IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】固体撮像素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/10 20060101AFI20241101BHJP
【FI】
H01L31/10 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020048995
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2021150489
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木 巖
【審査官】渡邊 佑紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-017688(JP,A)
【文献】特開2016-152381(JP,A)
【文献】特開2015-012239(JP,A)
【文献】特開2013-183056(JP,A)
【文献】特開2009-267025(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0305049(US,A1)
【文献】特開2010-062380(JP,A)
【文献】特開2015-073070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素が2次元配置された画素アレイを備え、
各前記画素は、互いに異なる波長選択を有する3つの光電変換素子が積層された積層型光電変換素子を有し、
前記3つの光電変換素子のうちの1つである特定光電変換素子は、第1電極と、特定の波長帯の光を光電変換する塗布層と、バッファ層と、第2電極とを、前記画素アレイの受光面側に向かってこの順に含む積層体を有し、
各前記画素に含まれる前記塗布層の、前記受光面側の表面は、前記画素アレイ全体において前記複数の画素のレイアウトに対応する周期的な凹凸を有し、
各前記画素において、前記塗布層の、前記受光面側の表面は、前記受光面側に突出する凸形状となっており、
前記積層体は、前記第1電極と前記塗布層との間の同一の層内にのみ、前記塗布層に対して親液性を有する親液性膜と、前記塗布層に対して撥液性を有する撥液性膜とを有し、
前記親液性膜は、前記画素の中央領域に設けられ、
前記撥液性膜は、前記親液性膜の周囲に設けられ、
前記塗布層は、前記親液性膜に接して設けられ、
前記バッファ層は、前記撥液性膜に接して設けられ、
各前記画素の前記塗布層は、前記バッファ層によって互いに空間分離されている
固体撮像素子。
【請求項2】
各前記画素に含まれる前記塗布層の、前記受光面側の表面は、前記画素アレイ全体において、第1の周期を有する複数の第1の凸部と、前記第1の周期よりも短い第2の周期を有する複数の第2の凸部とを有する
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記塗布層のうち、前記画素の外縁領域に対応する第1の領域が、前記塗布層のうち、前記画素の中央領域に対応する第2の領域よりも高抵抗となっている
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
前記塗布層は、バインダ中に半導体量子ドットを分散させた膜であり、
前記第1の領域の、前記半導体量子ドットの密度が、前記第2の領域の、前記半導体量子ドットの密度よりも疎になっている
請求項に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
前記第1の領域の、前記半導体量子ドットにおけるリガンドが、前記第2の領域の、前記半導体量子ドットにおけるリガンドよりも長くなっている
請求項4に記載の固体撮像素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
波長選択性を有する半導体材料を用いる光電変換素子は、特定の波長帯の光を光電変換することが可能である。このような光電変換素子を固体撮像素子に用いる場合、互いに異なる波長選択性を有する複数の光電変換素子を積層した積層型光電変換素子を画素ごとに設けることが可能である。なお、上記半導体材料として、硫化鉛(Pbs)の量子ドットを用いることが、例えば、非特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Gerasimos Konstantatos and Edward H. Sargent, Proceedings of the IEEE | Vol. 97, No. 10, October 2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の固体撮像素子の分野では、画素間の光学的なクロストークによって、撮像画質の低下が起こり得る。従って、画素間の光学的なクロストークを抑制することの可能な固体撮像素子を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施の形態に係る固体撮像素子は、複数の画素が2次元配置された画素アレイを備える。各画素は、第1電極と、特定の波長帯の光を光電変換する塗布層と、受光面を有する対向電極とをこの順に含む積層体を有する。各画素に含まれる塗布層の、受光面側の表面は、画素アレイ全体において複数の画素のレイアウトに対応する周期的な凹凸を有する。
【0006】
本開示の一実施の形態に係る固体撮像素子では、各画素に含まれる塗布層の、受光面側の表面には、画素アレイ全体において複数の画素のレイアウトに対応する周期的な凹凸が設けられている。これにより、平坦な塗布層を設けた場合と比べて、塗布層の表面における屈折によって、画素間の光学的なクロストークが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の第1の実施の形態に係る固体撮像素子の概略構成の一例を表す図である。
図2図1の画素の断面構成の一例を表す図である。
図3図1の画素の回路構成の一例を表す図である。
図4図1の画素の回路構成の一例を表す図である。
図5図1の画素の回路構成の一例を表す図である。
図6図1の画素基板の製造過程の一例を表す図である。
図7図6に続く製造過程の一例を表す図である。
図8図7に続く製造過程の一例を表す図である。
図9図8に続く製造過程の一例を表す図である。
図10図1の固体撮像素子に外部からの光が入射する様子の一例を表す図である。
図11】比較例に係る固体撮像素子に外部からの光が入射する様子の一例を表す図である。
図12】塗布層の断面構成の一例を表す図である。
図13】塗布層の断面構成の一例を表す図である。
図14】塗布層の断面構成の一例を表す図である。
図15】塗布層の断面構成の一例を表す図である。
図16図1の画素の断面構成の一変形例を表す図である。
図17図16の画素を備えた画素基板の製造過程の一例を表す図である。
図18図17に続く製造過程の一例を表す図である。
図19図18に続く製造過程の一例を表す図である。
図20図1の画素の断面構成の一変形例を表す図である。
図21図20の画素を備えた画素基板の製造過程の一例を表す図である。
図22図21に続く製造過程の一例を表す図である。
図23図22に続く製造過程の一例を表す図である。
図24図23に続く製造過程の一例を表す図である。
図25図1の画素の断面構成の一変形例を表す図である。
図26図25の画素を備えた画素基板の製造過程の一例を表す図である。
図27図26に続く製造過程の一例を表す図である。
図28図27に続く製造過程の一例を表す図である。
図29図1の画素基板の断面構成の一例を表す図である。
図30図29の画素基板の製造過程の一例を表す図である。
図31図30に続く製造過程の一例を表す図である。
図32図31に続く製造過程の一例を表す図である。
図33図32に続く製造過程の一例を表す図である。
図34図1の画素の断面構成の一変形例を表す図である。
図35図34の画素を備えた画素基板の製造過程の一例を表す図である。
図36図35に続く製造過程の一例を表す図である。
図37図36に続く製造過程の一例を表す図である。
図38】本開示の第2の実施の形態に係る撮像システムの概略構成の一例を表す図である。
図39】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図40】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
