(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】使い捨てシールアセンブリを備えた再利用可能な外科手術ポート
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20241101BHJP
【FI】
A61B17/34
(21)【出願番号】P 2020133609
(22)【出願日】2020-08-06
【審査請求日】2023-08-04
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ バリル
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ロイ ピレティア
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ディニーノ
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0149988(US,A1)
【文献】特開平05-293112(JP,A)
【文献】特開2006-280959(JP,A)
【文献】特開平08-057056(JP,A)
【文献】特表平10-501711(JP,A)
【文献】特表2001-517971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術ポートであって、前記外科手術ポートは、
ハウジング
と前記ハウジングから延在するカニューレ
とを有するシェルであって、前記ハウジング
は、側壁を有し、前記側壁
は、前記側壁を通る窓を画定する、シェルと、
少なくとも1つのシールを含むシールアセンブリであって、前記シールアセンブリ
は、前記シェルの前記ハウジングの前記窓を通して前記ハウジング内に選択的に受容可能である、シールアセンブリ
と
を備え
、
前記シールアセンブリは、前記シールアセンブリを前記シェルに固定するように前記シェルに対して選択的に回転可能である、外科手術ポート。
【請求項2】
前記シールアセンブリ
は、前記シェルから選択的に取り外し可能である、請求項
1に記載の外科手術ポート。
【請求項3】
前記シェル
は、再利用可能な材料を含み、前記シールアセンブリ
は、使い捨て材料を含む、請求項1に記載の外科手術ポート。
【請求項4】
前記シェル
は、チタンを含み、前記シールアセンブリ
は、プラスチックまたはゴムのうちの少なくとも
一方を含む、請求項
3に記載の外科手術ポート。
【請求項5】
前記シールアセンブリ
は、フローティングシール
とダックビルシール
とを含む、請求項1に記載の外科手術ポート。
【請求項6】
前記シールアセンブリ
は、戻り止めを含み、前記シェル
は、戻り止めスロットを画定
し、前記戻り止めスロットは、前記シールアセンブリを前記シェルに固定するため
に前記戻り止めを受容するように配置され
ており、前記戻り止めが前記戻り止めスロットに係合されると、前記シェルに対する前記シールアセンブリの回転移動および長手方向の移動が防止される、請求項1に記載の外科手術ポート。
【請求項7】
前記シールアセンブリ
は、前記シェル内の前記シールアセンブリをシールするためのガスケットを支持する、請求項1に記載の外科手術ポート。
【請求項8】
前記シールアセンブリ
は、第1の幾何学形状を有するシールハウジングを含み、前記窓
は、第2の幾何学形状を有し、前記第1の幾何学形状
は、前記第2の幾何学形状に適合されている、請求項1に記載の外科手術ポート。
【請求項9】
前記シールハウジング
は、歯を含み、前記窓は
、歯ギャップを含
み、前記歯ギャップは、前記シールハウジングが前記窓
の中に横方向にスライドされたときに、前記歯を受容するように配置され
ている、請求項
8に記載の外科手術ポート。
【請求項10】
外科手術ポートシステムであって、前記外科手術ポートシステムは、
少なくとも1つのシールを含む第1のシールアセンブリと、
少なくとも1つのシールを含む第2のシールアセンブリと、
ハウジング
と前記ハウジングから延在するカニューレ
とを有するシェル
であって、前記ハウジング
は、側壁を有し、前記側壁
は、前記側壁を通る窓を画定し、前記窓は
、前記窓を通して前記第1
のシールアセンブリおよび
前記第2のシールアセンブリを受容するように構成されて
おり、前記シェル
は、前記第1
のシールアセンブリまたは
前記第2のシールアセンブリのうちの
一方をいつで
も支持することが
可能である、シェルと
を備え
、
前記第1のシールアセンブリは、前記第1のシールアセンブリを前記シェルに固定するように前記シェルに対して選択的に回転可能であり、前記第2のシールアセンブリは、前記第2のシールアセンブリを前記シェルに固定するように前記シェルに対して選択的に回転可能である、外科手術ポートシステム。
