IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 伊東電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-倉庫装置 図1
  • 特許-倉庫装置 図2
  • 特許-倉庫装置 図3
  • 特許-倉庫装置 図4
  • 特許-倉庫装置 図5
  • 特許-倉庫装置 図6
  • 特許-倉庫装置 図7
  • 特許-倉庫装置 図8
  • 特許-倉庫装置 図9
  • 特許-倉庫装置 図10
  • 特許-倉庫装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】倉庫装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/06 20060101AFI20241101BHJP
【FI】
B65G1/06 511D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020035387
(22)【出願日】2020-03-02
(65)【公開番号】P2021138471
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊東 一夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 竜彦
(72)【発明者】
【氏名】西村 厚
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-061543(JP,A)
【文献】特開2002-284306(JP,A)
【文献】特開昭51-042273(JP,A)
【文献】特開2016-124677(JP,A)
【文献】特開2020-079149(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0051505(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフレーム部材を有し、前記フレーム部材は、複数の支柱と前記支柱同士をつなぐ梁部材を有し、
前記梁部材から垂下部材が垂下されており、
前記複数のフレーム部材が、略平行に並べられ、
隣接するフレーム部材の前記垂下部材間に、物品を載置する載置部材が、掛け渡されている棚部材が設置された倉庫装置であって、
前記載置部材は、コンベヤ装置であって、平行に配されたコンベヤフレームに、複数のローラが間隔をあけて取り付けられた、コンベヤ装置であり、
該コンベヤ装置には、2組の幅狭ベルト機構及び昇降機構を有する、台車部が配置され、
該2組の幅狭ベルト機構は、当該昇降機構によって上下に昇降し、降下位置にあるときには、該2組の幅狭ベルト機構は、該複数のローラの間の隙間に没入しており、さらに、
該コンベヤ装置の該ローラ上に物品が載置され、該物品は、ローラの搬送方向に移動することができ、また、該2組の幅狭ベルト機構を該隙間から上方へ突出させて、これに該物品の底面を載置せしめた後、該2組の狭ベルト機構を駆動することにより、該搬送方向とは交差する方向にも該物品を移動できる、倉庫装置。
【請求項2】
前記コンベヤ装置は、いくつかの前記ローラが、駆動ローラとして機能するモータ内蔵ローラであり、他のいくつかのローラが従動ローラであり、該モータ内蔵ローラを駆動することによって、すべての前記ローラが回転して、前記物品を移動できる、請求項1に記載の倉庫装置。
【請求項3】
前記幅狭ベルト機構は、幅の狭い環状ベルトが複数、直線的に並べて配置されたものであり、また、該複数の環状ベルトは、同期的に回転する、請求項1又は2に記載の倉庫装置。
【請求項4】
前記コンベヤ装置は、左右一対の走行路フレームを有し、
走行路フレームは、下板部と上板部とが縦壁部で接続されたものであり、
該上板部の下面に、歯が下方を向く係合部材が取り付けられており、
前記台車部は、台車本体に、走行輪、及び回転する駆動部材が設けられたものであり、
該回転する駆動部材が、該係合部材と、係合することで、前記台車部が前記搬送方向に移動できる、請求項1から3のいずれかに記載の倉庫装置。
【請求項5】
前記垂下部材及び/又は支柱に支持部材が複数設けられており、
