(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】光源モジュール及び照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20241101BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20241101BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20241101BHJP
F21Y 105/12 20160101ALN20241101BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241101BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20241101BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20241101BHJP
【FI】
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V17/00 200
F21V17/00 151
F21S8/04 130
F21S8/04 310
F21Y105:12
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
F21Y115:15
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2020143404
(22)【出願日】2020-08-27
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 信一
(72)【発明者】
【氏名】柏崎 恵
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0139108(US,A1)
【文献】特開2014-154461(JP,A)
【文献】特開2015-222698(JP,A)
【文献】特開2014-183200(JP,A)
【文献】特開2019-176134(JP,A)
【文献】特開2017-085096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00 - 9/90
F21S 2/00 - 45/70
F21V 19/00 - 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子と、
前記複数の発光素子が実装された基板と、
を有し、
前記複数の発光素子は、
並列回路を構成するように複数の発光素子が並列に接続された発光素子群を複数形成し、
それぞれ並列に接続された前記複数の発光素子を有する複数の前記発光素子群が、直列回路を1つのみ構成するように互いに接続され
、
前記発光素子群は、並列に接続された前記複数の発光素子の少なくとも1つの発光素子が間引かれている光源モジュール。
【請求項2】
前記複数の発光素子は、
前記基板において、円形状に配置されており、前記基板の中心部から外方向に向かって放射状に配置されている請求項1に記載の光源モジュール。
【請求項3】
前記複数の発光素子は、
前記中心部を中心とした周方向に互いに間隔を空けて環状に配置されており、
環状に配置された前記複数の発光素子は、
前記基板の前記中心部から外方向に向かって複数の輪を形成するように配置されている請求項2に記載の光源モジュール。
【請求項4】
それぞれ異なる数の複数の発光素子が実装された複数の基板の内、いずれか1つの基板が取り付けられる照明装置であって、
前記複数の発光素子と、
前記複数の発光素子が実装された基板であって、前記複数の基板の内のいずれか1つの基板と、
前記複数の発光素子から出射された光の配光を制御する複数のレンズを有する光学部品と、
を有し、
前記複数の発光素子は、
並列回路を構成するように複数の発光素子が並列に接続された発光素子群を複数形成し、
それぞれ並列に接続された前記複数の発光素子を有する複数の前記発光素子群が、直列回路を1つのみ構成するように互いに接続されており、
前記発光素子群は、並列に接続された前記複数の発光素子の少なくとも1つの発光素子が間引かれており、
前記複数の基板の内のいずれか1つの基板と前記光学部品とを組み合わせた状態において、前記複数のレンズと前記複数の発光素子とがそれぞれ対応するように、共通化された配列で前記基板に前記複数の発光素子が実装されている照明装置。
【請求項5】
前記複数の発光素子は、
前記基板において、円形状に配置されており、前記基板の中心部から外方向に向かって放射状に配置されている請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記複数の発光素子は、
前記中心部を中心とした周方向に互いに間隔を空けて環状に配置されており、
環状に配置された前記複数の発光素子は、
前記基板の前記中心部から外方向に向かって複数の輪を形成するように配置されている請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記複数の基板の内のいずれか1つの基板が取り付けられるベース部と、
前記1つの基板を覆うように前記ベース部に取り付けられ、前記1つの基板及び前記複数の発光素子を保護するカバー部と、
を有し、
前記カバー部は、
