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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】ガス充填装置
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/00 20060101AFI20241101BHJP
   F17C 5/06 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
F17C13/00 301C
F17C5/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020171031
(22)【出願日】2020-10-09
(65)【公開番号】P2022062863
(43)【公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000158312
【氏名又は名称】岩谷産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】矢野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】広谷 龍一
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-133825(JP,A)
【文献】特開平09-328060(JP,A)
【文献】特開平09-226895(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0361999(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02147892(EP,A1)
【文献】特開2002-187531(JP,A)
【文献】特開2009-062157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 13/00
F17C 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、前記筐体から延びる充填ホースを備えたガス充填装置であって、
前記筐体の上部に、前記充填ホースの基端側部分を収めるホース支持部が形成され、
前記ホース支持部が、前記充填ホースの基端側部分を添わせて支持するとともに、前記ホース支持部の先端を平面視において前記筐体に近い収納位置と、充填作業位置に向けて延びる飛び出し位置とに移動する可動機構を備え、
前記充填ホースにおける基端側部分より先の先端側部分を前記ホース支持部の先端から垂れ下げた
ガス充填装置。
【請求項2】
前記飛び出し位置が前記筐体との間に人体が通れる空間を形成するものであり、
前記ホース支持部の先端から垂れ下がる前記充填ホースの先端側部分の長さが、前記ホース支持部が飛び出し位置にあるときに、路面やアイランドとの接触を回避する長さである
請求項1に記載のガス充填装置。
【請求項3】
前記可動機構が、前記ホース支持部上下方向に傾動可能にするものである
請求項1または請求項2に記載のガス充填装置。
【請求項4】
前記可動機構が、前記ホース支持部水平方向に回転可能にするものである
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のガス充填装置。
【請求項5】
前記可動機構が、前記ホース支持部の先端前記筐体から離れる方向に進退可能にするものである
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のガス充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水素ステーション(水素スタンド)などに設置されてガスの高圧充填を行うガス充填装置、いわゆるディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に対してガスの高圧充填を行うガス充填装置では、安全性を確保するため様々な制約がある。例えば筐体から延びる充填ホースは長くできない。これは、ひとつには磨耗等による充填ホースの損傷を防止するためであり、垂れ下がった部分がアイランドの表面などに徒に接触しないようにされている。また、充填ホースは高圧充填を行うものであるので、その柔軟性は通常のホースに比べて低い。
【0003】
このため、図6に示したように、ガス充填に際してガス充填装置101の充填ホース102を延ばせる範囲、言い換えれば充填ホース102の先端のノズル103を接続できる領域は限定的になってしまう。このような理由から、充填対象である自動車M1,M2はガス充填装置101に近い所定の位置に寄せて停車させなければならない。つまり、ガス充填装置101と停車された自動車M1,M2との間が狭いうえに、停車位置に厳密さが要求される。
【0004】
図6の(a)は自動車M1,M2の長手方向から見たガス充填装置101周辺の側面図、図6の(b)はその平面図である。図中、104は路面に描かれた停車位置を示す囲み線であり、小さい囲み線104aは普通車用のものを、大きい囲み線104bは大型車用のものを示している。自動車等の衝突防止用の保護柵は、図示の便宜上省略している。
【0005】
自動車が普通車(図6のM1参照)であれば、範囲が限定された所定の位置に停車させることは、切り返しや幅寄せのためのスペースを大きくとらなくても、さほど困難ではない。しかし、自動車が大型バス(図6のM1参照)などである場合には、定められた所定の停車位置に停車させるために、切り返しや幅寄せをしなければならず、そのための広いスペースを設ける必要がある。つまり、水素ステーション等の設置に際してガス充填装置101のそばに切り返しや幅寄せのためだけの場所が必要であって、広大な敷地が必要となっていた。
