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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】バッテリ熱管理システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B64D 33/08 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B64D33/08
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2024110931
(22)【出願日】2024-07-10
(62)【分割の表示】P 2021563395の分割
【原出願日】2020-04-23
(65)【公開番号】P2024133165
(43)【公開日】2024-10-01
【審査請求日】2024-07-10
(31)【優先権主張番号】62/837,504
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520437526
【氏名又は名称】ジョビー エアロ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】JOBY AERO,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ビリャヌエバ、エルネスト
(72)【発明者】
【氏名】マーティン、ナサニエル
(72)【発明者】
【氏名】ベバート、ジョーベン
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ウィット、ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ウズナンスキ、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン、オースティン ローレンス
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-252756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 33/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパックと、作動流体を循環させて前記バッテリパックを冷却する機内循環システムとを含む電動航空機の動作のための複数の機械可読命令を実行する1つまたは複数のコントローラによって実行される方法であって、
飛行距離を含む飛行計画をユーザから受け取ることと、
前記飛行距離およびバッテリパックのサーマルマスに基づいて前記バッテリパックの離陸温度閾値を決定することと、
前記電動航空機が機外循環システムに接続されている間に、前記機外循環システムおよび前記機内循環システムを通る作動流体の循環を制御することによって、前記バッテリパックを前記離陸温度閾値以下に冷却することと、
前記バッテリパックを前記離陸温度閾値以下に冷却した後、前記飛行計画に従って前記航空機を制御することと、を備える方法。
【請求項2】
前記バッテリパックの冷却と同時に前記バッテリパックを充電することをさらに備え、
前記バッテリパックを冷却することは、バッテリパック温度を下げることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記飛行計画に従って前記航空機を制御しているときに、機内ポンプを用いて前記バッテリパックを通して前記作動流体を循環させることをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記離陸温度閾値を決定することは、
前記飛行距離に基づいて前記飛行計画についての予想電力消費量を決定することと、
前記予想電力消費量およびバッテリ熱モデルに基づいて前記バッテリパックの予想熱変化を計算することと、
前記予想熱変化と一組のバッテリ熱制限とに基づいて前記離陸温度閾値を決定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記離陸温度閾値は、前記バッテリパックの充電状態に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記飛行計画において前記航空機を制御することは、
フライトの各行程についての異なるバッテリ温度要件に基づいて、前記機内循環システムを通る前記作動流体の循環を制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
熱管理システムであって、
バッテリパックと、作動流体を循環させて前記バッテリパックを冷却する機内循環システムとを、含む電動航空機と、
機外循環システムと、
複数の動作を実行するための複数の機械可読命令を含む1つまたは複数のコントローラと、を備え、前記複数の動作は、
飛行距離を含む飛行計画をユーザから受け取ることと、
前記飛行距離及びバッテリパックのサーマルマスに基づいて前記バッテリパックの離陸温度閾値を決定することと、
前記機外循環システムおよび前記機内循環システムを通る作動流体の循環を制御することによって、前記バッテリパックを前記離陸温度閾値以下に冷却することと、
前記バッテリパックを前記離陸温度閾値以下に冷却した後、前記飛行計画に従って前記航空機を制御することと、を含む、熱管理システム。
【請求項8】
前記複数の動作は、前記バッテリパックの冷却と同時に前記バッテリパックを充電することをさらに含み、
前記バッテリパックを冷却することは、バッテリパック温度を下げることを含む、請求項7に記載の熱管理システム。
【請求項9】
前記複数の動作は、
前記飛行計画に従って前記航空機を制御しているときに、機内ポンプを用いて前記バッテリパックを通して前記作動流体を循環させることをさらに含む、請求項7に記載の熱管理システム。
【請求項10】
前記離陸温度閾値を決定することは、
前記飛行距離に基づいて前記飛行計画についての予想電力消費量を決定することと、
前記予想電力消費量およびバッテリ熱モデルに基づいて前記バッテリパックの予想熱変化を計算することと、
前記予想熱変化と一組のバッテリ熱制限とに基づいて前記離陸温度閾値を決定することと、を含む、請求項7に記載の熱管理システム。
【請求項11】
前記離陸温度閾値は、前記バッテリパックの充電状態に基づいて決定される、請求項7に記載の熱管理システム。
【請求項12】
前記機内循環システムを前記機外循環システムから流体的に切り離すロックアウト機構と、
所定の連結解除条件の検出に基づいて、前記ロックアウト機構を作動させる自動作動機構と、をさらに備える請求項7に記載の熱管理システム。
【請求項13】
前記連結解除条件は、
前記作動流体の流量が指令された流量と異なること、流入する流体の温度が所定の値を超えて予想温度と異なること、および前記機内循環システム内の前記作動流体の組成が前記機外循環システム内の流体の組成と異なること、からなる群から選択される、請求項12に記載の熱管理システム。
【請求項14】
機内ポンプおよび機外ポンプをさらに備え、
前記機外ポンプは、前記機内ポンプを使用することなく、前記機外循環システムおよび前記機内循環システムを通して前記作動流体を循環させるために使用される、請求項7に記載の熱管理システム。
【請求項15】
機内ポンプおよび機外ポンプをさらに備え、
前記機外ポンプは、前記機内ポンプと連動して、前記機外循環システムおよび前記機内循環システムを通して前記作動流体を循環させるために使用される、請求項7に記載の熱管理システム。
【請求項16】
機外バッテリ充電器と、
前記機内循環システムと前記機外循環システムとの間の流体接続と、前記機外バッテリ充電器と前記バッテリパックとの間の電気的接続とを同時に確立するための一体型充電・コンディショニングコネクタと、をさらに備える請求項7に記載の熱管理システム。
【請求項17】
前記複数の動作は、
前記バッテリパック内の熱を再分配することをさらに含む、請求項7に記載の熱管理システム。
【請求項18】
前記飛行計画において前記航空機を制御することは、
フライトの各行程についての異なるバッテリ温度要件に基づいて、前記機内循環システムを通る前記作動流体の循環を制御することを含む、請求項7に記載の熱管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してバッテリ技術分野に関し、より具体的には、バッテリ技術分野における新規で有用なバッテリ熱管理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電動輸送機関は、バッテリ電源を使用して、推進システムおよび支援システムなどの輸送機関の機能を使用可能にする。現代のバッテリ技術には、最適な電力供給を望ましくない熱イベントによって中断させることを防止するために、場合によっては、バッテリおよび輸送機関自体の両方または一方を損傷させることを防止するために、放電中の十分な熱管理が必要である。バッテリの不十分な熱管理は、輸送機関、その乗員、居合わせた人、および/または周囲の環境を危険にさらすおそれがある。さらに、バッテリを高速かつ効率的に充電するのが望ましいことが多く、こうした充電は、該充電プロセスによってバッテリ内に発生する熱とバランスを取らなければならない。航空業界のように、電動輸送機関システムの設計が重量、複雑さおよび/または安全性に対する厳しい制約を受ける状況では、これらの課題が増大する。
【0003】
このため、バッテリ技術分野では、新規で有用なバッテリ熱管理システムおよび方法を創出する必要がある。本発明は、そのような新規で有用なシステムおよび方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】バッテリ熱管理システムの変形形態を示す。
図2】航空機と地上局との間のバッテリ熱管理システムの要素の例示的な配置を示す。
図3A】第1バッテリパックに接続される機内ポンプの第1の例示的な電気接続構成を示す。
図3B】第1および第2バッテリパックに接続される機内ポンプの第2の例示的な電気接続構成を示す。
図4】バッテリ熱管理方法の変形形態のフローチャートを示す。
図5A-5B】バッテリ熱管理システムの機内要素の例示的な配置を示す。
図6A-6B】図6Aは、バッテリ熱管理システム変形例の流体接続の例示的な配置を示し、図6Bは、バッテリ熱管理システム変形例の電力接続の例示的な配置を示す。
図7A】第2バッテリ熱管理システム変形例の流体接続の例示的な配置を示す。
図7B】第2バッテリ熱管理システム変形例の電力接続の例示的な配置を示す。
図8A】バッテリ温度プロファイルの第1実施例を示す。
図8B】バッテリ温度プロファイルの第2実施例を示す。
図9A】バッテリセルおよび機内熱交換器の第1の例示的な配置を示す。
図9B】バッテリセルおよび機内熱交換器の第2の例示的な配置を示す。
図9C】バッテリセルおよび機内熱交換器の第3の例示的な配置を示す。
図10A】耐故障性ポンプアーキテクチャの第1実施例を示す。
図10B】耐故障性ポンプアーキテクチャの第2実施例を示す。
図10C】耐故障性ポンプアーキテクチャの第3実施例を示す。
図11A】バッテリパック内のバッテリセルの例示的な配置を示す。
図11B】例示的なバッテリパックアーキテクチャでの熱イベントにおける熱伝播を示す。
図12】コンディショニングシステムの例示的な配置を示す。
図13A】航空機に分散される輸送機関コンポーネントの上面図である。
図13B】航空機に分散される輸送機関コンポーネントの側面図である。
図13C】航空機の乗客領域に分散される輸送機関コンポーネントの側面図である。
図13D】航空機に分散される輸送機関コンポーネントの上面図である。
図14】S100の実施例のフローチャートを示す。
図15】バッテリ熱管理方法の変形例のフローチャートを示す。
図16】バッテリ熱管理方法の変形例のフローチャートを示す。
図17】バッテリ熱管理システムの変形形態を示す。
図18】バッテリ熱管理システムの変形形態のための一体型充電・コンディショニングコネクタの実施例を示す。
図19A-19B】図19Aは、ホバー配置における輸送機関の実施例を示し、図19Bは、前進配置における輸送機関の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の本発明の好適な実施形態の説明は、これらの好適な実施形態に本発明を制限するためのものではなく、むしろ、当業者が本発明を製造および使用することができるようにするためのものである。
【0006】
1.概要
バッテリ熱管理システム100は、バッテリパック110と、循環サブシステム120と、熱交換システム130とを含む。循環サブシステムは、ポンプ122および流体マニホールド(fluid manifold)124を含み、任意で、ホース継手(hose coupling)126およびロックアウト機構(lockout mechanism)128を含むことができる。システム100は、任意で、冷却システム190、リザーバ150、脱イオン化フィルタ160、バッテリ充電器170およびコントローラ180を含むことができる。システム100は、追加または代替で、任意の他の適切なコンポーネントを含むことができる。システム100の実施例を図1に示す。
【0007】
システム100は、バッテリパックの熱状態を管理する働きをする。熱状態は、バッテリパック内の温度の分布、バッテリパックの平均温度、バッテリパックの温度上昇率もしくは低下率、ならびに/またはバッテリパックおよび熱的に結合された要素の両方もしくは一方の全部もしくは一部の温度関連特性を定量化する任意の他の適切な測定基準を含むことができる。
【0008】
システム100は、バッテリパック内の作動流体を循環させる働きをすることもできる(例えば、バッテリパック内の温度の均一性を得るため、バッテリパックを加熱または冷却するため、等)。作動流体は、加熱および冷却または加熱もしくは冷却することができ、様々なコンポーネント(例えば、外部環境を含む)間で熱を伝達するために循環サブシステムの閉回路または開回路に流すことのできる任意の適切な流体とすることができる。作動流体は、追加または代替で、システム100のバッテリパックおよび熱交換器またはシステム100のバッテリパックもしくは熱交換器の部分間で熱を交換するための任意の適切な流体媒体とすることができる。例えば、作動流体は、水、水/グリコール混合物(例えば、50/50、70/30、80/20、等)、冷媒(例えば、R134a)、油、空気、流体冷却液、鉱油、任意の他の適切な気体もしくは気体混合物、および/または任意の他の適切な流体とすることができる。変形例において、作動流体は、漏れまたは溢れの環境への影響を最小限にするために、無害な天然流体または生分解性流体とすることができる。変形例において、作動流体は、電子機器の短絡の可能性をなくすことと、バッテリセル114のフラッド冷却(flood cooling)を可能にする(例えば、完全浸漬構成において)ことと、の両方または一方が可能な、非導電性(例えば、鉱油)とすることができる。いくつかの実施例において、システム100は、様々な目的のために複数の作動流体を循環させるように構成することができる(例えば、バッテリパック冷却用の第1作動流体をバッテリパック加熱用の第2作動流体と並行して循環させ、第1および第2の作動流体は、熱管理システムの必要に応じて異なる時に循環させることができる、等)。
【0009】
システム100は、バッテリパック内の熱イベントを検知して管理する働きをすることもできる。熱イベントは、バッテリパックの一部分が達する任意の公称範囲外(off-nominal)の温度を含むことができる。例えば、熱イベントは、バッテリパックの1つまたは複数のセル114内の熱暴走(1つまたは複数のセル内に、制御されない、正帰還の発熱反応が発生する)を含むことができる。熱イベントは、熱伝播も含むことができ、公称範囲外(例えば、急上昇した、上昇していく、等)の温度が、あるセルから、当初影響を受けていなかった複数のセルに広がる。しかし、熱イベントは、追加または代替で、適切なバッテリパックの動作(例えば、充電、放電、蓄電、等)を確保するために軽減する必要がある、バッテリパック内の任意の他の温度関連事象を含むことができる。
【0010】
様々な実施形態において、バッテリ熱管理システムは、いくつかの関連システムと連動して使用されることと、いくつかの関連システムを含むことと、の両方または一方が可能である。該関連システムは、航空機、航空機サブシステム(例えば、パワートレインサブシステム、推進サブシステム、アビオニクスサブシステム、等)、地上型輸送機関(例えば、自動車、機関車、等)、陸上型インフラ(例えば、航空管制システム、地上型整備システム、等)および/または任意の他の適切なシステムを含むことができる。
【0011】
システム100の変形形態において、バッテリ熱管理システムのコンポーネントは、輸送機関とインフラ設備(infrastructure installation)との間に分散される(実施例を図2および図17に示す)。輸送機関は、好ましくは、バッテリパック、循環サブシステムの一部分を含み、さらに機内ポンプを含むことができる。インフラ設備は、好ましくは、機外熱交換器(例えば、コンデンサおよびエバポレータ(evaporator)の両方または一方)および循環サブシステムの補完部分を含み、さらに機外ポンプおよびリザーバ(reservoir)を含むことができる。特定の実施例において、輸送機関は、能動的冷却システム、冷蔵システム、または他の能動的熱除去システムといった、熱コンディショニングシステム(thermal conditioning system)の重量コンポーネント(例えば、無積載輸送機関重量の5%、10%、20%等を超える重量のコンポーネント)を除外し、除外されたコンポーネントは、インフラ設備内に配置される。
