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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20241101BHJP
   G06F 1/18 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
G06F1/16 312U
G06F1/16 312E
G06F1/18 E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021526008
(86)(22)【出願日】2020-06-01
(86)【国際出願番号】 JP2020021551
(87)【国際公開番号】W WO2020250729
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】P 2019107648
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】古軸 優
(72)【発明者】
【氏名】寺本 龍介
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 宗弘
(72)【発明者】
【氏名】黒本 達央
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-099550(JP,A)
【文献】特開平05-129046(JP,A)
【文献】特開2004-319267(JP,A)
【文献】特開2004-342408(JP,A)
【文献】特開2008-107985(JP,A)
【文献】特開2008-130464(JP,A)
【文献】特開2006-099551(JP,A)
【文献】特開2007-080929(JP,A)
【文献】特開2009-003649(JP,A)
【文献】特開2012-027592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/16-1/18
H05K5/02;7/02
H01R13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーボードと、
前記キーボードが格納される凹部状のキーボード格納部を備える筐体と、
前記キーボードから延在するフレキシブルケーブルと、
前記フレキシブルケーブルの先端に取り付けられた第3のコネクタと、前記第3のコネクタが略平行に接続される第1の回路基板と、前記第3のコネクタおよび前記第1の回路基板を介して前記フレキシブルケーブルと電気的に接続された第1のコネクタと、が収容されるアダプタと
記キーボード格納部に設けられ、前記第1のコネクタと接続する第2のコネクタと、
前記第2のコネクタと電気的に接続され、前記筐体の内部に実装されている第2の回路基板と、
を有し、
前記キーボード格納部の底面に、前記アダプタと係合する凹部状のアダプタ係合部が設けられ、
前記アダプタ係合部内に前記第2のコネクタが配置され、
前記第1および第2のコネクタが、前記キーボード格納部の底面および前記第1の回路基板に対して直交する方向に接続し、
前記アダプタは、前記アダプタ係合部に係合した状態で、前記略直交する方向に前記筐体に固定される、情報処理装置。
【請求項2】
前記アダプタは、トップケーシングと、ボトムケーシングと、前記トップケーシングと前記ボトムケーシングを接着する環状の防水接着部を備え、
前記第1の回路基板と、前記第1および第3のコネクタは、前記トップケーシングと前記ボトムケーシングとの間に形成される空間内に収容され、
前記フレキシブルケーブルは、前記防水接着部に挟まれた状態で前記キーボードに延在する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記キーボード格納部の底面に対する直交方向視で、前記アダプタの形状が異方性を備える、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記アダプタ係合部の底面に、前記アダプタ係合部に係合した状態の前記アダプタによって蓋をされ、前記第2のコネクタが配置されている凹部状のコネクタ収容空間が設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記アダプタと前記アダプタ係合部の底面との間に挟まれ、前記キーボード格納部の底面に対する直交方向視で、前記コネクタ収容空間を囲む環状のシール部材を、さらに有する請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記環状のシール部材が着座する前記アダプタ係合部の底面の部分に、環状の突条部が設けられている、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記キーボード格納部の底面に、前記アダプタ係合部を少なくとも部分的に囲む溝が設けられている、請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記筐体に対して回動可能に設けられたディスプレイを、さらに有し、
