IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ Straight Five合同会社の特許一覧

特許7580151化粧用照明装置、化粧用照明方法及び化粧用照明プログラム
<>
  • 特許-化粧用照明装置、化粧用照明方法及び化粧用照明プログラム 図1
  • 特許-化粧用照明装置、化粧用照明方法及び化粧用照明プログラム 図2
  • 特許-化粧用照明装置、化粧用照明方法及び化粧用照明プログラム 図3
  • 特許-化粧用照明装置、化粧用照明方法及び化粧用照明プログラム 図4
  • 特許-化粧用照明装置、化粧用照明方法及び化粧用照明プログラム 図5
  • 特許-化粧用照明装置、化粧用照明方法及び化粧用照明プログラム 図6
  • 特許-化粧用照明装置、化粧用照明方法及び化粧用照明プログラム 図7
  • 特許-化粧用照明装置、化粧用照明方法及び化粧用照明プログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】化粧用照明装置、化粧用照明方法及び化粧用照明プログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/105 20200101AFI20241101BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20241101BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20241101BHJP
   H05B 45/37 20200101ALI20241101BHJP
   H05B 47/175 20200101ALI20241101BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B45/10
H05B45/20
H05B45/37
H05B47/175
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023215254
(22)【出願日】2023-12-20
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】523479592
【氏名又は名称】Straight Five合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】柄沢 聡太郎
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111260587(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0066909(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0366119(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0219010(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第115430064(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
F21L 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の顔に装着させる装着部と、
前記装着部に接続された、前記使用者の顔に光を発する発光部と、
前記使用者の顔に対して化粧を施すように、前記発光部の光を制御する制御部と、
前記発光部により発される光線の照射位置を決める、前記装着部及び前記発光部に接続する可動体と、
前記可動体の長短を調節する伸縮部と、を備え、
前記制御部は、前記可動体の長短を調節することで、前記発光部により発される光線の照射位置を化粧情報に従って変更する
化粧用照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記使用者の顔をセンシングするように設けられた顔面センサーと、
前記顔面センサーにより前記使用者の顔を認識して顔面に係る情報を含む顔面情報を取得する顔面情報取得部と、
前記顔面情報に基づいて前記使用者の顔に化粧として視認可能な態様で光を照射する位置を示す化粧位置を特定する特定部と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の化粧用照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記化粧位置を示す情報と、前記化粧位置に発する光線の明度、彩度及び色相を示す情報と、を含む化粧情報を生成し、前記化粧情報に従って発光部を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の化粧用照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記顔面情報に基づいて前記使用者の顔面を示す顔面モデルを生成する生成部、を更に備え、
前記顔面モデルに基づいて前記化粧情報を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の化粧用照明装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記化粧情報を前記顔面モデルに従って対応させて、前記化粧情報を付する顔面モデルを前記使用者の端末に送信する第1送信部と、を更に備える
ことを特徴とする請求項4に記載の化粧用照明装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記使用者の端末から前記使用者によって修正された化粧情報を付する顔面モデルを受信する第1受信部と、を更に備え、
前記制御部は、前記修正された化粧情報を付する顔面モデルによって、前記使用者の顔に化粧として視認可能な態様で光を照射する
ことを特徴とする請求項5に記載の化粧用照明装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記発光部から発された光線を調節する調節部、を更に備え、
前記制御部は、前記調節部を介して前記化粧情報に従って前記発光部により発される光線の明度、彩度及び色相の調節を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の化粧用照明装置。
【請求項8】
使用者の顔に装着させる装着部と、前記装着部に接続された、前記使用者の顔に光を発する発光部と、前記使用者の顔に対して化粧を施すように、前記発光部の光を制御する制御部と、前記発光部により発される光線の照射位置を決める、前記装着部及び前記発光部に接続する可動体と、前記可動体の長短を調節する伸縮部と、を備える化粧用照明装置のコンピュータが、