【0012】
このような分散は、動作(例えば、飛行、運転、航海、等)中に熱コンディショニングのために使用されるコンポーネントを輸送機関が運搬する必要なく、輸送機関に搭載されたバッテリパックの熱コンディショニングを可能にする働きをする。これにより、熱交換器を輸送機関の動作中に置き去りにすることができる(例えば、部品数および重量が減ることによってより効率的な輸送機関の動作が可能になる)。このような分散は、輸送機関に搭載されたバッテリパックの急速な充電を可能にするための、より大型またはより複雑な熱交換器の使用も可能にする。インフラ設備は、固定式(例えば、実質的に恒久的なインフラの一部として地上に固定される)または移動式(例えば、充電または他の熱コンディショニング中に輸送機関に接続されるサービス区域まで輸送することのできる可動式/牽引式トレーラ)とすることができる。
【0013】
図4に示すように、バッテリ熱管理方法200は、バッテリパックの温度設定点を決定すること(S100)と、バッテリパックの温度を温度設定点に調整すること(S150)とを含むことができる。方法は、追加または代替で、バッテリパックの温度を判定すること(S200)と、バッテリパック内の熱を再分配すること(S250)とを含むことができる。方法200は、追加または代替で、任意の他の適切なプロセスを含むことができる。
【0014】
方法200は、輸送機関に関連付けられているバッテリパックの熱状態を管理する働きをする。方法200は、本明細書で説明されるかまたは別様に適切に定義されるように、システム100と同様なシステムの任意の1つまたは複数のコンポーネントの機能性を実施する働きをすることもできる。
【0015】
方法200は、システム100と実質的に同様のシステムを使用して実施および実行または実施もしくは実行されることが好ましいが、方法200は、バッテリパック熱管理に使用することのできる任意の他の適切なコンポーネントを備える任意の他の適切なシステムによって実施および実行または実施もしくは実行することができる。
【0016】
バッテリ熱管理システム100および方法200の両方または一方は、好ましくは、航空機と関連して実施され(例えば、システムは、航空機を含むことができる)、バッテリ熱管理システムを輸送機関とインフラ設備との間に分散させる変形形態において、輸送機関は、好ましくは、航空機である。特に、航空機は、回転翼機であることが好ましいが、追加または代替で、任意の適切な航空機を含むことができる。回転翼機は、好ましくは、前進配置105(実施例を図19Bに示す)とホバー配置106(実施例を図19Aに示す)との間で作動可能な、複数の航空機推進システム(例えば、ロータアセンブリ、ロータシステム、等)を備えるティルトロータ航空機である。しかし、回転翼機は、代替で、1つまたは複数のロータアセンブリまたは推進システムを備える固定翼航空機、1つまたは複数のロータアセンブリを備えるヘリコプタ(例えば、少なくとも1つのロータアセンブリまたは航空機推進システムを実質的に軸方向に向けて、水平方向の推進力を提供する)、および/またはロータによって推進される任意の他の適切な回転翼機もしくは輸送機関とすることができる。回転翼機は、好ましくは、1つまたは複数のロータアセンブリを駆動するために全電動式パワートレイン(例えば、バッテリ駆動式電動モータ)を含むが、追加または代替で、ハイブリッド式パワートレイン(例えば、内燃発電機を含むガス・電気ハイブリッド)、内燃パワートレイン(例えば、ガスタービンエンジン、ターボプロップエンジン、等を含む)、および任意の他の適切なパワートレインを含むことができる。
【0017】
航空機は、任意の適当な質量分布(または重量分布)で、任意の適切な質量(例えば、無積載質量、積載質量、最大離陸質量、等)を有することができる。航空機の質量は、1kg、5kg、10kg、50kg、100kg、500kg、1000kg、1250kg、1500kg、1750kg、2000kg、2250kg、2500kg、2750kg、3000kg、5000kg、1000kg、20000kg、1500kg未満、1500~2000kg、2000~3000kg、3000~5000kg、5000~10000kg、10000kg超、前述の値によって区切られる任意の適切な範囲、および/または任意の他の適当な質量とすることができる。航空機は、好ましくは、1人、2人、3人、4人、5人、6人、7人、10人、10人超、および/または任意の適切な人数の乗客を輸送するように構成される旅客機であるが、航空機は、代替で、無人航空機、遠隔操縦旅客機、および/または任意の他の適切な航空機とすることができる。
【0018】
特定の実施例において、バッテリ熱管理の部分は、2019年5月10日に出願された米国特許出願第16/409653号で説明されている電動ティルトロータ航空機に組み入れられ、同特許出願は、この参照によりその全体が組み込まれる。しかし、任意の他の適切な航空機を使用することもできる。
【0019】
バッテリ熱管理システムの機内部分は、好ましくは、輸送機関101内に配備され、輸送機関101に搭載され、輸送機関101とともに輸送される。バッテリ熱管理システムの機内部分は、好ましくは、航空機に組み入れられる(例えば、システムは、航空機を含むことができる)が、追加または代替で、任意の他の適切な輸送機関(例えば、スクーター、自動車、等)とともに使用することができる。
【0020】
バッテリ熱管理システムの特定の実施例において、システムの部分は、複数の傾斜可能なロータアセンブリ(例えば、6つの傾斜可能なロータアセンブリ)を含む電動ティルトロータ航空機に組み入れられる。電動ティルトロータ航空機は、固定翼航空機、回転翼航空機として、また、固定翼と回転翼状態との間の任意の境界構成で(例えば、複数の傾斜可能なロータアセンブリのうちの1つまたは複数は、部分的に回転した状態に向きが合わされる)動作することができる。この実施例の電動ティルトロータ航空機の制御システムは、固定翼配置および回転翼配置内でならびにこれらの間で、または固定翼配置および回転翼配置内でもしくはこれらの間で、複数の傾斜可能なロータアセンブリに指令して制御するように機能し得る。
【0021】
冷蔵システム、冷蔵サイクル、準周囲冷却(sub-ambient cooling)、またはその他に関連して本明細書で使用される場合、「圧縮機」という用語は、その体積を減らすことにより気体(例えば、気体、蒸気、液体蒸気混合物、等)の圧力を高める機械的装置である。圧縮機は、容積形圧縮機、ロータリ圧縮機(例えば、ローブ、スクリュー、液封、スクロール、ベーン、等)、往復動圧縮機(例えば、ダイアフラム、複動、単動、等)、ダイナミック圧縮機(例えば、遠心、軸流、混合流、斜流、空気、等)、および/または任意の他の適切なタイプの圧縮機とすることができる。実施例において、圧縮機が圧縮可能な流体を加圧、圧縮、および/または輸送することができるのに対し、ポンプは、圧縮可能な流体と圧縮不可能な流体との両方または一方(例えば、水、水/グリコール混合物、油、等)を加圧して輸送または加圧もしくは輸送することができる。
【0022】
システム100、方法200の部分、またはその他に関連して本明細書で使用される場合、「能動的冷却(active cooling)」という用語は、バッテリパックまたは他の電源から供給される電気エネルギーまたは機械エネルギーを適用して、熱エンドポイントから熱を除去することを表すことができる(例えば、エネルギーをほとんどまたは全く利用しない受動的冷却とは対照的に)。特に、能動的冷却は、システムおよびコンポーネントの両方または一方と作動流体との間の強制対流熱伝達(自然/自由対流および放射の両方または一方とは対照的に)の利用を表すことができる。能動的冷却は、ファンもしくは送風機による強制空気、強制液体、および熱電クーラー(TEC : thermoelectric cooler)、ならびに/または他の能動的冷却機構を含むことができる。
【0023】
システム100、方法200の部分、またはその他に関連して本明細書で使用される場合、「ロータ」という用語は、ロータ、プロペラ、および/または任意の他の適切な回転空力アクチュエータを表すことができる。ロータは、関節式または半剛性のハブを利用する回転空力アクチュエータ(例えば、ブレードとハブとの接続は、関節接続、可撓性接続、剛性接続および/またはその他の方法で接続することができる)を表し、プロペラは、剛性ハブを利用する回転空力アクチュエータ(例えば、ブレードとハブとの接続は、関節接続、可撓性接続、剛性接続および/またはその他の方法で接続することができる)を表すことができるが、本明細書で使用される場合、このような区別は明示または黙示されておらず、「ロータ」の使用は、両方の構成、および関節ブレードもしくは剛性ブレードの任意の他の適切な構成、および/または中央部材もしくはハブとのブレード接続の任意の他の適切な構成をいうことができる。同様に、「プロペラ」の使用は、両方の構成、および関節ブレードもしくは剛性ブレードの任意の他の適切な構成、および/または中央部材もしくはハブとのブレード接続の任意の他の適切な構成をいうことができる。したがって、ティルトロータ航空機は、ティルトプロペラ航空機、ティルトプロップ航空機と呼ぶことができ、および/または別様に適切に呼ばれ、または記述されることができる。
【0024】
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、正確に、ほぼ、所定の閾値内(例えば、1%以内、5%以内、10%以内、等)、所定の公差、を意味することと、任意の他の適切な意味を有することと、の両方または一方が可能である。
【0025】
2.利点
本技術の変形形態は、いくつかの利点および長所または利点もしくは長所をもたらすことができる。
【0026】
第一に、本技術の変形形態は、熱コンディショニングシステムの実質的な部分を輸送機関外のインフラ設備102に配置することにより、輸送機関の質量を減らすことができる。等価輸送機関質量の場合、これは、より高い総エネルギー容量も可能にし、そのため、(例えば、輸送機関に搭載するはずであった熱コンディショニングシステムの部分を追加バッテリパックの質量に置き換えることにより)範囲および電力出力の両方または一方の増大も可能にすることができる。これにより、熱交換器の重量が輸送機関の輸送能力によって制限されなくなるため、よりパワフルな熱交換器の使用も可能にすることができる。例えば、輸送機関搭載型の熱交換器よりも相応に増大した熱量を外部環境と交換することのできる熱交換器を使用して、高速な(例えば、より高発熱の)充電を可能にすることができ、さらに動作中に輸送機関から(例えば、インフラ設備に)置き去りにすることができる。機内冷蔵コンポーネントのサイズを縮小することと、輸送機関から冷蔵コンポーネントをなくすことと、の両方または一方は、バッテリ熱管理システムのより緊密なパッケージングおよびより厳しい容積制約の両方または一方を可能にし、熱管理コンポーネントが客室空間を制限しないようにすることができる。さらに、機内ファンおよび圧縮機の両方または一方をなくすことは、該デバイスの音響の影響をなくし、それによって客室の騒音が減り、輸送機関の全体的な(外部)音響プロファイルが減り、および/または乗客の快適さが改善する。変形例において、機内冷蔵コンポーネントの除去は、飛行中に(バッテリパックの)バッテリセルによって発生する過剰な熱をバッテリパック・サーマルマス(battery pack thermal mass)(例えば、他のバッテリセル、パックハウジング、パック電子機器、等)に排出して、バッテリセル温度をセル分離および劣化温度未満またはセル分離もしくは劣化温度未満に維持することによって可能にすることができる。
【0027】
第二に、本技術の変形形態は、能動的加熱または準周囲冷却の必要なく、動作中にバッテリパックをコンディショニングするために、輸送機関の環境および動作特性を活用することができる。例えば、輸送機関の動作中にバッテリパックが放電するときに発生する熱は、バッテリパック内に分配して(例えば、バッテリパックのサーマルマス全体で温度を均一にする能動的循環による、バッテリパック内のセル間の受動的伝導による、等)、バッテリパックの温度を所望の温度設定点まで上昇させることができる(例えば、動作設定点、バッテリパック内の均一性を得るための廃熱利用による)。別の実施例では、輸送機関周囲の気流を利用して、バッテリパックから離して熱を対流させて(例えば、バッテリパックに隣接する直気流(direct airflow)による、循環システムまたはバッテリパック自体の機内部分に連結される放射冷却器を通る気流による、等)、バッテリパックの温度を所望の温度設定点まで下げることができる。
【0028】
第三に、本技術の変形形態は、輸送機関の動作中のバッテリパックの熱状態を、動的任務目的に従ってインテリジェントに管理することができる。例えば、本技術は、循環サブシステムを通る作動流体の能動的循環を止めて、バッテリパックのエネルギーを推進および制御動作のために取っておくことによって、「目的地に進む」(例えば、公称動作)から「緊急着陸」への任務目的の変化に自動的に応答することができる。別の実施例では、本技術は、循環する作動流体の流量を調整して、新たに望まれる温度分布(例えば、新たな飛行プロファイルに動的に基づいて決定される)に応じて、バッテリパック内の熱をパックのサーマルマス間に再分配することによって、飛行プロファイル(例えば、目的地までの残存距離、目的地までの残存時間、残りの飛行プロファイルの電気放電または電力需要、等)の変化に自動的に応答することができる。
【0029】
第四に、本技術の変形形態は、輸送機関のバッテリパックの熱イベントを防止、予測、検知および/または軽減することによって、輸送機関の安全特性を向上させることができる。作動流体の能動的循環は、バッテリパック内の熱を再分配して、同じかまたは異なるバッテリパック内のバッテリセル間の温度のばらつきを最小化することができ(実施例を図11Bに示す)、バッテリセル内の熱暴走の可能性を低減する。さらに、循環する作動流体により熱を伝達するバッテリセルは、バッテリパックのセル間の伝導熱伝達(例えば、温度を均一にする手段として)の必要性を減じ、セルを互いに熱的に絶縁することを可能にし、それによって、熱暴走が同じパック内の他のセルに伝播する可能性を低減する。例えば、放電(例えば、輸送機関の動作)中にバッテリパック内の作動流体を循環させることによって、本技術は、熱イベントを防止することができる(例えば、バッテリパックの任意の一部分が公称温度を超えることを防止することによって、バッテリパック内の温度の均一性を促進することによって、等)。別の実施例において、本技術は、熱イベントを予測し(例えば、バッテリパックおよび循環サブシステムの両方または一方に連結されている温度センサからの温度データに基づいて)、循環する作動流体の流量を(例えば、機内ポンプによって)事前対応的に調整し(例えば、増やし)、熱イベントの発生または悪化(例えば、暴走)を防止することができる。別の実施例において、本技術は、緊急着陸または緊急停止の成功(例えば、推進システムが必要なくなる)の検知に応答して、電力を熱イベントの軽減に自動的に転用し(例えば、到達可能な最高流量で機内ポンプを動作させることによって)、(例えば、乗客および乗員の両方もしくは一方が)輸送機関から安全に退避することを可能にし、または(例えば、居合わせた人が)輸送機関の周囲から安全に避難することを可能にする。しかし、該変形形態は、バッテリ熱管理によって、輸送機関の安全特性を別様に適切に向上させることができる。
【0030】
第五に、本技術の変形形態は、一定の輸送機関のタイプ(例えば、航空機)の運行の所定の航続時間および他の特性を活用して、高い精度でエネルギー消費量(例えば、関連する発熱も)を予測し、それに相応してバッテリ熱管理を改善することができる。例えば、所定の既知の機内エネルギー容量(例えば、1つまたは複数のバッテリパックに蓄積される)を備える航空機は、性能特性を正確に知ることができ、外部要因が他の状況よりも高い確度で分かる(例えば、気象パラメータは正確に測定することができるが、経路および目的地の両方または一方は自動車の状況のようには動的に変化しない)ので、所与の運行(例えば、飛行)中に動的に変化しないその性能特性に関連する運用包囲線(operational envelope)を有する。したがって、該変形形態は、それに相応してより多くの数の正確に分かっている演繹的データを、運行中のバッテリパックの予測温度プロファイルに織り込むことができ、運行の開始前にそれに応じてバッテリパックをコンディショニングする(condition)ことができる(例えば、運行パラメータが実質的に変化する場合には、動的なバッテリコンディショニングシステムとともに移動する必要はない)。特定の実施例において、バッテリ離陸温度設定点は、運行(例えば、飛行)中の見積バッテリパック発熱と、バッテリパックおよび循環サブシステムの両方または一方のサーマルマスとに基づいて決定され、それにより、運行中にバッテリパックが熱および性能の制限または熱もしくは性能の制限を超えないことを確保する。
