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特許7580223プログラム、電子的価値管理装置及び電子的価値管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】プログラム、電子的価値管理装置及び電子的価値管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241101BHJP
   G06Q 20/06 20120101ALI20241101BHJP
   G06Q 20/36 20120101ALI20241101BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q20/06 300
G06Q20/36
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020136961
(22)【出願日】2020-08-14
(65)【公開番号】P2022032781
(43)【公開日】2022-02-25
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】舘 康二
(72)【発明者】
【氏名】岡部 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 淳
(72)【発明者】
【氏名】加藤 有通
【審査官】日比野 可奈子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/043725(WO,A1)
【文献】特開2017-199198(JP,A)
【文献】特開2009-181224(JP,A)
【文献】特開2014-119807(JP,A)
【文献】特開2010-009161(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
電子的価値を用いた取引を示す取引情報が記憶された取引記憶部から、前記取引の支払者による少なくとも一回以上の前記取引である対象取引の前記取引情報を取得する取引情報取得処理と、
前記対象取引の特徴を示す取引特徴情報を、前記対象取引の前記取引情報に基づいて生成する特徴情報生成処理と、
前記取引の内容を前記取引特徴情報より詳細に示す提供情報の提供先である複数の候補の端末に、前記取引特徴情報を送信する特徴情報送信処理と、
前記提供情報に対する対価を示し、前記取引特徴情報に基づいて生成された対価情報を、前記複数の候補の端末から取得する対価情報取得処理と、
前記複数の候補のうち、前記対価情報に基づいて選択された前記提供先を示す提供先情報を取得する提供先情報取得処理と、
前記提供情報を、前記提供先情報に基づいて、選択された前記提供先の端末に送信する提供情報送信処理と、
選択された前記提供先からの前記対価情報に基づいて、前記支払者の前記電子的価値の残高情報を更新する残高更新処理と、
を実行させる、プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記複数の候補の端末からの前記対価情報を、前記支払者の支払者端末に送信する対価情報送信処理、をさらに実行させ、
前記提供先情報取得処理は、
前記対価情報に基づいて選択された前記提供先情報を、前記支払者端末から取得する、
プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記複数の候補の端末からの前記対価情報を、前記対価に対して設けられる所定の規則に基づいて順序付けた順序情報を生成する順序情報生成処理、をさらに実行させ、
前記対価情報送信処理は、
前記順序情報が関連付けられた前記対価情報を前記支払者端末に送信する、プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムであって、
前記対価情報送信処理は、
前記順序情報に基づいて、所定の順位を満たす前記対価情報を前記支払者端末に送信する、プログラム。
【請求項5】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記対価に対して設けられる所定の規則が記憶される規則記憶部から前記所定の規則を取得し、前記所定の規則と前記複数の候補の端末からの前記対価情報とに基づいて、前記提供先情報を生成する提供先情報生成処理、をさらに実行させ、
前記提供情報送信処理は、前記生成された前記提供先情報に基づいて、前記提供先の端末に前記提供情報を送信する、プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記支払者の支払者端末から前記所定の規則を取得し、前記規則記憶部に記憶する規則取得処理、をさらに実行させる、プログラム。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記対価情報取得処理は、前記対価として前記支払者に還元される金額を示す還元情報が含まれた前記対価情報を取得する、プログラム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記特徴情報生成処理は、前記支払者の属性を示す情報である支払者情報が記憶される支払者情報記憶部から取得された前記支払者情報に基づいて、前記取引特徴情報を生成し、
前記提供情報送信処理は、前記支払者情報と前記対象取引の前記取引情報とに基づく前記提供情報を、前記提供先情報に基づいて、前記提供先の端末に送信する、プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムであって、
前記支払者情報記憶部には、前記提供先に提供されることが前記支払者により許可された前記支払者情報を示す許可情報が、前記支払者情報に関連付けられて記憶され、
前記特徴情報生成処理は、前記許可された前記支払者情報に基づいて、前記取引特徴情報を生成する、プログラム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記特徴情報生成処理は、前記取引の受取者の属性を示す情報である受取者情報が記憶される受取者情報記憶部から前記受取者情報を取得し、前記受取者情報に基づいて、前記取引特徴情報を生成し、
前記提供情報送信処理は、前記受取者情報と前記対象取引の前記取引情報とに基づく前記提供情報を、前記提供先情報に基づいて、前記提供先の端末に送信する、プログラム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記取引記憶部には、前記取引の場所に関する情報が前記取引情報に含まれて記憶され、
前記特徴情報生成処理は、前記場所に関する情報に基づいて、前記取引特徴情報を生成する、プログラム。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記取引記憶部には、前記支払者が移動手段を用いる前記取引に対して、前記移動手段を用いた移動の移動経路に関する情報が前記取引情報に含まれて記憶され、
前記特徴情報生成処理は、前記移動経路に関する情報に基づいて、前記取引特徴情報を生成する、プログラム。
【請求項13】
電子的価値を用いた取引を示す取引情報が記憶された取引記憶部と、
前記取引の支払者による少なくとも一回以上の前記取引である対象取引の前記取引情報を取得する取引情報取得部と、
前記対象取引の特徴を示す取引特徴情報を、前記対象取引の前記取引情報に基づいて生成する特徴情報生成部と、
前記取引の内容を前記取引特徴情報より詳細に示す提供情報の提供先である複数の候補の端末に、前記取引特徴情報を送信する特徴情報送信部と、
前記提供情報に対する対価を示し、前記取引特徴情報に基づいて生成された対価情報を、前記複数の候補の端末から取得する対価情報取得部と、