【請求項11】
前記第1
のシールアセンブリまたは
前記第2のシールアセンブリ
は、前記シェルから選択的に取り外し可能である、請求項
10に記載の外科手術ポートシステム。
【請求項12】
前記シェル
は、再利用可能な材料を含み、前記第1
のシールアセンブリおよび
前記第2のシールアセンブリの
それぞれは、使い捨て材料を含む、請求項
10に記載の外科手術ポートシステム。
【請求項13】
前記シェル
は、チタンを含み、前記第1
のシールアセンブリおよび
前記第2のシールアセンブリの
それぞれは、プラスチックまたはゴムのうちの少なくとも
一方を含む、請求項
12に記載の外科手術ポートシステム。
【請求項14】
前記第1
のシールアセンブリまたは
前記第2のシールアセンブリのうちの少なくとも
一方は、フローティングシール
とダックビルシール
とを含む、請求項
10に記載の外科手術ポートシステム。
【請求項15】
前記第1
のシールアセンブリおよび
前記第2のシールアセンブリの
それぞれは、戻り止めを含み、前記シェル
は、戻り止めスロットを画定
し、前記戻り止めスロットは、前記第1
のシールアセンブリまたは
前記第2のシールアセンブリのうちの
一方を前記シェルに固定するため
に前記戻り止めを受容するように配置され
ており、前記第1のシールアセンブリまたは前記第2のシールアセンブリのうちの前記一方の前記戻り止めが前記戻り止めスロットに係合されると、前記シェルに対する前記第1のシールアセンブリまたは前記第2のシールアセンブリのうちの前記一方の回転移動および長手方向の移動が防止される、請求項
10に記載の外科手術ポートシステム。
【請求項16】
前記第1
のシールアセンブリおよび
前記第2のシールアセンブリの
それぞれは、前記シェル内の前記第1
のシールアセンブリまたは
前記第2のシールアセンブリのうちの
一方をシールするためのガスケットを支持する、請求項
10に記載の外科手術ポートシステム。
【請求項17】
前記第1
のシールアセンブリおよび
前記第2のシールアセンブリの
それぞれは、歯を含み、前記シェルの前記窓
は、歯ギャップを含
み、前記歯ギャップは、前記第1
のシールアセンブリおよび
前記第2のシールアセンブリの前記歯を受容するように配置され
ている、請求項
10に記載の外科手術ポートシステム。
【請求項18】
外科手術器具
をシールする
ための外科手術ポートシステムであって、前記
外科手術ポートシステムは、
第1の使い捨てシールアセンブリと、
第2の使い捨てシールアセンブリと、
ハウジングと前記ハウジングから延在するカニューレとを有するシェル
であって、前記ハウジングは、側壁を有
する、シェルと
を
備え、
前記第1の使い捨てシールアセンブリは、前記シェルの前記ハウジングの前記側壁に画定された窓を通して挿入されるように構成されており、
前記第1の使い捨てシールアセンブリは、前記第1の使い捨てシールアセンブリを前記シェルに固定するように、前記ハウジングに対して回転されるように構成されており、
前記第1の使い捨てシールアセンブリは、前記ハウジングの前記窓を通して受容可能な前記第2の使い捨てシールアセンブリと選択的に交換するために、前記ハウジングから選択的に取り外されるように構成されている、
外科手術ポートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、外科手術器具に関し、特に、ロボット外科手術処置などの低侵襲外科手術処置中に使用するための再利用可能および/または使い捨て構成要素を有する外科手術ポートに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット外科手術システムは、低侵襲医療処置で使用されている。いくつかのロボット外科手術システムは、例えば、一対の顎部材、電気外科手術鉗子、切断器具、または任意の他の内視鏡または開放外科手術デバイスなどのような、外科手術器具をロボットアームに連結するための、ロボットアームに連結された器具駆動アセンブリ、および、例えば、トロカールまたは外科手術ポート、光学デバイスなどのような、外科手術付属品をロボットアームに連結するための、ロボートアームに連結されたマウントアセンブリを有するロボットアームを含む。
【0003】