前記光学部品を構成する請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光素子と発光素子が実装された基板とを有する光源モジュール及び照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子から照射された光の配光を、レンズ等の配光制御部材を用いて制御する照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、LEDが実装された基板を有する光源モジュールと、LEDの配光を制御する複数のレンズからなる配光制御部材とを備える照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に照明装置の光源モジュールは、光源の仕様が定まらない等の理由により、発光素子の直並列の仕様が決められない場合がある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するものであり、発光素子の直並列の仕様が決められない場合でも発光素子の粒数の変更等の、光源の仕様に柔軟に対応できる光源モジュール及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る光源モジュールは、複数の発光素子と、複数の発光素子が実装された基板と、を有し、複数の発光素子は、並列回路を構成するように複数の発光素子が並列に接続された発光素子群を複数形成し、それぞれ並列に接続された複数の発光素子を有する複数の発光素子群が、直列回路を1つのみ構成するように互いに接続され、発光素子群は、並列に接続された複数の発光素子の少なくとも1つの発光素子が間引かれているものである。
【0007】
本開示に係る照明装置は、それぞれ異なる数の複数の発光素子が実装された複数の基板の内、いずれか1つの基板が取り付けられる照明装置であって、複数の発光素子と、複数の発光素子が実装された基板であって、複数の基板の内のいずれか1つの基板と、複数の発光素子から出射された光の配光を制御する複数のレンズを有する光学部品と、を有し、複数の発光素子は、並列回路を構成するように複数の発光素子が並列に接続された発光素子群を複数形成し、それぞれ並列に接続された複数の発光素子を有する複数の発光素子群が、直列回路を1つのみ構成するように互いに接続されており、発光素子群は、並列に接続された複数の発光素子の少なくとも1つの発光素子が間引かれており、複数の基板の内のいずれか1つの基板と光学部品とを組み合わせた状態において、複数のレンズと複数の発光素子とがそれぞれ対応するように、共通化された配列で基板に複数の発光素子が実装されているものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示の光源モジュール及び照明装置を構成する複数の発光素子は、並列回路を構成するように複数の発光素子が並列に接続された発光素子群を複数形成し、複数の発光素子群は、直列回路を構成するように互いに接続されている。このため、光源モジュール及び照明装置は、発光素子群の直列数の間引きと、発光素子群を構成する発光素子の並列数の間引きとを組み合わせて細かな灯数の変更を容易に行うことができる。その結果、作業者は発光素子の直並列の仕様が決められない場合でも発光素子の粒数の変更等の光源の仕様に柔軟に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係る照明装置を説明する斜視図である。
【
図2】
図1の照明装置のカバー部が外れた状態を示す分解斜視図である。
【
図3】
図2に示す照明装置のカバー部の内面側を表した平面図である。
【
図5】
図4に示す光源モジュールにおける発光素子の回路を構成する部分概念図である。
【
図6】
図2に示す光源モジュールの他の例の平面図である。
【
図7】
図6に示す光源モジュールにおける発光素子の回路を構成する部分概念図である。
【
図8】発光素子の並列数が7列及び発光素子群の直列数が30列の光源モジュールに対して発光素子の並列数を減少させた場合の灯数と間引き箇所とをまとめた表を示す図である。
【
図9】
図8に基づき発光素子の間引く位置を示した光源モジュールの平面図である。
【
図10】発光素子の並列数が6列及び発光素子群の直列数が30列の光源モジュールの平面図である。
【
図11】発光素子の並列数が5列及び発光素子群の直列数が30列の光源モジュールの平面図である。
【
図12】発光素子の並列数が6列及び発光素子群の直列数が32列の光源モジュールに対して発光素子の並列数を減少させた場合の灯数と間引き箇所とをまとめた表を示す図である。
【
図13】
図12に基づき発光素子の間引く位置を示した光源モジュールの平面図である。
【
図14】発光素子の並列数が5列及び発光素子群の直列数が32列の光源モジュールの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態に係る光源モジュール及び照明装置等について図面等を参照しながら説明する。なお、明細書に示す構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。また、
図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、理解を容易にするために方向を表す用語あるいは向きを適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上用いる記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。方向あるいは向きを表す用語は、例えば、上、下、右、左、前、後、表または裏等がある。また、以下に説明する各図において、Z軸は上下方向を示し、Y軸は、左右方向すなわち横方向を示し、X軸は、前後方向すなわち奥行方向を示す。X軸、Y軸、Z軸は、直交しており、X軸と、Y軸とは水平方向であり、Z軸は垂直方向である。
【0011】
実施の形態.
