(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】害虫駆除システム、自律走行ロボット及び害虫捕獲装置
(51)【国際特許分類】
A01M 1/14 20060101AFI20241101BHJP
A01M 1/00 20060101ALI20241101BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20241101BHJP
【FI】
A01M1/14 Z
A01M1/00 Q
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2020211861
(22)【出願日】2020-12-21
【審査請求日】2023-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】岸本 紘明
(72)【発明者】
【氏名】中西 邦行
(72)【発明者】
【氏名】三浦 祐太
(72)【発明者】
【氏名】津坂 優子
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特許第4629802(JP,B2)
【文献】特開2006-130005(JP,A)
【文献】特開2008-118865(JP,A)
【文献】特開2020-190626(JP,A)
【文献】特表2017-532041(JP,A)
【文献】特開2016-136916(JP,A)
【文献】特開平7-197554(JP,A)
【文献】特開平6-55111(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0075824(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
害虫を捕獲するための害虫捕獲装置と、
自律的に走行し、前記害虫捕獲装置を搬送する自律走行ロボットと、
前記自律走行ロボットが走行するフロアの形状、前記フロアに配置された配置物の位置、及び、前記配置物の形状の少なくとも1つを取得する第1取得部と、
取得された前記少なくとも1つに基づいて、前記フロアにおいて前記害虫捕獲装置が配置される配置領域を検出する領域検出部と、
前記フロアの地図を取得する第2取得部と、
を備え、
前記自律走行ロボットは、
前記地図に基づいて、前記害虫捕獲装置を検出された前記配置領域まで搬送して配置し、
所定条件が満たされた場合に、配置された前記害虫捕獲装置を前記配置領域から回収
し、
前記第2取得部は、前記害虫捕獲装置が配置される条件を示す配置条件を取得し、
前記領域検出部は、取得された前記少なくとも1つと、取得された前記配置条件とに基づいて、前記配置領域を検出し、
前記配置条件は、第1配置条件及び第2配置条件であり、
前記第1配置条件は、所定の閾値以下の体積の領域を、前記害虫捕獲装置が配置される前記配置領域とすることを示し、
前記第2配置条件は、前記フロアを鉛直視したときの、2つの前記配置物の間の距離が所定の閾値以下の領域を、前記害虫捕獲装置が配置される前記配置領域とすることを示す、
害虫駆除システム。
【請求項2】
前記所定条件は、前記害虫捕獲装置が配置されてから所定時間が経過したことを示す条件である
請求項
1に記載の害虫駆除システム。
【請求項3】
配置された前記害虫捕獲装置によって捕獲された害虫の捕獲数を検出する害虫捕獲検出部と、
決定部と、をさらに備え、
前記領域検出部は、複数の前記配置領域を検出し、
前記決定部は、検出された前記捕獲数に基づいて、前記複数の配置領域のうち1つの配置領域を決定し、
前記自律走行ロボットは、
前記地図に基づいて、前記害虫捕獲装置を決定された前記1つの配置領域まで搬送して配置し、
前記所定条件が満たされた場合に、配置された前記害虫捕獲装置を前記1つの配置領域から回収する
請求項1
又は2に記載の害虫駆除システム。
【請求項4】
前記害虫捕獲検出部は、前記害虫捕獲装置に設けられ、
前記害虫捕獲装置は、検出された前記捕獲数を前記自律走行ロボットに送信する第1通信部を有し、
前記所定条件は、送信された前記捕獲数が所定数に達したことを示す条件である
請求項
3に記載の害虫駆除システム。
【請求項5】
前記自律走行ロボットは、検出された前記捕獲数を情報端末に送信する第2通信部を備える
請求項
3又は4に記載の害虫駆除システム。
【請求項6】
前記害虫捕獲装置は、自律的に走行する
請求項1~
5のいずれか1項に記載の害虫駆除システム。
【請求項7】
回収された前記害虫捕獲装置が捕獲した害虫を処理する害虫処理部を、さらに備える
請求項1~
6のいずれか1項に記載の害虫駆除システム。
【請求項8】
自律的に走行する自律走行ロボットであって、
前記自律走行ロボットが走行するフロアの形状、前記フロアに配置された配置物の位置、及び、前記配置物の形状の少なくとも1つを取得する第1取得部と、
取得された前記少なくとも1つに基づいて、前記フロアにおいて、害虫を捕獲するための害虫捕獲装置が配置される配置領域を検出する領域検出部と、
前記フロアの地図を取得する第2取得部と、
前記自律走行ロボットを走行させる駆動部と、
前記害虫捕獲装置を配置し、かつ、前記害虫捕獲装置を回収する配置回収部と、
前記駆動部及び前記配置回収部を制御する制御部と、
を備え、
前記自律走行ロボット
が備える前記制御部は、
前記地図に基づいて、前記害虫捕獲装置を検出された前記配置領域まで搬送して配置
するように前記駆動部及び前記配置回収部を制御し、
所定条件が満たされた場合に、配置された前記害虫捕獲装置を前記配置領域から回収する
ように前記配置回収部を制御し、
前記第2取得部は、前記害虫捕獲装置が配置される条件を示す配置条件を取得し、
前記領域検出部は、取得された前記少なくとも1つと、取得された前記配置条件とに基づいて、前記配置領域を検出し、
前記配置条件は、第1配置条件及び第2配置条件であり、
前記第1配置条件は、所定の閾値以下の体積の領域を、前記害虫捕獲装置が配置される前記配置領域とすることを示し、
前記第2配置条件は、前記フロアを鉛直視したときの、2つの前記配置物の間の距離が所定の閾値以下の領域を、前記害虫捕獲装置が配置される前記配置領域とすることを示す、
自律走行ロボット。
【請求項9】
自律的に走行する自律走行ロボットであって、
前記自律走行ロボットが走行するフロアの形状、前記フロアに配置された配置物の位置、及び、前記配置物の形状の少なくとも1つを取得する第1取得部と、
取得された前記少なくとも1つに基づいて、前記フロアにおいて、害虫を捕獲するための害虫捕獲装置が配置される配置領域を検出する領域検出部と、
前記フロアの地図を取得する第2取得部と、
前記地図における検出された前記配置領域の位置及び前記地図を
前記自律走行ロボットのユーザが所有する情報端末に送信する第2通信部と、
を備
え、
前記第2取得部は、前記害虫捕獲装置が配置される条件を示す配置条件を取得し、
前記領域検出部は、取得された前記少なくとも1つと、取得された前記配置条件とに基づいて、前記配置領域を検出し、
前記配置条件は、第1配置条件及び第2配置条件であり、
前記第1配置条件は、所定の閾値以下の体積の領域を、前記害虫捕獲装置が配置される前記配置領域とすることを示し、
前記第2配置条件は、前記フロアを鉛直視したときの、2つの前記配置物の間の距離が所定の閾値以下の領域を、前記害虫捕獲装置が配置される前記配置領域とすることを示す、
自律走行ロボット。
【請求項10】
害虫を捕獲するための害虫捕獲装置であって、
前記害虫捕獲装置は、自律的に走行し前記害虫捕獲装置を搬送する自律走行ロボットによって搬送されて配置され、
配置された前記害虫捕獲装置は、所定条件が満たされた場合に、前記自律走行ロボットによって回収され
、
前記害虫捕獲装置は、
捕獲された害虫の捕獲数を検出する害虫捕獲検出部と、
自律的に走行し前記害虫捕獲装置を搬送する前記自律走行ロボットに、検出された前記捕獲数を送信する第1通信部と、
を備え、
前記所定条件は、送信された前記捕獲数が所定数に達したことを示す条件であり、
前記害虫捕獲装置は、自律的に走行する