【0031】
しかし、システムの変形形態は、追加または代替で、任意の他の適切な利点および長所または利点もしくは長所を提供することができる。
3.システム
バッテリ熱管理システム100は、バッテリパック110と、循環サブシステム120と、熱交換システム130とを含む。循環サブシステムは、ポンプ122および流体マニホールド124を含み、任意で、ホース継手126およびロックアウト機構128を含むことができる。システム100は、任意で、冷却システム190、リザーバ150、脱イオン化フィルタ160、バッテリ充電器170およびコントローラ180を含むことができる。システム100は、追加または代替で、任意の他の適切なコンポーネントを含むことができる。システム100の実施例を図1に示す。
【0032】
バッテリパックは、使用中に輸送機関の動作に電力供給するためのエネルギーを蓄積する働きをする。バッテリパックは、蓄積されたエネルギーを放出する働きをすることもできる(例えば、輸送機関の動作に電力供給する過程で)。バッテリパックが蓄積したエネルギーは、好ましくは化学ポテンシャルエネルギーとして蓄積されて、電気エネルギーとして放出されるが、エネルギーは、追加または代替で、任意の適切な形で蓄積して放出または蓄積するかもしくは放出することができる。バッテリパックの動作は、バッテリパックの充電、バッテリパックの放電、および/またはバッテリパックの充電の維持(例えば、エネルギーの蓄積)を含むことができるが、バッテリパックの動作は、バッテリパックの任意の他の適切な使用を含むことができる。
【0033】
バッテリパックは、輸送機関101と一体化され、輸送機関内、輸送機関上に配置し、または別様に適切に連結することができる。したがって、バッテリパックは、輸送機関が移動するとき、輸送機関とともに移動する(例えば、輸送される)。システムは、任意の適切な数のバッテリパックを含むことができる。システムは、推進システムごとに1つのバッテリパック、複数の推進システムに関連して1つのバッテリパック、複数のバッテリパックに関連して1つの推進システム、輸送機関に搭載された複数のバッテリパック(例えば、2、3、4、5以上、等)、輸送機関に1つのバッテリパック、および/または任意の数の航空機コンポーネントに関連して任意の他の適切な数のバッテリパックを含むことができる。バッテリパックは、任意の適切な配置を有することができ、胴体、尾部、翼部、客室(例えば、乗客区域の下)、後部、エンジン収容部、および/または任意の他の適切な区域に配備することができる。好ましくは、バッテリは、航空機の中心に対して対称に分散させるが、追加または代替で、乗客区域、別のバッテリ、ロータディスク、ロータディスク面、および/または任意の他の適切な輸送機関コンポーネントから所定の距離ずらすことと(例えば、1メートル、2メートル、>2メートル、等)、輸送機関に対して別様に分散させることと、の両方または一方が可能である。例えば、システムは、関連電動モータに電力供給する各推進ユニット(または他の適切な負荷)につき1つのバッテリパックを含むことができる。別の実施例において、システムは、各推進ユニットに接続される1つのバッテリパックを含むことができる(例えば、1つのバッテリパックと複数のモータを含む1つの一体型パワートレインとを備える自動車)。さらなる実施例において、システムは、推進ユニットの数より多い数のバッテリパック、推進ユニットの数より少ない数のバッテリパック、および/または任意の適切な数のバッテリパックを含むことができる。バッテリパックは、輸送機関の受電コンポーネントと任意の適切な方法で相互接続することができる(例えば、耐故障性電力ネットワークの冗長性のために、複数のバッテリパックを各受電コンポーネントに接続される)。
【0034】
バッテリパックは、バッテリパックを共同で作る任意の適切な配置(例えば、並列、直列、等)で複数のセルを含むことができる。
バッテリパックおよびそのセルは、様々なバッテリの化学的性質を使用して、電気化学エネルギーを充電可能に蓄積することができる。例えば、バッテリパックは、アルミニウムイオンバッテリ、カーボンバッテリ(例えば、シングルカーボンバッテリ、デュアルカーボンバッテリ、等)、フローバッテリ(例えば、バナジウムレドックスバッテリ、亜鉛臭素バッテリ、亜鉛セリウムバッテリ、等)、鉛蓄バッテリ(例えば、ディープサイクルバッテリ、VRLAバッテリ、AGMバッテリ、ジェルバッテリ、等)、ガラスバッテリ、リチウムイオンバッテリ(例えば、リチウムイオンコバルト酸リチウムバッテリ、リチウムイオン酸化マンガンバッテリ、リチウムイオンポリマーバッテリ、リン酸鉄リチウムバッテリ、リチウム硫黄バッテリ、チタン酸リチウムバッテリ、薄膜リチウムイオンバッテリ、リチウムセラミックバッテリ、等)、マグネシウムイオンバッテリ、金属空気電気化学バッテリ(例えば、リチウム空気バッテリ、アルミニウム空気バッテリ、ゲルマニウム空気バッテリ、カルシウム空気バッテリ、鉄空気バッテリ、カリウムイオンバッテリ、シリコン空気バッテリ、空気亜鉛バッテリ、錫空気バッテリ、ナトリウム空気バッテリ、ベリリウム空気バッテリ、等)、溶融塩バッテリ、ニッケルカドミウムバッテリ(例えば、ベント形ニッケルカドミウムバッテリ)、ニッケル水素バッテリ、ニッケル鉄バッテリ、ニッケル水素(NiMH : nickel metal hydride)バッテリ、ニッケル亜鉛バッテリ、有機ラジカルバッテリ、ポリマー系バッテリ、多硫化ソーダバッテリ、カリウムイオンバッテリ、充電可能なアルカリバッテリ、充電可能な燃料バッテリ、砂バッテリ、シリコン空気バッテリ、銀亜鉛バッテリ、銀カルシウムバッテリ、ナトリウムイオンバッテリ、ナトリウム硫黄バッテリ、全固体バッテリ、鉄酸塩カソードバッテリ(例えば、超イオンバッテリ)、亜鉛イオンバッテリ、および/または電気エネルギーの蓄積および放出のために任意の他の適切な化学的性質を利用する任意の他の適切なバッテリである。追加または代替で、バッテリパックは、コンデンサ、超コンデンサ、および/または制御可能な方法で電気エネルギーを蓄積してその電気エネルギーを放出する任意の他の適切な手段などの、容量性エネルギー蓄積ユニットを含むことができる。
【0035】
バッテリパックは、<10kWh、10kWh、25kWh、35kWh、50kWh、80kWh、100kWh、150kWh、>150kWh、前述の値により規定される任意の適切な範囲、および/または任意の他の適切な蓄積容量とすることのできる、任意の適切なエネルギー蓄積容量を含むことができる。好ましくは、バッテリパック(および/またはバッテリパック内の個々のセル)の充電率は、2Cに制限されているが、代替で<1C、1C、1.5C、2.5C、3C、5C、>5C、および/または任意の他の適切な充電率とすることができる。
【0036】
バッテリセルは、任意の適切な電気特性および電力特性または任意の適切な電気特性もしくは電力特性を有することができる。バッテリセルは、任意の適切な電圧(例えば、2.4V、4.2V、公称、最大、最低、等)、充電電流、放電電流、Cレート、エネルギー容量、温度範囲で動作することと、任意の他の適切な特性を有することと、の両方または一方が可能である。特定の実施例において、バッテリパック内の各バッテリセルは、直列に配置されている。第2の特定の実施例において、バッテリパック内の2セットのバッテリセル(直列)は、並列で配置されている。バッテリパック内のバッテリセルは、共同でパック電圧を発生し、これは、<100V、240V、350V、400V、450V、600V、>600V、前述の値によって区切られた任意の範囲、および/または任意の他の適切なパック電圧とすることができる。
【0037】
バッテリパック内部のバッテリセルは、任意の適切な幾何学形状および配置または任意の適切な幾何学形状もしくは配置を有することができる。バッテリセルは、円筒型、ボタン、角型、パウチ、および/または任意の他の適切な幾何学形状とすることができる。バッテリセルは、複数のセルアレイに配置されることが好ましいが、単一アレイに配置することもでき、または別様に配置することもできる。バッテリパックは、同じアレイのセル間(例えば、セル間に介挿される)、隣接するセルアレイ間(例えば、アレイ間に介挿される)、および/または任意の他の適切なセルセット間に、断熱材116を含むことができる。断熱材116は、ポリウレタン、セルロース、ファイバーガラス、炭素繊維、ポリスチレン、金属、プラスチック、および/または任意の他の適切な絶縁材などの任意の適切な材料から作ることができる。断熱材を含むバッテリパック構成の実施例を図9Cに図示する。特定の実施例において、セルアレイは、12個のセル、24個のセル、28個のセル、32個のセル、36個のセル、ならびに/またはパックおよび機内熱交換器ごとまたはパックもしくは機内熱交換器ごとに任意の他の適切な数のセルを含むことができる。
【0038】
循環サブシステムは、好ましくは、バッテリセルの上面、底面および/または側面(円筒形面、弧形面、幅広面および/または狭面)と熱的にインターフェースしている(thermally interfaces)。循環サブシステムは、好ましくは、機内熱交換器を介してバッテリセルと熱的にインターフェースしているが、代替で任意の他の適切なコンポーネントによりバッテリセルとインターフェースすることができる。サーマルインターフェース(thermal interface)は、断熱材に対向するセルアレイの側面に、断熱材に隣接して、側面に断熱材を設けて底面に、底面に断熱材を設けて側面に配置することができ、セルアレイ間にかみ合わせ、セル間にかみ合わせ、ならびに/またはセルおよび断熱材の両方もしくは一方に対して別様に配置することができる。
【0039】
バッテリ熱管理システムの循環サブシステムは、バッテリパック内の(例えば、セル間の)温度の均一性を向上させる働きをする。温度の均一性の向上には、バッテリパックの異なる領域(例えば、セル)間の温度の不均衡を低減することを含むことができる。バッテリパックが均一な温度またはそれに近い場合、循環サブシステムは、バッテリパックの温度を均一にまたはほぼ均一に調整する働きをすることもできる(例えば、バッテリパックの温度をコンディショニングするため)。循環サブシステムは、作動流体を、バッテリパックに通してバッテリパックに隣接して、または、バッテリパックに通すかもしくはバッテリパックに隣接して循環させる働きをすることもできる。循環サブシステムは、バッテリパックが発生する熱を蓄積する働きをすることもできる。循環サブシステムは、作動流体がその中を循環する流体エンベロープ(fluid envelope)、機内ポンプ、リザーバ、熱交換器(例えば、機内および機外の両方または一方)、および機外ポンプを含むことができる。
【0040】
流体エンベロープは、作動流体がバッテリ熱管理システムのコンポーネント間を循環するとき、作動流体を収容する働きをする。エンベロープは、配管、タンク、弁、レギュレータ、および/または任意の他の適切な流体処理コンポーネントを含むことができる。例えば、エンベロープは、流体マニホールド(例えば、分配マニホールド)および冷却板の容積を含むことができる。エンベロープは、作動流体と、システムの他のコンポーネント(例えば、熱交換器、バッテリパック、等)および外部環境(例えば、バッテリパック近くの気流)の両方または一方と、の間で熱を伝達することのできる任意の適切な材料から作ることができる。エンベロープは、環境/雰囲気条件から、熱的に絶縁されないこと、(例えば、外縁の一部分に沿って)部分的に絶縁すること、または絶縁すること、ができる。エンベロープは、金属、プラスチック、ポリマー、剛性材料、非剛性材料、またはその任意の適切な組合せなど、任意の適切な材料から構成することができる。エンベロープの材料は、好ましくは、作動流体の性質/要件に対応するように選択される(例えば、腐食または他の有害な相互作用を避けるため、高温条件および低温条件の両方または一方での劣化を避けるため、循環サブシステムの圧力要件を満たすため、循環サブシステムでの損失水頭を最小限にするため、等)が、追加または代替で、任意の適切な基準で選択することができる。
【0041】
循環サブシステムは、好ましくは、機内ポンプを含み、これは、作動流体を(例えば、機内熱交換器を介して、冷却板を介して)バッテリパックに循環させる働きをする。システムは、好ましくは、各バッテリパックに少なくとも1つの機内ポンプを含む。したがって、複数のバッテリパックには、対応する複数の機内ポンプを関連付けるのが好ましい。しかし、システムは、2個のバッテリパックの各セットに、1つのポンプおよび任意の他の適切な数の機内ポンプまたは1つのポンプもしくは任意の他の適切な数の機内ポンプを含むことができる。機内ポンプは、好ましくは、図2に図示するように、輸送機関内に配置されて、輸送機関とインフラ設備との間のインターフェース接続に並列してエンベロープに接続される。より好ましくは、機内ポンプは、1つまたは複数のバッテリパックの近くに配置され(実施例を図5A図5B図6A図6B、および図7A図7Bに示す)、ポンプをバッテリパックに流体接続するために必要な、作動流体の所要質量/容積と流体マニホールドコンポーネントとの両方または一方を減らすことができる。機内ポンプは、バッテリパックに組み入れて、バッテリパックから分離して、リザーバに組み入れて、ホース継手に近接して、および/または別様に実施することができる。機内ポンプは、それが働くバッテリパック間に配置される(例えば、物理的な間、流体冷却剤回路に沿った中間位置)ことが好ましいが、代替で、バッテリパックの横、個別の輸送機関コンポーネント内、または任意の他の適切な場所に配置することができる。
【0042】
機内ポンプは、作動流体を所定の流量でバッテリパックに循環させる働きをすることもでき、所定の流量は機内ポンプコントローラによって決定される。機内ポンプは、好ましくは、循環サブシステムがインフラ設備から切り離されるときに輸送機関の機内作動流体の容積に応じた大きさにされる(例えば、物理的な大きさに合わせて作られる、最高ポンピング速度および電力要件に応じた大きさにされる、等)(例えば、より小さい容積)。例えば、機内ポンプは、コンディショニング中に(例えば、循環サブシステムがインフラ設備に接続され、したがって熱交換器に接続されているとき)作動流体を循環させるために使用しないのが好ましいため、機内ポンプは、機外ポンプよりも小型、軽量で、および/または強力でないものにすることができる。しかし、機内ポンプは、追加または代替で、他の適切な大きさにすることができる。
【0043】
機内ポンプは、好ましくは、エンベロープに並列して接続して(実施例を図2および図11Aに示す)、機内ポンプが総合バッテリ熱管理システム(例えば、輸送機関は、熱交換器を含むインフラ設備に接続されている)によってコンディショニング中にアイドル状態を保つようにすることができる。実施例において、機内ポンプは、輸送機関がインフラ設備から切り離されているときに、輸送機関内の作動流体の容積に適合するポンピング速度範囲を定め、輸送機関がコンディショニングのためにインフラ設備に装着されている場合には、機外ポンプ(例えば、総合システムおよび作動流体容積のより大きいポンピング要件に合わせた大きさにされるかまたは別様に構成される)の方を選択して、機内ポンプは使用しない。第1変形例において、機内ポンプは、2個のバッテリパックに流体接続され、その間に配備され(例えば、バッテリパックと同一平面上、バッテリパック側面の突出部内に配置される、等)、それにより、必要なチュービングの長さを最小限にする。第2変形例において、機内ポンプは、翼部に配備されて(例えば、各翼部に1つずつ配備する2つのポンプ)、流体マニホールドが客室スペースを制限しないようにすることができる。しかし、機内ポンプは、他の形で配置することができる。
【0044】
代替変形形態において、機内ポンプは、(例えば、放電中にバッテリパックが発生する、動作中に1つまたは複数の電動モータが発生する)廃熱から生じる温度差によって駆動される受動(例えば、無電力)ポンプとすることができる。循環サブシステムは、エンベロープを通る作動流体の対流ループを確立するために、該温度差を生むように配置することができる。例えば、エンベロープは、第1位置で環境へ熱を排出し、作動流体を(例えば、重力作用で)閉駆動熱サイクルの周りに誘導するように、輸送機関内に配置することができる。しかし、機内ポンプは、該変形形態において作動流体を受動的に循環させるように他の形で適切に構成することができる。
【0045】
