(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】無線局、通信方法および集積回路
(51)【国際特許分類】
H04W 28/06 20090101AFI20241101BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20241101BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20241101BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20241101BHJP
【FI】
H04W28/06 110
H04L27/26 113
H04W72/0453
H04W84/12
(21)【出願番号】P 2022147024
(22)【出願日】2022-09-15
(62)【分割の表示】P 2021149300の分割
【原出願日】2016-06-15
【審査請求日】2022-09-15
【審判番号】
【審判請求日】2024-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2015132790
(32)【優先日】2015-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2015170508
(32)【優先日】2015-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2015216775
(32)【優先日】2015-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホァン レイ
(72)【発明者】
【氏名】シム ホン チェン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】浦部 嘉夫
(72)【発明者】
【氏名】吉井 勇
【合議体】
【審判長】中木 努
【審判官】圓道 浩史
【審判官】廣川 浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/172198(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフィールドと第2のフィールドを含むプリアンブルとデータフィールドを含む信号を生成する、回路と、
前記信号を送信する、送信部と、を備え、
前記第1のフィールドは周波数領域の複数のリソースユニットを示し、前記第2のフィールドは複数のユーザフィールドを含み、
前記複数のユーザフィールドの配列は、前記複数のユーザフィールドの各々が対応する前記複数のリソースユニットのリソースユニットが周波数の順序の配列になるように設定される、
無線局。
【請求項2】
前記複数のユーザフィールドの各々は、対応するユーザの識別子を含む、
請求項1に記載の無線局。
【請求項3】
前記複数のリソースユニットの各々は、前記周波数領域のトーンインデックスにより特定される複数のトーンのサブセットにより形成される、
請求項1に記載の無線局。
【請求項4】
前記複数のユーザフィールドは第1のユーザフィールドと第2のユーザフィールドを含み、
前記第1のユーザフィールドに対応する第1のリソースユニットの開始トーンインデックスは前記第2のユーザフィールドに対応する第2のリソースユニットの終了トーンインデックスと隣接している、
請求項3に記載の無線局。
【請求項5】
前記複数のリソースユニットの未使用のリソースユニットは、ダミー情報により示される、
請求項1に記載の無線局。
【請求項6】
前記プリアンブルは第1のサブバンドチャネルのための第1のチャネルフィールドと第2のサブバンドチャネルのための第2のチャネルフィールドを含む、
請求項1に記載の無線局。
【請求項7】
前記第1のチャネルフィールドと前記第2のチャネルフィールドの両方は、前記第1のフィールドと前記第2のフィールドを含む、
請求項6に記載の無線局。
【請求項8】
前記第1のフィールドはリソースユニット割当サブフィールドを含む共通フィールドであり、前記第2のフィールドは前記複数のユーザフィールドを含むユーザ固有フィールドである、
請求項1に記載の無線局。
【請求項9】
前記共通フィールドは、センタータイプリソースユニットが割り当てられているかを示すセンターリソースユニットサブフィールドを含む、
請求項8に記載の無線局。
【請求項10】
前記センタータイプリソースユニットは、前記複数のユーザフィールドの最後のユーザフィールドに対応する、
請求項9に記載の無線局。
【請求項11】
第1のフィールドと第2のフィールドを含むプリアンブルとデータフィールドを含む信号を生成する、工程と、
前記信号を送信する、工程と、を含み、
前記第1のフィールドは周波数領域の複数のリソースユニットを示し、前記第2のフィールドは複数のユーザフィールドを含み、
前記複数のユーザフィールドの配列は、前記複数のユーザフィールドの各々が対応する前記複数のリソースユニットのリソースユニットが周波数の順序の配列になるように設定される、
通信方法。
【請求項12】
第1のフィールドと第2のフィールドを含むプリアンブルとデータフィールドを含む信号を生成する、処理と、
前記信号を送信する、処理と、を実行し、
前記第1のフィールドは周波数領域の複数のリソースユニットを示し、前記第2のフィールドは複数のユーザフィールドを含み、
前記複数のユーザフィールドの配列は、前記複数のユーザフィールドの各々が対応する前記複数のリソースユニットのリソースユニットが周波数の順序の配列になるように設定される、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には無線通信に関し、より詳細には、無線局、通信方法および集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers:米国電気電子技術者協会)の802.11作業部会は、高密度のシナリオにおいてユーザによって達成されるリアルワールドのスループットの極めて大幅な増大を達成する目的で、802.11ax HE(High Efficiency:高効率)WLAN(Wireless Local Area Network:ワイヤレスローカルエリアネットワーク)エアインタフェースを開発している。802.11axにおける最も重要な特徴の1つとして、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多元接続)マルチユーザ伝送が想定された。
【0003】
OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)は、システム帯域幅を複数の直交周波数サブキャリアに分割する多重化技術である。OFDMシステムでは、入力されるデータストリームが、より低いデータレートのいくつかのパラレルなサブストリームに分割され(したがってシンボル区間が増大する)、それらのサブストリームがそれぞれの直交サブキャリアで変調されて送信される。シンボル区間の増大によって、チャネル遅延スプレッドに対するOFDMシステムの堅牢性が向上する。さらに、CP(Cyclic Prefix:サイクリックプレフィックス)の導入によって、CP区間がチャネル遅延スプレッドより長い限り、シンボル間干渉を完全に除去することができる。さらには、複数のサブキャリアを小さい複雑さで使用可能にする効率的なIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)によって、OFDM変調を実現することができる。OFDMシステムでは、時間-周波数リソースは、時間領域におけるOFDMシンボルと、周波数領域におけるサブキャリアによって定義される。OFDMAは、OFDMシステムの時間-周波数リソースを通じて、複数のユーザへのデータストリームおよび複数のユーザからのデータストリームの複数の操作を実行する多元接続方式である。
【0004】
802.11axにおいてOFDMAマルチユーザ伝送のための周波数スケジューリングを実行する検討が進められている。周波数スケジューリングによると、無線通信アクセスポイント装置(以下では単純に「アクセスポイント」)は、複数の無線通信端末装置(すなわち端末装置、以下では単純に「端末局」)に、端末局(「STA」とも称する)の周波数帯域の受信品質に基づいて適応的にサブキャリアを割り当てる。これによって、最大のマルチユーザダイバーシチ効果を得て、通信を極めて効率的に実行することが可能になる。
【0005】
周波数スケジューリングは、一般には、リソースユニット(RU)に基づいて実行される。RUは、複数の連続するサブキャリアを含む。RUは、アクセスポイント(AP)が通信する複数のSTAのそれぞれに、APによって割り当てられる。APによって実行された周波数スケジューリングのリソース割当て(リソースアサインメント)の結果は、リソース割当て情報(リソースアサインメント情報)としてSTAに報告される。しかしながら802.11axは、LTE(Long Term Evolution:ロングタームエボリューション)およびWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access:ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス)などのOFDMAをベースとする他の移動通信規格とは異なり、パケット指向であり、リソース割当て情報を送信するための制御チャネルをサポートしない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】IEEE802.11-15/0132r5, Specification Framework for TGax, May 2015
【文献】IEEE802.11-15/0330r5, OFDMA Numerology and Structure, May 2015
【文献】IEEE802.11-15/0586r1, Frequency Diversity Options in OFDMA, May 2015
【文献】IEEE802.11-15/0621r2, Design Principles for HE Preamble, May 2015
【文献】IEEE802.11-15/0574r0, SIG Structure for UL PPDU, May 2015
【文献】IEEE Std 802.11ac-2013
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
周波数スケジューリングの柔軟性が高まるにつれて、リソース割当て情報をSTAに報告するためにより多くのシグナリングビットが必要である。この結果として、リソース割当て情報を報告するためのオーバーヘッドが増大する。したがって、周波数スケジューリングにおける柔軟性と、リソース割当て情報を報告するオーバーヘッドとの間にはトレードオフの関係が存在する。課題は、リソース割当て情報を報告するためのオーバーヘッドの増大を減らしながら、柔軟な周波数スケジューリングをどのように達成するかである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一般的な一態様においては、本明細書に開示されている技術は、本開示の無線局であって、第1のフィールドと第2のフィールドを含むプリアンブルとデータフィールドを含む信号を生成する、回路と、前記信号を送信する、送信部と、を備え、前記第1のフィールドは周波数領域の複数のリソースユニットを示し、前記第2のフィールドは複数のユーザフィールドを含み、前記複数のユーザフィールドの配列は、前記複数のユーザフィールドの各々が対応する前記複数のリソースユニットのリソースユニットが周波数の順序の配列になるように設定される、無線局、を提供する。