害虫捕獲装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、害虫駆除システム、自律走行ロボット及び害虫捕獲装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、害虫を駆除することを支援する害虫駆除システムが知られている。例えば、特許文献1には、害虫駆除システムの一例として、部屋を走行して自動的に掃除を行う薬剤散布機能付き掃除ロボットが開示されている。
【0003】
特許文献1に開示される薬剤散布機能付き掃除ロボット(害虫駆除システム)は、薬剤を収納する収納部が設けられ、薬剤散布前に部屋の走行ルートを決定し、この走行ルートを走行する際に、収納された薬剤を排気口から噴出し、薬剤を部屋に散布する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示される害虫駆除システムでは、薬剤が部屋の隅々にまで散布されることで、害虫が駆除される。その結果、部屋中に駆除された害虫の死骸が放置される。このため、この害虫駆除システムにおいては、ユーザが部屋中に放置された害虫の死骸を自ら回収し廃棄することが求められる。よって、このユーザの負担は大きい。また、このユーザは、害虫の死骸を目視することとなり、不快を覚える。
【0006】
また、特許文献1に開示される害虫駆除システムでは、薬剤が部屋の隅々にまで散布されるため、この薬剤が人体に与える影響などを懸念するユーザもいる。
【0007】
そこで、本発明は、簡便に害虫を駆除することを支援する害虫駆除システムなどを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る害虫駆除システムは、害虫を捕獲するための害虫捕獲装置と、自律的に走行し、前記害虫捕獲装置を搬送する自律走行ロボットと、前記自律走行ロボットが走行するフロアの形状、前記フロアに配置された配置物の位置、及び、前記配置物の形状の少なくとも1つを取得する第1取得部と、取得された前記少なくとも1つに基づいて、前記フロアにおいて前記害虫捕獲装置が配置される配置領域を検出する領域検出部と、前記フロアの地図を取得する第2取得部と、を備え、前記自律走行ロボットは、前記地図に基づいて、前記害虫捕獲装置を検出された前記配置領域まで搬送して配置し、所定条件が満たされた場合に、配置された前記害虫捕獲装置を前記配置領域から回収する。
【0009】
本発明の一態様に係る自律走行ロボットは、自律的に走行する自律走行ロボットであって、前記自律走行ロボットが走行するフロアの形状、前記フロアに配置された配置物の位置、及び、前記配置物の形状の少なくとも1つを取得する第1取得部と、取得された前記少なくとも1つに基づいて、前記フロアにおいて、害虫を捕獲するための害虫捕獲装置が配置される配置領域を検出する領域検出部と、前記フロアの地図を取得する第2取得部と、を備え、前記自律走行ロボットは、前記地図に基づいて、前記害虫捕獲装置を検出された前記配置領域まで搬送して配置し、所定条件が満たされた場合に、配置された前記害虫
捕獲装置を前記配置領域から回収する。
【0010】
本発明の一態様に係る自律走行ロボットは、自律的に走行する自律走行ロボットであって、前記自律走行ロボットが走行するフロアの形状、前記フロアに配置された配置物の位置、及び、前記配置物の形状の少なくとも1つを取得する第1取得部と、取得された前記少なくとも1つに基づいて、前記フロアにおいて、害虫を捕獲するための害虫捕獲装置が配置される配置領域を検出する領域検出部と、前記フロアの地図を取得する第2取得部と、前記地図における検出された前記配置領域の位置及び前記地図を送信する第2通信部と、を備える。
【0011】
本発明の一態様に係る害虫捕獲装置は、害虫を捕獲するための害虫捕獲装置であって、前記害虫捕獲装置は、自律的に走行し前記害虫捕獲装置を搬送する自律走行ロボットによって搬送されて配置され、配置された前記害虫捕獲装置は、所定条件が満たされた場合に、前記自律走行ロボットによって回収される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の害虫駆除システムなどは、簡便に害虫を駆除することを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る害虫駆除システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る害虫駆除システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る自律走行ロボットの外観斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る害虫捕獲装置の外観斜視図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る自律走行ロボット、害虫捕獲装置及びベース装置の外観斜視図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係る害虫駆除システムが害虫捕獲装置を配置する動作例のフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態1に係る害虫駆除システムが害虫捕獲装置を回収する動作例のフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施の形態2に係る自律走行ロボットの構成を示す図である。
【
図9】
図9は、実施の形態2に係る自律走行ロボットの機能構成を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、実施の形態2に係る自律走行ロボットの動作例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0015】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0016】
(実施の形態1)
[構成]
まず、実施の形態1に係る害虫駆除システム1の構成について説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る害虫駆除システム1の構成を示す図である。
【0018】
図2は、本実施の形態に係る害虫駆除システム1の機能構成を示すブロック図である。
【0019】
実施の形態に係る害虫駆除システム1は、ユーザUが害虫を駆除することを支援するためのシステムである。害虫駆除システム1は、害虫を捕獲するための害虫捕獲装置200が配置される配置領域を検出し、害虫捕獲装置200を配置領域まで搬送して配置し、所定条件が満たされた場合に害虫捕獲装置200を配置領域から回収するシステムである。ここでは、害虫とは、例えば、ゴキブリ、ムカデなどであるがこれに限られない。害虫駆除システム1は、例えば、建物の部屋に設置される。建物は、例えば、集合住宅又は戸建住宅などの住宅であるが、病院、介護施設などの公共施設などであってもよい。
【0020】
図1及び
図2が示すように、害虫駆除システム1は、自律走行ロボット100と、害虫捕獲装置200と、ベース装置300とを備える。
【0021】
[自律走行ロボット]
まず、自律走行ロボット100について説明する。
【0022】
害虫駆除システム1においては、自律走行ロボット100は、自律的に走行するロボットである。
図1が示すとおり、自律走行ロボット100は、上記部屋のフロアF上を自律的に走行する。本明細書において、自律とは、外部から制御されることなく、害虫駆除システム1が自らによって制御されることである。さらに、自律走行ロボット100は、害虫捕獲装置200を搬送する搬送ロボットである。なお、自律走行ロボット100が走行していない場合には、自律走行ロボット100は、ベース装置300に収容されている。
【0023】
また、
図3は、本実施の形態に係る自律走行ロボット100の外観斜視図である。本実施の形態においては、
図2及び
図3が示すように、自律走行ロボット100は、センサ110、処理部120、第1駆動部130、配置回収部140、記憶部150及び第2通信部160を有する。
【0024】
センサ110は、自律走行ロボット100が走行するフロアFに関する情報をセンシングするセンサデバイスである。センサ110は、自律走行ロボット100の走行中に上記データをセンシングする。