[照明装置1]
図1は、実施の形態に係る照明装置1を説明する斜視図である。
図2は、
図1の照明装置1のカバー部7が外れた状態を示す分解斜視図である。まず、
図1及び
図2を参照して、実施の形態に係る照明装置1の全体構成を説明する。
【0012】
照明装置1は、照明空間を照明できる位置に設置され、照明空間を照らすものである。照明空間とは、照明装置1が設置される空間であり、例えば居住空間、倉庫等の空間、ビルあるいは公共施設等の空間、エレベータあるいは廊下等の共有空間、または、電車あるいは船舶等の乗り物内の空間等を意味している。
【0013】
照明装置1は、光源モジュール4とカバー部7とを有し光を出射させる光源ユニット2と、光源ユニット2が取り付けられる器具本体10と、器具本体10を天井または梁等の被取付部に取り付けるためのアーム3と、を備えている。照明装置1は、アーム3がボルト等の固定具(図示は省略)を用いて天井等の被取付部に取り付けられることによって、被取付部に設置される。また、照明装置1は、アーム3と器具本体10とに接続された接続部材30により、器具本体10がアーム3に対して奥行方向Xへ回転自在に保持されている。
【0014】
(アーム3)
アーム3は、例えば平板状の板金の両端が折り曲げられてU字状に形成された部材である。被取付部に取り付けられたアーム3は、器具本体10を吊り下げた状態で保持する。アーム3は、
図1及び
図2に示すように、器具本体10のベース部20と天板部22とを連結する支持金具6に固定される。
【0015】
(器具本体10)
器具本体10は、ベース部20と、ベース部20の一面側とは反対の他面側に設けられた複数の放熱フィン21と、複数の放熱フィン21を介してベース部20と対向配置される天板部22と、を備える。また、器具本体10は、天板部22に設けられ、光源モジュール4に電力を供給する電源装置5と、ベース部20と天板部22との外周の一部を覆うように配置され、ベース部20と天板部22とを連結する支持金具6と、を備える。また、器具本体10は、ベース部20に光源ユニット2が取り付けられる。
【0016】
(ベース部20)
ベース部20は、板状に形成されており、例えば、平板状に形成されている。ベース部20は、アルミニウム等の放熱性が良く、鉄等より軽い材料の板材がプレス加工等により曲げられて形成されている。器具本体10は、ベース部20の一面側となる照明空間の側には光源モジュール4の基板42が取り付けられており、ベース部20の他面側となる被取付部の側には放熱フィン21が取り付けられている。
【0017】
(支持金具6)
支持金具6は、アルミニウムまたはマグネシウム合金等の放熱性に優れた部材から形成されている。支持金具6は、一方の端部がベース部20と接続され、他方の端部が天板部22と接続される。支持金具6は、複数の放熱フィン21の外周を覆うように配置され、複数の放熱フィン21を介してベース部20と天板部22とを連結している。
【0018】
(放熱フィン21)
ベース部20の他面側には、
図1及び
図2に示すように、複数の放熱フィン21が設けられている。複数の放熱フィン21は、発光素子41から発生する熱を放散するものである。複数の放熱フィン21は、ベース部20の中心部を起点として放射状に配置され、周方向において等間隔で配置されている。ベース部20と複数の放熱フィン21とは、それぞれアルミニウムまたはマグネシウム合金等の放熱性に優れた材料で形成されている。ベース部20と複数の放熱フィン21とは、光源モジュール4により発生する熱が伝熱され、伝熱された熱を放散するヒートシンク8として機能する。放熱フィン21は、ベース部20と、天板部22との間に配置されている。
【0019】
(天板部22)
天板部22は、板状に形成されており、例えば、平板状に形成されている。器具本体10は、天板部22の一面側となる照明空間の側には放熱フィン21が配置されており、天板部22の他面側となる被取付部の側には電源装置5が取り付けられている。
【0020】
(電源装置5)
電源装置5は、外部から供給される電力を変換して発光素子41の点灯を制御する。電源装置5は、天板部22の放熱フィン21と接触する一面側とは反対の他面側に配置されている。電源装置5は、電源線(図示は省略)と接続され、当該電源線を介して外部から電力の供給を受ける。また、電源装置5は、複数の発光素子41と電気的に接続されており、外部から供給された電力を複数の発光素子41へと供給する。
【0021】