前記複数の候補のうち、前記対価情報に基づいて選択された前記提供先を示す提供先情報を取得する提供先情報取得部と、
前記提供先情報に基づいて、選択された前記提供先の端末に前記提供情報を送信する提供情報送信部と、
選択された前記提供先からの前記対価情報に基づいて、前記支払者の前記電子的価値の残高情報を更新する残高更新部と、を備える、電子的価値管理装置。
【請求項14】
コンピュータに、
電子的価値を用いた取引を示す取引情報が記憶された取引記憶部から、前記取引の支払者による少なくとも一回以上の前記取引である対象取引の前記取引情報を取得することと、
前記対象取引の特徴を示す取引特徴情報を、前記対象取引の前記取引情報に基づいて生成することと、
前記取引の内容を前記取引特徴情報より詳細に示す提供情報の提供先である複数の候補の端末に、前記取引特徴情報を送信することと、
前記提供情報に対する対価を示し、前記取引特徴情報に基づいて生成された対価情報を、前記複数の候補の端末から取得することと、
前記複数の候補のうち、前記対価情報に基づいて選択された前記提供先を示す提供先情報を取得することと、
前記提供先情報に基づいて、選択された前記提供先の端末に前記対象取引の前記取引情報を送信する取引情報送信することと、
選択された前記提供先からの前記対価情報に基づいて、前記支払者の前記電子的価値の残高情報を更新することと、を実行させる、電子的価値管理方法。
【請求項15】
コンピュータに、
電子的価値を用いた取引を示す取引情報のうち、前記取引の支払者による少なくとも一回以上の前記取引である対象取引の前記取引情報に基づ前記対象取引の特徴を示す取引特徴情報を端末から取得する特徴情報取得処理と、
前記取引特徴情報に基づいて、前記取引の内容を前記取引特徴情報より詳細に示す提供情報に対する対価を示す対価情報を生成する対価情報生成処理と、
前記対価情報を前記端末に送信する対価情報送信処理と、を実行させる、プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記対価情報に基づいて、前記端末から前記対象取引の前記提供情報を前記コンピュータが取得する場合に、前記電子的価値とは異なる他の価値であって前記コンピュータに関連付けられた前記他の価値から前記支払者の前記電子的価値への、前記対象取引の取引額に対応する額の入金を示す入金情報を生成する入金情報生成処理と、
前記入金情報を前記端末に送信する入金情報送信処理と、をさらに実行させる、プログラム。
【請求項17】
プログラムであって、
コンピュータに、
電子的価値を用いた取引を示す取引情報のうち、前記取引の支払者による少なくとも一回以上の前記取引である対象取引の前記取引情報に基づく前記対象取引の特徴を示す取引特徴情報に基づく、前記取引の内容を前記取引特徴情報より詳細に示す提供情報に対する対価を示す対価情報を、端末から取得する対価情報取得処理と、
前記対象取引の前記取引情報に基づく提供情報の提供先である複数の候補のうち、前記対価情報に基づいて選択された前記提供先を示す提供先情報を取得する提供先情報取得処理と、
前記提供先情報を前記端末に送信する提供先情報送信処理と、を実行させる、プログラム。
【請求項18】
請求項17に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記支払者の属性を示す情報である支払者情報を取得する支払者情報取得処理と、
前記支払者情報を前記端末に送信する、支払者情報送信処理と、をさらに実行させ、
前記対価情報取得処理は、前記支払者情報が含まれた前記取引特徴情報に基づく前記対価情報を、前記端末から取得する、プログラム。
【請求項19】
請求項18に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記提供先に提供されることが前記支払者により許可された前記支払者情報を示す許可情報を取得する許可情報取得処理と、
前記許可情報を前記端末に送信する許可情報送信処理と、をさらに実行させ、
前記対価情報取得処理は、前記許可された前記支払者情報が含まれた前記取引特徴情報に基づく前記対価情報を、前記端末から取得する、プログラム。
【請求項20】
電子的価値管理装置と、
複数の提供先端末と、
支払者端末と、を備え、
前記電子的価値管理装置は、
電子的価値を用いた取引を示す取引情報が記憶された取引記憶部と、
前記取引の支払者による少なくとも一回以上の前記取引である対象取引の前記取引情報を取得する取引情報取得部と、
前記対象取引の特徴を示す取引特徴情報を、前記対象取引の前記取引情報に基づいて生成する特徴情報生成部と、
前記取引の内容を前記取引特徴情報より詳細に示す提供情報の提供先の複数の候補である前記複数の提供先端末に、前記取引特徴情報を送信する特徴情報送信部と、
前記提供情報に対する対価を示し、前記取引特徴情報に基づいて生成された対価情報を、前記複数の提供先端末から取得する第1対価情報取得部と、
前記複数の候補のうち、前記対価情報に基づいて選択された前記提供先を示す提供先情報を取得する第1提供先情報取得部と、
前記提供先情報に基づいて、選択された前記提供先端末に前記提供情報を送信する第1提供情報送信部と、
選択された前記提供先からの前記対価情報に基づいて、前記支払者の前記電子的価値の残高情報を更新する残高更新部と、を備え、
前記複数の提供先端末は、
前記対象取引の前記取引情報に基づき、前記取引特徴情報を前記電子的価値管理装置から取得する特徴情報取得部と、
前記取引特徴情報に基づいて、前記対価情報を生成する対価情報生成部と、
前記対価情報を前記電子的価値管理装置に送信する対価情報送信部と、を備え、
前記支払者端末は、
前記対価情報を、前記電子的価値管理装置から取得する第2対価情報取得部と、
前記提供先情報を取得する第2提供先情報取得部と、
前記提供先情報を前記電子的価値管理装置に送信する第2提供先情報送信部と、を備える、電子的価値管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、電子的価値管理装置及び電子的価値管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品やサービス等の取引において、電子的価値を用いた支払が行われている。例えば、電子的価値の一つである電子マネーが、携帯可能な端末に情報として記録され、交通機関の利用をはじめとする様々な取引における支払に用いられている。複数種類の電子マネーによる支払機能は、一つの端末に搭載されることがある。特許文献1には、複数の電子マネーアプリを組み合わせて1つの決済処理を行う優先順位を設定し、当該優先順位の順に、決済金額の合計が支払金額となるように、電子マネーアプリに順次アクセスして、1つの決済処理を行うことを可能とする電子マネーシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5311612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電子マネーシステムにおいて、複数の電子マネーアプリを用いて支払いを行う場合、取引の支払者は支払いの前に、電子マネーアプリ間の優先順位を確認、変更することができる。
【0005】
例えば、支払者が電子的価値の間につける優先順位は、電子的価値の利用に対して電子的価値の事業者が付与するポイント等の対価に基づいて決定され得る。対価には、支払いの内容、例えば支払額に応じてポイントが変動するなどして設定される対価もある。支払の前に電子的価値の優先順位を決定する場合、支払いの内容に応じて優先順位を設定することはできない。そのため、支払者にとってより好条件な対価に基づいて、利用する電子的価値が決定される可能性が低下する。