図3が示すように、センサ110は、自律走行ロボット100の上部に設けられている。本実施の形態においては、自律走行ロボット100は、センサ110として、測距センサ及びカメラを有する。
【0025】
測距センサは、自律走行ロボット100の周囲に存在する上記部屋の壁及び配置物などの物体と自律走行ロボット100との距離を検出するセンサである。配置物とは、フロアFに配置される物体(具体的には、家具及び家電など)であり、例えば、
図1が示すように、ベッドB及び棚Sなどである。測距センサは、発光部及び受光部を有する赤外線センサであり、上記物体に反射した赤外線が戻ってくるまでの時間に基づき距離を測定する。測距センサは、いわゆるLIDAR(Light Detection and Ranging)である。また、カメラは、自律走行ロボット100の全周の画像を撮像する装置である。
【0026】
つまりここでは、センサ110は、測距センサによって検出された距離、及び、カメラによって撮像された画像を示す情報(以下センシング情報と記載)をセンシングする。セ
ンシング情報は、センサ110によって処理部120に出力される。
【0027】
処理部120は、害虫捕獲装置200が配置される配置領域を検出し、害虫捕獲装置200を配置領域まで搬送して配置し、所定条件が満たされた場合に害虫捕獲装置200を配置領域から回収するための情報処理を行う。処理部120は、第3取得部121、地図生成部122、第2取得部123、第1取得部124、領域検出部125、決定部126、走行計画生成部127、自己位置推定部128及び第1制御部129を含む。処理部120は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0028】
第3取得部121は、センサ110によってセンシングされたセンシング情報を取得する。さらに、第3取得部121は、センシング情報を、地図生成部122及び自己位置推定部128に出力する。
【0029】
地図生成部122は、自律走行ロボット100の走行中に、第3取得部121によって取得されたセンシング情報に基づいて、フロアFの地図を生成する。フロアFの地図は、自律走行ロボット100が走行する領域の地図である。フロアFの地図を生成する方法は特に限定されるものではないが、例えばSLAM(SimultaneousLocalizationandMapping)技術などを例示することができる。
【0030】
地図生成部122が生成したフロアFの地図は、自律走行ロボット100が走行するフロアFの形状と、フロアFに配置された配置物の位置と、フロアFに配置された配置物の形状とを示す情報を含む。
【0031】
例えば、フロアFの地図は、フロアFの形状と配置物の位置と配置物の形状と示す情報として、2次元のデータの情報を含む。つまりフロアFの地図が含む2次元のデータの情報は、フロアFを鉛直視したときの、フロアFの輪郭の外形と、フロアFにおける配置物の位置と、配置物の輪郭の外形とを示している。
【0032】
さらに例えば、フロアFの地図は、配置物の形状を示す情報として、3次元のデータの情報を含む。フロアFの地図が含む3次元データの情報は、センシング情報が含む画像が画像解析されることで得られるとよく、例えば、配置物であるベッドBの下方には所定の体積の空間があることを示すとよい。
【0033】
また、地図生成部122によって生成されたフロアFの地図は、記憶部150に出力される。生成されたフロアFの地図は、記憶部150に記憶される。
【0034】
第2取得部123は、フロアFの地図を取得する。ここでは、第2取得部123は、記憶部150に記憶されているフロアFの地図を取得する。なお、第2取得部123は、自律走行ロボット100の外部から、フロアFの地図を取得してもよい。
【0035】
第1取得部124は、自律走行ロボット100が走行するフロアFの形状、フロアFに配置された配置物の位置、及び、フロアFに配置された配置物の形状のうち少なくとも1つを取得する。ここでは、第1取得部124は、記憶部150に記憶されているフロアFの地図を取得し、取得したフロアFの地図が含む情報が示すフロアFの形状、配置物の位置、及び、配置物の形状のうち少なくとも1つを取得する。
【0036】
領域検出部125は、第1取得部124によって取得されたフロアFの形状、配置物の位置、及び、配置物の形状のうち少なくとも1つに基づいて、フロアFにおいて害虫捕獲装置200が配置される配置領域を検出する。つまり、領域検出部125は、害虫捕獲装
置200が配置される候補となる領域として、配置領域を検出する。なお、配置領域とは、害虫捕獲装置200によって害虫を捕獲しやすい領域、つまりは、部屋において害虫が潜みやすい(居る可能性が高い)領域である。
【0037】
本実施の形態においては、配置領域として、ベッドBの下方の領域、及び、ベッドBと棚Sとの間の領域が検出されている。
図1が示す情報端末400においては、検出された2つの配置領域は、破線の矩形で囲まれて表示されている。つまり、本実施の形態においては、領域検出部125は、複数の配置領域を検出する。なお、領域検出部125は、1つの配置領域を検出してもよい。
【0038】
決定部126は、検出された複数の配置領域のうち、1つの配置領域を決定する。ここでは、決定部126は、領域検出部125によって検出された害虫捕獲装置200が配置される候補となる領域である複数の配置領域のうち、実際に害虫捕獲装置200が配置される領域として、1つの配置領域を決定する。
【0039】
なお、害虫駆除システム1が使用されるごとに、決定部126は、毎回異なる配置領域を、1つの配置領域として決定してもよい。例えば、ある日に害虫駆除システム1が使用された場合に、決定部126は、
図1が示すベッドBの下方の領域を1つの配置領域として決定する。さらに、また他のある日に害虫駆除システム1が使用された場合に、決定部126は、
図1が示すベッドBと棚Sとの間の領域を1つの配置領域として決定してもよい。つまり、決定部126は、1つの配置領域として、常に同一の配置領域を決定する必要はない。
【0040】
なお、害虫駆除システム1が複数の害虫捕獲装置200を備える場合には、決定部126は、検出された複数の配置領域のうち、複数の害虫捕獲装置200と同数の配置領域を決定するとよい。
【0041】
走行計画生成部127は、第2取得部123によって取得されたフロアFの地図と、決定部126によって決定された1つの配置領域とに基づいて、自律走行ロボット100が走行する経路を生成する。例えば、走行計画生成部127は、自律走行ロボット100が収容されているベース装置300から、上記1つの配置領域までの経路を生成する。なお、決定部126が複数の害虫捕獲装置200と同数の配置領域を決定した場合には、走行計画生成部127は、上記同数の配置領域の全てを経由する経路を生成する。
【0042】
自己位置推定部128は、センサ110によってセンシングされるセンシング情報に基づいて、自己位置を推定する。ここでは、自己位置推定部128は、センサ110の1つであるカメラから得られる画像に基づき自己位置を推定する。より具体的には、自己位置推定部128は、上記のカメラから得られる画像中に含まれる複数の特徴点などから、自己位置を推定する。自己位置を推定する方法は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、自己位置推定部128は、SLAM技術を用いて自己位置を推定する。
【0043】
第1制御部129は、第1駆動部130を制御して自律走行ロボット100を自律的に走行させる。より具体的には、第1制御部129は、走行計画生成部127によって生成された経路に沿って、自律走行ロボット100を走行させる。なお、第1制御部129は、自己位置推定部128によって推定された自己位置に基づいて、第1駆動部130を制御することで、自律走行ロボット100の走行や操舵などを制御するとよい。
【0044】
また、第1制御部129は、配置回収部140を制御する。配置回収部140が制御されることで、害虫捕獲装置200を配置し、回収することができる。
【0045】
