IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 馭勢(上海)汽車科技有限公司の特許一覧

特許7580155交通流情報の決定方法、装置、電子機器及び記憶媒体
<>
  • 特許-交通流情報の決定方法、装置、電子機器及び記憶媒体 図1
  • 特許-交通流情報の決定方法、装置、電子機器及び記憶媒体 図2
  • 特許-交通流情報の決定方法、装置、電子機器及び記憶媒体 図3
  • 特許-交通流情報の決定方法、装置、電子機器及び記憶媒体 図4
  • 特許-交通流情報の決定方法、装置、電子機器及び記憶媒体 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】交通流情報の決定方法、装置、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20241101BHJP
【FI】
G08G1/00 C
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2023527374
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 CN2020127499
(87)【国際公開番号】W WO2022095023
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-05-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522369865
【氏名又は名称】馭勢(上海)汽車科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】UISEE (SHANGHAI) AUTOMOTIVE TECHNOLOGIES LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】韓 佐悦
(72)【発明者】
【氏名】王 子涵
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111738207(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108171967(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサによって実現される交通流情報を決定する方法であって、前記方法は、プロセッサの実行により、
自車両の運動情報及び1つ又は複数の目標車両の状態情報に基づき、各前記目標車両をグループ化し、グループ情報を得るステップと、
各前記目標車両の状態情報及び前記グループ情報に基づき、各前記目標車両のフィッティング重みを決定するステップと、
前記自車両の運動情報、各前記目標車両の状態情報、各前記目標車両のフィッティング重み及び前記グループ情報に基づき、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成するステップと、を含み、
前記自車両の運動情報は前記自車両の走行中の走行に関連する動力学情報であり、前記目標車両の状態情報は前記目標車両と前記自車両との間の相対位置及び相対運動を含む情報であり、前記交通流情報は、同一車線の複数の車両が同方向に運動して形成された車流の軌跡の情報であり、
フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成する前記ステップの前に、前記方法はさらに、
目標車両数が予め設定されたフィッティング数を満たすか否かを判断し、満たした場合、自車両の走行状態が直進であるか否かを判断するステップと、
自車両の走行状態が直進である場合、キャッシュされた履歴車両を取得するステップと、
各前記履歴車両の座標を更新し、各履歴車両に対応する仮想車両及び各前記仮想車両の状態情報を得るステップと、
履歴交通流情報、前記自車両の運動情報、各前記仮想車両の状態情報及び各前記仮想車両のグループ情報に基づき、各前記仮想車両のフィッティング重みを決定するステップと、を含み、
これに対応して、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成する前記ステップは、各前記目標車両の状態情報、各前記目標車両のフィッティング重み、各前記仮想車両の状態情報及び各前記仮想車両のフィッティング重みに基づき、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成するステップを含む、
ことを特徴とする交通流情報の決定方法。
【請求項2】
自車両の運動情報及び1つ又は複数の目標車両の状態情報に基づき、各前記目標車両をグループ化し、グループ情報を得る前記ステップは、
前記自車両の運動情報に基づき、自車両の走行軌跡を決定するステップと、
前記自車両の運動情報及び各前記目標車両の状態情報に基づき、1つ又は複数の有効目標車両をスクリーニングするステップと、
前記自車両の走行軌跡及び各前記有効目標車両の状態情報に基づき、各前記有効目標車両をグループ化し、グループ情報を得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
グループ情報を得る前記ステップの後、前記方法はさらに、
履歴交通流情報に基づき、前記グループ情報を補正するステップと、
これに対応して、前記履歴交通流情報、各前記有効目標車両の状態情報及び補正後のグループ情報に基づき、各前記有効目標車両のフィッティング重みを決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記自車両の走行軌跡及び各前記有効目標車両の状態情報に基づき、各前記有効目標車両をグループ化し、グループ情報を得る前記ステップは、
各前記有効目標車両に対して、
当該有効目標車両の状態情報及び前記自車両の走行軌跡に基づき、当該有効目標車両が位置する相対車線を決定するステップと、
前記相対車線に基づき、当該有効目標車両のグループ情報を決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記グループ情報は、自車両が位置する車線の左側の第1の車線グループ、自車両が位置する車線の左側の第2の車線グループ、自車両が位置する車線の右側の第1の車線グループ、自車両が位置する車線の右側の第2の車線グループ及び他のグループという5つのグループを含む、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記履歴車両はキャッシュ条件を満たし、ここで、前記キャッシュ条件は、自車両と同方向に走行し且つ他のグループに属しない車両をスクリーニングすることに用いられる、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記キャッシュ条件は、
車両が自車両の前方に位置し且つ自車両との相対距離が予め設定された相対距離閾値より大きいことと、
自車両の速度に対する車両の方向と自車両の走行方向との間の夾角が予め設定された夾角閾値より小さいことと、
自車両に対する車両の側方距離が予め設定された側方距離範囲内にあることと、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記キャッシュ条件はさらに、車両のライフサイクルが予め設定されたライフサイクル閾値より大きいことを含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
各前記目標車両のフィッティング重みを決定する前記ステップは、
各前記目標車両に対して、
当該目標車両の状態情報及び当該目標車両のグループ情報に基づき、当該目標車両の側方速度偏差重み、当該目標車両の側方変位偏差重み、当該目標車両のライフサイクル重み及び当該目標車両の速度重みを決定するステップと、
当該目標車両の側方速度偏差重み、当該目標車両の側方変位偏差重み、当該目標車両のライフサイクル重み及び当該目標車両の速度重みを乗算し、当該目標車両のフィッティング重みを得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
各前記仮想車両のフィッティング重みを決定する前記ステップは、
各前記仮想車両に対して、
当該仮想車両の状態情報及び当該仮想車両のグループ情報に基づき、当該仮想車両の側方速度偏差重み、当該仮想車両の側方変位偏差重み、当該仮想車両のライフサイクル重み、当該仮想車両の速度重み及び当該仮想車両の重みを決定するステップと、
当該仮想車両の側方速度偏差重み、当該仮想車両の側方変位偏差重み、当該仮想車両のライフサイクル重み、当該仮想車両の速度重み及び当該仮想車両の重みを乗算し、当該仮想車両のフィッティング重みを得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
各グループは1つの交通流に対応し、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成する前記ステップは、
1つのグループに対して、
当該グループにおける目標車両の数及び当該グループにおける全ての目標車両の縦方向分布距離に基づき、フィッティング方式を選択するステップと、
選択したフィッティング方式に基づき、前記自車両の運動情報、当該グループにおける各目標車両の状態情報及び当該グループにおける各目標車両のフィッティング重みを利用して、フィッティングにより当該グループに対応する現在交通流情報を生成するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
当該グループにおける目標車両の数及び当該グループにおける全ての目標車両の縦方向分布距離に基づき、フィッティング方式を選択する前記ステップは、
当該グループにおける目標車両の数が第1の数量条件を満たすか否か、且つ縦方向分布距離が予め設定された第1の距離閾値より大きいか否かを判断するステップと、
第1の数量条件を満たし、且つ予め設定された第1の距離閾値より大きい場合、一次フィッティング及び二次フィッティングを選択し、そうではない場合、当該グループにおける目標車両の数量が第2の数量条件を満たすか否か、且つ縦方向分布距離が予め設定された第2の距離閾値より大きいか否かを判断するステップと、
第2の数量条件を満たし、且つ予め設定された第2の距離閾値より大きい場合、一次フィッティングを選択し、そうではない場合、フィッティングを行わないステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
一次フィッティング及び二次フィッティングを選択する場合、フィッティングにより当該グループに対応する現在交通流情報を生成する前記ステップは、
フィッティングにより当該グループに対応する一次フィッティング結果を生成し、前記一次フィッティング結果の第1の平均二乗偏差を決定するステップと、
フィッティングにより当該グループに対応する二次フィッティング結果を生成し、前記二次フィッティング結果の第2の平均二乗偏差を決定するステップと、
前記第1の平均二乗偏差及び前記第2の平均二乗偏差を比較し、前記第1の平均二乗偏差が前記第2の平均二乗偏差の予め設定された倍数より大きい場合、前記二次フィッティング結果を当該グループに対応する現在交通流情報として選択し、そうではない場合、前記一次フィッティング結果を当該グループに対応する現在交通流情報として選択するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記自車両の運動情報、当該グループにおける各目標車両の状態情報及び当該グループにおける各目標車両のフィッティング重みを利用して、フィッティングにより当該グループに対応する現在交通流情報を生成する前記ステップは、
当該グループにおける各目標車両の状態情報及び当該グループにおける各目標車両のフィッティング重みに基づき、フィッティングにより当該グループに対応する初期交通流情報を生成するステップと、
履歴交通流情報及び前記自車両の運動情報に基づき、前記初期交通流情報を制約し、当該グループに対応する現在交通流情報を得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記制約は、位置制約、方位制約及び/又は曲率制約を含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記位置制約は、前記履歴交通流情報に対応する信頼度に基づき、前記初期交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける定数項の変化量を制約することを含み、