図41】内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図42】カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.実施の形態(固体撮像素子)…図1図11
2.変形例(固体撮像素子)…図12図37
3.適用例(撮像システム)…図38
4.応用例
移動体への応用例…図39図40
内視鏡手術システムへの応用例…図41図42
【0009】
<1.実施の形態>
[構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る固体撮像素子1の概略構成の一例を表す。固体撮像素子1は、複数の画素11が設けられた画素基板10を備える。画素基板10には、複数の画素11が2次元(行列状に)配置された画素アレイ部10Aと、画素アレイ部10Aの周囲に設けられた額縁部10Bとが設けられる。
【0010】
固体撮像素子1は、画素信号を処理するロジック回路20を備える。ロジック回路20は、例えば、垂直駆動回路21、カラム信号処理回路22、水平駆動回路23およびシステム制御回路24を有する。ロジック回路20は、各画素11から得られた画素信号に基づいて出力電圧を生成し、外部に出力する。
【0011】
垂直駆動回路21は、例えば、複数の画素11を所定の単位画素行ごとに順に選択する。「所定の単位画素行」とは、同一アドレスで画素選択可能な画素行を指している。カラム信号処理回路22は、例えば、垂直駆動回路21によって選択された行の各画素11から出力される画素信号に対して、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling:CDS)処理を施す。カラム信号処理回路22は、例えば、CDS処理を施すことにより、画素信号の信号レベルを抽出し、各画素11の受光量に応じた画素データを保持する。カラム信号処理回路22は、例えば、データ出力線VSLごとにカラム信号処理部を有する。カラム信号処理部は、例えば、シングルスロープA/D変換器を含む。シングルスロープA/D変換器は、例えば、比較器およびカウンタ回路を含んで構成される。水平駆動回路23は、例えば、カラム信号処理回路22に保持されている画素データを順次、外部に出力する。システム制御回路24は、例えば、ロジック回路20内の各ブロック(垂直駆動回路21、カラム信号処理回路22および水平駆動回路23)の駆動を制御する。
【0012】
画素11は、例えば、図2に示したように、互いに異なる波長選択性を有する3つの光電変換素子110,120,130が積層された積層型光電変換素子を有する。つまり、固体撮像素子1は、上記積層型光電変換素子を画素11ごとに備える。画素11は、さらに、例えば、上記積層型光電変換素子と対向する箇所にオンチップレンズ160を有する。つまり、固体撮像素子1は、オンチップレンズ160を画素11ごとに備える。
【0013】
光電変換素子110は、例えば、半導体基板140上の絶縁層(絶縁層115,116)内に形成され、例えば、電極111、光電変換層112、バッファ層113および電極114を、半導体基板140側からこの順に積層して構成される。半導体基板140は、例えば、シリコン基板によって構成される。電極111、光電変換層112、バッファ層113および電極114を、半導体基板140側からこの順に積層してなる積層体が、本開示の「積層体」の一具体例に相当する。
【0014】
電極111は、絶縁層115上に設けられ、光電変換層112に接する。電極114は、光電変換層112およびバッファ層113を間にして、電極111と対向する位置に配置される。バッファ層113は、例えば、光電変換層112の表面に接して形成されたベタ膜であり、隣接する画素11のバッファ層113と共通の層によって構成される。電極114は、例えば、バッファ層113の表面に接して形成されたベタ膜であり、隣接する画素11の電極114と共通の層によって構成される。光電変換層112およびバッファ層113に用いられる材料については、後に詳述するものとする。
【0015】
光電変換素子110は、例えば、緑色の光(495nm以上570nm以下の範囲内の波長域の光)を吸収する光電変換層112を有し、緑色の光に感度を有する。光電変換層112は、例えば、緑色の光を吸収する半導体量子ドットの堆積層によって構成される。絶縁層115,116は、例えば、SiOや、SiN等によって構成される。電極111,114は、例えば、透明導電材料によって構成される。透明導電材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)や、IZO(Indium Zinc Oxide)等が挙げられる。
【0016】
光電変換素子110は、例えば、半導体基板140に設けられたコンタクトホール153等を介して、半導体基板140の裏面に設けられた配線156に接続される。配線156は、光電変換素子110の電極111と、光電変換素子110用の画素回路12(例えば、画素回路12内の増幅トランジスタのゲート電極157)とを電気的に接続する。
【0017】
光電変換素子120,130は,例えば、半導体基板140内に形成される。光電変換素子120は、例えば、半導体基板140の表面近傍に形成されたn型半導体領域141を光電変換層として有する。光電変換素子120は、例えば、青色の光(425nm以上495nm以下の範囲内の波長域の光)を吸収するn型半導体領域141を有しており、青色の光に感度を有する。光電変換素子120は、例えば、半導体基板140に設けられた転送トランジスタを介して、半導体基板140の裏面に設けられた配線に接続される。この配線は、n型半導体領域141と、光電変換素子120用の画素回路12とを電気的に接続する。なお、図2には、光電変換素子120と電気的に接続された転送トランジスタのゲート電極158が例示される。
【0018】
光電変換素子130は、例えば、半導体基板140の、n型半導体領域141よりも深い領域に形成されたn型半導体領域142を光電変換層として有する。光電変換素子130は、例えば、赤色の光(620nm以上750nm以下の範囲内の波長域の光)を吸収するn型半導体領域142を有し、赤色の光に感度を有する。光電変換素子130は、例えば、半導体基板140に設けられた転送トランジスタを介して、半導体基板140の裏面に設けられた配線に接続される。この配線は、n型半導体領域142と、光電変換素子130用の画素回路12(例えば、画素回路12内の増幅トランジスタのゲート電極159)とを電気的に接続する。
【0019】
半導体基板140は、n型半導体領域141と半導体基板140の表面との間にp+層145を有する。p+層145は暗電流の発生を抑制する。半導体基板140は、さらに、n型半導体領域141とn型半導体領域142との間に、p+層143を有する。p+層143は、さらに、n型半導体領域142の側面の一部(例えばゲート電極158近傍)を囲む。p+層143は、n型半導体領域141とn型半導体領域142とを分離する。半導体基板140は、半導体基板140の裏面近傍にp+層144を有する。p+層144は暗電流の発生を抑制する。半導体基板140の裏面には、絶縁膜154が設けられ、半導体基板140の表面には、HfO膜151および絶縁膜152が積層される。HfO膜151は、負の固定電荷を有する膜であり、このような膜を設けることによって、暗電流の発生を抑制することができる。半導体基板140の裏面には、例えば、光電変換素子110,120,130と画素回路12とを互いに電気的に接続する配線や、画素回路12などを覆う絶縁層155が形成される。
【0020】
光電変換素子110,120,130の堆積方向における配置順は、光入射方向(オンチップレンズ160側)から光電変換素子110、光電変換素子120、光電変換素子130の順であることが好ましい。これは、より短い波長の光がより入射表面側において効率良く吸収されるからである。赤色は3色の中では最も長い波長であるので、光入射面から見て光電変換素子130を最下層に位置させることが好ましい。これらの光電変換素子110,120,130の積層構造によって、1つの積層型光電変換素子が構成される。
【0021】
図3は、画素11(具体的には光電変換素子110)およびその周辺の回路構成の一例を表す。図4は、画素11(具体的には光電変換素子120)およびその周辺の回路構成の一例を表す。図5は、画素11(具体的には光電変換素子130)およびその周辺の回路構成の一例を表す。
【0022】