第1駆動部130は、自律走行ロボット100を走行させる部材である。第1駆動部130は、一例として、フロアF上を走行するための第1車輪131と、第1車輪131にトルクを与える第1モータ132とを有している。ここでは4つの第1車輪131が設けられているが、第1車輪131の数は、これに限られない。第1制御部129は、4つの第1車輪131の回転を独立して制御することで、前進、後退、左回転、右回転など、自律走行ロボット100を自在に走行させることができる。なお、第1駆動部130は、上記に限られず、キャタピラなどであってもよい。第1駆動部130は、自律走行ロボット100を走行させることができれば、どのような構成であってもよい。
【0046】
配置回収部140は、自律走行ロボット100が害虫捕獲装置200を配置領域まで搬送して配置し、かつ、配置領域から自律走行ロボット100が害虫捕獲装置200を回収するための部材である。ここでは、配置回収部140は、一例として、載置部141と、2つのアーム部142とを含む。
【0047】
載置部141は、害虫捕獲装置200を載置するための部材であって、ここでは、平面を有する板形状の部材である。載置部141は、第1制御部129によって制御されることで、
図3が示す矢印の方向(鉛直方向)に、回転運動する。
【0048】
また、2つのアーム部142は、載置部141に載置された害虫捕獲装置200を挟持する部材である。2つのアーム部142は、第1制御部129によって制御されることで、回転運動する。
図3には、例として、1つのアーム部142が矢印の方向(水平方向)に回転運動する動作が示されている。
【0049】
載置部141に載置され、かつ、2つのアーム部142によって挟持された害虫捕獲装置200は、自律走行ロボット100が走行することで、配置領域まで搬送される。さらに、載置部141及び2つのアーム部142が制御されることで、害虫捕獲装置200が載置部141からフロアFに降ろされ、配置領域に配置される。
【0050】
さらに、所定条件が満たされた場合に、自律走行ロボット100は配置領域まで走行する。ここで、載置部141及び2つのアーム部142が制御されることで、配置領域に配置された害虫捕獲装置200が配置領域から載置部141に載置され、回収される。
【0051】
なお、配置回収部140は、自律走行ロボット100が害虫捕獲装置200を配置領域まで搬送して配置し、かつ、配置領域から自律走行ロボット100が害虫捕獲装置200を回収できれば、どのような構成であってもよい。例えば、配置回収部140は、載置部141と、2つのアーム部142との一方だけを含んでもよい。
【0052】
記憶部150は、処理部120によって実行されるプログラム、及び、上記情報処理を行うために用いられる各種情報などが記憶される記憶装置である。例えば、記憶部150には、地図生成部122によって生成されたフロアFの地図が記憶されている。記憶部150は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。
【0053】
第2通信部160は、自律走行ロボット100が、害虫捕獲装置200及び情報端末400とインターネットなどの広域通信ネットワークを介して通信を行うための処理部である。第2通信部160は、決定部126によって決定された1つの配置領域の位置を示す情報を害虫捕獲装置200に送信する。また、第2通信部160は、害虫捕獲装置200の第1通信部210によって送信された害虫の捕獲数(後述)を取得する。第2通信部160によって行われる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。第2通信部160は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0054】
[害虫捕獲装置]
次に、害虫捕獲装置200について説明する。
【0055】
害虫捕獲装置200は、上述の通り、害虫を捕獲するための装置である。
【0056】
図4は、本実施の形態に係る害虫捕獲装置200の外観斜視図である。
図4が示すように、害虫捕獲装置200の外観形状は直方体形状である。また、害虫捕獲装置200には、害虫を収容するための内部空間と、この内部空間に害虫が侵入するための開口部と、この開口部の開閉を制御するシャッター(不図示)とが設けられている。
【0057】
さらに、害虫捕獲装置200は、害虫捕獲検出部220、第2制御部230、第2駆動部240、第1通信部210及び害虫誘引部250を有する。
【0058】
害虫捕獲検出部220は、配置領域に配置された害虫捕獲装置200によって捕獲された害虫の捕獲数を検出するデバイスであって、一例として、発光部及び受光部を有する赤外線センサである。赤外線センサは、例えば、反射した赤外線の光量を測定し、害虫が侵入した際の上記光量の変化によって、害虫の捕獲数を検出する。また、害虫捕獲検出部220は画像を撮像するカメラであってもよく、撮像された画像が画像処理されることで、害虫の捕獲数を検出してもよい。本実施の形態においては、害虫捕獲検出部220は、害虫捕獲装置200の上記開口部付近に設けられている。また、害虫捕獲検出部220は、検出した捕獲数を第1通信部210に出力する。
【0059】
第2制御部230は、第2駆動部240を制御して害虫捕獲装置200を自律的に走行させる。より具体的には、第2制御部230は、第2通信部160から第1通信部210を介して取得した1つの配置領域の位置を示す情報に基づいて、害虫捕獲装置200を配置領域内で自律的に走行させる。例えば、害虫捕獲装置200が自律的に走行できることで、害虫捕獲装置200は、1つの配置領域内で自身の位置を微調整することができる。
【0060】
第2駆動部240は、害虫捕獲装置200を走行させる部材である。第2駆動部240は、一例として、フロアF上の配置領域内及び載置部141上を走行するための第2車輪241と、第2車輪241にトルクを与える第2モータ242とを有している。ここでは4つの第2車輪241が設けられているが、第2車輪241の数は、これに限られない。第2制御部230は、4つの第1車輪131の回転を独立して制御することで、前進、後退など、害虫捕獲装置200を自在に走行させることができる。なお、第2駆動部240は、上記に限られず、キャタピラなどであってもよい。第2駆動部240は、害虫捕獲装置200を走行させることができれば、どのような構成であってもよい。
【0061】
第1通信部210は、害虫捕獲装置200が、自律走行ロボット100及び情報端末400とインターネットなどの広域通信ネットワークを介して通信を行うための処理部である。第2通信部160によって行われる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。第2通信部160は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0062】
上述のように、第1通信部210は、決定部126によって決定された1つの配置領域の位置を示す情報を、第2通信部160から取得し、第2制御部230に出力する。
【0063】
また、第1通信部210は、害虫捕獲検出部220によって検出された捕獲数を、自律走行ロボット100の第2通信部160に送信する。さらに、第2通信部160によって
受信された捕獲数が自律走行ロボット100の記憶部150に記憶される。この場合、記憶部150には、害虫捕獲装置200が配置された配置領域と、当該配置領域での捕獲数とが紐づけられた情報(以下、捕獲情報と記載)が記憶されている。より具体的には、この情報には、害虫捕獲装置200が配置された複数の配置領域と、当該複数の配置領域のそれぞれでの捕獲数とが1対1の関係で紐づけられている。
【0064】
害虫誘引部250は、害虫を上記内部空間に誘引し、かつ、上記内部空間に害虫を捕獲し続けるための部材であって、一例として、上記内部空間に設けられたシート形状の部材である。害虫誘引部250は害虫が好む匂いを放つ部材であり、これにより、害虫誘引部250は害虫を上記内部空間に誘引し侵入させる。さらに、害虫誘引部250は粘着性を有する部材であり、害虫と害虫誘引部250とが粘着することで、害虫を捕獲し続けることができる。つまり、害虫捕獲装置200に一度侵入した害虫が、再度、害虫捕獲装置200外に出ることは困難である。
