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特許7580096エンディングノート作成支援プログラム、その方法及びそのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】エンディングノート作成支援プログラム、その方法及びそのシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241101BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024078465
(22)【出願日】2024-05-14
【審査請求日】2024-05-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517369298
【氏名又は名称】株式会社アナザーウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 晶
【審査官】山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-215891(JP,A)
【文献】特開2023-106704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエンディングノートデータを対象者に提供する第1の工程と、
前記対象者からの要求を基に前記第1のエンディングノートデータを編集した第2のエンディングノートデータを生成する第2の工程と、
前記対象者の状況変化を示す状況変化データを取得する第3の工程と、
前記第3の工程で取得した前記状況変化データを基に、前記第2のエンディングノートデータを更新して第3のエンディングノートデータを生成する第4の工程と、
をコンピュータに実行させるエンディングノート作成支援プログラム。
【請求項2】
前記第の工程で取得した前記状況変化データを基に、前記第2のエンディングノートデータうち、前記対象者に更新を促す箇所を示す更新提案箇所情報を前記対象者に提供する処理を行う第の工程
を前記コンピュータに実行させ、
前記第の工程で、前記第の工程で提供された前記更新提案箇所情報を基に前記対象者が行った変更操作に応じて、前記第3のエンディングノートデータを生成する
請求項1に記載のエンディングノート作成支援プログラム。
【請求項3】
前記対象者から取得した対象者情報と前記状況変化データと前記更新の内容とを関連付けて履歴情報として記憶する第の工程と、
前記第の工程で取得した状況変化データと前記対象者情報と類似度が高い前記履歴情報を特定し、当該履歴情報の前記更新の内容を参考情報として前記対象者に提供する第の工程と
を前記コンピュータに実行させる
請求項2に記載のエンディングノート作成支援プログラム。
【請求項4】
前記第の工程は、
前記対象者情報に加えて、前記対象者が関係者に伝えるメッセージ、当該対象者の目標、前記エンディングノートデータの更新履歴情報のうち少なくとも一つと類似度が高い前記履歴情報を特定する
請求項3に記載のエンディングノート作成支援プログラム。
【請求項5】
前記第1~3のいずれかのエンディングノートデータを、前記対象者が許可した人である権限者に提供する第の工程と、
前記権限者からの要求に応じて、前記エンディングノートデータの更新案を生成し、前記対象者に提供する第の工程と
を前記コンピュータに実行させる
請求項4に記載のエンディングノート作成支援プログラム。
【請求項6】
前記第2のエンディングノートデータ及び前記第3のエンディングノートデータの少なくとも一方を、予め権限があるユーザに、当該ユーザに予め権限が与えられた範囲で閲覧を可する第1の工程と
を前記コンピュータに実行させる
請求項5に記載のエンディングノート作成支援プログラム。
【請求項7】
前記第の工程で取得した前記状況変化データは、前記対象者又はその関係者から入力された情報、又は前記対象者情報を基に自動的に生成された情報であり
前記対象者が死亡したという情報が入力されると、前記権限者に通知をする第11の工程
をさらに有する請求項に記載のエンディングノート作成支援プログラム。
【請求項8】
対象者に関する対象者情報を取得する第1の工程と、
前記第1の工程で取得した対象者情報を基に、第1のエンディングノートデータを選択又は生成する第2の工程と、
記第1のエンディングノートデータを前記対象者に提供する第3の工程と、
前記対象者からの要求を基に前記第1のエンディングノートデータを編集した第2のエンディングノートデータを生成する第4の工程と、
前記対象者の状況変化を示す状況変化データを取得する第5の工程と、
前記第5の工程で取得した前記状況変化データを基に、前記第2のエンディングノートデータを更新して第3のエンディングノートデータを生成する第6の工程と、
をコンピュータに実行させるエンディングノート作成支援プログラム。
【請求項9】
第1のエンディングノートデータを対象者に提供する第1の工程と、
前記対象者からの要求を基に前記第1のエンディングノートデータを編集した第2のエンディングノートデータを生成する第2の工程と、
前記対象者の状況変化を示す状況変化データを取得する第3の工程と、
前記第3の工程で取得した前記状況変化データを基に、前記第2のエンディングノートデータを更新して第3のエンディングノートデータを生成する第4の工程と、
をコンピュータに実行させるエンディングノート作成支援方法