上述したように、各画素11は、光電変換素子110,120,130を積層した構造となっており、かつ、複数の画素11は画素アレイ部10Aにおいて行列状に配置される。このことから、複数の光電変換素子110は、画素アレイ部10Aの光入射面寄りの層内において行列状に配置され、複数の光電変換素子130は、画素アレイ部10Aの、光入射面とは反対側の面寄りの層内において行列状に配置される。さらに、複数の光電変換素子120は、画素アレイ部10Aにおいて、複数の光電変換素子110が配置される層と、複数の光電変換素子130が配置される層との間の層内において行列状に配置される。
【0023】
固体撮像素子1は、複数の画素回路12と、複数の駆動配線と、複数のデータ出力線VSL(VSL1,VSL2,VSL3)とを備える。画素回路12は、画素11から出力された電荷に基づく画素信号を出力する。駆動配線は、画素11に蓄積された電荷の出力を制御する制御信号が印加される配線であり、例えば、行方向に延在する。データ出力線VSL(VSL1,VSL2,VSL3)は、各画素回路12から出力された画素信号をロジック回路20に出力する配線であり、例えば、列方向に延在する。
【0024】
各光電変換素子110(具体的には電極111)には、転送トランジスタTR1を介して画素回路12Gが接続される。各光電変換素子120には、転送トランジスタTR2を介して画素回路12Bが接続される。各光電変換素子130には、転送トランジスタTR3を介して画素回路12Rが接続される。以下では、光電変換素子110および転送トランジスタTR1からなる回路を便宜的に光電変換部11Gと称する場合がある。また、光電変換素子120および転送トランジスタTR2からなる回路を光電変換部11Bと称する場合がある。また、光電変換素子130および転送トランジスタTR3からなる回路を光電変換部11Rと称する場合がある。
【0025】
画素回路12Gは、例えば、図3に示したように、フローティングディフュージョンFD1と、リセットトランジスタRST1と、選択トランジスタSEL1と、増幅トランジスタAMP1とを有する。フローティングディフュージョンFD1は、光電変換部11Gから出力された電荷を一時的に保持する。リセットトランジスタRST1のソースがフローティングディフュージョンFD1に接続され、リセットトランジスタRST1のドレインが電源線VDDおよび増幅トランジスタAMP1のドレインに接続される。リセットトランジスタRST1のゲートは制御線(図示せず)を介して垂直駆動回路21に接続される。増幅トランジスタAMP1のソースが選択トランジスタSEL1のドレインに接続され、増幅トランジスタAMP1のゲートがフローティングディフュージョンFD1に接続される。選択トランジスタSEL1のソースがデータ出力線VSL1を介してカラム信号処理回路22に接続され、選択トランジスタSEL1のゲートが制御線(図示せず)を介して垂直駆動回路21に接続される。光電変換部11Gの電極111は、駆動配線VOUを介して垂直駆動回路21に接続される。
【0026】
画素回路12Bは、例えば、図4に示したように、フローティングディフュージョンFD2と、リセットトランジスタRST2と、選択トランジスタSEL2と、増幅トランジスタAMP2とを有する。フローティングディフュージョンFD2は、光電変換部11Bから出力された電荷を一時的に保持する。リセットトランジスタRST2のソースがフローティングディフュージョンFD2に接続され、リセットトランジスタRST2のドレインが電源線VDDおよび増幅トランジスタAMP2のドレインに接続される。リセットトランジスタRST2のゲートは制御線(図示せず)を介して垂直駆動回路21に接続される。増幅トランジスタAMP2のソースが選択トランジスタSEL2のドレインに接続され、増幅トランジスタAMP2のゲートがフローティングディフュージョンFD2に接続される。選択トランジスタSEL2のソースがデータ出力線VSL2を介してカラム信号処理回路22に接続され、選択トランジスタSEL2のゲートが制御線(図示せず)を介して垂直駆動回路21に接続される。
【0027】
画素回路12Rは、例えば、図5に示したように、フローティングディフュージョンFD3と、リセットトランジスタRST3と、選択トランジスタSEL3と、増幅トランジスタAMP3とを有する。フローティングディフュージョンFD3は、光電変換部11Rから出力された電荷を一時的に保持する。リセットトランジスタRST3のソースがフローティングディフュージョンFD3に接続され、リセットトランジスタRST3のドレインが電源線VDDおよび増幅トランジスタAMP3のドレインに接続される。リセットトランジスタRST3のゲートは制御線(図示せず)を介して垂直駆動回路21に接続される。増幅トランジスタAMP3のソースが選択トランジスタSEL3のドレインに接続され、増幅トランジスタAMP3のゲートがフローティングディフュージョンFD3に接続される。選択トランジスタSEL3のソースがデータ出力線VSL3を介してカラム信号処理回路22に接続され、選択トランジスタSEL3のゲートが制御線(図示せず)を介して垂直駆動回路21に接続される。
【0028】
転送トランジスタTR1は、転送トランジスタTR1がオン状態となると、光電変換部11Gの電荷をフローティングディフュージョンFD1に転送する。リセットトランジスタRST1は、フローティングディフュージョンFD1の電位を所定の電位にリセットする。リセットトランジスタRST1がオン状態となると、フローティングディフュージョンFD1の電位を電源線VDDの電位にリセットする。選択トランジスタSEL1は、画素回路12からの画素信号の出力タイミングを制御する。増幅トランジスタAMP1は、画素信号として、フローティングディフュージョンFD1に保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する。増幅トランジスタAMP1は、ソースフォロア型のアンプを構成しており、光電変換部11Gで発生した電荷のレベルに応じた電圧の画素信号を出力する。増幅トランジスタAMP1は、選択トランジスタSEL1がオン状態となると、フローティングディフュージョンFD1の電位を増幅して、その電位に応じた電圧を、データ出力線VSL1を介してカラム信号処理回路22に出力する。リセットトランジスタRST1、増幅トランジスタAMP1および選択トランジスタSEL1は、例えば、NMOSトランジスタである。
【0029】
転送トランジスタTR2は、転送トランジスタTR2がオン状態となると、光電変換部11Bの電荷をフローティングディフュージョンFD2に転送する。リセットトランジスタRST2は、フローティングディフュージョンFD2の電位を所定の電位にリセットする。リセットトランジスタRST2がオン状態となると、フローティングディフュージョンFD2の電位を電源線VDDの電位にリセットする。選択トランジスタSEL2は、画素回路12からの画素信号の出力タイミングを制御する。増幅トランジスタAMP2は、画素信号として、フローティングディフュージョンFD2に保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する。増幅トランジスタAMP2は、ソースフォロア型のアンプを構成しており、光電変換部11Bで発生した電荷のレベルに応じた電圧の画素信号を出力する。増幅トランジスタAMP2は、選択トランジスタSEL2がオン状態となると、フローティングディフュージョンFD2の電位を増幅して、その電位に応じた電圧を、データ出力線VSL2を介してカラム信号処理回路22に出力する。転送トランジスタTR2、リセットトランジスタRST2、増幅トランジスタAMP2および選択トランジスタSEL2は、例えば、NMOSトランジスタである。
【0030】
転送トランジスタTR3は、転送トランジスタTR3がオン状態となると、光電変換部11Rの電荷をフローティングディフュージョンFD3に転送する。リセットトランジスタRST3は、フローティングディフュージョンFD3の電位を所定の電位にリセットする。リセットトランジスタRST3がオン状態となると、フローティングディフュージョンFD3の電位を電源線VDDの電位にリセットする。選択トランジスタSEL3は、画素回路12からの画素信号の出力タイミングを制御する。増幅トランジスタAMP3は、画素信号として、フローティングディフュージョンFD3に保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する。増幅トランジスタAMP3は、ソースフォロア型のアンプを構成しており、光電変換部11Rで発生した電荷のレベルに応じた電圧の画素信号を出力する。増幅トランジスタAMP3は、選択トランジスタSEL3がオン状態となると、フローティングディフュージョンFD3の電位を増幅して、その電位に応じた電圧を、データ出力線VSL3を介してカラム信号処理回路22に出力する。転送トランジスタTR3、リセットトランジスタRST3、増幅トランジスタAMP3および選択トランジスタSEL3は、例えば、NMOSトランジスタである。
