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特許7580173拡張現実システム内のエミッタのための6自由度追跡のためにフェーズドアレイビーム形成を利用する方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】拡張現実システム内のエミッタのための6自由度追跡のためにフェーズドアレイビーム形成を利用する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20241101BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20241101BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20241101BHJP
   A63F 13/24 20140101ALI20241101BHJP
【FI】
G06F3/01 510
H02J50/90
H02J50/10
A63F13/24
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021549972
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 US2020020178
(87)【国際公開番号】W WO2020176779
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】62/811,914
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(72)【発明者】
【氏名】ウッズ, マイケル ヤヌシュ
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-511122(JP,A)
【文献】特表2013-517838(JP,A)
【文献】特開2013-007756(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0095529(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0351094(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01,
3/03-3/04895
A63F 9/24,
13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁追跡システムであって、
電磁エミッタを含むハンドヘルドコントローラであって、前記電磁エミッタは、
第1の位相によって特徴付けられる第1のフェーズドアレイ要素と、
前記第1の位相と異なる第2の位相によって特徴付けられる第2のフェーズドアレイ要素と
を含み、
前記第1のフェーズドアレイ要素および前記第2のフェーズドアレイ要素は、電磁場パターンによって特徴付けられる操向可能電磁ビームを発生させるように構成される、ハンドヘルドコントローラと、
前記電磁場パターンを感知するように構成される電磁センサを含む頭部搭載型拡張現実ディスプレイと、
1つ以上のプロセッサであって、前記1つ以上のプロセッサは、
前記電磁センサの姿勢を決定することと、
前記第1の位相および前記第2の位相を制御し、前記電磁ビームを操向し、前記電磁センサにおける受電電力を増加させることであって、前記電磁ビームは、前記頭部搭載型拡張現実ディスプレイから前記ハンドヘルドコントローラに伝送されたビーム操向情報に基づいて操向される、ことと、
前記電磁センサの姿勢、および前記電磁センサにおいて感知された前記電磁場パターンを使用して、前記ハンドヘルドコントローラの姿勢を決定することと
を行うように構成される、1つ以上のプロセッサと
を備える、電磁追跡システム。
【請求項2】
前記1つ以上のプロセッサは、前記電磁場パターンに基づいて、前記ハンドヘルドコントローラの位置および配向をデジタル的に算出するようにさらに構成される、請求項1に記載の電磁追跡システム。
【請求項3】
前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つは、前記ハンドヘルドコントローラ内に配置される、請求項1に記載の電磁追跡システム。
【請求項4】
前記ハンドヘルドコントローラを含む補助ユニットをさらに備える、請求項1に記載の電磁追跡システム。
【請求項5】
前記補助ユニットは、ベルトパックを備える、請求項4に記載の電磁追跡システム。
【請求項6】
前記電磁エミッタは、第3のフェーズドアレイ要素をさらに備え、前記第1のフェーズドアレイ要素、前記第2のフェーズドアレイ要素、および前記第3のフェーズドアレイ要素は、平面内に配置される、請求項1に記載の電磁追跡システム。
【請求項7】
前記電磁エミッタは、第4のフェーズドアレイ要素をさらに備え、前記第1のフェーズドアレイ要素、前記第2のフェーズドアレイ要素、および前記第3のフェーズドアレイ要素は、4面体の3つのコーナーを形成し、前記第4のフェーズドアレイ要素は、前記4面体の第4のコーナーを形成する、請求項6に記載の電磁追跡システム。
【請求項8】
ハンドヘルドコントローラの6自由度(DoF)姿勢を決定する方法であって、前記方法は、
電磁センサの姿勢を決定することと、
前記ハンドヘルドコントローラから電磁ビームを発生させることであって、前記電磁ビームは、電磁場パターンによって特徴付けられる、ことと、
前記電磁ビームを操向し、前記電磁センサにおける受電電力を増加させることであって、前記電磁ビームは、頭部搭載型拡張現実ディスプレイから前記ハンドヘルドコントローラに伝送されたビーム操向情報に基づいて操向される、ことと、
前記電磁ビームと関連付けられるビーム角を決定することと、
前記ハンドヘルドコントローラと前記電磁センサとの間の距離を決定することと、
前記電磁センサの姿勢、前記ビーム角、および前記距離を使用して、前記ハンドヘルドコントローラの6DoF姿勢を決定することと
を含む、方法。
【請求項9】
前記ハンドヘルドコントローラは、電磁エミッタを含み、前記電磁エミッタは、
第1の位相とともに動作させるように構成される第1のフェーズドアレイ要素と、
第2の位相とともに動作させるように構成される第2のフェーズドアレイ要素と
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記電磁エミッタは、第3のフェーズドアレイ要素をさらに含み、前記第1のフェーズドアレイ要素、前記第2のフェーズドアレイ要素、および前記第3のフェーズドアレイ要素は、平面内に配置される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記電磁センサの姿勢は、頭部姿勢を備え、前記電磁センサは、前記頭部搭載型拡張現実ディスプレイの要素である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記電磁ビームを操向することは、前記電磁ビームの中心ベクトルを、前記ハンドヘルドコントローラから前記電磁センサまでのベクトルと整合させることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記電磁ビームを操向し、前記電磁センサにおける受電電力を増加させることは、前記電磁センサにおける受電電力を最大限にすることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記非一過性のコンピュータ可読媒体は、命令を備え、前記命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
電磁センサの姿勢を決定することと、
ハンドヘルドコントローラから電磁ビームを発生させることであって、前記電磁ビームは、電磁場パターンによって特徴付けられる、ことと、
前記電磁ビームを操向し、前記電磁センサにおける受電電力を増加させることであって、前記電磁ビームは、頭部搭載型拡張現実ディスプレイから前記ハンドヘルドコントローラに伝送されたビーム操向情報に基づいて操向される、ことと、
前記電磁ビームと関連付けられるビーム角を決定することと、
前記ハンドヘルドコントローラと前記電磁センサとの間の距離を決定することと、
前記電磁センサの姿勢、前記ビーム角、および前記距離を使用して、前記ハンドヘルドコントローラの6DoF(DoF)姿勢を決定することと
を含む動作を実施させる、非一過性のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記ハンドヘルドコントローラは、電磁エミッタを含み、前記電磁エミッタは、
第1の位相とともに動作させるように構成される第1のフェーズドアレイ要素と、
第2の位相とともに動作させるように構成される第2のフェーズドアレイ要素と
を含む、請求項14に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記電磁エミッタは、第3のフェーズドアレイ要素をさらに含み、前記第1のフェーズドアレイ要素、前記第2のフェーズドアレイ要素、および前記第3のフェーズドアレイ要素は、平面内に配置される、請求項15に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記電磁センサの姿勢は、頭部姿勢を備え、前記電磁センサは、前記頭部搭載型拡張現実ディスプレイの要素である、請求項14に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記電磁ビームを操向することは、前記電磁ビームの中心ベクトルを、前記ハンドヘルドコントローラから前記電磁センサまでのベクトルと整合させることを含む、請求項14に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記電磁ビームを操向し、前記電磁センサにおける受電電力を増加させることは、前記電磁センサにおける受電電力を最大限にすることを含む、請求項14に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2019年2月28日に出願され、「METHOD AND SYSTEM UTILIZING PHASED ARRAY BEAMFORMING FOR SIX DEGREE OF FREEDOM TRACKING FOR AN EMITTER IN AUGMENTED REALITY SYSTEMS」と題された、米国仮特許出願第62/811,914号の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式で、ユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。