【0065】
[ベース装置]
さらに、ベース装置300について説明する。
【0066】
ベース装置300は、自律走行ロボット100を収容する装置である。より具体的には、ベース装置300は、害虫捕獲装置200を回収した自律走行ロボット100を収容する装置である。
【0067】
図5は、本実施の形態に係る自律走行ロボット100、害虫捕獲装置200及びベース装置300の外観斜視図である。
図5が示すように、ベース装置300の外観形状は直方体形状である。また、ベース装置300には、自律走行ロボット100を収容するための内部空間と、この内部空間に自律走行ロボット100が進入するための開口部とが設けられている。また、例えば、自律走行ロボット100が内蔵される2次電池によって駆動する場合、ベース装置300はこの2次電池を充電するための部材を有しているとよい。
【0068】
また、ベース装置300は、害虫処理部310を有する。
【0069】
害虫処理部310は、害虫捕獲装置200が捕獲した害虫を処理するための部材である。本実施の形態においては、害虫処理部310は、ベース装置300に収容された自律走行ロボット100によって回収された害虫捕獲装置200が捕獲した害虫を処理する。ここで、「害虫を処理する」とは、「殺虫する」又は「害虫を廃棄する」などを意味する。
【0070】
ここで、例えば、害虫処理部310が殺虫するための部材である場合について説明する。害虫処理部310は、自律走行ロボット100の載置部141に載置された害虫捕獲装置200の内部空間に、殺虫剤などの薬剤を噴霧する部材であるとよい。このとき、害虫捕獲装置200のシャッターによって、害虫捕獲装置200の開口部が閉じられているとよい。
【0071】
また、例えば、害虫処理部310が害虫を屋外に排出するための部材である場合について説明する。この場合、害虫捕獲装置200の内部空間には、内部空間に侵入した害虫を封入する不透明の袋が設けられている。害虫処理部310は、害虫が侵入している上記の不透明の袋の開口部を閉じる部材であるとよい。これにより、ユーザUは害虫を目視することなく、ゴミ箱などに廃棄できる。
【0072】
[情報端末]
続いて、情報端末400について説明する。情報端末400は、例えば、ユーザUが所有するスマートフォン又はタブレット端末などの汎用の携帯端末であるが、害虫駆除シス
テム1の専用端末であってもよい。情報端末400は、通信部と、表示部とを有する。
【0073】
情報端末400が有する通信部は、情報端末400が、自律走行ロボット100とインターネットなどの広域通信ネットワークを介して通信を行うための処理部である。この通信部によって行われる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。この通信部は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0074】
情報端末400が有する表示部は、受信した情報に基づく、画像を表示する。表示部は、例えば、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルである。
【0075】
[動作例]
以下、害虫駆除システム1の2つの動作例について説明する。まず、害虫捕獲装置200が配置される動作例について説明する。
【0076】
図6は、本実施の形態に係る害虫駆除システム1が害虫捕獲装置200を配置する動作例のフローチャートである。
【0077】
まず、記憶部150に、フロアFの地図が記憶されているか否かが判断される(S10)。例えば、この判断は、処理部120によって行われるとよい。
【0078】
次に、記憶部150に、フロアFの地図が記憶されていない場合(S10でNo)について説明する。この場合とは、例えば、害虫駆除システム1がフロアFで初めて用いられる場合である。
【0079】
このとき、地図生成部122は、フロアFの地図を生成する(S20)。より具体的には、以下のとおりである。ステップS20では、まず、第1制御部129が第1駆動部130を制御して、自律走行ロボット100を走行させる。さらに、第3取得部121がセンサ110によってセンシングされたセンシング情報を取得し、センシング情報を地図生成部122に出力する。そして、地図生成部122は、第3取得部121によって取得されたセンシング情報に基づいて、フロアFの地図を生成する。これにより、生成されたフロアFの地図が記憶部150に記憶される。
【0080】
続いて、第2取得部123は、記憶部150に記憶されているフロアFの地図を取得する(S30)。また、記憶部150に、フロアFの地図が記憶されている場合(S10でYes)には、ステップS20が行われず、ステップS30が行われる。この場合とは、例えば、害虫駆除システム1がフロアFで1回以上使用されたことがある場合である。
【0081】
さらに、第1取得部124は、自律走行ロボット100が走行するフロアFの形状、フロアFに配置された配置物の位置、及び、配置物の形状のうち少なくとも1つを取得する。(S40)。ここでは、第1取得部124は、記憶部150に記憶されているフロアFの地図を取得し、フロアFの地図が含む情報が示す配置物の位置及び配置物の形状を取得する。
【0082】
次に、記憶部150に、害虫捕獲検出部220によって検出された捕獲数が記憶されているか否かを判断する(S50)。例えば、この判断は、処理部120によって行われるとよい。
【0083】
ここで、記憶部150に、捕獲数が記憶されていない場合(S50でNo)について説
明する。この場合とは、例えば、ステップS10でNoの場合と同じく、害虫駆除システム1がフロアFで初めて用いられる場合である。
【0084】
この場合、第2取得部123は、害虫捕獲装置200が配置される条件を示す配置条件を取得する(S60)。第2取得部123は、ここでは、記憶部150に記憶されている配置条件を取得する。
【0085】
配置条件は、一例として、所定の閾値以下の体積の領域を、害虫捕獲装置200が配置される配置領域とすることを示す条件である。この配置条件を第1配置条件とする。なお、配置条件は、上記に限られない。例えば、第2配置条件は、フロアFを鉛直視したときの、2つの配置物の間の距離が所定の閾値以下の領域を、害虫捕獲装置200が配置される配置領域とすることを示す条件である。さらに、第3配置条件は、フロアFの隅の領域を、害虫捕獲装置200が配置される配置領域とすることを示す条件である。
【0086】
なお、配置条件が示す配置領域とは、害虫捕獲装置200によって害虫をより捕獲しやすい領域である。例えば、配置条件が示す配置領域とは、害虫の習性などに基づいて定められる領域であるとよい。例えば、ゴキブリ、ムカデなどの害虫は、狭い場所などを好む習性を有する。配置条件が示す配置領域とは、狭い場所と定められているとよい。
【0087】
例えば、第1配置条件が示す所定の閾値とは、例えば、0.2m3、0.1m3、又は0.05m3などである。また、例えば、第2配置条件が示す所定の閾値とは、例えば、50cm、30cm、又は、10cmなどである。
【0088】
本実施の形態においては、第2取得部123は、配置条件として、第1配置条件及び第2配置条件を取得する。
【0089】
続いて、領域検出部125は、第1取得部124によって取得されたフロアFの形状、配置物の位置、及び、配置物の形状のうち少なくとも1つに基づいて、フロアFにおいて害虫捕獲装置200が配置される配置領域を検出する。
【0090】
ここでは、領域検出部125は、第1取得部124によって取得された上記の少なくとも1つと、第2取得部123によって取得された配置条件とに基づいて害虫捕獲装置200が配置される配置領域を検出する(S70)。より具体的には、領域検出部125は、取得された配置物の位置及び配置物の形状と、取得された第1及び第2配置条件とに基づいて配置領域を検出する。
【0091】
本実施の形態においては、上述の通り、第2取得部123は、配置条件として、第1配置条件及び第2配置条件を取得する。
【0092】
配置条件として第1配置条件及び第2配置条件が用いられる。
【0093】
