(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】物品昇降装置及び物品保管装置
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20241101BHJP
B65G 47/57 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
B65G1/00 501B
B65G47/57 A
(21)【出願番号】P 2020219174
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2023-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊東 一夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 竜彦
(72)【発明者】
【氏名】西村 厚
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-246443(JP,A)
【文献】特開平09-052620(JP,A)
【文献】登録実用新案第3024732(JP,U)
【文献】特開2005-162454(JP,A)
【文献】特開昭59-012001(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0050803(US,A1)
【文献】特開2004-075365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
B65G 47/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の階に区分され
た保管エリアにおいて、他の階に物品を移動させる物品昇降装置
であって、
少なくともいずれかの階に、当該階の他の領域に物品を搬入及び/又は当該階の他の領域から物品を搬出する搬入・搬出部があり、
上方に傾斜
し、かつ、下の階から物品を上げる第1傾斜コンベヤと、上方に傾斜
し、かつ、上の階に物品を上げる第2傾斜コンベヤと、下方に傾斜
し、かつ、該下の階に物品を下げる第3傾斜コンベヤと、下方に傾斜
し、かつ、該上の階から物品を下げる第4傾斜コンベヤと、複数の方向変換装置とを有し、
前記方向変換装置を含み、前記第1傾斜コンベヤの上端と前記第2傾斜コンベヤの下端とを繋ぐ第1接続搬送路と、
前記方向変換装置を含み、前記第4傾斜コンベヤの下端と前記第3傾斜コンベヤの上端とを繋ぐ第2接続搬送路と、
前記第2傾斜コンベヤの上端と前記第4傾斜コンベヤの上端とを直接的又は間接的に接続する第3接続搬送路とを有し、
前記傾斜コンベヤによって物品を移動させて当該物品を上昇又は下降させ、前記搬入・搬出部から物品を出し入れすることを特徴とする物品昇降装置。
【請求項2】
物品昇降装置を側方から投影視すると、前記第1傾斜コンベヤと前記第2傾斜コンベヤは、同一の向きに傾斜し、前記第3傾斜コンベヤと前記第4傾斜コンベヤは、前記第1傾斜コンベヤ及び前記第2傾斜コンベヤと交差する方向に傾斜し、
前記第1接続搬送路と第2接続搬送路とを兼ねる対象階搬送路を有し、
前記対象階搬送路は、前記第4傾斜コンベヤの下端と、前記第1傾斜コンベヤの上端と前記第2傾斜コンベヤの下端と、前記第3傾斜コンベヤの上端とを順不同に結ぶ一方通行の搬送路であり、前記対象階搬送路の中途に前記搬入・搬出部があることを特徴とする請求項1に記載の物品昇降装置。
【請求項3】
前記第1傾斜コンベヤと、前記第2傾斜コンベヤと、前記第3傾斜コンベヤと、前記第4傾斜コンベヤは、平面方向には同一方向に向かって走行し、
前記第1接続搬送路と第2接続搬送路とを兼ねる対象階搬送路を有し、前記対象階搬送路は、前記第4傾斜コンベヤの下端と、前記第1傾斜コンベヤの上端と前記第2傾斜コンベヤの下端と、前記第3傾斜コンベヤの上端とを順不同に結ぶ一方通行の搬送路であり、前記対象階搬送路の中途に前記搬入・搬出部があることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品昇降装置。
【請求項4】
前記第1傾斜コンベヤと、前記第2傾斜コンベヤの一部又は全部が、上下方向に重なる位置関係にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の物品昇降装置。
【請求項5】
前記第3傾斜コンベヤと、前記第4傾斜コンベヤの一部又は全部が、上下方向に重なる位置関係にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の物品昇降装置。
【請求項6】
物品昇降装置を平面視したとき、いずれかの階の主要経路が、いずれかの傾斜コンベヤと、いずれかの接続搬送路によって構成される3列構造となっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の物品昇降装置。
【請求項7】
入庫部と出庫部と搬送路とを有し、前記入庫部から入庫された物品を前記搬送路で搬送していずれかの階の前
記搬入・搬出部に運び、いずれかの階の前記搬入・搬出部から搬出された物品を前記搬送路で搬送して出庫部に運ぶものであり、
いずれかの階には、当該階の前記搬入・搬出部を経由して前記入庫部と前記出庫部とを結ぶ一方通行の入出用搬送路があり、
