(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】具材加熱器
(51)【国際特許分類】
A47J 36/06 20060101AFI20241101BHJP
A47J 27/00 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
A47J36/06 Z
A47J27/00 101A
(21)【出願番号】P 2019122775
(22)【出願日】2019-07-01
【審査請求日】2022-06-26
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】318011934
【氏名又は名称】木村 壮太
(74)【代理人】
【識別番号】100205523
【氏名又は名称】木村 浩也
(72)【発明者】
【氏名】木村 壮太
【合議体】
【審判長】河端 賢
【審判官】倉橋 紀夫
【審判官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】実公昭11-9420(JP,Y1)
【文献】実公昭10-4903(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 33/00
A47J 36/06
A47J 27/00
A47J 27/13
B65D 51/28
A45C 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口部を有する容器と、
前記開口部を閉蓋する蓋体と、
前記蓋体の縁部分に前記蓋体を開閉するための取っ手と、
前記蓋体の中心に液体もしくは半固形の包装物の設置が可能となるスリットと、
を備えることを特徴とする具材加熱器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被調理食材として乾麺を調理する際に具材を加熱する具材加熱器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乾麺等の被調理食材を調理する調理器としては、蓋部が開閉しやすいように蓋の上部に取っ手があり、例えば蓋の中心に取っ手を取り付け、熱が人の手に伝わりにくいように形成されたものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の調理器は上部に熱が滞留しやすく、取っ手に熱が伝わるため、調理直後は取っ手を熱が伝わりにくい素材に変更しない限り、取っ手を直接手で触れることができない。
【0005】
また、乾麺調理用のレトルトパック包装ソースが市販されているが、調理の際に別個の鍋や電子レンジ等でレトルトパック包装ソースを加熱する必要があり、より多くの調理器具が必要となる上に、手間も要する。
【0006】
そこで、本発明は、取っ手に熱が伝わりにくいだけでなく、その熱を使いレトルトパック包装ソースを加熱することによって、上記2つ課題を同時に解決する具材加熱器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は上部に開口部を有する容器と、前記開口部を閉蓋する蓋体と、前記蓋体の縁部分に前記蓋体を開閉するための取っ手と、前記蓋体の中心に液体もしくは半固形の包装物の設置が可能となるスリットと、を備えることを特徴としている。
【0008】
前記スリットは、パスタソース等を差し込むために設けられる。パスタソース等を蓋部にのせて熱を加えるため、熱伝導性が良い素材としても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、乾麺を調理する際に、熱が滞留している蓋部上面のくぼみ、もしくは蓋面のスリットにレトルトパック包装ソースを設置することが可能となり、乾麺の調理をしながらレトルトパック包装ソースに熱が伝わることから、乾麺の調理中にソースの加熱が終了し、調理器具の削減、調理時間の短縮が可能となる。また取っ手は縁部に備えており、調理直後でも熱は蓋部スリットに設置されているソースに分散され、直接人の手で触れることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態中、実施例1での具材加熱器の断面図である。
【
図2】第1実施形態中、実施例1での具材加熱器の、蓋部の上面図である。
【
図3】第1実施形態中、実施例1でのパスタソースをのせた際の斜視図である
【
図4】第1実施形態中、実施例2でのパスタソースをのせた際の斜視図である
【
図5】第1実施形態中、実施例3でのパスタソースをのせた際の斜視図である
【
図6】第2実施形態中、実施例4での具材加熱器の断面図である。
【
図7】第2実施形態中、実施例4での具材加熱器の、蓋部の上面図 である。
【
図8】第2実施形態中、実施例4でのパスタソースをスリットに差し込んだ際の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。
[第1実施形態]
本実施形態では、被調理食材の乾麺としてパスタ、レトルトパック包装ソースとしてパスタソースを例にして説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、うどん、そば等、他の乾麺、もしくは米であっても良く、レトルトパック包装ソースはカレーや丼の具材でも良い。
【0012】