[光源ユニット2]
光源ユニット2は、ベース部20の一面側に設けられた光源モジュール4と、光源モジュール4の基板42に実装された複数の発光素子41の光が出射される方向に配設され、複数の発光素子41から出射された光の配光を制御するカバー部7と、を有する。
【0022】
(カバー部7)
カバー部7は、例えばポリカーボネート等の透光性を有する材料によって一体に形成されており、光源モジュール4を構成する発光素子41及び基板42を保護するものである。カバー部7は、光源モジュール4の複数の発光素子41を覆うようにベース部20に取り付けられる。カバー部7は、ねじ74によってベース部20の一面側に固定される。カバー部7は、Z軸方向においてベース部20の下方に位置するようにベース部20に固定される。
【0023】
カバー部7は、上方向側が開口する箱状のカバー主部71と、カバー主部71の開口の周部から水平方向XYに突出するカバー鍔部72とを有する。カバー鍔部72には、カバー部7をベース部20に固定する為にカバー貫通孔73が形成されている。
図1に示すように、カバー貫通孔73には、ねじ74が挿通される。
【0024】
図3は、
図2に示す照明装置1のカバー部7の内面側を表した平面図である。カバー部7は、光源モジュール4と対向するカバー主部71の内面に光学部品であるレンズ75が設けられている。複数のレンズ75は、複数の発光素子41のそれぞれと対向するように配置されている。レンズ75は、光源モジュール4に実装された発光素子41の光が出射される方向に配設され、発光素子41から出射された光を所定の配光に制御する。レンズ75は、カバー部7と一体に形成されているが、レンズ75とカバー部7とは別体として形成されてもよい。レンズ75と一体に形成されているカバー部7は、光学部品である。
【0025】
複数のレンズ75は、カバー部7の中心部76から放射状に設けられている。レンズ75は、カバー部7の中心部76を中心として環状に形成されている。複数のレンズ75は、例えば、
図3に示すように、7重の輪を形成するように配置されているが、レンズ75によって形成される輪の数は、7つに限定されるものではなく、8以上あってもよく、6以下であってもよい。レンズ75は、カバー部7の中心部76から放射状に設けられている例を図示したが、これに限らず発光素子41のそれぞれと対向する位置に形成されていればよい。レンズ75は、発光素子41の配置によって、例えば、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ複数列を形成するように形成されてもよい。
【0026】
(光源モジュール4)
図4は、
図2に示す光源モジュール4の平面図である。
図2及び
図4に示すように、ベース部20の一面側に配置される光源モジュール4は、複数の発光素子41を有する。また、光源モジュール4は、ベース部20の一面側に取り付けられ、複数の発光素子41が実装された基板42を有する。また、光源モジュール4は、
図2に示すように、電源装置5から内部配線43を介して供給される電力を複数の発光素子41へと伝達するためのコネクタ44を備える。
【0027】
基板42は、板状に形成された電子基板であり、例えば、平板状に形成されている。基板42の一方の面である実装面421には複数の発光素子41が実装されている。また、基板42には複数の発光素子41の電極を電気的に接続する図示を省略した配線用の導体が設けられている。なお、基板42は、平板状に形成された態様に限定されるものではなく、例えば、部分によって厚みが異なる形状であってもよく、凹凸が形成された形状であってもよい。
【0028】
基板42は、
図4では、略8角形の板状に形成されているが、基板42の形状は当該形状に限定されるものではなく、例えば、8角形以外の多角形状、あるいは、円形状等に形成されてもよい。基板42は、1枚の板で形成されてもよく、分割された複数の板によって形成されてもよい。基板42は、アルミニウムまたは樹脂で形成されている。
【0029】
複数の発光素子41は、複数のレンズ75のそれぞれと対向するように配置されている。発光素子41は、例えば表面実装型(SMD:Surface Mount Device)のLED素子で構成されるが、チップオンボード型(COB:Chip on board)のLEDモジュールでもよい。また、発光素子41は、固体レーザ素子、半導体レーザ素子または有機EL素子でもよい。発光素子41は光源である。発光素子41は、例えば半球状のレンズを有しており、照明装置1の下方となる発光素子41の正面方向と、照明装置1の側方となる発光素子41の側方とに発光した光を放射する。
