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特許7580089エネルギー貯蔵デバイス、エネルギー貯蔵デバイスの部品・材料、エネルギー貯蔵方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵デバイス、エネルギー貯蔵デバイスの部品・材料、エネルギー貯蔵方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 11/78 20130101AFI20241101BHJP
   C01B 32/318 20170101ALI20241101BHJP
   H01G 2/10 20060101ALI20241101BHJP
   H01G 11/62 20130101ALI20241101BHJP
   H01G 11/32 20130101ALI20241101BHJP
   H01G 11/86 20130101ALI20241101BHJP
   H01G 11/38 20130101ALI20241101BHJP
【FI】
H01G11/78
C01B32/318
H01G2/10 M
H01G11/62
H01G11/32
H01G11/86
H01G11/38
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022574335
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 CA2020051742
(87)【国際公開番号】W WO2022000070
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-10-04
(31)【優先権主張番号】3085190
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CA
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】321011402
【氏名又は名称】アトラス パワー テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100180482
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 将隆
(72)【発明者】
【氏名】ミラー ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】リウ ジアン
(72)【発明者】
【氏名】コスロザデ アリ
【審査官】小南 奈都子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-092978(JP,A)
【文献】特開平07-220985(JP,A)
【文献】特開2001-089119(JP,A)
【文献】国際公開第2015/163279(WO,A1)
【文献】特表2017-520125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 11/78
C01B 32/318
H01G 2/10
H01G 11/62
H01G 11/32
H01G 11/86
H01G 11/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギーを貯蔵するための装置において、水とアセトニトリルと過塩素酸ナトリウム塩とを含んでなるハイブリッド電解質とともに使用するための活性炭であって大部分の細孔が2nm未満からなり且つ低コストの活性炭の製造方法であって、

前記活性炭は、
2nm未満のマイクロ細孔直径を有するマイクロ細孔と、2nm~50nmの範囲のメソ細孔直径を有するメソ細孔と、50nmよりも大きいマクロ細孔直径を有するマクロ細孔と、を有する複数の細孔を備え、

本方法は、

(a)以下からなる群から前記水とアセトニトリルと過塩素酸ナトリウム塩とを含んでなるハイブリッド電解質を選択する過程と、
(i)溶媒和イオンの第1平均サイズが1nm以下である第1電解質と、
(ii)溶媒和イオンの第2平均サイズが1nmより大きい第2電解質

(b)活性化温度と活性化時間を次のように選択する過程と、
(iii)第1電解質が選択される場合、活性化温度は摂氏650度~850度の範囲であり、活性化時間は30分から4時間の範囲である。
(iv)第2電解質が選択される場合、活性化温度は摂氏750度~950度の範囲であり、活性化時間は30分から5時間の範囲である。

(c)少なくともほぼ不活性ガスの存在下かつ略大気圧かつ活性化温度で活性化時間の間、炭素源を活性化することで、
前記複数の細孔が、メソ細孔よりも多くのマイクロ細孔を含み、かつ、マクロ細孔よりも多くのメソ細孔を含み、少なくとも細孔の0.001体積%がマクロ細孔であり、

前記過程(c)は、
(v)第1電解質が選択された場合、
細孔の0.1体積%~5体積%がマクロ細孔であり、
細孔の5体積%~49.9体積%の範囲内で増減するメソ細孔であって、当該メソ細孔の体積%と前記マクロ細孔の体積%との合計が50%以下であるような体積%のメソ細孔であり、
細孔の50体積%~94.9体積%の範囲内で増減するマイクロ細孔であって、活性炭における細孔の体積%から前記マクロ細孔の体積%ならびに前記メソ細孔の体積%を除いた残りの体積%が当該マイクロ細孔であり、

(vi)第2電解質を選択した場合、
細孔の0.1体積%~20体積%がマクロ細孔であり、
細孔の20体積%~49.9体積%の範囲内で増減するメソ細孔であって、当該メソ細孔の体積%と前記マクロ細孔の体積%との合計が50%以下であるような体積%のメソ細孔であり、
細孔の50体積%~79.9体積%の範囲内で増減するマイクロ細孔であって、活性炭における細孔の体積%からマクロ細孔の体積%ならびにメソ細孔の体積%を除いた残りの体積%がマイクロ細孔である

ことを特徴とする、活性炭の製造方法。

【請求項2】
請求項1に記載の活性炭の製造方法において、
過程(c)は、活性炭を生成し、
(vii)第1電解質が選択された場合、第1の主要なメソ細孔の第1細孔幅は2nm~6nmであり、
(viii)第2電解質が選択された場合、第2の主要なメソ細孔の第2細孔幅は2nm~10nmである
ことを特徴とする、活性炭の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の活性炭の製造方法において、
前記水とアセトニトリルと過塩素酸ナトリウム塩とを含んでなるハイブリッド電解質は、少なくとも、塩電解質中の共溶媒・水性電解質・有機電解質・イオン溶液のいずれかからなる
ことを特徴とする、活性炭の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の活性炭の製造方法において、
過程(c)は、
(d)炭素源を活性化剤に曝露した後に、当該炭素源を乾燥することによって第1粉末を生成する過程と、
(e)不活性ガスの存在下で第1粉末を活性化温度で活性化時間だけ加熱することにより、第1粉末を活性化して第2粉末を生成する過程と、
(f)前記第2粉末を洗浄する過程と、
(g)過程(f)の後に、第2粉末を酸性水溶液にさらすことで浸漬粉末を生成する過程と、
(h)浸漬粉末を洗浄することにより、洗浄された粉末を生成する過程と、
(i)洗浄済粉末を乾燥させる過程と、
を有する
ことを特徴とする、活性炭の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の活性炭の製造方法において、
過程(d)の前に、前記炭素源を乾燥・炭化することの少なくとも1つをさらに含む
ことを特徴とする、活性炭の製造方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の活性炭の製造方法において、
過程(d)が、炭素源に対する苛性アルカリ溶液の1:1から12:1の範囲である質量比に従って、活性化剤である苛性アルカリ溶液に炭素源をさらす過程を含む
ことを特徴とする、活性炭の製造方法。
【請求項7】
請求項4又は5に記載の活性炭の製造方法において、
過程(e)が、前記ハイブリッド電解質が4~10Mの範囲のモル濃度であって水・共溶・塩を含み、かつ、前記共溶媒アセトニトリルであって、前記過塩素酸ナトリウムである場合に、活性化温度で第1粉末を加熱することを含む
ことを特徴とする、活性炭の製造方法。
【請求項8】
請求項4又は5に記載の活性炭の製造方法において、
過程(e)が、窒素・ヘリウム・アルゴンガスからなる群から選択される前記少なくともほぼ不活性なガスの存在下で加熱する
ことを特徴とする、活性炭の製造方法。
【請求項9】
請求項4又は5に記載の活性炭の製造方法において、
過程(f)が、第2粉末を、有機酸・クエン酸・塩酸の少なくとも1つを含む酸性水溶液に曝露することを含む
ことを特徴とする、活性炭の製造方法。
【請求項10】
電極の製造方法であって、
(k)請求項1に記載の活性炭の製造方法により製造された活性炭と導電添加剤とバインダを含む電極混合物を製造する過程、
を備える
ことを特徴とする、電極の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の電極の製造方法において、
過程(k)が、
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)・ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)・コポリマ・ターポリマのうちの1つ以上を有するバインダを含む電極混合物を生成することを含む
ことを特徴とする、電極の製造方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の電極の製造方法において、
過程(k)が、
75~90重量%の活性炭と、5~15重量%のバインダと、1~10重量%の導電性添加剤と、を含む電極混合物を生成する
ことを特徴とする、電極の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の電極の製造方法において、
過程(k)が、バインダがポリテトラフルオロエチレンであり、導電性添加剤がアセチレンブラックである電極混合剤を生成する
ことを特徴とする、電極の製造方法。
【請求項14】
請求項10又は11の電極の製造方法において、
過程(k)が、混合剤をさらに含む電極混合剤を生成することを含み、
(m)電極混合物と導電性電流コレクタとを組合せることにより、アノードとカソードの一方を製造する過程と、
(n)前記アノードとカソードの一方を乾燥させる過程と、
をさらに含む
ことを特徴とする、電極の製造方法。
【請求項15】
請求項10又は11に記載の電極の製造方法において、
(p)電極混合剤を薄膜に巻き、
(q)前記電極混合剤を薄膜に巻いたときに、電極混合剤と導電性の電流コレクタとを組合せることにより、アノードとカソードの一方を製造する
ことを特徴とする、電極の製造方法。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の電極の製造方法において、
過程(h)が、
電極混合物と、
ステンレス鋼・チタン・アルミニウム・銅・導電性カーボン・炭素からなる群から選択される材料を含む導電性電流コレクタと、
を組合せることにより、アノードとカソードのうち1つを生成する
ことを特徴とする、電極の製造方法。
【請求項17】
電気エネルギー貯蔵装置であって、
(r)請求項10又は11に記載の方法により製造された1対の電極と、
(s)電極の対の間に配置される、水とアセトニトリルと過塩素酸ナトリウム塩とを含んでなるハイブリッド電解質と、
(t)電極の対の間に配置されたイオン透過性セパレータと、
を備える
ことを特徴とする、電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項18】
請求項17に記載の電気エネルギー貯蔵装置において、
前記イオン透過性セパレータ材料が、セルロース誘電体・プラスチック誘電体のうちの少なくとも1つである
ことを特徴とする電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の電気エネルギー貯蔵装置において、
当該装置が、スーパーキャパシタである
ことを特徴とする、電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項20】
請求項17又は18に記載の電気エネルギー貯蔵装置において、
コンテナと、電極の組と、水とアセトニトリルと過塩素酸ナトリウム塩とを含んでなるハイブリッド電解質と、を含み、
前記静電貯蔵デバイスは、動作性能を測定・分析することにより、保守が必要であると識別でき、
前記コンテナは、前記静電貯蔵デバイスの内部の内容物へのアクセスを可能にし、

前記静電貯蔵デバイスは、
メンテナンスと、
保守と、
除去と、
交換と、
前記ハイブリッド電解質の再投入と、
前記ハイブリッド電解質の除去と、
追加の前記ハイブリッド電解質の追加と、
のうちの少なくとも1つを受けるように動作可能である
ことを特徴とする、電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項21】
請求項20に記載の電気エネルギー貯蔵装置において、
前記内部の内容物は、
電解質が前記内部の内容物に注入されたときに、電極・導電性エネルギー貯蔵材料を飽和させる穿孔、
を有する
ことを特徴とする、電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項22】
請求項20又は21に記載の電気エネルギー貯蔵装置において、
前記コンテナは、再密封可能である
ことを特徴とする、電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項23】
請求項20又は21に記載の電気エネルギー貯蔵装置において、
保守中に前記コンテナから前記内部の内容物を取出すことが可能であり、その後、前記内部の内容物は、前記コンテナ・新しいコンテナのうちの1つに配置され、その後、前記保守を完了するために密封される
ことを特徴とする、電気エネルギー貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2020年6月30日にカナダにおいてなされたカナダ特許出願第3085109号に基づき、優先権を主張する。
【0002】
本開示は、総じて、エネルギー貯蔵デバイス(energy storage devices)に関し、詳細には、「スーパーキャパシタ」(supercapacitors)を含むキャパシタなどの実用的な「静電貯蔵デバイス」(electrostatic storage devices)の構成・材料組成・有用性・保守のためのシステム・方法に関する。
また、本願は、スーパーキャパシタを含むさまざまな用途のために活性炭の特性・組成を適合(tailoring)させるための、活性炭の製造のための過程・システム・方法に関しても開示する。
さらに、とりわけスーパーキャパシタの製造過程に係るエネルギー貯蔵技術のための製造過程の改善は、電解質処理段階を含めて通常の大気環境でも生じうる。
【背景技術】
【0003】
エネルギー貯蔵デバイスないしは同エネルギー貯蔵デバイスの構造・種々の元素組成を利用するという概念は周知であり、その社会的利益と必要性ゆえに、大規模な設備投資を引入れ続けている。
バッテリの寿命は、エネルギーを蓄えるために生じる化学反応ゆえに短くなってしまう。これは、充電中や放電中に元素の劣化が発生するためである。
一部のバッテリは放電後に再充電できる機能を備えているが、他型式のバッテリは1度きりしか使用できないライフサイクルしか有していない。
キャパシタは、電気化学反応ではなく、静電界の形でエネルギーを蓄える。
それゆえに、キャパシタは、バッテリよりも急速に充放電し、現在のバッテリ技術よりも桁違いに長い寿命が期待されている。
【0004】
エネルギー貯蔵の需要は、太陽光発電が低コストの発電形態として確立され、太陽光発電の設置プロジェクトが指数関数的に成長したことで、過去10年間で大幅に増加した。
太陽光発電の増加に伴い、エネルギー貯蔵のニーズが危機的に高まっている。
再生可能な電力網への移行を続けていくには、エネルギー貯蔵においてエネルギー密度に優れ低コストで豊富に存在する材料が望ましく、また、再生可能な発電を達成するには、このような材料が重要となる。
さらに、エネルギー貯蔵デバイスの長寿命化を図ることは常時望まれることであり、商業的な競争力も解決される。
【0005】
スーパーキャパシタは、後に利用するために蓄電しておける電気化学的なエネルギー貯蔵デバイスである。
そのため、スーパーキャパシタは、クリーンエネルギー技術の中でも、地球規模の汚染を克服し、持続可能かつ再生可能にエネルギー資源を利用できる重要な役割を果たすものである。
スーパーキャパシタは、充放電速度が速く、電力密度が高く、省メンテナンスで、サイクル寿命も長いため、送電網(grid)規模で応用されるバッテリに代わるものとして検討されている。
スーパーキャパシタ市場は、消費者向けの電子機器と輸送技術に用途を見出したものの、スーパーキャパシタは、まだエネルギー密度が低く高価であるため、送電網(grid)規模におけるエネルギー貯蔵の急成長する市場には追いついてないと言われている。
【0006】
スーパーキャパシタ(supercapacitors)デバイスは、通常、イオン透過性セパレータで分離された2つの「電極」と、これらの両電極をイオン的に接続する「電解質」と、電極に直接接続された2つの「電流コレクタ」(Current collector)で構成される。
スーパーキャパシタの設計では、電極材料・電解質・セパレータ・シール剤(sealant)を適切に選択する必要がある。
電極材料は、スーパーキャパシタの性能において重要な役割を果たすため、適切な電極を設計することが、高エネルギー密度で低コストのデバイスを製造するための鍵となる。
さまざまな材料に由来する「活性炭」は、2重層の高い静電容量・低コスト・大きな表面積・化学的安定性・優れた電気伝導性ゆえに、商用のスーパーキャパシタにおける電極の活性材料として広く使用されている。
【0007】
従来、一般的な静電エネルギー・電気化学エネルギー貯蔵技術(主に、バッテリとキャパシタ)は、主に2種類の電解質(水性電解質・有機電解質)に依存していた。
企業は、適切な液体電解質を選ぶことで、代表的な用途に基づき好適な液体電解質を決定できるという恩恵を得ていた。
【0008】
水性電解質を選択することによる安全性と使いやすさは魅力的であるものの、エネルギー密度を大幅に向上できる(デバイスサイズを小型化できる)という電圧安定性ゆえに、多くの製造業者は、水性電解質ではなく、主に「有機電解質」を用いることを選んだ。
有機電解質を利用する場合、以下に限られるものではないが、一般的には、使用と取扱いにおいて危機的かつ困難な性質に問題がある。
有機電解質は、揮発性が高く、大気中に含まれる微小液滴にさらされる場合も含め、水分と混合すると熱化学反応が生じる。
これにより、有機電解質を使用することは、製造時も含め、困難かつ高コストとなる。
【0009】
さらに、製造業者は、現在、エネルギー密度を高めるべく活性炭の表面積を増やすことに開発の焦点を当てているために、設計上、既製品(活性炭・電解質など)を購入することを選択している。
【0010】
それゆえに、産業界と研究者は、特定の電解質の細孔の階層構造を具体的に設計した活性炭を生成するための、特定の鉱物処理・炭素源(Carbon source)の選択・製造過程の制御を介して、活性炭の細孔幅や細孔分布を具体的に適合させるような開発・企図をおこなっていない。
また、事前選択した細孔幅と細孔分布階層構造を有するよう事前設計された活性炭と「イオン透過性セパレータ」について、所望の電解質の濡れ性(wettability)・インターカレーション・飽和性・浸透性を向上させるためや、イオン・溶媒和イオン・溶媒和シェルサイズに基づいて電解質と相乗的に結合した活性炭細孔のためである。
以下では、上述した材料処理制御とその結果得られる材料特性を実現するための完全なエンドツーエンドの製造過程を開発し、安全かつ低コストな製造過程を達成する。
【発明の概要】
【0011】
以下では、実用化されたときに、キャパシタなどの「静電貯蔵デバイス」(electrostatic storage device)の動作寿命を大幅に改善することが見込まれる、本発明の実施形態を提示する。
さらに、本明細書で開示される実施形態は、非常に安価で広く入手可能な構成材料(たとえば、石炭・石油コークス・瀝青コークス・バイオマスから生成される活性炭や、低コストの塩電解質中の共溶媒など)を、優れた性能のスーパーキャパシタの作製に適用できる。
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
現在、ミリファラド~数千ファラドまでの商用利用可能なスーパーキャパシタは、一般に、電気機器において充電や放電を含むさまざまな処理において動作するよう設計されている。
これらのスーパーキャパシタは、サブ回路レベルの統合から、電力網規模のエネルギー貯蔵や負荷シフトのための大規模設備まで多くの応用範囲がある。
【0013】
商用のスーパーキャパシタシステムの設計・操作方法論は、大きさにおいてバッテリと競合できるよう、最も高いエネルギー密度を達成できるよう設計された製品が生み出されている。
スーパーキャパシタは自己完結型の密封型ユニットであり、比較的長い見込寿命を有し、バッテリシステムと同じように、一般的には、見込寿命(life expectancy)に到達したり物理的に故障すると、廃棄され、新しいキャパシタと交換される。
この運用方法は、一般に、これらのデバイスのライフサイクルに依存するものであり、多くのスーパーキャパシタの寿命期間は20年以上であり、平均寿命は100万回~200万回の充電・放電サイクルを有している。
商業的に使用されているスーパーキャパシタの大部分は電子機器用であるため、蓄電容量(storage capacity)が比較的小さいことを保証し、これらのユニットを商業的に使用できるようにするコストは不存在もしくは経済的なことが証明されていない。
【0014】
一般的に、スーパーキャパシタはそれほど高価ではなく、これらの小さな電子部品を使用したときのコストは、環境への影響に配慮する以外、商業的に利益をもたらさない。
事実、スーパーキャパシタを使用するときよりもむしろ、スーパーキャパシタを交換する方が費用はかからない。
クリーンな再生可能エネルギー源によるエネルギー生成への移行はまさに進行中であり、ほとんどの形式の再生可能発電の間欠的(intermittent)な性質であることを補うようなエネルギー貯蔵システムが必要なため、エネルギー貯蔵のニーズに対して商業的に可能な解決策としてスーパーキャパシタが研究・実装されている。
エネルギー貯蔵用により大型のユニットが構成され続けているため、安価で豊富(abundant)な材料からスーパーキャパシタを作製し、またスーパーキャパシタの寿命を長くするというニーズが継続的に存在している。
これにより、私たちの社会は、長寿命かつ低コストのエネルギー貯蔵デバイスの長期的なメリットを享受できるようになり、クリーンエネルギーの未来へと移行しながら、我々のニーズを満たすことができる。
【0015】
このことを考えると、安価で長期間動作し続けることができるエネルギー貯蔵の解決策を作成することは、再生可能な電力網への移行や長期的な成功と健康・地球・人類にとって不可欠である。
【0016】
スーパーキャパシタなどの静電貯蔵デバイス(electrostatic storage devices)の既存の構成と運用方法は、密封されていたり保守が不能な(non-serviceable)ユニットとして設計されており、所望かつ期待された「見込寿命」(life expectancy)の期間だけ運用されたのちに廃棄される。
これは、商用バッテリの仕組で課せられるのと同じ課題であり、製造したあとに使用・廃棄・再製造するという仕組を表す。
また、スーパーキャパシタにはさまざまな用途があり、これらの用途の多くは高級な需要である。
メーカーが、主としてエネルギー密度を高めることに重点を置いているため、実際の材料費の点でヤシ殻由来の活性炭や有機・イオン性液体電解質などの一般的に高価な材料が使用され、製造過程における設備について求められるコストが大きいからである。
【0017】
送電網規模の適用についてより具体的に説明すると、将来的なクリーンエネルギーへの移行の間、必要となるエネルギー貯蔵量は目を見張るものとなる。
私たちが、再生可能な電力網に完全に移行するには、現在の昼間に使用しているエネルギー使用量の約40%を収容しておき、再生可能エネルギーを夜間に負荷シフトするために使用する必要がある。
商業的に使用・設置されている現在のバッテリとスーパーキャパシタの仕組を使用した場合、現在の需要に追いつくためだけに膨大な量の製造能力を構成する必要があることで、消費の拡大が説明される。
これは、私たちが生産するエネルギー貯蔵資産である、一般的に3,000~8,000回のサイクルや10年の寿命の制約を受けるバッテリが終期を迎える前に、一定の間、廃棄・交換しなければならないという事実によるものである。
【0018】
スーパーキャパシタは、一般的に100~200万回のサイクルや20年の寿命を有するため、より有利である。
スーパーキャパシタは長寿命であるものの、上述したように、依然、スーパーキャパシタは高価な前身(precursor)の成分から作られた使い捨ての解決策とみなされている。
このことは、将来的なクリーンエネルギーへの移行を可能にするために必要なスーパーキャパシタの製造能力が、バッテリの製造能力の半分であることを意味する。
バッテリは大量に必要とされており、依然、非常にたくさんの受注があるからである。
【0019】
本開示は、「スーパーキャパシタ(静電貯蔵デバイス)」を、低コストの豊富な材料から製造され、見込寿命を長寿命化し、コストを削減する保守可能(serviceable)な製品とするシステム・方法を提供する。
このことは、このソリューションにより均等化された(levelized)運用コストを削減し、また、人類文明がマイルストーンに到達するのに必要とするよりも少ない製造量で、我々の社会が完全な再生可能電力網に到達する目標達成のための明確な道筋を提供する点で非常に有益である。
【0020】
このようなシステム・方法を実現する1つの方法は、静電貯蔵デバイス(キャパシタ)を「保守可能(serviceable)に設計」することである。
さらなる実施形態では、バイオマス・石油コークス・瀝青コークス・石炭・燃料炭などの低コストの採掘鉱物の非限定的な例を含む廃棄物のように低コストの広く入手可能な材料から構成され、水・塩・溶媒・共溶媒やこれらを組合せたもの等の低コストの電解質材料を使用する。
【0021】
「保守可能」(Serviceable)とは、「デバイス・保守可能なデバイス・変更可能なデバイス・開閉可能なデバイス・再利用可能なデバイス・デバイスの当初製造完了後に電解質などの溶液を投入可能なデバイスの保守」のように定義される。
すなわち、スーパーキャパシタ自体を保守することで、寿命を延ばし動作を改善できることを意味する。
これは、スーパーキャパシタのコンテナ(container)の「内容物」にアクセスし、保守が必要なコンポーネントにアクセスし、当該アクセスしたコンポーネントの保守をおこない、それからコンテナを再度閉じて、デバイスを動作可能な状態に戻すことにより達成できる。
【0022】
本願システム・方法の新規性や差別化するための1構成要素は、たとえば、スーパーキャパシタの保守をおこなえる能力であり、ゆえに、長い見込寿命と改良された製品になる可能性が高まる。
たとえば、液体電解質を再投入して古くて最適でない液体電解質もしくは使用済の液体電解質を除去するか、改良された液体電解質を追加することで、エネルギー密度を高め、さらにデバイスの動作寿命を延ばす機能を実現する。
たとえば、液体電解質や導体のような、デバイスにおいて故障したコンポーネントの保守である。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態におけるスーパーキャパシタは、「活性炭」(activated carbon)または大きな表面積を実現する他の材料と、「導電性添加剤」と、「バインダ」(binder)と、「電流コレクタ」(current collectors)と、「セパレータ」(separator(s))と、「電解質」(electrolyte)と、多数の異なる元素組成物(elemental composition)と、製造方法を含む。
一般的に、活性炭製品は、「導電性添加剤」(conductive additive)と「バインダ」(binder)を有しており、「アルミニウム・銅・ステンレス鋼・チタン」などの導電性(conductive)の「電流コレクタ」(current collector)に結合される。
さらに、この組合せには、「電解質」と、アノードとカソードが直接接触しないようにするために媒介する「セパレータ」とが投入され、一般的にゴム製・プラスチック製からなる「リード線ケース(lead case)セパレータ」とともに密封コンテナ(sealed container)に入れられる。
使用する液体電解質の種類は、電圧公差(voltage tolerance)・安定性・揮発性・製造過程(manufacturing process)・寿命・温度範囲・エネルギー密度を含むキャパシタのさまざまな特性に影響する。
【0024】
「スーパーキャパシタ」の静電貯蔵特性は、静電界の形態である。
これは、電荷が、電解質を介して移動し、続いて、活性炭要素の表面と「多孔質構造」(porous structure)内に蓄えられるためである。
スーパーキャパシタが「充電過程」(charging process)を経ているときは、電荷は静電界の形で集められる。
この電界により、導体の反対側の電荷が放出され、回路が形成されて電流が流れる。
これらのデバイスでは、一般的に、導電性の構成要素は、ケース(casing)だけでなくアノード・カソードも同様である。
ガルバニ電池が形成されないように、つまり、充電・放電中に金属間の電気化学反応が発生しないようにするためである。
【0025】
「バッテリ」の貯蔵プロファイルと特性は、スーパーキャパシタのものとは異なり、バッテリ内部には電流を生成するためにガルバニ電池が形成され、電気化学反応により生じた電荷が蓄えられる。
この電気化学過程により、現状利用可能なスーパーキャパシタよりも高密度に電荷を集めることができ、比較的高いエネルギー密度を呈するバッテリを実現している。
電気化学反応による悪影響は、放電過程・再充電可能なバッテリの場合、再充電過程において同バッテリを構成する金属やその他の構成要素が劣化することである。
【0026】
静電界の形態でエネルギーを貯蔵するスーパーキャパシタの性質により、充電中や放電中、スーパーキャパシタ内では限定的な化学反応が引起こされる。
これにより、スーパーキャパシタでは、バッテリの寿命期間中に充電や放電によって起きるバッテリと同じような元素分解が起こらない。
【0027】
そのため、なぜスーパーキャパシタは故障するのか?という疑問が生じる。
充電・放電過程中にバッテリの材料を深刻に劣化させるのと同種の反応にさらされないにも関わらず、スーパーキャパシタに寿命がある原因は何であろうか?
【0028】
これらの質問に対する答えは複雑であり、スーパーキャパシタの見込寿命の要素については、長期にわたり動作能力に影響する多くの原因が存在する。
スーパーキャパシタの寿命に影響するいくつかの要因には、電解質の種類・電流コレクタ(一般的に、コンテナと薄膜(foil))などのスーパーキャパシタの構成要素に対する腐食の影響があり、一般的にはケース(casing)と薄膜(foil)が含まれる。
また、デバイスの動作・温度や、スーパーキャパシタが置かれている環境・電圧範囲と温度安定性を含む電解質の特性も、スーパーキャパシタの寿命に影響する。
【0029】
本願システム・方法は、故障の原因を特定し、実際に実装可能かつ商業的に応用できる手法により当該障害の解決策を実現することで、従来の静電貯蔵デバイスを改善する。
さらに、本願発明は、スーパーキャパシタを構成するための低コストで広く利用可能な材料を特定し、それらのコストを下げ、原料(feedstock)鉱物のための既存インフラストラクチャへのアクセスを可能にする。
具体的には、本発明は、石炭・燃料炭・石油コークス・瀝青コークス・リグニン(lignin)・バイオマス・ゴミ・プラスチックなどの廃棄物といった低コスト材料に由来する「活性炭の組合せ」を使用する。
「電解質」(electrolyte)としては、水性電解質・「塩電解質中の共溶媒」・塩・水・溶媒から選択される。
「電流コレクタ」(current collectors)としては、「ステンレス鋼」・チタン・銅・アルミニウムから選択される。
「イオン透過性セパレータ」(ion permeable separator)は、たとえば、紙・ガラス繊維・「プラスチック繊維」である。

代表的な一実施形態は、
低コストの燃料炭に由来する「活性炭」と、
塩の共溶媒である「電解質」と、
ステンレス鋼による「電流コレクタ」と、
紙・セルロース・プラスチックの繊維・織物・メッシュからなる「イオン透過性セパレータ」と、
PVDF・PTFEの「バインダ」(binder)と、
カーボンブラック・「アセチレンブラック」・スーパーpの「導電性添加剤」(conductive additive)と、
により構成される。
【0030】
スーパーキャパシタの動作と見込寿命を改善するため、本願発明者は、故障の理由を特定した。
そのうちの1つは、とりわけ、デバイスの寿命中における当該デバイスの電解質の特性と動作能力である。
【0031】
「電解質」は、静電貯蔵デバイスにおいて最も激しい物理的作用を受け、環境の影響を最も受けやすい。
炭素(特に、活性炭)は非常に安定した元素であり、理論的には無期限に存続することが可能である。
電極に使用される導体は、接触する要素が腐食したり、導体の減衰が起きない限り、無期限で長期間にわたり存続できる。
海洋等級のステンレス鋼(たとえば316ステンレス鋼)の場合、海水に対して50年~100年の寿命が見込まれる。
【0032】
一方、電解質は時間の経過とともに劣化するものであり、電解質は、デバイス内でイオンキャリアならびに電荷の輸送媒体として機能する。
上述した劣化は、実際のデバイスの動作(電圧充電範囲)とデバイスが置かれている環境・温度変化により強められる。
電解質が劣化すると、スーパーキャパシタ・静電貯蔵デバイスの性能が低下し、最終的にデバイスの完全な故障につながるおそれがあり、また電解質にかかる安定性の閾値を超える電圧の印加を招きうる。
【0033】
このような液体電解質の劣化とデバイスの故障は、同デバイスの保守ができるように構成することで軽減または排除でき、液体電解質の保守や再投入を実現し、デバイスについて多数の改良点を達成できる。
本願システム・本願方法におけるデバイスの1つの改良点は、スーパーキャパシタや静電貯蔵デバイスを収容する実際の「コンテナを再密封可能」にし、時折、内容物(contents)にアクセスできるようにすることである。
このような機能は、いくつかの手法により達成できるものの、密封されたコンテナを開くと却ってコンテナに損傷を与えてしまい廃棄されるおそれがあるため、スーパーキャパシタの内容物の保守をおこなってスーパーキャパシタの内容物を回収することが必須である。
しかしながら、コンテナを再密封可能とすれば、デバイスを開けて、保守をおこない、再度密封することができるようになる。
【0034】
本願デバイスの次なる改良点は、スーパーキャパシタ内部の内容物に電解質を効率的に再投入する手法を実現することである。
スーパーキャパシタを組立てたときに、液体電解質を投入するときにスーパーキャパシタやその層を損傷することなく、スーパーキャパシタの内部や中心領域に液体電解質を確実に到達させるのが難しいという課題を提示する。
改ざんされた場合、電流コレクタから剥げ落ちたり分離する可能性がある。
【0035】
スーパーキャパシタを保守する過程や液体電解質を投入する過程には、いくつかの手法がある。
1つの手法は、スーパーキャパシタ中に液体電解質を注入することであり、デバイスの所望の導電性部品全体にわたって電解質を確実に飽和させることである。
デバイスに注入して飽和させるこのやり方は、特に大型・小型のスーパーキャパシタでは困難かつ時間がかかる可能性がある。
非常に大きなスーパーキャパシタの場合、適切に「分離」または「穿孔」(perforation)しておかないと、デバイスの中心部に液体電解質を物理的に注入できない場合がある。
【0036】
このような課題は、いくつかの要因により生じる。
そのうちの1つは、小型化して性能を向上させるべく非常にきつく巻かれた円筒型スーパーキャパシタの場合や、小型化して性能を向上させるためにプレスされる積層型スーパーキャパシタの場合である。
【0037】
デバイスの所望の導電性要素や活性炭に適用される「電解質」をスーパーキャパシタに「投入・飽和」する能力を向上させて所望の全領域を飽和させるための、本願システム・方法のさらなる改良点は、「電極とセパレータに穿孔(perforate)」したり、もしくは電極とセパレータの内部を「分離(separate)ないしは露出(expose)」させることである。
「穿孔」や分離をすることで、穿孔・分離された領域の周辺に電解質を拡散(浸出)でき、大型のスーパーキャパシタにおいても「デバイスの内部領域に電解質が到達できる」ようになる。
これは、電解質の粘度に応じて、他の穿孔から離れたところにあるスーパーキャパシタの層を穿孔して完全に飽和させることを含め、いくつかの手法で実現できる。
また、この完全な飽和は、スーパーキャパシタ内部の層をセクションやスライスとして構成することも実現でき、これによりデバイスの動作寿命後に保守をおこなうときに電解質を飽和させることができる。
【0038】
保守の過程は、既存の電解質を含むスーパーキャパシタを洗浄(flushing)する過程を含んでもよい。
このような洗浄過程は、多くの電解質が、活性炭内に沈着・捕捉される可能性のある「塩」(salts)やその他の溶解鉱物を使用していることから有益である。
これらの溶解した鉱物は、デバイスの性能に悪影響を与えるおそれがあり、これらの溶解した鉱物を抽出するには保守中の洗浄過程が望ましい。
【0039】
このような保守手法は、保守をした結果としてデバイスの動作寿命を延ばしつつ同デバイスの構造も損傷されないため有利である。
この点をさらに説明すると、スーパーキャパシタを組立てるとき、この2重層電解キャパシタ(DLEC)の例では、層が積重ねられるか一緒に巻かれる。
この層は、結合した炭素が導体から引離されないよう、しっかりと圧縮されるように構成される。
保守中に層が分離されてしまうと、炭素が導体の表面から剥がれ落ちたり引剥がされてしまい、デバイスの性能が低下する。
さらに、層を分離する過程は非常に困難で時間がかかり、この種のデバイスの保守の実行可能性が低下する。
「再密封可能なコンテナ」ならびに「穿孔もしくは分離」を備えることで、スーパーキャパシタの内部領域により効率的にアクセスして飽和させることができ、性能と寿命の両方で良好な最終製品を提供できる。
【0040】
さらに、このデバイスのもう1つの改良点は「電極に、高品質の導電性材料を選択可能になる」ことである。
保守可能な「静電貯蔵デバイス」(スーパーキャパシタ)を選択することで、製造業者や設計者は、アルミニウムや銅などの従来の導電性材料よりも大幅に長持ちする導電性材料を選択できる。
「長持ちする材料」の例は、ステンレス鋼またはチタンであり、これは、例示的な「塩電解質中の共溶媒」などの「特定の電解質とともに使用するときに必要」となる。
ステンレス鋼は、塩分や塩水にさらされる環境下の使用において、より堅牢で長持ちすることが実証されている。
本願システム・方法の利点は、保守が可能で従来のスーパーキャパシタよりも飛躍的に長持ちするスーパーキャパシタを用いることで、見込寿命が延び経済効率が良くなるため、より高価な電流コレクタを使用するときの初期費用を補えることである。
しかしながら、これは必要条件ではなく、銅やアルミニウムなどの不都合な金属を用いてもよい。
たとえば、塩にさらされると一定速度で劣化していくアルミニウムや銅を使用する代わりに、海洋等級のステンレス鋼(たとえば、316ステンレス鋼・耐性のある306ステンレス鋼)を使用することで、定期的な保守により20年~100年以上にも見込寿命を延ばすことができる。
電解質と導電性電極材料を慎重に検討することで、現在の技術をはるかに上回る50年~100年の標準的な動作寿命に達する見込寿命がキャパシタにはあると考えるのが合理的である。
【0041】
本願に開示されたシステム・方法は、コストを大幅に削減し、これらのデバイスの寿命を改善する効果的な手法を実現し、持続可能な再生可能な電力網への道を確実なものにする。
スーパーキャパシタ内部の内容物の安定的な特性は、非反応的動作と併せて、非常に長い寿命を持つエネルギー貯蔵解決策を実現する。
【0042】
燃料炭などの低コストの原料鉱物や「塩電解質ベースの共溶媒」を利用することで、通常の大気環境下でもすみやかに製造規模を拡大でき、低コストの製造能力を提供できる。
本発明の他の主な利点は、水(地球の大気中に見られる自然の水分を含む。)と混合されたときの反応性により湿気のない環境が必要な有機電解質とは対照的な、通常の大気地球環境においてスーパーキャパシタに付加できる電解質の能力である。
本願システム・方法を利用することで、100年以上に達し、1kWhあたり50.00ドルを下回るコストに達する有効な動作寿命を有するエネルギー貯蔵解決策を生み出すことが可能である。
この長い見込寿命と低コストは、人類のニーズに応えるエネルギー貯蔵を生産する人類の能力にパラダイムシフトをもたらし、完全に再生可能な電力網への移行と維持の達成を可能にする十分なエネルギー貯蔵を維持と運用を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0043】
また、本開示の実施形態は、新規な手法で「静電貯蔵デバイスの保守と保守性」を管理・制御し、改善された手法とスーパーキャパシタ構成を運用するためのシステム・方法を提供する。
これは、1実施形態の構成において簡単に説明され、実装される。

改良された「保守可能な電気スーパーキャパシタのためのシステム」であって、
「ケース」(casing)と、
前記ケース(casing)内の「静電動作可能セクション」(electrostatic operable section)と、
を組合せて構成される。

上記「静電動作可能セクション」は、
アルミニウムなどの低コストの炭素源に由来する1トンあたり250ドル未満(可能であれば、1トンあたり100ドル未満を含む)の低コスト炭素源(low-cost carbon source)から得られた「活性炭」ならびに「導電性添加剤」と接触する「1対の離間した電極」と、
上述した電極の間にある「イオン透過性セパレータ」(ion permeable separator)と、
(a)前記電極を電源に接続する手段を備えた「ケース」(casing)と、
(b)前記電極とイオン透過性材料(ion permeable material)とに接触する、前記ケース(casing)内の液体電解質(electrolyte fluid)と、
(c)静電貯蔵デバイス内部の内容物にアクセスできるようにする再密封可能・再密封不可能なコンテナで構成される「静電貯蔵デバイス」(electrostatic storage devices)と、
(d)電極とセパレータと層についての、穿孔か分離か分離されたセクションを含む内部の内容物を有する前記静電貯蔵デバイスと、
(e)メンテナンス・保守・取外し・交換できる手段と、液体電解質の再投入・除去できる手段と、新たな液体電解質を追加できる手段と、を有する静電貯蔵デバイスと、
(f)前記静電貯蔵デバイスの「再封可能なコンテナ」を再封する手段か、前記静電貯蔵デバイス内部の内容物を再封不可能なコンテナに入れて封印する手段か、既存のコンテナを再封する手段と、
を組合せて構成される。
【0044】
本システムにおいては、活性炭が、石炭・瀝青コークス・石油コークスを含む低コストの炭素源に由来するか、廃棄物またはバイオマスに由来する。

本システムにおいては、液体電解質が「塩電解質中の共溶媒」であって一般式NACLO4である過塩素酸ナトリウムと、一般式CH3CN
であるアセトニトリルと、水を成分として有するシステム。
【0045】
本システムにおいては、過塩素酸ナトリウム1部と、水1.5部と、アセトニトリル2.4部からなる電解質のモル比が約7~8である。
【0046】
本システムにおいては、電解質のモル比範囲が「4~10」であり、同電解質は、0.25部~2部の過塩素酸ナトリウムと、0.25部~3部の水と、0.25部~4部のアセトニトリルからなる。
【0047】
本システムにおいては、前記電解質の一部が、食塩・リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)・塩化ナトリウム・2塩素酸アンモニウム・硫酸マグネシウム・重炭酸ナトリウムからなる。
本システムにおいては、「液体電解質」(electrolyte fluid)が、「塩電解質中の共溶媒」(cosolvent in-salt electrolyte)・水性電解質・有機電解質・イオン溶液のいずれかからなる。
本システムにおいては、電極が、ステンレス鋼・チタン・銅・アルミニウムで構成される。
本システムにおいては、電極が、導電性薄膜・導電性メッシュ・導電性織物で構成される。
本システムにおける電極やセパレータは、電極やセパレータや層について「穿孔・分離・分離されたセクション」を有する。
本システムにおいては、セパレータ層が、「セルロース」材料・紙誘電体・「プラスチック誘電体」・誘電体材料である。
本システムでは、活性炭複合体の組成が、約75%~88%の範囲が低コスト炭素源からの「活性炭」であり、約4%~20%の範囲のカーボンブラック・スーパーp・「アセチレンブラック」・ファーネスブラック・ランプブラック・チャネルブラックを含む「導電性添加剤」であり、約3%~12%の範囲が「PTFE・PVDFを含むバインダ」(水に分散されているかどうかは不問である)である。
【0048】
本発明の別の実施形態によれば、保守可能な静電貯蔵デバイス(スーパーキャパシタ)を保守する方法であって、
当該静電貯蔵デバイスは、再密封可能・再密封不可能なコンテナと電極とセパレータと固体電解質や液体電解質を有してなり、
当該方法は、
(a)動作性能を測定・分析することにより、前記静電貯蔵デバイスに保守が必要であることを特定し、
(b)前記内部の内容物が、電極かセパレータか層についての穿孔・分離・分離されたセクションを含んでいるときに、前記静電貯蔵デバイス内部の内容物にアクセスし、
(c)電解質の除去・電解質の交換・電解質の再投入・電解質の追加をおこない、
(d)前記再密封可能なコンテナを再密封するか、新規・追加の内容物を再密封不可能なコンテナに入れて再密封不可能なコンテナを密封する。
【0049】
本願方法においては、分離可能な「カバー」により「静電貯蔵デバイス内部の内容物にアクセス」することが含まれる。
【0050】
本願方法は、コンテナから分離可能なカバーを取外すことを含む。
本願方法は、コンテナに分離可能なカバーを取付けるか再度取付けることを含む。
本願方法は、コンテナから分離可能なカバーを分離することで、静電貯蔵デバイス内部の内容物にアクセスすることを含む。
【0051】
本願方法には、静電貯蔵デバイスの封止可能(sealable)な「ガスケット」・「ガスケット材料」の交換(replacing)・修理(repairing)・再生(refurbishing)・再利用(reusing)を含みうる。
【0052】
この方法は、スーパーキャパシタを溶接・圧着することによる封止(sealing)を含みうる。
この方法は、恒久的・半恒久的な方法で、静電貯蔵デバイスを密封・固定することを含みうる。
【0053】
この方法は、キャパシタ・ウルトラキャパシタ・スーパーキャパシタ・2層電解キャパシタ・ハイブリッドキャパシタからなる群から選択される静電貯蔵デバイスの保守を含みうる。
【0054】
この方法は、電解質を、静電貯蔵デバイスの穿孔(perforation)に注入することを含んでもよい。
この方法は、電極と導電性エネルギー貯蔵材料が飽和するように、電解質を注入することを含んでもよい。
【0055】
この方法は、電極やセパレータや層について、分離(separations)や分離されたセクションを備える静電貯蔵デバイスの電解質を投入することを含んでもよい。
この方法は、電極・導電性エネルギー貯蔵材料が飽和するように電解質を投入することを含みうる。
【0056】
この方法は、再密封可能なコンテナを備える静電貯蔵デバイスの保守を含んでもよい。
【0057】
この方法は、静電貯蔵デバイス内部の内容物を除去することを含みうる。
この方法は、再密封可能または再密封不可能な新しいコンテナの中に、静電貯蔵デバイス内部の内容物を配置することを含みうる。
この方法は、取出した静電貯蔵デバイス内部の内容物を、再密封可能または再密封不可能な元のコンテナに戻すことを含んでもよい。
この方法は、静電貯蔵デバイス内部の内容物を元のコンテナに交換・配置・返戻した後、コンテナを密封することを含んでもよい。
この方法は、静電貯蔵デバイスの保守を完了するように、コンテナを密封することを含んでもよい。
【0058】
本発明の別の実施形態によれば、以下を備える静電貯蔵デバイスが提供される。
(a)静電貯蔵デバイスの動作特性を測定・分析することにより静電貯蔵デバイスの保守のための必要条件を特定可能な、コンテナと、電極と、セパレータと、固体電解質または液体電解質と、
(b)前記静電貯蔵デバイス内部の内容物へのアクセスを可能にする再密封可能・再密封不可能なコンテナであって、
前記内部の内容物は、電極かセパレータか層についての穿孔・分離・分離されたセクションを含み、
前記電解質は、追加の電解質を静電貯蔵デバイスに加えることができるよう、除去可能・交換可能であり、
内部の内容物が、再密封不可能なコンテナの中に配置して密封されるか・既存の前記コンテナが再密封されるように運用可能である。
【0059】
静電貯蔵デバイスは、分離可能なカバーを含みうる。
分離可能なカバーは、静電貯蔵デバイスのコンテナに取付可能であってもよい。
当該の分離可能なカバーは、コンテナから取外しできる。
分離可能なカバーは、保守のために内部の内容物にアクセスできるように、コンテナから取外しできる。
静電貯蔵デバイスは、封止可能(sealable)なガスケットを含みうる。
封止可能なガスケットは、交換可能か再利用可能でもよい。
静電貯蔵デバイスは、「ガスケット材料」を含みうる。
当該「ガスケット材料」は、交換可能・再利用可能である。
静電貯蔵デバイスは、溶接や圧着により密封できる。
静電貯蔵デバイスは、永久的または半永久的に密封・固定することができる。
静電貯蔵デバイスは、キャパシタ・ウルトラキャパシタ・スーパーキャパシタ・2重層電解キャパシタ・ハイブリッドキャパシタの群から選択できる。
静電貯蔵デバイスは、穿孔を含みうる。
穿孔には、電極が飽和状態になるように、電解質を注入できる。
穿孔には、静電貯蔵デバイスの導電性エネルギー貯蔵材料が飽和するように「電解質」を注入できる。
静電貯蔵デバイスは、電極かセパレータか層についての穿孔・分離・分離されたセクションを含みうる。
静電貯蔵デバイスは、再密封可能なコンテナを含みうる。
【0060】
本発明の別の実施形態によれば、以下を備える静電貯蔵デバイスが提供される。
(a)静電貯蔵デバイスの動作性能を測定・分析することで、前記静電貯蔵デバイスの保守の必要条件を特定できるように、コンテナ・電極・セパレータ・固体・液体の電解質を提供するための手段と、
(b)前記静電貯蔵デバイス内部の内容物にアクセスできるようにする、再密封可能または再密封不可能なコンテナを提供するための手段と、
(c)電極かセパレータか層についての穿孔や分離や分離したセクションを提供するための手段であって、
追加の電解質を静電貯蔵デバイスに加えることができるように、電解質は除去可能・交換可能であり、
静電貯蔵デバイス内部の内容物は、再密封不可能なコンテナに入れて密封するか既存のコンテナを再密封するように操作できる。
【0061】
また、本開示は、具体的にはスーパーキャパシタなどのエネルギー貯蔵デバイスを製造するためのシステムと方法を提供する。
また、本開示は、活性炭の細孔が、電解質や他の媒体(イオン・溶媒和イオン・脱溶媒和イオン・溶媒和シェルのサイズに基づく)に相乗的に結合するように、事前に選択された細孔幅と細孔分布階層構造を有する活性炭を設計・製造するための過程を提供する。
ここで、活性炭の製造過程では、あらかじめ決定された「特定の細孔幅と細孔分布階層構造」(選択された電解質・他の媒体にかかるイオン・イオンキャリア・溶媒和シェルのサイズに基づいて決定される)を有する活性炭を事前設計する。
エネルギー貯蔵デバイスの製造過程においては、あらかじめ設計された活性炭と選択された電解質は、「イオンのサイズ」と「活性炭の細孔幅」を一致させた階層構造に基づいて、最適で優れたエネルギー貯蔵デバイスを提供する。
さらに、デバイスの好ましい実施形態は、最先端の共溶媒や最先端の塩電解質を使用しており、これにより製造過程が簡素化される。
具体的には、共溶媒や塩電解質の使用により、製造を通常の大気環境下でおこなうことができ、安全性が向上し、エネルギー貯蔵デバイスの製造と製造施設のコスト・複雑性の両方が低下する。
【0062】
スーパーキャパシタなどのエネルギー貯蔵デバイスを製造するためのシステム・方法において、イオンサイズと特定の電解質の溶媒和シェルによる影響を受ける「所定の細孔幅と細孔分布を備えた活性炭」の製造過程は、「イオンと細孔のマッチング」と「細孔の階層構造」に基づく最適な構造・設計を提供する。
【0063】
一実施形態では、デバイスは、以下の過程を含む。
任意の炭素源を乾燥する過程。
好適な炭素源を炭化する過程。
石炭・石油・石油コークス・バイオマスなどの「炭素源」を、水酸化カリウム(KOH)フレーク・「水酸化カリウム(KOH)溶液」と「接触または浸漬」させる過程。
上記の「接触・浸漬させる時間」は、「約1時間・約2時間・約3時間・約4時間・約5時間・約6時間・約7時間・約8時間・約9時間・約10時間・約11時間・約12時間・約13時間・約14時間・約15時間・約16時間・約17時間・約18時間・約19時間・約20時間・約21時間・約22時間・約23時間・約24時間」であり、12時間が好適である。
ここで、「KOH:C」の重量%比の範囲は、約1:1重量%・約2:1重量%・約3:1重量%・約4:1重量%・約51重量%・約6:1重量%・約7:1重量%・約8:1重量%・約9:1 重量%・約10:1重量%・約11:1重量%・「約12:1重量%」であり、2部のKOH:1部の炭素源の重量%比が好ましい。
KOH塩基を希釈するには水を使用でき、最大で「50部の水:1部のKOH」の重量%比であり、「水1部:KOH1部」の重量%比が好ましい。
窒素・ヘリウム・アルゴン雰囲気(窒素が好ましい)下での熱分解過程により、接触した炭素源を500℃~1100℃の活性化温度で10分間~48時間で活性化するが、「800℃の温度で2時間」活性化することが好ましく、所定の細孔幅と細孔分布の階層構造の活性炭を生成するには「毎分10℃の昇温速度」が好ましい。
【0064】
活性炭は、以下に示すような割合の細孔で構成してもよい。
約1%・約2%・約3%・約4%・約5%・約6%・約7%・約8%・約9%・約10%・約11%・約12%・約13%・約14%・約15%・約16%・約17%・約18%・約19%・約20%・約21%・約22%・約23%・約24%・約25%・約26%・約27%・約28%・約29%・約30%・約31%・約32%・約33%・約34%・約35%・約36%・約37%・約38%・約39%・約40%・約41%・約42%・約43%・約44%・約45%・約46%・約47%・約48%・約49%・約50%・約51%・約52%・約53%・約54%・約55%・約56%・約57%・約58%・約59%・約60%・約61%・約62%・約63%・約64%・約65%・約66%・約67%・約68%・約69%・約70%・約71%・約72%・約73%・約74%・約75%・約76%・約77%・約78%・約79%・約80%・約81%・約82%・約83%・約84%・約85%・約86%・約87%・約88%・約89%・約90%・約91%・約92%・約93%・約94%・約95%・約96%・約97%・約98%・約99%である。
特定の実施形態では、細孔(pore)の組成体積は、細孔幅が約2nm(マイクロ細孔)以下である。
活性炭は、細孔であるか細孔で構成されていてもよく、「細孔の組成体積」は、細孔幅が約2nm(マイクロ細孔)以下である細孔の組成体積を構成する。特定の実施形態では、約55体積%超かつ約95体積%未満である。
活性炭は「約2nm又はそれより小さい細孔幅の細孔」(マイクロ細孔)の組成体積で構成されており、例示された好ましい実施形態では、約60%超かつ約80%未満である。
活性炭は、約2nm又はそれより小さい細孔幅の細孔(マイクロ細孔)から構成され、その組成は67体積%が好ましい実施形態である。
活性炭は、特定の実施形態において「細孔幅が約2nm以上である細孔」(メソ細孔)で構成され、細孔の組成体積は、約1%・約2%・約3%・約4%・約5%・約6%・約7%・約8%・約9%・約10%,約11%・約12%・約13%・約14%・約15%・約16%・約17%・約18%・約19%・約20%・約21%・約22%・約23%・約24%・約25%・約26%・約27%・約28%・約29%・約30%・約31%・約32%・約33%・約34%・約35%・約36%・約37%・約38%・約39%・約40%・約41%・約42%・約43%・約44%・約45%・約46%・約47%・約48%,約49%・約50%・約51%・約52%・約53%・約54%・約55%・約56%・約57%・約58%・約59%・約60%・約61%・約62%・約63%・約64%・約65%・約66%・約67%・約68%・約69%・約70%・約71%・約72%・約73%・約74%・約75%・約76%・約77%・約78%・約79%・約80%・約81%・約82%・約83%・約84%・約85%・約86%・約87%・約88%・約89%・約90%・約91%・約92%・約93%・約94%・約95%・約96%・約97%・約98%・約99%である。
特定の実施形態では、活性炭は、細孔幅が約2nm又はそれより大きい細孔(メソ細孔)から構成され、その組成体積は約5体積%超かつ約70体積%未満である。
特定の実施形態では、活性炭は、細孔幅が約2nm以上の細孔(メソ細孔)で構成され、その組成体積は、例示された好ましい実施形態では約20体積%超かつ約40体積%未満である。
活性炭は、約2nm又はそれより大きい細孔幅の細孔(メソ細孔)で構成され、その組成体積32体積%が好ましい実施形態である。
さらに、好ましい実施形態では、1.8nm~2.7nmの間の平均細孔幅が好ましい平均細孔幅である。
特定の実施形態では、細孔幅が約2nm以上である細孔(メソ細孔)の組成体積は、「細孔幅2nm~50nmの間」である。
追加の実施形態では、細孔幅が約2nm以上の細孔(メソ細孔)の組成体積は、大半のメソ細孔の細孔幅が2nm~20nmの間である。
追加の実施形態では、細孔幅が約2nm以上である細孔(メソ細孔)の組成体積は、大部分のメソ細孔について「細孔幅が2nm~10nmの間」であることに留意する。
好ましい本実施例では、細孔幅が約2nm以上である細孔(メソ細孔)の組成体積は、細孔幅が2nm~5nmの間であり、大部分のメソ細孔について約10nmまである。
【0065】
活性炭は、約0.1%・約0.2%・約0.3%・約0.4%・約0.5%・約0.6%・約0.7%・約0.8%・約0.9%・約1%・約2%・約3%・約4%・約5%・約6%・約7%・約8%・約9%・約10%・約11%・約12%・約13%・約14%・約15%・約16%・約17%・約18%・約19%・約20%・約21%・約22%・約23%・約24%・約25%・約26%・約27%・約28%・約29%・約30%・約31%・約32%・約33%・約34%・約35%の細孔で構成され、特定の実施形態では、細孔の組成体積が約50nm(マクロ細孔)以上である。
活性炭は、特定の実施形態では「約50nm又はそれより大きいサイズの細孔」(マクロ細孔)で構成され、その組成体積が約0.1%超かつ約35%未満である。
活性炭は、約50nm又はそれより大きいサイズの細孔(マクロ細孔)で構成され、本実施例では、組成体積が約0.1%超過約10%未満である。
活性炭は、約50nm以上のサイズの細孔(マクロ細孔)で構成され、好ましい実施形態では、その組成体積が5%未満である。
【0066】
さらに、活性炭を含む電極構成物を有するエネルギー貯蔵デバイスは、「導電性添加剤」(カーボンブラック・スーパーp・ファーネスブラック・チャネルブラック・アセチレンブラック・サーマルブラック・ランプブラック・導電性炭素)を含んでもよい。
特定の実施形態において、組成体積パーセントは、導電性添加剤の2重量%~25重量%である。
好ましい実施形態では、組成体積パーセントは、導電性添加剤の2重量%~15重量%である。
ここで、好ましい実施形態では、「導電性添加剤の組成体積パーセント」は、「アセチレンブラック」約5重量%である。
【0067】
さらに、活性炭を含む電極組成物を有するエネルギー貯蔵デバイスは、2プロパノール・s-プロピルアルコール・IPA・イソプロピル・イソプロパノール・アルコール・水を含む「電極混合剤」を有していてもよい。
ここで、ある実施形態では、混合剤の組成体積パーセントは1重量%~25重量%の間である。好ましい実施形態では、混合剤の組成体積パーセントは、2重量%~10重量%の間である。
混合剤の組成体積パーセントは「4重量%イソプロパノール」が好ましい実施形態である。
【0068】
さらに、組成物は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)・「ポリテトラフルオロエチレン」(PTFE)・非反応性熱可塑性フルオロポリマ・コポリマ・ターポリマ・プラスチック複合体をふくむ「バインダ」を有し、「PVDF」(インクタイプ電極)と「PTFE」(自立電極)を有する「バインダ」が好ましい実施形態である。
なぜなら、スーパーキャパシタ電極混合剤・塗料・混合物・ペースト・インク・自立型電極複合材を形成するためである。
ここで、特定の実施形態において、組成体積パーセントは、バインダの1重量%~25重量%の間である。
好ましい実施形態では、組成体積パーセントは、バインダの5重量%~20重量%である。
「バインダ」の組成体積パーセントは「約10重量%のポリテトラフルオロエチレン(PTFE;水中に60重量%分散)」が好ましい実施形態である。
【0069】
さらに、エネルギー貯蔵デバイスは、種々の導電性金属・薄膜・メッシュ・導電性構造体である「電流コレクタ」を具備しており、金属・「ステンレス鋼・チタン・アルミニウム・銅」・「導電性炭素・グラフェン」を有し、ステンレス鋼とチタンが好ましい。
「電極混合剤」と「導電性材料」の双方ともに、0.0001mm~10mmの任意の厚さでよく、さらに任意のメッシュパターンや巻線であってよい。
【0070】
さらに、エネルギー貯蔵デバイスは、多孔性「プラスチック」・紙・繊維・「セルロース」・イオン透過性絶縁体を含む「イオン透過性セパレータ」(ion permeable separator)も備えている。
両方のイオン透過性セパレータは、0.0001mm~最大10mmのさまざまな厚さでよく、幅・長さ・形状も多様である。
【0071】
さらに、エネルギー貯蔵デバイスは、水性電解質・有機電解質・「塩電解質中の共溶媒」・イオンキャリア電解質・イオン電解質・ゲル電解質・ハイブリッド電解質・乾燥高分子電解質・セラミック電解質・固体状態の電解質デバイスなどの多様な「電解質」を含み、「塩電解質中の共溶媒」を含むものが好ましい。
水・アセトニトリル中の過塩素酸ナトリウム(NaClO:Sigma-Aldrich)の7.7モル~8.5モル溶液であるモル比が「1:1.5:2.5」の本実施例が、好ましい実施形態である。
【0072】
さらに、エネルギー貯蔵デバイスは、小型回路サイズのユニットからkWh・数kWhの超大型ユニットまで、任意のサイズと形状のコンテナ・ケースも含む。
【0073】
このエネルギー貯蔵デバイスの処理と構成により、通常の大気環境における液体電解質の投入が可能となる。
ここで、本願に記載された過程とデバイスは、安全で低コストの製造過程と、スーパーキャパシタなどの改良されたエネルギー貯蔵デバイスを実現する。
【0074】
本開示は、利用することで過程・製造・システム・デバイス・物理的エネルギー貯蔵デバイスを大幅に改善できるシステム・方法・発明を提示する。
本願に開示は、エネルギー貯蔵デバイス(とりわけ、スーパーキャパシタ)を製造するための発明と併せて、所定の細孔幅と細孔分布階層構造(distribution hierarchical structure)を有する活性炭を製造するための発明を提示する。
それは、好適な電解質により、電解質電荷キャリアの大きさと活性炭の細孔幅を適合させる過程を説明し、通常の大気環境でこれらのデバイスの組立てることを実現する。
これにより、活性炭の細孔幅と細孔分布階層構造・所望の電解質を具体的に制御・適合し、改善されたエネルギー貯蔵デバイスの製造を実現する。
ひいては、活性炭電極内の電解質とイオンの表面接触・相互接続・伝播が改善される。
これらの改善により、イオン相互接続と電荷輸送が良好になり、エネルギー密度と性能が向上する。
これは、電極材料の物質的な質量負荷(厚さ)が増加した場合にも当てはまり、通常、双方向の体積電荷輸送・体積イオンパッキングについて課題に直面し、これらの課題により、一般的にエネルギー密度と性能が低下する。
【0075】
本発明は、いくつかの実施形態において、エネルギー貯蔵デバイスやコンポーネントを製造するために多段階の過程を利用でき、これは、活性炭と電解質の間のイオンと細孔を確実に適合させる特定の細孔幅と細孔分布を有する炭素源原料から活性炭材料を生成することを含む。
【0076】
本願に記載される多段階の過程は、本実施例において、以下の過程を含みうる。
乾燥過程。
粒子をある大きさにする過程と粉砕する過程。
炭化する過程。
化学薬品に浸漬する過程。
浸漬化学薬品の均一な分布を確保するための混合過程。
乾燥する過程。
あらかじめ決定された細孔幅と細孔分布を有する活性炭材料を生成するための熱分解過程。
冷却過程。
添加剤を含む活性炭の洗浄過程。
活性炭に電極成分を添加する過程。
電極成分の混合過程。
電極塗布・自立電極形成過程。
任意の電極乾燥過程。
エネルギー貯蔵デバイスの組立過程。
追加オプション組立の乾燥過程。
電解質の含浸過程。
封止過程。
【0077】
活性炭は、通常、炭素質またはリグノセルロース前駆体から2つの既存の活性化手法を使用して生成される。
1)空気・二酸化炭素・水蒸気・酸素などの「ガス化剤(gasifying agents)を使用」して、材料を物理的・熱的に活性化する手法。
2)リン酸・塩化亜鉛・水酸化カリウムを含む1つ以上の化学薬品により「化学的活性化」する手法。
【0078】
従来の活性炭製造方法では、通常、石炭やバイオマスなどの炭化水素材料を使用して、乾燥・炭化・活性化など多くの過程で処理される。
炭化過程と活性化過程では、水素が豊富な製品ガスなどの可燃性ガスが生成される。
これらのガスは、通常、製造炉から別の燃焼室に排出され、そこで空気により酸化されて主に二酸化炭素と水蒸気が形成される。
これらは、二酸化硫黄や微粒子などの汚染物質を除去するために空気汚染制御システムに送られてもよい。
【0079】
本発明の一実施形態では、本開示は、スーパーキャパシタを製造するための連続過程を記載する。
この過程は、以下を備えている。
(a)原料として、炭素源を供給する過程。

(b)上記供給原料から、所定の細孔幅・細孔分布を有する活性炭を生成する過程。

(c)形成された活性炭内の「特定の細孔幅と細孔分布」に影響を与え、結果として生じるさまざまな要因(炭素源・乾燥・炭化(charring)・活性化剤の混合と浸漬時間・活性化剤の濃度・炭素源の濃度・熱分解反応温度・熱分解リアクタの雰囲気・温度上昇時間と下降時間・冷却時間・粒子サイズを含む)を制御する過程。
所定のあらかじめ決定された活性炭の細孔幅と細孔分布のために、電解質の最適な結合を確実におこなうためである。

(d)間接的・直接的に加熱される1以上の反応ゾーンで、不活性ガスならびにKOH・水・二酸化炭素の少なくとも1つを含む「活性化剤」を使って当該反応ゾーンの中で、化学品や蒸気により原料を処理し、前記反応ゾーンに機械的接続されたガス入口やガス出口を設け、炭素の活性化を促進する過程。

(e)上記反応ゾーンから、蒸気やスチーム(蒸気やスチームの別個の流れでもよい)の少なくとも一部を除去する過程。

(f)蒸気・スチームやそれらが熱処理された形態の少なくとも一部を、上述した処理過程にリサイクルするか、上記処理過程を通じた原料にリサイクルするか、合成ガス(都市ガス)に変換する過程。

(g)上記活性炭の少なくとも一部を取出す過程。

(h)上記活性炭を微細な粒子サイズに粉砕する過程。これは、活性化の前にも、また炭素の活性化後にもできる。

(i)1つ以上の混合チャンバ内で、活性炭を、導電性添加剤・バインダ・混合剤と混合する過程。
「導電性添加剤」には、カーボンブラック・スーパーp・ファーネスブラック・チャネルブラック・アセチレンブラック・サーマルブラック・ランプブラック・導電性炭素がある。
「バインダ」には、PVDF・PTFE・非反応性熱可塑性フッ素樹脂・コポリマ・ターポリマがある。
「混合剤」には、2プロパノール・sプロピルアルコール・IPA・イソプロピル・イソプロパノール・アルコール・水がある。
スーパーキャパシタ電極組成物には、混合・塗料・混合物・ペースト・インク・自立電極の形態がある。

(j)ステンレス鋼・チタン・銅・アルミニウム・銀などの金属である「導電性材料」をスーパーキャパシタ電極組成物または自立型電極に投入するために、上記混合チャンバには1つ以上の押出機(extruder)や噴霧器を相互接続したり機械的に結合する。
電極は、薄膜の場合やメッシュの場合がある。
ここで、電極混合剤と導電性材料の両方が、0.0001mm~最大10mmのさまざまな厚さであり、さまざまなメッシュパターンや巻線パターンがある。

