(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】衝立
(51)【国際特許分類】
A47G 5/00 20060101AFI20241101BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20241101BHJP
A47B 17/00 20060101ALI20241101BHJP
A47B 96/04 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
A47G5/00 G
A47B13/00 Z
A47B17/00 Z
A47B96/04 Z
(21)【出願番号】P 2020183353
(22)【出願日】2020-10-30
【審査請求日】2023-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074181
【氏名又は名称】大塚 明博
(74)【代理人】
【識別番号】100206139
【氏名又は名称】大塚 匡
(72)【発明者】
【氏名】大根田 真也
(72)【発明者】
【氏名】山形 正
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特許第6757056(JP,B1)
【文献】特開2003-341744(JP,A)
【文献】米国特許第04372086(US,A)
【文献】米国特許第03589046(US,A)
【文献】米国特許第06109329(US,A)
【文献】登録実用新案第3228003(JP,U)
【文献】株式会社ベルベ,飛沫感染防止対策に!透明「フィルム窓付きダンボールパーテーション」を徹底解説,ベルベ通信,株式会社ベルベ,2020年06月16日,[online],検索日2024年7月16日,インターネット<URL https://www.bellbe.co.jp/bellbemagazine/m20200616/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 5/00
A47B 13/00
A47B 17/00
A47B 96/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の柱枠と、該一対の柱枠間に渡される少なくとも上横枠で構成される板紙製の枠体内にシートを張設した
衝立であって、
前記柱枠は、下側をスタンド部とするスタンド部材と、中間部材と、上端部材の3部材により構成され、前記スタンド部材には、上側に上端から板紙厚と同寸の幅の第1スリットが縦方向に所定長さ形成されており、前記中間部材には、上下側にそれぞれ上下端から板紙厚と同寸の幅の第2スリットと第3スリットが縦方向に所定長さ形成されており、前記上端部材には、上下側にそれぞれ下上端から板紙厚と同寸の幅の第4スリットと第5スリットが縦方向に所定長さ形成されており、前記上横枠は、左右側の下縁からそれぞれ板紙厚と同寸の幅の第6スリットが縦方向に所定長さ形成されており、
前記スタンド部材の上側に形成されている第1スリットに前記中間部材の下側に形成されている第2スリットを交差させて差し込み前記スタンド部材と前記中間部材を結合させ、前記中間部材の上側に形成されている第3スリットに前記上端部材の下側に形成されている第4スリットを交差させて差し込み前記中間部材と前記上端部材を結合させ、前記上端部材の上側に形成されている第5スリットに前記上横枠の下側に形成されている第6スリットを交差させて差し込み前記上端部材と前記上横枠を結合させてなることを特徴とする衝立。
【請求項2】
前記スタンド部材、前記中間部材、前記上端部材及び前記上横枠に形成される第1スリット、第2スリット、第3スリット、第4スリット、第5スリット、第6スリットの深さ方向の長さは、前記スタンド部材の上側に形成されている第1スリットに前記中間部材の下側に形成されている第2スリットを交差させて差し込み結合させ、前記中間部材の上側に形成されている第3スリットに前記上端部材の下側に形成されている第4スリットを交差させて差し込み結合させ、そして、前記上端部材の上側に形成されている第5スリットに前記上横枠の下側に形成されている第6スリットを交差させて差し込み結合させたとき、前記スタンド部材の上辺と前記上端部材の下辺の間に、また、前記中間部材の上辺と前記上横枠の下辺の間に隙間が出ない長さに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の衝立。
【請求項3】
前記枠体は、一対の前記柱枠間に下横枠が渡されていることを特徴とする請求項1または2に記載の衝立。
【請求項4】