前記装着部に接続された、前記使用者の顔に光を発する前記発光部から、前記使用者の顔に光を発する発光ステップと、
前記使用者の顔に対して化粧を施すように、前記発光ステップの光を制御する制御ステップと、
前記可動体の長短を調節する伸縮ステップと、を実行し、
前記制御ステップは、前記可動体の長短を調節することで、前記発光ステップにより発される光線の照射位置を化粧情報に従って変更する
化粧用照明装置を制御する化粧用照明方法。
【請求項9】
使用者の顔に装着させる装着部と、前記装着部に接続された、前記使用者の顔に光を発する発光部と、前記使用者の顔に対して化粧を施すように、前記発光部の光を制御する制御部と、前記発光部により発される光線の照射位置を決める、前記装着部及び前記発光部に接続する可動体と、前記可動体の長短を調節する伸縮部と、を備える化粧用照明装置のコンピュータに、
前記装着部に接続された、前記使用者の顔に光を発する前記発光部から、前記使用者の顔に光を発する発光機能と、
前記使用者の顔に対して化粧を施すように、前記発光機能の光を制御する制御機能と、
前記可動体の長短を調節する伸縮機能と、を実行させ、
前記制御機能は、前記可動体の長短を調節することで、前記発光機能により発される光線の照射位置を化粧情報に従って変更する
化粧用照明装置を制御する化粧用照明プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を化粧として照射することができる化粧照明装置、化粧用照明方法、及び、化粧用照明プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、化粧用品の種類はますます増加すると共に、化粧品を使う人の数も大幅に増加している。使用者は一時に複数の化粧品を自分の顔に塗ることで、皮膚の肌状態を底上げするケアを行い、或いは顔を綺麗にするために化粧をする。しかしながら、化粧品はアレルギー等肌トラブルを起こす可能性があるという問題や、突然の会議や寝坊によって化粧を施す余裕がないという問題がある。
【0003】
これにより、上記の課題を解決するために、使用者は化粧品を顔に塗らなくても美感を起こさせることが大切な課題になる。特許文献1に記載の肌照明デバイスは、使用者の肌を照明する光源、光源に動作可能に接続された形状保持具、及び光源を制御するユーザーインターフェースに構成されている。また、特許文献1に記載の肌照明デバイスについて、例えば、飾りとなるイヤリングや、相対的に強い光、相対的に弱い光、点滅光等を発する照明デバイス等実施形態があり、他人の注意を喚起する機能等を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2021-509072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の肌照明デバイスは、プログラムや人工知能(AI)等を介して制御することができるものの、使用者の顔面特徴によって如何なる光線を発して化粧するかについては開示していない。
【0006】
よって、本願発明の課題として、使用者は化粧品を顔面に塗ることなく、光線を照射することで、使用者の顔面に化粧効果を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの実施態様としては、使用者の顔に装着させる装着部と、装着部に接続された、使用者の顔に光を発する発光部と、使用者の顔に対して化粧を施すように、発光部の光を制御する制御部と、を備える。
【0008】
上記の化粧用照明装置において、制御部は、使用者の顔をセンシングするように設けられた顔面センサーと、顔面センサーにより使用者の顔を認識して顔面に係る情報を含む顔面情報を取得する顔面情報取得部と、顔面情報に基づいて使用者の顔に化粧として視認可能な態様で光を照射する位置を示す化粧位置を特定する特定部と、を備えることを特徴としてもよい。
上記の化粧用照明装置において、制御部は、化粧位置を示す情報と、化粧位置に発する光線の明度、彩度及び色相を示す情報と、を含む化粧情報を生成し、化粧情報に従って発光部を制御することを特徴としてもよい。
上記の化粧用照明装置において、制御部は、顔面情報に基づいて使用者の顔面を示す顔面モデルを生成する生成部、を更に備え、顔面モデルに基づいて化粧情報を生成することを特徴としてもよい。
上記の化粧用照明装置において、制御部は、化粧情報を顔面モデルに従って対応させて、化粧情報を付する顔面モデルを使用者の端末に送信する第1送信部と、を更に備えることを特徴としてもよい。
上記の化粧用照明装置において、制御部は、使用者の端末から使用者に修正された化粧情報を付する顔面モデルを受信する第1受信部と、を更に備え、制御部は、修正された化粧情報を付する顔面モデルによって、使用者の顔に化粧として視認可能な態様で光を照射することを特徴としてもよい。
上記の化粧用照明装置において、制御部は、発光部から発された光線を調節する調節部、を更に備え、制御部は、調節部を介して化粧情報に従って発光部により発される光線の明度、彩度及び色相の調節を制御することを特徴としてもよい。
上記の化粧用照明装置において、制御部は、発光部により発される光線の照射位置を決める可動体を制御して、発光部により発される光線の照射位置を化粧情報に従って変更することを特徴としてもよい。
【0009】
コンピュータが、使用者の顔に装着させる装着ステップと、装着ステップに接続された、使用者の顔に光を発する発光ステップと、使用者の顔に対して化粧を施すように、発光ステップの光を制御する制御ステップと、を実行することを含む化粧用照明装置を制御する化粧用照明方法である。
【0010】
コンピュータに、使用者の顔に装着させる装着機能と、装着機能に接続された、使用者の顔に光を発する発光機能と、使用者の顔に対して化粧を施すように、発光機能の光を制御する制御機能と、を実行させるための化粧用照明装置を制御する化粧用照明プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
使用者は、化粧用照明装置を制御することで、使用者の顔面に光線を照射して化粧を施すことができるし、また、使用者の気分によって瞬時に化粧効果を変更することができる。特に、各種の化粧用品を一つずつ使用者の顔面に塗るより、適切な光線で使用者の顔面に照射することは、使用者の肌に優しく、化粧品によるアレルギー等肌トラブルも生じない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】化粧用照明装置の使用例である。
図2】(a)は化粧用照明装置の正面図である。(b)は化粧用照明装置の側面図である。
図3】化粧用照明装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】制御部の構成の一例を示すブロック構成図である。