(k)押出機は、スーパーキャパシタ組成物や自立型電極に上記「金属」を投入できるよう、ノズル・噴霧器(sprayer(s))・スクラッパ・プレスを備えるか、それらに機械的に接続される。
押出機は、金属に接触したり自立した構成でもよく、スーパーキャパシタ組成物を一定供給するために機械式ポンプ・コンプレッサ・重力フィード・プレス・オーガやプレスを備えていてもよい。

(l)デバイスは、アノード材料・カソード材料・イオン透過性セパレータのための、ワインダ・ローラ・ドラム・カッタ・クリンパ・モータを備えた「機械的供給ユニットやフィーダ」をさらに備えていてもよい。
これらは、当該デバイスに機械的に結合され、多孔性プラスチック・紙・繊維・イオン透過性絶縁体を含む「イオン透過性セパレータ」ならびに「導電性金属」の連続供給をするために使用される。
これらは、アノード・イオン透過性セパレータ・カソードが連続的に巻取られて積層されたエネルギー貯蔵デバイスやスーパーキャパシタセルを生成するように構成でき、複数のアノード・イオン透過性セパレータ・カソードが積層された各セルを積重ねできる。

(m)デバイスは、スーパーキャパシタコンテナやシェル構成部材(shell components)の前に「ヒータや脱水器を含む機械的供給ユニットやフィーダ」をさらに含んでもよい。
スーパーキャパシタのコンテナは、同デバイスに機械的に結合され、定期的間隔または所定間隔で、スーパーキャパシタ材料を含む新しいコンテナや一部完成したコンテナであるスーパーキャパシタコンテナを挿入・除去することを可能にする。

(n)エネルギー貯蔵材料やスーパーキャパシタ材料を含むエネルギー貯蔵コンテナ用の1つ以上の押出機に機械的接続された機械的供給ユニットやフィーダは、電解質を投入または注入するために、噴霧器やノズルを有していてもよい。
「電解質」は、有機電解質・水溶電解質・共溶媒や塩電解質・イオンキャリア電解質・イオン電解質・ゲル電解質・ドライポリマ電解質・セラミック電解質を含みうる。
通常の大気環境下にて電解質を投入できるようにするには、「塩電解質中の共溶媒」が好ましい。

(o)デバイスは、エネルギー貯蔵材料を含むエネルギー貯蔵コンテナ用としてコンテナ密封デバイス(sealing device)に機械的接続された機械的供給ユニットやフィーダを含んでもよい。
上記の密封デバイスは、アノードとカソードのリード線をエネルギー貯蔵デバイスの正端子・負端子に結合・固定するために、クリンパ・スクリュ・リベット・クランプ・プレス・溶接やシール・溶接機を含んでもよい。
密封デバイスは、別個のシールやコンポーネント有する若しくは有さない、コンテナの密封手段を有する。
また、上記密封デバイスは、内部エネルギー貯蔵圧力(たとえば、真空)の制御手段を含んでもよい。
真空ポンプは、内部圧力を下げるためのものであり、完成したエネルギー貯蔵デバイスやスーパーキャパシタセルを収容するための完成品エネルギー貯蔵セルホッパを含む。
【0080】
静電エネルギー貯蔵デバイスにおいて「電解質とともに使用される活性炭」の製造方法であって、
前記活性炭は、
2nm未満のマイクロ細孔幅を有するマイクロ細孔と、
2nm~50nmのメソ細孔幅を有するメソ細孔と、
50nmを超えるマクロ細孔径を有するマクロ細孔と、からなる複数の細孔を含む。

当該方法は、以下を含んでいる。
(a)以下からなる群から電解質を選択する過程。
溶媒和イオンや脱溶媒和イオンの平均サイズが「1nm以下」である「第1平均サイズ」の「第1電解質」と、
溶媒和イオンや脱溶媒和イオンの平均サイズが「1nmより大」きい「第2平均サイズ」の「第2電解質」。

(b)活性化温度と活性化時間を選択する過程。
「第1電解質」を選択した場合、活性化温度は「650℃~850℃」の範囲であり、活性化時間は30分~4時間の範囲である。
「第2電解質」を選択した場合、活性化温度は「750℃~950℃」の範囲であり、活性化時間は30分~5時間の範囲である。

(c)不活性ガスのもと、大気圧にて活性化温度で活性化時間のあいだ、炭素源を活性化し、メソ細孔よりもマイクロ細孔を多く含み、マクロ細孔よりもメソ細孔を多く含み、少なくとも「マクロ細孔が0.001%」になるように活性炭を生成する過程。
【0081】
過程(c)では、以下のように活性炭を生成する。

「第1電解質」が選択された場合、細孔のうち「50体積%~95体積%がマイクロ細孔」であり、細孔のうち「5体積%~50体積%がメソ細孔」であり、細孔のうち「0.001体積%~5体積%がマクロ細孔」である。

また「第2電解質」が選択された場合、細孔のうち「40体積%~80体積%がマイクロ細孔」であり、細孔のうち「20体積%~60体積%がメソ細孔」であり、細孔のうち「0.1体積%~20体積%がマクロ細孔」である。
【0082】
過程(c)では、以下のように活性炭を生成する。
第1電解質が選択された場合、細孔のうち約67体積%がマイクロ細孔であり、細孔のうち約32体積%がメソ細孔であり、細孔のうち約1体積%がマクロ細孔である。
【0083】
過程(c)では、
「炭素源を苛性塩基溶液にさらす」ことで「第1粉末」を生成し、
「第1粉末を活性化温度で活性化時間だけ加熱」することで、第1粉末を活性化して「第2粉末」を生成し、
「第2粉末を酸性水溶液にさらす」ことで「第3粉末」を生成する。
【0084】
本願の方法は、過程(d)の前に、炭素源を乾燥するか炭化することの少なくとも1つをさらに含む。
【0085】
本願の方法では、過程(d)が、「水酸化カリウムを含む水溶液」である「苛性塩基溶液」(caustic basic solution)に炭素源をさらすことを含む。
【0086】
本願の方法では、過程(d)が、炭素源に対する苛性塩基溶液の質量比に従って炭素源を接触または浸漬することを含み「質量比は1:1~12:1」の範囲である。
【0087】
本願の方法では、過程(d)が、1時間~24時間の範囲で、炭素源を苛性塩基溶液にさらすことを含む。
【0088】
本願の方法では、過程(e)が、電解質が水・共溶媒・塩を含むときに、第1粉末を「800℃の活性化温度で活性化時間2時間だけ加熱」することを含む。
【0089】
本願の方法では、共溶媒が「アセトニトリル」である。
【0090】
本願の方法では、塩が過塩素酸ナトリウムである。
【0091】
本願の方法では、塩のモル濃度が4~10Mの範囲である。
【0092】
本願の方法では、共溶媒と塩電解質のモル濃度が7~8Mの範囲である。
【0093】
本願の方法では、共溶媒と塩電解質のモル濃度が7.7である。
【0094】
本願の方法では、塩のモル濃度が7~8Mの範囲である。
【0095】
本願の方法では、「塩・水・共溶媒の各モル比」が、「塩が0.5~2の範囲」であり、「水が0.5~3の範囲」であり、「共溶媒が1.5~4の範囲」である。
【0096】
本願の方法では、塩・水・共溶媒のモル比が、塩・水・共溶媒に対してそれぞれ「1:1.5:2.5」である。
【0097】
本願の方法では、過程(e)が、第1粉末を活性化温度で加熱する前に「毎分10℃の昇温速度」で第1粉末を加熱することを含む。
【0098】
本願の方法では、過程(e)が、熱分解過程用に炭素材料を添加する前に、炉・リアクタを操作温度まで加熱することを含み、予熱した炉・リアクタに炭素材料を入れて所望の熱分解温度に到達させる。
【0099】
本願の方法では、過程(e)が、窒素・ヘリウム・アルゴンガスからなる群から選択される「不活性ガスの存在下で加熱」することを含む。
【0100】
本願の方法では、過程(e)が、第1粉末を活性化する前に、「第1粉末を任意に乾燥」させる。
【0101】
本願の方法では、第1粉末を活性化する前に、第1粉末を「60℃~200℃で乾燥」させることを含む。
【0102】
本願の方法では、第2粉末を「モル濃度4M」の「塩酸酸性水溶液」に「5分間~24時間さらし」、それにより「浸漬粉末を製造」する過程を含む。
【0103】
本願の方法では、過程(f)が、浸漬粉末を水中で洗浄して洗浄済粉末を生成する過程と、その後、洗浄済粉末を乾燥させる過程とをさらに含む。
【0104】
電極の製造方法であって、以下の過程を含む。
(g)上記方法で製造された「活性炭」と、「導電添加剤」(conductive additive)と、「バインダ」を含む電極混合剤を製造する。
【0105】
本願の方法では、過程(g)の方法は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)・フッ化ポリビニリデン・ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)・コポリマ・ターポリマからなる群から選択される「バインダ」を含む「電極混合剤」(electrode mixture)を製造することを含む。
【0106】
本願の方法では、過程(g)が、混合剤(mixture)をさらに含む電極混合剤(electrode mixture)を生成することを含む。
【0107】
本願の方法では、過程(g)が、導電性添加剤であるカーボンブラックと、カーボンブラックの良好なエマルションのための添加剤を含む混合剤であるアルコールとを含む電極混合剤を生成することを含む。
【0108】
本願の方法では、過程(g)が、導電性添加剤であるアセチレンブラックと、混合剤であるイソプロパノールとを含む電極混合剤を製造することを含む。
【0109】
本願の方法では、過程(g)が、70~90重量%の活性炭と、「5~20重量%のバインダであるポリテトラフルオロエチレン」と、1~10重量%の導電性添加剤であるアセチレンブラックと、0.01~0.3重量%未満の「混合剤であるイソプロパノール」を備える電極混合剤を製造することを含む。
【0110】
本願の方法は、さらに、以下を含む。
(h)「電極混合剤と導電性の電流コレクタとを組合せ」ることで、「アノードとカソードの一方を製造」する過程。
これは、「電極混合剤」を電流コレクタにプレスする・スプレーする・削る・「薄膜に圧延」する・押出す・成形する・個別に薄膜を形成することで実現する。

(j)必要に応じて、アノードとカソードの一方を乾燥させる過程。
これは、加熱されたチャンバを介して行われるか、通常の室温で一定期間自然乾燥される。
部屋やチャンバの湿度レベルを所望のレベルにするために、除湿する。
【0111】
本願の方法は、過程(h)が、アノードとカソードの一方を製造する前に、「電極混合剤を薄膜に圧延」することを含む。
【0112】
本願の方法は、過程(h)が、「電極混合剤」と、ステンレス鋼・チタン・アルミニウム・銅・導電性炭素・グラフェンからなる群から選択される材料を含む導電性の「電流コレクタ」と、を組合せることを含む。
【0113】
本願の方法は、過程(h)が、「電極混合剤」と、ステンレス鋼を含む「導電性の電流コレクタ」と、を組合せることを含む。
【0114】
本願の方法は、過程(j)が、アノード・カソードの一方を、55℃で12時間乾燥させることを含む。
【0115】
電気エネルギー貯蔵デバイス(apparatus)であって、
(k)上記の方法により作製された1対の電極と、
(l)上記の電解質であって、当該電解質は対である電極間に配置され、当該電極は所望の湿潤度(desired wetness)まで湿潤するか・電極混合組成物全体で所望の飽和度(desired saturation)まで飽和する。
【0116】
本願では、上記デバイスは、対である電極の間に配置されたイオン透過性セパレータをさらに備える。
【0117】
本願では、上記デバイスは、スーパーキャパシタである。
【0118】
[電解質(Electrolyte)]

バッテリと競合するために、高エネルギーを貯蔵でき低コストで安全なスーパーキャパシタ(SC)の開発が強く要望されている。
電気化学的な2重層キャパシタの主な電極材料である活性炭は、現在、静電容量の限界に到達している。
本願発明の戦略は、適切な電解質に合う細孔幅と細孔分布階層構造を調整してアクセス可能な表面積を高めることで、多孔質炭素の貯蔵能力を向上させることである。
これは、有機液体電解質中の炭素のアクセス可能な表面積が限られているためであり、一般的な商用のスーパーキャパシタ(SC)で使用されている大きな比表面積を持つ炭素でも同様である。
本願では、適切な電解質に合った細孔幅と細孔分布階層構造を調整してアクセス可能な表面積を高め、多孔性炭素の貯蔵能力を向上させる。
本願発明は、微孔性炭素の多孔性を、最近発見された「水/アセトニトリルハイブリッド電解質」と、良好な電解質湿潤性とを一致させることが非常に有利であることを提示する。
これらの実施形態は、「低い拡散抵抗」と「活性炭のアクセス可能な表面積の増加」させ、厚い電極であっても水性電解質や有機電解質と比べて高い容量性能をもたらす。
過塩素酸ナトリウム塩を含むこの水/有機ハイブリッド電解質(さらに、過塩素酸塩族の代替過塩素酸塩・有機過塩素酸塩・アンモニウム・アルカリ金属・アルカリ土類過塩素酸塩・遷移金属過塩素酸塩などの代替塩でもよい)は、コスト・安全性・「有機液体電解質よりもイオンサイズが小さい」という点で水性液体電解質と同様の利点があるだけでなく、広い「安定的な窓」(stability window)も提供する。
「大部分の細孔が2nm未満」の「低コストの石炭由来の微孔性活性炭」に対し「ハイブリッド電解質」を使用することで、41.2F/g(0.3F/cm、18.3F/cm)かつ1A/gで350Wh/Kg(271.3μWh/cm)の活性炭を含む最良の静電容量と高エネルギー密度のスーパーキャパシタ(SC)を作製できる。
本発明の利点をさらに確認するため、大きな表面積と多数のメソ細孔を備えた市販の活性炭の容量性能を調査したところ、比較重量測定式の静電容量について、本願の活性炭(39.5F/gおよび7.4F/cm)や最終的なスーパーキャパシタよりもはるかに密度が低く体積静電容量が低カッタ。
【0119】
スーパーキャパシタ(SC)として知られる電気2重層キャパシタ(EDLC)のエネルギー貯蔵メカニズムは、電解質イオンがアクセスできる非常に多孔性の電極表面におけるイオンの静電的な吸着と脱離に由来する。
スーパーキャパシタ(SC)は、充放電速度が高速で、電力密度が高く、メンテナンスが少なくて済み、寿命が長いため、民生用電子機器や輸送技術に採用されている。
しかし、スーパーキャパシタ(SC)は、リチウムイオン電池に比べてエネルギー密度が低く、送電網規模への応用や電気自動車用の電池の代替品とはみなされていない。
【0120】
「電極」と「電解質」はスーパーキャパシタ(SC)の形成機構において重要な役割を果たすため、高エネルギー密度で低コストのスーパーキャパシタ(SC)を製造する上で重要である。
電極側では、さまざまなソースに由来する「活性炭」(AC)が、高い2重層容量・低コスト・大きな「比表面積」(specific surface area)(SSA)・化学的安定性・高い電気伝導性・制御可能な細孔率ゆえに、商用のスーパーキャパシタ(SC)に最も広く使用されている電極材料である。
一般に、2重層の静電容量は比表面積(SSA)の増加とともに増えるが、静電容量(capacitance)は、特定の値(ある活性炭(AC)では1200~1500m/g)よりも高い「SBET値」(BET法により算出)に対しては一定となる。
さまざまな電解質における異なる細孔幅の活性炭(AC)に関する研究により、実際には静電容量と比表面積(SSA)の間に線形関係はなく、SBETが有効な比表面積(SSA)を反映していないおそれがあることが明らかになった。
電解質の種類・表面化学・細孔幅と細孔分布・細孔形状・細孔の接続方法(階層構造)その他の特性は、イオンのアクセス可能性に強い影響を及ぼし、ひいては比容量に大きく影響する。
【0121】
一般的に、活性炭(AC)は、マイクロ細孔(2nm未満)・メソ細孔(2~50nm)・マクロ細孔(50nm超過)を含む広範な細孔幅と細孔分布を有する。
マイクロ細孔とメソ細孔はともに静電容量に寄与するが、静電容量に対する細孔幅と細孔分布の影響は、研究結果と解釈の不一致により完全には解明されていない。
細孔幅は別として、細孔形状と細孔の接続方法(階層構造)は、炭素源の種類と活性化方法に応じて活性炭(AC)ごとに異なる。
関連する研究では、最高の静電容量をもたらす最適な空隙率を特定することは依然困難である。
以前の研究では、有機電解質の溶媒和シェルのサイズは1nmよりも大きいために、有機電解質では「1nm未満の細孔にアクセスできない」ことが示唆されていた。
たとえば、プロピレンカーボネート(PC)中のEtNBFの溶媒和イオンのサイズは各々、陽イオンと陰イオンについて1.35nmと1.40nmであった。
【0122】
その後、研究者たちは、平均細孔幅が1nm未満の微多孔性の「カーバイド由来の炭素」(carbide-derived carbon)(CDC)において、高い静電容量を達成した。
研究者たちは、「平均細孔幅がイオンサイズに近づくと、正規化された静電容量が増加する」ことを発見した。
このようなサブnmの細孔に対する静電容量の増加(表面積によって正規化)は、マイクロ細孔へのアクセスを容易化する、イオンの溶媒和シェルの部分的ないしは完全な除去により説明される。
そのため、一部では、微多孔性の炭素のみを用い、細孔幅をイオンサイズと一致させることで高い静電容量を達成することが提案されている。
しかしながら、「サブnmの細孔のみの電極では拡散抵抗が高くなって、速度能力と電力密度が低下」し、スーパーキャパシタ(SC)の重要な利点を損なう可能性がある。
さらに、炭素全体に基づく比静電容量は最重要なため、サブnmの細孔のみの電極を実現することは困難である。
そのため、微多孔性の炭素は静電容量を高めるものの、より広い細孔の割合が少ないと狭い細孔内での拡散が促進され、拡散抵抗が低下する可能性がある。
【0123】
本願発明者の目的は「マイクロ細孔とメソ細孔の間のバランスを確立する」ことであり、「メソ細孔はイオン輸送のチャネル(channel)として機能」する。
さらに、メソ細孔のサイズは5nm未満であって、2つの溶媒和イオンのサイズよりも大きいのがメソ細孔の上限であると思われる。
【0124】
本願発明は、所与の電解質を使用する電気化学的性能に基づき所与の炭素の細孔幅と細孔分布(階層構造)を調整するように構成し、本発明の改良例として、活性化過程を最適化することで実現する。
【0125】
電解質側では、電解質の種類が、活性炭(AC)の電気化学的性能に大きく影響する。
「有機電解質」は、2.5V~3Vという大きな安定性の窓から生じる高いエネルギー密度ゆえに、商用のスーパーキャパシタ(SC)で最も一般的に使用されている。
しかしながら、有機電解質は「湿気に敏感」であり、厳密に制御された環境下での精製と製造過程が必要なため、スーパーキャパシタ(SC)の製造コストが増加する。

安価な「水性電解質」は、可燃性と毒性の点で安全である。
通常、水性電解質は高い静電容量を有するものの、有機電解質に比べて必ずしも速度能力やイオン伝導率は優れておらず、比較的狭い電気化学的安定性の窓はエネルギー密度を制限する。
動作電圧は、酸性溶液やアルカリ性溶液である水性電解質では1V以下と比較的低いものの、中性電解質ではこれより高く、たとえば、NaSOでは1.6~1.8Vである。
【0126】
昨今では、水性電解質と同様の耐湿性と不燃性を備えたスーパーキャパシタ(SC)用の「水性/有機ハイブリッド電解質」が新たに開発されている。
「水/アセトニトリル」中の5m(モル)LiTFSIの最適濃度を持つ「ハイブリッド電解質」は、2.2Vの安定性窓を有するスーパーキャパシタ(SC)を生成した。
さらに、2.5Vスーパーキャパシタ(SC)用の新しい高濃度ハイブリッド電解質(水/アセトニトリル中の8m塩)を得るために、低コストの過塩素酸ナトリウム塩を同じ共溶媒とする戦略を採用した。
ハイブリッド電解質には自由水分子が存在しないため、高濃度の塩とアセトニトリル添加剤の組合せが、水性電解質よりも広い安定性窓の達成を助力する。
しかし、現在実証されている活性炭(AC)ベースのスーパーキャパシタ(SC)の比静電容量は、電極と電解質の間の不一致によると推定される有機電解質を使用した以前の既知のスーパーキャパシタ(SC)の比静電容量よりもまだ低カッタ。
【0127】
スーパーキャパシタ(SC)の構成における本願システム・方法の別の重要な利点は「電極と電解質との適合性」である。
本願発明の一態様は「多孔度を電解質と一致」させ(イオン細孔マッチング)、スーパーキャパシタ(SC)に蓄積されるエネルギーを増加させることで、活性炭(AC)(階層構造)の「アクセス可能な表面積を最大化する」ことである。

静電容量と速度性能の間には、いまなおトレードオフが存在する。
たとえば、微孔性炭素はもっぱら有機電解質中で高い静電容量を呈するが、細孔が狭すぎると拡散抵抗が高くなり、イオンと溶媒和イオンのサイズが大きくなって速度性能が低下する。
メソ細孔を有しているとマイクロ細孔へのイオンの迅速な輸送には役立つが、大きな細孔が過剰にあると、充填密度の低い炭素をもたらし体積静電容量の低下につながる。
さらに、低密度の活性炭(AC)で構成された電極は電解質を過剰に使用する必要があり、その結果、スーパーキャパシタ(SC)セルが重くなって全体的な重量静電容量が低下する。
したがって、マイクロ細孔とメソ細孔の間には「最高の容量性能が得られるバランスの狭い窓」があり、選択した電解質に対して実験的に定める必要がある。
本願に開示する機能・過程・システム・方法・イオン細孔マッチングの特定は、本発明の1つの例示的な態様・利益である。
【0128】
電極と液体電解質の間の良好な「湿潤性」(wettability)は、電極の適合性に関するもう1つの重要な基準である。
湿潤性は、電極に対する電解質の浸透に強く影響し、ひいてはアクセス可能な表面積に大きく影響する。
活性炭(AC)は一般に疎水性であり、炭素のマイクロ細孔を水性電解質で完全に濡らすことはできない。
このことは、「水性電解質が疎水性炭素には適さない」ことを示している。
厚い電極では誇張されているものの、通常、有機電解質は、疎水性炭素に対し良好な親和性を示す。
多孔性炭素と水性電解質の間の親和性を高める1つの手法は、「窒素や酸素を含む官能基」を活性炭(AC)に導入することである。
ただし、過度のヘテロ原子ドーピングは、電子伝導性の低下と構造的欠陥を引起こす。
本願発明では「共溶媒としてアセトニトリルが存在」するため、疎水性の活性炭(AC)もハイブリッド電解質により濡らすことができる。
核磁気共鳴分光法(NMR)により、炭素のマイクロ細孔にアセトニトリルが浸透し、「マイクロ細孔とアセトニトリルの間の親和性」が示された。
【0129】
電極と電解質の間の不均衡は、活性炭(AC)ベースのスーパーキャパシタ(SC)の不十分なエネルギー密度が主な原因であり、これは、炭素細孔へのイオンのアクセスが制限されていること(イオン細孔のミスマッチ、湿潤の問題)や、過剰な細孔により引起こされる低い充填密度に起因する。
本発明の本実施例は、電解質と対になった所望の活性炭を生成し、優れた性能を有するスーパーキャパシタを生成・実現するように構成される。
【0130】
本明細書で開示される発明は「電解質イオンがアクセスできる表面積を最大化する」よう、「微孔性炭素の多孔性を共溶媒電解質に適合させる」過程を説明する。
過塩素酸ナトリウムは、有機電解質に使用される一般的な塩に比べ低コストでイオンサイズが小さいため有利であり、本発明における有益な実施形態であってハイブリッド電解質に望ましい塩である。
活性炭(AC)の多孔度については、SBETが1200m/gを超えるマイクロ多孔性の炭素を選ぶことが好ましい。なぜなら、マイクロ細孔は2重層電荷蓄積において重要な役割を果たすからである。
水性電解質はイオンのサイズが小さいため、このような活性炭(AC)適合試験に合格する場合があるが、安定性の窓が低く、活性炭(AC)に対する湿潤性が不十分である。
有機電解質とハイブリッド電解質はともに湿潤性と安定性窓(2.7V対2.5V)の必要条件を満たし、ハイブリッド電解質のイオンと溶媒和イオンのサイズが小さいため優れた改良されたデバイスになる。
ここで、本願発明において同一の多孔質カーボンを使用する場合、「ハイブリッド電解質」は、その小さなイオンに対してより高い静電容量をもたらし、マイクロ細孔へのアクセスが容易になる。
たとえば、マイクロ細孔の一部は有機電解質のイオンが入るには小さすぎるものの「マイクロ細孔はハイブリッド電解質中のイオンのサイズと一致」し、このことは本発明の例示的な改善である。
さらに、「ハイブリッド電解質」は、より小さなイオンとそれらの溶媒和シェルの低い拡散抵抗により「優れた速度能力」(rate capability)を示し、これは、本発明における他の改善例である。
つまり、イオンのサイズが小さいハイブリッド電解質により、有機物に適合した炭素よりも細孔の小さい多孔性の炭素を使用できる。
これは、エネルギー密度と性能を向上させ、本願発明の例示的な利点である。
また、充填密度を過度に増加させることなく炭素の多孔度を調整できるため有用であり、これは本発明の別の実施形態であって利点である。
【0131】
本願発明の好ましい実施形態の1つは「ハイブリッド電解質」により最良の電気化学的性能を実現するために、「KOH飽和と活性化温度」に基づいて「細孔幅と細孔分布階層構造を微調整」することで活性炭(AC)の炭素源として微孔性石炭由来炭素を提示する。
「TC800」(800℃の活性化温度で活性化された燃料炭)と呼ばれる調製された活性炭(AC)は、「最大2nmのマイクロ細孔」と「2~6nmの範囲のメソ細孔」を含む階層的な細孔構造を有している。
【0132】
[実験(Experimentation)]
実施形態を以下に示すが、実験・実験検討・分析は一般に実験室規模における本願発明を記載しており、開示された過程・材料調製・デバイス構成・組成物は大規模な商用過程や処理への適応を意図している。
以下のセクションでは過程・アクション・構成・試験結果・理論を開示するが、本発明の範囲を限定するものではない。
当業者は、従来・近代的な製造・材料処理・エネルギー貯蔵構成方法を用いることで、本願の過程・システム・方法・組成物に利益をもたらしたり利用できる。
これらの過程や組成物は、本願発明の利益を実現するため又は開示発明の追加の実施形態として実施・利用できる。
【0133】
[燃料炭(TC)の活性化]

生の燃料炭(TC;カナダ・アルバータ州ドッズ(Dodds)炭鉱の亜瀝青炭)は人手により粉砕し、乳棒と乳鉢で「粉砕」した。
つぎに、「燃料炭(TC)粉末」をふるいにかけ(No.140、106μmの開口部)、それから350rpmで30分間ボールミルで粉砕した(Pulverisette 7、Fritsch GmbH)。
2mmの酸化ジルコニウムボールを使用して、細かい粒子サイズ(d50<20μm)とした。
「生の燃料炭(TC)」を「KOH水溶液」(KOHと燃料炭(TC)の質量比は2:1)に12時間浸し、60℃のオーブンで乾燥させた。
つぎに、燃料炭(TC)/KOHをステンレス鋼のコンテナに入れ、続いて、管状炉(Lindberg/Blue M(商標)Mini-Mite(商標))で窒素流のもとで加熱した。
サンプルを「10℃/分の昇温速度で加熱」し、活性化温度(600・700・800℃のいずれか)で「2時間」保持した。
つぎに、調製したままの活性炭(activated carbons)を「4MのHCl溶液」に「8時間」浸漬し、蒸留水で十分に洗浄し、60℃のオーブンで一晩乾燥させた。
最終生成物は、活性化温度に応じ、TC600・TC700・TC800で示した。
【0134】
[構造的特徴](Structural characterizations)

サンプルの形態は、走査型電子顕微鏡(SEM; Tescanmira 3 XMU)により取得し、元素組成は、エネルギー分散分光計(EOS; X-Max検出器、Oxford Instruments)により収集した。
X線回折(XRO; Bruker 08-Advance X線回折計)分光法を使用して、生の燃料炭(TC)・活性炭(AC)(TC600・TC700・TC800)の結晶構造を調べた。
活性炭(AC)の多孔特性を得るために、量子クロム装置を使用して77Kでの「窒素吸着・脱着」を測定した。
見かけの表面積は、Brunauer-Emmett-Teller(BET)法を使用して得られた。
【0135】
[電気化学的特性評価](Electrochemical characterization)

準備した電極は、本発明の例示された好ましい実施形態であり、「85重量%の活性炭(AC)」に、「10重量%のポリテトラフルオロエチレン」(PTFE;水中で60重量%の分散、MTI)と「5重量%のアセチレンブラック」(AB;MTI)と「イソプロパノール数滴」を混合して調製した。
ペーストを薄膜状にロールでプレスし、直径1.27cmの円形ディスクに打抜いた。
電極は、同じ直径のチタン織りメッシュに手動で押付け、「55℃」のオーブンで「12時間」乾燥させた。
電極の作製には、2種類の活性炭(AC)を用いた。
燃料炭(TC)ベース(TC600・TC700・TC800)と、活性炭(AC)30(ASAC30、AdvEn Industries Inc.)なる商用活性炭(AC)である。
多孔性と電解質の研究に使用する電極の面積質量負荷は「3.6~4.5mg/cm」の範囲である。
【0136】
すべての電気化学的試験は、対称的な2電極システム(CR2032コインセル)でスーパーキャパシタ(SC)を組立てることにより行った。
簡単にいえば、2つの特定の電極を2つのステンレス鋼電流コレクタの間に挟み、1つのセパレータ(水性電解質とハイブリッド電解質はワットマン(Whatman)グレード1、有機電解質はグラスファイバ)により分離した。
すべてのセルにおいて、使用した電解質の量は約80μLであった。
【0137】
「ハイブリッド電解質の塩:水:アセトニトリルのモル比」を「1:1.5:2.4」に最適化すると8m(モル濃度、mol/kg)の溶液が得られることが見出され、これもいくつかの本実施例を含んでいる。
また、室温での液体電解質の安定性を確保するために、別の好ましい実施形態では「近似モル比1:1.5:2.5」を使用した。
すなわち、水/アセトニトリル中の過塩素酸ナトリウム(NaClO; Sigma-Aldrich)の7.7m溶液と、1MのNaSO(Sigma-Aldrich)と、プロピレンカーボネート(PC)中の1Mのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(EtNBF;Sigma-Aldrich)は各々、ごく一般的な水性電解質や有機電解質として使用した。
有機電解質を含むスーパーキャパシタ(SC)は、アルゴンで充たしたグローブボックス中で作製した。
【0138】
電気化学試験は、電気化学ワークステーション(SP-150、BioLogic)を使用して行った。
ガルバノスタット充電・放電(GCD)測定は、個々のサンプルの速度能力に応じて、1~700mAの範囲の定電流で行った。
最小閾値は、電解質のイオン伝導率と粘度に依存し、クーロン効率が低下し始める電流として定義できる。
水性電解質・有機電解質・ハイブリッド電解質の最小GCD電流は、それぞれ1mA・2mA・3~5mAと定まった。
電気化学インピーダンス分光法(EIS)試験は、10mVの交流振幅とゼロ直流振幅で、100kHz~0.01Hzの範囲の周波数で記録した。
サイクリックボルタンメトリー(CV)曲線は、20~600mV/sの範囲のスキャン速度で実行した。
ガルバノスタット充電・放電(GCD)周期試験は、電池テスタ(BTS-4008-5V-50mA、Neware)と電気化学ワークステーション(VMP、BioLogic)により行った。
【0139】
スーパーキャパシタ(SC)の容量特性は、ガルバノスタット充電・放電(GCD)曲線に基づいて算出した。
セル静電容量は、式C=IΔt/(ΔV-VIR)を用いて決定した。ここで、Iは放電電流である。
Δtは放電時間、ΔVは電位窓を表し、VIRは放電曲線の開始時の電位降下である。
エネルギー(E)とパワー(P)は、それぞれ
E=0.5C(ΔV-VIR=0.5I(ΔV-VIR)ΔtならびにP=E/Δtにより推定した。
スーパーキャパシタ(SC)の等価直列抵抗(ESR)は、ESR=VIR/Iから算出した。
重量比静電容量・エネルギー・電力密度を得るために、これらをmで除算した。
ここで、mは両方の電極の総重量である(30個の活性炭(AC)・バインダ・導電性添加剤を含む)。
面積比静電容量・エネルギー・電力密度は、これらをAで除算することで算出した。
ここで、Aは電極の幾何学的面積(1.266cm)である。
また、電流密度は、I/mないしはI/Aとも定義される。
サイクリックボルタンメトリー(CV)曲線の電流は、CCV=I/(mv)を使用して静電容量に正規化した。
ここで、vはポテンシャルスキャン速度である。
【図面の簡単な説明】
【0140】
本発明は、本実施例の詳細な説明と図面を参照することで、説明される。
図1図1は、本願に開示されたシステム・方法の第1実施形態である。
図2図2は、本願に開示されたシステム・方法の機能過程を含むブロック図である。
図3図3は、本願に開示されたシステム・方法のスーパーキャパシタの層・内部構造を示す図である。
図4図4は、本願に開示されたシステム・方法のスーパーキャパシタの内部の細孔の列を示す図である。
図5図5は、本願に開示されたシステム・方法のスーパーキャパシタ内部の2つのリード線を有する単一の細孔シートを示す図である。
図6図6は、本願に開示されたシステム・方法のスーパーキャパシタ内部の複数のリード線を有する単一の細孔シートの反対側を示す図である。
図7】本願に開示されたシステム・方法のスーパーキャパシタの本実施例の外部ハウジング(outer housing)を示す図である。
図8】本願に開示されたシステム・方法のスーパーキャパシタの本実施例の外部ハウジングのカバーを示す図である。
図9図9は、本願に開示されたシステム・方法のスーパーキャパシタの本実施例の外部ハウジングの留具(fastener)を示す図である。
図10図10は、本願に開示されたシステム・方法のスーパーキャパシタの本実施例の外部ハウジングのシールとガスケットを示す図である。
図11図11は、本願に開示されたシステム・方法の、細孔内層・塩電解質中の共溶媒・高表面積で低コストかつ広く入手可能な派生複合材料を有する円筒形スーパーキャパシタの本実施例を示す図である。
図12図12は、本願に開示されたシステム・方法の細孔内層を有する円筒形スーパーキャパシタの本実施例を示す図である。
図13図13は、本願に開示されたシステム・方法の、区切られた内部セクションを有する円筒形スーパーキャパシタの本実施例を示す図である。
図14図14は、本願に開示されたシステム・方法の、区切られた内部セクションを有する層状ないしは立方体状スーパーキャパシタの本実施例を示す図である。
図15図15は、単一リアクタ複数ゾーン活性炭生成システムとエネルギー貯蔵生成システムを有する連続炭素材料供給システムを含む、本発明の本実施例を示す図である。
図16図16は、単一リアクタ複数ゾーン活性炭生成システム・エネルギー貯蔵生成システムを有する連続炭素材料供給システムを含む、本発明の本実施例のブロック図である。
図17図17は、多リアクタ多ゾーン活性炭生成システム・エネルギー貯蔵生成システムを有する連続炭素材料供給システムを含む、本発明の本実施例のブロック図である。
図18図18は、活性炭生成システム・エネルギー貯蔵生成システムを含む本発明の実施形態のブロック図である。
図19図19は、活性炭生成システム・エネルギー貯蔵生成システムを含む本発明の実施形態のブロック図である。
図20図20は、自立型電極生成システムを有するエネルギー貯蔵生成システムを含む本発明の実施形態のブロック図である。
図21図21は、インクタイプ/混合電極製造システムを有するエネルギー貯蔵生産システムを含む本発明の実施形態のブロック図である。
図22図22は、所定の細孔分布活性炭生成システムを含む本発明の実施形態のブロック図である。
図23図23は、エネルギー貯蔵生成システムを含む本発明の実施形態のブロック図であり、活性炭細孔と電解質イオンは大きさと分布が一致している。
図24図24(a)(b)(c)は、大きさの異なる細孔(0.6nm未満のマイクロ細孔、15nm未満のマイクロ細孔、2.5nm未満のメソ細孔)の表面に対する、溶媒シェルを有する/有さない電解質の吸収を示すであって、(a)は有機電解質、(b)は水性電解質、(c)はハイブリッド電解質である。
図25図25(a)(b)(c)(d)(e)(f)は、ハイブリッド電解質を使用したTC600・TC700・TC800 の炭素構造とスーパーキャパシタ性能に対する活性化温度の影響を示す画像であって、(a)(b)(c)はSEM画像、(d)はXRDパターン、(e)は窒素吸脱着等温線、(f)は細孔分布である。
図26図26(a)(b)(c)は、ハイブリッド電解質・有機電解質・水性電解質を使用してTC800から組立てられたスーパーキャパシタ(SC)の性能を示す図であって、(a)はTC1・TC4・TC5のガルバノスタット充電・放電(GCD)曲線から得られた比容量、(b)はTC1・TC4・TC5のガルバノスタット充電・放電(GCD)曲線から得られたラゴーン(Ragone)プロット、(c)は電気化学インピーダンス分光法(EIS)テストから得られたナイキスト線図である。
図27】(a)(b)(c)(d)(e)(f)は、ハイブリッド・有機・水性電解質(a~c)を用いてTC800から構成されたSCの性能を示す画像であって、(a)はTC1・TC4・TC5のGCD曲線から得られた比容量、(b)はTC1・TC4・TC5のGCD曲線から得られたRagoneプロット、(c)はEISテストから得られたナイキストプロットである。 挿入図の写真は、各電解質の表面湿潤性を示す電極上に電解質を滴下した後に4秒までの間に撮影されたものである。 ハイブリッド電解質(d~f)を用いて、TC800(TC1)とAC30(AC1)電極から作製したSCの性能比較であって、TC1とAC1に対し、(d)はCVを示す図、(e)は重量測定した静電容量と体積測定した静電容量を示す図、(f)は重量測定した静電容量と体積測定した静電容量によるラゴーン(Ragone)プロットである。
図28】(a)(b)(c)(d)は、さまざまな電流と電圧に対する、370k GCDサイクルにわたるハイブリッド電解質を使用したTC8(TC800、3.95mg/cm)のサイクル特性を示す画像であって、(a)はサイクル数に対する比静電容量を示す図、(b)はサイクル数に対するエネルギー密度を示す図、(c)はサイクル数に対する電力密度を示す図、(d)は、31個の緑色LEDが55分間点灯し、続いて32個の赤色LEDが4分間点灯した写真であって、緑色LEDと赤色LEDはすべて並列に接続され、2.5に充電された1つのSC(スーパーキャパシタ)によって電力供給されている。
図29】(a)(b)(c)は、研究文献で報告されている最先端のACベースのSC(SC1、SC2、SC3、SC4、SC5)に対するTC1の性能比較を示す画像であって、(a)は比静電容量を示す図、(b)は重量測定したラゴーン(Ragone)プロットを示す図、(c)は面積式ラゴーン(Ragone)プロットを示す図である。
図30】スーパーキャパシタの性能研究に関する現在の文献の性能比較と、商用利用可能なスーパーキャパシタに対する性能結果と、本願に開示された発明のシステム・方法で作製したスーパーキャパシタの性能結果を示す画像である。
図31】(a)(b)は、さまざまな活性炭における炭素細孔の階層構造を示す画像であって、(a)は本発明のシステム・方法による活性炭の好適な階層構造を示す図、(b)は高度な微孔性活性炭の階層構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0141】
[発明の詳細な説明]
本願開示は、本願発明を当業者が作製・使用できるようにし、また、いくつかの代替的な実施形態・適応・変形・代替・使用を記載する。
本開示の実施形態・追加実施形態・特徴・利点は、本開示の詳細な説明を参照し、添付の図面と併せて参照することで、当業者にとって明らかになる。
【0142】
本願の明細書と特許請求において、単数形の使用を文脈が明確に示されていない限り、単数形「a」、「an」、・「the」は複数形を含むことがある。
明確に示されない場合、本明細書で使用されるすべての技術的・科学的・記述的用語は、通常の技術を有する当業者によって一般的に使用される用語や形態と同じ意味を有する。
【0143】
特に明示されていない限り、本明細書・特許請求の範囲で使用されている反応条件・化学量論・成分濃度などを表すすべての参照番号は、用語「約」によるすべての例を考慮するものと解される。
また、特に断りのない限り、明細書・特許請求の範囲に記載された数値パラメータや数値範囲は、特定または代替の分析技術に応じて変化できる近似値として表されている。
【0144】
本願開示において、「マクロ細孔」(macropore)という用語は「50nmを超える細孔幅を有する細孔」を指す。
本願開示において、「メソ細孔」(mesopore)という用語は「約2nm~約50nmまでの細孔幅を有する細孔」を指す。
本願開示において、「マイクロ細孔」(micropore)という用語は「細孔幅が約2nm未満の細孔」を指す。
【0145】
本願の記述では、「炭素源」(carbon source)という用語は、炭素元素を含む材料(原料・製品・反応中間体)を意味することを意図している。
炭素源は、日・月・年・数十年・数世紀・数千年・数百万年・それ以上の時間スケールで再生可能である。
【0146】
本願の記述において「試薬」(reagent)という用語は、その最も広い意味合いを指す。
試薬は、燃料・化学物質・材料・化合物・添加剤・成分の混合物・溶媒・その他である。
試薬は、必ずしも化学反応を引起こしたり反応する化学物質ではない。
試薬は、特定の反応において消費される化学反応物の可能性もあり、消費されない化学反応物の可能性もある。
試薬は、特定の反応の化学触媒のこともある。
試薬は、材料の機械的・物理的・流体力学的要素を調整するために使われることもあり、試薬が一部含まれないこともある。
【0147】
本願にて提供される「炭素源」は、通常、その重量の約半分を炭素として含み、一般的にバイオマスは約50重量パーセント以下である。
特定の原料組成に応じて、炭素源には、少なくとも40重量パーセントの炭素・少なくとも45重量パーセントの炭素・少なくとも50重量パーセントの炭素・少なくとも55重量パーセントの炭素・少なくとも60重量パーセントの炭素・少なくとも65重量パーセントの炭素・少なくとも70重量パーセントの炭素・少なくとも75重量パーセントの炭素・少なくとも80重量パーセントの炭素・少なくとも85重量パーセントの炭素・少なくとも90重量パーセントの炭素・少なくとも95重量パーセントの炭素・少なくとも96重量パーセントの炭素・少なくとも97重量パーセントの炭素・少なくとも98重量パーセントの炭素・少なくとも99重量パーセントの炭素が含まれる。
【0148】
前述にもかかわらず、「炭素源」という用語は、本明細書では実用のためだけに用い、さまざまな代替実施形態において本システムを構成するために処理される材料の説明に使われる。
特定の炭素含有量・炭素濃度・炭素組成に関する制限は、用語自体から暗示されるものではなく、特定の実施形態・その均等物を参照することでのみ暗示されるものとする。
たとえば、本願システム・方法に供された初期炭素含有量が低い材料は、高収率の炭素源を提供できる「出発物質」(starting material)に比べ、炭素源として高度に改良された炭素源を生成できる。
しかし、炭素が約50重量パーセント以下である炭素源を含みうる低純度の炭素を有する比較的低炭素源の出発材料には無関係である。
また、炭素源は、炭素を含む原料や混合物か、炭素に変換される可能性のある原料や混合物でもよい。
基本的に、炭素源は、炭素・水素・酸素を含みうる。
本願システム・方法・デバイスは、さまざまな種類・サイズ・水分含有量の広範囲の原料(feedstocks)に対応可能である。
【0149】
炭素源は、たとえば、植物や植物由来材料・草木・農業廃棄物・林業廃棄物・木材廃棄物・紙廃棄物・動物由来廃棄物・家禽由来廃棄物・都市固形廃棄物・バイオマス・木材収穫残渣・針葉樹チップ・広葉樹チップ・木の枝・木の切株・節・葉・樹皮・オーガくず・紙パルプ・セルロース・麦わら・稲わら・サトウキビのバガス・スイッチグラス・ススキ・家畜糞尿・都市ゴミ・都市汚水・商業廃棄物・軽石・アーモンドの殻・ピーカンの殻・ココナッツの殻・コーヒーかす・草のペレット・干草のペレット・木製ペレット・段ボール・紙・炭水化物・プラスチック・布・バイオマス以外の化石などの炭素含有原料燃料・石炭・石油コークス・バイオマスと石炭の混合物などのバイオマスと化石燃料の混合物を含んでもよい。
本実施例では、炭素源の原料は、石炭・オイルシェール・原油・アスファルト・石油コークスなどの原油処理された固体であるか、もしくは、それらを含んでいる。
炭素源は、廃タイヤ・再生プラスチック・再生紙・その他の廃棄物や再生材料を含むものでもよい。
【0150】
図1は、本願システム・方法の第1実施形態の図であり、燃料炭・石油コークス・バイオマスなどの安価で豊富な材料から作られる静電貯蔵デバイス(スーパーキャパシタ)135の保守性を実現するために必要な構成要素を示している。
従来のキャパシタは、使い捨て型で保守できないように設計されている。
このことは、一般的に物理的サイズが小さいこと、単一のデバイスやユニットとして使用されるスーパーキャパシタの数量、これらのデバイスの保守にかかるコストが不経済であること等いくつかの要因による。
送電網規模のエネルギー貯蔵用のスーパーキャパシタ135ベースの大型システムの出現により、スーパーキャパシタの寿命と動作性能を拡張する目的で、スーパーキャパシタ135の保守能力は、現在、使い捨て型に代えて実行可能かつ経済的になってきている。これは、本願システム・方法により実現される。
さらに、送電網規模での応用にスーパーキャパシタを用いると、低コストで利用でき、作製のための潜在的なエネルギー密度を少なくでき、エネルギー密度を最大化し且つ物理的なサイズでバッテリ技術と競合するために高級材料を使用する必要もなくなる。
【0151】
第1実施形態は、「再密封可能(resealable)なコンテナ15」を利用しており、これは当該コンテナ15が利用者の裁量で開閉できることを意味する。
これにより、スーパーキャパシタ135が開封可能になり、保守の完了後には再封止できる。
このような構成は、主要なスーパーキャパシタのハウジング15またはコンテナ15、ガスケット65またはシール65、分離可能なカバー25、留具(fasteners)35、保守を受けるのに適するスーパーキャパシタ135の「内部の内容物99」を利用して、いくつかの手法で実現できる。
【0152】
また、別の実施形態では「再密封不可能(non-resealable)なコンテナ15」を利用でき、「内部の内容物99」を取外して、追加された別のコンテナ15に入れることもできる。
スーパーキャパシタ135は、穿孔された「セパレータと電極の層99」を利用する。
これらの穿孔は、スーパーキャパシタ135を保守するときに、スーパーキャパシタ135内部の内容物99全体に電解質(図示略)を注入し飽和させることを可能にする。
これらの穿孔により、スーパーキャパシタ内部の「内容物99」を備える電極と導電性材料を均一かつ完全に飽和させるという課題を解決できる。
【0153】
スーパーキャパシタ135の構成要素ならびに静電界として電荷を蓄える自然特性は、スーパーキャパシタ135の要素の劣化を抑える。
具体的には、低コストの炭素源(図示略)から得た活性炭は、非常に安定した元素であり、頻繁に使用され、堅牢で非常に長い動作寿命を提供する。
さらに、一般的に、スーパーキャパシタ135の各セルの金属部品は、電荷が単に静電的に蓄積されないように、また当該セルが電気的に動作することを防止するために、同種の金属で形成される。
ガルバニ電池は電荷を蓄えている金属要素を時間経過に伴って劣化させるため、ガルバニ電池が形成されないようにすることで、電解質(図示略)の腐食・劣化により起こる電極に使われる金属の主な故障を防止できる。
電極を腐食させない、もしくは電極の腐食を最小限に抑えるよう設計することで、セルが安定し非常に長い動作寿命が得られる。
このような最小限の劣化は、いくつかの非限定的な例として、ステンレス鋼・クロム・グラフェンなどの長寿命を持つ高級な導電性材料を使うことで達成できる。
【0154】
上記の設計・動作の方法論は、従来の電池や現在入手可能なスーパーキャパシタ135では引出せていないスーパーキャパシタの利点を実現する。
これには、保守が必要なセルのコンポーネントに対し保守をできるようにすることで、各セルの動作寿命を延ばすことが含まれる。
これは、これらコンポーネントへのアクセスを提供し、故障や障害のあるコンポーネントを適切に識別し、当該コンポーネントに対する均一かつ適切な保守をできるようにすることで実現される。
さらに、低コストの豊富な炭素源を使用すると、商業的成功において重要な要素であるデバイスのコストを削減できる。
さらに、広く入手可能な炭素源を使用することで、成功の重大要素である技術の迅速な拡張も図られる。
【0155】
第1の例示的な保守手法は、一般式NACL04の過塩素酸ナトリウムと、一般式CH3CN
のアセトニトリルと、水を含む「塩電解質中の共溶媒」などの電解質を投入することである。
いくつかの実施形態における電解質は、約7~8のモル比を有し「過塩素酸ナトリウム1部と水1.5部とアセトニトリル2.4部」からなるが、一般的な塩・リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)・塩化ナトリウム・2塩素酸アンモニウム・硫酸マグネシウム・炭酸水素ナトリウムも含みうる。
変形例における液体電解質は「電解質塩中の共溶媒・水性電解質・有機電解質・イオン流体のいずれか」を含む。
第1実施形態における電解質は、「穿孔(perforating)85」と「デバイスの内部層99」に投入され、それから、これらの層を整列したことで、噴射装置(injector)(図示略)がこれらの列に電解質(図示略)を注入し、デバイス全体にわたって導電性要素99が飽和される。
【0156】
穿孔(perforation)85の手法・形状は、必ずしも重要ではなく、任意の数の異なる穴・スリット・形態・形状やそれらの組合せを含みうる。
穿孔85は、組立に先立って各シートにあらかじめ形成でき、さらに、組立てて完成した保守可能なデバイス135を密封する前に穿孔85を形成することができる。
穿孔85は、アノードとカソードとを分離しているセパレータにあらかじめ形成することができ、また所望する結果によってはセパレータに穿孔しなくてもよい。
【0157】
図1は、保守可能な静電貯蔵デバイス135を表しており、本実施例は、コンテナ15と、コンテナの蓋であって分離可能なカバー25と、留具35と、リード絶縁ホルダ175と、リード線115と、ガスケット65もしくはシール65と、を備えるスーパーキャパシタ135である。
スーパーキャパシタのセクション99は、「穿孔85」を含む2重層電解キャパシタ125で構成されたスーパーキャパシタ135を含みうる。
「スーパーキャパシタの保守」操作は、留具35とコンテナのカバー25を取外して上記キャパシタのセクション99にアクセスしたのち、2重層電解キャパシタ125の「穿孔85に電解質を注入」することで行われる。
このように新規で安定した電解質を提供することでスーパーキャパシタ135を根本からリフレッシュし、スーパーキャパシタ135の寿命を延ばすことができる。
本願発明者は、スーパーキャパシタ135を使用した研究と実験により、スーパーキャパシタ135の早期故障には2つの主原因があると判断した。この主原因には電解質(図示略)と電極115をなす金属が含まれる。
一般的に、セルの残り部分を構成する電極セパレータ・コンテナ15・炭素材料(図示略)は、ほぼ無期限に安定している。
スーパーキャパシタ135の構成要素が故障したり、時間経過により摩耗した場合にも保守をすることにより、長期間にわたって、場合によっては多世代にわたる期間にわたり、利益をもたらすデバイスを作製できる。
この本実施例では、2重層電解キャパシタ125を例に挙げているが、これらのデバイスの堅牢で長寿命を提供する本願システム・方法の利点を、ハイブリッドキャパシタ(図示略)を含む多数の他型式のキャパシタ135にも活かすことができる。
充電用のスーパーキャパシタ135を例に挙げているが、可能な代替実施形態が本明細書にてさらに参照され、セクション「貯蔵デバイス」を参照して説明・実現され、参照された可能な代替実施形態が本明細書にてさらに参照して説明され、セクション「応用」だけでなくセクション「実装」を参照して説明・実現できる。
【0158】
図2は、本願システム・方法の機能的過程を含むブロック図である。
図2には、低コストの炭素源と「塩電解質中の共溶媒」から構成されるスーパーキャパシタ135・他の保守可能なデバイス135を特定することと、保守が必要かどうかを判定(225)するためのデバイスのテスト205と、当該デバイスが保守を必要とするかどうかにより動作状態からデバイスを取外すか(235)、もしくはデバイスを動作状態に復帰させる(215)ことが含まれる。
デバイスが動作状態から取外された場合(235)、デバイスを保守する過程は、デバイスを開封し(245)、デバイス内部の内容物へアクセスし(255)、デバイスを保守し(265)(デバイスの液体電解質の保守275を含む)、保守の終了後にデバイスを封止し(285)、デバイスを動作状態に復帰させる(215)。
保守可能なデバイス135は、スーパーキャパシタ135を含むさまざまな異なる静電貯蔵デバイスやアキュムレータを含んでおり、スーパーキャパシタ135・固体電解キャパシタ・ハイブリッドキャパシタ(図示略)などが非限定的な実施例である。
デバイスのテスト(205)は、容量試験・電圧試験・タイミングベース試験・熱試験・フェード試験や安定性試験・電流吸収試験・その他の保守可能なデバイス135が所望の動作特性と動作性能で動作しているかどうかの確認試験を含む多くの方法で実現できる。
保守を必要としている保守可能なデバイス135が特定されると(225)、保守を行うために、同デバイス135を動作状態から取外す必要がある(235)。
この段階で、通常、デバイス135は保守のために開封(245)されるものの、保守可能なデバイス135中に同デバイスの保守に必要な保守システム・保守コンポーネントを直接組込んでおくことにより当該デバイスを開封することなく保守をおこなうことができる。
通常、スーパーキャパシタ135は寿命が非常に長く、100万~200万サイクルの持続能力があると言われる。そのため、一般的には、ストレージ容量が少ないことと相まって、保守を行うことは不経済となっている。
非常に大規模なシステムの出現と、キロワット時の容量を持つスーパーキャパシタ135を備えたエネルギー貯蔵方法の開発により、保守可能なデバイス135を実現し、運用寿命を延ばし、建設コストを削減することの利点が明らかとなった。
研究を通じて、本願発明者は、デバイス内に特定の構造と材料が存在していることが、デバイスの早期故障の原因になっていると判断した。
さらに、本願発明者は、これらのデバイスにおけるエネルギー貯蔵の単位あたりのコストを下げるため、低コストで広く入手可能な材料を使うことで恩恵を受ける応用分野を特定した。当該応用分野には、送電網貯蔵・電気自動車・電子機器・電気電子デバイスが含まれる。
【0159】
スーパーキャパシタ135の故障原因のうちでも、とりわけ頻度の高いものは「電解質(図示略)の不安定性」である。
一部の実施形態では、基本的に、イオン導電性添加剤として機能する溶液(図示略)内の可溶性材料(図示略)で形成される電解質は、時間の経過につれて安定性を失いはじめ分離する。
これには、ガス発生や蒸発が含まれる場合があり、また溶液中における固体の分離も含む。
電解質が不安定・不適切になることと、スーパーキャパシタ135が機能しなくなるか最適な方法で動作しなくなること、が一般的なポイントである。
液体電解質を保守(275)できるようにすることで、スーパーキャパシタ135の動作寿命と性能を延ばすことができる。
これは、他の形態のエネルギー貯蔵、特に送電網規模において、保守をしたり動作寿命を延長する機能がないことを考えると非常に有益である。
この例は、通常2000~8000サイクル後に、リチウムイオン蓄電溶液全体の交換が必要なリチウムイオンである。
寿命を長期化することは、経済的・環境的に利点をもたらす。
これは、我々の文明が炭化水素から完全に移行するのに必要なエネルギー貯蔵量を達成するためであり、さらに、保守可能なデバイス135のようなスーパーキャパシタ135の動作寿命を延ばすことの経済的利益は、保守可能な貯蔵デバイス135を頻繁に交換する必要がない点にある。
充電用のスーパーキャパシタ135が参照されているが、可能な代替実施形態が本明細書にて追加参照され、セクション「貯蔵デバイス」を参照して説明・実現され、また、可能な代替実施形態が本明細書において追加参照され、「応用」セクションだけでなく「実装」セクションを参照して説明・実現される。
【0160】
図3は、本願システム・方法の「穿孔85の柱」(perforation columns)を明確に示すために組合わされたスーパーキャパシタ135の層・内部を示す図である。
大きな静電容量を持つスーパーキャパシタの一般的な構成は、従来より、巻かれた円筒形の構成である。
スーパーキャパシタ135の層を作製時に一緒に巻くことは、主流の製造過程ではあるものの、電解質(図示略)の保守をより困難にする。
本明細書では穿孔85・分離によりキャパシタの内部領域を保守する方法を説明するが、これは必要条件ではなく、電解質は従来の注入・分離方法により保守できる。
2重層電解キャパシタ125は、導体45・セパレータ95・リード線115・穿孔85・表面積の広い低コスト化合物(図示略)などの材料から構成される。
これらの材料は、一般に、表面積が広く低コストの化合物(図示略)がセパレータ95層を有する導体45に投入・適用される。それから、別の表面積が広い化合物(図示略)が分離した導体45に投入される。そして、「塩電解質中の共溶媒」(図示略)などの電解質で飽和させて、積重ねたり巻いたり層状にする。
このような構成は、本願システム・方法で利用する場合に有益であり、具体的には、2重層電解キャパシタ125の層を積重ねて、インジェクタがすべての層を飽和させられるようにすることで、保守における過程が簡単になり非常に有利である。
図3の層状の穿孔85の構成により、電解質(図示略)の効率的な保守が可能になり、多くの別個のスーパーキャパシタセルを一斉に保守できるシステムが実現される。
本願システム・方法が多大な経済的利益を提供するために、保守を簡素化できることは、多数のセル135とシステムの保守を実現するための重要な特徴となる。
【0161】
図4は、本願システム・方法のスーパーキャパシタ内部の列状の穿孔85を示す図である。
図4は、2重層電解キャパシタ125の、この非限定的な例における穿孔85の列を表すことを意図している。
図4では、導体45・セパレータ95は、穿孔85が均一の列状に穿孔されており、これにより、保守時に、電解質(図示略)を2重層電解キャパシタ125全体にわたり均一な間隔で注入することが可能になる。
リード線115は、絶縁セパレータ75により、ブリッジ接続にならないよう分離されている。
穿孔85の利点は、大型のスーパーキャパシタ135や一般的な商用規模のスーパーキャパシタであっても、スーパーキャパシタの層を分離することなく電解質や洗浄剤を注入できることである。
保守をしている最中に層を分離する必要がないため、たとえば、炭素要素(図示略)が導電性電極から剥離するなどのキャパシタに生じる損傷を少なくできる。
さらに、穿孔85の列の均一な分布により、液体電解質が外側にむかって飽和し、キャパシタ135の導電性空間すべてが完全に飽和でき、これにより保守後における最適な性能が実現される。
【0162】
図5は、本願システム・方法のスーパーキャパシタ内部にある2つのリード線115を有する単一の「穿孔85が空けられた薄膜」を示す図であり、複数のリード線が、対向する面または垂直面を含むアノード・カソードを備えている。
「穿孔85が空けられた薄膜」には、導体45・穿孔85・リード線115が含まれる。
この穿孔された構成(perforation design)が、図5のような単一のシートが組立てられたときに最も効果的であるには、キャパシタの内部材料を損傷することなくインジェクタが列に到達できるよう、それらを積み重ねて列を整列させる必要がある。
この例では、穿孔は円形であるが、さまざまな形状を使用でき、穿孔間の距離は液体電解質の粘度を含む要因の数に応じて変化してもよい(図示略)。
場合によっては、分離材料が導電性材料45全体に電解質を分配できるよう、分離材料に穿孔85を直接設けることも当然に有益である。
これは、電解質(図示略)の分配経路(distribution pathways)として機能する小さな穿孔85を、セパレータのチャネルに組込むことで実現できる。
【0163】
図6は、本願システム・方法のスーパーキャパシタ内部の4つのリード線を有する単一の穿孔シート85を示す図であり、たとえば、石炭・石油コークス・バイオマスから得られる活性炭などの表面積が広く低コストで豊富な「混合剤55」で覆われている。
図6には、導体45・穿孔85、・リード線115が含まれる。
特定の構成では、電極115(アノードとカソード)からの複数のリード線を有することで利益を得ることができ、より多様なアセンブリと接続レイアウトが可能となり、これには複数の組立てられた上部コンデンサだけでなく複数の各層のための最終的な接続形態が含まれ、リード線115は、コンテナの同じ面・反対の面や垂直面に配置できる。
この複数のリード線の構成は、スーパーキャパシタの性能にメリットをもたらしうる。なぜなら、アノードとカソードの両方(正端子・負端子・電流コレクタ)に複数の対向リード線または垂直リード線を使用すると、「電荷の拡散抵抗を低く抑えられる」からである。
この低い拡散抵抗は、セル内で電荷が移動する距離が短いことに起因しうる。
この非限定的な構成例は、スーパーキャパシタの上部・下部の両方に正のアノードと負のカソードを有する円筒形のスーパーキャパシタを設けることである。
この非限定的な例では、正の接続と負の接続を個別に上部・下部のアノードとカソードに個別に行うことができ、あるいは正・負の接続を上部・下部のアノード・カソードに同時につなぐこともできる。
アノードとカソード双方が、適切な極性のリード線の正極と負極に同時に接続された場合、この構成により充電や放電における拡散抵抗が非常に低くなり、直列回路や直列接続内のスーパーキャパシタ動作が可能になる。
この複数リード線構成は、あらゆる形態のスーパーキャパシタ・バッテリ・蓄電デバイスに利益をもたらしうる。
バッテリやスーパーキャパシタのいくつかの非限定的な実施例が、本明細書全体で参照され、参照により本実施形態に組込まれる。
【0164】
図7は、本願システム・方法のスーパーキャパシタの本実施例の外部ハウジングであるコンテナ15を示す図である。
これは、内部セクション99と、留具(fasteners)用の穿孔(perforations)85と、独自の穿孔85を備えた「リード絶縁ホルダ175」を示している。
【0165】
特定のハウジング15は、一例として立方体形状を示すものの、一般的な商用のスーパーキャパシタが使用しているような円形構成など異なる形状の構成を採用でき、本願システム・方法の利点を依然として利用できる。
【0166】
また、コンテナ15は、オペレータがスーパーキャパシタ内部の内容物にアクセスできるよう、異なるロック機構(図示略)を備えていてもよく、ねじって取外し可能な蓋・ロックハンドル・さまざまな種類のシール係合などの各種の円形ロックにより構成できるが、いくつかの非限定的な例としてハウジング15を使用する。
いくつかのハウジング15は、スーパーキャパシタ内部の内容物がケース(casing)15内に格納されたままで、電解質(図示略)や他の各種部品の保守を可能にするための「入口」・「出口」(図示略)を含む。
さらに、いくつかの実施形態は、保守(servicing)のために、スーパーキャパシタ内部の内容物を取外すことができる。
【0167】
保守可能なスーパーキャパシタのコンテナ15は、フランジや、ガイドや、リブやスライダや溝(groove)を含みうるインターロック構成や、これらの非限定的な他の変形例を含んでもよく、それらのいくつかは図示を省略している。
ここで、スーパーキャパシタ内部のコンポーネントは、ハウジング15内において取外し・保守・再取付するためのカートリッジとして機能しうる。
プラスチックバッグや真空バッグ(図示略)などの内部封入機構を使用すると有利なことがあり、例としては、スーパーキャパシタ材料を密封するためのポリカーボネートバッグ(polycarbonate bag)がある。
これは、スーパーキャパシタ材料をバッグに入れてから空気を排出して真空に引いたあと、この密封されたバッグをコンテナ15に格納することで実現できる。
この操作により、実際に保守可能なコンテナユニット15内を真空にすることなく、スーパーキャパシタの内部コンポーネントを取外しできる。
また、これにより外側のコンテナ15をさまざまな材料で構成でき、構成に柔軟性を与えることができ、たとえば、補強されたベースを備えた薄い側壁を有するようにしたり、鋼・成形プラスチック・複合材料などの安価な材料を使用できる。
【0168】
一実施形態では、保守可能なコンテナ15の形状は、対向する平行な直線辺の第1の組と、対向する平行な直線辺の第2の組とを有する平行四辺形であり、図示されている正方形が特に好適である。
すでに述べたように、さまざまな形状と変形例を使用することができる。
【0169】
図8は、本願に開示されたシステム・方法のスーパーキャパシタの本実施例の外部ハウジング(図7)の「カバー25」を示す図であり、留具(fasteners)(図9参照)用の穿孔85を示す。
この例では穿孔85を使用するが、取外し可能なカバー25は、たとえばヒンジ・ロック機構・アーム(図示略)でコンテナに取付けてもよい。
取外し可能なカバー25は、所定の位置にスライドするために適した形状の溝・チャネルでもよい。
また、取外し可能なカバー25は、ねじ込み式の蓋として機能するように、溝(grooves)・チャネルを備えた円形状でもよい。
取外し可能なカバー25は、シール(seal)を用いて所定の位置に押込まれ、ピンや挿入物を使用して所定の位置に保持することができるよう凹ませることができる。
保守のためにキャパシタ内部の内容物へのアクセスを可能にする分離可能または取外し可能なカバー25をコンテナが有することを可能にする、本願システム・方法の範囲・意図から逸脱しない多くの変形例が存在する。
【0170】
図9は、ボルト185とナット195を含む、本願システム・方法のスーパーキャパシタの実施例の外部ハウジングの「留具35」を示す図である。
この例では、ボルト185とナット195が、再密封可能なコンテナを構成するための機構の例として採用されているが、いくつかの非限定的な例として、ロッキングアーム・スクリュトップ・永久的か非永久的な溶接・スタック可能なカートリッジ・インターロッキングフレーム・溝やチャネル・圧着・クランプ・プレスシール・リベット留め・真空シールを含め、さまざまな種類の機構を使用できる。
【0171】
図10は、本願システム・方法のスーパーキャパシタの実施例の、穿孔85を有する外部のハウジングシール65や「ガスケット65」を示す図である。
コンテナハウジングと取外し可能なカバーとの間の係合のために、さまざまな異なるタイプのシールを利用することができ、記載された発明では半径方向シール65が示されているが、軸方向シール(図示略)を使用してもよい。
ステップ構成・圧縮性シール・角形・丸形コーナー・剛性シールや注入可能なシールなど、シールに必要・利用されるさまざまな形態が存在する。
シールは、コンテナに気密シール65を設けることを意図しており、液体電解質(図示略)の安定した動作と長い見込寿命を保証する。
内部方向をむいた構成の半径方向シール65も使用可能であり、これは保守時に交換できる恒久的・交換可能なシール65でもよい。
恒久的なシールの例は、コンテナ自体が単一のユニットとして物理的に溶接される「溶接シール」である。
また、いくつかの非限定的な例として、注入可能なシーラント(sealant)などの永久的な溶接として機能する材料でもよい。
【0172】
多くのタイプのシール構成とそれらの変形例が、本開示による組立品とともに利用できる。
【0173】
図11は、本願に開示されたシステム・方法の「穿孔85が空けられた巻取られた内層」と「セパレータ75」を有するデバイスとしての、円筒形の2重層電解キャパシタセクションの本実施例を示す図である。
2重層電解キャパシタセクションには、円筒形コンテナ15・リード絶縁ホルダ175・複数の出力リード線と反対の面か垂直面の電気接続を含む任意の「複数のリード線115」・穿孔85・電気コネクタ215が含まれる。
図11は、「塩電解質中の共溶媒205」と、表面積が広く低コストの複合材料55を含む、保守可能とするために付加された改良点を実証する。
この特定のケースでは、円筒形コンテナ15は、たとえば恒久的に溶接または固定された完全なユニットである。
この特定の実施例では、保守をおこなうために、2重層電解キャパシタ125内部の内容物を切断し、場合によっては抽出することが必要になる。
多数のさまざまな実施形態は、スクリュトップ・取外し可能な蓋・他の形態のプレス・シール・クリンプ・ロック蓋・保守を可能にする組込機能として採用できるが、それらのいくつかは示されていない。
充電用の上位キャパシタ135を参照しているが、可能な代替実施形態が本明細書でさらに参照・説明され、「貯蔵デバイス」(Storage devices)セクションを参照して実現され、さらに、可能な代替実施形態が本明細書にて参照・説明され、「アプリケーション」(Applications)セクションのみならず「実装」(Implementations)セクションを参照して実現される。
【0174】
図12は、本願システム・方法の「穿孔85が空けられ巻取られた内層」と「セパレータ75」を有するデバイスである、円筒形の2重層電解キャパシタ125の実施例を示す図である。
これには、円筒形コンテナ15・リード絶縁ホルダ175・複数の出力リード線と反対側か垂直側の電気接続を含む任意の複数のリード線115が含まれる。
図12は、追加された改良点が有用であることを示すものである。
この特定の例では、円筒形のハウジング15は、恒久的に溶接または固定された完全なユニットである。
この特定の例では、保守をおこなうには、2重層電解キャパシタ125内部の内容物を切断し、場合によっては抽出する必要がある。
多くの異なる実施形態は、スクリュトップ・取外し可能なカバー・他の形態のプレス・シール・クリンプ・ロック蓋・保守を可能にする組込機能として採用できるが、それらのいくつかは示されていない。
充電用のスーパーキャパシタ135を参照しているが、可能な代替実施形態が本明細書でさらに参照・説明され、「貯蔵デバイス」(Storage devices)セクションを参照して実現され、さらに、可能な代替実施形態が本明細書にて参照・説明され、「アプリケーション」(Applications)セクションのみならず「実装」(Implementations)セクションを参照して実現される。
【0175】
図13は、本願システム・方法の区切られた内部セクション95を有する円筒形2重層電解キャパシタ125の実施例を示す図である。
これは、分離(separation)95を有する導体45・コンテナ15・コンテナカバー25を備えている。
これは巻かれたキャパシタであり、リード絶縁ホルダ175・リード線115・スーパーキャパシタ135の上部も含んでいることに留意すべきであるものの、対向する面や垂直面に配置された複数のリード線115を含む一般的な配置も可能である。
図13は、保守可能で、広く入手可能な低コストの材料を作製に使用するために改良が加えられた、巻取型のスーパーキャパシタ125を実証するものである。
この特定の例では、円筒形のコンテナハウジング15は、恒久的に溶接または固定された完全なユニットである。
この特定の例では、保守をするためには、2重層電解キャパシタ125内部の内容物を切断し、場合によっては抽出することが必要になる。
多くの異なる実施形態は、スクリュトップ・取外し可能な蓋・他の形態のプレス・シール・クリンプ・ロック蓋・保守を可能にする組込機能として採用できるが、それらのいくつかは示されていない。
充電用のスーパーキャパシタ135を参照しているが、可能な代替実施形態が本明細書でさらに参照・説明され、「貯蔵デバイス」(Storage devices)セクションを参照して実現され、さらに、可能な代替実施形態が本明細書にて参照・説明され、「アプリケーション」(Applications)セクションのみならず「実装」(Implementations)セクションを参照して実現される。
【0176】
図14は、本願システム・方法のスーパーキャパシタ内部の区切られた「セクション95」を有する層状や立方体形状のスーパーキャパシタ135の実施例を示す図である。
この特定の構成には、コンテナ15・リード絶縁ホルダ175・リード線115があり、スーパーキャパシタの内部は「分離(separations)95」によって離間されている。
図14は立方体形状のスーパーキャパシタであり、リード絶縁ホルダ175・リード線115を備えているが、スーパーキャパシタの側面は反対の面や垂直面にリード線を含む一般的な配置でもよい。
図14は、追加の改良を加えたスーパーキャパシタが実用的であり、広く入手可能な低コストの材料を使用して構成されることの実証を意図しており、電解質が「塩の共溶媒」であるため反応性が高く、有毒な傾向がある有機電解質に比べ安全性が向上している。
この特定の例では、立方体形状のコンテナ15は、恒久的に溶接または固定された完全なユニットである。
この特定の例では、保守をおこなうためには、2重層電解キャパシタ125内部の内容物を切断し、場合によっては抽出することが必要になる。
多くの異なる実施形態は、スクリュトップ・取外し可能な蓋・他の形態のプレス・シール・クリンプ・ロック蓋・保守を可能にする組込機能として採用できるが、それらのいくつかは示されていない。
【0177】
充電用のスーパーキャパシタを参照しているが、可能な代替実施形態が本明細書でさらに参照・説明され、「貯蔵デバイス」(Storage devices)セクションを参照して実現され、さらに、可能な代替実施形態が本明細書にて参照・説明され、「アプリケーション」(Applications)セクションのみならず「実装」(Implementations)セクションを参照して実現される。
【0178】
[応用](Applications)
本願システムは、実施例を参照して説明されるが、いくつかの実施形態では、本明細書に含まれる方法は、本発明の以下の非限定的な実施例として参照される、さまざまなタイプの蓄電器やスーパーキャパシタを利用できる。
これは、発電・貯蔵・調節方法とシステム・交流電流や直流電流などの供給電流を伴うエネルギー回収方法とシステム・太陽光発電・太陽光・風力・風力タービン・波力や潮力発電機・圧電・熱電・環境・RF・燃料電池・電気化学・風力タービンや水力発電や地熱や炭や天然ガスや原子力や波/潮力エネルギーや酸素などの液体ガス・圧力ベースのシステムなどの既存の誘導源・回生遮断・回生タービン・運動量ベースのエネルギー回収・圧力ベースのエネルギー回収・温度ベースのエネルギー回収・運動ベースのエネルギー回収・収縮や膨張ベースのエネルギー回収・放電回収やビルドアップエネルギー回収などの回収システム・静電荷蓄積や誘導蓄積や容量蓄積や電位差を含むが、これらに限定されず、非限定的な例は電磁石であるエティック拡散である。
最も注目すべき応用分野は、エネルギー貯蔵システム・回生ブレーキ・回収システム・太陽光発電や風力発電・エネルギー生成や配電システムである。
【0179】
この技術を使用するための応用とシステムは、保守可能な低コストの蓄電器(electrical accumulator)や静電貯蔵デバイスを使用することによりデバイスの有用な動作を拡張するものであり、本願発明の実施形態として参照される。
非限定的な例としては、以下のものがある。
輸送、これには、車両・輸送装置・航空輸送装置・海上輸送装置・速度輸送装置・飛行機のタービン・列車・スカイトレイン・新幹線・リニアモータカー・機械・装置・エレベータ・エスカレータ・クレーン・橋・スロープ・工場・機器・機械・農業機器・機械・吊上機器・博物館公園の乗物や機器・空飛ぶ乗物・空飛ぶ車・ヘリコプター・クワッドコプター・ドローン・電動自転車・オートバイ・3輪サイクル・セミトラック・旅客輸送・商用車が含まれる。
回収システムは、レーザ・粒子加速器・電磁界や磁場の生成・管理デバイスなどの高電力消費デバイスに利益をもたらす可能性がある。
さらに、発電設備・発電機や電力利用は、本願システム・方法の構成を組合せることで利益が得られる可能性があり、多くの実際の実施にとって大きな利益となる。
本願システム・方法にて選択された実施形態を採用すると、大規模産業用途むけにスケールアップされ、ベースロード電源・エネルギー貯蔵・エネルギーバックアップシステムとともに使用され、本願システムから大きな恩恵を受ける可能性がある。
【0180】
[実装](Implementations)
デバイスの応用と潜在的用途は、ナノサイズから商用産業サイズまでのエネルギー貯蔵デバイスの実施形態について非限定的な例である可能性がある。
注目すべき例のいくつかは、自動車・トラック・飛行機・船・列車・飛行船・自動車・機械におけるエネルギー貯蔵システム・輸送・再発電・回復システムである。
発電と貯蔵・生産・送電・その他の実施形態は、既存の発電・貯蔵システムなどの非限定的な例を含みうる。
たとえば、太陽光発電・圧電発電・熱電発電・環境発電・RF発電・燃料電池発電・電気化学発電・風力タービン・水力発電・地熱・石炭・天然ガス・原子力・波/潮力エネルギーなどである。
【0181】
[貯蔵デバイス](Storage devices)
本願システム・方法は、キャパシタ(静電貯蔵デバイス)・この種の電気部品の自然な物理的特性と動作を利用するため、本願システム・方法の新規性・有用性を実現するために、可能な限り広範囲の代替手段を使用できる。
本願発明の非限定的な実施例には、以下が含まれる。
蓄電池・静電蓄電池や蓄電デバイス・バッテリや電気化学蓄電デバイス(ハイブリッドを含む)・インダクタなどの磁場蓄電デバイス・コイルであり、静電貯蔵デバイスは、本願発明と併せて置換や使用ができ本願にて特許請求される。
【0182】
当該デバイスは、本願発明の実施形態として参照される本願システム・方法における多数のさまざまな貯蔵デバイスを使用できる。
アキュムレータ(accumulator)は、さまざまな貯蔵デバイス構成を含みうり、分極キャパシタ・非分極キャパシタ・デバイスで動作する回路を備えてもよく、アキュムレータバランシングやバランシングIC(集積回路)を含んでもよい。
非限定的な実施例には、キャパシタやウルトラキャパシタなどの単一の大容量貯蔵デバイス・多層セル構成・複数セル構成・マルチ貯蔵デバイスや複数のマルチ貯蔵デバイス・穿孔の開いた貯蔵デバイス・単層・複数層のデバイス・磁場貯蔵デバイス、が含まれる。
また、セラミックや、常誘電体や強誘電体や混合酸化物や、クラス1や、クラス2や、多層や、デカップリングや、サプレッションや、高電圧電源や、パワー薄膜や、薄膜や、ナノ構造の結晶薄膜や、複合インク/ペーストや、架橋ゲル電解質や、電解質や、メタライズドや、プラスチックや、ポリプロピレンや、ポリエステルや、ポリフェニレンサルファイドや、ポリエチレンナフタレートや、「ポリテトラフルオロエチレン」や、RFIや、EMIや、スナバや、モータランや、ACキャパシタや、電解や、アルミニウムや、タンタルや、ニオブや、非固体や、固体マンガン酸化物や、固体導電性ポリマや、バイポーラや、軸性や、SMDや、チップや、ラジアルや、ハイブリッドキャパシタや、スーパーキャパシタや、2重層や、擬似キャパシタや、ハイブリッドキャパシタや、電気化学キャパシタや、ウルトラキャパシタや、電気2層キャパシタや、APowerCAP(登録商標)や、BestCap(登録商標)や、BoostCap(登録商標)や、Cap-XX(登録商標)や、DLC・AP(登録商標)や、EneCapTen(登録商標)や、EVerCAP(登録商標)や、DynaCap(登録商標)や、Faradcap(登録商標)や、GreenCap(登録商標)や、GoldCap(登録商標)や、HYCAP(登録商標)や、Kaptonキャパシタや、Skelcap Super capacitor(登録商標)や、SuperCap(登録商標)や、PAS capacitor(登録商標)や、PowerStor(登録商標)や、擬似capや、ウルトラキャパシタや、2重層リチウムイオンや、クラスXや、クラスYや、カーボンキャパシタや、グラフェンキャパシタや、グラファイトキャパシタや、集積キャパシタや、ナノスケールキャパシタや、ガラスキャパシタや、真空キャパシタや、SF6ガス封入キャパシタや、プリント基板キャパシタや、導電線キャパシタや、マイカキャパシタや、エアギャップキャパシタや、可変キャパシタや、同調キャパシタや、トリマーキャパシタや、超誘電体キャパシタや、高エネルギー密度キャパシタなどの非限定的な例を含めたキャパシタやセラミックキャパシタが含まれる。
【0183】
「熱分解」(Pyrolysis)と「熱分解」(pyrolyze)は、一般に、炭素材料の熱分解のことを指す。
熱分解(pyrolysis)では、約30%以下・約20%以下・約10%以下・約5%以下・約1%以下・約0.5%以下・約0.1%以下・約0.01%以下など、材料を完全燃焼するための必要量よりも少ない量の酸素しか存在しない。
追加の実施形態では、熱分解は、酸素の非存在下でも実施できる。
【0184】
熱分解中に発生する可能性がある物理的変化は、以下のいずれかを含んでもよい。
(i)熱源からの熱転移と、供給材料の温度上昇。
(ii)高温での熱分解反応は、揮発性物質を放出し、炭を形成する。
(iii)揮発性物質から低温の固体原料への熱の流れにより、高温の揮発性物質と、低温の未熱分解の原料・一部熱分解された原料との間の熱伝達が生じる。
(iv)低温部分の原料内での揮発性物質からの凝縮。これに続いて2次反応が起こり、タールが生成される可能性がある。
(v)自己触媒の2次熱分解反応は、1次熱分解反応中や1次熱分解反応と同時に、進行する可能性がある。
(vi)さらに、熱分解・再形成・水とガスのシフト反応・自由揮発性再結合・脱水が起こる可能性があり、いくつかは滞留時間・温度・圧力の機能であり、いくつかは滞留時間・温度・圧力の影響を受ける可能性がある。
【0185】
「熱分解」は、少なくとも部分的に「供給原料を脱水する」ために行われる。
追加の実施形態では、熱分解は、供給原料から、約50%以上・約75%以上・約90%以上・約95%以上・約99%以上の水を除去する。
【0186】
本願システム・方法の有益な側面は、多くの異なる用途に使用できる。
この例は、ガス・液体・電子ミッション・水域・流出物・排出物からだけでなく多数のさまざまな源に含有・放出される汚染物質を除去・削減するための改良された活性炭の製造方法として、「イオン細孔マッチング(ion-pore matching)した階層構造」と本明細書に開示されるシステム・方法を利用することである。
【0187】
図15は、以下を含む、本発明の実施例を示す図である。
所定の細孔構造の炭化された活性炭材料を生成するための単一「熱分解リアクタ/ゾーン220」の複数ゾーン構成からなる炭素源100の連続的な「炭素源材料供給システム110」と、「エネルギー貯蔵デバイス積層システム500」である。
この実施形態におけるデバイス構成は、機械的結合ないしは動作連係された「エネルギー貯蔵デバイス積層システム500」を備えており、上記の所定の細孔構造の炭化された活性炭を生成するシステム500に動作連携された「電極準備システム/ゾーン400」も含んでいる。
炭素源処理システムは、本開示を通じて説明されるように、さまざまな特徴・実施形態・制御可能なパラメータを含みうる。
【0188】
本明細書で説明する機能の一部には、以下を含むシステム・過程・デバイスが含まれる。
さまざまな炭素源100の処理。