前記定数項の変化量と前記履歴交通流情報に対応する信頼度との間は逆相関であり、前記定数項の変化量と前記初期交通流情報に対応するフィッティング数との間は正相関である、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方位制約は、前記履歴交通流情報に対応する信頼度及び/又は前記自車両の運動情報に基づき、前記初期交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける一次項の変化量を制約することを含み、ここで、前記一次項の変化量と前記履歴交通流情報に対応する信頼度との間は逆相関であり、前記一次項の変化量と前記自車両のステアリング幅との間は正相関であり、及び/又は、前記一次項の変化量と前記初期交通流情報に対応するフィッティング数との間は正相関である、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記曲率制約は、前記履歴交通流情報に対応する信頼度及び/又は前記自車両の運動情報に基づき、前記初期交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける二次項の変化量を制約することを含み、ここで、前記二次項の変化量と前記履歴交通流情報に対応する信頼度との間は逆相関であり、前記二次項の変化量と前記自車両の速度との間は逆相関であり、及び/又は、前記二次項の変化量と前記自車両のハンドル回転数との間は正相関である、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記方法はさらに、
前記現在交通流情報に基づき、信頼度増分を決定するステップと、
履歴交通流情報の信頼度及び前記信頼度増分に基づき、前記現在交通流情報に対応する信頼度を決定するステップと、を含み、
ここで、前記信頼度増分と前記現在交通流情報に対応するフィッティング結果平均二乗偏差との間は逆相関であり、前記信頼度増分と前記現在交通流情報に対応するフィッティング数との間は正相関であり、及び/又は、前記信頼度増分と前記現在交通流情報に対応する目標車両の縦方向分布距離との間は正相関である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記現在交通流情報に基づき、信頼度増分を決定する前記ステップは、2つの現在交通流情報に交差がある場合、2つの交通流に対応するフィッティング数及び縦方向分布距離を比較するステップと、フィッティング数の少ない又は縦方向分布距離の短い現在交通流情報に対応する信頼度増分がマイナスであると決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記方法はさらに、前記現在交通流情報及び前記現在交通流情報に対応する信頼度に基づき、自車両走行参照経路を決定するステップを含み、
自車両走行参照経路を決定する前記ステップは、
自車両の両側の現在交通流情報に対応する信頼度がいずれも予め設定された信頼度閾値より高い場合、自車両走行参照経路のパラメータが自車量両側の現在交通流情報に対応するフィッティングパラメータの加重平均値であると決定するステップであって、自車両の両側の現在交通流情報に対応するフィッティングパラメータの重みとフィッティングパラメータの変化率との間は逆相関であるステップと、
自車両の片側のみの現在交通流情報に対応する信頼度が予め設定された信頼度閾値より高い場合、自車両の走行参照経路のパラメータにおける一次項及び二次項が当該側の現在交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける一次項及び二次項と同じで、自車両の走行参照経路のパラメータにおける定数項がゼロであると決定するステップと、
自車両の両側の現在交通流情報に対応する信頼度がいずれも予め設定された信頼度閾値より低い場合、自車両の走行参照経路のパラメータがいずれもゼロであると決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記方法はさらに、前記現在交通流情報及び前記現在交通流情報に対応する信頼度に基づき、補助位置特定フラグを決定するステップを含み、
補助位置特定フラグを決定する前記ステップは、
自車両の両側の現在交通流情報に対応する信頼度がいずれも予め設定された信頼度閾値より高い場合、補助位置特定フラグを第1のフラグとして決定するステップと、自車両の左側の現在交通流情報に対応する信頼度が予め設定された信頼度閾値より高い場合、補助位置特定フラグを第2のフラグとして決定するステップと、自車両の右側の現在交通流情報に対応する信頼度が予め設定された信頼度閾値より高い場合、補助位置特定フラグを第3のフラグとして決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
自車両の運動情報及び1つ又は複数の目標車両の状態情報に基づき、各前記目標車両をグループ化し、グループ情報を得ることに用いられるグループ化モジュールと、
各前記目標車両の状態情報及び前記グループ情報に基づき、各前記目標車両のフィッティング重みを決定することに用いられる決定モジュールと、
前記自車両の運動情報、各前記目標車両の状態情報、各前記目標車両のフィッティング重み及び前記グループ情報に基づき、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成することに用いられるフィッティングモジュールと、を含み、
前記自車両の運動情報は前記自車両の走行中の走行に関連する動力学情報であり、前記目標車両の状態情報は前記目標車両と前記自車両との間の相対位置及び相対運動を含む情報であり、前記交通流情報は、同一車線の複数の車両が同方向に運動して形成された車流の軌跡の情報であり、
前記フィッティングモジュールはさらに、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成する前に、目標車両数が予め設定されたフィッティング数を満たすか否かを判断し、満たした場合、自車両の走行状態が直進であるか否かを判断し、自車両の走行状態が直進である場合、キャッシュされた履歴車両を取得し、各前記履歴車両の座標を更新し、各履歴車両に対応する仮想車両及び各前記仮想車両の状態情報を得、履歴交通流情報、前記自車両の運動情報、各前記仮想車両の状態情報及び各前記仮想車両のグループ情報に基づき、各前記仮想車両のフィッティング重みを決定することに用いられ、
これに対応して、前記フィッティングモジュールは、各前記目標車両の状態情報、各前記目標車両のフィッティング重み、各前記仮想車両の状態情報及び各前記仮想車両のフィッティング重みに基づき、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成することに用いられる、
ことを特徴とする交通流情報の決定装置。
【請求項24】
プロセッサ及びメモリを含み、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されているプログラム又は命令を呼び出すことにより、請求項1~22のいずれか一項に記載の交通流情報の決定方法のステップを実行することに用いられる、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項25】
請求項1~22のいずれか一項に記載の交通流情報の決定方法のステップをコンピュータに実行させるプログラム又は命令が記憶されている、
ことを特徴とする非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例はスマート運転の技術分野に関し、特に交通流情報の決定方法、装置、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
構造化道路に対する現在のスマート運転システムは、走行環境感知を行うプロセスにおいて、通常、車両前方のカメラで収集された車線区画線情報に基づき、車両の横位置の位置特定と目標走行経路の生成を行う。車両の横方向の位置特定(すなわち、車両が位置する車線の位置特定)、車両の横方向の制御、及び目標走行経路の生成の正確性は、スマート運転システム又はカメラによる車線区画線への認識精度に依存することが分かる。
【0003】
しかしながら、現在、車線区画線を正確に認識できない要因は、多種多様である。例えば、路面交通が渋滞であり、自車両と先行車の車速が低く、車間距離が近く、両側車線の車流が密である場合、車両前方のカメラの感知距離と視野範囲が制限され、この場合、カメラが取得した画像データに基づき、車線区画線を認識することが困難になる。また、道路工事、車線変更、車の流量過多等の種々の原因により、車線区画線が不明瞭になり、古い車線区画線が十分にクリーニングされていない等、車線区画線の正確な認識を妨げる場合がある。
【0004】
車線区画線の認識不能や認識精度の低下が、車両の横方向の位置特定、車両の横方向の制御及び目標走行経路の生成に与える影響を低減するために、他の感知手段が必要となることが分かる。そのため、交通流(Traffic Stream)情報を感知できる新たな感知手段を提供する必要があり、交通流は同一車線の複数の車両が同方向に運動して形成された車流として理解することができ、交通流情報は交通流の軌跡の情報として理解することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、交通流情報を感知できる新たな感知手段を提供する。本開示の少なくとも1つの実施例は、交通流情報の決定方法、装置、電子機器及び非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本開示の実施例により提供される交通流情報の決定方法は、
自車両の運動情報及び1つ又は複数の目標車両の状態情報に基づき、各前記目標車両をグループ化し、グループ情報を得るステップと、
各前記目標車両の状態情報及び前記グループ情報に基づき、各前記目標車両のフィッティング重みを決定するステップと、
前記自車両の運動情報、各前記目標車両の状態情報、各前記目標車両のフィッティング重み及び前記グループ情報に基づき、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成するステップと、を含む。
【0007】
いくつかの実施例では、自車両の運動情報及び1つ又は複数の目標車両の状態情報に基づき、各前記目標車両をグループ化し、グループ情報を得る前記ステップは、
前記自車両の運動情報に基づき、自車両の走行軌跡を決定するステップと、
前記自車両の運動情報及び各前記目標車両の状態情報に基づき、1つ又は複数の有効目標車両をスクリーニングするステップと、
前記自車両の走行軌跡及び各前記有効目標車両の状態情報に基づき、各前記有効目標車両をグループ化し、グループ情報を得るステップと、を含む。
【0008】
いくつかの実施例では、グループ情報を得る前記ステップの後、前記方法はさらに、
履歴交通流情報に基づき、前記グループ情報を補正するステップと、
これに対応して、前記履歴交通流情報、各前記有効目標車両の状態情報及び補正後のグループ情報に基づき、各前記有効目標車両のフィッティング重みを決定するステップと、を含む。
【0009】
いくつかの実施例では、前記自車両の走行軌跡及び各前記有効目標車両の状態情報に基づき、各前記有効目標車両をグループ化し、グループ情報を得る前記ステップは、
各前記有効目標車両に対して、
当該有効目標車両の状態情報及び前記自車両の走行軌跡に基づき、当該有効目標車両が位置する相対車線を決定するステップと、
前記相対車線に基づき、当該有効目標車両のグループ情報を決定するステップと、を含む。
【0010】
いくつかの実施例では、前記グループ情報は、自車両が位置する車線の左側の第1の車線グループ、自車両が位置する車線の左側の第2の車線グループ、自車両が位置する車線の右側の第1の車線グループ、自車両が位置する車線の右側の第2の車線グループ及び他のグループという5つのグループを含む。
【0011】
いくつかの実施例では、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成する前記ステップの前に、前記方法はさらに、
目標車両数が予め設定されたフィッティング数を満たすか否かを判断し、満たした場合、自車両の走行状態が直進であるか否かを判断するステップと、