【0006】
また、対価の内容は、取引毎に及び電子的価値の事業者毎に変化し得る。支払者が取引の都度、対価に基づいて適切な電子的価値の事業者を選ぶ必要があるとすると、支払者の利便性が低下する。
【0007】
そこで、本発明は、電子的価値を用いる支払者の利便性を確保しつつ、電子的価値の利用に対して支払者が好条件な対価を得ることを可能とするプログラム、電子的価値管理装置及び電子的価値管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、電子的価値を用いた取引を示す取引情報が記憶された取引記憶部から、取引の支払者による少なくとも一回以上の取引である対象取引の取引情報を取得する取引情報取得処理と、対象取引の特徴を示す取引特徴情報を、対象取引の取引情報に基づいて生成する特徴情報生成処理と、取引特徴情報を、対象取引の取引情報に基づく提供情報の提供先である複数の候補の端末に送信する特徴情報送信処理と、提供情報に対する対価を示し、取引特徴情報に基づいて生成された対価情報を、複数の候補の端末から取得する対価情報取得処理と、複数の候補のうち、対価情報に基づいて選択された提供先を示す提供先情報を取得する提供先情報取得処理と、対象取引の取引情報に基づく提供情報を生成し、提供先情報に基づいて、提供先の端末に送信する提供情報送信処理と、電子的価値とは異なる他の価値であって提供先に関連付けられた他の価値から支払者の電子的価値への、対象取引の取引額に対応する額の入金を示す入金情報を取得し、支払者の電子的価値の残高情報を更新する残高更新処理と、を実行させる。
【0009】
本発明の他の態様に係る電子的価値管理装置は、電子的価値を用いた取引を示す取引情報が記憶された取引記憶部と、取引の支払者による少なくとも一回以上の取引である対象取引の取引情報を取得する取引情報取得部と、対象取引の特徴を示す取引特徴情報を、対象取引の取引情報に基づいて生成する特徴情報生成部と、取引特徴情報を、対象取引の取引情報に基づく提供情報の提供先である複数の候補の端末に送信する特徴情報送信部と、提供情報に対する対価を示し、取引特徴情報に基づいて生成された対価情報を、複数の候補の端末から取得する対価情報取得部と、複数の候補のうち、対価情報に基づいて選択された提供先を示す提供先情報を取得する提供先情報取得部と、提供先情報に基づいて、提供先の端末に対象取引の取引情報に基づく提供情報を送信する提供情報送信部と、電子的価値とは異なる他の価値であって提供先に関連付けられた他の価値から支払者の電子的価値への、対象取引の取引額に対応する額の入金を示す入金情報を取得し、支払者の電子的価値の残高情報を更新する残高更新部と、を備える。
【0010】
本発明の他の態様に係る電子的価値管理方法は、コンピュータに、電子的価値を用いた取引を示す取引情報が記憶された取引記憶部から、取引の支払者による少なくとも一回以上の取引である対象取引の取引情報を取得することと、対象取引の特徴を示す取引特徴情報を、対象取引の取引情報に基づいて生成することと、取引特徴情報を、対象取引の取引情報に基づく提供情報の提供先である複数の候補の端末に送信することと、提供情報に対する対価を示し、取引特徴情報に基づいて生成された対価情報を、複数の候補の端末から取得することと、複数の候補のうち、対価情報に基づいて選択された提供先を示す提供先情報を取得することと、提供先情報に基づいて、提供先の端末に対象取引の取引情報を送信する取引情報送信することと、電子的価値とは異なる他の価値であって提供先に関連付けられた他の価値から支払者の電子的価値への、対象取引の取引額に対応する額の入金を示す入金情報を取得し、支払者の電子的価値の残高情報を更新することと、を実行させる。
【0011】
本発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータに、電子的価値を用いた取引を示す取引情報のうち、取引の支払者による少なくとも一回以上の取引である対象取引の取引情報に基づき、対象取引の特徴を示す取引特徴情報を端末から取得する特徴情報取得処理と、取引特徴情報に基づいて、提供情報に対する対価を示す対価情報を生成する対価情報生成処理と、対価情報を端末に送信する対価情報送信処理と、を実行させる。
【0012】
本発明の他の態様に係るプログラムは、プログラムであって、コンピュータに、電子的価値を用いた取引を示す取引情報のうち、取引の支払者による少なくとも一回以上の取引である対象取引の取引情報に基づく対象取引の特徴を示す取引特徴情報に基づく、提供情報に対する対価を示す対価情報を、端末から取得する対価情報取得処理と、対象取引の取引情報の提供先である複数の候補のうち、対価情報に基づいて選択された提供先を示す提供先情報を取得する提供先情報取得処理と、提供先情報を端末に送信する、提供先情報送信処理と、を実行させる。
【0013】
本発明の他の態様に係る電子的価値管理システムは、電子的価値管理装置と、複数の提供先端末と、支払者端末と、を備え、電子的価値管理装置は、電子的価値を用いた取引を示す取引情報が記憶された取引記憶部と、取引の支払者による少なくとも一回以上の取引である対象取引の取引情報を取得する取引情報取得部と、対象取引の特徴を示す取引特徴情報を、対象取引の取引情報に基づいて生成する特徴情報生成部と、取引特徴情報を、対象取引の取引情報に基づく提供情報の提供先の複数の候補である複数の提供先端末に送信する特徴情報送信部と、提供情報に対する対価を示し、取引特徴情報に基づいて生成された対価情報を、複数の提供先端末から取得する第1対価情報取得部と、複数の候補のうち、対価情報に基づいて選択された提供先を示す提供先情報を取得する第1提供先情報取得部と、提供先情報に基づいて、提供先端末に提供情報を送信する第1提供情報送信部と、電子的価値とは異なる他の価値であって提供先に関連付けられた他の価値から支払者の電子的価値への、対象取引の取引額に対応する額の入金を示す入金情報を取得し、支払者の電子的価値の残高情報を更新する残高更新部と、を備える。
【0014】
複数の提供先端末は、対象取引の取引情報に基づき、取引特徴情報を電子的価値管理装置から取得する特徴情報取得部と、取引特徴情報に基づいて、対価情報を生成する対価情報生成部と、対価情報を電子的価値管理装置に送信する対価情報送信部と、を備え、支払者端末は、対価情報を、電子的価値管理装置から取得する第2対価情報取得部と、提供先情報を取得する第2提供先情報取得部と、提供先情報を電子的価値管理装置に送信する第2提供先情報送信部と、を備える電子的価値管理システムを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子的価値を用いる支払者の利便性を確保しつつ、電子的価値の利用に対して支払者が好条件な対価を得ることを可能とするプログラム、電子的価値管理装置及び電子的価値管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係る電子的価値管理装置を有する支払システムの概略図である。
図2】第1実施形態に係る電子的価値管理装置のブロック図である。
図3】第1実施形態に係る取引情報の一例である。
図4】第1実施形態に係る支払者情報の一例である。
図5】第1実施形態に係る受取者情報の一例である。
図6】第1実施形態に係る対象取引の取引情報の一例である。
図7】第1実施形態に係る取引特徴情報の一例である。
図8】第1実施形態に係る対価情報の一例である。
図9】第1実施形態に係る対価情報の一例である。
図10】第1実施形態に係る提供情報の一例である。
図11】第1実施形態に係る支払者端末のブロック図である。
図12】第1実施形態に係る提供先サーバのブロック図である。
図13】第1実施形態に係る電子的価値管理システムにおける処理を説明する図である。