【請求項10】
第1のエンディングノートデータを対象者に提供する第1の手段と、
前記対象者からの要求を基に前記第1のエンディングノートデータを編集した第2のエンディングノートデータを生成する第2の手段と、
前記対象者の状況変化を示す状況変化データを取得する第3の手段と、
前記第3の手段で取得した前記状況変化データを基に、前記第2のエンディングノートデータを更新して第3のエンディングノートデータを生成する第4の手段と
を有するエンディングノート作成支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンディングノートの作成支援をするエンディングノート作成支援プログラム、その方法及びそのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、人生の気持ちを整理するエンディングノートが使われている。
このようなエンディングノートは適切に活用すれば、対象者が充実した余生を送れたり、対象者の死亡後に家族等の関係者が迅速に必要な手続きがとれるというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-74101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、エンディングノートが使われているが、十分に活用できていない状況である。
これは、エンディングノートは多くの人たちが持っているが、書き方がわからないため、記載されていないという問題がある。
また、エンディングノートを作成してから、想定外の状況変化が生じた場合に、エンディングノートを書き直す負担が大きいという問題がある。
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みてなされ、対象者の状況が変化した場合でも、適宜対応できるエンディングノート作成支援プログラム、その方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1のエンディングノートデータを対象者に提供する第1の工程と、前記対象者からの要求を基に前記第1のエンディングノートデータを編集した第2のエンディングノートデータを生成する第2の工程と、前記対象者の状況変化を示す状況変化データを取得する第3の工程と、前記第3の工程で取得した前記状況変化データを基に、前記第2のエンディングノートデータを更新して第3のエンディングノートデータを生成する第4の工程と、をコンピュータに実行させるエンディングノート作成支援プログラムである。
【0007】
好適には、前記第5の工程で取得した前記状況変化データを基に、前記第2のエンディングノートデータうち、前記対象者に更新を促す箇所を示す更新提案箇所情報を前記対象者に提供する処理を行う第7の工程を前記コンピュータに実行させ、前記第6の工程で、前記第7の工程で提供された前記更新提案箇所情報を基に前記対象者が行った変更操作に応じて、前記第3のエンディングノートデータを生成する。
【0008】
好適には、前記対象者についての前記対象者情報と前記状況変化データと前記更新の内容とを関連付けて履歴情報として記憶する第7の工程と、前記第5の工程で取得した状況変化データと前記対象者情報と類似度が高い前記履歴情報を特定し、当該履歴情報の前記更新内容を参考情報として前記対象者に提供する第8の工程とを前記コンピュータに実行させる。
【0009】
好適には、前記第8の工程は、前記対象者情報に加えて、前記対象者が関係者に伝えるメッセージ、当該対象者の目標、前記エンディングノートの更新履歴情報のうち少なくとも一つと類似度が高い前記履歴情報を特定する。
【0010】
好適には、前記第1~3のいずれかのエンディングノートを、前記対象者が許可した人である権限者に提供する第9の工程と、前記権限者からの要求に応じて、前記エンディングノートの更新案を生成し、前記対象者に提供する第10の工程とを前記コンピュータに実行させる。
【0011】
好適には、前記第2のエンディングノートデータ及び前記第3のエンディングノートデータの少なくとも一方を、予め権限があるユーザに、当該ユーザに予め権限が与えられた範囲で閲覧可能する第11の工程とを前記コンピュータに実行させる。
【0012】
好適には、前記第5の工程で取得した前記状況変化データは、前記対象者又はその関係者から入力された情報、又は前記対象者情報を基に自動的に生成された情報である。
【0013】
好適には、前記対象者が死亡したという情報が入力されると、前記権限者に通知をする第12の工程をさらに有する。
【0014】
本発明は、第1のエンディングノートデータを対象者に提供する第1の工程と、前記対象者からの要求を基に前記第1のエンディングノートデータを編集した第2のエンディングノートデータを生成する第2の工程と、前記対象者の状況変化を示す状況変化データを取得する第3の工程と、前記第3の工程で取得した前記状況変化データを基に、前記第2のエンディングノートデータを更新して第3のエンディングノートデータを生成する第4の工程と、をコンピュータに実行させるエンディングノート作成支援方法である
【0015】