自車両の走行状態が直進である場合、キャッシュされた履歴車両を取得するステップと、
各前記履歴車両の座標を更新し、各履歴車両に対応する仮想車両及び各前記仮想車両の状態情報を得るステップと、
履歴交通流情報、前記自車両の運動情報、各前記仮想車両の状態情報及び各前記仮想車両のグループ情報に基づき、各前記仮想車両のフィッティング重みを決定するステップと、を含み、
これに対応して、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成する前記ステップは、各前記目標車両の状態情報、各前記目標車両のフィッティング重み、各前記仮想車両の状態情報及び各前記仮想車両のフィッティング重みに基づき、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成するステップを含む。
【0012】
いくつかの実施例では、前記履歴車両はキャッシュ条件を満たし、ここで、前記キャッシュ条件は、自車両と同方向に走行し且つ他のグループに属しない車両をスクリーニングすることに用いられる。
【0013】
いくつかの実施例では、前記キャッシュ条件は、
車両が自車両の前方に位置し且つ自車両との相対距離が予め設定された相対距離閾値より大きいことと、
自車両の速度に対する車両の方向と自車両の走行方向との間の夾角が予め設定された夾角閾値より小さいことと、
自車両に対する車両の側方距離が予め設定された側方距離範囲内にあることと、を含む。
【0014】
いくつかの実施例では、前記キャッシュ条件はさらに、車両のライフサイクルが予め設定されたライフサイクル閾値より大きいことを含む。
【0015】
いくつかの実施例では、各前記目標車両のフィッティング重みを決定する前記ステップは、
各前記目標車両に対して、
当該目標車両の状態情報及び当該目標車両のグループ情報に基づき、当該目標車両の側方速度偏差重み、当該目標車両の側方変位偏差重み、当該目標車両のライフサイクル重み及び当該目標車両の速度重みを決定するステップと、
当該目標車両の側方速度偏差重み、当該目標車両の側方変位偏差重み、当該目標車両のライフサイクル重み及び当該目標車両の速度重みを乗算し、当該目標車両のフィッティング重みを得るステップと、を含む。
【0016】
いくつかの実施例では、各前記仮想車両のフィッティング重みを決定する前記ステップは、
各前記仮想車両に対して、
当該仮想車両の状態情報及び当該仮想車両のグループ情報に基づき、当該仮想車両の側方速度偏差重み、当該仮想車両の側方変位偏差重み、当該仮想車両のライフサイクル重み、当該仮想車両の速度重み及び当該仮想車両の重みを決定するステップと、
当該仮想車両の側方速度偏差重み、当該仮想車両の側方変位偏差重み、当該仮想車両のライフサイクル重み、当該仮想車両の速度重み及び当該仮想車両の重みを乗算し、当該仮想車両のフィッティング重みを得るステップと、を含む。
【0017】
いくつかの実施例では、各グループは1つの交通流に対応し、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成する前記ステップは、
1つのグループに対して、
当該グループにおける目標車両の数及び当該グループにおける全ての目標車両の縦方向分布距離に基づき、フィッティング方式を選択するステップと、
選択したフィッティング方式に基づき、前記自車両の運動情報、当該グループにおける各目標車両の状態情報及び当該グループにおける各目標車両のフィッティング重みを利用して、フィッティングにより当該グループに対応する現在交通流情報を生成するステップと、を含む。
【0018】
いくつかの実施例では、当該グループにおける目標車両の数及び当該グループにおける全ての目標車両の縦方向分布距離に基づき、フィッティング方式を選択する前記ステップは、
当該グループにおける目標車両の数が第1の数量条件を満たすか否か、且つ縦方向分布距離が予め設定された第1の距離閾値より大きいか否かを判断するステップと、
第1の数量条件を満たし、且つ予め設定された第1の距離閾値より大きい場合、一次フィッティング及び二次フィッティングを選択し、そうではない場合、当該グループにおける目標車両の数量が第2の数量条件を満たすか否か、且つ縦方向分布距離が予め設定された第2の距離閾値より大きいか否かを判断するステップと、
第2の数量条件を満たし、且つ予め設定された第2の距離閾値より大きい場合、一次フィッティングを選択し、そうではない場合、フィッティングを行わないステップと、を含む。
【0019】
いくつかの実施例では、一次フィッティング及び二次フィッティングを選択する場合、フィッティングにより当該グループに対応する現在交通流情報を生成する前記ステップは、
フィッティングにより当該グループに対応する一次フィッティング結果を生成し、前記一次フィッティング結果の第1の平均二乗偏差を決定するステップと、
フィッティングにより当該グループに対応する二次フィッティング結果を生成し、前記二次フィッティング結果の第2の平均二乗偏差を決定するステップと、
前記第1の平均二乗偏差及び前記第2の平均二乗偏差を比較し、前記第1の平均二乗偏差が前記第2の平均二乗偏差の予め設定された倍数より大きい場合、前記二次フィッティング結果を当該グループに対応する現在交通流情報として選択し、そうではない場合、前記一次フィッティング結果を当該グループに対応する現在交通流情報として選択するステップと、を含む。
【0020】
いくつかの実施例では、前記自車両の運動情報、当該グループにおける各目標車両の状態情報及び当該グループにおける各目標車両のフィッティング重みを利用して、フィッティングにより当該グループに対応する現在交通流情報を生成する前記ステップは、
当該グループにおける各目標車両の状態情報及び当該グループにおける各目標車両のフィッティング重みに基づき、フィッティングにより当該グループに対応する初期交通流情報を生成するステップと、
履歴交通流情報及び前記自車両の運動情報に基づき、前記初期交通流情報を制約し、当該グループに対応する現在交通流情報を得るステップと、を含む。
【0021】
いくつかの実施例では、前記制約は、位置制約、方位制約及び/又は曲率制約を含む。
【0022】
いくつかの実施例では、前記位置制約は、前記履歴交通流情報に対応する信頼度に基づき、前記初期交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける定数項の変化量を制約することを含み、
前記定数項の変化量と前記履歴交通流情報に対応する信頼度との間は逆相関であり、前記定数項の変化量と前記初期交通流情報に対応するフィッティング数との間は正相関である。
【0023】
いくつかの実施例では、前記方位制約は、前記履歴交通流情報に対応する信頼度及び/又は前記自車両の運動情報に基づき、前記初期交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける一次項の変化量を制約することを含み、
ここで、前記一次項の変化量と前記履歴交通流情報に対応する信頼度との間は逆相関であり、前記一次項の変化量と前記自車両のステアリング幅との間は正相関であり、及び/又は、前記一次項の変化量と前記初期交通流情報に対応するフィッティング数との間は正相関である。
【0024】
いくつかの実施例では、前記曲率制約は、前記履歴交通流情報に対応する信頼度及び/又は前記自車両の運動情報に基づき、前記初期交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける二次項の変化量を制約することを含み、
ここで、前記二次項の変化量と前記履歴交通流情報に対応する信頼度との間は逆相関であり、前記二次項の変化量と前記自車両の速度との間は逆相関であり、及び/又は、前記二次項の変化量と前記自車両のハンドル回転数との間は正相関である。
【0025】
いくつかの実施例では、前記方法はさらに、
前記現在交通流情報に基づき、信頼度増分を決定するステップと、
履歴交通流情報の信頼度及び前記信頼度増分に基づき、前記現在交通流情報に対応する信頼度を決定するステップと、を含み、
ここで、前記信頼度増分と前記現在交通流情報に対応するフィッティング結果平均二乗偏差との間は逆相関であり、前記信頼度増分と前記現在交通流情報に対応するフィッティング数との間は正相関であり、及び/又は、前記信頼度増分と前記現在交通流情報に対応する目標車両の縦方向分布距離との間は正相関である。
【0026】
いくつかの実施例では、前記現在交通流情報に基づき、信頼度増分を決定する前記ステップは、
2つの現在交通流情報に交差がある場合、2つの交通流に対応するフィッティング数及び縦方向分布距離を比較するステップと、フィッティング数の少ない又は縦方向分布距離の短い現在交通流情報に対応する信頼度増分がマイナスであると決定するステップと、を含む。
【0027】
いくつかの実施例では、前記方法はさらに、前記現在交通流情報及び前記現在交通流情報に対応する信頼度に基づき、自車両走行参照経路を決定するステップを含み、
自車両走行参照経路を決定する前記ステップは、
自車両の両側の現在交通流情報に対応する信頼度がいずれも予め設定された信頼度閾値より高い場合、自車両走行参照経路のパラメータが自車量両側の現在交通流情報に対応するフィッティングパラメータの加重平均値であると決定するステップであって、自車両の両側の現在交通流情報に対応するフィッティングパラメータの重みとフィッティングパラメータの変化率との間は逆相関であるステップと、
自車両の片側のみの現在交通流情報に対応する信頼度が予め設定された信頼度閾値より高い場合、自車両の走行参照経路のパラメータにおける一次項及び二次項が当該側の現在交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける一次項及び二次項と同じで、自車両の走行参照経路のパラメータにおける定数項がゼロであると決定するステップと、
自車両の両側の現在交通流情報に対応する信頼度がいずれも予め設定された信頼度閾値より低い場合、自車両の走行参照経路のパラメータがいずれもゼロであると決定するステップと、を含む。
【0028】
いくつかの実施例では、前記方法はさらに、前記現在交通流情報及び前記現在交通流情報に対応する信頼度に基づき、補助位置特定フラグを決定するステップを含み、
補助位置特定フラグを決定する前記ステップは、
自車両の両側の現在交通流情報に対応する信頼度がいずれも予め設定された信頼度閾値より高い場合、補助位置特定フラグを第1のフラグとして決定するステップと、
自車両の左側の現在交通流情報に対応する信頼度が予め設定された信頼度閾値より高い場合、補助位置特定フラグを第2のフラグとして決定するステップと、
自車両の右側の現在交通流情報に対応する信頼度が予め設定された信頼度閾値より高い場合、補助位置特定フラグを第3のフラグとして決定するステップと、を含む。
【0029】
第2の態様では、本開示の実施例により提供される交通流情報の決定装置は、
自車両の運動情報及び1つ又は複数の目標車両の状態情報に基づき、各前記目標車両をグループ化し、グループ情報を得ることに用いられるグループ化モジュールと、
各前記目標車両の状態情報及び前記グループ情報に基づき、各前記目標車両のフィッティング重みを決定することに用いられる決定モジュールと、
前記自車両の運動情報、各前記目標車両の状態情報、各前記目標車両のフィッティング重み及び前記グループ情報に基づき、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成することに用いられるフィッティングモジュールと、を含む。
【0030】
第3の態様では、本開示の実施例により提供される電子機器は、プロセッサ及びメモリを含み、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されているプログラム又は命令を呼び出すことにより、第1の態様のいずれかの実施例に記載の交通流情報の決定方法のステップを実行することに用いられる。
【0031】
第4の態様では、本開示の実施例により提供される非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、プログラム又は命令を記憶することに用いられ、前記プログラム又は命令は、第1の態様のいずれかの実施例に記載の交通流情報の決定方法のステップをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0032】