前記スタンド部材には、第1スリットの下位に板紙厚と同寸の横幅の開口部が縦方向に所定長さ形成されており、前記下横枠は、縦幅が開口部に挿入可能な長さとなっており、左右側には下側からそれぞれ板紙厚と同寸の幅の第7スリットが縦方向に所定長さ形成されており、前記下横枠の左右側を一対の前記スタンド部材の開口部に挿入し、下横枠の下側に形成されている第7スリットをスタンド部材に差し込みスタンド部材と下横枠を結合させてなることを特徴とする請求項3に記載の衝立。
【請求項5】
前記下横枠に形成される第7スリットの長さは、前記下横枠の左右側を一対の前記スタンド部材の開口部に挿入し、前記下横枠の下側に形成されている第4スリットを前記スタンド部材に差し込み結合させたとき、前記下横枠の上辺と前記中間部材の下辺の間に隙間が出ない長さに設定されていることを特徴とする請求項4に記載の衝立。
【請求項6】
前記板紙は段ボールシートであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の衝立。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に飛沫に含まれる細菌やウイルスによる感染を防ぐものとして好適な衝立に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス、会議室、ホテル、病院などで、飛沫に含まれる細菌やウイルスによる感染を防ぐために、テーブルやカウンターなどの上に衝立を設置するといったことが行われている。
【0003】
従来、飛沫感染を防止する衝立として、例えば、特許文献1に、左右の支柱と、左右の支柱間の上側に架設される水平部材と、左右の支柱をカウンターまたはテーブルの上面に安定姿勢に保持する支持部を備える木製やアルミニウムなどの金属製のスタンド本体と、透視性を備え、上方から前記スタンド本体の水平部材および左右の支柱に対し、当該左右の支柱の途中まで、カウンターまたはテーブルの上面との間に対面作業用の対面開口部を残して装着され、使用後に当該スタンド本体から上方に取り外し可能なフィルム状透視カバーを備える飛沫防止スタンドが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている飛沫防止スタンドは、左右の支柱と、左右の支柱間の上側に架設される水平部材と、左右の支柱をカウンターまたはテーブルの上面に安定姿勢に保持する支持部を備えるスタンド本体が、木製や金属製であるため製造に手間がかかり、また重量も大となるため搬送や設置作業に難が認められる。
【0006】
本発明の目的は、製造に手間がかからず且つ現場での組立が簡単であり、また軽量で取り扱いの容易な衝立を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、一対の柱枠と、該一対の柱枠間に渡される少なくとも上横枠で構成される板紙製の枠体内にシートを張設した衝立であって、前記柱枠は、下側をスタンド部とするスタンド部材と、中間部材と、上端部材の3部材により構成され、前記スタンド部材には、上側に上端から板紙厚と同寸の幅の第1スリットが縦方向に所定長さ形成されており、前記中間部材には、上下側にそれぞれ上下端から板紙厚と同寸の幅の第2スリットと第3スリットが縦方向に所定長さ形成されており、前記上端部材には、上下側にそれぞれ下上端から板紙厚と同寸の幅の第4スリットと第5スリットが縦方向に所定長さ形成されており、前記上横枠は、左右側の下縁からそれぞれ板紙厚と同寸の幅の第6スリットが縦方向に所定長さ形成されており、前記スタンド部材の上側に形成されている第1スリットに前記中間部材の下側に形成されている第2スリットを交差させて差し込み前記スタンド部材と前記中間部材を結合させ、前記中間部材の上側に形成されている第3スリットに前記上端部材の下側に形成されている第4スリットを交差させて差し込み前記中間部材と前記上端部材を結合させ、前記上端部材の上側に形成されている第5スリットに前記上横枠の下側に形成されている第6スリットを交差させて差し込み前記上端部材と前記上横枠を結合させてなることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、一対の柱枠と、該一対の柱枠間に渡される少なくとも上横枠で構成される板紙製の枠体内にシートを張設したので、構成が簡単であることから製造が容易であり、また、板紙製なので軽量化が図れ運搬や設置作業などを容易に行うことができる。
また、前記枠体を構成する一対の前記柱枠と、該一対の前記柱枠間に渡される前記上横枠は板紙製であるので、一枚の板紙を打ち抜くといった簡単な作業で前記柱枠と前記上横枠を容易に制作することができる。