<実施例1>
図1は本発明の第1実施形態中、実施例1での具材加熱器1の断面図であり、当該具材加熱器1は、上部に開口部2を有する容器3と、前記開口部2を閉蓋する蓋体4と、蓋体縁部に取っ手5と、を備える。蓋体4はパスタソース等を安定してのせるために、縁部を土手のように盛り上げ、中央部はなだらかなカーブとして、縁部と中央部に高低差を持たせる。中央部をなだらかなカーブとしているため、特許文献1では中央部に取り付けられている取っ手は縁部に取り付ける。なお、中央部のカーブはパスタソース等が安定してのせることができれば、可能な限り平面に近づいてもよい。蓋体4は乾麺を茹でる必要があるため断熱性を持つ素材が好ましいが、本実施形態ではパスタソース等を蓋部にのせて熱を加えるため、熱伝導性が良い素材としても良い。
【0013】
図2は、第1実施形態中、実施例1での具材加熱器1の、蓋体4の上面図である。蓋体4は当該具材加熱器1上部の開口部2を閉蓋するため、開口部の形状とすることが望ましい。当実施形態としては円形のものと仮定する。前記のようにパスタソース等を安定してのせるために、縁部を土手のように盛り上げ、中央部はなだらかなカーブとして、縁部と中央部に高低差を持たせる。中央部をなだらかなカーブとしているため、特許文献1では中央部に取り付けられている取っ手は縁部に取り付ける。なお、
図1と同様に、中央部のカーブはパスタソース等が安定してのせることができれば、可能な限り平面に近づいてもよい。
【0014】
図3は、本発明の第1実施形態での実施例1で、縦型タイプの具材加熱器1にパスタソース等をのせた際の斜視図である。本実施形態では乾麺を調理する際、具材加熱器1内部にお湯などの熱源が入り、上部蓋体4の上にのせたパスタソース等に熱が伝導し、パスタソース等が温まる。なお
図1、2と同様に、中央部のカーブはパスタソース等が安定してのせることができれば、可能な限り平面に近づいてもよい。
【0015】
<実施例2>
図4は、本発明の第1実施形態での実施例2で、鍋タイプの具材加熱器1にパスタソース等をのせた際の斜視図である。実施例1と同様に、乾麺を調理する際、具材加熱器1内部にお湯などの熱源が入り、上部蓋体4の上にのせたパスタソース等に熱が伝導し、パスタソース等が温まる。
【0016】
<実施例3>
図5は、本発明の第1実施形態での実施例3で、横型タイプの具材加熱器にパスタソース等をのせた際の斜視図である。実施例1、2と同様に本実施形態では乾麺を調理する際、具材加熱器1内部にお湯などの熱源が入り、上部蓋体4の上にのせたパスタソース等に熱が伝導し、パスタソースが温まる
【0017】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。実施形態1と同様に、本実施形態では、被調理食材の乾麺としてパスタ、レトルトパック包装ソースとしてパスタソース等を例にして説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、うどん、そば等、他の乾麺、もしくは米であっても良く、レトルトパック包装ソースはカレーや丼の具材でも良い。
【0018】
<実施例4>
図6は本発明の第2実施形態中、実施例4での具材加熱器6の断面図であり、当該具材加熱器6は、上部に開口部7を有する容器8と、前記開口部7を閉蓋する蓋体9と、蓋体縁部に取っ手10と、を備える。蓋体9はパスタソースを蓋部中心部に差し込むため、スリット91を備え、パスタソース等の熱伝導性を高めている。スリットの幅は蓋体9の直径91Wと同じ大きさであり、深度91Dは蓋体9の高さ以下である。スリットの深度91Dは大きい方が望ましいが、蓋体9の強度を保つ程度のスリットの深度とする。中央部にスリットを備えパスタソース等を差し込むため、特許文献1では中央部に取り付けられている取っ手は縁部に取り付ける。蓋体9は乾麺を茹でる必要があるため断熱性を持つ素材が好ましいが、本実施形態ではパスタソース等を蓋部にのせて熱を加えるため、熱伝導性が良い素材としても良い。
【0019】
図7は、蓋体9の上面図である。蓋体9は当該具材加熱器6上部の開口部7を閉蓋するため、開口部の形状とすることが望ましい。当実施形態としては円形のものと仮定する。前記のようにパスタソース等を蓋部中心部に差し込むため、スリット91を備え、パスタソース等の熱伝導性を高めている。スリットの幅は蓋体9の直径91Wと同じ大きさであり、深度91Dは蓋体9の高さ以下である。スリット91の深度91Dは大きい方が望ましいが、蓋体9の強度を保つ程度のスリットの深度91Dとする。中央部にスリットを備えパスタソース等を差し込むため、特許文献1では中央部に取り付けられている取っ手は縁部に取り付ける。
【0020】
図8は、本発明の第2実施形態での実施例4で、パスタソース等をスリット91に差し込んだ際の斜視図である。本実施形態では乾麺を調理する際、具材加熱器6内部にお湯などの熱源が入り、上部蓋体9のスリット91に差し込んだパスタソース等に熱が伝導し、パスタソース等が温まる。
【0021】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 具材加熱器
2 具材加熱器開口部
3 具材加熱器容器
4 具材加熱器蓋部
5 具材加熱器取っ手
6 具材加熱器
7 具材加熱器開口部
8 具材加熱器容器
9 具材加熱器蓋部
10 具材加熱器取っ手
91 蓋部スリット
91W スリット幅
91D スリット深度