本システムのいくつかの例示的な機能には、以下が含まれる場合がある。
所望の結果生成物を生成するデバイスを制御するために、最終活性炭の所望の細孔幅・階層構造を決定する過程。
炭素源100を微細粉末に粉砕するための粉砕セクション(図示略)。
上記炭素源を収容する材料供給ユニットやホッパ130と、オーガ121や代替的な供給機構や手段を備えてなる炭素源100用の「炭素源材料供給システム110」。
「入口156」・「出口157」を含み、さらに「ガス入口150a」や「ガス出口151a」を含み、浸漬コンテナないしは同等部品を含んだ、上記炭素源100のための「浸漬・混合ゾーン190」(soaking / mixing zone 190)。
任意選択可能な不活性雰囲気。
「ガス入口150b・150c」と「ガス出口151b・151c」を含む、熱的に制御された「乾燥・予熱ゾーン200a」。
「入口158」や「出口159」を含む、炭素源100を熱分解するための「熱分解リアクタ/ゾーン220」と「気相分離セクション/ゾーン250」。
熱分解炭素を洗浄して添加剤を導入する、液体・気相冷却用の「入口152a・152b」と液体/気相/熱回収システムの「出口153a・153b」を含む「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」。
「所定の細孔構造の熱分解活性炭を乾燥」させるための「乾燥ゾーン200b」。
1つ以上の「電極混合システム/ゾーン401」は、デバイス全体にわたって配置でき、「所定の細孔構造の熱分解活性炭」を、「追加のエネルギー貯蔵電極材料」や「混合物107」と混合する。
「電極混合システム/ゾーン401」は、1つ以上の「入口402a・402b」を含み、さらに「電極混合剤バランサ」や「出口402c・402d」を有している。
「出口402c・402d」は、内部圧力のバランスをとったり、スーパーキャパシタ材料などの混合物のサンプルを取出すために使用できる。

さらに、本デバイスは、「活性炭材料供給システム120」を含む。
「活性炭材料供給システム120」は、活性炭や電極混合剤を、デバイス全体や「電極混合貯蔵ホッパ404」内に輸送する。

「電極混合貯蔵ホッパ404」は、「電極混合システム・デバイス405」や「電極混合剤供給システム406」を含む。
「電極混合剤供給システム406」は、電極混合剤を、エネルギー貯蔵デバイスの製造や積層をするデバイス400に移送する。

エネルギー貯蔵デバイスの製造や積層をおこなうデバイス400は、その動作に必要な多数のコンポーネントを含むことができ、理解を容易にするため必要な機能コンポーネントのみを図示してあり、他のすべての追加の機能コンポーネントとオペレーティングシステムは、省略こそされているものの参照によって本明細書に組込まれている。
エネルギー貯蔵デバイス製造デバイスは、電極混合剤インジェクタ407と、電極アプリケータ408と、電極混合剤オーバーフロー再循環システム409と、「デバイス巻取・積層システム411」と、ローラ412a・412bと、「テンショナ413a・413b」と、駆動機構(複数可)・モータ(複数可)414と、を含みうる。
さらに、エネルギー貯蔵デバイス製造デバイスは、接続ベルトギア・直接接続駆動機構415を含みうる。
エネルギー貯蔵デバイス製造デバイス・システムは、「電極乾燥システム/ゾーン420」と、電解質インジェクタ433と、「電解質混合システム431」および貯蔵タンクと、電解質を含む電解質システム/ゾーンと、をさらに含みうる。
エネルギー貯蔵デバイス製造デバイス・システムは、導管432や「付着・封止システム/ゾーン450」をさらに含むことができ、これは、以下のような「溶接・密封デバイス451」も備える。
「溶接・密封デバイス451」は、溶接機・シーラー・クリンパ・プレス・シールを使用して、たとえば「完成したエネルギー貯蔵デバイス460」を製造する。
「エネルギー貯蔵デバイス積層システム500」は、たとえば、スーパーキャパシタや電池を製造するために使用する。
【0189】
本実施例では、閉鎖された「炭素源材料供給システム110」は、「材料供給ホッパ130」と、「材料移送機械システム110」と、脱酸素化(purge)マニホールドや機械システム150a・150b・150c・151a・151b・151cを含む。
【0190】
本実施例では、「材料供給ホッパ130」は、炭素源材料100を収容するように構成された任意の適切な大気開放型・大気閉鎖型のコンテナでもよい。
特定の実施形態では、「スクリュやオーガ121」は、モータや他の機械的に動作可能なデバイス(図示略)の非限定的な例などの駆動源により動作可能に回転する。
追加の実施形態において、炭素源材料100は、重力供給システムにより実現される「炭素源材料供給システム110」へと供給される。
特定の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、スクリュやオーガ121が適切なコンテナとして取り囲まれるように構成できる。
追加の実施形態では、記載されたコンテナは、形状が略円筒形であってもよい。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、スクリュ・オーガ・コンベヤ・ドラム・スクリーン・シュート・ドロップチャンバ・空気圧搬送デバイスを含みうり、また、「炭素源材料供給システム110」は、回転エアロックや2重または3重フラップエアロック(図示略)を含みうる。
【0191】
特定の実施形態において、炭素源材料100は、炭素源材料供給ホッパ130から「炭素源材料供給システム110」に供給され、オーガやスクリュが回転することで、生の炭素源材料100が脱酸素化マニホールドにむかって移動する。
炭素源材料100が脱酸素化マニホールドに到達すると、「炭素源材料供給システム110」内における未加工の炭素源材料100の周囲の空気は、約21%の酸素を含んでいる。
追加の実施形態では、脱酸素化マニホールドは、「炭素源材料供給システム110」に隣接配置したり、「炭素源材料供給システム110」周辺に配置してもよい。
特定の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」の酸素囲みマニホールドやコンテナは、複数のガス入口ポート151a・151b・151cや複数のガス出口ポート150a・150b・150cを含んでもよい。
【0192】
特定の実施形態では、脱酸素化マニホールドは、少なくとも1つのガス入口ライン123aと少なくとも1つのガス出口ライン122aを有してもよい。
追加の実施形態では、脱酸素化マニホールドの少なくとも1つのガス入口ライン123aは、複数のガス入口ポート151a・151b・151cそれぞれと動作可能に連通され機械的に接続される。
追加の実施形態では、脱酸素化マニホールドの少なくとも1つのガス出口ライン122aは、複数のガス出口ポート150a・150b・150cそれぞれと動作可能に連通され機械的に接続される。
特定の実施形態では、ガス入口ライン123aは、不活性ガス123をガス入口ポート151a・151b・151cに圧送するように構成できる。
特定の実施形態では、不活性ガス123は、窒素やアルゴンやヘリウムであり、酸素をほとんど含んでいない。
追加の実施形態では、不活性ガス123は、炭素源材料に対して向流(counter-current)で導入される。
【0193】
特定の実施形態では、密封された「炭素源材料供給システム110」への不活性ガス123の導入は、周囲空気122を密封システムから押出すためにおこなってもよい。
特定の実施形態では、動作中、不活性ガス123が第1のガス入口ポート151aに導入されると、酸素に富む周囲空気122が出口ポート150aから押出される。
この時点で、約2%以下の酸素・約1%以下の酸素・約0.5%以下の酸素・約0.2%以下・約0.1%以下の酸素・それに等しい酸素の所望レベルには達成しない可能性がある。
追加の実施形態では、閉鎖システム内の炭素源材料100を取囲む空気から「必要か所望の量の酸素122を排除」するために、不活性ガス123を追加注入しなければならない。
追加の実施形態では、第2のガス入口ポート151bは、第1のガス入口ポート151aにおける注入と協働して不活性ガス123を封入システムに圧送でき、これにより残りの酸素122を部分的もしくはほとんど排除することが可能になる。
密封されたシステムから酸素122を排除するために、不活性ガス123を1回・2回・複数回注入した後、「酸素含有率を低下させる」という所望の結果を達成できる。
追加の実施形態では、2回目の不活性ガス123の注入後も所望の酸素レベルが達成されない場合、第3回目の注入151時に不活性ガス123を使用でき、残存している不要な酸素122を密封システムのガス出口150cから排除できる。
必要に応じて、複数の入口や出口をさらに追加で組込むことができる。
追加の実施形態では、酸素122のレベルを「炭素源材料供給システム110」全体にわたって監視し、不活性ガス123の注入量や注入位置を較正することで、所望の性能と、安全性と、過程の結果として所定の細孔構造の炭化活性炭材料105とが保証される。
【0194】
特定の実施形態では、ガス入口ポート151a・151b・151cと対応するガス出口ポート150a・150b・150cはそれぞれ、「炭素源材料供給システム110」を通る垂直二等分面に対して互いにわずかにオフセットされている。
特定の実施形態では、入口ポート151a・151b・151cと対応する出口ポート150a・150b・150cは、「炭素源材料供給システム110」内のオーガ121のピッチに対応する分だけオフセットできる。
追加の実施形態では、未加工の炭素源材料100を取囲む雰囲気が所定レベル・充分なレベルまで脱酸素化122された後、未加工の炭素源材料100を「炭素源材料供給システム110」から1つ・複数の「熱分解リアクタ/ゾーン220」に供給できる。
追加の実施形態では、酸素レベルを「炭素源材料供給システム110」全体で監視して、不活性ガス123の注入量と位置を較正して、所定・所望の酸素レベルを実現できる。
【0195】
追加の実施形態では、デバイスは、デバイス全体のさまざまなポイントに配置される複数の「ガス導入プローブ159・151a・151b・151c・159・153a・153b・155a・155b・402c・402d」と、複数の「ガス抽出プローブ156・150a・150b・150c・158・152a・152b・154a・154b・402a・402b」を含む。
追加の実施形態では、ガス導入プローブ159・151a・151b・151c・159・153a・153b・155a・155b・402c・402dのいずれか1つと、ガス抽出プローブ156・150a・150b・150c・158・152a・152b・154a・154b・402a・402bのいずれか1つは、複数のゾーンのうちの異なる1つのゾーンに対応する。
代替実施形態では、デバイスは、任意の適切な数のガス導入プローブ159・151a・151b・151c・159・153a・153b・155a・155b・402c・402dと、任意の適切な数のガス抽出プローブ156・150a・150b・150c・158・152a・152b・154a・154b・402a・402bを含む。
特定の実施形態では、複数のゾーンのそれぞれにおいて、「1つのガス導入プローブ159・151a・151b・151c・159・153a・153b・155a・155b・402c・402d」と、「2以上のガス抽出プローブ156・150a・150b・150c・158・152a・152b・154a・154b・402a・402b」を有する。
【0196】
代替実施形態では、「乾燥ゾーン200a・200b」は、ガス導入プローブ151b・151cとガス抽出プローブ150b・150cと連係される。
追加の実施形態では、ガス導入プローブ151b・151cは窒素やアルゴンやヘリウム123を「乾燥ゾーン200a・200b」に導入し、ガス抽出プローブ150b・150cは「乾燥ゾーン200a・200b」からガス122を抽出する。
特定の実施形態では、ガス導入プローブ151b・151cは、ガス混合物123を「乾燥ゾーン200a・200b」に導入するよう構成してもよい。
追加の実施形態では、抽出されるガス122は酸素でもよい。
代替実施形態では、ガス抽出プローブ150b・150cは、「乾燥ゾーン200a・200b」からガス122を抽出して、抽出したガスを熱回収システムやエネルギー回収システムで再利用する。
【0197】
特定の実施形態では、「予熱ゾーン210」は、ガス導入プローブ151b・151cと、ガス抽出プローブ150b・150cを連係できる。
追加の実施形態では、ガス導入プローブ151b・151cは、窒素やアルゴンやヘリウム123を「予熱ゾーン210」に導入する。また、ガス抽出プローブ150b・150cは、「乾燥・予熱ゾーン200a」からガス122を抽出する。
追加の実施形態では、ガス導入プローブ151b・151cは、ガス123の混合物を「予熱ゾーン210」に導入してもよい。
追加の実施形態では、ガス抽出プローブ150b・150cから抽出されるガス122は、炭素富化オフガスを含んでいてもよい。
追加の実施形態では、「予熱ゾーン210」や「熱分解リアクタ/ゾーン220」から抽出されるガスは、処理がなされた後に、たとえば炭素回収ユニットや「熱分解リアクタ/ゾーン220」内の材料へと再導入してもよい。
追加の実施形態では、デバイスの複数のゾーンから抽出されたガス122は、乾燥・処理・ガスヒータにおけるエネルギー回収や、さらにはトリミングリアクタや炭素富化装置における熱分解に使用することができる。
【0198】
特定の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、「ガス導入プローブ159」と「ガス抽出プローブ158」を連係できる。
追加の実施形態において、ガス導入プローブ159は、窒素やアルゴンやヘリウム123を「熱分解リアクタ/ゾーン220」に導入する。
また、ガス抽出プローブ158は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」からガスを抽出する。
追加の実施形態では、ガス導入プローブ159は、ガス123の混合物を「熱分解リアクタ/ゾーン220」に導入するよう構成される。
追加の実施形態では、ガス抽出プローブ158から抽出されたガス122は、炭素富化オフガスやシンガス・都市ガスを含みうる。
特定の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」から抽出された炭素富化ガス122を使用し、処理後の段階で材料に再導入できる。
追加の実施形態では、「予熱ゾーン210」から抽出されたガス122や「熱分解リアクタ/ゾーン220」から抽出されたガス122は、過程における任意の時点で材料に再導入する前にまとめることができる。
【0199】
別の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、「ガス導入プローブ152a・152b」と、ガス抽出プローブ153a・153bを連係できる。
追加の実施形態では、「ガス導入プローブ152a・152b」は、窒素やアルゴンやヘリウム123を「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に導入する。
また、ガス抽出プローブ153a・153bは、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」からガスを抽出できる。
さまざまな実施形態において、ガス導入プローブ152a・152bは、ガス123の混合物を「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に導入できる。
さまざまな実施形態では、ガス抽出プローブ153a・153bは、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」からガス122を抽出して、熱回収システムやエネルギー回収システムで再利用できる。
【0200】
特定の実施形態では、ガス導入プローブ152a・152bとガス抽出プローブ153a・153bは、コントローラ・複数のセンサとともに動作して、導入されるガス123や各デバイスゾーンから抽出されるガス123のレベルや濃度を調整してもよい。
【0201】
特定の実施形態では、ガス導入プローブ152a・152bやガス抽出プローブ153a・153bは、適切なパイプで作られ、高温変動に耐えるように作製する。
特定の実施形態では、ガス導入プローブ152a・152bとガス抽出プローブ153a・153bは、導入されるガス123や抽出されるガス122が通過できる複数の開口部を含みうる。
特定の実施形態では、複数の開口部を、入口やガス抽出プローブ152a・152bの下側に配置してもよい。
追加の実施形態では、複数の開口部それぞれは、個々のゾーン内や複数のゾーン内で、長きにわたって拡張する。
【0202】
追加の実施形態では、ガス導入プローブ152a・152bは、デバイスの一方の面から、各ゾーン・複数のゾーンを通って延伸できる。
このような特定の実施形態では、ガス導入プローブ152a・152bそれぞれは、デバイスの1つの面から、デバイスのそれぞれのゾーンまで延伸できる。
追加の実施形態では、固定炭素レベルを高めるために、ガス触媒を添加できる。
そのような特定の実施形態では、ガス導入プローブ152a・152bそれぞれに対する複数の開口部は、その特定のガス導入プローブ152a・152bに関連する各ゾーンにのみ配置できる。
【0203】
特定の実施形態では、「ガス導入プローブ159・151a・151b・151c・159・153a・153b・155a・155b・402c・402d」は各々、塩基「浸漬・混合ゾーン190」の左側から、それぞれ1つのゾーンの中に延伸できる。
この例では、ガス導入プローブ159・151a・151b・151c・159・153a・153b・155a・155b・402c・402dは、デバイスまたは「電極混合システム/ゾーン401」を通って延伸する。
また、上述した導入プローブが、塩基「浸漬・混合ゾーン190」・「乾燥ゾーン200a」・「予熱ゾーン210」・「熱分解リアクタ/ゾーン220」・「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」・「乾燥ゾーン200b」・「電極混合システム/ゾーン401」・特定のゾーン・すべてのゾーン・選択されたゾーンなどのゾーンにて終端するように構成できる。
【0204】
特定の実施形態では、ガス導入プローブはすべて「予熱ゾーン210」を通って延伸でき、「乾燥・予熱ゾーン200a」において終端される「予熱ゾーンガス導入プローブ」を有することができる。
このような特定の実施形態では、残りのガス導入プローブは、「熱分解リアクタ/ゾーン220」を通って延伸できる。
「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、熱分解リアクタ/ゾーン220内で終端可能な熱分解ゾーンガス導入プローブを有している。

追加の実施形態では、ガス抽出プローブは、ガス導入プローブと同様に構成できる。
追加の実施形態では、ガス導入プローブとガス抽出プローブは、デバイスのいずれか一方から開始できる。
【0205】
特定の実施形態では、「ガス導入プローブ(gas introduction probe)159・151a・151b・151c・159・153a・153b・155a・155b・402c・402d」は、スペース削減のために、たがいに同心円状に配置してもよい。
これは、複数ポート構成で使用できる。
上記実施形態では、それぞれの「入口プローブや入口ポート159・151a・151b・151c・159・153a・153b・155a・155b・402c・402d」は、前段の入口プローブ・入口ポートよりも小さい直径を有することができる。
たとえば、上記実施形態では、塩基「浸漬・混合ゾーン」(base soaking/mixing zone)190のガス導入プローブ159・151aは最も大きい内径を有することができる。
「予熱ゾーン210」・「乾燥ゾーン200a」のガス導入プローブ151b・151cは、塩基「浸漬・混合ゾーン190」のガス導入プローブ159・151aの内径内に配置され、「熱分解リアクタ/ゾーン220」のガス導入プローブ159はプレコーティングの内径内に配置される。
「予熱ゾーン210」・「乾燥ゾーン200a」のガス導入プローブ151b・151c・「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」のガス導入プローブ153a・153bは、「熱分解リアクタ/ゾーン220」・ガス導入プローブ159内に配置される。
したがって、「乾燥ゾーン200b」のガス導入プローブ155a・155bは「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」のガス導入プローブ153a・153b内に配置され、したがって、「電極混合システム/ゾーン401」のガス導入プローブ402c・402dは「乾燥ゾーン200a」内のガス導入プローブ155a・155bに配置される。
上記実施形態では、当該デバイスの外側において、ガス導入プローブ159・151a・151b・151c・159・153a・153b・155a・155b・402c・402dそれぞれに対して、適切なコネクタを取付けられる。
個別的もしくは協調して、個々のガス導入プローブに注入される空気を制御するためである。
【0206】
記載の特定の実施形態では、同心状配置か略同心状配置が好ましい場合があり、最も外側の「ガス導入プローブ」は、各ゾーンにおいて終端される前に露出するだけである。
したがって、上記実施形態では、ガスゾーンへの個々の導入は、互いに独立して制御でき、単一の連続的なガス導入プローブラインのみが必要となる。
そのような実施形態については、「ガス抽出プローブ156・150a・150b・150c・158・152a・152b・154a・154b・156・150a・150b・150c・158・152a・152b・154a・154b・402a・402b」でも、ガス導入プローブと同様の、同心状・略同心状の構成が適切かつ利用可能である。
【0207】
特定の実施形態では、デバイスは、2つ以上の別々のゾーンを有する「単一の熱分解リアクタ220」を含みうる。
特定の実施形態では、複数のゾーンを示しているが、別の実施形態では任意のさまざまな数のゾーンを使用できる。
追加の実施形態では、各ゾーンは、炭素源材料輸送ユニット110を介して少なくとも1つの他のゾーンに接続できる。
追加の実施形態では、炭素源材料輸送ユニット110は、雰囲気と温度条件を制御できる。
【0208】
本実施例では、石炭や石油コークスなどの炭素源材料100は、場合によっては、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の外部でメッシュなどを通過させることにより乾燥・粉砕・サイズ調整される。
それから、炭素源材料100は、炭素源ホッパ130への導入前に生じた酸素含有雰囲気(任意)とともに「浸漬・混合ゾーン190」内に導入される。
このような動作は、「炭素源材料供給システム110」を使用して、任意に実現できる。
「炭素源材料供給システム110」は、デバイスの周囲空気の酸素122のレベルを約3%・約2%・約1%・約0.1%以下に低下させるよう制御できる。
デバイス内の酸素122のレベルが減少すると、未加工の炭素材料100は、密封された「炭素源材料供給システム110」を介して「浸漬・混合ゾーン190」に入る。
そのような一実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、密封されたジャケットやスリーブを備えていてもよい。
「熱分解リアクタ220」からの蒸気やオフガスは、密封されたジャケットやスリーブにより、炭素源材料100を直接加熱するために使われる。
それから、「熱分解リアクタ220」からの蒸気やオフガスは、過程ガスヒータや熱交換器(図示略)により、炭素源材料100を予熱・熱分解するために使われる。
【0209】
続いて、本実施例では、予熱や熱分解前に、KOHの非限定的な例などの水を含む「添加剤」が、炭素源材料100全体に完全・均等に分配される。
「浸漬・混合ゾーン190」での「浸漬時間」(soak time)は、約10分・約20分・約30分・約40分・約50分・約1時間・約1.5時間・約2時間・約3時間・約4時間・約5時間・約6時間・約7時間・約8時間・約9時間・約10時間・約11時間・約12時間・約13時間・約14時間・約15時間・約16時間・約17時間・約18時間・約19時間時間・約20時間・約21時間・約22時間・約23時間・約24時間・約25時間・約26時間・約27時間・約28時間・約29時間・約30時間・約31時間・約32時間・約33時間・約34時間・約35時間・約36時間・約37時間・約38時間・約39時間・約40時間・約41時間・約42時間・約43時間・約44時間・約45時間・約46時間・約47時間・約48時間・約49時間・約50時間であり、12時間前後が好適である。
【0210】
続いて、本実施例では、予浸された(presoaked)炭素源100は「乾燥・予熱ゾーン200a」に入り、ここで、「炭素源100」の温度は、周囲温度付近から約100℃・約150℃・「約200℃」まで上昇する。
追加の実施形態では、温度は200℃未満のままである。
追加の実施形態では、「乾燥・予熱ゾーン200a」は、予浸炭素源100が加熱されている間に、その炭素源100からのオフガス(off-gases)を捕捉したり排出するための機構(図示略)を含みうる。
追加の実施形態では、オフガスは、任意に後日使用するために抽出できる。
追加の実施形態では、さまざまな機械システムに使用される加熱源は電気・ガスである。
追加の実施形態において、さまざまなゾーンに使用される加熱源は、デバイスの他のリアクタないしは外部源からの廃ガス(waste gas)でもよい。
追加の実施形態では、熱は間接的な供給源から供給してもよい。
【0211】
続いて、「乾燥・予熱ゾーン200a」で予熱した後、「炭素源材料供給システム110」は、予熱された炭素源100を別の「熱分解リアクタ/ゾーン220」(任意)に移送する。
追加の実施形態では、第1ゾーン200aと「熱分解リアクタ/ゾーン220」は同じリアクタである。
第1ゾーン200aが「熱分解リアクタ/ゾーン220」とは異なっている追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、非限定的な例として、エアロック(図示略)などの高温蒸気シールシステムを通り抜けて「熱分解リアクタ/ゾーン220」を貫通することができる。
これにより、炭素源100が「熱分解リアクタ/ゾーン220」に浸透する一方、ガスや熱の散逸・酸素侵入を防止できる。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」内部の温度は、約100℃・約200℃・約300℃・約400℃・約500℃・約600℃・約700℃・約800℃・約900℃・約1000℃・約1100℃に加熱され、「800℃で2時間」が好ましい。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、たとえば熱分解される間に予熱された炭素源材料100から放出されるガス122を捕捉して排出するための「出力ポート159」を設けてもよい。
追加の実施形態では、ガス122が抽出され、任意に後日使用するために保存される。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」からのオフガス122と、デバイスの複数のゾーンからのオフガス122とをまとめて、単一のガス流にすることができる。
炭化されると、炭素源材料100は「所定の細孔構造105を有する熱分解された活性炭」となり、特定の実施形態では「活性炭材料供給システム120」により「熱分解リアクタ/ゾーン220」から搬出できる。
供給システムは「炭素源材料供給システム110」と同様であり、冷却・洗浄のために「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」(任意)に入ることができる。
この段階で、「活性炭を水や任意の添加剤で洗浄」することが好ましく、好ましい「添加剤」(additive)の非限定的な例は「HCL」である。
特定の実施形態では、洗浄と冷却は、特定の制御された時間量、たとえば「浸漬時間」(soak time)で実現される。
たとえば、約10分・約20分・約30分・約40分・約50分・約1時間・約1.5時間・約2時間・約3時間・約4時間・約5時間・約6時間・約7時間・約8時間・約9時間・約10時間・約11時間・約12時間・約13時間・約14時間・約15時間・約16時間・約17時間・約18時間・約19時間・約20時間・約21時間・約22時間・約23時間・約24時間・約25時間・約26時間・約26時間27時間・約28時間・約29時間・約30時間・約31時間・約32時間・約33時間・約34時間・約35時間・約36時間・約37時間・約38時間・約39時間・約40時間・約41時間・約42時間・約43時間・約44時間・約45時間・約46時間・約47時間・約48時間・約49時間・約50時間であり、「約8時間の浸漬」が好適である。
特定の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」と同一であってもよく、また「熱分解リアクタ/ゾーン220」とは別のリアクタやゾーンであってもよい。
【0212】
本実施例では、所定の細孔階層構造の熱分解活性炭105が「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に入ると、材料は(能動的・受動的に)特定の温度まで冷却される。
追加の実施形態では、所定の細孔構造の活性炭105の温度は、不活性な雰囲気の「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」内で冷却される。
追加の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、所定の細孔構造の活性炭材料105を水冷冷却する。
「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、指定・延長された期間だけ材料を浸漬できる「HCLなどの添加剤」を含んだ機械的機構でもよい。
所定の細孔構造の活性炭材料105は、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」にて冷却され、当該ゾーンにおいて、通常の大気・酸素化空気にさらされた場合でも自然発火しない温度まで到達する。
追加の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、活性炭材料の温度を200℃または約150℃・約100℃未満に低下させる。
本実施例では、デバイスは、活性炭材料105と冷却剤(coolant)と添加剤(additive)を混合する混合システム(任意)を備えてもよく、これにより炭素材料の均一な冷却が可能となる。
さらに、冷却は、直接的・間接的な手段により実施でき、水・他の液体・添加剤を使用できる。
さらに、冷却過程は、空気・他のガスによる直接的・間接的な手段や、空気・他のガス両方の組合せでも実施できる。
【0213】
特定の実施形態では、冷却機構は「熱分解リアクタ/ゾーン220」から分離されており、「活性炭材料供給システム120」に機械的接続してもよい。
追加の実施形態では、冷却機構は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の後段に配置される。
追加の実施形態において、冷却機構は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」と同一でもよく、また「熱分解リアクタ/ゾーン220」内に組込まれてもよい。
追加の実施形態では、冷却機構は、非限定的な例として、スクリュや、オーガ121や、具体例としてベルトコンベヤであるコンベヤから構成される。
特定の実施形態では、冷却機構は、ドラム・スクリーンパン・向流ベッド・垂直タワー・ジャケット付パドル・冷却スクリュ・それらの組合せでもよい。
冷却機構は、直接的または間接的な冷却手段であったり、水や他の液体・添加剤を利用したり、直接的・間接的にガスを利用したり、上記の任意の組合せでもよい。
追加の実施形態では、冷却器は、水噴霧機構・入口ポート152a・152b(添加剤あり・なし)・「冷却された不活性ガス流機構」・出口ポート153a・153bを含みうり、「液体窒素」でもよく、着火温度未満や可燃温度未満の場合は「周囲空気」でもよい。
追加の実施形態では、この冷却過程中に熱を回収でき、一例では、水スプレーによって生成されたフラッシュ蒸気や、飽和蒸気の導入時に生成された過熱蒸気を捕捉してから、これらを混合し、さらに、その後、活性炭材料105によって加熱してもよい。
【0214】
本実施例では、石炭・石油コークス・石油・バイオマスなどの「未加工の炭素源材料100」が、低酸素含有雰囲気の「熱分解リアクタ/ゾーン220」に導入される。
この動作は、上述した「炭素源材料供給システム110」を使用することで任意に達成できる。
「炭素源材料供給システム110」を使することで、システム内の周囲空気中の酸素レベルを約3%・約2%・約1%・約0.1%以下に低下させることができ、これにより「燃焼のない熱分解過程」に適応できる。
未加工の炭素源材料100は、密封された「炭素源材料供給システム110」内のデバイスに導入することができるが、これは酸素レベルが減少した後でもよい。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、カプセル化されたジャケット(複数可)やスリーブ(複数可)を含んでもよく、ジャケットやスリーブを介して、リアクタからの蒸気やオフガスが移送されて炭素源材料100の予熱に使用される。
【0215】
追加の実施形態では、「未加工の炭素源材料100」は、まず「炭素源材料供給システム110」から任意の「乾燥・予熱ゾーン200a」やデバイスの「予熱ゾーン210」・予熱エリアを通って移動できる。
追加の実施形態では、任意選択可能な「乾燥・予熱ゾーン200a」において、未加工の材料を加熱して水や他の水分・可燃性ガスやタールを除去することができ、当該除去は、「予熱ゾーン210」を通過させる前の別個のゾーンとして行うことができる。
追加の実施形態では、任意の「乾燥・予熱ゾーン200a」の内部は、ほぼ周囲温度から約100℃・約150℃・「約200℃」までの温度に加熱してもよい。
未加工の炭素源材料100から除去された水や水分は、一例では出口ポート150b・150cから、任意の「乾燥・予熱ゾーン200a」やエリアから排出できる。
追加の実施形態では、任意の「乾燥・予熱ゾーン200a」は、蒸気・水分を抽出する(122)ように適合できる。
追加の実施形態では、任意の「乾燥・予熱ゾーン200a」からの水滴・蒸気・水分は、任意に後日使用するために抽出できる。
任意の「乾燥・予熱ゾーン200a」から抽出された水滴・蒸気・水蒸気は、適切な廃熱回収システムにおいて使用でき、「炭素源材料供給システム110」と組合せて使用できる。
「炭素源材料供給システム110」で使用される蒸気・水分122は、酸素レベルが「炭素源材料供給システム110」内において排除されている間、未加工の炭素源材料100を予熱するために使用できる。
追加の実施形態では、炭素源材料100を「熱分解リアクタ/ゾーン220」の外側で乾燥させるため、当該リアクタは乾燥ゾーン220を含まない。
【0216】
追加の実施形態では、乾燥炭素源材料100は再度「予熱ゾーン210」に入り、そこで、乾燥炭素源材料100の温度は、周囲温度の範囲から、温度範囲約100℃・約150℃・「約200℃」まで上昇する。
追加の実施形態では、温度は「予熱ゾーン210」において200℃を超えない。
予熱ゾーンが熱すぎたり若しくは十分に熱くないようであれば、乾燥炭素源材料100は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」に導入される前に、非理想的な方法で処理される。
「予熱ゾーン210」は、予熱中に乾燥炭素源材料100から排出ガスを捕捉し、現在もしくは後日に再使用するための出力機構150b・150cを含みうる。
追加の実施形態では、オフガスは、任意に後日使用するために抽出できる。
追加の実施形態では、さまざまなゾーンで使用される加熱源は、電気・ガスでもよい。
追加の実施形態では、さまざまなゾーンで使用される加熱源は、デバイスの他のゾーンや外部源からの廃ガスであってもよい。
追加の実施形態では、熱は間接的でもよい。
【0217】
「予熱ゾーン210」内で処理した後、「炭素源材料供給システム110」は、熱分解過程を受けるために、予熱された材料を「熱分解リアクタ/ゾーン220」へと送る。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、エアロック(図示略)などの非限定的な例を含む高温蒸気シールシステム(図示略)を通って「熱分解リアクタ/ゾーン220」を貫通できる。
これにより、材料供給システムが高温の「熱分解リアクタ/ゾーン220」に侵入できるようになるとともに、ガス漏洩や酸素流入を防止したり最小限に抑制できる。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の内部は、約100℃・約200℃・約300℃・約400℃・約500℃・約600℃・約700℃・約800℃・約900℃・約1000℃・約1100℃の温度に加熱され、「800℃で、1分間に10℃の上昇速度」が好ましい。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、「予熱ゾーン210」と同様の出口ポート158と入口ポート159を備えており、予熱された炭素源材料100が炭化されている間、「熱分解リアクタ/ゾーン220」から放出されるガスを捕捉・排出できる。
追加の実施形態では、オペレータの裁量で、任意に後日使用するためにガスを抽出できる。
追加の実施形態では、「予熱ゾーン210」からのオフガスと「熱分解リアクタ/ゾーン220」からのオフガスをまとめて、単一のガス流にすることができる。
いったん炭化されると、炭化された炭素源材料105は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」を出て、つぎに「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に入れられる。
【0218】
追加の実施形態では、未加工の炭素源材料100と、乾燥した炭素源・予熱された炭素源・所定の細孔構造を有する炭化された活性炭材料105が、連続的な「炭素源材料供給システム110」やシステムに沿って、「熱分解リアクタ/ゾーン220」を通って移動する。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、過程のさまざまな時点における様々な炭素源材料100を移送できる。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」を通じて材料を移送する過程は連続的な過程である。
特定の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」の速度は、材料がデバイスや「熱分解リアクタ/ゾーン220」を通って移動するときに「炭素源材料供給システム110」の動作が中断しないよう、関連するコントローラやプロセッサ(図示略)により適切に較正・計算・制御される。
特定の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」の動作を区切ってもよく、複数の別個のオーガ(図示略)や本願記載の追加の炭素材料供給機構を含み、「炭素源材料供給システム110」を関連するコントローラやプロセッサにより制御してもよい。
個々の炭素材料供給機構の動作により、「炭素源材料供給システム110」は、デバイスの特定のゾーン・段階・リアクタ内に炭素源材料100が留まる最適な時間に応じて、ゾーン・ステージ・リアクタの間における炭素源材料100の移送速度を制御できる。
【0219】
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」と連係するコントローラ(図示略)は、FTIR(任意)・測定パラメータ・温度ゲージ・「熱分解リアクタ/ゾーン220」または反応過程における他の適切な変数からのフィードバックセンサや検出されたガスに基づいて、「炭素源材料供給システム110」の速度を調整するよう構成できる。
追加の実施形態では、コントローラやプロセッサと通信可能な適切な水分センサ・温度センサ・ガスセンサを、熱分解リアクタ220内部もしくは熱分解リアクタ220とゾーンの間や、「炭素源材料供給システム110」やデバイスに沿った任意の適切な位置に組込んだり機械的接続できる。
追加の実施形態では、コントローラ・プロセッサは、デバイスや処理システムの速度・効率を最適化するためにセンサやゲージから得られた情報を使用できる。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」に連係するコントローラは、「炭素源材料供給システム110」を動作させるように構成される。
【0220】
追加の実施形態では、1つ以上の「熱分解リアクタ/ゾーン220」に連係するコントローラは、「炭素源材料供給システム110」内部や「熱分解リアクタ/ゾーン220」内部やゾーンのいずれかのガス濃度・ガス温度・水分を監視するよう構成できる。
追加の実施形態では、コントローラは、「炭素源材料供給システム110」の速度や、材料供給ユニット110へのガス123の入力や、「炭素源材料供給システム110」内で材料100に加えられる熱を、さまざまなセンサで得られた1つ以上の読取値に基づいて調整するように構成してもよい。
【0221】
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の過程と反応が起こるのに必要とされる大量の熱を制御・操作するために、デバイスは、炉殻(kiln shell)に封入される。
追加の実施形態では、デバイスの炉殻(kiln shell)は、複数のゾーンを取囲むいくつかの断熱チャンバを備えてもよい。
特定の実施形態では、炉(kiln)は、デバイス用の複数の別個のゾーンを含む。
追加の実施形態では、デバイスの各ゾーンは、少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口を含む。
追加の実施形態では、各ゾーン内で、入口・出口は、ゾーンの外側か内側またはゾーンへ、炭素供給材料100とガス122・123と熱の流れを制御すべく調整できる。
不活性ガス123の供給を「入口151a・151b・151c」に導入でき、除去された空気122を「対応する出口150a・150b・150c」から抽出できる。
追加の実施形態では、デバイス内のゾーンの1つ以上の出口が、デバイス内の1つ以上の他の入口や他の出口に接続される。
【0222】
追加の実施形態では、未加工の炭素源材料100は、「炭素源材料供給システム110」内で脱酸素化されたのちにデバイス(具体的には、第1ゾーンや任意の「乾燥・予熱ゾーン200a」)に導入される。
「乾燥・予熱ゾーン200a」は、入口151b・151cと出口150b・150cを備えてもよい。
追加の実施形態では、「乾燥・予熱ゾーン200a」は約80℃~約200℃の温度に加熱され、炭素源材料100から水や他の水分を減少させる。
続いて、炭素源材料100は、当該材料100を予熱する予熱ゾーンと同じゾーンに移動される。
【0223】
追加の実施形態では、任意に乾燥・予熱された炭素源材料100は、その後、炭化されるために「熱分解リアクタ/ゾーン220」に移動される。
特定の実施形態では、炭化(carbonization)は「約200℃~約1100℃」の温度で発生する。
たとえば、約200℃・約210℃・約220℃・約230℃・約240℃・約250℃・約260℃・約270℃・約280℃・約290℃・約300℃・約310℃・約320℃・約330℃・約340℃・約350℃・約360℃・約370℃・約380℃・約390℃・約400℃・約410℃・約420℃・約430℃・約440℃・約450℃・約460℃・約470℃・約480℃・約490℃・約500℃・約510℃・約520℃・約530℃・約540℃・約550℃・約560℃・約570℃・約580℃・約590℃・約600℃・約610℃・約620℃・約630℃・約640℃・約650℃・約660℃・約670℃・約680℃・約690℃・約700℃・約710℃・約720℃・約730℃・約740℃・約750℃・約760℃・約770℃・約780℃・約790℃・約800℃・約810℃・約820℃・約830℃・約840℃・約850℃・約860℃・約870℃・約880℃・約890℃・約900℃・約910℃・約920℃・約930℃・約940℃・約950℃・約960℃・約970℃・約980℃・約990℃・約1000℃・約1010℃・約1020℃・約1030℃・約1040℃・約1050℃・約1060℃・約1070℃・約1080℃・約1090℃・約1100℃であり、約800℃が好ましい。
【0224】
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の炭化ゾーンは、炭化中に生成されたガス122を抽出したり後日使用するために貯蔵できるように構成される。
追加の実施形態では、炭化中に生成されたガス122は、任意に現在または後日使用するために抽出される。
追加の実施形態では、炭化温度は、メタン(CH4)の生成を低減・排除するとともに炭化炭素源材料100の炭素含有量を最大化するように選択ならびに維持される。
【0225】
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、少なくとも1つの入口と複数の出口ポート158を含みうる。
追加の実施形態では、出口ポート158の1つを、収集装置や酸水素化ユニット・蒸留塔などのさらなる処理装置に接続できる。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、「予熱ゾーン210」や「熱分解リアクタ/ゾーン220」から到来するオフガス122を処理して、凝縮物(condensate)や濃縮ガスを生成できる。
さらなる実施形態では、上記凝縮物(condensate)は、酢酸・メタノール・フルフラールの非限定的な例などの極性化合物を含みうる。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」において生成される上記の濃縮ガスは、少なくとも無極性ガスを含みうる。
追加の実施形態では、ガスの「熱分解リアクタ220」は「分別塔」(fractionation column)を含みうる。
追加の実施形態において、酢酸は、ラインやチャネルを介して任意の「酸水素化ユニット」に送られる。
追加の実施形態では、メタノール・フルフラールは、任意の追加のライン・チャネルを介して、蒸留・処理ユニットに送られる。
【0226】
また、追加の実施形態では、炭素回収ユニットは、「熱分解リアクタ/ゾーン220」に接続された入力を含んでもよい。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットから引出されたガス122は、エネルギー回収システム・炭素富化が可能なシステムにおいて任意に使用される。
さらに、さまざまな実施形態では、ガス122は、デバイスの1つ以上のゾーンから引出され、エネルギー回収システムや炭素処理用システムで任意に使用してよい。
【0227】
上述したように、炭素源材料100を処理する際に炭素源材料100を取囲む周囲空気中の酸素レベルが高いと、炭素源材料100の望ましくない燃焼・酸化が発生するおそれがある。
これにより、最終的な活性炭材料105の量と品質が、大幅に低下する可能性がある。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、未加工の炭素源材料100を取囲む空気や「熱分解リアクタ/ゾーン220」から酸素122を除去するように構成された1つ以上のマニホールドを含んでなる閉鎖されたシステムでもよい。
追加の実施形態では、予熱・熱分解・炭化・冷却のために約0.5%~約1.0%の酸素レベルを使用できる。
閉鎖された「炭素源材料供給システム110」は、過程全体で、酸素レベルを約3%以下・約2%以下・約1%以下・約0.5%以下に減少させることを目標として構成されている。
酸素レベルが低下すると、炭素源材料100は、デバイス内の「炭素源材料供給システム110」に沿って移送される。
追加の実施形態では、回収過程全体にわたって不活性ガスを予熱したり、その後に予熱された不活性ガス123をデバイス・リアクタ・トリミングリアクタへ導入することで、システムの効率が向上しエネルギー消費を削減できる。
【0228】
追加の実施形態では、トリミングリアクタ(図示略)をシステムに含めることができる。
トリミングリアクタ(図示略)を備える追加の実施形態では、デバイスからの熱分解された材料は、さらなる熱分解のために別個の追加されたリアクタ(図示略)へと供給され、ここに、加熱された不活性ガス123が、より高い炭素レベルの生成物を生成するために導入される。
追加の実施形態では、この2次的処理過程は、ドラム・タンク・バレル・ビン・トート・パイプ・サック・プレス・ロールオフコンテナなど非限定的に例示したコンテナ内で行われる。
追加の実施形態では、炭化材料105の輸送のために、最終コンテナを使用できる。
追加の実施形態では、不活性ガス123は、デバイスから抽出されたガス123から熱を得る熱交換器(図示略)を介して加熱され、過程ガス加熱器において燃焼される。
【0229】
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」から回収された「熱・スチーム・ガス123」は、「炭素源材料供給システム110」に送られ、そこでジャケットに封入されて、炭素源材料100との直接接触しないように分離される。
しかしながら、「熱分解リアクタ/ゾーン220」から回収された「熱・スチーム・ガス123」は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」や「乾燥ゾーン」に導入する前に、炭素源材料100を間接的に加熱するために使用できる。
【0230】
代替の実施形態では、「乾燥ゾーン200a・200b」または「熱分解リアクタ/ゾーン220」から回収された熱・スチーム・ガス123は、ジャケットに封入されていたり炭素源材料100との直接接触から分離されている「炭素源材料供給システム110」に向けて移送してもよい。
これにより、炭素源材料100を「熱分解リアクタ/ゾーン220」に導入する前に、炭素源材料100を間接的に加熱できる。
【0231】
追加の実施形態では、所定の細孔構造の炭化活性炭材料105は、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に移動させ受動的・積極的に冷却してもよい。
追加の実施形態では、所定の細孔構造炭化活性炭材料105は、約10℃・約20℃・約30℃・約40℃の温度まで冷却される。
追加の実施形態では、所定の細孔構造炭化活性炭材料105は、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に移動できる。
所定の細孔構造炭化活性炭材料105は、冷却されると同時に、具体的にはKOHなどの塩基などの添加剤を除去するために洗浄される。
追加の実施形態では、所定の細孔構造の炭化活性炭材料105を「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」へと移動され、冷却されると同時に「水や塩酸(HCL)などの添加剤」により洗浄される。
【0232】
本実施例では、所定の細孔構造炭化活性炭材料105が「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に導入されると、炭化された材料105をほぼ室温である約20℃や30℃の所定の温度範囲まで冷却する。
追加の実施形態では、デバイスは、複数の「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」を含む。
追加の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、炭化された材料105を200℃未満に冷却できる。
追加の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、炭化された材料105を撹拌して均一に冷却・洗浄するためのミキサ・オーガを備えていてもよい。
追加の実施形態では、複数の「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」のうちの1つ以上がデバイスの外部にあってもよい。
【0233】
追加の実施形態では、所定の細孔構造の炭化活性炭材料105は、「活性炭材料供給システム120」に沿って「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」を出てから、つぎに炭素回収ユニット(図示略)に入ることができる。
【0234】
追加の実施形態では、所定の細孔構造の炭化活性炭材料105は、第1または第2の「乾燥ゾーン200a・200b」にて乾燥されたのち、「活性炭材料供給システム120」に沿って「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」を出て、「電極混合システム/ゾーン401」へと移送される。
【0235】
この時点で、所定の細孔構造の炭化活性炭材料105は、粉末状態でもよく、微粉末を生成するために微粉化されてもよい。粉砕や微粉化は「電極混合システム/ゾーン401」内や別個の微粉砕装置内で生じ得る。
特定の実施形態では、所定の細孔構造の炭化活性炭材料105の粉砕・粉末化は、炭素の活性化前や炭素の活性化後に実施できる。
【0236】
ある実施例では、1つ以上の混合チャンバ内で「活性炭」を「電極材料」と混合して、「電極混合剤」(electrode mix)を作製することができる。
「電極材料」のいくつかの非限定的な例には、「導電性添加剤」・「バインダ」・「混合剤」などがある。
「導電性添加剤」のいくつかの非限定的な例には、カーボンブラック・スーパーp・ファーネスブラック・チャネルブラック・アセチレンブラック・サーマルブラック・ランプブラック・導電性炭素などがある。
「バインダ」のいくつかの非限定的な例には、PVDF・PTFE・非反応性熱可塑性フルオロポリマ・コポリマ・ターポリマなどがある。
「混合剤」のいくつかの非限定的な例には、2-プロパノール・2プロピルアルコール・IPA・イソプロピル・「イソプロパノール」・アルコール・水などがある。
電極組成物(electrode composition)のいくつかの非限定的な例としては、混合剤・塗料・混合物・ペースト・インク・自立電極などの形態でもよい。
【0237】
特定の実施形態では、「電極混合システム/ゾーン401」は、電極混合組成物を投入するために、1つ以上の押出機407・噴霧器を含んでなる「電極準備システム/ゾーン400」に相互接続や機械的接続される。
さらに別の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、形成・プレス・適用されたのちに電流コレクタに取付けられた自立電極を形成する。
電極混合剤組成物(electrode mix composition)は、以下のような導電性の電流コレクタ材料に塗布・加圧・接触させることができる。
このような金属としては、ステンレス鋼・チタン・銅・アルミニウム・銀があり、薄膜やメッシュの場合があり、0.0001mm~10mmまでのさまざまな厚さがあり、さまざまなメッシュパターンや巻線がある。
さらに、電極混合剤や自立型電極には、0.0001mm~10mmの以下に挙げるさまざまな厚さがある。
たとえば、約0.05mm・約0.1mm・約0.15 mm・約0.2mm・約0.25mm・約0.3mm・約0.35mm・約0.4mm・約0.45mm・約0.5mm・約0.55mm・約0.6mm・約0.65mm・約約0.7mm・約0.75mm・約0.8mm・約0.85mm・約0.9mm・約0.95mm・約1.0mm・約1.25mm・約1.5mm・約1.75mm・約2.0mm・約2.25mm・約2.5mm・約2.75mm・約3.0mm・約3.25mm・約3.5mm・約3.75mm・約4.0mm・約4.25mm・約4.5mm・約4.75mm・約5.0mm・約6.0mm・約7.0mm・約8.0mm・約9.0mm・約10.0mmでもよい。
また、約1mg/cm・約1.25mg/cm・約1.5mg/cm・約1.75mg/cm・約2mg/cm・約2.25mg/cm・約2.5mg/cm・約2.75mg/cm・約3mg/cm・約3.25mg/cm・約3.5mg/cm・約3.75mg/cm・約4mg/cm・約4.25mg/cm・約4.5mg/cm・約4.75mg/cm・約5mg/cm・約5.25mg/cm・約5.5mg/cm・約5.75mg/cm・約6mg/cm・約6.25mg/cm・約6.5mg/cm・約6.75mg/cm・約7mg/cm・約7.25mg/cm・約7.5mg/cm・約7.75mg/cm・約8mg/cm・約8.25mg/cm・約8.5mg/cm・約8.75mg/cm・約9mg/cm・約9.25mg/cm・約9.5mg/cm・約9.75mg/cm・約10mg/cm・約10.25mg/cm・約10.5mg/cm・約10.75mg/cm・約11mg/cm・約11.25mg/cm・約11.5mg/cm・約11.75mg/cm・約12mg/cm・約12.25mg/cm・約12.5mg/cm・約12.75mg/cm・約13mg/cm・約13.25mg/cm・約13.5mg/cm・約13.75mg/cm・約14mg/cm・約14.25mg/cm・約14.5mg/cm・約14.75mg/cm・約15mg/cm・約16mg/cm・約17mg/cm・約18mg/cm・約19mg/cm・約20mg/cm・約21mg/cm・約22mg/cm・約23mg/cm・約24mg/cm・約25mg/cm・約30mg/cm・約35mg/cm・約40mg/cm・約45mg/cm・約50mg/cmでもよく、約3.6~10.5mg/cmが好適である。
【0238】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、ノズル・噴霧器・クラッパー・プレスのような非限定的な例のアプリケータシステム(電極組成混合物や自立型電極の投入を可能にする。)を備えているか機械的接続される。
アプリケータシステムには、上記の金属に直接適用できるものや、上記金属に直接接触するものや、自立した構成がある。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、機械的ポンプ・コンプレッサ・重力供給・プレス・オーガ・上記の電極混合組成物の一貫した供給をするための圧力をさらに含む。
【0239】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、電極混合剤供給システム406を有し、さらには機械的供給システムや「デバイス巻取・積層システム411」を有してもよい。
さらに特定の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、フィーダ・ワインダー・「ローラ412a・412b」・ドラム・カッタ・クリンパ・駆動機構やモータ414・接続ベルト415・ギア・直接接続・「テンショナ413a・413b」を有してもよい。
また、アノード材料・陰極材料・イオン透過性セパレータ用に、「電極準備システム/ゾーン400」は、電極混合インジェクタ407・電極アプリケータ408・電子電極混合オーバーフローシステム409・「電極乾燥システム/ゾーン420」・「電解質投入システム/ゾーン430」を含む。
「電解質投入システム/ゾーン430」は、「電解質混合システム431」と貯蔵タンク・液体電解質導管432・電解質インジェクタ433・「付着・封止システム/ゾーン450」を含む。
「付着・封止システム/ゾーン450」は、溶接機451・シーラー・クリンパ・プレス・シールを含むことができ、エネルギー貯蔵デバイス生産システム500の一部を形成する。
代替の実施形態では、「付着・封止システム/ゾーン450」は、エネルギー貯蔵デバイス製造システム500と機械的接続したり、分離できる。
追加の実施形態では、「エネルギー貯蔵デバイス製造システム500」は、エネルギー貯蔵デバイス460を貯蔵したりエネルギー貯蔵デバイス460を堆積させるために、エネルギー貯蔵デバイスホッパ462をさらに有してもよい。
【0240】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、上記の「導電性金属45」を連続供給することができる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、電極混合剤・インク・塗料・ペースト・組成物を塗布した導電性金属45の連続供給を実現できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」により、自立型電極を形成すべく「電極混合剤」の連続供給を実現できる。
【0241】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」により、導電性金属45と自立電極・電極混合剤とを固定させたり接触させるための「導電性金属45」の連続供給を実現できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」により、イオン透過性セパレータ95を連続供給できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」により、層化・多層化のために、導電性金属45・電極混合組成物・イオン透過性セパレータ95の連続供給をすることができる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」により、エネルギー貯蔵デバイスを層状化できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」により、以下の層構造を有するエネルギー貯蔵デバイスを層状化できる。
対向する面に電極混合剤が塗布された、2つの導電性金属電流コレクタ45。
対向する面が自立電極と接触している、2つの導電性金属電流コレクタ45。
2つの電流コレクタと電極複合材との間にある2つのイオン透過性セパレータ95。