ロボットシステムの使用前または使用中に、外科手術器具は、選択され、各ロボットアームの器具駆動アセンブリに接続され、器具駆動アセンブリが、外科手術器具のエンドエフェクターの作動を駆動することができる。特定の処置の下で、例えば、光学デバイスまたは外科手術ポートなどの外科手術付属品は、ロボットアームのマウントアセンブリを介してロボットアームに連結され得る。処置の間、エンドエフェクターおよび/または外科手術器具の一部は、患者の身体内の作業部位に近接してエンドエフェクターを運ぶために、外科手術ポート、および患者の小さな切開部または自然のオリフィスを通して挿入され得る。そのような外科手術ポートは、エンドエフェクターの挿入および作動中に外科手術器具に追加の安定性を提供し、ガイドチャネルとして機能し得る。
【0004】
ロボット手術中に加えられ得る負荷およびトルクを考えると、高強度の外科手術ポートが、追加の機能を提供するために必要とされる。プラスチック材料から製造された外科手術ポートは、外科手術ロボットアームによって加えられる高トルクに十分に耐えられ得ないが、金属構成要素は、高価である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この開示は、シェル、およびシェルに対して/から選択的に受容可能および/または取り外し可能である、使い捨てシールアセンブリを有する外科手術ポートシステムに向けられる。シェルは、3D印刷され得る。実施形態では、シェルは、チタンを含み得る。シェルは、軽量でありながら高負荷に耐えるように構成されることができる。パックの形態であり得る、使い捨てシールアセンブリは、シェルに対してシールするように設計されたプラスチックおよび/またはゴム材料を含むことができ、かつ、内部的にシールアセンブリおよびシェルを通して進められる腹腔鏡器具を介したアクセスを可能にする。シェルは、シールアセンブリが通過する窓を画定し得る。シールアセンブリは、シェルに沿ってカミングしてシェルにスナップフィットするために、シェル内およびシェルに対して回転するように構成されている。スナップフィットを介してシールアセンブリがシェルに固定されると、シールアセンブリは、シェルに対して、および内部を通過する器具に対して内部的にシールされる。シールアセンブリは、例えば、外科手術処置の後に、シェルから取り外して廃棄されることができる。シールアセンブリを取り外すと、シェルは、再処理のために滅菌され、別のシールアセンブリで再利用できる。
【0006】
一態様によれば、本開示は、シェルおよびシールアセンブリを含む外科手術ポートに向けられる。シェルは、ハウジングおよびハウジングから延在するカニューレを有する。ハウジングは、側壁を有し、側壁は、側壁を通る窓を画定する。シールアセンブリは、1つ以上のシールを含む。シールアセンブリは、シェルのハウジングの窓を通してハウジング内に選択的に受容可能である。
【0007】
実施形態において、シールアセンブリは、シールアセンブリをシェルに固定するように、シェルに対して選択的に回転可能であり得る。シールアセンブリは、シェルから選択的に取り外し可能であり得る。
【0008】
様々な実施形態では、シェルは、再利用可能な材料を含み得、シールアセンブリは、使い捨て材料を含み得る。シェルは、チタンを含み得、シールアセンブリは、プラスチックおよび/またはゴムを含み得る。
【0009】
多くの実施形態では、シールアセンブリは、フローティングシールおよびダックビルシールを含み得る。
【0010】
実施形態では、シールアセンブリは、戻り止めを含み得、シェルは、シールアセンブリをシェルに固定するための戻り止めを受容するように配置された戻り止めスロットを画定し得る。
【0011】
様々な実施形態では、シールアセンブリは、シェル内のシールアセンブリをシールするためのガスケットを支持し得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、シールアセンブリは、第1の幾何学的形状を有するシールハウジングを含み得る。窓は、第2の幾何学形状を有し得る。第1の幾何学形状は、第2の幾何学形状に適合され得る。シールハウジングは、歯を含み得、窓は、シールハウジングが窓内に横方向にスライドされたときに、歯を受容するように配置された歯ギャップを含み得る。
【0013】
別の態様によれば、本開示は、外科手術ポートシステムに向けられる。外科手術ポートシステムは、1つ以上のシールを含む第1のシールアセンブリ、1つ以上のシールを含む第2のシールアセンブリ、およびシェルを含む。シェルは、ハウジングおよびハウジングから延在するカニューレを有する。シェルが、側壁を有し、側壁は、窓を画定し、窓は、シェルが第1または第2のシールアセンブリのうちの1つを、いつでもそこに支持することができるように、窓を通して第1および第2のシールアセンブリを受容するように構成されている。
【0014】
実施形態では、第1および第2のシールアセンブリの各々は、それぞれの第1または第2のシールアセンブリをシェルに固定するように、シェルに対して選択的に回転可能であり得る。それぞれの第1または第2のシールアセンブリは、シェルから選択的に取り外し可能であり得る。
