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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】円環トレーニング装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 21/072 20060101AFI20241101BHJP
   A63B 21/075 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
A63B21/072 Z
A63B21/075
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024086078
(22)【出願日】2024-05-28
【審査請求日】2024-05-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522174797
【氏名又は名称】一般社団法人フットアジャストメント協会
(74)【代理人】
【識別番号】100195051
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 海幹
(72)【発明者】
【氏名】石橋 一馬
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-288879(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0196830(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3090784(EP,A1)
【文献】米国特許第5056778(US,A)
【文献】実開昭57-057869(JP,U)
【文献】実開昭57-123165(JP,U)
【文献】韓国登録特許第10-1233360(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0258661(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0160123(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0179494(US,A1)
【文献】中国実用新案第218589602(CN,U)
【文献】米国特許第5393285(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 21/072-21/075
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円環状の外周部と、前記外周部の対向する内側壁間に両端を連設した把持部と、からなり、
前記外周部は、内部に流動体を充填可能な内部空間を有する管状に形成すると共に、前記流動体を出し入れする開閉蓋自在の充填部を形成し
前記外周部は、前記内部空間の断面開口を縮小した開口からなる往来部を形成し、前記往来部を介して前記流動体が内部で移動可能とする緩衝部を形成し、
前記外周部は、充填した前記流動体が内部で移動不可能に閉塞する仕切部を形成し、
前記外周部は、前記把持部の両端が連設する箇所に前記仕切部を各々形成すると共に複数の前記緩衝部を形成したことを特徴とする円環トレーニング装置。
【請求項2】
前記緩衝部は、前記外周部の前後方向、すなわち前記把持部の軸線方向と直交する方向に伸延し左右側に前記往来部を有する柱状の左右分離部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の円環トレーニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に手首や前腕を鍛えるために把持して使用するトレーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から前腕を鍛えるための器具としてダンベルが知られているが、器具の特性から副次的に手首も鍛えることができ、重さの異なるダンベルを用いることでトレーニングの負荷を調整することができる。
【0003】
また、手首は、前後・左右への動きだけでなく回動も可能なほど広範囲に可動する柔軟性を有する部位である反面、非常に不安定な部位でもあるため、手首の筋力が弱ければ道具を把持して当該道具を力強く正確に操作することができない。
【0004】