機内ポンプは、水中ポンプ、非水中ポンプ、容積式ポンプ(例えば、ロータリ、往復動、リニア)、インパルスポンプ、速度ポンプ、遠心ポンプ、軸流ポンプ、ギアポンプ、スクリューポンプ、プログレッシブキャビティポンプ、ルーツポンプ、蠕動ポンプ、プランジャポンプ、トリプレックスタイププランジャポンプ、渦巻きポンプ、バルブレスポンプ、ヘリコアキシャルポンプ、および/または任意の他の適切なタイプのポンプなど、任意の適当なタイプのポンプとすることができる。機内ポンプは、任意の適切な最大流量を有することができ、これは、供給電力、循環サブシステムの物理的な制限、電子制御に基づいて制限する、および/または別様に規定することができる。機内ポンプの最大流量は、<5L/分、5L/分、10L/分、20L/分、40L/分、60L/分、80L/分、100L/分、>100L/分、前述の値によって規定される任意の範囲、および/または任意の他の適切な流量とすることができる。機内ポンプは、任意の適切な供給電力を受け入れることができる。入力電源は、DC12V、DC24V、DC48V、DC96V、AC120V、AC240V、バッテリパックと同じ電圧、および/または任意の他の適切な供給電圧など、任意の適切な供給電圧を有するACまたはDCとすることができる。機内ポンプの供給電力は、<25W、25W、50W、100W、250W、350W、500W、1kW、2.5kW、5kW、10kW、>10kW、および前述の値によって規定される任意の適切な範囲、および/または任意の他の適切な電力など、任意の適切な最大常時電力またはピーク電力を有することができる。
【0046】
ポンプコントローラは、フェールセーフモードを含め、様々なモード間でポンプ(例えば、機内ポンプ)を作動させる働きをする。フェールセーフモードでは、ポンプは、公称外状態(例えば、熱イベント)の検知に応答して、作動流体をバッテリパックに循環させ、それによって既存の熱イベントを軽減し、および/またはバッテリパック内の複数のセルへの熱イベントの伝播を防止するために、高流量で動作することができる。フェールセーフモードに入ることは、バッテリパックの1つまたは複数のセルでの熱イベント、機内ポンプコントローラの冗長部分(例えば、2つの制御モジュールのうちの1つ)への電力損失、熱イベントの前駆状態(precursor condition)の検知、通信の損失、および/または任意の他の適切なトリガイベントによってトリガすることができる。ポンプコントローラは、ポンプのPRM、流量、圧力(例えば、ポンプヘッド)、電力状態(例えば、オン/オフ)、および/または任意の他の適切なポンプパラメータを調節することができる。
【0047】
ポンプコントローラは、バッテリ電子機器に組み入れられるか、ポンプに組み入れられるか、またはポンプおよびバッテリ電子機器から分離することができる。ポンプコントローラは、ポンプの近く、バッテリパックの近く、輸送機関コントローラ(例えば、フライトコンピュータ)の近く、バッテリパックとポンプとの間、2つのバッテリパックの間に配備する、および/または別様に配置することができる。
【0048】
ポンプコントローラは、好ましくは、耐故障性にして、(例えば、熱イベントにより、システムの他の障害により、等)バッテリパックの全部または一部が故障し、電力の送電が止まった場合でも、機内ポンプが有効に動作することができるようにする。耐故障性は、機内ポンプコントローラおよび機内ポンプと1つのバッテリパックとの間の冗長接続性を使用して、機内ポンプコントローラおよび機内ポンプに電力供給することにより実現することができる。耐故障性は、追加または代替で、複数のバッテリパックから機内ポンプコントローラおよび機内ポンプへの冗長接続性を使用して実現することができる。
【0049】
耐故障性構成の特定の実施例において、図3Aに示すように、機内ポンプは、並列な三相巻線のセットを介して、バッテリパックの2つの異なる半体により電力供給される(例えば、同じバッテリパックの中の電気的に絶縁された各サブセットが、ポンプの異なる相セットに電力供給する)。耐故障性構成の第2の特定の実施例において、機内ポンプは、三相巻線の別々のセットを介して、第1バッテリパックおよび第2バッテリパックによって電力供給され、その実施例を図3Bに示す。
【0050】
耐故障性構成において、機内ポンプの動作のフェールセーフモードは、2セットの三相巻線の一方と関連付けられているバッテリパックのセルの1つに熱イベントが発生した場合に、他方の1セットの三相巻線でポンプを動作させることを含むことができる。ポンプは、並列モータドライブ電子機器サブシステムのうちの1つへの電力損失(例えば、熱イベントが並列モータドライブ電子機器サブシステムのうちの1つへの送電を途絶したため)、(例えば、起こりうる熱イベントに関連して検知された電力サージまたは電力垂下に応答して発生する)バッテリ電子機器からの故障トリガの受信、および/または任意の他の適切なトリガイベントを含め、上述したような様々なトリガイベントに応答して、フェールセーフモード(例えば、高流量)に入ることができる。
【0051】
耐故障性構成の変形例において、ポンプコントローラは、2019年9月17日に出願された米国特許出願第16/573837号で説明されているアーキテクチャによって冗長的に電力供給され、同特許出願は、この参照によりその全体が組み込まれる。変形例の特定の実施例において、ポンプコントローラは、冗長的に電力供給されて第1スイッチセットおよび第2スイッチセットに通信可能に接続されるかまたは冗長的に電力供給されるかもしくは第1スイッチセットおよび第2スイッチセットに通信可能に接続される。各スイッチセット310は、複数のフライトコントローラから制御データを受信する。第1スイッチセットは、第1バッテリパックに接続され、第2スイッチセットは、第2バッテリパックに接続される。実施例を図10A図10Cに図示する。
【0052】
耐故障性構成は、任意の適切な輸送機関コンポーネントへの耐故障性データと、任意の適切な輸送機関コンポーネントからの電力接続と、の両方または一方を含むことができる。輸送機関コンポーネントは、1つまたは複数の、任務ディスプレイ、ラジオ、コントローラ、データロガーもしくはデータ取得デバイス、車載ナビゲーションシステム(VNS : vehicle navigation system)、1つまたは複数の客室システム(例えば、航空機の客室内の受電デバイス、航空機の客室の環境パラメータを制御する受電デバイス、等)、アビオニクスゲートウェイ、エアデータブーム(air data booms)、バッテリ管理システム(BMS : battery management system)、暖房・換気・空調(HVAC : heating, ventilation, and air‐conditioning)コンポーネント、インセプタ、インバータ(例えば、クワッドインバータ、標準インバータ、等)、飛行装置(例えば、補助翼、下げ翼、垂直安定板、着陸装置、等)、輸送機関の複数のセンサ(例えば、IMUなどのキネマティクスセンサ、カメラなどの光学センサ、マイクロホンおよびレーダなどの音響センサ、温度センサ、煙探知機、ファイヤーロープセンサ(fire rope sensors)、高度計、圧力センサ、および/または任意の他の適切なセンサ)、ならびに輸送機関内の任意の他の適切なコンポーネントを含むことができる。輸送機関コンポーネントは、追加または代替で、センサフュージョンモジュール、飛行経路ベクトルモジュール、データ取得カード、データ取得ロガー、およびイーサネットラジオモジュールを含むことができる。
【0053】
冗長な輸送機関コンポーネントは、任意の適当な幾何学形状または関係で分散させることができる。冗長な輸送機関コンポーネントは、線形(例えば、図13Aに示すピッチ軸もしくはロール軸と平行もしくはこれに沿って整列して、追加または代替で、斜めにまたは他の向きで、等)に分散させ、1平面に配置し(例えば、客室の上下、翼部に渡って、ヨー軸およびロール軸で規定される平面に沿って、または任意の平面)、輸送機関コンポーネントから所定の距離離れて分散させ(例えば、乗客、ロータ、燃料タンク、バッテリ、着陸装置から、>1mずれて、2mずれて、5mずれて、0.5m~30mの間の距離、または任意の適当な距離、等)、および/またはスイッチ、スイッチセットもしくはフライトコンポーネントに対して分散させまたは配列することができる(例えば、スイッチ、モータもしくはモータインバータなどのコンポーネントの例、フライトコンポーネントのグループ、ノンクリティカルなフライトシステム群、図13Dに示す質量中心、圧力中心の、1メートル以内、1~3メートル、隣接位置、同じハウジングもしくは電気エンクロージャ内、等)。複数のコントローラは、好ましくは、最低距離離間させ、最低距離(例えば、1メートル、50cm、>1m、任意の適当な最低距離)が輸送機関の電気アーク経路または導電経路(例えば、導電経路からの最低距離、導電経路の両側、導電経路までのフライトコンピュータの距離に比した距離の分だけ離間、等)、同じ/同様な損傷源によって影響を受けにくいエリア(例えば、コックピットの前、乗客の下、荷物の後ろ、輸送機関の後部)などの衝撃生存率(impact survivability)(例えば、火災および防火、爆発性コンポーネント、減圧、雷、電荷中和、バードストライク、ユーザの影響、その他損傷源、等に関係する衝撃試験、モデリングもしくは過去のデータにより決定される)に基づいて決定され、追加または代替で、空間的な制約要因、ユーザの安全性(図13Cに図示)、アクセシビリティ、配線の長さ(例えば、標準ケーブルおよびワイヤの両方または一方の長さに対して決定される、等)に基づくことができ、または別様に配置することができる。追加または代替で、フライトコンピュータは、任意で、任意の適当な方法で、三次元に配置することができる。図13Bに図示される第1実施例において、コントローラは、コックピットの前に1つ、乗客の下に1つ、荷物室の後ろに1つ、輸送機関の後部(または尾部)に1つ配備されている。第2実施例では、導電経路の両側(または共通基盤)に少なくとも1つのコントローラがある。
【0054】
循環サブシステムは、機外ポンプを含むことができ、これは、作動流体152を熱交換器およびバッテリパックに循環させて、バッテリパックをコンディショニングする働きをする。機外ポンプは、追加または代替で、循環サブシステムに流体接続されている間に、作動流体を流体マニホールドに循環させる働きをすることができる。機外ポンプは、追加または代替で、作動流体を機外熱交換器に循環させて、作動流体をコンディショニングする働きをすることができる。機外ポンプは、輸送機関の外にあってコンディショニング中に輸送機関によって接続されるインフラ設備102のコンポーネントであることが好ましいが、機外ポンプは、追加または代替で、バッテリ熱管理システムの独立型コンポーネントとすることができる。機外ポンプは、機内ポンプとは独立して、機内ポンプと連動して動作する(例えば、作動流体の圧力および流量の両方または一方を上げる)ことと、その他の動作をすることと、の両方または一方が可能である。機外ポンプは、機内ポンプと同じにすることも、または異なることもできる。同じ/異なる型、同じ/異なるサイズ、同じ/異なる出力にすることと、別様に実施することと、の両方または一方が可能である。機外ポンプは、バッテリ充電器、外部電源、バッテリパックから電力供給されることと、別様に電力供給されることと、の両方または一方が可能である。機外ポンプは、機内ポンプと直列または並列に配置することと、複数の機外ポンプを直列/並列に配置することと、の両方または一方が可能である。
【0055】
いくつかの変形形態において、システムは、機内ポンプおよび機外ポンプの両方を含むことができる。代替変形形態において、システムは、機内ポンプのみ(例えば、機内ポンプは、作動流体をバッテリパックに単独で循環させることができるとともに、輸送機関がインフラ設備に連結されているときは、バッテリパックおよび熱交換器に合わせて循環させることができ、機内ポンプは、単独および総合循環サブシステムのどちらにも作動流体を循環させるのに適当な大きさにされる)、または機外ポンプのみ(例えば、輸送機関がインフラ設備に連結されていない状況で、バッテリパックからの廃熱によって駆動される対流によるなど、作動流体は受動的に循環することができる)を含むことができる。
【0056】
変形例において、機外ポンプは、機内ポンプと同じサイズにすることと、機内ポンプと実質的に同じ流量で作動流体を循環させるように構成する(例えば、作動流体を50%、25%、15%、10%、5%、2%、1%以内および/または全く同じ流量で循環させる)ことと、の両方または一方が可能である。代替で、機外ポンプは、作動流体を機内ポンプよりも多くの流量で循環させることができ、機内ポンプよりも大型にすることができ、機内ポンプよりも小型にすることができ、および/または別様に構成することができる。
【0057】
第1変形例において、機内ポンプおよび機外ポンプは、同じ作動流体を循環させる。第2変形例において、機内ポンプおよび機外ポンプは、異なる作動流体を循環させる。第2変形例の第1実施例において、機外ポンプは、作動流体を機内システムに注入し、機内作動流体は、機外冷却よりも先に排水され、さらに飛行前に再導入される。第2変形例の第2実施例において、機外ポンプは、機内システムと並行して第2作動流体を循環させる(例えば、機内作動流体は、熱的には接続されているが、機外作動流体とは流体的に分離している)。第3変形例において、機外ポンプは存在しない。
【0058】
循環サブシステムは、任意で、作動流体を収容し、流体エンベロープのコンポーネントの残りを流体接続する働きをする1つまたは複数の流体マニホールド(または分配マニホールド)を含むことができる。流体マニホールドは、直列および並列または直列もしくは並列の任意の組み合わせで接続される、機内ポンプ、機内熱交換器、流体継手、リザーバおよび/または任意の他の適切なコンポーネントを流体接続して終端させることまたは流体接続するかもしくは終端させることができる。好ましくは、流体マニホールドは、機内ポンプの出口を機内熱交換器の入口に、機内熱交換器の出口をポンプの入口に、機内熱交換器の入口をインフラ設備の出口(および/または流体継手の入口)に、機内熱交換器の出口をインフラ設備の入口(および/または流体継手の出口)に接続し、および/または前述の接続部のいずれかをリザーバに接続する。流体マニホールドは、配管、タンク、弁、レギュレータ、および/または任意の他の適切な流体処理コンポーネントを含むことができる。流体マニホールドは、環境/雰囲気条件から、熱的に絶縁されないこと、(例えば、外縁の一部分に沿って)部分的に絶縁すること、または絶縁すること、ができる。流体マニホールドは、金属、プラスチック、ポリマー、剛性材料、非剛性材料、またはその任意の適切な組合せなど、任意の適切な材料から構成することができる。流体マニホールドの材料は、好ましくは、作動流体の性質/要件に対応するように選択される(例えば、腐食もしくは他の有害な相互作用を避けるため、高温条件および低温条件の両方または一方での劣化を避けるため、循環サブシステムの圧力要件を満たすため、循環サブシステムでの損失水頭を最小限にするため、等)が、追加または代替で、任意の適切な基準で選択することができる。
【0059】
循環サブシステムは、任意で、リザーバを含むことができ(実施例を図5Aおよび図5Bに示す)、これは、熱管理が閉システムで、作動流体が環境と交換されない(例えば、作動流体が空気ではない)変形形態において作動流体を保持する働きをする。リザーバは、好ましくは、システムのインフラ設備(例えば、地上部分)のコンポーネントであるが、いくつかの変形形態では、システムは、地上型リザーバの代わりに、またはそれに追加して機内リザーバを含むことができる。リザーバは、プラスチック、複合物および/または任意の他の適切な材料など、任意の適切な金属から構成することができる。リザーバの材料の選択肢は、様々な長所をもたらすことができる。輸送機関のフレーム/胴体から雰囲気環境への受動的な放熱を可能にする材料(例えば、アルミニウム、金属、等)を選択することができる。リザーバの任意の配置を可能にする材料を選択することができる。プラスチック(例えば、ブロー成形、射出成形したもの)は、低コストで高度な幾何学的形状の変化を提供することができるのに対し、複合物は、重量を最小化するとともに輸送機関の構造要素として機能することまたは重量を最小化するかもしくは輸送機関の構造要素として機能することができる。
【0060】
さらに、リザーバは、熱リザーバとしての働きをすることができる(システムにサーマルマスを追加する)。熱リザーバの容積(および/または関連する作動流体の質量)は、(例えば、リザーバ内に収容される作動流体の比熱の)熱容量と流体の追加質量との間の範囲のトレードオフに基づいて選択することができる。変形例において、ポンプは、温度設定点と離陸前の他の運行パラメータとの両方または一方に基づいて運行を始める前に、様々な運行に対して最適な効率および範囲の両方または一方を確保しながら、リザーバ内に収容される作動流体の質量を選択的に増減することができる。
【0061】