【0009】
なお、一般的または特定の開示は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはこれらの任意の選択的な組合せ、として実施できることに留意されたい。
【0010】
本開示の無線局、通信方法および集積回路では、リソース割当て情報を報告するためのオーバーヘッドの増大を抑制しながら、柔軟な周波数スケジューリングを達成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】従来技術によるPPDUのフォーマットの例を図解した図を示している。
【
図2】従来技術による、CBW=20MHzの場合におけるデータフィールドのOFDMA構造の例を図解した図を示している。
【
図3】従来技術による、CBW=40MHzの場合におけるデータフィールドのOFDMA構造の例を図解した図を示している。
【
図4】従来技術による、CBW=80MHzの場合におけるデータフィールドのOFDMA構造の例を図解した図を示している。
【
図5】従来技術による、データフィールドにおける連続的なリソース割当ての例を図解した図を示している。
【
図6】従来技術による、データフィールドにおける不連続なリソース割当ての例を図解した図を示している。
【
図7】本開示の第1の実施形態によるリソース割当ての例を図解した図を示している。
【
図8A】本開示の第1の実施形態によるリソース割当て指示情報の第1の例を図解した図を示している。
【
図8B】本開示の第1の実施形態によるリソース割当て指示情報の第2の例を図解した図を示している。
【
図8C】本開示の第1の実施形態によるリソース割当て指示情報の第3の例を図解した図を示している。
【
図9】本開示の第2の実施形態によるリソース割当ての例を図解した図を示している。
【
図10A】本開示の第2の実施形態によるリソース割当て指示情報の第1の例を図解した図を示している。
【
図10B】本開示の第2の実施形態によるリソース割当て指示情報の第2の例を図解した図を示している。
【
図10C】本開示の第2の実施形態によるリソース割当て指示情報の第3の例を図解した図を示している。
【
図11】本開示の第3の実施形態によるリソース割当ての例を図解した図を示している。
【
図12A】本開示の第3の実施形態によるリソース割当て指示情報の第1の例を図解した図を示している。
【
図12B】本開示の第3の実施形態によるリソース割当て指示情報の第2の例を図解した図を示している。
【
図13】本開示の第3の実施形態による、RUのタイプおよび位置の情報のシグナリングを図解した図を示している。
【
図14】本開示による、HE-SIG-AおよびHE-SIG-Bの情報内容の例を図解した図を示している。
【
図15】本開示による、OFDMA伝送を実行する手順の例を図解した図を示している。
【
図16】本開示による、割当てセットID管理フレームのフォーマットの例を図解した図を示している。
【
図17】本開示による、APの構成の例を図解したブロック図を示している。
【
図18】本開示による、STAの構成の例を図解したブロック図を示している。
【
図19】本開示の第4の実施形態によるリソース割当ての例を図解した図を示している。
【
図20A】本開示の第4の実施形態による、リソース割当て指示情報の第1の例を図解した図を示している。
【
図20B】本開示の第4の実施形態による、リソース割当て指示情報の第2の例を図解した図を示している。
【
図21】本開示による、HE-SIG-AおよびHE-SIG-Bの情報内容の別の例を図解した図を示している。
【
図22】本開示による、HE-SIG-Bの構造の例を図解した図を示している。
【
図23】本開示による、リソース割当て情報をHE-SIG-Bフィールド内に分散させる方法を図解したフローチャートを示している。
【
図24】CBW=80MHzの場合におけるHE-SIG-B1またはHE-SIG-B2のフォーマットの第1の例を図解した図を示している。
【
図25】CBW=80MHzの場合におけるHE-SIG-B1またはHE-SIG-B2のフォーマットの第2の例を図解した図を示している。
【
図26】CBW=80MHzの場合におけるHE-SIG-B1またはHE-SIG-B2のフォーマットの第3の例を図解した図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示のさまざまな実施形態について、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。以下の説明では、明確さと簡潔さを目的として、公知の機能および構造の詳細な説明は省いた。
【0013】
<本開示の基礎となる知識>
図1は、従来技術による、PPDU(Physical layer Protocol Data Unit:物理層プロトコルデータユニット)100のフォーマットの例を示している[非特許文献1および非特許文献4を参照]。PPDU 100は、レガシープリアンブル110と、非レガシープリアンブル(すなわち高効率(HE)プリアンブル)120と、データフィールド130とを備えている。
【0014】
データフィールド130は、1または複数のSTAへのペイロードを伝える。ペイロードは、シングルユーザ伝送の場合に特定のSTA、またはマルチユーザMIMO伝送の場合にSTAの特定のグループを対象として、複数のOFDMシンボルにまたがってリソースユニット(RU)を単位として指定されるリソースで伝えられる。RUは、1つのRUを構成するサブキャリアの数に応じて複数の異なるタイプを有することができる。データフィールド130におけるOFDMシンボルは、12.8μsのDFT周期および78.125kHzのサブキャリア間隔を使用する。OFDMシンボルあたりのサブキャリアの数は、チャネル帯域幅(CBW)のサイズに依存する。例えば、CBW=80MHzの場合、OFDMシンボルあたりのサブキャリアの数は1024である。したがって、特定のタイプのRUの場合、OFDMシンボルあたりのRUの最大数も、CBWのサイズに依存する。
【0015】
図2は、従来技術による、CBW=20MHzの場合におけるデータフィールド130のOFDMA構造の例を示している[非特許文献1および非特許文献2を参照]。20MHz OFDMAでは、4種類のRUがサポートされる。タイプI RUは、26本の連続するトーンを備えており、約2MHzの帯域幅を有する。タイプII RUは、52本の連続するトーンを備えており、約4.1MHzの帯域幅を有する。タイプIII RUは、106本の連続するトーンを備えており、約8.3MHzの帯域幅を有する。タイプIV RUは、242本の連続するトーンを備えており、約18.9MHzの帯域幅を有する。20MHz OFDMAがサポートすることのできるタイプI RU、タイプII RU、タイプIII RU、およびタイプIV RUの最大数は、それぞれ9個、4個、2個、1個である。20MHz OFDMAでは、異なるタイプのRUの混合に対応することができる。例えば、20MHz OFDMAを、1個のタイプIII RU 202と、3個のタイプI RU 204,208,210と、1個のタイプII RU 206とに分割することができる。
【0016】
図3は、従来技術による、CBW=40MHzの場合におけるデータフィールド130のOFDMA構造の例を示している[非特許文献1および非特許文献2を参照]。40MHz OFDMAでは、タイプI RU、タイプII RU、タイプIII RU、およびタイプIV RUに加えて、タイプV RUもサポートされ、タイプV RUは、484本の連続するトーンを備えており、約37.8MHzの帯域幅を有する。40MHz OFDMAがサポートすることのできるタイプI RU、タイプII RU、タイプIII RU、タイプIV RU、およびタイプV RUの最大数は、それぞれ18個、8個、4個、2個、1個である。40MHz OFDMAでは、20MHz OFDMAと同様に、異なるタイプのRUの混合にも対応することができる。
【0017】
図4は、従来技術による、CBW=80MHzの場合におけるデータフィールド130のOFDMA構造の例を示している[非特許文献1および非特許文献2を参照]。80MHz OFDMAでは、タイプI RU、タイプII RU、タイプIII RU、タイプIV RU、およびタイプV RUに加えて、タイプVI RUもサポートされ、タイプVI RUは、996本の連続するトーンを備えており、約77.8MHzの帯域幅を有する。80MHz OFDMAがサポートすることのできるタイプI RU、タイプII RU、タイプIII RU、タイプIV RU、タイプV RU、およびタイプVI RUの最大数は、それぞれ37個、16個、8個、4個、2個、1個である。80MHz OFDMAでは、20MHz OFDMAまたは40MHz OFDMAと同様に、異なるタイプのRUの混合にも対応することができる。
【0018】
80+80MHz OFDMAまたは160MHz OFDMAでは、80MHz OFDMAと同様に、6種類のRU、すなわちタイプI RU、タイプII RU、タイプIII RU、タイプIV RU、タイプV RU、およびタイプVI RUがサポートされる。80+80MHz OFDMAまたは160MHz OFDMAがサポートすることのできるタイプI RU、タイプII RU、タイプIII RU、タイプIV RU、タイプV RU、およびタイプVI RUの最大数は、それぞれ74個、32個、16個、8個、4個、2個である。80+80MHz OFDMAまたは160MHz OFDMAでは、20MHz OFDMA、40MHz OFDMA、または80MHz OFDMAと同様に、異なるタイプのRUの混合にも対応することができる。
【0019】
なお、20MHz OFDMAの場合にタイプIV RUを使用することは、非OFDMA構成を暗黙的に意味し、非OFDMA構成とは、
図1のデータフィールド130においてOFDMAが使用されない場合を意味する。すなわち、動作の帯域幅全体が、シングルユーザ伝送またはマルチユーザMIMO伝送用にスケジューリングされる。同様に、40MHz OFDMAの場合にタイプV RUを使用する、または80MHz OFDMAの場合にタイプVI RUを使用することは、非OFDMA構成を暗黙的に意味する。特に、160MHz OFDMAまたは80+80MHz OFDMAの場合に2個のタイプVI RUを使用することは、非OFDMA構成を暗黙的に意味する。
【0020】
OFDMA周波数スケジューリングでは、連続的なリソース割当ておよび不連続なリソース割当ての両方が可能である。
【0021】
図5は、従来技術による、データフィールド130における連続的なリソース割当ての例を示している[非特許文献2を参照]。
図5に示すように、1つの割当てにおいて、シングルユーザ伝送の場合には特定のSTAに1個のRUが割り当てられる、またはマルチユーザMIMO伝送の場合にはSTAの特定のグループに1個のRUが割り当てられる。
【0022】