前記情報処理装置は、ノート型パーソナルコンピュータである、請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キーボードを備える情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、キーボードを備えるノート型パーソナルコンピュータ(情報処理装置)が開示されている。キーボードは、ノート型パーソナルコンピュータの筐体の上面に設けられた凹部内に格納されている。その凹部の底面の一部に開口が形成されており、その開口を介して筐体内の回路基板の一部が露出している。その露出した回路基板の部分に、キーボードから延びるフレキシブルフラットケーブルの先端が挿入されるオンボードコネクタが実装されている。なお、キーボードは防水型のキーボードであって、そのキーボードと凹部の底面との間には、防水シートが配置されている。その防水シートには、フレキシブルフラットケーブルが通過するスリットが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-99550号公報
【発明の概要】
【0004】
ところで、キーボードを備える情報処理装置について、キーボードを交換したいというエンドユーザのニーズがある。
【0005】
そこで、本開示は、キーボードを備える情報処理装置において、エンドユーザがキーボードを容易に交換できる構造を実現することを課題とする。
【0006】
本開示の一態様によれば、
キーボードと、
前記キーボードが格納される凹部状のキーボード格納部を備える筐体と、
前記キーボードから延在するフレキシブルケーブルと、
前記フレキシブルケーブルの先端に取り付けられたアダプタと、
前記アダプタに設けられ、前記フレキシブルケーブルと電気的に接続された第1のコネクタと、
前記キーボード格納部に設けられ、前記第1のコネクタと接続する第2のコネクタと、
を有し、
前記キーボード格納部の底面に、前記アダプタと係合する凹部状のアダプタ係合部が設けられ、
前記アダプタ係合部内に前記第2のコネクタが配置され、
前記第1および第2のコネクタが、前記キーボード格納部の底面に対して直交する方向に接続する、情報処理装置が提供される。
【0007】
本開示によれば、キーボードを備える情報処理装置において、エンドユーザはキーボードを容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施の形態に係る情報処理装置の前方斜視図
図2】キーボードが取り外された状態の情報処理装置の筐体の前方斜視図
図3】キーボードの斜視図
図4】キーボードのアダプタの分解斜視図
図5】キーボードのアダプタを取り付ける直前の情報処理装置の筐体の部分的斜視図
図6】キーボードのアダプタを取り付けた状態の情報処理装置の筐体の部分的斜視図
図7】情報処理装置の筐体におけるキーボード格納部を示す後方斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0010】
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0011】
以下に、本開示の一実施の形態に係る情報処理装置について図1図7を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、本開示の一実施の形態に係る情報処理装置を示す図である。なお、図に示すX-Y-Z座標系は、実施の形態の理解を容易にするためのものであって、実施の形態を限定するものではない。X-Y-Z座標系において、X軸方向は情報処理装置の幅方向であって、Y軸方向は奥行き方向であって、Z軸方向は厚さ方向である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態に係る情報処理装置10は、いわゆるノート型パーソナルコンピュータであって、筐体12と、筐体12に対して回動可能に取り付けられたディスプレイ14とを有する。
【0014】
情報処理装置10の筐体12には、CPU、記憶装置などが内蔵されているとともに、その上面12aにはキーボード16が設けられている。
【0015】
図2は、キーボードが取り外された状態の情報処理装置の筐体の前方斜視図である。図3は、キーボードの斜視図である。
【0016】
図2に示すように、キーボード16は、複数のキートップ16aを備えるシート状の部材である。例えば、キーボード16は、メンブレン式のキーボードである。また、本実施の形態の場合、キーボード16は、防滴仕様または防水仕様である。
【0017】