同一の前記フレーム部材の隣接する支持部材に前記載置部材が掛け渡されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の倉庫装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の物品を収容する棚部材、並びに、倉庫装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を保管する棚部材や、当該棚部材を配置した倉庫装置が利用されている。従来の棚部材は、複数の支柱に対して、高さ方向の複数箇所に梁が設けられている。すなわち、従来の棚部材は、格子状に構成されている。
【0003】
このような棚部材が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1には、多数の物品を保管することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-172448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示されているような従来の棚部材は、大掛かりであって、構造が極めて複雑である。
【0006】
そこで本発明は、簡素な構造の棚部材を提供することを課題としている。また、このような棚部材を配置した倉庫装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の様相は、複数のフレーム部材を有し、前記フレーム部材は、複数の支柱と前記支柱同士をつなぐ梁部材を有し、前記梁部材から垂下部材が垂下されており、前記複数のフレーム部材が、略平行に並べられ、隣接するフレーム部材の前記垂下部材間に、物品を載置する載置部材が、掛け渡されていることを特徴とする棚部材である。
【0008】
本様相の棚部材では、複数のフレーム部材を有し、前記フレーム部材は、複数の支柱と前記支柱同士をつなぐ梁部材を有し、前記梁部材から垂下部材が垂下されている。すなわち、垂下部材は、支柱が設置された床面に設置されておらず、床面に固定されていない。よって、垂下部材は、梁部材に設置するだけで棚部材に配置することができる。
また、前記複数のフレーム部材が、略平行に並べられ、隣接するフレーム部材の前記垂下部材間に、物品を載置する載置部材が、掛け渡されているので、棚部材の構造が極めて簡素である。そのため、棚部材の設置を極めて容易に実施することができる。
【0009】
前記載置部材は、コンベヤであるのが好ましい。
【0010】
この構成によれば、フレーム部材で支持されたコンベヤによって、物品をフレーム部材間の任意の位置に移動させて保管することができる。
【0011】
前記垂下部材及び/又は支柱に支持部材が複数設けられており、同一フレーム部材の隣接する支持部材に前記載置部材が掛け渡されているのが好ましい。
【0012】
この構成によれば、フレーム部材の同一高さ位置にある支持部材同士で載置部材を支持することができる。すなわち、複数の載置部材を異なる高さ位置に配置することができる。よって、多数の物品を保管することができる。
【0013】
前記垂下部材の下端が自由端であるのが好ましい。
【0014】
前記フレームには、下部側梁部材があり、前記垂下部材の下端が下部側梁部材で支持されていてもよい。
【0015】
この構成によれば、垂下部材の下端が下部側梁部材で固定され、垂下部材で支持された載置部材が揺れるのを防止することができる。
【0016】
本様相の棚部材が設置された倉庫装置を構成するのが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、極めて簡素に棚部材を構成することができる。
また、本発明では、極めて簡素な構造の棚部材が設置された倉庫装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る棚部材の概略の全体斜視図であり、物品が保管されている状態を示す。
図2図1の棚部材において、載置部材を外した状態を示す斜視図である。
図3図2のフレーム部材の斜視図である。
図4図2のフレーム部材の正面図である。
図5図1の棚部材の変形例を示す正面図であり、載置部材としてコンベヤ装置を配置した状態を示す。
図6図5のコンベヤ装置の部分斜視図である。
図7図6のコンベヤ装置に設けられた走行台車の斜視図である。
図8】棚部材の3箇所にコンベヤ装置が配置された状態を示す棚部材の部分斜視図である。