【0031】
複数の画素回路12は、例えば、半導体基板140の裏面に形成される。固体撮像素子1に設けられた複数の画素回路12には、光電変換部11Gに割り当てられた複数の画素回路12Gと、光電変換部11Bに割り当てられた複数の画素回路12Bと、光電変換部11Rに割り当てられた複数の画素回路12Rとが含まれる。画素回路12Gは、所定の波長選択性を有する光電変換部11Gから出力された電荷に基づく画素信号を出力する。画素回路12Bは、所定の波長選択性を有する光電変換部11Bから出力された電荷に基づく画素信号を出力する。画素回路12Rは、所定の波長選択性を有する光電変換部11Rから出力された電荷に基づく画素信号を出力する。
【0032】
次に、光電変換層112について詳細に説明する。光電変換層112の、電極114側の表面は、例えば、図2に示したように、画素アレイ部10A全体において複数の画素11のレイアウトに対応する周期的な凹凸を有する。各画素11において、光電変換層112の、電極114側の表面は、電極114側に突出する凸形状となっている。光電変換層112の、電極114側の表面は、モールドを用いたナノインプリントによって成型されている。光電変換層112は、例えば、半導体量子ドット(後述)を溶媒に分散させたインクを、電極111を含む表面上に塗布し、溶媒を揮発させた後モールドを用いたナノインプリントによって成型されている。つまり、光電変換層112は、特定の波長帯の光を光電変換する塗布層である。
【0033】
光電変換層112は、各画素11間において薄くなっており、完全に除去されていない。しかし、光電変換層112に用いられる半導体量子ドット(後述)と、光電変換層112に隣接するバッファ層113、電極114および絶縁層116とでは、大きな屈折率差がある。特に、近赤外の波長域において、量子ドットの屈折率は、光電変換層112に隣接するバッファ層113、電極114および絶縁層116の屈折率よりも高くなっている。そのため、光電変換層112の、電極114側の表面が凸形状となっていることにより、画素11の端部に入射した光を画素11の中央寄りに屈折させることが可能となる。
【0034】
光電変換層112は、半導体量子ドットの堆積層で構成される。半導体量子ドットは、数nm~数10nmサイズの結晶構造を有する半導体ナノ粒子である。半導体量子ドットは、量子拘束効果(quantum confinement effect)を発現する半導体ナノ粒子や、量子拘束効果を発現しない半導体ナノ粒子を含む概念である。
【0035】
光電変換層112を成膜するためのプロセスは、特に限定されるものではない。Pbsなどの量子ドット材料は、溶媒などに分散されたインク状で提供されるのが一般的である。インク中で量子ドットの分散性を確保するため、量子ドットの外周は、リガンド(Ligand)と呼ばれる有機材料で修飾されるのが一般的である。このリガンドは、分散性を確保するための長い有機分子が使われる場合が多い。このようなリガンドは、長リガンドと呼ばれる場合がある。ところが、光電変換層112では、量子ドット間の距離を短くし、量子ドット間で電子・ホールなどのキャリアを伝導させたい。この場合、量子ドット間の距離が短い程電気伝導に有利であるが、長リガンドはこれを阻害してしまう。このため、長リガンドを一旦外し、より短い短リガンドに付け替えることが一般的に行われる。この工程は、リガンド置換などと呼ばれる。リガンド置換は、インク状で提供された原料に対して科学的に行う場合もあれば、長リガンドで修飾された原料を用いて形成した薄膜に対して短リガンドを分散させた溶液を塗布などで行われる場合もある。前者は液相リガンド置換(Liquid-state/phase ligand exchange)、後者は固相リガンド置換(Solid-state/phase ligand exchange)と呼ばれる。本実施の形態では、リガンド置換も量子ドット成膜に含まれると考え、量子ドット成膜の手法を限定しない。
【0036】
光電変換層112に用いられる半導体量子ドットは、例えば、Pbs、PbSe、InAs、InSb、InNなどによって構成される。光電変換層112に用いられる半導体量子ドットは、例えば、AgS、AgSe、AgTeなどの化合物によって構成されてもよい。光電変換層112に用いられる半導体量子ドットは、例えば、CuInSe、CuInSなどによって構成されてもよいし、ZnO、Gaなどの酸化物半導体によって構成されてもよい。
【0037】
次に、バッファ層113について詳細に説明する。バッファ層113は、電極114に接する層であり、電極114から電荷が注入されることを防ぐための層である。バッファ層113は、例えば、有機半導体によって構成される。バッファ層113は、例えば、p型有機半導体またはn型有機半導体によって構成される場合、バッファ層113に用いられるp型有機半導体としては、例えば、α-NPD、TPDなどのアミン係材料、ペンタセン、アントラセン、ルブレンなどの有機半導体材料、またはSpiro化合物が挙げられる。バッファ層113は、有機半導体以外の材料によって構成されてもよい。この場合、バッファ層113は、例えば、NiO、CuOなどのp型酸化物半導体、ZnO、Inなどのn型酸化物半導体によって構成されてもよい。バッファ層113は、例えば、光電変換層112に含まれる半導体量子ドットのリガンドとは異なるリガンドで修飾された半導体量子ドットによって構成されてもよい。なお、バッファ層113は、必要に応じて適宜、省略され得る。
【0038】
[製造方法]
次に、図6図7図8図9を参照して、画素基板10の製造方法について説明する。
【0039】
まず、基板150を用意する(図6)。基板150は、固体撮像素子1において、電極111を含む表面以下の部分に相当する。基板150の表面には、複数の電極111が2次元配置されている。以下では、基板150において、各電極111と対向する領域を画素11’と称するものとする。
【0040】
次に、基板150上に、上述の半導体量子ドットを溶媒に分散させたインクを、電極111を含む表面上に塗布し、溶媒を揮発させる。これにより、基板150上に、塗布層である光電変換層112aが形成される(図6)。次に、モールド160を用いたナノインプリントによって、光電変換層112aを成型する(図7)。このとき、モールド160は、例えば、図7に示したように、画素11’ごとに対応して設けられた複数の凹部170Aを有し、互いに隣接する2つの凹部170Aの間に、凸部170Bを有する。
【0041】
その後、モールド160を光電変換層112から剥離する(図8)。これにより、画素11’ごとに凸形状を有する光電変換層112が形成される。このとき、光電変換層112の表面S1には、画素アレイ全体において複数の画素11’のレイアウトに対応する周期的な凹凸が形成される。光電変換層112は、各画素11’間において薄くなっており、完全に除去されていない。しかし、上述した理由から、各画素11’において、光電変換層112の表面S1が凸形状となっていることにより、画素11’の端部に入射した光を画素11’の中央寄りの方向に屈折させることが可能となる。
【0042】
次に、各光電変換層112の表面S1全体にバッファ層113を形成し、さらに、バッファ層113の表面全体に電極114を形成する。続いて、電極114の表面全体に絶縁層116を形成して表面を平坦化し、絶縁層116の平坦面に、画素11’ごとにオンチップレンズ160を形成する。このようにして、画素基板10が製造される。
【0043】
[作用・効果]
次に、図10図11を参照して、画素11に外部からの光Lが入射したときの、画素11の作用・効果について説明する。図10には、本実施の形態における画素11の端部に外部からの光Lが入射する様子の一例を表す。図11は、比較例における画素211の端部に外部からの光Lが入射する様子の一例を表す。
【0044】
本実施の形態では、各画素11に含まれる光電変換層112の、電極114側の表面には、画素アレイ部10A全体において複数の画素11のレイアウトに対応する周期的な凹凸が形成される。具体的には、各画素11において、光電変換層112の、電極114側の表面には、電極114側に突出する凸形状が形成される。これにより、例えば、図10に示したように、画素11の端部に外部からの光Lがすると、光Lはオンチップレンズ160で画素11の中央寄りの方向に屈折したのち、光電変換層112の表面S1でも画素11の中央寄りの方向に屈折する。その結果、光Lは、光電変換層112のうち、電極111の端部にて光電変換される。つまり、光Lは、入射した画素11において光電変換される。このように、本実施の形態では、画素11間の光学的なクロストークを抑制することが可能である。