前記第3傾斜コンベヤの下端が前記入出用搬送路に接続されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の物品昇降装置。
【請求項8】
多層階構造であって複数階に物品収容エリアを備えた
前記保管エリアと、請求項1乃至7のいずれかに記載の物品昇降装置を備えたことを特徴とする物品保管装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を昇降させる物品昇降装置に関するものである。
また本発明は、倉庫等の物品保管装置に関するものである。特に本発明は、立体的な収容エリアを備えた物品保管装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動倉庫と称される物品保管装置が知られている。
自動倉庫は、コンベヤ装置や物品搬送車等の搬送装置を備え、入庫された物品を搬送装置で搬送して所定の位置に収容すると共に、搬送装置を駆動して所望の物品を取り出すことができるものである。
自動倉庫には、特許文献1に開示されている様に、物品を収容するエリアが立体的に構成された多層階構造となっているものがある。
【0003】
収容エリアが多層階構造となった物品保管装置においては、入庫した物品を所定の階まで持ち上げる必要がある。また入庫した物品を排出する際には、物品を出庫階まで下す必要がある。
特許文献1では、物品を出し入れする際に、リフターによって物品を昇降させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した様に従来技術の物品保管装置では、リフターによって物品を所定の階に移動させている。
しかしながら、リフターはバッチ式の昇降手段と言え、物品を連続的に昇降させることができない。例えば複数個の物品を地上階から上層階に移動させる場合、一個の物品をリフターに載せて上昇させ、当該リフターが地上階に戻ってくるまで、次の物品を地上階で待機させる必要がある。そのため従来技術の物品保管装置は、物品を出し入れする際の効率が低いという不満がある。
【0006】
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、物品を昇降させる効率が高い物品昇降装置を開発することを課題とするものである。
また本発明は、物品を出し入れする効率が高い物品保管装置を開発することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するための態様は、複数の階に区分され、他の階に物品を移動させる物品昇降装置において、少なくともいずれかの階に、当該階の他の領域に物品を搬入及び/又は当該階の他の領域から物品を搬出する搬入・搬出部があり、上方に傾斜する第1傾斜コンベヤと、上方に傾斜する第2傾斜コンベヤと、下方に傾斜する第3傾斜コンベヤと、下方に傾斜する第4傾斜コンベヤと、複数の方向変換装置とを有し、前記方向変換装置を含み、前記第1傾斜コンベヤの上端と前記第2傾斜コンベヤの下端とを繋ぐ第1接続搬送路と、前記方向変換装置を含み、前記第4傾斜コンベヤの下端と前記第3傾斜コンベヤの上端とを繋ぐ第2接続搬送路と、前記第2傾斜コンベヤの上端と前記第4傾斜コンベヤの上端とを直接的又は間接的に接続する第3接続搬送路とを有し、前記傾斜コンベヤによって物品を移動させて当該物品を上昇又は下降させ、前記搬入・搬出部から物品を出し入れすることを特徴とする物品昇降装置である。
【0008】
本態様の物品昇降装置は、傾斜コンベヤによって物品を昇降する。
物品を一つ上の階に上げる際には、第1傾斜コンベヤに物品を載置し、第1傾斜コンベヤを駆動して物品を上昇させる。
物品をさらに上に階に上げる際には、第1接続搬送路を利用して物品を第2傾斜コンベヤの下端へ移動し、第2傾斜コンベヤに物品を載置し、第2傾斜コンベヤによって物品をさらに上に上昇させる。
上の階から、物品を下ろす際には、第4傾斜コンベヤを利用して物品を降下させる。
物品をさらに下の階に下げる際には、第2接続搬送路を利用して物品を第3傾斜コンベヤの上端へ移動し、第3傾斜コンベヤに物品を載置し、第3傾斜コンベヤによって物品をさらに下に上昇させる。
本態様の物品昇降装置では、第2傾斜コンベヤの上端と前記第4傾斜コンベヤ上端とを直接的又は間接的に接続する第3接続搬送路とを有しているから、上昇側の経路と、下降側の経路が一連の搬送路で繋がり、物品を連続的に昇降させることができる。
【0009】
上記した態様において、物品昇降装置を側方から投影視すると、前記第1傾斜コンベヤと前記第2傾斜コンベヤは、同一の向きに傾斜し、前記第3傾斜コンベヤと前記第4傾斜コンベヤは、前記第1傾斜コンベヤ及び前記第2傾斜コンベヤと交差する方向に傾斜し、前記第1接続搬送路と第2接続搬送路とを兼ねる対象階搬送路を有し、前記対象階搬送路は、前記第4傾斜コンベヤの下端と、前記第1傾斜コンベヤの上端と前記第2傾斜コンベヤの下端と、前記第3傾斜コンベヤの上端とを順不同に結ぶ一方通行の搬送路であり、前記対象階搬送路の中途に前記搬入・搬出部があることが望ましい。
【0010】
本態様によると、装置全体を小型化することができる。
【0011】
上記した各態様において、前記第1傾斜コンベヤと、前記第2傾斜コンベヤと、前記第3傾斜コンベヤと、前記第4傾斜コンベヤは、平面方向には同一方向に向かって走行し、前記第1接続搬送路と第2接続搬送路とを兼ねる対象階搬送路を有し、前記対象階搬送路は、前記第4傾斜コンベヤの下端と、前記第1傾斜コンベヤの上端と前記第2傾斜コンベヤの下端と、前記第3傾斜コンベヤの上端とを順不同に結ぶ一方通行の搬送路であり、前記対象階搬送路の中途に前記搬入・搬出部があることが望ましい。