循環サブシステムは、任意で、ホース継手を含むことができ、これは、輸送機関内の作動流体を輸送機関外のインフラ(例えば、機外冷却システム)に流体接続する働きをする。好ましくは、ホース継手は、ドライ接続を確立する(接続/切り離しからの最小限の漏れ)が、代替で、ウェット接続および任意の他の適切な流体接続またはウェット接続もしくは任意の他の適切な流体接続を確立することができる。流体継手は、ねじ込み式もしくはねじ切りなし、雌雄別形もしくは雌雄同形、テーパ付きもしくはテーパなしとすることができ、任意でガスケットを含むことができ、任意でばね式弁を含むことができ(例えば、ドライ接続)、および/または任意の他の適切な特徴を有することができる。ホース継手は、カムロック、クイック接続、クイックディスコネクト、フランジ付き継手、ホースリンク、エクスプレスカップリング、ストーズ(storz)、トリクランプ接続(tri-clamp connection)、レバーロック、および/または任意の他の適切なホース継手のタイプを含むことができる。ホース継手は、真鍮、ステンレススチール、アルミニウム、プラスチック、および/または任意の適切な材料仕上げ(例えば、耐食性、等)を施した任意の他の材料などの任意の適切な材料とすることができる。ホース継手は、輸送機関側(輸送機関と一体化される、循環サブシステムに接続される)と、輸送機関外側(例えば、インフラ設備102に機械的に接続される)とを含むことができる。第1変形例において、ホース継手の輸送機関外側は、充電コネクタ172(例えば、図18の実施例に図示される、充電ハンドルの部分)と一体化することができる。第1実施例において、流体接続および電気接続は同時に確立される。第2実施例において、流体接続は、電気接続とは別に係合/係脱することができる。第2変形例において、ホース継手の輸送機関側は、電気コネクタから分離している。第3変形例において、システムは、1セットの流入ホース継手および1セットの流出ホース継手を含み、循環サブシステムを通る作動流体の往復循環を可能にする。バッテリ熱管理システムは、航空機、ポンプ、バッテリパック、リザーバ、充電ステーション、電気コネクタ、充電器につき1つ、2つ、3つ、4つ、5つ以上、および/または適切な数のホース継手など、任意の適切な数のホース継手を含むことができる。
【0062】
循環サブシステムは、任意で、輸送機関外のインフラを輸送機関(例えば、機内循環サブシステム)から流体的に切り離す働きをするロックアウト機構(例えば、インターロック)を含むことができる。ロックアウト機構は、電気的インターロック、機械的インターロック、流体インターロック、遮断弁、および/または任意の他の適切な機構とすることができる。ロックアウト機構は、任意の適切な作動機構によって、手動または自動で動作することができる。作動は、電気機械的(例えば、ソレノイド弁、加圧開、加圧閉、等)、手動(例えば、ユーザ操作式)、機械的(例えば、ばね荷重式、流体の圧力/流れに依拠して開から閉に状態変化を引き起す、等)とすることと、別様に動作することと、の両方または一方が可能である。好ましくは、ロックアウト機構は、流量が絶対閾値を超える場合、流量が(例えば、BMS、ポンプコントローラ、コントローラ、等により)指令された流量とは異なる場合、入ってくる流体の温度が絶対閾値を超える場合、入ってくる流体の温度が期待温度より所定の量(例えば、>5℃)異なる場合、機外作動流体の組成が輸送機関内の作動流体のものと一致していない場合(例えば、機内が50/50の水グリコールに対し機外が80/20)、ロックアウト機構を起動するユーザ入力(例えば、ボタンを押す、音声入力、等)をシステムが受信した場合、および/または任意の他の適切な連結解除条件が満たされる場合などの、連結解除条件が満たされる場合に、流体ラインを自動的に連結解除する。ロックアウト機構は、航空機および循環サブシステムの両方または一方に対して任意の適切な位置に配置することができる。ロックアウト機構は、ホース継手の近くに配置してホース継手と一体化されるかまたはホース継手の近くに配置するかもしくはホース継手と一体化されることが好ましいが、代替で、各機内熱交換器に、機内ポンプの入口付近に配置する、および/または任意の他の適切な配置を有することができる。特定の実施例において、ロックアウト機構は、ホース継手と一体化されたソレノイド弁であり(実施例を図5Aに示す)、連結解除条件が満たされたことに応答してホース継手を連結解除するように構成されている。
【0063】
循環サブシステムは、任意で、脱イオン化フィルタを含むことができ、これは、バッテリの冷却、コンディショニング中に導入することと、その他のときに導入することと、の両方または一方が可能な作動流体からイオンを除去する働きをする。イオンフィルタは、いくつかの変形例では連続的なイオン濾過が必要ないため、輸送機関外に配備して(例えば、輸送機関外のインフラ)、輸送機関の質量/複雑さを低減するのが好ましいが、脱イオン化フィルタは、代替で輸送機関内の、循環サブシステムの任意の適当な部分に配備することができる。作動流体は、連続的に、バッテリ充電中に、定期的に、バッテリコンディショニング中(例えば、輸送機関外のインフラに流体接続されているとき)に、および/または任意の他の適切なタイミングで、脱イオン化フィルタを通過することができる。変形例において、イオンフィルタは、冷却剤の導電率を下げることができ、これにより、漏れがあった場合に短絡の可能性を低減することができる。
【0064】
熱交換システム130は、熱を分配、伝達、除去(例えば、排出)、および/または別様に管理する働きをする。熱交換システムは、熱源とヒートシンクとの間で熱を交換することができる。熱源は、好ましくは、システムの発熱コンポーネント(例えば、バッテリセル、バッテリパック、制御電子機器、等)であるが、任意の他の適切な熱源とすることができる。ヒートシンクは、作動流体、別のバッテリパックのコンポーネント(例えば、バッテリパックハウジング、バッテリセル、等)、別のバッテリパック、航空機のコンポーネント(例えば、支持構造物、等)、客室(例えば、客室環境、客室内の空気の体積)、雰囲気環境、および/または任意の他の適切なヒートシンクとすることができる。
【0065】
熱交換システム130は、循環サブシステムに熱接続および流体接続されることが好ましいが、循環サブシステムに熱接続のみするか、循環サブシステムとは熱的もしくは流体的に分離するか、または循環サブシステムに別様に接続することができる。熱交換システム130は、バッテリパック(および/またはその内部のセル)に熱接続されることが好ましいが、追加または代替で、バッテリパックに流体接続することができるか、またはバッテリパックに別様に接続することができる。熱交換システム130は、各セル、セルアレイ、セルアレイペア、バッテリパック、または他のセルの小集団に対して1つまたは複数の機内熱交換器を含むことができる。セルアレイ内のセルは、熱交換器に直列で、並列で、またはその組合せで熱接続することができる。機内熱交換器は、1つまたは複数のセルアレイに熱接続することができる。バッテリパック内のセルアレイは、熱交換器に直列で(例えば、単一の流体路によって)、並列で、またはその任意の適切な組合せで熱接続することができる。
【0066】
熱交換システムは、1つまたは複数の熱交換器、マニホールド、および/または他のコンポーネントを含むことができる。熱交換器および熱交換コンポーネントの両方または一方の例には、コンデンサ、エバポレータ、ラジエータ、冷却板(または冷却プレート)、熱板(または加熱プレート)、二重管式熱交換器、シェルアンドチューブ式熱交換器、プレート式熱交換器、プレートアンドシェル式熱交換器、断熱ホイール式熱交換器、プレートフィン式熱交換器、ピロープレート熱交換器、廃熱回収装置、相変化熱交換器、直接接触式熱交換器(例えば、気液、不混和液・液、固液もしくは固気、等)、マイクロチャネル熱交換器、エアコイル、ヘリカルコイル形熱交換器、スパイラル式熱交換器、および/または任意の他の適切なタイプまたは配置の熱交換器、および/または任意の他の適切な熱交換器コンポーネントを含むことができる。
【0067】
熱交換システム130は、1つまたは複数の、航空機の機内に配置される機内熱交換器、航空機の機外に配置される機外熱交換器、および/または他の熱交換器を含むことができる。
【0068】
機内熱交換器は、好ましくは、熱を、バッテリパックおよびバッテリパックのバッテリセル全体またはバッテリパックもしくはバッテリパックのバッテリセル全体に分配する働きをする。機内熱交換器は、代替で、バッテリセルを加熱する、バッテリセルを冷却する、バッテリパックのサーマルマスを増やす、作動流体への一時的な蓄熱のためにバッテリセルから熱を除去する(例えば、運行中、それによりシステムの熱容量を増やす、等)、セルと作動流体との間のサーマルインターフェースとして機能する、バッテリパックの構造的な剛性を高める(例えば、構造部材としてまたはハウジングの一部として機能する)、および/または他の機能性を果たす働きをすることができる。代替で、機内熱交換器は、機内冷却システム(例えば、ラジエータ、能動的冷却システム、等)に熱エネルギーを伝達する働きをすることができる。一実施例において、機内熱交換器は、飛行中にバッテリが発生した熱の、ある閾値量または割合未満を、航空機から除去(例えば、排出)する(例えば、飛行中に航空機の機外に90%未満、80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、等を除去する)。第2実施例において、機内熱交換器は、バッテリが発生した熱を航空機から受動的に除去する(例えば、ラジエータを使用して、ラジエータとして航空機のコンポーネントを使用して、等)。第3実施例において、機内熱交換器は、バッテリが発生した熱を航空機から能動的に除去する。
【0069】
熱交換システム130は、バッテリパックごとに1つの機内熱交換器、バッテリパックごとに複数の機内熱交換器(例えば、セルアレイごとに1つ、セルごとに1つ)、および/またはバッテリパック、セルアレイ、もしくはバッテリセルごとに任意の他の適切な数の機内熱交換器を含むことができる。複数の機内熱交換器は、(例えば、セルと、セルアレイと)積み重ねて、互いに隣接して配置して(例えば、面内)、介挿して、および/または別様に配置することができる。
【0070】
機内熱交換器は、側面冷却、底部冷却および/またはフラッド冷却をすることによって、バッテリセルと熱的にインターフェースすることができる(例えば、非導電性作動流体を用いて、鉱油作動流体を用いて)。機内熱交換器は、任意の適切な厚さを有することができる、複数の冷却チャネル(例えば、直列でおよび並列でまたは直列でもしくは並列で)を含むことが好ましい。好ましくは、熱交換器のチャネル厚さは、パッケージングおよび熱効率またはパッケージングもしくは熱効率を改善するために最小化される。厚さは、<0.5mm、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、3mm、4mm、5mm、7mm、10mm、>10mm、前述の値によって区切られる任意の範囲、および/または任意の他の適切な厚さにすることができる。機内熱交換器は、任意の適切な材料から構成することができ、該材料は、剛性、可撓性、金属(例えば、銅、スチール、アルミニウム、チタン、高温プラスチック、等)、サーマルインターフェース材料(例えば、熱ペースト)、および/または任意の他の適切な材料とすることができる。機内熱交換器は、任意の適切な構造を有することができる。
【0071】
機内熱交換器の例は、バッテリセルから冷却板のキャビティ内の作動流体まで熱を伝達する冷却板(例えば、冷却プレート)型熱交換器、固体熱伝導板、フレキシブル熱交換器、ヒートパイプ、ヒートスプレッダ、ヒートパイプ、フィン、拡大伝熱面、および/または別の熱交換器を含む。第1の特定の変形例(その実施例を図9Aに図示する)において、円筒形のバッテリセルは、非剛性熱交換器によって側面冷却することができる。第2の特定の変形例(その実施例を図9Bに図示する)において、バッテリセルは、熱交換器によって底部冷却される。
【0072】
機内熱交換器は、セル、セルアレイサブセット、セルのアレイ、バッテリパック、および/または任意の他の適切なコンポーネントに対して、任意の適切な関係または配置を有することができる。例えば、機内熱交換器は、セルの狭い面(例えば、セル側面)、セルの広い面、セルの縁、および/またはセルもしくはセルアレイの任意の他の適切な部分の全部または一部に熱接触することができる。好ましくは、機内熱交換器は、作動流体をそれに循環させながら、伝導によってバッテリセルから熱を除去する。代替で、機内熱交換器は、熱伝達の主要形態として、強制対流、自由対流、または放射によってバッテリと熱を交換する(例えば、熱を除去する)。機内熱交換器は、好ましくは、バッテリパックに恒久的に一体化されるが、代替で、バッテリパックから取り外し可能に一体化することができる(例えば、エンベロープおよびバッテリパックの両方または一方のサーマルマスを増減するため)。
【0073】
バッテリパック(バッテリパックのバッテリセル)と機内熱交換器とのサーマルインターフェースは、バッテリセル間の熱エネルギーを再分配し、同じアレイのバッテリセル間の熱エネルギーを再分配し、同じバッテリパック内のバッテリセルのアレイ間の熱エネルギーを再分配し、バッテリパック間の熱エネルギーを再分配し、バッテリパック(もしくはバッテリセル)を冷却し、バッテリパック(もしくはバッテリセル)を加熱し、および/またはバッテリパック(もしくはバッテリセル)から循環サブシステムに熱エネルギーを伝達するように構成することができるが、別様に構成することもできる。特定の実施例において、循環サブシステムは、バッテリパックを作動流体に熱接続している、バッテリパック内部に配備されている機内熱交換器を含む。第1の特定の実施例において、機内熱交換器は、冷却板であり、これは、バッテリセルを加熱する、バッテリセル間で熱を再分配する、バッテリセルを冷却する、作動流体への一時的な蓄熱のためにバッテリセルから熱を伝達する(例えば、運行中、それによりシステムの熱容量を増やす、等)、および/または他の機能性を果たすなど、複数の方法で機能することができる。特定の変形例において、バッテリパックと機内熱交換器とのサーマルインターフェースは、接着剤、結合剤、サーマルインターフェース材料(TIM : thermal interface material)、および/または他のコンポーネントにすることができる。特定の実施例において、機内熱交換器は、セルの底部に接着された冷却板であり、(例えば、エアギャップが全くないか、もしくは最小限のエアギャップで)熱接触(thermal contact)を確保し、構造的な剛性を高める(すなわち、冷却板は、構造要素として作用するとともに炭素構造/輸送機関のフレームに負荷を伝達することができるか、または、構造要素として作用するかもしくは炭素構造/輸送機関のフレームに負荷を伝達することができる)。
【0074】
熱交換システム130の機外熱交換器は、好ましくは、作動流体と外部環境との間で熱を交換し、航空機から熱を除去し(例えば、航空機の機外に)、循環システムから熱を除去し、および/または別様に熱を管理する働きをする。第1変形例において、熱交換器は、作動流体から周囲の空気に直接熱を交換する(例えば、強制対流により)。第2変形例において、機外熱交換器は、作動流体を準周囲冷却システム(sub-ambient cooling system)(例えば、冷蔵サイクル)に熱接続することによって、熱を間接的に外部環境と交換する。機外熱交換器は、バッテリパックの所望の温度設定点に応じて、作動流体を冷却することと、作動流体を加熱することと、の両方または一方を行うことができる。機外熱交換器は、インフラ設備のコンポーネントであることが好ましいため、熱交換器のタイプおよび構成は、輸送機関に関連付けられている利用可能な空間および質量収支または利用可能な空間もしくは質量収支によって制約されないことが好ましい。
【0075】
機外熱交換器は、好ましくは、インフラ設備の一部であり、好ましくは、輸送機関と一体化されていない。機外熱交換器は、好ましくは能動的熱交換器(例えば、作動流体を構造物の中に能動的に流して、作動流体から空気などの外部環境への熱伝達を高める、空気などの外部流体を能動的に流して、作動流体との熱伝達を高める、等)であるが、追加または代替で、作動流体との間で、そして外部流体媒体(例えば、空気)へ熱を伝達する受動的熱交換器(例えば、ヒートシンク)とすることができる。機外熱交換器は、コンデンサ、エバポレータ、ラジエータ、冷蔵システム、冷却システム、および/または任意の他の適切なコンポーネントを含むことができる。
【0076】
第1変形例において、冷蔵システムは、輸送機関外(機外)インフラ設備内に配置することができ、冷蔵システムの1つまたは複数のコンポーネントの質量なく輸送機関を動作させられる。冷蔵システムは、圧縮機、熱交換器(インタークーラ、コンディショナ、エバポレータ、等)、ファン、エアダクト、熱膨張弁(TXV : thermal expansion valve)、乾燥機、冷媒(例えば、流体のリザーバまたは容積)、冷蔵マニホールド、および/または任意の他の適切な要素など、1つまたは複数の冷蔵コンポーネントを含むことができる。輸送機関外の設備に1つまたは複数の冷蔵コンポーネントを含むことで、航空機の機内のコンポーネントの中に該コンポーネントを含める必要性を減らすこと(例えば、輸送機関内のコンポーネントの所要電力、サイズ、容積、および/またはコスト)と、なくすことと、の両方または一方が可能となる。第1変形例の特定の実施例において、輸送機関は、小型の機内圧縮機とより大型の機外圧縮機とを含む。第1変形例の第2の特定の実施例において、輸送機関は、循環サブシステムに熱接続されている機内圧縮機を含まない。
【0077】
