(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】組織切除器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/3205 20060101AFI20241101BHJP
【FI】
A61B17/3205
(21)【出願番号】P 2020179498
(22)【出願日】2020-10-27
【審査請求日】2023-10-26
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ジェイ. ウッド
(72)【発明者】
【氏名】ダリア レイボウィッツ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター マーシャル
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0028212(US,A1)
【文献】特表2016-530007(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0008541(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/3205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織切除デバイスのエンドエフェクタアセンブリであって、
前記エンドエフェクタアセンブリは、
外側シャフトであって、
前記外側シャフトは、前記外側シャフトの近位端部分の周囲に
配置されているハブハウジングを含む、外側シャフトと、
前記外側シャフト内に
配置されている内側シャフトであって、前記内側シャフトは、前記外側シャフトに対して回転可能
であり、前記内側シャフトは、前記内側シャフトの近位端部分の周囲に
配置されている太陽歯車を含む、内側シャフトと、
前記ハブハウジング内に回転可能に
配置されている駆動アセンブリ
と
を備え、
前記駆動アセンブリ
は、
前記太陽歯車の遠位
で前記内側シャフトの周囲に回転可能に
配置されている第1のドライバと、
前記太陽歯車の近位
で前記内側シャフトの周囲に回転可能に
配置されている第2のドライバと、
複数の遊星歯車であって、
前記複数の遊星歯車は、前記太陽歯車に噛み合った係合で
前記太陽歯車の周囲に半径方向に
配置されており、前記複数の遊星歯車の各遊星歯車
は、前記第1のドライバと前記第2のドライバとの間に延在する支柱上に回転可能に取り付けられている、複数の遊星歯車と、
前記複数の遊星歯車および前記太陽歯車の近位に位置決めされているロッキングクリップであって、
前記ロッキングクリップは、前記第2のドライバに回転的にピン留めされており、
かつ、少なくとも1つのスナップ嵌め係合を介して前記第1のドライバ
に係合
されており、これにより、前記第1のドライバおよび前記第2のドライバ
および前記複数の遊星歯車
および前記太陽歯車を互い
に動作可能な係合で保持し
、前記第2のドライバに提供される回転入力
は、前記第1のドライバ
の回転および前記複数の遊星歯車
の回転および前記太陽歯車の回転を駆動し
、これにより、前記内側シャフトの回転を駆動する、ロッキングクリップ
と
を含む、エンドエフェクタアセンブリ。
【請求項2】
前記ハブハウジング
は、前記ハブハウジングの内面上に
配置されているリング歯車を含み、前記複数の遊星歯車
は、前記リング歯車と噛み合った係合で
配置されている、請求項1に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項3】
前記第2のドライバに提供される前記回転入力
は、前記回転入力の入力速度とは異なる出力速度で前記内側シャフトの回転を駆動する、請求項1に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項4】
前記駆動アセンブリは、第3のドライバをさらに含み、前記第3のドライバの一部分
は、前記第2のドライバの一部分に対して固定された回転配向で
前記第2のドライバの前記一部分の周囲に摺動可能に
配置されており、前記第3のドライバの回転
は、前記回転入力を前記第2のドライバ
に提供する、請求項1に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のドライバ
は、前記第1のドライバの内部に画定され
たらせん状チャネルを含み、前記ハブハウジング
は、前記らせん状チャネル内に係合
されているカムフォロアを含み
、前記第2のドライバに提供される前記回転入力
は、前記内側シャフトの回転および往復運動を駆動する、請求項1に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項6】
前記駆動アセンブリは、第3のドライバをさらに含み、前記第3のドライバ
は、前記第2のドライバに対して固定された回転配向で
前記第2のドライバの周囲に摺動可能に
配置されており、前記第3のドライバの回転
は、前記回転入力を前記第2のドライバ
に提供し、前記第1のドライバおよび前記第2のドライバ
は、前記第3のドライバに対して往復運動するように構成されている、請求項5に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項7】
前記内側シャフト
は、前記内側シャフトの近位端の周囲に
配置されている封止部を含み、前記封止部
は、前記第2のドライバが前記第3のドライバ内で往復運動する際、前記第3のドライバに選択的に接触
することにより、前記内側シャフトの前記近位端を封止するように構成されている、請求項
6に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項8】
前記外側シャフト
は、前記外側シャフトの閉じた遠位端に向かって窓を画定し、前記内側シャフト
は、開放遠位端を画定する、請求項1に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項9】
前記外側シャフトの前記窓または前記内側シャフトの前記開放遠位端のうちの少なくとも一方
は、切断縁部によって囲まれている、請求項8に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項10】
前記エンドエフェクタアセンブリは、前記ハブハウジング
に係合
されているキャップをさらに備え、前記キャップと前記ハブハウジングとの係合
は、前記キャップ内に画定されたポケット内にRFIDチップを保持する、請求項1に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項11】
組織切除器具のエンドエフェクタアセンブリを組み立てる方法であって、
前記方法は、
内側シャフト
を取得することであって、前記内側シャフトは、前記内側シャフトの近位端部分の周囲に
配置されている太陽歯車を含む
、ことと、
前記内側シャフトの周囲の第1のドライバを、遠位から近位の方向で、前記太陽歯車の遠位の位置に挿入することと、
複数の遊星歯車を前記太陽歯車に結合することであって
、前記複数の遊星歯車
は、前記第1のドライバの近位の前記太陽歯車に噛み合った係合で
前記第1のドライバの近位の前記太陽歯車の周囲に半径方向に
配置されている、ことと、
前記内側シャフトの周囲の第2のドライバを、近位から遠位の方向で、前記太陽歯車および前記複数の遊星歯車の近位の位置に挿入することと、
前記太陽歯車および前記複数の遊星歯車に近位に隣接
するようにロッキングクリップを位置決めし、前記第2のドライバの一部分
が前記太陽歯車と前記複数の遊星歯車との間に
配置されるよう
に前記ロッキングクリップを前記第1のドライバ
に係合
し、これにより、前記第1のドライバおよび前記第2のドライバ
および前記複数の遊星歯車を互いにかつ前記太陽歯車と動作可能な係合で保持すること
と
を含む、方法。
【請求項12】
前記方法は、
外側シャフト
を取得することであって、前記外側シャフトは、前記外側シャフトの近位端部分の周囲に
配置されているハブハウジングの少なくとも一部分を含む
、ことと、
前記第1のドライバ
と前記第2のドライバ
と前記複数の遊星歯車
と前記内側シャフト上に配置されている前記ロッキングクリップ
と前記太陽歯車とを含む前記内側シャフトを、近位から遠位の方向に、
前記ハブハウジングの前記少なくとも一部分に挿入することであって
、前記内側シャフト
は、前記外側シャフトを通って延在
し、前記第1のドライバおよび前記第2のドライバおよび前記ロッキングクリップおよび前記太陽歯車は、互いに動作可能に係合している、こと
と
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記内側シャフトを挿入すること
は、前記ハブハウジング内に
配置されているリング歯車と噛み合った係合で、前記複数の遊星歯車を結合することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、カムフォロアを前記ハブハウジング
に係合することをさらに含み