【0003】
これらのディスプレイ技術において成された進歩にもかかわらず、当技術分野において、拡張現実システム、特に、ディスプレイシステムに関連する、改良された方法、システム、およびデバイスの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、仮想現実(VR)および/または拡張現実(AR)結像および可視化システムに関する。本開示は、概して、VRおよび/またはARシステムにおいて6自由度(DoF)追跡を実施するための方法およびシステムに関する。より具体的には、本開示の実施形態は、センサに対するエミッタの位置および配向を算出するために、エミッタ(伝送機とも称される)によって伝送されるエネルギーを指向するための方法およびシステムを提供する。いくつかの実施形態では、エミッタのフェーズドアレイ要素を使用するビーム形成が、本明細書により完全に説明されるようなビーム操向を可能にするために利用される。本開示は、コンピュータビジョンおよび画像ディスプレイシステムにおける種々の用途に適用可能である。
【0005】
本開示のある実施形態によると、電磁追跡システムが、提供される。電磁追跡システムは、電磁エミッタを含む、ハンドヘルドコントローラを含む。電磁エミッタは、第1の位相によって特徴付けられる、第1のフェーズドアレイ要素と、第1の位相と異なる第2の位相によって特徴付けられる、第2のフェーズドアレイ要素とを含む。第1のフェーズドアレイ要素および第2のフェーズドアレイ要素は、電磁場パターンによって特徴付けられる操向可能電磁ビームを発生させるように構成される。電磁追跡システムはまた、磁場パターンを感知するように構成される電磁センサを含む、頭部搭載型ARディスプレイも含む。
【0006】
本開示の別の実施形態によると、ハンドヘルドコントローラの6DoF姿勢を決定する方法が、提供される。本方法は、電磁センサの姿勢を決定するステップと、ハンドヘルドコントローラから電磁ビームを発生させるステップとを含む。電磁ビームは、電磁場パターンによって特徴付けられる。本方法はまた、電磁ビームを操向し、電磁センサにおける受電電力を増加させるステップと、電磁ビームと関連付けられるビーム角を決定するステップとを含む。本方法はさらに、ハンドヘルドコントローラと電磁センサとの間の距離を決定するステップと、電磁センサの姿勢、ビーム角、および距離を使用して、ハンドヘルドコントローラの6DoF姿勢を決定するステップとを含む。
【0007】
多数の利益が、従来の技法に優る本開示の方法によって達成される。例えば、本開示の実施形態は、所定の様式においてセンサにおける電磁場強度を増加させる、方法およびシステムを提供する。本開示の実施形態は、エミッタ位置のアクティブ追跡を可能にし、それによって、姿勢決定の正確度を増加させる。本開示のこれらおよび他の実施形態は、その利点および特徴の多くとともに、下記のテキストおよび添付の図と併せて、さらに詳細に説明される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
電磁追跡システムであって、
電磁エミッタを含むハンドヘルドコントローラであって、前記電磁エミッタは、
第1の位相によって特徴付けられる第1のフェーズドアレイ要素と、
前記第1の位相と異なる第2の位相によって特徴付けられる第2のフェーズドアレイ要素と
を含み、
前記第1のフェーズドアレイ要素および前記第2のフェーズドアレイ要素は、電磁場パターンによって特徴付けられる操向可能電磁ビームを発生させるように構成される、ハンドヘルドコントローラと、
前記電磁場パターンを感知するように構成される電磁センサを含む頭部搭載型拡張現実ディスプレイと
を備える、電磁追跡システム。
(項目2)
プロセッサであって、前記プロセッサは、
前記第1の位相および前記第2の位相を制御することと、
前記電磁場パターンに基づいて、前記ハンドヘルドコントローラの位置および配向をデジタル的に算出することと
を行うように構成される、プロセッサ
をさらに備える、項目1に記載の電磁追跡システム。
(項目3)
前記プロセッサは、前記ハンドヘルドコントローラ内に配置される、項目2に記載の電磁追跡システム。
(項目4)
前記ハンドヘルドコントローラを含む補助ユニットをさらに備える、項目2に記載の電磁追跡システム。
(項目5)
前記補助ユニットは、ベルトパックを備える、項目4に記載の電磁追跡システム。
(項目6)
前記電磁場パターンは、前記第1の位相および前記第2の位相の修正によって操向される、項目1に記載の電磁追跡システム。
(項目7)
前記電磁エミッタはさらに、第3のフェーズドアレイ要素を備え、前記第1のフェーズドアレイ要素、前記第2のフェーズドアレイ要素、および前記第3のフェーズドアレイ要素は、平面内に配置される、項目1に記載の電磁追跡システム。
(項目8)
前記電磁エミッタはさらに、第4のフェーズドアレイ要素を備え、前記第1のフェーズドアレイ要素、前記第2のフェーズドアレイ要素、および前記第3のフェーズドアレイ要素は、4面体の3つのコーナーを形成し、前記第4のフェーズドアレイ要素は、前記4面体の第4のコーナーを形成する、項目7に記載の電磁追跡システム。
(項目9)
ハンドヘルドコントローラの6自由度(DoF)姿勢を決定する方法であって、前記方法は、
電磁センサの姿勢を決定することと、
前記ハンドヘルドコントローラから電磁ビームを発生させることであって、前記電磁ビームは、電磁場パターンによって特徴付けられる、ことと、
前記電磁ビームを操向し、前記電磁センサにおける受電電力を増加させることと、
前記電磁ビームと関連付けられるビーム角を決定することと、
前記ハンドヘルドコントローラと前記電磁センサとの間の距離を決定することと、
前記電磁センサの姿勢、前記ビーム角、および前記距離を使用して、前記ハンドヘルドコントローラの6DoF姿勢を決定することと
を含む、方法。
(項目10)
前記ハンドヘルドコントローラは、電磁エミッタを含み、前記電磁エミッタは、
第1の位相とともに動作させるように構成される第1のフェーズドアレイ要素と、
第2の位相とともに動作させるように構成される第2のフェーズドアレイ要素と
を含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記電磁エミッタはさらに、第3のフェーズドアレイ要素を含み、前記第1のフェーズドアレイ要素、前記第2のフェーズドアレイ要素、および前記第3のフェーズドアレイ要素は、平面内に配置される、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記電磁センサの姿勢は、頭部姿勢を備え、前記電磁センサは、ARヘッドセットの要素である、項目9に記載の方法。
(項目13)
前記電磁ビームを操向することは、前記電磁ビームの中心ベクトルを、前記ハンドヘルドコントローラから前記電磁センサまでのベクトルと整合させることを含む、項目9に記載の方法。
(項目14)
前記電磁ビームを操向し、前記電磁センサにおける受電電力を増加させることは、前記電磁センサにおける受電電力を最大限にすることを含む、項目9に記載の方法。
(項目15)
非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記非一過性のコンピュータ可読媒体は、命令を備え、前記命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
電磁センサの姿勢を決定することと、
ハンドヘルドコントローラから電磁ビームを発生させることであって、前記電磁ビームは、電磁場パターンによって特徴付けられる、ことと、
前記電磁ビームを操向し、前記電磁センサにおける受電電力を増加させることと、
前記電磁ビームと関連付けられるビーム角を決定することと、
前記ハンドヘルドコントローラと前記電磁センサとの間の距離を決定することと、
前記電磁センサの姿勢、前記ビーム角、および前記距離を使用して、前記ハンドヘルドコントローラの6DoF(DoF)姿勢を決定することと
を含む動作を実施させる、非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目16)
前記ハンドヘルドコントローラは、電磁エミッタを含み、前記電磁エミッタは、
第1の位相とともに動作させるように構成される第1のフェーズドアレイ要素と、
第2の位相とともに動作させるように構成される第2のフェーズドアレイ要素と
を含む、項目15に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目17)
前記電磁エミッタはさらに、第3のフェーズドアレイ要素を含み、前記第1のフェーズドアレイ要素、前記第2のフェーズドアレイ要素、および前記第3のフェーズドアレイ要素は、平面内に配置される、項目16に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目18)
前記電磁センサの姿勢は、頭部姿勢を備え、前記電磁センサは、ARヘッドセットの要素である、項目15に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目19)
前記電磁ビームを操向することは、前記電磁ビームの中心ベクトルを、前記ハンドヘルドコントローラから前記電磁センサまでのベクトルと整合させることを含む、項目15に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目20)
前記電磁ビームを操向し、前記電磁センサにおける受電電力を増加させることは、前記電磁センサにおける受電電力を最大限にすることを含む、項目15に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示のさらなる理解を提供するように含まれる、付随する図面は、本明細書の一部に組み込まれ、それを構成し、本開示の実施形態を図示し、詳細な説明とともに、本開示の原理を解説する役割を果たす。本開示の根本的理解およびそれが実践され得る種々の方法のために必要であり得るよりも詳細に本開示の構造的詳細を示す試行は、行われない。
【0009】
図1図1は、いくつかの実施形態による、電磁(EM)追跡システムの系統図を図式的に図示する。
【0010】
図2図2は、いくつかの実施形態による、電磁追跡システムの機能を説明する、フローチャートである。
【0011】
図3図3は、いくつかの実施形態による、拡張現実(AR)システムとともに組み込まれる、電磁追跡システムを図式的に図示する。