まず、配置条件として第1配置条件が用いられる場合について説明する。この場合、領域検出部125は、配置物(ベッドB)の形状と、第1配置条件とに基づいて、
図1が示すベッドBの下方の領域を検出する。第1配置条件が示す所定の閾値以下の体積の領域は、ベッドBの下方の空間に相当する。つまり、領域検出部125は、このベッドBの下方の空間を、配置領域として検出する。なお、領域検出部125が、第1配置条件に基づいて複数の配置領域を検出した場合には、最も体積が小さい1つの領域を配置領域として検出する。
【0094】
次に、配置条件として第2配置条件が用いられる場合について説明する。この場合、領
域検出部125は、配置物(ベッドB及び棚S)の位置及び配置物(ベッドB及び棚S)の形状と、第2配置条件とに基づいて、
図1が示すベッドB及び棚Sの間の領域を検出する。第2配置条件が示す2つの配置物の間の距離が所定の閾値以下の領域は、ベッドB及び棚Sの間の領域に相当する。つまり、領域検出部125は、このベッドB及び棚Sの間の領域を、配置領域として検出する。なお、領域検出部125が、第2配置条件に基づいて複数の配置領域を検出した場合には、最も距離が小さい1つの領域を配置領域として検出する。
【0095】
このように、本実施の形態においては、領域検出部125は、複数(ここでは2つ)の配置領域を検出する。
【0096】
さらに、決定部126は、検出された複数の配置領域のうち、1つの配置領域を決定する。例えば、決定部126は、第1配置条件に該当する配置領域を、他の配置条件に該当する配置領域よりも優先順位が高い配置領域としてもよい。つまりこの場合、決定部126は、第1配置条件に該当する配置領域を、1つの配置領域として決定する。しかし、決定部126が1つの配置領域を決定する方法は、これに限られず、例えば、予め定められた優先順位に基づいて、決定部126が1つの配置領域を決定してもよい。
【0097】
また、ここで、記憶部150に、捕獲数が記憶されている場合(S50でYes)について説明する。この場合とは、例えば、ステップS10でYesの場合と同じく、害虫駆除システム1がフロアFで1回以上使用されたことがある場合である。
【0098】
この場合、決定部126は、検出された捕獲数に基づいて、複数の配置領域のうち1つの配置領域を決定する(S71)。より具体的には、決定部126は、記憶部150に記憶されている害虫捕獲装置200が配置された配置領域と当該配置領域での捕獲数とが紐づけられた捕獲情報を参照して、1つの配置領域を決定する。つまり、決定部126は、過去の捕獲数の情報を基に、1つの配置領域を決定する。例えば、本実施の形態においては、決定部126は、過去において捕獲数が最も多い配置領域を、1つの配置領域として決定する。また、例えば、決定部126は、最新に害虫が捕獲された配置領域を、1つの配置領域として決定してもよい。
【0099】
さらに、自律走行ロボット100は、害虫捕獲装置200を、検出された複数の配置領域のうちの1つの配置領域(つまりは、決定された1つの配置領域)まで搬送して配置する(S80)。
【0100】
より具体的には、第1制御部129は、走行計画生成部127によって生成された経路に沿って、害虫捕獲装置200が載置部141に載置された自律走行ロボット100を、決定された1つの配置領域まで走行させる。なお、上記経路は、地図生成部122によってフロアFの地図と1つの配置領域とに基づいて生成されている。
【0101】
さらに第1制御部129が載置部141及び2つのアーム部142を制御することで、害虫捕獲装置200が載置部141からフロアFに降ろされ、1つの配置領域に配置される。
【0102】
つまり、自律走行ロボット100は、フロアFの地図に基づいて、害虫捕獲装置200を検出された配置領域まで搬送して配置する。
【0103】
また、害虫捕獲装置200が1つの配置領域内を自律走行するとよい。具体的には、第2制御部230が第2駆動部240を制御して害虫捕獲装置200を自律的に走行させる。上述のように、害虫捕獲装置200は、1つの配置領域内で自身の位置を微調整するこ
とができる。これにより、害虫捕獲装置200が配置領域のうち、より害虫がいる可能性が高い位置に配置されることができる。
【0104】
さらに、自律走行ロボット100は、所定条件が満たされた場合に、配置された害虫捕獲装置200を配置領域から回収する。ここで、害虫捕獲装置200が回収される動作例について説明する。
【0105】
図7は、本実施の形態に係る害虫駆除システム1が害虫捕獲装置200を回収する動作例のフローチャートである。
【0106】
まず、
図6が示すステップS80で配置された害虫捕獲装置200による害虫の捕獲数が所定数以上か否かが判断される(S110)。例えば、この判断は、処理部120によって行われるとよい。つまり、ステップS110では、上記所定条件とは、捕獲数が所定数に達したことを示す条件である。
【0107】
具体的には、ステップS80で配置された害虫捕獲装置200において、害虫捕獲検出部220は、一定時間ごとに、害虫捕獲装置200によって捕獲された害虫の捕獲数を、第1通信部210に出力する。第1通信部210は、害虫捕獲検出部220によって出力された捕獲数を取得し、自律走行ロボット100の第2通信部160に送信する。そして、処理部120は、第2通信部160が受信した害虫の捕獲数が所定数(例えば3匹)以上か否かを判断する。なお、所定数は、上記3匹に限られず、例えば、数匹以上十数匹以下であればよい。
【0108】
また、害虫の捕獲数が所定数未満と判断された場合(S110でNo)、ステップS80で配置された害虫捕獲装置200が配置されてから所定時間以上が経過したか否かが判断される(S120)。例えば、この判断は、処理部120によって行われるとよい。つまり、ステップS110では、上記所定条件とは、害虫捕獲装置200が配置されてから所定時間が経過したことを示す条件である。ここで、所定時間とは、例えば1週間であるが、これに限られない。
【0109】
さらに、自律走行ロボット100は、所定条件が満たされた場合(S110でYes及びS120でYes)に、配置された害虫捕獲装置200を配置領域から回収する。
【0110】
より具体的には、第1制御部129が載置部141及び2つのアーム部142を制御することで、配置された害虫捕獲装置200を配置領域から載置部141に載置し、回収する。ここで、害虫捕獲装置200が自律的に走行することで、害虫捕獲装置200が載置部141に載置されるとよい。
【0111】
さらに、害虫捕獲装置200が載置部141に載置された自律走行ロボット100は、配置領域からベース装置300まで走行し、ベース装置300に収容される。次に、ベース装置300の害虫処理部310によって、害虫が処理される。
【0112】
なお、ステップS80で配置された害虫捕獲装置200が配置されてから所定時間以上が経過していない場合(S120でNo)、自律走行ロボット100が配置された害虫捕獲装置200を配置領域から回収することなく、処理は終了される。
【0113】
また、第2通信部160は、検出された捕獲数をユーザUの情報端末400に送信する。これにより、情報端末400の所有者であるユーザUは、捕獲数を認識することができる。
【0114】
また、第2通信部160は、検出された複数の配置領域と、フロアFの地図とを情報端末400に送信する。
図1が示すように、情報端末400の表示部は、矩形の破線で示される2つの配置領域を表示する。これにより、ユーザUは、害虫捕獲装置200が配置される配置領域を認識することができる。
【0115】
[効果など]
本実施の形態に係る害虫駆除システム1は、害虫を捕獲するための害虫捕獲装置200と、自律的に走行し、害虫捕獲装置200を搬送する自律走行ロボット100と、第1取得部124と、領域検出部125と、第2取得部123と、を備える。第1取得部124は、自律走行ロボット100が走行するフロアFの形状、フロアFに配置された配置物の位置、及び、配置物の形状の少なくとも1つを取得する。領域検出部125は、取得された少なくとも1つに基づいて、フロアFにおいて害虫捕獲装置200が配置される配置領域を検出する第2取得部123は、フロアFの地図を取得する。自律走行ロボット100は、フロアFの地図に基づいて、害虫捕獲装置200を検出された配置領域まで搬送して配置し、所定条件が満たされた場合に、配置された害虫捕獲装置200を配置領域から回収する。
