(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】エレベーターの固定ロッド把持装置及びメインロープ交換方法
(51)【国際特許分類】
B66B 7/00 20060101AFI20241031BHJP
B66B 5/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B66B7/00 K
B66B5/00 D
(21)【出願番号】P 2024552323
(86)(22)【出願日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 JP2024016007
【審査請求日】2024-09-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西岡 慎治
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2024/069711(WO,A1)
【文献】特開平10-203751(JP,A)
【文献】特開2022-80504(JP,A)
【文献】特開平5-85682(JP,A)
【文献】特開昭61-140487(JP,A)
【文献】国際公開第2018/193938(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/00-7/12
B66B 5/00-5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのメインロープ端部に接続された固定ロッドが、昇降路内に設けられたロッド支持体にコイルばねを介して支持ナットで支持されているエレベーターにおいて、前記ロッド支持体に対する前記固定ロッドの取り外し時又は取り付け時に、前記支持ナットと前記コイルばねとの間で前記固定ロッドを把持する、固定ロッド把持装置であって、
連結部材により水平方向に開閉可能に連結された第1ブロック及び第2ブロックを含む保持部を備え、
前記保持部の閉状態において、前記第1ブロック及び前記第2ブロックの接合面には、前記固定ロッドが貫通可能な貫通孔が設けられ、
前記貫通孔には、前記固定ロッドの外周に設けられた雄ネジ部と係合し、前記固定ロッドの軸方向移動を阻止する係止部が形成され、
前記保持部の前記連結部材側と反対側に、前記第1ブロック及び前記第2ブロックを閉じる閉止部が設けられる、
固定ロッド把持装置。
【請求項2】
前記閉止部は、前記第1ブロックに回動可能に取り付けられるレバー、及び前記レバーに回動可能に取り付けられるフックと、前記第2ブロックに固着される受具とを備え、
前記受具に掛けた前記フックを、前記レバーの回動操作により引っ張り、前記フックの張力により、前記第1ブロック及び前記第2ブロックを閉じることを特徴とする、請求項1に記載の固定ロッド把持装置。
【請求項3】
前記閉止部は、前記保持部の閉状態を維持するロック部をさらに備え、
前記ロック部は、前記第1ブロックに固着され、前記レバーを前記第1ブロックに回動可能に取り付けるための固定基板に設けられた第1ロック穴と前記レバーに設けられた第2ロック穴とを前記保持部の閉状態において挿通し、前記レバーの回動を阻止することを特徴とする、請求項2に記載の固定ロッド把持装置。
【請求項4】
前記係止部は、前記固定ロッドの外周に設けられた前記雄ネジ部と係合する、前記貫通孔の内周に設けられた雌ネジ部であることを特徴とする、請求項1に記載の固定ロッド把持装置。
【請求項5】
請求項1に記載の固定ロッド把持装置を用いて、エレベーターのメインロープを交換する方法であって、
既設メインロープの端部に接続された既設固定ロッドを前記ロッド支持体から取り外すために、
前記既設固定ロッドを引き上げて前記コイルばねと前記支持ナットとを離し、前記コイルばねと前記支持ナットとの間に前記固定ロッド把持装置を装着する工程と、
前記既設固定ロッドの前記雄ネジ部から前記支持ナットを取り外し、前記既設固定ロッドの上端部にロッド案内ロープ用ワイヤーを介してロッド案内ロープの一端を接続した後、前記既設固定ロッドから前記固定ロッド把持装置を取り外し、前記ロッド案内ロープを繰り出しながら、前記ロッド支持体から前記既設固定ロッドを抜き取り、前記既設メインロープを前記ロッド支持体から取り外す工程と、
新設メインロープの端部に接続された新設固定ロッドを前記ロッド支持体に取り付けるために、
前記新設固定ロッドの上端部にロッド案内ロープ用ワイヤーを介して前記ロッド案内ロープの一端を接続した後、前記ロッド案内ロープを前記ロッド支持体の上側に引き上げ、前記コイルばねを介して前記新設固定ロッドに前記固定ロッド把持装置を装着する工程と、