追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」により、2重層電解キャパシタ460を製造できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」により、スーパーキャパシタ460を製造できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」により、エネルギー貯蔵デバイス460を製造できる。
【0242】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、(アノード・イオン透過性セパレータ・カソード・イオン透過性セパレータが)連続的に巻かれた又は積層されたエネルギー貯蔵デバイス460やスーパーキャパシタセル460を作製するように構成される。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、「複数のアノード45・複数のイオン透過性セパレータ95・複数のカソード45」を備えた層状構造を実現するよう構成でき、セルごとに積重ねたりグループ化できる。
さらに、特定の実施形態では、積重ねられたり積層されたり巻かれてなるエネルギー貯蔵デバイスは、接続されたアノードのリード線を有してもよく、さらにカソードのリード線を接続してもよい。
特定の実施形態では、アノード・カソードのリード線は、エネルギー貯蔵デバイス端子115に接続されてもよく、エネルギー貯蔵デバイス460から突出してもよい。
【0243】
特定の実施形態では、イオン透過性セパレータ95は、多孔質プラスチック・紙・セルロース・ガラス・繊維・シート・スプレー・イオン透過絶縁体やセパレータなどの非限定的な例を含む。
【0244】
「電極準備システム/ゾーン400」の追加の実施形態では、デバイスは、スーパーキャパシタコンテナ・シェルのための「機械的供給ユニットやフィーダ」をさらに含んでもよい。
機械的供給ユニットやフィーダは、デバイスに機械的接続されてもよく、定期間隔または所定間隔で、スーパーキャパシタ材料を含む新しいコンテナまたは一部完成したコンテナからなるスーパーキャパシタコンテナの挿入・取外しができるように使用してもよい。
【0245】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、層状または巻かれたエネルギー貯蔵デバイス「内部の内容物」(エネルギー貯蔵材料やスーパーキャパシタ材料など)をエネルギー貯蔵コンテナのなかに配置するための機械的供給ユニットやフィーダを含んでもよい。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、1つ以上の電解質インジェクタ433に機械的接続されてもよく、さらに噴霧器・ノズルを含んでもよい。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵材料・スーパーキャパシタ材料を含むエネルギー貯蔵コンテナのなかへ電解質を投入・注入する(433)。
当該電解質は、有機電解質・水性電解質・共溶媒・塩電解質・イオンキャリア電解質・イオン電解質・ゲル電解質・ドライポリマ電解質・セラミック電解質を含み、「塩電解質中の共溶媒」が好ましい。
【0246】
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、電解質を投入・注入し(433)、一般的な大気環境下でエネルギー貯蔵デバイスに電解質を投入できる。
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、一般的な大気環境下において電解質を「エネルギー貯蔵デバイス」内に投入・注入する(433)。
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、一般的な大気環境下において電解質を「スーパーキャパシタ」内に投入・注入する(433)。
【0247】
また、本実施例の「電極準備システム/ゾーン400」において、デバイスは、エネルギー貯蔵材料・電解質を収容するエネルギー貯蔵コンテナ用の機械的供給ユニットやフィーダを備えていてもよい。
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」を、コンテナ密封デバイスに機械的接続してもよい。
当該「密封デバイス」は、クリンパ・ネジ・リベット・クランプ・プレス・溶接もしくはシールを備えたり、アノードとカソードのリード線をエネルギー蓄積デバイスの正端子と負端子に結合したり固定したり、エネルギー蓄積デバイス460を封入したり密封するための溶接機451を備えている。
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、シール(sealing)デバイスを含むことができ、また別個のシールや構成要素の有無に関わらずコンテナのシール手段を備えていてもよい。
【0248】
また、本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、たとえば真空のための内部エネルギー貯蔵圧力を制御する手段を備えていてもよい。
特定の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵デバイスの内部圧力を下げるための真空ポンプを備えていてもよい。
【0249】
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、完成したエネルギー貯蔵デバイス460や完成したスーパーキャパシタセル460を収容させるための「エネルギー貯蔵セルホッパ462」を備えていてもよい。
【0250】
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、当該「電極準備システム/ゾーン400」の動作・パラメータ制御に関連するコントローラ・プロセッサ(図示略)を備えていてもよい。
追加の実施形態では、コントローラ・プロセッサは、速度を調整し、以下の非限定的な例を含む多数のシステムを制御するよう構成できる。
非限定的な例としては、アノード金属45の供給・カソード金属45の供給・イオン透過性セパレータ95の供給・「電極混合剤・電極材料フィードシステム406」・電極混合アプリケータ408・「電極混合測定・電極混合再循環システム409」・電極乾燥420・「ローラ412aおよび412b」・「テンショナ413aおよび413b」・巻取速度・巻取長さ・積層速度・積層長さ・モータ414・駆動システム415・コンテナ装填・コンテナ充填・コンテナ移送・「液体電解質混合431」・「液体電解質注入432・433」・液体電解質測定・「アノードとカソードの接続」・「アノード・カソード端子の接続」・「付着450」・コンテナ密封451・コンテナ圧着・コンテナ閉鎖・真空制御・「エネルギー貯蔵デバイス460の組立」・「スーパーキャパシタ460の組立」・「ホッパ462の保管・制御」が含まれる。

コントローラは、1つ以上の入力・センサ・フィードバックセンサ・測定パラメータ・測定値・タイマ・時限過程・温度ゲージ・その他の適切なアセンブリパラメータに基づくことができる。
追加の実施形態では、コントローラ・プロセッサと通信可能な水分センサ・温度センサ・ガスセンサを、各ゾーン中やそれらの間や、エネルギー貯蔵デバイス製造システム500・デバイス内やこれに沿った任意の適切な位置に組込んだり機械的接続する。
追加の実施形態では、コントローラ・プロセッサは、センサ・ゲージから得た情報を使用できる。
これにより、さまざまなセンサにより取得した読取値に基づいて、デバイス・処理システム・機械部品・供給システム・混合システム・組立システム・材料の速度と効率が最適化される。
【0251】
図16は、「炭素源材料供給システム110」・単一リアクタ複数ゾーン・「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」を含む、本発明の実施例の機能ブロック図である。
この実施形態のデバイス構成は、完全に機械的に結合され且つ操作可能に接続された「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」を含んでおり、同システム390は、「電極準備システム/ゾーン400」を有し、「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」と連係する。
ここで、本発明は、以下を含む一連の過程・代替過程によって達成される。
【0252】
本実施例では、改良された所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭・完成したエネルギー貯蔵デバイスは、以下の過程を有する。
所望の結果生成物を生成するためのデバイスパラメータを制御して、最終的に所望される「活性炭の細孔幅・階層構造」を決定する過程。
任意選択可能な炭素源を乾燥する過程200a。
炭素源材料100を「サイジング・粉砕システム180」(任意)に供給する過程。
炭素源材料100を粉砕し、粉砕された炭素源材料101を製造する過程。
炭素源材料100を化学塩基「浸漬タンク/システム190」に供給する過程、もしくは、粉砕炭素材料101を化学塩基「浸漬タンク/システム190」に供給する過程、もしくは、粉砕炭素材料101を化学塩基「浸漬タンク/システム190」に投入する過程。
「炭素源材料100」・「粉砕炭素源材料101」を塩基性薬品・水溶液に浸漬して、「塩基で浸漬された炭素源材料102」を生成する過程110。
「炭素源材料供給システム110」によって、炭素源材料100を供給する過程、もしくは、粉砕炭素源材料101を「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)に入れる過程、もしくは、「炭素源材料供給システム110」により塩基で浸漬された炭素源材料102を「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)に供給する過程。
乾燥システム/ゾーン200(任意)において、「塩基に浸した炭素源材料102」あるいは「炭素源材料100」を乾燥させる過程。
水126や塩基などの化学物質を「塩基に浸した炭素源材料102」から除去する過程。
「乾燥炭素源材料103」を製造する過程。
「熱回収システム310」によって、熱を回収・再利用する過程。
「炭素源材料供給システム110」により、任意の第1ゾーン(予熱リアクタ)210へ「乾燥炭素材料103」を供給する過程。
「予熱された炭素源材料104」を生成するために、乾燥炭素源材料103を第1ゾーン(予熱リアクタ)210で「予熱」する過程。
ライン160を介して、水126・ガスを排出する過程。
「炭素源材料供給システム110」により、「予熱された炭素源材料104」を第2ゾーン(熱分解リアクタ)220(任意)に供給する過程であり、2つは熱分解を受ける。
「所定の細孔構造階層構造を有する活性炭材料105」を生成するために、第2ゾーン(熱分解リアクタ)220にて熱分解している乾燥材料103を予熱するか、熱分解を受ける材料104を予熱する過程。
FTIR290(任意)により第2ゾーン(熱分解リアクタ)220を監視する過程(任意)。
冷却・洗浄のために、「活性炭材料供給システム120」により、HCLなどの添加剤を含む活性炭材料105を、第3ゾーン(冷却・洗浄リアクタ)230(任意)に供給する過程。
ライン160を通じて、第1ゾーン(予熱リアクタ)210からガスを排出する過程。
ライン160を通じて、第2ゾーン(熱分解リアクタ)220からガスを排出する過程。
ライン160を介して、単一のライン161に接続された第2ライン160からガスを排出する過程。
合流ライン161を介して、ガスを「相分離器250」の中へ排出する過程。
排気ガスから「極性化合物128を捕捉」する過程。この極性化合物128は、必要に応じて熱・エネルギー回収のために即時使用したり、後日使用するために貯蔵できる。
ライン160を介して、酢酸を「相分離器250」から「酸水素化ユニット280」に移送する過程。
酢酸をエタノール127に変える過程(任意)。
「冷却・洗浄された活性炭材料106」を、「活性炭材料供給システム120」を介して、「活性炭回収ユニット300」へ供給する過程(任意)。
「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」にて製造された最終的な活性炭生成物350を、「活性炭回収ユニット300」から取出す過程(任意)。
「活性炭回収ユニット300」によって、エネルギーを回収する過程310(任意)。
「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」中の「電極混合システム/ゾーン401」において、「活性炭材料供給システム120」により、「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」で製造された活性炭材料106を冷却/洗浄する過程。
追加の電極成分と、所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105・106を混合し、「電極混合システム/ゾーン401」において電極複合体混合物を生成する過程。
電極複合材混合物107を「電極準備システム/ゾーン400」に供給する過程。
「電極準備システム/ゾーン400」で電極108を準備する過程と、この電極108を「電極乾燥システム/ゾーン420」(任意)に供給する過程、もしくは、電極をイオン透過性セパレータ・セパレータを含む「デバイス巻取・積層システム411」に供給する過程。
調製された電極109を「電解質投入システム/ゾーン430」に供給する過程。
完成したエネルギー貯蔵デバイス作動機構109をエネルギー貯蔵デバイスコンテナに入れる過程。
「電解質投入システム/ゾーン430」に、「電解質混合システム431」から供給される電解質435を投入する過程。
エネルギー貯蔵デバイスアセンブリ461を、「付着・封止システム/ゾーン450」の中で、完成したエネルギー貯蔵デバイスアセンブリ461に封印・封入する過程。
密封/包囲された完成したエネルギー貯蔵デバイスアセンブリ461に真空を導入する過程(任意)、または、完成したエネルギー貯蔵デバイス460を製造する過程。
【0253】
図16に示される実施例では、改良された「所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭」・「完成したエネルギー貯蔵デバイス」は、以下を含んでいる。
【0254】
本実施例では、炭素源材料100を、任意の「サイジング・粉砕システム180」に供給する。
本実施例では、閉鎖された「炭素源材料供給システム110」は、材料供給ホッパ(図示略)・材料移送機械システム110・脱酸素化マニホールドまたは機械システム(図示略)を含む。
【0255】
本実施例では、材料供給ホッパは、炭素源材料100を受取るように構成された任意の適切な大気開放型または大気閉鎖型のコンテナであってもよい。
材料供給ホッパは、「炭素源材料供給システム110」に機械的接続かつ動作連係してもよく、特定の実施形態では、モータや他の機械的動作可能なデバイス(図示略)のような非限定的に例示した駆動源により回転するスクリュ・オーガシステムでもよい。
【0256】
追加の実施形態では、炭素源材料100は、重力供給システムで実現される「炭素源材料供給システム110」に供給される。
特定の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、スクリュ・オーガが適切に囲われるように構成される。
追加の実施形態では、上記の「囲い」(enclosure)は、略円筒形でもよい。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、スクリュ・オーガ・コンベヤ・ドラム・スクリーン・シュート・ドロップチャンバ・空気圧搬送装置を含むことができ、また回転エアロック・二重・三重フラップエアロック(図示略)を有してもよい。
【0257】
特定の実施形態において、炭素源材料100は炭素源材料供給ホッパから「炭素源材料供給システム110」へと供給され、オーガやスクリュが回転することで未加工の炭素源材料100が脱酸素化マニホールドに向けて移送される。
炭素源材料100が脱酸素化マニホールドに到達した際、「炭素源材料供給システム110」内の未加工の炭素源材料100は、約21%の酸素を含んだ空気で囲まれている。
追加の実施形態では、脱酸素化マニホールドは、「炭素源材料供給システム110」に隣接配置されるか、「炭素源材料供給システム110」の近傍に配置されてもよい。
特定の実施形態では、「脱酸素化マニホールド」や「炭素源材料供給システム110の囲い」(enclosure)は、複数のガス入口ポート・複数のガス出口ポートを含みうる。
【0258】
特定の実施形態では、「脱酸素化マニホールド」(oxigen purge manifold)は、少なくとも1つのガス入口ライン・少なくとも1つのガス出口ラインを有することができる。
追加の実施形態では、脱酸素化マニホールドの少なくとも1つのガス入口ラインは、複数の各ガス入口ポートと動作可能に連通し機械的接続できる。
追加の実施形態では、脱酸素化マニホールドの少なくとも1つのガス出口ラインは、複数の各ガス出口ポートと動作可能に連通し機械的接続できる。
特定の実施形態では、ガス入口ラインは、不活性ガスをガス入口ポートに送り込むように構成できる。
特定の実施形態では、不活性ガスは、ほとんど酸素を含んでいない窒素やアルゴンやヘリウムである。
追加の実施形態では、不活性ガスは、炭素源材料に対して向流(counter-current)で導入される。
【0259】
特定の実施形態では、密封された「炭素源材料供給システム110」に不活性ガスを導入することで、周囲空気を密封されたシステムから押出してもよい。
特定の実施形態では、稼働中に、不活性ガスが第1ガス入口ポートに導入されると、ある量の酸素に富んだ周囲空気が出口ポートから排出される。
この時点で、所望される酸素レベル(約2%以下・約1%以下・約0.5%以下・約0.2%・約0.1%以下)は達成されないことがある。
【0260】
追加の実施形態では、密封されたシステム内において炭素源材料100を取囲む空気から必要量・所望量の酸素を排除するために、不活性ガスを追加的に注入しなければならない。
追加の実施形態において、第2ガス入口ポートでは、第1ガス入口ポートによる注入と合わせて不活性ガスを密封システムに注入することで、密封されたシステムから残存する酸素の部分的または多くを排除できる。
酸素を排除するために不活性ガスを1回・2回・複数回注入した後に、「酸素含有率を低下させる」という所望の結果を達成できる。
追加の実施形態では、2回目の不活性ガス注入をおこなっても依然として所望の酸素レベルに到達しない場合、3回目の不活性ガス注入を実施でき、ガス出口により密封されたシステムから残りの不要量の酸素を排除できる。
必要に応じて、追加の複数の入口・出口を具備してもよい。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」全体において酸素レベルを監視し、不活性ガスの注入量・注入位置を較正して、所望の性能や安全性、所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105の生成が保証される。
【0261】
特定の実施形態では、各ガス入口ポート・これに対応する各ガス出口ポートは、「炭素源材料供給システム110」を通る垂直二等分線平面に対して、わずかながら相互にずれている。
特定の実施形態では、入口ポート・これに対応する出口ポートは、「炭素源材料供給システム110」内のオーガのピッチにほぼ対応する量だけ、「炭素源材料供給システム110」上でオフセットできる。
追加の実施形態では、原材料100を取囲む雰囲気が所定レベル・十分なレベルまで脱酸素された後、「炭素源材料供給システム110」から1つ以上の「熱分解リアクタ/ゾーン220」に供給できる。
追加の実施形態では、酸素レベルを「炭素源材料供給システム110」全体で監視して、不活性ガス注入の量・位置を較正して、所望の酸素レベルを達成できる。
【0262】
追加の実施形態では、デバイスは、デバイス全体のさまざまな点に配置された複数のガス導入プローブ・ガス抽出プローブを含む。
追加の実施形態では、各ガス導入プローブの1つ・各ガス抽出プローブの1つが、複数のゾーンの異なる1つに対応する。
代替実施形態では、デバイスは、適切な任意数のガス導入プローブ・ガス抽出プローブを有し、特定の実施形態では、複数のゾーンに対して「1つのガス導入プローブ・2つ以上のガス抽出プローブ」を有する。
【0263】
本実施例では、炭素材料100を粉砕し、粉砕炭素源材料101を製造する。
炭素源材料100を化学的な塩基浸漬タンク/システム190に供給する。
または、粉砕炭素源材料101を化学的な「塩基浸漬タンク/システム190」に供給する。
または、粉砕炭素材料101を別個の化学的な「塩基浸漬タンク/システム190」(任意)に供給する。
【0264】
本実施例では、石炭・石油コークスなどの炭素源材料100は、場合によっては、「熱分解リアクタ/ゾーン220」外部にて、たとえばメッシュを通過させることで、乾燥され、粉砕され、サイズ調整され、その後、炭素源材料100は、炭素源ホッパに導入される前に、任意選択可能な酸素含有雰囲気を使用して「浸漬・混合ゾーン190」に導入される。
これは、「炭素源材料供給システム110」を使用して任意に実現できる。
「炭素源材料供給システム110」は、デバイスの周囲空気の酸素レベルを、約3%以下・約2%以下・約1%以下・約0.1%以下に下げるように制御できる。
デバイス内の酸素レベルが低下すると、未加工の炭素材料100は、密封された「炭素源材料供給システム110」を介して「浸漬・混合ゾーン190」に入る。
そのような一実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、カプセル化されたジャケット・スリーブを含んでもよい。
「熱分解リアクタ/ゾーン220」からの蒸気・オフガスは、炭素源材料100を予熱・熱分解するために、炭素源材料100を直接加熱するか、炭素源材料100の予熱や熱分解をするための過程ガス加熱器や熱交換器(図示略)によって使用される。
【0265】
続いて、本実施例では、予熱・熱分解の前の一定期間、水を含む添加剤(非限定的な例として「KOH」など)が、炭素源材料全体にわたって完全かつ均一に分配される。
「浸漬・混合ゾーン190」内における浸漬時間は、以下のとおりである。
約10分間・約20分間・約30分間・約40分間・約50分間・約1時間・約1.5時間・約2時間・約3時間・約4時間・約5時間・約6時間・約7時間・約8時間・約9時間・約10時間・約11時間・約12時間・約13時間・約14時間・約15時間・約16時間・約17時間・約18時間・約19時間・約20時間・約21時間・約22時間・約23時間・約24時間・約25時間・約26時間・約27時間・約28時間・約29時間・約30時間・約31時間・約32時間・約33時間・約34時間・約35時間・約36時間・約37時間・約38時間・約39時間・約39時間・約40時間・約41時間・約42時間・約43時間・約44時間・約45時間・約46時間・約47時間・約48時間・約49時間・約50時間であり、12時間前後が好適である。
【0266】
本実施例では、炭素源材料100や粉砕炭素材料101を塩基化学剤や塩基水溶液に浸漬して、「塩基浸漬炭素源材料102」を生成する(110)。
「炭素源材料供給システム110」によって、炭素源材料100・粉砕炭素材料101を任意の「乾燥・予熱ゾーン200a」に供給する。
【0267】
代替実施形態では、乾燥ゾーンは、ガス導入プローブ・ガス抽出プローブと連係する。
追加の実施形態では、ガス導入プローブは「窒素やアルゴンやヘリウム」を乾燥ゾーンに導入し、ガス抽出プローブは乾燥ゾーンからガスを抽出する。
特定の実施形態では、ガス導入プローブは、ガスの混合物を乾燥ゾーンに導入する。
追加の実施形態では、抽出されるガスは酸素でもよい。
別の実施形態では、ガス抽出プローブは、熱・エネルギー回収システムで再利用するために、乾燥ゾーンからガスを抽出する。
【0268】
特定の実施形態では、「予熱ゾーン210」は、ガス導入プローブ・ガス抽出プローブと連係できる。
追加の実施形態では、ガス導入プローブは「窒素やアルゴンやヘリウム」を「予熱ゾーン210」に導入し、ガス抽出プローブは予熱ゾーン210からガスを抽出する。
追加の実施形態では、ガス導入プローブは、ガスの混合物を予熱ゾーン210に導入するように構成できる。
追加の実施形態では、ガス抽出プローブから抽出されたガスは、炭素富化オフガスを含みうる。
追加の実施形態では、「予熱ゾーン210」や「熱分解リアクタ/ゾーン220」から抽出されたガスは、過程後の段階において、たとえば炭素回収ユニットや「熱分解リアクタ/ゾーン220」内の材料に再導入してもよい。
追加の実施形態では、デバイスの複数のゾーンから抽出されたガスは、乾燥・処理・ガス予熱器におけるエネルギー回収か、トリミングリアクタや炭素濃縮ユニットでのさらなる熱分解に使用される。
【0269】
別の実施形態では、塩基浸漬炭素源材料102を、「炭素源材料供給システム110」により「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)に供給する。
乾燥システム/ゾーン200(任意)は、塩基浸漬炭素源材料102または炭素源材料100を乾燥させる。
水126・塩基などの化学物質を、塩基化学物質に浸した炭素源材料102から除去する。
乾燥炭素源材料の製造(103)。
「熱回収システム310」による熱の回収・再利用。
「炭素源材料供給システム110」により、乾燥炭素材料103を第1ゾーン(予熱リアクタ)210(任意)に供給する。
第1ゾーン(予熱リアクタ)210(任意)で乾燥炭素源材料103を予熱して、予熱炭素源材料104を生成する。
ライン160経由で、水126やガスを排出する。
【0270】
特定の実施形態では、デバイスは、2つ以上の複数の異なるゾーンを有する単一の「熱分解リアクタ/ゾーン220」を含みうる。
特定の実施形態では複数のゾーンを示しているが、しかしながら、別の実施形態では、任意の異なる数のゾーンを使用することができる。
追加の実施形態では、各ゾーンは、材料移送ユニット110を介して少なくとも1つの別のゾーンに接続できる。
追加の実施形態では、材料移送ユニット110は雰囲気・温度条件を制御できる。
【0271】
続いて、本実施例では、「予浸された炭素源100」は「乾燥・予熱ゾーン200a」に導入され、ここで、炭素源100の内部温度は、周囲温度付近から約100℃・約150℃・「約200℃」まで上昇する。
追加の実施形態では、温度は200℃未満のままである。
追加の実施形態では、「乾燥・予熱ゾーン200a」は、予熱中に予浸炭素源100からオフガスを捕捉・排出する機構(図示略)を含みうる。
追加の実施形態では、オフガスは、後日使用するために抽出できる。
追加の実施形態では、さまざまな機械システムに使用される加熱源は電気・ガスである。
追加の実施形態では、さまざまなリアクタに使用される加熱源は、デバイスの別のリアクタからの廃ガスであり、外部源からのガスであってもよい。
追加の実施形態では、熱は、間接的な熱源からの熱でもよい。
【0272】
本実施例では、「炭素源材料供給システム110」によって予備加熱された炭素材料104を、第2ゾーン(熱分解リアクタ)220(任意)に供給して熱分解する。
【0273】
特定の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、ガス導入プローブ・ガス抽出プローブと連係できる。
追加の実施形態では、ガス導入プローブは、窒素やアルゴンやヘリウムを「熱分解リアクタ/ゾーン220」に導入し、ガス抽出プローブは、「熱分解リアクタ/ゾーン220」からガスを抽出する。
追加の実施形態では、ガス導入プローブは、ガスの混合物を熱分解ゾーンに導入するよう構成されている。
追加の実施形態では、ガス抽出プローブから抽出されたガスは、炭素富化オフガスを含みうる。
特定の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」から抽出された炭素富化ガスを、過程後の段階において材料に再導入することができる。
追加の実施形態では、「予熱ゾーン210」から抽出したガスや「熱分解リアクタ/ゾーン220」から抽出したガスは、過程内の任意の段階で、材料に再導入する前にまとめることができる。
【0274】
本実施例では、第2ゾーン(熱分解リアクタ)220において、熱分解を受ける予熱材料104や熱分解を受ける乾燥材料103によって「所定の細孔構造炭化活性炭材料105」が生成される。
FTIR290(任意)により、第2ゾーン(熱分解リアクタ)220(任意)を監視できる。
【0275】
続いて、「乾燥・予熱ゾーン200a」で予熱したあと、「炭素源材料供給システム110」が、予熱された炭素源100を任意の別の「熱分解リアクタ/ゾーン220」に移す。
追加の実施形態では、第1ゾーン200aと「熱分解リアクタ/ゾーン220」は同じリアクタである。
第1ゾーン200aが「熱分解リアクタ/ゾーン220」とは別の追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、非限定的な例として、エアロック(図示略)などの高温蒸気シールシステムを通じて「熱分解リアクタ/ゾーン220」を貫通できる。
これにより、炭素源100が「熱分解リアクタ/ゾーン220」に浸透する一方で、ガスや熱の散逸・酸素の侵入を防止できる。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の内部は、約100℃・約200℃・約300℃・約400℃・約500℃・約600℃・約700℃・約800℃・約900℃・約1000℃・約1100℃の温度に加熱され、「800℃で2時間、毎分10℃の昇温速度」が好ましい。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、たとえば熱分解を受けている間に「予熱された炭素源材料100から放出されるガス」を捕捉し排出する「出力ポート」を備えることができる。
追加の実施形態では、ガスが抽出され、任意に後日使用するために保存される。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」からのオフガスと、デバイスの複数のゾーンからのオフガスを、単一のガス流としてまとめることができる。
炭化すると、炭素源材料100は「所定の細孔構造の階層構造の熱分解活性炭105」となって、「活性炭材料供給システム120」によって「熱分解リアクタ/ゾーン220」から搬出される。
特定の実施形態では、「活性炭材料供給システム120」は、炭素源供給システム110と同一のシステムである。
「所定の細孔構造の階層構造の熱分解活性炭105」は、冷却・洗浄のために任意の「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に導入される。
「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」において活性炭を「水と任意の添加剤」により洗浄することが好ましく、好ましい添加剤の非限定的な例は「HCL」である。
特定の実施形態において、洗浄・冷却は、特定の制御された時間量(たとえば浸漬時間)で実現できる。
たとえば、浸漬時間は、約10分・約20分・約30分・約40分・約50分・約1時間・約1.5時間・約2時間・約3時間・約4時間・約5時間・約6時間・約7時間・約8時間・約9時間・約10時間・約11時間・約12時間・約13時間・約14時間・約15時間・約16時間・約17時間・約18時間・約19時間・約20時間・約21時間・約22時間・約23時間・約24時間・約25時間・約26時間・約27時間・約28時間・約29時間時間・約30時間・約31時間・約32時間・約33時間・約34時間・約35時間・約36時間・約37時間・約38時間・約39時間・約40時間・約41時間・約42時間・約43時間・約44時間・約45時間・約46時間・約47時間・約48時間・約49時間・約50時間であり、「約8時間」が好ましい。
特定の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」と同じゾーン/システムでも、異なるゾーン/システムでもよい。
【0276】
本実施例では、石炭・石油コークス・石油・バイオマスなどの「未加工の炭素源材料100」は、低酸素含有雰囲気で「熱分解リアクタ/ゾーン220」に導入され、上述した「炭素源材料供給システム110」により任意に達成される。
「炭素源材料供給システム110」を使用して、システム内の周囲空気中の酸素レベルを約3%・約2%・約1%・約0.1%以下に低減でき、燃焼のない熱分解がなされる。
未加工の炭素源材料100は、酸素レベルが減少したあとに、密封された「炭素源材料供給システム110」内のデバイスに導入される。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、カプセル化されたジャケットもしくはスリーブを含んでもよく、リアクタからの蒸気・オフガスが、ジャケットやスリーブを通して送られ炭素源材料100の予熱に利用される。
【0277】
追加の実施形態では、未加工の炭素源材料100は、まず「炭素源材料供給システム110」から、デバイスの任意の「乾燥・予熱ゾーン200a」・「予熱ゾーン210」を通って移動する。
追加の実施形態では、「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)は、原材料を加熱して水・他の水分を除去することができ、これは、別個のゾーンでもよく別個の「予熱ゾーン210」に送られる前であってもよい。
追加の実施形態では、任意の「乾燥・予熱ゾーン200a」の内部は、ほぼ周囲温度から約100℃・約150℃・約200℃までの温度に加熱してもよい。
未加工の炭素源材料100から除去された水または水分は、一例では、出口ポートにより「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)から排出できる。
追加の実施形態では、「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)は、蒸気・スチーム・水分を抽出できるように適合できる。
追加の実施形態では、「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)からの蒸気・スチーム・水分は、任意に後日使用するように抽出できる。
任意の「乾燥・予熱ゾーン200a」から抽出された水分・蒸気・スチームは、適切な廃熱回収システムで使用でき、「炭素源材料供給システム110」と併せて使用できる。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」で使用される蒸気・スチーム・水分は、酸素レベルが「炭素源材料供給システム110」内や「炭素源材料供給システム110」により排除されている間に、生の炭素源材料100を予熱するために使用できる。
追加の実施形態では、炭素源材料100は、熱分解リアクタが乾燥ゾーン220を含まない場合、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の外部で乾燥される。
【0278】
追加の実施形態では、乾燥された炭素源材料100は、「予熱ゾーン210」に入り、ほぼ周囲温度の範囲から約100℃・約150℃・「約200℃」の温度範囲まで上昇させられる。
追加の実施形態では、温度は「予熱ゾーン210」で200℃を超えない。
予熱ゾーンが熱すぎたり、十分に熱くないのであれば、乾燥炭素源材料100は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」に入る前に非理想的な方法で処理しうる。
「予熱ゾーン210」は、予熱されている間に乾燥炭素源材料100から排気されたオフガスを捕捉し、現在または後日再利用するための出力機構を含んでもよい。
追加の実施形態では、オフガスは、任意に後日使用するために抽出できる。
追加の実施形態では、さまざまなゾーンに使用される加熱源は電気・ガスでもよい。
追加の実施形態では、さまざまなゾーンに使用される加熱源は、デバイスの他のゾーンや外部源からの廃ガスであってもよい。
追加の実施形態では、熱は、間接的な熱であってもよい。
【0279】
本実施例では、「予熱ゾーン210」内で処理した後、「炭素源材料供給システム110」は、予熱された材料が熱分解過程を受けるよう、予熱された材料を「熱分解リアクタ/ゾーン220」に移送する。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、エアロック(図示略)の非限定的な例を含みうる高温蒸気シールシステム(図示略)を介し、「熱分解リアクタ/ゾーン220」を貫通できる。
これは、材料供給システムが高温の「熱分解リアクタ/ゾーン220」に侵入することを可能にする一方で、ガスの散逸・酸素の侵入を防止・最小化する。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の内部は、約100℃・約200℃・約300℃・約400℃・約500℃・約600℃・約700℃・約800℃・約900℃・約1000℃・約1100℃の温度に加熱され、約800℃が好ましい。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、炭素源原料100の炭化中に、予熱された炭素から放出されるガスを捕捉し排出するため、「予熱ゾーン210」と同様の出口ポート・入口ポートを含みうる。
追加の実施形態では、オペレータの裁量で、ガスを任意に後日使用するために抽出できる。
追加の実施形態では、「予熱ゾーン210」からのオフガスと「熱分解リアクタ/ゾーン220」からのオフガスをまとめて、単一のガス流にすることができる。
炭化されると、炭化された炭素源材料105は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」から搬出され、つぎに「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に移送される。
【0280】
追加の実施形態では、「未加工の炭素源材料100と、さらに乾燥炭素源材料・予熱された炭素源材料・所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105」は、連続的な「炭素源材料供給システム110」やシステムに沿って、「熱分解リアクタ/ゾーン220」を通って移動する。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、過程の異なる段階で異なった炭素源材料100を移送する。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン200」を通して材料を移動させる過程は、連続過程である。
特定の実施形態では、材料がデバイスと「熱分解リアクタ/ゾーン220」を通って移動するときに「炭素源材料供給システム110」の動作を中断する必要がないよう、「炭素源材料供給システム110」の速度を適切に較正・計算し、関連するコントローラ・プロセッサ(図示略)により制御できる。
特定の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、動作上区切られてもよく、複数の別個のオーガ(図示略)・追加の炭素材料供給機構を含み、関連するコントローラ・プロセッサ(図示略)によって制御してもよい。
デバイスの特定のゾーン・ステージ・リアクタ内に炭素源材料100が留まる時間に応じて、炭素源材料100のゾーン・段階・リアクタの間の進行速度を制御するために、「炭素源材料供給システム110」の個々の炭素材料供給機構の動作を実現できる。
【0281】
追加の実施形態では、1つ以上のフィードバックセンサ・FTIR(任意)で検出されたガス・反応過程におけるFTIR・測定パラメータ・温度ゲージ・「熱分解リアクタ/ゾーン220」・反応過程における他の適切な変数に基づき、1つ以上の「熱分解リアクタ/ゾーン220」に連係するコントローラ(図示略)が、「炭素源材料供給システム110」の速度を調整する。
追加の実施形態では、コントローラ・プロセッサと通信可能な適切な水分センサ・温度センサ・ガスセンサを、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の内部・「ゾーンと熱分解リアクタ220の間」や、「炭素源材料供給システム110」やデバイスに沿った任意の適切な位置に設けたり機械的接続できる。
追加の実施形態では、コントローラ・プロセッサは、デバイス・処理システムの速度・効率を最適化するために、センサ・ゲージから得られた情報を使用できる。
追加の実施形態では、1つ以上の「熱分解リアクタ/ゾーン220」に連係するコントローラは、「炭素源材料供給システム110」を操作するように構成される。
【0282】
追加の実施形態では、1つ以上の「熱分解リアクタ/ゾーン220」と連係するコントローラは、「炭素源材料供給システム110」内部や「熱分解リアクタ/ゾーン220」内部のガスの濃度・温度・水分を監視できる。
追加の実施形態では、コントローラは、「炭素源材料供給システム110」の速度・「炭素源材料供給システム110」内へのガスの導入・「炭素源材料供給システム110」内の材料100に加えられた熱を、さまざまなセンサで得られた1つ以上の読取値に基づいて調整してもよい。
【0283】
追加の実施形態では、デバイスは、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の過程・反応が起こるのに必要な大量の熱を制御・操作するために、炉殻(kiln shell)に封入される。
追加の実施形態では、デバイスの炉殻(kiln shell)は、複数のゾーンを囲むいくつかの断熱チャンバを含みうる。
特定の実施形態では、炉は、デバイスのための複数の別個のゾーンを含む。
追加の実施形態では、デバイスの各ゾーンは、「少なくとも1つの入口・少なくとも1つの出口」を含む。
追加の実施形態では、各ゾーン内で、入口・出口が調整可能に構成され、炭素源材料100の流れ・ガスの流れ・熱の流れがゾーンに出入りするように制御する。
不活性ガスを入口に導入でき、排除された空気を当該入口に対応する出口から抽出できる。
追加の実施形態では、デバイス内のゾーンの1つ以上の出口は、デバイス内の他の1つ以上の入口や出口に接続される。
【0284】
追加の実施形態では、未加工の炭素源材料100は、「炭素源材料供給システム110」で脱酸素化されたあとに、デバイス(具体的には第1ゾーンである「乾燥・予熱ゾーン200a」)に導入される。
「乾燥・予熱ゾーン200a」は、入口・出口を備えてもよい。
追加の実施形態では、「乾燥・予熱ゾーン200a」を約80℃~約200℃の温度に加熱して、炭素源材料100から水・他の水分を減少させることができる。
続いて、炭素源材料100は、材料100を予熱する予熱ゾーン(乾燥ゾーン200aと同じゾーンであってもよい)に移動できる。
【0285】
追加の実施形態では、任意に乾燥・予熱された炭素源材料100は、その後、炭化用の「熱分解リアクタ/ゾーン220」に移動できる。
特定の実施形態では、炭化(carbonization)は約200℃~約1100℃の温度で起こりうる。
たとえば、約200℃・約210℃・約220℃・約230℃・約240℃・約250℃・約260℃・約270℃・約280℃・約290℃・約300℃・約310℃・約320℃・約330℃・約340℃・約350℃・約360℃・約370℃・約380℃・約390℃・約400℃・約410℃・約420℃・約430℃・約440℃・約450℃・約460℃・約470℃・約480℃・約490℃・約500℃・約510℃・約520℃・約530℃・約540℃・約550℃・約560℃・約570℃・約580℃・約590℃・約600℃・約610℃・約620℃・約630℃・約640℃・約650℃・約660℃・約670℃・約680℃・約690℃・約700℃・約710℃・約720℃・約730℃・約740℃・約750℃・約760℃・約770℃・約780℃・約790℃・約800℃・約810℃・約820℃・約830℃・約840℃・約850℃・約860℃・約870℃・約880℃・約890℃・約900℃・約910℃・約920℃・約930℃・約940℃・約950℃・約960℃・約970℃・約980℃・約990℃・約1000℃・約1010℃・約1020℃・約1030℃・約1040℃・約1050℃・約1060℃・約1070℃・約1080℃・約1090℃・約1100℃であり、約800℃が好ましい。
【0286】
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の炭化ゾーンは、炭化中に生成されたガス122を抽出して、所望時の後日使用のために貯蔵できる。
追加の実施形態では、炭化中に生成されるガス122は、現在または後日使用するために抽出される。
追加の実施形態では、炭化温度は、メタン(CH4)の生成を低減・排除するとともに炭化炭素源材料100の炭素含有量を最大にするように選択・維持される。
【0287】
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、少なくとも1つの入口ポート・複数の出口ポートを含みうる。
追加の実施形態では、出口ポートの1つは、収集装置・酸水素化ユニット・蒸留塔などのさらなる処理装置に接続できる。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、「予熱ゾーン210」・「熱分解リアクタ/ゾーン220」から到来するオフガスを処理でき、凝縮物・濃縮ガスを生成できる。
さらなる実施形態では、凝縮物は、酢酸・メタノール・フルフラなどの非限定的に例示した極性化合物を含みうる。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」により生成される濃縮ガスは、少なくとも非極性ガスを含みうる。
追加の実施形態では、ガス用の「熱分解リアクタ/ゾーン220」は分別塔を含みうる。
追加の実施形態において、酢酸は、ラインやチャネルを介して酸水素化ユニット(任意)に移送できる。
追加の実施形態では、メタノール・フルフラールは、任意の追加ライン・チャネルを介して蒸留・処理ユニットに移送できる。
【0288】
追加の実施形態では、また、炭素回収ユニットは、「熱分解リアクタ/ゾーン220」に接続された入口を備えてもよい。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットから抽出されたガスは、エネルギー回収システム・炭素濃縮システムで任意に使用される。
さらに、さまざまな実施形態において、ガスはデバイスの1つ以上のゾーンから排出され、エネルギー回収システム・さらなる炭素処理のためのシステムにおいて任意に使用してもよい。
【0289】
原料100を処理する際に当該原料100を取囲む周囲空気中の酸素レベルが高いと、原料100の燃焼や酸化のおそれがあり、最終的な活性炭材料105の量・品質が劇的に低下する。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、未加工の炭素源材料100を取囲む空気から酸素を排除する1つ以上のマニホールドを含む「熱分解リアクタ/ゾーン220」内の酸素を除去してもよい。
追加の実施形態では、予熱・熱分解・炭化・冷却のために、約0.5%~約1.0%の酸素レベルを採用できる。
閉鎖された「炭素源材料供給システム110」は、過程全体で、酸素レベルを約3%以下・約2%以下・約1%以下・約0.5%に減少させるように設計される。
酸素レベルが低下すると、炭素源材料100はデバイス内の「炭素源材料供給システム110」に沿って移送される。
追加の実施形態では、回収過程を通じて不活性ガスを予熱し、その後、デバイス・リアクタ・トリミングリアクタに「予熱した不活性ガス」を導入することで、システムの効率を向上させエネルギー消費を抑制する。
【0290】
追加の実施形態では、トリミングリアクタ(図示略)をシステムに含めうる。
トリミングリアクタ(図示略)を有する追加の実施形態では、デバイスからの熱分解された材料は、さらなる熱分解のために別の追加のリアクタ(図示略)に供給され、当該追加のリアクタ(図示略)で加熱された不活性ガスが導入されて安定的な高い炭素レベルを有する生成物を生成できる。
追加の実施形態では、この2次過程は、非限定的な例として、ドラム・タンク・バレル・ビン・トート・パイプ・サック・プレス・ロールオフコンテナなどのコンテナ内で行うことができる。
追加の実施形態では、炭化源材料105の輸送のために最終コンテナを使用できる。
追加の実施形態では、デバイスから抽出されたガスから熱を得ることができる熱交換器(図示略)を介して不活性ガスを加熱でき、過程ガス加熱器で燃焼させることができる。
【0291】
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」から回収された熱・蒸気・ガスは、「炭素源材料供給システム110」に送られて、ジャケット内に封入されたり、炭素源材料100との直接接触から分離されたり、「熱分解リアクタ/ゾーン220」や乾燥ゾーンに導入する前の炭素源材料100の間接的な加熱に使用される。
【0292】
代替の実施形態では、「乾燥ゾーン200a・200b」・「熱分解リアクタ/ゾーン220」から回収された熱・スチーム・ガスは「炭素源材料供給システム110」に送られ、それらは「炭素源材料供給システム110」にてジャケットに封入されるか、炭素源材料100との直接接触から分離される。
これにより、供給材料100を「熱分解リアクタ/ゾーン220」に導入する前に、供給材料100を間接的に加熱してもよい。
【0293】
本実施例では、「活性炭材料供給システム120」は、活性炭材料105を冷却・洗浄するために第3ゾーン(冷却・洗浄リアクタ)230(任意)に供給する。
「冷却・洗浄リアクタ230」は、HCLなどの添加剤を含みうる。
第1ゾーンである「予熱ゾーン210」から、ライン160を通してガスを排出する。
【0294】
本実施例では、所定の細孔構造の階層構造活性炭生成物105が「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に入ると、材料は、指定された温度まで(能動的・受動的に)冷却される。
追加の実施形態では、所定の細孔構造の活性炭105の温度は、不活性な雰囲気内の「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」において下げられる。
追加の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、「所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105を水冷」できる機械的機構であり、指定期間・延長された期間だけ材料を浸漬する「HCLなどの添加剤」を含んでいる。
所定の細孔構造炭素材料105は、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」内で冷却してもよい。
「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」において、通常の大気や酸素を含んだ空気にさらされた場合にも自然発火しない温度に到達する。
追加の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、炭素源材料の温度を200℃・約150℃・約100℃未満に低下させる。
本実施例では、デバイスは、活性炭材料105・冷却剤・添加剤を混合するための混合システム(任意)を含むことができ、これにより、炭素源材料の均一な冷却が可能になる。
さらに、冷却は、直接的手段または間接的手段により可能であり、水・他の液体・添加剤を使用してもよい。
さらに、冷却過程は、空気・他のガスを用いた直接的手段・間接的手段または両方の組合せでも可能である。
【0295】
特定の実施形態では、冷却機構は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」から分離されており、「活性炭材料供給システム120」に機械的接続できる。
追加の実施形態では、冷却機構は「熱分解リアクタ/ゾーン220」の後段に配置される。
追加の実施形態では、冷却機構は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」と同一機構でもよく、「熱分解リアクタ/ゾーン220」中に組込んでもよい。
追加の実施形態では、冷却機構は、非限定的な例としてスクリュ・オーガ・特にベルトコンベヤであるコンベヤであり、特定の実施形態ではドラム・スクリーン・パン・向流ベッド・垂直タワー・ジャケット付パドル・冷却されたスクリュ・それらの組合せ・直接的手段または間接的手段・水・他の液体・添加剤・ガスによる直接的手段または間接的手段・上記の任意の組合せによって冷却する。
追加の実施形態では、冷却機構は、水噴霧機構・入口ポート(添加剤を含む・含まない)、冷却された不活性ガス流機構・液体窒素・大気(発火・可燃温度以下の場合は空気である)でもよい出口ポートを含みうる。
追加の実施形態では、この過程中に熱を回収でき、例としては、「水の噴霧によって生成されるフラッシュ蒸気」・「飽和蒸気が導入されたときに生成される過熱蒸気」を捕捉し、その後、活性炭材料105によって加熱してもよい。
【0296】
追加の実施形態では、所定の細孔構造の炭化活性炭材料105は、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に移送でき、受動的・積極的に冷却される。
追加の実施形態では、「所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105」は、約10℃・約20℃・約30℃・約40℃までの温度に冷却できる。
追加の実施形態では、所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105は、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に移動され、同時に、具体的にKOHなどの塩基などの添加剤を除去するために冷却・洗浄される。
追加の実施形態では、所定の細孔構造の炭化活性炭材料105は、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に移送されて冷却され、同時に「水・HCLなどの添加剤で洗浄」される。
【0297】
本実施例では、所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105が「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に入ると、炭化材料105は、通常の室温である約20℃~30℃の所定の温度範囲まで放冷する。
追加の実施形態では、デバイスは、複数の「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」を含む。
追加の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、炭化材料105を200℃未満に冷却できる。
追加の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、炭化材料105を攪拌して均一に冷却・洗浄するためのミキサ・オーガを含んでもよい。
追加の実施形態では、複数の「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」のうちの1つ以上がデバイスの外部にあってもよい。
【0298】
追加の実施形態では、所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105は、「活性炭材料供給システム120」に沿って「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」から搬出され、つぎに炭素回収ユニット(図示略)に移送される。
【0299】
追加の実施形態では、所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105は、「活性炭材料供給システム120」に沿って「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」を出て、つぎに「電極混合システム/ゾーン401」に移送できる。
【0300】
本実施例では、第2ゾーン(熱分解リアクタ)220からライン160を通してガスを排出する。
単一のライン161に接続された第2ライン160から、ライン160を通るガスを排気する。
接続されたライン161を通って「相分離器250」へガスを排出する。
排出ガスから極性化合物128を捕捉し、必要に応じて、熱・エネルギー回収のために即時使用したり、後日使用するために貯蔵する。
「相分離器250」から「酸水素化ユニット280」へとライン160を介して酢酸を移送する。
酢酸を、エタノール127に変える。
【0301】
別の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、ガス導入プローブ・ガス抽出プローブと連係できる。
追加の実施形態では、ガス導入プローブは、「窒素やアルゴンやヘリウム」を「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に導入でき、ガス抽出プローブは、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」からガスを抽出できる。
さまざまな実施形態において、ガス導入プローブは、ガスの混合物を「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に導入できる。
さまざまな実施形態において、熱・エネルギー回収システムで再利用するために、ガス抽出プローブは「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」からガスを抽出する。
【0302】
特定の実施形態では、ガス導入プローブ・ガス抽出プローブは、コントローラ・複数のセンサとともに動作して、各デバイスゾーンへ導入されるガスや各デバイスゾーンから抽出されるガスのレベル・濃度を調整できる。
【0303】
特定の実施形態では、ガス導入プローブ・ガス抽出プローブは、適切なパイプで作られ、高温変動に耐えるように作られてもよい。
特定の実施形態では、ガス導入プローブ・ガス抽出プローブは、ガスを導入・抽出する複数の開口部を含みうる。
特定の実施形態では、複数の開口部は、入口・ガス抽出プローブの下側に配置できる。
追加の実施形態では、複数の開口部のそれぞれは、それぞれのゾーンで延伸する。
【0304】
追加の実施形態では、ガス導入プローブは、デバイスの一方の側から各ゾーンを通って延びてもよい。
このような特定の実施形態では、各ガス導入プローブは、デバイスの片側からデバイスの各ゾーンに延伸できる。
追加の実施形態では、固定炭素レベルを高めるために気体触媒を添加できる。
そのような特定の実施形態では、各ガス導入プローブに対する複数の開口部は、その特定のガス導入プローブと連係する各ゾーンにのみ配置できる。
【0305】
特定の実施形態では、各ガス導入プローブは、塩基「浸漬・混合ゾーン190」の左側から1つの各ゾーンに延在でき、この例では、ガス導入プローブは、デバイスを通ってデバイスまで又はデバイスを通って延びる。
そのため、導入プローブは、塩基「浸漬・混合ゾーン190」、「乾燥・予熱ゾーン200a」、「予熱ゾーン210」、「熱分解リアクタ/ゾーン220」、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」、「乾燥ゾーン200b」、「電極混合システム/ゾーン401」、特定ゾーン、全ゾーン、選択されたゾーンなどで終了する。
【0306】
特定の実施形態では、ガス導入プローブは、「予熱ゾーン210」を通って進み「乾燥・予熱ゾーン200a」で終了する予熱ゾーンガス導入プローブを有してもよい。
このような特定の実施形態では、残りのガス導入プローブは、「熱分解リアクタ/ゾーン220」内で終端する熱分解ゾーンガス導入プローブとともに「熱分解リアクタ/ゾーン220」を通って延伸できる。
追加の実施形態では、ガス抽出プローブは、ガス導入プローブと同様に構成できる。
追加の実施形態では、ガス導入プローブ・ガス抽出プローブは、デバイスのいずれかの側から開始してもよい。
【0307】
特定の実施形態では、ガス導入プローブは、複数ポート構成において使用可能なスペースを節約するために、同心円状に配置できる。
上記実施形態では、各入口プローブ・入口ポートは、前段の入口プローブ・入口ポートよりも小さい直径を有してもよい。
たとえば、上記実施形態では、塩基「浸漬・混合ゾーン190」のガス導入プローブは最も大きい内径を有することが可能なため、「予熱ゾーン210」や「乾燥ゾーン200a」のガス導入プローブは、塩基「浸漬・混合ゾーン190」のガス導入プローブの内径内に配置される。
また、「熱分解リアクタ/ゾーン220」のガス導入プローブは、予熱・乾燥ゾーンのガス導入プローブの内径内に配置される。
また、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」のガス導入プローブは、「熱分解リアクタ/ゾーン220」のガス導入プローブ159内に配置される。
また、「乾燥ゾーン200b」のガス導入プローブは、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」内に配置される。
電極混合システムゾーン401のガス導入プローブは、「乾燥・予熱ゾーン200a」内のガス導入プローブに配置される。
上記実施形態では、適切なコネクタをデバイス外部の各ガス導入プローブに取付け、各ガス導入プローブに注入される空気を個別的に又は協働して制御できる。
【0308】
特定の実施形態では、同心状・略同心状配置が好ましい場合があり、最も外側のガス導入プローブは、終端される前に各ゾーンで露出する。
したがって、上記実施形態では、ガスゾーンへの個々の導入はたがいに独立して制御でき、これは単一の連続するガス導入プローブラインとしてのみ必要である。
同様の同心状・略同心状の構成が、ガス抽出プローブに対しても適用できる。
【0309】
本実施例では、「冷却・洗浄された活性炭材料106」を、「活性炭材料供給システム120」を介して「活性炭回収ユニット300」に供給する。
「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」で製造した活性炭製品350を、「活性炭回収ユニット300」から取出す。
任意に、「活性炭回収ユニット300」によりエネルギー310を回収する。
【0310】
本実施例では、冷却/洗浄された活性炭材料106は、「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」において、「活性炭材料供給システム120」によって製造され、「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」内の「電極混合システム/ゾーン401」へと入れられる。
電極複合混合剤(electrode composite mix)を形成するために、電極混合システム/ゾーン401内において、追加の電極材料と、所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105・106とを一緒に混合する。
【0311】
「所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105」は、この時点で粉末状態であってもよく、微粉末とするために微粉化されてもよい。
粉砕や微粉化は、電極混合システム/ゾーン401内ないしは別個の微粉砕装置内で実行できる。
特定の実施形態では、粉砕・微粉化は、活性化前や炭素の活性化後に実行できる。
【0312】
本実施例では、1つ以上の混合チャンバ内で活性炭を電極成分と混合することで、電極混合剤(electrode mix)を作製できる。
「電極材料」(electrode ingredients)の非限定的な例には、「導電性添加剤・バインダ・混合剤」などが含まれる。
導電性添加剤の非限定的な例には、カーボンブラック・スーパーp・ファーネスブラック・チャネルブラック・アセチレンブラック・サーマルブラック・イオンブラック・導電性炭素が含まれる。
「バインダ」の非限定的な例には、PVDF・PTFE・非反応性熱可塑性フルオロポリマ・コポリマ・ターポリマが含まれる。
「混合剤」の非限定的な例には、2プロパノール・sプロピルアルコール・IPA・イソプロピル・イソプロパノール・アルコール・水が含まれる。
電極組成物の非限定的な例は、混合剤・塗料・混合物・ペースト・インク・自立電極の形態でもよい。
【0313】
本実施例では、「電極混合剤107」を「電極準備システム/ゾーン400」に供給する。
「電極準備システム/ゾーン400」に、電極108を準備する。
【0314】
特定の実施形態では、「電極混合システム/ゾーン401」は、電極混合剤を投入するために、1つ以上の押出機・噴霧器を有する「電極準備システム/ゾーン400」に相互接続・機械的接続できる。
さらに別の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、形成・プレス・適用されたあとに電流コレクタに取付けられる「自立型電極」を形成できる。
電極混合組成物は、以下のような「導電性の電流コレクタ材料」に塗布・加圧・接触させることができる。
「導電性の電流コレクタ材料」たりうる金属としては、ステンレス鋼・チタン・銅・アルミニウム・銀であって、薄膜・メッシュの場合があり、0.0001mm~10mmまでのさまざまな厚さがあり、さまざまなメッシュパターン・巻線がある。
さらに、電極混合剤(electrode mix)・自立型電極は、0.0001mm~10mmまでのさまざまな厚さであり得る。
たとえば、約0.05mm・約0.1mm・約0.15mm・約0.2mm・約0.25mm・約0.3mm・約0.35mm・約0.4mm・約0.45mm・約0.5mm・約0.55mm・約0.6mm・約0.65mm・約0.7mm・約0.75mm・約0.8mm・約0.85mm・約0.9mm・約0.95mm・約1.0mm・約1.25mm・約1.5mm・約1.75mm・約2.0mm・約2.25mm・約2.5mm・約2.75mm・約3.0mm・約3.25mm・約3.5mm・約3.75mm・約4.0mm・約4.25mm・約4.5mm・約4.75mm・約5.0mm・約6.0mm・約7.0mm・約8.0mm・約9.0mm・約10.0mmである。
また、約1mg/cm・約1.25mg/cm・約15mg/cm・約1.75mg/cm・約2mg/cm・約2.25mg/cm・約2.5mg/cm・約2.75mg/cm・約3mg/cm・約3.25mg/cm・約3.5mg/cm・約3.75mg/cm・約4mg/cm・約4.25mg/cm・約4.5mg/cm・約4.75mg/cm・約5mg/cm・約5.25mg/cm・約5.5mg/cm・約5.75mg/cm・約6mg/cm・約6.25mg/cm・約6.5mg/cm・約6.75mg/cm・約7mg/cm・約7.25mg/cm・約7.5mg/cm・約7.75mg/cm・約8mg/cm・約8.25mg/cm・約8.5mg/cm・約8.75mg/cm・約9mg/cm・約9.25mg/cm・約9.5mg/cm・約9.75mg/cm・約10mg/cm・約1025mg/cm・約10.5mg/cm・約10.75mg/cm・約11mg/cm・約11.25mg/cm・約115mg/cm・約11.75mg/cm・約12mg/cm・約12.25mg/cm・約12.5mg/cm・約12.75mg/cm・約13mg/cm・約13.25mg/cm・約13.5mg/cm・約13.75mg/cm・約14mg/cm・約14.25mg/cm・約14.5mg/cm・約14.75mg/cm・約15mg/cm・約16mg/cm・約17mg/cm・約18mg/cm・約19mg/cm・約20mg/cm・約21mg/cm・約22mg/cm・約23mg/cm・約24mg/cm・約25mg/cm・約30mg/cm・約35mg/cm・約40mg/cm・約45mg/cm・約50mg/cmであって、「約3.6~10.5mg/cm」が好ましい。
【0315】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、電極組成混合剤や自立型電極を投入するために、アプリケータシステムを具備するか、もしくはアプリケータシステムに機械的接続される。
アプリケータシステムの非限定的な例としては、ノズル・噴霧器・スクラッパ・プレスがある。
自立型電極は、金属に対して直接適用することができ、金属に直接接触できる自立した構成である。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、機械的ポンプ・コンプレッサ・重力供給・プレス・オーガ・電極混合剤組成物の一定供給をおこなうための圧力をさらに含む。
【0316】
追加の実施形態では、デバイスは、電解質のイオンサイズを決定し、過程開始前に最終的な階層構造を有する活性炭細孔の理想的な細孔幅・細孔分布を決定する分析器を有してもよい。
追加の実施形態では、デバイスは、過程開始や過程の最中に先立って、最終的な階層構造を有する活性炭の細孔について所望される理想的な細孔幅・細孔分布を決定する過程をおこなってもよい。
【0317】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、電極混合剤供給システム406を含みうり、さらに機械的供給システムや「デバイス巻取・積層システム411」を有することができる。
加えて、特定の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、フィーダ・ワインダ・ローラードラム・カッタ・クリンパ・「駆動機構やモータ」・接続ベルト・ギア・直接接続・「アノード材料用やカソード材料用やイオン透過性セパレータ用のテンショナ」・電極混合剤インジェクタ・電極アプリケータ・電極混合剤オーバーフローシステム・「電極乾燥システム/ゾーン420」・「電解質混合システム431と貯蔵タンクを含む電解質ゾーン/システム」・電解質導管・電解質インジェクタを含みうる。
また、「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵デバイス製造システム500の一部を形成する溶接機・シーラー・クリンパ・プレス・シールを有する「付着・封止システム/ゾーン450」を含みうる。
また、代替の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵デバイス製造システム500と機械的接続したり、分離できる。
追加の実施形態では、エネルギー貯蔵デバイス製造システム500は、エネルギー貯蔵デバイス460を収容するために、エネルギー貯蔵デバイス460を保管する「エネルギー貯蔵デバイスホッパ」をさらに有してもよい。
【0318】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」により導電性金属の連続供給を実行できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」により電極混合剤・インク・塗料・ペースト・組成物を塗布した導電性金属の連続供給を実行できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」により、自立型電極を形成するために電極混合剤の連続供給を実行できる。
【0319】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、「導電性金属と、自立型電極または電極混合剤との間の接触」を固定・組立するための「導電性金属」の連続供給を実現でき、さらに、追加の乾燥過程や水分除去を含む。
追加の実施形態では、イオン透過性セパレータやセパレータの連続供給のために「電極準備システム/ゾーン400」を使用できる。

追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、層化・多層化のために、導電性金属・電極混合剤組成物・イオン透過性セパレータの連続供給を実行できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、エネルギー貯蔵デバイスを層状化できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、以下の層構造を有するエネルギー貯蔵デバイスを層状化できる。
対向する側に電極混合剤が適用された、2つの導電性金属電流コレクタ。
対向する側が自立電極に接触している、2つの導電性金属電流コレクタ。
被覆された2つの導電性金属電流コレクタと電極複合物との間に配置された2つのイオン透過性セパレータ。