第2変形例において、熱交換システム130は、冷却システム190を含むことができ、これは、作動流体から熱エネルギーを除去することによってバッテリをコンディショニングする働きをする。冷却システムは、輸送機関外のインフラの一部として航空機の機外に(例えば、航空機とは分離して別個に、例えば、熱交換器またはそのコンポーネントの外に)配備されることが好ましいが、代替で、冷却システムは、航空機の機内に配備すること(例えば、航空機の機内に小型冷却システム、および航空機の機外により大型の冷却システム)と、別様に配備することと、の両方または一方が可能である。冷却システムは、好ましくは、冷蔵サイクルを介して冷却するサブアンビエント冷却システムであり、圧縮機192、機外熱交換器(インタークーラ、コンデンサ、エバポレータ、等)、ファン、エアダクト、熱膨張弁194(TXV)、乾燥機、冷媒(例えば、流体のリザーバもしくは容積)、冷蔵マニホールド、および/または任意の他の適切な要素など、任意の適切な冷蔵コンポーネントを含むことができる。輸送機関外の設備に1つまたは複数の冷却コンポーネントを含むことで、該コンポーネントを航空機の機内のコンポーネントの中に含める必要性を減らすこと(例えば、輸送機関内のコンポーネントの所要電力、サイズ、容積および/またはコスト)と、なくすことと、の両方または一方が可能となる。特定の実施例において、システムは、小型の機内圧縮機とより大型の機外圧縮機とを含む。第1変形例の第2の特定の実施例において、輸送機関は、循環サブシステムに熱接続される機内圧縮機を含まない。第3実施例において、バッテリのコンディショニングの前に(例えば、航空機が着陸する前)に、大量の作動流体が機外冷却システムで冷却される。第3実施例において、バッテリ熱管理は、冷蔵サイクルの最大冷却能力または熱排出に制限されるのではなく、むしろリザーバの熱容量に依拠してバッテリパックをコンディショニングし、それによって、より効率的な冷却を可能にすることができる(例えば、作動流体とバッテリセルとの間のより大きな温度差により)。第4実施例において、輸送機関の作動流体を機外冷却システムからのよく冷えた作動流体と取り替えることによって、機内リザーバの熱容量を増やす。しかし、機外冷却システムは、代替で、超周囲冷却システム(super-ambient cooling system)と、任意の他の適切な冷却コンポーネントを備える任意の他の適切な冷却システムと、の両方または一方を含むことができる。
【0078】
システムは、バッテリ管理システム(BMS)などのバッテリ電子機器112を含むことができる。バッテリ電子機器は、1つまたは複数のバッテリパックに連結することができる(例えば、バッテリ電子機器とバッテリパックが1:1、1:N、またはN:1の関係で)。バッテリ電子機器は、バッテリパックの状態を監視する働きをする。バッテリパックの状態には、充電状態(SoC : state of charge)、劣化状態(SoH : state of health)、充放電可能電力(SoP:state of power)、安全状態(SoS : state of safety)、温度(例えば、パックの、セルの、セルアレイの、作動流体の、セルの温度分布、等)、および/または任意の他の適切な特性を含むことができる。バッテリ電子機器は、バッテリパックの状態をバッテリ熱管理システムの他のコンポーネントに報告する働きをすることもできる。バッテリ電子機器は、バッテリパックの充電および放電の両方または一方を制御する働きをすることもできる(例えば、輸送機関の操縦士、またはコンピュータ化された輸送機関操縦システムからの指令に基づいて)。バッテリ電子機器は、さらに、輸送機関内もしくは輸送機関外の再循環および冷却システムまたは再循環もしくは冷却システムを制御する働きをすることができる。
【0079】
バッテリ電子機器は、1つまたは複数のセンサを含むことができる。バッテリ電子機器のセンサは、動作中にバッテリパックのパラメータを測定する働きをする。センサは、バッテリパックの電気関連パラメータ(例えば、バッテリパックを流れる電流、バッテリパックの電圧、バッテリパックの充電状態、等)、バッテリパックの熱パラメータ(例えば、バッテリパック内の任意の適切な箇所の温度、バッテリパック外の温度、バッテリパック内もしくはその周囲の任意の適切な箇所の温度変化率、等)、バッテリパックを通る作動流体の流量(例えば、ヒートシンクを通る)、および/または任意の他の適切なパラメータを測定することができる。前述のパラメータの測定には、任意の適切なセンサタイプまたはモダリティを利用することができる(例えば、電流プローブ、分路、熱電対、サーミスタ、等)。バッテリ電子機器は、機内ポンプ、輸送機関コントローラ、輸送機関外のインフラ(例えば、機外ポンプ、バッテリ充電器、機外冷却システム、等)、および/または任意の他の適切な輸送機関コンポーネント/エンドポイントに通信可能に接続するように構成されている通信モジュール(有線または無線)を含むことができる。
【0080】
バッテリ電子機器は、バッテリセル114と同じシステムおよび異なる冷却コンポーネントの両方または一方によって冷却することができる。バッテリ電子機器は、空気冷却し、個別のヒートタンクに接続し、機体に熱接続し、および/または別様にバッテリセルとは別に冷却することができ、それによって、バッテリ熱管理システムに対する熱負荷を低減する。バッテリ電子機器は、該バッテリ電子機器が制御するバッテリパックによって電力供給されることと、個別のバッテリパックによって電力供給されることと、の両方または一方が可能である。
【0081】
バッテリ熱管理システムは、任意で、充電ステーションを含むことができ、これは、バッテリパックに電気エネルギーを供給する働きをする。充電ステーションは、機外冷却システムと一体化することができ、または個別にすることができる。電気コネクタ(別名、充電器)およびホース継手は、1つのデバイス(例えば、充電ハンドル)に組み入れられることができ、または個別のデバイスとすることができる。航空機、バッテリパック、ポンプ、ホース継手ごとに1個または複数個など、任意の他の適切な数の充電ステーションが存在することができ、または1つの充電ステーションに関連付けられる複数の航空機、バッテリパック、ポンプおよび/またはホース継手が存在することができる。第1変形例において、システムは、(例えば、+/-側を有する)1つの充電器と(例えば、個別の入口チューブおよび出口チューブを備える)1つ(機外側)のホース継手とを含み、これは、輸送機関の後部、輸送機関の前部、輸送機関の側部、輸送機関の翼部、および/または他の適切なエンドポイントに接続することができる。第2変形例において、システムは、2つ(機外側)のホース継手を含み(例えば、個別の入口チューブおよび出口チューブを備える)、これは、輸送機関の前部/後部、輸送機関の左側/右側、輸送機関の左/右翼部、および/または他の適切な輸送機関のエンドポイントに接続することができる。
【0082】
バッテリ熱管理システムは、任意で、認証された冷却および充電または冷却もしくは充電システムが輸送機関を充電/冷却することができることを確実にする働きをする認証機構を含むことができる。第1変形例において、認証システムは機械的である。第1変形例の第1実施例において、専有キーが流体継手をロック解除する。第1変形例の第2実施例において、流体継手は、専有インターフェースである。第2変形例において、認証システムはデジタルである。第2変形例の第1実施例において、機外流体継手ヘッドまたは機外充電および冷却または機外充電もしくは冷却設備は、その識別子をコントローラ(例えば、機内コントローラ)に送信し、コントローラは、機外充電/冷却システムを(例えば、機内データベースを用いて、中央管理システムを用いて、専有クラウドシステムを用いて、等)検証し、コントローラは、検証に応答して(例えば、ポンプの始動により、流体継手のロック解除により、等)冷却/充電を開始する。第2実施例において、機外充電および冷却または機外充電もしくは冷却システムは、第1実施例と同じようにまたは同様に航空機を検証する。
【0083】
特定の実施例において、バッテリ熱管理システムは、機内コンポーネントおよび機外コンポーネントのセットを含む。この実施例の機内コンポーネントのセットは、1つまたは複数のバッテリパック、循環サブシステムの一部分、機内ポンプおよび機内ポンプコントローラを含み、熱交換器またはリザーバは除外される。この実施例において、機内コンポーネントのセットは、eVTOL航空機と一体化される。この実施例の機外コンポーネントのセット(例えば、インフラ設備)は、熱交換器、機内部分に接続されて1つまたは複数のバッテリパックのコンディショニングを可能にすることのできる循環サブシステムの別の部分、機外ポンプ、機外ポンプコントローラおよびリザーバを含む。特定の実施例において、輸送機関は、圧縮機または冷蔵ユニットなど、循環サブシステムまたは熱コンディショニングシステムの重量の重いコンポーネント(例えば、無積載輸送機関重量の5%、10%、20%、等を超える重量のコンポーネント)を除外する。
【0084】
システムは、コントローラを含むことができる。コントローラは、複数のノード(輸送機関に搭載されている計算ノードおよびインフラ設備に連結されているノード)にわたって分散させるか、1箇所に集中化することができる(例えば、機内ポンプコントローラ、機外ポンプコントローラなどの、システムの制御可能なコンポーネントに通信可能に連結される集中コントローラ、等)。コントローラは、入力データに基づいてコマンド命令を実行して、バッテリ熱管理システムの要素を制御する働きをする。実施例において、コントローラは、方法200の全体または一部を実行または実施することができるが、コントローラは、追加または代替で、本明細書で説明されるかまたは別様に適切に定義されるシステムコンポーネントの任意の適切な機能性を実行または実施することができる。
【0085】
システムは、任意で、流体マニホールドおよび流体エンベロープの両方または一方の任意の適切な部分から、気体状態の加圧または無加圧の作動流体(または他の気体)を排気するガスリリーフ(例えば、通気口)を含む。作動流体の気化作用は、変形例において、熱イベントの伝播に対する保護と、作動流体の気化作用の潜熱を利用したシステムの熱容量の増加と、の両方または一方を可能にする。ガスリリーフ機構(ベント、弁、バースト膜、等)は、バッテリパック(例えば、パック側面、パック端部)、機内ヒートシンク、流体マニホールド(例えば、ポンプに隣接して)、リザーバ、ポンプ、および/または流体エンベロープ内の任意の他の適切な場所に含めることができる。変形例において、熱イベント(例えば、熱暴走)は、相を変化させるためにより多くの作動流体を利用できるようにすることによって軽減することができ(例えば、気化作用の潜熱を気化させ捕捉する)、これにより、システムの他の部分への熱の再分配の必要なく、より大きな熱吸収をさせることができる(例えば、ガスリリーフ機構から排出された気体の内部エネルギーはシステム内に残らない)。第1実施例において、相変化に利用できる流体を増やせるようにするために、流量を増加する(例えば、ポンプRPM、熱イベントを受けている1つまたは複数のセルに向けて冷却剤を向け直す、予期される熱イベントに向けて冷却剤を向け直す、リザーバからより多くの冷却剤をポンピングする、等)。第2実施例において、相変化(例えば、気化作用)によって吸収された熱をシステムから除去/排出する。第3の特定の実施例において、相変化(例えば、気化作用)により吸収された熱はシステム内に留まり、作動流体(例えば、リザーバ内の、液相の)、他のバッテリセル、および/または他の適切なエンドポイントに再分配することができる。しかし、熱イベントは、作動流体または他の機構を使用して別様に軽減することができる。
【0086】
好適な実施形態のシステムおよびその変形形態は、少なくとも部分的に、コンピュータ可読命令を格納するコンピュータ可読媒体を受け入れるように構成される機械として、具現および実施または具現もしくは実施することができる。命令は、好ましくはシステムと一体化されるコンピュータ実行可能コンポーネントと、システムの一部と、の両方または一方によって実行されることが好ましい。コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、光学デバイス(CDもしくはDVD)、ハードドライブ、フロッピードライブ、または任意の適切なデバイスなど、任意の適切なコンピュータ可読媒体に格納することができる。コンピュータ実行可能コンポーネントは、好ましくは、汎用プロセッサまたは特定用途向けプロセッサであるが、代替または追加で、任意の適切な専用ハードウェアまたはハードウェア/ファームウェアの組合せデバイスが命令を実行することができる。
【0087】
4.方法
図4に図示するように、方法200は、バッテリパックの温度設定点を決定すること(S100)と、バッテリパックの温度を温度設定点に調整すること(S150)とを含む。方法は、追加または代替で、バッテリパックの温度を判定すること(S200)と、バッテリパックの温度に基づいてバッテリパック内の熱を再分配すること(S250)とを含むことができる。方法200は、追加または代替で、任意の他の適切なプロセスを含むことができる。
【0088】
ブロックS100は、バッテリパックの温度設定点を判定することを含む。ブロックS100は、バッテリパックをコンディショニングするべき目標温度を決定する働きをする。ブロックS100は、好ましくは、(例えば、ブロックS150の1つまたは複数の変形形態に従って)インフラ設備の能動的コンディショニングコンポーネントを使用してバッテリパックをコンディショニングすることができるようにするために、インフラ設備から輸送機関が出発する前に行われるが、ブロックS100は、追加または代替で、任意の他の適切な時に行うことができる。ブロックS100は、好ましくは、システム100のコントローラと実質的に同様なコントローラによって自動的に行われるが、適切なシステムの任意の適切なコンポーネントと、このようなシステムに関連するエンティティ(例えば、人の操縦士)と、の両方または一方によってその他適切に行うことができる。
【0089】
温度設定点は、好ましくは、離陸温度設定点であるが、追加または代替で、動作上の設定点または任意の他の適切な設定点とすることができる。
ブロックS100は、好ましくは、輸送機関の運行プロファイルに基づいて行われる。運行プロファイルは、航続時間、運行範囲、輸送機関の重量、様々な動作モードに費やす時間(例えば、ホバー、前進/巡航、転移、離陸、着陸、等)、(例えば、運行に沿った場所の)雰囲気温度、バッテリパラメータ(例えば、年数、容量、セルタイプ/型式、現在の温度、現在のSoC、SoP、SoH、等)、輸送機関の重量、貨物重量、重量分布、および/または任意の他の適切なパラメータを含むことができる。バッテリパラメータは、個々のセルについて決定することができ、同様なパラメータを有するセルについて包括的なものとすることができ、バッテリパックについて決定することができ、同様なパラメータを有するバッテリパックについて包括的なものとすることができ、または別様に決定することができる。輸送機関が航空機である実施例において、運行プロファイルは、飛行計画(例えば、1つもしくは複数のフライトまたはフライトの行程について)と、任意の他の飛行データ(例えば、気象データ、航空交通データ、等)と、の両方または一方を含むことができる。運行プロファイルは、ユーザ、ユーザデバイス、機内コントローラ、遠隔システム、および/または他の適切なエンドポイントから受け取ることができ、任意の他の適切なパラメータセットを含むことができる。
【0090】
ブロックS100は、運行(例えば、飛行)の予想電力消費量を決定することを含む。予想電力消費量は、運行プロファイル、電力消費量モデル、および/または他の情報に基づいて決定することができる。第1変形形態では、予想電力消費量は、物理的な輸送機関モデルに基づいて決定することができ、これは、(例えば、輸送機関、輸送機関のフリートの)試験データまたは運行履歴データに基づいて理論的または実証的に決定することができる。第2変形形態において、予想電力消費量は、運行プロファイルのルックアップテーブル/チャートと、物理的な輸送機関モデルと、の両方または一方から選択することができる。第3変形形態において、予想電力消費量は、予想電力消費量を出力するように訓練された機械学習モデルに基づいて決定することができる。しかし、運行の予想電力消費量は、別様に決定することができる。
【0091】
ブロックS100は、バッテリモデルに基づいて、運行(例えば、飛行)中の予想発熱量を決定することを含むことができる。予想発熱量は、発熱速度、飛行場所間で発生する熱、発熱の速度、および/または他の発熱パラメータとすることができる。予想発熱量は、(例えば、ルックアップテーブルから)選択すること、(例えば、式から、バッテリモデルにより、等)計算すること、または別様に決定することができる。バッテリモデルは、試験データ(例えば、バッテリセルについての実証試験、バッテリパックについての実証試験)、所与のバッテリパックの履歴飛行データ、所定のモデル(例えば、製造業者もしくはバッテリ特性評価エンティティから受け取る、等)に基づいて生成すること、または別様に生成することができる。バッテリモデルは、バッテリセルタイプ(例えば、クラス、製造業者、型式、等)に基づいて、予め決定すること、用途に応じて選択すること、または別様に決定することができる。バッテリモデルは、バッテリパックの始動温度(例えば、すべてのセルを平均化する、パックの1つの温度センサで測定する、作動流体の温度、等)、予定充電状態(例えば、離陸時)、バッテリパックもしくは各バッテリセルについて見積もられる劣化状態(SoH)、運行の予想電力消費量(例えば、総電力消費量、時系列として、電力消費率、等)(航空機モデルもしくはシミュレーション、ルックアップテーブルから決定する、等)、バッテリの仕様、および/または任意の他の適切なパラメータに基づいて予想発熱量を決定することができる。第1変形例において、予想発熱量は、所与の入力パラメータのルックアップテーブル/チャートから選択される。第2変形例において、予想発熱量は、予想電力消費量を出力するように訓練された機械学習モデルに基づいて決定される。しかし、運行(例えば、飛行)中の予想発熱量は、別様に決定することができる。