図5】化粧用照明方法の一例を示すフローチャートである。
図6】光線の制御例2の機能構成の一例を示すブロック図である。
図7】光線の制御例2において、当該化粧用照明装置が使用者の顔面情報の取得と顔面モデルの作成、及びその顔面モデルに基づいて化粧効果の実現の一例を示すフローチャートである。
図8】光線の制御例2において、化粧情報を示すデータテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、各図面に示される同一又は同等の構成要素、処理、信号には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない構成要素の一部は省略する。
【0014】
以下の説明では、「顔面」は、使用者の頬、使用者の眉毛、使用者の額、使用者の眉間、使用者の瞼、使用者の睫毛、使用者の目、使用者の鼻、使用者の口、使用者の唇、使用者の歯、使用者の顎、使用者の耳たぶ、使用者の耳、及び使用者面部の別の部位のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0015】
なお、本明細書において、化粧用照明装置は、イヤリングとして説明するが、化粧用照明装置の実施態様はこれに限定するものでない。化粧用照明装置は、使用者の顔面に対して光によって化粧を照射することができればよく、イヤリング、バレッタ、サークレット、ネックレスなどにより実現されてもよい。化粧用照明装置は、アクセサリとして使用して見映えのする外見であることが好ましい。
【0016】
<概要>
化粧用照明装置100は、複数の部品を備えており、使用者が化粧用照明装置100を制御することで、顔面に光線を照射して化粧機能を実現することができる。図1は、化粧用照明装置100の使用形態を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る化粧用照明装置100は、ペアになる耳掛け式ワイヤーにより使用者の左の耳たぶと右の耳たぶにそれぞれに掛けてもよい。左側の化粧用照明装置100は、左の耳に掛ける化粧用照明装置100の装飾筐体102A、左の耳に掛ける化粧用照明装置100の基盤部分103A、左の耳に掛ける化粧用照明装置100の光源105Aと接続するケーブル104A、及び左の耳に掛ける化粧用照明装置100の光源105Aを有する。右側の化粧用照明装置100は、右の耳に掛ける化粧用照明装置100の装飾筐体102B、右の耳に掛ける化粧用照明装置100の基盤部分103B、右の耳に掛ける化粧用照明装置100の光源105Bと接続するケーブル104B、及び右の耳に掛ける化粧用照明装置100の光源105Bを備えてもよい。装飾筐体102は、装飾品として美観を与える部品であってよく、一例として、美しい形状がある筐体、ガラスや宝石などが装飾されてよい。化粧用照明装置100は、装飾筐体102と、基盤部分103と、ケーブル104と、光源105と、を備える。図示の通り、ケーブル104は、基盤部分103に接続され、光源は、ケーブル104に接続される。装飾筐体102によって、化粧用照明装置100は、イヤリングとして、使用者の耳たぶを挟み、装着される。化粧用照明装置100には、耳かけ式ワイヤーが設けられてよく、耳かけ式ワイヤーによって、化粧用照明装置100を使用者の耳に安定して装着させることができる。
【0017】
図1に示すように、左の耳に掛ける化粧用照明装置100は光源105Aから照射位置101Aに光線を照射し、右の耳に掛ける化粧用照明装置100は光源105Bから照射位置101Bに光線を照射することができる。しかしながら、化粧用照明装置100により発された光線の照射位置は限定されておらず、使用者が化粧用照明装置100を制御することで、顔面の任意の部位に光線を照射してもよい。一例として、有色光源を搭載する化粧用照明装置100は、頬に色を有する光線を照射してチークの効果を実現すること、瞼に色を有する光線を照射してアイシャドウの効果を実現すること、唇に色を有する光線を照射してリップクリーム又は口紅の効果を実現すること、頬などにシミなどを打ち消す色を照射してコンシーラーの効果を実現すること、頬などに影以外を明るく照射してシェーディングの効果を実現することができてよいが、これらに限定されず、使用者自分の好みによって光線を照射する位置を自由に調節して化粧効果を調整してもよい。
【0018】
本実施形態の化粧用照明装置100は、左右対称で完全に一致している装置である。本実施形態では、片方を例にして説明し、また、「左の耳に掛ける」、「右の耳に掛ける」、「A」及び「B」というような表現を省略する。
【0019】
化粧用照明装置100に搭載する装飾筐体102は、使用者の顔面を装飾するための構成である。装飾筐体102の大小及び形状は限定されておらず、装飾品として美感を起こさせてもよい。また、装飾筐体102は装飾機能に絞ることではなく、ケースとして化粧用照明装置100の制御部分(例えば、電気回路、電子部品等)を内蔵して保護してもよい。
【0020】
基盤部分103は、基盤として化粧用照明装置100の一部と連結する構成であり、化粧用照明装置100を制御する小型制御モーター、制御用ケーブル、及び一部の電子回路を内蔵する。本実施形態における基盤部分103は装飾筐体102の外壁に取り付けられ、ケーブル104と連結している。また、基盤部分103の形状は任意である。一例として、基盤部分103は略球体状の可動体であり、使用者が手動で基盤部分103を動かしてケーブル104の位置を調節してもよい。
【0021】
ケーブル104は、光源105及び各種のセンサーと接続している。また、光源105がケーブル104に内蔵される場合、ケーブル104は光漏れを防ぐ機能を備えており、光源105により発された光線がケーブル104に各種の角度に遮られることで、光線の照射状況(例えば、光線の照射位置、光線の明度等を含む)を調節してもよい。
【0022】
光源105は、使用者の顔面に化粧として視認可能な光線で発光する発光体である。化粧用照明装置100において、光源105は、着脱自在に構成されてよい。即ち、光源105は、適宜取り替えることができてよい。したがって、光源105の寿命が尽きた場合などに、新しい光源と取り換えることで、化粧用照明装置100を長く使用することができる。具体的には、光源105は、単色光光源、発光ダイオード(LED)、光線の色及び明るさを自由に変えられるチップオンボードのLED、有機発光ダイオード(OLED)、白熱ランプ、蛍光ランプ、高輝度放電ランプ、点光源、面光源及び別の光源であってもよいが、これらに限定されない。
【0023】