【0012】
本態様によると、装置全体を小型化することができる。
【0013】
上記した各態様において、前記第1傾斜コンベヤと、前記第2傾斜コンベヤの一部又は全部が、上下方向に重なる位置関係にあることが望ましい。
【0014】
上記した各態様において、前記第3傾斜コンベヤと、前記第4傾斜コンベヤの一部又は全部が、上下方向に重なる位置関係にあることが望ましい。
【0015】
上記した各態様において、物品昇降装置を平面視したとき、いずれかの階の主要経路が、いずれかの傾斜コンベヤと、いずれかの接続搬送路によって構成される3列構造となっていることが望ましい。
【0016】
主要経路は、物品が通過する正規の経路である。即ち、故障や何らかの異常、何らかの誤りがなく、物品を昇降させる際に物品が通過する経路である。
本態様によると、装置全体を小型化することができる。
【0017】
上記した各態様において、入庫部と出庫部と搬送路とを有し、前記入庫部から入庫された物品を前記搬送路で搬送していずれかの階の前記前記搬入・搬出部に運び、いずれかの階の前記搬入・搬出部から搬出された物品を前記搬送路で搬送して出庫部に運ぶものであり、いずれかの階には、当該階の前記搬入・搬出部を経由して前記入庫部と前記出庫部とを結ぶ一方通行の入出用搬送路があり、前記第3傾斜コンベヤの下端が前記入出用搬送路に接続されていることが望ましい。
【0018】
いずれかの階は、例えば入庫部や出庫部がある入出庫階である。
当該階は、当該階の搬入部及び搬出部を経由して入庫部と出庫部とを結ぶ一方通行の入出用搬送路を有している。
そのため、入庫部から導入された物品を一方通行の入出用搬送路に載置して搬入部に運び、搬入・搬出部から物品を出し入れすることができる。
また物品収容エリアから搬出部に搬出された物品を一方通行の入出用搬送路に載置して出庫部に運び、出庫部から出庫することができる。
本態様で採用する入出用搬送路は、一方通行に走行するものであるから、入庫部から物品を導入する物品経路と、出庫部に至らせる物品経路が同一の搬送路であり、且つ一方通行に物品が搬送される。
従って、物品を連続的に搬入・搬出することができる。
また本態様の物品保管装置では、第3傾斜コンベヤの下端と、入出用搬送路とが接続されている。そのため上階から搬出された物品は、当該階行き下り搬送路で対象階に下され、入出用搬送路に入り、出庫部から出庫することができる。
従って、上の階の物品を、対象階を経由して出庫部から出庫する場合にも、一方通行の搬送路で搬送される。
従って、上の階の物品を連続的に出庫することができる。
【0019】
物品保管装置に関する発明は、多層階構造であって複数階に物品収容エリアを備えた保管エリアと、上記したいずれかに記載の物品昇降装置を備えたことを特徴とする。
【0020】
本態様によると、上の階から下の階に物品を搬送する際、又は下の階から上の階に物品を搬送する際における物品の受け渡しが円滑に行われる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の物品昇降装置は、物品を昇降させる効率が高い。
本発明の物品保管装置は、物品を連続的に出し入れすることができ、物品を出し入れする効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態の物品保管装置の斜視図である。
【
図2】
図1の物品保管装置の保管エリアの一つの段の平面図である。
【
図3】
図2の保管エリアに物品を搬入する際の様子を示す説明図である。
【
図4】
図2の保管エリアから物品を搬出する際の工程を示す説明図である。
【
図5】
図1の物品保管装置の出し入れエリア(物品昇降装置)のレイアウトと、各搬送路の搬送方向を示す説明図である。
【
図6】
図5の物品保管装置の出し入れエリア(物品昇降装置)のレイアウトを各階ごとに分けて示した説明図である。
【
図7】
図5の物品保管装置の出し入れエリア(物品昇降装置)において、1階の保管エリアに物品を搬送する際の搬送経路を示す説明図である。
【
図8】
図5の物品保管装置の出し入れエリア(物品昇降装置)において、1階の保管エリアから物品を搬出する際の搬送経路を示す説明図である。
【
図9】
図5の物品保管装置の出し入れエリア(物品昇降装置)において、2階の保管エリアに物品を搬送する際の搬送経路を示す説明図である。
【
図10】
図5の物品保管装置の出し入れエリア(物品昇降装置)において、2階の保管エリアから物品を搬出する際の搬送経路を示す説明図である。
【
図11】
図5の物品保管装置の出し入れエリア(物品昇降装置)において、3階の保管エリアに物品を搬送する際の搬送経路を示す説明図である。
【
図12】
図5の物品保管装置の出し入れエリア(物品昇降装置)において、3階の保管エリアから物品を搬出する際の搬送経路を示す説明図である。
【
図13】
図5の物品保管装置の出し入れエリア(物品昇降装置)の正面図であり、物品昇降装置を側方から投影視した図面である。
【
図14】
図5の物品保管装置の出し入れエリア(物品昇降装置)の平面図である。
【
図15】(a)は、傾斜コンベヤの平面図であり、(b)は、その側面図であり、(c)は他の実施形態の傾斜コンベヤの平面図である。
【
図17】