図6は、従来技術による、データフィールド130における不連続なリソース割当ての例を示している[非特許文献3を参照]。不連続なリソース割当てでは、周波数ダイバーシチ効果を達成する目的で、1つの割当てにおいて、周波数領域内の連続していなくてもよい2個以上のRUを割り当てることができる。例えば、1つの割当てにおいて3個の不連続なRU 602,604,606が割り当てられる。
【0023】
図1を参照して、レガシープリアンブル110は、レガシー標準規格802.11a/g/n/acとの後方互換性を維持するために、L-STF(Legacy Short Training Field:レガシーショートトレーニングフィールド)112と、L-LTF(Legacy Long Training Field:レガシーロングトレーニングフィールド)114と、L-SIG(Legacy SIGnal field:レガシー信号フィールド)116とを備えている。L-STF112は、パケット先頭検出、AGC(Automatic Gain Control:自動利得制御)の設定、初期周波数オフセット推定、および初期時間同期に使用される。L-LTF114は、さらに微細な周波数オフセット推定および時間同期に使用される。また、L-LTF114は、L-SIG116、HE-SIG-A(High Efficiency SIGnal A field:高効率信号Aフィールド)122、およびHE-SIG-B(High Efficiency SIGnal B field:高効率信号Bフィールド)124を受信および等化するためのチャネル推定を生成するためにも使用される。
【0024】
HEプリアンブル120は、第1の信号フィールド(すなわちHE-SIG-A)122と、第2の信号フィールド(すなわちHE-SIG-B)124と、HE-STF126と、HE-LTF128とを備えている。HE-STF126は、AGCを維持するために使用される。HE-LTF128は、複数のHE-LTFシンボルを備えており、データフィールド130を受信および等化するためのMIMO(Multiple Input Multiple Output:多入力多出力)チャネル推定を生成するために使用される。PPDU100がDL OFDMA PPDUである場合、HE-SIG-A122およびHE-SIG-B124の両方がリソース割当て(リソースアサインメント)情報およびユーザ特定情報を含み、これらは、スケジューリングされた各STAが、指定されたリソースにおいてデータフィールド130内の自身のペイロードを復号するために使用される[非特許文献4を参照]。PPDU100がUL OFDMA PPDUである場合、HE-SIG-A122およびHE-SIG-B124はリソース割当て情報およびユーザ特定情報のいずれも含まなくてよく、なぜならこのような情報は、APによって事前に設定され、前に送信されたDL PPDUのデータフィールド内で伝えられるトリガーフレームを介して、スケジューリング対象のSTAに送られるためである[非特許文献5を参照]。なお802.11axでは、HE-SIG-A122およびHE-SIG-B124のいずれも、3.2μsのDFT周期および312.5kHzのサブキャリア間隔を使用することに留意されたい。
【0025】
次に、周波数スケジューリングにおけるリソース割当て(リソースアサインメント)のさまざまな実施形態について、さらに詳しく説明する。
【0026】
<第1の実施形態>
図7は、本開示の第1の実施形態によるリソース割当ての例を示している。第1の実施形態は、1つの割当て(アサインメント)において周波数領域内の連続する1つまたは複数のRUが割り当てられる連続的なリソース割当てに適用可能である。この例では、80MHz OFDMAにおいて11の割当てが存在する。各割当て(割当てインデックスによって参照される)は、シングルユーザ伝送の場合に特定のSTA、またはマルチユーザMIMO伝送の場合にSTAの特定のグループ、のいずれかにアドレッシングされる。
【0027】
第1の実施形態によると、最初の割当ては、所定の開始位置(例えば、CBWのサイズおよび最初のRUのタイプに従って認識される、最初のRU(例:
図2に示した202)の開始トーンインデックス)を有する。そして次の割当ての開始トーンインデックスは、その前の割当ての終了トーンインデックスの隣である(すなわち連続する割当ての間にギャップは存在しない)。割当ての合計数は、アクセスポイント(AP)と1または複数の端末装置(STA)との間であらかじめネゴシエーションされる、あるいはDL PPDUのHE-SIG-Aフィールドまたはトリガーフレームにおいて各STAに明示的にシグナリングされる。しかしながら、利用可能なRUすべてが割り当てられると想定すると、ある割当てにおいて最後のRU(例:
図2に示した210)が割り当てられる場合、STAはその割当てが最後の割当てであると判断することができる。したがって、割当ての合計数のシグナリングを省くことができる。
【0028】
第1の実施形態によると、最初の割当ての開始位置があらかじめ決められ、以降の割当ての開始位置を、その前の割当ての終了位置から求めることができる。したがって、各割当ての割当て帯域幅を報告すれば十分である。結果として、各割当てのソース割当て情報を報告することによるオーバーヘッドを最小にすることができる。
【0029】
第1の実施形態によると、リソース割当て情報は、それぞれが特定の割当てに対応する複数のリソース割当て指示情報、を含む。
【0030】
図8Aは、本開示の第1の実施形態による、1つの割当てのリソース割当て指示情報の第1の例を示している。1つの割当てのリソース割当て指示情報は、割り当てられるRUの数と、割り当てられるRUそれぞれのタイプとを含み、これらからその割当ての割当て帯域幅を導くことができる。
【0031】
図8Bは、本開示の第1の実施形態による、1つの割当てのリソース割当て指示情報の第2の例を示している。この例では、1つの割当てにおいて同じタイプのRUのみを割り当てることができる。割当てのリソース割当て指示情報は、割り当てられるRUの数と、割り当てられるRUのタイプとを含み、これらからその割当てにおける割当て帯域幅を導くことができる。
【0032】
図8Cは、本開示の第1の実施形態による、1つの割当てのリソース割当て指示情報の第3の例を示している。この例では、1つの割当てにおいて1個のRUのみを割り当てることができる。割当てのリソース割当て指示情報は、割り当てられるRUのタイプのみを含み、この情報からその割当てにおける割当て帯域幅を導くことができる。
【0033】
第1の実施形態の上述した例では、割り当てられるRUの数とRUのタイプが、ビットシグナリングを使用することによって個別に示される。
【0034】
第1の実施形態によると、割り当てられるRUの数を示すために、表1に示した2ビットシグナリングを使用することができる。表1によると、1つの割当てにおいて1~4個のRUを割り当てることができる。
【0035】
【0036】
さらに次のように、RUのタイプを示すために、表2に示した3ビットシグナリングを使用することができる。
【0037】
【0038】
例えば、
図7に示した最初の割当てにおいて割り当てられるRUのタイプ(タイプII RU)は、「001」によって示すことができる。
【0039】
第1の実施形態によると、20MHzの非OFDMA伝送の場合、割り当てられるRUの数が1個に設定され、割り当てられるRUのタイプがタイプIVに設定される。40MHzの非OFDMA伝送の場合、割り当てられるRUの数が1個に設定され、割り当てられるRUのタイプがタイプVに設定される。80MHzの非OFDMA伝送の場合、割り当てられるRUの数が1個に設定され、割り当てられるRUのタイプがタイプVIに設定される。80+80MHzまたは160MHzの非OFDMA伝送の場合、割り当てられるRUの数が2個に設定され、割り当てられるRUそれぞれのタイプがタイプVIに設定される。このようにすることで、STAは、入ってくるDL PPDU100がOFDM PPDUであるのか非OFDMA PPDUであるのかを、このような目的の専用シグナリングなしに、リソース割当て情報に従って判断することができる。
【0040】
<第2の実施形態>
図9は、本開示の第2の実施形態によるリソース割当ての例を示している。第2の実施形態も、1つの割当てにおいて、周波数領域内の連続する1つまたは複数のRUを割り当てることのできる連続的なリソース割当てに適用可能である。この例では、80MHz OFDMAにおいて10個の割当てが存在する。各割当ては、シングルユーザ伝送の場合に特定のSTA、または、マルチユーザMIMO伝送の場合にSTAの特定のグループ、のいずれかにアドレッシングされる。
【0041】
第2の実施形態によると、最初の割当ての開始位置を可変とすることができ、連続する割当ての間にギャップが存在していてよい。この実施形態では、割当ての開始トーンインデックスは、それに先行する割当ての終了トーンインデックスよりもつねに大きい。割当ての合計数は、APと1または複数のSTAとの間であらかじめネゴシエーションされる、あるいは、DL PPDUのHE-SIG-Aフィールドまたはトリガーフレームにおいて各STAに明示的にシグナリングされる。
【0042】
第2の実施形態によると、最初の割当ての開始位置は可変であり、次の割当ての開始位置を、それに先行する割当ての終了位置のみからは導くことができない。したがって、割当て帯域幅に加えて、各割当ての開始位置を報告する必要がある。
【0043】
第2の実施形態によると、リソース割当て情報は、それぞれが特定の割当てに対応する複数のリソース割当て指示情報を含む。
【0044】
図10Aは、本開示の第2の実施形態による、1つの割当てのリソース割当て指示情報の第1の例を示している。1つの割当てのリソース割当て指示情報は、割当てオフセットと、割り当てられるRUの数と、割り当てられるRUそれぞれのタイプとを含む。
図9に示したように、最初の割当てでは、割当てオフセット902は、最初のタイプI RUの開始トーンインデックスを基準とする。残りの割当てそれぞれでは、割当てオフセット(例:904)は、その前の割当ての終了トーンインデックスを基準とする。次の割当ての開始位置は、割当てオフセットと、その前の割当ての終了トーンインデックスとに従って求めることができる。さらに、割当ての割当て帯域幅は、割り当てられるRUの数と、割り当てられるRUそれぞれのタイプとに従って求めることができる。
【0045】
図10Bは、本開示の第2の実施形態による、1つの割当てのリソース割当て指示情報の第2の例を示している。この例では、1つの割当てにおいて同じタイプのRUのみを割り当てることができる。割当てのリソース割当て指示情報は、割当てオフセットと、割り当てられるRUの数と、割り当てられるRUのタイプとを含む。割当ての開始位置は、割当てオフセットと、その前の割当ての終了トーンインデックスとに従って求めることができる。さらに、割当ての割当て帯域幅は、割り当てられるRUの数と、割り当てられるRUのタイプとに従って求めることができる。
【0046】
図10Cは、本開示の第2の実施形態による、1つの割当てのリソース割当て指示情報の第3の例を示している。この例では、1つの割当てにおいて1個のRUのみを割り当てることができる。割当てのリソース割当て指示情報は、割当てオフセットと、割り当てられるRUのタイプとを含む。割当ての開始位置は、割当てオフセットと、その前の割当ての終了トーンインデックスとに従って求めることができる。さらに、割当ての割当て帯域幅は、割り当てられるRUのタイプに従って求めることができる。