図2の(a)は、化粧用照明装置100の正面を示す正面図の一例である。当該化粧用照明装置100は立体的な構成であり、図1に示された各構成を備える上で、ワイヤー202、使用者の顔面をセンシングする顔面センサー203、収納筐体204及び制御ボタン205も有する。しかしながら、顔面センサー203として用いるセンサーは限定されておらず、化粧用照明装置100は光線感知センサー、温度感知センサー、距離感知センサー等センサーを更に備えてもよい。
【0024】
ワイヤー202は、使用者の耳に掛けるように設けられる自由に伸縮可能なワイヤーのような構成である。使用者はワイヤー202の長短を調節することで、耳に固定することができる。また、ワイヤー202の素材は限定されておらず、ゴムでもよいし、形状記憶材料であってもよいし、金属又はプラスチックでもよい。例えば、ワイヤー202の素材が金属である場合、ワイヤー202の一部は基盤部分103Bに内蔵される。使用者はワイヤー202の長短を調節しようとしている場合、基盤部分103Bに内蔵された金属を外に引き出してもよい。
【0025】
顔面センサー203は、使用者の顔面をセンシングして使用者の顔面を示す情報(以下、顔面情報をいう)を取得する構造である。具体的に、顔面情報は、使用者の顔面の各部位の形、部位の配置関係、肌の色味、センサーと使用者の顔面の距離若しくは相対位置等を示す情報を含んでもよい。化粧用照明装置100に一つ又は2以上の顔面センサー203が設けられてもよい。また、顔面センサー203のセンシング範囲は化粧用照明装置100によって自由に設定してもよい。一例として、本実施形態において、右側の化粧用照明装置100及び左側の化粧用照明装置100はそれぞれに複数の顔面センサー203を備える。使用者の顔全体をセンシングしてもよいし、顔面センサー203は使用者の顔面の特定部位をセンシングしてもよい。例えば、顔面センサー203は、使用者の顔面をセンシングすることではなく、使用者の目を特定してセンシングすることができる。センシングした情報は、顔面センサー203と顔面あるいは顔面の部位との相対位置関係を示す情報であってよい。
【0026】
収納筐体204は、光源105等を制御するための電気回路、制御用ケーブル及び前述の部品に電力を供給する電源を、全部内蔵させて保護してもよい。また、収納筐体204の大小及び形状は限定されておらず、化粧用照明装置100の制御に要する部品を包含すればよい。収納筐体204に収まれる部品の数と種類は、光源105等を制御するための電気回路、及び前述の部品に電力を供給する電源に限らなく、収納筐体204と基盤部分103とを一体化してもよい。
【0027】
制御ボタン205は、化粧用照明装置100の制御をするために設けられる構成である。本実施形態における制御ボタン205は、化粧用照明装置100のON/OFFボタンでもよいし、色変えを制御するボタン及び他の機能を有するボタンに分けられてもよい。
【0028】
図2の(b)は、化粧用照明装置100の側面を示す側面図の一例である。当該化粧用照明装置100は連結部201、装着部206、イヤリング筐体207及び挟持部208を備えている。
【0029】
連結部201は、基盤部分103と連結し、ケーブル104を調節する構成である。一例として、使用者は連結部201を作用点としてケーブル104を所定の位置に移動してもよい。また、使用者が連結部201を作用点としてケーブル104を所定の位置に移動した後、使用者は連結部201に搭載の螺子やクリップ等はめ込み構造を調節することで、ケーブル104を落下しにくい状態に維持することができる。
【0030】
装着部206は、使用者の耳を挟むように設けられたものの一部であり、装飾筐体102とイヤリング筐体207と繋がる構成である。一例として、使用者がイヤリング筐体207を有する化粧用照明装置100を自分の耳たぶに装着しようとしている際に、使用者は挟持部208を回転することで、装着部206と挟持部208との距離を縮小する。この場合、装着部206と挟持部208との作用の下で、使用者の耳たぶに装着することができる。逆に、使用者がイヤリング筐体207を有する化粧用照明装置100を自分の耳たぶから外そうとしている場合、使用者は挟持部208を回転して耳たぶとの距離を拡大させ、挟持部208と使用者の耳たぶと一定の距離があれば、自動的に脱落してもよい。つまり、装着部206、イヤリング筐体207、及び挟持部208は、化粧用照明装置100に一定の挟持力を提供することができる。
【0031】
以下、光線の制御例1と光線の制御例2とを、図3から図8を用いて詳細に説明する。
【0032】
<光線の制御例1>
光線の制御例1に係る化粧用照明装置100の機能構成を、図3図4及び図5に示す。図3に示すように、光線の制御例1に係る化粧用照明装置100は、制御ボタン205、電源部301、制御部302、発光部303、及び可動体304を備える。化粧用照明装置100は、化粧用照明装置100が自動的に使用者の顔面に光線を照射して化粧を施してもよいし、使用者が手動で化粧用照明装置100を制御して顔面に光線を照射して化粧を施してもよい。
【0033】
制御ボタン205は、化粧用照明装置100を制御する機能がある。例えば、制御ボタン205が化粧用照明装置100のON/OFF機能を実現する場合、使用者は制御ボタン205を一回押したら、化粧用照明装置100の作動が始まり、使用者は制御ボタン205を二回押したら、化粧用照明装置100の作動が止まるように構成してもよい。
【0034】
なお、もう一例を挙げると、化粧用照明装置100に搭載する光源105が複数の光線を発する場合に、使用者は制御ボタン205を一回押したら、化粧用照明装置100の作動が始まる。制御ボタン205を押す回数を増やすと共に、光源105により発される光線の色は一定のルールにしたがって変更されてよい。全種類の色を有する光線が発された後、使用者は制御ボタン205をもう一回押したら、化粧用照明装置100の作動が止まる。
【0035】
化粧用照明装置100に搭載する光源105の発光ルールは、光源105の種類によって決定してもよい。一例として、光源105が発光ダイオード(LED)であり、赤、緑及び青の三色の光線を発する場合に、使用者は制御ボタン205を押すと共に、化粧用照明装置100の電源から発する電流値を調節してLEDの光の強さを調節することができる。LEDへ異なる大きさの電流を流す場合、LEDから発する光線の強さと波長も同時に変化しており、発光色が変化することができる。また、LEDから発する光線の波長が長くなる場合、発光色は青、緑、赤の順番で色が変わる。また、制御ボタン205はホイールのような構成であってもよい。この場合、使用者は制御ボタン205を回転して光源105により発される光線の明度を調節することができる。例えば、制御ボタン205は、収納筐体204に対して回転可能に接続されてよく、その場合に、化粧用照明装置100において、制御ボタン205を時計回りに回転させることで光源105から発する光線の明度を上げ、反時計の周りの回転で光線の明度を下げるように構成してもよい。
【0036】