【0116】
これにより、害虫を捕獲しやすい領域である配置領域に配置された害虫捕獲装置200は、害虫を捕獲しやすくなる。さらに、害虫を捕獲した害虫捕獲装置200が自律走行ロボット100に回収されることで、特許文献1とは異なり部屋中に害虫の死骸が放置されることが防がれる。よって、ユーザUが害虫の死骸を回収する負担を軽減することができる。また、捕獲された害虫が害虫捕獲装置200に収容されているため、ユーザUが害虫の死骸を目視しにくく、ユーザは不快を覚えにくい。以上より、簡便に害虫を駆除することを支援する害虫駆除システム1が実現される。
【0117】
また、特許文献1に開示される害虫駆除システムとは異なり、薬剤が部屋に散布されることはないため、ユーザUは、本実施の形態に係る害虫駆除システム1を安心して、利用することができる。
【0118】
また、例えば、第2取得部123は、害虫捕獲装置200が配置される条件を示す配置条件を取得する。領域検出部125は、取得された少なくとも1つと、取得された配置条件とに基づいて、配置領域を検出する。
【0119】
配置条件が示す配置領域とは、害虫捕獲装置200によって害虫をより捕獲しやすい領域である。このような配置領域に配置された害虫捕獲装置200は、より害虫を捕獲しやすくなる。つまりは、さらに簡便に害虫を駆除することを支援する害虫駆除システム1が実現される。
【0120】
また、例えば、配置条件(第1配置条件)は、所定の閾値以下の体積の領域を、害虫捕獲装置200が配置される配置領域とすることを示す。
【0121】
配置条件が示す配置領域とは、害虫が好む場所に相当し、害虫捕獲装置200によって害虫をさらに捕獲しやすい領域である。このような配置領域に配置された害虫捕獲装置200は、さらに害虫を捕獲しやすくなる。
【0122】
また、例えば、所定条件は、害虫捕獲装置200が配置されてから所定時間が経過したことを示す条件である。
【0123】
これにより、害虫捕獲装置200が十分に時間をかけて害虫を捕獲した後、自律走行ロボット100が害虫捕獲装置200を回収する。よって、自律走行ロボット100は、害
虫補捕獲した害虫捕獲装置200を、より効率よく回収することができる。
【0124】
また、例えば、害虫駆除システム1は、配置された害虫捕獲装置200によって捕獲された害虫の捕獲数を検出する害虫捕獲検出部220と、決定部126と、をさらに備える。領域検出部125は、複数の配置領域を検出する。決定部126は、検出された捕獲数に基づいて、複数の配置領域のうち1つの配置領域を決定する。自律走行ロボット100は、フロアFの地図に基づいて、害虫捕獲装置200を決定された1つの配置領域まで搬送して配置し、所定条件が満たされた場合に、配置された害虫捕獲装置200を1つの配置領域から回収する。
【0125】
これにより、決定部126は、過去の捕獲数の情報を基に、1つの配置領域を決定することができる。このような配置領域に配置された害虫捕獲装置200は、さらに害虫を捕獲しやすくなる。
【0126】
また、例えば、害虫捕獲検出部220は、害虫捕獲装置200に設けられる。害虫捕獲装置200は、検出された捕獲数を自律走行ロボット100に送信する第1通信部210を有する。所定条件は、送信された捕獲数が所定数に達したことを示す条件である。
【0127】
これにより、害虫捕獲装置200が十分な数の害虫を捕獲した後、自律走行ロボット100が害虫捕獲装置200を回収する。よって、自律走行ロボット100は、害虫補捕獲した害虫捕獲装置200を、より効率よく回収することができる。
【0128】
また、例えば、自律走行ロボット100は、検出された捕獲数を情報端末400に送信する第2通信部160を備える。
【0129】
これにより、情報端末400の所有者であるユーザUは、害虫の捕獲数を認識することができる。
【0130】
また、例えば、害虫捕獲装置200は、自律的に走行する。
【0131】
これにより、害虫捕獲装置200が配置領域のうち、より害虫がいる可能性が高い位置に配置される。このような位置に配置された害虫捕獲装置200は、より害虫を捕獲しやすくなる。
【0132】
また、例えば、害虫駆除システム1は、回収された害虫捕獲装置200が捕獲した害虫を処理する害虫処理部310を、さらに備える。
【0133】
これにより、捕獲された害虫が処理(具体的には殺虫又は廃棄)される。つまりは、さらに簡便に害虫を駆除することを支援する害虫駆除システム1が実現される。
【0134】
また、例えば、本実施の形態に係る自律走行ロボット100は、自律的に走行する自律走行ロボット100である。自律走行ロボット100は、第1取得部124と、領域検出部125と、第2取得部123と、を備える。第1取得部124は、自律走行ロボット100が走行するフロアFの形状、フロアFに配置された配置物の位置、及び、配置物の形状の少なくとも1つを取得する。領域検出部125は、取得された少なくとも1つに基づいて、フロアFにおいて、害虫を捕獲するための害虫捕獲装置200が配置される配置領域を検出する。第2取得部123は、フロアFの地図を取得する。自律走行ロボット100は、フロアFの地図に基づいて、害虫捕獲装置200を検出された配置領域まで搬送して配置し、所定条件が満たされた場合に、配置された害虫捕獲装置200を配置領域から回収する。
【0135】
これにより、害虫を捕獲しやすい領域である配置領域に配置された害虫捕獲装置200は、害虫を捕獲しやすくなる。さらに、害虫を捕獲した害虫捕獲装置200が自律走行ロボット100に回収される。よって、ユーザUが害虫の死骸を回収する負担を軽減することができる。また、捕獲された害虫が害虫捕獲装置200に収容されているため、ユーザUが害虫の死骸を目視しにくく、ユーザは不快を覚えにくい。つまりは、簡便に害虫を駆除することを支援する自律走行ロボット100が実現される。
【0136】
また、例えば、本実施の形態に係る害虫捕獲装置200は、害虫を捕獲するための害虫捕獲装置200である。害虫捕獲装置200は、自律的に走行する。害虫捕獲装置200は、害虫捕獲装置200を搬送する自律走行ロボット100によって搬送されて配置される。配置された害虫捕獲装置200は、所定条件が満たされた場合に、自律走行ロボット100によって回収される。
【0137】
これにより、害虫を捕獲した害虫捕獲装置200が自律走行ロボット100に回収される。よって、ユーザUが害虫の死骸を回収する負担を軽減することができる。また、捕獲された害虫が害虫捕獲装置200に収容されているため、ユーザUが害虫の死骸を目視しにくく、ユーザは不快を覚えにくい。つまりは、簡便に害虫を駆除することを支援する害虫捕獲装置200が実現される。
【0138】
また、例えば、害虫捕獲装置200は、捕獲された害虫の捕獲数を検出する害虫捕獲検出部220と、自律的に走行し害虫捕獲装置200を搬送する自律走行ロボット100に、検出された捕獲数を送信する第1通信部210と、を備える。所定条件は、送信された捕獲数が所定数に達したことを示す条件である。
【0139】
これにより、害虫捕獲装置200が十分な数の害虫を捕獲した後、自律走行ロボット100が害虫捕獲装置200を回収する。よって、自律走行ロボット100は、害虫補捕獲した害虫捕獲装置200を、より効率よく回収することができる。
【0140】
また、例えば、害虫捕獲装置200は、自律的に走行する。
【0141】
これにより、例えば、害虫捕獲装置200が配置領域のうち、より害虫がいる可能性が高い位置に配置される。このような位置に配置された害虫捕獲装置200は、より害虫を捕獲しやすくなる。
【0142】
(実施の形態2)
[構成]
次に、実施の形態2に係る自律走行ロボット100aの構成について説明する。
【0143】
図8は、本実施の形態に係る自律走行ロボット100aの構成を示す図である。
【0144】
図9は、本実施の形態に係る自律走行ロボット100aの機能構成を示すブロック図である。
【0145】
本実施の形態に係る自律走行ロボット100aは、主に以下の1点を除いて、実施の形態1の自律走行ロボット100と同じ構成である。1点とは、自律走行ロボット100aが配置回収部140を有しない点である。