図2に示すように、筐体12の上面12aには、キーボード16が嵌め込まれて格納される凹部状のキーボード格納部12bが形成されている。具体的には、筐体12の上面12aの後側部分に、キーボード格納部12bが設けられている。なお、その筐体12の前側部分には、パームレスト12cやタッチパッド18が設けられている。
【0018】
図3に示すように、キーボード16は、本実施の形態の場合、2本のフレキシブルケーブル20、22が設けられている。一方のフレキシブルケーブル20は、複数のキートップ16aそれぞれに設けられたスイッチ(図示せず)からの信号を筐体12に送信するためのケーブルである。他方のフレキシブルケーブル22は、複数のキートップ16aを点灯するための電力供給ケーブルである(キーボード16内にシート状のバックライトが設けられ、バックライトからの光をキートップ16aが透過する)。なお、本実施の形態の場合、2本のフレキシブルケーブル20、22は、フレキシブルフラットケーブルであって、キーボード16の裏面から延在している。
【0019】
図3に示すように、2本のフレキシブルケーブル20、22の先端には、キーボード16を筐体12に接続するためのアダプタ24が取り付けられている。
【0020】
図4は、キーボードのアダプタの分解斜視図である。
【0021】
図4に示すように、アダプタ24は、トップケーシング26と、ボトムケーシング28と、回路基板30とを備える。その回路基板30には、複数のコネクタ32、34、36が実装されている。
【0022】
図4に示すように、回路基板30は、トップケーシング26とボトムケーシング28との間に形成される空間内に収容される。なお、本実施の形態の場合、トップケーシング26とボトムケーシング28は、それぞれの外縁部分が環状の防水両面テープ38を介して互いに貼り合わせられている。
【0023】
図4に示すように、コネクタ32は、フレキシブルケーブル20用のコネクタであって、フレキシブルケーブル20の先端が筐体12の奥行き方向(Y軸方向)に、すなわち回路基板30と平行に接続されている。
【0024】
コネクタ34は、フレキシブルケーブル22用のコネクタであって、フレキシブルケーブル22の先端が筐体12の奥行き方向(Y軸方向)に、すなわち回路基板30と平行に接続されている。
【0025】
なお、コネクタ32、34にそれぞれ接続されているフレキシブルケーブル20、22は、トップケーシング26とボトムケーシング28との間からキーボード16に向かって延在する。そのフレキシブルケーブル20、22それぞれは、環状の防水両面テープ38と、防水両面テープ40、42に挟まれた状態でトップケーシング26とボトムケーシング28との間を通過する。これにより、トップケーシング26とボトムケーシング28との間が流体密にシールされている。
【0026】
コネクタ(第1のコネクタ)36は、図2に示すように、筐体12のキーボード格納部12bに設けられたコネクタ(第2のコネクタ)44に接続されるコネクタである。また、コネクタ36と筐体12側のコネクタ44との接続を可能とするために、ボトムケーシング28には、貫通穴28aが形成されている。さらに、コネクタ36は、回路基板30に形成された回路(図示せず)を介して、フレキシブルケーブル20、22用のコネクタ32、34に電気的に接続されている。
【0027】
図5は、キーボードのアダプタを取り付ける直前の情報処理装置の筐体の部分的斜視図である。図6は、キーボードのアダプタを取り付けた状態の情報処理装置の筐体の部分的斜視図である。
【0028】
図5に示すように、筐体12側のコネクタ44は、筐体12のキーボード格納部12bの底面12dに設けられている。
【0029】
具体的には、図5および図6に示すように、キーボード格納部12bの底面12dには、アダプタ24と係合する凹部状のアダプタ係合部12eが形成されている。このアダプタ係合部12e内にコネクタ44が配置されている。本実施の形態の場合、このアダプタ係合部12eの底面12fに、コネクタ44が配置される凹部状のコネクタ収容空間12gが設けられている。
【0030】
筐体12側のコネクタ44は、筐体12内部に搭載されてCPUなどが実装された回路基板(図示せず)に電気的に接続されている。すなわち、コネクタ44は筐体12の外部に位置して露出しているものの、そのコネクタ44に電気的に接続されている回路基板は筐体12の外部に露出していない。したがって、例えば静電気防止手袋を装着するなどの回路基板に対する静電気対策を行うことなく、コネクタ36とコネクタ44とを互いに接続することにより、キーボード16を筐体12内の回路基板に電気的に接続することができる。
【0031】
キーボード16側のコネクタ36と筐体12側のコネクタ44は、図5に示すように、筐体12の厚さ方向(Z軸方向)、すなわちキーボード格納部12bの底面12dに対して直交する方向に着脱するように構成されている。したがって、アダプタ24をキーボード格納部12bの底面12dに形成された凹部状のアダプタ係合部12eに係合させることにより、コネクタ36をコネクタ44に接続することができる。係合した後のアダプタ24の筐体12への固定は、本実施の形態の場合、図6に示すように、複数のねじ46によって行われる。