図16に示す方向変換装置の機能を説明する平面図であり、(a)は、物品を直進させる際のコロの向きを示し、(b)は、物品を斜め方向に排出する際のコロの向きを示し、(c)は、物品を直角右方向に排出する際のコロの向きを示し、(d)は、物品を直角左方向に排出する際のコロの向きを示す。
【
図18】方向変換装置の他の一例を示す斜視図である。
【
図19】方向変換装置のさらに他の一例を示す斜視図である。
【
図20】本発明の他の実施形態の出し入れエリア(物品昇降装置)のレイアウトと、各搬送路の搬送方向を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の物品保管装置1は、
図1の様に大きく出し入れエリア(物品昇降装置)2と、保管エリア3によって構成されている。
出し入れエリア2は、入庫部5と、出庫部6と、一連の搬送路12(
図5)を有し、保管エリア3に物品を搬入・搬出する機能を果たすエリアである。
【0024】
出し入れエリア(物品昇降装置)2は、3階建て構造であり、
図5の様に各階にローラコンベヤ装置で構成された搬送路12が敷設されている。本実施形態では、1階部分に入庫部5と、出庫部6がある。
1階部分の搬送路は、
図5、
図6、
図7、
図8の様に左回りの一方通行路を構成するコンベヤラインである。2階部分の搬送路は、
図5、
図6、
図9,
図10の様に右回りの一は方通行路を構成するコンベヤラインである。3階部分の搬送路は、
図5、
図6、
図11、
図12の様に右回りの一方通行路を構成するコンベヤラインである。
【0025】
保管エリア3は、物品を保管しておくエリアである。
保管エリア3には、図示しない搬送装置が敷き詰められており、物品をいずれかの搬送装置の上に留め置いて保管することができる。
【0026】
保管エリア3の端部は、
図2の様に、出し入れエリア2の搬送路12に接続されている。
搬送路12は、ゾーンコンベヤと称されるコンベヤ装置が繋がれたものである。
搬送路12の保管エリア3に繋がるゾーンには、搬入・搬出部22がある。搬入・搬出部22は、保管エリア(他の領域)3に物品を搬入したり、保管エリア(他の領域)3から物品を搬出する領域であり、方向変換装置13a、13b、13cが配置されている。
【0027】
方向変換装置13a、13b、13cは、
図16の様に、搬送セル100が面状に配置されたものである。各搬送セル100は、回転軸101を中心として回転するコロ102を有している。当該コロ102は、図示しないモータから動力を受けて回転する。
また各搬送セル100のコロ102は、前記回転軸101に対して直行する回転軸を中心として回動し、コロ102の向きを変えることができる。
方向変換装置13a、13b、13cは、いずれも物品の搬送方向を任意に変更することができるものである。
即ち方向変換装置13a、13b、13cは、
図17(a)の矢印の様に物品を直進させることもでき、
図17(b)の矢印の様に、物品の進行方向を斜め方向に変更することもできる。さらに、
図17(c)(d)の矢印の様に、物品の進行方向を左右いずれの方向にも垂直に変化させることもできる。
【0028】
保管エリア3に物品Mを搬入する際には、
図3の様に、搬送路12を利用して物品Mを搬入する。そして保管エリア3に繋がる搬送方向を保管エリア3に変え、保管エリア3に物品Mを送る。物品Mは、図示しない搬送装置によって奥に進み、所定の位置に留まる。この動作を繰り返して、保管エリア3の各位置に物品Mが配置される。
【0029】
保管エリア3から物品Mを搬出する際は、
図4の様に、図示しない搬送装置で物品をいずれかの方向変換装置13a、13b、13cまで移動させ、方向変換装置13a、13b、13cを経由して、搬送路12に載せ、図面左側に搬出する。
本実施形態では、いずれの方向変換装置13a、13b、13cからでも物品を出し入れすることができるが、方向変換装置13a、13b、13cの用途を分けてもよい。即ち出し入れエリア2から保管エリア3に搬入する用途にだけ使用する方向変換装置13と、保管エリア3から出し入れエリア2に物品を搬出する方向変換装置13に分けてもよい。例えば、両わき側の方向変換装置13a、13cからのみ出し入れエリア2から保管エリア3に搬入し、中央の方向変換装置13bからのみ保管エリア3から出し入れエリア2に物品を搬出することができる構成としてもよい。
【0030】
次に、出し入れエリア2について説明する。出し入れエリア2は、ローラコンベヤで構成された一連の搬送路12を有している。
搬送路12は、前記した様に、ゾーンコンベヤと称されるコンベヤ装置が繋がれたものであり、各ゾーンを構成するゾーンコンベヤ(コンベヤ装置)は、いずれも独立した駆動源と制御装置を有し、個別に駆動・停止させることができる。
搬送路12は、ゾーンコンベヤと称される短尺のコンベヤ装置が繋がれたものであり、当該ゾーンコンベヤによって複数のゾーンに区切られている。
各ゾーンのゾーンコンベヤは、例えばローラコンベヤ(コロコンベヤとも称される)であり、複数のローラ(コロ部材)が一定の間隔をあけて平行に配置されたものである。
【0031】
出し入れエリア2は、3階建て構造であり、各階にコンベヤ装置で構成された搬送路が敷設されている。本実施形態では、1階部分に入庫部5と、出庫部6がある。
【0032】
また各階同士の間で物品を受け渡しする傾斜コンベヤが設けられている。
即ち、本実施形態では、第1傾斜コンベヤ30、第2傾斜コンベヤ31、第3傾斜コンベヤ32、第4傾斜コンベヤ33を有している。