追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」により2重層電解キャパシタ460を製造できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」によりスーパーキャパシタ460を製造できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」によりエネルギー貯蔵デバイス460を作製できる。
【0320】
本実施例では、電極108を「電極乾燥システム/ゾーン420」(任意)に供給するか、これに代えて、薄膜に圧延する「デバイス巻取・積層システム411」に電極108を供給する。
【0321】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、(アノード・イオン透過性セパレータ・カソードを)連続的に巻取るか積層したエネルギー貯蔵デバイス460やスーパーキャパシタセル460を生成するように構成してもよい。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、それぞれのセルごとに複数のアノード・複数のイオン透過性セパレータ・複数のカソードを積重ねたりグループした層構造を実現できる。
さらに、特定の実施形態では、積重ねられたり積層されたり巻かれたエネルギー貯蔵デバイスは、「アノードに接続されたリード線」を有してもよく、さらに「カソードに接続されたリード線」を有してもよい。
特定の実施形態では、アノード・カソードのリード線は、エネルギー貯蔵デバイス460から突出した同エネルギー貯蔵デバイス460の端子に接続できる。
【0322】
特定の実施形態において「イオン透過性セパレータ」は、多孔質「プラスチック」・紙・「セルロース」・繊維・ガラス・イオン透過絶縁体/セパレータなどの非限定的な例を含みうる。
【0323】
本実施例では、準備された電極109を「電解質投入システム/ゾーン430」に供給する。
完成したエネルギー貯蔵デバイス作動機構109を、エネルギー貯蔵デバイスのコンテナに入れる。
【0324】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、さらにスーパーキャパシタコンテナやシェル用の「機械的供給ユニットやフィーダ(feeders)」を含んでもよい。
機械的供給ユニットやフィーダは、デバイスに機械的接続してもよい。
また、機械的供給ユニットやフィーダは、定期的間隔または所定間隔でスーパーキャパシタコンテナ(スーパーキャパシタ材料を含む、新しいコンテナや一部完成したコンテナ)の挿入・取外しを実現するために用いられる。
【0325】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵コンテナ内に層状もしくは巻かれたエネルギー貯蔵デバイス内部の「内容物」(エネルギー貯蔵材料やスーパーキャパシタ材料)を配置するための機械的供給ユニットやフィーダを有してもよい。
【0326】
本実施例では、「電解質投入システム/ゾーン430」に、「電解質混合システム431」から供給された電解質435を投入する。
【0327】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、1つ以上の電解質インジェクタに機械的に接続してもよく、さらに噴霧器・ノズルを有してもよい。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵材料やスーパーキャパシタ材料を含むエネルギー貯蔵コンテナ中へ、電解質を投入・注入する。
当該電解質は、有機電解質・水性電解質・共溶媒・塩電解質・イオンキャリア電解質・イオン電解質・ゲル電解質・ドライポリマ電解質・セラミック電解質でもよく、「塩電解質中の共溶媒」が好ましい。
【0328】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、層状または巻かれたエネルギー貯蔵デバイス内部の「内容物」(エネルギー貯蔵材料やスーパーキャパシタ材料)を、エネルギー貯蔵コンテナに配置するための機械的供給ユニットやフィーダを含んでもよい。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、1つ以上の電解質インジェクタ433に機械的接続してもよく、噴霧器・ノズルをさらに有してもよい。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵材料・スーパーキャパシタ材料を含むエネルギー貯蔵コンテナ内へ、電解質を投入・注入できる(433)。
当該「電解質」は、有機電解質・水性電解質・共溶媒・塩電解質・イオンキャリア電解質・イオン電解質・ゲル電解質・ドライポリマ電解質・セラミック電解質を含み、「塩電解質中の共溶媒」が好ましい。
【0329】
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、電解質を投入・注入し(433)、一般的な大気環境下にてエネルギー貯蔵デバイスへの電解質の投入ができる。
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、一般的な大気環境において電解質を「エネルギー貯蔵デバイス」に投入・注入する(433)。
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、一般的な大気環境において電解質を「スーパーキャパシタ」に投入・注入する(433)。
【0330】
また、本実施例の「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵材料や電解質を収容するエネルギー貯蔵コンテナ用の機械的供給ユニットやフィーダを含んでもよい。
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、コンテナ密封デバイスに機械的接続される。当該密封デバイスは、クリンパ・ねじ・リベット・クランプ・プレス・溶接・シールを含む。
溶接機451は、アノードやカソードのリード線を、エネルギー貯蔵デバイスの正端子や負端子に接続したり取付け、エネルギー貯蔵デバイス460を封入・密封する。
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、密封デバイスを備えてもよく、別個のシール・構成要素の有無に関わらず、コンテナ用のシール手段を含みうる。
【0331】
また、本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、たとえば真空のための内部エネルギー貯蔵圧力を制御する手段を有してもよい。
特定の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵デバイスの内部圧力を低下させるための真空ポンプを有してもよい。
【0332】
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、製造されたエネルギー貯蔵デバイス460やスーパーキャパシタセル460を保管するための「エネルギー貯蔵セルホッパ462」を有してもよい。
【0333】
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、「電極準備システム/ゾーン400」の動作制御・パラメータ制御をおこなうコントローラ・プロセッサ(図示略)を有してもよい。
追加の実施形態では、コントローラ・プロセッサは、速度を調整し、以下の非限定的な例を含む多数のシステムを制御するよう構成できる。
たとえば、アノード金属供給・カソード金属供給・イオン透過セパレータ供給・電極混合・「電極材料供給システム406」・「電極混合アプリケータ408」・電極混合測定・電極混合再循環システム409・「電極乾燥420」・「ローラ412a・412b」・「テンショナ413a・413b」・巻取速度・巻取長さ・積層速度・積層長さ・モータ414・駆動システム415・コンテナ積載・コンテナ搬送・コンテナ移動・「液体電解質混合431」・「液体電解質注入432・433」・液体電解質測定・「アノードとカソードの接続」・「アノードとカソードの端子接続」・付着450・コンテナの密封451・コンテナの圧着・コンテナの閉鎖・真空制御・エネルギー貯蔵デバイスのアセンブリ460・スーパーキャパシタのアセンブリ460・「ホッパの保管と制御462」である。
コントローラは、1つ以上の入力・センサ・フィードバックセンサ・測定パラメータ・測定値・タイマ・時限過程・温度計・他の適切なアセンブリパラメータに基づくことができる。
追加の実施形態では、コントローラ・プロセッサと通信可能な適切な水分センサ・温度センサ・ガスセンサを、各ゾーン内・各ゾーン間において、エネルギー貯蔵デバイス製造システム500内や、エネルギー貯蔵デバイス製造システム500に沿った任意の適切な位置に設けたり機械的接続できる。
追加の実施形態では、コントローラ・プロセッサは、センサ・ゲージから得られた情報を基に、デバイス・処理システム・機械部品・供給システム・混合システム・組立システム・材料の速度・効率を最適化できる。
これは、さまざまなセンサにより取得した1つ以上の読取値に基づいている。
【0334】
また、本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、たとえば真空のための内部エネルギー貯蔵圧力を制御する手段を有してもよい。
特定の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、内部圧力を低減するための真空ポンプを有してもよい。
【0335】
図17は、連続的な「炭素源材料供給システム110」を含む、本発明の本実施例の機能ブロック図であり、複数のリアクタと、複数のゾーンと、「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」を有している。
本実施形態におけるデバイス構成は、機械的結合または動作連係された「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」を備えている。
「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」は、「電極準備システム/ゾーン400」を有するとともに、「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」と動作連係している。
ここで、本発明は、以下を含む一連の過程・代替過程によって達成できる。
【0336】
本実施例では、改良された「所定の細孔構造の階層構造活性炭」と「完成したエネルギー貯蔵デバイス」は、以下を有する。

所望された結果生成物を製造するデバイス制御可能なシステムを制御するべく、「最終活性炭にかかる所望の細孔幅・階層構造」を決定する過程。
任意選択可能な炭素源乾燥過程200a。
炭素源材料100を任意の「サイジング・粉砕システム180」に供給する過程。
炭素材料100を粉砕して、粉砕炭素源材料101を製造する過程。
炭素源材料100を化学的な塩基浸漬タンク/システム190に供給する過程か、粉砕炭素材料101を化学的な塩基浸漬タンク/システム190に供給する過程か、粉砕炭素材料101を任意の化学塩基浸漬タンク/システム190に供給する過程。
炭素源材料100・粉砕炭素源材料101を塩基性薬品・水溶液に浸漬して「塩基浸漬炭素源材料102」を生成する過程110。
「炭素源材料供給システム110」により、炭素源材料100を供給する過程か、粉砕された炭素材料101を「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)に供給する過程か、「炭素源材料供給システム110」によって塩基浸漬炭素材料102を「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)に供給する過程。
乾燥システム/リアクタ200(任意)において「塩基に浸した炭素源材料102または炭素源材料100を乾燥」させる過程。
水126や塩基などの化学物質を「塩基に浸した炭素源材料102から除去」する過程。
乾燥炭素源材料103を製造する過程。
「熱回収システム310」によって、熱を回収・再利用する過程。
乾燥炭素源材料103を、「炭素源材料供給システム110」によって第1ゾーン(予熱リアクタ)210(任意)に供給する過程。
乾燥した炭素材料103を第1ゾーン(予熱リアクタ)210で予熱して、予熱された炭素材料104を生成する過程。
ライン160を介して水126・ガスを排出する過程。
熱分解を受けるために、予熱された炭素材料104を、「炭素源材料供給システム110」によって第2ゾーン(熱分解リアクタ)220(任意)に供給する過程。
「第2ゾーン(熱分解リアクタ)220」において、予熱された材料104が熱分解を受けるか乾燥炭素源材料103が熱分解を受け、「所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105を生成」する過程。
FTIR290(任意)によって第2ゾーン(熱分解リアクタ)220を監視する過程。
冷却・洗浄のため、「活性炭材料供給システム120」により活性炭材料105を第3ゾーン(冷却・洗浄リアクタ)230(任意)に供給する過程。
第1予熱ゾーン(リアクタ)210から、ライン160を介してガスを排出する過程。
第2ゾーン(熱分解リアクタ)220から、ライン160を介してガスを排出する過程。
第2ライン160から、ライン160を介してガスを排出する過程。これは、単一のライン161として結合することができる。
合流ライン161を介して、ガスを「相分離器250」に排出する過程。
排気ガスから極性化合物128を捕捉する過程。この極性化合物128は、必要に応じて、熱・エネルギー回収のために即時利用でき、後日使用するために貯蔵することができる。
ライン160を介して、酢酸を「相分離器250」から「酸水素化ユニット280」に移送する過程。
酢酸をエタノールに変える過程127(任意)。
「活性炭材料供給システム120」を介して、冷却・洗浄された活性炭材料106を「活性炭回収ユニット300」へ供給する過程。
「活性炭回収ユニット300」から、「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」で製造された最終活性炭生成物350を取出す過程(任意)。
「活性炭回収ユニット300」を用いてエネルギーを回収する過程310(任意)。
「活性炭材料供給システム120」によって、「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」で製造された「冷却・洗浄された活性炭材料106」を、「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」内の「電極混合システム/ゾーン401」に供給する過程。
「電極混合システム/ゾーン401」内で、追加された電極成分と「所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105・106」とを一緒に混合して、「電極複合混合剤」を形成する過程。
「電極複合混合剤107」を「電極準備システム/ゾーン400」に供給する過程。
「電極準備システム/ゾーン400」で電極108を準備する過程。
電極108を「電極乾燥システム/ゾーン420」(任意)に供給する過程か、これに代えて、イオン透過性セパレータを含んだ「デバイス巻取・積層システム411」に電極を供給する過程。
調製された電極109を「電解質投入システム/ゾーン430」に供給する過程。
完成したエネルギー貯蔵デバイス作動機構109を「エネルギー貯蔵デバイスコンテナ」に入れる過程。
「電解質投入システム/ゾーン430」に、「電解質混合システム431」から供給される電解質を投入する過程435。
「完成したエネルギー貯蔵デバイスアセンブリ461」を「付着・封止システム/ゾーン450」内に封止または封入する過程。
「密封・密封されたエネルギー貯蔵デバイスアセンブリ461」に真空を導入する過程(任意)か、それに代えて、完成したエネルギー貯蔵デバイス460を製造する過程。
【0337】
図17の実施例では、改良された「所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭」と「完成したエネルギー貯蔵デバイス」は、以下を備えている。
【0338】
本実施例では、炭素源材料100を「サイジング・粉砕システム180」(任意)に供給する。
本実施例では、閉鎖された「炭素源材料供給システム110」は、「材料供給ホッパ(図示略)」・「材料移送機械システム110」・脱酸素化マニホールド・機械システム(図示略)を含む。
【0339】
本実施例では、材料供給ホッパは、炭素源材料100を受取るように構成された適切な大気開放型・大気閉鎖型のコンテナ(任意)であってもよい。
材料供給ホッパは、「炭素源材料供給システム110」に機械的接続か動作連係してもよい。
「炭素源材料供給システム110」は、特定の実施形態では、モータ・他の機械的に動作可能なデバイス(図示略)などの非限定的に例示した駆動源により回転動作をするスクリュ・オーガシステムでもよい。
【0340】
追加の実施形態では、炭素源材料100は、重力供給システムで達成できる「炭素源材料供給システム110」に供給できる。
特定の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、スクリュ・オーガを適切に囲い(enclosure)内に設けるよう構成できる。
追加の実施形態では、上記の囲い(enclosure)は、略円筒形であってもよい。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、スクリュ・オーガ・コンベア・ドラム・スクリーン・シュート・ドロップチャンバ・空気圧搬送装置を含むことができ、回転エアロック・二重フラップエアロック・三重フラップエアロック(図示略)も含みうる。
【0341】
特定の実施形態では、炭素源材料100は、炭素源材料供給ホッパから「炭素源材料供給システム110」に供給され、オーガ・スクリュが回転することで未加工の炭素源材料100が脱酸素化マニホールドに向かって移動する。
炭素源材料100が脱酸素化マニホールドに到達した際、「炭素源材料供給システム110」内の未加工の炭素源材料100を取囲む空気は、約21%の酸素を含みうる。
追加の実施形態では、脱酸素化マニホールドは、「炭素源材料供給システム110」に隣接配置するか「炭素源材料供給システム110」周辺に配置してもよい。
特定の実施形態では、脱酸素化マニホールドや「炭素源材料供給システム110のコンテナ」は、複数のガス入口ポート・複数のガス出口ポートを含みうる。
【0342】
特定の実施形態では、脱酸素化マニホールドは「少なくとも1つのガス入口ライン・少なくとも1つのガス出口ライン」を有することができる。
追加の実施形態では、脱酸素化マニホールドの少なくとも1つのガス入口ラインは、複数の各ガス入口ポートと動作可能に連通し、機械的接続できる。
追加の実施形態では、脱酸素化マニホールドの少なくとも1つのガス出口ラインは、複数の各ガス出口ポートと動作可能に連通し、機械的接続できる。
特定の実施形態では、ガス入口ラインは、ガス入口ポートに「不活性ガス」を送込む。
特定の実施形態では、不活性ガスは、ほとんど酸素を含んでおらず、「窒素やアルゴンやヘリウム」である。
追加の実施形態では、不活性ガスは、炭素源材料に対して向流で導入される。
【0343】
特定の実施形態では、密封された「炭素源材料供給システム110」への不活性ガスの導入は、密封されたシステムから周囲空気を排除するために行ってもよい。
特定の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」の動作中に、不活性ガスが第1のガス入口ポートに導入されると、ある量の酸素に富んだ周囲空気が出口ポートから押出される。
この時点で、所望の酸素レベルである約2%以下・約1%以下・約0.5%以下・約0.2%・約0.1%以下は達成されない可能性がある。
【0344】
追加の実施形態では、閉鎖システム内の炭素源材料100を取囲む空気から必要量・所望量の酸素を排除するために、不活性ガスの追加注入を行う。
追加の実施形態では、第2ガス入口ポートは、第1ガス入口ポートにおける注入と合わせて不活性ガスを密封されたシステム内に送り込むことができ、それによって、密封システムから残りの酸素の一部か大部分を排除することが可能になる。
酸素を排除するために不活性ガスを1回・2回・複数回注入させることで、酸素含有率を低下させるという所望の結果を達成できる。
追加の実施形態では、2回の不活性ガス注入後に所望の酸素レベルが依然として達成されない場合、3回目の不活性ガスの注入を実行でき、ガス出口で密封システムから残りの望ましくない量の酸素を排除できる。
必要に応じて、追加の複数の入口・出口を組込むこともできる。
追加の実施形態では、酸素レベルを「炭素源材料供給システム110」全体で監視して、不活性ガスの注入量・注入位置を較正して、所望の性能・安全性・所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105を高い確度で得ることができる。
【0345】
特定の実施形態では、ガス入口ポートと同ガス入口ポートに対応するガス出口ポートはそれぞれ、「炭素源材料供給システム110」を通る垂直二等分面に関して、たがいにわずかにずれている。
特定の実施形態では、入口ポート・当該入口ポートに対応する出口ポートは、「炭素源材料供給システム110」内のオーガのピッチに対応量だけ、「炭素源材料供給システム110」上でオフセットできる。
追加の実施形態では、炭素源材料100を取囲む雰囲気が所定レベル・十分なレベルまで脱酸素された後、炭素源材料100を「炭素源材料供給システム110」から「熱分解リアクタ/ゾーン220」に供給できる。
追加の実施形態では、酸素レベルを「炭素源材料供給システム110」全体で監視して、不活性ガスの注入量・注入位置を較正して、事前決定した所望レベルを実現できる。
【0346】
本実施例の「複数リアクタかつ複数ゾーン」の構成では、複数のリアクタは単一のリアクタでもよく、各過程は単一のリアクタにおいてそれぞれ異なるタイミングで実行される。
【0347】
追加の実施形態では、デバイスは、デバイス全体のさまざまな点に配置された複数のガス導入プローブ・ガス抽出プローブを有する。
追加の実施形態では、各ガス導入プローブの1つ・各ガス抽出プローブの1つが、複数のゾーンの異なる1つに対応する。
代替実施形態では、デバイスは、適切な任意数のガス導入プローブ・ガス抽出プローブを含み、特定の実施形態では、複数のゾーンの各々において「1つのガス導入プローブと複数のガス抽出プローブ」を有する。
【0348】
本実施例では、炭素源材料100を粉砕して「粉砕炭素源材料101」を製造する。
炭素源材料100を化学的な塩基「浸漬タンク/システム190」に供給するか、粉砕炭素源材料101を化学的な塩基「浸漬タンク/システム190」に供給するか、粉砕炭素源材料101を任意の別個の化学的な塩基浸漬タンク/システム190に供給する。
【0349】
本実施例では、石炭・石油コークスなどの炭素源材料100は、場合によっては、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の外部で、たとえばメッシュを通過させることで、乾燥・粉砕・サイズ調整され、その後、炭素源ホッパに導入される前に、酸素含有雰囲気を有する「浸漬・混合ゾーン190」(任意)に導入される。
これは、「炭素源材料供給システム110」を使用して任意に実現できる。
「炭素源材料供給システム110」は、デバイス周辺の「空気の酸素レベル」を「約3%以下・約2%以下・約1%以下・約0.1%以下」に下げるように制御できる。
デバイス内の酸素レベルが低下すると、未加工の炭素材料100は、密封された「炭素源材料供給システム110」を介して「浸漬・混合ゾーン190」に導入される。
そのような一実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、カプセル化されたジャケット・スリーブを含んでもよい。
「熱分解リアクタ/ゾーン220」からの蒸気・オフガスは、炭素源材料100を直接加熱するか、過程ガス加熱器や炭素源材料100を予熱・熱分解するための熱交換器(図示略)により使用される。
【0350】
続いて、本実施例では、「浸漬・混合ゾーン190」における加熱・熱分解前の一定期間である「浸漬時間」だけ、非限定的な例示である「KOH」などを含む水などの「添加剤」が、炭素源材料100全体に完全かつ均一に分配される。
この「浸漬時間」は、約10分・約20分・約30分・約40分・約50分・約1時間・約1.5時間・約2時間・約3時間・約4時間・約5時間・約6時間・約7時間・約8時間・約9時間・約10時間・約11時間・約12時間・約13時間・約14時間・約15時間・約16時間・約17時間・約18時間・約19時間・約20時間・約21時間・約22時間・約23時間・約24時間・約25時間・約26時間・約27時間・約28時間・約29時間・約30時間・約31時間・約32時間・約33時間・約34時間・約35時間・約36時間・約37時間・約38時間・約39時間・約40時間・約41時間・約42時間・約43時間・約44時間・約45時間・約46時間・約47時間・約48時間・約49時間・約50時間であり、約12時間が好ましい。
【0351】
本実施例では、「炭素源材料100」・「粉砕炭素源材料101」を塩基化学物質・水溶液に浸漬して、「塩基浸漬炭素源材料102」を生成する(110)。
「炭素源材料供給システム110」によって、炭素源材料100・粉砕炭素材料101を「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)に供給する。
【0352】
代替実施形態では、乾燥ゾーンは、ガス導入プローブ・ガス抽出プローブと連係する。
追加の実施形態では、「ガス導入プローブ」は「窒素やアルゴンやヘリウム」を乾燥ゾーンに導入し、ガス抽出プローブは乾燥ゾーンからガスを抽出する。
特定の実施形態では、ガス導入プローブは、ガスの混合物を乾燥ゾーンに導入する。
追加の実施形態では、抽出されるガスは「酸素」でもよい。
別の実施形態では、ガス抽出プローブは乾燥ゾーンからガスを抽出して、熱・エネルギー回収システムで再利用する。
【0353】
特定の実施形態では、「予熱ゾーン210」は、ガス導入プローブ・ガス抽出プローブと連係できる。
追加の実施形態では、ガス導入プローブは窒素やアルゴンやヘリウムを「予熱ゾーン210」に導入し、ガス抽出プローブは予熱ゾーンからガスを抽出する。
追加の実施形態では、ガス導入プローブは、ガスの混合物を予熱ゾーンに導入する。
追加の実施形態では、ガス抽出プローブから抽出されたガスは、炭素富化オフガスを含みうる。
追加の実施形態では、「予熱ゾーン210」・「熱分解リアクタ/ゾーン220」から抽出されたガスは、過程後の段階で、たとえば炭素回収ユニット・「熱分解リアクタ/ゾーン220」で材料に再導入してもよい。
追加の実施形態では、デバイスの複数のゾーンから抽出されたガスは、乾燥・処理・ガスヒータにおけるエネルギー回収や、トリミングリアクタ・炭素濃縮ユニット内におけるさらなる熱分解のいずれかに使用できる。
【0354】
代替実施形態では、「炭素源材料供給システム110」により、塩基浸漬炭素材料102を「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)に供給する。
「乾燥システム/ゾーン200」(任意)において「塩基浸漬炭素源材料102か炭素源材料100を乾燥」させる。
水126・塩基などの化学物質を、塩基化学物質に「浸漬した炭素源材料102から除去」する。
乾燥炭素源材料103を生成する。
「熱回収システム310」により、熱の回収・再利用をする。
「炭素源材料供給システム110」によって、「乾燥炭素源材料103」を第1ゾーン(予熱リアクタ)210(任意)に供給する。
「予熱炭素源材料104」を生成するために、第1ゾーン(予熱リアクタ)210で乾燥炭素源材料103を予熱する。
水126・ガスを、ライン160経由で排出する。
【0355】
特定の実施形態では、デバイスは、2つ以上の異なるゾーンを有する単一の「熱分解リアクタ/ゾーン220」を含みうる。
特定の実施形態では複数のゾーンを示しているが、別の実施形態では任意の異なる数のゾーンを使用できる。
追加の実施形態では、各ゾーンは、材料移送ユニット110を介して少なくとも1つの他のゾーンに接続することができる。
追加の実施形態では、材料移送ユニット110は、雰囲気・温度条件を制御できる。
【0356】
続いて、本実施例では、予浸された炭素源100は、「乾燥・予熱ゾーン200a」に入り、ここで、炭素源100の内部温度は、周囲温度付近から約100℃・約150℃・約200℃まで上昇する。
追加の実施形態では、温度は200℃未満のままである。
追加の実施形態では、「乾燥・予熱ゾーン200a」は、予浸炭素源100が加熱されている間、予浸炭素源100から「オフガスを捕捉・排出する機構」(図示略)を含みうる。
追加の実施形態では、オフガスは、任意に後日使用するために抽出できる。
追加の実施形態では、さまざまな機械システムに使用される加熱源は、電気・ガスである。
追加の実施形態では、さまざまなリアクタに使用される加熱源は、デバイスの他のリアクタや外部源からの廃ガスでもよい。
追加の実施形態では、熱は間接的な供給源からのものでもよい。
【0357】
本実施例では、「炭素源材料供給システム110」によって予熱された炭素材料104を第2ゾーン(熱分解リアクタ)220(任意)に供給し、「予熱された炭素材料104を熱分解」する。
【0358】
特定の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は「ガス導入プローブ」・「ガス抽出プローブ」と連係できる。
追加の実施形態では、ガス導入プローブは、窒素やアルゴンやヘリウムを「熱分解リアクタ/ゾーン220」に導入し、ガス抽出プローブは、「熱分解リアクタ/ゾーン220」からガスを抽出する。
追加の実施形態では、ガス導入プローブは、ガスの混合物を熱分解ゾーンに導入する。
追加の実施形態では、上記のガス抽出プローブから抽出されたガスは「炭素富化オフガス」を含みうる。
特定の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」から抽出された「炭素富化ガス」を、過程後の段階で材料に再導入できる。
追加の実施形態では、「予熱ゾーン/リアクタ210」からの抽出ガスと「熱分解リアクタ/ゾーン220」からの抽出ガスは、過程内の任意の段階で材料に再導入する前に、混合できる。
【0359】
本実施例では「第2ゾーン(熱分解リアクタ)220」において、「熱分解を受ける予熱材料104」・「熱分解を受ける乾燥材料103」により、「所定の細孔構造炭化活性炭材料105が生成」される。
FTIR290(任意)により、第2ゾーン(熱分解リアクタ)220を監視する(任意)。
【0360】
続いて、「乾燥・予熱ゾーン200a」で予熱した後、「炭素源材料供給システム110」が、予熱された炭素源100を「熱分解リアクタ/ゾーン220」(任意)に移す。
追加の実施形態では、第1ゾーン200aと「熱分解リアクタ/ゾーン220」は同じリアクタである。
第1ゾーン200aが「熱分解リアクタ/ゾーン220」とは異なっている追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、非限定的な例示であるエアロック(図示略)などの高温蒸気シールシステムを通って「熱分解リアクタ/ゾーン220」を貫通することができる。
これにより、炭素源100が「熱分解リアクタ/ゾーン220」に浸透する一方で、「ガスや熱の散逸」・「酸素の侵入」を防止できる。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の内部は、約100℃・約200℃・約300℃・約400℃・約500℃・約600℃・約700℃・約800℃・約900℃・約1000℃・約1100℃の温度に加熱され、「800℃で2時間で毎分10℃の昇温速度」が好ましい。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、たとえば熱分解を受けている間に予熱された炭素源材料100から放出されるガスを捕捉して排出するための出力ポートを備える。
追加の実施形態では、ガスが抽出され、後日使用するために任意に保存される。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」からのオフガスと、デバイスの複数のゾーンからのオフガスとをまとめて、単一のガス流にすることができる。
炭化されると、炭素源材料100は「所定の細孔構造の階層構造を有する熱分解された活性炭材料105」となる。
所定の細孔構造の階層構造を有する熱分解された活性炭材料は、「活性炭材料供給システム120」により「熱分解リアクタ/ゾーン220」から搬出される。
特定の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は炭素源供給システム110と同じ供給システムであり、冷却・洗浄のために「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」(任意)に入ることができる。
活性炭は水・任意の添加剤で洗浄することが好ましく、好ましい添加剤の非限定的な例は「HCL」である。
特定の実施形態において「洗浄・冷却」は、特定の時間量もしくは制御された時間量、たとえば「浸漬時間」で実現できる。
たとえば、約10分・約20分・約30分・約40分・約50分・約1時間・約1.5時間・約2時間・約3時間・約4時間・約5時間・約6時間・約7時間・約8時間・約9時間・約10時間・約11時間・約12時間・約13時間・約14時間・約15時間・約16時間・約17時間・約18時間・約19時間・約20時間・約21時間・約22時間・約23時間・約24時間・約25時間・約26時間・約27時間・約28時間・約29時間・約30時間・約31時間・約32時間・約33時間・約34時間・約35時間・約36時間・約37時間・約38時間・約39時間・約40時間・約41時間・約42時間・約43時間・約44時間・約45時間・約46時間・約47時間・約48時間・約49時間・約50時間であり、「約8時間」が好ましい。
ここで、特定の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」と同じであってもよく、異なるゾーン/システムであってもよい。
【0361】
本実施例では、「炭素源材料供給システム110」を使用することで、石炭・石油コークス・石油・バイオマスなどの「未加工の炭素源材料100」は「熱分解リアクタ/ゾーン220」内の低酸素含有雰囲気に導入される。
「炭素源材料供給システム110」は、「燃焼のない熱分解過程」を実行し、「システム内の空気中酸素レベル」を約3%・約2%・約1%・約0.1%以下に減少させるために使用できる。
未加工の炭素源材料100は、炭素源材料供給システム110内の酸素レベル減少後に、密封された「炭素源材料供給システム110」内のデバイスに移送される。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、カプセル化されたジャケットやスリーブを含んでもよく、ジャケットやスリーブを通してリアクタからの蒸気・オフガスが送られ、炭素源材料100が予熱される。
【0362】
追加の実施形態では、まず、未加工の炭素源材料100は、「炭素源材料供給システム110」から、デバイスの任意の「乾燥・予熱ゾーン200a」や「予熱ゾーン210」やエリアを通って移動する。
追加の実施形態では、任意の「乾燥・予熱ゾーン200a」は、未加工の炭素源材料を加熱して水・他の水分を除去でき、任意の「乾燥・予熱ゾーン200a」は別のゾーンであって「予熱ゾーン210」を通る前に実行できる。
追加の実施形態では、「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)の内部は、ほぼ周囲温度から、約100℃・約150℃・約200℃までの温度に加熱してもよい。
未加工の炭素源材料100から除去された水や水分は、一例では出口ポートや「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)から排出できる。
追加の実施形態では、「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)は、蒸気・スチーム・水分を抽出できる。
追加の実施形態では、「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)からの蒸気・スチーム・水分は、任意で後日使用するように抽出できる。
「乾燥・予熱ゾーン200a」(任意)から抽出された水分・蒸気・スチームは、適切な廃熱回収システムで使用でき、「炭素源材料供給システム110」と併せて使用できる。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」で使用される蒸気・スチーム・水分は、この「炭素源材料供給システム110」において酸素が排除されている間に、生の炭素源材料100を予熱するために使用される。
追加の実施形態では、リアクタが乾燥ゾーン220を含まない場合、炭素源材料100は「熱分解リアクタ/ゾーン220」の外部で乾燥される。
【0363】
追加の実施形態では、乾燥された炭素源材料100は「予熱ゾーン210」に導入され、そこで炭素源材料100の温度は、ほぼ周囲温度の範囲から約100℃・約150℃・約200℃の温度範囲まで上昇する。
追加の実施形態では、温度は「予熱ゾーン210」で200℃を超えない。
予熱ゾーンが熱すぎるか、十分に熱くないようであれば、乾燥炭素源材料100は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」に入る前に非理想的な方法で処理される。
「予熱ゾーン210」は、予熱されている間に乾燥炭素源材料100から排気されたオフガスを捕捉して即時利用または後日再利用するための出力機構を含んでもよい。
追加の実施形態では、オフガスは、任意に後日使用するために抽出できる。
追加の実施形態では、さまざまなゾーンに使用される加熱源は、電気・ガスでもよい。
追加の実施形態では、さまざまなゾーンに使用される加熱源は、デバイスの他のゾーンや外部源からの廃ガスであってもよい。
追加の実施形態では、熱は、間接的な熱でもよい。
【0364】
本実施例では、「予熱ゾーン210」内で処理した後、「炭素源材料供給システム110」は、予熱された炭素源材料が熱分解過程を受けるために、予熱された炭素源材料を「熱分解リアクタ/ゾーン220」に移送できる。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、非限定的な例示であるエアロック(図示略)を含む高温蒸気シールシステム(図示略)を通り、「熱分解リアクタ/ゾーン220」を貫通できる。
材料供給システムが高温の「熱分解リアクタ/ゾーン220」への侵入を可能にする一方、ガスが逃げるのを防止・最小限に抑え、酸素が入るのを防止する。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の内部は、約100℃・約200℃・約300℃・約400℃・約500℃・約600℃・約700℃・約800℃・約900℃・約1000℃・約1100℃の温度に加熱され、約800℃が好ましい。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、炭化されている間、予熱された炭素源から放出されるガスを捕捉・排出する「予熱ゾーン210」と同様に、出口ポート・入口ポートを有してもよい。
追加の実施形態では、オペレータの裁量で、ガスを任意で後日使用するために抽出できる。
追加の実施形態では、「予熱ゾーン210」からのオフガスと「熱分解リアクタ/ゾーン220」からのオフガスを組合せて単一のガス流にできる。
炭化されると、炭化された炭素源材料105は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」を出て、つぎに「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に入る。
【0365】
追加の実施形態では、「未加工の炭素源材料100」と、さらに「乾燥炭素源材料」・「予熱された炭素源材料」・「所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105」は、連続的な「炭素源材料供給システム110」やシステムに沿って、「熱分解リアクタ/ゾーン220」を通って移動する。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、過程のさまざまな段階において、異なる炭素源材料100を移送できる。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」を通して材料を移動させる過程は連続的である。
特定の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」の速度は、デバイス・「熱分解リアクタ/ゾーン220」を介して材料が移動するときに「炭素源材料供給システム110」の動作が中断することがないよう、関連するコントローラ・プロセッサ(図示略)によって適切に較正・計算・制御できる。
特定の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、動作で区分されてもよく、複数の別のオーガ(図示略)または追加の炭素材料供給機構を含んでもよい。
また、「炭素源材料供給システム110」の個々の炭素材料供給機構の動作により、特定のゾーン・ステージ・リアクタ内に留まる炭素源材料100の最適時間に応じて、炭素源材料100のゾーン・段階・リアクタの間の進行速度を制御するために、「炭素源材料供給システム110」を関連するコントローラ・プロセッサ(図示略)により制御してもよい。
【0366】
追加の実施形態では、1つ以上の「熱分解リアクタ/ゾーン220」に連係するコントローラ(図示略)は、「炭素源材料供給システム110」の速度を調整するように構成してもよい。
この調整は、1つ以上のフィードバックセンサ・「FTIR(任意)からの検出されたガス」・測定パラメータ・温度ゲージ・「熱分解リアクタ/ゾーン220や反応過程における他の適切な変数」に基づいてもよい。
追加の実施形態では、コントローラ・プロセッサと通信可能な適切な水分センサ・温度センサ・ガスセンサを、「熱分解リアクタ/ゾーン220」内や「熱分解リアクタ/ゾーン220」の間や、「炭素源材料供給システム110」やデバイスに沿った任意の適切な位置に組込んだり機械的に接続できる。
追加の実施形態では、コントローラ・プロセッサは、デバイスや処理システムそれぞれの速度や効率を最適化するために、センサ・ゲージから得られた情報を使用できる。
追加の実施形態では、1つ以上の「熱分解リアクタ/ゾーン220」と連係するコントローラは、「炭素源材料供給システム110」を動作させるように構成される。
【0367】
追加の実施形態では、1つ以上の「熱分解リアクタ/ゾーン220」に連係するコントローラは、「炭素源材料供給システム110」内部のガスや「熱分解リアクタ/ゾーン220」の内部のガスの濃度・温度・水分を監視できる。
追加の実施形態では、コントローラは、さまざまなセンサで得た1つ以上の読取値に基づいて、「炭素源材料供給システム110の速度」・「炭素源材料供給システム110へのガスの入力」・「炭素源材料供給システム110内の材料100に加えられる熱」を調整できる。
【0368】
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の過程・反応が起こるのに必要な大量の熱を制御・操作するために、デバイスが炉殻(kiln shell)に封入される。
追加の実施形態では、デバイスの炉殻(kiln shell)は、複数のゾーンを囲むいくつかの断熱チャンバを含む。
特定の実施形態では、炉(kiln)は、デバイスのための複数のゾーンを含む。
追加の実施形態では、デバイスの各ゾーンは、少なくとも1つの入口・少なくとも1つの出口を含む。
追加の実施形態では、各ゾーン内において、入口・出口を調整可能であり、炭素源材料100・ガス・熱の流れをゾーンに出入りするように制御する。
不活性ガスを入口から導入でき、排除された空気を入口に対応する出口から抽出できる。
追加の実施形態では、デバイス内のゾーンの1つ以上の出口は、デバイス内の1つ以上の他の入口・出口に接続される。
【0369】
追加の実施形態では、未加工の炭素源材料100は、「炭素源材料供給システム110」で脱酸素化されたのちに、デバイス(具体的には第1ゾーンである「乾燥・予熱ゾーン200a」)に導入される。
「乾燥・予熱ゾーン200a」は、入口・出口を有する。
追加の実施形態では、炭素源材料100から水・他の水分を減少させるために、「乾燥・予熱ゾーン200a」を約80℃~約200℃の温度に加熱できる。
続いて、炭素源材料100は、材料100を予熱することができる同じゾーンにある「予熱ゾーン」に移送できる。
【0370】
追加の実施形態では、任意に乾燥・予熱された炭素源材料100は、その後、炭化するための「熱分解リアクタ/ゾーン220」に移動できる。
特定の実施形態では、炭化は約200℃~約1100℃の温度で起こり得る。
たとえば、約200℃・約210℃・約220℃・約230℃・約240℃・約250℃・約260℃・約270℃・約280℃・約290℃・約300℃・約310℃・約320℃・約330℃・約340℃・約350℃℃・約360℃・約370℃・約380℃・約390℃・約400℃・410℃・約420℃・約430℃・約440℃・約450℃・約460℃・約470℃・約480℃・約490℃・約500℃・約510℃・約520℃・約530℃・約540℃・約550℃・約560℃・約570℃・約580℃・約590℃・約600℃・約610℃・約620℃・約630℃・約640℃・約650℃・約660℃・約670℃・約680℃・約690℃・約700℃・約710℃・約720℃・約730℃・約740℃・約750℃・約760℃・約770℃・約780℃・約790℃・約800℃・約810℃・約820℃・約830℃・約840℃・約850℃・約860℃・約870℃・約880℃・約890℃・約900℃・約910℃・約920℃・約930℃・約940℃・約950℃・約960℃・約970℃・約980℃ ℃・約990℃・約1000℃・約1010℃・約1020℃・約1030℃・約1040℃・約1050℃・約1060℃・約1070℃・約1080℃・約1090℃・約1100℃であり、約800℃が好ましい。
【0371】
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」の炭化ゾーンは、炭化中に生成されたガス122を抽出して後日使用するために貯蔵する。
追加の実施形態では、炭化水素化中に生成されたガス122は、即時使用や後日使用するために抽出される。
追加の実施形態では、炭化温度は、メタン(CH4)の生成を低減・排除して炭化炭素源材料100の炭素含有量を最大化するために、選択・維持される。
【0372】
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、少なくとも1つの入口ポート・複数の出口ポートを含みうる。
追加の実施形態では、出口ポートの1つは、収集装置やさらなる処理装置(酸水素化ユニット・蒸留塔など)に接続してもよい。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」は、「予熱ゾーン210や熱分解リアクタ/ゾーン220から到来するオフガス」を処理することができ、凝縮物・濃縮ガスを生成できる。
さらなる実施形態では、「凝縮物」は、非限定的な例示である酢酸・メタノール・フルフラールなどの極性化合物を含みうる。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220によって生成される濃縮ガス」は、少なくとも非極性ガスを含む。
追加の実施形態では、ガスの「熱分解リアクタ/ゾーン220」は分別塔(fractionation column)を含みうる。
追加の実施形態において、酢酸は、ラインまたはチャネルを介して酸水素化ユニット(任意)に移送しうる。
追加の実施形態では、メタノール・フルフラールは、任意の追加ライン・チャネルを介して「蒸留・処理ユニット」に移送できる。
【0373】
追加の実施形態では、炭素回収ユニットは、「熱分解リアクタ/ゾーン220」に接続された入口を含んでもよい。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットから抽出されたガスは、エネルギー回収システム・炭素濃縮をおこなうシステムで任意に使用される。
さらに、さまざまな実施形態において、ガスはデバイスの1つ以上のゾーンから抽出され、エネルギー回収システム・さらなる炭素処理用システムで任意に使用してもよい。
【0374】
炭素源材料100が処理されるときに炭素源材料100を取囲む周囲空気中の酸素レベルが高いと、炭素源材料100の不都合な燃焼・酸化が起こるおそれがあり、最終的な活性炭材料105の量・品質が劇的に低下してしまう。
追加の実施形態では、「炭素源材料供給システム110」は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」内の未加工の炭素源材料100を取囲む空気から酸素を排除する「1つ以上のマニホールド」を含む閉鎖されたシステムでもよい。
追加の実施形態では、予熱・熱分解・炭化・冷却のために、約0.5%~約1.0%の酸素レベルを使用できる。
閉鎖された「炭素源材料供給システム110」は、過程全体で、酸素レベルを約3%以下・約2%以下・約1%以下・約0.5%以下に減少させるように構成される。
酸素レベルが低くなると、炭素源材料100は、デバイス内の「炭素源材料供給システム110」に沿って移送される。
追加の実施形態では、回収過程全体を通して不活性ガスを予熱した後、予熱した不活性ガスをデバイス・リアクタ・トリミングリアクタに導入することで、システムの効率が向上してエネルギー消費が抑制される。
【0375】
追加の実施形態では、「トリミングリアクタ(図示略)」をシステムに含めうる。
トリミングリアクタ(図示略)を有する追加の実施形態では、デバイスからの熱分解された炭素源材料は、加熱された不活性ガスによりさらなる熱分解をするために、追加された別のリアクタ(図示略)に供給される。
加熱された不活性ガスを導入することで、安定的な炭素レベルの高い製品を作製できる。
追加の実施形態では、この2次過程は、非限定的な例として、ドラム・タンク・バレル・ビン・トート・パイプ・サック・プレス・ロールオフコンテナなどのコンテナ内で行うことができる。
追加の実施形態では、炭化源材料105の輸送のために最終コンテナを使用できる。
追加の実施形態では、不活性ガスは、デバイスから抽出されたガスから熱を得る熱交換器(図示略)を介して加熱でき、過程ガス加熱器で燃焼される。
【0376】
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ/ゾーン220」から回収された熱・蒸気・ガスは、「炭素源材料供給システム110」に送られてジャケット内に封入され、炭素源材料100との直接接触から分離したり、「熱分解リアクタ/ゾーン220」・リアクタ・乾燥ゾーンに導入する前に炭素源材料100を間接的に加熱するために使用される。
【0377】
別の実施形態では、「乾燥ゾーン200a・200b」や「熱分解リアクタ/ゾーン220」から回収された熱・蒸気・ガスは、「炭素源材料供給システム110」に送られて、ジャケット内に封入されたり、直接接触から分離される。
これにより、炭素源材料100を「熱分解リアクタ/ゾーン220」に導入する前に、供給材料100を間接的に加熱できる。
【0378】
本実施例では、HCLなどの添加剤を含んだ活性炭材料105を「活性炭材料供給システム120」により第3のゾーン(冷却・洗浄リアクタ)230(任意)に供給して、冷却・洗浄をおこなう。
ライン160を通して、第1ゾーンである「予熱ゾーン210」からガスを排出する。
【0379】
本実施例では、「所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105」が「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に入ると、当該材料は、指定された温度まで(能動的・受動的に)冷却される。
追加の実施形態では、所定の細孔構造の活性炭105の温度は、略不活性雰囲気内の「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」において低下する。
追加の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、浸漬するための「HCLなどの添加剤を含んだ所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105」を水冷冷却する。
「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、機械的機構であり、指定期間または延長された期間において、材料を浸漬する。
所定の細孔構造の炭素材料105は、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」内で冷却され、通常の大気や酸素化空気にさらされても自然発火しない温度まで到達する。
追加の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、炭素源材料の温度を200℃未満・約150℃・約100℃に下げる。
本実施例では、デバイスは、活性炭材料105と冷却剤と添加剤とを混合するための「混合システム」(任意)を具備し、これにより炭素源材料の均一な冷却が可能になる。
さらに、冷却は、水・他の液体・添加剤を使用する直接的手段・間接的手段により実行できる。
さらに、冷却過程は、空気・他のガスを用いた直接的手段・間接的手段・これら両方の組合せでも実行できる。
【0380】
特定の実施形態では、冷却機構は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」から分離されており、「活性炭材料供給システム120」に機械的接続できる。
追加の実施形態では、冷却機構は「熱分解リアクタ/ゾーン220」の後段に配置される。
追加の実施形態では、冷却機構は、「熱分解リアクタ/ゾーン220」と同じでもよく、「熱分解リアクタ/ゾーン220」中に組込まれてもよい。
追加の実施形態では、冷却機構は、非限定的な例として、具体的にはスクリュ・オーガ・ベルトコンベヤであるコンベヤから構成され、特定の実施形態では、ドラム・スクリーン・パン・向流床・垂直タワー・ジャケット付パドル・冷却スクリュ・これらの組合せを含む。
この冷却機構は、直接的手段・間接的手段を用いたり、水や他の液体・添加剤を用いたり、直接的または間接的にガスを用いたり、上記の任意の組合せを用いることで冷却する。
追加の実施形態では、冷却機構は、「水噴霧機構か入口ポート(添加剤を含んでも、含まずともよい)」や、「液体窒素である冷却された不活性ガス流機構と出口ポート」や、大気(発火温度・可燃温度以下の場合)を含みうる。
追加の実施形態では、冷却過程から若しくは冷却過程中に熱を回収できる。例としては、「水噴霧によって生成されるフラッシュ蒸気」や「飽和蒸気が導入されたときに生成される過熱蒸気」を捕捉することにより、これらは全体に混合され、そして活性炭材料105により加熱される。
【0381】
追加の実施形態では、所定の細孔構造の炭化活性炭材料105は、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に移送され、受動的・能動的に冷却できる。
追加の実施形態では、「所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105」は、約10℃・約20℃・約30℃・約40℃までの温度に冷却できる。
追加の実施形態では、所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105は、温度低下ゾーンや「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に移送され、同時に、具体例としてKOHなどの塩基などの添加剤を除去するために冷却・洗浄される。
追加の実施形態では、所定の細孔構造の炭化活性炭材料105を、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に移動して冷却し、同時に「水・HCLなどの添加剤で洗浄」できる。
【0382】
本実施例では、所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105が「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に入ると、炭化材料105は、一般的には室温程度である約20℃~30℃の所定の温度範囲まで冷却される。
追加の実施形態では、デバイスは、複数の「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」を含む。
追加の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、炭化材料105を200℃未満に冷却する。
追加の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、炭化材料105を攪拌し均一に冷却・洗浄するためのミキサ・オーガを含んでもよい。
追加の実施形態では、複数の「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」のうちの1つ以上が、デバイスの外部にあってもよい。
【0383】
追加の実施形態では、所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105は、「活性炭材料供給システム120」に沿って「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」から搬出され、つぎに炭素回収ユニット(図示略)に移送される。
【0384】
追加の実施形態では、所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105は、「活性炭材料供給システム120」に沿って「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」から搬出され、つぎに「電極混合システム/ゾーン401」に移送される。
【0385】
本実施例では、ライン160を通して、第2ゾーン(熱分解リアクタ)220からガスを排出する。
単一のライン161に接続された第2ライン160から、ライン160を通じてガスを排出する。
接続されたライン161を介して、「相分離器250」へガスを排出する。
排気ガスから極性化合物128を捕捉して、必要に応じて熱・エネルギー回収に即時利用したり、後日使用するために貯蔵する。
相分離器250から「酸水素化ユニット280」へ、ライン160を介して酢酸を移送する。
酢酸をエタノールに変える(127)。
【0386】
別の実施形態では、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」は、ガス導入プローブ・ガス抽出プローブと連係できる。
追加の実施形態では、ガス導入プローブは、窒素やアルゴンやヘリウムを「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に導入でき、ガス抽出プローブは、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」からガスを抽出できる。
さまざまな実施形態において、ガス導入プローブは、ガスの混合物を「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」に導入できる。
さまざまな実施形態において、ガス抽出プローブは、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」からガスを抽出して、熱・エネルギー回収システムで再利用する。
【0387】
特定の実施形態では、上記のガス導入プローブ・ガス抽出プローブは、コントローラ・複数のセンサとともに動作し、各デバイスゾーンから導入されるガス・抽出されるガスのレベル・濃度を調整する。
【0388】
特定の実施形態では、ガス導入プローブ・ガス抽出プローブは、適切なパイプで作られ、高温変動に耐えるように作製してもよい。
特定の実施形態では、ガス導入プローブ・ガス抽出プローブは、ガスを導入・抽出できる複数の開口部を含みうる。
特定の実施形態では、複数の開口部は、入口・ガス抽出プローブの下部に配置できる。
追加の実施形態では、複数の開口部のそれぞれが、それぞれのゾーン内に相当の長さにわたって延在する。
【0389】
追加の実施形態では、ガス導入プローブは、デバイスの一方の側から各ゾーンを通って延びてもよい。
このような特定の実施形態では、ガス導入プローブは、それぞれデバイスの片側から各デバイスの各ゾーンに延在することができる。
追加の実施形態では、固定炭素レベルを高めるために気体触媒を添加できる。
そのような特定の実施形態では、ガス導入プローブのそれぞれに対する複数の開口部は、特定のガス導入プローブに関連するそれぞれのゾーンにのみ配置できる。
【0390】
特定の実施形態では、ガス導入プローブのそれぞれは、塩基「浸漬・混合ゾーン190」の左側からゾーンのそれぞれ1つに延在できる。
この例では、ガス導入プローブは、「電極混合システム/ゾーン401」を通ったり、デバイスを通って移動する。
また、導入プローブは、塩基「浸漬・混合ゾーン190」、「乾燥・予熱ゾーン200a」、「予熱ゾーン210」、「熱分解リアクタ/ゾーン220」、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」、「乾燥ゾーン200b」、「電極混合システム/ゾーン401」、特定のゾーン、すべてのゾーン、その他選択されたゾーンなどで終端するように構成できる。
【0391】
特定の実施形態では、ガス導入プローブはすべて「予熱ゾーン210」を通って延伸し、「乾燥・予熱ゾーン200a」において終端される予熱ゾーンガス導入プローブを備えてもよい。
このような特定の実施形態では、残りのガス導入プローブは、「熱分解リアクタ/ゾーン220」内において終端される熱分解ゾーンガス導入プローブとともに、「熱分解リアクタ/ゾーン220」を通って延伸できる。
追加の実施形態では、ガス抽出プローブは、ガス導入プローブと同様に構成できる。
追加の実施形態では、ガス導入プローブとガス抽出プローブは、デバイスのいずれかの側から開始することができる。
【0392】
特定の実施形態では、ガス導入プローブは、複数ポート構成において使用できるスペースを節約するために、互いに同心円状に配置できる。
上記の実施形態では、各入口プローブ・入口ポートは、前段の入口プローブ・入口ポートよりも小さい直径を有することができる。
たとえば、上記実施形態では、塩基「浸漬・混合ゾーン190」のガス導入プローブは最も大きい内径を有することができる。
したがって、「予熱ゾーン210」・「乾燥ゾーン200a」のガス導入プローブは、塩基「浸漬・混合ゾーン190」のガス導入プローブ内径のなかに配置される。
また、「熱分解リアクタ/ゾーン220」のガス導入プローブは、予熱・乾燥ゾーンのガス導入プローブの内径のなかに配置される。
そのため、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」のガス導入プローブは、「熱分解リアクタ/ゾーン220」のガス導入プローブ159内に配置される。
また、「乾燥ゾーン200b」のガス導入プローブは、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」のガス導入プローブ内に配置される。
「電極混合システム/ゾーン401」のガス導入プローブは、「乾燥・予熱ゾーン200a」のガス導入プローブに配置される。
上記実施形態では、適切なコネクタをデバイス外部の各ガス導入プローブに取付けておくことで、当該ガス導入プローブそれぞれに注入される空気を個別的に又は協働して制御できる。
【0393】
特定の実施形態では、同心状・略同心状配置が好ましい場合があり、最も外側のガス導入プローブは、終端される前に各ゾーンにおいてのみ露出される。
したがって、上記実施形態では、ガスゾーンへの個々の導入は、互いに独立して制御でき、これは「単一の連続したガス導入プローブライン」のみを必要とする。
同様の同心状・略同心状の構成が、そのような実施形態のガス抽出プローブに好適であり利用できる。
【0394】
本実施例では、「活性炭材料供給システム120」を介して、「冷却・洗浄された活性炭材料106」を「活性炭回収ユニット300」に供給する。
「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」にて完成した活性炭生成物350を、「活性炭回収ユニット300」から取出す。
任意に、「活性炭回収ユニット300」により、エネルギー310を回収する。
【0395】
本実施例では、「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」で製造された活性炭材料106を、「活性炭材料供給システム120」によって、「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」内の「電極混合システム/ゾーン401」において冷却・洗浄する。
「電極複合混合剤」を形成するために、「電極混合システム/ゾーン401」内で、追加の電極成分と「所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105・106」とを一緒に混合する。
【0396】
所定の細孔構造の階層構造を有する活性炭材料105は、この時点で粉末状態でもよく、もしくは、微粉末を生成するために、「電極混合システム/ゾーン401」や別個の微粉化デバイス内において微粉化してもよい。
特定の実施形態では、粉砕・粉末化は、活性化前・炭素の活性化後に実行できる。
【0397】
本実施例では、1つ以上の混合チャンバ内で、活性炭を「電極成分」と混合して「電極混合剤」を作製できる。
「電極成分」の非限定的な例には、「導電性添加剤・バインダ・混合剤」が含まれる。
導電性添加剤の非限定的な例には、カーボンブラック・スーパーp・ファーネスブラック・チャネルブラック・アセチレンブラック・サーマルブラック・ランプブラック・導電性炭素が含まれる。
バインダの非限定的な例には、PVDF・PTFE・非反応性熱可塑性フルオロポリマ・コポリマ・ターポリマが含まれる。
混合剤の非限定的な例には、2-プロパノール・sプロピルアルコール・IPA・イソプロピル・イソプロパノール・アルコール・水が含まれる。
電極混合剤の非限定的な例は、混合剤・塗料・混合物・ペースト・インク・自立型電極の形態でもよい。
【0398】
本実施例では、電極複合混合剤107を「電極準備システム/ゾーン400」に供給する。
「電極準備システム/ゾーン400」では、電極108を準備する。
【0399】
特定の実施形態では、電極混合剤組成物を投入するために、1つ以上の押出機・噴霧器を有する「電極混合システム/ゾーン401」を、「電極準備システム/ゾーン400」に相互連係・機械的結合してもよい。
さらに、別の実施形態において、「電極準備システム/ゾーン400」は、形成・プレス・適用されたのちに電流コレクタに取付けられる「自立型電極」を形成する。
「電極混合剤」組成物は、適用や加圧や「導電性の電流コレクタ材料に接触」させられる。
「導電性の電流コレクタ材料」は、ステンレス鋼・チタン・銅・アルミニウム・銀などの金属であり、薄膜・メッシュであり、厚さは、0.0001mm~10mmまで様々であり、様々なメッシュパターンや巻線がある。
さらに、「電極混合剤」や「自立型電極」は、0.0001mm~10mmまでの様々な厚さがある。
たとえば、約0.05mm・約0.1mm・約0.15mm・約0.2mm・約0.25mm・約0.3mm・約0.35mm・約0.4mm・約0.45mm・約0.5mm・約0.55mm・約0.6mm・約0.65mm・約0.7mm・約0.75mm・約0.8mm・約0.85mm・約0.9mm・約0.95mm・約1.0mm・約1.25mm・約1.5mm・約1.75mm・約2.0mm・約2.25mm・約2.5mm・約2.75mm・約3.0mm・約3.25mm・約3.5mm・約3.75mm・約4.0mm・約4.25mm・約4.5mm・約4.75mm・約50mm・約6.0mm・約7.0mm・約8.0mm・約9.0mm・約10.0mmである。
また、たとえば、約1mg/cm・約1.25mg/cm・約15mg/cm・約1.75mg/cm・約2mg/cm・約2.25mg/cm・約2.5mg/cm・約2.75mg/cm・約3mg/cm・約3.25mg/cm・約3.5mg/cm・約3.75mg/cm・約4mg/cm・約4.25mg/cm・約4.5mg/cm・約4.75mg/cm・約5mg/cm・約5.25mg/cm・約5.5mg/cm・約5.75mg/cm・約6mg/cm・約6.25mg/cm・約6.5mg/cm・約6.75mg/cm・約7mg/cm・約7.25mg/cm・約7.5mg/cm・約7.75mg/cm・約8mg/cm・約8.25mg/cm・約8.5mg/cm・約8.75mg/cm・約9mg/cm・約9.25mg/cm・約9.5mg/cm・約9.75mg/cm・約10mg/cm・約10.25mg/cm・約10.5mg/cm・約10.75mg/cm・約11mg/cm・約11.25mg/cm・約11.5mg/cm・約11.75mg/cm・約12mg/cm・約12.25mg/cm・約12.5mg/cm・約12.75mg/cm・約13mg/cm・約13.25mg/cm・約13.5mg/cm・約13.75mg/cm・約14mg/cm・約14.25mg/cm・約14.5mg/cm・約14.75mg/cm・約15mg/cm・約16mg/cm・約17mg/cm・約18mg/cm・約19mg/cm・約20mg/cm・約21mg/cm・約22mg/cm・約23mg/cm・約24mg/cm・約25mg/cm・約30mg/cm・約35mg/cm・約40mg/cm・約45mg/cm・約50mg/cmであり、「約3.6~10.5mg/cm」が好ましい。
【0400】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、電極混合剤組成物や自立型電極を投入するノズル・噴霧器・スクラッパ・プレスなどのアプリケータシステム、を備えるか若しくは機械的接続される。
電極混合剤組成物や自立型電極の投入は、上記の金属に直接適用したり、上記の金属に直接接触したり、自立した構成でよい。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、電極混合剤組成物の安定供給をおこなうために、機械的ポンプ・コンプレッサ・重力供給・プレス・オーガ・圧力をさらに有する。
【0401】
追加の実施形態では、デバイスは、「電解質イオンのサイズ」を決定し、過程開始前に「最終的な階層構造活性炭にかかる細孔の理想的な細孔幅・細孔分布」を決定する分析器を含む。
追加の実施形態では、デバイスは、過程開始前や過程の最中に、最終的な階層構造の活性炭細孔の所望の理想的な細孔幅・細孔分布を決定する過程を含む。
【0402】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、電極混合剤供給システム406を含むことができ、さらに機械的供給システムや「デバイス巻取・積層システム411」を含みうる。
さらに、特定の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、フィーダ・ワインダ・ローラードラム・カッタ・クリンパ・「駆動機構やモータ」・接続ベルト・ギア・直接接続・「アノード材料やカソード材料やイオン透過性セパレータ用のテンショナ」・電極混合インジェクタ・電極アプリケータ・電極混合剤オーバーフローシステム・「電極乾燥システム/ゾーン420」を有する。
また、「電極準備システム/ゾーン400」は、「電解質混合システム431と貯蔵タンクを含む電解質ゾーン/システム」・電解質導管(electrolyte conduit)・電解質インジェクタ・「エネルギー貯蔵デバイス生産システム500の一部を形成し、溶接機・シーラー・クリンパ・プレス・シールを含んでなる付着・封止ゾーン/システム450」を備える。
代替実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵生産システム500に機械的接続したり、エネルギー貯蔵生産システム500から分離できる。
追加の実施形態では、エネルギー貯蔵生産システム500は、エネルギー貯蔵デバイス460を貯蔵したり、エネルギー貯蔵デバイス460を保管するためにエネルギー貯蔵デバイスホッパをさらに有してもよい。
【0403】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、導電性金属を連続供給できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、電極混合剤・インク・塗料・ペースト・組成物を塗布した導電性金属を連続供給できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、自立型電極を形成するための電極混合剤を連続供給できる。
【0404】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、導電性金属と自立電極・電極混合剤との間の接触を固定・準備するための導電性金属を連続供給できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、イオン透過性セパレータを連続供給できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、導電性金属・電極混合組成物・イオン透過性セパレータの層化・多層化のための連続供給を実現できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、エネルギー貯蔵デバイスを層状化できる。

追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、以下の層構造を有するエネルギー貯蔵デバイスを層状化できる。
対向する側に電極混合剤が塗布された、2つの別個の導電性金属電流コレクタ。
対向する側が自立電極に接触している、2つの別個の導電性金属電流コレクタ。
コーティングされた2つの別々の電流コレクタと電極複合体の間に配置されたイオン透過性セパレータ。