、前記カムフォロア
は、前記ハブハウジング
の中に延在
することにより、前記第1のドライバ内に画定され
たらせん状チャネル
に係合する、請求項
12に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、摺動可能に回転固定された係合で、第3のドライバを前記第2のドライバ
に結合することをさらに含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記第3のドライバの周囲にロックアウトキャップを位置決めすることと、前記ロックアウトキャップを前記ハブハウジング
に係合することと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ロックアウトキャップを前記第3のドライバの周囲に位置決めすること
と、前記ロックアウトキャップを前記ハブハウジング
に係合すること
とは、前記内側シャフトを前記外側シャフトに対して適切な位置に解放可能にロックする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第3のドライバの周囲に前記ロックアウトキャップを位置決めすること
と、前記ロックアウトキャップを前記ハブハウジング
に係合すること
とは、前記ロックアウトキャップ内に画定され
たポケット内にRFIDチップを捕捉する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ロッククリップを前記第1のドライバ
に係合すること
は、少なくとも1つのスナップ嵌め係合を含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、組織切除の分野に関する。特に、本開示は、内部手術部位、例えば、子宮からの組織の切除および除去を容易にするように構成された組織切除器具に関する。
【背景技術】
【0002】
組織切除は、内視鏡(または子宮鏡)を子宮に挿入し、組織切除器具を内視鏡(または子宮鏡)を通して子宮内に渡すことによって、子宮などの器官内で、内視鏡下で実行され得る。かかる内視鏡的組織切除処置に関して、流体、例えば、生理食塩水、ソルビトール、またはグリシンで子宮を膨張させることが、多くの場合に望ましい。処置中の液体の流入および流出は、子宮を膨張状態に維持し、組織およびその他の破片を子宮内から洗い流して、視認可能な作業スペースを維持する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書において使用される際、「遠位」という用語は、ユーザからより遠いと説明される部分を指し、一方で、「近位」という用語は、ユーザにより近いと説明される部分を指す。さらに、矛盾しない程度に、本明細書に記載の態様のいずれかまたはすべてが、本明細書に記載される他の態様のいずれかまたはすべてと連動して使用され得る。
【0004】
組織切除デバイスのエンドエフェクタアセンブリが、本開示の態様に従って提供される。エンドエフェクタアセンブリは、外側シャフトであって、その近位端部分の周囲に配設されたハブハウジングを含む、外側シャフトと、内側シャフトであって、外側シャフト内に配設され、外側シャフトに対して回転可能であり、その近位端部分の周囲に配設された太陽歯車を含む、内側シャフトと、ハブハウジング内に回転可能に配設された駆動アセンブリを含む。
【0005】
駆動アセンブリは、太陽歯車の遠位で、内側シャフトの周囲に回転可能に配設された第1のドライバ、太陽歯車の近位で、内側シャフトの周囲に回転可能に配設された第2のドライバ、複数の遊星歯車、およびロッキングクリップを含む。複数の遊星歯車は、太陽歯車と噛み合って係合して太陽歯車の周囲に半径方向に配設される。複数の遊星歯車の各遊星歯車は、第1のドライバと第2のドライバとの間に延在する支柱上に回転可能に取り付けられる。ロッキングクリップは、複数の遊星歯車および太陽歯車の近位に位置決めされ、第2のドライバに回転的にピン留めされ、少なくとも1つのスナップ嵌め係合を介して第1のドライバと係合して、それによって第1のドライバおよび第2のドライバ、ならびに複数の遊星歯車を、互いにかつ太陽歯車と操作可能な係合において保持する。このように、第2のドライバに提供される回転入力は、第1のドライバ、複数の遊星歯車、および太陽歯車の回転を駆動して、それによって内側シャフトの回転を駆動する。
【0006】
本開示の一態様では、リング歯車を含むハブハウジングが、その内面上に配設され、複数の遊星歯車のうちの各々の遊星歯車は、リング歯車と噛み合った係合で配設される。
【0007】
本開示の別の態様では、第2のドライバに提供された回転入力は、回転入力の入力速度とは異なる出力速度で内側シャフトの回転を駆動する。
【0008】
本開示のさらに別の態様では、第3のドライバまたはその一部分は、第2のドライバの一部分の周囲に、それに対して固定された回転配向で摺動可能に配設され、その結果、第3のドライバの回転が、第2のドライバに回転入力を提供する。
【0009】
本開示のさらに別の態様では、第1のドライバは、内部に画定されたらせん状チャネルを含み、ハブハウジングは、らせん状チャネル内に係合したカムフォロアを含み、その結果、第2のドライバに提供される回転入力が、内側シャフトの回転および往復運動を駆動する。
【0010】
本開示のさらに別の態様では、第3のドライバは、それに対して固定された回転配向で第2のドライバの周囲に摺動可能に配設され、その結果、第3のドライバの回転が、第2のドライバに回転入力を提供し、第1のドライバおよび第2のドライバが、第3のドライバに対して往復運動する。
【0011】
本開示の別の態様では、内側シャフトは、その近位端の周囲に配設され、第3のドライバに選択的に接触して、第2のドライバが第3のドライバ内で往復運動する際、内側シャフトの近位端を封止するように構成された封止部を含む。
【0012】
本開示の別の態様では、外側シャフトは、その閉じた遠位端に向かう窓を画定し、内側シャフトは、開放遠位端を画定する。かかる態様では、外側シャフトの窓または内側シャフトの開放遠位端のうちの少なくとも一方は、切断縁部によって囲まれ得る。
【0013】
本開示の別の態様では、キャップが、ハブハウジングと係合する。キャップのハブハウジングとの係合は、キャップ内に画定されたポケット内にRFIDチップを保持する。
【0014】
本開示の態様による組織切除器具のエンドエフェクタアセンブリを組み立てる方法は、内側シャフトであって、その近位端部分の周囲に配設された太陽歯車を含む、内側シャフトを得ることと、内側シャフトの周囲の第1のドライバを、遠位から近位の方向で、太陽歯車の遠位の位置に挿入することと、第1のドライバの近位の太陽歯車の周囲に半径方向に配設され、第1のドライバの近位の太陽歯車と噛み合って係合するように、複数の遊星歯車を太陽歯車に結合することと、を含む。本方法は、内側シャフトの周囲の第2のドライバを、近位から遠位の方向で、太陽歯車および複数の遊星歯車の近位の位置に挿入することと、ロッキングクリップを太陽歯車および複数の遊星歯車に近位に隣接して位置決めすることと、第2のドライバの一部分がそれらの間に配設されるように、ロッキングクリップを第1のドライバと係合させ、それによって、第1のドライバおよび第2のドライバ、ならびに複数の遊星歯車を互いに、かつ太陽歯車と動作可能な係合に保持することと、をさらに含む。
【0015】
本開示の一態様では、本方法は、外側シャフトであって、その近位端部分の周囲に配設されたハブハウジングの少なくとも一部分を含む、外側シャフトを得ることと、第1のドライバおよび第2のドライバ、複数の遊星歯車、ならびに互いに、かつ太陽歯車と動作可能に係合して、その上に配設されたロッキングクリップを含む内側シャフトを、近位から遠位方向で、ハブハウジングの少なくとも一部分に挿入し、その結果、内側シャフトが外側シャフトを通して延在することと、をさらに含む。
【0016】
本開示の別の態様では、内側シャフトを挿入することは、ハブハウジング内に配設されたリング歯車と噛み合って係合する複数の遊星歯車を結合することをさらに含む。
【0017】
本開示のさらに別の態様では、本方法は、カムフォロアをハブハウジングと係合することをさらに含み、その結果、カムフォロアが、ハブハウジングに延在して、内部の第1のドライバ内に画定されたらせん状チャネルと係合する。
【0018】
本開示のさらに別の態様では、本方法は、第3のドライバを、摺動可能な回転固定係合で第2のドライバに結合することをさらに含む。
【0019】
本開示のさらに別の態様では、本方法は、第3のドライバの周囲にロックアウトキャップを位置決めすることと、ロックアウトキャップをハブハウジングと係合することと、をさらに含む。かかる態様では、第3のドライバの周囲にロックアウトキャップを位置決めすることと、ロックアウトキャップをハブハウジングと係合することが、外側シャフトに対して適切な位置に内側シャフトを解放可能にロックすることができる。付加的または代替的に、第3のドライバの周囲にロックアウトキャップを位置決めすることと、ロックアウトキャップをハブハウジングと係合することは、ロックアウトキャップ内に画定されたポケット内にRFIDチップを捕捉することができる。