【0092】
ブロックS100は、予想発熱量に基づいてバッテリパックの予想温度上昇を決定することを含むことができる。温度上昇は、運行(例えば、飛行)全体での絶対的な温度増加、任務の各区間(例えば、飛行の各行程)についての温度増加、増加率、または別のパラメータにすることができる。予想温度上昇は、バッテリパックのサーマルマス(例えば、比熱)、作動流体の比熱(例えば、作動流体の既知の容積および温度または容積もしくは温度について)、および/または運行中の予想熱損失(例えば、熱源/ヒートシンクからの、環境への、輸送機関の残りの部分への、客室への予想放熱、等)に基づいて決定することができる。バッテリパックのサーマルマスは、試験によって実証的に決定し、理論的にモデル化し(例えば、計算し)、充電および放電中または充電もしくは放電中の履歴温度変化に基づいて決定し、データベースから検索し、および/または別様に決定することができる。バッテリパックのサーマルマスは、バッテリパックの絶対サーマルマス、バッテリパックの利用可能なサーマルマス(例えば、現在のバッテリパックの温度および離陸時のバッテリパックの予想温度の両方または一方を考慮して、以下に述べる、最高バッテリ温度に到達する前にバッテリパックが吸収できる熱量)、および/または他の熱パラメータにすることができる。
【0093】
ブロックS100は、任意で、予想熱上昇に基づいてバッテリセルと作動流体との予想温度差を決定することを含むことができ、これは、固定オフセット(例えば、同じ温度、2℃差、等)を仮定することと、履歴/試験データを使用して材料特性および流量に基づいて温度過渡を動的にモデル化することと、および/または別様に予想温度差を決定することと、を含むことができる。しかし、バッテリパックおよびセルの両方または一方の予想温度上昇は、別様に決定することができる。
【0094】
ブロックS100は、温度設定点を決定するために、バッテリ温度要件から予想温度上昇を相殺することを含むことができる。バッテリ温度要件は、>65℃、65℃、60℃、55℃、50℃、45℃、40℃、<45℃、前述の値によって区切られる任意の範囲、および/または任意の他の適切な温度の最高バッテリ(パックまたはセル)温度とすることができる。バッテリ温度要件は、試験データ、バッテリの仕様、バッテリ効率範囲、バッテリ寿命(例えば、バッテリが劣化し始める温度)、バッテリSoH、バッテリSoC、熱暴走の可能性(例えば、所与の充電状態で、所与のバッテリ化学的性質の絶対閾値、バッテリ製造業者の要求事項、保証要件、等)、安全マージン、飛行計画(例えば、フライトの各行程またはフライトシリーズの各フライトについて異なるバッテリ温度要件が選択される)に基づいて決定することと、別様に決定することと、の両方または一方が可能である。特定の実施例において、温度設定点を得るために、飛行中の予想温度変化をバッテリ温度要件から引くことができる。
【0095】
ブロックS100は、バッテリSoC(例えば、現在のSoC、離陸時の予想SoC、飛行中の予想SoCプロファイル)に基づいてバッテリの温度設定点を調整することを含むことができ、これは、高いバッテリSoCで伝播する熱暴走のリスクを低減または軽減する働きをする。温度設定点を調整することは、所与のSoCおよび予想電力消費量での熱イベントの可能性を決定することを含むことができ、現在のSoC、離陸時のSoC、冷却率、熱再分配率、充電中に発生すると予想される熱、および/または任意の他の適切なパラメータに基づいて決定される。熱イベントの可能性を決定することは、特定のSoCでの熱伝播の確率、ルックアップテーブル、機械学習モデル、および/または他の適切な技法に基づいて決定することができる。熱イベントの可能性は、運行プロファイルについて1回、予想運行プロファイルの時系列モデルに対して、予想運行プロファイルについて定期的に、運行プロファイル/SoCの連続関数近似について予測すること、および/または別様に予測することが可能である。第1実施例において、10マイルの運行についてのバッテリの温度設定点は、40℃であると決定される。バッテリパックは、95%SoCを有する。ブロックS100は、温度設定点が30℃に下がるように調整して、高いSoCを考慮して、熱イベントの伝播が確実に不可能になるようにする。
【0096】
輸送機関は、好ましくは、低質量に合わせて最適化され、したがって能動的コンディショニング装置がないことが好ましいため、温度設定点は、好ましくは、運行中に計算された温度変化(例えば、運行プロファイルに基づいて計算される)に従って決定される。しかし、温度設定点は、所望の航空機のコンポーネントの温度(例えば、翼部の温度、エンジン収容部の温度、ハブの温度、客室温度)に基づいて決定することができ、そこでバッテリパックは、熱源、他のコンポーネントの発熱、および/または他のパラメータとして機能することができる。例えば、運行プロファイルは、輸送機関の離陸重量、運行距離、および運行の各段階における予定飛行時間、および関連する予想電力消費を含むことができる。この実施例において、ブロックS100は、運行プロファイル(例えば、飛行計画を含む)に基づいて飛行中にバッテリパックの放電特性を計算することと、飛行中の予想温度上昇を計算することと、バッテリパックの温度が(例えば、熱イベントの発生を防ぐように決定された)所定の範囲内に留まるように飛行前の温度設定点を決定することと、を含むことができる。関連する実施例において、温度設定点を決定する基準は、追加または代替で、輸送機関の質量(積載もしくは無積載)、輸送機関の抗力プロファイル、エネルギー放電プロファイル、および/または輸送機関の移動(例えば、運行)の任意の他の適切な所定のもしくは動的に決定される時系列定量化態様を含むことができる。
【0097】
第2変形例において、温度設定点は、発見的に決定することができる(例えば、飛行計画に基づいて)。
第3変形例において、バッテリパックの温度設定点は、予め決定することができる(例えば、絶対最大、静的設定点、等)。
【0098】
第4変形例において、温度設定点は、ユーザ入力に基づいて決定することができる。
第5変形例において、温度設定点は、ルックアップテーブルから決定することができる(例えば、飛行距離または航空機の重量などのフライトパラメータを、温度設定点または予想温度上昇に関係付ける)。
【0099】
第6変形例において、温度設定点は、訓練されたニューラルネットワークによって決定することができる。しかし、温度設定点は、別様に決定することができる。
第7変形例において、温度設定点は、バッテリパックの特定の化学的性質に関連する最適な放電温度に基づいて決定することができる(例えば、電力供給が最大限効率的になる温度または温度設定点)。温度設定点は、最適放電温度に等しくすることができるが、追加または代替で、バッテリパックが放電中に温かくなる結果として、運行中の所望の期間(例えば、最大化期間、離陸および着陸の両方または一方などのリスクの高い輸送機関の動作に関連する期間、等)にバッテリパックが最適放電温度になるように、最適放電温度未満にすることができる。しかし、温度設定点は、追加または代替で、別様に適切に決定することができる。ブロックS100の実施例を図14に示す。
【0100】
第8変形例において、予想温度上昇は、マイナスにすることができる(例えば、温度変化、温度低下、等)。
ブロックS150は、バッテリパックの温度を温度設定点に調整することを含む。変形例において、輸送機関の動作(例えば、離陸または飛行)は、バッテリパックの温度が温度設定点を満たすことを条件とすることができる。ブロックS150は、バッテリパックをコンディショニングする働きをし、これは、輸送機関動作中に能動的な温度制御の必要性をなくすとともにバッテリパックのパフォーマンスを最大化するために、バッテリを加熱および冷却または加熱もしくは冷却することを含む。温度設定点は、好ましくは、離陸温度設定点であるが、追加または代替で、動作上の設定点または任意の他の適切な設定点にすることができる。ブロックS150は、輸送機関コンポーネント(例えば、バッテリパックおよび機内循環サブシステム)を輸送機関外のコンポーネント(例えば、機外循環サブシステム、熱交換器、機外ポンプ、等)に連結されている間に行われることが好ましく、これは、好ましくは運行(例えば、飛行)時の輸送機関の動作前であるが、ブロックS150は、追加または代替で、任意の他の適切な時に行うことができる。S150は、好ましくは、バッテリパックの充電中(例えば、所定のSOCまで)に行われるが、追加または代替で、バッテリパックの充電とは独立して行うことができる(例えば、航空機が地上待機中にはバッテリパックのみが冷却される、離陸温度設定点に到達した後にのみ航空機は離陸する、等)。
【0101】
変形例において、ブロックS150は、循環サブシステムを機外冷却システムに接続することを含むことができ、これは、手動で(例えば、ユーザにより)、自動で(例えば、ロボットおよび電気機械接続の両方または一方)、および/または別様に行うことができる。
【0102】
変形例において、ブロックS150は、機外ポンプを使用して機内および機外兼用循環サブシステムを通して作動流体を能動的に循環させて、熱交換器と環境との間(例えば、環境への熱を受け入れまたは排出するため)、およびバッテリパックと作動流体との間(例えば、バッテリパックを設定点温度まで加熱または冷却するため)で熱を交換するようにすることを含むことができる。代替変形形態において、ブロックS150は、バッテリパックを環境の温度まで受動的に冷却させることを含む(例えば、温度設定点は、環境の温度と実質的に等しく、バッテリパックが運行および輸送機関の動作の開始前の環境と受動的に熱均衡に達すると判定される)。第3変形形態において、S150は、流体を循環サブシステムに循環させることにより、バッテリパックを充電温度範囲まで冷却するもしくは温めることと、バッテリパックの温度を充電温度範囲内に維持することと、の両方または一方を含むことができる。この変形形態において、S150は、任意で、充電完了後に、バッテリパックを離陸温度設定点まで冷却するまたは温めることを含むことができる。
【0103】
ブロックS150は、機外冷却システムの動作を制御することを含むことができ、これは、BMS(例えば、機内BMS)で、バッテリ電子機器で、輸送機関コントローラで、充電ステーションで、輸送機関外で、輸送機関内で、および/または任意の他の適切なエンドポイントで制御してもよい。ブロックS150は、循環サブシステムを制御すること(例えば、作動流体を循環させること)を含むことができ、これは、任意で、ポンプ(例えば、機内および機外の両方または一方)を通る流量を調整することを含むことができる。ブロックS150は、作動流体を能動的に循環させることを含むことができ、任意で、第2作動流体(例えば、冷媒)を(能動的に)循環させることを含むことができる。ブロックS150は、機外冷蔵システム(例えば、圧縮機、TXV、エバポレータおよびコンデンサを含む。実施例を図12に示す)を用いるなどして、作動流体から熱を能動的に除去することを含むことができる。特定の実施例において、S150は、バッテリコンディショニング中の作動流体の流量を、運行(例えば、離陸、着陸、前進飛行、等)中の流量(例えば、連続、定常状態ポンプ動作、等)と実質的に同じになるように制御する。
【0104】
特定の実施例において、バッテリパックの温度は、貨物(例えば、乗客)の積み/降ろし中およびバッテリ充電中または貨物(例えば、乗客)の積み/降ろし中またはバッテリ充電中に下げることができる。積み降ろし、バッテリ充電および/またはコンディショニングのターンオーバー時間は、3分未満、5分、7分、10分、12分、15分、20分、35分、30分、45分、1時間、1時間超、前述の値によって区切られる任意の範囲、および/または任意の他の適切なターンオーバー時間にすることができる。輸送機関のターンオーバー時間中の温度低下は、<5℃、5℃、10℃、15℃、25℃、30℃、35℃、>35℃、前述の値によって区切られる任意の範囲、および/または任意の他の適切な温度範囲とすることができる。第1実施例において、充電およびコンディショニングを同時に行っている間、(図8Aおよび図8Bの実施例に示されるように)バッテリパックの温度は低下する(例えば、連続的、単調に、等)。第2実施例において、充電およびコンディショニングを同時に行っている間、温度は上昇し、および/または同じ温度を維持し、その後低下する。第3実施例において、バッテリ温度は、コンディショニング中に温度設定点未満に下がり、その後、後続の充電およびコンディショニング中に温度設定点またはそれ未満に保持される。
【0105】
第1実施例において、ブロックS150またはその他と同時に行われるバッテリ充電は、バッテリパックを(例えば、電気コネクタを介して)充電器に電気接続すること、運行プロファイルについての予想電力消費量およびバッテリ電力容量に基づいてSoC閾値を判定すること、充電条件の充足(例えば、SoCは、SoC閾値に等しいか、またはそれ以上)を判定すること、充電条件の充足に応答してバッテリの充電を中止すること、および/またはバッテリパックを充電器から電気的に切断することを含むことができる。
【0106】
ブロックS150は、任意で、循環サブシステムを機外冷却システムから切り離すことを含むことができ、これは、手動で(例えば、ユーザにより)およびロックアウト機構(実施例を図15に示す)を介して自動で、またはそのいずれかで行うことができる。流体ロックアウト機構を含むシステムの変形例において、ブロックS150は、流体循環の条件(例えば、連結解除条件)の充足を(例えば、BMS、輸送機関コントローラ、充電器、または他のエンドポイントにより)判定すること、応答して、機外冷却システムを(例えば、流体ロックアウト機構の)機内冷却システムから切り離すことを含むことができる。条件は、バッテリコンディショニングの完了、(例えば、BMSが指令する流量と測定される流量との)流量の不一致、(例えば、予想流れ温度と測定された流れ温度との)流れ温度(flow temperature)の不一致、および/または任意の他の適切な流体循環条件を含むことができる。
【0107】
ブロックS200は、バッテリパックの瞬間的な温度を判定することを含む。ブロックS200は、バッテリパックの温度調整(例えば、ブロックS100の1つまたは複数の変形形態に従い決定された設定点温度になるように、熱イベントのリスクまたは発生を避けるために下げる、等)で使用するためにバッテリパックの温度を判定する働きをする。ブロックS200は、バッテリパックの瞬間的な温度を(例えば、温度センサを用いて)直接測定すること、バッテリパックの温度を(例えば、温度センサではない別のセンサの出力に基づいて、バッテリパックの熱モデルに従って、等)推測するまたは見積もること、バッテリパックの温度を(例えば、バッテリパックの出力電力に基づいて)計算すること、および/または温度を別様に適切に判定することを含むことができる。判定された温度は、バッテリパック内の物理的な1点(例えば、任意の点、センサ入力に連結されている点、等)の温度、バッテリパック内の温度分布(例えば、三次元分布)(例えば、セルごとの解像度で、セルごとよりも細かいかもしくは粗い解像度で)、バッテリパック内の1点の温度変化率、バッテリパック内の温度変化率の分布、および/または任意の他の適切な温度の定量化または微分量とすることができる。
【0108】
ブロックS200は、(例えば、ブロックS150の1つまたは複数の変形形態に従って)バッテリコンディショニング中に行うことができる。例えば、バッテリパックの瞬間的な温度を測定して、決定された温度設定点にバッテリパックが到達したかどうかを判定することができる。ブロックS200は、輸送機関の動作(例えば、飛行、運転、航海、等)中に行うこともできる。例えば、ブロックS200は、使用中にバッテリパックの熱状態を判定するために、温度および温度関連データの両方または一方を監視することを含むことができる。
【0109】
ブロックS200は、熱イベントを検知することを含むことができる。熱イベントを検知することは、温度および温度上昇率の両方または一方が閾値を超えていることを温度または温度変化率の測定に基づいて判定することを含むことができる。ブロックS200は、温度の直接的な測定または他の火災検知手段(例えば、煙探知器、ファイヤロープ、等)に加えてまたはこれらに代えて、熱イベントを示す信号(例えば、電流スパイクもしくはドロップアウト、電力変動、等)に基づいて熱イベントを推測することを含むことができる。例えば、ブロックS200は、複数の隣接するセルの測定温度上昇率に基づいてバッテリパック内の複数のセル間の熱的異常の伝播を検知することを含むことができる。別の実施例において、ブロックS200は、内部短絡から生じる出力電流ドロップアウトに基づいてバッテリパックの熱イベントを検知することを含むことができる。しかし、ブロックS200は、熱イベントを別様に適切に検知することを含むことができる。
【0110】