【0012】
図4図4は、いくつかの実施形態による、ARデバイスのコンテキストにおいて操向されたビームを使用する電磁追跡を図式的に図示する。
【0013】
図5A図5Aは、いくつかの実施形態による、所定の角度において操向されたビームを発生させる3つの電磁源のセットを図式的に図示する。
【0014】
図5B図5Bは、いくつかの実施形態による、4面体配列内の4つの電磁源のセットを図式的に図示する。
【0015】
図6図6は、いくつかの実施形態による、ハンドヘルドコントローラ位置を追跡する方法を図示する、フローチャートである。
【0016】
図7A図7Aは、いくつかの実施形態による、2つのエミッタ位置の関数として受信される信号の変動を図式的に図示する。
【0017】
図7B図7Bは、他の実施形態による、2つのエミッタ位置の関数として受信される信号の変動を図式的に図示する。
【0018】
図8図8は、5Gセルラーモバイル通信システムと通信する拡張現実システムを図式的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
拡張現実(AR)システムは、ユーザと双方向性であるように設計されることができる。実施例として、ユーザは、ユーザがARシステムと相互作用するために利用し得る、トーテムとも称される、ハンドヘルドコントローラを提供されてもよい。故に、ユーザによって装着される、ARヘッドセットまたはヘッドセットとも称される、頭部装着型ディスプレイシステムを含む、ARシステムの他の要素に対するハンドヘルドコントローラの位置および配向(例えば、6自由度(DoF)姿勢)を決定することが可能であることが有用である。
【0020】
高精度位置特定を達成するための1つのアプローチは、電磁場の伝送および検出を伴い得る。例えば、電磁場は、少なくとも1つの電磁場エミッタ(概して、「エミッタ」と称される)によって放出され、少なくとも1つの電磁場センサ(概して、「センサ」と称される)によって受電され得る。エミッタおよびセンサは、ユーザのARヘッドセット、ベルトパック、および/または他の補助デバイス(例えば、トーテム、触知デバイス、ゲーム用器具等)上に方略的に設置され得る。エミッタは、ARヘッドセットのユーザの環境内に既知の空間(および/または時間的)分布を有する、電磁場を発生させる。センサは、発生された電磁場をセンサの場所において測定する。発生された電磁場の分布のこれらの測定および知識に基づいて、エミッタに対するセンサの姿勢(例えば、位置および/または配向)が、決定されることができる。故に、センサおよび/またはエミッタが取り付けられる、オブジェクトの姿勢が、決定されることができる。すなわち、センサおよびエミッタの相対的位置が、決定され得る。
【0021】
図1は、電磁追跡システム100の例示的系統図を図示する。いくつかの実施形態では、電磁追跡システム100は、既知の電磁場を放出するように構成される、1つ以上の電磁場エミッタ102(概して、「エミッタ102」と称される)を含む。図1に示されるように、エミッタ102は、電力をエミッタ102に提供するために、電力供給源110(例えば、電流、バッテリ等)に結合されてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、エミッタ102は、電磁場を発生させる、いくつかのコイル(例えば、相互に垂直に位置付けられ、電磁場をX、Y、およびZ方向に生成する、少なくとも3つのコイル)を含む。コイルは、各コイルがAC双極子形電磁場を発生させるように、所定のAC周波数において(例えば、20kHz~40kHzの範囲内で)動作されることができる。本電磁場は、座標空間(例えば、X-Y-Zデカルト座標空間)を確立するために使用される。これは、システムが、既知の電磁場に関連して電磁センサ104a、104bの位置(例えば、(X、Y、Z)位置)をマッピングし、電磁センサ104a、104bの位置および/または配向を決定することを可能にする。いくつかの実施形態では、電磁センサ104a、104b(概して、「センサ104」と称される)は、1つ以上の実オブジェクトに取り付けられてもよい。センサ104は、電流が、電磁場、例えば、エミッタ102によって放出される電磁場を通して誘発され得る、コイルを含んでもよい。センサ104は、電磁場、例えば、エミッタ102によって放出される電磁場からの入射電磁束を捕捉するように位置付けられる/配向される、コイルまたはループ(例えば、相互に垂直に位置付けられる少なくとも3つのコイル)を含んでもよく、これらのコイルを通して誘発される電流を比較し、相互に対するコイルの相対的位置および配向を把握することによって、エミッタ102に対するセンサ104の相対的位置および配向が、計算され得る。
【0023】
センサ104に動作可能に結合される、コイルおよび慣性測定ユニット(「IMU」)コンポーネントの挙動に関する1つ以上のパラメータが、エミッタ102が結合される、座標系に対するセンサ104(およびそれが取り付けられるオブジェクト)の位置および/または配向を検出するために測定されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のセンサ104が、座標空間内のセンサ104のそれぞれの位置および配向を検出するために、エミッタ102に関連して使用されてもよい。電磁追跡システム100は、3つの方向(例えば、X、Y、およびZ方向)と、さらに、2つまたは3つの配向角度とにおける位置を提供してもよい。いくつかの実施形態では、IMUの測定は、センサ104の位置および配向を決定するために、コイルの測定と比較されてもよい。いくつかの実施形態では、電磁(EM)データおよびIMUデータは両方とも、カメラ、深度センサ、および他のセンサ等の種々の他のデータソースとともに、位置および配向を決定するために組み合わせられてもよい。本情報は、コントローラ106に伝送されてもよい(例えば、無線通信、Bluetooth(登録商標)等)。いくつかの実施形態では、姿勢(または位置および配向)は、従来のシステムでは、比較的に高いリフレッシュレートにおいて報告され得る。
【0024】
従来、電磁場エミッタが、テーブル、手術台、壁、または天井等の比較的に安定した大きいオブジェクトに結合され、1つ以上のセンサが、医療デバイス、ハンドヘルドゲーム用コンポーネント、または同等物等のより小さいオブジェクトに結合される。代替として、図3を参照して下記に説明されるように、電磁追跡システムの種々の特徴が、より安定したグローバル座標系に対する空間内を移動する2つのオブジェクト間の位置および/または配向における変化またはデルタが追跡され得る、構成を生成するために採用されてもよい。換言すると、構成は、電磁追跡システムの変動が、頭部搭載型コンポーネントとハンドヘルドコンポーネントとの間の位置および配向デルタ(変化)を追跡するために利用され得る一方、(例えば、ユーザにローカルの部屋環境の)グローバル座標系に対する頭部姿勢が、システムの頭部搭載型コンポーネントに結合され得る、外向き捕捉カメラを使用して、同時位置特定およびマッピング(「SLAM」)技法等によって別様に決定される、図3に示される。
【0025】
コントローラ106は、エミッタ102を制御してもよく、また、センサ104からのデータを捕捉してもよい。システムの種々のコンポーネントは、任意の電気機械的または無線/Bluetooth(登録商標)手段を通して、相互に結合され得ることを理解されたい。コントローラ106はまた、既知の電磁場に関するデータおよび電磁場に関連した座標空間を含んでもよい。本情報は、次いで、既知の電磁場に対応する座標空間に関連して、センサ104の位置および配向を検出するために使用される。
【0026】
電磁追跡システムの1つの利点は、それらが、最小限の待ち時間を伴って、高分解能の高度に再現可能な追跡結果を生成することである。加えて、電磁追跡システムは、必ずしも、光学追跡器に依拠せず、ユーザの視線内にないセンサ/オブジェクトも、容易に追跡され得る。
【0027】
電磁場の強度Vは、コイルエミッタ(例えば、エミッタ102)からの距離rの三次関数として降下することを理解されたい。したがって、アルゴリズムが、エミッタ102から離れた距離に基づいて使用されてもよい。プロセッサとも称され得る、コントローラ106は、そのようなアルゴリズムを用いて、エミッタ102から離れた可変距離におけるセンサ104の位置および配向を決定するように構成されてもよい。センサ104がエミッタ102からより遠く離れるように移動するにつれた電磁場の強度の急減少を前提として、正確度、効率、および短い待ち時間の観点からの最良結果は、より近い距離において達成され得る。典型的電磁追跡システムでは、エミッタは、電流(例えば、プラグイン電力供給源)によって給電され、センサは、エミッタの20フィート半径内に位置する。センサとエミッタとの間の半径が小さいほど、AR用途を含む、多くの用途において、より望ましくあり得る。
【0028】
図2は、電磁追跡システム100等の電磁追跡システムの機能を説明する方法200のための例示的フローチャートを図示する。202では、既知の電磁場が、放出される。いくつかの実施形態では、電磁場エミッタが、電磁場を発生させてもよい。例えば、電磁場エミッタの各コイルは、電磁場を1つの方向(例えば、X、Y、またはZ)に発生させてもよい。電磁場は、恣意的波形を伴って発生されてもよい。いくつかの実施形態では、軸のそれぞれに沿った電磁場成分は、他の方向に沿った他の電磁場成分と若干異なる周波数において発振し得る。204では、電磁場に対応する座標空間が、随意に、決定されてもよい。例えば、コントローラは、電磁場に基づいて、エミッタおよび/またはセンサの周囲の座標空間を自動的に決定してもよい。いくつかの実施形態では、座標空間は、方法の本段階において決定されなくてもよい。206では、センサ(既知のオブジェクトに取り付けられてもよい)におけるコイルの挙動が、検出されてもよい。例えば、コイルにおいて誘発される電流が、計算されてもよい。いくつかの実施形態では、コイルの回転または任意の他の定量化可能挙動が、追跡および測定されてもよい。208では、本挙動は、エミッタに対するセンサおよび/または既知のオブジェクト(例えば、センサを含む、ARヘッドセット)またはその逆の位置または配向を検出するために使用されてもよい。例えば、コントローラ106は、センサにおけるコイルの挙動と種々の位置または配向を相関させる、マッピングテーブルを調べてもよい。これらの計算に基づいて、座標空間内の位置が、センサおよび/またはエミッタの配向とともに、決定されてもよい。
【0029】