【0020】
本開示の別の態様では、ロッキングクリップを第1のドライバと係合することは、少なくとも1つのスナップ嵌め係合を含む。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
組織切除デバイスのエンドエフェクタアセンブリであって、
外側シャフトであって、その近位端部分の周囲に配設されたハブハウジングを含む、外側シャフトと、
上記外側シャフト内に配設されており、上記外側シャフトに対して回転可能な内側シャフトであって、その近位端部分の周囲に配設されている太陽歯車を含む、内側シャフトと、
上記ハブハウジング内に回転可能に配設されている駆動アセンブリと、を備え、上記駆動アセンブリが、
上記太陽歯車の遠位で、上記内側シャフトの周囲に回転可能に配設されている、第1のドライバと、
上記太陽歯車の近位で、上記内側シャフトの周囲に回転可能に配設されている、第2のドライバと、
複数の遊星歯車であって、上記太陽歯車の周囲にそれと噛み合った係合で半径方向に配設され、上記複数の遊星歯車の各遊星歯車が、上記第1のドライバと上記第2のドライバとの間に延在する支柱上に回転可能に取り付けられている、複数の遊星歯車と、
上記複数の遊星歯車および上記太陽歯車の近位に位置決めされているロッキングクリップであって、上記第2のドライバに回転的にピン留めされており、少なくとも1つのスナップ嵌め係合を介して上記第1のドライバと係合して、それによって上記第1のドライバおよび上記第2のドライバ、ならびに上記複数の遊星歯車を互いにかつ上記太陽歯車と動作可能な係合で保持し、その結果、上記第2のドライバに提供される回転入力が、上記第1のドライバ、上記複数の遊星歯車、および上記太陽歯車の回転を駆動して、それによって上記内側シャフトの回転を駆動する、ロッキングクリップと、を含む、エンドエフェクタアセンブリ。
(項目2)
上記ハブハウジングが、その内面上に配設されているリング歯車を含み、上記複数の遊星歯車の各々の上記遊星歯車が、上記リング歯車と噛み合った係合で配設されている、上記項目に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目3)
上記第2のドライバに提供される上記回転入力が、上記回転入力の入力速度とは異なる出力速度で上記内側シャフトの回転を駆動する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目4)
第3のドライバをさらに含み、上記第3のドライバの一部分が、上記第2のドライバの一部分の周囲に、それに対して固定された回転配向で摺動可能に配設されており、その結果、上記第3のドライバの回転が、上記第2のドライバに上記回転入力を提供する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目5)
上記第1のドライバが、内部に画定されているらせん状チャネルを含み、上記ハブハウジングが、上記らせん状チャネル内に係合しているカムフォロアを含み、その結果、上記第2のドライバに提供される上記回転入力が、上記内側シャフトの回転および往復運動を駆動する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目6)
第3のドライバをさらに含み、上記第3のドライバが、上記第2のドライバの周囲に、それに対して固定された回転配向で摺動可能に配設されており、その結果、上記第3のドライバの回転が、上記第2のドライバに回転入力を提供し、上記第1のドライバおよび上記第2のドライバが、上記第3のドライバに対して往復運動するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目7)
上記内側シャフトが、その上記近位端の周囲に配設されている封止部を含み、上記封止部が、上記第2のドライバが上記第3のドライバ内で往復運動する際、上記第3のドライバに選択的に接触して、上記内側シャフトの上記近位端を封止するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目8)
上記外側シャフトが、その閉じた遠位端に向かって窓を画定し、上記内側シャフトが、開放遠位端を画定する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目9)
上記外側シャフトの上記窓または上記内側シャフトの上記開放遠位端のうちの少なくとも一方が、切断縁部によって囲まれている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目10)
上記ハブハウジングと係合しているキャップをさらに備え、上記キャップと上記ハブハウジングとの係合が、上記キャップ内に画定されたポケット内にRFIDチップを保持する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目11)
組織切除器具のエンドエフェクタアセンブリを組み立てる方法であって、
内側シャフトであって、その近位端部分の周囲に配設されている太陽歯車を含む、内側シャフト、を得ることと、
上記内側シャフトの周囲の第1のドライバを、遠位から近位の方向で、上記太陽歯車の遠位の位置に挿入することと、
複数の遊星歯車を上記太陽歯車に結合することであって、その結果、上記複数の遊星歯車が、上記第1のドライバの近位の上記太陽歯車の周囲に噛み合った係合で半径方向に配設される、結合することと、
上記内側シャフトの周囲の第2のドライバを、近位から遠位の方向で、上記太陽歯車および上記複数の遊星歯車の近位の位置に挿入することと、
上記太陽歯車および上記複数の遊星歯車に近位に隣接してロッキングクリップを位置決めし、上記第2のドライバの一部分が、それらの間に配設されるように、上記ロッキングクリップを上記第1のドライバと係合させ、それによって上記第1のドライバおよび上記第2のドライバ、ならびに上記複数の遊星歯車を互いにかつ上記太陽歯車と動作可能な係合で保持することと、を含む、方法。
(項目12)
外側シャフトであって、その近位端部分の周囲に配設されているハブハウジングの少なくとも一部分を含む、外側シャフト、を得ることと、
上記第1のドライバ、上記第2のドライバ、上記複数の遊星歯車、および上記ロッキングクリップが、互いにかつ上記太陽歯車と動作可能に係合して上に配設されている、上記内側シャフトを、近位から遠位の方向に、ハブハウジングの上記少なくとも一部分に挿入することであって、その結果上記内側シャフトが、上記外側シャフトを通って延在する、挿入することと、をさらに含む、上記項目に記載の方法。
(項目13)
上記内側シャフトを挿入することが、上記ハブハウジング内に配設されているリング歯車と噛み合った係合で、上記複数の遊星歯車を結合することをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
カムフォロアを上記ハブハウジングと係合することをさらに含み、その結果、上記カムフォロアが上記ハブハウジングに延在して、内部の上記第1のドライバ内に画定されている、らせん状チャネルと係合する、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
第3のドライバを上記第2のドライバに摺動可能に回転固定された係合で結合することをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
上記第3のドライバの周囲にロックアウトキャップを位置決めすることと、上記ロックアウトキャップを上記ハブハウジングと係合することと、をさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
上記ロックアウトキャップを上記第3のドライバの周囲に位置決めすること、および上記ロックアウトキャップを上記ハブハウジングと係合することが、上記内側シャフトを上記外側シャフトに対して適切な位置に解放可能にロックする、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
上記第3のドライバの周囲に上記ロックアウトキャップを位置決めすること、および上記ロックアウトキャップを上記ハブハウジングと係合することが、上記ロックアウトキャップ内に画定されているポケット内にRFIDチップを捕捉する、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
上記ロッククリップを上記第1のドライバと係合することが、少なくとも1つのスナップ嵌め係合を含む、上記項目のいずれか一項1に記載の方法。
(摘要)