【0045】
一方、比較例では、図11に示したように、塗布によって形成された光電変換層212の表面が平坦面になっている。比較例では、さらに、バッファ層213および電極214についても、平坦となっている。そのため、画素211の端部に外部からの光Lがすると、光Lはオンチップレンズ160で画素211の中央寄りの方向に屈折した後、互いに隣接する2つの画素211の間に到達する。その結果、光Lは、光電変換層112のうち、互いに隣接する2つの画素211の間にて光電変換される。つまり、光Lは、入射した画素211とは異なる画素211において光電変換される可能性がある。このように、比較例では、画素211間の光学的なクロストークを抑制することが難しい。
【0046】
本実施の形態では、光電変換層112の表面S1は、ナノインプリントによって成型されている。これにより、製造工程において、光電変換層112を、短時間に所望の表面形状に成型することができる。
【0047】
<2.変形例>
以下に、上記実施の形態に係る固体撮像素子1の変形例について説明する。
【0048】
[[変形例A]]
上記実施の形態において、光電変換層112の表面S1は、例えば、図12図13に示したような形状となっていてもよい。光電変換層112の表面S1は、例えば、図12図13に示したように、10nmオーダの微細な凸部112A,112Bを複数、有してもよい。凸部112Aは、例えば、球面状の表面を有しており、凸部112Bは、例えば、円錐状の表面を有する。このようにした場合には、光電変換層112と、電極114とが互いに対向する面積を大きくすることができるので、光電変換層112と、電極114との間の電気的な特性が向上する。
【0049】
また、本変形例において、凸部112A,112Bは、例えば、モールドを利用したナノインプリントによって形成され得る。凸部112A,112Bを、モールドを利用したナノインプリントによって形成することにより、製造工程において、光電変換層112を、短時間に所望の表面形状に成型することができる。
【0050】
[[変形例B]]
上記実施の形態において、光電変換層112の表面S1は、例えば、図14図15に示したような形状となっていてもよい。光電変換層112の表面S1は、例えば、100nm以上の大きさを有する凸部112Cを複数有してもよい。凸部112Cは、例えば、円錐状の表面を有する。また、光電変換層112の表面S1は、例えば、第1の周期で配置された複数の凸部112Dと、第1の周期よりも短い周期で配置された複数の凸部112Eとを有してもよい。凸部112Dが、例えば、球面状の表面を有しており、凸部112Eが、例えば、円錐状の表面を有する。このようにした場合には、光電変換層112の表面S1によって光線を制御することが可能となる。また、光電変換層112の表面S1の形状の周期性を所定の設計値にすることで、光電変換層112の表面S1の形状によって、フォトニック結晶フィルタの作用を発現させることができる。
【0051】
また、本変形例において、凸部112C,112D,112Eは、例えば、モールドを利用したナノインプリントによって形成され得る。凸部112C,112D,112Eを、モールドを利用したナノインプリントによって形成することにより、製造工程において、光電変換層112を、短時間に所望の表面形状に成型することができる。
【0052】
[[変形例C]]
上記実施の形態およびその変形例において、例えば、図16に示したように、光電変換層112のうち、画素11の外縁領域に対応する領域112Fが、光電変換層112のうち、画素11の中央領域に対応する領域よりも高抵抗となっていてもよい。領域112Fの、半導体量子ドットにおけるリガンドが、光電変換層112のうち、画素11の中央領域に対応する領域の、半導体量子ドットにおけるリガンドよりも長くなっており、相対的に低い伝導度となっている。長いリガンドとしては、例えば、trioctylphosphine(TOP)、oleylamine(OAm)、オレイン酸が挙げられる。短いリガンドとしては、例えば、1,2-ethanedithiol(EDT),3-mercaptopropionic acid(MPA)、ヨウ素(I)、臭素(Br)、塩素(Cl)、フッ素(F)などのハロゲンが挙げられる。これにより、領域112Fにおいて光電変換が生じ難くなるので、画素11間の光学的なクロストークを抑制することが可能である。
【0053】
領域112Fは、例えば、図17図18図19に示したように、モールド160の凸部170Bの先端部分に、長いリガンドを有する半導体量子ドットの堆積層180を設け、モールド160を、光電変換層112aに押圧した後、剥離することにより、形成される。従って、簡易な方法で、領域112Fを形成することが可能である。
【0054】
[[変形例D]]
上記実施の形態およびその変形例において、画素基板10は、例えば、図20に示したように、電極111と光電変換層112との間の層内に、親液性膜117および撥液性膜118を有してもよい。親液性膜117は、画素11の中央領域に設けられ、光電変換層112(光電変換層112a)に対して親液性を有する。撥液性膜118は、画素11の外縁領域(親液性膜117の周囲)に設けられ、光電変換層112(光電変換層112a)に対して撥液性を有する。
【0055】
親液性膜117および撥液性膜118は、例えば、自己組織化単分子膜で構成され、例えば、レジストの密着材であるHMDS(hexamethlydisiloxane)によって構成される。HMDSはシランカップリング材と呼ばれる材料群の一つである。なお、親液性膜117および撥液性膜118には、HMDSだけでなく、他のシランカップリング材を広く用いることができる。親液性膜117および撥液性膜118は、例えば、1分子層の厚みを持つ超薄膜のHMDSとなっており、電極111と光電変換層112との間の電気的な接続を阻害しない。親液性膜117は、例えば、図21に示したように、基板150の表面に、HMDSをスピンコートなどによって成膜することにより形成される。撥液性膜118は、例えば、図22に示したように、基板150の表面に形成した親液性膜117に対して、紫外光Luvを照射し、化学構造を変化させることにより、形成される。
【0056】
本変形例では、光電変換層112は、親液性膜117および撥液性膜118の特性を利用することにより、モードル170を使わずに、形成され得る。例えば、親液性膜117および撥液性膜118を含む表面に、光電変換層112aを塗布すると、光電変換層112aは親液性膜117上に濡れ拡がり、撥液性膜118によってはじかれる。このとき、光電変換層112aの表面S1は凸形状となっている。この凸形状は、表面張力、基板の表面エネルギーのバランスによって生じ得る。また、光電変換層112aは、各画素11間において完全に除去される。その後、光電変換層112aから溶媒を揮発させる。その結果、光電変換層112が画素11’ごとに島状に形成される。このとき、光電変換層112は、例えば、図23に示したように、親液性膜117に接して設けられ、各画素11の光電変換層112は、撥液性膜118によって互いに空間分離される。島状に形成された複数の光電変換層112を含む表面全体に対して、バッファ層113および電極114を成膜することにより、光電変換素子110が形成される(図24)。
【0057】
本変形例では、電極111と光電変換層112との間の層内に、親液性膜117および撥液性膜118が形成され、各画素11の光電変換層112は、撥液性膜118によって互いに空間分離される。このように、本変形例では、親液性膜117および撥液性膜118の特性を利用することにより、光電変換層112が形成される。従って、モードル170などの高価な設備を使わずに、安価な方法で、画素基板10を製造することができる。
【0058】
[[変形例E]]
上記実施の形態およびその変形例において、光電変換層112が、バインダ112H中に半導体量子ドット112Gを分散させた膜であってもよい。このとき、例えば、図25に示したように、光電変換層112のうち、画素11の外縁領域に対応する領域(第1の領域)の、半導体量子ドットの密度が、光電変換層112のうち、画素11の中央領域に対応する領域(第2の領域)の、半導体量子ドットの密度よりも疎になっている。
【0059】