【0047】
あるRUの受信品質が、スケジューリング対象のSTAすべてにおいて極めて低い場合、APは、それらのSTAにそのRUを割り当てなくてもよい。この実施形態では、受信品質が低いこのRUは、リソース割当てには使用されず、2つの割当ての間のギャップになる。ギャップを形成する使用されないRUの数は、1つまたは複数とすることができる。結果として、この第2の実施形態では、第1の実施形態よりも周波数スケジューリングにおける高い柔軟性を提供する。リソース割当て情報を報告するためのオーバーヘッドは、第1の実施形態と比較してわずかに増大する。しかしながら、このようなオーバーヘッドの増大はさほど重大ではない。
【0048】
第2の実施形態の上述した例では、割当てオフセット、割り当てられるRUの数、およびRUのタイプは、ビットシグナリングを使用することによって個別に示される。
【0049】
第2の実施形態によると、割当てオフセットが3個のタイプI RUよりも大きくない場合、表3に示した2ビットシグナリングを使用して、最小のRU(すなわちタイプI RU)を単位として割当てオフセットを示すことができる。
【0050】
【0051】
例えば、
図9に示した最初の割当てにおいて、割当てオフセット902(例:2個のタイプI RUのオフセット)を「10」によって示すことができる。
【0052】
割り当てられるRUの数は、表1に示した2ビットシグナリングを使用して示すことができる。代替の2ビットシグナリングは、表4に示される。表4によると、1つの割当てにおいて0~3個のRUを割り当てることができる。割当てにおいてRUが割り当てられないとき、その割当ては、0個のRUが割り当てられる「ダミー割当て(ダミーアサインメント)」と称される。
【0053】
【0054】
表4に示した2ビットシグナリングでは、3個のタイプI RUより大きいオフセットを示すことが可能となる。例えば、最初の割当てと2番目の割当てとの間に5個のタイプI RUのオフセットが存在する場合、このオフセットは、0個のRUが割り当てられる「ダミー割当て」を挿入することによって示される。より具体的には、最初の割当てと2番目の割当てとの間に位置する「ダミー割当て」は、3個のRUのオフセットを有し、2番目の割当てが2個のRUのオフセットを有する。この場合、合計オフセットは5個のタイプI RUである。さらに、表4に示した2ビットシグナリングでは、割当ての合計数の明示的なシグナリングを省くことが可能となる。例えば、最後の(1つまたは複数の)RU(例:
図2に示した210)がいずれのSTAにも割り当てられない場合、0個のRUが割り当てられる「ダミー割当て」(いくらかのオフセットを有する)を使用して、このような使用されないリソース(RU)を示すことができる。この場合、STAは、ダミー割当てが最後の割当てであることを判断することができる。
【0055】
第2の実施形態によると、20MHzの非OFDMA伝送の場合、割り当てられるRUの数が1個に設定され、割り当てられるRUのタイプがタイプIVに設定される。40MHzの非OFDMA伝送の場合、割り当てられるRUの数が1個に設定され、割り当てられるRUのタイプがタイプVに設定される。80MHzの非OFDMA伝送の場合、割り当てられるRUの数が1個に設定され、割り当てられるRUのタイプがタイプVIに設定される。80+80MHzまたは160MHzの非OFDMA伝送の場合、割り当てられるRUの数が2個に設定され、割り当てられるRUそれぞれのタイプがタイプVIに設定される。このようにすることで、STAは、入ってくるDL PPDU 100がOFDM PPDUであるのか非OFDMA PPDUであるのかを、このような目的の専用シグナリングなしに、リソース割当て情報に従って判断することができる。
【0056】
<第3の実施形態>
図11は、本開示の第3の実施形態によるリソース割当ての例を示している。第3の実施形態は、連続的なリソース割当てと不連続なリソース割当ての両方に適用可能であり、不連続なリソース割当てでは、周波数領域内の連続していない1個または複数のRUを1つの割当てにおいて割り当てられる。第3の実施形態では、第1の実施形態および第2の実施形態よりも周波数スケジューリングにおいてさらに高い柔軟性が可能である。この例では、80MHz OFDMAにおいて10つの割当てが存在する。各割当ては、シングルユーザ伝送の場合に特定のSTA、またはマルチユーザMIMO伝送の場合にSTAの特定のグループ、のいずれかにアドレッシングされる。
【0057】
第3の実施形態によると、割当ての合計数は、APと1または複数のSTAとの間であらかじめネゴシエーションされる、あるいはDL PPDUのHE-SIG-Aフィールドまたはトリガーフレームにおいて各STAに明示的にシグナリングされる。
【0058】
第3の実施形態によると、リソース割当て情報は、それぞれが特定の割当てに対応する複数のリソース割当て指示情報を含む。
【0059】
図12Aは、本開示の第3の実施形態による、1つの割当てのリソース割当て指示情報の第1の例を示している。各割当てにおいて、リソース割当て指示情報は、割り当てられるRUの数と、割り当てられるRUそれぞれのタイプおよび位置の情報とを含む。
【0060】
図12Bは、本開示の第3の実施形態による、1つの割当てのリソース割当て指示情報の第2の例を示している。この例では、1つの割当てにおいて1個のRUのみを割り当てることができる。割当てにおいて、リソース割当て指示情報は、割り当てられるRUのタイプおよび位置の情報を含む。
【0061】
第3の実施形態によると、割り当てられるRUのタイプおよび位置が、1つのシグナリングフィールドにおいて一緒にシグナリングされる。すなわち、1つのシグナリングフィールドを使用して、割り当てられるRUそれぞれの位置およびタイプの両方を示すことができる。
図13は、本開示の第3の実施形態による、RUのタイプおよび位置の情報のシグナリングを示している。20MHz OFDMAがサポートすることのできるRUについて、RUのタイプおよび位置の情報の符号化が実行され、それに続いて、40MHz OFDMAがサポートすることのできる追加のRUの符号化、80MHz OFDMAがサポートすることのできる追加のRUの符号化、160MHzおよび80+80MHz OFDMAがサポートすることのできる追加のRUの符号化が、この順序で実行される。
【0062】
DL PPDUのHEプリアンブルにおいては、20MHz OFDMAのRUに関する割当て情報が最初に配置され、それに続いて、40MHz OFDMAの追加のRUに関する割当て情報、80MHz OFDMAの追加のRUに関する割当て情報、160MHz OFDMAの追加のRUに関する割当て情報が、この順序で配置される。これによって、CBW=20MHzのみをサポートする、リソース割当て情報の受信機(すなわちSTA)は、リソース割当て情報の最初の部分(すなわち20MHz OFDMAのRUに関する割当て情報)のみを復号すればよく、リソース割当て情報の残りの部分を無視できるという技術的利点が提供される。同様に、CBW=40MHzをサポートするSTAは、リソース割当て情報の最初と2番目の部分(すなわち20MHz OFDMAおよび40MHz OFDMAのRUに関する割当て情報)のみを復号すればよい。さらに、CBW=80MHzをサポートするSTAは、リソース割当て情報の最初と2番目と3番目の部分(すなわち20MHz OFDMA、40MHz OFDMA、および80MHz OFDMAのRUに関する割当て情報)を復号すればよい。CBW=160MHzをサポートするSTAは、リソース割当て情報の全体を復号しなければならない。このようにすることで、より小さいチャネル帯域幅(CBW)をサポートするSTAにおける復号の作業負荷を、大幅に減らすことができる。
【0063】
図13に示したRUのタイプおよび位置の情報のシグナリングによると、一実施形態においては、8ビットのシグナリングを使用して、割り当てられるRUのタイプおよび位置を示す。このため、リソース割当て情報を報告するためのオーバーヘッドが、第2の実施形態と比較してさらに増大する。これに代えて、CBWに応じて長さが可変であるシグナリングを使用することができる。より詳細には、CBW=20MHzのときには4ビットのシグナリング、CBW=40MHzのときには6ビットのシグナリング、CBW=80MHzのときには7ビットのシグナリング、CBW=80+80MHzまたは160MHzのときには8ビットのシグナリング、を使用することができる。結果として、柔軟性がさらに高い周波数スケジューリングに起因する、リソース割当て情報を報告するオーバーヘッドの増大が減る。例えば、
図11に示した80MHz OFDMAの最初の割当てに割り当てられるRUのタイプおよび位置の情報は、「0001010」によって示すことができる。
【0064】
図13に示したRUのタイプおよび位置の情報のシグナリングによると、最大20MHzのCBWをサポートするSTAは、割り当てられるRUそれぞれのタイプおよび位置を復号する目的で、4ビットの参照テーブルを維持するのみでよい。同様に、最大40MHzのCBWをサポートするSTAは、6ビットの参照テーブルを維持するのみでよく、最大80MHzのCBWをサポートするSTAは、7ビットの参照テーブルを維持するのみでよい。結果として、サポートされるCBWに関してPHY能力が異なるSTAにおいて、割り当てられるRUそれぞれのタイプおよび位置の情報を復号するのに必要なメモリが最小になる。
【0065】
第3の実施形態によると、20MHzの非OFDMA伝送の場合、割り当てられるRUの数が1個に設定され、割り当てられるRUのタイプおよび位置が第1のタイプIV RUに設定される。40MHzの非OFDMA伝送の場合、割り当てられるRUの数が1個に設定され、割り当てられるRUのタイプおよび位置が第1のタイプV RUに設定される。80MHzの非OFDMA伝送の場合、割り当てられるRUの数が1個に設定され、割り当てられるRUのタイプおよび位置が第1のタイプVI RUに設定される。80+80MHzまたは160MHzの非OFDMA伝送の場合、割り当てられるRUの数が2個に設定され、割り当てられるRUのタイプおよび位置が、それぞれ第1のタイプVI RUおよび第2のタイプVI RUに設定される。したがって、STAは、入ってくるDL PPDU 100がOFDM PPDUであるのか非OFDMA PPDUであるのかを、このような目的の専用シグナリングなしに、リソース割当て情報に従って判断することができる。
【0066】
<HE SIGフィールド>
図14は、本開示による、DL PPDU100のHE-SIG-A122およびHE-SIG-B124の情報内容の例を示している。共通制御情報は、非OFDMA伝送用のHE-SIG-Aと、OFDMA伝送用のHE-SIG-Aの両方に含まれる。本開示によると、非OFDMA伝送用のHE-SIG-A122に含まれる情報は、OFDMA伝送用のHE-SIG-A122とは異なる。非OFDMA伝送の場合、HE-SIG-Aフィールド122は、共通制御情報に加えて、シングルユーザ伝送またはマルチユーザMIMO伝送におけるリソース割当て情報およびユーザ特定情報を含む。データフィールド130における非OFDMA伝送の場合、HE-SIG-Bフィールド124が存在しない。データフィールド130におけるOFDMA伝送の場合、HE-SIG-Aフィールド122は、共通制御情報に加えて、第1の割当てのリソース割当て指示情報およびユーザ特定情報を含み、HE-SIG-Bフィールド124は、残りの割当てそれぞれのリソース割当て指示情報およびユーザ特定情報を含む。