また、前記スタンド部材の上側に形成されている第1スリットに前記中間部材の下側に形成されている第2スリットを交差させて差し込み前記スタンド部材と前記中間部材を結合させ、前記中間部材の上側に形成されている第3スリットに前記上端部材の下側に形成されている第4スリットを交差させて差し込み前記中間部材と前記上端部材を結合させ、前記上端部材の上側に形成されている第5スリットに前記上横枠の下側に形成されている第6スリットを交差させて差し込み前記上端部材と前記上横枠を結合させてなるので、簡単な作業で容易に組み立てることができる。
そして、組み立てにあっては、枠体は、柱枠を構成するスタンド部材、中間部材、上端部材と、上横枠を分解した状態で設置場所まで運び、そこで組み立てることができるので便利である。
また、枠体は、柱枠を構成するスタンド部材、中間部材、上端部材と、上横枠の4部材からなるので組み立て前の分解された状態ではコンパクトになり、持ち運びが容易で保管時の場所を取らない。また、組立式なので、必要が無くなったとき容易に解体し片付けることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記スタンド部材、前記中間部材、前記上端部材及び前記上横枠に形成される第1スリット、第2スリット、第3スリット、第4スリット、第5スリット、第6スリットの深さ方向の長さは、前記スタンド部材の上側に形成されている第1スリットに前記中間部材の下側に形成されている第2スリットを交差させて差し込み結合させ、前記中間部材の上側に形成されている第3スリットに前記上端部材の下側に形成されている第4スリットを交差させて差し込み結合させ、そして、前記上端部材の上側に形成されている第5スリットに前記上横枠の下側に形成されている第6スリットを交差させて差し込み結合させたとき、前記スタンド部材の上辺と前記上端部材の下辺の間に、また、前記中間部材の上辺と前記上横枠の下辺の間に隙間が出ない長さに設定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、前記スタンド部材、前記中間部材、前記上端部材及び前記上横枠で組み立てられる前記枠体には、前記スタンド部材の上辺と前記上端部材の下辺とが当接して間に隙間が出ず、また、前記中間部材の上辺と前記上横枠の下辺とが当接して間に隙間が出ないので、強固で且つ安定した状態に組み立てられる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の、前記枠体は、一対の前記柱枠間に下横枠が渡されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、前記枠体は、一層強固で且つ安定した状態に組み立てられる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の前記スタンド部材には、第1スリットの下位に板紙厚と同寸の横幅の開口部が縦方向に所定長さ形成されており、前記下横枠は、縦幅が開口部に挿入可能な長さとなっており、左右側には下側からそれぞれ板紙厚と同寸の幅の第7スリットが縦方向に所定長さ形成されており、前記下横枠の左右側を一対の前記スタンド部材の開口部に挿入し、下横枠の下側に形成されている第7スリットをスタンド部材に差し込みスタンド部材と下横枠を結合させてなることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、前記スタンド部材に前記下横枠を容易に組み付けることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の、前記下横枠に形成される第7スリットの長さは、前記下横枠の左右側を一対の前記スタンド部材の開口部に挿入し、前記下横枠の下側に形成されている第7スリットを前記スタンド部材に差し込み結合させたとき、前記下横枠の上辺と前記中間部材の下辺の間に隙間が出ない長さに設定されていることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、前記スタンド部材に前記下横枠を組み付けたとき、前記下横枠の上辺と前記中間部材の下辺が当接して間に隙間が出ないので、強固で且つ安定した状態に組み付けられる。
また、前記スタンド部材に設けた前記開口部に前記下横枠の左右側を挿入して組み付けたときに前記下横枠の上辺側に開口した状態で存在することになる前記開口部の口の一部が、前記下横枠の上辺に下辺が隙間なく当接する前記中間部材により覆われるので、見た目も良くなる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の、前記板紙は段ボールシートであることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、前記板紙は段ボールシートなので、軽量であり持ち運びに便利である。また、衝立としての使用後、リサイクルや燃料としての使用が可能であり、また廃棄が容易である。