ARシステムのコンテキストでは、電磁追跡システムの1つ以上のコンポーネントは、モバイルコンポーネント(例えば、エミッタおよびセンサ)の正確な追跡を促進するように修正される必要があり得る。上記に説明されるように、ユーザの頭部姿勢および配向を追跡することが、多くのAR用途において望ましくあり得る。ユーザの頭部姿勢および配向の正確な決定は、ARシステムが、適切な/関連仮想コンテンツをユーザに表示することを可能にする。例えば、仮想場面は、実建物の背後に隠れている仮想モンスターを含んでもよい。建物に関連したユーザの頭部の姿勢および配向に応じて、仮想モンスターのビューは、現実的AR体験が提供されるように、修正される必要があり得る。または、仮想コンテンツと相互作用する、トーテム、触知デバイス、またはある他の手段の位置および/または配向は、ユーザがARシステムと相互作用することを可能にする際に重要であり得る。例えば、多くのゲーム用途では、ARシステムは、仮想コンテンツに関連して実オブジェクトの位置および配向を検出することができる。または、仮想インターフェースを表示するとき、トーテム、ユーザの手、触知デバイス、またはARシステムとの相互作用のために構成される、任意の他の実オブジェクトの位置は、システムが、コマンド、相互作用、および同等物を理解するために、表示される仮想インターフェースに関連して把握されることができる。光学追跡等のいくつかの位置特定方法は、長い待ち時間および低分解能問題に悩まされ得、これは、仮想コンテンツのレンダリングを多くのAR用途において困難にする。
【0030】
いくつかの実施形態では、図1および2に関連して議論される、電磁追跡システムは、ARシステムが、放出される電磁場に関連して1つ以上のオブジェクトの位置および配向を検出するように適合されてもよい。典型的電磁追跡システムは、大きく嵩張る電磁エミッタ(例えば、図1における102)を有する傾向にあり、これは、例えば、トーテムを伴う、頭部搭載型ARデバイスにとって問題となる。しかしながら、(例えば、ミリメートル範囲内の)より小さい電磁エミッタが、ARシステムのコンテキストにおいて、既知の電磁場を放出するために使用されてもよい。
【0031】
図3は、電磁場フェーズドアレイエミッタ302(概して、「フェーズドアレイエミッタ302」と称される)がハンドヘルドコントローラ306の一部として組み込まれた状態で、ARシステムとともに組み込まれる、電磁追跡システムを図示する。ハンドヘルドコントローラ306は、ARヘッドセット301(またはベルトパック370)に対して独立して移動可能であることができる。例えば、ハンドヘルドコントローラ306は、ユーザの手に保持されることができる、またはハンドヘルドコントローラ306は、ユーザの手または腕に搭載され得る(例えば、リングまたはブレスレットとして、またはユーザによって装着されるグローブの一部として)。いくつかの実施形態では、ハンドヘルドコントローラ306は、例えば、ゲーム用シナリオにおいて使用される(例えば、多自由度コントローラ)、または豊かなユーザ体験をAR環境内に提供する、またはユーザがARシステムと相互作用することを可能にする、トーテムであってもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ306は、触知デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、フェーズドアレイエミッタ302は、ベルトパック370の一部として組み込まれてもよい。
【0032】
ハンドヘルドコントローラは、フェーズドアレイエミッタ302に給電する、バッテリ310または他の電力供給源を含んでもよい。フェーズドアレイエミッタ302はまた、他のコンポーネントに対するフェーズドアレイエミッタ302の位置付けおよび/または配向を決定することを補助するように構成される、IMU350コンポーネントを含む、またはそれに結合され得ることを理解されたい。これは、特に、フェーズドアレイエミッタ302および電磁場センサ304(概して、「センサ304」と称される)の両方が、モバイル式である場合、有利であり得る。フェーズドアレイエミッタ302を、図3の実施形態に示されるように、ベルトパック307ではなく、ハンドヘルドコントローラ306内に設置することは、フェーズドアレイエミッタ302が、ベルトパック370におけるリソースに関して競合せず、むしろ、ハンドヘルドコントローラ306におけるその独自のバッテリソースを使用することを確実にすることに役立つ。いくつかの実施形態では、フェーズドアレイエミッタ302は、ARヘッドセット301上に配置されることができ、センサ304は、ハンドヘルドコントローラ306またはベルトパック370上に配置されることができる。したがって、本開示の実施形態は、ハンドヘルドコントローラ306が、ハンドヘルドユニットとして実装される一方、他の実施形態では、ハンドヘルドコントローラが、ARヘッドセット301内に実装される一方、付加的実施形態では、ハンドヘルドコントローラが、補助ユニット、例えば、ベルトパック307内に実装される、実装を提供する。さらに、ハンドヘルドコントローラ306が単一デバイス内に実装される、実装に加え、ハンドヘルドコントローラおよび付帯する物理的コンポーネントの機能は、複数のデバイス、例えば、ハンドヘルドコントローラ306、ARヘッドセット301、および/またはベルトパック307等の補助ユニットを横断して分散されることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、センサ304は、ARヘッドセット301上の1つ以上の場所上に、1つ以上のIMUまたは付加的電磁束捕捉コイル等の他の感知デバイスまたはセンサ308とともに設置されてもよい。例えば、図3に示されるように、センサ304、308は、ARヘッドセット301の片側または両側上に設置されてもよい。センサ304、308は、かなり小型であるように工作され得る(かつある場合には、あまり敏感ではない場合がある)ため、複数のセンサ304、308を有することは、効率および精度を改良し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサはまた、ベルトパック370またはユーザの身体の任意の他の部分上に設置されてもよい。センサ304、308は、無線で、例えば、Bluetooth(登録商標)を通して、センサ304、308(およびそれが取り付けられるARヘッドセット301)の姿勢および配向を決定する、コンピューティング装置に通信してもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティング装置は、ベルトパック370に常駐してもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティング装置は、ARヘッドセット301またはコントローラ306に常駐してもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティング装置は、ひいては、マッピングデータベース330(例えば、マッピングデータベース、クラウドリソース、パス可能世界モデル、座標空間、および同等物)を含み、姿勢を検出し、実オブジェクトおよび/または仮想オブジェクトの座標を決定してもよく、クラウドリソースおよびパス可能世界モデルに接続さえしてもよい。ハンドヘルドコントローラ306は、いくつかの実施形態では、電磁エミッタおよび電磁センサの位置および配向が修正された電磁場パターンからの場に基づいて算出されるように、電磁エミッタによる電磁放出および電磁センサによる感知のタイミングを制御することが可能である。いくつかの実施形態では、電磁エミッタの位置および配向が、電磁センサに対して算出される。他の実施形態では、電磁センサの位置および配向が、電磁エミッタに対して算出される。いくつかの実施形態では、電磁エミッタおよび電磁センサの位置および配向が、算出される。
【0034】
上記に説明されるように、いくつかの電磁エミッタは、ARデバイスにとって嵩張りすぎ得る。したがって、エミッタは、従来的システムより小さいコンポーネント(例えば、コイル)を使用して、コンパクトであるように工作され得る。しかしながら、電磁場の強度がエミッタから離れる距離の三次関数として減少することを前提として、センサ304とフェーズドアレイエミッタ302との間の半径が小さいほど(例えば、約3~3.5フィート)、図1に詳述されるもの等の従来的システムと比較して、電力消費を低減させ得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、本側面は、1つ以上の実施形態においてハンドヘルドコントローラ306およびフェーズドアレイエミッタ302に給電し得る、バッテリ310の寿命を延長させるために利用されてもよい。いくつかの実施形態では、本側面は、電磁場をフェーズドアレイエミッタ302において発生させるコイルのサイズを低減させるために利用されてもよい。しかしながら、同一強度の電磁場を得るために、電力は、増加される必要があり得る。これは、ハンドヘルドコントローラ306にコンパクトにフィットし得る、コンパクトなフェーズドアレイエミッタ302を可能にする。
【0036】
いくつかの他の変更が、ARデバイスのための電磁追跡システムを使用するときに行われてもよい。本姿勢報告レートは、かなり良好であるが、ARシステムは、さらにより効率的な姿勢報告レートを要求し得る。この目的を達成するために、IMUベースの姿勢追跡が、(加えて、または代替として)使用されてもよい。有利なこととして、IMUは、姿勢検出プロセスの効率を増加させるために、可能な限り安定したままであり得る。IMUは、それらが最大50~100ミリ秒安定したままであるように工作されてもよい。いくつかの実施形態は、姿勢更新が10~20Hzのレートで報告されることを可能にし得る、外側姿勢推定器モジュールを利用し得る(例えば、IMUは、経時的にドリフトし得る)ことを理解されたい。IMUを合理的レートで安定した状態に保つことによって、姿勢更新のレートは、10~20Hzまで劇的に減少され得る(従来的システムにおけるより高い周波数と比較して)。
【0037】