【0067】
本開示によると、共通制御情報は、CBWおよびGI(Guard Interval:ガードインターバル)などを含む。ユーザ特定情報は、スケジューリング対象のSTAそれぞれが自身のペイロード(例えば、グループID、Nsts(すなわち空間時間ストリームの数)、MCS(変調・符号化方式)など)を復号するために必要である。
【0068】
本開示によると、共通制御情報は、リソース割当て情報によって示される複数のリソース割当てを、スケジューリング対象のSTAにマッピングする割当てセットID(assignment set ID)(後から詳しく説明する)、をさらに含む。結果として、STAは、DL PPDU100のHE-SIG-A122を復号した後、PPDU100によって自身がアドレッシングされていないと判断した場合、PPDU100の残りを無視し、電力消費量を減らす。
【0069】
本開示によると、共通制御情報は、割当てセットIDとともに割当て定義済フラグ(Allocation Defined flag)をさらに含むことができる。いま、最初のDL PPDUおよび次の2番目のDL PPDUが同じ割当てセットIDに関連付けられていると想定する。最初のDL PPDUに含まれているリソース割当て情報を2番目のDL PPDUによって再利用することができる場合、2番目のDL PPDUの割当て定義済フラグが設定される。その場合、2番目のDL PPDUのリソース割当て情報を省くことができ、したがってシグナリングオーバーヘッドを減らすことができる。
【0070】
図14に示した本開示によると、HE-SIG-A122は、データフィールド130における非OFDMA伝送の場合とOFDMA伝送の場合とで類似する情報を含む。これにより、STAの実装の複雑さが減少する。
【0071】
図14に示した本開示によると、データフィールド130において非OFDMA伝送が実行されるときには、HE-SIG-B124が存在しない。結果として、STAはHE-SIG-B124を復号する必要がなく、これによりSTAの電力消費量が減少する。
【0072】
<無線通信システム>
図15は、本開示による、無線通信システムにおいてOFDMA伝送を実行する手順の例を示している。無線通信システムは、AP1502と、AP1502に関連付けられている複数のSTA(例:1504)とを備えている。AP1502は、無線通信システムにおいて複数のRUを使用して周波数スケジューリングを実行する。
【0073】
DL OFDMA伝送を開始する前には、AP1502は、DL割当てセットおよびそれらのセットの中の固有の割当てインデックスにSTAを割り当てることによって、DL OFDMA PPDUによってアドレッシングすることのできるSTAの可能な組合せを決定する。1つの割当てセットは、割当てセットIDによって識別され、複数のSTAおよび複数の割当てインデックスを参照し、この場合、複数の割当てインデックスそれぞれが複数のSTAの1または複数にアドレッシングされる。例えば、1つの割当てセットが、2つのSTA(STA1およびSTA2)と2つの割当てを含み、この場合、第1の割当てがSTA1にアドレッシングされ、第2の割当てがSTA2にアドレッシングされる。次いでAP1502は、STA1504がメンバーである1つまたは複数のDL割当てセットに対応する割当てインデックスを割り当てるまたは変更するため、割当てセットID管理フレーム(Assignment Set ID Management frame)1510をSTA1504に送信する。
【0074】
UL OFDMA伝送を開始する前には、AP1502は、UL割当てセットおよびそれらのセットの中の固有の割当てインデックスにSTAを割り当てることによって、UL OFDMA PPDUを送信するSTAの可能な組合せを決定する。次いでAP1502は、STA1504がメンバーである1つまたは複数のUL割当てセットに対応する割当てインデックスを割り当てるまたは変更するため、割当てセットID管理フレーム1512をSTA1504に送信する。
【0075】
図16は、本開示による、割当てセットID管理フレーム1510または1512のフォーマットの例を示している。フレーム1510は、方向(Directionality)フィールド1622と、メンバーシップステータスアレイ(Membership Status Array)フィールド1624と、割当てインデックスアレイ(Assignment Index Array)フィールド1626を含む。方向フィールド1622は、OFDMA割当てセットがDL用かUL用かを示す。フレーム1510の中のメンバーシップステータスアレイフィールド1624の複数のサブフィールドを1に設定することによって、STA1504は、複数のセットに割り当てられる。STA1504がメンバーである割当てセットそれぞれにおける割当てインデックスは、フレーム1510の中の割当てインデックスアレイフィールド1626の中の関連付けられるサブフィールドによって示される。AP1502は、各セットIDにおいて、複数のSTAに同じ割当てインデックスを割り当てることができる。STA1504は、自身がメンバーである各セットにおいて1つの割当てインデックスのみを有する。
【0076】
本開示によると、STA1504がAP1502に関連付けられているとき、AP1502は割当てセットID管理フレームをSTA1504に送信することができる。さらに、AP1502は、周期的または必要な場合に、割当てセットID管理フレームをSTA1504に送信することができる。
【0077】
OFDMA伝送において、ある期間にわたりSTAの特定の組合せのみがAP1502と通信することが許可される場合、各STAの割当てインデックスを示すために、割当てセットID管理フレームの代わりに単純な管理フレームを使用することができる。この場合、DL PPDUのHE-SIG-Aまたはトリガーフレーム内の割当てセットIDを省くことができる。
【0078】
AP1502のバッファに、STA1504にアドレッシングされたデータが存在する場合、AP1502は、STA1504がメンバーであるDL割当てセットを選択し、STA 1504にアドレッシングされたデータを送信するために必要なDLリソースを、データサイズおよびQoS(Quality of Service:サービス品質)要件に基づいて決定する。次いでAP1502は、STA1504にアドレッシングされたデータと、選択されたDL割当てセットの割当てセットIDと、STA1504がDL OFDMA PPDU1514内の自身のデータを復号するのに必要である他の制御情報(例:リソース割当て情報)とを含むDL OFDMA PPDU1514を、送信する。なお、DL OFDMA PPDU1514と同じ割当てセットIDを含む次のDL OFDMA PPDUが送信されるときに、DL OFDMA PPDU1514に含まれているリソース割当て情報を次のDL OFDMA PPDUによって再利用できる場合、次のDL OFDMA PPDUの中の割当て定義済フラグがセットされ、この場合、次のDL OFDMA PPDUにリソース割当て情報を含める必要がないことに留意されたい。
【0079】
STA1504のバッファに、AP1502にアドレッシングされたデータが存在する場合、STA1504は、自身のデータの送信帯域幅を要求するためにAP1502とのADDTS要求/応答フレーム交換1516を実行することができる。ADDTS要求フレームは、RUに関する情報(例えば、どのRUがSTA1504に対して好ましい、または好ましくないかを示すためのチャネル品質情報)も含むことができる。この場合、AP1502は、STA1504がメンバーであるUL割当てセットを選択し、STA1504によって要求された送信帯域幅に従ってULリソースを決定する。その後、AP1502は、選択されたUL割当てセットの割当てセットIDと、STA1504が自身のデータを送信するために必要である他の制御情報(例:リソース割当て情報)とを含むトリガーフレーム1518を、STA1504に送信する。なお、トリガーフレーム1518と同じ割当てセットIDを含む次のトリガーフレームが送信されるとき、トリガーフレーム1518に含まれているリソース割当て情報を次のトリガーフレームによって再利用できる場合、次のトリガーフレームの中の割当て定義済フラグがセットされ、この場合、次のトリガーフレームにリソース割当て情報を含める必要がないことに留意されたい。さらに、トリガーフレームは、UL送信電力制御情報と、UL送信時間情報を含むことができる。STA1504は、トリガーフレーム1518を受信した後、それに応じて指定されたリソースを使用して自身のデータを送るため、UL OFDMA PPDU1520を送信する。AP1502において、各STAからの受信電力間の大きな変動を回避することができるように、STA1504は、自身の送信電力を送信電力制御情報に基づいて制御することができる。
【0080】
<アクセスポイントの構成>
図17は、本開示による、AP1502の構成の例を示しているブロック図である。AP1502は、コントローラ1702と、スケジューラ1704と、メッセージ生成器1708と、メッセージプロセッサ1706と、PHYプロセッサ1710と、アンテナ1712とを備えている。コントローラ1702は、MACプロトコルコントローラであり、一般的なMACプロトコル動作を制御する。
【0081】
DL OFDMA伝送では、スケジューラ1704が、コントローラ1702の制御下で、STAからのチャネル品質インジケータ(CQI)に基づいて周波数スケジューリングを実行し、STAへのデータをRUに割り当てる。CQIベースのスケジューリング方法の例としては、Max CIR法およびプロポーショナル・フェアネス法(proportional-fairness method)が挙げられる。さらに、スケジューラ1704は、リソース割当ての結果をメッセージ生成器1708に出力する。メッセージ生成器1708は、対応する共通制御情報と、リソース割当て情報と、ユーザ特定情報と、スケジューリング対象のSTAへのデータとを生成し、これらはPHYプロセッサ1710によってOFDMA PPDUに編成され、アンテナ1712を通じて送信される。リソース割当て情報は、上述した実施形態に従って設定される。一方で、メッセージプロセッサ1706は、コントローラ1702の制御下でアンテナ1712を通じてSTAから受信されたCQIを分析し、それらをスケジューラ1704およびコントローラ1702に提供する。これらのCQIは、STAから報告された受信品質情報である。さらに、各STAは、受信SNR、受信SIR、受信SINR、受信CINR、受信電力、干渉電力、ビット誤り率、スループット、およびMCSを使用して、RU単位で受信品質を測定することができ、これにより所定の誤り率を達成することができる。さらに、CQIは、「CSI」(Channel State Information:チャネル状態情報)と称されることもある。
【0082】