図9図1図5の棚部材とはさらに別の形態の棚部材の正面図である。
図10図1図5図9とは別の形態の棚部材の正面図である。
図11図5の棚部材と一部が相違する形態の棚部材の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る棚部材61の全体斜視図である。図1に示すように、棚部材61は、複数のフレーム部材62(62a~62d)と複数の載置部材63を備えている。
【0020】
図2図4に示すように、フレーム部材62は、支柱65、66(複数の支柱)と梁部材67を有する。
【0021】
支柱65、66は、剛性を有する鋼製の形鋼(H形鋼)で構成されている。支柱65、66は、所定の間隔を置いて鉛直姿勢で図4に示す床面40(地盤)に設置されている。すなわち、支柱65、66は平行である。
【0022】
図4では、支柱65、66は、床面40上に載置されているように描写しているが、床面40に図示しない基礎部材(固定部)を設け、支柱65、66を当該基礎部材に対して締結手段で締結して固定するのが好ましい。
【0023】
支柱65、66の上端には、固定板65a、66aが設けられている。固定板65a、66aは、支柱65、66の上端に溶接等の固定手段によって固定されている。すなわち、固定板65a、66aは、それぞれ支柱65、66と一体化されていて支柱65、66の一部となっている。
【0024】
また、支柱65、66の互いに対向する側の部位には側壁65b、66bが設けられている。側壁65b、66bの長手方向の途中の複数の部位には、設置部材68、69(支持部材)が設けられている。具体的には、支柱65には、所定の間隔を置いて、上側から順に設置部材68a~68d(支持部材)が固定されている。同様に、支柱66には、所定の間隔を置いて、上側から順に設置部材69a~69dが固定されている。
【0025】
設置部材68(68a~68d)は、L字形の断面を有する剛性部材である。すなわち、設置部材68は、図4に示すように、直交する一面部70aと他面部70bを有する。一面部70aと他面部70bの間には補強リブ72aが設けられている。設置部材68の一面部70aが支柱65に図示しない固定手段(例えばボルト・ナット、溶接等)で固定されており、他面部70bが支柱65の長手方向と直交し、水平面である設置面を構成している。各設置部材68a~68dは、それぞれ一面部70aと他面部70bを有している。
【0026】
設置部材69(69a~69d)も、設置部材68(68a~68d)と同様に構成されている。すなわち、設置部材69は、L字形の断面を有する剛性部材であって、直交する一面部71aと他面部71bを有する。一面部71aと他面部71bの間には補強リブ72bが設けられている。設置部材69の一面部71aが支柱66に図示しない固定手段(例えばボルト・ナット、溶接等)で固定されており、他面部71bが支柱66の長手方向と直交し、水平面である設置面を構成している。各設置部材69a~69dは、それぞれ一面部71aと他面部71bを有している。
【0027】
設置部材68a~68dの各他面部70bの高さ位置は、設置部材69a~69dの各他面部71bの高さ位置と一致している。
【0028】
梁部材67は、剛性を有する鋼製の形鋼(溝形鋼)で構成されている。梁部材67は、支柱65の上端から支柱66の上端に至る長さを有する。
【0029】
また、梁部材67は、コの字形の断面を有する。具体的には、梁部材67は、二つの平行なフランジ部67a、67bと、これらのフランジ部67a、67bを繋ぐウェブ部67cを有し、横断面形状がコの字形を呈している。
【0030】
梁部材67の下側のフランジ部67bの一方の端部付近が、支柱65の固定板65aと固定手段(例えば、ボルト・ナット、溶接等)によって固定されている。また、フランジ部67bの他方の端部付近が、支柱66の固定板66aと固定手段(例えば、ボルト・ナット、溶接等)によって固定されている。すなわち、梁部材67は、支柱65と支柱66を繋ぐ水平姿勢の部材である。
【0031】
梁部材67の途中の部位には、垂下部材75、76が設けられている。垂下部材75、76は、本実施形態では、剛性を有する丸棒状の部材であるが、寸切りボルトを使用することもできる。また、垂下部材75、76は、伸縮せず、引張荷重に耐えることができる部材であれば、代用することができる。例えば、引張荷重に耐えるワイヤを採用することもできる。また、垂下部材75、76は、支柱65、66の間に等間隔で配置されている。