第1傾斜コンベヤ30は、1階部分から2階部分に向かう一方通行の登りコンベヤである。第2傾斜コンベヤ31は、2階部分から3階部分に向かう一方通行の登りコンベヤである。第3傾斜コンベヤ32は、2階部分から1階部分に向かう一方通行の下りコンベヤである。第4傾斜コンベヤ33は、3階部分から2階部分に向かう一方通行の下りコンベヤである。
【0033】
各傾斜コンベヤ30、31、32、33は、いずれも直線的に物品を搬送するコンベヤを傾斜姿勢に設置したものである。本実施形態では、各傾斜コンベヤ30、31、32、33は
図5の様に平面方向には同一の方向に向かって走行する。
具体的には、第1傾斜コンベヤ30と第2傾斜コンベヤ31は、いずれも
図5の矢印の様に、図面右側から左側に向かって斜め上方に走行する。第3傾斜コンベヤ32と第4傾斜コンベヤ33も、平面方向には図面右側から左側に向かって斜め下方に走行する。
【0034】
また第1傾斜コンベヤ30と第2傾斜コンベヤ31の傾斜姿勢は同じである。これに対して、第3傾斜コンベヤ32と第4傾斜コンベヤ33は、第1傾斜コンベヤ30及び第2傾斜コンベヤ31とは傾斜方向が逆になっている。
そのため、出し入れエリア(物品昇降装置)2を側方から投影視すると、
図13の様に、第1傾斜コンベヤ30と第2傾斜コンベヤ31が同一の向きに傾斜し、第3傾斜コンベヤ32と第4傾斜コンベヤ33は、第1傾斜コンベヤ30及び第2傾斜コンベヤ31と交差する方向に傾斜する。即ち、出し入れエリア(物品昇降装置)2を側方から投影視すると、
図13の様に、第1傾斜コンベヤ30と第3傾斜コンベヤ32が中央で交わって交差する形態となっている。また第2傾斜コンベヤ31と第4傾斜コンベヤ33が中央で交わって交差する形態となっている。
【0035】
第1傾斜コンベヤ30と第2傾斜コンベヤ31は、全体的に上下方向に重なる位置にある。そのため、出し入れエリア(物品昇降装置)2を上から観察すると、
図14の様に、第1傾斜コンベヤ30と第2傾斜コンベヤ31が重なって直線状を呈する。
また出し入れエリア(物品昇降装置)2を側方から投影視すると、
図13の様に、第1傾斜コンベヤ30と第2傾斜コンベヤ31が平行となっている。
【0036】
同様に、第3傾斜コンベヤ32と第4傾斜コンベヤ33は、全体的に上下方向に重なる位置にある。そのため、出し入れエリア(物品昇降装置)2を上から観察すると、
図14の様に、第3傾斜コンベヤ32と第4傾斜コンベヤ33が重なって直線状を呈する。
また出し入れエリア(物品昇降装置)2を側方から投影視すると、
図13の様に、第3傾斜コンベヤ32と第4傾斜コンベヤ33が平行となっている。
なお傾斜コンベヤ30、31、32、33の上下方向の重なり領域は、多い方が望ましいが、必ずしも全体が重なっている必要はない。
【0037】
1階部分の搬送路35は、
図5、
図6の様に入出用搬送路36と、バイパス搬送路37によって構成されている。
入出用搬送路36には、保管エリア3の1階部分に繋がる方向変換装置13a、13b、13cが設けられている。
入出用搬送路36は、入庫部5から1階部分の搬入・搬出部22たる方向変換装置13a、13b、13cを経由して出庫部6に至る、一方通行の搬送路である。入出用搬送路36の搬送経路は、「コ」の字状であり、略環状である。
【0038】
以下、物品を分岐路に分岐することができる起点を「分岐部」と称する。物品を分岐路に分岐することができ、且つ他の経路から合流することができる起点を「合流・分岐部」と称する。物品の搬送方向を垂直に曲げることができる起点を「曲部」と称する。
入出用搬送路36の経路は、入庫部5から1階第1合流・分岐部J1、1階分岐部J2、1階第1曲部C1、1階第2曲部C2、1階合流部J3、1階第2合流・分岐部J4を経て出庫部6に至る、略環状であって、一方通行の搬送路である。
入庫部5と出庫部6の間に、前記した1階部分の方向変換装置13a、13b、13cがあり、方向変換装置13bが、1階分岐部J2としての機能を兼ねる。また方向変換装置13cが、1階第1曲部C1としての機能を兼ねる。
1階第1合流・分岐部J1、1階第1曲部C1、1階第2曲部C2、1階合流部J3、及び1階第2合流・分岐部J4には、方向変換装置13と同様の装置が設置されている。
入出用搬送路36は、左回りの一方通行路を構成する略環状のコンベヤラインである。
バイパス搬送路37は、入庫部5と出庫部6を直接つなぐ搬送路である。
【0039】
第1傾斜コンベヤ30は、前記した様に、1階部分から2階部分に向かう一方通行の登りコンベヤであり、1階部分の3個の方向変換装置13a、13b、13cの内の、中央の方向変換装置13bに下端が接続されている。
第3傾斜コンベヤ32は、前記した様に2階部分から1階部分に向かう一方通行の下りコンベヤであり、下端が入出用搬送路36であって、方向変換装置13a、13b、13cの下流側に接続されている。即ち、第3傾斜コンベヤ32の下端は、入出用搬送路36であって、方向変換装置13a、13b、13cと出庫部6の間に接続されている。
【0040】
2階部分の搬送路(対象階搬送路)40は、
図5、
図6の様に2階主搬送路41と、接続搬送路42によって構成されている。
2階主搬送路41には、保管エリア3の2階部分に繋がる方向変換装置13a、13b、13c(搬入・搬出部22)が設けられている。
第1傾斜コンベヤ30は、前記した様に、1階部分から2階部分に向かう一方通行の登りコンベヤであり、上端が2階主搬送路(対象階内搬送路)41の始端に接続されている。