バインダ112Hは、例えば、絶縁性ポリマー、または、導電性ポリマーである。半導体量子ドット112Gは、数nm~数10nmサイズの結晶構造を有する半導体ナノ粒子である。半導体量子ドット112Gは、量子拘束効果を発現する半導体ナノ粒子や、量子拘束効果を発現しない半導体ナノ粒子を含む概念である。
【0060】
なお、本変形例において、光電変換層112のうち、画素11の外縁領域に対応する領域(第1の領域)の厚さが、例えば、図25に示したように、光電変換層112のうち、画素11の中央領域に対応する領域(第2の領域)の厚さよりも厚くなっていてもよい。
【0061】
次に、本変形例に係る光電変換層112の製造方法について説明する。まず、バインダ112H中に半導体量子ドット112Gを分散させた光電変換層112aを、基板150上に形成する(図26)。次に、モールド160を用いたナノインプリントによって、光電変換層112aを成型する(図27)。その後、モールド160を光電変換層112から剥離する(図28)。このとき、モールド160によって、電極111上のバインダ112Hのみを圧縮する。これにより、電極111上ではバインダ112H中で半導体量子ドット112G間の距離が縮まり、電気伝導性が向上する。一方、モールド160によって圧縮されていない、電極111間の領域では、バインダ112H中の半導体量子ドット112G間の距離が離れている。そのため、電極111間の領域では、電気伝導性が低い。これにより、電極111間の領域において光電変換が生じ難くなるので、画素11間の光学的なクロストークを抑制することが可能である。
【0062】
本変形例では、光電変換層112が、バインダ112H中に半導体量子ドット112Gを分散させた膜となっている。これにより、インクの粘度や塗布性能を制御することができるので、塗膜形成を容易に行うことができる。また、バインダ112Hを用いることにより、製造プロセスの安定性を向上させることができる。さらに、本変形例では、光電変換層112のうち、画素11の外縁領域に対応する領域(第1の領域)の、半導体量子ドットの密度が、光電変換層112のうち、画素11の中央領域に対応する領域(第2の領域)の、半導体量子ドットの密度よりも疎になっている。これにより、電極111上ではバインダ112H中で半導体量子ドット112G間の距離が縮まり、電気伝導性が向上する。その一方で、電極111間の領域では、バインダ112H中の半導体量子ドット112G間の距離が離れており、電気伝導性が低い。これにより、電極111間の領域において光電変換が生じ難くなるので、画素11間の光学的なクロストークを抑制することが可能である。
【0063】
[[変形例F]]
上記実施の形態およびその変形例において、画素基板10が、例えば、図29に示したように、基板150上に、親液性膜311および撥液性膜312を備えた構造となっていてもよい。このとき、親液性膜311は、少なくとも画素アレイ部10A全面に設けられており、額縁部10Bの外縁に接しない位置に設けられる。撥液性膜312は、親液性膜311の周囲に設けられており、額縁部10Bに設けられている。撥液性膜312は、少なくとも額縁部10Bの外縁に設けられている。親液性膜311は、光電変換層112(光電変換層112a)に対して親液性を有する。撥液性膜312は、光電変換層112(光電変換層112a)に対して撥液性を有する。
【0064】
画素基板10は、親液性膜311に接する光電変換層112と、光電変換層112を覆うバッファ層113と、バッファ層113を覆う電極114とを有する。光電変換層112は、画素アレイ部10A全面に設けられており、額縁部10Bの外縁に接しない位置に設けられる。光電変換層112は、各画素11で互いに共有されている。バッファ層113および電極114は、少なくとも画素アレイ部10A全面に設けられている。画素基板10は、電極114を覆うとともに表面を平坦化する絶縁層116と、絶縁層116の平坦面に設けられたオンチップレンズ160とを有す。
【0065】
次に、本変形例に係る画素基板10の製造方法の一例について説明する。図30図31図32図33は、本変形例に係る画素基板10の製造過程の一例を表す。
【0066】
まず、複数のチップ単位1100が形成されたウェハ1000を用意する(図30)。各チップ単位1100は、有効画素部1110と、有効画素部1110の周囲に設けられた額縁部1120とを有する。有効画素部1110には、基板150の構成と同様の構成が設けられている。次に、少なくとも各有効画素部1110を覆う親液性膜311を形成するとともに、各チップ単位1100のうち、親液性膜311の周囲であって、かつ、少なくとも額縁部1120の外縁を覆う撥液性膜312を形成する(図31)。
【0067】
次に、親液性膜311および撥液性膜312を含む表面に、光電変換層112aを塗布すると、光電変換層112aは親液性膜311上に濡れ拡がり、撥液性膜312によってはじかれる。このとき、光電変換層112aは、各チップ単位1100間において完全に除去され、有効画素部1110ごとに島状に形成される。その後、光電変換層112aに含まれる溶媒を揮発させる。その結果、光電変換層112は、例えば、図32に示したように、有効画素部1110に接して設けられ、複数の光電変換層112は、撥液性膜312によって互いに空間分離される。島状に形成された複数の光電変換層112を含む表面全体に対して、バッファ層113および電極114を成膜することにより、光電変換素子110が形成される(図33)。その後、絶縁層16およびオンチップレンズ160を形成した後、ダイシングにより、ウェハ1000をチップ単位1100ごとに切断する。このとき、有効画素部1110が画素アレイ部10Aとなり、額縁部1120が額縁部10Bとなる。このようにして、画素基板10が製造される。
【0068】
本変形例では、ウェハ1000において、少なくとも各有効画素部1110を覆う親液性膜311が形成されるとともに、各チップ単位1100のうち、親液性膜311の周囲であって、かつ、少なくとも額縁部1120の外縁を覆う撥液性膜312が形成される。これにより、ウェハ1000に光電変換層112aを塗布したときに、光電変換層112aが有効画素部1110ごとに島状に形成され、各チップ単位1100間において完全に除去される。その結果、ウェハ1000をダイシングする際に光電変換層112を切断することを避けることができるので、光電変換層112に対して、ダイシングに起因するダメージの発生を防止することができる。
【0069】
[[変形例G]]
上記実施の形態およびその変形例において、例えば、図34に示したように、光電変換層112、バッファ層113および電極114が平坦面に形成されていてもよい。このとき、光電変換層112のうち、画素11の外縁領域に対応する領域112iが、光電変換層112のうち、画素11の中央領域に対応する領域よりも高抵抗となっていてもよい。領域112iの、半導体量子ドットにおけるリガンドが、光電変換層112のうち、画素11の中央領域に対応する領域の、半導体量子ドットにおけるリガンドよりも長くなっており、相対的に低い伝導度となっている。これにより、領域112iにおいて光電変換が生じ難くなるので、画素11間の光学的なクロストークを抑制することが可能である。
【0070】
領域112iは、例えば、図35図36図37に示したように、モールド160の凸部170Bの先端部分に、長いリガンドを有する半導体量子ドットの堆積層180を設け、モールド160を、光電変換層112aに押圧した後、剥離することにより、形成される。従って、簡易な方法で、領域112iを形成することが可能である。
【0071】
[[変形例H]]
上記実施の形態およびその変形例において、光電変換層112が、量子ドットを含まない他の材料によって構成された塗布層であってもよい。光電変換層112が、例えば、ポリマー半導体によって構成されていたり、有機・無機ハイブリッドペロブスカイト材料で構成されていたり、ゾル・ゲル法などで形成された酸化物半導体によって構成されていたりしてもよい。このようにした場合であっても、上記実施の形態およびその変形例と同様の効果が得られる場合がある。
【0072】
[[変形例I]]
上記実施の形態およびその変形例では、各画素11に対して、3つの光電変換素子110,120,130が設けられていた。しかし、上記実施の形態およびその変形例において、各画素11に対して、1つの光電変換素子110だけが設けられていてもよい。この場合、光電変換素子110に含まれる光電変換層112は、可視光ではなく、波長940nmの近赤外光~波長2μm程度の赤外光に感度を持った材料によって構成されていてもよい。このようにした場合には、固体撮像素子1によって、近赤外光~赤外光の撮像が可能になる。なお、上記実施の形態に係る固体撮像素子1の製造過程において、光電変換素子120、130に関する製造工程を省略することで、本変形例に係る固体撮像素子1を製造することができる。