前記新設固定ロッドの上端部から前記ロッド案内ロープ及び前記ロッド案内ロープ用ワイヤーを取り外し、前記新設固定ロッドの前記雄ネジ部に前記支持ナットを装着する工程と、
前記新設固定ロッドから前記固定ロッド把持装置を取り外し、前記コイルばねを介して前記新設固定ロッドを前記ロッド支持体に支持させ、前記新設メインロープを前記ロッド支持体に取り付ける工程と、
を備える、エレベーターのメインロープ交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターの固定ロッド把持装置及びメインロープ交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2:1ローピングエレベーターのメインロープを交換する過程では、ロープ端部が固定された機械室の床や昇降路上部の梁部において、作業員が既設メインロープ端部を外したり、新設メインロープ端部を固定したりする作業が発生する(特許文献1参照)。メインロープ端部は、雄ネジ部を有する固定ロッドに接続されており、固定ロッドは、雄ネジ部にコイルばねを介して支持ナットを螺合することで、機械室の床や昇降路上部の梁部といった、いわゆるロッド支持体に支持されている。メインロープ端部を脱着する際には、固定ロッドが落下しないように、作業員が固定ロッドを手で把持しながら支持ナットを締緩する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エレベーターのメインロープは一般に複数本設置される上に、1mあたり1kg以上の重さがあり、ロープ交換作業において上記のように作業員の手作業に依存する工程が存在することは、作業効率を低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る固定ロッド把持装置は、エレベーターのメインロープ端部に接続された固定ロッドが、昇降路内に設けられたロッド支持体にコイルばねを介して支持ナットで支持されているエレベーターにおいて、ロッド支持体に対する固定ロッドの取り外し時又は取り付け時に、支持ナットとコイルばねとの間で固定ロッドを把持し、連結部材により水平方向に開閉可能に連結された第1ブロック及び第2ブロックを含む保持部を備え、保持部の閉状態において、第1ブロック及び第2ブロックの接合面には、固定ロッドが貫通可能な貫通孔が設けられ、貫通孔には、固定ロッドの外周に設けられた雄ネジ部と係合し、固定ロッドの軸方向移動を阻止する係止部が形成され、保持部の連結部材側と反対側に、第1ブロック及び第2ブロックを閉じる閉止部が設けられることを特徴とする。
【0006】
本発明に係るメインロープ交換方法は、本発明に係る固定ロッド把持装置を用いて、エレベーターのメインロープを交換する方法であって、既設メインロープの端部に接続された既設固定ロッドをロッド支持体から取り外すために、既設固定ロッドを引き上げてコイルばねと支持ナットとを離し、コイルばねと支持ナットとの間に固定ロッド把持装置を装着する工程と、既設固定ロッドの雄ネジ部から支持ナットを取り外し、既設固定ロッドの上端部にロッド案内ロープ用ワイヤーを介してロッド案内ロープの一端を接続した後、既設固定ロッドから固定ロッド把持装置を取り外し、ロッド案内ロープを繰り出しながら、ロッド支持体から既設固定ロッドを抜き取り、既設メインロープをロッド支持体から取り外す工程と、新設メインロープの端部に接続された新設固定ロッドをロッド支持体に取り付けるために、新設固定ロッドの上端部にロッド案内ロープ用ワイヤーを介してロッド案内ロープの一端を接続した後、ロッド案内ロープをロッド支持体の上側に引き上げ、コイルばねを介して新設固定ロッドに固定ロッド把持装置を装着する工程と、新設固定ロッドの上端部からロッド案内ロープ及びロッド案内ロープ用ワイヤーを取り外し、新設固定ロッドの雄ネジ部に支持ナットを装着する工程と、新設固定ロッドから固定ロッド把持装置を取り外し、コイルばねを介して新設固定ロッドをロッド支持体に支持させ、新設メインロープをロッド支持体に取り付ける工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、固定ロッドを把持装置で把持することで、作業員は、両手で支持ナットの締緩等の作業をすることができるため、ロッド支持体に対する固定ロッドの取り付けや取り外しを簡便に実施することができる。また、本発明のメインロープ交換方法によれば、作業員の手作業に依存する工程を短縮できるため、従来よりも効率よくメインロープの交換作業を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】2:1ローピングエレベーターの機構を説明するための概略構成を示す図である。
【
図3】固定ロッドを作業員が把持している状態を示すロープ止めの拡大図である。
【