電源部301は、化粧用照明装置100に電力を提供する構成である。電源部301は、ボタン電池又は繰り返して充電して何度も使える充電バッテリーを含み、化粧用照明装置100に制御するための電力を供給することができる。
【0037】
制御部302は、プロセッサとメモリーを備え、プロセッサがプログラムを実行することで、化粧用照明装置100の化粧機能を実行することができる。また、制御部302は顔面センサー203から取得した各情報を分析する機能、各筐体を制御する機能等を備えてもよいが、これらに限定されない。例えば、化粧用照明装置100は音声認識機能を備えてもよく、制御部302は使用者の音声情報を認識して化粧用照明装置100をコントロールしてもよい。
【0038】
発光部303は、化粧用照明装置100の光源105の一部であり、光線を照射する機能を備える。発光部303は、制御部302から発光に関する情報(例えば、光線の明度や光線の色等を含む)を取得した後、その情報に対応している光線を使用者の顔面に照射する。
【0039】
可動体304は、ケーブル104と連結部201とを含んでおり、発光部303の照射位置を調整する構成である。具体的に、可動体304は基盤部分103に内蔵する小型制御モーターと接続する。使用者は、化粧用照明装置100に指令を入力した後、制御部302は、入力された指令を基にして小型制御モーターの作動方法を決定する。その後、制御部302は、その作動方法に従って小型制御モーターを制御することで、発光部303の照射位置を調節する。一例として、化粧用照明装置100は使用者から可動体304を作動することで、光源105Bと顔面センサー203を使用者の顔から離す方向に制御する指令を受信した後、制御部302は当該指令に従って、基盤部分103に内蔵する小型制御モーターを制御する。小型制御モーターの作動により可動体304は、使用者の顔から離す方向に移動してもよい。また、可動体304は形状記憶素材、金属と樹脂からなる可動素材、シリコンゴム及び運動可能な多層構造ものであってもよいが、これらに限られない。
【0040】
次に、図4を用いて光線の制御例1に係る化粧用照明装置100の制御部302について詳しく説明する。制御部302は、更に、顔面情報取得部311と特定部312を含むセンサー結果処理部310、第1受信部321と第1送信部322を含む第1送受信部320、光線調節部331、伸縮部332及び照射位置調節部333を含む調節部330、生成部340、及び第1記憶部350を備える。化粧用照明装置100の用途によって新たな構成を追加することができるし、既存の構成を一部削除又は変更してもよい。
【0041】
センサー結果処理部310は、顔面センサー203から取得した各種情報を再加工して化粧に要する情報(例えば、使用者の顔面情報、使用者の顔面情報に基づく顔面モデルを含んでもよい)を生成する。顔面情報取得部311は、顔面センサー203を介して使用者の顔面をセンシングして使用者の顔面情報を取得することができる。また、特定部312は、使用者の顔面情報に基づき、使用者の顔において化粧できる位置を化粧位置として特定する機能がある。一例として、特定部312が使用者の顔面情報によって使用者の唇を化粧位置として特定し、使用者が化粧用照明装置100を手動で制御しない場合、化粧用照明装置100は、唇(化粧位置)に化粧として視認可能な態様で光線を照射してもよい。化粧用照明装置100により顔面に対して化粧される位置は、予めプログラムにより定められていてもよいし、使用者の端末あるいは、化粧用照明装置100に設けられたスイッチ等に対する入力に基づいて特定されてよい。
【0042】
第1送受信部320は、化粧用照明装置100の制御に要する各種情報を受信する第1受信部321、及び、前述の各種情報を各構成に送信する第1送信部322を含む。第1受信部321は、顔面センサー203から使用者の顔面情報を取得する。また、第1送信部322は、制御部302による各種情報、例えば、顔面情報及び化粧する位置を示す位置情報、各構成の調節情報等、を調節部330に送信してもよい。
【0043】
調節部330は光線調節部331、伸縮部332及び照射位置調節部333を備える。制御部302が調節部330を制御する場合、調節部330は光源105により発された光線を示す情報(以下、光線情報とする)、可動体304の位置を調節することができる。
【0044】
その中で、光線調節部331は、光線の明度、彩度及び色相を調節することができる。一例として、光線調節部331が制御ボタン205に搭載され、使用者は制御ボタン205を制御することで、光線の明度、彩度及び色相を手動で調節してもよいが、これに限定されておらず、使用者は外部端末において光線情報を事前に設定し、光線調節部331が事前に設定された光線情報によって光線の明度、彩度及び色相を自動的に調節してもよい。自動的に調節する手法は限定されておらず、光線調節部331は、使用者が事前に設定した光線情報に基づいて学習モデルを構築してもよい。該学習モデルとは、調節前の光線情報と、調節前から調節後とするための調節内容(例えば、光線情報の色の変化、光線強度の変化、光源105の物理的な位置と向き等の情報を含んでもよい)との対応関係を学習したモデルであってもよい。該学習モデルは、更に調節後の光線情報を学習してもよい。調節前の光線情報は、化粧用照明装置100が照射している光線の状態を示す情報であってよく、一例として、光線の色、強度、照射方向等の情報及びそのときの光線が照射されている使用者の画像であってよい。また、調節後の光線情報は、使用者に対して光が照射されている状態を示す情報であってよく、一例として、光線が照射されている使用者の画像であってよい。調節後の光線情報を学習することで、自動的に調節した後の状態が結果として使用者の好みに相応しいかどうかを確認することができる。この場合、化粧用照明装置100は、該学習モデルに基づいて、調節後の光線情報を自動的に調節できることになる。具体的には、化粧用照明装置100は、該学習モデルに対して調節前の光線情報を入力することで、調節内容を取得することができる。使用者が化粧用照明装置100を制御して所定の部位に化粧しようとしている場合、光線調節部331は、事前に設定された光線情報に基づいて学習モデルを介して使用者の好みに相応しい化粧情報を生成して調節してもよい。
【0045】
伸縮部332は、制御部302を介して可動体304の長短を調節することができる。なお、使用者が可動体304の長短を調節しようとしている場合に、伸縮部332は機能せずに、使用者が手動で可動体304の長短を調節して化粧機能を実現してもよい。
【0046】