【0015】
様々な実施形態では、シェルは、再利用可能な材料を含み得、第1および第2のシールアセンブリの各々は、使い捨て材料を含み得る。シェルは、チタンを含み得、第1および第2のシールアセンブリの各々は、プラスチックまたはゴムのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1または第2のシールアセンブリのうちの少なくとも1つは、フローティングシールおよびダックビルシールを含み得る。
【0017】
多くの実施形態では、第1および第2のシールアセンブリの各々は、戻り止めを含み得、シェルは、第1または第2のシールアセンブリのうちの1つをシェルに固定するための戻り止めを受容するように配置された、戻り止めスロットを画定し得る。
【0018】
実施形態では、第1および第2のシールアセンブリの各々は、シェル内の第1または第2のシールアセンブリのうちの1つをシールするためのガスケットを支持し得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1および第2のシールアセンブリの各々は、歯を含み得、シェルの窓は、第1および第2のシールアセンブリの歯を受容するように配置された歯ギャップを含み得る。
【0020】
さらに別の態様によれば、本開示は、外科手術ポートシステムで外科手術器具をシールするための方法に向けられる。この方法は、シェルのハウジングの側壁に画定された窓を通して第1の使い捨てシールアセンブリを挿入することを含み、シェルは、ハウジングから延在するカニューレを含む。この方法はさらに、外科手術器具が外科手術ポートアセンブリを通して進められるときに、外科手術器具をシールされたままにすることが可能な、外科手術ポートアセンブリを提供するために、第1の使い捨てシールアセンブリをシェルに固定するように、第1の使い捨てシールアセンブリをハウジングに対して回転させることを含む。この方法はまた、ハウジングの窓を通して受容可能な第2の使い捨てシールアセンブリと選択的に交換するために、第1の使い捨てシールアセンブリをハウジングから選択的に取り外すことを含む。
【0021】
本開示の1つ以上の態様の詳細は、添付の図面および以下の説明に示されている。他の態様、特徴、および利点は、以下の説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
ハウジングおよび上記ハウジングから延在するカニューレを有するシェルであって、上記ハウジングが、側壁を有し、上記側壁が、上記側壁を通る窓を画定する、シェルと、
少なくとも1つのシールを含むシールアセンブリであって、上記シールアセンブリが、上記シェルの上記ハウジングの上記窓を通して上記ハウジング内に選択的に受容可能である、シールアセンブリと、を備える、外科手術ポート。
(項目2)
上記シールアセンブリが、上記シールアセンブリを上記シェルに固定するように、上記シェルに対して選択的に回転可能である、上記項目に記載の外科手術ポート。
(項目3)
上記シールアセンブリが、上記シェルから選択的に取り外し可能である、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポート。
(項目4)
上記シェルが、再利用可能な材料を含み、上記シールアセンブリが、使い捨て材料を含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポート。
(項目5)
上記シェルが、チタンを含み、上記シールアセンブリが、プラスチックまたはゴムのうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポート。
(項目6)
上記シールアセンブリが、フローティングシールおよびダックビルシールを含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポート。
(項目7)
上記シールアセンブリが、戻り止めを含み、上記シェルが、上記シールアセンブリを上記シェルに固定するための、上記戻り止めを受容するように配置された戻り止めスロットを画定する、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポート。
(項目8)
上記シールアセンブリが、上記シェル内の上記シールアセンブリをシールするためのガスケットを支持する、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポート。
(項目9)