電磁追跡システムが、例えば、10%デューティサイクルで起動され得る(例えば、100ミリ秒毎にグラウンドトゥルースに関してピングのみを行う)場合、ARシステムは、電力を節約し得る。これは、電磁追跡システムが、100ミリ秒のうち10ミリ秒ウェークアップし、姿勢推定を発生させることを意味し得る。これは、直接、電力消費節約に転換され得、これは、ひいては、ARデバイス(例えば、ARヘッドセット301および/またはコントローラ306)のサイズ、バッテリ寿命、およびコストに影響を及ぼし得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、デューティサイクルにおける本低減は、図3に図示されるように、1つのみのハンドヘルドコントローラ306ではなく、第2のハンドヘルドコントローラ(図示せず)を提供することによって、方略的に利用されてもよい。例えば、ユーザは、2つのコントローラおよび同等物を要求する、ゲームをプレーしている場合がある。または、マルチユーザゲームでは、2人のユーザは、ゲームをプレーするために、その独自のコントローラを有してもよい。1つではなく、2つのコントローラ(例えば、手毎の対称コントローラ)が、使用されるとき、コントローラは、オフセットデューティサイクルで動作してもよい。同一概念はまた、マルチプレーヤゲームをプレーしている2人の異なるユーザによって利用される、コントローラにも適用され得る。
【0039】
本開示のいくつかの実施形態が、電磁エミッタ内の電磁要素のフェーズドアレイの使用のコンテキストにおいて議論されるが、本開示の実施形態は、電磁放射線の使用に限定されず、建設的干渉の領域および相殺的干渉の領域によって特徴付けられるエネルギー分布をもたらす、音響エネルギー(すなわち、音)を含む、他の形態のエネルギーも、ビーム形成を実施するために使用されることができる。
【0040】
ARヘッドセット301に対するハンドヘルドコントローラ306の6DoF姿勢(すなわち、位置および配向)を決定するために、磁気追跡が、利用されることができる。ハンドヘルドコントローラ内に配置されるエミッタを使用して、既知の幾何学形状の磁場が、生成されることができる。ヘッドセット内の1つ以上のセンサが、次いで、既知の幾何学形状におけるARヘッドセットの場所の測定に基づいて、ハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の6DoF関係を決定するために使用されることができる。ある場合には、IMUによって提供される測定データは、例えば、センサ融合のコンテキストにおいて、ハンドヘルドコントローラの6DoF姿勢の測定を算出または改良するために利用されることができる。しかしながら、IMUは、相対運動を測定するために好適であり得るが、それらの測定データと関連付けられるバイアスのレベルを有し得る。本バイアスが積分されるにつれて、IMUの位置のドリフトが蓄積し、測定正確度を低下させ得る。故に、本開示の実施形態は、低減されたバイアスによって特徴付けられる測定データを提供する。いくつかの実施形態では、測定データは、雑音成分を含み得るが、バイアスの低減は、雑音の平均化を可能にし、改良された正確度で信号を提供する。
【0041】
図4は、いくつかの実施形態による、ARデバイスのコンテキストにおいて操向されたビームを使用する電磁追跡を図式的に図示する。下記により完全に説明されるように、ハンドヘルドコントローラ410によって放出される、放出されたビーム402は、ビーム角θにおいて指向される。フェーズドアレイエミッタ412内の個々のフェーズドアレイ要素の間の位相遅延関係を把握して、ビーム角θが、算出されることができる。双方向通信経路430(例えば、Bluetooth(登録商標))を使用して実装されるフィードバックループが、次いで、フェーズドアレイエミッタ412内のフェーズドアレイ要素のそれぞれと関連付けられる位相遅延が、ビームを操向し、ARヘッドセット420の電磁場センサ422において受電電力の最大値を達成/維持するために調節されるように、利用されることができる。本明細書により完全に説明されるように、通信経路430は、ハンドヘルドコントローラ410に関連するデータ、例えば、ハンドヘルドコントローラIMUデータ、フェーズドアレイエミッタ412内の個々のフェーズドアレイ要素の位相遅延、ビーム角θ、および同等物が、ARヘッドセット420に伝送されることを可能にする。さらに、通信経路430は、ARヘッドセット420に関連するデータ、例えば、ARヘッドセットIMUデータ、電磁場センサ422における受電電力、および同等物が、ハンドヘルドコントローラ410に伝送されることを可能にする。放出されたビーム402のビーム角θは、ARヘッドセット420において、より具体的には、電磁場センサ422において、受容されたエネルギーを最大限にするように掃引および操向されてもよい。
【0042】
下記により完全に説明されるように、放出されたビーム402の特性に基づいて算出され得る、フェーズドアレイエミッタ412内の個々のフェーズドアレイ要素の位相遅延およびハンドヘルドコントローラ410とARヘッドセット420との間の距離を前提として、ハンドヘルドコントローラ410の6DoF姿勢が、ARヘッドセット420の既知の姿勢に対して決定されることができる。
【0043】
図5Aは、いくつかの実施形態による、所定の角度において操向されたビームを発生させる3つの電磁源(例えば、個々のフェーズドアレイ要素)のセットを図式的に図示する。図5Aに図示されるように、3つのフェーズドアレイ要素510、512、および514が、ハンドヘルドコントローラ内に配置されるフェーズドアレイエミッタ505(例えば、図4のフェーズドアレイエミッタ412)の要素として含まれる。いくつかの実施形態では、フェーズドアレイ要素510、512、および514はそれぞれ、各コイルがAC双極子形電磁場を発生させるように、所定のAC周波数において(例えば、20kHz~40kHzの範囲内で)動作されるコイルであり得る。例示的フェーズドアレイエミッタ505では、フェーズドアレイ要素510、512、514の全ては、それらのコイルを一般的な方向、例えば、z方向と整合させる。概して、フェーズドアレイ要素510、512、514の相対配向および配列は、フェーズドアレイエミッタ505によって生成されるメインローブが、ARヘッドセット(例えば、図4のARヘッドセット420)が通常動作の間にハンドヘルドコントローラ(例えば、図4のハンドヘルドコントローラ410)(例えば、ユーザがハンドヘルドコントローラを保持するために利用する手のいずれかに応じて、掌が左または右に面している状態で、ほぼ腰/胴体中央の高さでユーザの手に保持されるハンドヘルドコントローラ)に対するであろう、最も一般的な方向に沿って指向されるように、選択される。ARヘッドセット(例えば、ARヘッドセット301)が通常動作の間にハンドヘルドコントローラ(例えば、ハンドヘルドコントローラ306)に対するであろう、本最も一般的な方向は、図3に図示される。
【0044】
電磁放射線が、フェーズドアレイ要素510、512、514のそれぞれによって放出されるにつれて、放出される電磁放射線の波動性質は、フェーズドアレイ要素510、512、および514によって放出される電磁放射線の間に干渉をもたらす。本干渉は、建設的干渉の領域および相殺的干渉の領域を生成する。図5Aに図示されるフェーズドアレイ要素510、512、および514に関して、各要素の位相が、整合される(すなわち、要素の間に遅延がない)場合、メインローブが、図の平面に直交するx方向に沿って生成されるであろう。固定位相遅延関係が、フェーズドアレイ要素(すなわち、ゼロであり得る位相遅延φを有するフェーズドアレイ要素510、位相遅延φを有するフェーズドアレイ要素512、および位相遅延φを有するフェーズドアレイ要素514)の間に実装される場合、フェーズドアレイ要素510、512、および514の間の干渉は、メインローブ525およびサイドローブ(明確にする目的のために図示されていない)の発生をもたらすであろう。いくつかの実施形態では、フェーズドアレイ要素510、512、および514は、概して、位相遅延なしに関するメインローブをハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の最も一般的な方向と整合させるために、図5Aに図示されるy-z平面が図4に図示されるビーム角θに直交するであろうように、位置付けられるであろう。3つのフェーズドアレイ要素が図5Aに図示されるが、本開示の実施形態は、本特定の数に限定されず、2つのフェーズドアレイ要素および3つを上回るフェーズドアレイ要素を含む、他の数も、本開示の実施形態によって利用されることができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、単一のコイルが、フェーズドアレイ要素毎に利用されることができる。いくつかの実施形態では、複数のコイルが、フェーズドアレイ要素毎に利用されることができる。実施例として、ハンドヘルドコントローラが、ARヘッドセットがハンドヘルドコントローラに対するであろう、最も一般的な方向に対して90°回転されるときの性能を改良するために、フェーズドアレイ要素毎の第2のコイルが、図の平面の中/外を指し示す方向(すなわち、±x方向)にメインローブの強度を増加させるために利用されることができる。ハンドヘルドコントローラのフェーズドアレイ要素に加えて、エミッタは、図1の電磁場エミッタ102によって図示されるように、3つのコイルエミッタとして実装されることができる。
【0046】
したがって、3つのフェーズドアレイ要素510、512、および514は、静的である(すなわち、ハンドヘルドコントローラ内のそれらの位置が固定される)が、各フェーズドアレイ要素と関連付けられる位相遅延の制御が、メインローブ525の操向を可能にすることができる。図5Aに図示されるように、メインローブ525は、それぞれ、x軸、y軸、およびz軸に沿った成分θ、θ、およびθを有する、ビーム角θにおいて配向される、ベクトル520上で心合される。ベクトル520は、メインローブの中心と整合されるため、中心ベクトルと称されることができる。位相遅延φおよび/またはφを修正することによって、メインローブ525は、ベクトル520が恣意的ビーム角θにおいて配向され得るように、操向されることができる。フェーズドアレイ要素512および514に対応する位相遅延φおよび/またはφのみが、本実施例では修正されるが、付加的位相遅延φが、メインローブ525と関連付けられるビーム角θに対する制御と併せてフェーズドアレイ要素510と関連付けられ得ることを理解されたい。付加的位相遅延φが利用されるとき、3つ全ての位相遅延が、フェーズドアレイ要素510、512、514の間の所望の位相遅延を達成するように制御されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替物を認識するであろう。
【0047】