これから分かるように、本開示の少なくとも1つの実施例では、複数の目標車両をグループ化し、各目標車両のフィッティング重みを決定し、さらに、グループ情報、フィッティング重み、自車両の運動情報及び目標車両の状態情報に基づき、フィッティングにより現在交通流情報を生成することにより、交通流に対する感知を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本開示の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下に実施例又は従来技術の記述に利用する必要がある図面を簡単に紹介するが、当然ながら、以下に記載する図面は単に本開示の実施例の一部にすぎず、当業者であれば、これらの図面に基づき、他の図面を得ることができる。
図1】本開示の実施例により提供される交通流情報を決定する例示的なシーングラフである。
図2】本開示の実施例により提供されるスマート運転車両の例示的なアーキテクチャ図である。
図3】本開示の実施例により提供される電子機器の例示的なブロック図である。
図4】本開示の実施例により提供される交通流情報の決定方法の例示的なフローチャートである。
図5】本開示の実施例により提供される交通流情報の決定装置の例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示の上記目的、特徴及び利点をより明確にするため、以下は図面及び実施例を参照して、本開示をより詳細に説明する。理解できるように、説明された実施例は、全ての実施例ではなく、本開示の実施例の一部にすぎない。ここで説明された具体的な実施例は本開示を解釈するのみに用いられ、本開示を限定するものではないと理解すべきである。説明された本開示の実施例に基づき、当業者が得た全ての他の実施例は、本開示の保護範囲に属する。
【0035】
なお、本明細書において、「第1」及び「第2」等のような関係用語は1つのエンティティ又は操作を他のエンティティ又は操作と区別することに用いられるだけであり、必ずしもこれらのエンティティ又は操作の間にいかなるこのような実際の関係又は順序が存在することを要求又は示唆するものではない。
【0036】
スマート運転技術の発展に伴い、遠距離の経路計画は、L3等のより高レベルの自動運転システムの必須能力となり、このような計画能力は、自車両が位置する車線を正確に位置特定する必要がある。現在の低コストの衛星測位システムは、自車両が位置する車線を正確に測位できず、スマート運転システム又はカメラによる車線区画線の類型に対する認識も現在車線に対する正確な判断を保証できず、さらに、現在、背景技術で述べた要因等、複数の要因が存在するため、車線区画線を正確に認識できず、ここではその説明を省略する。
【0037】
そのため、本開示の実施例は、交通流情報を感知できる新たな感知手段を提供し、交通流は同一車線の複数の車両が同方向に運動して形成された車流として理解することができ、交通流情報は交通流の軌跡の情報として理解することができる。車線区画線も線とし、軌跡も線として捉えることができるため、交通流情報は、車線境界線の代わりに、車両の横方向の位置特定(すなわち、車両が位置する車線の位置特定)、車両の横方向の制御、及び目標走行経路の生成に用いることができる。
【0038】
本開示の実施例は交通流情報の決定方法、装置、電子機器又は記憶媒体を提供し、複数の目標車両をグループ化し、各目標車両のフィッティング重みを決定し、さらに、グループ情報、フィッティング重み、自車両の運動情報及び目標車両の状態情報に基づき、フィッティングにより現在交通流情報を生成することにより、交通流に対する感知を実現することができる。本開示の実施例は、スマート運転車両に適用でき、電子機器にも適用できる。前記スマート運転車両は、異等級のスマート運転システムを搭載した車両であり、スマート運転システムは、例えば、無人運転システム、補助運転システム、運転支援システム、高度自動運転システム、完全自動運転車両等を含む。前記電子機器には、スマート運転システムが搭載され、例えば、電子機器は、スマート運転アルゴリズムを試験することに用いることができ、また、例えば、電子機器は車載機器であり得、いくつかの実施例では、電子機器は、他の分野にも適用できる。以下、誤りのない説明をより明確にするために、本開示の実施例はスマート運転車両を例として、前記交通流情報の決定方法、装置、電子機器及び記憶媒体について説明する。
【0039】
図1は、本開示の実施例により提供される交通流情報を決定する例示的なシーングラフであり、図1において、自車両101が直進しており、自車両の軌跡の左右の境界が104で示されており、自車両の左側に、例えば、図1において103で示されるように、3台の車両があり、右側に2台の車両があり、本開示の実施例により提供される交通流情報の決定方法によって、自車両の左側の交通流情報、例えば、図1における左側の交通流に対応する軌跡102を決定し、また、自車両の右側の交通流情報を決定することが望ましい。
【0040】
図2は本開示の実施例により提供されるスマート運転車両の例示的なアーキテクチャ図である。図2に示すスマート運転車両は、図1の車両101として具現化することができる。図2に示すように、スマート運転車両は、センサ群と、スマート運転システムと、車両フロア実行システムと、例えば、ブレーキペダル、ハンドル、及びアクセルペダルのような、車両を駆動することや車両の動作を制御することに用いられる他の構成要素と、を含む。
【0041】
センサ群は、車両の外部環境のデータを収集し、車両の位置データを検出することに用いられる。センサ群は、例えば、カメラ、ライダー、ミリ波レーダー、超音波レーダー、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)及びIMU(Inertial Measurement Unit、慣性測定ユニット)のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0042】
いくつかの実施例では、センサ群はさらに、車両の動力学的データを収集することに用いられ、例えば、車輪回転数センサ、速度センサ、加速度センサ、ハンドル回転角センサ、前輪回転角センサのうちの少なくとも1つをさらに含むが、これらに限定されない。
【0043】
スマート運転システムは、画像、ビデオ、レーザポイントクラウド、ミリ波、GPS情報、車両状態等を含むが、これらに限定されないセンサ群のセンシングデータを取得することに用いられる。いくつかの実施例では、スマート運転システムは、前記センシングデータに基づき、環境感知及び車両位置特定を行い、感知情報及び車両姿勢を生成し、前記感知情報及び車両姿勢に基づき、計画と意思決定を行い、計画と意思決定情報を生成し、計画と意思決定情報に基づき、車両制御命令を生成し、車両フロア実行システムに配信する。ここで、制御命令は、ハンドルステアリング、横方向制御命令、縦方向制御命令等を含み得るが、これらに限定されない。
【0044】
いくつかの実施例では、スマート運転システムは、センサデータ、V2X(Vehicle to X、車両用無線通信)データ、高精度マップ等のデータを取得し、上記の少なくとも1つのデータに基づき、環境感知及び位置特定を行い、環境感知及び位置特定情報を生成する。ここで、感知情報は、障害物情報、道路標識/マーク、歩行者/車両情報、走行可能領域のうち少なくとも1つを含み得るが、これらに限定されない。位置特定情報は車両姿勢を含む。
【0045】
いくつかの実施例では、スマート運転システムは感知情報及び車両姿勢、並びにV2Xデータ、高精度マップ等のデータのうちの少なくとも1つに基づき、計画と意思決定情報を生成する。ここで、計画情報は、計画経路等を含むが、これらに限定されず、意思決定情報は、行動(例えば、追従、追い越し、停車、迂回等を含むが、これらに限定されない)、車両の方位、車両の速度、車両の所望の加速度、所望のハンドル等のうちの少なくとも一種を含むが、これらに限定されない。
【0046】
いくつかの実施例では、本開示の実施例により提供される交通流情報の決定方法は、前記スマート運転システムに適用できる。
【0047】
いくつかの実施例では、スマート運転システムはソフトウェアシステム、ハードウェアシステム又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせたシステムであり得る。例えば、スマート運転システムはオペレーティングシステム上で動作するソフトウェアシステムであり、車載ハードウェアシステムはオペレーティングシステムの動作をサポートするハードウェアシステムである。
【0048】
いくつかの実施例では、スマート運転システムはクラウドサーバとインタラクションを行うことができる。いくつかの実施例では、スマート運転システムとクラウドサーバは無線通信ネットワーク(例えばGPRSネットワーク、Zigbeeネットワーク、Wifiネットワーク、3Gネットワーク、4Gネットワーク、5Gネットワーク等の無線通信ネットワークを含むが、これらに限定されない)を介してインタラクションを行う。
【0049】
いくつかの実施例では、クラウドサーバは、車両とインタラクションを行うことに用いられる。前記クラウドサーバは、車両に環境情報、位置特定情報、制御情報及び車両スマート運転中に必要な他の情報を送信することができる。いくつかの実施例では、前記クラウドサーバは、自車両側からのセンシングデータ、車両状態情報、車両走行情報、及び車両要求に関する情報を受信することができる。いくつかの実施例では、クラウドサーバは、ユーザ設定又は車両要求に基づき、前記車両を遠隔制御することができる。いくつかの実施例では、クラウドサーバは、1つのサーバであってもよく、1つのサーバグループであってもよい。サーバグループは、集中型であってもよく、分散型であってもよい。いくつかの実施例では、クラウドサーバは、ローカルであってもリモートであってもよい。
【0050】
車両フロア実行システムは、車両制御命令を受信し、車両制御命令に基づき、車両の走行を制御することに用いられる。いくつかの実施例では、車両フロア実行システムは、ステアリングシステム、ブレーキシステム、及び駆動システムを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例では、前記車両フロア実行システムは、車両制御命令を解析し、ステアリングシステム、ブレーキシステム、及び駆動システム等、対応するシステムにそれぞれ送信することに用いられるフロアコントローラをさらに含み得る。
【0051】
いくつかの実施例では、スマート運転車両は、図2に示されていない車両CANバスをさらに含み得、車両CANバスは車両フロア実行システムに接続される。スマート運転システムと車両フロア実行システムとの間の情報インタラクションは車両CANバスを介して伝達される。
【0052】
図3は本開示の実施例により提供される電子機器の構造概略図である。いくつかの実施例では、電子機器は車載機器であり得る。いくつかの実施例では、電子機器はスマート運転システムの実行をサポートすることができる。
【0053】
図3に示すように、電子機器は、少なくとも1つのプロセッサ301と、少なくとも1つのメモリ302と、少なくとも1つの通信インタフェース303と、を含む。車載機器内の各コンポーネントは、バスシステム304を介してカップリングされる。通信インタフェース303は、外部機器との間の情報伝送に用いられる。理解できるように、バスシステム304はこれらのコンポーネントの間の接続通信を実現することに用いられる。バスシステム304は、データバスの他に、電源バス、制御バス及び状態信号バスをさらに含む。ただし、図3では、説明の明確化のため、各種のバスをバスシステム304と表記している。
【0054】
理解できるように、本実施例におけるメモリ302は揮発性メモリ又は不揮発性メモリであり得、又は揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を含み得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、メモリ302には、実行可能なユニット若しくはデータ構造、又はそれらのサブセット、又はそれらの拡張セットであるオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムが記憶されている。
【0056】
ここで、オペレーティングシステムは、フレームレイヤ、コアライブラリレイヤ、駆動レイヤ等、様々な基本タスクを実現しハードウェアに基づくタスクを処理することに用いられる様々なシステムプログラムを含む。アプリケーションプログラムは、メディアプレーヤ(Media Player)、ブラウザ(Browser)等、様々なアプリケーションタスクを実現することに用いられる様々なアプリケーションプログラムを含む。本開示の実施例により提供される交通流情報の決定方法を実現するプログラムは、アプリケーションプログラム内に含まれ得る。