【0032】
なお、キーボード16側のコネクタ36が筐体12側のコネクタ44に対して正しい向きで接続されるように、本実施の形態の場合、アダプタ24の形状は、それに加えて対応するアダプタ係合部12eの形状も、筐体12の厚さ方向(Z軸方向)視で異方性を備える。本実施の形態の場合、アダプタ24において、筐体12の奥行き方向(Y軸方向)の両端それぞれの形状が、手前側(タッチパッド18側)と奥側(ディスプレイ14側)とで異なる。
【0033】
また、図6に示すようにアダプタ24がアダプタ係合部12eに係合した状態のとき、アダプタ24の上面、すなわちトップケーシング26の表面は、キーボード格納部12bの底面12dと実質的に同一平面または底面12dに比べて低いレベルに位置する。これにより、キーボード16をキーボード格納部12bの底面12d上に載置することができる。
【0034】
さらに、筐体12側のコネクタ44が配置されている凹部状のコネクタ収容空間12gは、アダプタ係合部12eに係合してその底面12f上に載置されている状態のアダプタ24によって蓋をされる。その結果、コネクタ44と筐体12とのすき間を介して該筐体12内に異物が侵入することが抑制される。
【0035】
さらにまた、本実施の形態の場合、例えばキーボード16上にこぼれた水などの液体が、コネクタ44と筐体12とのすき間を介して、筐体12内に侵入しないように、シール部材48が存在する。
【0036】
図4に示すように、シール部材48は、環状であって、ゴムなどの弾性材料から作製されている。また、シール部材48は、図6に示すようにアダプタ24がアダプタ係合部12eに係合した状態(アダプタ24によってコネクタ収容空間12gが蓋をされている状態)のとき、そのアダプタ24とアダプタ係合部12eの底面12fとの間に挟まれる。またそのとき、シール部材48は、キーボード格納部12bの底面12dに対する直交方向視(Z軸方向視)で、コネクタ収容空間12gを囲んでいる。
【0037】
このようなシール部材48の一方の面が着座する環状のシール着座面28bがアダプタ24のボトムケーシング28に設けられている。また、図5に示す筐体12のアダプタ係合部12eの底面12fにシール部材48の他方の面が着座する。このようなシール部材48により、アダプタ24とアダプタ係合部12eの底面12fとの間がシールされ、これらの間を介するコネクタ収容空間12gへの液体の侵入が抑制されている。その結果、コネクタ44と筐体12とのすき間を介して、筐体12内に液体が侵入することが抑制されている。
【0038】
防水性をさらに向上させるために、本実施の形態の場合、図5に示すように、シール部材48が着座するアダプタ係合部12eの底面12fの部分には、環状の突条部12hが形成されている。シール部材48は、この突条部12hに覆い被さった状態で底面12fに着座する。この突条部12hにより、シール部材48と底面12fとの間のシール性が向上する(突条部12hがない場合に比べて)。その結果、コネクタ44と筐体12とのすき間を介して、筐体12内に液体が侵入することがさらに抑制されている。
【0039】
防水性をよりさらに向上させるために、本実施の形態の場合、図5に示すように、キーボード格納部12bの底面12dには、アダプタ係合部12eを少なくとも部分的に囲む溝12jが設けられている。これにより、キーボード16上にこぼれてキーボード格納部12b内に侵入した水などの液体が、アダプタ係合部12eに到達することが抑制される。その結果、コネクタ44と筐体12とのすき間を介して、筐体12内に液体が侵入することがよりさらに抑制されている。
【0040】
ここからは、キーボード16の筐体12への取り付け方法について説明する。
【0041】
まず、図5および図6に示すように、アダプタ24が筐体12のキーボード格納部12bにおけるアダプタ係合部12eに係合され、それによって、キーボード16側のコネクタ36と筐体12側のコネクタ44が電気的に接続される。なお、このとき、キーボード16は、複数のキートップ16aが筐体12に向いた状態(すなわち裏返し状態)で、筐体12のパームレスト12cやタッチパッド18上に載置されている。
【0042】
このような接続方法によれば、キーボード16によってアダプタ24やアダプタ係合部12eが隠れることがないため、ユーザはキーボード16側のコネクタ36と筐体12側のコネクタ44を容易に接続することができる。
【0043】
次に、図6に示すように、アダプタ係合部12eに係合した状態のアダプタ24を、複数のねじ46を介して筐体12に固定する。
【0044】
続いて、図6に示すように、筐体12の前方に向かってアダプタ24から延在するフレキシブルケーブル20、22を折り返すことにより、キーボード16を、複数のキートップ16aが上方に向いた姿勢で、キーボード格納部12bの上方に配置する。