図4】実施形態の一例である固定ロッド把持装置を閉止部側から見た斜視図である。
【
図5】実施形態の一例である固定ロッド把持装置を連結部側から見た斜視図である。
【
図6】実施形態の一例である固定ロッド把持装置を上側から見た図である。
【
図7】実施形態の一例である固定ロッド把持装置の開状態を示す全体斜視図である。
【
図8】実施形態の一例である固定ロッド把持装置の使用状態を示すロープ止めの拡大図である。
【
図9】実施形態の一例である固定ロッド把持装置の使用状態を示すロープ止めの拡大図である。
【
図10】実施形態の一例である固定ロッド把持装置の使用状態を示すロープ止めの拡大図である。
【
図11】2:1ローピングエレベーターのメインロープの交換方法を示すフロー図である。
【
図12】2:1ローピングエレベーターのメインロープの交換方法を説明するための概略構成を示す図である。
【
図13】実施形態の一例である固定ロッド把持装置を用いたメインロープの交換方法において、既設固定ロッドの取り外しを説明するための概略構成を示す図である。
【
図14】実施形態の一例である固定ロッド把持装置を用いたメインロープの交換方法において、既設固定ロッドの取り外しを説明するための概略構成を示す図である。
【
図15】実施形態の一例である固定ロッド把持装置を用いたメインロープの交換方法において、作業途中状態を説明するための概略構成を示す図である。
【
図16】実施形態の一例である固定ロッド把持装置を用いたメインロープの交換方法において、新設固定ロッドの取り付けを説明するための概略構成を示す図である。
【
図17】実施形態の一例である固定ロッド把持装置を用いたメインロープの交換方法において、新設固定ロッドの取り付け及び作業完了状態を説明するための概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態はあくまでも一例であって、本発明は以下の実施形態に限定されない。
図1は、2:1ローピングエレベーターの機構を説明するための概略構成を示す図である。
図2は、ロープ止めの拡大図である。
【0010】
図1に示すように、2:1ローピングエレベーターは、昇降路1内において、メインロープ7に連結された乗りかご2と釣り合い重り3とがつるべ式に昇降することで最上階乗場22から最下階乗場23の間の各階床へ乗客(図示せず)の移動を可能にする。メインロープ7は、乗りかご2の上部に設けられた乗りかごプーリ21、乗りかご2に連動する釣り合い重り3の上部に設けられた釣り合い重りプーリ31、昇降路1上方の機械室4内に設置された巻上機5の綱車51及び反らせ車6にそれぞれ巻き掛けられている。
【0011】
メインロープ7の両端部には、ロープソケット8を介して固定ロッド10が接続されており、固定ロッド10は、ロッド支持体40に設けられた開口部41を通り、ロープ止め9の機構によりロッド支持体40にそれぞれ支持されている。ロッド支持体40は、昇降路1内に設けられ、昇降路1の上方に機械室4が設けられているエレベーターでは、機械室4の床である。機械室4が設けられていないエレベーターでは、昇降路1の上方に設けられた梁部がロッド支持体40に相当する。
【0012】
図2に示すように、ロープ止め9とは、メインロープ7端部にロープソケット8を介して接続された固定ロッド10が、ロッド支持体40に設けられた開口部41を通って、ロッド支持体40の上側において、後述するコイルばね13等を介して支持ナット15で支持されている機構である。
【0013】
ロープソケット8は、上下に開口部を有する略円筒状の治具であり、上部開口部寄りには後述するロッドピン11を挿通するための貫通孔であるピン穴17が水平方向に設けられている。ロープソケット8は、下側のメインロープ7側開口部に向かって狭まっていてもよい。メインロープ7は、メインロープ7側開口部から挿通され、ロープソケット8内で折り返され周知の端末処理方法でロープソケット8に固定される。上部開口部に挿通された固定ロッド10は、固定ロッド10下端部に設けられた割ピン穴(図示せず)とロープソケット8のピン穴17とを挿通するロッドピン11で係止されることで、ロープソケット8を介してメインロープ7端部に接続される。
【0014】
固定ロッド10は、棒状の部材であり、ロッドピン11でロープソケット8に固定された端部の他端側である上端部に雄ネジ部16を有する。メインロープ7端部に接続された固定ロッド10は、ロッド支持体40の開口部41を通り、ロッド支持体側ばね受け部材12、コイルばね13、支持ナット側ばね受け部材14を介してロッド支持体40の上方に突出する。そして、雄ネジ部16に支持ナット15を装着することで、ロッド支持体40に支持される。支持ナット15は、例えば3種ナットと1種ナットを併用したダブルナット等が使用される。