従って、手首を鍛えることでパフォーマンスの向上が期待できる野球やゴルフ、バドミントン等数多くのスポーツでは手首を鍛える必要があり、そのためのトレーニング器具も市場に多く見受けられる。
【0005】
また、ダンベルに限らず筋力トレーニング(以下、「筋トレ」とする。)を行なう際、把持して使用する器具が多いため負荷の大きい筋トレを行なった際、意図しない手首の回動により手首を痛めてしまい筋トレに支障が出てしまう場合もある。
【0006】
このような現状において、トレーニングの負荷を調整することが可能な器具として、例えば、特許文献1において、亜鈴(以下、説明においては「ダンベル」と同義とする。)の握りの両側へ注水可能の空胴球を接続し空胴球の上部に栓使用の注入口を設け、外表面に水量測定線を記入した亜鈴が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実開昭51-078060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
確かに、特許文献1に係る亜鈴は任意の量の水を内部に充填すれば意図した負荷となる重さの亜鈴として使用できるため、重さの異なるダンベルを複数準備してトレーニングを行う必要がなく、また、特に痛めやすい手首を鍛える場合においては水量を減らすことによって鍛える部位に応じた適切な負荷に調整できる点で優れている。
【0009】
しかしながら、ダンベルは構造面において握りの両端に球体等からなる重量物が配設される関係から主にダンベルを上下させることによる位置エネルギーの変化に依存した負荷を使用者に与えるものであり、内部に水を充填することによる効果は重量の違いによる負荷の調整以外に顕著な効果を見い出すことが出来ず、鍛え難い手首の回動に係る筋力を含め不安定な手首に対してより高い柔軟性と筋力の向上を図るには不十分なものであった。
【0010】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、手首の回動に係る筋力の向上を主として手首や前腕を鍛えるために負荷調整可能な把持して使用するトレーニング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上のような目的を達成するために、本発明は以下のようなものを提供する。
【0012】
請求項1に係る発明では、円環状の外周部と、前記外周部の対向する内側壁間に両端を連設した把持部と、からなり、前記外周部は、内部に流動体を充填可能な内部空間を有する管状に形成すると共に、前記流動体を出し入れする開閉蓋自在の充填部を形成し、前記外周部は、前記内部空間の断面開口を縮小した開口からなる往来部を形成し、前記往来部を介して前記流動体が内部で移動可能とする緩衝部を形成し、前記外周部は、充填した前記流動体が内部で移動不可能に閉塞する仕切部を形成し、前記外周部は、前記把持部の両端が連設する箇所に前記仕切部を各々形成すると共に複数の前記緩衝部を形成したことを特徴とする円環トレーニング装置を提供せんとする。

【0016】
請求項に係る発明では、前記緩衝部は、前記外周部の前後方向、すなわち前記把持部の軸線方向と直交する方向に伸延し左右側に前記往来部を有する柱状の左右分離部を形成したことを特徴とする請求項に記載の円環トレーニング装置を提供せんとする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、円環状の外周部と、外周部の対向する内側壁間に両端を連設した把持部と、からなり、外周部は、内部に流動体を充填可能な内部空間を有する管状に形成すると共に、流動体を出し入れする開閉蓋自在の充填部を形成したことより、把持した手の周縁に外周部が位置するので手首を回動させるトレーニングにおいて遠心力を効率良く利用することができ、また、充填する流動体の量により負荷を容易に調整することができ、更にダンベルの代替としても使用できる。
【0018】
また、外周部の内部空間全てを流動体で満たさず適度な空間を残すことで、手首を中心に回動させれば遠心力による内部空間での流動体の動きを感じつつ反転動作時にも適度な負荷を与えることが可能となる。
【0019】
また、外周部は、内部空間の断面開口を縮小した開口からなる往来部を形成し、往来部を介して流動体が内部で移動可能とする緩衝部を形成したことより、外周部の内部空間全てを流動体で満たさず適度な空間を残すことで、手首を中心に回動させた際に往来部を通過する流動体は回動速度や充填した流動体の量により緩衝部が抵抗となるため複雑な負荷を与えることが可能となる。
【0020】