追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、「2重層電解キャパシタ460」を製造できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、「スーパーキャパシタ460」を製造できる。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」を使用して、「エネルギー貯蔵デバイス460」を生成することができる。
【0405】
本実施例では、電極108を「電極乾燥システム/ゾーン420」(任意)に供給するか、あるいは、電極を「デバイス巻取・積層システム411」に供給する。
【0406】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、(アノード、イオン透過性セパレータ、カソード、イオン透過性セパレータを)連続的に巻取ったり積層したエネルギー貯蔵デバイス460やスーパーキャパシタセル460を作製する。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、積重ねたりグループ化された、セルごとに複数のアノード・イオン透過性セパレータ・カソードを有する層状構成を実現する。
さらに、特定の実施形態では、積み重ねられたり積層されたり巻かれたエネルギー貯蔵デバイスは、アノードに接続されたリード線を有してもよく、さらにカソードに接続されたリード線を有してもよい。
特定の実施形態では、アノード・カソードのリード線は、エネルギー貯蔵デバイス460からさらに突出したエネルギー貯蔵デバイス460の端子に接続できる。
【0407】
特定の実施形態では、イオン透過性セパレータは、非限定的な例として多孔質プラスチック・紙・セルロース・繊維・ガラス・イオン透過性絶縁体/セパレータなどを含みうる。
【0408】
本実施例では、準備された電極109を「電解質投入システム/ゾーン430」に供給する。
完成したエネルギー貯蔵デバイス作動機構109を、エネルギー貯蔵デバイスコンテナに格納する。
【0409】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、スーパーキャパシタコンテナ・シェル用の機械的供給ユニットやフィーダをさらに含んでもよい。
機械的供給ユニットやフィーダは、デバイスに機械的接続される。
機械的供給ユニットやフィーダは、定期的間隔または所定間隔で、スーパーキャパシタコンテナ(スーパーキャパシタ材料を含んだ、新しいコンテナや一部完成したコンテナ)の挿入・取外しをおこなうために利用される。
【0410】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵デバイスのコンテナのなかに、層状や巻かれたエネルギー貯蔵デバイス内部の内容物(エネルギー貯蔵材料やスーパーキャパシタ材料)を配置するために、機械的供給ユニットやフィーダを備えている。
【0411】
本実施例では、「電解質投入システム/ゾーン430」に、「電解質混合システム431」から供給された電解質435を投入する。
【0412】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、電解質インジェクタに機械的接続してもよく、また噴霧器・ノズルを有してもよい。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵材料・スーパーキャパシタ材料を含むエネルギー貯蔵コンテナの中に、電解質を投入・注入する。
「電解質」は、有機電解質・水系電解質・共溶媒・塩電解質・イオンキャリア電解質・イオン電解質・ゲル電解質・ドライポリマ電解質・セラミックを含みうり、「塩電解質中の共溶媒」が好ましい。
【0413】
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、層状や巻かれたエネルギー貯蔵デバイス内部の内容物(エネルギー貯蔵材料・スーパーキャパシタ材料)を、エネルギー貯蔵コンテナのなかへ配置するための機械的供給ユニットやフィーダを有してもよい。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、1つ以上の電解質インジェクタ433に機械的に接続されてもよく、噴霧器・ノズルをさらに有してもよい。
追加の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵材料・スーパーキャパシタ材料を含むエネルギー貯蔵デバイスのコンテナへ電解質を投入・注入できる(433)。
当該「電解質」は、有機電解質・水性電解質・共溶媒・塩電解質・イオンキャリア電解質・イオン電解質・ゲル電解質・ドライポリマ電解質・セラミック電解質などであり、「塩電解質中の共溶媒」が好ましい。
【0414】
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、電解質を投入・注入し(433)、一般的な大気環境下にて、エネルギー貯蔵デバイスへ電解質を投入できる。
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、一般的な大気環境において電解質をエネルギー貯蔵デバイスに投入・注入する(433)。
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、一般的な大気環境において電解質をスーパーキャパシタに投入・注入する(433)。
【0415】
また、本実施例の「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵材料や電解質を収容するエネルギー貯蔵コンテナ用の機械的供給ユニットやフィーダを含んでもよい。
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、コンテナ密封デバイス(cotainer sealing device)に機械的接続される。
当該「密封デバイス」(sealing device)は、エネルギー貯蔵デバイスの正端子・負端子にアノード・カソードのリード線を接続したり取付けたり、エネルギー貯蔵デバイス460を封入・密封するために、クリンパ・ねじ・リベット・クランプ・プレス・溶接・シール・溶接機451を有している。
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、密封デバイス(sealing device)を備え、別個のシール・構成要素の有無にかかわらずコンテナのシール手段を有してもよい。
【0416】
また、本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、たとえば真空のため、エネルギー貯蔵デバイスの内部圧力の制御手段を含んでもよい。
特定の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、エネルギー貯蔵デバイスの内部圧力を下げるための真空ポンプを有してもよい。
【0417】
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、製造されたエネルギー貯蔵デバイス460やスーパーキャパシタセル460を保管するためのエネルギー貯蔵セルホッパ462を含みうる。
【0418】
本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、「電極準備システム/ゾーン400」の動作制御・パラメータ制御に関連するコントローラ・プロセッサ(図示略)を含みうる。
追加の実施形態では、コントローラ・プロセッサは、速度を調整し、以下の非限定的な例を含む多数のシステムを制御できる。
たとえば、アノード金属供給・カソード金属供給・イオン透過セパレータ供給・電極混合・電極材料供給システム406・電極混合アプリケータ408・電極混合測定・電極混合再循環システム409・電極乾燥420・「ローラ412a・412b」・「テンショナ413a・413b」・巻取速度・巻取長さ・積層速度・積層長さ・モータ414・駆動システム415・コンテナ積載・コンテナ充填・コンテナ移動・液体電解質の混合431・「液体電解質の注入432・433」・液体電解質測定・アノードとカソードの接続・「アノードとカソードの端子接続」・付着450・コンテナの密封451・コンテナの圧着・コンテナの閉鎖・真空制御・エネルギー貯蔵デバイスの組立460・スーパーキャパシタの組立460・「ホッパの保管と制御462」がある。
コントローラは、1つ以上の入力・センサ・フィードバックセンサ・測定パラメータ・測定値・タイマ・時限過程・温度計・他の適切なアセンブリパラメータに基づいてもよい。
追加の実施形態では、コントローラ・プロセッサと通信可能な「水分センサ・温度センサ・ガスセンサ」を、各ゾーン内・各ゾーン間・エネルギー貯蔵生産システム500やデバイス内・エネルギー貯蔵生産システム500やデバイスに沿った任意の適切な位置に配置したり機械的接続できる。
追加の実施形態では、コントローラ・プロセッサは、センサ・ゲージから取得した情報を使用できる。
これにより、さまざまなセンサで得た1つ以上の読取値を基に、デバイス・処理システム・機械部品・供給システム・混合システム・組立システム・材料の速度と効率を最適化する。
【0419】
また、本実施例では、「電極準備システム/ゾーン400」は、たとえば真空のため、エネルギー貯蔵デバイス内部の圧力の制御手段を備えてもよい。
特定の実施形態では、「電極準備システム/ゾーン400」は、内部圧力を低減するための真空ポンプを備えてもよい。
【0420】
図18は、本発明の本実施例のブロック図である。
図18は、デバイスの一般的なブロック・ゾーンを示しており、ブロックは本発明の有益な態様を実現するために省略・再構成できる。
さらに、当該図中では、ゾーンやブロックの特定の機能・デバイス・過程や、本願にて説明される利点を示している。
図15図16図17を含む文書は、参照により、図18に示された発明のブロックまたはゾーンに組込まれる。
開示された発明の本実施例には、以下が含まれる。
システム・ゾーン・ブロックとして図で説明されているものは、一般的な方法で説明されており、開示された発明のデバイスシステム・ゾーン・ブロック・利点を限定するものではない。
この図18は、未加工の炭素源材料から、完成したエネルギー貯蔵デバイスへの進行に関する段階を示している。
エネルギー貯蔵デバイス積層システム500は、「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」と、「炭素源供給システム110」と、化学「浸漬・混合ゾーン190」と、「予熱ゾーン210」と、「熱分解リアクタ/ゾーン220」と、ガス入口123と、ガス出口122と、「冷却・洗浄リアクタ/ゾーン230」と、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」と、「ドライヤ200」と、「活性炭回収ユニット300」と、「活性炭材料供給システム120」と、「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」と、「電極混合システム/ゾーン401」と、「電極準備システム/ゾーン400」と、「電極乾燥ゾーン/システム420」(任意)と、「デバイス巻取・積層システム411」と、「電解質混合システム431」と、「電解質投入システム/ゾーン430」と、エネルギー貯蔵デバイスの「付着・封止システム/ゾーン450」とを含んでおり、完成品であるエネルギー貯蔵デバイス460を製造できる。
【0421】
図19は、本発明の本実施例のブロック図である。
図19は、デバイスの一般的なブロックやゾーンを示しており、ブロックは、本発明の有益な態様を達成するために省略・再構成できる。
さらに、図中では、図15・16・17を含む文書全体に記載されているゾーンやブロックの特定の機能・デバイス・過程・利益が、参照により、図19に示されている説明された発明のブロック・ゾーンに組込まれる。
開示された発明の本実施例には、以下が含まれる。
システム・ゾーン・ブロックとして図に記載されているものは、一般的な方法で説明されており、開示された発明のデバイスシステム・ゾーン・ブロック・利点を限定するものではない。
この図19は、未加工の炭素源材料から、完成したエネルギー貯蔵デバイスへの進行に関与する段階を示している。
エネルギー貯蔵デバイス積層システム500は、「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」と、「炭素源材料供給システム110」と、化学「浸漬・混合ゾーン190」と、「熱分解リアクタ/ゾーン220」と、ガス入口123と、ガス出口122と、冷却・洗浄リアクタ/ゾーン230と、「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」と、ドライヤ200と、「活性炭回収ユニット300」と、「活性炭材料供給システム120」と、「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」と、「電極混合システム/ゾーン401」と、「電極準備システム/ゾーン400」と、「電極乾燥システム/ゾーン420」(任意)と、「デバイス巻取・積層システム411」と、「電解質混合システム431」と、「電解質投入システム/ゾーン430」と、エネルギー貯蔵デバイスの「付着・封止システム/ゾーン450」とを含んでおり、完成品であるエネルギー貯蔵デバイス460を製造できる。
【0422】
図20は、本発明の本実施例のブロック図である。
図20は、デバイスの一般的なブロックやゾーンを示しており、ブロックは、本発明の有益な態様を実現するために省略・再構成できる。
さらに、図中では、ゾーンまたはブロックの特定の機能・デバイス・過程・本願で説明される利点を示している。
図15・16・17を含む文書は、参照により、図20に示した発明のブロックまたはゾーンに組込まれる。
開示された発明の本実施例には、以下が含まれる。
システム・ゾーン・ブロックとして図に記載されているものは、一般的な方法で説明されており、本願発明のデバイスシステム・ゾーン・ブロック・利点を限定するものではない。
この図20は、「所定の細孔構造の活性炭を利用した自立型電極を備えたエネルギー貯蔵デバイス」の製造における段階を示している。
「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」は、「活性炭材料供給システム120」と、「電極混合システム/ゾーン401」と、「自立電極準備システム/ゾーン560」と、「電極乾燥システム/ゾーン420」(任意)と、「デバイス巻取・積層システム411」と、「電解質混合システム431」と、「電解質投入システム/ゾーン430」と、エネルギー貯蔵デバイスの「付着・封止システム/ゾーン450」を含んでおり、完成品であるエネルギー貯蔵デバイス460を製造できる。
この本実施例における「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」は、自立型電極を有するスーパーキャパシタなどのエネルギー貯蔵デバイスを構成できる。
【0423】
図21は、本発明の本実施例のブロック図であり、図21は、デバイスの一般的なブロックやゾーンを示しており、本発明の有益な側面を実現するためブロックは省略したり再構成できる。
さらに、図内では、ゾーンまたはブロックの特定の機能・デバイス・過程・本願で説明される利点を示している。
図15図16図17を含む文献は、参照により、図21に示された発明のブロックまたはゾーンに組込まれる。
開示された発明の本実施例には、以下が含まれる。
システム・ゾーン・ブロックとして図に記載されているものは、一般的な方法で説明されており、開示された発明のデバイスシステム・ゾーン・ブロック・利点を限定するものではない。
図21は、「所定の細孔構造の活性炭を利用した自立型電極を備えたエネルギー貯蔵デバイス」の製造における段階を示している。
「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」は、「活性炭材料供給システム120」と、「電極混合システム/ゾーン401」と、インクタイプの電極準備ゾーン/システム550と、「電極乾燥システム/ゾーン420」(任意)と、「デバイス巻取・積層システム411」と、「電解質混合システム431」と、「電解質投入システム/ゾーン430」と、エネルギー貯蔵デバイスの「付着・封止システム/ゾーン450」とを含んでおり、完成したエネルギー貯蔵デバイス460を製造できる。
この本実施例における「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」は、スーパーキャパシタなどのエネルギー貯蔵デバイスを構成できるように構成され、電極の電流コレクタに直接適用されるインクタイプまたは混合物が含まれる。
【0424】
図22は、本発明の本実施例のブロック図である。
図22は、デバイスの一般的なブロック・ゾーンを示しており、本発明の有益な側面を達成するために、ブロックは省略されるか・順番に再構成できる。
さらに、図22中では、ゾーンまたはブロックの特定の機能・デバイス・過程・本書全体で説明されている利点を示している。
図15図16図17を含む文献は、参照により、図22に示す発明のブロック・ゾーンに組込まれる。
開示された発明の本実施例には、以下が含まれる。
システム・ゾーン・ブロックとして図で説明されているのは、これらは、一般的な方法で説明されており、開示された発明のデバイスシステム・ゾーン・ブロック・利点を限定するものではない。
この図22は、「未加工の炭素源材料」が「所定の細孔構成の活性炭」になるまでの段階を示している。
「所定の細孔構造の階層構造活性炭製造システム/ゾーン380」は、炭素源供給材料システム/ゾーン100と、「炭素源原料供給過程100」と、炭素源供給材料化学浸漬/混合システム/ゾーン190と、「炭素源材料の化学薬品浸漬・混合過程190」と、所定の細孔構造を有する活性炭の「熱分解リアクタ/ゾーン220」と、所定の細孔構造の活性炭を生成する「熱分解反応過程220」と、所定の細孔構造の活性炭の「冷却・洗浄ゾーン/セクション240」と、所定の細孔構造を有する活性炭の「洗浄過程240」と、完成した所定の細孔構造を有する活性炭システム/ゾーン105と、「所定の細孔構造を有する活性炭105を生成する過程」とを含んでいる。
【0425】
図23は、本発明の本実施例のブロック図である。
図23は、デバイスの一般的なブロック・ゾーンを示しており、ブロックは、本発明の有益な態様を達成するために省略・再構成できる。
さらに、図中では、ゾーンまたはブロックの特定の機能・デバイス・過程、・本書全体で説明されている利点を示している。
図15図16図17を含む文書は、参照により、図23に示した発明のブロック・ゾーンに組込まれる。
開示された発明の本実施例には、以下が含まれる。
システム・ゾーン・ブロックとして図23で説明されているのは、これらは、一般的な方法で説明されており、開示された発明のデバイスシステム・ゾーン・ブロック・利点を限定するものではない。
この図23は、「電解質が所定の細孔構造の活性炭と適合するエネルギー貯蔵デバイス」の製造に関する段階を示している。
「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」は、「所定の細孔構造の活性炭105」と、「電極の細孔幅・細孔分布ならびに電解質イオン・溶媒和イオン・脱溶媒和イオンのサイズのサイジング・マッチングシステム/ゾーン170」と、電極の細孔幅・分布ならびに電解質イオン・溶媒和イオン・脱溶媒和イオンのサイジング・マッチング過程170と、電極混合システム/ゾーン401と、「電極成分を一緒に混合する過程401」と、電極準備システム/ゾーン400と、「電極準備過程400」と、デバイス巻取・積層システム411と、「エネルギー貯蔵デバイスの巻取・積層過程411」と、電解質投入システム/ゾーン430と、「電解質を投入する過程430」と、完成品である「エネルギー貯蔵デバイス460を製造する過程」とを含んでいる。
この本実施例では、「エネルギー貯蔵デバイス製造システム390」は、スーパーキャパシタなどのエネルギー貯蔵デバイスを構成できるように設計されている。
設計には、スーパーキャパシタやバッテリなどの改良されたエネルギー貯蔵デバイスを製造することを目的とした、「電極細孔の細孔幅・構造と、電解質のサイズ・構造とのサイジング・マッチング」が含まれる。
【0426】
図24は、異なるサイズの細孔(0.6nm未満のマイクロ細孔、1.5nm未満のマイクロ細孔、2.5nm未満のメソ細孔)の表面に、溶媒和シェルがあるときとないときの電解質イオンの吸着を示しており、(a)は有機電解質について、(b)は水性電解質について、(c)はハイブリッド電解質についてである。
表S1に示すように、イオンのサイズは実際のサイズと比較して表示される(デモンストレーションを目的として、サイズが1.7倍大きいNa+を除く)。
特定の充電率・放電率においては、拡散抵抗が高いために、電極は有機電解質・水性電解質中でアクセス可能な表面積が制限される。
水性電解質の濡れが悪いとイオンが炭素内に拡散することが妨げられて、有機電解質中のイオンのサイズが大きくなるにつれ細孔内に拡散するイオンが少なくなる。
【0427】
図25は、ハイブリッド電解質を使用したTC600・TC700・TC800の炭素構造とスーパーキャパシタ性能に対する活性化温度の影響を示しており、(a)~(c)はSEM画像、(d)はXRDパターン、(e)は窒素吸脱着等温線、(f)は細孔幅分布である。
【0428】
別の実施形態における低コスト活性炭(AC)は、バイオマス・石油・石油コークス・石炭などのさまざまな前駆体から得ることができる。
バイオマス由来の活性炭(AC)の嵩密度が低いと体積静電容量が低下するため、スーパーキャパシタ(SCs)への適用が困難となるものの、石炭を使用する好ましい実施形態では高密度の活性炭(AC)が得られる。
さらに、石炭産業は、クリーンな用途、特に活性炭(AC)の生産源として石炭を使用することで節約できる。
ここで、好ましい過程の実施形態では、スケーラブルなKOH活性化法を使用して、活性化温度とKOH飽和・浸漬時間に基づいて多孔性(階層構造)を調整することで、燃料炭から多孔性の活性炭(AC)を合成した。
この化学的活性化過程は、通常、マイクロ細孔・メソ細孔・マクロ細孔を含む「フラクタル状の階層的な細孔構造」を生成する。
【0429】
本明細書に記載された発明は、イオン緩衝リザーバーとして機能するマクロ細孔と、イオンを迅速に輸送するためのチャネルとして機能するメソ細孔を含み、マイクロ細孔は2重層電荷貯蔵において主要な役割を果たす。
【0430】
SEM画像は、大量の電解質を活性炭(AC)に効果的に浸透させるマクロ細孔を多数有する全サンプルで活性化過程の成功を示している(図25a~図25c)。
SEM画像は、温度を600℃から800℃に上げると、活性炭(AC)粒子のマクロ細孔の分布が改善されることを示している。
好ましい実施形態と同様に、これは、粒子内の電解質イオンの拡散距離がTC800の方が短く、TC800のイオン伝導性が良好であることを示している。
これらの画像は、マクロ細孔のない活性炭(AC)粒子の存在を示している。これにより、これらの粒子内のイオン輸送速度が制限される。
EDSの結果は、生の燃料炭(TC)と比較して、燃料炭(TC)ベースの活性炭(AC)の炭素含有量が高いことを示しており、活性化過程の成功を再確認している。
また、燃料炭(TC)・TC600・TC700・TC800のC/O比は、それぞれ「2.2」・「7.3」・「11.2」・「11.5」であり、TC800・TC700の電子伝導性が優れていることを示している。
【0431】
活性炭(AC)の結晶構造に対する活性化温度の影響をさらに研究するために、XRDを実施した(図25d)。
26°の回折ピークは、炭素の芳香族層の面(002)に対応する。
このピークは、未加工の燃料炭(TC)のXRDで15~30°付近に広がる。
これは、芳香族層の劣化と、多孔性の高い活性炭(AC)の優れた前駆体としての燃料炭(TC)の比較的アモルファスなマトリックスを示している。
このピークはTC700とTC800では完全に消失し、高度に非晶質な構造と、活性化過程中の炭素とKOHとの反応により引起こされる十分に発達した細孔の形成が明らかになる。
活性炭(AC)のXRDにおける43°での広くて弱いピークは、芳香族層の面(100)に対応し、活性化過程の結果として芳香族層にグラファイト炭素が存在することを意味する。
TC700・TC800でのこのピークの強度が高いことは、TC600と比較してより多くのグラファイト相を示しているため、より電子導電率が高いことを示している。
【0432】
活性炭(AC)の多孔性、特にマイクロ細孔・メソ細孔を定量化するために、調製したままの活性炭(AC)について77Kでの窒素吸着・脱着測定を実施した。
3つの全サンプルの等温プロファイルは、マイクロ細孔性の活性炭(AC)を示すI型と見なすことができる(図25e)。
窒素収着試験と活性炭(AC)のSEM形態は、それらが前駆体と同種のナノ構造形態・多孔性を持ち、活性化方法が同じであることを示唆しているが、活性化温度は多孔性のレベルに顕著な影響を及ぼす。
活性化温度が600℃~800℃に上昇すると、等温線の上昇が観察され、細孔率の増加と細孔の拡大が示唆される。
活性化温度の上昇に伴う、より高い相対圧力(P/Po>0.3)における等温線勾配の増加もより多くのメソ細孔を示している。
【0433】
好ましい実施形態において、細孔分布曲線は、調製されたままの活性炭(AC)において、ほとんどの細孔が2nm未満であり、メソ細孔が2~5nmの範囲にある階層的な細孔構造を有することを明らかにする(図25f)。
また、細孔分布曲線は、活性化温度が上昇するにつれて細孔幅分布がより大きな細孔にむかって移行し、細孔容積が増加することを示している。
このように、TC600は、細孔分布曲線・水平等温線で観察されるように、非常に限定されたメソ細孔を有するマイクロ細孔の活性炭(AC)であるが、本実施例のTC800は、より発達したマイクロ細孔・メソ細孔を示す。
【0434】
さらに、追加の実施形態は、597.6m/gのSBETを有するTC600の低い比表面積(SSA)は、スーパーキャパシタ(SC)用途に対してTC600の多孔性が不十分であることを明示している。
TC700・TC800について算出されたSBETは、それぞれ「1165.3m/g」と「1501.2m/g」であり、それらの「比表面積」(SSA)が異なる実施形態のスーパーキャパシタ(SC)の電極材料の許容範囲内にあることを意味する。
比表面積(SSA)が高く、マイクロ細孔の細孔幅分布が広くメソ細孔が少ないため、速度能力の点でTC800が有利である。
ただし、電気化学試験では、ハイブリッド電解質を使用した容量性能に基づいて適切な多孔度の範囲(つまり、TC700対TC800)がさらに定義される。
【0435】
さらに、本願発明の好ましい実施形態・開示された利益として、燃料炭(TC)ベースの活性炭(AC)の多孔性は、低密度を回避するために「できるだけメソ細孔が少ない」マイクロ細孔の活性炭(AC)を得る一方、ハイブリッド電解質を用いた良好な速度性能を維持するために調整されている。
したがって、800℃よりも高い活性化温度を使用して燃料炭(TC)により多くのメソ細孔を生成することは、代替の実施形態となる可能性はあるものの、過剰な体積膨張を制限するために現時点では試行していない。
追加の好ましい実施形態では、ハイブリッド電解質(NaClO4)は有機電解質で使用する一般的な塩(たとえば、Et4NBF4)より小さいため、ハイブリッド電解質を使用した場合、速度性能を犠牲にすることなく(低密度を回避するために)メソ細孔の量を最小限に抑えた活性炭(AC)となる。
【0436】
図26は、ハイブリッド電解質を使用して組立てられたスーパーキャパシタ(SC)の性能に対する活性炭(AC)の活性化温度・空隙率の影響を示している。
(a)はTC1・TC2・TC3のGCD曲線から得られた電流密度に対する比容量であり、(b)はTC1・TC2・TC3のGCD曲線から得られたRagoneプロットであり、(c)はEISテストから得られたナイキスト線図である。
【0437】
ハイブリッド電解質(水/アセトニトリル中の7.7mのNaClO4)の最も適切な空隙率の範囲を特定するために、準備したままの活性炭(AC)を使って組立てたスーパーキャパシタ(SC)に対して電気化学的試験を実施した(図26)。
TC(燃料炭)3の静電容量と速度性能が劣っていることは、前述のように、TC600の多孔性が制限されており、比表面積(SSA)へのアクセスが少ないことを示している。
これは、TC1・TC2と比較してTC3の電力・エネルギー密度が低いことにも表れている。
【0438】
TC1とTC2のナイキスト線図の低周波数領域での垂直線ちかくは、それらの純粋な容量性挙動を示している(図26(c))。
一方、低周波数でのTC3の斜線は、理想的な容量挙動からのずれを示しており、より長いWarburg 領域は、制限された多孔性によって引き起こされる高い拡散抵抗をさらに支持する(図26(c))。
Nyquist プロットのWarburg 領域は、空隙内の荷電種の拡散により支配される。
【0439】
TC2は低速度でわずかに高い静電容量を示するが、TC1は速度性能と電力密度の点でTC2よりも優れている。
TC2の最大電流密度は43.5A/g(316.2mA/cm)であるのに対し、TC1は71.4A/g(553.4mA/cm)の超高電流密度まで動作でき、電流が増加するにつれて静電容量の減少が小さくなる。
本実施例では、質量負荷が3.87mA/cmのTC1は、電流が5mA~200mA(0.5~20.4A/gに増加したとき)の静電容量の75.2%を保持する(20A/gは、2mg/cm未満の質量負荷における、大部分の研究で報告された最高速度である)。
一方、5~200mAまでの容量保持は、TC2とTC3でそれぞれ63.7%と14.5%であった。
【0440】
TC800の実施形態におけるより高い比表面積(SSA)・より広い細孔は、電極内のより低い拡散抵抗・より優れたイオン移動度をもたらし、より優れた速度能力・電力密度をもたらす。
これは、TC2のナイキスト線図と比較して、TC1のナイキスト線図のわずかに小さい半円(電荷移動抵抗)と短い中周波数ワールブルク(Warburg)領域(拡散抵抗)によっても確認される(図26(c))。
その結果、TC800は、ハイブリッド電解質に最適な細孔率(イオン-細孔マッチング)を備えている。
【0441】
100mV/sの高いスキャン速度でのTC1とTC2のCV曲線はほぼ長方形(2倍の静電容量)であるが、TC3のCV曲線は長方形から逸脱しており、容量性能が低いことを示している。
さまざまな速度に対するTC1のCV曲線は、最大600mV/sまでほぼ長方形を示し、ハイブリッド電解質の2.5Vの「安定性窓」(stability window)を確認する。
2.5V付近で電流が上昇し始めるという事実は、水分解の閾値を示している。
【0442】
図27は、ハイブリッド電解質・有機電解質・水性電解質(a~c)を使用してTC800から組立てられたスーパーキャパシタ(SC)の性能を示している。
(a)はTC1・TC4・TC5のGCD曲線から得られた比容量であり、(b)はTC1・TC4・TC5のGCD曲線から得られたRagoneプロットであり、(c)はEISテストから得られたナイキスト線図である。
挿入図の写真は、各電解質の表面湿潤性を示す電極に電解質を滴下してから約4秒後に撮影したものである。
(d)~(f)は、TC800(TC1)・AC30(AC1)電極・ハイブリッド電解質から製造されたスーパーキャパシタ(SC)の性能比較である。
(d)はTC1・AC1に対するCVであり、(e)はTC1・AC1に対する重量・体積静電容量であり、(f)はTC1・AC1の重量測定パラメータと体積測定パラメータの両方を使用したRagone プロットである。
【0443】
実施形態のTC800ハイブリッド電解質から組立てられたスーパーキャパシタ(SC)が最良の全体性能を有することをさらに実証すべく、中性水性電解質・有機電解質・ハイブリッド電解質(図27a~c)の3種類の電解質を用いてTC800電極を試験した。
ハイブリッド電解質(TC1)を使用したスーパーキャパシタ(SC)は、静電容量・レート能力・エネルギー・電力密度を含むすべての静電容量測定基準において、有機電解質(TC4)・水性電解質(TC5)よりも優れていることがわかる。
たとえば、電流が5mAから200mAに増加すると、TC1・TC4・TC5の静電容量保持率は、それぞれ75.2%・33.5%、・22.5%になった(図27a)。
TC5(1.7V)と比較して、TC1(2.5V)とTC4(2.7V)の安定性窓が広いため、エネルギー密度と電力密度が高くなる。
【0444】
これらの結果は、TC800電極の実施形態を使用したハイブリッド電解質の適応性を明示しており、これは、イオンサイズと細孔幅分布の間の相互作用に由来し、システム・方法の具体的に開示された特定の利点である。
TC4とTC5の性能が低い主な理由は、電極と電解質の不一致にある。
TC4の場合は、電極の空隙率と有機電解質の間の適応性の欠如(イオン-細孔の不一致)によりレート性能が低下するものの、TC5の場合は、水性電解質と電極の間の湿潤性が低下する。
【0445】
水性電解質は、通常、有機電解質と比較してより高い比静電容量を呈することが期待されるが(水性電解質中のイオンと溶媒分子が小さいため)、TC5は、1A/g未満の電流密度でのみTC4よりも大きな静電容量を呈する。
水性電解質による疎水性TC800電極の不十分な湿潤(図27bの挿入図)が、溶媒和イオンの細孔へのアクセスを軽減するため、電流密度が高くなると電荷の蓄積が少なくなる。
細孔へのイオン拡散が制限されていることは、TC5のナイキスト線図によってさらに裏付けられており、非常に長いワールブルグ領域であり、低周波領域に垂直線がほとんど存在しない(図27c)。
この湿潤性の問題は、より厚い電極(1mg/cmの負荷)ではより顕著になる。
充電・放電中のセル電位の下でも、水性電解質が活物質の一部に到達できず、デッドマスの増加につながるからである。
【0446】
濡れは、イオン伝導性とは無関係であり、むしろ細孔へのイオンの接近性に直接影響する。
さらに、スーパーキャパシタ(SC)の等価直列抵抗(ESR)は、電極/電流コレクタの接触抵抗・電極の電気抵抗・イオン電荷移動抵抗に関連している。
等価直列抵抗(ESR)は、Nyquistプロットの半円が終了する(Warburg領域が開始する)場所の抵抗・GCD曲線の電位降下(VIR)によって識別できる。
この作業で組立てられたすべてのスーパーキャパシタ(SC)のナイキスト線図の非常に小さな半円(図26cと図27c)は、電極の高い電気伝導率と、セル内の電解質の良好なイオン伝導率を示している。
有機電解質のイオン伝導率は、ナイキスト線図(図27c)とTC1・TC4・TC5の等価直列抵抗(ESR)によると、水性・ハイブリッド電解質のイオン伝導率よりもわずかに低くなる。
これは、TC1・TC5のGCD曲線と比較して、TC4のGCD曲線の高電流での電位降下が大きいことからも明らかである。
有機電解質の低いイオン伝導率は、TC4のエネルギーと電力密度に悪影響を及ぼす。
【0447】
湿潤性の実証(図27bの挿入図)は、ハイブリッド・有機電解質が、電極への効率的な電解質の拡散を可能にする、調製されたままの電極を湿潤させることができることを示し、開示された発明の例示的な利点を実証する。
液滴の接触角は有機電解質の方がわずかに小さいものの、ハイブリッド電解質中のアセトニトリルの存在は、本願発明の利点として細孔への効果的なイオン輸送を保証する。
【0448】
TC4と比較してTC1の静電容量が高いのは(図27a)、マイクロ細孔へのハイブリッド電解質のアクセスしやすさに起因する(本願の特徴である、イオン細孔マッチング)。
電流密度とは無関係に、TC800の細孔の一部は有機電解質(Et4NBF4)のイオンが入るには狭すぎるものの、これらの細孔はハイブリッド電解質(NaClO4)のイオンのサイズと一致する。
このシナリオは、溶媒和イオンと脱溶媒和イオン(溶媒和シェルの部分的または完全な除去)の両方に有効である。
イオンと溶媒分子の両方が大きいため、有機電解質の溶媒和イオンもハイブリッド電解質の溶媒和イオンよりも大きいからである。
【0449】
同様に、TC4と比較してTC1の優れた速度能力(図27a)は、ハイブリッド電解質中のイオン・溶媒和イオンのより小さいサイズに起因し、TC800の細孔へのイオンの迅速な輸送を促進し、本願システム・方法は、本発明の特徴である、エネルギー密度を増加させ抵抗を低下させるためのイオン-細孔マッチング(階層構造)を含む利点を有する。
ハイブリッド電解質の拡散抵抗がこのように低いため、本願発明では、高い電流密度でもTC800のアクセス可能な表面積が確実に増加する。
TC4(図27c)とは対照的に、TC1のナイキストプロットにおけるより短いワールブルグ領域は、そのより低い拡散抵抗をさらに支持する。
【0450】
空隙率と電解質の関係についてさらに洞察を得るために、3つの電解質を使用し、比表面積(SSA)が大きい市販の活性炭(AC)(AC30)の容量性能を調べた。
SEM画像は、AC30のマクロ細孔の形態を示しており、EDS分析では、C/O比が16.2の高炭素含有量を確認した。
AC30は、2nm未満のマイクロ細孔を含む幅広い細孔幅分布を持ち、「2~6nmの範囲のメソ細孔」を有し、SBETは2403m/gである。
【0451】
TC800と同様の追加の実施形態では、ハイブリッド電解質(AC1)を使用したAC30ベースのスーパーキャパシタ(SC)は、有機電解質(AC2)や水性電解質(AC3)を使用したスーパーキャパシタ(SC)と比べ、より優れた速度能力・エネルギー・電力を有することがわカッタ。
これは、ハイブリッド電解質が、TC800よりも高い空隙率の活性炭(AC)を使用しても、有機電解質や水性電解質よりも優れた静電容量性能を発揮するという本願発明者の評価を裏付けるものである。
追加の実施形態では、AC30ベースのスーパーキャパシタ(SC)は、TC800ベースのスーパーキャパシタ(SC)よりも優れた速度性能を示すことを期待できる。
AC30は、有機電解質・水性電解質における拡散関連の問題を軽減するメソ細孔をより多く含むからである。
ただし、AC30の充填密度が低いと、体積容量パラメータが小さくなる(AC30電極では0.19g/cm、TC800電極では0.44g/cm)。
有機液体電解質を使用した場合、AC2はTC4より優れたレート性能を示したものの、AC2は体積性能が劣っていた。
同様に、AC3は、水性電解質を使用した場合の速度能力の点でTC5を上回ったものの、体積性能は低下した。
【0452】
ハイブリッド電解質を使用した場合、AC30ベースのスーパーキャパシタ(SC)(AC1)は、TC800ベースのスーパーキャパシタ(SC)(TC1)と同じ重量測定性能を発揮するものの、密度が低いために体積静電容量・エネルギー・電力が低くなる(図27d~図27f)。
たとえば、1A/gにおけるTC1とAC1の最大比静電容量は、それぞれ41.2F/g(18.3F/cm)と39.5F/g(7.4F/cm)であり、TC1の優れた性能を明示している。
さらに、AC3の方がメソ細孔が多いにもかかわらず、TC1とAC1は同様の速度能力を示す。
したがって、TC1とAC1を比較すると、TC800の細孔率やその階層的な細孔構造は、本願に記載のハイブリッド電解質に適合したものであり、本願発明により生成できる。
言い換えると、本実施例では、TC800は、充填密度を低下させる多孔度の増加を回避しつつ、最良の容量性能で多孔度の下限閾値を維持できる。
【0453】
図28は、さまざまな電流と電圧に対する370kGCDサイクルにわたるハイブリッド電解質を使用したTC8(TC800、3.95mg/cm)のサイクリング速度を示しており、(a)はサイクル数に対する比容量、(b)はサイクル数に対するエネルギー密度、(c)サイクル数に対する電力密度である。
(d)は、31個の緑色LEDが55分間点灯し、続いて32個の赤色LEDが4分間点灯した様子を示す写真であり、すべて並列に接続され、2.5に充電された1つのスーパーキャパシタ(SC)によって電力が供給されている。
【0454】
現在のスーパーキャパシタ(SC)のサイクリング速度を評価するために、370,000回のGCDサイクルが、一連の10k・20kの連続サイクルの形で異なる電流・動作電圧によりTC8で実行され、サイクリング試験の各セットの間に約5時間の休止期間を設けた(図28a~図28c)。
TC8の実施形態は、2Vでサイクルした場合に、その性能を維持することが明らかであるが、2.4Vでのサイクル試験中に静電容量のわずかな低下が観察された。
たとえば、2Vでの最初の50kサイクルの後、静電容量・エネルギー・電力の保持率は、それぞれ91.2%・91.2%・100%であった。
2.4Vにて20kGCDサイクルした後、静電容量・エネルギー・電力の保持率はそれぞれ75.3%・71.4%・97.4%だったが、2.3Vの保持率は92.3%・88.4%・97.8%であった。
【0455】
2.4Vでのサイクリング中の電力密度の損失はごくわずかであり、電極の導電率が変化しないことを意味する。
静電容量とエネルギーの損失は、2.5Vのセル安定性の閾値近くで動作するハイブリッド電解質と関連している。
この分解は、アセトニトリル分子が大きな電位(2.4)の下で活性炭(AC)の細孔に入ってブロックすることから、狭い細孔に閉じ込められたイオンから発生する可能性もある。
全体として、TC8が膨大な数のGCDサイクル(370k)に対して故障せずに動作するという事実は、その優れたサイクル安定性を示しており、本願発明の利点である。
【0456】
本実施例では、電極の構成は、高エネルギー貯蔵ソリューションに対する現在の需要を考慮して、商用スーパーキャパシタ(SC)・ウェアラブル電子機器を設計において重要な活性材料を高装填(特定の実施形態では、最大10mg/cm以上)するものである。
そのため、高い質量負荷(すなわち、5.3mg/cmおよび9.1mg/cm)において、ハイブリッド電解質を用いた追加のTC800実施形態の容量性能を評価した。
通常は電極の質量負荷を増やすと、厚い電極では電荷(電子とイオン)の拡散距離が長くなるため、速度が低下する。
さらに、電極の質量負荷が増すと、通常、デッドマス(dead mass)が発生してバインダ型電極の重量静電容量が低下する。
しかしながら、本発明の追加の実施例として、ハイブリッド電解質によるTC800ベースの電極の効率的な湿潤は、電解質が厚いものであっても電極質量全体に確実に到達できる。
また、本発明の追加の実施例として、負荷が9.1mg/cmのエネルギー貯蔵デバイスは、前例のない最大面積静電容量やエネルギー密度として、0.78 F/cm(42.95F/g)や654.4μWh/cm(36.0Wh/Kg)を呈した。
さらに、追加の本実施例として、TC6は、110kGCDサイクルにわたって優れたサイクル寿命を示し、高負荷スーパーキャパシタ(SC)の長期安定性を確認する。
【0457】
比較するために、商用スーパーキャパシタ(SC)(CSC、1F Eaton(登録商標)、約-10.65mg/cm)もテストされ、本願のスーパーキャパシタ(SC)設計(TC11・TC6・TC7)よりも低い静電容量とエネルギー密度を示した。
たとえば、TC1とTC7の最大面容量(エネルギー密度)は、CSCの最大面容量(エネルギー密度)の1.3倍および3.2倍も高く、実際の応用とさまざまな実施形態に対する本願のスーパーキャパシタの高エネルギーのメリットを示した。
CSCは、本願のスーパーキャパシタ(SC)と比較して、わずかに小さい等価直列抵抗(ESR)を示した。
これは、ナイキストプロットに看取されるように、電極と電流コレクタの間の接触抵抗が低いことに起因する(CSCが0.18オーム、TC1が1.12オーム)。
これは、CSC電極の圧縮と導電性添加剤の比率の違いに起因している可能性もある。
CSCは、等価直列抵抗(ESR)が低く、拡散長がわずかに短い(ワールブルク領域が小さい)ため、TC7よりも優れたレート性能を示す。
【0458】
本願発明のスーパーキャパシタ(SC)の高エネルギー・高電圧のメリットを明らかにするため、TC7を使用して一連の緑色・赤色の発光ダイオード(LED)を9分以上連続して点灯させた(図28(d))。
スーパーキャパシタ(SC)に接続すると80番目の緑と赤のLEDが光り、スーパーキャパシタ(SC)の重要な特徴であるエネルギーの迅速な供給を示す。
【0459】
図29は、研究文献で報告されている最先端の活性炭(AC)ベースのスーパーキャパシタ(SC)(SC1・SC2・SC3・SC4・SC5)とTC1のパフォーマンスを比較したものであり、(a)は比静電容量、(b)は重量 Ragoneプロット、(c)は実際のRagone プロットである。
静電容量のデータは、セル全体(両方の電極の質量)について算出した。
【0460】
本実施例では、有望なエネルギー貯蔵能力を有することを示しており、ハイブリッド電解質(TC1)を有するTC800ベースのスーパーキャパシタ(SC)の実施形態は、最先端の活性炭(AC)ベースのスーパーキャパシタ(SC)よりも優れた容量性能を示している(図29)。
この研究を他の研究と総合的に比較し、電極や電解質の適応性に焦点をあてるべく、高度にメソ多孔性のものから排他的に微孔性のものまで、さまざまな多孔性を持つ活性炭(AC)を研究した。
全体として、TC1の本実施例は、3.87mg/cmの高い装填量においても、最良の面積・重量エネルギー密度を示した。
【0461】
これらの活性炭(AC)の中で最も高いSBETと最大の細孔容積を持つHPC(階層型多孔質炭素)には、幅広い範囲のメソ細孔・マクロ細孔が含まれている。
しかし、その貯蔵能力を制限する過度の細孔のために、TC1よりも低い静電容量とエネルギー密度を示す(図29)。
【0462】
一方、YP50Fは、平均細孔幅が0.94nmでメソ細孔のない主要な商用の細孔性炭素であり、有機電解質とハイブリッド電解質(SC1・SC2・SC3)の静電容量とエネルギー密度がTC1と比べて低くなる(図29)。
たとえば、TC1(TC800)の実施形態は、ハイブリッド電解質を使用したSC1(YP50F)と比較して40%以上高い静電容量とエネルギー密度を示し、TC800のアクセス可能な表面積よりもずっと大きい。
このことは、有機電解質・ハイブリッド電解質双方に対しYP50Fの空隙率が不十分なことを示しており(電極と電解質の間の不一致)、アクセス可能な表面積が制限され、静電容量が低下する。
SC1の静電容量がSC2の静電容量よりも高いという結果は、ハイブリッド電解質がYP50Fの有機電解質よりも優れた性能を発揮することを示している。
このことは、TC800についても同様に当てはまる。
SC3は同じ最大静電容量を示すものの、質量負荷がSC2の約3倍であるため、SC2と比較して速度能力が劣っている。
これは、TC1のレート能力が他の参照結果よりも低く見えることを説明する(図29a)。
【0463】
PCN(多孔性カーボンナノシート)は、平均マイクロ細孔幅が1.6nmで、メソ細孔の割合が2~5nmの範囲にあるマイクロ細孔の活性炭(AC)である。
PCNの細孔率範囲はTC800と同様であるが、細孔がわずかに広く、SBETが高くなる。
有機液体電解質を使用する場合、SC4(PCN)はSC2(YP50F)よりも優れており、YP50Fの限られた細孔率の概念をさらに支持する。
等温曲線によれば、AC30はYP50F・TC800よりもはるかに多くのメソ細孔と大きなSBETを持っているが、HPC(階層型多孔質炭素)よりも少ない。
活性炭(AC)の細孔率は「YP50F<TC800<PCN<AC30<HPC」の順に増加する。
【0464】
低電流に対するこれらの電極の静電容量の比較は、細孔率がYP50Fよりも高くHPCよりも低い活性炭(AC)(つまり、PCN・TC800・AC30)が、有機電解質に最適な静電容量をもたらすことを示している。
たとえば、有機液体電解質を用いたYP50F(SC2)・TC800(TC4)・PCN(SC4)・AC30(AC2)・HPC(AC5)の最大比容量は、それぞれ24.3F/g・32.0F/g・30.0F/g・32.9F/g・25.8F/gである。
PCN・TC800・AC30は、有機電解質よりもイオン・溶媒和イオンが小さいため、ハイブリッド電解質を使用するとさらに良好に機能すると予想され、本発明の代替実施形態として開示される。
たとえば、ハイブリッド電解質を使用したTC800(TC1)とAC30(AC1)の最大比静電容量は41.3F/gと39.8F/gであり、有機電解質と比較してそれぞれ29.3%と21.0%だけ増加した。
したがって、本実施例では、PCN(多孔性カーボンナノシート)・AC30よりもメソ細孔が少なくSBETが小さいTC800は、メソ細孔の増加に伴い活性炭(AC)の密度が増加し、体積容量性能を考慮すると、ハイブリッド電解質に最良の全体性能を与える。
これらの検討は、本発明の発見の重要性と、所定の活性炭(AC)のイオン-細孔(階層構造)マッチングに関する本発明の有益な側面の開示の重要性、活性炭(AC)が許容可能な静電容量を生成する多孔度の範囲があることを示唆している。
つまり、本実施例では、性能の向上を達成する際、「2~5nmの範囲のメソ細孔の割合が小さいマイクロ細孔の活性炭(AC)」を目指し、ハイブリッド電解質の容量特性により多孔度を調節する。
【0465】
新しいエネルギー貯蔵材料を探索するための多大な努力にもかかわらず、電極と電解質の間の適応性は十分に注目されていない。
本願システム・方法・過程において、本願発明者は、微孔性炭素の多孔性を水/アセトニトリルハイブリッド電解質に適合させ、それらの間の良好な湿潤性が高いエネルギー密度を達成するために効果的であることを開示・実証した。
ハイブリッド電解質に適合するように多孔性(階層構造)を微調整することで、活性炭(AC)モデル(TC800)の実施形態として、2~5nmの範囲のメソ細孔の割合が小さい石炭由来の微孔性炭素を調製した。
ハイブリッド電解質(水/アセトニトリル中7.7M NaClO4)を使用したTC800ベースの好ましい実施形態のスーパーキャパシタ(SC)は、静電容量・速度・エネルギー・電力密度の点で、水性電解質・有機電解質よりもはるかに優れた性能を示した。
また、本願発明者は、ハイブリッド電解質が水性電解質の不燃性・低コストの性質も受継いでいるなど、本願デバイスのさらなる有益な側面を開示した。
本発明の、好ましい実施形態のTC800ベースのスーパーキャパシタ(SC)は、より多くの細孔率・より低い密度を有する市販の活性炭(AC)から製造されたスーパーキャパシタ(SC)と比較して、同じ重量測定であるがより優れた容積測定性能をもたらし、ハイブリッド電解質に適応するTC800の非常によく調整された多孔性のTC800階層構造を明示した。
また、本願発明の実施例のスーパーキャパシタ(SC)は、高速で、活性炭(AC)についてこれまでに報告されたうちで最高のキャパシタンスとエネルギー密度「1A/gで、41.2F/g(0.3F/cm)と350Wh/Kg(271.3μWh/cm)を達成した。
さらに、本願発明者は、370kGCOサイクルで明らかになったスーパーキャパシタ(SC)の顕著なサイクル安定性を含む、本発明による有利な効果を開示した。
追加の本実施例について、本願発明者は、0.78F/cmと654.4μWh/cm(商用スーパーキャパシタの3倍以上)の最大面積容量・高エネルギー密度を与える9.1mg/cmの高負荷を有するスーパーキャパシタ(SC)を開示した。
これは、本願発明の過程・デバイス・システム・方法に適用され、高エネルギーの商用スーパーキャパシタ(SC)に対する現在のアプローチの可能性を解明する。
【0466】
本明細書に開示される本発明の優れた性能は、部分的に、活性炭(AC)とハイブリッド電解質の間の相乗効果の発見・構造・液体電解質の湿潤・開示されたシステムと方法に対する製造技術への多くの利点に起因する。
この戦略は、グラフェン・カーボンナノチューブ・MOF・ナノ材料・エネルギー貯蔵デバイス・バッテリー・キャパシタ・スーパーキャパシタ・ウルトラキャパシタ・ハイブリッドキャパシタ・2重層電解キャパシタ(DLEC)・エレクトロニクスなどの他の2層材料だけでなく、活性炭(AC)の代替タイプを含む多数の追加の応用と実施形態に適用できる。
【0467】
[追加的な代替実施形態(Additional Alternate Embodiments of the Invention)]

追加の実施形態では、供給原料(feedstock)は、微細粉末・細かい粒子と粗い粒子の混合物など多種多様な粒子サイズ・形状に提供・加工でき、材料の大きな片の形態であってもよく、円形・円筒形・四角形などでもよい。
【0468】
いくつかの実施形態では、活性炭は、乾燥ベースで、約90重量%以上の総炭素・約10重量%以下の酸素・「700~3,000m/gのSBET」を含む。
【0469】
特定の実施形態では、活性炭は、少なくとも約55重量%の乾燥ベースの総炭素を含み、たとえば、少なくとも55重量%・少なくとも60重量%・少なくとも65重量%・少なくとも70重量%・少なくとも75重量%・少なくとも80重量%・少なくとも85重量%・少なくとも90重量%・少なくとも95重量%・少なくとも96重量%・少なくとも97重量%・少なくとも98重量%・少なくとも99重量%でもよい。
これらの例では、総炭素は少なくとも40重量%の固定炭素を含み、さらに揮発性物質からの炭素を含みうる。
別の実施形態では、揮発性物質からの炭素は、所定の細孔構造の活性炭に存在する全炭素の少なくとも5%・少なくとも10%・少なくとも25%・少なくとも50%である。
固定炭素はASTM D3172を使用して測定でき、揮発性炭素はASTM D3175により推定できる。
【0470】
本開示による所定の細孔構造を有する活性炭は、約0重量%~約8重量%の水素を含みうる。
追加の実施形態では、所定の細孔構造を有する活性炭は約0.5重量%を超える水素を含み、たとえば、約0.6重量%・約0.7重量%・約0.8重量%・約0.9重量%・約1重量%・約1.2重量%・約1.4重量%・約1.6重量%・約1.8重量%・約2重量%・約2.2重量%・約2.4重量%・約2.6重量%・約2.8重量%・約3重量%・約3.2重量%・約3.4重量%・約3.6重量%・約3.8重量%・約4重量%・約4重量%を超える水素を含んでもよい。
所定の細孔構造を有する活性炭の水素含有量は、任意の適切な手法によって決定することができ、たとえば、ASTM D5373に概説されている燃焼分析手順でもよい。
【0471】
特定の実施形態では、灰などのさまざまな量の不燃性物質が存在できる。
所定の細孔構造を有する活性炭は、約10重量%以下、たとえば、約5重量%・約2重量%・約1重量%・約1重量%以下の不燃性物質を乾燥状態で含んでもよい。
追加の実施形態では、試薬は灰分をほとんど含まないか、灰分・他の不燃性物質を含まない。
追加の実施形態では、乾燥ベースで100%炭素を含む、本質的に純粋な所定の細孔構造の活性炭を提供する。
【0472】
特定の実施形態では、さまざまな量の水分が存在しうり、所定の細孔構造を有する活性炭は、総質量ベースで、少なくとも1重量%・少なくとも2重量%・少なくとも5重量%・少なくとも10重量%・少なくとも15重量%・少なくとも25重量%・少なくとも35重量%・少なくとも50重量%・50重量%を超える水分を含みうる。
本明細書に記載されるように、「水分」は、所定の細孔構造の活性炭生成物中に存在する任意の形態の水を含むと理解されるべきであり、これには、吸収された水分・吸着された水分子・化学的水和物・物理的水和物が含まれる。
【0473】
所定の細孔構造の活性炭・炭素源材料は、粗い・微細な・超微細な・ナノサイズの粉末などの粉末またはペレットに形成できる。
特定の実施形態の一例として、試薬は、約200メッシュ・約100メッシュ・約50メッシュ・約10メッシュ・約6メッシュ・約4メッシュ・約2メッシュの平均メッシュサイズを有する粉末に形成できる。
本実施例では、「所定の細孔構造を有する活性炭」は、最大約500μm、たとえば約0.1μm以下・約1μm・約2μm・約3μm・約4μm・約5μm・約6μm・約7μm・約8μm・約9μm・約10μm・約25μm・約50μm・約75μm・約100μm・約200μm・約300μm・約400μm・約500μmの平均粒径を有する。
【0474】
特定の実施形態では、所定の細孔構造の活性炭は、圧縮された粒子・結合された粒子・凝集した粒子を含む構造物体に形成できる。
これらの物体を形成するための出発物質は、粒子サイズの縮小によって得られる中間体などの粉末形態の試薬であってもよい。
所定の細孔構造を有する活性炭の所望の形状は、機械的プレス・他の力により、場合によってはバインダ・粒子を一緒に凝集させる他の手段により形成することができ、ペースト・塗料・自立電極などを含みうる。
【0475】
さらに、改良されたエネルギー貯蔵デバイス・スーパーキャパシタの実施形態は、「電流コレクタ」にさまざまな金属・導電性材料を利用できる。
これらには、以下の非限定的な例が含まれる場合がある。
チタン・各種ステンレス鋼・アルミニウム・亜鉛・銅・鉛・クロム・リチウム・バナジウム・ルテニウム・ベリリウム・ナトリウム・マグネシウム・スカンジウム・カリウム・カルシウム・マンガン・モリブデン・ランタン・バリウム・ビスマス・コバルト・ニオブ・ニッケル・ジルコニウム・ガリウム・イットリウム・ルビジウム・ストロンチウム・セシウム・テクネチウム・アンチモン・オスミウム・ロジウム・インジウム・パラジウム・銀・金・カドミウム・タリウム・ハフニウム・水銀・タンタニウム・スズ・プラチナ・タングステン・イリジウム・レニウムや、さまざまな厚さ・薄膜・メッシュ・相互接続構造・グレードの複合材・ブレンドでもよい。
【0476】
特定の実施形態では、添加剤・触媒を過程において利用でき、デバイス内の温度プロファイルを選択して、一酸化炭素よりも二酸化炭素の生成を促進することができ、これを利用して「最終生成物中の固定炭素を増加」させることができる。
【0477】
特定の実施形態では、添加剤の量・全添加剤は、乾燥ベースで、約0.1重量%・約1重量%・約5重量%・約10重量%・約20重量%を含め、「約0.01重量%~約25重量%」のように広く変化できる。
約1重量%を超えるような比較的多量の添加剤が組込まれる場合、総活性炭重量に基づいて計算されたエネルギー含有量が減少する可能性がある。
【0478】
特定の実施形態は、特定の用途のための最終特性を向上させるためにバインダ・他の改質剤として添加剤を組込む。
【0479】
追加の実施形態では、「汚染物質吸着炭素粒子」は、二酸化炭素・窒素酸化物・水銀・二酸化硫黄の少なくとも1つ・少なくとも2つ・少なくとも3つ・すべて・任意の組合せを含みうる。
【0480】
特定の実施形態では、「添加剤」は、酸・塩基・塩・金属・金属酸化物・金属水酸化物・金属ハロゲン化物・それらの組合せ、から選択できる。
追加の実施形態では、添加剤は、マグネシウム・マンガン・アルミニウム・ニッケル・鉄・クロム・シリコン・ホウ素・セリウム・モリブデン・リン・タングステン・バナジウム・塩化鉄・臭化鉄・酸化マグネシウム・ドロマイト・ドロマイト石灰・蛍石・ルオロスパー・ベントナイト・酸化カルシウム・石灰・水酸化ナトリウム・水酸化カリウム・臭化水素・塩化水素・ケイ酸ナトリウム・過マンガン酸カリウム・有機酸・クエン酸・それらの組合せ、からなる群から選択することができる。
【0481】
複数の「汚染物質」が、所定の細孔構造の活性炭粒子によって除去できる。
特定の実施形態では、汚染物質吸着炭素粒子は、少なくとも2つの汚染物質・少なくとも3つの汚染物質・複数の汚染物質・それ以上を含む。
本願の所定の細孔構造の活性炭は、多汚染物質の制御や、セレンなどの特定の標的汚染物質の制御を実現できる。
【0482】
特定の実施形態では、所定の細孔構造の活性炭組成物は、鉄・鉄含有化合物を「磁性活性炭」生成物として含む。
これにより、材料は磁場の影響を受けやすくなる。
特定の用途では、磁気分離装置を使用して鉄・鉄含有化合物を分離できる。
特定の実施形態では、「鉄を含有する所定の細孔構造の活性炭」は、磁気分離を使用して分離でき、磁気分離が使用されるこれらの過程では、磁気金属分離器は、磁石カートリッジ・プレート磁石・その他の既知の装置で構成しうる。
【0483】
本願の異なる実施形態は、少なくとも部分的に、「複数のリアクタ」か「単一のリアクタ内の複数のゾーン」が、「活性化された所定の細孔構造の炭素」と「熱分解から最終的な製品品質」とを最適化するような方法で利用・操作できる。
この最適化は、さまざまな炭素源材料や所望の製品要件に対し、ある程度の柔軟性と調整性を維持しながら行われる。
【0484】
特定の実施形態では、「供給原料」は、粉砕・所望の直径のサイジングされた供給原料でもよく、別の実施形態では、熱分解の前や熱分解過程が行われた後に、供給原料を慎重にミリング・サイジングすることが望ましい。
さらに、初期処理を慎重に制御することで、さまざまな炭素源に存在する可能性のある炭素源の強度と壁の完全性を維持できる。
これは、「所定の細孔構造の活性炭源」の形状・強度の一部・略全部・全部を保持するため、最終製品にとって重要である。
【0485】
さまざまな実施形態において、炭素源を調製するための措置が取りうる。
たとえば、限定するものではないが、さまざまな代替の実施形態において、「炭素源は乾燥によって調製」され、それは、以下に例示するような長期間にわたることができる。
たとえば、少なくとも1時間以上・約2時間以上・約3時間以上・約4時間以上・約5時間以上・約6時間以上・約7時間以上・約8時間以上・約9時間以上・約10時間以上・約11時間以上・約12時間以上・約13時間以上・約14時間以上・約15時間以上・約16時間以上・約17時間以上・約18時間以上・約19時間以上・約20時間以上・約21時間以上・約22時間以上・少なくとも約23時間以上・少なくとも約24時間であり、これにより、水・油・タール・ガス・エネルギー源が、原料の構造を破壊することなく炭素源から排出される可能性がある。
【0486】
代替の実施形態では、数秒・数分・数時間にわたる熱分解中(たとえば、フラッシュ熱分解とは対照的に)低い漸進的加熱速度を使用して、原料の構造を破壊せずに水・ガスを炭素源から排出させることができる。
たとえば、限定するものではないが、「昇温速度」は、熱分解過程の初期加熱速度中に上昇することがあり、毎分約1℃~毎分約40℃の間で変動することがある。
「昇温速度」は、たとえば、毎分約1℃・毎分約2℃・毎分約4℃・毎分約5℃・毎分約10℃・毎分約15℃・毎分約20℃・毎分約25℃・毎分約30℃・毎分約35℃・毎分約40℃である。
いくつかの代替実施形態では、予熱ゾーンにおいて温度上昇が起こり、「予熱された炭素源原料」を生成できる。
追加の代替実施形態では、温度上昇は、「予熱された炭素源材料」を生成するべく、主に又は完全に予熱ゾーンで実行する。
追加の実施形態では、「予熱された炭素源材料」の温度は、予備熱分解ゾーンにおいて上昇する。
追加の実施形態では、温度上昇は、少なくとも部分的に炭化ゾーン・熱分解ゾーンで起こる。
追加の実施形態では、温度上昇は、主にまたは完全に炭化ゾーン・熱分解ゾーンで生じる。
追加の実施形態では、予熱ゾーン・事前熱分解ゾーン・炭化ゾーン・熱分解ゾーンは、熱分解中の温度を最初の低温から最終的な高い温度まで、特定の時間にわたって上昇させる。
追加の実施形態では、温度上昇は一定期間にわたり直線的・略直線的である。
代替の実施形態では、予熱中・事前熱分解中・炭化中・熱分解中の温度が動作中に少なくとも部分的に非線形であり、たとえば、少なくとも予熱・予備熱分解・炭化・熱分解過程の一部において「対数的または略対数的」である。
別の実施形態では、乾燥前や熱分解前に「添加剤」が使用される。
「添加剤」は、熱分解過程中に原料の導管構造に損傷するおそれのあるガス形成を減少させるために使用され、完成品である活性炭製品のための「所定の細孔構造」を生成する。
別の実施形態では、熱分解前でもよいが、「乾燥炭素源材料」は、炭素源の構造をあまり破壊しないように構成されたメッシュ・スクリーンによりサイズ調整される。
【0487】
代替の実施形態では、炭素源は、略均一なサイズ・略均一な形状である複数の炭素源片を形成するために、製粉・粉砕によって調製される。
たとえば、限定するものではないが、炭素源を処理して、ほぼ均一なサイズ(たとえば、所望のメッシュサイズ)の微粒子・粒子サイズを生成できる。
あるいは、炭素源を処理して、略均一な寸法(たとえば、約1μm未満×約1μm未満×約1μm未満の小片)を有するナノ・マイクロサイズの粒子を生成できる。
あるいは、炭素源を処理して、略不規則な寸法を有するナノ・マイクロサイズの粒子を生成できる(例:約1μm×約1μm×約1μm)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さ寸法・直径を有する長さの材料を形成することで調製できる(たとえば、約2μm×約2μm×約2μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約3μm×約3μm×約3μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約4μm×約4μm×約4μm)。
代替実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約5μm×約5μm×約5μmの小片)。
代替実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約6μm×約6μm×約6μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(例:約7μm×約7μm×約7μm片)。
代替実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約8μm×約8μm×約8μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(例:約9μm×約9μm×約9μm片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約10μm×約10μm×約10μm片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約15μm×約15μm×約15μmの小片)。
代替実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約20μm×約20μm×約20μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約25μm×約25μm×約25μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約30μm×約30μm×約30μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約35μm×約35μm×約35μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(例:約40μm×約40μm×約40μm片)。
代替実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約45μm×約45μm×約45μm片)。
代替実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約50μm×約50μm×約50μmの小片)。
代替実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約60μm×約60μm×約60μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約70μm×約70μm×約70μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(例:約80μm×約80μm×約80μm片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約90μm×約90μm×約90μmの小片)。
代替実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約100μm×約100μm×約100μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約200μm×約200μm×約200μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約300μm×約300μm×約300μm)。
代替実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約400μm×約400μm×約400μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約500μm×約500μm×約500μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約600μm×約600μm×約600μmの小片)。
代替実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約700μm×約700μm×約700μmの小片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約800μm×約800μm×約800μm個)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(例:約900μm×約900μm×約900μm片)。
代替の実施形態では、炭素源は、略均一な幅・深さの寸法・直径を有する長さの材料を形成することによって調製できる(たとえば、約1000μm×約1000μm×約1000μmの小片)。
【0488】
特定の実施例では、本願のリアクタ構成を提示する。
これらの実施形態では、2つ以上の異なるリアクタを使用でき、任意の数のリアクタの組合せを使用できる。
追加の実施形態では、リアクタは、材料供給システムを介して少なくとも1つの他のリアクタに機械的接続される。
追加の本実施例では、材料供給システムは、雰囲気・温度条件・炭素移送速度を制御できる
【0489】
特定の実施形態では、デバイスは、気相分離機構を含み、「少なくとも1つの入力」と「1つ以上の出力」を含む。
少なくとも1つの入力は、デバイスの第1リアクタ・第2リアクタの排気ポートに機械的接続できる。
追加の実施形態では、出口の1つを「炭素源回収ユニットに接続」でき、他の出口の1つを「収集デバイス・装置・追加のさらなる処理装置」に接続でき、それらの非限定的な例は「酸水素化ユニット」や「蒸留塔」である。
追加の実施形態では、第1リアクタ・第2リアクタからのオフガスを処理し、凝縮物・濃縮・濃縮ガスを生成するために、相分離器を使用できる。
追加の実施形態では、凝縮性材料は、非限定的な例として、エネルギー回収・ドライヤ・リアクタ・過程ガス加熱器・他の炭素処理システムに使用できる。
追加の実施形態では、非限定的な例としてCOのような非凝縮性である材料は、非限定的な例として、ドライヤ・リアクタ・過程ガス加熱器におけるエネルギー回収・熱回収に不活性ガスを使用できる。
脱気ユニット・リアクタ・冷却器は、非限定的な例として炭素源過程中にシステム内で使用される。
【0490】
追加の実施形態では、凝縮物材料は「極性化合物」(polar compounds)を含み、非限定的な例示としては酢酸・メタノール・フルフラールが挙げられる。
追加の実施形態では、相分離器によって生成される濃縮ガスは、非限定的な例として「一酸化炭素・テルペン・メタン・二酸化炭素などの非極性ガス」を含む。
追加の実施形態では、相分離器は、分別塔(fractionation column)を含みうる。
追加の実施形態において、酢酸は、ライン・チャネルを介して任意の酸水素化ユニットに送られる。
追加の実施形態では、メタノール・フルフラールは、任意の追加ライン・追加チャネルを介して蒸留・処理ユニットに移送できる。
【0491】
追加の実施形態では、炭素回収ユニット自体が、材料を濃縮するための機械的手段を有する。
追加の実施形態では、炭素源は、炭素回収ユニットの濃縮とは別に濃縮してもよい。
いくつかの実施形態では、炭素回収ユニットは、炭化材料の貯蔵用「コンテナ」として使用してもよく、別個の材料濃縮ユニットは、材料の処理中にガスが導入されるユニットであってもよい。
【0492】
追加の実施形態では、炭素回収ユニットは、炭化炭素源を濃縮することもできる。
炭化炭素源の濃縮は、材料供給システムにより、炭化材料が第3リアクタを出て炭素回収ユニットに入るときに実行できる。
また、追加の実施形態では、炭素回収ユニットは、相分離器に接続される入口を有してもよい。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットに向かう濃縮ガスを活性炭材料と組合せて、高炭素含有量の活性炭生成物を生成できる。
追加の実施形態では、外部供給源からの炭素富化ガスも炭素回収ユニットに送ることができ、炭化炭素源と組合わされて、生成される活性炭生成物に炭素を追加的に添加できる。
追加の実施形態では、炭化炭素源は、その温度が低下される。
実例として、システムは、石油コークス・石炭・石油・バイオマス処理施設の近くに共同で設置でき、共同設置された処理施設から導かれたり取出される炭素富化ガスを、外部供給源からのガスとして使用できる。
【0493】
特定の実施形態では、各ゾーン・リアクタは、1つ以上の個々のゾーン・リアクタからオフガスを抽出・収集できる。
追加の実施形態では、各ゾーン・リアクタからのオフガスは、廃棄・分析・後日使用するために分離されたままでもよい。
追加の実施形態では、各リアクタ/ゾーンは、ゾーン・リアクタ内のガス形成を監視するFTIRなどのガス検出システムを備えてもよい。
追加の実施形態では、複数のゾーン・リアクタからのオフガスは、廃棄・分析・後日使用するためにまとめてもよく、1つ以上のゾーン・リアクタからのオフガスを過程ガス加熱器に供給できる。
追加の実施形態では、1つ以上のゾーン・リアクタからのオフガスを、炭素回収ユニットに供給できる。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットに導入する前に、1つ以上のゾーン・リアクタからのオフガスを相分離器に供給できる。
【0494】
追加の実施形態では、相分離器は「分別塔」(fractionation column)を含んでもよい。
特定の実施形態に応じて、当業者に既知の任意の分別塔(fractionation column)を使用することができる。
さらなる実施形態において、オフガスは、適切な温度に加熱できる標準的な分別塔・充填塔を使用して、非極性化合物・極性化合物に分離できる。
さらに、追加の実施形態では、相分離器からの非極性化合物・濃縮ガスを、後日使用するために抽出できる。
追加の実施形態では、1つ以上のゾーン・リアクタからのオフガスは、使用のために過程ガス加熱器に供給してもよい。
追加の実施形態では、予熱ゾーン・リアクタや熱分解ゾーン・リアクタ、ならびに冷却ゾーン・リアクタ(任意)から抽出されたガスは、混合流に導入し、その後、相分離器に供給できる。
追加の実施形態では、1つ以上のゾーン・リアクタは、混合流や個々の流れに導入されるガス流とガス量を制御するように構成できる。
【0495】
特定の実施形態では、デバイスからのオフガスは、相分離器(gas phase separator)に導入される。
追加の実施形態では、オフガスは「第1の予熱ゾーン・リアクタから抽出されたガス」を含んでおり、「第2の熱分解ゾーン・リアクタから抽出されたガス」とまとめてもよく、個々のガス流としてもよい。
オフガスが相分離器に入ると、オフガスは極性化合物と非極性ガスなどの非極性化合物に分離される。
追加の実施形態では、相分離器は、既知の分別塔でもよい。
【0496】
特定の実施形態では、まとめられた「オフガスから抽出された濃縮ガス」は、入力を介して相分離器から炭素回収ユニットに移送してもよい。
これは、材料を充実させるために使用できる。
追加の実施形態では、抽出されたガスは、まず「材料濃縮ユニット」に導入されてから、別の炭素回収ユニットに送られる。
追加の実施形態では、材料濃縮は、炭素回収ユニットにて実行できる。
追加の実施形態では、相分離器は、複数の出口を含みうる。
追加の実施形態では、「相分離器からの1つの出口」を炭素回収ユニットに接続でき、濃縮ガス流を炭素回収ユニットに導入できる。
追加の実施形態では、濃縮ガス流の一部を炭素回収ユニットに移送し、濃縮ガス流の別部分をスクラバや別の適切な精製装置に移送して、不要なガスを洗浄し廃棄できる。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットに送られなかったオフガスは、エネルギー回収に用いられたり、脱気ユニット・リアクタ・デバイス・冷却器などにおいて不活性ガスとして使用できる。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットからのオフガスは、エネルギー回収に使用されたり、脱気装置・リアクタ・冷却器・2次回収デバイスなどにおいて不活性ガスとして使用できる。
【0497】
追加の実施形態では、相分離器の追加の出口から極性化合物を抽出し、「極性化合物」は、複数の異なる液体部分を含む液体成分に任意に凝縮できる。
追加の実施形態における液体は「水・酢酸・メタノール・フルフラール」を含みうる。
追加の実施形態では、出力された液体は、保存・廃棄・処理・再利用できる。
この例としては、一部のデバイスから出力された水を再利用して、他のデバイスを加熱・冷却することができる。
追加の実施形態では、水を排出できる。
特定の実施形態では、「抽出された酢酸・メタノール・フルフラール」は、再使用・再販売・蒸留・精製のために貯蔵タンクに移送できる。
【0498】
別の実施形態では、「炭素回収ユニット」は、「上側部分・下側部分を有するハウジング」を備えてもよい。
材料富化ユニットが炭素回収ユニットから分離されている特定の実施形態では、材料富化ユニットは、炭素回収ユニットにかかるものと同様の特徴を含みうる。

代替の実施形態において「炭素回収ユニット」は、
上側部分・下側部分を有する「ハウジング」と、
リアクタのオフガスを移送するハウジングの下側部分の底と、
濃縮ガス流を移送するハウジング上側部分にある出口と、
ハウジング上側部分とハウジング下側部分との間に画定された経路と、
を備え、
輸送システムは、試薬を輸送するように構成してもよく、
ハウジングは、「試薬」によりリアクタからのオフガスを吸着してもよい。