メインローブ525のビーム操向が、ベクトル520を、ハンドヘルドコントローラ内に配置されるフェーズドアレイエミッタ505からARヘッドセット内の電磁場センサ(例えば、電磁場センサ422)まで指向されるベクトルと整合させるために、使用されることができる。いったんハンドヘルドコントローラ内に配置されるフェーズドアレイエミッタ505から指向されるベクトル520およびARヘッドセット内の電磁場センサが整合されると、電磁場センサにおいて受容されるエネルギーは、メインローブ525の中心が電磁場センサに指向されるであろうため、最大限にされるであろう。図6に関連してより完全に説明されるであろうように、メインローブ525のビーム操向は、ARヘッドセットに対するハンドヘルドコントローラの配向を決定するために利用されるであろう。
【0048】
ハンドヘルドコントローラ内のフェーズドアレイエミッタの設置およびARヘッドセット内の電磁場センサの設置の説明が本明細書で提供されるが、これは、本開示によって要求されず、フェーズドアレイエミッタは、対応する電磁場センサがハンドヘルドコントローラ内に設置された状態で、ARヘッドセット内に設置されることができる。加えて、いくつかの実施形態では、フェーズドアレイエミッタまたは電磁場センサは、補助ユニット内に設置されることができる。典型的には、ハンドヘルドコントローラは、電力要件およびフェーズドアレイエミッタの動作と関連付けられる加重をサポートすることができ、結果として、フェーズドアレイエミッタは、ハンドヘルドコントローラ内に設置されるコンポーネントとして実装されるであろう。図3を参照すると、算出作業が、ハンドヘルドコントローラ306、ARヘッドセット301、ベルトパック370、または小型セル(図示せず)内で実施される、または適宜、これらの要素の間に分散されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替物を認識するであろう。
【0049】
図5Bは、いくつかの実施形態による、4面体配列内の4つの電磁源のセットを図式的に図示する。図5Bに図示されるように、4つのフェーズドアレイ要素510、512、514、および516は、4面体の4つの頂点上にあるように位置付けられる。フェーズドアレイ要素510、512、および514が、y-z平面内にある一方、フェーズドアレイ要素516は、x軸に沿って測定されるy-z平面の上方の所定の高さに位置付けられる。図5Bに図示される4面体配列を利用することによって、付加的制御が、メインローブのビーム形状にわたって提供されるとともに、y-z平面内のビーム操向のための制御の増加が提供される。
【0050】
図6は、いくつかの実施形態による、ハンドヘルドコントローラ位置を追跡する方法600を図示する、例示的フローチャートを図示する。本方法は、電磁場センサの姿勢(すなわち、位置および配向)を決定するステップを含む(610)。いくつかの実施形態では、電磁場センサの姿勢を決定するステップは、電磁場センサを含む、ARヘッドセットの頭部姿勢を決定するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、電磁場センサの位置のみが、決定されることができる。いくつかの実施形態では、ARヘッドセット内の1つ以上のIMUが、本頭部姿勢決定を提供するために使用されることができる。本方法はまた、例えば、電磁場エミッタ内の1つ以上のIMUを使用して、電磁場エミッタ(例えば、ハンドヘルドコントローラ)の近似位置を決定する随意のプロセスも含む(620)。いくつかの実装では、本随意のプロセスはまた、例えば、電磁場エミッタ内の1つ以上のIMUを使用して、電磁場エミッタ(例えば、ハンドヘルドコントローラ)の近似配向(すなわち、近似姿勢)も決定する。いくつかの実施形態では、近似姿勢は、ユーザがハンドヘルドコントローラを保持し、ハンドヘルドコントローラを較正または初期化するにつれて、重力に直交する方向への加速度を超える、重力に起因する加速度に基づいて、決定されることができる。
【0051】
ビーム操向が、次いで、電磁ビームのメインローブ、例えば、図5のメインローブ525を操向するように開始される(630)。検索アルゴリズムとも称される、最適化アルゴリズムを使用して、ビームは、電磁センサにおいて受容されるエネルギーが最大限にされるまで操向される。当業者に公知であるいくつかの最適化アルゴリズムのうちの1つが、本ビーム操向プロセスで利用されることができる。典型的には、適合度関数Fが、最大限にされる。
【化1】
式中、Δφ=φ-φおよびΔφ=φ-φであり、φは、フェーズドアレイ要素510と関連付けられる位相遅延であり、φは、フェーズドアレイ要素512と関連付けられる位相遅延であり、φは、フェーズドアレイ要素514と関連付けられる位相遅延である。フェーズドアレイ要素は、以下のように動作周波数と関連付けられることができる、すなわち、フェーズドアレイ要素510:φがゼロであり得る、ωt+φ、フェーズドアレイ要素512:ωt+φ、およびフェーズドアレイ要素514:ωt+φである。上記に議論されるように、ビーム操向は、位相遅延φおよびφの制御、または3つ全ての位相φ、φ、およびφの制御を通して、遂行されることができる。
【0052】
種々の実施形態によると、本明細書に議論されるビーム操向プロセスは、ARヘッドセットにおいて、またはハンドヘルドコントローラにおいて決定されるビーム操向情報を使用して、実装されることができる。例えば、以下のプロセスフローが、ビーム操向情報がARヘッドセットにおいて決定されるときに実装されることができる。ハンドヘルドコントローラは、第1の通信経路を介して電磁ビームを伝送し、第2の通信経路を介してセンサデータ(例えば、ハンドヘルドコントローラにおいて収集されるセンサデータ)を伝送する。ARヘッドセットは、第1の通信経路を介して電磁ビームを受信し、第2の通信経路を介してハンドヘルドコントローラセンサデータを受信する。
【0053】
ARヘッドセットは、次いで、電磁ビームと関連付けられる電力を計算し、電磁ビーム、ハンドヘルドデバイスセンサデータ、およびARヘッドセットセンサデータと関連付けられる、計算された電力に基づいて、ビーム操向情報を決定する。本ビーム操向情報を前提として、ARヘッドセットは、第2の通信経路を介してビーム操向情報を伝送し、ハンドヘルドコントローラは、ビーム操向情報を受信する。故に、ハンドヘルドコントローラは、受信されたビーム操向情報に基づいて、電磁ビームのビーム操向性質を変化させることができる。例えば、受信されたビーム操向情報は、ハンドヘルドコントローラが位相遅延φおよびφのうちの1つ以上のものを増加または減少させることになることを示し得る。別の実施例として、ARヘッドセットは、ハンドヘルドデバイスセンサデータおよびARヘッドセットセンサデータに基づいて、ハンドヘルドコントローラがARヘッドセットに対して移動していることを決定してもよく、故に、主要ビーム(例えば、主要ビーム525)およびその対応するベクトル(例えば、ベクトル520)が、ARヘッドセット内の電磁センサと整合され続け得るように、ハンドヘルドコントローラに位相遅延φおよびφのうちの1つ以上のものを増加または減少させる、ビーム操向情報を発生させてもよい。
【0054】
さらに、以下のプロセスフローが、ビーム操向情報がハンドヘルドコントローラにおいて決定されるときに実装されることができる。ハンドヘルドコントローラは、第1の通信経路を介して電磁ビームを伝送し、ARヘッドセットは、第1の通信経路を介して電磁ビームを受信する。ARヘッドセットは、次いで、電磁ビームと関連付けられる電力を計算し、第2の通信経路を介して、計算された電力およびARヘッドセットセンサデータをハンドヘルドコントローラに伝送する。
【0055】
ハンドヘルドコントローラは、計算された電力およびARヘッドセットセンサデータを受信し、電磁ビームと関連付けられる計算された電力、ARヘッドセットセンサデータ、およびハンドヘルドコントローラセンサデータに基づいて、ビーム操向情報を決定する。故に、ハンドヘルドコントローラは、受信されたビーム操向情報に基づいて、電磁ビームのビーム操向性質を変化させることができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、較正プロセスが、システム特性を考慮するため、かつビーム操向アルゴリズムの正確度を改良するために、利用されることができる。さらに、種々の制御および最適化アルゴリズムが、本開示の実施形態と併用するために好適である。適合度関数を最大限にするために使用され得る、例示的制御および最適化アルゴリズムは、勾配降下方法、確率的勾配降下方法、運動量を用いた勾配降下方法、深層学習アルゴリズム、および同等物を含む。実施例として、初期化段階では、ビームは、ハンドヘルドコントローラの周囲の領域が分析されるにつれて、操向されたビームに関して大きい角度偏差(例えば、10°増分)をもたらす多くの量だけ位相遅延φおよびφを変動させることによって、操向され得る。受電される電力の最大値を提供した、ビーム角(および関連付けられる位相遅延)に戻ると、より小さい増分が、受電される電力を最大限にするために、漸次的に利用されることができる(例えば、5°、2°、1°、0.5°)。
【0057】
初期化プロセスは、ハンドヘルドコントローラがARヘッドセットに対して所与の方向に配向されるであろう確率に関連する情報を提供する、人間工学的研究によって情報を与えられ得る。実施例として、ハンドヘルドコントローラが、典型的には、掌が左に面している状態で、ほぼ腰/胴体中央の高さで保持される場合、初期化プロセスは、本配向においてハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の方向と整合される角度の近傍で開始されることができる。ハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の本最も一般的な方向が、ビーム角θとして図4に図示される。当業者に明白であろうように、より高速の収束を提供し得る最適化アルゴリズムが、本開示の範囲内に含まれる。いったんビームロックが達成されると、ビーム操向角の角度調節が、特定の用途に対して、適宜、減少または増加されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替物を認識するであろう。
【0058】