ブロックS200は、熱イベントを予測することを含むことができる。熱イベントは、バッテリパックの熱モデルに基づいて予測することができ、ブロックS200は、輸送機関の動作上のデータ(例えば、飛行データ、運行データ、等)に基づいて、熱イベントが発生しそうであると判定する(例えば、定量化できる確率が閾値を超えることに関連して)ことを含むことができる。例えば、ブロックS200は、緊急着陸が発生したことを示す飛行データに基づいて(例えば、衝撃センサの読取り、フライトコンピュータからのメッセージ、等)、熱暴走が起こりそうであると予測することを含むことができる。
【0111】
ブロックS200は、任意で、熱イベントおよび現在の温度の両方または一方をユーザ、パイロット、遠隔サーバ、第三者に通知することを含むことができる。通知は、任意の適切なタイミングで行うことができ、これは、運行前、コンディショニング中、バッテリ充電中、運行中(例えば、定期的、連続的、等)、熱イベントの検知に応答して、および/または任意の他の適切なタイミングとすることができる。実施例を図16に示す。
【0112】
ブロックS200は、任意で、温度に基づいて輸送機関を制御することを含むことができ、これは、温度が所定の温度範囲(例えば、絶対的なバッテリ最高未満、予想温度プロファイルから閾値偏差以内、現在熱イベントなし、等)である場合に運行計画の実行を継続すること、温度が閾値を超えることに応答して、バッテリパックから消費電力を低減/カットすること、緊急着陸を実行すること、運行中に運行計画を動的に調整すること、および/または輸送機関を別様に制御することを含むことができる。
【0113】
ブロックS200は、追加または代替で、任意の他の適切な方法で熱イベントを判定することを含むことができる。
ブロックS250は、バッテリパックの温度に基づいてバッテリパック内の熱を再分配することを含むことができる。ブロックS250は、バッテリパックのサーマルマスを全体として利用して、バッテリパックの一部分における熱イベントから生じる過剰な熱を吸収する働きをする。ブロックS250は、バッテリパック内の温度の均一性を達成する働きをすることもできる。ブロックS250は、熱イベントの発生を防止する(例えば、不調なセルから熱を取り去って熱暴走を防止する)働きと、熱イベントの悪化を防止する(例えば、熱暴走を受けているセルから熱を取り去って伝播を防止する)働きと、の両方または一方をすることもできる。S250は、機内ポンプ、機外ポンプ、および/または任意の他の適切なポンプで行うことができる。
【0114】
ブロックS250は、機内循環サブシステムの閉じた機内部分を通して作動流体を循環させるように作動可能な機内ポンプの流量を制御することを含むことができる。ブロックS250は、受信データ(例えば、熱イベントデータ、飛行データ、運行データ、等)に基づいて流量を決定することと、決定された流量を実現するように機内ポンプを制御する(例えば、ポンプコントローラにより)ことと、を含むことができる。
【0115】
ブロックS250は、好ましくは、インフラ設備から離れて(例えば、連結解除されて)輸送機関動作中に行われ、したがってバッテリパックの能動的なコンディショニング(例えば、バッテリ全体を冷却する、バッテリ全体を温める)を含まないのが好ましく、むしろバッテリパックのサーマルマス全体にバッテリパックの熱を再分配することを含むことが好ましい(例えば、あるセルから、公称温度もしくはそれ以下の別の1つまたは複数のセルに過剰な熱を移送する)。しかし、ブロックS250は、追加または代替で、インフラ設備と一体化されるものなどの専用の高スループットの熱交換器を使用することなく、機内システムと環境との間で(例えば、機内循環サブシステムのラジエータ区画を通して)熱を交換することを含むことができる。
【0116】
ブロックS250は、輸送機関のフェールセーフおよび耐故障性動作またはフェールセーフもしくは耐故障性動作の仕組みとして、検知された熱イベントまたは他のシステム故障に応答して行うことができる。例えば、ブロックS250は、検知された熱イベントに応答して、機内ポンプを最大流量で運転することを含むことができる。
【0117】
ブロックS250は、コンテキストデータに基づいて行うことができる。例えば、コンテキストデータは、高度ならびに緊急着陸を実行する前に必要な予想期間および電力プロファイルなどのフライト情報を含むことができ、ブロックS250は、バッテリパックの残りのエネルギー(機内ポンプへの電力供給用)およびコンテキストデータに基づいて最大許容可能流量を決定することと、決定された最大許容可能流量で機内ポンプを運転することと、を含むことができる。関連する実施例において、ブロックS250は、推進システムの電力供給に機内エネルギーがより適切に利用されることになる(例えば、バッテリパックに損傷を受けたときであっても航空機の安全な着陸を可能にする)場合には、熱イベントの発生にもかかわらず機内ポンプの起動を防止することを含むことができる。
【0118】
ブロックS250は、予測される熱イベントに基づいて行うことができる。例えば、ブロックS250は、熱暴走が起こりそうであるという予測(例えば、ハードランディングの検知、衝撃センサの出力、緊急スイッチが輸送機関の操縦士によって起動された、等に基づいて)に応答して、先制して機内ポンプを最大流量で運転することを含むことができる。
【0119】
ブロックS250は、任意で、循環サブシステム内の漏れを検知することを含むことができる。ブロックS250は、漏れの検知に応答して、流量の損失量および短絡の可能性の両方または一方を最小化するためにポンプを自動停止するか、通知を(例えば、航空機内のユーザ、パイロット、中央管理システム、等に)送るか、または漏れに起因する故障を別様に軽減することができる。漏れ検知には、抵抗性センサ、容量性センサおよび/または光学センサ、および/または任意の他の適切なセンサのセットを利用することができる。漏れは、所定の損失閾値(例えば、0.5L、1L、等)を上回る流体エンベロープからの作動流体容積の損失(例えば、センサ測定値の時系列に基づいて)、作動流体の抵抗率の変化(例えば、上昇、低下)、開回路の検出(例えば、作動流体に電流を流すことによる)として検知することと、別様に判定することと、の両方または一方が可能である。
【0120】
第1変形例において、ブロックS250は、運行中にバッテリパックと循環サブシステムとによって共同で規定される熱システムから実質的な熱量を除去しない。第1実施例において、発生する熱(または全熱)の50%未満、25%、10%、5%、3%、1%が運行中に排出される。
【0121】
第2変形例において、ブロックS250は、運行中にバッテリパックおよび輸送機関システムの両方または一方から実質的な熱量を除去しない。第1実施例において、発生する熱、または全熱の10%未満、5%、1%が運行中に除去される。第2実施例において、バッテリパックの温度(例えば、正味温度、個々のセルの最高温度、等)は運行中に単調に上昇する(例えば、温度変化率は、均一または不均一にすることができるが、厳密にゼロより大きい、連続的、等)。第3実施例において、バッテリパックおよび作動流体の熱システム内に収容される熱エネルギーは、運行中に連続的に上昇する(例えば、温度変化率は、均一または不均一にすることができるが、厳密にゼロより大きい)。
【0122】
第3変形例において、ブロックS250は、運行中にバッテリパックおよび輸送機関システムの両方または一方から熱を除去する。
第4変形例において、ブロックS250は、運行中に連続的に熱を再分配する。特定の実施例において、作動流体は、ポンプ、機内熱交換器、および/または流体マニホールド(もしくはエンベロープ)の最大流量(例えば、絶対最大、最大連続流量)で循環させられる。第2の特定の実施例において、運行中の循環の流量は、50%以内、25%以内、10%以内、5%以内、3%以内、1%以内、全く同じ、および/またはその他の等価量など、バッテリコンディショニング中、実質的に同じ循環である。
【0123】
第1の特定の実施例において、能動的な加熱および冷却または能動的な加熱もしくは冷却は、作動流体とバッテリパックとの間に定常状態温度差(5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、50℃、等より大きい)を生み出すために、作動流体に機械的作用を及ぼすことを含む。第2の特定の実施例において、運行中にバッテリパックの能動的な熱除去および能動的な冷却または能動的な熱除去もしくは能動的な冷却はなく、運行後にバッテリの能動的な熱除去および能動的な冷却または能動的な熱除去もしくは能動的な冷却がある。第3の特定の実施例において、バッテリおよび循環サブシステムの集合的な熱システム(例えば、航空機の機内の流体マニホールドおよび作動流体の容積を含む)の能動的な冷却はない。第3の特定の実施例において、環境と、バッテリパックおよび循環サブシステムを含む集合的な熱システムとの間の強制対流はない(例えば、熱交換は、放射、自然対流、および伝導に限られる)。
【0124】
簡潔にするために省略しているが、好適な実施形態は、様々なシステムコンポーネントおよび方法ブロックのまたは様々なシステムコンポーネントもしくは方法ブロックのあらゆる組合せおよび置換を含み、これは、任意の適切な置換もしくは組合せで組み合わせることができ、および/または好適な実施形態の変形形態から全体もしくは部分的に省略することができる。
【0125】
当業者は、以上の詳細な説明から、ならびに図面および特許請求の範囲から、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲を逸脱することなく、本発明の好適な実施形態に改造および変更を行うことができることを認識するであろう。
以下に、本開示に含まれる技術思想を付記として記載する。
[付記1]
電動航空機のためのシステムであって、
前記電動航空機の機内のバッテリパックと、
前記電動航空機の機内の循環ループと、を備えており、
該循環ループは、
前記バッテリパックに熱的に結合されている機内ヒートシンクと、
機内循環システムであって、
前記機内ヒートシンクに流体接続されている分配マニホールドと、
作動流体と、
前記分配マニホールドに接続されて、航空機の飛行中に前記機内ヒートシンクに前記作動流体を連続的に循環させるように構成されているポンプと、を含んでおり、
前記機内循環システムは、機内圧縮機を含んでいない、前記機内循環システムと、
前記分配マニホールドを機外冷却システムに選択的に接続するように構成されている継手であって、前記機外冷却システムは、前記作動流体から、機外圧縮機を備える準周囲冷却ループに熱を伝達するように構成されている、前記継手と、を含む、システム。
[付記2]
前記作動流体は、前記バッテリパックの充電中に前記機外冷却システムを循環させられる、付記1に記載のシステム。
[付記3]
前記作動流体は飛行中に第1流量で循環させられ、前記作動流体は前記バッテリパックの充電中に前記第1流量と実質的に等しい第2流量で循環させられる、付記2に記載のシステム。
[付記4]
前記作動流体は、飛行中に前記ポンプの最大連続流量で循環させられる、付記1に記載のシステム。
[付記5]
前記機外冷却システムは、バッテリ充電中に前記バッテリパックを離陸温度以下に冷却する、付記1に記載のシステム。
[付記6]
前記バッテリパックの温度は、航空機の飛行中に単調に上昇する、付記1に記載のシステム。
[付記7]
第2ヒートシンクをさらに備え、
前記第2ヒートシンクは、
前記分配マニホールドによって前記機内ヒートシンクに流体接続されているリザーバと、
前記リザーバ内に収容される前記作動流体の容積と、を含む、付記1に記載のシステム。
[付記8]
前記機内ヒートシンクはチルプレートを備える、付記1に記載のシステム。
[付記9]
前記バッテリパックは、第1セルと第2セルとを備えており、
前記機内ヒートシンクは、前記第1セルを前記第2セルに熱的に結合して、前記第1セルから前記第2セルに熱を伝達するように構成されている、付記1に記載のシステム。
[付記10]
前記第1セルおよび前記第2セルは、隣接して、互いに熱的に絶縁されている、付記9に記載のシステム。
[付記11]
第2バッテリパックと、
前記第2バッテリパックに熱的に結合されるとともに、前記機内循環システムに流体接続されている第2ヒートシンクとをさらに備えており、
前記ポンプは、前記第1および第2バッテリパックによって冗長的に電力供給される、付記1に記載のシステム。
[付記12]
前記ポンプは、前記第1バッテリパックと前記第2バッテリパックとの間に配置されている、付記11に記載のシステム。
[付記13]
バッテリ充電モード中および航空機の飛行中に、前記作動流体の流量を指令するように構成されている機内バッテリ管理システム(BMS)と、
前記バッテリ充電モード中に、前記機内循環システムを前記機外冷却システムから選択的に分離する流体ロックアウト機構と、をさらに備える付記1に記載のシステム。
[付記14]
前記機内ヒートシンクは3ミリメートル未満の厚さを備える、付記1に記載のシステム。
[付記15]
電動航空機の動作方法であって、
飛行距離を含む飛行計画をユーザから受け取ること、
前記飛行距離およびバッテリパックのサーマルマスに基づいて前記バッテリパックの離陸温度閾値を決定すること、
前記バッテリパックに作動流体を循環させることによって前記バッテリパックを前記離陸温度閾値以下に冷却すること、
前記バッテリパックを前記離陸温度閾値以下に冷却した後、前記飛行計画に従って前記航空機を制御すること、を備える電動航空機の動作方法。
[付記16]
前記バッテリパックを冷却することは、
前記電動航空機を前記電動航空機の機外の冷却システムに流体接続すること、
前記作動流体を前記冷却システムで冷却すること、を含む、付記15に記載の電動航空機の動作方法。
[付記17]
前記バッテリパックの冷却と同時に前記バッテリパックを充電することをさらに備えており、
前記バッテリパックを冷却することは、バッテリパックの温度を下げることを含む、付記15に記載の電動航空機の動作方法。
[付記18]
前記飛行計画に従って前記航空機を制御しているときに、機内ポンプを用いて前記作動流体を前記バッテリパックに循環させることをさらに備える付記15に記載の電動航空機の動作方法。
[付記19]
前記離陸温度閾値を決定することは、
前記飛行距離に基づいて前記飛行計画の予想電力消費を決定すること、
前記予想電力消費とバッテリ熱モデルとに基づいて前記バッテリパックの予想熱変化を計算すること、
前記予想熱変化と一組のバッテリ熱制限とに基づいて前記離陸温度閾値を決定することと、をさらに含む、付記15に記載の電動航空機の動作方法。
[付記20]
前記離陸温度閾値は、前記バッテリパックの充電状態に基づいて決定される、付記15に記載の電動航空機の動作方法。
[付記21]
付記15~20のいずれか1項に記載の電動航空機の動作方法を実施するように構成されているシステムであって、バッテリパックに接続されている循環システムを備えるシステム。
[付記22]
電動航空機のためのシステムであって、
機外圧縮機と作動流体とを備える機外冷却ループと、
前記機外冷却ループを、機内循環ループに選択的に結合するように構成されている弁と、を備え、
前記機内循環ループは、前記電動航空機のバッテリパックに熱的に結合されており、
前記機内循環ループは、
前記バッテリパックに熱的に結合されている機内ヒートシンクと、
前記機内ヒートシンクに接続されている分配マニホールドと補助作動流体とを含み、
前記機内循環ループは、機内圧縮機を備えていない、システム。
[付記23]
付記2~15のいずれか1項をさらに備える付記22に記載のシステム。
[付記24]
付記1~14のいずれか1項に記載のシステムを使用する方法。
[付記25]
複数のセルを含むバッテリパックと、
圧縮機のない機内冷却システムであって、前記複数のセル間に熱を分配するように構成されている前記機内冷却システムと、を備える電動航空機。
[付記26]
付記2~14のいずれか1項をさらに備える付記25に記載のシステム。
[付記27]
バッテリパックを含む電動航空機を熱管理するための方法であって、
バッテリが発生する熱の閾値量未満が飛行中に前記電動航空機の機外に除去されると想定して、前記バッテリパックの離陸温度を決定すること、
前記バッテリパックを前記離陸温度以下に冷却すること、
前記バッテリパックの温度が前記離陸温度を満たすかまたは前記離陸温度未満に低下することに応答して航空機の飛行を許可すること、を備える方法。
[付記28]
付記16~20のいずれか1項をさらに備える付記27に記載の方法。
[付記29]
前記離陸温度は、さらに、飛行距離を含む飛行計画および前記バッテリパックのサーマルマスに基づいて決定される、付記27に記載の方法。
[付記30]
バッテリパックを含む電動航空機を熱管理するための方法であって、
電動航空機を動作させること、
前記バッテリパックによって発生する熱の閾値量未満を電動航空機の動作中に前記航空機から除去すること、を備える方法。
[付記31]
前記閾値量は50%に等しいかまたはそれ未満である、付記27および30に記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A-5B】
図6A-6B】
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
図15
図16
図17
図18
図19A-19B】