組織切除エンドエフェクタは、ハブハウジングを有する外側シャフト、太陽歯車を含む内側シャフト、およびハブハウジング内に配設された駆動アセンブリを含む。駆動アセンブリは、それぞれ、太陽歯車の周囲で遠位および近位に配設された第1のドライバおよび第2のドライバを含む。駆動アセンブリは、ドライバ間の太陽歯車の周囲に、太陽歯車と噛み合った係合で半径方向に配設される複数の遊星歯車、および遊星歯車ならびに太陽歯車の近位にあるロッキングクリップを含み、第2のドライバに回転的にピン留めされ、少なくとも1つのスナップ嵌め係合を介して第1のドライバと係合する。ロッキングクリップは、ドライバおよび遊星歯車を互いに、ならびに太陽歯車との動作可能な係合に保持し、その結果、第2のドライバに提供される回転入力が、内側シャフトの回転を駆動する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下、本開示の様々な態様および特徴が図面を参照して説明され、いくつかの図面の各々において、同様の参照符号は、同一または対応する要素を示す。
【
図1】本開示の態様に従って提供される、組織切除器具のエンドエフェクタアセンブリの側面斜視図であり、エンドエフェクタアセンブリの内側シャフトが、第1の位置に配設される。
【
図2】
図1において「2」として示されたエリアの細部の拡大斜視図である。
【
図3】
図1のエンドエフェクタアセンブリの遠位端部分の拡大斜視図であり、エンドエフェクタアセンブリの内側シャフトは、第2の位置に配設される。
【
図4】
図1のエンドエフェクタアセンブリの側面斜視分解図である。
【
図5】
図4において「5」として示されたエリアの細部の拡大斜視図である。
【
図6】
図1のエンドエフェクタアセンブリの外側シャフトの拡大側面斜視図であり、その上に組み立てられたハブアセンブリのハブハウジングの遠位本体部分と、遠位本体部分から分解されて示されるハブアセンブリのフォロワアセンブリを含む。
【
図7】
図6のハブハウジングの遠位本体部分の長手方向断面図であり、それと係合する外側シャフトを含む。
【
図8】
図1のエンドエフェクタアセンブリの内側シャフトの近位端部分の後方斜視図であり、その上に組み立てられた駆動アセンブリの歯車アセンブリの一部分を含む。
【
図9】内側シャフトの近位端部分の後方斜視図であり、その上で完全に組み立てられた歯車アセンブリを含む。
【
図10】
図6に示されたような
図1のエンドエフェクタアセンブリの一部分の後方斜視図であり、その上で組み立てられ、内部に配設された歯車アセンブリを有する内側シャフト、そこから分解されて示されるハブハウジングの近位延在部およびOリングをさらに含む。
【
図11】
図10に示されたような
図1のエンドエフェクタアセンブリの部分の後方斜視図であり、ハブハウジングの近位延在部およびOリングがその上で組み立てられる。
【
図12】
図11に示されたような
図1のエンドエフェクタアセンブリの部分の後方斜視図であり、駆動アセンブリの近位ドライバがそこから分解されて示される。
【
図13】
図12に示されたような
図1のエンドエフェクタアセンブリの部分の後方斜視図であり、近位ドライバがその上で組み立てられ、およびロックアウトキャップがそこから分解されて示される。
【
図15】
図13に示されたような
図1のエンドエフェクタアセンブリの部分の後方斜視図であり、ロックアウトキャップがその上で組み立てられる。
【
図16】組み立てられた状態の
図1のエンドエフェクタアセンブリの近位端部分の後方斜視図である。
【
図17】組み立てられた状態の
図1のエンドエフェクタアセンブリの近位端部分の側面斜視図である。
【
図18】
図17の切断線「18-18」を横切って取られた、斜視長手方向断面図である。
【
図19】組み立てられた状態の
図1のエンドエフェクタアセンブリの近位端部分の側面長手方向断面図であり、内側シャフトが、第1の位置に配設される。
【
図20】
図19に示されたようなエンドエフェクタアセンブリの近位端部分の側面長手方向断面図であり、内側シャフトが、第2の位置に配設される。
【
図21】
図1のエンドエフェクタアセンブリの近位端部分の側面斜視図であり、ロックアウトキャップが、内側シャフトを適切な位置にロックする初期状態で配設される。
【
図22】
図21に示されたようなエンドエフェクタアセンブリの近位端部分の側面斜視図であり、ロックアウトキャップが、内側シャフトのロックを解除して、外側シャフトに対するその移動を可能にする圧縮状態で配設される。
【
図23】ハンドピースと係合した
図1のエンドエフェクタアセンブリを含む、組織切除器具の側面斜視図である。
【
図24】
図23の切断線「24-24」を横切って取られた長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
概して、
図1および
図23を参照すると、本開示に従って提供され、組織を切除するように構成された組織切除器具10は、エンドエフェクタアセンブリ100およびハンドピースアセンブリ200を含む。組織切除器具10は、ケーブル300を介して制御ユニット(図示せず)に接続して、組織切除器具10に電力および制御機能を提供するように適合されるが、組織切除器具10は、代替的または付加的に、例えば、電池などの電源、および/またはハンドピースアセンブリ200内に配設された制御ユニットを含み得る。組織切除器具10は、組織切除器具10を介して手術部位から流体、組織、および破片を除去するために吸引を適用するための流出ポート400に接続された流出チューブ(図示せず)を介して流体管理システム(図示せず)に接続するようにさらに適合される。制御ユニットおよび流体管理システムは、互いに一体であるか、互いに結合されているか、または互いに分離されていてもよい。
【0023】
組織切除器具10は、使用後に廃棄されるか、もしくは再処理のために製造業者に送られる使い切りデバイス、エンドユーザによる繰り返し使用のために洗浄および/もしくは滅菌することが可能な、再利用可能デバイス、または部分的に使い切り、部分的に再利用可能デバイスとして構成され得る。部分的に使い切り、部分的に再利用可能な構成に関して、ハンドピースアセンブリ200は、洗浄可能/滅菌可能、再利用可能な構成要素として構成され得、一方、エンドエフェクタアセンブリ100は、使い切り、廃棄可能/再処理可能な構成要素として構成され得る。上記の構成のいずれかにおいて、エンドエフェクタアセンブリ100は、ハンドピースアセンブリ200と解放可能に係合して、任意の使い切り構成要素の廃棄/再処理、ならびに任意の再利用可能な構成要素の洗浄および/または滅菌を容易にするように構成される。さらに、エンドエフェクタアセンブリ100とハンドピースアセンブリ200との解放可能な係合を可能にすることにより、異なるエンドエフェクタアセンブリ、例えば、異なる長さ、構成などのエンドエフェクタアセンブリとハンドピースアセンブリ200との交換可能な使用が可能になる。
【0024】
続けて
図1を参照すると、エンドエフェクタアセンブリ100は、外側シャフト120、内側シャフト140、ハブアセンブリ160、駆動アセンブリ180(
図4)、およびRFIDチップ190(
図4)を含む。
図2および
図3もまた参照すると、外側シャフト120は、近位端部分122(
図4)と、少なくとも部分的に閉じた遠位端126、および少なくとも部分的に閉じた遠位端126に隣接して配設された横窓128を画定する遠位端部分124と、を含む。窓128は、その側壁を通って横方向に外側シャフト120の内部へのアクセスを提供し、窓128を通過して外側シャフト120に入る組織の切断を容易にするために、窓128の外周の周囲の切断縁部129によって取り囲まれ得る。
【0025】
内側シャフト140は、外側シャフト120内に並進的かつ回転可能に配設され、近位端部分142(
図4)および開放遠位端146を画定する遠位端部分144を含む。切断縁部149は、開放遠位端146を通過して内側シャフト140に入る組織の切断を容易にするために、開放遠位端146の外周を取り囲むことができる。
【0026】
さらに
図1から
図3を参照すると、内側シャフト140は、外側シャフト120内および外側シャフト120に対する並進および回転のために構成され、それによって、窓128に対して開放遠位端146を回転および並進させる。より具体的には、内側シャフト140は、開放遠位端146が、窓128の近位端にまたは近位に配設される第1の位置(
図2)と、開放遠位端146が、窓128内に配設される、第2の位置(
図3)を通り、開放遠位端146が、窓128の遠位端に、または遠位に配設される第3の位置(図示せず)との間で回転および並進するように構成される。内側シャフト140、したがってその切断縁部149の回転は、内側シャフト140が第1、第2、および第3の位置の間を並進する際に、組織の切断を容易にする。以下に詳述されるように、吸引は、内側シャフト140を通して適用されて、内側シャフト140を通して切断された組織、流体、および破片の除去を容易にする。
【0027】
内側シャフト140は、第1の位置(
図2)から、第2の位置(
図3)を通って、第3の位置に、および第3の位置から第2の位置(
図3)を通って第1の位置(
図2)に戻るように、連続的に回転し、並進するように構成される。外側シャフト120に対する内側シャフト140の往復運動、回転、および/または振動を用いるものなど、組織切断を容易にするために協働する外側シャフト120および/または内側シャフト140の他の適切な構成もまた、企図される。
【0028】
図1および