これらの最適化アルゴリズムを動作させる際に、通信経路が、例えば、最適化アルゴリズムの動作の間に収集されるデータを交換するように、ハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間に提供される。図4の通信経路430の実施例は、ハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の双方向通信を提供する、Bluetooth(登録商標)無線リンクである。本通信経路は、例えば、受電電力データをARヘッドセットからハンドヘルドコントローラに伝送するために使用されることができる。加えて、本通信経路は、ビーム角(例えば、位相遅延またはARヘッドセットにおけるビーム角の算出のための位相遅延に基づくビーム角)についての情報をハンドヘルドコントローラからARヘッドセットに伝送するために使用されることができる。したがって、通信経路430は、制御信号およびデータが、ハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の双方向様式で伝送されることを可能にする。例えば、ARヘッドセットまたはハンドヘルドコントローラのいずれかにおいて発生されるIMUデータが、通信経路430を通して伝送されることができる。Bluetooth(登録商標)無線リンクが、通信経路430の実施例として説明されるが、他の通信技術が、WiFi無線リンク、USBリンク等の有線リンク、および同等物を含む、本開示の範囲内に含まれる。
【0059】
動作時、位相遅延の修正に起因するビーム操向は、ARヘッドセットにおける受電電力の増加/減少をもたらす。ARヘッドセット内の電磁場センサにおける受電電力の変化に応答して、ハンドヘルドコントローラ内の電磁場エミッタは、フェーズドアレイ要素の間の位相遅延を変動させ、受電電力を増加させる様式でビームを操向することができる。
【0060】
上記に説明されるように、いったんビームが、メインローブの中心を通して通過するベクトル、およびハンドヘルドコントローラ内のフェーズドアレイエミッタからARヘッドセット内の受信機とも称され得る電磁場センサまで指向されるベクトルを整合させるように操向されると、電磁場センサにおいて受容されるエネルギーは、最大限にされるであろう。したがって、通信経路を通して伝送される、ARヘッドセット内の電磁場センサからハンドヘルドコントローラ内のフェーズドアレイエミッタまでのフィードバックを使用して、受電電力を最大限にするため(いくつかの実施形態では受電電力を維持するため)のビーム操向が、遂行されることができる。
【0061】
図6をもう一度参照すると、いったんビームが受電電力を最大限にするように操向されると、インジケータが、ビームロックの達成を示すように発生されることができる(632)。ビームロックを達成することは、所与の時間におけるハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の所与の方向と関連付けられるであろう。ハンドヘルドコントローラ(および/またはARヘッドセット)が、時間の関数として移動するにつれて、追跡アルゴリズムが、持続的に起動し、ビーム操向を通してビームロックを維持するであろう。ハンドヘルドコントローラ内のIMUおよび/またはARヘッドセット内のIMUによって提供されるデータは、例えば、ハンドヘルドコントローラおよびARヘッドセット位置および/または配向、速度、加速度、または同等物のわずかな変化に応答して、角度ステップサイズ偏差を低減させるために、またはハンドヘルドコントローラおよびARヘッドセット位置および/または配向、速度、加速度、または同等物の大きな変化に応答して、角度ステップサイズ偏差を増加させるために、初期化および/または追跡アルゴリズムによって利用されてもよい。いくつかの実施形態では、角度ステップサイズ偏差は、ハンドヘルドコントローラの回転が放出されたビームの高速操向をもたらし得るため、ハンドヘルドコントローラの角速度および/または加速度に応答して修正される。
【0062】
電磁場センサにおけるエネルギーが、最大値を達成するとき、メインローブが配向されるビーム角θは、それぞれ、フェーズドアレイ要素512および514と関連付けられる位相遅延φおよびφの関数として決定されることができる(634)。換言すると、位相遅延φおよびφ、およびフェーズドアレイ要素510、512、および514の幾何学的配列を前提として、ビーム角θは、位相遅延および幾何学的配列の関数として算出されることができる。ハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間のビーム角θを前提として、ハンドヘルドコントローラおよびARヘッドセットが、ハンドヘルドコントローラおよびARヘッドセットを接続するベクトルに沿って配置されることが公知である。本情報に、ハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の距離が、下記により完全に説明されるように、決定され、加算される(634)。
【0063】
本開示の実施形態は、いくつかの技法のうちの1つを利用し、ハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の距離を決定する。例えば、いくつかの実施形態では、測定された電力は、受電電力を距離に関連付ける較正されたテーブルまたは関数と比較されることができる。通信経路を利用して、ハンドヘルドコントローラからのIMUデータが、距離算出を精緻化するように、ARヘッドセットにおける測定された電力と融合されることができる。いくつかの実施形態では、既知の電磁場パターンが、受電電力を前提として、ハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の距離を決定するために使用されることができる。実施例として、所与の電磁場パターンおよび所与の距離に関して、所定の角度(例えば、5°)のメインローブの操向は、所定の量(例えば、10%)の受電電力の減少をもたらすであろう。より大きい距離(例えば、2倍の距離)において、所定の角度のメインローブの操向は、受電電力のより少ない減少(例えば、20%)をもたらすであろう。いったん受電電力が最大限にされると、位相遅延が、(例えば、一連の角度を通して)所定の角度だけビームを操向するように変動されることができ、受電電力の減少は、距離を算出するために使用されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替物を認識するであろう。
【0064】
いくつかの実施形態では、ハンドヘルドコントローラ位置の関数としての受電電力の測定値が、ハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の距離を決定するために利用されることができる。本実施形態は、図7Aおよび7Bに関連して説明される。
【0065】
図7Aは、いくつかの実施形態による、2つのエミッタ位置の関数として受信される信号の変動の実施例を図式的に図示する。図7Aでは、フェーズドアレイエミッタ710が、位置xに位置付けられ、ベクトル715と整合される中心角を有する、伝送パターン711によって特徴付けられる。明確にする目的のために、伝送パターンの中心またはメインローブのみが、図示される。電磁場センサ720が、ベクトル715の長さに等しいフェーズドアレイエミッタ710からの所与の距離に位置付けられ、ビームロックが、位置xにおけるフェーズドアレイエミッタに関して達成されている(Tx(x))。
【0066】
図7Aを参照すると、フェーズドアレイエミッタ712が、位置xに平行移動された後に図示される(Tx(x))。位置平行移動情報が、ハンドヘルドコントローラによって発生されるIMUデータを分析することによって取得され、本IMUデータがハンドヘルドコントローラ姿勢を追跡するために使用され得るため、ARヘッドセットに伝送されることができる。いくつかの実施形態では、ハンドヘルドコントローラ姿勢に関連するIMUデータは、ハンドヘルドコントローラ姿勢値を提供するように、ARヘッドセットによって受信される電磁力の測定値と融合される。平行移動後、伝送パターンが、新しいフェーズドアレイエミッタ位置(すなわち、x)を与えられて維持される場合、電磁場センサ720において受電される電力は、位置718においてメインローブに交差する図7Aのベクトル717によって図示されるように、減少するであろう。メインローブ振幅が、位置718において有意に減少されるため、平行移動距離を所与の距離のための受電電力と相関させる関数が、発生されることができる。
【0067】
図7Bは、いくつかの実施形態による、2つのエミッタ位置の関数として受信される信号の変動の実施例を図式的に図示する。図7Bでは、ベクトル735の長さに等しい距離が、図7Aに図示されるベクトル715の長さに等しい距離を上回る。図7Bでは、フェーズドアレイエミッタ730が、位置xに位置付けられ、ベクトル735と整合される中心角を有する、伝送パターン731によって特徴付けられる。明確にする目的のために、伝送パターンの中心またはメインローブのみが、図示される。電磁場センサ740が、フェーズドアレイエミッタ730からのベクトル735の長さに等しい距離に位置付けられ、ビームロックが、位置xにおけるフェーズドアレイエミッタ730に関して達成されている(Tx(x))。
【0068】
図7Bに図示されるように、フェーズドアレイエミッタ732が、位置xに平行移動された後に図示される(Tx(x))。位置平行移動情報が、ハンドヘルドコントローラによって発生されるIMUデータを分析することによって取得されることができる。平行移動後、伝送パターンが、新しいフェーズドアレイエミッタ位置(すなわち、x)を与えられて維持される場合、電磁場センサ740において受電される電力は、位置738においてメインローブに交差する図7Bのベクトル737によって図示されるように、減少するであろう。図7Aと比較した、図7Bの電磁エミッタと電磁センサとの間のより大きい距離により、所与の平行移動(すなわち、位置xから位置xまで)のための受電電力の減少は、図7Aの同一の平行移動のための受電電力の減少と比較して、低減される。故に、平行移動距離を図7Bに図示されるより大きい所与の距離のための受電電力と相関させる付加的関数が、発生されることができる。種々の平行移動距離において受電電力を測定することによって、(1)平行移動距離および(2)フェーズドアレイエミッタと電磁センサとの距離の関数として、受電電力の増加または減少をマッピングする、ルックアップテーブル、方程式、または他の数学的構築物を発生させることが可能である。結果として、受電電力増加または減少および平行移動距離を前提として、フェーズドアレイエミッタと電磁場センサとの間の距離が、算出されることができる。いくつかの実施形態では、上記に議論される値が、電力導関数をマッピングするために利用されることができる。
【化2】