【0032】
垂下部材75の上端は、梁部材67のフランジ部67bに固定されている。また、垂下部材75の下端は、図4に示すように、床面40から離れている。すなわち、垂下部材75は、支柱65、66よりも短く、垂下部材75の下端は自由端となっている。よって、垂下部材75は、梁部材67のフランジ部67bに対して鉛直姿勢で吊り下げられた状態で固定されている。
【0033】
垂下部材75の途中の部位には、設置部材77a~77c(支持部材)が固定されており、垂下部材75の下端には設置部材77d(支持部材)が固定されている。設置部材77a~77dは、平板状の部材であり、垂下部材75に貫通されると共に、垂下部材75に溶接固定されている。
【0034】
各設置部材77a~77dの上面は、各々載置面79を構成している。各設置部材77a~77dの載置面79は、設置部材68a~68dの他面部70b、及び設置部材69a~69dの他面部71bと同一平面内に配置されている。
【0035】
垂下部材76は、垂下部材75と同様の構成を有する。
垂下部材76の上端は、梁部材67のフランジ部67bに固定されている。また、垂下部材76の下端は、図4に示すように、床面40から離れている。すなわち、垂下部材76は、支柱65、66よりも短く、垂下部材76の下端は自由端となっている。よって、垂下部材76は、梁部材67のフランジ部67bに対して鉛直姿勢で吊り下げられた状態で固定されている。
【0036】
垂下部材76の途中の部位には、設置部材78a~78c(支持部材)が固定されており、垂下部材76の下端には設置部材78d(支持部材)が固定されている。設置部材78a~778dは、平板状の部材であり、垂下部材76に貫通されると共に、垂下部材76に溶接固定されている。
【0037】
各設置部材78a~78dの上面は、各々載置面80を構成している。各設置部材77a~77dの載置面80は、設置部材68a~68dの他面部70b、及び設置部材69a~69dの他面部71bと同一平面内に配置されている。
【0038】
ここで、垂下部材75、76を、ねじ部材で構成し、設置部材77a~77d、78a~78dにネジ孔を設けて垂下部材75、76に螺合させてもよい。又は、設置部材77a~77d、78a~78dに貫通孔を設け、この貫通孔に垂下部材75、76を貫通させ、設置部材77a~77d、78a~78dの上下にナットを螺合させ、上下のナットで設置部材77a~77d、78a~78dを挟持してもよい。このようにすると、各設置部材77a~77d、78a~78dの高さを容易に微調整することができる。
【0039】
本実施形態では、フレーム部材62は、梁部材67の両端を支柱65、66で支持する構造を有しているが、梁部材67の中間の部位(例えば中央の部位)に支柱65、66と同様の支柱を別途設けてもよい。すなわち、支柱の数は任意である。
【0040】
フレーム部材62は、以上説明したような構造を有する。
このフレーム部材62を、図2に示すように平行に並べて配置する。各フレーム部材62は、一直線上に等間隔で配置されている。図1に示すように、各フレーム部材62同士は、四隅が補強梁73a~73dで連結固定されている。
【0041】
さらに、各フレーム部材62の他面部70b、71b、載置面79、80は、同一水平面内に配置されている。
【0042】
棚部材61の載置部材63は、剛性を有する素材及び構造を有している。すなわち、載置部材63は、断面が略長方形形状の枠構造を呈する部材である。
各フレーム部材62における同一高さ位置にある支柱65の各他面部70bと、垂下部材75の設置部材77a~77dの各載置面79上に、それぞれ載置部材63が載置されている。同様に、各フレーム部材62における、同一高さ位置にある垂下部材75の設置部材77a~77dの各載置面79と、垂下部材76の設置部材78a~78dの各載置面80にも載置部材63が載置されており、同一高さ位置にある垂下部材76の設置部材78a~78dの各載置面80と、支柱66の各他面部71b上にも載置部材63が載置されている。すなわち、複数の載置部材63が、隣接する各フレーム部材62a~62dに掛け渡されている。
【0043】