【0057】
本開示の実施例では、プロセッサ301はメモリ302に記憶されたプログラム又は命令、具体的には、アプリケーションプログラムに記憶されたプログラム又は命令を呼び出すことにより、プロセッサ301は本開示の実施例により提供される交通流情報の決定方法の各実施例のステップを実行することに用いられる。
【0058】
本開示の実施例により提供される交通流情報の決定方法はプロセッサ301に適用でき、又はプロセッサ301によって実現されることができる。プロセッサ301は集積回路チップであり得、信号の処理能力を有する。実現プロセスにおいて、上記方法の各ステップはプロセッサ301におけるハードウェアの集積論理回路又はソフトウェア形式の命令により完了することができる。上記プロセッサ301は汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントであり得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、任意の通常のプロセッサ等であってもよい。
【0059】
本開示の実施例により提供される交通流情報の決定方法のステップは、ハードウェアデコードプロセッサによって実行されるように直接具体化され、又はプロセッサ内のハードウェアとソフトウェアユニットの組み合わせによって実行されることができる。ソフトウェアユニットはランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ、プログラマブル読み出し専用メモリ又は電気的消去可能なプログラマブルメモリ、レジスタ等、当分野の成熟した記憶媒体に位置することができる。当該記憶媒体はメモリ302に位置し、プロセッサ301はメモリ302における情報を読み取り、そのハードウェアと組み合わせて方法のステップを完了する。
【0060】
図4は本開示の実施例により提供される交通流情報の決定方法の例示的なフローチャートである。当該方法の実行本体は電子機器であり、いくつかの実施例では、当該方法の実行本体は、電子機器にサポートされるスマート運転システムであってもよい。説明しやすいために、以下の実施例においてスマート運転システムを実行主体として交通流情報の決定方法のフローを説明する。
【0061】
図4に示すように、ステップ401において、スマート運転システムは自車両の運動情報及び1つ又は複数の目標車両の状態情報に基づき、各目標車両をグループ化し、グループ情報を得る。
【0062】
いくつかの実施例では、自車両の運動情報は自車両の走行中の走行に関連する動力学情報である。例えば、自車両の運動情報は車輪回転数、車速、加速度、ハンドル回転角、前輪回転角及びヨー角速度を含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施例では、自車両の運動情報は図1に示すセンサ群によって収集することができ、スマート運転システムはセンサ群から自車両の運動情報を取得することができる。
【0063】
いくつかの実施例では、スマート運転システムは、センサデータ、V2Xデータ、高精度マップ等のデータを取得し、上記の少なくとも1つのデータに基づき、環境感知を行い、1つ又は複数の目標車両の状態情報を得ることができる。
【0064】
いくつかの実施例では、目標車両の状態情報は目標車両と自車両との間の相対位置及び相対運動等の情報の総称である。例えば、目標車両の状態情報は目標車両の自車両に対する側方変位、縦方向変位、側方速度及び縦方向速度等のうちの少なくとも1つを含み得るが、これらに限定されず、ここで、側方は横方向として理解されることができ、すなわち車線区画線方向に垂直である。いくつかの実施例では、目標車両の状態情報はさらに識別子(ID)、感知タイプ、ライフサイクル及び目標信頼度等のうちの1つ又は複数を含み得るが、これらに限定されない。ここで、ライフサイクルは目標車両が最初に感知された時刻から現在時刻までの時間、すなわち、目標車両が自車両の「視野」内に出現する時間であると理解することができる。目標信頼度は、目標車両の信頼度を示すことに用いられ、スマート運転システムの感知アルゴリズムによって自動的に生成される。
【0065】
いくつかの実施例では、各目標車両に対してグループ化を行うとき、スマート運転システムが採用するグループ化ルールは、目標車両のグループを、その位置する車線に応じて、自車両が位置する車線の左側の第1の車線グループ、自車両が位置する車線の左側の第2の車線グループ、自車両が位置する車線の右側の第1の車線グループ、自車両が位置する車線の右側の第2の車線グループ及び他のグループという5つのグループにグループ化することである。ここで、他のグループは、前述した4つのグループ以外の任意の場合である。例えば、他のグループは、自車両が位置する車線、自車両が位置する車線の左側の第3の車線、及び自車両が位置する車線の右側の第3の車線のうちの1つ以上であってもよい。
【0066】
いくつかの実施例では、各目標車両をグループ化した後、スマート運転システムは、各目標車両に対してグループマークを行うことができ、グループマークは、目標車両が属するグループを特徴付けることに用いられ、例えば、グループマークはグループフラグビットであってもよく、当該グループフラグビットの異なる値は異なるグループを示す。本実施例では、グループ情報は、少なくともグループマークを含む。いくつかの実施例では、グループ情報は目標車両のID、感知タイプ、ライフサイクル及び目標信頼度等のうちの1つ又は複数をさらに含み得るが、これらに限定されない。
【0067】
いくつかの実施例では、各目標車両に対してグループ化を行うとき、スマート運転システムは、自車両の運動情報に基づき、自車両の走行軌跡を決定し、さらに、自車両の走行軌跡及び各目標車両の状態情報に基づき、各目標車両が位置する相対車線(相対車線は自車両の位置する車線に対するものである)を決定し、それにより、前記グループ化ルールに応じて、各目標車両が位置する相対車線に基づき、各目標車両をグループ化し、グループ情報を得ることができる。
【0068】
いくつかの実施例では、自車両の走行軌跡を決定するとき、スマート運転システムは自車両の車速、ハンドル回転角及びヨー角速度の信号に基づき、フィルタリングした後に自車両の旋回半径を算出し、さらに、旋回半径に基づき、自車両の現在の走行軌跡を決定する。なお、旋回半径に基づき、走行軌跡を決定することはスマート運転分野の成熟した技術であり、ここでは具体的な決定プロセスの説明は省略する。
【0069】
いくつかの実施例では、目標車両が無効車両である可能性があることが考慮され、例えば目標車両が自車両と逆走し、後続の交通流情報フィッティングに参加すべきではなく、したがって、無効車両が後続の交通流情報フィッティングに参加することにより、フィッティング精度が低下することを回避するために、本実施例では、グループ化を行う前に、スマート運転システムは、まず有効目標車両をスクリーニングし、無効目標車両を濾過し、続いて自車両の走行軌跡及び各有効対象車両の状態情報に基づき、各有効対象車両をグループ化し、グループ情報を得る。
【0070】
いくつかの実施例では、有効目標車両をスクリーニングするとき、スマート運転システムは自車両の運動情報及び各目標車両の状態情報に基づき、1つ又は複数の有効目標車両をスクリーニングする。例えば、スマート運転システムは無効目標車両を除去する方式でスクリーニングし、無効目標車両は、縦方向速度が負(自車両の速度が正)である目標車両、又は、縦方向距離が予め設定された縦方向距離閾値より大きい目標車両を含む。すなわち、有効目標車両の縦方向速度が正(又はゼロ)であり、且つ縦方向距離が予め設定された縦方向距離閾値以下である。
【0071】
いくつかの実施例では、目標車両をグループ化するとき、自車両が車線変更、ステアリング等の非直進運動を行っている可能性があり、グループ化エラーを引き起こす可能性があることが考慮され、例えば、目標車両は自車両の左側の第1の車線で直進を維持し、目標車両を自車両が位置する車線の左側の第1の車線に分けるべきであるが、自車両が右へ急速にステアリングするとき、当該目標車両を自車両が位置する車線の左側の第2のグループ車線に分け、グループ化エラーを引き起こす可能性がある。そのため、自車両が急速にステアリングすることによるグループ化エラーを回避するために、グループ情報を補正する必要がある。
【0072】
いくつかの実施例では、グループ情報を補正するとき、スマート運転システムは履歴交通流情報に基づき、グループ情報を補正する。履歴交通流情報は前の決定サイクルでフィッティングにより生成され、ここで、決定サイクルはスマート運転システムにより予め設定された交通流情報決定のサイクルであり、実際に利用する際に、利用シーンのフィッティング結果のリフレッシュレートに対する要件に基づいて決定サイクルを設定し、数十ミリ秒から数秒の間に値を取ることができ、例えば決定サイクルを5秒に設定する。各グループは1つの交通流に対応し、すなわち、1つ履歴交通流情報は1つのグループに対応する。ここで、履歴交通流情報はフィッティングパラメータの値を含み、当該フィッティングパラメータは二次項、一次項及び定数項を含む。二次項が存在する場合、履歴交通流情報は一本の曲線に対応し、二次項がゼロであり、一次項がゼロではない場合、履歴交通流情報は一本の直線に対応する。いくつかの実施例では、履歴交通流情報は信頼度をさらに含み、当該信頼度は交通流の信頼可能な度合を示すことに用いられる。履歴交通流情報がない場合、例えば、自車両が車庫から出て低速車線に入る時、スマート運転システムに履歴交通流情報がまだ記憶されていない場合、履歴交通流情報の信頼度がゼロであり、グループ情報を補正しない。
【0073】
いくつかの実施例では、履歴交通流情報に基づき、グループ情報を補正するとき、スマート運転システムは当該履歴交通流情報の周囲の予め設定された範囲内に目標車両が存在するか否かを判断し、存在する場合、当該目標車両のグループを当該履歴交通流情報に対応するグループに補正する。ここで、予め設定された範囲は実際の必要に応じて設定することができ、本実施例では予め設定された範囲の具体的な値について限定しない。例えば、ある目標車両のグループは左側の第2の車線グループであり、且つ当該目標車両は履歴交通流情報の周囲の所定範囲内に位置し、当該履歴交通流情報は左側の第1の車線グループに対応し、したがって、当該目標車両のグループを左側の第2の車線グループから左側の第1の車線グループに補正する。
【0074】
いくつかの実施例では、履歴交通流情報に基づき、グループ情報を補正した後、スマート運転システムは補正後の各グループにおいてキャッシュ条件を満たす車両をキャッシュし、次の決定サイクルに対して、キャッシュされた車両は履歴車両である。いくつかの実施例では、キャッシュ時間を設定することができ、キャッシュ時間は実際の必要に基づき、設定することができ、本実施例ではキャッシュ時間の具体的な値について限定しない。
【0075】
ここで、キャッシュ条件は、自車両と同方向に走行し且つ他のグループに属しない車両をスクリーニングすることに用いられる。なお、決定サイクルごとに対して、スマート運転システムは当該決定サイクルにおいて補正された後の各グループにおけるキャッシュ条件を満たす車両をキャッシュし、すなわちキャッシュのタイミングは当該決定サイクル内である。
【0076】
ステップ402において、スマート運転システムは各目標車両の状態情報及びグループ情報に基づき、各目標車両のフィッティング重みを決定する。
【0077】
いくつかの実施例では、各目標車両のフィッティング重みを決定するとき、スマート運転システムは各目標車両に対して、当該目標車両の状態情報及び当該目標車両のグループ情報に基づき、当該目標車両の側方速度偏差重み、当該目標車両の側方変位偏差重み、当該目標車両のライフサイクル重み及び当該目標車両の速度重みを決定し、さらに当該目標車両の側方速度偏差重み、当該目標車両の側方変位偏差重み、当該目標車両のライフサイクル重み及び当該目標車両の速度重みを乗算し、当該目標車両のフィッティング重みを得る。
【0078】
ここで、当該目標車両の側方速度偏差重みの計算方法は、当該目標車両の属するグループ内の全ての目標車両の平均側方速度を計算し、当該目標車両の側方速度及び前記平均側方速度に基づき、当該目標車両の側方速度偏差重みを計算することである。本実施例では、当該目標車両の側方速度と平均側方速度との偏差が大きければ大きいほど、側方速度偏差重みが低くなる。
