定圧型ダブル・ベルト・プレス14では、依然として連続的に進行する、半部の製造に続くプロセスにおいて行われるようになっており、これをもってバイポーラ・プレート5の製造工程は、僅かなサイクル・タイムで簡単かつ効率的に完了する。ここでもまた、例えば接着剤を活性化させる、および/または液化させる、硬化させる、および/または構成要素のアライメント調整する、および方向性を持たせて冷却させるために、異なる温度ゾーンI、IIおよびIIIが可能となっている。
【0030】
ベルト3が、それぞれの帰路においては、すなわちダブル・ベルト・プレス14の上側部材である場合は上側では、ダブル・ベルト・プレス14の下側部材である場合は下側では、押し付けられて貼り合わされる材料と係合していない。その場合、ここではそれぞれのベルトを相応に洗浄する、離型剤を適用する、またはその類いの処理を行うことが可能である。
【0031】
好適には、ベルト3はいずれも、構造を有し得る。この構造は特に、電気化学的または光化学的な方法を使用してそれぞれのベルト3にエッチング加工されたエッチング構造として実現されてもよい。この構造は、例えば後々バイポーラ・プレート5の表面で必要とされる、バイポーラ・プレートをフレーム付き膜電極接合体(MEFA)に対して相応にシールする様々なシーリングの形状を有していてもよい。そのシール材料は、例えばいずれも符号18を付して示唆されているそれぞれのステーション内で適用できる。すなわちここでは、それぞれのバイポーラ・プレート5の両方の半部の材料15、16を貼り合わせる工程にさらに追加して、シーリングが、バイポーラ・プレート5のそれぞれの当該表面に、これらの表面を後々隣接する両側のフレーム付き膜電極接合体に対して簡単かつ効率的にシールするために、適用されてもよい。適用されたシール材料が、その後、定圧型ダブル・ベルト・プレス14で、場合によってはゾーンI、IIまたはIIIの内いずれか1つの中で温度の作用を受けながら、個々のバイポーラ・プレート5の材料と接合されることによって、バイポーラ・プレートは完全な完成品として構成されたことになり、なおも必要であるのは、これを個々のプレートに分ける工程だけとなる。
【0032】
図6の図中には、製造プロセス全体が再度示されている。2つの定積型ダブル・ベルト・プレス1が中核を成しているが、そのそれぞれにブランク2が供給されており、このブランク2はここでは符号19が付されたさらに別のオプションのダブル・ベルト・プレスまたはそれ以外の適切な装置において製造され得る。このブランク2は、例えば、グラファイトのような導電性フィラーを有する、未硬化の、または完全には硬化していない樹脂から成るウェブ状の未加工品の一種のフォイルのように構成されていてもよいが、しかし原則的にはゲル、ワニス、またはその類いのような別のプラスチックから、場合によってはフィルムまたはその類いを担体として備えて、構成されていてもよい。
【0033】
続いて個別セグメント4が具備されたそれぞれの定積型ダブル・ベルト・プレス1の下流側に登場するのは、符号20が付された2つのオプションの後処理ステーションであるが、例えば後工程で適用される接着剤17の付着性を向上する目的で、あるいはほかにもそれぞれの流れ場の内部に疎水性または親水性を示す様々な領域を狙い通りにもたらしたり、切り欠いて様々な突破口を設けたりする目的で、および/またはその類いの目的で、例えばプラズマ加工、レーザー加工、またはその類いを使用して様々な構造を得るために、これらのステーションを使用できる。今ではバイポーラ・プレート5のアノード側もしくはカソード側の半部が備えられた、図5の図に類似して符号15が付された上側の材料と、符号16が付された下側の材料は、その後、この連続した製造過程において定圧型ダブル・ベルト・プレス14に到達するが、これらの材料の内の一方について、ここでは材料16については、符号21が付されたステーションにおいて、接着剤17が前もって例えばシルク・スクリーンにより所望の地点に適用される。材料流れ方向mで定圧型ダブル・ベルト・プレス14の下流側で、バイポーラ・プレート5を全てひっくるめて包括している、場合によってはほかにもバイポーラ・プレート5の材料の表面に適用されたシーリングをすでに有している材料22が、ダブル・ベルト・プレス14から出る。その後この材料22は、さらにもう1つのオプションの後処理ステーション23において、図6の図中で3つのバイポーラ・プレート5によって概略的に示唆されているように、個々のバイポーラ・プレート5に分離することができる。
【0034】
そのような、例えば図6の図中に示されているような生産方法を使用して、連続プロセスにおいて、生産ライン内で材料を手で移動したり、一時的に保管したり、または選別したりする必要なく、多数のバイポーラ・プレート5を、それに見合った個数の、好適にも個別セグメント4を相応に配設することによって分離された後のそれぞれのバイポーラ・プレート5の中で正しい地点に位置するインターフェイス・プレートと一緒に、製造することができる。毎秒4つまたはそれ以上というバイポーラ・プレート5の高速製造を問題なく達成可能であるために、バイポーラ・プレート5およびインターフェイス・プレートの非常に速くて効率的である上に高精度である再現可能な製造が可能になる。続いて後処理ステーション23の直後には、さらなる選別、積み替え、またはその類いの工程を不要として、それぞれが燃料電池積層体用となるユニット単位に小分けしてこれらのプレートを相応に梱包してもよい。それにより、グラファイトで充填された、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、またはその類いのような熱硬化性樹脂から成るバイポーラ・プレート5のための、非常に効率的で簡単である上に低コストの大量生産プロセスが保証される。その場合これらのバイポーラ・プレート5は、耐荷重性にも相応に優れたものとなり、そのような機械的長所が備わったバイポーラ・プレート5に付随する、生産が非常に遅速であるというこれまでの短所を示すことはない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6