本発明は、第1のエンディングノートデータを対象者に提供する第1の手段と、前記対象者からの要求を基に前記第1のエンディングノートデータを編集した第2のエンディングノートデータを生成する第2の手段と、前記対象者の状況変化を示す状況変化データを取得する第3の手段と、前記第3の手段で取得した前記状況変化データを基に、前記第2のエンディングノートデータを更新して第3のエンディングノートデータを生成する第4の手段とを有するエンディングノート作成支援システムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、対象者の状況が変化した場合でも、適宜対応できるエンディングノート作成支援プログラム、その方法及びシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の実施形態に係るエンディングノート支援システム11が使用される環境を説明するための図である。
図2図2は、本実施形態に係るエンディングノート支援システム11におけるエンディングノート作成を説明するための図である。
図3図3は、本実施形態に係るエンディングノート支援システム11における関係者共同編集機能を説明するための図である。
図4図4は、本実施形態に係るエンディングノート支援システム11における更新リマインド機能を説明するための図である。
図5図5は、本実施形態に係るエンディングノート支援システム11におけるメッセージ機能を説明するための図である。
図6図6は、本実施形態に係るエンディングノート支援システム11におけるビックデータ活用、リコメンド機能を説明するための図である。
図7図7は、本実施形態に係るエンディングノート支援システム11におけるビックデータ活用、リコメンド機能を説明するための図である。
図8図8は、エンディングノート支援システム11が提供するエンディングノートの各ページへのアクセス権を説明するための図である。
図9図9は、図1に示すエンディングノート支援システム11の機能ブロック図である。
図10図10は、本実施形態のエンディングノート支援システム11の基本処理を説明するためのフローチャート図である。
図11図11は、本実施形態のエンディングノート支援システム11において、エンディングノートを権限保有者に共有する処理を説明するためのフローチャート図である。
図12図12は、本実施形態のエンディングノート支援システム11の状況変化時における更新箇所提案処理を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係るエンディングノート支援システムについて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るエンディングノート支援システム11が使用される環境を説明するための図である。
【0019】
図2は、本実施形態に係るエンディングノート支援システム11におけるエンディングノート作成を説明するための図である。
図2に示すように、エンディングノート支援システム11は、例えば、対象者がエンディングノートに含めるページを選択等することで、その選択したページを自動的に追加する機能を有する。
【0020】
図3は、本実施形態に係るエンディングノート支援システム11における関係者共同編集機能を説明するための図である。
図3に示すように、エンディングノート支援システム11は、例えば、専門家・家族等の関係者の支援でサポート編集する機能を有する。エンディングノートのページ項目毎に、共同編集者を招待し、共同で編集することが可能である。家族が専門家に内容の制度等を相談しながら作成できる。
【0021】
図4は、本実施形態に係るエンディングノート支援システム11における更新リマインド機能を説明するための図である。
図4に示すように、エンディングノート支援システム11は、例えば、エンディングノートを一度作成して終わりとするのではなく、下記の情報などでリマインドメールを対象者や関係者に送信し、その回答を基に更新する機能を有する(進化成長する)。
・自分の生年月日と年齢の区切り 還暦 70才 75才 80才等
・自分の保険屋定期預金の満了日
・家族・孫の誕生日 社会人入社月、家族の誕生日、孫の入学、卒業、成人式、友人などとの記念日 など
【0022】
図5は、本実施形態に係るエンディングノート支援システム11におけるメッセージ機能を説明するための図である。
図5に示すように、エンディングノート支援システム11は、例えば、以下のようなメッセージを送信する。
家族、友人等へのメッセージを手紙や動画で残せる。保険会社連携。
基本情報以外の、エンディングノート作成者の思いを伝える、手紙情報、動画等を保存でき、そして、配信先を登録することで死亡時に、エモーショナルなメッセージが送られる仕組み。
死亡は、家族が、本システムにアクセスするキーで開いた時、または、事前許諾の生命保険会社が死亡保険申請を受けた時である。
なお、保険金等の請求に必要な書類は、事前に、対象者又はその関係者からエンディングノート支援システム11の事業者に提供される。
【0023】
図6及び図7は、本実施形態に係るエンディングノート支援システム11におけるビックデータ活用、リコメンド機能を説明するための図である。
図6及び図7に示すように、エンディングノート支援システム11は、クラウドで、a基本情報×b自分のメッセージ×c自分の目標×d更新履歴をデータを基に、類似のケースを検索する。
他のビックデータと連携して、将来的に、各人に最適な、エンディングノート内容のAIリコメンデーション機能を持つ。
【0024】
図8は、エンディングノート支援システム11が提供するエンディングノートの各ページへのアクセス権を説明するための図である。