図1に示すように、本実施形態では、合計九つの載置部材63が棚部材61に設けられている。各載置部材63は、各フレーム部材62に掛け渡されている。すなわち、隣接するフレーム部材(例えばフレーム部材62a、62b)の各垂下部材75、76間にも、載置部材63は掛け渡されている。よって、各フレーム部材62a~62dの各垂下部材75、76のみで、支持された載置部材63も存在する。
図1に示すように、各載置部材63の物品載置面64には、物品Pを載置することができる。
【0044】
以上説明したように、棚部材61は、多数の物品Pを保管することができる。また、棚部材61は、フレーム部材62と載置部材63で構成された簡易な構造を有するものであり、容易に組み立てることができる。
【0045】
次に、棚部材61とは別の構造を有する棚部材81について、図5図8を参照しながら説明する。図5に示すように、棚部材81は、棚部材61と同様のフレーム部材62を備えているが、載置部材63の代わりにコンベヤ装置2を備えている。
【0046】
コンベヤ装置2は、ローラコンベヤであり、図6に示すような構造を有するものである。即ち、コンベヤ装置2は、平行に配されたコンベヤフレーム43を構成する走行路側部材8に、ローラ41が複数、間隔をあけて取り付けられたものである。本実施形態では、複数のローラ41の内のいくつかが、モータ内蔵ローラであり、ローラ本体内にモータと減速機が内蔵されたものである。モータ内蔵ローラは、内蔵されたモータを駆動することによって、外側のローラ本体が回転する。
【0047】
他のローラは、自由回転するローラであり、モータ内蔵ローラと他のローラは、図示しないベルトによって動力伝動される。本実施形態で採用するコンベヤ装置2では、いくつかのモータ内蔵ローラが駆動ローラとして機能し、他のローラが従動ローラとして機能し、モータ内蔵ローラ(駆動ローラ)を駆動することによってすべてのローラが回転して、物品を移動させることができる。
コンベヤ装置2は、ローラ41が間隔をあけて平行に配置されたものであるから、ローラ41同士の間に隙間42がある。
【0048】
コンベヤ装置2は、左右一対の走行路フレーム30を有している。走行路フレーム30は、下板部31と、上板部32を有し、両者の間が縦壁部33で接続されたものである。下板部31と、上板部32は、水平且つ平行であり、縦壁部33は垂直姿勢である。下板部31の幅は、上板部32の幅よりも広い。
本実施形態では、下板部31の上面が、走行路35として機能する。
また上板部32の下面に、ラック(係合部材)36が取り付けられている。ラック36の歯は下方を向いている。
【0049】
コンベヤ装置2(走行路側部材8)のコンベヤフレーム43には、台車部6が配置されている。
台車部6は、図7の様に、台車本体10に、走行輪11、駆動部材12(回転体)及びガイドローラ15が設けられたものである。
台車本体10は、平面視が略長方形であって、有底の枠である。即ち台車本体10は、底部16と、周壁17を有し、上面は解放されている。
本実施形態で採用する台車本体10は、長手方向の両端部の幅が、中央部に比べて狭くなっている。
本実施形態では、当該幅狭部に、回転軸18、20が回転可能に挿通されている。
回転軸18、20は、台車本体10の幅狭部を貫通し、その両端が、台車本体10の外部に突出している。
【0050】
台車本体10の周壁17内であっても、一方の回転軸18の近傍に、駆動用のギャードモータ21が設置されている。ギャードモータ21と、回転軸18の間には、動力伝動機構26があり、ギャードモータ21の回転力が、回転軸18に伝動される。
本実施形態では、動力伝動機構26は、歯付きベルトによるものである。即ちギャードモータ21の出力軸には、プーリ22が取り付けられている。また回転軸18にもプーリ23が設けられている。そして、二つのプーリ22,23の間に、動力伝動ベルト25が懸架されている。
【0051】
前記した回転軸18の両端には、走行輪11と駆動部材12(回転体)が取り付けられている。
走行輪11は、図示しない軸受を介して回転軸18に取り付けられている。そのため、走行輪11は、回転軸18に対して相対回転し、空転する。
駆動部材12は、小型の歯車(回転体)であり、回転軸18の両端に一体的に取り付けられている。そのため、回転軸18が回転すると、両端の駆動部材12が回転する。
【0052】
他方の回転軸20の両端には、走行輪11と小歯車12a(回転体)が取り付けられている。ただし、回転軸20にはモータ等が接続されておらず、走行輪11と小歯車12aは空転する。