照射位置調節部333は、光線が使用者の顔面に照射する位置、かつ、光源105と使用者の顔面との距離、を調節することができる。具体的には、顔面センサー203が光源105と使用者の顔面との距離を測定し、その距離によって照射位置を調節することができる。この場合、光源105と使用者の顔面との距離は固定値であってもよい。照射位置調節部333は、光源105と使用者の顔面との距離を測定した後、測定距離が固定値より低い場合(つまり、光源105と使用者の顔面との距離が近い場合)、照射位置調節部333は、制御部302に距離調節に関する指令(例えば、光源105を、固定値と測定距離の差の絶対値によって使用者の顔面から離す)を送信し、伸縮部332が制御部302を介してその指令に応じて可動体304の長短を調節する。また、光源105と使用者の顔面との角度は固定値であってもよい。顔面センサー203は、光源105と使用者の顔面との角度を測定した後、測定角度と固定値とが異なる場合、照射位置調節部333は光源105の照射角度を、固定値と測定角度の差の絶対値によって調節してもよい。なお、使用者が光源105の照射位置を調節しようとしている場合、照射位置調節部333は機能せずに、使用者が手動で照射位置等を調節してもよい。
【0047】
制御部302が機能を実行している際に、センサー結果処理部310に処理された各種情報、第1受信部321から受信した各種情報、及び調節部330の作動によって取得した各種情報は、第1記憶部350に記憶されてもよい。第1記憶部350は、例えば、フラッシュメモリや、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含んでもよい。
【0048】
<動作及び図面>
次に、光線の制御例1に係る化粧用照明装置100の機能に基づいて使用者の顔面に光線を照射するプロセスを説明する。図5は、化粧用照明装置100の動作を示すフローチャートの一例であり、化粧用照明装置100の動作はこれらに限定されておらず、使用者は、化粧用照明装置100を手動で制御して顔面に光線を照射する情報を調節してもよい。
【0049】
まず、使用者は化粧用照明装置100に搭載する制御ボタン205を押して当該化粧用照明装置100を起動する(ステップS101)。その後、化粧用照明装置100は装置に搭載された複数の顔面センサー203を制御して使用者の顔面情報を取得する(ステップS102)。この時、使用者が手動で顔面センサー203を搭載する可動体304を動かして使用者自分の顔面をセンシングして顔面情報を取得してもよい。また、当該化粧用照明装置100が使用者の耳に装着された後、使用者は制御ボタン205を押して化粧用照明装置100を制御する。その後、化粧用照明装置100は複数の顔面センサー203を制御して使用者の顔面情報を取得してもよい。
【0050】
なお、化粧用照明装置100に搭載された顔面センサー203は、使用者の顔全体ではなく、顔面の特定部位を認識してもよい。一例として、顔面センサー203は、使用者の顔面における特定の部位を認識する認識部が設けられ、使用者の顔面における目の周りを認識してもよい。認識部は、画像解析を活用した顔認識や表情解析に関する技術若しくは機能を搭載しており、使用者の顔面をセンシングして取得した情報に基づいて認識対象とする部分の輪郭点を抽出して結び付け、顔面情報としてもよい。また、認識部に認識された輪郭点の数は限らず、認識される部分によって輪郭点の数を適当に追加又は削除するようにしてもよい。また、画像解析を活用した顔認識や表情解析に関する技術若しくは機能は、外部端末に提供してもよい。顔認識とは、顔の形状、部位の位置関係等を解析することであってもよい。
【0051】
次に、光線調節部331は発光部303により発される光線の明度、彩度及び色相を調節する(ステップS103)。光線調節の一例として、使用者が外部端末において光線の明度、彩度及び色相を事前に設定する場合、制御部302は使用者に設定された明度、彩度及び色相に関する光線情報を光線調節部331に送信してもよい。光線調節部331は、その光線情報に応じて発光部303により発される光線の明度、彩度及び色相を自動的に調節してもよい。また、光線情報を生成せず、使用者は制御ボタン205を制御して手動で発光部303により発される光線の明度、彩度及び色相を自動的に調節してもよい。
【0052】
その後、特定部312は、顔面情報に基づいて使用者の顔面の化粧位置を特定する。顔面に対して部位を特定する手法は限定されておらず、化粧用照明装置100は赤外線センサーを更に備えてもよい。制御部302は赤外線センサーを制御することで、赤外線センサーから使用者の顔面の各部位までの距離を特定して使用者顔面の立体データを取得する。また、赤外線センサーは、赤外線を介して顔面の奥行或は凹凸等によって使用者顔面の特定の部位を検出してもよい。化粧位置が特定された後に、化粧用照明装置100は化粧位置によって発光部303による光線の照射位置を調節することができる(ステップS104)。光線調節部331と同様に、照射位置調節部333は使用者の顔面情報に応じて照射位置を示す情報を自動的に生成して照射位置を調節してもよいし、使用者が手動で照射位置を調節してもよい。
【0053】
しかしながら、図5に示すフローチャートのステップS103とステップS104の順番はこれに限られず、顔面情報取得部311が使用者の顔面情報を取得し、特定部312が化粧位置を特定した後、調節部330が先に化粧位置によって照射位置を調節してから、発光部303により発せられる光線の明度、彩度及び色相を調節してもよい。
【0054】
最後に、化粧用照明装置100は、照射位置を示す情報及び光線情報を含む化粧情報に応じて使用者の顔面に光線を照射して化粧を施す(ステップS105)。このように、光線の制御例1によると、使用者は化粧用照明装置100を装着した後、化粧用照明装置100が使用者の顔面情報を収集し、使用者の顔面情報によって化粧情報を自動的に生成することができる。その他、化粧用照明装置100の顔面センサー203は作動せず、使用者が光源105と可動体304を手動で調節して自由に化粧をしてもよい。
【0055】
<光線の制御例2>
光線の制御例2に係る化粧用照明装置100の機能構成は、図6に示す。光線の制御例2に係る化粧用照明装置100は、制御ボタン205、電源部301、制御部302、発光部303、及び可動体304だけでなく、ユーザ端末300と通信するように設けられる装置通信部503も有する。これにより、使用者がユーザ端末300において化粧用照明装置100を制御することができる。光線の制御例2に係る使用者の端末は、スマホ、タブレット、コントローラーを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0056】