【0045】
続いて、キーボード16をキーボード格納部12b内に格納し、仮固定する。
【0046】
図7は、情報処理装置の筐体におけるキーボード格納部を示す後方斜視図である。
【0047】
図7に示すように、キーボード格納部12bにおける前側(パームレスト12c側)の側面12kには、複数の係合穴12mが形成されている。一方、図3に示すように、キーボード16の前端16bには、複数の係合穴12mに係合する複数の係合爪16cが設けられている。
【0048】
まず、キーボード16がその前端16bが斜め下方向に向いた状態の傾いた姿勢にされ、その姿勢でキーボード16の複数の係合爪16cが筐体12の複数の係合穴12mに係合される。それにより、キーボード16の前端16bがキーボード格納部12b内に配置される。その後、キーボード16の姿勢を水平姿勢にすることにより、キーボード16の後端16dがキーボード格納部12b内に配置される。これにより、キーボード16がキーボード格納部12b内に格納され、筐体12に仮固定される。すなわち、キーボード16の前端16bが筐体12に固定される。
【0049】
キーボード16の前端16bが筐体12に固定された後、その後端16dが筐体12に固定される。具体的には、図2に示すように、キーボード16の後端16dを保持するバー状のキーボードバックホルダ50が筐体12に固定される。キーボード16の後端16dは、このキーボードバックホルダ50と筐体12とに筐体12の厚さ方向(Z軸方向)に挟持されることにより、筐体12に固定される。これにより、キーボード16全体が筐体12に固定される。
【0050】
なお、キーボード16の取り外し方法については、まず、キーボードバックホルダ50が筐体から取り外され、次に、キーボード16がキーボード格納部12bから取り外され、続いて、そのキーボード16が裏返した状態でパームレスト12c上に載置される。そして、複数のねじ46を外して、アダプタ24が筐体12から取り外される。
【0051】
以上のような本実施の形態によれば、キーボードを備える情報処理装置において、エンドユーザはキーボードを容易に交換することができる。例えば、キーボードから延在するフレキシブルフラットケーブルの先端を筐体内の回路基板に実装されたオンボードコネクタに対して抜き差しする必要がある場合に比べて、エンドユーザはキーボードを容易に交換することができる。
【0052】
また、本実施の形態によれば、キーボードにこぼれた水などの液体に対する防水性を確保しつつ、エンドユーザはキーボードを容易に交換することができる。
【0053】
以上、上述の実施の形態を挙げて本開示を説明したが、本開示の実施の形態はこれに限定されない。
【0054】
例えば、上述の実施の形態の場合、図3に示すように、キーボード16とアダプタ24とを接続するフレキシブルケーブル20、22は、フレキシブルフラットケーブルであるが、本開示の実施の形態はこれに限らない。キーボードとアダプタ24とを接続するケーブルは、変形可能であれば、ワイヤー状であってもよい。
【0055】
すなわち、本開示の実施の形態に係る情報処理装置は、広義には、キーボードと、前記キーボードが格納される凹部状のキーボード格納部を備える筐体と、前記キーボードから延在するフレキシブルケーブルと、前記フレキシブルケーブルの先端に取り付けられたアダプタと、前記アダプタに設けられ、前記フレキシブルケーブルと電気的に接続された第1のコネクタと、前記キーボード格納部に設けられ、前記第1のコネクタと接続する第2のコネクタと、を有し、前記キーボード格納部の底面に、前記アダプタと係合する凹部状のアダプタ係合部が設けられ、前記アダプタ係合部内に前記第2のコネクタが配置され、前記第1および第2のコネクタが、前記キーボード格納部の底面に対して直交する方向に接続するものである。
【0056】
以上のように、本開示における技術の例示として、複数の実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0057】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0058】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本開示は、キーボードを備える情報処理装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
10 情報処理装置
12 筐体
12b キーボード格納部
12d 底面
12e アダプタ係合部
12f 底面
12g コネクタ収容空間
12h 突条部
12j 溝
14 ディスプレイ
16 キーボード
20 フレキシブルケーブル
22 フレキシブルケーブル
24 アダプタ
36 第1のコネクタ(コネクタ)
44 第2のコネクタ(コネクタ)
48 シール部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7