また、外周部は、充填した流動体が内部で移動不可能に閉塞する仕切部を形成したことより、外周部の内部空間全てを流動体で満たさず適度な空間を残すことで、手首を中心に回動させた際に内部空間において仕切部を基点として流動体を移動させることができ、しかも、反転動作時も含めて仕切部への流動体の衝突によって新たな負荷を与えることが可能となる。
【0021】
更に、外周部は、把持部の両端が連設する箇所に仕切部を各々形成すると共に複数の緩衝部を形成したことより、外周部の内部空間全てを流動体で満たさず適度な空間を残すことで、手首を中心に回動させた際に外周部の上半部と下半部とで流動体が各々独立した動きをすることで複雑な負荷を与えることが可能となる。
【0022】
請求項記載の発明によれば、緩衝部は、外周部の前後方向、すなわち把持部の軸線方向と直交する方向に伸延し左右側に往来部を有する柱状の左右分離部を形成したことより、外周部の内部空間全てを流動体で満たさず適度な空間を残すことで、手首を中心に回動させた際に往来部を通過する流動体は傾きや回動速度、充填した流動体の量により左右分離部の何れの側を移動させるか流動体の動きを感じて調整しつつ楽しみながらトレーニングを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】(a)は本実施形態に係る円環トレーニング装置の斜視図で、(b)は正面図である。
図2】(a)は図1(b)のA-A線断面図で、(b)はB-B線断面図である。
図3】(a)は本実施形態に係る円環トレーニング装置の正面透視図で、(b)はC-C線拡大断面図で、(c)は外周部の中空の拡大断面図である。
図4】(a)は本実施形態に係る円環トレーニング装置の他の正面透視図で、(b)はD-D線拡大断面図である。
図5】(a)は本実施形態に係る円環トレーニング装置の他の正面透視図で、(b)はE-E線拡大断面図である。
図6】(a)は本実施形態に係る円環トレーニング装置の他の正面透視図で、(b)はF-F線拡大断面図である。
図7】(a)は本実施形態に係る円環トレーニング装置の他の正面透視図で、(b)はG-G線拡大断面図である。
図8】(a)は本実施形態に係る円環トレーニング装置の他の正面透視図で、(b)はH-H線拡大断面図である。
図9】(a)は本実施形態に係る仕切部を有する円環トレーニング装置の正面透視図で、(b)はI-I線拡大断面図である。
図10】(a)は本実施形態に係る仕切部を有する円環トレーニング装置の他の正面透視図で、(b)はJ-J線拡大断面図である。
図11】(a)は本実施形態に係る仕切部を有する円環トレーニング装置の他の正面透視図で、(b)はK-K線拡大断面図である。
図12】(a)は本実施形態に係る仕切部を有する円環トレーニング装置の他の正面透視図で、(b)はL-L線拡大断面図である。
図13】(a)は本実施形態に係る仕切部を有する円環トレーニング装置の他の正面透視図で、(b)はM-M線拡大断面図である。
図14】(a)は本実施形態に係る仕切部を有する円環トレーニング装置の他の正面透視図で、(b)はN-N線拡大断面図である。
図15】(a)は本実施形態に係る仕切部を有する円環トレーニング装置の他の正面透視図で、(b)はO-O線拡大断面図である。
図16】(a)は本実施形態に係る円環トレーニング装置の把持部の変形例を示す正面透視図で、(b)は本実施形態に係る仕切部を有する円環トレーニング装置の把持部の変形例を示す正面透視図である。
図17】本実施形態に係る円環トレーニング装置の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係る円環トレーニング装置の要旨は、円環状の外周部と、外周部の対向する内側壁間に両端を連設した把持部と、からなり、外周部は、内部に流動体を充填可能な内部空間を有する管状に形成すると共に、流動体を出し入れする開閉蓋自在の充填部を形成したことを特徴とする。すなわち、手首の回動に係る筋力の向上を主として手首や前腕を鍛えるために負荷調整可能な把持して使用するトレーニング装置の提供を図ろうとするものである。
【0025】
以下、本発明に係る円環トレーニング装置1の一実施形態について図面を参照しながら説明する。また、本説明中において左右同一又は左右対称の構造や部品については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
【0026】
また、本説明中においては、図1(b)に示す側を円環トレーニング装置1の正面(前面)、その裏側を背面(後側)、把持部17が伸延する方向を水平方向、把持部17よりも上側を上半部3、把持部17よりも下側を下半部4として説明している。
【0027】