図4を参照すると、上記のように、エンドエフェクタアセンブリ100は、外側シャフト120、内側シャフト140、ハブアセンブリ160、および駆動アセンブリ180を含む。エンドエフェクタアセンブリ100は、以下に詳述するように、ハブアセンブリ160のロックアウトキャップ170とハブアセンブリ160のハブハウジング161の近位延在部分164との間に捕捉されたRFIDチップ190をさらに含む。
【0029】
ハブアセンブリ160は、例えば、スナップ嵌めまたは他の好適な係合を介して、互いに係合するように構成される遠位本体部分162および近位延在部分164を有するハブハウジング161を含む。一時的に
図23および
図24を参照すると、エンドエフェクタアセンブリ100がハンドピースアセンブリ200と係合した状態で、ハブハウジング161の近位延在部分164は、ハンドピースアセンブリ200に延在し、一方で遠位本体部分162は、ハンドピースアセンブリ200に実質的に当接し、遠位に延在する。ハブハウジング161の近位延在部分164は、エンドエフェクタアセンブリ100がそれと係合したとき、ハンドピースアセンブリ200のハンドルハウジング210の内部ボア214と流体連通するように構成されるその側壁を通る流出開口部165をさらに画定する。
【0030】
図1および
図4に戻り、
図6および
図7をさらに参照すると、ハブハウジング161の遠位本体部分162は、外側シャフト120の近位端部分122の周囲に固定的に配設され、外側シャフト120がそこから遠位に延在する。内側シャフト140は、上記のように、外側シャフト120を通って延在し、ハブハウジング161の遠位本体部分162を通ってハブハウジング161の近位延在部分164内に近位に延在し、駆動アセンブリ180は、内側シャフト140の近位端部分142に動作可能に結合される。ハブハウジング161の遠位本体部分162は、その内部円筒面上に細長いリング歯車181をさらに画定する。
【0031】
ハブアセンブリ160のフォロワアセンブリ163aは、ハブハウジング161の遠位本体部分162を通して画定された横方向開口163b内に着座される。フォロワアセンブリ163aは、カムフォロア163cおよびカムフォロア163cを横方向開口163b内に保持するように構成されたキャップ163dを含み、その結果、カムフォロア163cが、ハブハウジング161の遠位本体部分162の内部に延在する。
【0032】
図10および
図11に示されるように、ハブアセンブリ160は、流出開口165の遠位にハブハウジング161の近位延在部分164の周囲の係合のために構成されたOリング166をさらに含む。
図24に示されるように、Oリング166は、エンドエフェクタアセンブリ100が、それと係合して、流体が流出開口部165を出た後に遠位に移動することを阻止するとき、ハンドピースアセンブリ200のハンドルハウジング210の内部に抗して流体密封止を確立するように構成される。
【0033】
図4および
図16~
図18を参照すると、ハブアセンブリ160は、ハブハウジング161の遠位本体部分162の周囲に位置決めすること、および、例えば、スナップ嵌め係合または他の任意の好適な様式を介するそれとの係合のために構成された外側シェル168を付加的に含む。カンチレバー係合指部169aは、外側シェル168がその周囲と係合するとき、ハブハウジング161の外側シェル168の下面から近位に、およびハブハウジング161の遠位本体部分162から近位に、延在する。係合指部169aは、そこから延在する係合歯169bを含み、ハンドピースアセンブリ200(
図24を参照)のハンドルハウジング210内に画定された、対応する開口218内で係合するように構成され、エンドエフェクタアセンブリ100とハンドピースアセンブリ200(
図24)との解放可能な係合を可能にする。把持リブ169cは、エンドエフェクタアセンブリ100のハンドピースアセンブリ200(
図24)への係合およびハンドピースアセンブリ200からの係合解除を容易にするために、外側シェル168の側面上に画定される。
【0034】
図4、
図13~
図15、
図21、および
図22を参照すると、ハブアセンブリ160のロックアウトキャップ170は、ハブハウジング161の近位延在部分164の近位端部分とのスナップ嵌めまたは他の適切な係合のために構成される。ロックアウトキャップ170は、それを通って延在する長手方向管腔171を画定し、近位停止リング172、近位停止リング172に対して回転して固定された遠位停止リング174、および近位停止リング172と遠位停止リング174との間にそれぞれ配設された付勢部材176を含む。近位停止リング172は、長手方向管腔171に向かって半径方向内向きに配向された凹部173を画定する。
【0035】
遠位停止リング174は、例えば、遠位停止リング174と近位延在部分164との間のスナップ嵌め係合を介して、ハブハウジング161の近位延在部分164に対して固定される。遠位停止リング174は、ポケット179bを画定する外部カラー179aをさらに含む。ポケット179bは、内部にRFIDチップ190を受容するように構成される。ロックアウトキャップ170が、例えば、スナップ嵌めを介して近位延在部分164と係合するとき、ポケット179bの開放端は、近位延在部分164の近位面によってブロックされ、それによって、内部にRFIDチップ190を捕捉する。
【0036】
付勢部材176は、近位停止リング172および遠位停止リング174とそれぞれ一体的に形成された、例えば、単一の成形構成部品として形成されたリビングヒンジであり得るが、付勢部材176は、代替的に、近位停止リング172および遠位停止リング174それぞれのいずれかまたは両方とは別個に形成され得、および/または、例えば、圧縮ばねなどの他の好適な付勢部材であり得る。付勢部材176は、ロックアウトキャップ170の静止位置に対応して、近位停止リング172を遠位停止リング174から離して近位に付勢するように構成される。
【0037】
図4、
図5、
図8、
図9、および
図18を参照すると、駆動アセンブリ180は、ハンドピースアセンブリ200(
図24を参照)の駆動ロータ260を、内側シャフト140と動作可能に結合するように構成され、その結果、駆動ロータ260(
図24)の回転が、外側シャフト120内および外側シャフト120に対する内側シャフト140の回転および往復運動を駆動する。駆動アセンブリ180は、より具体的には、近位ドライバ182、遠位ドライバ184、ならびに近位ドライバ182および遠位ドライバ184の間に配設され、それぞれ互いに動作可能に結合する歯車アセンブリ186を含む。近位ドライバ182は、駆動ロータ260(
図24)からの回転入力を受容するように構成され、歯車アセンブリ186は、駆動ロータ260(
図24)からの入力回転に対して内側シャフト140の出力回転を増幅または減衰するように構成され、遠位ドライバ184は、増幅または減衰された出力回転を内側シャフト140に与えるように、および内側シャフト140を往復運動させるように構成される。
【0038】
図12および
図13をさらに参照すると、駆動アセンブリ180の近位ドライバ182は、それを通って長手方向に延在する管腔183bを画定するほぼ円筒形の本体183aを含む。本体183aは、その近位端部分において、その周囲に環状に配設された外部カラー183cを含む。外部カラー183cは、半径方向外向きに延在するタブ183dを含む。本体183aは、近位に面する空洞183eをさらに含み、その少なくとも一部分は、例えば、8点星または他の多角形構成などの、非円形の断面構成を有し、ハンドピースアセンブリ200の駆動ロータ260を固定された回転配向で(
図24を参照)少なくとも部分的に受容するように構成される。本体183aは、付加的に、本体183aの内向きの表面内に画定された、長手方向に延在するチャネル183gを含む、遠位に面した空洞183fを画定する。本体183aの側壁を通して画定された長手方向に延在するスロット183hは、遠位に面する空洞183fと連通して、例えば、遠位に面する空洞183f内から本体183aの外部への流路を画定する。
【0039】
図4、
図8、
図9、および
図18を参照すると、駆動アセンブリ180の遠位ドライバ184は、近位プレート185a、および近位プレート185aから遠位に延在する遠位円筒形本体185bを含む。近位プレート185aは、そこから近位に延在し、遠位ドライバ184を通して画定された長手方向軸の周囲に半径方向に配設された、複数、例えば、3つの支柱185cを含む。近位プレート185aは、遠位ドライバ184の長手方向軸の周囲に半径方向に配置され、近位プレート185aの外周縁から近位に延在する複数の係合アーム185dをさらに含む。
【0040】