また、樹脂板や金属板に比べ安価に得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明に係る衝立によれば、一対の柱枠と、該一対の柱枠間に渡される少なくとも上横枠で構成される板紙製の枠体内にシートを張設したものであるので、製造に手間がかからず且つ現場での組立が簡単であり、また軽量で取り扱いが容易であり、オフィス、会議室、ホテル、病院などのテーブルやカウンターなどの上に設置することにより、飛沫感染を防止する衝立として使用することができる。また、枠体内に張設するシートとして不透明な材料を用いることにより、プライバシーを確保する衝立として使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る衝立の実施の形態の第1例を示す一部切欠き正面図である。
【
図4】本発明に係る衝立の実施の形態の第2例を示す一部切欠き正面図である。
【
図7】本発明に係る衝立の実施の形態の第3例を示す一部切欠き正面図である。
【
図9】
図7に示す枠体の一部省略分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る衝立の形態の一例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1~
図3は本発明に係る衝立の実施の形態の第1例を示すものであり、
図1は衝立の一部切欠き正面図、
図2は
図1に示す衝立の枠体を示す斜視図、
図3は
図2に示す枠体の分解斜視図である。
【0024】
第1例の衝立1は、一対の柱枠2,2と、該一対の柱枠2,2間に渡される上横枠3で構成される板紙製の枠体4内にシート5が張設されている。
【0025】
柱枠2,2と上横枠3で構成される枠体4を形成する板紙は、衝立1としての形状を保てる曲げ強度であれば特に限定されるものではなく、例えば、厚紙シート、段ボールシート等がある。第1例では、段ボールシートが使用されている。
【0026】
枠体4を構成する柱枠2,2にあっては、下側をスタンド部6aとするスタンド部材6と、中間部材7と、上端部材8の3部材により構成されている。
【0027】
スタンド部材6には、上側に上端から板紙厚と同寸の幅の第1スリット9が縦方向に所定長さ形成されており、中間部材7には、上下側にそれぞれ上下端から板紙厚と同寸の幅の第2スリット10と第3スリット11が縦方向に所定長さ形成されており、上端部材8には、上下側にそれぞれ上下端から板紙厚と同寸の幅の第4スリット12と第5スリット13が縦方向に所定長さ形成されている。また、上横枠3は、左右側の下縁からそれぞれ板紙厚と同寸の幅の第6スリット14,14が縦方向に所定長さ形成されている。
【0028】
そして、スタンド部材6の上側に形成されている第1スリット9に中間部材7の下側に形成されている第2スリット10を交差させて差し込みスタンド部材6と中間部材7を結合させ、中間部材7の上側に形成されている第3スリット11に上端部材8の下側に形成されている第4スリット12を交差させて差し込み中間部材7と上端部材8を結合させて柱枠2,2が組み立てられる。
【0029】
このようにして組み立てた柱枠2,2の上端部材8の上側に形成されている第5スリット13に上横枠3の下側に形成されている第6スリット14,14を交差させて差し込み上端部材8と上横枠3を結合させて枠体4が組み立てられる(
図3参照。)。
【0030】
スタンド部材6、中間部材7、上端部材8及び上横枠3に形成される第1スリット9、第2スリット10、第3スリット11、第4スリット12、第5スリット13、第6スリット14の深さ方向の長さは、スタンド部材6の上側に形成されている第1スリット9に中間部材7の下側に形成されている第2スリット10を交差させて差し込み結合させ、中間部材7の上側に形成されている第3スリット11に上端部材8の下側に形成されている第4スリット12を交差させて差し込み結合させ、そして、上端部材8の上側に形成されている第5スリット13に上横枠3の下側に形成されている第6スリット14,14を交差させて差し込み結合させたとき、スタンド部材6の上辺と上端部材8の下辺の間に、また、中間部材7の上辺と上横枠3の下辺の間に隙間が出ない長さに設定されている(
図2参照。)。
【0031】
上記の様にして組み立てられた枠体4に張設されるシート5にあっては、飛沫が遮断できれば特に限定されるものではなく、シート厚が5mm以下で、容易に加工でき、且つ変形可能な材料であることが好ましい。例えば、ビニールシート、薄手のダンボールシート、板紙、クラフト紙、新聞紙、模造紙、ペーパータオル等の衛生紙、気泡緩衝材、ウレタン等のスポンジシート、発泡スチロール、ゴムシート、アルミホイル、ラップフィルム、布、不織布などが使用できる。第1例では透明なビニールシートが使用されている。
【0032】