【0015】
コイルばね13は、ロッド支持体40に対して固定ロッド10を弾性的に支持させる機能を有する。具体的には、固定ロッド10の雄ネジ部16に装着した支持ナット15を緩めたり締めたりすることで、コイルばね13が弾性変形し、メインロープ7の張力を調整することが可能となる。コイルばね13の内径は、固定ロッド10が挿通可能であり、さらには、
図3で後述するロッド案内ロープ用ワイヤー77及びロッド案内ロープ78が挿通可能な寸法に設定される。
【0016】
次に、
図3を用いて、従来の固定ロッド10の取り付け及び取り外しの手順について説明する。
図3は、固定ロッドを作業員が把持している状態を示すロープ止めの拡大図である。
【0017】
図3に示すように、メインロープ7の交換作業において、既設の固定ロッド10をロッド支持体40から取り外すために、作業員80は、固定ロッド10を片手で把持しながら支持ナット15(
図2参照)を固定ロッド10の雄ネジ部16から取り外す。そして、固定ロッド10上端部に設けられた割ピン穴18にロッド案内ロープ用ワイヤー77を挿通し、ロッド案内ロープ用ワイヤー77を介して、ロッド案内ロープ78の一端を固定ロッド10上端部に接続するまで、固定ロッド10を片手で把持する必要がある。その後、コイルばね13の内径を挿通するようにロッド案内ロープ78を繰り出しながら、開口部41を介してロッド支持体40から固定ロッド10を抜き取ることで、既設のメインロープ7をロッド支持体40から取り外す。
【0018】
一方、メインロープ7の交換作業において、新設の固定ロッド10をロッド支持体40に取り付けるために、予めロッド支持体40の下側で固定ロッド10の上端部にロッド案内ロープ用ワイヤー77を介してロッド案内ロープ78の一端を接続しておく。次に、作業員80は、開口部41を介してロッド案内ロープ78をロッド支持体40の上側に引き上げ、固定ロッド10をロッド支持体側ばね受け部材12、コイルばね13、支持ナット側ばね受け部材14の順に挿通し、ロッド支持体40の上方に突出させる。作業員80は、固定ロッド10の上端部からロッド案内ロープ78及びロッド案内ロープ用ワイヤー77を取り外し、固定ロッド10の雄ネジ部16に支持ナット15(
図2参照)を装着するまで、固定ロッド10を片手で把持する必要がある。コイルばね13を介して支持ナット15で固定ロッド10をロッド支持体40に支持させることで、新設のメインロープ7をロッド支持体40に取り付ける。
【0019】
図4~
図7を用いて、固定ロッド把持装置90の詳細について説明する。
図4は、実施形態の一例である固定ロッド把持装置を閉止部側から見た斜視図である。
図5は、実施形態の一例である固定ロッド把持装置を連結部側から見た斜視図である。
図6は、実施形態の一例である固定ロッド把持装置を上側から見た図である。
図7は、実施形態の一例である固定ロッド把持装置の開状態を示す全体斜視図である。
【0020】
図4に示すように、固定ロッド把持装置90は、連結部材93により水平方向に開閉可能に連結された第1ブロック91及び第2ブロック92を含む保持部94を備える。連結部材93は、例えばヒンジである。
【0021】
エレベーターのメインロープ7は通常複数本がロープ止め9(
図2参照)によってそれぞれロッド支持体40(
図2参照)に固定されていることから、近傍のロープ止め9との干渉を避けるために、固定ロッド把持装置90が備える保持部94の閉状態の水平方向の大きさは、支持ナット側ばね受け部材14(
図2参照)よりも小さいことが好ましい。また、支持ナット側ばね受け部材14は例えば円板状であり、その外径は、保持部94の閉状態の下端面の外形より大きいことが好ましい。これにより、保持部94の下端面と支持ナット側ばね受け部材14の上面との接触面積を大きくできるので、保持部94から支持ナット側ばね受け部材14に加わる面圧を小さくできる。このため、支持ナット側ばね受け部材14が、自身の変形を抑制しながら、保持部94を安定的に保持できる。
【0022】
図5に示すように、連結部材93がヒンジの場合、ヒンジ軸102を介して回動可能となるように連結された羽根板100及び羽根板101が、第1ブロック91及び第2ブロック92に、ネジ103によってそれぞれ固定されており、保持部94は水平方向に開閉することができる。
【0023】
保持部94の閉状態において、第1ブロック91及び第2ブロック92の接合面には、固定ロッド10が貫通可能な貫通孔95が設けられている。
【0024】
貫通孔95には、固定ロッド10の外周に設けられた雄ネジ部16(
図2参照)と係合し、固定ロッド10の軸方向移動を阻止する機能を有する係止部96が形成される。実施形態において、係止部96は、貫通孔95の内周に設けられた雌ネジ部である。
【0025】