上記シールアセンブリが、第1の幾何学形状を有するシールハウジングを含み、上記窓が、第2の幾何学形状を有し、上記第1の幾何学形状が、上記第2の幾何学形状に適合されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポート。
(項目10)
上記シールハウジングが、歯を含み、上記窓は、上記シールハウジングが上記窓内に横方向にスライドされたときに、上記歯を受容するように配置された歯ギャップを含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポート。
(項目11)
少なくとも1つのシールを含む第1のシールアセンブリと、
少なくとも1つのシールを含む第2のシールアセンブリと、
ハウジングおよび上記ハウジングから延在するカニューレを有するシェルと、を備え、上記ハウジングが側壁を有し、上記側壁が上記側壁を通る窓を画定し、上記窓は、上記シェルが、上記第1または第2のシールアセンブリのうちの1つを、いつでもそこに支持することができるように、上記窓を通して上記第1および第2のシールアセンブリを受容するように構成されている、外科手術ポートシステム。
(項目12)
上記第1および第2のシールアセンブリの各々が、上記それぞれの第1または第2のシールアセンブリを上記シェルに固定するように、上記シェルに対して選択的に回転可能である、上記項目に記載の外科手術ポートシステム。
(項目13)
上記それぞれの第1または第2のシールアセンブリが、上記シェルから選択的に取り外し可能である、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポートシステム。
(項目14)
上記シェルが、再利用可能な材料を含み、上記第1および第2のシールアセンブリの各々が、使い捨て材料を含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポートシステム。
(項目15)
上記シェルが、チタンを含み、上記第1および第2のシールアセンブリの各々が、プラスチックまたはゴムのうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポートシステム。
(項目16)
上記第1または第2のシールアセンブリのうちの少なくとも1つが、フローティングシールおよびダックビルシールを含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポートシステム。
(項目17)
上記第1および第2のシールアセンブリの各々が、戻り止めを含み、上記シェルが、上記第1または第2のシールアセンブリのうちの1つを上記シェルに固定するための、上記戻り止めを受容するように配置された戻り止めスロットを画定する、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポートシステム。
(項目18)
上記第1および第2のシールアセンブリの各々が、上記シェル内の上記第1または第2のシールアセンブリのうちの1つをシールするためのガスケットを支持する、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポートシステム。
(項目19)
上記第1および第2のシールアセンブリの各々が、歯を含み、上記シェルの上記窓が、上記第1および第2のシールアセンブリの上記歯を受容するように配置された歯ギャップを含む、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術ポートシステム。
(項目20)
外科手術器具を外科手術ポートシステムでシールする方法であって、上記方法は、
第1の使い捨てシールアセンブリと、
第2の使い捨てシールアセンブリと、
ハウジングと上記ハウジングから延在するカニューレとを有するシェルと
を含み、上記ハウジングは、側壁を有し、
上記第1の使い捨てシールアセンブリは、上記シェルの上記ハウジングの上記側壁に画定された窓を通して挿入されるように構成されており、
上記第1の使い捨てシールアセンブリは、上記第1の使い捨てシールアセンブリを上記シェルに固定するように、上記ハウジングに対して回転されるように構成されており、
上記第1の使い捨てシールアセンブリは、上記ハウジングの上記窓を通して受容可能な上記第2の使い捨てシールアセンブリと選択的に交換するために、上記ハウジングから選択的に取り外されるように構成されている、方法。
(項目21)
外科手術器具を外科手術ポートシステムでシールする方法であって、上記方法が
シェルのハウジングの側壁に画定された窓を通して第1の使い捨てシールアセンブリを挿入することであって、上記シェルが、上記ハウジングから延在するカニューレを含む、挿入することと、