図14】第2実施形態に係る電子的価値管理装置のブロック図である。
図15】第2実施形態に係る対価情報の一例である。
図16】第3実施形態に係る電子的価値管理装置のブロック図である。
図17】第4実施形態に係る支払者端末のブロック図である。
図18】第4実施形態に係る支払者情報の一例である。
図19】第4実施形態に係る対価情報の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0018】
図1には本実施形態に係る電子的価値管理システム10の構成の概略図が示される。電子的価値管理システム10は、電子的価値管理装置101、支払者端末102、受取者端末103a,103b,103c、及び提供先サーバ104a,104b,104cを備える。なお、特に区別の必要がない場合、受取者端末103a,103b及び103cを受取者端末103といい、提供先サーバ104a,104b,104cを提供先サーバ104という。電子的価値管理装置101、支払者端末102、受取者端末103及び提供先サーバ104はネットワークNを通じて互いに通信可能に接続される。
【0019】
電子的価値管理装置101は、所定のプログラムを実行することによって、支払者端末102と受取者端末103との間における電子的価値による取引を管理するように構成されたサーバ等の情報処理装置である。なお、本実施形態では、電子的価値の一例として電子マネーを用いる場合を示すが、電子的価値は電子マネーに限られず、電子的に価値を表すことが可能であり、取引又は決済に利用できるものであればよい。例えば、電子的価値は、暗号通貨やポイントであってもよい。
【0020】
ここでは、電子的価値管理装置101が管理する電子マネーによって、電車、バス、タクシー、ライドシェア、又はレンタルサイクル等の移動手段の利用料金の支払い、あるいは例えば飲料などの物販の代金を支払うことができるものとする。
【0021】
電子的価値管理装置101が管理する電子マネーは、例えば、支払者端末102を有する支払者が、いわゆる移動としてのサービス(MaaS:Mobility as a Service)を利用する場合に用いられる。
【0022】
支払者端末102は、所定のプログラムを実行することによって、受取者端末103との間で、電子的価値管理装置101を介した電子マネーの取引を行うことができる情報処理装置である。また、支払者端末102は、所定のプログラムを実行することによって、電子的価値管理装置101において支払者に紐づけられた電子マネーの残高に対して、入金(チャージ)を行うことができる。なお、図1では支払者端末102は1つのみ図示されているが、支払者が複数である場合は、複数の支払者端末102が用いられてもよい。また、ある支払者が複数の支払者端末102を所持し自身の電子マネーを管理してもよい。
【0023】
受取者端末103は、所定のプログラムを実行することによって、電子的価値管理装置101及び支払者端末102による支払者からの支払いを処理する情報処理装置である。例えば、受取者端末103は、電車やバスの場合は改札や乗降口等、あるいは物販施設の場合はレジ等に設けられる。
【0024】
提供先サーバ104は、所定のプログラムを実行することによって、取引特徴情報に基づいて、取引に関する情報に対する対価を示す対価情報を生成し、対価情報に基づいて、電子的価値管理装置101から取引に関する情報を取得する情報処理装置である。対価は例えば、取引に関する情報を取得して支払者の購買動向等を把握可能となることへの対価として提供される。
【0025】
電子的価値管理システム10では、電子的価値管理装置101によって管理される一種類の電子マネーによって、支払者は取引を行う。電子的価値管理装置101は電子的価値管理装置101に蓄積されている取引に関する情報への対価を提供先サーバ104から取得する。取引額に相当する電子マネーの入金が、対価に基づいて選択された提供先に関する電子的価値によって行われる。よって、支払者は電子的価値管理装置101で管理される電子マネーのみを用いることで自身の決済を行い、その後で入金を行うことができる。電子的価値管理システム10は、支払者が自身の取引に関する情報を提供することで、複数の対価の中から支払者にとって好条件な対価の選択を可能とするシステムである。
【0026】
図2には、電子的価値管理装置101のブロック図が示される。電子的価値管理装置101は、通信部201、取引記憶部202、支払者情報記憶部203、受取者情報記憶部204、取引情報取得部205、特徴情報生成部206、特徴情報送信部207、対価情報取得部208、対価情報送信部209、提供先情報取得部210、提供情報送信部211及び残高更新部212を有する。
【0027】
電子的価値管理装置101の各部は、例えば、電子的価値管理装置101において、メモリ等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたブログラムをプロセッサが実行したりすることによって、実現することができる。後述する支払者端末102及び受取者端末103も同様である。
【0028】
通信部201は、ネットワークNを通じた電子的価値管理装置101と外部との通信を制御する。
【0029】
取引記憶部202には、電子的価値を用いた取引を示す取引情報が記憶される。図3には取引情報の一例が示される。取引情報は、「取引ID」、「支払者ID」、「受取者ID」、「取引額」、「取引日時」、「移動手段利用有無」、「移動経路」及び「取引場所」の項目を有する。
【0030】
「取引ID」は、電子的価値管理装置101によって管理される電子マネーによる取引を管理するための識別情報である。「支払者ID」及び「受取者ID」はそれぞれ、各取引における支払者と受取者の識別情報である。「取引額」は取引にて取引された電子マネーの額である。「取引日時」は取引を行った時刻である。「移動手段利用有無」は取引が移動手段を利用するものであるか否かを示す情報である。移動経路」は、移動手段を用いる移動における移動経路の情報である。「取引場所」は、移動手段の利用ではなく物販を利用した場合の取引が行われた場所を示す情報である。なお、これらの項目は一例であり、図3に示された項目に限定されるものではなく、他の適切な項目を設けて取引を管理できればよい。
【0031】
例えば、図3では、取引ID「T0001」の取引は、支払者ID「PR001」の支払者が、受取者ID「PE001」の受取者に対して行った支払いとして記録される。取引額は「350円」であり、取引日時は「2020/7/7 10:40:51」と記録される。この取引では、移動手段の利用があったため、移動経路には「経路A」が記録される。なお、この移動は、取引ID「T0002」に示される移動に関する取引と関連して行われる一連の移動である。
【0032】
また、取引ID「T0003」の取引では、取引ID「T0001」及び「T0003」と同じ支払者によって、取引場所「場所X」における物販の購入に関する取引が記録される。
【0033】
支払者情報記憶部203には、電子マネーを用いた支払いを行う支払者に関する情報が記録される。支払者情報は、支払者の属性を示す情報を含む情報である。支払者情報の一例が図4に示される。
【0034】
支払者情報は、「支払者ID」、「年齢」、「性別」、「職業」及び「居住地域」の項目を有する。「支払者ID」は支払者を識別するための識別情報である。「年齢」、「性別」、「職業」及び「居住地域」は、支払者の属性を示す情報である。支払者の属性を示す情報は、例えば、電子マネーの利用を事前に登録する場合に、支払者から取得されて、支払者情報記憶部203に記憶される。なお、回答されない項目があってもよい。また、支払者情報の項目は図4の例に限定されず、支払者に関して他の適切な項目を設けることができる。