固定ロッド把持装置90は、後述する通り、固定ロッド10から支持ナット15(
図2参照)が取り外された場合でも、支持ナット15と同等以上の力で固定ロッド10を支持する必要がある。このために、保持部94の閉状態の高さは、支持ナット15と同等又はそれ以上とし、各ブロック91,92は、支持ナット15と同種の鉄等の金属により構成することが好ましい。この構成によれば、支持ナット15と固定ロッド10との係合長さ以上の係合長さを保持部94と固定ロッド10で確保でき、固定ロッド把持装置90により支持ナット15と同等以上の支持力で固定ロッド10を支持できる。
【0026】
図6に示すように、保持部94の連結部材93側と反対側には、第1ブロック91及び第2ブロック92を閉じる閉止部97が設けられる。
【0027】
図7に示すように、閉止部97は、第1ブロック91に回動可能に取り付けられるレバー102、及びレバー102に回動可能に取り付けられるフック103と、第2ブロック92に固着される受具104とを備える。受具104に掛けたフック103を、レバー102の回動操作により引っ張ることで、フック103の張力により、第1ブロック91及び第2ブロック92を閉じる。
【0028】
閉止部97は、ロック部98をさらに備える。ロック部98は、例えば、シリンダーピンであり、保持部94の閉状態を維持する作用を有する。具体的には、第1ブロック91に固着され、レバー102を第1ブロック91に回動可能に取り付けるための固定基板105に設けられた第1ロック穴106と、レバー102に設けられた第2ロック穴107とが保持部94の閉状態において重なることで形成される一体の貫通孔を、ロック部98が挿通することで、レバー102の回動を阻止する作用を有し、保持部94の閉状態を維持する。
【0029】
図8~10を用いて、固定ロッド把持装置90の使用状態を説明する。
図8~10は、実施形態の一例である固定ロッド把持装置の使用状態を示すロープ止めの拡大図である。
【0030】
図8に示すように、メインロープ7の交換作業において、既設の固定ロッド10をロッド支持体40から取り外す場合には、固定ロッド10を引き上げてコイルばね13と支持ナット15とを離し、コイルばね13の上に載せた支持ナット側ばね受け部材14と支持ナット15との間に固定ロッド把持装置90を装着する。
【0031】
次に、
図9に示すように、既設の固定ロッド10の雄ネジ部16から支持ナット15(
図8参照)を取り外す。既設の固定ロッド10に装着された固定ロッド把持装置90が閉状態のとき、固定ロッド把持装置90の係止部96は、既設の固定ロッド10の雄ネジ部16と係合し、支持ナット15を取り外しても既設の固定ロッド10の軸方向移動を阻止する作用を有する。固定ロッド把持装置90を用いることにより、従来、支持ナット15を取り外した後に、既設の固定ロッド10の軸方向移動を阻止するために作業員が片手で固定ロッド10を把持していた工程が不要となる。
【0032】
次に、
図10に示すように、既設の固定ロッド10の上端部に設けられた割ピン穴18に挿通したロッド案内ロープ用ワイヤー77を介してロッド案内ロープ78の一端を接続する。その後、固定ロッド把持装置90を固定ロッド10から取り外し、ロッド案内ロープ78を繰り出しながら、開口部41を介してロッド支持体40から既設の固定ロッド10を抜き取ることにより、既設のメインロープ7をロッド支持体40から取り外すことができる。
【0033】
一方、メインロープ7の交換作業において、新設の固定ロッド10をロッド支持体40に取り付ける場合には、まず、ロッド支持体40の下側で、ロッド案内ロープ用ワイヤー77を介してロッド案内ロープ78の一端を固定ロッド10の上端部に接続する。その後、開口部41を介してロッド案内ロープ78をロッド支持体40の上側に引き上げ、新設の固定ロッド10をロッド支持体側ばね受け部材12、コイルばね13、支持ナット側ばね受け部材14の順に挿通し、ロッド支持体40の上方に突出させる。作業員は、固定ロッド10の雄ネジ部16に固定ロッド把持装置90を装着する。
【0034】
新設の固定ロッド10に装着された固定ロッド把持装置90が閉状態のとき、固定ロッド把持装置90の係止部96は、既設の固定ロッド10の雄ネジ部16と係合し、作業員が把持しなくても、新設の固定ロッド10の軸方向移動を阻止する作用を有する。固定ロッド把持装置90を用いることにより、従来、新設の固定ロッド10を、開口部41を介してロッド支持体40の上側に引き上げた後に、新設の固定ロッド10の軸方向移動を阻止するために作業員が片手で固定ロッド10を把持していた工程が不要となる。
【0035】