上記第1の使い捨てシールアセンブリを上記シェルに固定するように、上記第1の使い捨てシールアセンブリを上記ハウジングに対して回転させることと、
上記ハウジングの上記窓を通して受容可能な第2の使い捨てシールアセンブリと選択的に交換するために、上記第1の使い捨てシールアセンブリを上記ハウジングから選択的に取り外すことと、を含む方法。
(摘要)
外科手術ポートは、シェルおよびシールアセンブリを含む。シェルは、ハウジングおよびハウジングから延在するカニューレを有する。ハウジングは側壁を有し、当該側壁は、それを通る窓を画定する。シールアセンブリは、1つ以上のシールを含む。シールアセンブリは、シェルのハウジングの窓を通してハウジング内に選択的に受容可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例証し、下記の実施形態の詳細な説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【0023】
【
図2】
図1の外科手術ポートシステムの、部品を分離した斜視図である。
【
図3】
図1および2の外科手術ポートシステムのシールアセンブリの、部品を分離した斜視図である。
【
図4】
図1および2の外科手術ポートシステムのシェルの斜視図である。
【
図5】
図2に示された断面線5-5に沿って取られた、
図4のシェルの拡大断面図である。
【
図6】
図2に示された切断線6-6に沿って取られた、
図1および2の外科手術ポートシステムのシールアセンブリの拡大断面図である。
【
図7】
図5に示された断面線7-7に沿って取られた、
図4のシェルの拡大断面図である。
【
図8】
図2に示された断面線8-8に沿って取られた、
図3のシールアセンブリの拡大断面図である。
【
図9】
図4のシェルに固定されている、
図3のシールアセンブリを示す進行図である。
【
図10】
図4のシェルに固定されている、
図3のシールアセンブリを示す進行図である。
【
図11】
図4のシェルに固定されている、
図3のシールアセンブリを示す進行図である。
【
図12】
図4のシェルに固定されている、
図3のシールアセンブリを示す進行図である。
【
図13】
図4のシェルに固定されている、
図3のシールアセンブリを示す進行図である。
【
図14】
図12に示された切断線14-14に沿って取られた、
図1および2の外科手術ポートシステムの後端部分の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の態様は、図面を参照して詳細に記載され、図面の中で同様の参照番号は、いくつかの図の各々において同一の、または対応する要素を示す。さらに、「近位」または「後端」という用語は、臨床医により近い構造の部分を指し、「遠位」または「先行」という用語は、臨床医からより遠い構造の部分を指す。一般に既知であるように、「臨床医」という用語は、医師(例えば、外科医)、看護師、または任意の他の医療提供者を指し、支援従事者を含み得る。
【0025】
以下の説明では、周知の機能または構成は、本開示を不必要に詳細に示して不明瞭にすることを避けるために、詳細には説明されていない。
【0026】
図1に関して、外科手術ポートシステム100は、オートクレーブ可能、かつ再使用可能であり得るシェル200と、シェル200から選択的に取り外し可能であり、シェル200から取り外されたときに使い捨て可能であり得る、シールアセンブリ300とを含むマルチピース構造物である。シェル200は、チタンなどの金属材料などの任意の適切な材料を含み得る。シールアセンブリ300は、プラスチックおよび/またはゴムなどの任意の適切な材料を含み得る。
【0027】
図2~8に目を向けると、外科手術ポートシステム100のシェル200は、シェル200の後端部分に支持されたハウジング210と、ハウジング210からカニューレ220の先行端部分の挿入先端222まで遠位に延在する細長いカニューレ220とを含む。シェル200は、長手方向軸「L」と、ハウジング210の近位端部分からカニューレ220の挿入先端222の遠位端部分まで長手方向軸「L」に沿って遠位方向に延在する、内部を通って外科手術器具(図示せず)を受容するための中央通路230とを画定する。そのような外科手術器具は、グラスパー、鉗子、ステープラー、内視鏡、クリップアプライヤー、縫合デバイスなどを含むことができる。ハウジング210は、ハウジング210によって画定された内部空洞214内にシールアセンブリ300を受容するためにシールアセンブリ300に適合されるハウジング210の側壁210xを通る窓212を画定する。窓212は、歯ギャップ212bを有する傾斜した底縁212a、傾斜した底縁212aの第1の側から延在する第1側縁212c、傾斜した底縁212aの第2の側の歯ギャップ212bから延在する第2側縁212d、ならびに、第1および第2の側縁212c、212dを接続する、上縁212eによって画定される。ハウジング210はさらに、シールアセンブリ300をシェル200に連結するためにハウジング210の窓212から角度的にオフセットされた、戻り止めスロット216を画定する。ハウジング210はまた、適合トラック218を含み、それに沿って、シールアセンブリ200は、ハウジング210の戻り止めスロット216に向かってカムするように構成される。