【0006】
これまで、下記特許文献1、2のように、操作性を向上するために重量のあるノズルを案内する技術は提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第3873279号公報
【文献】特開2016-75372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、前述のようなガス充填装置の周辺のスペースを小さくしようとするものはなかった。
【0009】
また、充填ホースの基端は筐体の側面に接続されているため、ノズルを充填作業位置に停車させた自動車の充填口に接続すると、充填ホースは筐体と自動車の間に延びることになる。延びる充填ホースの高さは、人体の腰ほどの高さである。しかし、筐体の自動車側の面には操作パネルが設けられているので、充填作業をする人間にとって充填ホースは否応なく干渉することになる。このため、移動に際して跨いだりする必要がある。
【0010】
そこでこの発明は、充填可能領域を広くすることでガス充填装置の設置に際して必要な面積を小さくするとともに、安全性の向上を図って、水素ステーション等の普及に貢献することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのための手段は、筐体と、前記筐体から延びる充填ホースを備えたガス充填装置であって、前記筐体の上部に、前記充填ホースの基端側部分を収めるホース支持部が形成され、前記ホース支持部が、前記充填ホースの基端側部分を添わせて支持するとともに、前記ホース支持部の先端を平面視において前記筐体に近い収納位置と、充填作業位置に向けて延びる飛び出し位置とに移動する可動機構を備え、前記充填ホースにおける基端側部分より先の先端側部分を前記ホース支持部の先端から垂れ下げたガス充填装置である。
【0012】
この構成では、筐体に形成されたホース支持部が充填ホースの基端側部分を支えるとともに、充填ホースの先端側部分を充填作業位置に近づける。充填ホースの先端側部分はホース支持部の先端を起点に前後左右上下に移動可能である。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、筐体の側面から延びる充填ホースに比べて、充填ホースの先端を接続できる領域は広い。このため、充填作業位置、つまり充填対象である自動車等の停車位置にばらつきがあってもよく、切り返しや幅寄せの難易度を下げるとともに、ガス充填装置のそばに必要な面積を小さくすることができる。
【0014】
したがって、水素ステーション等の設置に必要な面積を小さくして、水素ステーション等の普及に貢献することが可能である。
【0015】
しかも、ガス充填装置と充填作業位置との間の空間を広くとることができるので、自動車がガス充填装置に対して衝突することを距離の点から抑制し、安全性を高めることができる。
【0016】
また、ホース支持部は筐体の上部に形成されるので、筐体と充填作業位置との間に充填ホースのない人体が自由に行き来できる空間を設けることができる。このため、従来不可避であった充填ホースと人体との干渉をなくして、充填作業に際して充填ホースを跨いだり踏みつけたりすることがないようにできる。つまり、充填作業の容易化とともに、充填ホースの保護を図ることも可能であり、安全性を向上できる。この点からも、水素ステーション等の普及に貢献することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ガス充填装置とこれを設置した部分の側面図。
図2】ガス充填装置の平面図。
図3】他の例に係るガス充填装置とこれを設置した部分の側面図。
図4】他の例に係るガス充填装置とこれを設置した部分の側面図。
図5】他の例に係るガス充填装置の側面図。
図6】従来のガス充填装置とこれを設置した部分の側面図、及びその平面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
【0019】
ガス充填装置は、ガスを高圧で充填するものであり、この例では、水素ステーションにおいて自動車に対して水素ガスを充填するガス充填装置11について説明する。
【0020】
図1はガス充填装置11とこれを設置した部分の側面図であり、図2はガス充填装置11の平面図である。
【0021】
ガス充填装置11は、筐体12と、筐体12から延びる充填ホース13を備えている。筐体12内には、プレクーラから供給された水素ガスの自動車M1,M2への充填量を計測する充填機構(図示せず)が備えられている。筐体12における正面12a、つまり充填対象である自動車M1,M2を停車させる充填作業位置Pに対向する面には、充填機構を操作するための操作パネル(図示せず)が設けられている。
【0022】
筐体12の高さは人体の身長よりも高く、例えば2メートル程度の高さに形成されている。
【0023】
なお、ガス充填装置11は路面Gよりも所定高さ高いアイランドHの上に設置されて安全が図られる。また、アイランドHの周囲には、図示を省略するが自動車M1,M2の衝突を防止する保護柵やポールが設置され、これによっても安全が図られている。
【0024】
筐体12はその上部にホース支持部14を有している。ここで、「筐体の上部」とは、筐体12が人間に身長と比較して同等かそれよりも高いことを前提にした表現であって、身長に鑑みて高い位置のことである。筐体12の高さが身長よりもはるかに高い場合には、筐体12の上下方向の中間にホース支持部14を備えることができる。