UL OFDMA伝送では、スケジューラ1704は、コントローラ1702の制御下で、STAからの送信帯域幅要求に基づいて周波数スケジューリングを実行し、スケジューリング対象のSTAがULデータを送信するためのリソースを割り当てる。同時にスケジューラ1704は、時間スケジューリングも実行して、UL OFDMAフレームまたは送信機会(TXOP)の持続時間(STAがUL OFDMAフレームの交換を実行する権利を有する)を決定することもできる。さらに、スケジューラ1704は、リソース割当ての結果をメッセージ生成器1708に出力する。メッセージ生成器1708は、共通制御情報と、リソース割当て情報と、ユーザ特定情報とを含むトリガーフレームを生成し、トリガーフレームは、PHYプロセッサ1710によってDL PPDUに編成され、アンテナ1712を通じて送信される。一方で、メッセージプロセッサ1706は、アンテナ1712を通じてSTAから受信された送信帯域幅要求を分析し、それらをスケジューラ1704およびコントローラ1702に提供する。アンテナ1712は、1つのアンテナポート、または複数のアンテナポートの組合せから構成することができる。
【0083】
<STAの構成>
図18は、本開示による、STA 1504の構成の例を示しているブロック図である。STA 1504は、コントローラ1802と、メッセージ生成器1804と、メッセージプロセッサ1806と、PHYプロセッサ1808と、アンテナ1810とを備えている。コントローラ1802は、MACプロトコルコントローラであり、一般的なMACプロトコル動作を制御する。アンテナ1810は、1つのアンテナポート、または複数のアンテナポートの組合せから構成することができる。
【0084】
UL OFDMA伝送では、メッセージプロセッサ1806は、アンテナ1810を通じてAP1502から受信されたトリガーフレームを分析し、共通制御情報と、リソース割当て情報と、ユーザ特定情報とをコントローラ1802に提供する。リソース割当て情報は、上述した実施形態に従って設定される。メッセージ生成器1804は、コントローラ1802の制御下でデータを生成し、これらのデータは、指定されたリソースでデータが送信されるように、コントローラ1802の制御下でPHYプロセッサ1808によってUL OFDMA PPDUに編成される。UL OFDMA PPDUは、アンテナ1810を通じて送信される。
【0085】
DL OFDMA伝送では、メッセージプロセッサ1806は、アンテナ1810を通じて受信されたDL PPDUからチャネル品質を推定し、それらをコントローラ1802に提供する。メッセージ生成器1804は、CQIメッセージを生成し、このCQIメッセージがPHYプロセッサ1808によってUL PPDUに編成され、アンテナ1810を通じて送信される。
【0086】
<第4の実施形態>
図19は、本開示の第4の実施形態によるリソース割当ての例を示している。第4の実施形態は、周波数領域内の連続する1つまたは複数のRUを1つの割当てにおいて割り当てることのできる連続的なリソース割当てに適用可能である。この例では、80MHz OFDMAにおいて9個の割当て(#0~#9)が存在する。各割当ては、シングルユーザ伝送の場合に特定のSTA、またはマルチユーザMIMO伝送の場合にSTAの特定のグループ、のいずれかにアドレッシングされる。
【0087】
第4の実施形態によると、割当ての合計数は、APと1または複数のSTAとの間であらかじめネゴシエーションされる、あるいは、DL PPDUのHE-SIG-Aフィールドまたはトリガーフレームにおいて各STAに明示的にシグナリングされる。
【0088】
割当ての開始トーンインデックスが、その前の割当ての終了トーンインデックスよりもつねに大きい第1の実施形態および第2の実施形態とは異なり、第4の実施形態ではそのような制限は存在しない。割当ての開始トーンインデックスおよび終了トーンインデックスは、先行する別の割当ての最初のトーンインデックスより小さくすることができる。結果として、第4の実施形態ではスケジューリングの柔軟性が改善される。
【0089】
第4の実施形態によると、リソース割当て情報は、それぞれが特定の割当てに対応する複数のリソース割当て指示情報を含む。
【0090】
図20Aは、本開示の第4の実施形態による、1つの割当てのリソース割当て指示情報の第1の例を示している。1つの割当てのリソース割当て指示情報は、割り当てられるRUの数、割り当てられる最初のRUの位置およびタイプと、割り当てられる残りのRUそれぞれのタイプとを含む。言い換えれば、各リソース割当て指示情報は、最初のRUのみの位置およびタイプの情報と、残りのRUそれぞれのタイプ情報とを含む。割当ての開始位置は、割り当てられる最初のRUの位置に従って求めることができる。さらに、割当ての割当て帯域幅は、割り当てられるRUの数と、割り当てられるRUそれぞれのタイプとに従って求めることができる。
【0091】
図20Bは、本開示の第4の実施形態による、1つの割当てのリソース割当て指示情報の第2の例を示している。この例では、1つの割当てにおいて同じタイプのRUのみを割り当てることができる。割当てのリソース割当て指示情報は、割り当てられるRUの数と、割り当てられる最初のRUの位置およびタイプとを含む。割当ての開始位置は、割り当てられる最初のRUの位置に従って求めることができる。さらに、割当ての割当て帯域幅は、割り当てられるRUの数と、割り当てられる最初のRUのタイプとに従って求めることができる。
【0092】
表1に示した2ビットシグナリングを使用して、割り当てられるRUの数を示すことができ、表2に示した3ビットシグナリングを使用して、RUのタイプを示すことができる。最初の割り当てられるRUのタイプおよび位置は、
図13に示したように1つのシグナリングフィールドの中で一緒にシグナリングすることができる。
【0093】
HE SIGフィールド
図21は、本開示による、DL PPDUのHE-SIG-A122およびHE-SIG-B124の情報内容の別の例を示している。本開示によると、シングルユーザ伝送の場合、DL PPDUの中にHE-SIG-Bフィールド124が存在しない。マルチユーザ伝送の場合、DL PPDUの中にHE-SIG-Bフィールド124が存在し、リソース割当て情報(すなわち各割当てのリソース割当て指示情報)と、その後ろの、各割当てのユーザ特定情報とを含む。HE-SIG-Bフィールド124は、20MHzサブバンドベース単位で符号化される。CBW=40MHz、80MHz、160MHz、または80+80MHzの場合、異なる内容を伝える20MHzサブバンドの数は2である。
【0094】
CBW=80MHzの場合の
図21におけるHE-SIG-Bフィールド124の構造の例を、
図22に示してある。HE-SIG-Bフィールド124は、2つの部分、すなわちHE-SIG-B1 2202とHE-SIG-B2 2204を備えている。HE-SIG-B1 2202は、第1の20MHzサブバンドチャネル2222を通じて送信され、HE-SIG-B1 2202の複製が、第3の20MHzサブバンドチャネル2226を通じて送信され、一方で、HE-SIG-B2 2204が、第2の20MHzサブバンドチャネル2224を通じて送信され、HE-SIG-B2 2204の複製が、第4の20MHzサブバンドチャネル2228を通じて送信される。
【0095】
本開示によると、20MHzサブバンドチャネル内に全体が位置している1つの割当てのリソース割当て指示情報は、同じ20MHzサブバンドチャネルを通じて送信されるHE-SIG-B1 2202およびHE-SIG-B2 2204の一方で伝えるべきである。より詳細には、HE-SIG-B1 2202は、第1の20MHzサブバンドチャネル2222または第3の20MHzサブバンドチャネル2226内に全体が位置している割当て(例:2212)のリソース割当て指示情報を伝えるべきである。HE-SIG-B2 2204は、第2の20MHzサブバンドチャネル2224または第4の20MHzサブバンドチャネル2228内に全体が位置している割当て(例:2218)のリソース割当て指示情報を伝えるべきである。このようにすることで、たとえ20MHzサブバンドチャネル(例:2222または2226)内の制御シグナリングが干渉のために壊れた場合でも、別の20MHzサブバンドチャネル(例:2224または2228)内のDL PPDUを正常に復号することができる。
【0096】
本開示によると、2つ以上の隣接する20MHzサブバンドチャネルにまたがる割当て(例:2216)の場合、対応するリソース割当て指示情報は、HE-SIG-B1 2202のデータ量とHE-SIG-B2 2204のデータ量が同程度の大きさとなるように、HE-SIG-B1 2202またはHE-SIG-B2 2204のいずれかにおいて伝えることができる。HE-SIG-B1とHE-SIG-B2のうち小さい方には、これらのペイロードサイズが同じになるまでパディングビットが付加されるため、この実施形態によると、HE-SIG-Bフィールドのパディング効率を改善する、または最大にすることができる。
【0097】
図23は、本開示による、リソース割当て情報をHE-SIG-Bフィールド内に分散させる方法を示した流れ図である。
図23に示した方法は、ステップ2302において開始する。ステップ2304において、HE-SIG-B1が送信される任意の20MHzサブバンドチャネル内に全体が位置している割当てのリソース割当て指示情報を、HE-SIG-B1に含める(すなわちマッピングする)。ステップ2306において、HE-SIG-B2が送信される任意の20MHzサブバンドチャネル内に全体が位置している割当てのリソース割当て指示情報を、HE-SIG-B2に含める(すなわちマッピングする)。なお、ステップ2304およびステップ2306の連続する順序は、逆にすることができる。ステップ2308において、2つ以上の隣接する20MHzサブバンドチャネルにまたがる割当てのリソース割当て指示情報を、HE-SIG-B1のデータ量とHE-SIG-B2のデータ量が同程度の大きさになるように、HE-SIG-B1またはHE-SIG-B2のいずれかに含める(すなわちマッピングする)。この方法は、ステップ2310において停止する。
【0098】
例として次の場合を考える。
- CBW=40MHz;
- 4つの割当て: A1,A2,A3,A4;
- 割当てA1は、HE-SIG-B1が送信される下側20MHzサブバンドチャネル内に位置している1つまたは複数のRUを含む;
- 割当てA2および割当てA3それぞれは、HE-SIG-B2が送信される上側20MHzサブバンドチャネル内に位置している1つまたは複数のRUを含む;
- 割当てA4は、下側20MHzサブバンドチャネルと上側20MHzサブバンドチャネルの両方にまたがる1つまたは複数のRUを含む;
- 4つの割当てそれぞれのリソース割当て指示情報には、同程度の数の情報ビットを必要とするものと想定する。
【0099】
上の4つの割当てのリソース割当て指示情報は、
図23に示した方法に従って、次のようにHE-SIG-Bの中に分散させるべきである。
- 割当てA1のリソース割当て指示情報は、HE-SIG-B1においてシグナリングされる;
- 割当てA2および割当てA3のリソース割当て指示情報は、HE-SIG-B2においてシグナリングされる;
- 割当てA4のリソース割当て指示情報はHE-SIG-B1においてシグナリングされる。
【0100】
リソース割当て指示情報をHE-SIG-B1とHE-SIG-B2との間で分散させることによって、HE-SIG-B1のデータ量とHE-SIG-B2のデータ量の大きさが同程度となり、したがってHE-SIG-Bフィールドにおけるパディング効率が改善される。