第2傾斜コンベヤ31は、2階部分から3階部分に向かう一方通行の登りコンベヤであり、2階部分の3個の方向変換装置13a、13b、13cの内、中央の方向変換装置13bに下端が接続されている。
第4傾斜コンベヤ33は、前記した様に3階部分から2階部分に向かう一方通行の下りコンベヤであり、下端部が、2階の接続搬送路42に接続されている。
【0041】
2階主搬送路41は、登りコンベヤたる第1傾斜コンベヤ30の上端から2階部分の方向変換装置13a、13b、13cを経由して下りコンベヤたる第3傾斜コンベヤ32の上端に至る、一方通行の搬送路である。
2階主搬送路41の経路は、第1傾斜コンベヤ30の上端に2階合流部J5があり、2階第1曲部C3、2階第2曲部C4、2階分岐部J6、2階第3曲部C5を経由して第3傾斜コンベヤ32の上端に至る、略環状であって、一方通行の搬送路である。
2階合流部J5と、2階第3曲部C5の間に、2階部分の方向変換装置13a、13b、13cがあり、方向変換装置13bが、2階分岐部J6としての機能を兼ねる。また方向変換装置13cが、2階第2曲部C4としての機能を兼ねる。方向変換装置13aが、2階第3曲部C5としての機能を兼ねる。
2階合流部J5、2階第1曲部C3及び2階第3曲部C5には、方向変換装置13と同様の装置が設置されている。
【0042】
接続搬送路42は、3階部分から2階部分に向かう一方通行の下りコンベヤたる第4傾斜コンベヤ33の下端と、2階主搬送路41の基端を接続する一方通行の搬送路である。
即ち接続搬送路42は、第4傾斜コンベヤ33の下端にある2階第4曲部C6と2階合流J5を接続する、一方通行の搬送路である。
2階第4曲部C6には、方向変換装置13と同様の装置が設置されている。
【0043】
2階部分の2階主搬送路41及び接続搬送路42は、右回りの一方通行路を構成する略環状のコンベヤラインである。
2階部分の2階主搬送路41及び 接続搬送路42の搬送方向は、1階の搬送路35に対して逆回りである。
【0044】
2階部分の搬送路(対象階搬送路)40は、第1傾斜コンベヤ30の上端と第2傾斜コンベヤ31の下端とを繋ぐ第1接続搬送路23と、第4傾斜コンベヤ33の下端と第3傾斜コンベヤ32の上端とを繋ぐ第2接続搬送路25を兼ねる。また2階部分の搬送路(対象階搬送路)40は、第4傾斜コンベヤ33の下端と、第1傾斜コンベヤ30の上端と、第2傾斜コンベヤ31の下端と、第3傾斜コンベヤ32の上端と結ぶ一方通行の搬送路であり、中途に搬入・搬出部22(方向変換装置)13a、13b、13c)がある。
なお第4傾斜コンベヤ33の下端と、第1傾斜コンベヤ30の上端と、第2傾斜コンベヤ31の下端と、第3傾斜コンベヤ32の上端及び搬入・搬出部22の順序は限定されるものでなく、順不同である。
【0045】
3階部分の搬送路45は、
図5、
図6の様に3階主搬送路46によって構成されている。
3階主搬送路(第3接続搬送路)46には、保管エリア3の3階部分に繋がる方向変換装置13a、13b、13cが設けられている。
3階主搬送路(第3接続搬送路)46は、第2傾斜コンベヤ31の上端から3階部分の搬入・搬出部22(方向変換装置)13a、13b、13c)を経由して第4傾斜コンベヤ33の上端に至る、一方通行の搬送路である。
即ち、3階主搬送路(第3接続搬送路)46は、第2傾斜コンベヤ31の上端に3階第1曲部C7、3階第2曲部C8、3階第3曲部C9を経由して第4傾斜コンベヤ33の上端の、3階第4曲部C10に至る、略環状であって、一方通行の搬送路である。
3階第1曲部C7と、3階第4曲部C10の間に、3階部分の方向変換装置13a、13b、13cがあり、方向変換装置13cが、3階第3曲部C9としての機能を兼ねる。方向変換装置13aが、3階第4曲部C10としての機能を兼ねる。
3階主搬送路(第3接続搬送路)46は、右回りの一方通行路を構成する略環状のコンベヤラインである。
3階主搬送路(第3接続搬送路)46は、1階の搬送路35に対して逆回りである。
【0046】
次に、保管エリア3の各階に物品を搬入・搬出する際の経路について説明する。
図7は、保管エリア3の1階部分に物品を搬入する場合の搬送経路を太線で示している。
保管エリア3の1階部分に物品を搬入する場合は、
図7の様に、入庫部5から搬入された物品を、入出用搬送路36を通って1階部分の方向変換装置13a、13b、13cの領域に搬送する。そして例えば方向変換装置13aで物品の搬送方向を保管エリア3側に変更し、物品を保管エリア3に収容する。
【0047】
図8は、保管エリア3の1階部分から物品を搬出する場合の搬送経路を太線で示している。
保管エリア3の1階部分から物品を搬出する場合は、
図8の様に、保管エリア3の1階部分から搬出された物品を、入出用搬送路36を通って出庫部6に至らせる。
【0048】
図9は、保管エリア3の2階部分に物品を搬入する場合の搬送経路を太線で示している。
保管エリア3の2階部分に物品を搬入する場合は、
図9の様に、入庫部5から搬入された物品を、入出用搬送路36を通って1階分岐部J2に搬送し、1階部分の方向変換装置13bに載せる。そして方向変換装置13bで物品の搬送方向を第1傾斜コンベヤ30側に変更し、第1傾斜コンベヤ30を登って物品を2階部分に至らせる。
その後、2階主搬送路(対象階内搬送路)41を通って2階部分の方向変換装置13a、13b、13cの領域に物品を搬送する。そして例えば方向変換装置13cで物品の搬送方向を保管エリア3側に変更し、物品を保管エリア3に収容する。
【0049】
図10は、保管エリア3の2階部分から物品を搬出する場合の搬送経路を太線で示している。