【0025】
ホース支持部14は、充填ホース13の長手方向の基端側部分13aを沿わせて支持し、充填ホース13を充填作業位置Pに向けて延ばすものである。充填ホース13のうち、ホース支持部14に支持された基端側部分13aよりも先の先端側部分13bは、自由に変形できる状態であり、通常は重力に従ってホース支持部14の先端14aから垂れ下がることになる。
【0026】
ホース支持部14は、常態において充填作業位置Pに向けて飛び出した態様のものであってもよいが、この例では可動式に構成されている。すなわち、ホース支持部14は、その先端14aを平面視において筐体12に近い収納位置と、充填作業位置Pに向けて延びる飛び出し位置とに移動する可動機構15を備えている。
【0027】
可動機構15を備えたホース支持部14は、上下方向に傾動可能であるとともに、水平方向に回転可能である。具体的には、ホース支持部14は、筐体12の上面に取り付けられる基台部41と、基台部41から上方に延びるアーム部42を有している。
【0028】
基台部41は、筐体12の上面で水平方向に自由に回転できるように回転機構部15aを介して取り付けられている。基台部41の回転範囲は、筐体12の正面12aに対して直角となる向きを中心に左右に適宜の範囲であればよく(図2の仮想線参照)、必要に応じて基台部41には、回転を規制する適宜の手段を備えてもよい。
【0029】
アーム部42は、所望の長さの筒状に形成されており、下端が基台部41に対して枢着部15bを介して固定されている。アーム部42の長さは適宜設定されるが、その長さは、アーム部42を水平に倒したときにアーム部42の先端14aと筐体12の正面12aとの間に少なくとも人体が通れる空間を形成できる長さ以上の適宜長さである。
【0030】
アーム部42の傾動範囲は、鉛直上方に近い位置から水平までの90度弱の範囲である。アーム部42の下端近傍には、アーム部42を水平に倒した姿勢に位置固定するとともに、基台部41に対して常態においてアーム部42を立てる姿勢規制手段(図示せず)を備えている。姿勢規制手段は、アーム部42が起立するときの力を補助するガススプリングや、アーム部42を倒すときに跳ね上げのためのばね力を蓄積するスプリングなどを用いて構成できる。姿勢規制手段は、充填ホース13の先端側部分13bを引っ張ってアーム部42を水平に倒したときにその状態を保持し、再度倒す方向に力を加えることによって姿勢規制手段はアーム部42を起立させる。
【0031】
アーム部42の先端部における下面には、充填ホース13を引き出す開口14bが形成されている。充填ホース13の先端側部分13bの長さは、アーム部42が水平に倒れたときに充填ホース13の先端のノズル13cが路面GやアイランドHに接しないように設定される。
【0032】
図1に示したように、アーム部42を起立させたときに充填ホース13のノズル13cは筐体12に近づくことになるので、筐体12の所定位置には、ノズル13cを保持するホルダ(図示せず)が設けられる。
【0033】
なお、図示は省略するが、前述した自動車M1,M2の衝突を防止する保護柵やポールは、路面Gにおける水平姿勢のアーム部42の先端14aに対応する位置に設置か、それよりもガス充填装置11から離れた位置に設置するとよい。大型車を停車させる場合でもアーム部42と自動車M2との接触を防止できるからである。
【0034】
以上のように構成されたガス充填装置11は次のように使用される。
【0035】
図1に実線で示したように起立した収納位置にあるアーム部42から垂下している充填ホース13の先端側部分13bを引っ張って水平の飛び出し位置にする。また、これと同時にまたは別に、充填ホース13の引っ張りによって基台部41を適宜の回転姿勢にして、自動車M1,M2の充填口(図示せず)にノズル13cを接続する。
【0036】
筐体12の操作パネルから充填開始ボタンを押して充填を行い、所定の充填後に、ノズル13cを充填口から外し、アーム部42を起立させる。
【0037】
充填ホース13の先端、つまりノズル13cは、充填作業位置Pに向けて飛び出し左右に回転可能なホース支持部14の先端14a位置を基準にして前後左右上下の幅広い領域に移動可能である。このため、自動車M1,M2の停車位置が図1に実線で示した位置はもちろんのこと、一点鎖線で示したようなガス充填装置11から離れた位置でも、またガス充填装置11に対して前後にずれた位置でも、充填が可能である。つまり、自動車M1,M2の停車位置に厳格さは必要なく、切り返しや幅寄せに必要な空間を削減できる。停車位置をガス充填装置11から離すこともできる。
【0038】
充填ホース13には高圧のガスが流れるため高い圧力がかかるが、充填ホース13の基端側部分13aはホース支持部14で支持されているので、安全に充填作業が行える。
【0039】
また、充填作業に際してガス充填装置11の筐体12における自動車M1,M2に対向する面である正面12aに操作パネルがあるので、その前を移動する必要が生じる。しかし、充填ホース13の基端側部分13aは筐体12の上端に設けられたホース支持部14に支持されているため、筐体12の正面12aの前には充填ホース13の存在しない空間を形成できる。この結果、従来のように充填ホース13を跨いだり踏みつけたりするおそれはなく、充填ホース13を不測に引っかけてしまったり、充填ホース13に磨耗や変形を起こさせてしまったりすることを防止でき、これまでにない安全対策となる。
【0040】