遠位ドライバ184の遠位円筒形本体185bは、その外側環状周辺部の周囲にらせん状チャネル185eを画定する。らせん状チャネル185eは、連続したらせん状チャネル185eを画定するために、それらの端部でブレンドされた順方向および逆方向チャネル部分(類似または異なるピッチを画定する)を含む。らせん状チャネル185eは、内部にカムアセンブリ163aのカムフォロア163cを受容するように構成され、そのため遠位ドライバ184が回転するように駆動される際、らせん状チャネル185e内のカムフォロア163cの係合は、例えば、カムフォロア163cが、らせん状チャネル185eの順方向チャネル部分内に配設されている間、遠位に、カムフォロア163cが、らせん状チャネル185eの逆方向チャネル部分内に配設されている間、近位に、遠位ドライバ184を往復させ、カムフォロア163cが、らせん状チャネル185eの混合端部に配設されるとき、方向を変える。遠位ドライバ184は、それを通して画定される長手方向に延在する管腔185fをさらに含む。
【0041】
図4、
図8、
図9、および
図18を参照し続け、
図5を付加的に参照すると、歯車アセンブリ186は、内側シャフト140の近位端部分142の周囲に固定的に係合した遊星歯車187a、複数、例えば、 3つ、の遊星歯車187b、中間ドライバ188a、およびロッキングクリップ189aを含む。
【0042】
遊星歯車187bは、遠位ドライバ184の近位プレート185aの支柱185cに回転可能に取り付けられ、太陽歯車187aの周囲に噛み合って係合して配設される。より具体的には、内側シャフト140の近位端部分142は、太陽歯車187aが遠位ドライバ184の近位に配設された、遠位ドライバ184の長手方向に延在する管腔185fを通って延在し、太陽歯車187aが遊星歯車187bと噛み合うことを可能にする。遊星歯車187bは、ハブハウジング161の遠位本体部分162の細長いリング歯車181との摺動可能な噛み合い係合のために構成される(
図7、
図10、および
図18を参照)。
【0043】
中間ドライバ188aは、遠位プレート188b、および遠位プレート188bから近位に延在する近位円筒形本体188cを含む。遠位プレート188bは、それを通して画定された長手方向軸の周囲に半径方向に配設された複数の開口188dを画定する。各開口188dは、遠位ドライバ184の支柱185cのうちの1つを受容して、中間ドライバ188aと遠位ドライバ184との間に遊星歯車187bを回転可能に取り付けて、保持するように構成される。遠位プレート188bは、その外周縁に複数の、例えば、3つのスロット188eをさらに含み、各々が、それを通して遠位ドライバ184の係合アーム185dのうちの1つを受容するように構成される。
【0044】
中間ドライバ188aの近位円筒形本体188cは、その外周面から突出し、その外周面に沿って延在する、長手方向に延在するレール188fを画定する。近位円筒形本体188cは、近位ドライバ182の本体183aの遠位に面する空洞183f内に受容されるように構成され、長手方向に延在するレール188fは、近位ドライバ182の長手方向延在チャネル183g内に摺動可能に受容されて、近位ドライバ182および中間ドライバ188aを互いに回転してロックする。中間ドライバ188aは、遠位ドライバ184の長手方向に延在する管腔185fと連通する、それを通して画定された長手方向に延在する管腔188gをさらに含む。さらに、エラストマ封止部188hは、中間ドライバ188aの近位円筒形本体188cの近位端の周囲に係合し、管腔188gの周囲に延在する。封止部188hは、例えば、封止部188hを形成するエラストマ材料を介して、近位円筒形本体188cの近位端の周囲に弾性的に保持され得るか、または他の任意の好適な様式でそれに固定され得る。
【0045】
図4および
図9に示されるように、ロッキングクリップ189aは、中間ドライバ188aの近位円筒形本体188c、中間ドライバ188aの近位に隣接する遠位プレート188bの周囲に位置決めするために構成される。ロッキングクリップ189aは、より具体的には、中間ドライバ188aの近位円筒形体188cを受容するように構成された中央開口部189b、およびその中の長手方向に延在するレール188fを受容するための中央開口部189bを画定する、ロッキングクリップ189aの環状内縁部内に画定されたノッチ189cを画定する。ロッキングクリップ189aは、遠位ドライバ184の係合アーム185dのうちの1つと係合するように各々構成された複数、例えば、3つのロックタブ189dをさらに含み、それによって、ロッキングクリップ189aを遠位ドライバ184と係合させ、遊星歯車187bおよび中間ドライバ188aをそれらの間に保持する。
【0046】
図5~
図17を参照して、エンドエフェクタアセンブリ100のアセンブリが、詳述される。それぞれ
図5および
図6に示されるように、内側シャフト140の近位端部分142の周囲で、それに対して固定された関係における、太陽歯車187aの事前組み立て、および外側シャフト120の近位端部分122の周囲でそれに対して固定された関係における、ハブハウジング161の遠位本体部分162の事前組み立てが、達成される。
【0047】
図8および
図9を参照すると、内側シャフト140の近位端部分142の周囲の太陽歯車187aの上記で詳述された事前組み立てが完了すると、遠位ドライバ184および歯車アセンブリ186が、内側シャフト140の周囲に設置される。より具体的には、遠位ドライバ184は、支柱185cが太陽歯車187aを取り囲むまで、内側シャフト140上を近位に摺動させる。その後、遊星歯車187bは、太陽歯車187aと噛み合った係合で支柱185c上に配設される。次に、中間ドライバ188aは、支柱185の自由端が中間ドライバ188aの遠位プレート188bの開口188d内に受容され、係合アーム185dがスロット188eを通って近位に延在するまで、内側シャフト140上を遠位に摺動する。
【0048】
上記のように組み立てられた歯車アセンブリ186を用いて、ロッキングクリップ189aは、中間ドライバ188aの周囲で、(ノッチ189c内の長手方向に延在するレール188fの受容を介して)それとの固定回転係合で、中間ドライバ188aの遠位プレート188bとの橋台に遠位に摺動され、遠位ドライバ184の係合アーム185dは、例えば、スナップ嵌め係合において、ロッククリップ189aのロックタブ189dと係合して、それによって、駆動アセンブリ180(近位ドライバ182を除く)を内側シャフト140の周囲で動作可能に結合する。この時点で、またはその前に、封止部188hは、中間ドライバ188aの近位端の周囲で、例えば、弾性的に保持されて、係合する。
【0049】
図10を参照すると、内側シャフト140が、その周囲に動作可能に係合した駆動アセンブリ180(近位ドライバ182を除く)を含み、ハブホース161の遠位本体部分162および外側シャフト120を通して、近位から遠位の方向に挿入され、その結果、遊星歯車187bは、細長いリング歯車181と摺動可能に、噛み合った係合で配設される。その後、フォロワアセンブリ163aは、ハブハウジング161の遠位本体部分162の横開口163bを通してカムフォロア163cを最初に挿入し、その後、横方向開口163b内にキャップ163dを設置することを介して、ハブハウジング161の遠位本体部分162内に設置されて、カムフォロア163cを横方向開口163b内に、らせん状チャネル185e内で係合して保持する。
【0050】
図11をさらに参照すると、ハブハウジング161の近位延在部分164は、中間ドライバ188aの周囲で、近位から遠位に摺動され、例えばスナップ嵌めを介して、ハブハウジング161の遠位本体部分162と係合する。近位延在部分164と遠位本体部分162との係合の前または後に、Oリング166は、ハブハウジング161の近位延在部分164の周囲で近位から遠位方向に摺動されて、流出開口部165の遠位にあるハブハウジング161の近位延在部分164の周囲に画定された環状凹部167内に着座される。次に、近位ドライバ182は、ハブハウジング161の遠位本体部分162を通して、中間ドライバ188aに対して回転して固定された配向で、例えば、長手方向延在チャネル183g内の長手方向延在レール188fの受容を介して、中間ドライバ188aの周囲に挿入される。
【0051】
図13~
図15を参照すると、RFIDチップ190は、ロックアウトキャップ170のポケット179bにロードされ、その後、ロックアウトキャップ170は、近位ドライバ182の周囲で近位から遠位方向に摺動して、例えば、スナップ嵌めを介して、ハブハウジング161の近位延在部分164と係合する。ロックアウトキャップ170は、ハブハウジング161の近位延在部分164と係合するとき、近位ドライバ182が近位に通過するのを阻止する。さらに、近位ドライバ182の半径方向外向きに延在するタブ183dは、ロックアウトキャップ170がハブハウジング161の近位延在部分164と係合すると、ロックアウトキャップ170の近位停止リング172の凹部173内に受容され、一方、近位停止リング172は、付勢部材176の付勢下の初期位置内に残り、ロックアウトキャップ170は、ハブハウジング161に対して回転固定配向に近位ドライバ182を保持し、したがって内側シャフト140を外側シャフト120に対して固定位置に保持する。
【0052】
図17および
図18を参照すると、外側シェル168は、外側シャフト120およびハブハウジング161の遠位本体部分162の周囲で遠位から近位方向に摺動して、例えば、スナップ嵌めを介して、ハブハウジング161の遠位本体部分162と係合して、エンドエフェクタアセンブリ100(