【0035】
例えば、図4では、支払者ID「PR001」の支払者は、年齢が「35歳」、性別が「男性」、職業が「エンジニア」及び居住地域が「XX地域」であることが記録される。支払者情報は、支払者に選択肢を示してその中から回答を得るようにしてもよく、自由に入力されるものであってもよい。
【0036】
受取者情報記憶部204には、電子マネーを用いた取引の受取者に関する情報が記録される。受取者情報は、受取者が提供するサービスや提供する物を示す情報を含む。受取者情報は「受取者ID」、「受取者名称」、「提供サービス/提供物」の項目を有する。「受取者ID」は受取者を識別するための識別情報である。「受取者名称」は、例えば、移動手段を提供する企業の企業名などが記録される。「提供サービス/提供物」は、受取者が取引において提供するサービスや提供する物を示す情報である。例えば、受取者ID「PE001」で識別される受取者「受取者A」は、バスによる移動手段を提供することが記録され、受取者ID「PE003」の受取者は、飲料を提供することが記録される。なお、受取者情報の項目は図4の例に限定されず、受取者に関して他の適切な項目を設けることができる。
【0037】
ここで、電子的価値管理装置101、支払者端末102及び受取者端末103による電子的価値を用いて行われる取引の一例を説明する。支払者がバスの次に電車を利用して、2種類の交通機関によって移動し、その後店舗で商品を購入するとする。支払者はいずれの取引も電子的価値管理装置101で管理される電子マネーで支払いを行う。支払者は、電子的価値管理装置101で管理される電子マネーの残高としてある程度の金額をチャージしているものとする。
【0038】
支払者端末102は受取者端末103との間でRFID(Radio Frequency IDentification)技術、例えば、近距離無線通信(NFC:Near-Field-Communication)技術を用いた取引を行うとする。
【0039】
支払者が最初にバスを利用するとき、支払者は当該バスの乗車口に設けられた受取者端末103aに支払者端末102をかざす。支払者端末102と受取者端末103aとの間で取引に必要な情報が交換される。支払者端末102は、電子的価値管理装置101に対して、支払いを実行してよいかを問い合わせる。電子的価値管理装置101は、支払者端末102が紛失したとして届けられたデバイスではないか、あるいは不正に関与したデバイスではないかを確認する。すなわち、電子的価値管理装置101は簡易的な有効性確認を行う。
【0040】
電子的価値管理装置101が、支払者端末102が支払いを実行してよいと許可した場合、支払者端末102は、支払者端末102から受取者端末103aへの電子的価値の移転を示す情報を電子的価値管理装置101に送信する。電子的価値管理装置101は、電子的価値の移転を示す情報に基づいて、支払者及び受取者の残高を更新する。電子的価値管理装置101が残高を更新したことをもって、支払者と取引者との間の決済は完了する。なお、電子的価値の移転を示す情報は、受取者端末103aから電子的価値管理装置101に送信されるようにしてもよい。
【0041】
このとき、取引情報の各項目に対応する情報が支払者端末102又は受取者端末103aから電子的価値管理装置101に送信されて、取引情報が記録される。
【0042】
移動経路に関する情報は、当該移動が、MaaSサービスを提供するためのアプリケーションや経路案内を行うアプリケーションによって案内される場合に、一連の移動として複数の取引に共通に関連付けられる。例えば、移動経路に関する情報は支払者端末102に記憶されており、支払者端末102から若しくは受取者端末103aを通じて電子的価値管理装置101に提供される。あるいは、電子的価値管理装置101がMaaSサービスを提供するためのアプリケーションと連携し、対象の移動に対して経路情報を関連付けるようにしてもよい。あるいは、支払者端末102や受取者端末103aの位置情報に基づいて移動経路が判別されてもよい。
【0043】
続いて、支払者が第2の交通機関として電車を用いるとき、支払者は受取者端末103bが設けられた出発駅の改札と、受取者端末103cが設けられた到着駅の改札とを通過する。出発駅と到着駅のいずれの改札を通過する場合も、電子的価値管理装置101は簡易的な有効性の確認を行うのみであり、利用者は残高が最低限必要な残高を下回っている場合でも、改札を通過できる。
【0044】
電車の場合、電子的価値管理装置101は、支払者端末102から送信される出発駅及び到着駅を示す情報に基づいて料金を算出し、当該料金を基に、支払者の残高及び受取者である鉄道事業者の売上残高を更新する。電子的価値管理装置101は同様に、支払者端末102と受取者端末103bとの取引に関する情報を記録する。
【0045】
最後に、支払者が例えば、ある店舗で商品を購入したとすると、支払者端末102は店舗に設けられる受取者端末(不図示)と通信し、支払いを行う。このとき、支払者端末102又は受取者端末は、電子的価値管理装置101に取引情報の各項目に対応する情報を送信する。このようにして、取引記憶部202に取引の履歴が蓄積されていく。
【0046】
取引情報取得部205は、電子的価値を用いた取引を示す取引情報が記憶された取引記憶部202から、取引の支払者による少なくとも一回以上の取引である対象取引の取引情報を取得する。
【0047】
取引情報取得部205は、取引情報取得部205は、支払者端末102からのリクエストに基づいて、ある支払者についての取引情報を生成する。ここでは支払者ID「PR001」の支払者についての取引情報の取得を例として説明する。
【0048】
取引情報取得部205は、支払者端末102から、支払者ID「PR001」を含むリクエストを取得すると、取引記憶部202を参照して、対象情報として支払者ID「PR001」の支払者による取引情報を取得する。取引情報の取得範囲は例えば、ある一日における取引である。図6には、図3の取引情報に基づいて、取引情報取得部205によって取得された対象取引の取引情報が示される。なお、取引情報の取得範囲は例えば各取引から支払者が選択した取引としてもよい。
【0049】
なお、取引情報取得部205は、所定のタイミングで取引記憶部202を参照して、ある支払者についての取引情報を取得してもよい。タイミングは例えば、日毎の所定の時刻である。
【0050】
特徴情報生成部206は、対象取引の取引情報に基づいて、対象取引の特徴を示す取引特徴情報を生成する。図7には取引特徴情報の一例が示される。
【0051】
図7の取引特徴情報は「特徴ID」、「取引日」、「取引ID」及び「特徴」の各項目を有する。「特徴ID」は、生成された取引特徴情報を識別するための情報である。「取引日」は、取引特徴情報を生成した日付である。「取引ID」は、取引特徴情報に含まれる取引を識別するための情報である。
【0052】
「特徴」は、「取引日時」、「移動手段利用有無」、「移動経路」、「取引場所」、「年齢」、「性別」、「職業」、「居住地域」及び「提供サービス/提供物」の小項目を有する。特徴情報生成部206は、対象取引の取引情報に基づいて、各特徴の内容を生成する。特徴情報生成部206は、対象取引の特徴情報や、支払者情報、受取者情報を抽象化して、取引特徴情報を生成する。特徴情報生成部206による処理については後述する。
【0053】
特徴情報送信部207は、取引特徴情報を対象取引の取引情報に基づく提供情報の提供先である複数の候補の提供先サーバ104に送信する。提供先サーバ104と電子的価値管理装置101との間では、予め各支払者を識別する情報が連携されているものとする。
【0054】
対価情報取得部208は、後述の提供先サーバ104が生成した対価情報を提供先サーバ104から取得する。