また、枠体4へのシート5の張設手段にあっては、特に限定されないが、例えば、テープ止めやピン止め、ステープラー止め、シート5と枠体4をゴム紐や紙紐、ビニール紐で結び固定する紐止め、またダブルクリップや目玉クリップ、洗濯バサミ等を用いた枠体4へのハサミ止めのような着脱可能な手段が好ましい。また、厚紙シートや段ボールシートを2枚以上重ねて枠体4を組み立てた場合は、重ね合わせた上横枠3および/または中間部材7で挟み込む形でシート5を設けてもよい。
【0033】
このように構成された第1例の衝立1によれば、柱枠2,2と、一対の柱枠2,2間に渡される上横枠3で構成される板紙製の枠体4内にシート5を張設したので、構成が簡単であることから製造が容易であり、また、板紙製なので軽量化が図れ運搬や設置作業などを容易に行うことができる。
【0034】
また、枠体4を構成する柱枠2,2と、柱枠2,2間に渡される上横枠3は板紙製であるので、一枚の板紙を打ち抜くといった簡単な作業で柱枠2,2と上横枠3を容易に制作することができる。
【0035】
第1例では、板紙は段ボールシートなので、軽量であり持ち運びに便利であり、衝立1としての使用後、リサイクルや燃料としての使用が可能であり、また廃棄が容易であり、また、樹脂板や金属板に比べ安価に得ることができる。
【0036】
また、第1例では、枠体4に張設されるシート5として透明なビニールシートを使用しているので、衝立1を挟んで相手の顔が見えることから、自然に近い形で会話することができる。また、シート5として不透明なシート材料を使用すれば、飛沫感染防止用としてだけではなく、プライバシーを確保した衝立として使用することができる。
【0037】
また、第1例では、枠体4を構成する柱枠2,2は、下側をスタンド部6aとするスタンド部材6と、中間部材7と、上端部材8の3部材により構成され、
スタンド部材6には、上側に上端から板紙厚と同寸の幅の第1スリット9が縦方向に所定長さ形成されており、中間部材7には、上下側にそれぞれ上下端から板紙厚と同寸の幅の第2スリット10と第3スリット11が縦方向に所定長さ形成されており、上端部材8には、上下側にそれぞれ上下端から板紙厚と同寸の幅の第4スリット12と第5スリット13が縦方向に所定長さ形成されており、また、上横枠3は、左右側の下縁からそれぞれ板紙厚と同寸の幅の第6スリット14,14が縦方向に所定長さ形成されているので、スタンド部材6の上側に形成されている第1スリット9に中間部材7の下側に形成されている第2スリット10を交差させて差し込みスタンド部材6と中間部材7を結合させ、中間部材7の上側に形成されている第3スリット11に上端部材8の下側に形成されている第4スリット12を交差させて差し込み中間部材7と上端部材8を結合させて柱枠2,2を組み立てることができ、このようにして組み立てた柱枠2,2の上端部材8の上側に形成されている第5スリット13に上横枠3の下側に形成されている第6スリット14,14を交差させて差し込み上端部材8と上横枠3を結合させて枠体4を組み立てることができる。
【0038】
そして、組み立てにあっては、枠体4は、柱枠2,2を構成するスタンド部材6、中間部材7、上端部材8と、上横枠3を分解した状態で設置場所まで運び、そこで組み立てることができるので便利である。
【0039】
また、枠体4は、柱枠2を構成するスタンド部材6、中間部材7、上端部材8と、上横枠3の4部材からなるので、組み立て前の分解された状態ではコンパクトになり、持ち運びが容易で保管時の場所を取らない。また、組立式なので、必要が無くなったとき容易に解体し片付けることができる。
【0040】
また、スタンド部材6、中間部材7、上端部材8及び上横枠3に形成される第1スリット9、第2スリット10、第3スリット11、第4スリット12、第5スリット13、第6スリット14の深さ方向の長さは、スタンド部材6の上側に形成されている第1スリット9に中間部材7の下側に形成されている第2スリット10を交差させて差し込み結合させ、中間部材7の上側に形成されている第3スリット11に上端部材8の下側に形成されている第4スリット12を交差させて差し込み結合させ、そして、上端部材8の上側に形成されている第5スリット13に上横枠3の下側に形成されている第6スリット14,14を交差させて差し込み結合させたとき、スタンド部材6の上辺と上端部材8の下辺の間に、また、中間部材7の上辺と上横枠3の下辺の間に隙間が出ない長さに設定されているので、スタンド部材6、中間部材7、上端部材8及び上横枠3で組み立てられる枠体4には、スタンド部材6の上辺と上端部材8の下辺とが当接して間に隙間が出ず、また、中間部材7の上辺と上横枠3の下辺とが当接して間に隙間が出ないので、強固で且つ安定した状態に組み立てられる。
【0041】
図4~
図6は本発明に係る衝立の実施の形態の第2例を示すものであり、
図4は第2例の衝立の一部切欠き正面図、
図5は