追加の実施形態では、ハウジング上側部分は複数の出口を備えてもよく、ハウジング下側部分は複数の入口を備えてもよい。
特定の実施形態では、ハウジングは、110度以下・90度以下・80度以下・70度以下の角度を有するコーナーを含まなくてもよい。
【0499】
追加の実施形態では、ハウジングには「凸状のコーナー」がなくてもよい。
追加の実施形態では、ハウジングは、渦を発生させ空気を閉込めることができる凸状のコーナーを含まなくてもよい。
追加の実施形態では、ハウジングは、略立方体・略直角柱・略楕円体・略立体楕円体・略回転楕円体・「底と底とが取付けられた2つの円錐」・「底と底とが取付けられた2つの正四面体」・「底と底とが取付けられた2つの四角錐」・「底と底とが取付けられた2つの二等辺三角形のプリズム」のような形状であってもよい。
【0500】
追加の実施形態では、ハウジングの上側部分・下側部分は、「略半楕円体・略半直角柱・略半立体楕円体・略半回転楕円体・略円錐・略正四面体・略四角錐・略二等辺三角柱・円形から長方形へのダクト」のような形状であってもよい。
【0501】
追加の実施形態では、ハウジング下側部分の底部にある「入口」・ハウジング上側部分の上部にある「出口」は、パイプと接続するよう構成できる。
追加の実施形態では、ハウジング下側部分の上部およびハウジング上側部分の下部は、略長方形・略円形・略楕円形であり得る。
追加の実施形態では、ハウジング下側部分の上部とハウジング上側部分の底部との間の幅は、供給移送システムの幅より広くてもよい。
追加の実施形態では、移送システムの幅はその高さであってもよい。
【0502】
追加の実施形態では、炭素回収ユニットは、ハウジング上側部分とハウジング下側部分の間に画定された経路・入口開口部・出口開口部を備えることができる。
追加の実施形態では、入口開口部・出口開口部は、供給移送システムを受入れるように構成できる。
追加の実施形態では、移送システムは、濃縮ガスに対して少なくとも半透過性・透過性であってもよい。
【0503】
追加の実施形態では、上記の入口開口部は、ガスの漏れを低減する入口開口部シール機構(inlet opening sealing mechanism)を含むことができ、また、出口開口部は、ガスの漏れを低減する出口開口部シール機構を含みうる。
追加の実施形態では、入口開口部シール機構・出口開口部シール機構は、エアロックを備えてもよい。
【0504】
代替の実施形態では、「炭素回収ユニット」のハウジングの下側部分は、ガス流の輸送のために相分離器に接続できる狭い「丸底型の接続開口部」を有してもよい。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットのハウジング下側部分の上部は、形状が略長方形でもよく、狭い丸底の接続開口部より広くてもよい。
追加の実施形態では、ハウジング下側部分の丸底開口部から「長方形の上部開口部」に移行できる。
追加の実施形態では、ハウジング下側部分の長方形の上部開口部は、幅が約6フィートであり、コンベヤシステムの方向に沿って延伸する。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットの上側部分は、下側部分と略同一形状にできる。
追加の実施形態では、上側部分の下部開口部は、下側部分の上部開口部より広くてもよい。
追加の実施形態では、ハウジング上側部分の「長方形の下部開口部」は、幅が約6.5フィートであり、コンベヤシステムに沿って延伸できる。
追加の実施形態では、「炭素回収ユニットの上側部分」は、活性化された物質によって吸着されることなく炭素回収ユニットを通過するすべてのガスを捕捉する。
【0505】
さまざまな実施形態において、炭素回収ユニットの下側部分の形状は、活性炭材料を移送するコンベアの広い表面積にわたってガスを減速させ分散させるのに資する。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットの下側部分・上側部分の形状は、気相分離パイプから到来するガス分散の角度に直接的に依存する。
追加の実施形態では、ガスは自然に膨張する。
垂直から5度~30度の範囲で、揚水されるためである。
追加の実施形態では、フレア角は約15度であってもよい。
炭素回収ユニットの下側部分は、空気の閉込や渦の形成を防止するために、折目・コーナーをできるだけ少なくしてもよい。
【0506】
追加の実施形態では、炭素回収ユニットは、デバイスに接続するだけでなく「相分離器」に接続してもよい。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットは、リアクタの出口や冷却ゾーンの出口・デバイスの最終冷却ゾーンやデバイス外部に接続できる。
追加の実施形態では、リアクタや冷却ゾーンからの出力は、デバイス内で処理された活性炭生成物を含む。
追加の実施形態では、活性炭材料は、適切な移送システムに沿って炭素回収ユニットに導入できる。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットの上側部分・底側部分はたがいに接続してもよく、移送システムが通過できる経路を画定してもよい。
追加の実施形態では、移送供給システムは、ガスが通過できるように構成された多孔性材料・メッシュ材料で構成してもよい。
移送供給システムは、炭素回収ユニットの開口部を通過してから、炭素回収ユニットの出口開口部を通過するように構成できる。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットに出入りするための入口・出口は、ガスがコンベア開口部を通って洩れるのを防ぐために、エアロック・別の適切な密封機構で適切に封止してもよい。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットへと移送されず「炭素回収ユニットを通過しないオフガス」は、過程ガス加熱器におけるエネルギーを回収するために、脱気ユニット・リアクタ・デバイス・クーラーにおいて不活性ガスとして使用できる。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットからのオフガスは、脱気ユニット・リアクタ・デバイス・冷却器・第2回収ユニット・貯蔵デバイスにおける不活性ガスとして、過程ガス加熱器におけるエネルギー回収に使用される。
【0507】
追加の実施形態では、過程は、リアクタ・冷却ゾーンからの適切な排出機構により、まず「活性炭材料を冷却ゾーンから移送システムに出力」することで実行できる。
追加の実施形態では、材料のスタッキングを最小化し、バンチングを防止し、ガス吸収のための表面積を最大化するために、活性炭生成物は移送システムの幅全体に広げることができる。
追加の実施形態では、活性炭生成物が堆積され供給移送システム上に適切に広げられると、供給移送システムは「活性炭生成物」を輸送できる。
炭素材料は、下側部分と上側部分との間に画定できる炭素回収ユニットの開口部を通過する。
炭素回収ユニットの特定の実施形態では、活性炭生成物は、相分離器から炭素回収ユニット下側部分に至る配管におけるガスを吸着できる。
特定の実施形態では、活性炭生成物が無極性ガスで富化されると、「活性炭生成物」は高炭素活性炭材料となる。
追加の実施形態において、「高炭素活性炭材料」は「本願過程の最終生成物」であり、炭素回収ユニットから適切な貯蔵デバイス・後処理デバイスへと移送できる。
【0508】
追加の実施形態では、濃縮ガスがコンベア・活性炭材料を通過した後、結果として生じるガスは炭素回収ユニットの上側部分において抽出できる。
追加の実施形態では、排出ガスは、適切なスクラバ・煙突・回収システムにより除去できる。
追加の実施形態では、排気ガスは、2次炭素回収ユニットでの使用・エネルギーのための使用を含む、システム内の任意の再利用可能な品質のために利用できる。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットに送られなかったオフガスは、過程ガス加熱器内におけるエネルギー回収のため、脱気ユニット・リアクタ・クーラー・デバイス内に存在する不活性ガスとして使用される。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットからのオフガスは、脱気ユニット・リアクタ・デバイス・冷却器・2次回収ユニットに存在する不活性ガスとして、過程ガス加熱器におけるエネルギー回収に利用される。
【0509】
特定の実施形態では、活性炭生成物は多量の炭素を含みうり、「炭素は非極性ガスを吸着するのに有利」であることが知られている。
特定の実施形態では、「濃縮ガス流」は、主としてテルペン・一酸化炭素・二酸化炭素・メタンなどの「非極性ガス」を含みうる。
追加の実施形態では、相分離器から炭素回収ユニットに送られる濃縮ガスは、ガス流量やコンベア速度が監視され、「活性炭材料中の非極性ガスを吸収」するために使用できる。
追加の実施形態では、高エネルギー有機化合物は、炭化過程中に溶出した「濃縮ガス」を構成しうり、相分離器から「炭素回収ユニットへ移送」される。
追加の実施形態では、「濃縮ガス」は、炭素回収ユニット・材料濃縮ユニットへと導入する前に、たとえば追加された添加剤でさらに濃縮してもよい。
【0510】
特定の実施形態では、炭素回収ユニット内における「活性炭材料の滞留時間」は制御でき、活性炭材料の組成やガス流・組成に基づいて変更できる。
追加の実施形態では、活性炭材料は、1つ以上の炭素回収ユニットを1回以上通過できる。
追加の実施形態では、「相分離器から出力された富化空気」や「炭素回収ユニットから排出された空気」は、追加の炭素回収ユニットや複数のユニットに流用・分岐し、さらに精製して、エネルギーと不活性ガスは過程・デバイスに使用できる。
【0511】
追加の実施形態では、システムは「材料供給システム・事前浸漬ミキサ・予熱ゾーン・熱分解リアクタ・洗浄冷却ゾーン・ミキサ・炭素回収ユニットを有する単一のリアクタシステム」を具備してもよい。
追加の実施形態では、システムは、材料供給システムと予熱ゾーンとの間に配置された単一デバイスとして形成された「ドライヤ」(任意)を含みうる。
追加の実施形態では、「熱分解リアクタ」は、少なくとも1つのガス入口・少なくとも1つの出口を有し、当該熱分解リアクタから「物質」を出力する。
追加の実施形態では、熱分解リアクタの出口を通じて排出される「物質」は、「凝縮可能な蒸気」や「非凝縮性の気体」を含みうる。
追加の実施形態では、熱分解リアクタは、1つ以上のゾーンを含みうる。
追加の実施形態では、システムは、熱分解リアクタに加えて、1つ以上のリアクタを含みうる。
【0512】
特定の実施形態では、「単一リアクタかつ複数ゾーン」のシステムは、材料供給システムと、熱分解ゾーン・冷却ゾーンを有するデバイスと、炭素回収ユニットとを含む。
追加の実施形態では、デバイスは、任意選択可能な、ミキサ・浸漬器・ドライヤ・ヒータ・ウォッシャ・2次ドライヤ・電極ミキサを含む。
ミキサ・浸漬器・ドライヤ・ヒータ・洗浄機・ドライヤからの水分は、乾燥過程において除去しうる。
また、追加の実施形態では、デバイスは、デバイスの外部にある冷却器(任意)を含む。
特定の実施形態では、デバイスは、別個の炭素回収ユニットを含みうる。
追加の実施形態では、「炭素回収ユニット」は、濃縮された材料を貯蔵でき、材料濃縮ユニットと連接された適切なコンテナでもよく、また炭素回収ユニットは材料のさらなる濃縮を行わずともよい。
【0513】
追加の実施形態では、過程ガス加熱器(任意)をシステムで使用し、デバイスに取付けできる。
追加の実施形態では、デバイスからの蒸気やオフガスは、空気・天然ガス・窒素・ヘリウム・アルゴンのうち1つ以上の外部供給源を備えた「過程ガス加熱器」(任意)に導入できる。
追加の実施形態では、過程ガス加熱器から放出された空気は、熱・エネルギー回収システムとしてドライヤに入力できる。
追加の実施形態では、デバイスは、予熱ゾーン・熱分解ゾーン・冷却ゾーンなどの複数のゾーンを含みうる。
また、特定の実施形態の実施形態では、デバイスは、1つ以上のゾーンと連通する材料供給システムを有し、1つ以上のゾーンと連通する「少なくとも1つのガス入口」を有する。
追加の実施形態では、後述するように、ゾーンのうち1つ以上は、凝縮性蒸気・非凝縮性ガスなどの物質を出力するための「少なくとも1つの出口」も含みうる。
追加の実施形態では、1つ以上のゾーンは、デバイスから炭素を出力するための出口を含みうる。
【0514】
特定の実施形態では、ガス入口を予熱ゾーンに接続できるが、別の実施形態では、ゾーンの任意の組合せに接続される入口を含みうる。
追加の実施形態では、ガス出口は熱分解ゾーンから延伸するが、別の実施形態は、ゾーンの任意の組合せの1つ以上の出口を含みうる。
追加の実施形態では、デバイス内の入力・出力は、熱分解ゾーンの出口を含みうり、熱分解ゾーンの出口から予熱ゾーンへと入力される。
さらに、デバイス内の各リアクタは、材料供給システムを介して互いに接続できる。
【0515】
追加の実施形態では、デバイスの予熱ゾーン・炭素源原料ホッパは、石炭・石油・石油コークス・バイオマス・その他の炭素含有原料を供給するよう構成できる。
これはさらに、セル壁を破裂して蒸気やガスを発生させる固相の急速な分解を起こす可能性のある炭素源材料に、「衝撃」を与えない方法で行うことができる。
追加の実施形態では、予熱ゾーンは穏やかな熱分解が起こっていると考えられる。
【0516】
追加の実施形態では、デバイスの熱分解ゾーンは「1次反応ゾーン」として構成され、予熱された材料が熱分解化学作用を受けてガス・凝縮性蒸気を放出し、これにより高炭素反応中間体である固体材料が得られる。
セルロース・ヘミセルロース・リグニンなどの炭素源材料成分は、分解して蒸気を発生する可能性があるため、細孔を貫通したり、新しいマイクロ細孔・ナノ細孔を形成することによって逃げる可能性がある。
熱分解による当該効果は、「多孔性の生成」と「活性炭のより高い表面積」に貢献する。
【0517】
追加の実施形態では、デバイスの冷却ゾーンは、炭素中間体を受取って、固体を冷却するようにしてもよい。
冷却ゾーンは、熱分解ゾーンよりも低温になる。
冷却ゾーンでは、化学・熱管理・物質移送が複雑になる可能性がある。
追加の実施形態では、冷却ゾーンにおいて2次反応が起こり得る。
現在気相にある炭素成分は、分解して追加の固定炭素を形成し、炭素上・炭素内に吸着される可能性がある。
したがって、炭素材料は単に固体であって、処理過程全体で揮発分が除去された残留物ではなく、気相から堆積した追加的な炭素を含む可能性がある(たとえば。有機蒸気・ガス・タールが分解して炭素を形成する。)。
【0518】
追加の実施形態では、システムは、複数のリアクタや複数のゾーンを含むことができ、脱気器(任意)・ドライヤ(任意)を含みうる。
また、デバイスは、材料供給システム・熱分解リアクタ・冷却リアクタ・冷却器・炭素回収ユニットを含んでもよい。
さらに、ガス源は、熱分解リアクタ・冷却リアクタの一方・両方にガスを入力するよう構成できる。
追加の実施形態では、熱分解リアクタは、少なくとも凝縮性蒸気・非凝縮性ガスを出力するための出口を含みうる。
追加の実施形態では、炭素回収ユニットは、システムから活性炭を出力する出口を含みうる。
【0519】
追加の実施形態では、デバイスは、脱気器(任意)・ドライヤ(任意)を備えることができる。
一例として、脱気器(任意)は、材料供給システムと熱分解リアクタの間のシステムに接続できる。
さらに、ドライヤは、材料浸漬システムと熱分解リアクタとの間や、洗浄・冷却システムと混合システムとの間のシステムに接続してもよい。
追加の実施形態では、材料供給システムからの材料が、材料供給システム・脱気器・ドライヤ・熱分解リアクタを通る任意の数の異なる経路をたどれるように、ドライヤ・脱気器を相互に接続することもできる。
特定の実施形態では、材料は、脱気器(任意)・ドライヤ(任意)のうちの1つだけを通過することができる。
【0520】
特定の実施形態は、別個の材料富化ユニットを含めることで「追加の炭素形成」の概念を拡張でき、冷却された炭素は、最終生成物の炭素含有量を富化することができる炭素含有種を含む環境にさらされる。
本実施形態では、このユニットの温度は熱分解温度より低温でもよく、追加された炭素は、追加の固定炭素とは対照的に、吸着された炭素質種の形態であると予想できる。
【0521】
代替の実施形態では、「中間的な入口と出口」・「排除とプローブ」・「任意の特定のリアクタに存在する1つ以上の相の流れ」・塊(mass)やエネルギーのさまざまなリサイクルスキーム・「過程全体のどこにでも導入でき、製品の細孔分布を調整するために反応条件と分離条件の両方を含む過程条件を調整する添加剤」・「さまざまな追加パラメータの制御変更」を含む。
特定の実施形態では、ゾーンやリアクタ固有の入力・出力ストリームは、FTIRサンプリングやデバイスの動的過程調整などを通じて、適切な過程監視と制御を可能にする。
【0522】
特定の実施形態では、炭素源のサイズ縮小は、高コストであり、エネルギー集約的な過程である。
熱分解された材料は、大幅に少ないエネルギーによりサイジングできる。
熱分解後の原料ではなく、製品の粒子サイズを小さくする方が、エネルギー効率が高いことがある。
本願システム・方法は微細な出発材料を必要とせず、熱分解過程において必ずしも粒子サイズを縮小する必要がないため、これは特定の実施形態ではオプションである。
本願システム・方法は、非常に大きな原料片の処理を実行する。
【0523】
特定の実施形態では、デバイスは、過程全体を通して供給材料のおおよその形状を維持できる。
特定の実施形態では、デバイスは、粒子サイズを微細粉末・超微細粉末にすることを含め、過程全体を通して供給材料のおおよその形状を変更できる。
追加の実施形態では、供給材料は、熱分解前にさらに乾燥されないよう、十分に乾燥しておいてもよい。
【0524】
追加の実施形態では、熱分解リアクタ内・熱分解過程中に、気相中の約10%・5%・3%・1%酸素(O)濃度などの比較的低い酸素環境を提供することが望ましい場合がある。
熱分解リアクタ内では、制御できていない燃焼を避ける必要がある。
主な理由の1つは、安全のためである。
CO2への総炭素酸化が発生する可能性があり、「発熱酸化から放出される熱」が吸熱熱分解を化学的に補助するおそれがある。
熱分解過程中、合成ガスの部分酸化を含め「大量の炭素酸化」が起こることで、固体への炭素収率が低下するおそれがある。
【0525】
特定の実施形態では、リアクタ・デバイスのそれぞれにおいて厳密に無酸素環境を達成することは困難である。
特定の実施形態では、リアクタやデバイスは、気相中に分子状酸素をほとんど含まない。
追加の実施形態では、リアクタやデバイス内に酸素がほとんど存在しないか全く存在しないことを保証するために、炭素源材料がリアクタ・デバイスに導入される前に、炭素源材料から空気を除去することが望ましい。
【0526】
追加の実施形態では、炭素源材料の乾燥前または乾燥後に、炭素源材料に吸着した酸素を除去したり、原料の細孔に浸透させて細孔から酸素を除去する別のガスの存在下で移送する脱気ユニットを利用できる。
特定の実施形態では、21体積%未満のO2を有するガスを使用することができ、これはさまざまな効果を有する。
特定の実施形態では、窒素を使用できる。
特定の実施形態では、CO・CO2を使用できる。
追加の実施形態では、窒素と少量の酸素の混合物などのガス混合物を使用できる。
特定の実施形態では、蒸気が脱気ガス中に存在してもよいが、多くの実施形態では、かなりの水分を炭素源材料に戻すことは回避すべきである。
特定の実施形態では、脱気ユニットからの流出物は、大気・排出物処理ユニットに排出して再循環できる。
【0527】
特定の実施形態では、脱気ユニットからの流出物は、固体から除去された酸素が高度に希釈されている可能性があるため、熱分解リアクタ自体に導入できる。
本実施形態では、脱気流出ガスをリアクタの最後のゾーンに導入することが有利であり、この形態ではデバイスは向流構成で動作できる。
【0528】
代替実施形態では、さまざまなタイプの脱気ユニット(deaeration units)を利用できる。
特定の実施形態では、乾燥が行われる場合、乾燥後の脱気は、存在する水分から可溶性酸素を除去する過程を防止できる。
追加の実施形態では、乾燥過程・脱気過程を1つのユニット・過程として組合せてもよく、乾燥中にある程度の脱気をおこなってもよい。
【0529】
追加の実施形態では、脱気された炭素源材料は、「1つの熱分解リアクタ」や「直列または並列の複数のリアクタ」に導入できる。
さまざまな実施形態において、材料供給システムは、非限定的な例として、スクリュ材料供給システム・ロックホッパを含む既知の手段(任意)を使用して原料を導入できる。
追加の実施形態では、材料供給システムは、エアロック・シールを組込む。
【0530】
特定の実施形態では、「単一のリアクタ」を使用して、「複数のゾーン」が存在できる。
2つ・3つ・4つ・それ以上のゾーンなどの複数のゾーンにより、過程のパフォーマンス全体にわたって、温度・固体滞留時間・ガス滞留時間・ガス組成・流れパターン・圧力を個別に制御できる。
【0531】
「ゾーン」は、「単一の物理ユニット・物理デバイス」や「物理的に分離されたユニット・デバイス」や「それらの任意の組合せ」を含んだ領域のことをいう。
デバイスの場合、そのデバイス内のゾーンの境界(demarcation)が、構造(デバイス内のフライトの存在や、他のゾーンに熱を提供するための加熱要素)に関連している可能性がある。
追加の実施形態では、デバイス内のゾーンの境界は、少なくとも異なる温度・流体の流れのパターン・固体の流れのパターン・反応の程度などの機能に関連できる。
別の実施形態では、単一のバッチリアクタの場合と同様に、「ゾーン」は、空間による運用体制ではなく時間による運用体制である。
追加の実施形態は、複数のバッチデバイス・システム・方法の使用を含む。
【0532】
特定の実施形態では、あるゾーンから、別のゾーンまたは後続ゾーンへの急激な遷移は、必ずしも存在しない。
一例として、予熱ゾーンと熱分解ゾーンの間の境界においては、一部の予熱ゾーンで一定量の熱分解が発生し、熱分解ゾーンにて一定量の「予熱」が引続き発生する可能性がある。
特定の実施形態では、デバイス内の温度プロファイルは、一般的には連続的であり、1つ以上のゾーン内のゾーン境界を含む。
【0533】
代替の実施形態では、デバイスは、予熱や穏やかな熱分解の条件下で動作する予熱ゾーンを使用できる。
特定の実施形態では、「予熱ゾーン」の温度は「約80℃~約500℃」までであり、たとえば、約300℃~約400℃である。
特定の実施形態では、予熱ゾーンの温度は、バイオマス材料に衝撃を与え、セル壁を破裂させ、固相の蒸気とガスへの急速な分解を開始させるほどの高温ではない。
一般的な非限定的な説明では、高速熱分解・フラッシュ熱分解として一般に知られる熱分解は、本願発明では回避されるもののいくつかの実施形態では有益であり得る。
【0534】
本願におけるゾーン温度は、存在するバルク固体・気相・過程にあるリアクタ・デバイスの壁に適用できる温度を含むよう、非限定的に解釈される。
各ゾーンには、起動とトランジェントにより、軸方向と半径方向の両方に温度勾配があり、時間的にも温度勾配がある。
したがって、本願におけるゾーン温度は、システムの実際の動力学に影響を与える平均温度・その他の有効温度でもありうる。
物理的温度は、熱電対や他の温度プローブにより直接測定したり、他の手段によってさまざまな時間・所定の時間に間接的に測定・推定される。
【0535】
特定の実施形態では、第2ゾーン(熱分解ゾーン)は、熱分解・炭化を生成する条件下で動作する。
特定の実施形態において、熱分解リアクタ/ゾーンの温度は「約250℃~約1100℃」である。
たとえば、約300℃・350℃・400℃・450℃・500℃・550℃・600℃・650℃・700℃・750℃・800℃・850℃・900℃・950℃・1000℃・1050℃・1100℃から選択でき、約700℃が好ましい。
【0536】
「熱分解リアクタ/ゾーン内で予熱された炭素源材料」は、熱分解を受けて化学的にガス・凝縮性蒸気を放出する可能性があり、これにより高炭素反応中間材料として相当量の固体材料が残る可能性がある。
「炭素源材料」成分は分解して蒸気を生成する可能性があり、これは細孔を貫通するか、新しい細孔(一般にマイクロ細孔・メソ細孔)を形成することで材料から放出される。
特定の実施形態では、温度は、熱分解リアクタ/ゾーンの滞留時間や、供給原料の性質・特定の特性に依存する。
【0537】
さまざまな実施形態において、冷却ゾーンは、炭素中間材料をさまざまな程度まで冷却する。
特定の実施形態では、冷却ゾーンの温度は「熱分解ゾーンの温度よりも低温」である。
追加の実施形態では、冷却ゾーンの温度は「約150℃~約300℃」など、約100℃~約500℃の範囲から選択される。
【0538】
特定の実施形態では、冷却ゾーン内において、化学反応が持続することがある。
さまざまな実施形態では、冷却ゾーンにおいて2次熱分解反応が開始したり発生する。
気相にある炭素源成分は凝縮する可能性があるが、これは、冷却ゾーンの温度低下に起因しうる。
特定の実施形態では、温度が十分に高いままの場合、凝縮した液体に由来し、凝縮した液体によって形成される「追加の固定炭素の生成反応」を促進する。
上記の説明において起こりうる1つの例示的な反応は、ブードアール(Boudouard)反応と呼ばれる、一酸化炭素から、二酸化炭素と固定炭素への変換である。
【0539】
特定の実施形態では、ゾーンの滞留時間は変動しうり、これは、所望量の熱分解のためであり、温度が高いほど反応時間が短くなり、逆もまた同様である。
連続するデバイスやリアクタ内の滞留時間(residence time)は、容積を体積流量で割ったものである。
バッチリアクタ内の滞留時間は、所望の反応温度に加熱した後のバッチ反応時間である。
【0540】
さらに、多相デバイスでは、複数の滞留時間が存在する。
本願の開示では、各ゾーンにおいて、固相・気相の両方について滞留時間分布を伴う滞留時間が存在する。
特定の実施形態では、複数のゾーンを備え所定のスループットを有する所定デバイスについては、「ゾーンの滞留時間」は固体についての必要条件に関係するが、滞留時間は、個々のゾーンで複数の入口ポートと出口ポートが使用されている場合、蒸気についての結果に応じて分かれる可能性がある。
特定の実施形態では、固体滞留時間と、蒸気滞留時間を区分してもよい。
【0541】
特定の実施形態では、予熱ゾーンにおける固形物の滞留時間は、所望の予熱温度に到達するのに必要な温度・時間に依存し、約10分など約5分~約120分から選択できる。
一般に、粒子のタイプとサイズ・物理的デバイス・加熱パラメータに依存する熱伝達率は、一般に、固体が所定温度または指定された温度や特定の予熱温度に到達するのに必要な最小滞留時間を定める。
【0542】
特定の実施形態において、熱分解リアクタ/ゾーンの固形物の滞留時間は、約5分~約1440分から選択できる。
たとえば、約20分・30分・45分・60分・75分・90分・105分・120分・135分・150分・200分・300分・400分・500分・600分・700分・800分・900分・1000分・1100分・1200分・1300分・1440分であり、約120分が好ましい。
リアクタ/ゾーン内の熱分解温度に応じて、炭化化学が起こるのに十分な時間を考慮し、確保する必要がある。
特定の実施形態では、約10分未満の時間で大量の非炭素元素を除去するため、一般に、800℃超などのように温度を非常に高くすることを必要とする。
一般に、このような高温は「急速な熱分解を促進する」ため、炭素源に由来する蒸気やガスの生成が促進される。
このような高温は、「目的の生成物が固体炭素」である場合、一般的に避ける必要がある。
【0543】
追加の実施形態では、平衡変換に到達する静的システムは、特定の時間に到達する。
蒸気が固体上を連続的に流れて「揮発性物質の除去」が連続的におこなわれる場合、反応速度がゼロに近づくまで、熱分解と揮発分除去を継続できるように平衡制約を除去できる。
この段階では、一般に反応時間を長くしても、残りの難分解性固体はほとんど変化しない傾向がある。
【0544】
特定の実施形態では、冷却ゾーンの固体滞留時間は、約30分など、約5分~約120分から選択することができる。
リアクタ/ゾーンの冷却温度に応じて、炭素材料が所望の温度に冷却されるまでに十分な時間が必要である。
冷却速度・冷却温度が、「炭素を冷却するのに必要な最小滞留時間」を決定する。
【0545】
特定の実施形態では、過程段階の滞留時間は、別々に選択・制御できる。
特定の実施形態では、「予熱ゾーンの蒸気滞留時間」は、約1分など、約0.01分~約60分から選択できる。
特定の実施形態では、「熱分解ゾーンの蒸気滞留時間」は、約0.01分~約240分、たとえば約120分から選択できる。
特定の実施形態では、「冷却ゾーンの蒸気滞留時間」は、約0.01分~約150分、たとえば約10分から選択できる。
一般に、蒸気滞留時間が短いと、システムからの揮発性物質の迅速な掃出が促進され、蒸気滞留時間が長いと、気相中の成分と固相との反応が促進される傾向がある。
【0546】
デバイス・リアクタ・ゾーン・システム全体の動作モードは、連続・半連続・バッチ・任意の組合せ・応用であってもよい。
特定の実施形態では、デバイスは、固体・蒸気の流れが一般に略反対方向である連続的な「向流リアクタデバイス」(countercurrent reactor device)である。
当該向流リアクタデバイスはバッチで操作することもできるが、デバイスで使用したり後日使用するために保管できる気相をバッチコンテナから定期的に導入・除去するなど、シミュレートされた向流の蒸気を使用することもできる。
【0547】
特定の実施形態では、さまざまな流れパターンを所望のとおり構成できる。
別の実施形態では、化学反応・複数のゾーン内の複数の相を伴う同時分離するが、流体力学は、一般に、非常に複雑になる可能性がある。
特定の実施形態では、固体の流れは半径方向において十分に混合され、蒸気の流れは半径方向・軸方向の両方で十分に混合される。
特定の実施形態では、蒸気用の複数の入口ポート・出口ポートが全体的な混合に寄与できる。
【0548】
追加の実施形態では、各ゾーンの圧力を別々に選択して制御できる。
追加の実施形態では、各ゾーンの圧力は、通常の大気圧である「約101.3kPa」など、約0.1kPa~約6000kPaから独立して選択できる。
特定の実施形態では、独立した圧力のゾーン制御は「複数のガス入口・複数のガス出口」を使用する場合に実現でき、これは、ゾーンがほぼ大気圧以下の圧力を有する場合にガスを引出すための真空ポートを含むことができる。
複数のリアクタシステムなどの追加の実施形態では、各リアクタ内の圧力を独立して選択・制御できる。
【0549】
特定の実施形態では、過程は、標準的な大気圧下でおこなわれる。
標準的な大気圧での動作については、多くの利点がある。これには、機械的な簡易性や安全性向上などが含まれる。
追加の実施形態では、熱分解ゾーンは、絶対圧力である約90kPa・95kPa・100kPa・101kPa・102kPa・105kPa・110kPaなどで実行される。
【0550】
特定の実施形態では、10~100kPaなどの真空下で動作させ、システムから揮発性物質を迅速に一掃できる。
デバイスのオフガスが高圧運転されるデバイスや一部のデバイスに供給されるよう構成されている場合、100~1000kPaなどの高い圧力で運転する追加の実施形態を使用できる。
高圧は、デバイス全体の熱伝達・化学反応・分離を可能にするため、熱とエネルギーをリサイクルすることもできる。
【0551】
追加の実施形態では、高温の熱分解固体から凝縮性蒸気・非凝縮性ガスを分離する過程は、リアクタ中で、別の分離ユニットやデバイスを使用して実現できる。
追加の実施形態では、不活性なスイープガスを1つ以上のゾーンに導入でき、当該スイープガスを使用して凝縮性蒸気・非凝縮性ガスを強制的にスイープガス(sweep gas)が存在するゾーンからデバイス外部へ排出できる。
【0552】
代替の実施形態では、スイープガスは「N2・Ar・CO・CO2・H2・H2O・CH4・他の軽質炭化水素・それらの組合せ」であってもよい。
特定の実施形態では、スイープガスは、導入前に最初に予熱しておくか、加熱源・高温ゾーンから得られる場合は冷却することができる。
【0553】
追加の実施形態では、スイープガスを使用して揮発性成分を除去し、たとえば、揮発性成分が凝縮したり反応する前にシステムから除去できる。
スイープガスは、高い過程温度による揮発のみで得られる速度よりも高速で「揮発性物質を除去」でき、さらに不活性ガスを使用すれば、特定量の揮発物を除去するために温かい温度で実現できる。
スイープガスが揮発性物質の除去を改善する理由は、分離のメカニズムが「単なる相対的な揮発」ではなく、スイープガスにより液相・気相の分離が支援されるためである。
【0554】
揮発性有機炭素を含んだガスを後続の処理段階から除去したり、熱分解リアクタ内に残留するガスを除去することが重要である。
一般に、揮発性炭素は、除去されずに熱分解された固体に吸着されたり吸収される可能性があり、それにより純粋な形態の炭素を得るために追加のエネルギー・コストが必要になる。
特定の実施形態では、蒸気を迅速に除去することで熱分解固体の多孔度を高めることも可能である。
【0555】
代替実施形態では、スイープガスを標準的な大気圧などの比較的低い過程圧力とともに併用することで、大量の不活性ガスを使わずとも「蒸気を迅速に除去」できる。
【0556】
特定の実施形態では、スイープガスは、原料が流れる方向に対して向流で流すことができる。
追加の実施形態では、スイープガスは、原料の流れ方向と同一方向に流してもよい。
代替実施形態では、固体の流れパターンは「栓流」(plug flow)に近づくことができ、スイープガスや気相が流れるパターンは、一般に、1つ以上のゾーンで完全に混合された流れに近づけることができる。
【0557】
特定の実施形態では、スイープは、デバイスゾーンのうち任意の1つ以上のデバイスゾーンで実行できる。
追加の実施形態では、スイープガスを冷却ゾーンに導入し、冷却・熱分解ゾーン中で生成された揮発物とともに抽出できる。
特定の実施形態において、スイープガスを熱分解ゾーンへと導入でき、熱分解ゾーン・予熱ゾーンから抽出できる。
特定の実施形態において、スイープガスを予熱ゾーンへと導入でき、熱分解ゾーンから抽出できる。
特定の実施形態では、スイープガスは、予熱ゾーン・熱分解ゾーン・冷却ゾーンにそれぞれ導入してもよく、また、各ゾーンから独立または協調して抽出してもよい。
【0558】
特定の実施形態では、分離が行われる1つ以上のゾーンは、主要なデバイスから物理的に分離されたユニット・デバイスである。
いくつかの実施形態では、分離ユニット・分離ゾーンは、ゾーン間に配置してもよく、一例として、熱分解ゾーンと冷却ゾーンとの間に分離ユニットを配置してもよい。
【0559】
特定の実施形態では、特に固体流が連続的に処理される場合、スイープガスを連続的に導入できる。
熱分解反応がバッチ過程として行われる特定の実施形態では、揮発性物質を除去するために、スイープガスは、一定時間後か定期的に導入される。
熱分解反応が連続的に行われる場合でも、スイープガスを半連続的・定期的に導入してもよく、適切なバルブ・制御を利用してもよい。
【0560】
いくつかの実施形態では、スイープガスを含む揮発物は、複数のゾーンから得られた場合でも、1つ以上のゾーンから出たあとにまとめることができる。
得られたガス流は、さまざまな蒸気を含んでおり、空気放出を制御するために「過程ガス加熱器」に供給され、さらに任意の既知の熱酸化ユニットを使用できる。
特定の実施形態では、過程ガス加熱器に天然ガス・空気を供給して、過程ガス加熱器に含まれる「揮発性物質を破壊」するのに十分な温度に到達させることができる。
【0561】
いくつかの実施形態では、過程ガス加熱器の流出物は、水・二酸化炭素・窒素を含む高温ガス流であってもよい。
さらに、流出物の流れは、大気に直接排出できる。
特定の実施形態では、過程ガスヒータ流出物のエネルギーは、たとえば、廃熱回収ユニットで回収できる。
追加の実施形態では、エネルギーは、たとえば「別の流れとの熱交換によって回収」できる。
特定の実施形態では、エネルギーは、直接的加熱や間接的加熱・加熱を補助することによって、過程の他のユニット(例としてドライヤ・リアクタ)を利用できる。
特定の実施形態では、デバイスは、過程ガス加熱器からの流出物すべてをたとえばドライヤの間接加熱に使用するように構成でき、さらに、過程ガス加熱器は「天然ガス以外の燃料を消費」できる。
【0562】
本願の過程は、供給原料のタイプ・過程条件を含むさまざまな要因に応じて、炭素質材料の収率を変化させる。
特定の実施形態では、出発原料の百分率としての固体の正味収率は、乾燥ベースで、少なくとも25%・30%・35%・40%・45%・50%・55%・60%・65%・70%・75%・80%・85%・90%・95%以上である。
過程中、残りは凝縮可能な蒸気として分離され、「テルペン・タール・アルコール・酸・アルデヒド・ケトン」と、一酸化炭素・水素・二酸化炭素・メタンなどの「非凝縮性ガス」とを含みうる。
さらに、非凝縮性ガスと比較したときの凝縮性蒸気の量は、水を含む過程条件に応じて変化する。
追加の実施形態では、「熱分解過程の前に添加剤を加える」ことで、添加剤を一切添加しなかったり熱分解過程後に添加剤を添加した場合に比べて、「炭素質材料の収率」を向上できる。
特定の実施形態において、「ハロゲン含有添加剤などの添加剤」は、炭素源を乾燥させた後であって熱分解前に、湿潤炭素源へと添加される。
「熱分解前に添加剤を加えることで得られた炭素質材料の質量収率」は、添加剤を添加しなかった同一過程の活性炭や、熱分解後に添加剤を添加した同一過程の活性炭の質量収率よりも大きくなる。
【0563】
炭素バランスに関して、特定の実施形態では、原料からの出発炭素源のパーセントとしての炭素の正味収率は、少なくとも25%・30%・40%・50%・60%・70%・80%・90%・95%以上である。
特定の実施形態では、炭素材料は、出発炭素源に含まれる炭素の「約40%~約95%」を含みうる。
炭素材料の残りは、メタン・一酸化炭素・二酸化炭素・軽質炭化水素・芳香族・タール・テルペン・アルコール・酸・アルデヒド・ケトンの形成をもたらす。
【0564】
特定の実施形態では、これらの化合物の一部は、材料の炭素・エネルギー含有量を豊富にするために、炭素に富む固体と組合せることができる。
追加の実施形態では、リアクタから得られた一部のガス流または全部のガス流は、さまざまな蒸気を含んでいる可能性を有しており、少なくとも部分的に凝縮されている可能性がある。
リアクタから得られたガス流は、冷却ゾーン・分離機・冷却機から抽出された冷却と熱分解がなされた固体を通過する。
【0565】
特定の実施形態では、冷却ゾーン内における反応・冷却に続けて、炭素質材料を冷却器に導入できる。
特定の実施形態では、固体が収集されてリアクタ内に残り、ゆっくりとした速度で冷却される。
特定の実施形態では、炭素質固体は空気中で反応性・不安定であるため、不活性雰囲気を維持することと、固体を周囲の室温のような約20℃以下・約30℃・約40℃以下の温度まで急速に冷却することが望ましい。
特定の実施形態では、急速冷却のために水クエンチ(water quench)を使用できる。
追加の実施形態では、流動床冷却器を使用することができる。
「冷却器」は、さまざまなコンテナ・タンク・パイプ・それらの一部の組合せも広く含む。
特定の実施形態では、冷却器は、冷却ユニット・冷却リアクタと別個でもよい。
【0566】
特定の実施形態では、過程は、冷却器を作動させて暖かい熱分解固体を蒸気で冷却し、過熱蒸気が発生している間に冷たい熱分解された固体を生じる。
この実施形態では、乾燥部分は、冷却器・冷却過程から得られる過熱蒸気を用いて実施できる。
さらに、いくつかの実施形態では、冷却器は、暖かい熱分解された固体や高温の熱分解された固体を蒸気でまず冷却し、低い冷却温度まで到達させる。
さらに、特定の実施形態では、空気により「最初の冷却温度よりも低い第2冷却温度」に到達させることができ、空気の存在下における暖かい熱分解材料や熱い熱分解材料の燃焼リスクを低減しうる。
【0567】
特定の実施形態では、周囲条件まで冷却してから、炭素材料を回収・保管し、使用し、別の現場作業に移送し、別の方法で処分し、取引・販売することができる。
さらに、固体は、粒子サイズを小さくするためにユニットに供給されることがある。
これには、クラッシャー・シュレッダー・グラインダー・粉砕機・ジェットミル・ピンミル・ボールミル・ドラム・遊星ボールミルなど、当技術分野において既知のさまざまなサイズ縮小ユニットが含まれる。
【0568】
特定の実施形態では、粒子サイズに基づく分離のためのスクリーン・メッシュ・その他の手段を使用して、デバイスに組込むことができる。
いくつかの実施形態では、ふるいにかけられた材料の一部(たとえば、大きな断片または大きなもの)を粉砕過程に戻すことができる。
特定の実施形態では、冷却され熱分解された材料は、マイクロメートル程度のサイズ範囲の微細粉末に粉砕されて、微粉炭・活性炭製品となる。
【0569】
代替の実施形態では、本願の任意の過程の前・最中・後に、過程全体を通じてさまざまな「添加剤」を導入できる。
さまざまな添加剤は、過程添加剤の1つとして広く分類できる。
製品添加剤は、活性炭材料や試薬を組込んだ下流製品の1つ以上の特性を改善するために選択できる。
【0570】
追加の実施形態では、添加剤は、1つ以上の過程の間の任意の適切な時点で添加できる。
特定の実施形態では、添加剤は、原料乾燥過程の前・最中・後に添加できるが、これらに限定されない。
たとえば、「原料の脱気過程」の前・最中・後や、「熱分解過程」の前・最中・後や、「分離過程」の前・最中・後や、「冷却過程」の前・最中・後や、「活性炭回収過程」の前・最中・後や、「粉砕過程」の前・最中・後や、「サイジング過程」の前・最中・後や、「電極混合過程」の前・最中・後や、「形成・適用過程」の前・最中・後や、「密封過程」の前・最中・後でもよい。
添加剤は、原料供給施設・輸送トラック・荷降ろしデバイス・保管ビン・コンベヤ・開閉式コンベヤ・ドライヤ・過程ヒータ・「その他のユニットやデバイスや処理デバイス」に組込んでもよい。
また、添加剤は、熱分解過程を通じて添加でき、添加剤を導入するための適切な手段が必要とされ、炭化・粉砕・メッシュ化・混合の後や、適用段階中に添加できる。
【0571】
特定の実施形態では、デバイスは、炭素源原料を供給できるホッパを含んでもよい。
任意に構成されたホッパは、材料をリアクタに運ぶ前に、リアクタからのオフガス(蒸気流・添加剤・外部供給源や内部供給源からのガスなど)を、供給炭素源材料に追加・混合できる。
過程の間、活性炭は、反対側から出る前に、リアクタを通して機械的に移送できる。
水蒸気・窒素・アルゴン・ヘリウム・二酸化炭素・KOH・それらの組合せが、リアクタや炭素源材料に導入できる。
さらに、蒸気流は、リアクタから除去することができ、ホッパに供給した後に熱酸化デバイスへ流入させることができる。
さらに、熱交換器は、熱酸化デバイスからの排出物の熱により、ガス流(いくつかの実施形態では、窒素・二酸化炭素・アルゴンを含んでもよい。)を加熱できる。
いくつかの実施形態では、ガス流は、経路・チャネルを介してリアクタに再循環され、またリアクタに入る前に炭素源材料へ再循環させることもできる。
特定の実施形態において、オフガスは、一般的な方法(たとえば、煙突・燃焼)により処分できる。
【0572】
特定の実施形態では、2リアクタ炭素源処理ユニットは、上述の処理ユニットとほぼ同様に構成された第1複数ゾーンリアクタユニットを含む。
特定の実施形態では、リアクタにより生成された活性炭を、ホッパに供給してから、経路を介して第2リアクタに供給することができる。
特定の実施形態では、第1リアクタ・熱酸化デバイス・熱交換器により生成された任意に熱酸化され任意に調整された蒸気流を、向流で第2リアクタに供給することができる。
さらに、第2のリアクタからのオフガスをリサイクルして、第2リアクタを間接的に加熱できる。
特定の実施形態では、加熱などにリサイクルされなかったオフガスは、たとえば、煙突により処分できる。
【0573】
特定の実施形態では、活性炭を製造するための連続的な過程を提供する。
(a)石炭・石油・石油コークス・バイオマスを含む「出発炭素源」を供給する過程。
(b)材料から水分の少なくとも一部を除去するために、炭素源を任意に乾燥させる過程。
(c)凝縮性蒸気・非凝縮性ガスが蒸気流に入る箇所において炭素固体・凝縮性蒸気・非凝縮性ガスを生成するために、1つ以上の間接的に加熱される反応ゾーンで、炭素源を機械的に移送し、炭素源を略不活性なガス・活性化剤や活性化手段(水・二酸化炭素・KOHの少なくとも1つを含む)を含む蒸気流と向流接触させる過程。
(d)分離された蒸気流を生成するために、過程中に蒸気流の少なくとも一部を反応ゾーンから除去する過程。
(e)分離された蒸気流やその熱処理された形態の少なくとも一部を、過程(c)の前の供給原料や反応ゾーンのガス入口へと再循環させる過程。
(f)過程中に、反応ゾーンから炭素固体の少なくとも一部を活性炭として回収する過程。
【0574】
別の実施形態では、過程(b)を実施して、炭素源材料内に含まれる水分の少なくとも一部を除去できる。
一例として、炭素源は、約12重量%以下の水分、たとえば約8重量%・約4重量%・約2重量%・約1重量%以下の水分を含むように乾燥される。
別の実施形態では、炭素源材料に、追加の水を加えなくてもよい。
過程中、「活性化剤」には、原料に元々含まれていた水分に由来する水が含まれる場合があるが、「KOH(水酸化カリウム)と蒸留水」が好ましい。
【0575】
特定の実施形態では、「活性化剤」(activation agent)は、水と二酸化炭素の両方を含んでもよい。
二酸化炭素に対する水の比率を最適化して、炭素源からの固体の活性化中に「細孔幅分布を増加・制御」できる。
【0576】
特定の実施形態では、「活性化剤」は「水・KOHの両方」を含みうる。
KOHに対する水の割合や浸漬時間は、炭素源からの固体の活性化中の細孔幅分布を増加・制御するために最適化できる。
【0577】
特定の実施形態では、熱分解過程の前に、KOH・水などの「添加剤」を添加してもよい。
同種の実施形態では、結果として得られる活性炭は、添加剤なしで同一手法により生成された活性炭や、熱分解過程中・熱分解過程後に添加剤を添加して同一手法により生成された活性炭よりも「高い質量収率」で生成できる。
追加の実施形態では、活性炭材料は、同等の活性炭材料と同等か又は優れた性能を発揮する。
追加の実施形態では、熱分解過程の前にKOHなどの添加剤を添加すると、活性炭生成物を生成するために必要なエネルギーが少なくて済む。
特定の実施形態では、結果として得られる炭素は、添加剤なしで同様・同一の過程により生成された活性炭や、熱分解過程中・熱分解過程後に添加剤を添加して同様・同一の過程により生成された活性炭と比べて高い固定炭素含有量を有する。
追加の実施形態では、「KOH」などの非限定的な例の「添加剤」は、加熱・熱分解前の一定期間、出発炭素源材料全体に完全かつ均等に分配される。
浸漬時間としては、たとえば、約10分・約20分・約30分・約40分・約50分・約1時間・約1.5時間・約2時間・約3時間・約4時間・約5時間・約6時間・約7時間・約8時間・約9時間・約10時間・約11時間・約12時間・約13時間・約14時間・約15時間・約16時間・約17時間・約18時間・約19時間・約20時間・約21時間・約22時間・約23時間・約24時間・約25時間・約26時間・約27時間・約28時間・約29時間・約30時間・約31時間・約32時間・約33時間・約34時間・約35時間・約36時間・約37時間・約38時間・約39時間・約40時間・約41時間・約42時間・約43時間・約44時間・約45時間・約46時間・約47時間・約48時間・約49時間・約50時間であり、約12時間が好ましい。
さらに同じ方法で製造された活性炭であるが、熱分解過程中または熱分解過程後に添加剤が添加される。
特定の実施形態では、熱分解過程の前に添加した場合の方が、同一過程で製造され熱分解過程中・熱分解過程後に添加剤が添加された活性炭に比べ、所望の性能特性を達成するために必要な活性炭に対する「添加剤の量」を少なくできる。
【0578】
追加の実施形態では、間接的に加熱される反応ゾーンの少なくとも1つは、約600℃~約1100℃までのうちで選択される反応温度に維持される。
別の実施形態では、間接的に加熱される反応ゾーンのすべてが、約1100℃以下、好ましくは800℃の最大反応温度に維持される。
【0579】
特定の実施形態では、過程(d)は、反応ゾーンから凝縮性蒸気を除去することを含む。
追加の実施形態では、過程(d)は、反応ゾーンから蒸気流を除去することを含む。
【0580】
特定の実施形態では、過程(e)は、過程(c)の前に、分離された蒸気流の一部を反応ゾーンのガス入口・原料に導入してもよい。
追加の実施形態では、過程(e)は、過程(c)の前に、分離された蒸気流の一部を熱処理された形態で、反応ゾーンのガス入口・原料に導入してもよい。
【0581】
特定の実施形態において、過程(e)は、分離された蒸気流・熱処理された形態の追加の加熱をさらに含んでもよい。
追加の実施形態では、過程(e)は、分離された蒸気流・熱処理された形態のガス組成を調整することをさらに含んでもよい。
いくつかの実施形態では、ガス組成を調整することは、水・二酸化炭素・窒素・アルゴン・気化KOH・酸素からなる群から選択した1種類以上を導入できる。
【0582】
特定の実施形態では、調整されたガス組成は「0%~100%の水」を有し、たとえば、約0%・約1%・約2%・約3%・約4%・約5%・約6%・約7%・約8%・約9%・約10%・約11%・約12%・約13%・約14%・約15%・約16%・約17%・約18%・約19%・約20%・約21%・約22%・約23%・約24%・約25%・約26%・約27%・約28%・約29%・約30%・約31%・約32%・約33%・約34%・約35%・約36%・約37%・約38%・約39%・約40%・約41%・約42%・約43%・約44%・約45%・約46%・約47%・約48%・約49%・約50%・約51%・約52%・約53%・約54%・約55%・約56%・約57%・約58%・約59%・約60%・約61%・約62%・約63%・約64%・約65%・約66%・約67%・約68%・約69%・約70%・約71%・約72%・約73%・約74%・約75%・約76%・約77%・約78%・約79%・約80%・約81%・約82%・約83%・約84%・約85%・約86%・約1587%・約88%・約89%・約90%・約91%・約92%・約93%・約94%・約95%・約96%・約97%・約98%・約99%・約100%の水を有する。
【0583】
特定の実施形態では、調整されたガス組成は「0%~100%の二酸化炭素」を有し、たとえば、約0%・約1%・約2%・約3%・約4%・約5%・約6%・約7%・約8%・約9%・約10%・約11%・約12%・約13%・約14%・約15%・約16%・約17%・約18%・約19%・約20%・約21%・約22%・約23%・約24%・約25%・約26%・約27%・約28%・約29%・約30%・約31%・約32%・約33%・約34%・約35%・約36%・約37%・約38%・約39%・約40%・約41%・約42%・約43%・約44%・約45%・約46%・約47%・約48%・約49%・約50%・約51%・約52%・約53%・約54%・約55%・約56%・約57%・約58%・約59%・約60%・約61%・約62%・約63%・約64%・約65%・約66%・約67%・約68%・約69%・約70%・約71%・約72%・約73%・約74%・約75%・約76%・約77%・約78%・約79%・約80%・約81%・約82%・約83%・約84%・約85%・約86%・約87%・約88%・約89%・約90%・約91%・約92%・約93%・約94%・約95%・約96%・約97%・約98%・約99%・約100%の二酸化炭素を有する。
【0584】
特定の実施形態では、調整されたガス組成は「0%~100%の窒素」を有し、たとえば、約0%・約1%・約2%・約3%・約4%・約5%・約6%・約7%・約8%・約9%・約10%・約11%・約12%・約13%・約14%・約15%・約16%・約17%・約18%・約19%・約20%・約21%・約22%・約23%・約24%・約25%・約26%・約27%・約28%・約29%・約30%・約31%・約32%・約33%・約34%・約35%・約36%・約37%・約38%・約39%・約40%・約41%・約42%・約43%・約44%・約45%・約46%・約47%・約48%・約49%・約50%・約51%・約52%・約53%・約54%・約55%・約56%・約57%・約58%・約59%・約60%・約61%・約62%・約63%・約64%・約65%・約66%・約67%・約68%・約69%・約70%・約71%・約72%・約73%・約74%・約75%・約76%・約77%・約78%・約79%・約80%・約81%・約82%・約83%・約84%・約85%・約86%・約87%・約88%・約89%・約90%・約91%・約92%・約93%・約94%・約95%・約96%・約97%・約98%・約99%・約100%の窒素を有する。
【0585】
特定の実施形態では、調整されたガス組成は「0%~100%のアルゴン」を有し、たとえば、約0%・約1%・約2%・約3%・約4%・約5%・約6%・約7%・約8%・約9%・約10%・約11%・約12%・約13%・約14%・約15%・約16%・約17%・約18%・約19%・約20%・約21%・約22%・約23%・約24%・約25%・約26%・約27%・約28%・約29%・約30%・約31%・約32%・約33%・約34%・約35%・約36%・約37%・約38%・約39%・約40%・約41%・約42%・約43%・約44%・約45%・約46%・約47%・約48%・約49%・約50%・約51%・約52%・約53%・約54%・約55%・約56%・約57%・約58%・約59%・約60%・約61%・約62%・約63%・約64%・約65%・約66%・約67%・約68%・約69%・約70%・約71%・約72%・約73%・約74%・約75%・約76%・約77%・約78%・約79%・約80%・約81%・約82%・約約83%・約84%・約85%・約86%・約87%・約88%・約89%・約90%・約91%・約92%・約93%・約94%・約95%・約96%・約97%・約98%・約99%・約100%のアルゴンを有する。
【0586】
特定の実施形態では、調整されたガス組成は「0%~100%の気化KOH」を有し、たとえば、約0%・約1%・約2%・約3%・約4%・約5%・約6%・約7%・約8%・約9%・約10%・約11%・約12%・約13%・約14%・約15%・約16%・約17%・約18%・約19%・約20%・約21%・約22%・約23%・約24%・約25%・約26%・約27%・約28%・約29%・約30%・約31%・約32%・約33%・約34%・約35%・約36%・約37%・約38%・約39%・約40%・約41%・約42%・約43%・約44%・約45%・約46%・約47%・約48%・約49%・約50%・約51%・約52%・約53%・約54%・約55%・約56%・約57%・約58%・約59%・約60%・約61%・約62%・約63%・約64%・約65%・約66%・約67%・約68%・約69%・約70%・約71%・約72%・約73%・約74%・約75%・約76%・約77%・約78%・約79%・約80%・約81%・約82%・約83%・約84%・約85%・約86%・約87%・約88%・約89%・約90%・約91%・約92%・約93%・約94%・約95%・約96%・約97%・約98%・約99%・約100%の気化KOHを有する。
【0587】
特定の実施形態では、調整されたガス組成は「0%~100%の酸素」を有し、たとえば、約0%・約1%・約2%・約3%・約4%・約5%・約6%・約7%・約8%・約9%・約10%・約11%・約12%・約13%・約14%・約15%・約16%・約17%・約18%・約19%・約20%・約21%・約22%・約23%・約24%・約25%・約26%・約27%・約28%・約29%・約30%・約31%・約32%・約33%・約34%・約35%・約36%・約37%・約38%・約39%・約40%・約41%・約42%・約43%・約44%・約45%・約46%・約47%・約48%・約49%・約50%・約51%・約52%・約53%・約54%・約55%・約56%・約57%・約58%・約59%・約60%・約61%・約62%・約63%・約64%・約65%・約66%,a約67%・約68%・約69%・約70%・約71%・約72%・約73%・約74%・約75%・約76%・約77%・約78%・約79%・約80%・約81%・約82%・約83%・約84%・約85%・約86%・約87%・約88%・約89%・約90%・約91%・約92%・約93%・約94%・約95%・約96%・約97%・約98%・約99%・約100%の酸素を有する。
追加の実施形態では、調整されたガス組成は、約16%以下・約14%以下・約12%以下・約10%以下・約8%以下・約6%以下・約4%以下・約2%以下または約1%以下の酸素を含む。
【0588】
特定の実施形態では、分離された蒸気流・熱処理された形態は、一酸化炭素とVOCを合わせたものを、約1%重量%以下、たとえば、0.1重量%・0.2重量%・0.5重量%・0.8重量%を含む。
特定の実施形態では、ガス組成は、少なくとも約70重量%の窒素・少なくとも約75%の窒素・少なくとも約80%の窒素・少なくとも約85%の窒素・少なくとも約90%の窒素・少なくとも約95%の窒素・約100%の窒素を含む。
特定の実施形態では、ガス組成は、少なくとも約70重量%のアルゴン・少なくとも約75%のアルゴン・少なくとも約80%のアルゴン・少なくとも約85%のアルゴン・少なくとも約90%のアルゴン・少なくとも約90%のアルゴン・少なくとも約95%のアルゴン・約100%のアルゴンを含む。
【0589】
特定の実施形態において、分離された蒸気流の一部や、分離された蒸気流を熱処理したものは、供給原料を第1間接加熱反応ゾーンに機械的に供給する送達システム(たとえば、送りオーガやスクリュ)に導入できる。
【0590】
特定の実施形態では、活性化剤の一部は、分離された蒸気流・分離された蒸気流を熱処理したものに由来する。
特定の実施形態では、過程(e)は、炭素固体の表面積・ヨウ素価を増加させる。
追加の実施形態では、過程(f)は、反応ゾーンからすべての固体を活性炭として回収できる。
【0591】
特定の実施形態において「添加剤」は、1つ以上の過程の前・最中・後に、電解質へと導入でき、添加剤は「酸・塩基・塩・金属・金属酸化物・金属水酸化物・金属ハロゲン化物・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せ」から選択できる。
追加の実施形態において「添加剤」は、マグネシウム・マンガン・アルミニウム・ニッケル・鉄・クロム・シリコン・ホウ素・セリウム・モリブデン・リン・タングステン・バナジウム・塩化鉄・臭化鉄・酸化マグネシウム・ドロマイト・ドロマイト石灰・蛍石・ベントナイト・酸化カルシウム・石灰・水酸化ナトリウム・水酸化カリウム・臭化水素・塩化水素・ケイ酸ナトリウム・過マンガン酸カリウム・有機酸・ヨウ素・ヨウ素化合物・過塩素酸ナトリウム・有機過塩素酸塩アンモニウム・アルカリ金属・アルカリ土類過塩素酸塩・遷移金属過塩素酸塩・それらの組合せからなる群から選択してもよい。
【0592】
多くの実施形態では、活性炭は、少なくとも約500・1000・1500・2000・2500・3000・3500のヨウ素価を呈する。
さらに、活性炭は、少なくとも約500m/g・1000m/g・1500m/g・2000m/g・2500m/g・3000m/g・3500m/g・4000m/g以上の表面積を呈する。
【0593】
追加の実施形態では、活性炭の少なくとも一部は、グラフェンの形態で存在できる。
さらに、活性炭は、外部から印加された磁場に応答できる。
さらに、活性炭は、出発炭素源材料よりも高い導電率・静電容量を有することができる。
【0594】
特定の実施形態では、活性炭は、外部から印加された磁場に応答できる。
追加の実施形態では、活性炭の磁気特性は、鉄などの磁性金属・その化合物の存在に起因しうる。
追加の実施形態では、活性炭は、外部から印加・生成された磁場に反応する鉄・鉄化合物・別の磁性金属やその化合物・鉱石・メタロイド・その化合物・別の非グラフェン材料の存在・非存在に関わらず、外部から印加された磁場に応答できる。
【0595】
別の実施形態では、2次元・3次元の基板上にグラフェンを成長・形成するために、過程は、分離された蒸気流やそれを熱処理した形態でリアクタに導入できる。
この過程では、蒸気に含まれる炭素は基板上に堆積でき、たとえば、単層の炭素を形成するシリコンでは、3次元の特徴を有するか単層の基板を形成する。
【0596】
外部源からの液体・蒸気流は、大きく変化しうる。
特定の実施形態では、蒸気流は、CO・CO2・CH4・軽質炭化水素・タールなどを含みうる。
特定の実施形態では、液体流は、オレフィン・芳香族、メタノール、エタノール・重質のアルコール・有機酸・アルデヒドなどを含む重質の炭化水素を含んでもよい。
追加の実施形態では、外部供給源は、たとえば、隣接配置または共同配置された化学プラントや燃料プラントからのVOC・オフガス流でもよい。
特定の実施形態では、液体・蒸気の流れだけでなく、分離された蒸気の流れ・熱処理された形態など、システム内の再循環ガスの外部供給源の混合物を含んだ組合せが可能である。
【0597】
特定の実施形態において、本開示は、グラフェンを製造するための連続過程を提供し、この過程は、以下を含む。
(a)石炭・石油・石油コークス・バイオマス・それらの組合せを含む炭素源供給原料を供給する過程。
(b)材料から水分の少なくとも一部を除去するために、任意に前記炭素源供給原料を乾燥させる過程。
(c)1つの複数の間接的に加熱される反応ゾーンにおいて、炭素源材料を機械的に搬送し、炭素源材料を、略不活性ガス・活性化剤(水・二酸化炭素・KOHのいずれか1つを含む)を含む蒸気流と交流で接触させる。
炭素固体・凝縮性蒸気・非凝縮性ガスを生成するためである。
なお、凝縮性蒸気・非凝縮性ガスは、蒸気流に導入できる。
(d)分離蒸気流を生成するために、反応ゾーンから蒸気流の少なくとも一部を除去する過程。
(e)分離された蒸気流またはその熱処理された形態の少なくとも一部を、過程(c)の前に供給原料や反応ゾーンのガス入口に再循環する過程。
(f)反応ゾーンから炭素固体の少なくとも一部をグラフェンとして回収する過程。
【0598】
特定の実施形態では、過程(f)で回収される炭素固体は、活性炭を含むグラフェンから構成できる。
特定の実施形態では、活性炭を含むグラフェンは、活性炭に存在する全炭素に比べ、広範囲に変化する少量のグラフェンを含みうる。
特定の実施形態では、活性炭中の全炭素に対し「グラフェンとして存在する炭素の質量」比(またはモル比)は「約0.0001~約1」であり、たとえば、約0.001・約0.005・約0.01・約0.05・約0.1・約0.15・約0.2・約0.25・約0.3・約0.4・約0.5・約0.6・約0.7・約0.8・約0.9・約0.95・約0.95以上でもよい。
【0599】
特定の実施形態では、グラフェン含有量が活性炭全体で必ずしも均一ではない可能性がある。
特定の実施形態では、グラフェン形成は、固体全体にわたって起こり、炭素固体の表面上に形成できる。
【0600】
特定の実施形態では、過程は、活性炭を含むグラフェンからグラフェンを分離することをさらに含んでもよい。
分離は、機械的・磁気的・電気的手段、たとえば遠心分離機・磁気分離器・電気集塵機により実現できる。
【0601】
追加の実施形態では、グラフェン含有量を増加させるために、炭素固体をさらに処理できる。
追加の実施形態では、グラフェンの成長を促進するために触媒を使用できる。
追加の実施形態では、炭素固体は、グラフェンを基板上にデバイスによって製造・転写するために、別個の過程に導入できる。
【0602】
追加の実施形態では、グラフェンまたは活性炭を含むグラフェンは、外部から印加された磁場に応答できる。
追加の実施形態では、グラフェンまたはグラフェン含有活性炭は、炭素源材料よりも大きい電気伝導度値・電気容量値を有してもよい。
【0603】
追加の実施形態では、本願発明は、活性炭を含むグラフェンを製造するための連続過程を提供し、この過程は以下を含む。
(a)石炭・石油・石油コークス・バイオマス・それらの組合せを含む炭素源原料を供給する過程。
(b)任意に、供給原料を乾燥させて、炭素源供給原料から水分の少なくとも一部を除去する過程。
(c)1つまたは複数の間接的に加熱される反応ゾーンにおいて、炭素源材料を機械的に移送し、材料を、略不活性ガス・活性化剤(水または炭素の少なくとも1つを含む)を含む蒸気流に向流で接触させる。
固体・凝縮性蒸気・非凝縮性ガスを生成するためである。
なお、凝縮性蒸気・非凝縮性ガスは蒸気流に入る。
(d)反応ゾーンから蒸気流の少なくとも一部を除去して、分離・分離された蒸気流を生成する過程。
(e)固体中の炭素の表面積を増加させるために、過程(c)の前に、分離された蒸気流・熱処理された形態の少なくとも一部を、炭素源材料や反応ゾーンのガス入口に再循環する過程。
(f)反応ゾーンから炭素固体の少なくとも一部を活性炭として回収する過程。
活性炭は、乾燥ベースで、約55重量%以上の総炭素・約15重量%以下の水素・約1重量%以下の窒素やアルゴンを含む。
活性炭の少なくとも一部はグラフェンの形態で存在し、活性炭の組成が約500よりも高いヨウ素価であり、活性炭は外部から印加された磁場に応答できる。
【0604】
特定の実施形態では、添加剤は、金属・金属酸化物・金属水酸化物・それらの任意の組合せから選択できる。
たとえば、添加剤は、マグネシウム・マンガン・アルミニウム・ニッケル・クロム・シリコン・ホウ素・セリウム・モリブデン・リン・タングステン・バナジウム・ハロゲン化鉄・塩化鉄・臭化鉄・マグネシウム酸化物・ドロマイト・ドロマイト石灰・蛍石・ベントナイト・酸化カルシウム・石灰・それらの任意の組合せ、から選択することができるが、これらに限定されない。
【0605】
別の実施形態において「添加剤」は、酸・塩基・その塩から選択することができる。
たとえば「添加剤」は、水酸化ナトリウム・水酸化カリウム・酸化マグネシウム・臭化水素・塩化水素・ケイ酸ナトリウム・過マンガン酸カリウム・クエン酸などの有機酸・それらの任意の組合せから選択することができるが、これらに限定されない。
【0606】
別の実施形態では、添加剤は、金属ハロゲン化物から選択できる。
金属ハロゲン化物は、フッ素・塩素・臭素・ヨウ素・アスタチンなどの金属とハロゲンの間の化合物である。
ハロゲンは、金属と多くの化合物を形成しうり、金属ハロゲン化物は、一般に直接結合により、さらに一般的には塩基性金属塩とハロゲン化水素酸との中和により得られる。
特定の実施形態では、添加剤は「FeX2・FeX3などのハロゲン化鉄」・「FeCl2・FeCl3などの塩化鉄」・「FeBr2・FeBr3などの臭化鉄」・「それらの水和物」・これらの任意の組合せから選択できる。
【0607】
特定の変形例において、活性炭組成物は、乾燥ベースで、約55~95重量%以上の全炭素材料・約2~20重量%以下の水素・約1~10重量%以下の窒素・約0.5~5重量%以下のリン・約0.2~5重量%以下の硫黄、を含む。
「添加剤」は、「酸・塩基・塩・金属・金属酸化物・金属水酸化物・金属ハロゲン化物・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの任意の組合せ」から選択できる。
【0608】
特定の実施形態では、添加剤は、ヨウ素・ヨウ素化合物・ヨウ素と1つ以上のヨウ素化合物の組合せを含みうる。
添加されたヨウ素を含む実施形態では、ヨウ素は活性炭組成物中に、吸収・インターカレーションされた分子I2・物理的または化学的に吸着された分子I2・吸収か挿入(intercalated)された原子I・物理的または化学的に吸着された原子I・任意の組合せとして存在し続けられる。
【0609】
添加剤が1つ以上のヨウ素化合物を含む実施形態では、ヨウ素化合物は、ヨウ化物イオン・ヨウ化水素・ヨウ化物塩・ヨウ化金属・ヨウ化アンモニウム・酸化ヨウ素・三ヨウ化物イオン・三ヨウ化物塩・金属三ヨウ化物・三ヨウ化アンモニウム・ヨウ素酸イオン・ヨウ素酸塩・ポリヨウ化物・ヨウ化ホルム・ヨウ素酸・ヨウ化メチル・ヨウ化炭化水素・過ヨウ素酸・オルト過ヨウ素酸・メタ過ヨウ素酸・その組合せや、塩・酸・塩基やその誘導体からなる群から選択できる。
【0610】
特定の変形例においては、活性炭を生成するための過程は以下を含んでいる。
(a)石炭・石油・石油コークス・バイオマス・それらの組合せを含む炭素源原料を供給する過程。
(b)原料を乾燥させて、炭素源原料に含まれる水分を除去する過程。
(c)炭素源供給原料に含まれる格子間酸素を除去するために、供給原料を脱気する過程。
(d)高温で熱分解された炭素固体・凝縮性蒸気・非凝縮性ガスを生成するために、略不活性なガスの存在下で、約250℃~約1100℃までの範囲で選択された熱分解温度で、炭素源材料を少なくとも10分間、最大48時間熱分解する過程。
(e)高温の熱分解炭素固体から、凝縮性蒸気の少なくとも一部・非凝縮性ガスの少なくとも一部を分離・分離する過程。
(f)高温の熱分解炭素固体を、略不活性なガスの存在下で、少なくとも5分間~48時間まで、熱分解反応温度以下の冷却温度で冷却して、高温の熱分解炭素固体を生成する過程。
(g)冷却ゾーンから分離できる冷却ユニットで温かい熱分解炭素固体を冷却し、冷たい熱分解炭素固体を生成する過程。
(h)低温熱分解炭素固体の少なくとも一部を含む活性炭を回収する過程。
(i)活性炭組成物の平均粒径を小さくするために、活性炭を粉砕する過程。
特定のバリエーションにおいて、添加剤は、1つ以上の過程(a)~(i)の前・最中・後に導入され、さらに、添加剤は、酸・塩基・塩・金属・金属酸化物・金属水酸化物・金属ハロゲン化物・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せ、から選択される・
【0611】
特定の実施形態では、添加剤は「ヨウ素・ヨウ素化合物・ヨウ素と1つ以上のヨウ素化合物との組合せ」を含みうり、溶媒に任意に溶解できる。
ヨウ素・ヨウ素化合物のためのさまざまな溶媒が、当技術分野において既知である。
たとえば、臭化n-プロピル・ヨウ化n-ブチルなどの「ハロゲン化アルキル」(alkyl halides)が挙げられるが、これらに限定されない。
また、メタノールやエタノールなどのアルコールも含まれる。
特定の実施形態では、組成物への添加剤の導入を可能にするために、ヨウ素チンキを使用することもできる。
【0612】
特定の実施形態では、「添加剤」は、活性炭組成物に組込むために、ヨウ素蒸気に昇華する固体として導入される「ヨウ素」を含みうる。
ここで、ヨウ素は室温では固体であり、加熱するとヨウ素は昇華して蒸気になる。
したがって、活性炭組成物を含みうる固体のヨウ素粒子の流れは、バレル・バッグ・筒(vessel)・パイプ・コンテナに導入できる。
ヨウ素粒子を加熱すると、ヨウ素粒子が昇華して、蒸気が炭素粒子に浸透し、ヨウ素が粒子の表面に添加剤として取込まれ、場合によっては粒子内に取込まれる。
【0613】
追加の実施形態では、本願は、気相排出流から少なくとも1つの汚染物質を低減・除去する方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)少なくとも1つの汚染物質を含む気相排出流を供給する過程。
(b)気相排出流を添加剤・活性炭粒子と接触させ、汚染物質吸着粒子を生成する過程。
(c)汚染物質が減少した気相放出流を生成するために、気相放出流から汚染物質吸着粒子の少なくとも一部を分離・分離する過程。
【0614】
特定の実施形態では、活性炭粒子は、添加剤をさらに含んでもよい。
さまざまな実施形態において、過程(b)は、添加剤を気相排出流に直接添加してもよい。
追加の実施形態では、添加剤は、酸・塩基・塩・金属・金属酸化物・金属水酸化物・金属ハロゲン化物・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらのさまざまな組合せ、からなる群から選択できる。
特定の実施形態において「添加剤」は、マグネシウム・マンガン・アルミニウム・ニッケル・鉄・クロム・ケイ素・ホウ素・セリウム・モリブデン・リン・タングステン・バナジウム・塩化鉄・臭化鉄・酸化マグネシウム・ドロマイト・ドロマイト石灰・蛍石・ベントナイト・酸化カルシウム・石灰・水酸化ナトリウム・水酸化カリウム・臭化水素・塩化水素・ケイ酸ナトリウム・過マンガン酸カリウム・有機酸・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せ、からなる群から選択してもよい。
別の実施形態では、汚染物質は、水銀・ホウ素・セレン・ヒ素・それらの化合物・それらの塩・それらの混合物からなる群から選択される金属でもよい。
別の実施形態では、汚染物質は、危険な空気汚染物質でありうる。
別の実施形態では、汚染物質は揮発性有機化合物でもよい。
別の実施形態では、汚染物質は、窒素酸化物・一酸化炭素・二酸化炭素・硫化水素・二酸化硫黄・三酸化硫黄・メタン・エタン・エチレン・オゾン・アンモニア・それらの組合せからなる群から選択される非凝縮性ガスでもよい。
【0615】
特定の実施形態では、「汚染物質吸着炭素粒子」(contaminant adsorbed carbon particle)は、二酸化炭素・窒素酸化物・水銀・二酸化硫黄・それらの吸収形態・吸収可能形態・それらの反応形態・それらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの汚染物質を含みうる。
【0616】
特定の実施形態では、気相排出流は、「活性炭を含む燃料の燃焼」に由来・発生・生成される。
別の実施形態では、気相放出流は、「石炭と活性炭との共燃焼」に由来・発生・生成される。
【0617】
追加の実施形態では、本願の方法は、(d)汚染物質吸着炭素粒子を処理して、活性炭を再生することをさらに含む。
【0618】
特定の実施形態では、本願の方法は、(d’)エネルギー生成用に変換できる熱を発生するために「汚染物質吸着炭素粒子を燃焼」させる過程、をさらに含む。
【0619】
特定の実施形態では、「活性炭を使用して水銀排出(mercury emissions)を削減」する本願方法は、以下の過程を含む。
(a)水銀とガス通過流を含む気相排出流を供給する過程。
(b)気相排出流を、鉄または鉄含有化合物を含む活性炭粒子と接触させて、水銀吸着炭素粒子を形成する過程。
(c)水銀が低減された気相排出流を生成するために、静電沈殿を使用して、気相排出流・ガス通過流から水銀吸着炭素粒子の少なくとも一部を分離する過程。
【0620】
別の実施形態では、活性炭中の鉄や鉄含有化合物の存在が静電沈降を促進し、それにより水銀の収集・制御を改善できる。