【0055】
対価情報送信部209は、取得した対価情報を支払者端末102に送信する。なお、対価情報の送信先は支払者によって操作される端末であれば、必ずしも支払いに用いた端末と同一である必要はない。
【0056】
対価情報について図8図9を参照して説明する。図8には、図7の対価情報に基づいて、提供先サーバ104aが生成した対価情報が示される。対価情報は、「特徴ID」、「提供先ID」及び「対価」の項目を有する。「特徴ID」は取引特徴情報を識別する情報である。「提供先ID」は、対価を生成した提供先サーバ104を識別する情報である。「提供先ID」は、提供先サーバ104a,104b,104cのそれぞれについて「RE001」、「RE002」、「RE003」である。「対価」は、取引特徴情報に対して提供先サーバ104が生成した対価である。図8では、図7の取引特徴情報に対して提供先サーバ104aが対価として、「取引合計額の1%」を還元することが示される。
【0057】
提供先サーバ104によって生成されたそれぞれの対価情報は対価情報取得部208によって取得される。対価情報送信部209は、取得した対価情報をとりまとめて、図9に示される対価情報を支払者端末102に送信する。
【0058】
提供先情報取得部210は、支払者端末102から対価情報に基づいて選択された提供先を示す提供先情報を取得する。提供先情報は例えば、「提供先ID」として取得される。
【0059】
提供情報送信部211は、提供先として選択された提供先サーバ104に対して、対象取引の取引情報に基づく提供情報を送信する。図10には、提供情報の一例が示される。
【0060】
提供情報は、支払者情報の各項目、対象取引の取引情報の各項目及び受取者情報の各項目が含まれる。提供情報の各内容は、取引特徴情報にて抽象化された内容ではなく、取引の内容を詳細に示す情報である。なお、提供情報送信部211は、必要に応じて、取引情報を抽象化した情報を提供情報として送信してもよい。
【0061】
残高更新部212は、電子的価値管理装置101によって管理される電子的マネーとは異なる他の価値であって、提供先に関連付けられた他の価値から支払者の電子マネーへの、対象取引の取引額に対応する額の入金を示す入金情報を取得し、支払者の電子的マネーの残高情報を更新する。
【0062】
例えば、図10の提供情報が提供先サーバ104aに提供されたとする。この場合、提供先サーバ104aに関連付けられた他の電子マネーによって、取引額の合計である5900円を、電子的価値管理装置101で管理される電子マネーへと入金する情報が入金情報として電子的価値管理装置101に送信される。電子的価値管理装置101は、入金情報に基づいて、支払者の残高を更新し、入金が完了する。なお、電子的価値管理装置101で管理される電子マネーへの入金は、電子的マネー以外の他の電子的価値によって行われてもよく、また、口座振替やクレジットカードによる入金のように現金に紐づくように行われてもよい。
【0063】
図11には、支払者端末102のブロック図が示される。支払者端末102は、通信部1101、記憶部1102、対価情報取得部1103、提供先情報取得部1104、提供先情報送信部1105、支払者情報取得部1106及び支払者情報送信部1107を有する。
【0064】
通信部1101は、ネットワークNを通じた支払者端末102と外部との通信を制御する。記憶部1102は、支払者端末102での処理に用いられる各種情報を記憶する。
【0065】
対価情報取得部1103は、電子的価値管理装置101から対価情報を取得する。提供先情報取得部1104は、対価情報に基づいて、例えば支払者端末102の画面(不図示)に対価情報を表示し、支払者が提供情報の提供先として選択する提供先を示す提供先情報を取得する。提供先情報送信部1105は取得した提供先情報を電子的価値管理装置101に送信する。
【0066】
支払者情報取得部1106は、例えば支払者端末102の画面に表示されるユーザーインターフェースを通じて、支払者から支払者情報を取得する。支払者情報送信部1107は電子的価値管理装置101に支払者情報を送信する。
【0067】
図12には、提供先サーバ104のブロック図が示される。提供先サーバ104は、通信部1201、記憶部1202、特徴情報取得部1203、対価情報生成部1204、対価情報送信部1205、提供情報取得部1206、入金情報生成部1207、及び入金情報送信部1208を有する。
【0068】
通信部1201は、ネットワークNを通じた提供先サーバ104と外部との通信を制御する。記憶部1202は、提供先サーバ104での処理に用いられる各種情報を記憶する。
【0069】
特徴情報取得部1203は、電子的価値管理装置101から取引特徴情報を取得する。対価情報生成部1204は、取得した取引特徴情報に基づいて、対価情報を生成する。対価情報送信部1205は、対価情報を電子的価値管理装置101に送信する。
【0070】
提供情報取得部1206は、提供先として選択された場合、提供情報を電子的価値管理装置101から取得する。入金情報生成部1207は、提供情報に基づいて、対象取引の取引額に対応する額の入金を示す入金情報を生成する。入金情報送信部1208は、入金情報を電子的価値管理装置101に送信する。
【0071】
図13を参照して、電子的価値管理システム10における処理について説明する。ここでは、支払者端末102による取引は取引記憶部202にすでに記憶されているものとする。また、提供先サーバ104cに関する処理は省略する。
【0072】
ステップS1301において、支払者端末102から電子的価値管理装置101へ精算リクエストが送信される。
【0073】
ステップS1302において、取引情報取得部205は対象取引の取引情報を取得する。ステップS1303において、特徴情報生成部206は、支払者情報記憶部203を参照して、支払者情報を取得する。ステップS1304において、特徴情報生成部206は受取者情報記憶部204を参照して受取者情報を取得する。
【0074】
ステップS1305において、特徴情報生成部206は、対象取引の取引情報に基づいて取引特徴情報を生成する。ここでは、図7の取引特徴情報が生成されるとする。
【0075】
ステップS1306とS1307のそれぞれにおいて、特徴情報送信部207は、提供先サーバ104a、104bのそれぞれに取引特徴情報を送信する。ステップS1308とS1309のそれぞれにおいて、提供先サーバ104a、104bはそれぞれ対価情報を生成する。各提供先サーバ104における対価情報は、例えば、記憶部1202に記憶される対価を設定するためのルールに基づいて生成される。
【0076】
ステップS1310とS1311のそれぞれにおいて、提供先サーバ104a、提供先サーバ104bはそれぞれ対価情報を電子的価値管理装置101に送信する。
【0077】
ステップS1312において、提供先情報取得部210は取得した対価情報をとりまとめて支払者端末102に送信する。例えば図9において、提供先サーバ104aは、提供先ID「RE001」で識別される対価を生成し、提供先サーバ104bは提供先ID「RE002」で識別される対価を生成する。
【0078】
ステップS1313において、提供先情報取得部1104は、対価情報を例えば支払者端末102の画面に表示するなどして支払者に表示する。ステップS1314において、提供先情報取得部1104は、提供先情報を支払者から取得する。支払者が図9に例示される対価情報から提供先ID「RE002」で識別される対価を選択した場合、提供先情報取得部1104は選択された識別情報を提供先情報とする。ステップS1315において、提供先情報送信部1105は、提供先情報を電子的価値管理装置101へ送信する。
【0079】