【0101】
HE-SIG-Bフィールド
図24は、CBW=80MHzの場合の、
図22におけるHE-SIG-B1 2202またはHE-SIG-B2 2204のフォーマットの第1の例を示している。HE-SIG-B1 2202またはHE-SIG-B2 2204は、共通フィールド2410およびユーザ特定フィールド2450を備えている。共通フィールド2410は、第1のリソース割当てサブフィールド2412と、第2のリソース割当てサブフィールド2414と、CRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)サブフィールド2418と、テールビット(tail bits)サブフィールドとを備えている。
【0102】
HE-SIG-B1 2202の文脈においては、第1のリソース割当てサブフィールド2412は、
図22における第1の20MHzサブバンドチャネル2222の周波数領域の特定のRU配置(MU-MIMO(マルチユーザ多入力多出力)に関連する情報を含む)を示すRU配置パターンインデックス、を含む。RU配置パターンインデックスと、対応するRU配置パターンとのマッピングは、あらかじめ決められる。RU配置パターンインデックスと、対応するRU配置パターンとのマッピングの例は、表5に示してある。なお、RUは、20MHzサブバンドチャネル内の周波数領域において、より低い周波数からより高い周波数に配置され、タイプI RUおよびタイプII RUは、SU-MIMO伝送のみに使用することができる。
【0103】
【0104】
表5を参照し、例えば、第1のリソース割当てサブフィールド2412は、第1の20MHzサブバンドチャネルにおける特定のRU配置を示すRU配置パターンインデックス25を含むことができ、この場合、周波数領域における5個のタイプI RUの後に1個のタイプIII RUが続き、5個のタイプI RUそれぞれがSU-MIMO(Single User Multiple Input Multiple Output:シングルユーザ多入力多出力)伝送用に使用され、タイプIII RUが、多重化されている2人のユーザを含むMU-MIMO伝送用に使用される。第2のリソース割当てサブフィールド2414は、周波数領域におけるRU配置と、
図22における第3の20MHzサブバンドチャネルにおけるMU-MIMOに関連する情報を示す。
【0105】
HE-SIG-B2 2204の文脈においては、第1のリソース割当てサブフィールド2412は、
図22における第2の20MHzサブバンドチャネル2224の周波数領域におけるRU配置とMU-MIMOに関連する情報を示す。第2のリソース割当てサブフィールド2414は、
図22における第4の20MHzサブバンドチャネル2228の周波数領域におけるRU配置とMU-MIMOに関連する情報を示す。なお、第1のリソース割当てサブフィールド2412および第2のリソース割当てサブフィールド2414によってシグナリングされるRU配置は、
図4に示した中央のタイプI RU 402(2つの隣り合う20MHzサブバンドチャネルの間に位置する)を含まないことに留意されたい。
【0106】
ユーザ特定フィールド2450は、複数のBCC(Binary Convolutional Coding:バイナリ畳み込み符号化)ブロック2460を備えている。最後のBCCブロック2460-Nを除くBCCブロック2460のそれぞれは、第1のユーザ特定サブフィールドと、第2のユーザ特定サブフィールドと、CRCサブフィールドと、テールビットサブフィールドとを備えている。最後のBCCブロック2460-Nは、1つのユーザ特定サブフィールドを備えていることができる。ユーザ特定フィールド2450の中のユーザ特定サブフィールドそれぞれは、ユーザごとの割当て情報(例えば、アドレッシング用のSTA識別子、PPDU100を復号するのに必要な情報(空間ストリームの数および変調・符号化方式など))を伝える。SU-MIMO伝送用に割り当てられる各RUに対して、対応する1つのユーザ特定サブフィールドのみが存在する。Kユーザが多重されているMU-MIMO伝送用に割り当てられる各RUに対しては、対応するK個のユーザ特定サブフィールドが存在する。ユーザ特定フィールド2450の中のユーザ特定サブフィールドの順序付けは、第1のリソース割当てサブフィールド2412および第2のリソース割当てサブフィールド2414によってシグナリングされるRU配置に従う。
【0107】
本開示によると、HE-SIG-B1 2202およびHE-SIG-B2 2204それぞれにおけるユーザ特定フィールド2450のユーザ特定サブフィールドのうちの1つは、
図4に示した中央のタイプI RU 402のユーザごとの割当て情報を伝えるために使用される。中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドは、ユーザ特定フィールド2450の中の所定の位置に配置される。例えば、中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドは、ユーザ特定フィールド2450の中の最後のユーザ特定サブフィールド2470である。
【0108】
本開示によると、中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドを除く、ユーザ特定フィールド2450の中のユーザ特定サブフィールドの数は、共通フィールド2410の中の第1のリソース割当てサブフィールド2412および第2のリソース割当てサブフィールド2414から導くことができる。
【0109】
CBW=160MHzまたは80+80MHzの場合、80MHz毎に、2つの隣り合う20MHzサブバンドチャネルの間に位置する中央のタイプI RUが存在する。結果として、CBW=160MHzまたは80+80MHzの場合、合計で2個の中央のタイプI RUが存在する。この場合、本開示によると、HE-SIG-B1 2202およびHE-SIG-B2 2204それぞれにおけるユーザ特定フィールド2450のユーザ特定サブフィールドのうちの2つは、それぞれ、2個の中央のタイプI RUのユーザごとの割当て情報を伝えるために使用される。中央のタイプI RUの2つのユーザ特定サブフィールドそれぞれは、ユーザ特定フィールド2450の中の所定の位置に配置される。例えば、第1の中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドは、ユーザ特定フィールド2450の中の最後のユーザ特定サブフィールドであり、第2の中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドは、ユーザ特定フィールド2450の中の最後から2番目のユーザ特定サブフィールドである。
【0110】
図25は、CBW=80MHzの場合の、
図22におけるHE-SIG-B1 2202またはHE-SIG-B2 2204のフォーマットの第2の例を示している。HE-SIG-B1 2202またはHE-SIG-B2 2204は、共通フィールド2510およびユーザ特定フィールド2550を備えている。共通フィールド2510は、第1のリソース割当てサブフィールド2512と、第2のリソース割当てサブフィールド2514と、中央RUの割当て情報の存在サブフィールド(presence of allocation information for center RU subfield)2516と、CRCサブフィールド2518と、テールビットサブフィールドとを備えている。ユーザ特定フィールド2550は、複数のBCCブロック2560を備えている。最後のBCCブロック2560-Nを除くBCCブロック2560それぞれは、第1のユーザ特定サブフィールドと、第2のユーザ特定サブフィールドと、CRCサブフィールドと、テールビットサブフィールドとを備えている。最後のBCCブロック2560-Nは、1つのユーザ特定サブフィールドを備えていることができる。ユーザ特定フィールド2550の中のユーザ特定サブフィールドそれぞれは、ユーザごとの割当て情報を伝える。
【0111】
第1のリソース割当てサブフィールド2512と、第2のリソース割当てサブフィールド2514と、ユーザ特定サブフィールドそれぞれは、
図24におけるそれぞれ対応するサブフィールドと同じように定義される。
【0112】
本開示によると、共通フィールド2510の中の、中央RUの割当て情報の存在サブフィールド2516は、ユーザ特定フィールド2550の中に、中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドが存在するかを示すために使用される。ユーザ特定フィールド2550の中に、中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドが存在する場合、ユーザ特定フィールド2550の中のその位置は、あらかじめ決められる。例えば、中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドは、ユーザ特定フィールド2550の中の最後のユーザ特定サブフィールド2570である。
【0113】
本開示によると、ユーザ特定フィールド2550の中のユーザ特定サブフィールドの数は、共通フィールド2510の中の第1のリソース割当てサブフィールド2512と、第2のリソース割当てサブフィールド2514と、中央RUの割当て情報の存在サブフィールド2516とから導くことができる。
【0114】
図24に示した、HE-SIG-B1 2202またはHE-SIG-B2 2204のフォーマットの第1の例(中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドがHE-SIG-B1 2202およびHE-SIG-B2 2204の両方に含まれている)と比較すると、
図25に示したフォーマットの第2の例では、HE-SIG-B1 2202またはHE-SIG-B2 2204の中に、中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドをより柔軟に配置することが可能である。一例においては、HE-SIG-B1 2202とHE-SIG-B2 2204との間で負荷バランスを維持し、かつチャネル効率を改善する目的で、中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドを、HE-SIG-B1 2202またはHE-SIG-B2 2204のいずれかに含めることができる。言い換えれば、HE-SIG-B1 2202とHE-SIG-B2 2204の間の、ユーザ特定サブフィールドの数の差が最小になるように、中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドをHE-SIG-B1 2202およびHE-SIG-B2 2204のいずれかに含めることができる。別の例においては、中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドの復号の信頼性を高める目的で、中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドを、HE-SIG-B1 2202およびHE-SIG-B2 2204の両方に含めることができる。
【0115】