図6は、化粧用照明装置100の制御例2の機能構成の一例である。図6に示すように、使用者は入力部501に化粧用照明装置100を制御する指令を入力し、入力された指令を端末通信部502に渡す。装置通信部503は、端末通信部502から制御指令を取得して制御部302に渡す。そして、制御部302はユーザ端末300から取得した指令に基づいて光線情報と位置情報とを含む化粧情報を生成する。生成部340は、使用者の顔面情報に基づいて使用者の顔面モデルを生成すると共に、その化粧情報を顔面モデルに付する。使用者の顔面モデルは、使用者の顔面情報を示す3次元モデルであり、使用者の顔面特徴は全て顔面モデルに表示することができる。化粧情報を付する顔面モデルは装置通信部503を介してユーザ端末300に送信してもよい。表示部504は、化粧情報を付する顔面モデルを表示することができる。使用者が確認部505において化粧情報を付する顔面モデルを確認し、もし化粧情報を修正する必要がない場合、制御部302は化粧情報を付する顔面モデルに応じて発光部303と可動体304を制御して使用者の顔面に光線を照射して化粧を施す。光線の制御例2に係る化粧情報の修正とは、使用者がユーザ端末300において光線情報を示す数値、若しくは照射位置を調節して修正するということである。
【0057】
<動作及び表示画面例>
次に、光線の制御例2に係る化粧用照明装置100の機能に基づいて説明する。図7は、化粧用照明装置100の動作を示すフローチャートの一例であり、本発明はこれらに限定されない。
【0058】
まず、使用者は化粧用照明装置100の制御ボタン205を押して装置を稼働してもよいが、使用者はユーザ端末300において化粧用照明装置100の起動に関する指令を入力して装置を稼働してもよい(ステップS201)。これにより、使用者は、ユーザ端末300を介して化粧用照明装置100を制御することが可能になる。
【0059】
その後、使用者はユーザ端末300において化粧用照明装置100を制御する指令を入力する(ステップS202)。制御指令には、化粧用照明装置100による光の照射を開始するためのスタート指令、光の照射を終了するための終了指令、照射する光の内容を変更する変更指令などがあってよい。なお、入力された制御指令は、端末通信部502を介して化粧用照明装置100に送信することができる。
【0060】
光線の制御例2に係る化粧用照明装置100は、制御指令に従って自動的に作動することができる。具体的には、使用者がスタート指令を受信した後、化粧用照明装置100に搭載している顔面センサー203は使用者の顔面をセンシングし、センシングされた顔面情報を制御部302の第1記憶部350に渡す(ステップS203)。そして、化粧用照明装置100は使用者の顔面情報に基づき、使用者の顔面に化粧する情報を自動的に生成してもよい。化粧情報を生成する手法は限定されておらず、使用者が化粧用照明装置100に光線情報及び化粧位置を示す情報を手動で入力する場合、化粧用照明装置100は、入力された化粧情報を化粧用照明装置100に認識される情報に変換して化粧情報を生成してもよい。また、化粧用照明装置100は、学習モデルを構築する機能を備えており、使用者が事前に設定された光線情報及び化粧位置を示す情報に基づいて使用者の好みに相応しい化粧情報を生成してもよい。学習モデルは化粧用照明装置100を使用する使用者のスマホ等の情報処理端末により学習されて生成されてもよい。該学習モデルとは、顔面情報と、顔面情報に対して適切な化粧情報(例えば、光線情報の色の変化、光線強度の変化、光源105の物理的な位置と向き等を含んでもよい)との対応関係を学習したモデルであってもよい。該学習モデルは、更に調節後の化粧情報を学習してもよい。調節後の化粧情報を学習することで、自動的に調節した後の状態が結果として使用者の好みに相応しいかどうかを確認することができる。この場合、化粧用照明装置100は、該学習モデルに基づいて、生成後の化粧情報を自動的に調節できることになる。
【0061】
次に、生成部340は使用者の顔面情報に基づいて使用者の顔面を示す顔面モデルを構築する(ステップS204)。また、顔面モデルを構築している際に、化粧用照明装置100は顔面モデルの一部をハイライトする機能を備えてもよい。一例として、化粧用照明装置100の特定部312は、顔面モデルにおいて顔部位である目、鼻、額、眉毛、瞼、睫毛、唇及び頬など部位を検出して特定し、自動的にハイライトすることができる。この場合、使用者がハイライトされた部位を選択することで、化粧しようとする部位を設定してもよい。
【0062】
そして、化粧用照明装置100は、化粧情報に基づく化粧を使用者の顔面モデルに付する(ステップS205)。化粧情報を使用者の顔面モデルに付する一例として、ユーザ端末300は使用者の顔面モデルを生成すると共に、当該顔面モデルに基づく三次元座標系も同時に生成する。ここで、顔面モデルを示す三次元座標系とは、使用者の正面に正対したときの左右方向をX軸とする。また、使用者の正面に正対したときの上下方向をY軸とする。使用者の正面に正対したときの奥行方向をZ軸としてもいが、これらに限定せず、原点は鼻以外の部位であってもよい。また、顔面モデルに基づく三次元座標系に限定されておらず、例えば、使用者の顔面を示す座標は直交直線座標でなく、球面座標で表現してもよい。これにより、使用者の各顔面部位は、該三次元座標において位置ベクトルを有する。
【0063】
なお、照射位置を示す位置情報は、三次元座標の位置ベクトルに変換することができる。一例として、光源105により照射された位置は三次元座標に示され、化粧用照明装置100は、照射位置の輪郭点を示す位置ベクトルを算出することができる。更に、照射位置の輪郭点を示す位置ベクトルは、三次元座標系における使用者の顔面モデルを示す位置ベクトルと比較し、一致であれば、照射位置の輪郭点を顔面モデルに自動的に重畳し、化粧情報を使用者の顔面モデルに対応することが可能になる。
【0064】
その後、化粧情報を付する顔面モデルは、ユーザ端末300の表示部504に表示され、使用者が確認部505において該化粧情報を示す化粧効果を確認した後、その確認完了指令を化粧用照明装置100に入力する。確認完了指令は、化粧用照明装置100を制御する指令情報の一種であり、化粧用照明装置100は確認完了指令に基づいて化粧効果を調整するかどうかを判断する(ステップS206)。該化粧効果を使用者が気に入らず、再調整する必要がある場合(ステップS206でYES)、使用者は確認部505において化粧情報を再設定してもよい。また、使用者は制御部302に生成された光線の明度、彩度及び色相を示す数値、或いは照射位置を示す位置ベクトルを再設定し、異なる数値を入力することを介して化粧効果を変更する(ステップS207)。一例として、光源105により発された光線の明度が低い場合、使用者は光線の明度を示す数値を上げて明度を調整してもよい。また、使用者が化粧情報を変更する際に、制御部302は、使用者の顔面に照射された光線の光量を監視し、過大な光量による眩しさを抑えるように、使用者に再設定された数値に応じて光量を自動的に調整してもよい。その後、化粧用照明装置100は、修正された化粧情報を付する顔面モデルに従い、使用者の顔面に光線を照射して化粧機能を実行する(ステップS208)。
【0065】