【0073】
[[変形例J]]
上記実施の形態およびその変形例では、各画素11が半導体基板140の上面側からの入射光を検出するように構成されていた。しかし、上記実施の形態およびその変形例において、各画素11が半導体基板140の裏面側からの入射光を検出するように構成されていてもよい。
【0074】
<3.適用例>
図38は、上記実施の形態およびその変形例に係る固体撮像素子1を備えた撮像システム2の概略構成の一例を表したものである。撮像システム2は、例えば、光学系220と、シャッタ装置230と、固体撮像素子1と、信号処理回路240と、表示部250とを備える。
【0075】
光学系220は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像素子1の撮像面上に結像させる。シャッタ装置230は、光学系220および固体撮像素子1の間に配置され、固体撮像素子1への光照射期間および遮光期間を制御する。固体撮像素子1は、固体撮像素子1から入射された像光(入射光)を受光し、受光した像光(入射光)に応じた画素信号を信号処理回路240に出力する。信号処理回路240は、固体撮像素子1から入力された画像信号を処理して、映像データを生成する。信号処理回路240は、さらに、生成した映像データに対応する映像信号を生成し、表示部250に出力する。表示部250は、信号処理回路240から入力された映像信号に基づく映像を表示する。
【0076】
本適用例では、上記実施の形態およびその変形例に係る固体撮像素子1が撮像システム2に適用される。これにより、固体撮像素子1の光学的なクロストークが低減するので、撮像画質の高い撮像システム2を提供することができる。
【0077】
<4.応用例>
[応用例1]
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0078】
図39は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0079】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図39に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0080】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0081】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0082】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0083】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0084】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0085】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0086】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0087】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検出した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0088】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図39の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0089】
図40は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0090】
車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0091】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0092】
なお、図40には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0093】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0094】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0095】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0096】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0097】
以上、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、撮像装置3は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、高画質な撮影画像を得ることができるので、移動体制御システムにおいて撮影画像を利用した高精度な制御を行うことができる。
【0098】
[応用例2]
図41は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0099】
図41では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0100】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0101】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0102】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0103】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0104】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0105】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0106】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0107】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0108】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0109】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0110】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0111】
図42は、図41に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0112】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0113】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0114】