さらに、ホース支持部14の先端14aから垂れ下がる充填ホース13の先端側部分13bの長さは、充填作業時、つまりホース支持部14が飛び出し位置にあるときに、路面GやアイランドHに接しない長さに設定されている。このため、ノズル13cを不測に落下させて損傷させるおそれをなくすことができ、この点でも安全対策を講じることができる。
【0041】
以上のように、充填可能領域を広くすることができて、ガス充填装置11の設置に際して必要な面積を小さくすることができる。そのうえ、充填作業に際しての安全性の向上を図ることもでき、水素ステーション等の普及に大いに貢献することができる。
【0042】
以下、その他の例について説明する。この説明において、前述の構成と同一の部位について同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0043】
図3のガス充填装置11は、ホース支持部14の先端14aが筐体12から離れる方向に進退可能となるように構成したものであり、ホース支持部14をケーブルコンベア43で構成した例である。
【0044】
筐体12は上部に、筐体12の前後方向に長い収納ケース44を備え、この収納ケース44にホース支持部14が内蔵されている。収納ケース44は少なくとも筐体12の正面側の端と下面が開放された箱状である。
【0045】
ホース支持部14を構成するケーブルコンベア43は、充填ホース13の基端側部分13aを収められる長さであり、一方向に屈曲自在な長尺状である。ケーブルコンベア43の長手方向の一端である固定端43aは、収納ケース44内の上部における正面側とは反対の後方に固定されている。ケーブルコンベア43は長手方向の中間部が、収納ケース44の正面側において下方に向けてU字状に屈曲されて、長手方向の他端である移動端43bは収納ケース44うちの下部を後方に向けて延びている。
【0046】
移動端43bは、可動機構15に接続されている。すなわち、収納ケース44内の下端部で前後方向に延びるガイドレール15cと、ガイドレール15c上を走行する移動ユニット15dを可動機構15として備え、移動端43bは移動ユニット15dに結合されている。ガイドレール15cは、収納ケース44の正面側から前方に延びて突出している。その突出長さは、移動端43bをガイドレール15cの先端に移動させたときにその先端位置と筐体12との間に少なくとも人体が通る空間を形成できる長さであって、充填ホース13の先端側部分13bを移動させたい所望長さである。
【0047】
また、移動ユニット15dは操作パネルからの操作で駆動するように構成されている。
【0048】
このような構成のホース支持部14を備えたガス充填装置11では、充填ホース13のノズル13cを筐体12から外してから、操作パネルを操作して移動ユニット15dを充填作業位置Pに向けて移動させる。このあと、充填ホース13のノズル13cを自動車M1,M2の充填口に接続して、充填を実行する。
【0049】
水素の充填後は、ノズル13cを充填口から外して移動ユニット15dを駆動し、充填ホース13の先端側部分13bを筐体12の後方に向けて移動する。
【0050】
このような構成のガス充填装置11においても前述例と同様の効果を有する。
【0051】
図4のガス充填装置11は、図3に示した構成と同様にホース支持部14をケーブルコンベア43で構成した例である。図3の構成と相違するのは、ケーブルコンベア43の取り付け方を相違させて充填ホース13の長さを短くしている点である。
【0052】
すなわち、ケーブルコンベア43の固定端43aを収納ケース44内の下部における正面側に固定し、移動端43bを常態において収納ケース44内の上部における正面側に位置させている。このとき、充填ホース13の先端側部分13bを垂下させる移動端43bが固定端43aよりも前にせり出すとともに、移動端43bの位置がノズル13cを筐体12の正面12aに近づける位置となるように設定される。
【0053】
ガイドレール15cは収納ケース44の天井面に設けられ、収納ケース44よりも所望長さ前方に突出している。
【0054】
このような構成のガス充填装置11においても前述例と同様の効果を有する。そのほか、ケーブルコンベア43の移動端43bを正面側における上に位置させることによって、充填ホース13における筐体12に重なる部分、つまり基端側部分13aの長さを図3の構成に比べて短くできる利点がある。
【0055】
図5のガス充填装置11は、図1のホース支持部14と図3のホース支持部14を融合させた構成である。すなわち、ケーブルコンベア43からなるホース支持部14と移動ユニット15dを有する可動機構15を内蔵した収納ケース44を、筐体12の上端面に回転機構部15aを介して取り付けた基台部41に対して枢着部15bを介して傾動可能に固定している。収納ケース44の下端近傍には、収納ケース44を水平に倒した姿勢に位置固定するとともに、常態において収納ケース44を基台部41に対して立てる姿勢規制手段(図示せず)を備えている。
【0056】
このような構成のガス充填装置11においては、ホース支持部14が上下方向に傾動可能であるとともに水平方向に回転可能であって、さらにホース支持部14の先端14a(移動端43b)が進退可能である。このため、コンパクトながらもノズル13cの接続可能領域をより広くすることができる。
【0057】
このほか、ホース支持部14は上下方向の傾動のみ、又は水平方向の回転のみ可能な構成としてもよい。
【符号の説明】
【0058】
11…ガス充填装置
12…筐体
13…充填ホース
13a…基端側部分
13b…先端側部分
14…ホース支持部
14a…先端
15…可動機構
43b…移動端
P…充填作業位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6