【0030】
図5は、
図4に示す光源モジュール4における発光素子41の回路を構成する部分概念図である。なお、
図5の範囲THについては後述する。複数の発光素子41は、並列回路を構成するように複数の発光素子41が並列に接続された発光素子群141を形成する。複数の発光素子41は、複数の発光素子群141を形成する。また、複数の発光素子群141は、直列回路を構成するように互いに接続されている。
【0031】
図4に示す光源モジュール4は、
図5に示すように7つの発光素子41が並列に接続されて1つの発光素子群141を形成している。また、
図4に示す光源モジュール4は、
図5に示すように30個の発光素子群141が直列に接続されている。光源モジュール4の基板42は、複数の発光素子群141の直列配列が基板42の中心部45から外方向に向かうように複数の発光素子41が実装されている。
図4に示す光源モジュール4は、発光素子41の並列数が7列及び発光素子群141の直列数が30列であり、発光素子41による灯数が210個である。
図4に示すように、基板42には、上記の回路構成で構成された210個の発光素子41が実装されている。
【0032】
複数の発光素子41は、
図4に示すように、基板42において、仮想の円形RCの内部に位置するように円形状に配置されており、基板42の中心部45から外方向に向かって放射状に配置されている。なお、複数の発光素子41は、この態様に限定されるものではなく、例えば、多角形の形状内に位置するように、他の形状に配置されてもよい。また、発光素子41は、基板42の中心部45から放射状に設けられている例を図示したが、これに限らず、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ複数列を形成するように配置されてもよい。
【0033】
複数の発光素子41は、基板42の中心部45を中心とした周方向に互いに間隔を空けて環状に配置されている。環状に配置された複数の発光素子41は、基板42の中心部45から外方向に向かって複数の輪を形成するように配置されている。複数の発光素子41は、例えば、
図4に示すように、7重の輪を形成するように配置されているが、複数の発光素子41によって形成される輪の数は、7つに限定されるものではなく、8以上あってもよく、6以下であってもよい。
【0034】
図6は、
図2に示す光源モジュール4の他の例の平面図である。
図7は、
図6に示す光源モジュール4Aにおける発光素子41の回路を構成する部分概念図である。
図6に示す光源モジュール4Aは、基板42Aに実装された発光素子41の数が、
図4に示す光源モジュール4の基板42に実装された発光素子41の数と異なるものである。基板42Aに実装された発光素子41は、基板42に実装された発光素子41から18個の発光素子41が配置されておらず、基板42Aは、基板42と比較して18個の発光素子41が配置されていない。
【0035】
図6に示す光源モジュール4Aは、
図7に示すように6つの発光素子41が並列に接続されて1つの発光素子群141を形成している。また、
図6に示す光源モジュール4Aは、
図7に示すように32個の発光素子群141が直列に接続されている。
図6に示す光源モジュール4Aは、発光素子41の並列数が6列及び発光素子群141の直列数が32列であり、発光素子41による灯数が192個である。
図6に示すように、基板42Aには、上記の回路構成で構成された192個の発光素子41が実装されている。
【0036】
図4に示す光源モジュール4は、発光素子群141の直列数が30列であるのに対して、
図6に示す光源モジュール4Aは、発光素子群141の直列数が32列である。光源モジュール4及び光源モジュール4Aは、発光素子群141の直列数を変更することで容易に光源の灯数を変更することができる。光源モジュール4及び光源モジュール4Aは、配光特性がほぼ同一となるように構成されている。
【0037】
光源モジュール4と光源モジュール4Aとは、発光素子群141の直列の数が2つ異なるが、電源変換効率が最もよい電圧(VF)で使用するために、発光素子群141の直列の数が2つ異なるように構成されている。ただし、光源モジュール4と光源モジュール4Aとにおける発光素子群141の直列の数の違いは2つに限定されるものではない。光源モジュール4と光源モジュール4Aとは、電源あるいは光源等の仕様によって発光素子群141の直列の数が異なる。