【0079】
当該目標車両の側方変位偏差重みの計算方法は、当該目標車両の属するグループ内の全ての目標車両の平均側方変位を計算し、当該目標車両の側方変位及び前記平均側方変位に基づき、当該目標車両の側方変位偏差重みを計算することである。本実施例では、当該目標車両の側方変位と平均側方変位との偏差が遠ければ遠いほど、側方変位偏差重みが低くなる。
【0080】
当該目標車両のライフサイクル重みの計算方法は、当該目標車両のライフサイクル及び/又は目標信頼度に基づき、当該目標車両のライフサイクル重みを計算することである。本実施例では、当該目標車両のライフサイクルが長ければ長いほど、ライフサイクル重みが高くなる。当該目標車両の目標信頼度が高ければ高いほど、ライフサイクル重みが高くなる。
【0081】
当該目標車両の速度重みの計算方法は、当該目標車両のグループに対応する履歴交通流情報が存在しない場合、当該目標車両の速度重みを1とすることである。
【0082】
いくつかの実施例では、履歴交通流情報に合わせて目標車両の側方変位偏差重みを決定することができる。具体的には、当該目標車両の側方変位及び当該目標車両のグループに対応する履歴交通流情報に基づき、当該目標車両の側方変位偏差重みを計算する。本実施例では、当該目標車両の側方変位と履歴交通流との偏差が遠ければ遠いほど、側方変位偏差重みが低くなる。
【0083】
いくつかの実施例では、履歴交通流情報に合わせて目標車両の速度重みを決定することができる。具体的には、当該目標車両の側方速度及び縦方向速度に基づき、当該目標車両の走行速度を合成し、さらに当該目標車両の走行方向を決定し、それにより、当該目標車両の走行方向及び当該目標車両のグループに対応する履歴交通流情報に基づき、当該目標車両の速度重みを計算する。本実施例では、当該目標車両の走行方向と履歴交通流の接線方向との間の角度が大きければ大きいほど、当該目標車両の速度重みが低くなる。
【0084】
いくつかの実施例では、各有効目標車両をグループ化してグループ情報を得、且つ履歴交通流情報を利用してグループ情報を補正した後、スマート運転システムは履歴交通流情報、各有効目標車両の状態情報及び補正後のグループ情報に基づき、各有効目標車両のフィッティング重みを決定する。
【0085】
ステップ403において、スマート運転システムは自車両の運動情報、各目標車両の状態情報、各目標車両のフィッティング重み及びグループ情報に基づき、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成する。
【0086】
いくつかの実施例では、各グループは1つの交通流に対応し、1つのグループに対して、スマート運転システムはフィッティングにより当該グループに対応する現在交通流情報を生成し、具体的には、当該グループにおける目標車両の数及び当該グループにおける全ての目標車両の縦方向分布距離に基づき、フィッティング方式を選択し、さらに選択したフィッティング方式に基づき、自車両の運動情報、当該グループにおける各目標車両の状態情報及び当該グループにおける各目標車両のフィッティング重みを利用して、フィッティングにより当該グループに対応する現在交通流情報を生成する。左側の第1のグループ車線をフィッティングして得られた交通流は自車両左側交通流と呼ばれ、右側の第1のグループ車線をフィッティングして得られた交通流は自車両右側交通流と呼ばれる。
【0087】
いくつかの実施例では、フィッティング方式を選択するとき、スマート運転システムは、当該グループにおける目標車両の数が第1の数量条件を満たすか否か、且つ縦方向分布距離が予め設定された第1の距離閾値より大きいか否かを判断し、ここで、第1の数量条件は例えば3であり、第1の距離閾値は例えば50メートルであり、オーバーフィッティング(例えば、交通流が実際には直線であるが、曲線方式を採用してフィッティングする)を回避し、第1の数量条件及び第1の距離閾値の具体的な値は実際の必要に応じて設定することができる。
【0088】
第1の数量条件を満たし、且つ予め設定された第1の距離閾値より大きい場合、一次フィッティング及び二次フィッティングを選択し、そうではない場合、当該グループにおける目標車両の数量が第2の数量条件を満たすか否か、且つ縦方向分布距離が予め設定された第2の距離閾値より大きいか否かを判断し、ここで、第2の数量条件は例えば2以上4未満であり、第2の距離閾値は例えば30メートルであり、第1の数量条件及び第1の距離閾値の具体的な値は実際の必要に応じて設定することができる。
【0089】
第2の数量条件を満たし、且つ予め設定された第2の距離閾値より大きい場合、一次フィッティングを選択し、そうではない場合、フィッティングを行わず、前の交通流情報決定サイクルのデータを持続する。
【0090】
いくつかの実施例では、一次フィッティング及び二次フィッティングを選択した場合、スマート運転システムは、フィッティングにより当該グループに対応する現在交通流情報を生成するとき、フィッティングにより当該グループに対応する一次フィッティング結果を生成し、一次フィッティング結果の第1の平均二乗偏差を決定し、フィッティングにより当該グループに対応する二次フィッティング結果を生成し、二次フィッティング結果の第2の平均二乗偏差を決定し、さらに、第1の平均二乗偏差及び第2の平均二乗偏差を比較し、第1の平均二乗偏差が第2の平均二乗偏差の予め設定された倍数(例えば、1.5倍であり、また実際の状況に応じて倍数を予め設定することができる)より大きい場合、二次フィッティング結果を当該グループに対応する現在交通流情報として選択し、そうではない場合、一次フィッティング結果を当該グループに対応する現在交通流情報として選択する。
【0091】
いくつかの実施例では、自車両の運動情報、当該グループにおける各目標車両の状態情報及び当該グループにおける各目標車両のフィッティング重みを利用し、フィッティングにより当該グループに対応する現在交通流情報を生成するとき、スマート運転システムは、当該グループにおける各目標車両の状態情報及び当該グループにおける各目標車両のフィッティング重みに基づき、フィッティングにより当該グループに対応する初期交通流情報を生成し、さらに、履歴交通流情報及び自車両の運動情報に基づき、初期交通流情報を制約し、当該グループに対応する現在交通流情報を得る。
【0092】
いくつかの実施例では、初期交通流情報を制約することは、位置制約、方位制約及び/又は曲率制約を含む。
【0093】
いくつかの実施例では、位置制約は、履歴交通流情報に対応する信頼度に基づき、初期交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける定数項の変化量を制約することを含み、ここで、定数項の変化量と履歴交通流情報に対応する信頼度との間は逆相関であり、定数項の変化量と初期交通流情報に対応するフィッティング数との間は正相関である。ここで、フィッティング数は、フィッティングに参与する目標車両の数として理解することができる。
【0094】
いくつかの実施例では、方位制約は、履歴交通流情報に対応する信頼度及び/又は自車両の運動情報に基づき、初期交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける一次項の変化量を制約することを含み、ここで、一次項の変化量と履歴交通流情報に対応する信頼度との間は逆相関であり、一次項の変化量と自車両のステアリング幅との間は正相関であり、及び/又は、一次項の変化量と初期交通流情報に対応するフィッティング数との間は正相関である。
【0095】
いくつかの実施例では、曲率制約は、履歴交通流情報に対応する信頼度及び/又は自車両の運動情報に基づき、初期交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける二次項の変化量を制約することを含み、ここで、二次項の変化量と履歴交通流情報に対応する信頼度との間は逆相関であり、二次項の変化量と自車両の速度との間は逆相関であり、及び/又は、二次項の変化量と自車両のハンドル回転数との間は正相関である。
【0096】
いくつかの実施例では、各グループは1つの交通流に対応し、1つのグループに対して、フィッティングにより当該グループに対応する現在交通流情報を生成する前に、例えば、各目標車両をグループ化してグループ情報を得た後、スマート運転システムは、当該グループにおける目標車両の数が予め設定されたフィッティング数を満たすことを確保し、そうではない場合フィッティングを行うことができない。そのため、スマート運転システムは目標車両数が予め設定されたフィッティング数を満たすか否かを判断し、満たした場合、自車両の走行状態が直進であるか否かを判断し、直進である場合、キャッシュされた履歴車両を取得し、且つ取得した履歴車両は1つ又は複数であり得、且つ取得した履歴車両は当該グループに属する。
【0097】
いくつかの実施例では、履歴車両がキャッシュ条件を満たし、前記キャッシュ条件は、自車両と同方向に走行し且つ他のグループに属しない車両をスクリーニングすることに用いられる。
【0098】
いくつかの実施例では、キャッシュ条件は、以下の(1)乃至(3)を含み、
(1)車両が自車両の前方に位置し且つ自車両との相対距離が予め設定された相対距離閾値より大きく、ここで、予め設定された相対距離閾値は例えば20メートルであり、本実施例は相対距離閾値の具体的な値について限定せず、当業者は実際の必要に応じて設定することができ。理解できるように、1つの車両がキャッシュ条件を満たすか否かを判断するときは、相対距離、走行方向、側方距離等を含む、判断時刻での当該車両と自車両との間の相対関係に基づくものであり、
(2)自車両の速度に対する車両の方向と自車両の走行方向との間の夾角は予め設定された夾角閾値より小さい。ここで、自車両に対する当該車両の速度の方向は、当該車両の走行方向として理解することができる。当該車両の走行方向は、当該車両の判断時刻における側方速度と縦方向速度とに基づき、当該車両の速度(すなわち、走行速度)を合成し、さらに当該車両の走行方向を決定することができ、
(3)自車両に対する車両の側方距離は、予め設定された側方距離範囲内にある。ここで、予め設定された側方距離の範囲は例えば2メートル乃至3メートルであり、本実施例は側方距離範囲の具体的な値について限定せず、当業者は実際の必要に応じて設定することができる。
【0099】
いくつかの実施例では、キャッシュ条件は、以下の(4)をさらに含み、
(4)車両のライフサイクルは予め設定されたライフサイクル閾値より大きい。ここで、予め設定されたライフサイクル閾値は例えば3秒であり、本実施例はライフサイクル閾値の具体的な値について限定せず、当業者は実際の必要に応じて設定することができる。
【0100】
いくつかの実施例では、キャッシュされた履歴車両を取得した後、スマート運転システムは、各履歴車両の座標を更新し、各履歴車両に対応する仮想車両及び各仮想車両の状態情報を得る。座標を更新する方法は、例えば、当該履歴車両のキャッシュ時刻と現在の時刻との時差を計算し、履歴車両の状態情報及び計算した時差を利用して座標を更新し、具体的には、履歴車両の状態情報における側方速度及び縦方向速度を利用して、履歴車両の走行速度を合成し、当該走行速度及び計算した時差に基づき、座標を更新することである。ここで、履歴車両の状態情報は、当該履歴車両のキャッシュ時に対応する状態情報である。
【0101】
いくつかの実施例では、仮想車両の状態情報は、自車両に対する仮想車両の側方変位、縦方向変位、側方速度及び縦方向速度等のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。ここで、側方変位、縦方向変位は上述した座標更新に基づいて決定され、側方速度及び縦方向速度は、対応する履歴車両の側方速度及び縦方向速度と同じである。いくつかの実施例では、仮想車両の状態情報はさらに識別子(ID)、感知タイプ、ライフサイクル及び目標信頼度等のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されず、これらの情報は、当該仮想車両に対応する履歴車両と同じであり、例えば、仮想車両の感知タイプは対応する履歴車両の感知タイプである。仮想車両のグループ情報は、対応する履歴車両のグループ情報と同じである。
【0102】