次に、固定ロッド10の上端部からロッド案内ロープ78及びロッド案内ロープ用ワイヤー77を取り外し、固定ロッド10の雄ネジ部16に支持ナット15を装着する。固定ロッド把持装置90を固定ロッド10から取り外し、コイルばね13を介して固定ロッド10をロッド支持体40に支持させることで、新設のメインロープ7をロッド支持体40に取り付けることができる。
【0036】
図11~
図17を用いて、固定ロッド把持装置90を用いた2:1ローピングエレベーターのメインロープの交換方法について説明する。
図11は、2:1ローピングエレベーターのメインロープの交換方法を示すフロー図である。
図12は、2:1ローピングエレベーターのメインロープの交換方法を説明するための概略構成を示す図である。
図13及び
図14は、実施形態の一例である固定ロッド把持装置を用いたメインロープの交換方法において、既設固定ロッドの取り外しを説明するための概略構成を示す図である。
【0037】
図15は、実施形態の一例である固定ロッド把持装置を用いたメインロープの交換方法において、作業途中状態を説明するための概略構成を示す図である。
図16は、実施形態の一例である固定ロッド把持装置を用いたメインロープの交換方法において、新設固定ロッドの取り付けを説明するための概略構成を示す図である。
図17は、実施形態の一例である固定ロッド把持装置を用いたメインロープの交換方法において、新設固定ロッドの取り付け及び作業完了状態を説明するための概略構成を示す図である。
【0038】
図11に示すように、2:1ローピングエレベーターのメインロープを交換するにあたっては、まず、乗りかご2及び釣り合い重り3を昇降路1内に固定する(
図11 S1)。具体的には、
図12に示すように、昇降路1の底部に釣り合い重り固定治具32を設置して、釣り合い重り3を固定する。固定した釣り合い重り3近傍には、足場33を設置する。乗りかご2は、最上階乗場22と乗りかご2の上面が面一となる位置で、玉掛けロープやチェーンブロック等の固定治具(図示せず)を用いて昇降路1内で固定する。
【0039】
その他装置の準備として、機械室4内には、ウィンチ42が設置される。
【0040】
作業員は、乗りかご2の上に乗りかご上作業員25、機械室4内に機械室作業員26、最下階乗場23に最下階作業員27、最上階乗場22に最上階作業員28が配置されるが、これらに限定されない。乗りかご2の上には、柵24が設置されていることが好ましい。
【0041】
既設メインロープ71を破線で示す。既設メインロープ71は、ロッド支持体40に設けられた開口部41を介して、機械室4内及び昇降路1内の各滑車に巻き掛けられている。既設メインロープ71は、切断箇所73、74、75、76で切断した上で回収される。各切断箇所で切断される既設メインロープ71を、それぞれ既設メインロープ71-1~71-5とし、既設メインロープ71-3の端部及び既設メインロープ71-4の端部に接続された固定ロッド10は、それぞれ既設固定ロッド61及び既設固定ロッド62とする。
【0042】
新設メインロープ72は、最上階乗場22に設置される。最上階乗場22及び最下階乗場23には、既設メインロープ71を回収するための、最上階用既設メインロープ巻取ドラム82及び最下階用既設メインロープ巻取ドラム83を設置し、メインロープ交換の準備が完了する。
【0043】
次に、昇降路1の釣り合い重り3側中間部に掛け渡された既設メインロープ71を回収する(
図11 S2)。具体的には、
図12に示すように、切断箇所73及び74で切断された既設メインロープ71-1、切断箇所73及び75で切断された既設メインロープ71-2を、ウィンチ42に連結されたウィンチロープ44とシャックル等の連結用治具(図示せず)を介して接続して、最下階乗場23付近まで下ろし、最下階作業員27が、最下階用既設メインロープ巻取ドラム83に巻き取り回収する。
【0044】
次に、固定ロッド把持装置90を用いて、既設固定ロッド61及び既設固定ロッド62をロッド支持体40からそれぞれ取り外す(
図11 S3)。具体的には、
図13に示すように、既設固定ロッド61に固定ロッド把持装置90を装着して、支持ナット15(
図8参照)を取り外した後、既設固定ロッド61の上端部にロッド案内ロープ用ワイヤー77を介して、ロッド案内ロープ78の一端を接続する。
【0045】
その後、既設固定ロッド61から固定ロッド把持装置90を取り外し、ロッド案内ロープ78を繰り出しながら、開口部41を介してロッド支持体40から既設固定ロッド61を抜き取り、既設メインロープ71-3をロッド支持体40から取り外す。乗りかご上作業員25により最上階乗場22に送り出された既設メインロープ71-3を、最上階作業員28が、最上階用既設メインロープ巻取ドラム82に巻き取り回収する。
【0046】
次に、
図14に示すように、乗りかご上作業員25が、切断箇所76で既設メインロープ71を切断する。機械室作業員26が、既設固定ロッド61(