ステップS1316において、提供情報送信部211は、対象取引の取引情報に基づいて、提供情報を生成する。ステップS1317において、提供情報送信部211は、提供先情報取得部210が取得した提供先情報に基づいて、提供先サーバ104へ提供情報を送信する。ここでは、提供先として提供先サーバ104bが選択された場合が示される。
【0080】
ステップS1318において、入金情報生成部1207は、提供情報に基づいて、対象取引の取引金額に対する入金情報を生成する。このとき、提供先サーバ104と電子的価値管理装置101との間で、予め各支払者を識別する情報が連携されている場合、提供先サーバ104bは、当該支払者に対して対価を関連付けるようにしてもよい。
【0081】
ステップS1319において、入金情報送信部1208は、入金情報を電子的価値管理装置101に送信する。ステップS1320において、残高更新部212は、入金情報に基づいて、対象取引の取引金額分の電子マネーへの入金がなされたとして、残高を更新する。
【0082】
第2実施形態について説明する。第2実施形態では第1実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。図14には、第2実施形態に係る電子的価値管理装置101Aのブロック図が示される。第2実施形態では、電子的価値管理システム10に接続される装置が電子的価値管理装置101ではなく電子的価値管理装置101Aである点で第1実施形態と異なる。
【0083】
電子的価値管理装置101Aは、電子的価値管理装置101の各部に加えて、順序情報生成部1401をさらに備える。順序情報生成部1401は、対価情報を、対価に対して設けられる所定の規則に基づいて順序付けた順序情報を生成する。所定の規則は、順序情報生成部1401に記憶されるなどして電子的価値管理装置101Aに予め記憶される。例えば所定の規則としては、対価における還元金額が大きい対価情報を高順位とする規則がある。電子的価値管理装置101Aでは、対価情報送信部209は、順序情報が関連付けられた対価情報を支払者端末102に送信する。例えば、図7の対価情報に対して還元金額が大きい順に順序情報が関連付けられた対価情報として、図15に示される対価情報が支払者端末102に送信される。
【0084】
支払者端末102は、順序を含む情報を表示して、支払者から提供先情報を取得する。これによって支払者が対価を比較しやすくできるので、支払者の利便性を高めることができる。
【0085】
また、対価情報送信部209は、所定の順位を満たす対価情報を支払者端末102に送信するようにしてもよい。例えば図15では順序が「3」である対価情報を送信しないようにすることができる。これによって支払者が選択する際の選択肢をあらかじめ限定することができるので、支払者が対価を選択しやすくなり、支払者の利便性を高めることができる。
【0086】
第3実施形態について説明する。図16には、第3実施形態に係る電子的価値管理装置101Bのブロック図が示される。第3実施形態では、電子的価値管理システム10に接続される装置が電子的価値管理装置101ではなく電子的価値管理装置101Bである点で第1実施形態と異なる。
【0087】
電子的価値管理装置101Bは、電子的価値管理装置101の各部に加えて、規則取得部1601、規則記憶部1602及び提供先情報生成部1603をさらに備える。規則取得部1601は、支払者端末102から、所定の規則を取得する。ここでの所定の規則とは、例えば、対価情報に基づいて選択される提供先についての条件である。より具体的に言えば、例えば最も対価情報の還元金額が高い対価を提示してきた提供先の候補を提供先とするというような条件である。規則記憶部1602に、規則取得部1601が取得した規則が記憶される。
【0088】
提供先情報生成部1603は、対価情報送信部209が提供先サーバ104に取引特徴情報を送信して得られる対価情報と、規則記憶部1602に記憶される規則とに基づいて、提供先情報を自身で生成する。すなわち、支払者によって提供先が選択されるのではなく、電子的価値管理装置101Bによって提供先が選択されるようにできる。これによって、支払者は自身が設定した条件に応じて電子的価値管理装置101Bに提供先の選択を行わせることが可能となるので、支払者の利便性が向上する。
【0089】
第4実施形態について説明する。図17には、第2実施形態に係る支払者端末102Aのブロック図が示される。第2実施形態では電子的価値管理システム10に接続される端末が支払者端末102ではなく支払者端末102Aである点で第1実施形態と異なる。
【0090】
支払者端末102Aは、支払者端末102の各部に加えて、提供先に提供されることが支払者により許可された支払者情報を示す許可情報を取得する許可情報取得部1701と、許可情報を電子的価値管理装置101に送信する許可情報送信部1702とを、さらに備える。
【0091】
許可情報取得部1701は、支払者情報の各項目について、その項目の情報を提供先に提供するか否かを示す情報を取得して電子的価値管理装置101に送信する。電子的価値管理装置101では、図15に示されるように、支払者情報の各項目は、許可の有無が関連付けられて支払者情報記憶部203に記憶される。
【0092】
第4実施形態においては、特徴情報生成部206は提供先に送信されることが許可された支払者情報に基づいて、取引特徴情報を生成する。さらに、提供情報送信部211は、当該許可された項目を提供情報に含まないようにして、提供情報を提供先に送信する。例えば、図18において、支払者ID「PR001」の支払者は、職業の項目について提供されることを許可していないため、取引特徴情報には支払者の職業は含まれない。このとき、特徴情報生成部206は、他の許可された項目に基づいて、取引特徴情報を生成する。言い換えると、図7の例において、職業の行が含まれないような取引特徴情報が生成される。
【0093】
上述の取引特徴情報には、提供が制限された項目があるため、提供先サーバ104が生成する対価情報は変動し得る。例えば、図7の特徴ID「C0001」において、職業の項目が含まれないような特徴ID「C0001a」の取引特徴情報に対して、図19に示すような対価情報が提供先サーバ104から取得される。この場合、提供情報には支払者の職業に関する情報が含まれないため、情報の価値が低く見積もられた結果、図7の場合より低い対価が提示される。
【0094】
このように、第4実施形態では、支払者情報のうち提供が許可された項目に応じて、対価を変動させることが可能になる。これによって、情報を提供する支払者は自身の情報と提供情報に対する対価とのバランスをとることができ、支払者の利便性が向上する。
【0095】
以上各実施形態について説明した。第1実施形態に係る電子的価値管理装置101は、電子的価値を用いた取引を示す取引情報が記憶された取引記憶部202と、取引の支払者による少なくとも一回以上の取引である対象取引の取引情報を取得する取引情報取得部205と、対象取引の特徴を示す取引特徴情報を、対象取引の取引情報に基づいて生成する特徴情報生成部206と、取引特徴情報を、対象取引の取引情報に基づく提供情報の提供先である複数の候補の提供先サーバ104に送信する特徴情報送信部207と、提供情報に対する対価を示し、取引特徴情報に基づいて生成された対価情報を、複数の候補の提供先サーバ104から取得する対価情報取得部208と、複数の候補のうち、対価情報に基づいて選択された提供先を示す提供先情報を取得する提供先情報取得部210と、提供先情報に基づいて、提供先の端末に対象取引の取引情報に基づく提供情報を送信する提供情報送信部211と、電子的価値とは異なる他の価値であって提供先に関連付けられた他の価値から支払者の電子的価値への、対象取引の取引額に対応する額の入金を示す入金情報を取得し、支払者の電子的価値の残高情報を更新する残高更新部212と、を備える。