別の実施形態では、本願方法は、
(d)水銀吸着炭素粒子の少なくとも一部を、過程(c)の間に形成された他の静電沈殿物から分離する過程、
をさらに含む。
特定の実施形態において、過程(d)は、水銀吸着炭素粒子を磁場・磁場に曝露することを含む。
【0621】
別の実施形態では、エネルギーを生産するための過程は、以下を含みうる。
(a)供給原料を含む炭素を供給する過程。
(b)エネルギー・少なくとも1つの汚染物質から構成される気相排出流を生成するために、炭素含有供給原料を酸化する過程。
活性炭組成物は、気相排出流の経路内にあり、少なくとも汚染物質の一部か、少なくとも1つの汚染物質を吸収する。
【0622】
代替実施形態では、炭素含有原料は、少なくとも1つの汚染物質・前駆体(precursor)元素を含む。
特定の実施形態において、炭素含有原料は、石炭・石油コークスを含みうる。
追加の実施形態では、炭素含有原料は、炭素源から構成できる。
特定の実施形態では、少なくとも1つの汚染物質は、水銀・ホウ素・セレン・ヒ素・それらの化合物・それらの塩・それらの混合物からなる群から選択される金属である。
特定の実施形態では、少なくとも1つの汚染物質は、有害な大気汚染物質または揮発性有機化合物を含みうる。
特定の実施形態では、少なくとも1つの汚染物質は、窒素酸化物・一酸化炭素・二酸化炭素・硫化水素・二酸化硫黄・三酸化硫黄・メタン・エタン・エチレン・オゾン・アンモニア・それらの組合せからなる群から選択された非凝縮性ガスを含んでいる。
特定の実施形態では、活性炭は、酸・塩基・塩・金属・金属酸化物・金属水酸化物・金属ハロゲン化物・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せ、からなる群から選択できる添加剤を含む。
特定の実施形態において「添加剤」は、マグネシウム・マンガン・アルミニウム・ニッケル・鉄・クロム・ケイ素・ホウ素・セリウム・モリブデン・リン・タングステン・バナジウム・塩化鉄・臭化鉄・酸化マグネシウム・ドロマイト・ドロマイト石灰・蛍石・ベントナイト・酸化カルシウム・石灰・水酸化ナトリウム・水酸化カリウム・臭化水素・塩化水素・ケイ酸ナトリウム・過マンガン酸カリウム・有機酸・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せ、からなる群から任意に選択できる。
【0623】
本願の実施形態・使用方法において、活性炭は、少なくとも約5000BTU/ポンドの発熱量、たとえば、約5000・少なくとも約6000・少なくとも約7000・少なくとも約8000・少なくとも約9000・少なくとも約10000・少なくとも約11000・少なくとも約12000・約12,000BTU/ポンド以上の発熱量を有する。
【0624】
本願の実施形態・使用方法において、活性炭は、非限定的な例として燃料ヤード・保管ビン・コンベア・ミキサなどの任意の適切な場所で、燃料送達・燃料貯蔵・燃料調製・燃料混合過程において、燃料に混合などによって加えられる。
上記に加え又は上記に代えて、活性炭を燃焼ゾーンに添加するか・他の燃料源と混合するか・他の燃料源とは独立して添加することができる。
これに限定されるものではないが、特定の実施形態では、燃焼ゾーンや燃焼ゾーンの前段に、バーナー先端やその前に、炭素含有供給原料を酸化する過程の前・同時に、活性炭が供給される。
【0625】
特定の実施形態では、液体を精製するために活性炭を使用する方法は、以下を含む。
(a)少なくとも1つの汚染物質と、通過する液体とを含む液体を供給する過程。
(b)液体を添加剤・活性炭と接触させて、汚染物質が吸着された炭素粒子・汚染物質が減少した当該液体を生成する過程。
【0626】
特定の実施形態では、活性炭粒子は添加剤を含む。
追加の実施形態では、添加剤は、酸・塩基・塩・金属・金属酸化物・金属水酸化物・金属ハロゲン化物・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せからなる群から選択できる。
追加の実施形態では、添加剤は、マグネシウム・マンガン・アルミニウム・ニッケル・鉄・クロム・ケイ素・ホウ素・セリウム・モリブデン・リン・タングステン・バナジウム・塩化鉄・臭化鉄・酸化マグネシウム・ドロマイト・ドロマイト石灰・蛍石・ベントナイト・酸化カルシウム・石灰・水酸化ナトリウム・水酸化カリウム・臭化水素・塩化水素・ケイ酸ナトリウム・過マンガン酸カリウム・有機酸・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せ、からなる群から選択できる。
追加の実施形態では、少なくとも1つの汚染物質は、ヒ素・ホウ素・セレン・水銀・それらの化合物・それらの塩・それらの混合物・それらの組合せ、からなる群から選択できる。
特定の実施形態では、少なくとも1つの汚染物質は、有機化合物を含む。
追加の実施形態では、少なくとも1つの汚染物質は、ハロゲンを含んでもよい。
特定の実施形態では、少なくとも1つの汚染物質は、硫化水素を含む。
特定の実施形態では、少なくとも1つの汚染物質は、塩素化副産物を含みうる。
特定の実施形態では、少なくとも1つの汚染物質は殺虫剤・除草剤を含む。
さまざまな実施形態において、液体は一般に水を含んでもよい。
【0627】
追加の実施形態では、本願方法は、汚染物質吸着炭素粒子を処理して活性炭を再生してもよい。
追加の実施形態では、本願方法は、汚染物質を吸着した炭素粒子を燃焼させて、エネルギー生成用の熱を発生してもよい。
【0628】
特定の実施形態では、本願は、液体から硫黄汚染物質の少なくとも一部を除去する方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)硫黄汚染物質と経路を含む液体を供給する過程。
(b)汚染された液体を、添加剤・活性炭粒子と接触させる過程。
ここで、過程(b)の後、活性炭の少なくとも一部は硫黄汚染物質を含んでいる。
【0629】
追加の実施形態では、硫黄汚染物質は、元素硫黄・硫酸・亜硫酸・二酸化硫黄・三酸化硫黄・硫酸アニオン・重硫酸アニオン・亜硫酸アニオン・重亜硫酸アニオン・チオール・スルフィド・ジスルフィド・ポリスルフィド・チオエーテル・チオエステル・チオアセタール・スルホキシド・スルホン・チオスルフィネート・スルフィミド・スルホキシミド・スルホンジイミン・ハロゲン化硫黄・チオケトン・チオアルデヒド・酸化硫黄・チオカルボン酸・チオアミド・スルホン酸・スルフィン酸・スルフェン酸・スルホニウム・オキソスルホニウム・スルフラン・ペルスルフラン・それらの誘導体・それらの塩・それらの組合せ、からなる群から選択できる。
追加の実施形態では、硫黄汚染物質は、イオン形態・塩形態の硫酸塩であり得る。
追加の実施形態では、添加剤は、酸・塩基・塩・金属・金属酸化物・金属水酸化物・金属ハロゲン化物・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せ、からなる群から選択できる。
追加の実施形態では、添加剤は、マグネシウム・マンガン・アルミニウム・ニッケル・鉄・クロム・シリコン・ホウ素・セリウム・モリブデン・リン・タングステン・バナジウム・塩化鉄・臭化鉄・酸化マグネシウム・ドロマイト・ドロマイト石灰・蛍石・ベントナイト・酸化カルシウム・石灰・水酸化ナトリウム・水酸化カリウム・臭化水素・塩化水素・ケイ酸ナトリウム・過マンガン酸カリウム・有機酸・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せ、からなる群から選択できる。
追加の実施形態では、過程(b)は、液体の濾過・浸透過程を含んでもよい。
追加の実施形態では、過程(b)は、活性炭・添加剤を含む液体を浸透膜と接触させてもよい。
追加の実施形態では、過程(b)は、活性炭粒子を液体に直接添加してもよい。
追加の実施形態では、方法は、以下の過程をさらに含んでもよい。
(c)液体からの硫黄汚染物質を含む活性炭粒子を沈降させる過程。
追加の実施形態では、液体は廃水を含んでもよい。
別の実施形態では、廃水は、金属採掘・酸性鉱山排水・鉱物処理・都市下水道処理・パルプと紙の生産・石油抽出・石油加工・天然ガスの浄化と生産・エタノール生産、からなる群から選択される過程により生成される。
別の実施形態では、液体は、天然の水域でもよい。
【0630】
特定の実施形態では、本願は、水中の硫酸塩の濃度を低下させる過程を提供し、以下の過程を含む。
(a)体積や流れに対して、硫黄と経路を含む水の体積か流れを供給する過程。
(b)上記の水を、添加剤・活性炭と接触させる過程。
【0631】
追加の実施形態では、過程(a)の前に、水は「約5mg/Lを超える濃度で硫酸塩」を含んでいてもよく、過程(b)の後、水は「約5mg/L以下の濃度で硫酸塩」を含んでいてもよい。
追加の実施形態では、過程(b)の後、水は約4mg/L以下の濃度で硫酸塩を含んでいてもよい。
追加の実施形態では、水は廃水流であってもよい。
別の実施形態では、廃水流は「金属採掘・酸性鉱山排水・鉱物処理・都市下水処理・パルプと紙の生産・石油生産・石油コークス生産・天然ガス処理・エタノール生産、からなる群」から選択される過程によって生成できる。
別の実施形態では、水は、天然の水域・尾鉱の池などの人工の水域である。
追加の実施形態では、添加剤は「酸・塩基・塩・金属・金属酸化物・金属水酸化物・金属ハロゲン化物・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せからなる群」から選択できる。
追加の実施形態では、添加剤は「マグネシウム・マンガン・アルミニウム・ニッケル・鉄・クロム・ケイ素・ホウ素・セリウム・モリブデン・リン・タングステン・バナジウム・塩化鉄・臭化鉄・酸化マグネシウム・ドロマイト・ドロマイト石灰・蛍石・ベントナイト・酸化カルシウム・石灰・水酸化ナトリウム・水酸化カリウム・臭化水素・塩化水素・ケイ酸ナトリウム・過マンガン酸カリウム・有機酸・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せ、からなる群」から選択できる。
【0632】
特定の実施形態では、本願は、「気相排出流」(gas phase emissions stream)から「硫黄汚染物質」(sulfur contaminant)を除去する方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)少なくとも1つの硫黄汚染物質と気相排出流の経路かチャネルを含む気相排出流を供給する過程。
(b)気相排出流を添加剤・活性炭と接触させる過程。
(c)過程(b)の後に、気相排出流から活性炭粒子の少なくとも一部を分離・分離する過程。
【0633】
追加の実施形態では、硫黄含有汚染物質は、元素硫黄・硫酸・亜硫酸・二酸化硫黄・三酸化硫黄・硫酸陰イオン・重硫酸陰イオン・亜硫酸陰イオン・重亜硫酸陰イオン・チオール・硫化物・二硫化物・ポリスルフィド・チオエーテル・チオエステル・チオアセタール・スルホキシド・スルホン・チオスルフィネート・スルフィミド・スルホキシミド・スルホンジイミン・ハロゲン化硫黄・チオケトン・チオアルデヒド・酸化硫黄・チオカルボン酸・チオアミド・スルホン酸・スルフィン酸・スルフェン酸・スルホニウム・オキソスルホニウム・スルフラン・ペルスルフラン・それらの塩・それらの誘導体・それらの組合せ、からなる群からのものであり得る。
【0634】
追加の実施形態では、後述するように、気相排出流から「少なくとも1つの汚染物質」を低減または除去するシステム・方法を提供し、当該システム・方法は、以下の過程を含む。
(a)少なくとも1つの気相排出流と、少なくとも1つの汚染物質を供給する過程。
(b)気相排出流を添加剤・所定の細孔構造の活性炭と接触させて、汚染物質を含む活性炭を生成する過程。
(c)汚染物質の量が減少した気相排出流を生成するために、気相排出流から汚染物質活性炭の少なくとも一部をさらに分離する過程。
【0635】
追加の実施形態では、本願は、「水銀排出」(mercury emissions)を削減するためのシステム・方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)水銀を含む気相排出流を供給する過程。
(b)水銀吸着炭素粒子を生成するために、気相排出流を、鉄・鉄含有化合物を含む所定の細孔形状の活性炭粒子と接触させる過程。
(c)水銀が低減された気相排出流を生成するために、静電沈降を使用して気相排出流から水銀吸着炭素粒子の少なくとも一部を分離する過程。
【0636】
追加の実施形態では、本願は、「液体」(liquid)から「硫黄汚染物質の少なくとも一部」(at least a portion of a sulfur contaminant)を除去するためのシステム・方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)硫黄汚染物質を含む液体を供給する過程。
(b)汚染された液体を、添加剤・所定の細孔形状の活性炭粒子と接触させる過程であって、過程(b)の後、活性炭粒子の一部は硫黄汚染物質を含む。
【0637】
追加の実施形態では、本開示は、水中の硫酸塩の濃度を低下させるためのシステム・方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)硫酸塩を含む液体を供給する過程。
(b)続いて、上記の水を添加剤・所定の細孔構造の活性炭粒子と接触させる過程。
【0638】
追加の実施形態では、本願は、気相排出流から硫黄などの汚染物質を除去するためのシステム・方法を提供し、前記システム・方法は以下の過程を含む。
(a)少なくとも1つの硫黄汚染物質を含む気相排出流を供給する過程。
(b)気相排出流を、添加剤・所定の細孔形状の活性炭粒子と接触させる過程。
(c)過程(b)の後に、活性炭粒子の少なくとも一部を、気相排出流から分離する過程。
【0639】
特定の実施形態では、本願の過程・システムを使用することで、「固定炭素の割合が高い高品質の炭素材料・組成物」(carbon materials and compositions with high fractions of
fixed carbon)を得ることができる。
【0640】
追加の実施形態では、気相放出流は「活性炭を含む燃料の燃焼」から誘導されたり、発生したり、生成される。
別の実施形態では、気相排出流は、石炭と活性炭との共燃焼に由来・発生・生成できる。
追加の実施形態では、添加剤は、酸・塩基・塩・金属・金属酸化物・金属水酸化物・金属ハロゲン化物・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せ、からなる群から選択できる。
別の実施形態では、添加剤は、マグネシウム・マンガン・アルミニウム・ニッケル・鉄・クロム・シリコン・ホウ素・セリウム・モリブデン・リン・タングステン・バナジウム・塩化鉄・臭化鉄・酸化マグネシウム・ドロマイト・ドロマイト石灰・蛍石・ベントナイト・酸化カルシウム・石灰・水酸化ナトリウム・水酸化カリウム・臭化水素・塩化水素・ケイ酸ナトリウム・過マンガン酸カリウム・有機酸・ヨウ素・ヨウ素化合物、それらの組合せ、からなる群から選択することができる。
追加の実施形態では、過程(c)は、濾過過程を含んでもよい。
追加の実施形態では、過程(c)は、「静電沈降(ectrostatic precipitation)過程」を含んでもよい。
別の実施形態では、過程(c)は、スクラビングを含んでもよい。
【0641】
特定の実施形態では、本願は、ガス・液体から1つ以上の汚染物質を低減・除去するための方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)1つ以上の汚染物質を含むガス流・液体流と、ガス流・液体流のための経路と、を供給する過程。
(b)乾燥ベースで、「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」とを含む活性炭に、ガス流・液体流を接触させる過程。
ヨウ素価は少なくとも約500であり、組成物は外部から印加された磁場に反応する。
【0642】
特定の実施形態では、本願は、ガス・液体から1つ・複数の汚染物質を低減・除去するための方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)1つ・複数の汚染物質を含むガス流・液体流と、ガス流・液体流のための経路とを供給する過程。
(b)乾燥ベースで、「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」とを含む活性炭組成物に、ガス流・液体流を接触させる過程。
少なくとも約500を有するヨウ素価を有し、活性炭の少なくとも一部はグラフェンの形態で存在する。
【0643】
特定の実施形態では、本願は、液体・気体から汚染物質を低減・除去する方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)乾燥ベースで、「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」とを含む活性炭を得る過程。
活性炭の少なくとも一部はグラフェンの形態で存在する。
(b)任意に、活性炭組成物からグラフェンを分離する過程。
(c)液体・気体を、分離された形で・活性炭組成物の一部として、グラフェンと接触させる過程。
【0644】
追加の実施形態では、液体は水でもよい。
【0645】
特定の実施形態では、本願は「グラフェンを含む組成物」を提供し、グラフェン(graphen)は以下の活性炭から抽出する。
当該活性炭は、乾燥ベースで、「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」とを含み、炭素の少なくとも一部はグラフェンとして存在する。
追加の実施形態では、組成物は、接着剤・シーラント・コーティング・塗料・インク・複合材料の成分・触媒・触媒支持体・電池電極成分・燃料電池電極成分・グラフェンベースの回路・メモリシステムコンポーネント・エネルギー貯蔵材料・コンポーネント・スーパーキャパシタコンポーネント・静電気消散用シンク・電子・イオン輸送用材料・高帯域幅通信システムコンポーネント・赤外線センサのコンポーネント・化学センサのコンポーネント・生物学的センサのコンポーネント・電子ディスプレイ・「ボルタ電池のコンポーネント(component of a voltaic cel)」・グラフェンエアロゲル、を含む。
【0646】
特定の実施形態では、本願は、グラフェンの使用方法であって、以下の過程を含む。
(a)乾燥ベースで、「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」とを含む活性炭(炭素の少なくとも一部がグラフェンの形態で存在する)を得る過程。
(b)任意に、活性炭組成物からグラフェンを分離する過程。
(c)接着剤・シーラント・コーティング・塗料・インクの中の分離された形態か、活性炭組成物の一部として、グラフェンを使用する過程。
【0647】
別の実施形態では、本願は、グラフェンの使用方法であって、以下の過程を含む。
(a)乾燥ベースで、約55~95重量%以上の総炭素・約5~15重量%以下の水素・約1重量%以下の窒素かアルゴンを含む活性炭(炭素の少なくとも一部が、グラフェンの形態で存在する。)を得る過程。
(b)任意に、グラフェンを活性炭から分離する過程。
(c)複合材料の機械的・電気的特性を調整するための複合材料中の成分として、分離された形態のグラフェンか、活性炭の一部であるグラフェンを使用する過程。
【0648】
特定の実施形態では、本願は、グラフェンの使用方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)乾燥ベースで、「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」とを含む活性炭(炭素の少なくとも一部がグラフェンの形態で存在する)を得る過程。
(b)任意に、グラフェンを活性炭から分離する過程。
(c)触媒・触媒担体・電池電極材料・燃料電池電極材料として、分離された形態のグラフェンか、活性炭の一部であるグラフェンを使用する。
【0649】
特定の実施形態では、本願は、グラフェンの使用方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)乾燥ベースで、「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」とを含む活性炭(炭素の少なくとも一部がグラフェンの形態で存在する)を得る過程。
(b)任意に、グラフェンを活性炭から分離する過程。
(c)グラフェンベースの回路・メモリシステムにおいて、分離された形態のグラフェンか、活性炭組成物の一部であるグラフェンを使用する過程。
【0650】
特定の実施形態では、本願は、グラフェンの使用方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)乾燥ベースで、「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」とを含む活性炭(炭素の少なくとも一部がグラフェンの形態で存在する)を得る過程。
(b)任意に、グラフェンを活性炭から分離する過程。
(c)エネルギー貯蔵材料・スーパーキャパシタ成分として、分離された形態のグラフェンか、活性炭組成物の一部であるグラフェンを使用する過程。
【0651】
特定の実施形態では、本願は、以下を含むグラフェンの使用方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)乾燥ベースで、約55~95重量%以上の総炭素・約5~15重量%以下の水素・約1重量%以下の窒素かアルゴンを含む活性炭(炭素の少なくとも一部がグラフェンの形態で存在する)を得る過程。
(b)任意に、グラフェンを活性炭から分離する過程。
(c)液体または蒸気燃料送達システムにおける静電気散逸のためのシンクとして、分離された形態のグラフェンか、活性炭組成物の一部であるグラフェンを使用する過程。
【0652】
特定の実施形態では、本願は、グラフェンの使用方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)乾燥ベースで、「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」とを含む活性炭(炭素の少なくとも一部がグラフェンの形態で存在する)を得る過程。
(b)任意に、グラフェンを活性炭から分離する過程。
(c)電子輸送・イオン輸送のための材料として、分離された形態のグラフェンか、活性炭組成物の一部であるグラフェンを使用する過程。
【0653】
特定の実施形態では、本願は、グラフェンの使用方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)乾燥ベースで、「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」とを含む活性炭(炭素の少なくとも一部がグラフェンの形態で存在する)を得る過程。
(b)任意に、グラフェンを活性炭から分離する過程。
(c)高帯域幅通信システムにおいて、分離された形態のグラフェンか、活性炭組成物の一部であるグラフェンを使用する過程。
【0654】
特定の実施形態では、本願は、グラフェンの使用方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)乾燥ベースで、「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」とを含む活性炭(炭素の少なくとも一部がグラフェンの形態で存在する)を得る過程。
(b)任意に、グラフェンを活性炭から分離する過程。
(c)赤外線・化学・生物学的センサの成分として、分離された形態のグラフェンか、活性炭組成物の一部であるグラフェンを使用する過程。
【0655】
特定の実施形態では、本願は、グラフェンの使用方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)乾燥ベースで、「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」とを含む活性炭(炭素の少なくとも一部がグラフェンの形態で存在する)を得る過程。
(b)任意に、グラフェンを活性炭から分離する過程。
(c)電子ディスプレイの構成要素として、分離された形態のグラフェンか、活性炭組成物の一部であるグラフェンを使用する過程。
【0656】
特定の実施形態では、本願は、グラフェンの使用方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)乾燥ベースで、「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」とを含む活性炭(炭素の少なくとも一部がグラフェンの形態で存在する)を得る過程。
(b)任意に、グラフェンを活性炭から分離する過程。
(c)「光電池」(photovoltaic cell)の構成要素として、分離された形態のグラフェンか、活性炭組成物の一部であるグラフェンを使用する過程。
【0657】
特定の実施形態では、本願は、グラフェンの使用方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)乾燥ベースで、「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」とを含む活性炭(炭素の少なくとも一部がグラフェンの形態で存在する)を得る過程。
(b)任意に、グラフェンを活性炭から分離する過程。
(c)グラフェンエアロゲルを形成するために、分離された形態のグラフェンか、活性炭組成物の一部であるグラフェンを使用する過程。
【0658】
特定の実施形態では、活性炭を使用して「排出物」(emissions)を削減する方法を提供し、以下の過程を含む。
(a)活性炭粒子を供給する過程。
(b)少なくとも1つの選択された汚染物質を含む「気相放出流」(gas phase emissions
stream)と、気相放出流用の経路(path)またはダクト(duct)とを供給する過程。
(c)活性炭に導入され、気相排出流からの汚染物質の除去を補助するように選択された添加剤を供給する過程。
(d)活性炭粒子に付着した汚染物質の少なくとも一部を吸着するために、添加剤を含む活性炭粒子を気相放出流に導入して汚染物質吸着活性炭粒子を気相放出流のなかに生成する過程。
(e)汚染物質が減少した気相排出流を生成するために、汚染物質吸着活性炭材料の少なくとも一部を気相排出流から分離する過程。
【0659】
特定の実施形態では、活性炭組成物は「約55~95重量%以上の総炭素」と「約5~15重量%以下の水素」と「約1重量%以下の窒素かアルゴン」と「0.5~3重量%以下のリン(phosphorus)」と「0.2~4重量%以下の硫黄(sulfur)」とを含む。
添加剤は、活性炭材料の一部として供給してもよく、活性炭材料と混合してもよい。
代替的・追加的に、添加剤は、気相放出流に直接的・間欠的・連続的に導入してもよい。
【0660】
選択された汚染物質を気相放出流から除去を補助するための添加剤は、「酸・塩基・塩・金属・金属酸化物・金属水酸化物・金属ハロゲン化物・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せ」から選択できる。
追加の実施形態では、添加剤は、ヨウ素・ヨウ素化合物・ヨウ素と1つ以上のヨウ素化合物の組合せを含み、溶媒に任意に溶解できる。
【0661】
追加の実施形態では、汚染物質は「水銀・ホウ素・セレン・ヒ素・任意の化合物・塩・それらの混合物からなる群からの金属」などでありうる。
追加の実施形態では、選択された汚染物質は、危険な大気汚染物質・揮発性有機化合物でもよい。
追加の実施形態では、選択された汚染物質は、窒素酸化物・一酸化炭素・二酸化炭素・硫化水素・二酸化硫黄・三酸化硫黄・メタン・エタン・エチレン・オゾン・アンモニア・それらの組合せ、からなる群からの「非凝縮性ガス」でもよい。
【0662】
追加の実施形態では、汚染物質吸着炭素材料は、吸収・吸着・反応の形態で、二酸化炭素・窒素酸化物・水銀・二酸化硫黄からなる群からの「少なくとも1つ・2つ・3つ・すべての汚染物質」を含みうる。
【0663】
追加の実施形態では、気相排出流は「活性炭組成物を含む燃料の燃焼」から得られる。
追加の実施形態では、気相放出流は「石炭と活性炭組成物の共燃焼」(co-combustion of coal and the activated carbon composition)から得られる。
【0664】
特定の実施形態では、過程(e)における分離は、たとえば布タイプのフィルタを利用した濾過を含んでもよい。
追加の実施形態では、過程(e)における分離は、静電集塵の過程でもよい。
湿式または乾式のスクラビングを含むスクラビングも利用してもよい。
さらに、活性炭材料を再生するために、汚染物質吸着炭素粒子(contaminant adsorbed carbon particle)を処理できる。
追加の実施形態では、汚染物質吸着炭素材料は、触媒的(catalytically)または非触媒的に熱酸化してもよい。
さらに、汚染物質吸着炭素粒子または「再生された汚染物質吸着炭素粒子」は、エネルギー生成用の熱を供給するために燃焼され、シンガスを提供するためにガス化できる。
【0665】
追加の実施形態では、活性炭材料を使用して水銀排出を削減する方法は、以下の過程を含む。
(a)「ヨウ素かヨウ素含有組成物を有する添加剤」を含んだ活性炭材料組成物を供給する過程。
(b)水銀を含む気相放出流と、気相放出流用の経路・チャネルとを提供する過程。
(c)活性炭材料を気相放出流に導入して、水銀の少なくとも一部を活性炭材料に吸着させて気相放出流内に水銀吸着活性炭材料を生成する過程。
(d)水銀が低減された気相排出流を生成するために、静電沈殿を使用して気相排出流から水銀吸着活性炭材料の少なくとも一部を分離・分離する過程。
【0666】
追加の実施形態では、エネルギー生産のための過程が提供され、以下の過程を含む。
(a)炭素含有原料を供給する過程。
(b)炭素含有原料を酸化して、エネルギー生成用と気相排出流生成用の熱を発生させる過程。
炭素含有原料中に活性炭組成物を使用することは、酸化の副産物として生成されるか、炭素含有原料に由来する少なくとも1つの汚染物質を吸収するのに有効である。
それにより、汚染物質の排出を削減する。
なお、活性炭材料は、酸・塩基・塩・金属・金属酸化物・金属水酸化物・金属ハロゲン化物・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せから選択された添加剤を含む。
【0667】
特定の実施形態では、汚染物質や「汚染物質の前駆体」は、炭素含有原料物質内に含まれうる。
追加の実施形態では、汚染物質は「酸化の副産物」(by-product of oxidizing)として生成される可能性がある。
炭素源供給原料は、バイオマス・石炭・石油・石油コークス・ガス物質・副産物・別の炭素質供給原料をさらに含んでもよい。
【0668】
特定の実施形態では、汚染物質は、水銀・ホウ素・セレン・ヒ素・これらの化合物・塩・それらの混合物・有害な大気汚染物質・揮発性有機化合物からなる群からの金属や、窒素酸化物・一酸化炭素・二酸化炭素・硫化水素・二酸化硫黄・三酸化硫黄・メタン・エタン・エチレン・オゾン・アンモニア・それらの組合せからなる群からの非凝縮性ガスでもよい。
【0669】
特定の実施形態では、活性炭組成物を使用して液体を精製する方法は、以下の過程を含む。
(a)活性炭材料を供給する過程。
(b)少なくとも1つの汚染物質を含む液体を供給する過程。
(c)液体からの汚染物質の除去を助けるように選択された添加剤を供給する過程。
(d)少なくとも1つの汚染物質の少なくとも一部を活性炭粒子の表面か内部に吸着させるために、液体を活性炭材料・添加剤と接触させる過程。
それにより、汚染物質を炭素粒子に吸着させ、液体材料から汚染物質を低減させる。
【0670】
添加剤は、活性炭材料の一部として提供されてもよく、液体に直接導入してもよい。
添加剤は、酸・塩基・塩・金属・金属酸化物・金属水酸化物・金属ハロゲン化物・ヨウ素・ヨウ素化合物・それらの組合せでもよい。
【0671】
特定の実施形態では、添加剤は、活性炭中に吸収か挿入(intercalated)された分子I2、物理的・化学的に吸着された分子I2、吸収か挿入(intercalated)された原子I、物理的または化学的に吸着された原子I、それらの組合せとして存在できるヨウ素を含みうる。
【0672】
特定の実施形態では、添加剤は、ヨウ化物イオン・ヨウ化水素・ヨウ化物塩・ヨウ化金属・ヨウ化アンモニウム・酸化ヨウ素・3ヨウ化物イオン・3ヨウ化物塩・3ヨウ化金属・3ヨウ化アンモニウム・ヨウ素イオン・ヨウ素酸塩・ポリヨウ化物・ヨウ化ホルム・ヨウ酸・ヨウ化メチル・ヨウ化炭化水素・過ヨウ素酸・オルト過ヨウ素酸・メタ過ヨウ素酸・それらの組合せ・塩・酸・塩基・誘導体からなる群からの化合物などのヨウ素含有化合物を含んでもよい。
【0673】
添加剤は、高いエネルギー含有量・エネルギー密度を持つ最終製品をもたらしうる。
このようなエネルギー含有量の増加は、総炭素・固定炭素・揮発性炭素・水素の増加から生じうる。
さらに、エネルギー含有量の増加は、不燃性物質の除去・炭素よりもエネルギー密度の低い物質の除去に起因しうる。
追加の実施形態では、添加剤は、液体形成の程度を減少させるだけでなく、むしろ固体・気体形成に貢献し、固体形成を資することができる。
【0674】
追加の実施形態では、添加剤は、開始炭素源材料・熱分解の前に処理された炭素源材料を化学的に修飾でき、セル壁(cell walls)の破裂により強度と完全性が向上し、電解質の最適な結合と性能を確保するために細孔幅と細孔分布を特別に調整できる。
追加の実施形態では、添加剤を使用して、熱分解前に炭素源供給原料の固定炭素含有量を増加させることもできる。
【0675】
添加剤により、降伏強さ・圧縮強さ・引張強さ・疲労強さ・衝撃強さ・弾性率・体積弾性率・せん断弾性率などの機械的特性が改善された最終活性炭製品が得られうる。
さらに、添加剤は、単純に存在することで、たとえば添加剤自体が混合物に強度を付与することで、添加剤相内または最終混合物内で起こるいくつかの変換により機械的特性を改善する可能性がある。
追加の実施形態では、「添加剤を含む活性炭材料」内部の一部でガラス化(vitrification)などの反応が起こり、最終的な強度が向上しうる。
【0676】
湿った炭素源材料や乾燥した炭素源材料に、化学添加剤を適用できる。
添加剤は、固体粉末、スプレー・ミスト・液体・蒸気として適用できる。
追加の実施形態では、添加剤は、たとえば水溶液・溶媒に混合された液体溶液の噴霧により、タンク・ビン・バッグ・他のコンテナに浸すことで導入できる。
【0677】
別の実施形態では、添加剤を含むコンテナに固体供給原料を浸漬でき、水などの希釈剤などの追加材料を含む「浸漬前処理」(dip pre-treatment)をバッチ式・連続的におこない、炭素源材料への添加剤の浸透を可能にする。
【0678】
追加の実施形態では、炭素源供給原料に適用される添加剤は、熱分解過程のエネルギー要件を低減し、炭素質生成物の収量(yield)を増加させることができる。
追加の実施形態では、炭素源供給原料に適用される添加剤は、後述するように、炭素質生成物の使用において所望機能を実現できる。
【0679】
特定の実施形態では、活性炭を製造する過程は、サイジングの過程(たとえば、選別・分類など)をさらに含んでもよい。加熱・冷却された熱分解炭素材料から、サイズ化された熱分解炭素を形成するためである。
「サイズ化された熱分解炭素」(sized pyrolyzed carbon)は、その後、特定の粒子サイズ・特定の特性(たとえば、マイクロ細孔・メソ細孔などの特定の細孔の細孔分布)を有する活性炭生成物を必要とする用途に使用できる。
【0680】
異なる実施形態では、過程能力・スループットは、小規模な実験室規模の生産から、パイロット・デモンストレーション・半商業規模の生産施設を含むフルスケールの商業バイオリファイナリーまで、広く適合できる。
追加の実施形態では、処理能力は、少なくとも1日約1kg・1日10kg・1日100kg・1日1トン(すべてのトンはメートルトン)・1日10トン・1日100トン・1日500トン・1日1000トン・1日2000トン・1日10000トン・1日50000トン・それ以上である。
【0681】
追加の実施形態では、生成された活性炭の一部は、過程の前段やさまざまな段階で、乾燥・脱気ユニットなどや直接的にデバイス・リアクタなどに再循環してもよい。
排気ガスの流れ・豊富な水の流れから汚染物質を除去・削減するためである。
活性炭を前段に戻して再度過程を通すと、処理された炭素源固形分が固定炭素分だけ高くなりうる。
過程全体を通して、生産の結果または過程の一部として存在する固体・液体・気体の流れは、独立してろ過・リサイクル・後続の過程に渡すことができ、任意の時点・量で過程から除去・排除できる。
【0682】
特定の実施形態では、熱分解された材料を回収したのち、さらなる熱分解過程のために別のリアクタに供給することで「高い炭素純度を有する材料」を生成できる。
追加の実施形態では、2次過程は、単純な設計、たとえば、加熱されたN2などの加熱された不活性ガスが通過できるスチールドラムなどのコンテナにおいて実行できる。
この目的に役立ちうる代替コンテナには、過程タンク・バレル・ビン・トート・サック・ロールオフがある。
さらに、揮発性物質を含む2次スイープガスは、ガスヒータに送るか、主要なデバイスに戻すことができる。
これらの実施形態では、最終生成物を冷却するために、まず、周囲温度の不活性ガスの別の流れを固体に通過させて当該固体を冷却し、続いて、不活性ガス予熱システム・デバイスに戻すことができる。
追加の実施形態では、2次過程は、材料を熱分解し、炭化反応を促進するために予熱された略不活性なガスが投入できる別個の炭化リアクタや熱分解リアクタで行われてもよい。
【0683】
多くの実施形態では、デバイスは、「システムから酸素を除去するための排除手段」を含みうる。
一例として、排除手段は、略不活性なガスをデバイスに導入するための「1つ以上の入口」と、システムから略不活性なガスや置換酸素を除去するための「1つ以上の出口」を備える。
追加の実施形態では、排除手段は、ドライヤとリアクタとの間で動作可能に連通して配置された脱気器(deaerator)でもよい。
【0684】
デバイスは、少なくとも第1のガス入口・第1のガス出口を備えうる。
第1のガス入口・第1のガス出口は、複数の異なるゾーン・同じゾーンまたは複数のゾーンと連通できる。
【0685】
特定の実施形態では、デバイスは、第2ガス入口・第2ガス出口を備える。
代替実施形態では、デバイスは、第3ガス入口・第3ガス出口を備える。
代替実施形態では、デバイスは、第4ガス入口・第4ガス出口を備える。
【0686】
代替実施形態では、デバイス内に存在する各ゾーンは、ガス入口・ガス出口で構成される。
【0687】
ガス入口とガス出口は、蒸気の導入と回収をするだけでなく、ガス出口は、追加のプローブとして又は追加のプローブを使用して、全過程を含めさまざまな段階の正確な過程監視と制御を可能にする。
正確な過程監視をすることにより、動的に、一定期間にわたって歩留まりと効率を改善しうる。
これは、過程条件を定期的に調整するために動作履歴(operational history)を利用できる場合に特に顕著である。
【0688】
特定の実施形態において、反応ガスプローブは、熱分解ゾーンと動作可能に連通して配置できる。
反応ガスプローブは、ガスを抽出して分析するのに有用であり、反応の程度・熱分解の選択性・その他の過程監視・情報検索を決定するために使用できる。
測定に基づいて、過程・デバイスシステムは、供給速度・不活性ガススイープの速度・1つ以上のゾーンの温度・1つ以上のゾーンの圧力・添加剤・添加剤の制御を、さまざまな方法で制御・調整できる。
【0689】
本願で意図しているように、反応ガスプローブを介した「監視・制御」は、反応ガスプローブを介した任意の1つ以上のサンプル抽出・必要に応じて測定に基づき、過程・機器の調整をしうる。
フィードバック・フィードフォワード・比例積分微分ロジックなどの過程制御の既知の手法を使用することが望ましい。
【0690】
反応ガスプローブは、さまざまな方法でガスサンプルを抽出するように構成できる。
たとえば、サンプリングラインは、指定された量のガスが熱分解ゾーンから容易に抽出できるように、サンプリングラインが開かれたときに熱分解リアクタの圧力よりも低い圧力を有してもよい。
さらに、サンプリングラインは、熱分解ゾーンが大気圧に近い場合には、真空下になってもよい。
一般に、反応ガスプローブは、1つのガス出力(たとえば、ガス出力ラインから分割されたライン)に連係される。
【0691】
特定の実施形態では、ガス入口・ガス出口の両方が、不活性ガスをゾーンに周期的に導入することで反応ガスプローブとして利用され、それによって過程サンプルとともに不活性ガスをガス出力から抽出できる。
特定の実施形態では、そのような構成は、略不活性なガスを処理するため、ガス入口・ガス出口を持たないゾーンで使用でき、また、反応ガスプローブは、過程入口・出口に追加されたゾーン内の別個のガス入口・出口として連係できる。
追加の実施形態では、サンプリングのために定期的に導入・抽出される不活性ガスのサンプリングは、サンプルを利用する実施形態では、分析トレーサーを導入するための処理不活性ガスとは異なることがある。
【0692】
たとえば、熱分解ゾーンの気相中の酢酸濃度は、試料を抽出するためのプローブとして銀を用いて測定でき、その後、ガスクロマトグラフィー(GC)・質量分析(MS)・ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)・フーリエ変換赤外分光法(FTIR)などの適切な技術を使用して分析できる。
気相中のCO・CO2濃度を測定して、ガス・蒸気に対して選択する熱分解の指標として使用することができる。
さらに、気相中のテルペン濃度を測定し、液体に対する熱分解選択性の指標として使用できる。
【0693】
特定の実施形態では、システムは、冷却ゾーン/デバイスの一部である場合・乾燥ゾーン/デバイスの一部である場合は、予熱ゾーンと動作可能に連通して配置された追加のガスプローブをさらに含んでもよい。
【0694】
熱分解リアクタ・複数のリアクタの可能な例として、熱分解過程を実行できる任意の適切なリアクタから選択できる。
リアクタとしては、固定床リアクタ・流動床リアクタ・噴流リアクタ・オーガ・回転コーン・回転ドラムキルン・か焼炉・ロースター・移動床リアクタ・輸送床リアクタ・アブレーティブリアクタ・回転コーン・マイクロ波支援熱分解リアクタ(microwave-assisted pyrolysis reactors)などの非限定的な例が含まれる。
【0695】
オーガが使用される特定の実施形態では、砂や他の熱媒体を任意に使用でき、一例として、供給原料・砂をスクリュの一端で供給できる。
オーガスクリュは、砂と原料を混合し、リアクタを通してそれらを移送できる。
この例では、スクリュは「原料の滞留時間」を制御でき、熱分解された材料をキャリアや流動化ガス(fluidizing gas)によって希釈せずに、砂は別のコンテナで再加熱できる。
【0696】
アブレーション(ablative)過程が使用される特定の実施形態では、原料は、高温の金属表面に対して高速で移動できる。
表面でのチャー形成のアブレーションにより、高い熱伝達率を維持できる。
このデバイスが、材料の希釈を防ぎうる。
さらに、原料粒子は、キャリアガス中に懸濁され、壁が加熱されたサイクロンを高速で通過させることができる。
【0697】
流動床リアクタが使用される追加の実施形態では、原料は、一般的には再循環生成ガスであるガスによって流動化された熱砂の床に導入してもよい。
「砂」への言及は、ガラス粒子・回収された灰粒子・類似の材料など、類似する略不活性な材料を含む。
言及されているように、流動化した砂や同様の材料からの高い熱伝達率により、原料が急速に加熱されうる。
砂・同様の粒子の摩耗により、アブレーションの可能性がある。
熱は、高温の燃焼ガスが流れる熱交換器チューブ(heat-exchanger tubes)により供給してもよい。
【0698】
ガス・砂や同様の材料・原料が一緒に移動する循環流動床リアクタを使用できる。
輸送ガスの例には、再循環された生成ガス・燃焼ガスが含まれる。
砂からの高い熱伝達率により原料の急速な加熱がなされ、アブレーションは標準的な流動床よりも強力でありうる。
生成物ガスを砂・チャー粒子から分離するために、分離器を使用できる。
砂粒子は、流動バーナーコンテナ(fluidized burner vessel)内で再加熱してリアクタに再循環できる。
【0699】
特定の実施形態では、デバイスは、「炭素源材料入口」と、「複数の空間的に分離されたゾーン」(温度と、炭素源材料の輸送と、各ゾーンにおける混合とを個別に制御する)と、「炭素源材料出口」とを備えた連続リアクタである。
ゾーンの1つは、不活性ガスをデバイスやゾーンに導入するための「第1ガス入口」を備えてもよく、それ以外のゾーンは第1ガス出口を備えてもよい。
【0700】
特定の実施形態では、リアクタは、少なくとも複数のゾーンを含む。
各ゾーンは、電気熱伝達・蒸気熱伝達・熱油熱伝達・相変化熱伝達・廃熱伝達・これらの組合せからなる群から選択される個別に調節可能な加熱手段、と通信可能に配置してもよい。
追加の実施形態において、少なくとも1つのゾーンは、過程ガス加熱器からの流出流により加熱できる。
【0701】
デバイスは、2つ以上のゾーンの気相組成(gas phase composition)と気相滞留時間を別々に調整するように構成してもよく、さらにデバイス内のすべてのゾーンについて行ってもよい。
【0702】
デバイスは、第2ガス入口・第2ガス出口を備えてよく、追加の実施形態では、デバイスは、各ゾーンにガス入口を備えている。
追加の実施形態では、デバイスは、各ゾーンにガス出口を備える。
デバイスは、並流リアクタまたは向流リアクタでもよい
【0703】
特定の実施形態では、材料供給システムは、スクリュ供給機構かオーガ供給機構を備えることができる。
追加の実施形態では、炭素源材料出口は、スクリュ出力機構かオーガ出力機構を備える。
【0704】
特定の実施形態では、デバイスは、スクリュ材料供給システムとして回転焼成炉(rotating calciner)を利用できる。
追加の実施形態では、デバイスの一部・全部が軸方向に回転可能であり、たとえば中心線軸を中心に回転し、回転速度が固体の流れパターン・熱輸送や物質輸送に影響を与えうる。
各ゾーンは、フライトがゾーンのそれぞれにおいて別々に調節可能な固体の攪拌を提供でき、内壁に配置されたフライトにより構成できる。
【0705】
追加の実施形態では、オーガ・スクリュ・パドルコンベヤなど、固体を攪拌する代替手段を使用できる。
特定の本実施例では、デバイスは、各ゾーン全体に配置された単一の連続オーガを含む。
追加の実施形態では、デバイス・リアクタは、各ゾーン全体に配置されたツインスクリュを含む。
【0706】
特定の実施形態では、システムは、その構造を破壊したり著しく損傷することなく炭素源原料を処理するために、過程全体を通して供給材料のおおよそのサイズを維持するように構成できる。
追加の実施形態では、熱分解ゾーンは、熱分解される供給材料のサイズを大幅に縮小するおそれのあるオーガ・スクリュ・レーキを含まない。
【0707】
特定の実施形態では、システムは、凝縮性蒸気・非凝縮性ガスを除去する出口と動作可能に連通して配置された過程ガス加熱器をさらに含む。
過程ガス加熱器は、天然ガスなどの別個の燃料と、空気などの酸化剤とを燃焼室に収容するよう構成でき、燃料と凝縮性蒸気の少なくとも一部との燃焼に適合できる。
さらに、COやCH4などの特定の非凝縮性ガスも、CO2に酸化されうる。
【0708】
特定の実施形態では、過程ガス加熱器が使用される場合、システムは、過程ガス加熱器とドライヤの間に配置された熱交換器を含みうり、燃焼による熱の少なくとも一部をドライヤにて利用するよう構成できる。
この実施形態は、過程の全体的なエネルギー効率に大きく貢献できる。
【0709】
特定の実施形態では、システムは、冷却器と動作可能に連通して配置された物質濃縮ユニットをさらに備える。
凝縮性蒸気を、少なくとも一部が凝縮された形で、炭素材料の固体と結合できる。
材料濃縮ユニットは、炭素回収ユニットから得られる活性炭の炭素含有量を増加できる。
【0710】
特定の実施形態では、システムは、活性炭をさらに熱分解してその炭素含有量を増加させる別個の熱分解ゾーンを、さらに有してもよい。
別個の熱分解ゾーンは、タンク・バレル・ビン・ドラム・トート・サック・ロールオフなどの比較的単純なコンテナ・ユニット・デバイスでよい。
【0711】
特定の実施形態では、システム全体が位置固定されていてもよく、移動可能でもよい。
さらに、システムは、商業規模を拡大できるよう単純に複製できるモジュールを使用して構成できる。
特定の実施形態においては、処理産業において知られているように、「規模の経済の原則」(economy-of-scale principle)を使用してシステムを構成することもできる。
【0712】
追加の実施形態では、分離技術は、蒸留カラム・フラッシュコンテナ・遠心分離機・サイクロン・膜・フィルタ・充填床・キャピラリーカラム(capillary columns)を含んだり使用することができる。
さらに、分離は、主に蒸留・吸収・吸着・拡散などに基づくことができ、蒸気圧・活性・分子量・密度・粘度・極性・化学的機能性・固定相への親和性・それらの任意の組合せに基づいてもよい。
【0713】
特定の実施形態では、相対揮発性に基づき、第1出力流・第2出力流を中間供給流から分離できる。
たとえば、分離ユニットは、蒸留塔・フラッシュタンク・凝縮器でもよい。
【0714】
ある実施形態では、第1出力流・第2出力流は、相対的な極性に基づいて分離された中間供給流でもよい。
たとえば、分離ユニットは、ストリップ塔(stripping column)・充填ベッド・クロマトグラフィーカラム・膜でもよい。
【0715】
特定の実施形態では、第1出力流は「極性化合物」を含み、第2出力流は「非極性化合物」を含む。
「極性化合物」は、メタノール・フルフラール・酢酸からなる群から選択される少なくとも1つの炭素含有分子を含みうる。
「非極性化合物」は、一酸化炭素・二酸化炭素・メタン・テルペン・テルペン誘導体(terpene derivative)からなる群から選択される少なくとも1つの炭素含有分子を含みうる。
【0716】
特定の実施形態では、過程・処理において使用するべく、1つ以上の非凝縮性ガスまたは凝縮性蒸気を回収するためのさらなる分離を実行できる。
たとえば、精製されたCO・合成ガスを生成するためのさらなる処理を含んでもよい。
【0717】
特定の実施形態では、酢酸を分離した後、酢酸をエタノールに還元できる。
この酢酸の減少を使用して、達成できる。
【0718】
特定の実施形態では、活性炭生成システムは、
(a)炭素源供給原料を導入するように構成された材料供給システムと、
(b)炭素源供給原料内に含まれる水分を除去するように構成された、上記の材料供給システムと動作可能に連通して配置された任意選択可能なドライヤと、
(c)上記のドライヤと動作可能に連通して配置されたデバイスであって、空間的に分離された冷却ゾーンと動作可能に連通して配置された熱分解ゾーンを少なくとも含み、炭素固体からの凝縮性蒸気・非凝縮性ガスを除去するための出口を有する当該デバイスと、
(d)デバイスと動作可能に通信するように配置された冷却器と、
(e)炭素含有量が増加した濃縮固体を形成するために、凝縮性蒸気・非凝縮性ガスを固体全体に通過させるように構成された、冷却器と動作可能に連通して配置された炭素源物質濃縮ユニットと、
(f)物質濃縮ユニットと動作可能に連通して配置された炭素回収ユニットと、
を備える。
【0719】
システムは、「熱分解ゾーンと連係可能な予熱ゾーン」をさらに組込むことができる。
追加の実施形態では、ドライヤは、デバイス内の乾燥ゾーンとして構成できる。
各ゾーンは、単一のデバイス内または別のデバイス内に配置でき、さらに冷却器をデバイス内に配置できる。
【0720】
特定の実施形態では、固相に対して向流の気相流を生成するために、冷却ゾーンはガス入口を備え、熱分解ゾーンはガス出口を備える。
追加の実施形態では、予熱ゾーン・乾燥ゾーン・ドライヤはガス出口を備えるよう構成され、固相に対して向流の気相流を生成できる。
【0721】
熱分解に続く追加の実施形態では、活性炭を粉砕して粉末にできる。
この例における「微粉化」は、平均粒子サイズを減少させて粒子形状を均一にするための任意のサイジング・ミリング・粉砕・破砕・押出し・その他の主に機械的処理を含む。
特定の実施形態では、機械的処理は、化学力や電気力により補助できる。
微粉化は、熱分解された固体の形成とは異なる箇所でおこなわれるバッチ式・連続・半連続過程でもよい。
【0722】
特定の実施形態では、過程・製品・その両方に添加剤を組込むことができる。
追加の実施形態では、活性炭は、過程中に組込まれる少なくとも1つの過程添加剤を含む。
【0723】
特定の実施形態では、分離過程は、布フィルタ・静電沈降(ESP)などの「濾過」(filtration)を含みうる。
バグハウス(baghouses)としても知られる布フィルタは、加工布フィルタチューブ・エンベロープ・カートリッジを使用してもよい。
さらに、パルスジェット・シェーカースタイル・リバースエアシステムなどの他種類のバグフィルタでもよい。
過程における分離は、スクラビングを含んでもよい。
【0724】
特定の実施形態では、誘導静電荷力を使用して流動ガスから粒子を除去する、静電集塵器(electrostatic precipitator)や静電空気清浄機(electrostatic air cleaner)や粒子収集デバイス(particulate collection device)を、デバイスと組合せて使用できる。
静電集塵機は、非常に効率的なろ過デバイスであり、デバイスを通過するガス流を最小限に抑え、気流から細かい粒子状物質を容易に除去できる。
【0725】
特定の実施形態では、静電集塵器は、乾式デバイス・湿式デバイスの異なる態様・使用のためやデバイスのために使用できる。
湿式電気集塵機(wet electrostatic precipitator)は、飽和ガス流で作動し、工業過程ガス流から硫酸ミストなどの液滴を除去できる。
特定の実施形態では、湿式電気集塵器は、ガスの水分含有量が高い場合、可燃性粒子を含む場合、粘着性の粒子を有する場合に有用である。
【0726】
特定の実施形態では、汚染物質吸着炭素粒子を処理して、活性炭粒子を再生できる。
追加の実施形態では、汚染物質吸着炭素粒子を熱酸化してもよい。
汚染物質が吸着された炭素粒子の再生形態は、さらに燃焼してエネルギーを供給できる。
【0727】
特定の実施形態において、特に水銀除去に関して、活性炭組成物を使用して水銀排出の削減方法は、以下の過程を含む。
(a)鉄や鉄含有化合物を有する複合材料を含む活性炭を供給する過程。
(b)水銀を含む気相放出流を供給する過程。
(c)活性炭粒子を気相放出流に導入して、その少なくとも一部を吸着する過程。
水銀を活性炭粒子に付着させ、それによって気相放出流内に水銀吸着炭素粒子を生成する。
(d)水銀吸着炭素粒子の少なくとも一部を、静電集塵・濾過を用いて気相排出流から分離し、水銀低減気相排出流を生成する。
【0728】
追加の実施形態では、活性炭組成物を使用して水銀などの排出物を削減する方法は、活性炭を燃料源として使用してもよい。
追加の実施形態では、活性炭生成物の高い発熱量は、潜在的な汚染物質を吸着・吸収・化学吸着によって排出物を削減でき、それを利用することができる。
一実施形態では、活性炭製品は、燃料源や水銀制御製品として使用される場合、発電所から少なくとも70%の水銀を放出されることを防止する。
たとえば、約70%・約75%・約80%・約85%・約90%・約95%・約96%・約97%・約98%・約98.5%・約99%・約99.1%・約99.2%・約99.3%・約99.4%・約99.5%・約99.6%・約99.7%・約99.8%・約99.9%・約99.9%以上である。
【0729】
特定の実施形態では、磁性活性炭生成物を灰流から分離できる。
セメント中のフライアッシュの使用に関するASTM規格下では、フライアッシュ(fly ash)は石炭製品に由来することが必要となる。
【0730】
特定の実施形態では、統合的手法か逐次的手法により、同じ活性炭を複数の過程で使用できる。
活性炭は、性能材料としての耐用年数が終了した後、エネルギーのための燃焼過程や金属過程などに導入できる。
【0731】
特定の実施形態では、液体濾過は活性炭により行うことができ、水などの水性液体でもよい。
追加の実施形態では、水は、金属採掘・酸性鉱山排水・鉱物処理・都市下水処理・パルプ・製紙・エタノール・任意の他の工業過程からなる群から選択される過程に関連する廃水である。
【0732】
後述する説明は、活性炭の潜在的な用途に関して限定するものではない。
ガス流への活性炭の注入は、石炭火力発電所・バイオマス火力発電所・金属加工工場・原油精製所・化学工場・ポリマ工場・紙パルプ工場・セメント工場・廃棄物焼却炉・食品加工工場・ガス化工場・合成ガス工場などに由来するガス流や液体流の汚染物質の排出制御に利用できる。
本質的に、エネルギーや熱の発生のために化石燃料・バイオマスを使用する産業過程・現場は、本願の活性炭によるガス処理から利益を得られる。
液相用途では、液体流を使用・生成する多くの工業過程が、本願の活性炭の処理により恩恵を受けられる。
【0733】
本実施例では、活性炭は、静電集塵器・布フィルタなどの粒子状物質制御デバイスの上流にあるダクト内などに注入できる。
追加の実施形態では、乾式・湿式の燃料ガス脱硫システムは、活性炭注入点の下流にあってもよい。
追加の実施形態では、活性炭は、粉末として空気圧注入できる。
【0734】
本開示によって提供される活性炭は、広範囲の商業的用途を有する。
非限定的な例示として、活性炭は、排出制御・水精製・地下水処理・廃水処理・エアストリッパー用途・PCB除去用途・臭気除去用途・土壌蒸気抽出・製造ガスプラント・工業用水のろ過・工業用燻蒸・タンク・過程ベント・ポンプ・送風機・フィルタ・プレフィルタ・ミストフィルタ・配管・配管モジュール・吸収体・カラム・バッテリ・キャパシタ・スーパーキャパシタ、に利用できる。
【0735】
エネルギー貯蔵生産デバイスは、エネルギー貯蔵デバイスを製造するためのさまざまな態様を含んでもよい。
たとえば、所望の活性炭の製造・材料混合・電極や電流コレクタの巻取・圧延・切断・積層などの材料適用・エネルギー貯蔵デバイスとその中身の組立・溶接や電流コレクタのリード・端子・電解質混合・液体電解質の注入または飽和・コンテナの密封・真空機能能力・スーパーキャパシタやバッテリなどの完成したエネルギー貯蔵デバイスの製造、である。
【0736】
デバイスは、「原材料から、完成品のエネルギー貯蔵デバイスへの連続的動作」を含み、過程のすべてについてデバイスが機械的接続されていたり、デバイスが「複数の異なる個々のセクションや個々のゾーン」・「個々の過程」・「連続した過程」・「単一や複数のデバイス」に分かれていてもよい。
さらに、さまざまな実施形態は、未加工の炭素源から「事前設計された活性炭」や「完成した電極材料」や「混合剤」までを連続して製造する製造過程を含みうり、さらには「エネルギー貯蔵デバイス」を構成して完成させるためのさらなる製造過程を含みうる。
ここで、スーパーキャパシタは、好適な「エネルギー貯蔵デバイス」である。
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