ガイドローラ15は、台車本体10の四隅の近傍にあり、垂直方向に設置された回転軸28を中心として空転するものである。
【0053】
台車部6は、2組の幅狭ベルト機構50を有している。
50は、幅の狭い環状ベルト51が複数、直線的に並べて配置されたものであり、各環状ベルト51は、図示しないモータによって同期的に回転する。
また2組の幅狭ベルト機構50には、図示しない昇降機構が設けられており、当該昇降機構によって上下に昇降する。図示しない昇降機構は、周知の機構を採用することができ、例えば、カム機構等で幅狭ベルト機構50を昇降させることができる。
幅狭ベルト機構50が降下位置にあるときには、各幅狭ベルト機構50は、ローラ41の間に没入している。
幅狭ベルト機構50が上昇位置にあるときには、各幅狭ベルト機構50は、ローラ41の間から突出する。
【0054】
走行路側部材8のコンベヤフレーム43が、図3に示す各フレーム部材62の支持部材である支柱65の設置部材68a~68d(他面部70b)、支柱66の設置部材69a~69d(他面部71b)、垂下部材75の設置部材77a~77d(載置面79)、垂下部材76の設置部材78a~78d(載置面80)に載置されている。
【0055】
具体的には、コンベヤ装置2(載置部材)のコンベヤフレーム43は、フレーム部材62a(同一フレーム部材)の、隣接する支持部材である設置部材68a(支柱65)と、設置部材77a(垂下部材75)に掛け渡されていると共に、各フレーム部材62a~62dの各設置部材68a、77aにも掛け渡されている。
【0056】
また、図示していないが、コンベヤフレーム43は、各フレーム部材62a~62dの各設置部材68a~68d、69a~69d、77a~77d、78a~78dに対して、ボルト・ナット等の着脱が可能な固定手段で固定されている。
【0057】
棚部材81では、任意の位置から物品Pを搬入(入庫)したり、任意の位置から物品Pを排出(出庫)することができる。すなわち、図8において矢印A1で示す方向や、矢印A1と直交する矢印A2で示す方向に、棚部材81に物品Pを入庫又は出庫することができる。
【0058】
具体的には、コンベヤ装置2を駆動することにより、フレーム部材62a側、又は、フレーム部材62d側から矢印A1で示す方向に棚部材81に物品Pを入出庫することができる。また、コンベヤ装置2を停止し、コンベヤ装置2の長手方向の任意の位置で停止した物品Pの下方に台車部6を移動させ、図示しない昇降機構で幅狭ベルト機構50を上昇させて物品Pを幅狭ベルト機構50上に載置し、幅狭ベルト機構50の環状ベルト51を駆動することにより、物品Pを矢印A2で示す方向に移動させることができる。すなわち、物品Pの矢印A2方向への移動も可能である。
【0059】
そのため、コンベヤ装置2のローラ41上に物品Pが載置され、コンベヤ装置2によって物品Pは任意の位置まで移動することができる。また、物品Pの下方に台車部6が移動し、幅狭ベルト機構50を隙間42から上方へ突出させることにより物品Pの底面を載置することができ、さらに幅狭ベルト機構50の環状ベルト51を回転駆動することにより、ローラ41の搬送方向(矢印A1で示す方向)とは交差(直交)する方向(矢印A2で示す方向)に物品Pを移動させることもできる。
【0060】
よって、棚部材81では、物品Pを任意の位置に配置することができると共に、任意の位置にある物品Pを、棚部材81の他の位置へ移動させたり、棚部材81の任意の位置から排出(出庫)することもできる。
【0061】
また、従来の棚部材では、物品を入庫する位置と出庫する位置が固定されているため、棚部材に物品を搬入する上流側コンベヤや、棚部材から排出された物品を受け渡される下流側コンベヤの位置が固定されてしまい、棚部材の周囲のコンベヤのレイアウトには汎用性がない。
【0062】
本実施形態に係る棚部材81では、内部で物品Pを移動させ易く、いずれの部位(フレーム部材62a側、フレーム部材62d側、各フレーム部材62a~62dの並び方向側)からでも、物品Pの入出庫が可能である。そのため、棚部材81のいずれの位置を入庫位置及び出庫位置にするかは、任意に設定することができ、棚部材81の周囲のコンベヤのレイアウトの自由度が高い。
【0063】
次に、さらに別の形態の棚部材91について、図9を参照しながら説明する。