CBW=160MHzまたは80+80MHzの場合、共通フィールド2510の中の、中央RUの割当て情報の存在サブフィールド2516は、ユーザ特定フィールド2550の中に、2つの中央のタイプI RUそれぞれのユーザ特定サブフィールドが存在するかを示す必要がある。2つの中央のタイプI RUのうち一方のみのユーザ特定サブフィールドがユーザ特定フィールド2550の中に存在する場合、ユーザ特定フィールド2550の中のその位置は、あらかじめ決められる。例えば、中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドは、ユーザ特定フィールド2550の中の最後のユーザ特定サブフィールドである。2つの中央のタイプI RUのそれぞれのユーザ特定サブフィールドがユーザ特定フィールド2550に存在する場合、中央のタイプI RUの2つのユーザ特定サブフィールドは、ユーザ特定フィールド2550の中の所定の位置に配置される。例えば、第1の中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドは、ユーザ特定フィールド2550の中の最後のユーザ特定サブフィールドであり、第2の中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドは、ユーザ特定フィールド2550の中の最後から2番目のユーザ特定サブフィールドである。
【0116】
図26は、CBW=80MHzの場合の、
図22におけるHE-SIG-B1 2202またはHE-SIG-B2 2204のフォーマットの第3の例を示している。HE-SIG-B1 2202またはHE-SIG-B2 2204は、共通フィールド2610とユーザ特定フィールド2650とを備えている。共通フィールド2610は、第1のリソース割当てサブフィールド2612と、第2のリソース割当てサブフィールド2614と、CRCサブフィールド2618と、テールビットサブフィールドとを備えている。ユーザ特定フィールド2650は、複数のBCCブロック2660を備えている。最後のBCCブロック2660-Nを除くBCCブロック2660それぞれは、第1のユーザ特定サブフィールドと、第2のユーザ特定サブフィールドと、CRCサブフィールドと、テールビットサブフィールドとを備えている。最後のBCCブロック2660-Nは、1つのユーザ特定サブフィールドを備えている。ユーザ特定フィールド2650の中のユーザ特定サブフィールドそれぞれは、ユーザごとの割当て情報を伝える。
【0117】
第1のリソース割当てサブフィールド2612、第2のリソース割当てサブフィールド2614、およびユーザ特定サブフィールドそれぞれは、
図24におけるそれぞれ対応するサブフィールドと同じように定義される。
【0118】
本開示によると、共通フィールド2610の中のCRCサブフィールド2618が、事前に定義されたバイナリシーケンスによってマスクされているか(すなわちCRCサブフィールド2618および事前に定義されたバイナリシーケンスにXOR(排他的OR)が適用されているか)、を使用して、ユーザ特定フィールド2650の中に中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドが存在するかを示す。例えば、共通フィールド2610の中のCRCサブフィールド2618が事前に定義されるバイナリシーケンスによってマスクされていない場合、ユーザ特定フィールド2650の中に中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドが存在しない。そうでない場合、ユーザ特定フィールド2650の中に中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドが存在する。
【0119】
あるいは、共通フィールド2610の中のCRCサブフィールド2618の代わりに、ユーザ特定フィールド2650の中の特定のBCCブロックのCRCサブフィールドが事前に定義されるバイナリシーケンスによってマスクされているか、を使用して、ユーザ特定フィールド2650の中に中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドが存在するかを示す。例えば、第1のBCCブロック2660-1のCRCサブフィールド2666が、事前に定義されるバイナリシーケンスによってマスクされていない場合、ユーザ特定フィールド2650の中に中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドが存在しない。そうでない場合、ユーザ特定フィールド2650の中に中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドが存在する。
【0120】
中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドがユーザ特定フィールド2650の中に存在する場合、ユーザ特定フィールド2650の中のその位置は、あらかじめ決められる。例えば、中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドは、ユーザ特定フィールド2650の中の最後のユーザ特定サブフィールド2670である。
【0121】
本開示によると、中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドを除く、ユーザ特定フィールド2650の中のユーザ特定サブフィールドの数は、共通フィールド2610の中の第1のリソース割当てサブフィールド2612および第2のリソース割当てサブフィールド2614から導くことができる。
【0122】
図25に示した、HE-SIG-B1 2202またはHE-SIG-B2 2204のフォーマットの第2の例と比較すると、
図26に示したフォーマットの第3の例では、ユーザ特定フィールドの中の中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドの存在をシグナリングするための、共通フィールドの中のシグナリングサブフィールドが必要ない。言い換えれば、フォーマットの第3の例によって必要とされるシグナリングビットは、フォーマットの第2の例と比較して減少する。
【0123】
CBW=160MHzまたは80+80MHzの場合、共通フィールド2610の中のCRCサブフィールド2618(またはユーザ特定フィールド2650の中のCRCサブフィールド2666)が3つの事前に定義されるバイナリシーケンスの1つによってマスクされているか、を使用して、ユーザ特定フィールド2650の中に2つの中央のタイプI RUそれぞれのユーザ特定サブフィールドが存在するかを示す。例えば、共通フィールド2610の中のCRCサブフィールド2618(またはユーザ特定フィールド2650の中のCRCサブフィールド2666)が、3つの事前に定義されるバイナリシーケンスの1つによってマスクされていない場合、ユーザ特定フィールド2650の中に中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドが存在しない。共通フィールド2610の中のCRCサブフィールド2618(またはユーザ特定フィールド2650の中のCRCサブフィールド2666)が事前に定義される第1のバイナリシーケンスによってマスクされている場合、ユーザ特定フィールド2650の中に第1の中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドが存在する。共通フィールド2610の中のCRCサブフィールド2618(またはユーザ特定フィールド2650の中のCRCサブフィールド2666)が事前に定義される第2のバイナリシーケンスによってマスクされている場合、ユーザ特定フィールド2650の中に第2の中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドが存在する。共通フィールド2610の中のCRCサブフィールド2618(またはユーザ特定フィールド2650の中のCRCサブフィールド2666)が事前に定義される第3のバイナリシーケンスによってマスクされている場合、ユーザ特定フィールド2650の中に2つの中央のタイプI RUそれぞれのユーザ特定サブフィールドが存在する。ユーザ特定フィールド2650の中に、2つの中央のタイプI RUの一方のみのユーザ特定サブフィールドが存在する場合、ユーザ特定フィールド2650の中のその位置は、あらかじめ決められる。例えば、中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドは、ユーザ特定フィールド2650の中の最後のユーザ特定サブフィールドである。2つの中央のタイプI RUそれぞれのユーザ特定サブフィールドがユーザ特定フィールド2650の中に存在する場合、中央のタイプI RUの2つのユーザ特定サブフィールドは、ユーザ特定フィールド2650の中の所定の位置に配置される。例えば、第1の中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドは、ユーザ特定フィールド2650の中の最後のユーザ特定サブフィールドであり、第2の中央のタイプI RUのユーザ特定サブフィールドは、ユーザ特定フィールド2650の中の最後から2番目のユーザ特定サブフィールドである。
【0124】
ここまでの実施形態では、本発明は一例としてハードウェアによって構成されているが、ハードウェアと協働するソフトウェアによって本発明を提供することもできる。
【0125】
さらに、実施形態の説明において使用されている機能ブロックは、一般には、LSIデバイス(集積回路である)として実施することができる。これらの機能ブロックは、個々のチップとして形成する、または、機能ブロックの一部または全体を1個のチップに集積化することができる。本明細書では用語「LSI」が使用されているが、集積度の違いに応じて、用語「IC」、「システムLSI」、「スーパーLSI」、または「ウルトラLSI」を使用することができる。
【0126】
さらに、回路集積化はLSIに限定されず、専用回路、またはLSI以外の汎用プロセッサによって達成することができる。LSIを作製した後、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)(プログラム可能である)、またはLSI内部の回路セルの接続および設定を再設定できるリコンフィギャラブルプロセッサを使用することもできる。
【0127】
半導体技術、または半導体技術から派生する別の技術の進歩の結果として、LSIに代わる回路集積化技術が登場した場合、そのような技術を使用して機能ブロックを集積化することができる。別の可能性として、バイオテクノロジーおよび/またはその他の技術を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本開示は、無線通信システムにおいてリソース割当て情報をフォーマットおよび送信する方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0129】
1702 コントローラ
1704 スケジューラ
1706 メッセージプロセッサ
1708 メッセージ生成器
1710 PHYプロセッサ
1712 アンテナ
1802 コントローラ
1804 メッセージ生成器
1806 メッセージプロセッサ
1808 PHYプロセッサ
1810 アンテナ