【0038】
図8は、発光素子41の並列数が7列及び発光素子群141の直列数が30列の光源モジュール4に対して発光素子41の並列数を減少させた場合の灯数と間引き箇所とをまとめた表を示す図である。
図9は、
図8に基づき発光素子41の間引く位置を示した光源モジュール4の平面図である。ここでは
図5の範囲THで示すように、光源モジュール4は、光源あるいは電源等の仕様によって、発光素子群141のそれぞれにおいて、並列に接続された複数の発光素子41の1つが間引かれる。なお、発光素子群141のそれぞれから間引かれる発光素子41の数は1つに限定されるものではない。また、ここで使用する「間引く」とは発光素子41を基板42に「実装しない」ことをいう。
【0039】
図8及び
図9において、位置A及び位置Bは、発光素子41の並列数が7列及び発光素子群141の直列数が30列の光源モジュール4に対して、発光素子41の並列数を減少させた場合において発光素子41が間引かれる位置を示している。すなわち、
図8の「Aを間引く」とは、
図9の基板42の位置Aに発光素子41を実装しないことを示しており、「A+Bを間引く」とは、
図9の基板42の位置A及び位置Bに発光素子41を実装しないことを示している。
【0040】
より詳細には、「位置A」は、発光素子41の並列数が6列及び発光素子群141の直列数が30列の光源モジュール4の基板42において発光素子41が実装されていない位置を示しており、発光素子41の並列数が7列の基板42に対して発光素子41が間引かれる位置を示している。「位置A+位置B」は、発光素子41の並列数が5列及び発光素子群141の直列数が30列の光源モジュール4の基板42において発光素子41が実装されていない位置を示しており、発光素子41の並列数が7列の基板42に対して発光素子41が間引かれる位置を示している。なお、
図8以降に示す発光素子41を間引く位置は一例であり、光源あるいは電源等の仕様によって当該位置に限定されるものではない。
【0041】
図10は、発光素子41の並列数が6列及び発光素子群141の直列数が30列の光源モジュール4B1の平面図である。
図10は、
図9の位置Aの位置の発光素子41を間引いた光源モジュール4B1を示している。
図11は、発光素子41の並列数が5列及び発光素子群141の直列数が30列の光源モジュール4B2の平面図である。
図11は、
図9の位置A及び位置Bの位置の発光素子41を間引いた光源モジュール4B2を示している。
【0042】
実施の形態の発光素子41は、基板42において中心部45から外方向に向かって7重の輪を形成するように配置されている。
図9の位置A及び
図10に示すように、並列数が6列の光源モジュール4は、並列数が7列の光源モジュール4と比較して、中心部45から外方向に向かって、3番目から5番目の発光素子41によって形成される輪の中の発光素子41が間引かれている。発光素子41が間引かれる位置Aの位置は、並列数が7列の光源モジュール4と並列数が6列の光源モジュール4との関係において、光源モジュール4の配光特性がほぼ同一となるように構成されている。
【0043】
並列数が6列の光源モジュール4の基板42において、中心部45から外方向に向かって3番目に位置する輪を形成する発光素子41は、並列数が7列の光源モジュール4の基板42と比較して、周方向において6つの発光素子41が間引かれている。基板42は、当該3番目の発光素子41の輪の位置では、周方向において隣り合う位置Aと位置Aとの間に3つの発光素子41が実装されている。
【0044】
並列数が6列の光源モジュール4の基板42において、中心部45から外方向に向かって4番目に位置する輪を形成する発光素子41は、並列数が7列の光源モジュール4の基板42と比較して、周方向において6個の発光素子41が間引かれている。基板42は、当該4番目の発光素子41の輪の位置では、周方向において隣り合う位置Aと位置Aとの間に4つの発光素子41が実装されている。
【0045】
並列数が6列の光源モジュール4の基板42において、中心部45から外方向に向かって5番目に位置する輪を形成する発光素子41は、並列数が7列の光源モジュール4の基板42と比較して、周方向において18個の発光素子41が間引かれている。基板42は、当該5番目の発光素子41の輪の位置では、周方向において隣り合う位置Aと位置Aとの間に1つの発光素子41が実装されている。