図13参照)と同様の方法で既設固定ロッド62に固定ロッド把持装置90を装着して、支持ナット15(
図8参照)を取り外した後、既設固定ロッド62の上端部にロッド案内ロープ用ワイヤー77を介してロッド案内ロープ78の一端を接続する。
【0047】
その後、既設固定ロッド62から固定ロッド把持装置90を取り外し、ロッド案内ロープ78を繰り出しながら、開口部41を介してロッド支持体40から既設固定ロッド62を抜き取り、既設メインロープ71-4をロッド支持体40から取り外す。最上階乗場22にて、最上階作業員28が、既設メインロープ71-4を最上階用既設メインロープ巻取ドラム82に巻き取り回収する。
【0048】
乗りかご上作業員25は、既設メインロープ71-5の切断箇所76側端部と、新設メインロープ72端部とを接続治具79を介して接続する(
図11のS4、
図15参照)。
【0049】
次に、新設メインロープ72の巻き掛け及び乗りかご2側中間部の既設メインロープ71-5の回収を行う(
図11 S5)。
図15に示すように、既設メインロープ71-5を、最上階乗場22にて、最上階作業員28が最上階用既設メインロープ巻取ドラム82に巻き取る作業と同時に、既設メインロープ71-5に接続されて機械室4内に送り出された新設メインロープ72を、機械室作業員26が、綱車51及び反らせ車6にそれぞれ巻き掛け、開口部41を通して、乗りかご2上まで下ろす。乗りかご上作業員25が、接続治具79を取り外し、既設メインロープ71-5と新設メインロープ72を分離した後、最上階作業員28が、最上階乗場22にて、既設メインロープ71-5を最上階用既設メインロープ巻取ドラム82に巻き取り、既設メインロープ71の回収が完了する。
【0050】
その後、
図16で、乗りかご上作業員25は、新設メインロープ72端部を釣り合い重り3付近まで繰り出す。最下階作業員27が、新設メインロープ72を釣り合い重りプーリ31に通し、新設メインロープ72の巻き掛けが完了する。
【0051】
次に、固定ロッド把持装置90を用いて、新設メインロープ72の端部に接続された新設固定ロッド63及び
図17で後述する新設固定ロッド64をロッド支持体40に取り付ける(
図11 S6)。最下階作業員27は、新設メインロープ72端部にロープソケット8を接続し、ロープソケット8の反対側開口部には新設固定ロッド63を接続する。機械室作業員26は、ウィンチ42に連結されたウィンチロープ44を釣り合い重り3付近まで繰り出し、最下階作業員27は、シャックル等の連結用治具(図示せず)を介してウィンチロープ44と新設固定ロッド63とを接続する。機械室作業員26は、ウィンチ42でウィンチロープ44を巻き取り、新設固定ロッド63をロッド支持体40付近まで引き上げる。
【0052】
乗りかご上作業員25は、新設固定ロッド63の上端部に、ロッド案内ロープ用ワイヤー77を介して、ロッド案内ロープ78の一端を接続する。
【0053】
図16に示すように、機械室作業員26は、開口部41を介してロッド案内ロープ78を引き上げ、新設固定ロッド63をロッド支持体40の上方に突出させる。新設固定ロッド63に固定ロッド把持装置90を装着し、新設固定ロッド63の上端部からロッド案内ロープ78及びロッド案内ロープ用ワイヤー77を取り外す。固定ロッド把持装置90の上方に支持ナット15(
図8参照)を装着した後、固定ロッド把持装置90を取り外すことで、新設固定ロッド63をロッド支持体40に支持させ、新設メインロープ72をロッド支持体40に取り付ける。
【0054】
図17に示すように、乗りかご上作業員25は、新設メインロープ72の乗りかご2側端部にロープソケット8を接続し、ロープソケット8の反対側開口部に新設固定ロッド64を接続する。新設固定ロッド64の上端部に、ロッド案内ロープ用ワイヤー77を介して、ロッド案内ロープ78の一端を接続する。機械室作業員26は、開口部41を介してロッド案内ロープ78を引き上げ、新設固定ロッド64をロッド支持体40の上方に突出させる。新設固定ロッド64に固定ロッド把持装置90を装着し、新設固定ロッド64の上端部からロッド案内ロープ78及びロッド案内ロープ用ワイヤー77を取り外す。固定ロッド把持装置90の上方に支持ナット15(
図8参照)を装着した後、固定ロッド把持装置90を取り外すことで、新設固定ロッド64をロッド支持体40に支持させ、新設メインロープ72をロッド支持体40に取り付ける。
【0055】
新設メインロープ72の両端部をロッド支持体40に支持させた後、ウィンチ42及びその他装置を回収する。釣り合い重り固定治具32、足場33、乗りかご2の固定治具(図示せず)を回収し、乗りかご2及び釣り合い重り3の固定状態を解除することにより、既設メインロープ71(