【0146】
本実施の形態に係る自律走行ロボット100aは、ユーザUが害虫を駆除することを支援するための装置である。自律走行ロボット100aは、害虫を捕獲するための害虫捕獲
装置200が配置される配置領域を検出し、フロアFの地図における検出された配置領域の位置及びフロアFの地図を情報端末400に送信する装置である。ユーザUは、送信された配置領域の位置及びフロアFの地図に基づいて、害虫捕獲装置を配置する。なお、本実施の形態に係る害虫捕獲装置は、公知のものが用いられてもよい。
【0147】
図9が示すように、本実施の形態に係る自律走行ロボット100aは、実施の形態1に係る自律走行ロボット100とは異なり、配置回収部140を有しない。つまり、自律走行ロボット100aは、害虫捕獲装置を配置せず、害虫捕獲装置を回収しない。
【0148】
[動作例]
以下、自律走行ロボット100aの動作例について説明する。
【0149】
図10は、本実施の形態に係る自律走行ロボット100aの動作例のフローチャートである。
【0150】
図10が示す、ステップS10、ステップS20及びステップS30は、実施の形態1と同様に処理される。
【0151】
さらに、第1取得部124は、自律走行ロボット100aが走行するフロアFの形状、フロアFに配置された配置物の位置、及び、配置物の形状のうち少なくとも1つを取得する。(S40)。なお、
図8が示すように配置物は、棚S1及び棚S2である。また、ここでは、第1取得部124は、記憶部150に記憶されているフロアFの地図を取得し、フロアFの地図が含む情報が示すフロアFの形状、フロアFに配置された配置物の位置、及び、配置物の形状を取得する。
【0152】
続いて、第2取得部123は、害虫捕獲装置200が配置される条件を示す配置条件を取得する(S60)。本実施の形態においては、第2取得部123は、配置条件として、第2配置条件及び第3配置条件を取得する。
【0153】
続いて、領域検出部125は、第1取得部124によって取得されたフロアFの形状、配置物の位置、及び、配置物の形状のうち少なくとも1つに基づいて、フロアFにおいて害虫捕獲装置200が配置される配置領域を検出する(S72)。より具体的には、領域検出部125は、第1取得部124によって取得されたフロアFの形状、配置物の位置及び配置物の形状と、第2取得部123によって取得された第2及び第3配置条件とに基づいて害虫捕獲装置200が配置される配置領域を検出する。
【0154】
本実施の形態においては、上述の通り、第2取得部123は、配置条件として、第1配置条件及び第2配置条件を取得する。
【0155】
まず、配置条件として第2配置条件が用いられる場合について説明する。この場合、領域検出部125は、配置物の位置及び配置物の形状と、第2配置条件とに基づいて、
図8が示す棚S1及び棚S2の間の領域を検出する。第2配置条件が示す2つの配置物の間の距離が所定の閾値以下の領域は、棚S1及び棚S2の間の領域に相当する。つまり、領域検出部125は、この棚S1及び棚S2の間の領域を、配置領域として検出する。
【0156】
次に、配置条件として第3配置条件が用いられる場合について説明する。この場合、領域検出部125は、フロアの形状及び配置物の位置と、第3配置条件とに基づいて、
図1が示すフロアFの隅の領域を検出する。つまり、領域検出部125は、第3配置条件が示すフロアFの隅の領域を、配置領域として検出する。
【0157】
このように、本実施の形態においては、領域検出部125は、複数(ここでは2つ)の配置領域を検出する。
【0158】
さらに、第2通信部160は、フロアFの地図における検出された配置領域の位置及びフロアFの地図を情報端末400に送信する(S90)。
図8が示すように、情報端末400の表示部は、矩形の破線で示される2つの配置領域を表示する。
【0159】
[効果など]
また、例えば、本実施の形態に係る自律走行ロボット100aは、自律的に走行する自律走行ロボット100aである。自律走行ロボット100aは、第1取得部124と、領域検出部125と、第2取得部123と、第2通信部160と、を備える。第1取得部124は、自律走行ロボット100aが走行するフロアFの形状、フロアFに配置された配置物の位置、及び、配置物の形状の少なくとも1つを取得する。領域検出部125は、取得された少なくとも1つに基づいて、フロアFにおいて、害虫を捕獲するための害虫捕獲装置が配置される配置領域を検出する。第2取得部123は、フロアFの地図を取得する。第2通信部160は、フロアFの地図における検出された配置領域の位置及びフロアFの地図を送信する。
【0160】
これにより、ユーザUは、害虫を捕獲しやすい領域である配置領域に、害虫捕獲装置を配置することができる。このような配置領域に配置された害虫捕獲装置は、害虫を捕獲しやすくなる。つまりは、簡便に害虫を駆除することを支援する自律走行ロボット100aが実現される。
【0161】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0162】
例えば、実施の形態1では、害虫駆除システム1は、複数の装置によって実現されているが、害虫駆除システム1が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。また例えば、害虫駆除システム1と通信可能なサーバ装置が、処理部120が含む複数の構成要素を備えていてもよい。
【0163】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0164】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0165】
なお、害虫処理部310は、殺虫剤などの薬剤を噴霧する部材に限られない。害虫処理部310は、電撃、空気圧又はレーザ光照射などにより、殺虫するための部材であってもよく、公知の殺虫方法が用いられてもよい。
【0166】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0167】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成しても
よいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0168】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0169】
例えば、本発明は、害虫駆除システム1などのコンピュータが実行する害虫駆除方法として実現されてもよいし、このような害虫駆除方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、汎用のコンピュータを上記実施の形態の情報端末として動作させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、これらのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0170】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本発明は、簡便に害虫を駆除することを支援する害虫駆除システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0172】
1 害虫駆除システム
100、100a 自律走行ロボット
110 センサ
120 処理部
121 第3取得部
122 地図生成部
123 第2取得部
124 第1取得部
125 領域検出部
126 決定部
127 走行計画生成部
128 自己位置推定部
129 第1制御部
130 第1駆動部
131 第1車輪
132 第1モータ
140 配置回収部
141 載置部
142 アーム部
150 記憶部
160 第2通信部
200 害虫捕獲装置
210 第1通信部
220 害虫捕獲検出部
230 第2制御部
240 第2駆動部
241 第2車輪
242 第2モータ
250 害虫誘引部
300 ベース装置
310 害虫処理部
400 情報端末
B ベッド
F フロア
S、S1、S2 棚
U ユーザ