保管エリア3の2階部分から物品を搬出する場合は、
図10の様に、保管エリア3の2階部分から搬出された物品を、2階主搬送路(対象階内搬送路)41を通って下りコンベヤたる第3傾斜コンベヤ32の上端に至らせる。そして第3傾斜コンベヤ32を下って1階部分に至り、1階合流部J3から入出用搬送路36を通って出庫部6に至らせる。
【0050】
図11は、保管エリア3の3階部分に物品を搬入する場合の搬送経路を太線で示している。
保管エリア3の3階部分に物品を搬入する場合は、
図11の様に、入庫部5から搬入された物品を、入出用搬送路36を通って1階部分の方向変換装置13bに搬送する。そして方向変換装置13bで物品の搬送方向を第1傾斜コンベヤ30側に変更し、第1傾斜コンベヤ30を登って2階部分に至らせる。
その後、2階主搬送路(対象階内搬送路)41を通って2階部分の2階分岐部J6に搬送し、方向変換装置13bに載せる。即ち、第1傾斜コンベヤ30の上端と第2傾斜コンベヤ31の下端とを繋ぐ第1接続搬送路23を経由して第2傾斜コンベヤ31の下端に物品を至らせる。
そして方向変換装置13bで物品の搬送方向を第2傾斜コンベヤ31側に変更し、第2傾斜コンベヤ31を登って3階部分に至らせる。
その後、3階主搬送路(対象階内搬送路)46を通って3階部分の方向変換装置13a、13b、13cの領域に搬送する。そして例えば方向変換装置13bで物品の搬送方向を保管エリア3側に変更し、物品を保管エリア3に収容する。
【0051】
図12は、保管エリア3の3階部分から物品を搬出する場合の搬送経路を太線で示している。
保管エリア3の3階部分から物品を搬出する場合は、
図12の様に、保管エリア3の3階部分から搬出された物品を、3階主搬送路46を通って下りコンベヤたる第4傾斜コンベヤ33の上端に至らせる。そして第4傾斜コンベヤ33を下って2階部分に下す。
そして物品を、接続搬送路42を経由して2階合流部J5から2階主搬送路41に導入し、当該2階主搬送路41を通って下りコンベヤたる第3傾斜コンベヤ32の上端に至らせる。即ち、第4傾斜コンベヤ33の下端と第3傾斜コンベヤ32の上端とを繋ぐ第2接続搬送路25を経由して物品を第3傾斜コンベヤ32の上端に至らせる。
そして第3傾斜コンベヤ32を下って1階部分に至り、1階合流部J3から入出用搬送路36を通って出庫部6に至らせる。
【0052】
本実施形態の出し入れエリア2は、各階の搬送路(バイパス搬送路37を除く)は、いずれも物品を搬入する搬送路と排出する搬送路が共通であり、且つ一方通行路である。
そのため物品が待機状態となることが少なく、物品を連続的に出し入れすることができる。
【0053】
本実施形態の出し入れエリア2は、1階部分の搬送路が左回りの一方通行路であり、2階部分の搬送路が右回りの一方通行路であり、3階部分の搬送路が右回りの一方通行路であるから、例えば、1階から3階に物品を上昇させる際には、1階部分で左回り、2階部分で右回り、さらに3階部分でも右回りに移動し、略螺旋軌跡を描いて上昇する。
逆に3階から1階に物品を下す際には、3階部分で右回りに移動し、2階部分で右回り、さらに1階部分で左回りに移動し、略螺旋軌跡を描いて降下する。
【0054】
物品は、前記した様に、各階の搬送路(バイパス搬送路37を除く)を通って運ばれてゆく。各階の搬送路(バイパス搬送路37を除く)を主要経路とすると、各階は、いずれかの傾斜コンベヤ30、31、32、33と、いずれかの接続搬送路によって構成される3列構造となっている。
即ち、1階部分を平面視すると、入出用搬送路36の1階第1曲部C1から1階第2曲部C2に至る直線経路によって構成される第1列と、第1傾斜コンベヤ30によって構成される第2列と、第3傾斜コンベヤ32によって構成される第3列からなる3列構造となっている。
2階部分を平面視すると、2階主搬送路41の2階第1曲部C3から2階第2曲部C4に至る直線経路によって構成される第1列と、第1傾斜コンベヤ30によって構成される第2列と、第4傾斜コンベヤ33によって構成される第3列からなる3列構造となっている。
3階部分を平面視すると、3階主搬送路46の3階第2曲部C8から3階第3曲部C9に至る直線経路によって構成される第1列と、第2傾斜コンベヤ31によって構成される第2列と、第4傾斜コンベヤ33によって構成される第3列からなる3列構造となっている。
【0055】
また本実施形態では、主要経路を上部から観察しても、
図14の様に、全体的に3列構造となっている。
即ち3階主搬送路46の3階第2曲部C8から3階第3曲部C9に至る直線経路と、2階主搬送路41の2階第1曲部C3から2階第2曲部C4に至る直線経路と、入出用搬送路36の1階第1曲部C1から1階第2曲部C2に至る直線経路の三者が上下に重なって第1列が構成されている。
第2傾斜コンベヤ31と第1傾斜コンベヤ30とが上下に重なって第3列が構成されている。
第4傾斜コンベヤ33と、第3傾斜コンベヤ32とが上下に重なって第2列が構成されている。
そのため本実施形態の出し入れエリア2は、外形形状が比較的小さい。
【0056】
次に、望ましい傾斜コンベヤについて説明する。
本実施形態で採用されている傾斜コンベヤ30、31、32、33は、いずれも
図15に示す様なローラコンベヤである。即ち平行に配されたフレームに搬送ローラが、複数、平行に配置されたものである。各ローラは、図示しない動力源から動力伝動を受けて回転する。
傾斜コンベヤ30、31、32、33は、
図15の様に、3領域に分かれている。