図12参照)を回収し、新設メインロープ72に交換する一連の作業は完了する(
図11 S7)。
【0056】
以上のように、固定ロッド把持装置90を用いて既設メインロープ71を回収し、新設メインロープ72に交換する方法は、具体的には、以下の工程を備える。
(1)既設固定ロッド61、62を引き上げてコイルばね13と支持ナット15とを離し、コイルばね13と支持ナット15との間に固定ロッド把持装置90を装着する工程、
(2)既設固定ロッド61、62の雄ネジ部16から支持ナット15を取り外し、既設固定ロッド61、62の上端部にロッド案内ロープ用ワイヤー77を介してロッド案内ロープ78の一端を接続した後、既設固定ロッド61、62から固定ロッド把持装置90を取り外し、ロッド案内ロープ78を繰り出しながら、ロッド支持体40から既設固定ロッド61、62を抜き取り、既設メインロープ71をロッド支持体40から取り外す工程、
(3)新設固定ロッド63、64の上端部にロッド案内ロープ用ワイヤー77を介してロッド案内ロープ78の一端を接続した後、ロッド案内ロープ78をロッド支持体40の上側に引き上げ、コイルばね13を介して新設固定ロッド63、64に固定ロッド把持装置90を装着する工程、
(4)新設固定ロッド63、64の上端部からロッド案内ロープ78及びロッド案内ロープ用ワイヤー77を取り外し、新設固定ロッド63、64の雄ネジ部16に支持ナット15を装着する工程
(5)新設固定ロッド63、64から固定ロッド把持装置90を取り外し、コイルばね13を介して新設固定ロッド63、64をロッド支持体40に支持させ、新設メインロープ72をロッド支持体40に取り付ける工程。
【0057】
上記構成を備えた固定ロッド把持装置90を用いることで、固定ロッド10の軸方向移動が阻止されるため、作業員は、エレベーターのメインロープ交換作業において、片手で固定ロッド10を把持しながらもう一方の手で支持ナット15の締緩等の作業をする必要がなくなる。作業員は、固定ロッド把持装置90で固定ロッド10を把持させてから、両手で支持ナット15の締緩やロッド案内ロープ78の取り付け、取り外しが可能となり、より簡便にメインロープの交換を行うことができる。
【0058】
なお、上記実施形態は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。例えば、固定ロッド10の雄ネジ部16は、固定ロッド10を使用する際に上端部と下端部の別を留意しなくても使用できるように、固定ロッド10の両端部又は全範囲に渡って設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 昇降路、 2 乗りかご、 3 釣り合い重り、 4 機械室、 5 巻上機、 6 反らせ車、 7 メインロープ、 8 ロープソケット、 9 ロープ止め、 10 固定ロッド、 11 ロッドピン、 12 ロッド支持体側ばね受け部材、 13 コイルばね、 14 支持ナット側ばね受け部材、 15 支持ナット、 16 雄ネジ部、 21 乗りかごプーリ、 22 最上階乗場、 23 最下階乗場、 25 乗りかご上作業員、 26 機械室作業員、 27 最下階作業員、 28 最上階作業員、 31 釣り合い重りプーリ、 32 釣り合い重り固定治具、 33 足場、 40 ロッド支持体、 41 開口部、 42 電動ウィンチ、 51 綱車、 61、62 既設固定ロッド、 63、64 新設固定ロッド、 71 既設メインロープ、 72 新設メインロープ、 73~76 切断箇所、 77 ロッド案内ロープ用ワイヤー、 78 ロッド案内ロープ 、 81 ロープ固定治具、 82 最上階用既設メインロープ巻取ドラム、 83 最下階用既設メインロープ巻取ドラム、90 固定ロッド把持装置、 91 第1ブロック、 92 第2ブロック、 93 連結部材、 94 保持部、 95 貫通孔、 96 係止部、 97 閉止部、 98 ロック部
【要約】
ロッド支持体(40)に対する固定ロッド(10)の取り外し時又は取り付け時に、支持ナット(15)とコイルばね(13)との間で固定ロッド(10)を把持する、固定ロッド把持装置(90)。固定ロッド把持装置(90)は、連結部材(93)により水平方向に開閉可能に連結された第1ブロック(91)及び第2ブロック(92)を含む保持部(94)を備え、保持部(94)の閉状態において、第1ブロック(91)及び第2ブロック(92)の接合面には、固定ロッド(10)が貫通可能な貫通孔(95)が設けられ、貫通孔(95)には、固定ロッド(10)の外周に設けられた雄ネジ部(16)と係合し、固定ロッド(10)の軸方向移動を阻止する係止部(96)が形成され、保持部(94)の連結部材(93)側と反対側に、第1ブロック(91)及び第2ブロック(92)を閉じる閉止部(97)が設けられる。