また、本発明における流動体とは、水等の液体に限定されず、物質そのものの形状は変化せずとも円環トレーニング装置1の内部空間9に充填した際、ほぼ隙間なく内部空間9を満たすことができる物質の集合体であればよく、例えば、砂や砂鉄、細かい合成樹脂材料からなるような粉状物や粒状物も流動体となる。
【0028】
本発明の実施形態に係る円環トレーニング装置1は、図1(a)、(b)、図2(a)、(b)に示すように、円環状の外周部2と、外周部2の対向する内側壁間に両端を連設した把持部17と、からなり、外周部2は、内部に流動体を充填可能な内部空間9を有する管状に形成すると共に、流動体を出し入れする開閉蓋自在の充填部5を形成している。
【0029】
従って、充填部5を開蓋し外周部2の内部空間9に任意の量の流動体を充填して充填部5を閉蓋すれば、図17に示すように使用者Mが把持部17を手hで把持してトレーニングを行うことができる。
【0030】
また、外周部2の内部空間9全てを流動体で満たさず適度な空間を残すことで、手首を中心に円環トレーニング装置1を回動させれば遠心力による内部空間9での流動体の動きを感じつつ手首に対しても適度な負荷を与えることが可能となる。
【0031】
以下、円環トレーニング装置1の各部の構成について図面を用いて具体的に詳述する。
【0032】
円環トレーニング装置1は、図1(a)、(b)、図2(a)、(b)に示すように、合成樹脂材料からなる中空の円管を無端状として円環状に形成した外周部2と、外周部2の断面直径よりも小径で外周部2の対向する内側壁間に両端を連設した合成樹脂材料からなる中実で丸棒状の把持部17と、で構成している。
【0033】
また、外周部2の前側の上部には流動体を出し入れする開閉蓋自在の充填部5を形成しており、本実施形態において充填部5は、外周部2に穿設し雌ネジを形成した充填開口6と、外周に雄ネジを螺刻し頭部を十字状に凹設した蓋7を充填開口6に螺入することで密栓するように形成している。
【0034】
なお、外周部2は円管を用いた構成に限定されず角管等であってもよく、把持部17も中空であってもよく、更に丸棒状に限定されず把持し易い形状であればよい。
【0035】
また、充填部5の形状や構造は本実施形態に限定されず、流動体の出し入れが可能で、且つ密栓状態で流動体が外部に流出しなければ如何なる構成であっても良い。
【0036】
また、本実施形態に係る円環トレーニング装置1は、図3図8に示すように、外周部2は、内部空間9の断面開口を縮小した開口からなる往来部12を形成し、往来部12を介して流動体が内部で移動可能とする緩衝部10を形成することもできる。
【0037】
すなわち、外周部2をドーナツ状に連通する円管の内部空間9において、連通を阻害しない程度の開口である往来部12を形成するものであり、図3(b)は、円形の緩衝板11の中央に円形の往来部12を穿設した緩衝部10を内部空間9に図3(a)のように4箇所形成した構成を示している。
【0038】
また、図4(b)の緩衝部10は、外周部2の前後方向、すなわち把持部17の軸線方向と前後に直交する方向に伸延し左右側に往来部12を有する柱状の左右分離部13を形成するように円形の緩衝板11を穿設して内部空間9に図4(a)のように4箇所形成した構成を示している。
【0039】
また、図5(b)の緩衝部10は、外周部2の後側に半円状の緩衝板11を形成し、前側の開口を往来部12として内部空間9に図5(a)のように4箇所形成した構成を示している。
【0040】
また、図6(b)の緩衝部10は、内部空間9を同心円で2分割する外側に半円状の緩衝板11を形成し、内側の開口を往来部12として内部空間9に図6(a)のように4箇所形成した構成を示している。
【0041】
また、図7(b)の緩衝部10は、内部空間9を同心円で2分割する内側に半円状の緩衝板11を形成し、外側の開口を往来部12として内部空間9に図7(a)のように4箇所形成した構成を示している。
【0042】
更に、図8(b)の緩衝部10は、内部空間9を同心円で3分割する外側と内側に略半円状の緩衝板11を形成し、これらの間隙の開口を往来部12として内部空間9に図8(a)のように4箇所形成した構成を示している。
【0043】
このように、上述した緩衝部10の構成は一実施形態を示すものであり、緩衝部10の形状や構成はこれに限定されず、本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。
【0044】
また、緩衝部10の数や位置も本実施形態に限定されず、更に、内部空間9に複数の形状の緩衝部10を混在させて形成することもできる。
【0045】