【0028】
外科手術ポートシステム100のシールアセンブリ300は、シールハウジング310と、ハウジング310によって支持されたガスケット320(例えば、Oリング)とを含む。シールハウジング310は、シールハウジング310を通って長手方向に延在する、開口部312と、ガスケット320を選択的に受容するためにシールハウジング310の上面の周りに延在する、ガスケットチャネル314とを画定する。シールハウジング310は、ユニットとして一体として(例えば、モノリシックに)形成されることができる、上部ハウジング310aおよび下部ハウジング310b、または締結、溶接、接着、スナップフィット、摩擦フィットなど、またはそれらの組み合わせなどの任意の適切な固定技術を使用して選択的に一緒に固定されることができる、シールハウジング310の独立した部分を含むことができる。シールハウジング310は、シェル200のハウジング210の窓212に適合され、シェル200のハウジング210の窓212を通してシェル200のハウジング210の内部空洞214内に受容されるように構成された、幾何学形状を有する。シールアセンブリ300のシールハウジング310は、シェル200のハウジング210の傾斜した底縁212aに対応する、傾斜した底縁310cを含む。シールハウジング310はさらに、シールハウジング310の外側表面から半径方向外向きに延在し、シェル200のハウジング210の戻り止めスロット216を選択的に係合するためにシールハウジング310の外側表面に近づいたり離れたりするように(例えば、曲がることによって)移動するように構成された、戻り止め316を含む。いくつかの実施形態では、戻り止め316は、任意の適切な可撓性材料で形成され得る。シールハウジング310はさらに、シールハウジング310から遠位に垂下する、歯318を含む。
【0029】
図3に見られるように、シールアセンブリ300のシールハウジング310は、ディスク324によって分離された、フローティングシール322およびダックビルシール326を支持する。実施形態では、ディスク324は、シールハウジング310と一体であり得る。いくつかの実施形態では、フローティングシール322は、ダックビルシール326上に配置され得る。フローティングシール322は、隔膜シール322aと、フローティングシール322がシールハウジング310内で浮かぶことを可能にするように、フローティングシール322の周りの離間した位置でフローティングシール322から半径方向外向きに延在する複数の弾力性のあるフィンガ322bとを含む。
【0030】
図9~14を参照すると、シールアセンブリ300は、矢印「A」で示されるように、シールアセンブリ300の特徴部がシェル200の窓212に整列されると、シェル200のハウジング210に挿入されることができる(例えば、横方向にスライドされる)。例えば、シールハウジング310の歯318がシェル200の歯ギャップ212bに整列しているときに、シールアセンブリ300は、
図11に見られるように、シールアセンブリ300およびシェル200の中心縦軸が、互いに整列されるように、窓212を通って、シェル200の内部空洞214内に受容されることができる。シールアセンブリ300が内部空洞214内に着座すると、シールアセンブリ300は、矢印「B」で示されるように、シールアセンブリ300の歯318が、シェル200の窓212を画定する、シェル200の傾斜した底縁212aに沿ってシールアセンブリ300の戻り止め316としてカムするときに、シェル200の適合トラック218に沿ってカムするように、長手方向軸「L」を中心に(例えば、臨床医によって手動で)回転されることができる。シェル200に対するシールアセンブリ300のそのようなカム運動は、シールアセンブリ300の戻り止め316が、シェル200の戻り止めスロット216にスナップフィットして回転し、外科手術ポートアセンブリ300を通過する外科手術器具をシールするために、シールアセンブリ300をシェル200に長手方向に固定(例えば、シールおよびロック)するように、シールアセンブリ300を長手方向軸に沿って上向きに回転させる。シールアセンブリ300がシェル200に固定されると、外科手術ポートアセンブリ300は、例えば、患者の腹腔などの体腔内部へのアクセスを提供するのに役立つことができる。外科手術ポートアセンブリ300のこの構成により、そこに取り付けられたロボットシステム(図示せず)などによって、外科手術ポートアセンブリ300に加えられるトルクは、シールアセンブリ300を迂回しながらシェル200を通して受容され、故障のリスクを低減する。