【0096】
これによれば、取引記憶部202にて記憶されたある取引に基づく取引特徴情報が生成される。生成された取引特徴情報は対象取引の取引情報に基づく提供情報の提供先である複数の候補の端末に送信される。提供情報の提供を受けることに対して、各候補が提示する対価が対価情報取得部208によって取得される。ここでの対価は、電子的価値を利用することそのものではなく、電子的価値をどのような取引に用いたかという、対象取引の取引情報に対して設定される対価である。対象取引の取引情報は例えば、支払者の消費動向等の分析に役立てることができる情報であるので、電子的価値を利用すること以上によりが価値あるものとして対価が設定され得る。
【0097】
これらの対価に応じて提供先が選択される。残高更新部212での処理によって支払者は、自身の取引に関する提供情報への対価を得て、ある一つの電子的価値に対する入金を行うことができる。ある一つの電子的価値を様々な提供先からの対価を得つつ利用することが可能となるため、電子的価値を用いる支払者の利便性を確保しつつ、電子的価値の利用に対して支払者が好条件な対価を得ることが可能となる。
【0098】
電子的価値管理装置101は、複数の候補の提供先サーバ104からの対価情報を、支払者の支払者端末102に送信する対価情報送信部209をさらに備え、提供先情報取得部210は、対価情報に基づいて選択された提供先情報を、支払者端末102から取得する。これにより、対価に基づく提供先を支払者が選択可能とすることができる。よって、支払者は自身にとってよりよい対価の提供を受けることが可能となる。
【0099】
第2実施形態に係る電子的価値管理装置101Aは、複数の候補の提供先サーバ104からの対価情報を、対価に対して設けられる所定の規則に基づいて順序付けた順序情報を生成する順序情報生成部1401、をさらに備え、対価情報送信部209は、順序情報が関連付けられた対価情報を支払者端末102に送信する。これにより、支払者端末102は、順序を含む情報を表示して、支払者から提供先情報を取得することができる。よって、支払者の利便性を高めることができる。
【0100】
電子的価値管理装置101Aでは、対価情報送信部209は、順序情報に基づいて、所定の順位を満たす対価情報を支払者端末に送信してもよい。これにより支払者が選択する際の選択肢をあらかじめ限定することができ、支払者の利便性が高くなる。
【0101】
第3実施形態に係る電子的価値管理装置101Bでは、対価に対して設けられる所定の規則が記憶される規則記憶部1602から所定の規則を取得し、所定の規則と複数の候補の提供先サーバ104からの対価情報とに基づいて、提供先情報を生成する提供先情報生成部1603、をさらに備え、提供情報送信部は、生成された提供先情報に基づいて、提供先の端末に対象取引の取引情報を送信する。
これにより、支払者はある条件に応じて、支払者自身ではなく、電子的価値管理装置101Bに提供先の選択を行わせることが可能となるので、支払者の利便性が向上する。
【0102】
電子的価値管理装置101Bは、支払者の支払者端末102から所定の規則を取得し、規則記憶部1602に記憶する規則取得部1601、をさらに備える。これにより、規則を支払者が設定することが可能となるので、支払者の利便性が向上する。
【0103】
電子的価値管理装置101,101A,101Bにおいて、対価情報取得部208は、取引額に対して入金される金額のうち支払者に還元される金額を示す還元情報が含まれた対価情報を取得する。これにより、各提供先が生成する対価について、比較するための基準をそろえることができるので、支払者の選択がより簡単になり、利便性が向上する。
【0104】
電子的価値管理装置101,101A,101Bにおいて、特徴情報生成部は、支払者の属性を示す情報である支払者情報が記憶される支払者情報記憶部203から取得された支払者情報に基づいて、取引特徴情報を生成し、提供情報送信部211は、支払者情報と対象取引の取引情報とに基づく提供情報を、提供先情報に基づいて、提供先サーバ104に送信する。これにより、提供情報の価値を高めることができ、支払者がよりよい対価を提供されるようにできる。
【0105】
第4実施形態に係る電子的価値管理装置101では、支払者情報記憶部203には、提供先に提供されることが支払者により許可された支払者情報を示す許可情報が、支払者情報に関連付けられて記憶され、特徴情報生成部206は、許可された支払者情報に基づいて、取引特徴情報を生成する。これにより、情報を提供する支払者は自身の情報と提供情報に対する対価とのバランスをとることができ、支払者の利便性が向上する。
【0106】
電子的価値管理装置101,101A,101Bでは、特徴情報生成部206は、取引の受取者の属性を示す情報である受取者情報が記憶される受取者情報記憶部204から受取者情報を取得し、受取者情報に基づいて、取引特徴情報を生成し、提供情報送信部211は、受取者情報と対象取引の取引情報とに基づく提供情報を、提供先情報に基づいて、提供先サーバ104に送信する。これにより、提供情報の価値を高めることができ、支払者がよりよい対価を提供されるようにできる。
【0107】
電子的価値管理装置101,101A,101Bでは、取引記憶部202には、取引の場所に関する情報が取引情報に含まれて記憶され、特徴情報生成部206は、場所に関する情報に基づいて、取引特徴情報を生成する。これにより、提供情報の価値を高めることができ、支払者がよりよい対価を提供されるようにできる。
【0108】
電子的価値管理装置101,101A,101Bでは、取引記憶部には、支払者が移動手段を用いる取引に対して、移動手段を用いた移動の移動経路に関する情報が取引情報に含まれて記憶され、特徴情報生成部206は、移動経路に関する情報に基づいて、取引特徴情報を生成する。これにより、提供情報の価値を高めることができ、支払者がよりよい対価を提供されるようにできる。
【0109】
提供先サーバ104は、対象取引の取引情報に基づき、取引特徴情報を電子的価値管理装置101から取得する特徴情報取得部1203と、取引特徴情報に基づいて、対価情報を生成する対価情報生成部1204と、対価情報を電子的価値管理装置101に送信する対価情報送信部1205と、を備える。これにより、電子的価値管理装置101が対価情報を取得することが可能となる。
【0110】
支払者端末102は、対価情報を、電子的価値管理装置101から取得する対価情報取得部1103と、提供先情報を取得する提供先情報取得部1104と、提供先情報を電子的価値管理装置101に送信する提供先情報送信部1105と、を備える。これにより、支払者は、対価情報に基づく提供先情報を電子的価値管理装置101に送信することが可能となる。
【0111】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその条件等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0112】
10…電子的価値管理システム、101,101A,101B…電子的価値管理装置、
102,102A…支払者端末、103a,103b,103c…受取者端末、104a,104b,104c…提供先サーバ、202…取引記憶部、203…支払者情報記憶部、204…受取者情報記憶部、205…取引情報取得部、206…特徴情報生成部、207…特徴情報送信部、208…対価情報取得部、209…対価情報送信部、210…提供先情報取得部、211…提供情報送信部、212…残高更新部、1401…順序情報生成部、1601…規則取得部、1602…規則記憶部、1603…提供先情報生成部
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