また、本実施形態に係る円環トレーニング装置1は、図9(a)、(b)に示すように、外周部2は、充填した流動体が内部で移動不可能に閉塞する仕切部15を形成することもできる。
【0046】
すなわち、外周部2をドーナツ状に連通する円管の内部空間9において、連通を阻害して閉塞する円板状の仕切部15を形成するものであり、図9に示す本実施形態においては、外周部2の内部空間9において把持部17の両端が連設する箇所に仕切部15を各々形成している。
【0047】
この場合、外周部2の上半部3と下半部4には流動体を別々に充填する必要があるため、外周部2の後側の下部にも上述した充填部5と同様の充填部5を形成している。
【0048】
このように構成した円環トレーニング装置1は、図10図15に示すように、上述した緩衝部10を内部空間9に形成することもできる。
【0049】
また、本実施形態に係る円環トレーニング装置1は、図16(a)、(b)に示すように、把持部17を十字状に形成してもよい。
【0050】
以上、説明したように本実施形態に係る円環トレーニング装置1は構成している。
【0051】
このように円環トレーニング装置1は、円環状の外周部2と、外周部2の対向する内側壁間に両端を連設した把持部17と、からなり、外周部2は、内部に流動体を充填可能な内部空間9を有する管状に形成すると共に、流動体を出し入れする開閉蓋自在の充填部5を形成したことより、把持した手hの周縁に外周部2が位置するので手首を回動させるトレーニングにおいて遠心力を効率良く利用することができ、また、充填する流動体の量により負荷を容易に調整することができ、更にダンベルの代替としても使用できる。
【0052】
また、外周部2の内部空間9全てを流動体で満たさず適度な空間を残すことで、手首を中心に回動させれば遠心力による内部空間9での流動体の動きを感じつつ反転動作時にも適度な負荷を与えることが可能となる。
【0053】
また、外周部2は、内部空間9の断面開口を縮小した開口からなる往来部12を形成し、往来部12を介して流動体が内部で移動可能とする緩衝部10を形成したことより、外周部2の内部空間9全てを流動体で満たさず適度な空間を残すことで、手首を中心に回動させた際に往来部12を通過する流動体は回動速度や充填した流動体の量により緩衝部10が抵抗となるため複雑な負荷を与えることが可能となる。
【0054】
また、外周部2は、充填した流動体が内部で移動不可能に閉塞する仕切部15を形成したことより、外周部2の内部空間9全てを流動体で満たさず適度な空間を残すことで、手首を中心に回動させた際に内部空間9において仕切部15を基点として流動体を移動させることができ、しかも、反転動作時も含めて仕切部15への流動体の衝突によって新たな負荷を与えることが可能となる。
【0055】
更に、外周部2は、把持部17の両端が連設する箇所に仕切部15を各々形成すると共に複数の緩衝部10を形成したことより、外周部2の内部空間9全てを流動体で満たさず適度な空間を残すことで、手首を中心に回動させた際に外周部2の上半部3と下半部4とで流動体が各々独立した動きをすることで複雑な負荷を与えることが可能となる。
【0056】
しかも、緩衝部10は、外周部2の前後方向、すなわち把持部17の軸線方向と直交する方向に伸延し左右側に往来部12を有する柱状の左右分離部13を形成したことより、外周部2の内部空間9全てを流動体で満たさず適度な空間を残すことで、手首を中心に回動させた際に往来部12を通過する流動体は傾きや回動速度、充填した流動体の量により左右分離部13の何れの側を移動させるか流動体の動きを感じて調整しつつ楽しみながらトレーニングを行うことが可能となる。
【0057】
以上、本発明の本実施形態に係る円環トレーニング装置1の好ましい実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 円環トレーニング装置
2 外周部
5 充填部
9 内部空間
11 緩衝部
12 往来部
13 左右分離部
15 仕切部
17 把持部
【要約】
【課題】手首の回動に係る筋力の向上を主として手首や前腕を鍛えるために負荷調整可能な把持して使用するトレーニング装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る円環トレーニング装置1は、円環状の外周部2と、外周部2の対向する内側壁間に両端を連設した把持部17と、からなり、外周部2は、内部に流動体を充填可能な内部空間9を有する管状に形成すると共に、流動体を出し入れする開閉蓋自在の充填部5を形成したことを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17