即ち、上端領域50、傾斜領域51及び下端領域52に分かれている。
【0057】
本実施形態で採用する傾斜コンベヤ30、31、32、33は、上端領域50には
図15(b)の様に、水平領域と曲面領域があり、曲面領域は、搬送面がやや上に凸状になる様にローラが配列されている。そして曲面領域が傾斜領域51に接続されている。
また下端領域52についても、水平領域と曲面領域があり、搬送面がやや上に凹状になる様にローラが配列されている。そして曲面領域が傾斜領域51に接続されている。
【0058】
さらに、傾斜コンベヤ30、31、32、33の下端領域52は、
図15(a)の様に、搬送ローラが、複数列に配置されている。具体的には、搬送ローラが2列に配置されている。
そして、2列の搬送ローラは、食い違い位置にある、即ち、二列の搬送ローラは、回転軸の軸線が一致せず、搬送ローラが千鳥状に配列されている。
【0059】
本実施形態では下端領域52だけが複数列となっているが、
図15(c)の様に、上端領域50も複数列であってもよい。
【0060】
本実施形態で採用する傾斜コンベヤ30、31、32、33は、傾斜領域51への接続部分の搬送面が緩やかな曲面を呈しているので、搬送物が円滑に傾斜領域51に移行する。
また本実施形態で採用する傾斜コンベヤ30、31、32、33では、下端領域52の搬送ローラが、複数列に配置されており、且つ搬送ローラが千鳥状に配列されているから、物品と搬送ローラとの接触機会が多く、傾斜領域51から下端領域52に物品が受け渡される際、又は下端領域52から傾斜領域51に物品が受け渡される際に、物品ががたつきにくい。
【0061】
以上説明した実施形態では、3階建て構造の物品保管装置1を例示したが、階数は限定されるものではなく、より高い構造であってもよい。
【0062】
以上説明した実施形態では、各階を繋ぐ傾斜コンベヤ30、31、32、33は、いずれも単列であるが、複列であってもよい。即ち傾斜したコンベヤが平行に配置されて一組の傾斜コンベヤ30、31、32、33が構成されていてもよい。
【0063】
以上説明した実施形態では、地上階が、入出庫階となっているが、他の階が入出庫階であってもよい。また入庫部5と、出庫部6が、別の階にあってもよい。
【0064】
以上説明した実施形態では、「分岐部」「合流・分岐部」「曲部」に、
図16に示す様な搬送セル100を有し、搬送セル100の向きを変えることによって搬送方向を変更するものを例示した。しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば「分岐部」「合流・分岐部」「曲部」に、
図18に示す様な移載装置(方向変換装置)200を採用してもよい。
【0065】
移載装置200は、主搬送コンベヤ201と、副搬送コンベヤ202及び図示しない昇降装置によって構成されている。
物品を直進させる場合には、昇降装置(図示せず)によって主搬送コンベヤ201を副搬送コンベヤ202よりも上に突出させ、主搬送コンベヤ201を駆動する。
物品の方向を変える際には、主搬送コンベヤ201に物品を引き入れた後に、昇降装置によって副搬送コンベヤ202を上昇させると共に主搬送コンベヤ201を降下し、副搬送コンベヤ202を主搬送コンベヤ201よりも上に突出させ、副搬送コンベヤ202を駆動する。
【0066】
「曲部」の場合は、
図19の様なカーブコンベヤ(方向変換装置)を使用してもよい。
【0067】
以上説明した実施形態では、1階から3階に物品を上昇させる際には、1階部分で左回り、2階部分で右回り、さらに3階部分でも右回りに移動する。即ち、1階部分だけが左回りとなり、他の階と異なる。全ての階において同じ方向に移動させることを望む場合は、例えば
図1、
図5において、入庫部5と、出庫部6を入れ替えることによって実現できる。
即ち
図1、
図5において、出庫部6の位置から物品を搬入し、入庫部5の位置から出庫することとすれば、物品は1階部分においても、他の階と同じ方向に搬送される。
【0068】
以上説明した実施形態では、第1傾斜コンベヤ30、第2傾斜コンベヤ31、第3傾斜コンベヤ32、第4傾斜コンベヤ33は、
図5の様に平面方向には同一の方向に向かって走行する。
しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものではなく、
図20に示す出し入れエリア(物品昇降装置)48のように、第1傾斜コンベヤ30と第2傾斜コンベヤ31が、対向する方向に向かって走行し、第3傾斜コンベヤ32と第4傾斜コンベヤ33についても対向する方向に走行するものであってもよい。
図18に示す出し入れエリア(物品昇降装置)48のレイアウトであっても、物品は、略螺旋軌跡を描いて上昇・降下する。
また各傾斜コンベヤの走行方向が90度違うものであってもよい。
【0069】
搬入・搬出部22を各階のどの辺に設けるのかは任意である。また搬入・搬出部22の個数も任意である。
入れエリア(物品昇降装置)48では、1階部分に搬入・搬出部22が二か所設けられている。
【符号の説明】
【0070】
1 物品保管装置
2、48 出し入れエリア(物品昇降装置)
3 保管エリア
5 入庫部
6 出庫部
12 搬送路
13 方向変換装置
21 方向変換装置
23 第1接続搬送路
25 第2接続搬送路
30 第1傾斜コンベヤ
31 第2傾斜コンベヤ
32 第3傾斜コンベヤ
33 第4傾斜コンベヤ
40 対象階搬送路
46 3階主搬送路(第3接続搬送路)
200 移載装置(方向変換装置)