図1)のアセンブリを完了する。エンドエフェクタアセンブリ100(
図1)の完全に組み立てられた状態では、上記のように、付勢部材176は、近位停止リング172を近位に付勢し、その結果、近位ドライバ182が、回転固定配向でロックアウトキャップ170と係合する。エンドエフェクタアセンブリ100、例えば、駆動アセンブリ180およびロックアウトキャップ170は、この回転ロック位置において、内側シャフト140が、外側シャフト120に対して第3の位置に配設され、内側シャフト140の開放遠位端146が、内側シャフト120の窓128(
図1~
図3を参照)の遠位端に、またはその遠位に配設される。他の構成もまた、企図される。
【0053】
図1、
図23、および
図24を参照すると、ハンドピースアセンブリ200は、概して、ハンドルハウジング210、ハンドルハウジング210を通って画定され、流出ポート400と連通する流出経路220、ハンドルハウジング210内に配設されたモータ250、およびハンドルハウジング210内に配設され、モータ250に動作可能に結合される駆動ロータ260を含む。ハンドピースアセンブリ200は、組織切除器具10の起動を容易にするために、および/またはモータ250の速度を変化させるために、ハンドルハウジング210上に配設された、例えば、ボタンなどの、1つ以上の制御装置270をさらに含む。さらに、流出チューブ(図示せず)は、流出ポート400に接続するように構成され、それによって、流出ポート400を流体管理システム(図示せず)に接続する。流体管理システムは、組織切除器具10を通して吸引を確立するための真空源、および手術部位からの流体、組織、ならびに破片の除去を容易にするための流出チューブを含み、また除去された液体、組織、および破片の収集のための、例えば、収集キャニスタなどの、収集リザーバも含み得る。代替として、または組織切除器具10および流出チューブを通して吸引を確立する真空源に加えて、真空が、手術部位と流出経路との間の圧力差を介し、それを通して作製されてもよい。
【0054】
ハンドルハウジング210は、ペンシルグリップ構成を画定するが、他の構成、例えば、ピストルグリップ構成も企図され、内部ボア214と連通する開放遠位端部分212を含む。ハンドルハウジング210の開放遠位端部分212は、ハンドルハウジング210内の駆動ロータ260および内部ボア214へのアクセスを提供し、その結果、以下に詳述するように、エンドエフェクタアセンブリ100がハンドピースアセンブリ200と係合すると、エンドエフェクタアセンブリ100の一部分が、開放遠位端部分212を通って内部ボア214に延在して、駆動ロータ260と動作可能に結合し、エンドエフェクタアセンブリ100を内部ボア214、したがって流出経路220と流体結合させる。
【0055】
ケーブル300は、ハンドルハウジング210から近位方向に延在し、制御ユニット(図示せず)に接続して、組織切除器具10に電力および制御機能を提供するように構成される。ケーブル300は、より具体的に、ハンドルハウジング210に延在する1つ以上のワイヤ(図示せず)を収容し、制御装置270およびモータ250を制御ユニットと電気的に結合して、モータ250に電力を供給し、制御装置270、制御ユニット、および/または、例えば、フットスイッチ(図示せず)などの他の遠隔制御デバイスに従って組織切除器具10の動作を制御する。ケーブル300は、ハンドルハウジング210内にその遠位端に向かって配設されたRFIDトランシーバ290に接続する、1つ以上のワイヤ310をさらに含む。
【0056】
駆動ロータ260は、モータ250と動作可能に結合され、モータ250から遠位方向に延在し、その結果、モータ250の作動時、モータ250が、駆動ロータ260の回転を駆動する。駆動ロータ260は、ベース262およびベース262から遠位に延在するロータ本体264を画定する。ベース262は、静止しており、本体264を取り囲む。ロータ本体264は、例えば、正方形または他の多角形構成などの非円形の断面構成を画定し、エンドエフェクタアセンブリ100とハンドピースアセンブリ200との係合時に、それに対して固定された回転配向で、エンドエフェクタアセンブリ100の近位ドライバ182の近位に面する空洞183e内で少なくとも部分的に受容するように構成され、その結果、モータ250の作動が、駆動ロータ260の本体264の回転を駆動して、順に、エンドエフェクタアセンブリ100の近位ドライバ182の回転を駆動する。
【0057】
図1および
図21~
図24を参照して、組織切除器具10の使用に備えて、エンドエフェクタアセンブリ100とハンドピースアセンブリ200との係合が、詳述される。エンドエフェクタアセンブリ100をハンドピースアセンブリ200と係合するために、エンドエフェクタアセンブリ100は、ロックアウトキャップ170およびハブハウジング161の近位延在部164が、ハンドピースアセンブリ200のハンドルハウジング210の内部ボア214に挿入されるように、ハンドピースアセンブリ200に対して接近する。エンドエフェクタアセンブリ100が、この様式で接近する際、エンドエフェクタアセンブリ100のハブアセンブリ160の外側シェル168の把持リブ169cが、把持され、互いに向かって内向きに圧迫され、それによって、外側シェル168の上面および下面が、外向きに屈曲する。外側シェル168の下面が、外向きに屈曲すると、係合指部169aおよび係合歯169bも同様に外向きに屈曲する。これにより、エンドエフェクタアセンブリ100をハンドピースアセンブリ200に向かってさらに接近させることができ、その結果、係合歯169bが、ハンドピースアセンブリ200のハンドルハウジング210内に画定された係合開口218と位置合わせし、かつその下に配設される。
【0058】
外側シェル168の把持リブ169cが解放されると、上面および下面、ならびに係合指部169aおよび係合歯169bは、それらの初期位置に向かって内向きに戻される。この様式で、係合歯169bは、係合開口218内に受容され、それによって、エンドエフェクタアセンブリ100をハンドピースアセンブリ200と係合させる。ハンドピースアセンブリ200からのエンドエフェクタアセンブリ100の係合解除および解放は、反対の様式で作用する。
【0059】
エンドエフェクタアセンブリ100は、ハンドピースアセンブリ200に対して接近して、上記で詳述された係合に影響を与えるので、ハンドピースアセンブリ200の駆動ロータ260の本体264は、近位ドライバ182の近位本体部分183aの近位に面する空洞183e内に、例えば、その少なくとも部分的に相補的な構成により、それとの固定された回転配向で受容され、一方でドライブロータ260のベース262は、ロックアウトキャップ170の近位停止リング172の近位に面する表面に接触して、付勢部材176の付勢(それによる、圧縮付勢部材176)に抗して、近位停止リング172を遠位に押し付ける。この様式で、近位ドライバ182のタブ183dは、近位停止リング172の凹部173に対して配設され、凹部173内から取り外され、それによって、近位ドライバ182をロックアウトキャップ170およびハブハウジング161から回転してロック解除し、したがって内側シャフト140を外側シャフト120(
図1~
図3を参照)に対する固定位置からロック解除する。
【0060】
エンドエフェクタアセンブリ100が上述のようにハンドピースアセンブリ200と係合した状態で、エンドエフェクタアセンブリ100のRFIDチップ190は、ハンドピースアセンブリ200のRFIDトランシーバ290と垂直に位置合わせして配設され、例えば、RFIDトランシーバ290は、エンドエフェクタアセンブリ100およびハンドピースアセンブリ200を通して画定される長手方向軸に対してRFIDチップ190と半径方向に位置合わせされ、かつRFIDチップ190の半径方向外向きに配設され、ハンドピースアセンブリ200との係合を可能にするために、エンドエフェクタアセンブリ100の必要な配向により、例えば、その結果、係合歯169bは、係合開口218内で受容される。このため、エンドエフェクタアセンブリ100がハンドピースアセンブリ200と係合する状態で、RFIDトランシーバ290は、RFIDチップ190にデータを書き込み、RFIDチップ190からデータを読み出してもよく、および/または、例えば、ケーブル300を介して、制御ユニットへの書き込みデータ、制御ユニットからの読み出しデータを通信してもよい。
【0061】
エンドエフェクタアセンブリ100のRFIDチップ190上に記憶されたデータは、アイテム番号、例えば、SKU番号、製造日、例えば、場所コードなどの製造場所、シリアルナンバー、使用回数(RFIDトランシーバ290からRFIDチップ190にデータを書き込むことで更新され得る)、内側刃140のホーム/初期位置、回転タイプ(回転対振動)、RPM設定(デフォルト、高、中、低)、最大RPM、圧力設定情報、真空設定情報、流出設定情報、校正情報(例えば、歯車アセンブリ186の増幅/減衰情報、および/または暗号化キー(複数可)を含み得る。付加的な、または代替的なデータもまた企図される。