【0046】
図9の位置B及び
図11に示すように、並列数が5列の光源モジュール4は、並列数が6列の光源モジュール4と比較して、中心部45から外方向に向かって、2番目、6番目及び7番目の発光素子41によって形成される輪の中の発光素子41が間引かれている。発光素子41が間引かれる位置Bの位置は、並列数が6列の光源モジュール4と並列数が5列の光源モジュール4との関係において、光源モジュール4の配光特性がほぼ同一となるように構成されている。
【0047】
図12は、発光素子41の並列数が6列及び発光素子群141の直列数が32列の光源モジュール4Aに対して発光素子41の並列数を減少させた場合の灯数と間引き箇所とをまとめた表を示す図である。
図13は、
図12に基づき発光素子41の間引く位置を示した光源モジュール4Aの平面図である。
図14は、発光素子41の並列数が5列及び発光素子群141の直列数が32列の光源モジュール4Cの平面図である。
図14は、
図13の位置Cの位置の発光素子41を間引いた光源モジュール4Cを示している。ここでは、
図7の範囲THで示すように、光源モジュール4Cは、光源あるいは電源等の仕様によって、発光素子群141のそれぞれにおいて、並列に接続された複数の発光素子41の1つが間引かれる。なお、発光素子群141のそれぞれから間引かれる発光素子41の数は1つに限定されるものではない。
【0048】
図12及び
図13において、位置Cは、発光素子41の並列数が6列及び発光素子群141の直列数が32列の光源モジュール4Aに対して、発光素子41の並列数を減少させた場合において発光素子41が間引かれる位置を示している。すなわち、
図12の「Cを間引く」は、
図13の基板42Aの位置Cに発光素子41を実装しないことを示している。
【0049】
実施の形態の発光素子41は、基板42Aにおいて中心部45から外方向に向かって7重の輪を形成するように配置されている。
図12及び
図9を用いて、発光素子41の並列数が6列及び発光素子群141の直列数が32列の光源モジュール4Aと、発光素子41の並列数が7列及び発光素子群141の直列数が30列の光源モジュール4とを比較する。光源モジュール4Aは、光源モジュール4と比較して中心部45から外方向に向かって、5番目の発光素子41によって形成される輪の中の発光素子41が配置されていない。発光素子41が配置されない位置は、光源モジュール4と光源モジュール4Aとの配光特性がほぼ同一となるように構成されている。
【0050】
光源モジュール4Aの基板42Aにおいて、中心部45から外方向に向かって5番目に位置する輪を形成する発光素子41は、光源モジュール4の基板42と比較して、周方向において18個の発光素子41が配置されていない。基板42Aは、当該5番目の発光素子41の輪の位置では、周方向において隣り合う位置A(
図9参照)に相当する位置の間に1つの発光素子41が配置されている。
【0051】
ここで
図13の位置C及び
図14を用いて、並列数が5列の光源モジュール4Aと、並列数が6列の光源モジュール4Aとを比較する。
図13の「位置C」は、発光素子41の並列数が5列及び発光素子群141の直列数が32列の光源モジュール4の基板42Aにおいて発光素子41が実装されていない位置を示しており、発光素子41の並列数が6列の基板42Aに対して発光素子41が間引かれる位置を示している。
【0052】
並列数が5列の光源モジュール4Aは、並列数が6列の光源モジュール4Aと比較して、中心部45から外方向に向かって、2番目から4番目及び6番目の発光素子41によって形成される輪の中の発光素子41が間引かれている。発光素子41が間引かれる位置Cの位置は、並列数が6列の光源モジュール4Aと並列数が5列の光源モジュール4Aとの関係において、光源モジュール4Aの配光特性がほぼ同一となるように構成されている。
【0053】
光源モジュール4及び光源モジュール4Aは、並列回路を構成するように複数の発光素子41が並列に接続された発光素子群141を有している。光源モジュール4及び光源モジュール4Aは、発光素子群141を構成する発光素子41の並列数を変更することで容易に光源の灯数を変更することができる。光源モジュール4及び光源モジュール4Aは、発光素子41の並列数を減らす際に、円周上の隣り合う発光素子41を連続して間引かないように配置設計することによってアピアランス、あるいは、温度試験への影響を抑えることができる。