図4に示す衝立の枠体を示す斜視図、
図6は
図4に示す枠体の分解斜視図である。
【0042】
第2例の衝立1は、第1例の衝立1と基本構成において変わるところはなく、第1例と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
【0043】
第2例と第1例の違いは、第2例では枠体4にあって、柱枠2,2間に下横枠15が渡されている点にある。
【0044】
また、第2例では、柱枠2,2を構成するスタンド部材6に、第1スリット9の下位に板紙厚と同寸の横幅の開口部16が縦方向に所定長さ形成されている。下横枠15は、縦幅が開口部16に挿入可能な長さとなっており、左右側には下側からそれぞれ板紙厚と同寸の幅の第7スリット17,17が縦方向に所定長さ形成されている。
【0045】
そして、下横枠15の左右側をスタンド部材6の開口部16に挿入し、下横枠15の下側に形成されている第7スリット17,17をスタンド部材6に差し込みスタンド部材6と下横枠15を結合させて枠体4が組み立てられる(
図6参照。)。
【0046】
下横枠15に形成される第7スリット17,17の長さは、下横枠15の左右側をスタンド部材6の開口部16に挿入し、下横枠15の下側に形成されている第7スリット17,17をスタンド部材6に差し込み結合させたとき、下横枠15の上辺と中間部材7の下辺の間に隙間が出ない長さに設定されている(
図5参照。)。
その他の構成は第1例と同様なので、第1例の説明を援用する。
【0047】
このように構成された第2例の衝立1によれば、枠体4にあって、柱枠2,2間に下横枠15が渡されているので、枠体4は、下横枠15により一層強固で且つ安定した状態に組み立てられる。
【0048】
また、第2例では、柱枠2,2を構成するスタンド部材6に、第1スリット9の下位に板紙厚と同寸の横幅の開口部16が縦方向に所定長さ形成されており、また、下横枠15は、縦幅が開口部16に挿入可能な長さとなっており、左右側には下側からそれぞれ板紙厚と同寸の幅の第7スリット17,17が縦方向に所定長さ形成されているので、下横枠15の左右側をスタンド部材6の開口部16に挿入し、下横枠15の下側に形成されている第7スリット17,17をスタンド部材6に差し込みスタンド部材6と下横枠15を結合させることにより、スタンド部材6に下横枠15を容易に組み付けることができる。
【0049】
また、下横枠15に形成される第7スリット17,17の長さは、下横枠15の左右側をスタンド部材6の開口部16に挿入し、下横枠15の下側に形成されている第7スリット17,17をスタンド部材6に差し込み結合させたとき、下横枠15の上辺と中間部材7の下辺の間に隙間が出ない長さに設定されているので、強固で且つ安定した状態に組み付けられる。
また、スタンド部材6に設けた開口部16に下横枠15の左右側を挿入して組み付けたときに下横枠15の上辺側に開口した状態で存在することになる開口部16の口の一部が、下横枠15の上辺に下辺が隙間なく当接する中間部材7により覆われるので、見た目も良くなる。
なお、下横枠15は上横枠3と寸法およびスリット深さを同一としてもよい。また、下横枠15が2枚以上のシートを重ね合わせたものである場合、シート5を下横枠15のシート間に挟みこんでもよい。
その他の作用効果は第1例と同様なので、第1例の説明を援用する。
【0050】
図7~
図9は本発明に係る衝立の実施の形態の第3例を示すものであり、
図7は第3例の衝立の一部切欠き正面図、
図8は
図7に示す衝立の枠体を示す斜視図、
図9は
図7に示す枠体の一部省略分解斜視図である。
【0051】
第3例の衝立1は、第1例、第2例の衝立1と基本構成において変わるところはなく、第1例、第2例との同一の構成については同一の符号を付して説明する。
【0052】
第3例と第1例、第2例との違いは、第3例では枠体4を構成する一対の柱枠2,2におけるスタンド部材6が異なる長さとなっている点にある(
図7,
図8,
図9参照。)。
柱枠2,2におけるスタンド部材6の長さの差は、衝立1の設置場所に段差がある場合に対応できるよう、段差の距離に応じた差に設定されている。
その他の構成は第1例、第2例と同様なので、第1例、第2例の説明を援用する。
【0053】
このように構成された第3例の衝立1によれば、衝立1を設置する場所に段差があっても、安定した状態で設置することができる。
その他の作用効果は第1例、第2例と同様なので、第1例、第2例の説明を援用する。
【符号の説明】
【0054】
1 衝立
2 柱枠
3 上横枠
4 枠体
5 シート
6 スタンド部材
6a スタンド部
7 中間部材
8 上端部材
9 第1スリット
10 第2スリット
11 第3スリット
12 第4スリット
13 第5スリット
14 第6スリット
15 下横枠
16 開口部
17 第7スリット