【0062】
図1、
図19、
図20、および
図23~
図24を参照すると、エンドエフェクタアセンブリ100が上記で詳述されたようにハンドピースアセンブリ200と係合している状態で、組織切除器具10は、使用の準備ができている。使用中、ハンドピースアセンブリ200のモータ250は、駆動ロータ260の回転を駆動するために作動する。モータ250の作動時に、モータ250の作動に対してヘッドスタートまたは遅延を伴って、またはそれから独立して、吸引が、例えば、流体管理システムの真空源を作動させることによって、組織切除器具10を通して確立される。
【0063】
モータ250の作動は、駆動ロータ260の回転を駆動し、これは、順に、近位ドライバ182の回転を中間ドライバ188aのドライバ回転に駆動し、順に、遠位ドライバ184の回転を駆動する。中間ドライバ188aおよび遠位ドライバ184の回転は、遊星歯車187bを、駆動アセンブリ180の長手方向軸の周囲で、ならびにハブハウジング161の細長いリング歯車181内および細長いリング歯車181に対して、集合的に回転させる。細長いリング歯車181内および細長いリング歯車181に対する遊星歯車187bの回転は、細長いリング歯車181との噛み合った係合により、その軸の周囲の各遊星歯車187bの回転に影響を与える。遊星歯車187bのそれらの軸の周囲での回転は、順に、遊星歯車187bと太陽歯車187aとの噛み合った係合により、太陽歯車187aの回転を駆動する。順に、太陽歯車187aは、内側シャフト140の近位端部分142の周囲の太陽歯車187aの固定された係合により、外側シャフト120に対する内側シャフト140の回転を駆動する。
【0064】
外側シャフト120およびハブハウジング161に対する内側シャフト140の回転はまた、らせん状チャネル185e内のカムフォロア163cの係合により、外側シャフト120に対する内側シャフト140の往復運動をもたらす。内側シャフト140が外側シャフト120に対して往復運動するので、駆動アセンブリ180は、ハブハウジング161に対して同様に往復運動し、遊星歯車187bがそれに沿って摺動するのでそれと動作可能な結合を維持され、細長いリング歯車181内で噛み合った係合を維持する。この様式で、モータ250およびロータ260によって提供された回転入力は、例えば、第1、第2、および第3の位置(
図1~
図3を参照)の間で、外側シャフト120に対する内側シャフト140の往復運動および回転をもたらす。
【0065】
図2および
図3をまた参照すると、外軸120に対する内側シャフト140の往復および回転は、内側シャフト140を通して適用された吸引とともに、組織が、外側シャフト120の窓128を通して引張られ、切断縁部129および/または切断縁部149によって切断され、ならびにその開放遠位端部146を介して内側シャフト140を通して近位に回収されることを可能にする。切断された組織は、流体および破片とともに、内側シャフト140を通して近位に吸引され、その開放近位端から出され、中間ドライバ188aを通して、その開放近位端から出され、その長手方向に延在するスロット183hを出る近位ドライバ182を通して、ハブハウジング161の近位延在部分164およびその出口出力開口部165を通して、ならびに最終的には、ハンドピースアセンブリ200の流出経路220を通って、流体管理システムの収集リザーバへの出力のための流出ポート400へ出される。
【0066】
図19および
図20を加えて参照すると、内側シャフト140が往復運動して回転する際、中間ドライバ188aの近位端上に係合した封止部188hが、近位ドライバ182を通して、および近位ドライバ182に対して往復運動する(および、実施形態では、異なる速度で回転する)。より具体的には、封止部188hは、最も近位の位置、例えば、内側シャフトの第1の位置(
図2)と、最も遠位の位置、例えば、内側シャフト140の閉位置との間で往復運動する。
【0067】
封止部188hが、最も近位の位置またはその近くに配設されるとき、封止部188hは、近位ドライバ182の内面に抗して液密封止を確立し、それによって、内側シャフト140の開放近位端部から、組織、流体、および破片の流路を封止する。このため、封止部188hが最も近位の位置に、またはその近くに配設されるとき、内側シャフト140を介して吸引は適用されない。封止部188hが、最も近位の位置から十分に変位するとき、流路が再確立され、組織、流体、および破片が、上記で詳述したように、組織切除器具10(
図23)を通して、近位に吸引することが可能になる。
【0068】
エンドエフェクタアセンブリ100がハンドピースアセンブリ200と係合すると、モータ250と関連付けられた制御プログラム(図示せず)は、駆動ロータ260の回転位置をホーム位置として記録し、起動後、駆動ロータ260が、例えば、外側シャフト120に対する内側シャフト140の閉位置などのホーム位置に対応する回転位置で停止することを確実とし得る。制御プログラムは、例えば、RFIDチップ190からの相関情報を利用して、例えば、駆動ロータ260の回転を内側シャフト140の回転と相関させて、内側シャフト140が各作動の後に、外側シャフト120に対して閉位置に戻ることを確実にすることができる。内側シャフト140の閉位置に対応するホーム位置に戻ると、近位ドライバ182もその初期回転位置に戻り、それによって、その外部カラー183cのタブ183dは、ロックアウトキャップ170の近位停止リング172の凹部173と回転的に位置合わせされ、その結果、エンドエフェクタアセンブリ100がハンドピースアセンブリ200から係合解除され、引き抜かれると、付勢部材176は、近位停止リング172を近位に戻し、それによってタブ183dを凹部173内で係合するように付勢し、ロック固定内側シャフト140を外側シャフト120に対して閉位置に再度係合する。
【0069】
概して、
図1および
図23を参照すると、使用中の手動把持および操作用に構成されたハンドピースアセンブリ200の代替として、組織切除器具10が、代替的に、ロボット外科用システムでの使用のために構成され得、ここでハンドルハウジング210が、ロボット外科用システムのロボットアームと係合するように構成される。ロボット外科用システムは、外科医を補助し、かつ遠隔操作(または部分的遠隔操作)を可能にするために様々なロボット要素を用いることができる。より具体的には、様々なロボットアーム、歯車、カム、プーリ、電気モータおよび機械モータなどが、この目的のために使用され得、手術または治療の過程で外科医を補助するようにロボット外科用システムが設計され得る。ロボット外科用システムは、遠隔操縦可能システム、自動可撓性外科用システム、遠隔的に可撓性外科用システム、遠隔関節運動外科手術システム、無線外科用システム、モジュール式または選択的に構成可能な遠隔動作式外科用システムなどを含み得る。
【0070】
ロボット外科用システムは、手術室に隣接するか、または遠隔場所に位置する1つ以上のコンソールと共に用いられ得る。この場合、外科医または看護師の1つのチームが、外科手術に対する患者の準備をし得、かつ別の外科医(または外科医のグループ)が、ロボット外科用システムを介して外科用デバイスを遠隔的に制御しながら、本明細書で開示される外科用デバイスを用いるロボット外科用システムを構成し得る。理解され得るように、高度に熟練した外科医は、自身の遠隔コンソールを離れずに複数の場所で複数の動作を行うことができ、これは、経済的に有利であり得、患者または一連の患者にとって有益であり得る。
【0071】
ロボット外科用システムのロボットアームは、典型的には、コントローラによって一対のマスターハンドルに結合される。ハンドルは、本明細書で説明される組織切除デバイスの使用を補完し得る、任意のタイプの外科用器具(例えば、エンドエフェクタ、把持器、ナイフ、はさみ、カメラ、流体送達デバイスなど)の作業端の対応する移動を生成するように、外科医によって移動され得る。マスターハンドルの移動は、作業端部が、外科医の動作手によって行われる移動とは異なるか、より小さいか、またはより大きい対応する移動を有するように、スケーリングされ得る。スケール因子またはギア比は、動作者が外科用器具(複数可)の作業端の分解能を制御できるように調節可能であり得る。
【0072】
本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示は当該技術分野が許容するのと同程度に広範であるべきであり、かつ本明細書は同様に読み取られるべきであると意図されているので、本開示はこれらの実施形態に限定されることを意図していない。したがって、上記の説明は、限定的であるとして解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は本明細書に添付されている特許請求の範囲および趣旨内での他の修正を想定するであろう。
【0073】
前述の開示は、例示および例としてある程度詳細に説明されているが、明確化または理解の目的で、特定の変更および修正が添付の特許請求の範囲内で実施され得ることは明らかであろう。