図8に示すように、エンディングノート支援システム11は、エンディングノートの各ページのアクセス権を、対象者本人、家族、専門家等の関係者毎に規定し、制限している。
【0025】
図9は、図1に示すエンディングノート支援システム11の機能ブロック図である。
図9に示すように、エンディングノート支援システム11は、例えば、通信部55、入力部57、メモリ59及び処理部61を有する。
【0026】
通信部55は、例えば、対象者端末装置4,家族端末装置6,専門家端末装置8と通信を行う。
入力部77は、外部からデータを入力する端子や、操作手段である。
メモリ79は、処理部61が実行するエンディングノート作成支援プログラムを記憶する。
処理部71は、メモリ59に記憶されたエンディングノート作成支援プログラムPRGを実行して、本実施形態で規定するエンディングノート支援システム11の処理を行う。
【0027】
以下、エンディングノート支援システム11の処理について説明する。
<基本処理>
図10は、本実施形態のエンディングノート支援システム11の基本処理を説明するためのフローチャート図である。
各ステップについて説明する。
【0028】
ステップST11:
エンディングノート支援システム11は、対象者端末装置4から当該対象者の対象者情報を受信する。
当該対象者情報は、例えば、当該対象者の生年月日、住所、連絡先、家族情報、保険情報等の属性情報である。
エンディングノート支援システム11は、図9に示す通信部75にて対象者端末装置4から対象者情報を受信し、メモリ79に記憶する。
【0029】
ステップST12:
エンディングノート支援システム11の処理部81は、ステップST11で受信した対象者情報を基に、第1のエンディングノートを生成する。
具体的には、ベースとなるエンディングノートに対して対象者情報の各情報を関連付け、当該対象者情報に保険等の情報がある場合には、保険ページ等を追加して第1のエンディングノートを生成する。
【0030】
ステップST13:
エンディングノート支援システム11は、通信部75を介して、第1のエンディングノートを対象者端末装置4に提供する。
対象者端末装置4は、当該第1のエンディングノートを画面表示する。対象者は、画面表示された第1のエンディングノートを見て内容を確認する。
【0031】
ステップST14:
対象者は、第1のエンディングノートを見て編集したい箇所があれば、その内容を特定した編集要求を対象者端末装置4に入力してエンディングノート支援システム11に送信する。
エンディングノート支援システム11は、対象者端末装置4から受信した編集要求をメモリ79に記憶する。
【0032】
ステップST15:
エンディングノート支援システム11の処理部81は、ステップST14で受信した編集要求に基づいて、当該編集要求に係る第1のエンディングノートの箇所を編集して第2のエンディングノートを生成する。
処理部81は、当該第2のエンディングノートをメモリ79に記憶する。
【0033】
ステップST16:
エンディングノート支援システム11の処理部81は、状況変化が生じたと判断すると、ステップST17に進む。
当該状況変化は、例えば、対象者、家族や専門家等の関係者等から取得した情報を基に、処理部81を判断する。
例えば、対象者自身の健康状態、その配偶者の健康状態、保険の満了、財産状況等の状況の変化を判断する。
処理部81は、状況変化があったと判断すると、ステップST17に進む。
本実施形態において、専門家は、対象者、保険会社、弁護士、司法書士、税理士等の士業、病院、葬儀、不動産等の専門家である。
【0034】
ステップST17:
処理部81は、ステップST17で特定した状況変化の内容に応じて、第2のエンディングノートを更新や編集して第3のエンディングノートを生成する。
このとき、処理部81は、状況変化の内容に応じて、第2のエンディングノートを更新や編集するためのリコメンド情報を対象者端末装置4や家族端末装置6に送信する。
【0035】
当該リコメンドは、例えば、対象者情報、状況変化等に応じて対応付けられて準備された情報である。また、他人の対象者情報や状況変化等と類似度が高い、他の対象者が過去に採用した更新や編集の内容を検索して利用してもよい。
エンディングノート支援システム11は、相互に比較する情報のうち、一致数が高い情報を相互に類似度が高いとして判断する。
【0036】
ステップST18:
処理部81は、当該対象者の対象者情報と、状況変化情報と、更新や編集の内容等を関連付けてメモリ79に記憶する。
【0037】
エンディングノート支援システム11は、対象者の属性等の対象者情報、その対象者の状況変化情報、エンディングノートの更新履歴情報、資産情報、専門家のリコメンド情報が相互に関連付けて、メモリ79に記憶する。これらの情報は、ビックデータ(参考情報)として使用される。
【0038】
以上説明したように、エンディングノート支援システム11によれば、エンディングノートを作成した後に、対象者等の状況変化に応じてエンディングノートを更新することを支援する機能を備えたことで、対象者は状況変化に応じてエンディングノートを容易に更新できる。
これにより、状況変化に応じてアップデートされたエンディングノートを使用することができ、当該エンディングノートを基に、対象者が理想とする余生を送ることを支援できる。
【0039】
<権限保有者共有処理>