また、使用者は化粧情報を繰り返して再設定してもよい。逆に、該化粧効果が使用者に認められ、再調整する必要がない場合に(ステップS206でNO)、化粧用照明装置100は、その化粧情報を付する顔面モデルに従って使用者の顔面に光線を照射して化粧を施す(ステップS208)。
【0066】
化粧用照明装置100が使用者の顔面に光線を照射する場合に、各種の化粧情報(光線の照射位置を示す情報と光線の照射を示す情報とを含む)はユーザ端末300の第2記憶部506に自動的に記憶されてもよい。次回、使用者が化粧しようとしている際に、使用者は化粧情報を再設定することなく、第2記憶部506に記憶された化粧情報を直接的に選択して顔面を化粧してもよい。
【0067】
光線の制御例2によれば、生成部340は、使用者の顔面情報を示す顔面モデルを構築する機能を備える。使用者は、ユーザ端末300において表示された顔面モデルを参照しながら、自分の好みによって化粧情報を自由に調節できるという利点がある。
【0068】
<データ>
図8に、ユーザ端末300及び化粧用照明装置100に記憶されている、化粧情報に関するデータテーブルDTの一例を示す。データテーブルDT400は、光線情報を示す明度、彩度、色相、及び位置ベクトル等コンテンツが含まれてもよい。例えば、化粧情報「MakeupInfo_1」とは、化粧用照明装置100が「明度50、彩度25%及び色相300°」の光線情報に従い、使用者の顔面モデルの(x1,y1,z1)を示す位置に光線を照射し、化粧を施すということである。この場合に、使用者は色彩に関する知識を身につけなくても、化粧情報を再設定して化粧効果を調節することができる。
また、図8は一例であり、記憶される情報はこれらに限定されていない。例えば、化粧用照明装置100は色の三属性(つまり、明度、彩度及び色相ということである)を用いて光線情報を設定することでなく、マンセル表色系又はRGB表色系に従って光線情報を設定してもよい。
【0069】
<補足>
上記実施形態において光線の制御例1及び光線の制御例2について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。以下に、各種の変形例について説明する。
【0070】
(1)上記の実施形態において、光線感知センサーは化粧用照明装置100に設けられてもよい。一例として、使用者が暗い環境、或いは光が強い環境において化粧用照明装置100を使用している際に、化粧用照明装置100は該光線感知センサーを介して外部光線の強度を自動的に検出することができる。その後、光源105により発された光線は化粧効果を実現する上で、外部環境の光線強度によって自動的にバランスしてもよい。
【0071】
(2)上記の実施形態において、化粧用照明装置100に搭載の顔面センサー203は、画面を撮像するカメラ(イメージセンサー)として実現されてよく、カメラを使って使用者の顔面情報を取得してもよい。一例として、化粧用照明装置100は複数のカメラを備えており、2種類以上の異なる角度から使用者の顔面を撮影して使用者の顔面情報を取得してもよい。
【0072】
(3)上記の実施形態において、生成部340は化粧用照明装置100に設置しておらず、ユーザ端末300に設けられてもよい。この場合に、制御部302は光線情報及び位置情報を含む化粧情報を生成した後、装置通信部503を介して直接的にユーザ端末300に渡してもよい。この場合、化粧情報は、ユーザ端末300において顔面モデルに付してもよい。
【0073】
(4)上記の実施形態において、化粧用照明装置100の光線を照射する方法は限定されておらず、制御部302は電気信号を光の信号に変換し、光ファイバー又はミラーを介して光源105に伝送して光線を照射してもよい。
【0074】
(5)上記の実施形態において、化粧用照明装置100は使用者の表情変化を検出する機能を備えてもよい。顔面センサー203は使用者の異なる表情を検出すると同時に、制御部302が使用者に出された表情に従って光線を照射する位置を調整することができる。一例として、化粧用照明装置100が使用者の唇に光線を照射して化粧機能を実現する際に、使用者の口角は上がる場合若しくは口を横に引いて笑う場合に、化粧用照明装置100が使用者の唇の変化を検出し、その変化に従って適切な光線を調整して照射してもよい。
【0075】
(6)上記の実施形態において、化粧用照明装置100は、化粧品販売店の専門家に実際に化粧してもらった化粧後写真を記憶する機能を備えてもよい。使用者は化粧用照明装置100を制御することで、該化粧後写真の様式に従って化粧を自動的に行ってもよい。
【0076】
(7)上記の実施形態において、光源105により発された光線が使用者の顔面に照射している際、或いは化粧用照明装置100が稼働している際に、化粧用照明装置100(発光部303)が発熱してしまい、使用者の顔面に放熱する場合がある。そこで、発生熱を減らすために、化粧用照明装置100は基盤にシートタイプのヒートシンク又は熱ゴムのような素材を備えてもよい。
【0077】
(8)なお、本明細書において説明された各構成の機能、制御手順、特にフローチャートを用いて説明された処理手順においては、その処理方法及び手順は一部を省略し、或いはまた、新たな一部を追加や手順間の置換、順序を入れ替えること、このような省略、追加、順位の変更がなされた処理手順も本展示の趣旨を逸脱しない限り本開示の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
100 化粧用照明装置
101A/101B 照射位置
102A/102B 装飾筐体
103A/103B 基盤部分
104A/104B 光伝送用ケーブル
105A/105B 光源
201 連結部
202 ワイヤー筐体
203 顔面センサー
204 収納筐体
205 制御ボタン
206 装着部
207 イヤリング筐体
208 挟持部
300 ユーザ端末
301 電源部
302 制御部
303 発光部
304 可動体
310 センサー結果処理部
311 顔面情報取得部
312 特定部
320 第1送受信部
321 第1受信部
322 第1送信部
330 調節部
331 光線調節部
332 伸縮部
333 照射位置調節部
340 生成部
350 第1記憶部
400 データテーブルDT
501 入力部
502 端末通信部
503 装置通信部
504 表示部
505 確認部
506 第2記憶部
【要約】
【課題】 化粧用品を使わずに、化粧用照明装置を用いて使用者の顔面に光線を照射することで、化粧効果を実現すること。
【解決手段】 化粧用照明装置は、使用者の顔に装着させる装着部と、装着部に接続された、使用者の顔に光を発する発光部と、使用者の顔に対して化粧を施すように、発光部の光を制御する制御部と、を備える
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8