【0054】
図8~
図14に示す光源モジュール4を構成する基板42及び光源モジュール4Aを構成する基板42Aのように、
図1に示す照明装置1は、複数の発光素子41が実装された複数の基板42を有する。なお、以下の説明では、発光素子41の実装状態が異なる基板の総称として基板42を用いる。
【0055】
基板42あるいは基板42A等の複数の基板42は、それぞれ異なる数の複数の発光素子41が実装されている。複数の基板42の内のいずれか1つの基板42と光学部品とを組み合わせた状態において、複数のレンズ75と複数の発光素子41とがそれぞれ対応するように、共通化された配列で複数の基板42に複数の発光素子41が実装されている。
【0056】
図1に示す照明装置1は、ベース部20に複数の基板42の内のいずれか1つの基板42が取り付けられる。そして、光学部品であるカバー部7は、当該1つの基板42を覆うようにベース部20に取り付けられ、当該1つの基板42及び複数の発光素子41を保護する。
【0057】
[光源モジュール4及び光源モジュール4Aの作用効果]
光源モジュール4等の複数の発光素子41は、並列回路を構成するように複数の発光素子41が並列に接続された発光素子群141を複数形成し、複数の発光素子群141は、直列回路を構成するように互いに接続されている。このため、光源モジュール4及び光源モジュール4Aは、発光素子群141の直列数の間引きと、発光素子群141を構成する発光素子41の並列数の間引きとを組み合わせて細かな灯数の変更を容易に行うことができる。その結果、新規光源で直並列の仕様が決められない時、量産後に、発光素子41を間引きたい用途が出た場合等に作業者は、発光素子41の粒数の変更等の光源の仕様に柔軟に対応でき、また、容易に設計変更等の対応をとることができる。
【0058】
また、光源モジュール4及び光源モジュール4Aは、発光素子41の並列数が減少するように発光素子41を間引くことによって、ジャンパー抵抗等の追加部品が不要となるという利点を有する。
【0059】
また、光源モジュール4及び光源モジュール4Aの発光素子41は、基板42及び基板42Aの中心部45から外方向に向かって放射状に配置されている。また、光源モジュール4及び光源モジュール4Aの発光素子41は、基板42及び基板42Aの中心部45から外方向に向かって複数の輪を形成するように配置されている。光源モジュール4及び光源モジュール4Aは、当該構成により発光素子41を実装しない位置を細かく設定することができる。
【0060】
[照明装置1の作用効果]
照明装置1の複数の発光素子41は、並列回路を構成するように複数の発光素子41が並列に接続された発光素子群141を複数形成し、複数の発光素子群141は、直列回路を構成するように互いに接続されている。このため、照明装置1は、発光素子群141の直列数の間引きと、発光素子群141を構成する発光素子41の並列数の異なる複数の基板42とを組み合わせて細かな灯数の変更を容易に行うことができる。その結果、新規光源で直並列の仕様が決められない時、量産後に、発光素子41を間引きたい用途が出た場合等に作業者は、発光素子41の粒数の変更等の光源の仕様に柔軟に対応でき、また、容易に設計変更等の対応をとることができる。また、照明装置1は、当該構成を有することによって、上述した光源モジュール4等と同様の効果を発揮させることができる。
【0061】
また、照明装置1は、複数のレンズ75と複数の発光素子41とがそれぞれ対応するように、共通化された配列で複数の基板42に複数の発光素子41が実装されている。そのため、照明装置1は、複数の基板42において光源の配置が共通化されており、複数の基板42に対してレンズ75を共通に使用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 照明装置、2 光源ユニット、3 アーム、4 光源モジュール、4A 光源モジュール、4B1 光源モジュール、4B2 光源モジュール、4C 光源モジュール、5 電源装置、6 支持金具、7 カバー部、8 ヒートシンク、10 器具本体、20 ベース部、21 放熱フィン、22 天板部、30 接続部材、41 発光素子、42 基板、42A 基板、43 内部配線、44 コネクタ、45 中心部、71 カバー主部、72 カバー鍔部、73 カバー貫通孔、74 ねじ、75 レンズ、76 中心部、141 発光素子群、421 実装面、RC 円形、TH 範囲。