棚部材91は、棚部材81と同じコンベヤ装置2と、棚部材81のフレーム部材62と同様のフレーム部材92を有している。図9に示すように、フレーム部材92は、フレーム部材62と同じ支柱65、66と、垂下部材75、76を有しているが、さらに下部側梁部材97を備えた点がフレーム部材62と相違している。
【0064】
下部側梁部材97は、支柱65、66の間隔とほぼ同じ長さを有し、梁部材67と同様の横断面を有する部材である。下部側梁部材97の一端は、支柱65の設置部材68dによって支持(固定)されており、他端は、支柱66の設置部材69dによって支持(固定)されている。
また、棚部材91の垂下部材75、76の下端には、棚部材81の垂下部材75、76の下端のように設置部材77d、78dが設けられておらず、棚部材91の垂下部材75、76の下端は下部側梁部材97に固定されている。すなわち、鉛直姿勢の垂下部材75、76の上下両端が、梁部材67と下部側梁部材97によって支持されている。
【0065】
図9には、一つのフレーム部材92しか描写していないが、棚部材91も棚部材81と同様に複数(4つ)のフレーム部材92(92a~92d)を有しており、各フレーム部材92(92a~92d)に下部側梁部材97が設けられている。そして、これら各フレーム部材92(92a~92d)の下部側梁部材97上には、コンベヤ装置2が掛け渡されて固定されている。
【0066】
棚部材91における高さ方向の各コンベヤ装置2の間隔が等間隔になるように、棚部材91の設置部材68d、69dは、棚部材81の設置部材68d、69dよりも下部側梁部材97の高さ寸法の分だけ下方に配置されている。
【0067】
棚部材91では、下部側梁部材97を設けたことによって、フレーム部材92の強度が向上する。
【0068】
次に、図10を参照しながら、さらに別の形態の棚部材101について説明する。
図10に示すように、棚部材101は、棚部材61、81、91と同様のフレーム部材102を有する。棚部材101では、垂下部材75、76に設けた設置部材の数が、棚部材61、81、91よりも多く、それ以外の構成は、棚部材61、81、91の各フレーム部材と同様である。
【0069】
棚部材101の垂下部材75、76には、設置部材77a~77d、78a~78dとは別に、設置部材52a~52d、53a~53dが設けられている。設置部材52a~52dは、設置部材77a~77dと交互に配置されている。同様に、設置部材53a~53dは、設置部材78a~78dと交互に配置されている。設置部材52a~52d、53a~53d同士は、同一高さ位置に設けられている。
【0070】
垂下部材75の設置部材52a~52dと、垂下部材76の設置部材53a~53dによって、各々の高さ位置に載置部材63が配置されている。図10に示すように、棚部材101では、両側の載置部材63に対して、中央の載置部材63の高さが低くなっている。載置部材63の代わりにコンベヤ装置2を配置することもできる。また、支柱65、66、及び垂下部材75、76に設けられている全ての設置部材を使用する必要はなく、使用する設置部材は、必要に応じて任意に選定することができる。
【0071】
次に図11を参照しながら、さらに別の形態の棚部材111について説明する。図11に示す棚部材111は、垂下部材75、76の間に載置部材63が設けられていない点が図1に示す棚部材61と相違している。棚部材111には、梁部材67以外に横梁が存在しないため、中央に空間120が形成されている。空間120は、作業者が通過する通路を構成している。棚部材111に空間120が設けられていることにより、内部に作業者が入り、棚部材111のメンテナンスを容易に実施することができる。
【0072】
以上説明した棚部材61、81、91、101、111は、倉庫内に設置して倉庫装置を構成し、多数の物品Pを保管することもできる。棚部材61、81、91は、容易に組み立てることができるので、倉庫装置も容易に構成できる。
【符号の説明】
【0073】
2 コンベヤ装置(コンベヤ、載置部材)
61、81、91 棚部材
62a~62d フレーム部材
63 載置部材
65、66 支柱
67 梁部材
68、69 支柱の設置部材(支持部材)
75、76 垂下部材
77、78 垂下部材の設置部材(支持部材)
92 フレーム部材
97 下部側梁部材
P 物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11