いくつかの実施例では、自車両の走行状態が直進ではない場合、履歴車両をスクリーニングせず、そのため、履歴車両と自車両との相対関係を決定できず、履歴車両の座標を更新して仮想車両を得ることもできず、履歴車両の座標を更新して仮想車両を得ても、履歴車両と自車両との相対関係が決定されないため、仮想車両と自車両との相対関係が決定されず、したがって仮想車両の状態情報を決定できない。
【0103】
いくつかの実施例では、仮想車両及び仮想車両の状態情報を決定した後、スマート運転システムは履歴交通流情報、自車両の運動情報、各仮想車両の状態情報及び各仮想車両のグループ情報に基づき、各仮想車両のフィッティング重みを決定することができる。
【0104】
いくつかの実施例では、各仮想車両のフィッティング重みを決定するとき、スマート運転システムは各仮想車両に対して、当該仮想車両の状態情報及び当該仮想車両のグループ情報に基づき、当該仮想車両の側方速度偏差重み、当該仮想車両の側方変位偏差重み、当該仮想車両のライフサイクル重み、当該仮想車両の速度重み及び当該仮想車両の重みを決定し、さらに当該仮想車両の側方速度偏差重み、当該仮想車両の側方変位偏差重み、当該仮想車両のライフサイクル重み、当該仮想車両の速度重み及び当該仮想車両の重みを乗算し、当該仮想車両のフィッティング重みを得る。
【0105】
ここで、当該仮想車両の側方速度偏差重み、当該仮想車両の側方変位偏差重み、当該仮想車両のライフサイクル重み及び当該仮想車両の速度重みの計算方法は、上述した目標車両の側方速度偏差重み、目標車両の側方変位偏差重み、目標車両のライフサイクル重み及び目標車両の速度重みの計算方法と同じであるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、仮想車両の重みは、当該仮想車両のキャッシュ時間に基づいて計算される。当該仮想車両のキャッシュ時間が長ければ長いほど、仮想車両の重みは低くなる。
【0106】
いくつかの実施例では、仮想車両及び仮想車両の状態情報を決定した後、スマート運転システムは各目標車両の状態情報、各目標車両のフィッティング重み、各仮想車両の状態情報及び各仮想車両のフィッティング重みに基づき、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成する。フィッティング生成のプロセスは上述した目標車両のみに基づいてフィッティングを行うプロセスと類似し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0107】
いくつかの実施例では、フィッティングにより現在交通流情報を生成した後、スマート運転システムは現在交通流情報に基づき、信頼度増分を決定し、さらに、履歴交通流情報の信頼度及び信頼度増分に基づき、現在交通流情報に対応する信頼度を決定することができる。例えば、履歴交通流情報の信頼度及び信頼度増分の加算に基づき、現在交通流情報に対応する信頼度を得る。なお、現在交通流情報及び履歴交通流情報がいずれも同じグループに対応する場合ではなく、本実施例の方法を用いて現在交通流情報に対応する信頼度を決定することができない。
【0108】
いくつかの実施例では、信頼度増分と現在交通流情報に対応するフィッティング結果平均二乗偏差との間は逆相関であり、信頼度増分と現在交通流情報に対応するフィッティング数との間は正相関であり、及び/又は、信頼度増分と現在交通流情報に対応する目標車両(仮想車両が存在する場合、仮想車両も考慮すべきである)の縦方向分布距離との間は正相関である。
【0109】
いくつかの実施例では、信頼度増分を決定するとき、スマート運転システムは、交差する2つの現在交通流情報が存在するか否かを判断し、存在する場合、2つの交通流に対応するフィッティング数及び縦方向分布距離を比較し、フィッティング数の少ない又は縦方向分布距離の短い現在交通流情報に対応する信頼度増分がマイナスであると決定する。例えば、スマート運転システムは、自車両左側交通流と自車両右側交通流との間に交差があるか否かを判断し、ある場合、2つの交通流に対応するフィッティング数及び縦方向分布距離を比較し、フィッティング数の少ない又は縦方向分布距離の短い現在交通流情報に対応する信頼度増分がマイナスであると決定する。
【0110】
いくつかの実施例では、今回の交通流情報決定サイクルがフィッティングされない場合、信頼度増分が負であると決定する。この負の値は、対応する履歴交通流情報の信頼度に積算される。
【0111】
いくつかの実施例では、スマート運転システムは、現在交通流情報及び現在交通流情報に対応する信頼度に基づき、自車両走行参照経路を決定することができる。自車両走行参照経路を決定するステップは、
自車両の両側の現在交通流情報に対応する信頼度がいずれも予め設定された信頼度閾値より高い場合、自車両走行参照経路のパラメータが自車量両側の現在交通流情報に対応するフィッティングパラメータの加重平均値であると決定するステップであって、自車両の両側の現在交通流情報に対応するフィッティングパラメータの重みとフィッティングパラメータの変化率との間は逆相関であるステップと、
自車両の片側のみの現在交通流情報に対応する信頼度が予め設定された信頼度閾値より高い場合、自車両の走行参照経路のパラメータにおける一次項及び二次項が当該側の現在交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける一次項及び二次項と同じで、自車両の走行参照経路のパラメータにおける定数項がゼロであると決定するステップと、
自車両の両側の現在交通流情報に対応する信頼度がいずれも予め設定された信頼度閾値より低い場合、自車両の走行参照経路のパラメータがいずれもゼロであると決定するステップと、を含む。
【0112】
いくつかの実施例では、スマート運転システムは、現在交通流情報及び現在交通流情報に対応する信頼度に基づき、補助位置特定フラグを決定することができる。ここで、補助位置特定フラグは、自車両の位置する車線の決定を補助することに用いられる。補助位置特定フラグは車線区画線情報から独立し、一部の複数車線シーンにおいて、車線区画線が唯一の車線の決定に不十分である場合に自車両の位置する車線の決定を補助し、レベルL3の自動運転システムの遠距離経路計画のために必要な根拠を提供することができる。
【0113】
いくつかの実施例では、補助位置特定フラグを決定するステップは以下を含む。
自車両の両側の現在交通流情報に対応する信頼度がいずれも予め設定された信頼度閾値より高い場合、補助位置特定フラグを第1のフラグとして決定する。第1のフラグは自車両の両側にいずれも車線が存在することを表す。補助位置特定フラグはフラグビットであってもよく、第1のフラグに対応するフラグビットの値は例えば1であり、スマート運転システムは補助位置特定フラグが1であると決定する場合、自車両の両側にいずれも車線が存在すると決定する。
自車両の左側の現在交通流情報に対応する信頼度が予め設定された信頼度閾値より高い場合、補助位置特定フラグを第2のフラグとして決定する。第2のフラグは自車両の左側に車線が存在することを表す。第2のフラグに対応するフラグビット値は例えば2である。
自車両の右側の現在交通流情報に対応する信頼度が予め設定された信頼度閾値より高い場合、補助位置特定フラグを第3のフラグとして決定する。第3のフラグは自車両の右側に車線が存在することを表す。第3のフラグに対応するフラグビット値は例えば3である。
【0114】
いくつかの実施例では、スマート運転システムは、現在交通流情報に基づき、自車両の横方向制御を行うことができ、車線区画線情報への依存から逸脱し、渋滞環境で自車両の横方向制御を維持することに有利である。1つの経路に基づき、横方向制御を行うことは当技術分野で成熟した技術的手段に属するため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0115】
なお、前述した各方法の実施例について、簡単に説明するために、それを一連の動作の組み合わせとして述べるが、当業者であれば理解できるように、本開示の実施例は説明した動作順序に限定されるものではなく、本開示の実施例によれば、いくつかのステップは他の順序を用い、又は同時に行うことができる。また、当業者であれば理解できるように、明細書に記載された実施例はいずれも選択可能な実施例に属する。
【0116】
本開示の実施例はさらに、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体にプログラム又は命令が記憶され、前記プログラム又は命令は、交通流情報の決定方法の各実施例のステップをコンピュータに実行させ、説明の重複を避けるため、ここでは説明を省略する。
【0117】
図5は本開示の実施例により提供される交通流情報の決定装置の例示的なブロック図である。図5に示すように、交通流情報の決定装置は、グループ化モジュール501、決定モジュール502及びフィッティングモジュール503を含むが、これらに限定されない。
【0118】
図5において、グループ化モジュール501は、自車両の運動情報及び1つ又は複数の目標車両の状態情報に基づき、各前記目標車両をグループ化し、グループ情報を得ることに用いられる。
【0119】
決定モジュール502は、各前記目標車両の状態情報及び前記グループ情報に基づき、各前記目標車両のフィッティング重みを決定することに用いられる。
【0120】
フィッティングモジュール503は、前記自車両の運動情報、各前記目標車両の状態情報、各前記目標車両のフィッティング重み及び前記グループ情報に基づき、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成することに用いられる。
【0121】
いくつかの実施例では、グループ化モジュール501は、前記自車両の運動情報に基づき、自車両の走行軌跡を決定し、前記自車両の運動情報及び各前記目標車両の状態情報に基づき、1つ又は複数の有効目標車両をスクリーニングし、前記自車両の走行軌跡及び各前記有効目標車両の状態情報に基づき、各前記有効目標車両をグループ化し、グループ情報を得ることに用いられる。
【0122】
いくつかの実施例では、グループ化モジュール501はさらに、グループ情報を得た後、履歴交通流情報に基づき、前記グループ情報を補正することに用いられ、これに対応して、決定モジュール502は、前記履歴交通流情報、各前記有効目標車両の状態情報及び補正後のグループ情報に基づき、各前記有効目標車両のフィッティング重みを決定することに用いられる。
【0123】
いくつかの実施例では、グループ化モジュール501は、各前記有効目標車両に対して、当該有効目標車両の状態情報及び前記自車両の走行軌跡に基づき、当該有効目標車両が位置する相対車線を決定し、前記相対車線に基づき、当該有効目標車両のグループ情報を決定することに用いられる。
【0124】
いくつかの実施例では、前記グループ情報は、自車両が位置する車線の左側の第1の車線グループ、自車両が位置する車線の左側の第2の車線グループ、自車両が位置する車線の右側の第1の車線グループ、自車両が位置する車線の右側の第2の車線グループ及び他のグループという5つのグループを含む。
【0125】
いくつかの実施例では、フィッティングモジュール503はさらに、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成する前に、目標車両数が予め設定されたフィッティング数を満たすか否かを判断し、満たした場合、自車両の走行状態が直進であるか否かを判断し、自車両の走行状態が直進である場合、キャッシュされた履歴車両を取得し、各前記履歴車両の座標を更新し、各履歴車両に対応する仮想車両及び各前記仮想車両の状態情報を得、履歴交通流情報、前記自車両の運動情報、各前記仮想車両の状態情報及び各前記仮想車両のグループ情報に基づき、各前記仮想車両のフィッティング重みを決定することに用いられ、
これに対応して、フィッティングモジュール503は、各前記目標車両の状態情報、各前記目標車両のフィッティング重み、各前記仮想車両の状態情報及び各前記仮想車両のフィッティング重みに基づき、フィッティングにより1つ又は複数の現在交通流情報を生成することに用いられる。
【0126】
いくつかの実施例では、前記履歴車両はキャッシュ条件を満たし、ここで、前記キャッシュ条件は、自車両と同方向に走行し且つ他のグループに属しない車両をスクリーニングすることに用いられる。
【0127】
いくつかの実施例では、前記キャッシュ条件は、車両が自車両の前方に位置し且つ自車両との相対距離が予め設定された相対距離閾値より大きいことと、自車両の速度に対する車両の方向と自車両の走行方向との間の夾角が予め設定された夾角閾値より小さいことと、自車両に対する車両の側方距離が予め設定された側方距離範囲内にあることと、を含む。
【0128】