【0031】
シールアセンブリ300は、例えば、外科手術ポートアセンブリ300の使用後に、戻り止め316を作動(例えば、押し下げる)することによって、戻り止めスロット216を通ってシェル200の内部空洞214に入り、そしてシールアセンブリ300の歯318がシェル200の歯ギャップ212bに再整列されるまでシールアセンブリ300を回転させることで、シェル200から取り外すことができる。シールアセンブリ300の歯318がシェル200の歯ギャップ212bに整列すると、シールアセンブリ300は、シェル200から取り外され、廃棄されることができる。シェル200は、その後、必要に応じて滅菌されることができ、新しいシールアセンブリ300は、後で使用するために、上で詳述したように、シェル200に挿入されることができる。
【0032】
理解できるように、外科手術ポートアセンブリ100の開示された構成要素のいずれも、3D印刷などの付加製造から作製され得る。
【0033】
本明細書に開示される様々な外科手術ポートはまた、ロボット外科手術システム、および一般に「遠隔手術」と呼ばれるもので使用するように構成され得る。そのようなシステムは、臨床医を支援し、外科手術器具の遠隔操作(または部分遠隔操作)を可能にする様々なロボット要素を使用する。様々なロボットアーム、歯車、カム、滑車、電気モータおよび機械モータ等を、この目的のために使用し得、手術または治療の過程で臨床医を援助するためのロボット外科手術システムとともに設計され得る。そのようなロボットシステムは、遠隔操縦可能システム、自動フレキシブル外科手術システム、遠隔フレキシブル外科手術システム、遠隔関節運動外科手術システム、無線外科手術システム、モジュール式または選択的に構成可能な遠隔動作式外科手術システムなどを含み得る。
【0034】
ロボット外科手術システムは、手術室に隣接するか、または遠隔場所に位置する1つ以上のコンソールとともに使用されることができる。この場合、臨床医の1つのチームは、外科手術のために患者を準備し得、かつ別の臨床医(または臨床医のグループ)がロボット外科手術システムを介して器具を遠隔的に制御しながら、本明細書で開示される器具のうちの1つ以上を用いてロボット外科手術システムを構成し得る。理解されることができるように、高度に熟練した臨床医は、自身の遠隔コンソールを離れることなく、複数の場所で複数の手術を行うことができ、これは、経済的に有益であり、患者または一連の患者にとっての利益となることができる。例示的な医療用ワークステーションおよび/またはその構成要素の詳細な記載については、米国特許第8,828,023号およびPCT出願公開第WO2016/025132号を参照され得、それぞれの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
同様の外科手術ポートのより詳細な記載については、開示された実施形態に含まれることができる1つ以上の構成要素について、1995年10月20日に出願された米国特許第5,807,338号、および1994年8月8日に出願された米国特許第5,603,702号を参照することができ、それぞれの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
当業者であれば、本明細書において具体的に記載され、添付の図に示される構造および方法が、非限定的で例示的な実施形態であり、記載、開示、および図面が、単に特定の実施形態を例示しているものと解釈されるべきであることを理解するであろう。したがって、本開示は、記載される正にその実施形態に限定されるものではなく、様々な他の変更および修正が、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、当業者によりなされ得ることが理解されよう。さらに、例示的な一実施形態に関連して図示または記載された要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の要素および特徴と組み合わせることができ、そのような変更および変形も本開示の範囲内に含まれることが意図される。実際、本明細書に開示されている要素および特徴のいずれかの任意の組み合わせは、本開示の範囲内にある。したがって、本開示の発明の対象は、特に示され、記載されているものによって限定されるものではない。