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0115】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0116】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0117】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0118】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0119】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0120】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0121】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0122】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0123】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0124】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0125】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0126】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0127】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0128】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、内視鏡11100のカメラヘッド11102に設けられた撮像部11402に好適に適用され得る。撮像部11402に本開示に係る技術を適用することにより、高画質な撮影画像を得ることができるので、高画質な内視鏡11100を提供することができる。
【0129】
以上、実施の形態およびその変形例、適用例および応用例を挙げて本開示を説明したが、本開示は実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
【0130】
また、本開示は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
複数の画素が2次元配置された画素アレイを備え、
各前記画素は、第1電極と、特定の波長帯の光を光電変換する塗布層と、第2電極とをこの順に含む積層体を有し、
各前記画素に含まれる前記塗布層の、前記第2電極側の表面は、前記画素アレイ全体において前記複数の画素のレイアウトに対応する周期的な凹凸を有する
固体撮像素子。
(2)
各前記画素において、前記塗布層の、前記第2電極側の表面は、前記第2電極側に突出する凸形状となっている
(1)に記載の固体撮像素子。
(3)
前記塗布層の、前記第2電極側の表面は、ナノインプリントによって成型されている
(2)に記載の固体撮像素子。
(4)
前記積層体は、前記第1電極と前記塗布層との間の層内に、前記画素の中央領域に設けられ、前記塗布層に対して親液性を有する親液性膜と、前記親液性膜の周囲に設けられ、前記塗布層に対して撥液性を有する撥液性膜とを有し、
前記塗布層は、前記親液性膜に接して設けられ、
各前記画素の前記塗布層は、前記撥液性膜によって互いに空間分離されている
(2)に記載の固体撮像素子。
(5)
各前記画素に含まれる前記塗布層の、前記第2電極側の表面は、前記画素アレイ全体において、第1の周期を有する複数の第1の凸部と、前記第1の周期よりも短い第2の周期を有する複数の第2の凸部とを有する
(1)に記載の固体撮像素子。
(6)
前記塗布層の、前記第2電極側の表面は、ナノインプリントによって成型されている
(5)に記載の固体撮像素子。
(7)
前記塗布層のうち、前記画素の外縁領域に対応する第1の領域が、前記塗布層のうち、前記画素の中央領域に対応する第2の領域よりも高抵抗となっている
(1)に記載の固体撮像素子。
(8)
前記塗布層は、バインダ中に半導体量子ドットを分散させた膜であり、
前記第1の領域の、前記半導体量子ドットの密度が、前記第2の領域の、前記半導体量子ドットの密度よりも疎になっている
(7)に記載の固体撮像素子。
(9)
前記塗布層は、バインダ中に半導体量子ドットを分散させた膜であり、
前記第1の領域の、前記半導体量子ドットにおけるリガンドが、前記第2の領域の、前記半導体量子ドットにおけるリガンドよりも長くなっている
(7)に記載の固体撮像素子。
(10)
複数の画素が2次元配置された画素アレイ部と、
前記画素アレイ部の周囲に設けられた額縁部と
を備え、
各前記画素は、第1電極と、特定の波長帯の光を光電変換する塗布層と、第2電極とをこの順に含む積層体を有し、
前記塗布層は、各前記画素で互いに共有されており、前記額縁部の外縁に接しない位置に設けられている
固体撮像素子。
(11)
前記額縁部は、少なくとも前記額縁部の外縁に、前記塗布層に対して撥液性を有する撥液性膜を有する
(10)に記載の固体撮像素子。
(12)
複数の画素が2次元配置された画素アレイを備え、
各前記画素は、第1電極と、特定の波長帯の光を光電変換する塗布層と、第2電極とをこの順に含む積層体を有し、
前記塗布層のうち、前記画素の外縁領域に対応する第1の領域が、前記塗布層のうち、前記画素の中央領域に対応する第2の領域よりも高抵抗となっている
固体撮像素子。
(13)
前記塗布層は、半導体量子ドットを含んで構成されており、
前記第1の領域の、前記半導体量子ドットにおけるリガンドが、前記第2の領域の、前記半導体量子ドットにおけるリガンドよりも長くなっている
(12)に記載の固体撮像素子。
【0131】
本開示の一実施の形態に係る固体撮像素子によれば、各画素に含まれる塗布層の、第2電極側の表面に、画素アレイ全体において複数の画素のレイアウトに対応する周期的な凹凸を設けるようにしたので、平坦な塗布層を設けた場合と比べて、塗布層の表面における屈折によって、画素間の光学的なクロストークを抑制することができる。その結果、画素間の光学的なクロストークによる撮像画質の低下を抑制することができる。
【符号の説明】
【0132】
1…固体撮像素子、2…撮像システム、10…画素基板、10A…画素アレイ部、10B…額縁部、11…画素、11R,11G,11B…光電変換部、12,12R,12G,12B…画素回路、20…ロジック回路、21…垂直駆動回路、22…カラム信号処理回路、23…水平駆動回路、24…システム制御回路、110,120,130…光電変換素子、111…電極、112…光電変換層、112A,112B,112C,112D,112E…凸部、112F…領域、112G…半導体量子ドット、112H…バインダ、112i…領域、113…バッファ層、114…電極、115,116…絶縁層、141,142…n型半導体領域、143,144,145…p+層、150…基板、151…HfO膜、152…絶縁膜、153…コンタクトホール、154…絶縁膜、155…絶縁層、156…配線、157,158,159…ゲート電極、160…オンチップレンズ、170…モールド、170A…凸部、170B…凹部、180…堆積層、220…光学系、230…シャッタ装置、240…信号処理回路、250…表示部、11000…内視鏡手術システム、11100…内視鏡、11101…鏡筒、11102…カメラヘッド、11110…その他の術具、11111…気腹チューブ、11112…エネルギー処置具、11120…支持アーム装置、11200…カート、11201…カメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)、11202…表示装置、11203…光源装置、11204…入力装置、11205…処置具制御装置、11206…気腹装置、11207…レコーダ、11208…プリンタ、11131…術者、11132…患者、11133…患者ベッド、11401…レンズユニット、11402…撮像部、11403…駆動部、11404…通信部、11405…カメラヘッド制御部、11411…通信部、11412…画像処理部、11413…制御部、12000…車両制御システム、12001…通信ネットワーク、12010…駆動系制御ユニット、12020…ボディ系制御ユニット、12030…車外情報検出ユニット、12031…撮像部、12040…車内情報検出ユニット、12041…運転者状態検出部、12050…統合制御ユニット、12051…マイクロコンピュータ、12052…音声画像出力部、12053…車載ネットワークI/F(interface)、12061…オーディオスピーカ、12062…表示部、12063…インストルメントパネル、12100…車両、12101,12102,12103,12104,12105…撮像部、12111,12112,12113,12114…撮像範囲、AMP1,AMP2,AMP3…増幅トランジスタ、FD1,FD2,FD3…フローティングディフュージョン、RST1,RST2,RST3…リセットトランジスタ、SEL1,SEL2,SEL3…選択トランジスタ、TR1,TR2,TR3…転送トランジスタ、VDD…電源線、VSL,VSL1,VSL2,VSL3…データ出力線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42