いくつかの実施例では、前記キャッシュ条件はさらに、車両のライフサイクルが予め設定されたライフサイクル閾値より大きいことを含む。
【0129】
いくつかの実施例では、決定モジュール502は、各前記目標車両に対して、当該目標車両の状態情報及び当該目標車両のグループ情報に基づき、当該目標車両の側方速度偏差重み、当該目標車両の側方変位偏差重み、当該目標車両のライフサイクル重み及び当該目標車両の速度重みを決定し、当該目標車両の側方速度偏差重み、当該目標車両の側方変位偏差重み、当該目標車両のライフサイクル重み及び当該目標車両の速度重みを乗算し、当該目標車両のフィッティング重みを得る。
【0130】
いくつかの実施例では、決定モジュール502は、各前記仮想車両に対して、当該仮想車両の状態情報及び当該仮想車両のグループ情報に基づき、当該仮想車両の側方速度偏差重み、当該仮想車両の側方変位偏差重み、当該仮想車両のライフサイクル重み、当該仮想車両の速度重み及び当該仮想車両の重みを決定し、当該仮想車両の側方速度偏差重み、当該仮想車両の側方変位偏差重み、当該仮想車両のライフサイクル重み、当該仮想車両の速度重み及び当該仮想車両の重みを乗算し、当該仮想車両のフィッティング重みを得る。
【0131】
いくつかの実施例では、各グループは1つの交通流に対応し、フィッティングモジュール503は、1つのグループに対して、当該グループにおける目標車両の数及び当該グループにおける全ての目標車両の縦方向分布距離に基づき、フィッティング方式を選択し、選択したフィッティング方式に基づき、前記自車両の運動情報、当該グループにおける各目標車両の状態情報及び当該グループにおける各目標車両のフィッティング重みを利用して、フィッティングにより当該グループに対応する現在交通流情報を生成する。
【0132】
いくつかの実施例では、フィッティングモジュール503が当該グループにおける目標車両の数及び当該グループにおける全ての目標車両の縦方向分布距離に基づき、フィッティング方式を選択するステップは、当該グループにおける目標車両の数が第1の数量条件を満たすか否か、且つ縦方向分布距離が予め設定された第1の距離閾値より大きいか否かを判断するステップと、第1の数量条件を満たし、且つ予め設定された第1の距離閾値より大きい場合、一次フィッティング及び二次フィッティングを選択し、そうではない場合、当該グループにおける目標車両の数量が第2の数量条件を満たすか否か、且つ縦方向分布距離が予め設定された第2の距離閾値より大きいか否かを判断するステップと、第2の数量条件を満たし、且つ予め設定された第2の距離閾値より大きい場合、一次フィッティングを選択し、そうではない場合、フィッティングを行わないステップと、を含む。
【0133】
いくつかの実施例では、一次フィッティング及び二次フィッティングを選択する場合、フィッティングモジュール503がフィッティングにより当該グループに対応する現在交通流情報を生成するステップは、フィッティングにより当該グループに対応する一次フィッティング結果を生成し、前記一次フィッティング結果の第1の平均二乗偏差を決定するステップと、フィッティングにより当該グループに対応する二次フィッティング結果を生成し、前記二次フィッティング結果の第2の平均二乗偏差を決定するステップと、前記第1の平均二乗偏差及び前記第2の平均二乗偏差を比較し、前記第1の平均二乗偏差が前記第2の平均二乗偏差の予め設定された倍数より大きい場合、前記二次フィッティング結果を当該グループに対応する現在交通流情報として選択し、そうではない場合、前記一次フィッティング結果を当該グループに対応する現在交通流情報として選択するステップと、を含む。
【0134】
いくつかの実施例では、フィッティングモジュール503が前記自車両の運動情報、当該グループにおける各目標車両の状態情報及び当該グループにおける各目標車両のフィッティング重みを利用して、フィッティングにより当該グループに対応する現在交通流情報を生成するステップは、当該グループにおける各目標車両の状態情報及び当該グループにおける各目標車両のフィッティング重みに基づき、フィッティングにより当該グループに対応する初期交通流情報を生成するステップと、履歴交通流情報及び前記自車両の運動情報に基づき、前記初期交通流情報を制約し、当該グループに対応する現在交通流情報を得るステップと、を含む。
【0135】
いくつかの実施例では、前記制約は、位置制約、方位制約及び/又は曲率制約を含む。
【0136】
いくつかの実施例では、前記位置制約は、前記履歴交通流情報に対応する信頼度に基づき、前記初期交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける定数項の変化量を制約することを含み、前記定数項の変化量と前記履歴交通流情報に対応する信頼度との間は逆相関であり、前記定数項の変化量と前記初期交通流情報に対応するフィッティング数との間は正相関である。
【0137】
いくつかの実施例では、前記方位制約は、前記履歴交通流情報に対応する信頼度及び/又は前記自車両の運動情報に基づき、前記初期交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける一次項の変化量を制約することを含み、ここで、前記一次項の変化量と前記履歴交通流情報に対応する信頼度との間は逆相関であり、前記一次項の変化量と前記自車両のステアリング幅との間は正相関であり、及び/又は、前記一次項の変化量と前記初期交通流情報に対応するフィッティング数との間は正相関である。
【0138】
いくつかの実施例では、前記曲率制約は、前記履歴交通流情報に対応する信頼度及び/又は前記自車両の運動情報に基づき、前記初期交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける二次項の変化量を制約することを含み、ここで、前記二次項の変化量と前記履歴交通流情報に対応する信頼度との間は逆相関であり、前記二次項の変化量と前記自車両の速度との間は逆相関であり、及び/又は、前記二次項の変化量と前記自車両のハンドル回転数との間は正相関である。
【0139】
いくつかの実施例では、前記交通流情報の決定装置は図5に示さない信頼度決定ユニットをさらに含み、当該信頼度決定ユニットは、前記現在交通流情報に基づき、信頼度増分を決定し、履歴交通流情報の信頼度及び前記信頼度増分に基づき、前記現在交通流情報に対応する信頼度を決定することに用いられ、ここで、前記信頼度増分と前記現在交通流情報に対応するフィッティング結果平均二乗偏差との間は逆相関であり、前記信頼度増分と前記現在交通流情報に対応するフィッティング数との間は正相関であり、及び/又は、前記信頼度増分と前記現在交通流情報に対応する目標車両の縦方向分布距離との間は正相関である。
【0140】
信頼度決定ユニットが前記現在交通流情報に基づき、信頼度増分を決定するステップは、2つの現在交通流情報に交差がある場合、2つの交通流に対応するフィッティング数及び縦方向分布距離を比較するステップと、フィッティング数の少ない又は縦方向分布距離の短い現在交通流情報に対応する信頼度増分がマイナスであると決定するステップと、を含む。
【0141】
いくつかの実施例では、前記交通流情報の決定装置は図5に示さない参照経路決定ユニットをさらに含み、当該参照経路決定ユニットは、前記現在交通流情報及び前記現在交通流情報に対応する信頼度に基づき、自車両走行参照経路を決定することに用いられ、自車両走行参照経路を決定する前記ステップは、自車両の両側の現在交通流情報に対応する信頼度がいずれも予め設定された信頼度閾値より高い場合、自車両走行参照経路のパラメータが自車量両側の現在交通流情報に対応するフィッティングパラメータの加重平均値であると決定するステップであって、自車両の両側の現在交通流情報に対応するフィッティングパラメータの重みとフィッティングパラメータの変化率との間は逆相関であるステップと、自車両の片側のみの現在交通流情報に対応する信頼度が予め設定された信頼度閾値より高い場合、自車両の走行参照経路のパラメータにおける一次項及び二次項が当該側の現在交通流情報に対応するフィッティングパラメータにおける一次項及び二次項と同じで、自車両の走行参照経路のパラメータにおける定数項がゼロであると決定するステップと、自車両の両側の現在交通流情報に対応する信頼度がいずれも予め設定された信頼度閾値より低い場合、自車両の走行参照経路のパラメータがいずれもゼロであると決定するステップと、を含む。
【0142】
いくつかの実施例では、前記交通流情報の決定装置は図5に示さない補助位置特定フラグ決定ユニットをさらに含み、当該補助位置特定フラグ決定ユニットは、前記現在交通流情報及び前記現在交通流情報に対応する信頼度に基づき、補助位置特定フラグを決定することに用いられ、補助位置特定フラグを決定する前記ステップは、自車両の両側の現在交通流情報に対応する信頼度がいずれも予め設定された信頼度閾値より高い場合、補助位置特定フラグを第1のフラグとして決定するステップと、自車両の左側の現在交通流情報に対応する信頼度が予め設定された信頼度閾値より高い場合、補助位置特定フラグを第2のフラグとして決定するステップと、自車両の右側の現在交通流情報に対応する信頼度が予め設定された信頼度閾値より高い場合、補助位置特定フラグを第3のフラグとして決定するステップと、を含む。
【0143】
いくつかの実施例では、交通流情報の決定装置における各ユニットの分割は単なる論理機能分割であり、実際に実現する時に他の分割方式にしてもよく、例えば、グループ化モジュール501、決定モジュール502及びフィッティングモジュール503のうち少なくとも2つのユニットは1つのユニットとして実現されてもよく、グループ化モジュール501、決定モジュール502又はフィッティングモジュール503は複数のサブユニットに分割されてもよい。理解できるように、各ユニット又はサブユニットは電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせで実現することができる。これらの機能はハードウェアで実行するかソフトウェアで実行するかは、技術的解決手段の特定の利用及び設計制約条件に依存する。当業者は特定のアプリケーションごとに異なる方法を用いて説明した機能を実現することができる。
【0144】
なお、本明細書では、用語の「含む」、「包含」又はその任意の他の変形は非排他的な包含をカバーすることを意図し、それにより一連の要因を含むプロセス、方法、物品又は装置はそれらの要因を含むだけでなく、また明確に列挙されない他の要因を含み、又はこのようなプロセス、方法、物品又は機器に固有の要因を含む。より多くの制限がない場合、文の「…を含む」により定義された要因は、当該要因を含むプロセス、方法、物品又は装置に他の同じ要因がさらに存在することを排除するものではない。
【0145】
当業者であれば理解できるように、本明細書に記載のいくつかの実施例は、他の特徴ではなく、他の実施例に含まれるいくつかの特徴を含むが、異なる実施例の特徴の組み合わせは本開示の範囲内にあり且つ異なる実施例を形成することを意味する。
【0146】
当業者であれば理解できるように、各実施例に対する説明はそれぞれ重点があり、ある実施例において詳細に説明されない部分は、他の実施例の関連説明を参照することができる。
【0147】
本開示の実施形態を図面に合わせて説明したが、当業者であれば、本開示の思想及び範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができ、このような修正及び変更はいずれも添付の特許請求の範囲に含まれる。
産業上の利用可能性
【0148】
本開示の少なくとも1つの実施例では、複数の目標車両をグループ化し、各目標車両のフィッティング重みを決定し、さらに、グループ情報、フィッティング重み、自車両の運動情報及び目標車両の状態情報に基づき、フィッティングにより現在交通流情報を生成することにより、交通流に対する感知を実現することができる。本開示の実施例は現在交通流情報及び現在交通流情報に対応する信頼度に基づき、補助位置特定フラグを決定することができ、補助位置特定フラグは車線区画線情報から独立し、一部の複数車線シーンにおいて、車線区画線が唯一の車線の決定に不十分である場合に自車両の位置する車線の決定を補助し、レベルL3の自動運転システムの遠距離経路計画のために必要な根拠を提供することができる。また、本開示の実施例は現在交通流情報に基づき、自車両の横方向制御を行うことができ、車線区画線情報への依存から逸脱し、渋滞環境で自車両の横方向制御を維持することに有利である。産業上の利用可能性を有する。
図1
図2
図3
図4
図5