これは、受電電力および平行移動距離の関数として、フェーズドアレイエミッタと電磁場センサとの間の距離を決定するために使用されることができる。したがって、本開示の実施形態は、ハンドヘルドコントローラの位置の変化、およびハンドヘルドコントローラの配向の変化を利用し、エミッタとセンサとの距離を決定することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、エミッタとセンサとの距離を決定するために利用される、ハンドヘルドコントローラの位置の変化の関数としての受電電力の増加または減少は、操向可能なものを再指向し得るアクティブ追跡ループと比較して、短い時間周期で実施されることに留意されたい。したがって、実施形態は、例えば、図6に関して議論されるように、アクティブ追跡と併せて距離測定を可能にする。
【0070】
いくつかの実施形態では、ハンドヘルドコントローラの機能性は、ハンドヘルドコントローラにおいて収集される、および/または利用可能である情報を利用して、向上される。例えば、IMUデータの変化が、ハンドヘルドコントローラにおいて決定される、例えば、ハンドヘルドコントローラが所与の量だけ所与の方向に平行移動された、または所与の量だけ所与の軸の周囲で回転されたという決定である場合、ビーム操向は、フィードバックがARヘッドセット内の電磁場センサから受信されることに先立って、ハンドヘルドコントローラにおいて開始されることができる。したがって、ハンドヘルドコントローラがARヘッドセットからのフィードバックに応答してビーム操向を実施する、本開示の実施形態、およびハンドヘルドコントローラが、ハンドヘルドコントローラにおいて測定される、および/または利用可能であるデータに応答して、ビーム操向を開始する、実施形態が、本開示の範囲内に含まれる。さらに、これらのアプローチの組み合わせが、本開示の範囲内に含まれる。実施例として、ハンドヘルドコントローラにおけるIMU測定がハンドヘルドコントローラにおいて開始されるビーム操向をもたらす、実装では、ARヘッドセットから受信されるフィードバックは、ビーム操向プロセスのための制御システムの要素として、ビーム操向の開始後に利用されることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、上記に説明されるようにビーム操向を使用して算出される、ビーム角およびハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の距離に加えて、ハンドヘルドコントローラに組み込まれるIMUが、上記に算出されるビーム角およびハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の距離と積分され得る、ハンドヘルドコントローラ姿勢についての情報を提供するために利用されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替物を認識するであろう。
【0072】
図6に戻ると、ARヘッドセットの位置、具体的には、x-y-z座標系における電磁場センサの位置、ハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の角度θ、およびハンドヘルドコントローラからARヘッドセットまでの距離を使用して、ハンドヘルドコントローラの6DoF姿勢が、決定されることができる(640)。ARヘッドセットの位置は、典型的には、ARヘッドセット内のIMUを使用して追跡される、ARヘッドセットの頭部姿勢から決定されることができる。ARヘッドセットの既知の位置に基づいて、ハンドヘルドコントローラの位置は、ビーム角およびハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間の距離を前提として、決定されることができる。さらに、フェーズドアレイ要素の平面(すなわち、図5Aに図示されるようなy-z平面)に対するビームの角度が、ハンドヘルドコントローラの配向を決定し、6DoF姿勢(すなわち、位置および配向)の決定をもたらすために、使用されることができる。いくつかの実施形態では、ハンドヘルドコントローラIMUからのデータは、z軸の周囲のARヘッドセットおよびトーテムの回転が一意のハンドヘルドコントローラ姿勢を区別しない所与の距離およびビーム角をもたらし得る状況で、ハンドヘルドコントローラ配向の曖昧性を除去するために利用されることができる。いくつかの実施形態では、頭部姿勢(すなわち、ARヘッドセットの姿勢)を前提として、距離およびビーム角は、ハンドヘルドコントローラ姿勢を決定するために十分である。
【0073】
ハンドヘルドコントローラ位置を前提として、ハンドヘルドコントローラ位置および配向(すなわち、姿勢)のアクティブ追跡が、実施されることができる(650)。したがって、いったんハンドヘルドコントローラの6DoF姿勢が決定されると、ハンドヘルドコントローラ6DoF姿勢のアクティブ追跡が、時間の関数として6DoF姿勢を更新するように実施されることができる。実施例として、ARヘッドセットとハンドヘルドコントローラとの間の通信経路を使用して、ハンドヘルドコントローラおよび/またはARヘッドセットの運動は、メインローブと整合されるベクトルおよびハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間のベクトルが不整合状態になるにつれて、受電電力の減少をもたらすであろう。ARヘッドセットとハンドヘルドコントローラとの間の通信経路を通してハンドヘルドコントローラに通信される受電電力の本測定された減少に基づいて、位相遅延は、ビームを操向し、メインローブと整合されるベクトルおよびハンドヘルドコントローラとARヘッドセットとの間のベクトルを再整合させるように、調節されることができる。
【0074】
反復様式で、アクティブ追跡が、ビーム角および距離を決定し、ハンドヘルドコントローラの6DoF姿勢を算出することによって、実施されることができる。上記に議論されるように、ビーム偏差のステップサイズが、本アクティブ追跡プロセスの間に調節されることができる。故に、ARヘッドセットまたはハンドヘルドコントローラのいずれかが移動するにつれて、アクティブ追跡は、ビーム角がARヘッドセットとハンドヘルドコントローラとの間の方向と整合するように、フィードバックに基づいてリアルタイムでビーム角を維持することができる。
【0075】
図8は、5Gセルラーモバイル通信システムと通信する拡張現実システムを図式的に図示する。図8に図示されるように、小型セル(例えば、フェムトセル、ピコセル、またはマイクロセル)とも称される、5G伝送機810が、ARヘッドセット820と、電磁ハンドヘルドコントローラ822と、補助ユニット824とを含む、ARシステム805と通信する。通信デバイス、例えば、5Gデバイスが、したがって、本開示のいくつかの実施形態では、ARシステムに含まれる。図3および8を参照すると、図8に図示されるARヘッドセット820、電磁ハンドヘルドコントローラ822、および補助ユニット824は、それぞれ、図3に図示される、ARヘッドセット301、電磁場エミッタ302、およびベルトパック370に対応し得る。
【0076】
図8に図示されるように、ビーム形成が、例えば、ARヘッドセット820と通信するためのビーム経路812に沿って、または補助ユニット824と通信するためのビーム経路814に沿って、5G伝送機からARシステム805までの通信経路を指向するために、5G伝送機810によって利用されることができる。いくつかの実装では、ARシステム805の種々の要素の空間近接性は、相互に十分に近いため、5G伝送機810によって実施されるビーム形成は、ARシステムの特定の要素に関連する特異性を伴わずに、5G伝送機およびARシステムを接続する単一のビーム経路によって特徴付けられる。
【0077】
5G伝送機810とARシステム805との間の通信経路内でビーム形成を実装することによって、増加したデータレート、より少ない待ち時間、および他の利益が、提供されることができる。さらに、ビーム形成が、ビーム経路830によって図示されるように、5G伝送機810と通信するためにARシステム805において実施されることができる。ハンドヘルドコントローラにおけるビーム形成が、ビーム経路830によって図示されるが、本開示の実施形態はまた、補助ユニットまたはARヘッドセットにおいてビーム形成を利用し、5G伝送機との通信を促進することができる。したがって、ARシステムとの通信を促進するように5G伝送機において実施されるビーム形成に加えて、ビーム形成が、5G伝送機との通信を促進するように、ARシステムの1つ以上の要素において実施されることができる。さらに、ビーム形成が、ARヘッドセット、ハンドヘルドコントローラ、および/または補助ユニットを含む、ARシステムの要素のうちの1つ以上のものにおいて実施されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替物を認識するであろう。
【0078】
いくつかの実施形態では、5G伝送機または他の好適な通信ハブの位置が、所定の座標空間(例えば、X-Y-Zデカルト座標空間)において把握される。5G伝送機の本既知の位置を前提として、ARシステムは、例えば、ビーム操向を使用して、5G伝送機とARシステムとの間の通信経路を利用し、5G伝送機の既知の位置に対するARシステム(またはARシステムの要素)の位置を決定することができる。実施例として、通信が、5G伝送機とARシステムの補助ユニットとの間に確立されるとき、5G伝送機の既知の位置に対する補助ユニットの位置が、決定されることができる。したがって、例えば、ARシステムのための初期化プロセスの間に、ARシステムの位置が、決定されることができる。5Gが図8に図示されるが、本開示の実施形態は、本特定の通信規格に限定されず、既知の位置を有する他の通信ハブが、本開示の範囲内で利用されることができる。逆に、いったん5G伝送機およびARシステムがそれらの相対的位置を確立すると、ARシステムは、ビーム経路830に沿ってビーム操向をより正確に実施するために、その変化する位置または姿勢について独立して収集される情報を使用してもよく、5G伝送機がビーム経路812および814に沿ってビーム操向をより正確に実施するために、その変化する位置または姿勢についてのそのような情報を5G伝送機に通信してもよい。
【0079】
また、本明細書に説明される実施例および実施形態は、例証目的のみのためのものであって、それに照らして、種々の修正または変更が、当業者に示唆され、本願の精神および権限および添付の請求項の範囲内に含まれるものであることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8