図11は、本実施形態のエンディングノート支援システム11において、エンディングノートを権限保有者に共有する処理を説明するためのフローチャート図である。
各ステップについて説明する。
【0040】
ステップST21:
エンディングノート支援システム11は、家族端末装置6や専門家端末装置8を操作する権限保有者からアクセス要求を受けると、当該権限保有者に対して、当該権限保有者が権限を持つ範囲においてエンディングノートを提供する。
【0041】
ステップST22:
エンディングノート支援システム11は、家族や専門家等の権限保有者による家族端末装置6や専門家端末装置8の操作に応じて、権限保有者からエンディングノートに関する質問や提案を示す要求を受信すると、ステップST23に進む。
【0042】
ステップST23:
エンディングノート支援システム11は、ステップST22で受信した質問や提案を示す要求を、権限を有する対象者、家族及び専門家に共有する処理を行う。
これにより、関係者が、これらの情報を共有し、オンライン又はオフラインで話し合うことができる。
【0043】
ステップST24:
エンディングノート支援システム11は、権限を有する対象者、家族及び専門家に対して、エンディングノートに関するリコメンド(提案)する処理を行ってもよい。
当該リコメンドは、例えば、対象者情報、質問や関係者からの提案等に応じて対応付けられて準備された情報である。また、他人の対象者情報、質問や関係者からの提案等と類似度が高い、他の対象者が過去に採用した更新や編集の内容を検索して利用してもよい。
【0044】
以上説明したように、エンディングノート支援システム11によれば、対象者が作成したエンディングノートを家族や専門家と共有できることから、これらの協力を得ながら実行可能な現実的なエンディングノートを作成することができる。
【0045】
<更新箇所提案処理>
図12は、本実施形態のエンディングノート支援システム11の状況変化時における更新箇所提案処理を説明するためのフローチャート図である。
各ステップについて説明する。
【0046】
ステップST31:
図10のステップST16で状況変化が生じたと処理部81が判断すると、ステップST17に進む。
【0047】
ステップST32:
処理部81は、ステップST31で取得した状況変化データを基に、最新のエンディングノート(第2のエンディングノートデータ)のなかで、対象者に更新を促す箇所を特定する。
例えば、処理部81は、状況変換データに含まれるキーワード等を基に、どのような状況変化の分類に属するかを確認し、当該分類に関係するエンディングノートの箇所(ページ、項目、欄等)を更新を促す箇所として特定する。
【0048】
ステップST33:
処理部81は、ステップST31で特定した箇所を、対象者、家族、専門家が特定できる情報を、当該対象者、家族、専門家の端末装置に送信する。
対象者、家族、専門家は、当該情報を基に、端末装置を操作して、状況変化に応じたエンディングノートの編集(変更)操作を行う。
処理部81は、当該操作に応じたエンディングノートを更新する(第3のエンディングノートを生成する)。
【0049】
以上説明したように、エンディングノート支援システム11によれば、状況変化が生じた場合に、エンディングノートのなかのどの部分が、当該状況変化に関係する箇所かを対象者等に特定させることができ、状況変化に応じたエンディングノートの更新が容易になる。
【0050】
<死亡通知処理>
エンディングノート支援システム11は、対象者が死亡したという情報が入力されると、その旨を家族端末装置6及び専門家端末装置8等の権限者に通知する。
エンディングノート支援システム11は、対象者から、家族、友人等へのメッセージを手紙情報や動画で取得してデータベースに記憶している。エンディングノート支援システム11は、死亡通知とともに、これらの情報をデータベースから読み出して、所定の家族等に配信する。
エンディングノート支援システム11への対象者の死亡情報の入力は、例えば、家族が、本システムにアクセスするキーで開いた時、または、事前許諾の生命保険会社が死亡保険申請を受けた時に行われる。
【0051】
このような死亡通知機能を備えたことで、対象者が死亡した際に、関係者に対して即座に通知ができ、その後、迅速に対応ができる。
【0052】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、エンディングノートの作成支援システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
4…対象者端末装置
6…家族端末装置
8…専門家端末装置
11…エンディングノート支援システム
75…通信部
77…入力部
79…メモリ
81…処理部

【要約】
【課題】 対象者の状況が変化した場合でも、適宜対応できるエンディングノート作成支援プログラムを提供する。
【解決手段】
対象者情報を基に、第1のエンディングノートデータを選択又は生成し、これを対象者に提供する。対象者からの要求を基に第1のエンディングノートデータを編集した第2のエンディングノートデータを生成し、対象者及び関係者に提供する。対象者の状況変化を示す状況変化データを取得すると、当該状況変化データを基に第2のエンディングノートデータを更新して第3のエンディングノートデータを生成する。
【選択図】図10
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12